無線通信システムにおいてマルチメディアストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための方法および装置
【課題】マルチメディア番組間の受信をシームレスに切り替える。
【解決手段】第1の時間間隔において第1の番組のためのベース情報を含む第1のベースストリームと第1の番組のためのさらなる情報を含む第1のエンハンスメントストリームとをデコードし、前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔において、前記第1の番組のための前記第1のベースストリームと第2の番組のための第2のベースストリームとをデコードし、前記第2の時間間隔の後の第3の時間間隔において、前記第2の番組のための前記第2のベースストリームと第2のエンハンスメントストリームとをデコードする。
【解決手段】第1の時間間隔において第1の番組のためのベース情報を含む第1のベースストリームと第1の番組のためのさらなる情報を含む第1のエンハンスメントストリームとをデコードし、前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔において、前記第1の番組のための前記第1のベースストリームと第2の番組のための第2のベースストリームとをデコードし、前記第2の時間間隔の後の第3の時間間隔において、前記第2の番組のための前記第2のベースストリームと第2のエンハンスメントストリームとをデコードする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2003年10月24日に出願された、「無線マルチキャストネットワークにおいてマルチメディアストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための方法](A Method for Seamlessly Switching Reception Between Multimedia Streams in a Wireless Multicast Network)というタイトルの米国仮出願第60/514,401の利益を請求する。
【0002】
この発明は一般に、通信に関し、特に、マルチメディアストリーム間の受信を切り替えるための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、ブロードキャスト、マルチキャスト、および/またはユニキャストサービスのためのマルチメディアストリームを同時に送信してもよい。データストリームは、無線装置により独立して受信されてもよいデータのストリームである。ブロードキャスト送信はサービスエリア内のすべての無線装置に送信され、マルチキャスト送信は無線装置のグループに送信され、ユニキャストは特定の無線装置に送信される。例えば、基地局は、基地局のサービスエリア内の無線装置により受信するために地上波の無線リンクを介してマルチメディア(例えば、テレビジョン)番組のための多数のデータストリームを送信してもよい。
【0004】
無線装置はいつなんどきでも基地局により送信されるマルチメディア番組の唯一つを受信してもよい。この番組を受信するために、無線装置は、番組のために基地局により送信されたすべてのデータストリームを識別し、関心のある各データストリームのための関連のあるパラメーター(例えば、どのようにしておよびどこで各データストリームが送信されるか)を決定し、これらのパラメーターに従って各データストリームをデコードし、さらに各デコードされたデータストリームを処理してユーザーに提示するために適した出力を発生する。無線装置は、選択された番組に対してデータストリームを連続的にデコードし、番組が受信のために選択されるかぎりストリーミングの方法でデコードされたデータを供給する。
【0005】
ユーザーが受信のために別のマルチメディア番組を選択するなら、無線装置は、典型的に新しい番組を獲得し、デコードし、および表示するためのタスクのセットを実行する必要がある。これらのタスクは現在の番組のデコーディングと処理を終了することと、新しい番組のために基地局により送信されたすべてのデータストリームを識別することと、新しい番組のために各データストリームのための関連のあるパラメーターを決定することと、そのパラメーターに従って各新しいデータストリームをデコードすることとを含んでいてもよい。無線装置は、古い番組のための最後のデコードされたフレームでディスプレイを「フリーズ」してもよいし、または、装置が新しい番組のためのタスクを実行している期間に青のまたは黒の背景でディスプレイを「ブランク」にしてもよい。新しい番組を獲得してデコードするのに必要な時間量は、ある無線システムの場合相対的に長い(例えば、1秒以上)かもしれない。この場合、全体の期間に対してディスプレイをフリーズしたりまたはブランクにしたりすることは、ユーザーを「いらいさせる」ことが分かるかもしれない。
【0006】
それゆえ、マルチメディア番組間の受信を切り替えるためのより良い技術の必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
マルチメディア番組/ストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための技術がここに提供される。これらの技術は、いくつかのインスタンスにおいて番組切換のためのより良いユーザー経験およびより高速な獲得速度を提供することができる。これらの技術は、現在選択されている番組の「連続したデコーディング」、今後予測される番組の「早期のデコーディング」、および時間補償されたビデオおよびオーディオ送信を含む。
【0008】
連続されたデコーディングの場合、新しい番組が選択された後であっても、新しい番組を受信しデコードするのに必要なオーバーヘッド情報が取得されるまで、現在の番組を受信し、デコードし、解凍し、(任意で)表示し続ける。ストリーム処理との関連で、「デコーディング」は物理層受信機処理またはチャネルデコーディングに言及し、「解凍」は高次層受信機処理またはソースデコーディング(例えば、ビデオおよびオーディオ解凍)に言及する。オーバーヘッド情報を取得した後に、無線装置は、新しい番組をデコードするが、現在の番組のために以前に取得したデコードされたデータで現在の番組を解凍し続ける。次に、無線装置は、この番組のデコーディングを完了した後に新しい番組を解凍する。現在および新しい番組が階層化されたコーディング(それは必要条件ではない)で送信されるなら、2つの番組間の遷移は、以下に記載するようによりスムーズに行われるかもしれない。
【0009】
早期のデコーディングの場合、無線装置は、ユーザー入力を受信し、ユーザー選択のための可能性を有する番組を識別する。ユーザー入力は、番組案内の喚起、番組案内を介したユーザーナビゲーション、遠隔性制御装置上のキーストローク等のためのものであってよい。識別された番組は、ユーザー入力により強調表示された番組であってもよいし、ユーザー入力に基づいて選択されることが今後予測される番組であってもよい。無線装置は、選択する前に識別された番組のデコーディングを開始するので、それが続けて選択されるなら、より短い時間量で番組を解凍し、表示することができる。また、無線装置は、新しい番組のためのユーザー選択を予期してあるタスク(例えば、連続的にオーバーヘッド情報を受信する)を実行し、それによりこの番組を早期にデコードし、解凍しおよび表示してもよい。
【0010】
時間補償された送信の場合、基地局は、無線装置におけるオーディオ処理遅延とビデオ処理遅延との間の差分に対処する方法で番組のためのビデオとオーディオを送信する。ビデオ処理遅延がADによるオーディオ処理遅延より長いなら、基地局は、ADによりビデオをより早く送信してもよい。従って、無線装置は、ビデオとオーディオの適切な時間調整を達成しながら、わずかなバッファリングでまたはバッファリングなしでオーディオとビデオを受信し、デコードし、解凍し、提示することができる。これは、その処理遅延がより短いので、番組変更の期間に無線装置がオーディオをより早く提示することを可能にし、従って番組変更に対してより高速な応答を提供することを可能にする。
【0011】
ここに記載される技術は、個々に適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。この発明の種々の観点および実施形態は、さらに以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、基地局と無線装置のブロック図を示す。
【図2】図2は典型的なスーパーフレーム構造を示す。
【図3】図3は、データチャネル上のデータストリームの送信を図解する。
【図4】図4は基地局における送信(TX)データプロセッサーを示す。
【図5】図5は無線装置における受信(RX)データプロセッサーを示す。
【図6】図6は、番組Aから番組Bに受信を切り替えるための時系列を示す。
【図7】図7は両方の番組のために使用される階層化されたコーディングを用いて番組Aから番組Bに受信を切り替えるための時系列を示す。
【図8】図8は、番組Aから番組Bに受信を切り替えるためのプロセスを示す。
【図9】図9は典型的なディスプレイスクリーンを示す。
【図10】図10は、番組案内のために維持された典型的な表を示す。
【図11】図11は、早期のデコーディングを有した番組間の受信を切り替えるためのプロセスを示す。
【図12】図12は、ビデオとオーディオの時間調整された送信を示す。
【図13】図13は、ビデオとオーディオの時間補償された送信を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の特徴、性質及び利点は、類似による参照文字が相応して、全体で特定する図面と関連して解釈されるときに後述される詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【0014】
ここに使用される「典型的な」という用語は、例、インスタンス、または例証として機能することを意味するために使用される。「典型的な」としてここに記載されるいかなる実施形態または設計は、他の実施形態または設計に対して好適であるまたは利点があるとして必ずしも解釈される必要はない。
【0015】
マルチメディアストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための技術は、無線通信システム、有線通信システム、時分割多元接続(TDM)システム、周波数分割多元接続(FDM)システム、符号分割多元接続(CDM)システム、単一キャリアシステム、およびマルチキャリアシステムのために使用してもよい。多重キャリアは、直交周波数分割多重化(OFDM)、いくつかの他のマルチキャリア変調技術、またはその他の構成により提供されてもよい。また、ここに記載された技術は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス、およびユニキャストサービスに使用されてもよい。明確にするために、これらの技術は、特定の連結されたコーディングスキーム、特定のフレーム構造、および特定の送信スキームを採用する典型的な無線通信システムに対して以下に記載される。
【0016】
図1は、無線通信システム100における基地局110と無線装置150のブロック図を示す。基地局110は一般に固定局であり、ベーストランシーバーシステム(BTS)、アクセスポイント、送信機、またはその他の用語で呼んでもよい。無線装置150は固定であってもよいしまたはモバイルであってもよく、また、ユーザー端末、移動局、受信機、またはその他の用語で呼んでもよい。また、無線装置150は、携帯電話、ハンドヘルド装置、無線モジュール、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等のような携帯装置であってもよい。
【0017】
基地局110において、TXデータプロセッサー120は、データソース112から複数(T)のデータストリーム(または、「トラフィックデータ」)を受信し、各データストリームを処理し(例えば、圧縮し、符号化し、インターリーブし、およびシンボルマッピングし)、データシンボルを生成する。ここに使用されるように、「データシンボル」はトラフィックデータのための変調シンボルである。「パイロットシンボル」は、パイロット(これは、基地局と無線装置の両方により先験的に知られるデータである)のための変調シンボルである。変調シンボルは、変調スキーム(例えば、M−PSK、M−QAM等)のための信号コンステレーション(constellation)におけるあるポイントのための複素値である。マルチプレクサー(Mux)/変調器130は、すべてのデータストリームのためのデータシンボルを受信し、パイロットシンボルと多重化し複合シンボルストリームを生成する。変調器130は、複合シンボルストリームに対して変調を実行し、データサンプルのストリームを生成する。送信機ユニット(TMTR)132は、データサンプルストリームをアナログ信号に変換し、さらにアナログ信号を条件付けして(例えば、増幅し、フィルターし、周波数アップコンバートする)変調された信号を生成する。次に、基地局110は、アンテナ134からの変調された信号をシステム内の無線装置に送信する。
【0018】
無線装置150において、基地局110から送信された信号は、アンテナ152により受信され受信機ユニット(RCVR)154により供給される。受信機ユニット154は、受信された信号を条件づけし(例えば、フィルターし、増幅し、周波数変換し、デジタル化する)、入力サンプルのストリームを供給する。復調器/デマルチプレクサー(DemodDemux)160は入力サンプルに復調を実行し、関心のある1つ以上のデータストリーム(例えば、選択されたマルチメディア番組のためのすべてのデータストリーム)のための受信されたシンボルを取得する。復調器160はさらに受信されたシンボルに検出(例えば、等化または整合フィルタリング)を実行し、検出されたデータシンボルを取得する。検出されたデータシンボルは、基地局110により送信されたデータシンボルの推定値である。RXデータプロセッサー170は各選択されたデータストリームに対して検出されたデータシンボルを処理し(例えば、シンボルデマッピングし、デインターリーブし、デコードし、解凍する)そのストリームのための出力データを供給する。復調器160およびRXデータプロセッサー170による処理は、基地局110において、それぞれ変調器130およびTXデータプロセッサー120による処理と相補的である。ポストプロセッサー180は、選択されたデータストリームのための出力データを処理し(例えば、アナログに変換し、フィルターし、増幅する)、電子ディスプレイユニット(例えば、LCDスクリーン)、オーディオユニット184(例えば、ラウドスピーカー)、および/または他の出力装置上に提示するのに適した出力信号を生成する。
【0019】
コントローラー140および190は、それぞれ基地局110と無線装置150における動作を指示する。メモリユニット142および192は、それぞれコントローラー140および190により使用される番組コードおよびデータのための記憶装置を提供する。
【0020】
コントローラー140またはスケジューラー144は、基地局110により送信されたデータストリームのためにリソースを割り当ててもよい。
【0021】
基地局110は、マルチメディア(例えばテレビジョン)番組のための、およびビデオ、オーディオ、文字多重放送、データ、ビデオ/オーディオクリップ等のようなマルチメディアコンテンツのためのTのデータストリームを送信してもよい。単一のマルチメディア番組は、複数のデータストリーム、例えば、ビデオ、オーディオ、およびデータのための3つの別個のデータストリームで送信されてもよい。これは、無線装置がマルチメディア番組のビデオ部分、オーディオ部分およびデータ部分を独立して受信することを可能にする。また、単一のマルチメディア番組は、例えば、異なる言語のために複数のオーディオストリームを有していてもよい。簡単にするために、以下の記載は、各データストリームが別個のデータチャネル上に送信されると仮定する。このデータチャネルはまた多重論理チャネル(MLC)とも呼ばれる。この場合、データストリームとMLCsの間に1対1の関係がある。一般に、各MLC/データチャネルは、任意の数のデータストリームを運んでもよい。基地局110は種々の送信スキームを用いてデータストリームを送信してもよい。その1つが以下に記載される。
【0022】
図2は、システム100のために使用してもよい典型的なスーパーフレーム構造200を示す。トラフィックデータは、スーパーフレームで送信してもよい。各スーパーフレーム210は、所定の時間期間(例えば、ほぼ1秒)を有する。また、スーパーフレームは、フレーム、タイムスロット、その他の用語で呼んでもよい。図2に示される実施形態の場合、各スーパーフレーム210は、パイロットのためのフィールド220、1つ以上のオーバーヘッド/制御情報シンボル(OIS)のためのフィールド230およびトラフィックデータのためのフィールド240を含む。無線装置は、同期(例えば、フレーム検出、周波数誤差推定、およびタイミング取得)のためにおよび恐らくチャネル推定のためにパイロットを使用してもよい。オーバーヘッド情報は、送信されるTのデータストリームのための種々のパラメーター(例えば、スーパーフレーム内の各データストリームの時間−周波数ロケーション)を示してもよい。Tのデータストリームは、フィールド240で送信される。図2に示される実施形態の場合、フィールド240は、さらに、データ送信を容易にするために4つの等しいサイズのフレーム242a乃至242dに分割される。一般にスーパーフレームは、任意の時間期間であってよく任意の数のフィールドとフレームを含んでいてもよい。また、パイロットとオーバーヘッド情報も図2に示される方法と異なる他の方法で送信してもよい。
【0023】
図3は、MLC上のデータストリームの典型的な送信を図解する。データストリームは、データブロックで処理される。Mのデータブロックは、各スーパーフレーム内のMLC上に送信してもよく、ただしM>0であり、スーパーフレームからスーパーフレームに変更してもよい。各データブロックは、情報ビットの特定番号を含んでおり、コードブロックを生成するために外部コードで別々にエンコードされる。次に、各コードブロックは4つのサブブロックに分割され、各サブブロックは内部コードで符号化され、MLCのために選択された「モード」に基づいて変調される(すなわち、変調シンボルにマッピングされる)。モードは内部コードレートおよびMLCのために使用される変調スキームを示してもよい。各コードブロックの変調シンボルの4つのサブブロックは、1フレームあたり1つのサブブロックの割合で、1つのスーパーフレームの4つのフレームで送信され、時間ダイバーシティと堅固な受信性能を達成する。フレームごとに、MのコードブロックのためのMのサブブロックは、MLCに割り当てられたフレームの部分で送信される。
【0024】
各MLCはそのMLCにより運ばれるデータストリームの性質に応じておよび恐らく他の要因に応じて、連続的なまたは非連続的な方法で送信されてもよい。各スーパーフレームに対して、「アクティブな」MLCは、そのスーパーフレームで送信されているMLCである。各アクティブMLCは、1つまたは複数のデータブロックをスーパーフレームで運んでもよい。リソースのアロケーションと割当を簡単にするために、各アクティブMLCは、図3に示すように、4つのフレームのために同じリソース割当(例えば、同じ時間−周波数ロケーション)が許可される。
【0025】
図2を参照すると、各スーパーフレームのためのOISは、そのスーパーフレームで送信されたすべてのアクティブなMLCsのための「複合」オーバーヘッド情報を運んでもよい。複合オーバーヘッド情報は、アクティブなMLCのための関連のあるパラメーター(例えば、スーパーフレーム内のMLCの時間−周波数ロケーション)を伝達する。さらに、各MLCは、そのMLCの送信に関連する「埋め込まれた」オーバーヘッド情報を次のスーパーフレームで運んでもよい。埋め込まれたオーバーヘッド情報は、そのスーパーフレームで送信されたOISをチェックする必要なしに無線装置が次のスーパーフレームでMLCの送信をリカバーすることを可能にする。無線装置は最初にOIS内の複合オーバーヘッド情報を使用して関心のある各データストリームの時間−周波数ロケーションを決定してもよく、その後に埋め込まれたオーバーヘッド情報を用いてデータストリームが送信されている期間だけ電源をオンにするようにしてもよい。各MLCのために使用される外部コードおよびモードは、OISでまたは別個の制御チャネルで送信されてもよい。明確にするために、以下の記載は、各スーパーフレームのためのOISがそのスーパーフレームで送信された各MLCを受信するために必要とされるすべてのパラメーターを運ぶと仮定する。
【0026】
図4は基地局110におけるTXデータプロセッサー120の一実施形態のブロック図を示す。簡単にするために、図4は1つのマルチメディア番組のためのビデオとオーディオのための処理を示す。また、図4は「階層化されたコーディングの使用を示す。それによりデータストリームは2つのサブストリームとして送信される。2つのサブストリームは、ベースストリームとエンハンスメントストリームと呼ばれる。ベースストリームはすべての無線装置のためのベース情報を運んでもよく、エンハンスメントストリームはより良いチャネル条件を観察する無線装置のためのさらなる情報を運んでもよい。階層化されたコーディングで、ベースストリームとエンハンスメントストリームは別個に符号化され変調され2つの変調シンボルストリームを発生する。2つの変調シンボルストリームは結合された1つのデータシンボルストリームを取得する。
【0027】
TXデータプロセッサー120内では、ビデオエンコーダー410は、マルチメディア番組のビデオ部分のためのビデオデータストリーム{ix}を受信して圧縮し、ビデオ部分のためのベースストリーム{dxb}およびエンハンスメントストリーム{dxe}を供給する。ビデオエンコーダー410は、MPEG−2(ムービングピクチャーイクスパーツグループ)を実施してもよく、ビデオデータストリームのための内部符号化された(intra-coded)(I)フレーム、フォワード予測(P)フレーム、および双方向予測(B)フレームのシーケンスを発生してもよい。ベースストリーム{dxb}はIフレームおよびPフレームを含むことがあり、エンハンスメントストリーム{dxe}はBフレームおよびおそらくPフレームを含むことがある。一般に、ビデオエンコーダー410は、任意のビデオ圧縮スキームを実施してもよく、ベースストリームおよびエンハンスメントストリームは、任意のタイプのフレームおよびフレームの任意の組み合わせを含むことがある。
【0028】
TXベースストリームプロセッサー420は、ビデオベースストリーム{dxb}を受信して処理する。プロセッサー420内では、外部エンコーダ/インタリーバー422は、ビデオベースストリーム内の各データブロックをエンコードし、コードブロックを発生する。各データブロックはKのデータパケットを含み、例えば、(N,K)リードソロモンコードを用いて外部エンコードされ、Nの外部コード化されたパケットを有するコードブロックを発生してもよい。例えば、12のデータパケットを有するデータブロックは、レート3/4リードソロモンコードで外部エンコードし、16の外部コード化されたパケットを有するコードブロックを発生してもよい。また、外部エンコーダー422は、エラー検出のために(すなわち、パケットが正しくデコードされたかまたはエラーでデコードされたかどうかを決定するために)使用される巡回冗長検査(CRC)値を発生して各外部コード化されたパケットに付加する。インターリーバー422は、各コードブロックを4つのフレームのための4つのサブブロックに分割し、さらにフレーム毎に外部コード化されたパケットをインターリーブ(すなわち、順序付ける(reorder))する。内部エンコーダー/インターリーバー424は、例えば、ターボコードを用いて各外部コード化されたパケットをエンコードし、内部コード化されたパケットを発生する。インターリーバー424は、各内部コード化されたパケット内にビットをインターリーブし、インターリーブされたパケットを発生する。シンボルマッピングユニット426は、インターリーバー424からのビットをビデオデータストリームのために選択された変調スキーム(例えば、QPSKまたは16−QAM)に基づいて変調シンボルにマッピングし、ビデオベースストリームのための第1の変調シンボルストリーム{sxb}を供給する。
【0029】
TXエンハンスメントストリームプロセッサー430は、ビデオエンハンスメントストリーム{dxe}を処理し、第2の変調シンボルストリーム{sxe}を供給する。プロセッサー430は、ベースストリームまたは異なるストリームのためにプロセッサー420により使用される同じ外部コード、内部コード、および変調スキームを使用してもよい。結合器440は、第1および第2の変調シンボルストリームを受信し、それぞれ利得GbsおよびGesで倍率をかけ、倍率のかけられた変調シンボルストリームを結合してビデオ部分のためのデータシンボルストリーム{sx}を発生する。利得GbsおよびGesは、それぞれベースストリームおよびエンハンスメントストリームのための送信電力の量(および従ってサービスエリア)を決定する。階層化されたコーディングが使用されないなら、ビデオエンコーダー410は1つのデータストリーム{dx}を供給し、プロセッサー420は、このデータストリームを符号化し、データシンボルストリーム{sx}を発生する。そしてプロセッサー430と結合器440は必要ない。
【0030】
オーディオエンコーダー450は、マルチメディア番組のオーディオ部分のためのオーディオデータストリーム{iy}を受信して符号化し、オーディオ部分のためのベースストリーム{dyb}およびエンハンスメントストリーム{dye}を供給する。オーディオエンコーダー450は任意のオーディオ圧縮スキームを実施してもよい。ベースストリーム{dyb}はモノオーディオ(例えば、左プラス右、またはL+R)を含むことがあり、エンハンスメントストリーム{dye}はステレオオーディオ(例えば、左マイナス右、またはL−R)を含むことがある。
【0031】
TXベースストリームプロセッサー460は、オーディオベースストリーム{dyb}を受信して処理し、オーディオベースストリームのための第1の変調シンボルストリーム{syb}を供給する。プロセッサー460内では、オーディオベースストリームのためのデータブロックは、外部エンコーダー/インターリーバー462により外部エンコードされおよびインターリーブされ、さらに内部エンコーダー/インターリーバー464により内部エンコードされおよびインターリーブされ、シンボルマッピングユニット466により変調シンボルにマッピングされる。TXエンハンスメントストリームプロセッサー470はオーディオエンハンスメントストリーム{dye}を処理し、第2の変調シンボルストリーム{sye}を供給する。結合器480は、変調シンボルストリーム{syb}および{sye}を受信し、倍率をかけ、結合してオーディオ部分のためのデータシンボルストリーム{sy}を発生する。階層化されたコーディングが使用されないなら、オーディオエンコーダー450は1つのデータストリーム{dy}を供給し、プロセッサーは、このデータストリームをエンコードしてデータシンボルストリーム{sy}を発生し、プロセッサー470と結合器480は必要ない。
【0032】
ビデオエンコーダ410およびオーディオエンコーダ450はデータストリームのために高次層処理(または「圧縮」)を実行する。プロセッサー420,430,460,470、および結合器440,480は、データストリームのために物理層処理(または「符号化」)を行なう。他のマルチメディア番組および/または他のコンテンツは、図4に示される方法と同様の方法で圧縮され符号化されてもよい。
【0033】
図5は、無線装置150においてRXデータプロセッサー170の一実施形態のブロック図を示す。簡単にするために、図5は、1つのマルチメディア番組のためのビデオおよびオーディオのための処理を示す。RXデータプロセッサー170内では、RXベースストリームプロセッサー520とRXエンハンスメントストリームプロセッサー530は復調器160から検出されたデータシンボルストリーム
【数1】
【0034】
を受信する。このシンボルストリームはビデオ部分のためのデータシンボルストリーム{sx}の推定値である。プロセッサー520内では、シンボルデマッパー522は、検出されたデータシンボルをデマッピングし、検出されたビットを供給する。検出されたビットは、対数尤度比(LLRs)として表してもよい。ユニット522は、RXデータプロセッサー170の代わりに復調器160の一部であってもよい。内部デインターリーバー/デコーダー524は、内部コードに基づいて各パケットのための検出されたビットをデインターリーブしてデコードし、内部デコードされたパケットを供給する。また、デコーダー524は、パケットに付加されたCRC値で、各内部デコードされたパケットをチェックする。外部デインターリーバー/デコーダー526は、各フレームに対して内部デコードされたパケットをデインターリーブする。与えられたコードブロック内の任意のパケットがエラーでデコードされるなら、デコーダー526は、例えば、(N,K)リードソロモンコードに基づいてそのコードブロックのためのNの内部デコードされたパケットに対して外部デコーディングを実行し、そのコードブロックのためのK個の外部デコードされたパケットを供給する。コードブロック内のパケットがエラーで内部デコードされないなら、外部デコーディングはスキップしてもよい。プロセッサー520は、デコードされたビデオベースストリーム
【数2】
【0035】
を供給する。
【0036】
プロセッサー530は、検出されたシンボルストリーム
【数3】
【0037】
を処理し、デコードされたビデオエンハンスメントストリーム
【数4】
【0038】
を供給する。ビデオデコーダー540は、デコードされたベースストリームとエンハンスメントストリームを受信し、基地局において実行されたビデオ圧縮と相補的な方法でビデオ解凍を実行し、解凍されたビデオデータストリーム
【数5】
【0039】
を供給する。マルチプレクサー544は、解凍されたビデオデータストリーム
【数6】
【0040】
とビデオバッファーからの補助ビデオストリーム{ux}を受信し、出力データストリーム{vx}としてストリーム
【数7】
【0041】
または{ux}を供給する。ビデオバッファー542は、あらかじめ記録されたビデオクリップ、ロゴ、広告、テキストメッセージ等を記憶してもよい。例えば、ビデオバッファー542からのコンテンツは、新しい番組の取得が進行中であるという表示をユーザーに与えるために、番組変更間にビデオバッファー542からのコンテンツを表示してもよい。
【0042】
RXベースストリームプロセッサー560とRXエンハンスメントストリームプロセッサー570は、検出されたシンボルストリーム
【数8】
【0043】
を受信する。このシンボルストリームはマルチメディア番組のオーディオ部分のデータシンボルストリーム{sy}の推定値である。プロセッサー560内では、シンボルデマッピングユニット562は、検出されたデータシンボルをデマッピングし、検出されたビットを供給する。ユニット562は、RXデータプロセッサー170の代わりに復調器160の一部であってもよい。内部デインターリーバー/デコーダー564は各パケットに対して検出されたビットをデインターリーブおよびデコードし、内部デコードされたパケットを供給する。また、デコーダー564はパケットに付加されたCRC値を用いて各内部デコードされたパケットをチェックする。外部デインターリーバー/デコーダー566は、各フレームに対して内部デコードされたパケットをデインターリーブする。少なくとも1つのパケットエラーを有する各コードブロックに対して、デコーダー566は、そのコードブロックのための内部デコードされたパケットに対して外部デコーディングを実行し、外部デコードされたパケットを供給する。プロセッサー560は、デコードされたオーディオベースストリーム
【数9】
【0044】
を供給する。
【0045】
プロセッサー570は検出されたデータシンボルストリーム
【数10】
【0046】
を処理し、デコードされたオーディオエンハンスメントストリーム
【数11】
【0047】
を供給する。オーディオデコーダー580は、基地局において実行されるオーディオ圧縮と相補的な方法でデコードされたベースストリームおよびエンハンスメントストリームを受信して解凍し、解凍されたオーディオデータストリーム
【数12】
【0048】
を供給する。マルチプレクサー584は、解凍されたオーディオデータストリーム
【数13】
【0049】
とオーディオバッファー582からの補助オーディオストリーム{uy}を受信し、出力データストリーム{vy}としてストリーム
【数14】
【0050】
または{uy}を供給する。オーディオバッファー582は、あらかじめ記録されたオーディオクリップ、広告等を記憶してもよい。
【0051】
プロセッサー520,530,560および570はデータストリームのための物理層受信機処理(または「デコーディング」)を行なう。ビデオデコーダー540とオーディオデコーダー580はデータストリームのための高次層受信機処理(または「解凍」)を行なう。他のマルチメディア番組のための他のデータストリームおよび/または他のコンテンツを、図5に示される方法と類似した方法でデコードし、解凍してもよい。
【0052】
1. 継続的デコーディング
図6は、現在のマルチメディア番組Aから新しいマルチメディア番組Bへの受信をシームレスに切り替えるための時系列を示す。最初に、スーパーフレームnにおいて、無線装置は、番組Aをデコードし、解凍し、表示する。時刻T1において、ユーザーは新しい番組Bを選択する。この時に、無線装置は番組Bをデコードするのに必要なオーバーヘッド情報を有していない。ディスプレイをフリーズするかまたはブランクにする代わりに無線装置は、スーパーフレームnで番組Aをデコードし、解凍し、(任意で)表示する。
【0053】
次のスーパーフレームn+1の開始である時刻T2において、無線装置は、このスーパーフレームのためのOISを受信し、番組Bのためのオーバーヘッド情報を取得する。無線装置は、このオーバーヘッド情報を用いて、スーパーフレームn+1内の番組Bのデコーディングを開始することができる。無線装置は、番組Aのための以前のスーパーフレームにおいて取得されたデコードされたデータを用いてスーパーフレームn+1において番組Aを解凍し続ける。
【0054】
時刻T3において、無線装置は、スーパーフレームn+1のための番組Bのデコーディングを完了する。番組Bがレート3/4リードソロモンコードを使用し、各コードブロックのためのパリティパケットがフレーム4で送信されるなら、図6に示されるように、パケットがエラーで内部デコードされないなら、無線装置は、フレーム3内の番組Bのためのすべてのコードブロックをリカバーしてもよい。番組のデコーディングを完了したとき(例えば、図6に示すように、時刻T3において)スーパーフレームn+1において番組Bを早期に解凍を開始してもよい。また、無線装置は番組Bのための十分なデコードされたデータ(例えば、Iフレーム)を取得すると、早期に番組Bの解凍を開始してもよい。従って、無線装置は、スーパーフレームn+1の期間に番組Bの解凍を開始してもよい。あるいは、無線装置は、(図6に示されていない)次のスーパーフレームn+2の開始において番組Bの解凍を開始してもよい。
【0055】
T1とT3の間の時間は、新しい番組Bのための取得時間として見てもよい。取得時間は可変であり、次のOISに対してユーザー選択がいつ受信されるか、およびいつ番組Bの解凍が開始されるかに依存する。この取得時間は、OISがまれに(例えば、1秒毎に)送信されるならおよび/またはデコーディング遅延が長いなら相対的に長いかもしれない。取得時間中の番組Aの継続的なデコーディング、解凍、および(任意での)表示は、全取得時間中ディスプレイをフリーズまたはブランクにするよりも、より良いユーザー経験を提供するかもしれない。
【0056】
図7は、両方の番組のために使用される階層化されたコーディングを用いて現在のマルチメディア番組Aから新しいマルチメディア番組Bへの受信をシームレスに切り替えるための時系列を示す。最初に、スーパーフレームnにおいて、無線装置は、番組Aのためのベースストリームおよびエンハンスメントストリーム(BS&ES)をデコードし、解凍し、表示する。時刻T1において、ユーザーは新しい番組Bを選択する。無線装置は、この時点で番組Bをデコードするためのオーバーヘッド情報を持たないので、無線装置は、スーパーフレームn内の番組Aをデコードし、解凍し、および(任意で)表示し続ける。
【0057】
時刻T2において、無線装置は、次のスーパーフレームn+1のためのOISを受信し番組Bのためのオーバーヘッド情報を取得する。スーパーフレームn+1において、無線装置は、(例えば、図5におけるプロセッサー520および560を用いて)番組Aのためのベースストリームをデコードし続け、(通常は、エンハンスメントストリームのために使用されるが、ベースストリームも処理するように構成されてもよい、図5のプロセッサー530および570を用いて)番組Bのためのベースストリームのデコーディングを開始する。また、無線装置は、以前のスーパーフレームn内の番組Aのために取得されたデコードされたデータを用いてスーパーフレームn+1内の番組Aのためのベースストリーム(またはベースストリームとエンハンスメントストリームの両方)を解凍し続ける。
【0058】
時刻T3において、無線装置は、番組Bのためのベースストリームのデコーディングを完了する。無線装置は、スーパーフレームn+1において早期に(例えば、図7に示すように、時刻T3において)または、次のスーパーフレームn+2の開始時に番組Bの解凍を開始してもよい。スーパーフレームn+2において、無線装置は、番組Aのデコーディングを終了し、番組Bのためのベースストリームおよびエンハンスメントストリームのデコーディングを実行する。また、無線装置は、以前のスーパーフレームn+1内のこのベースストリームのために取得されたデコードされたデータを用いて番組Bのためのベースストリームを解凍する。時刻T5において、番組Bのためのエンハンスメントストリームのためのデコードされたデータが利用可能である。無線装置は、早期に(例えば、図7に示すように、時刻T5において)または、次のスーパーフレームn+3の開始時に番組Bのためのベースストリームおよびエンハンスメントストリームの両方の解凍を開始してもよい。
【0059】
図7で示すように、現在の番組Aから新しい番組Bへの遷移は、両方の番組が階層化されたコーディングを用いて送信されるなら、「よりスムーズに」行われるかもしれない。無線装置は、番組Aから番組Bに段階的に切り替えてもよい。無線装置は、第1の段階において、番組Aのためのベースストリームとエンハンスメントストリームの両方を受信し、第2の段階において、番組Aのためのベースストリームを受信し、次に、第3の段階において、番組Bのためのベースストリームを受信し、第4の段階において、番組Bのためのベースストリームとエンハンスメントストリームの両方を受信する。例えば、番組AまたはBが階層化されたコーディングを用いて送信されないなら、(図7に示すように)わずかなスーパーフレームで切換が実行されるなら等、1つ以上の段階を省略してもよい。
【0060】
図8は、現在のマルチメディア番組Aから新しいマルチメディア番組Bへの受信の切替のためのプロセス800のフロー図を示す。無線装置は、現在の番組Aを受信し、デコードし、解凍し、表示する(ブロック810)。無線装置は、新しい番組Bのためのユーザー選択を受信する(ブロック812)。ブロック816において決定されるように、無線装置は、新しい番組Bのためのオーバーヘッド情報が利用可能になるまで、現在の番組Aをデコードし、解凍し、および(任意で)表示し続ける(ブロック814)。この時に、無線装置は、新しい番組Bをデコードするが、現在の番組Aを解凍し、(任意で)表示し続ける(ブロック818)。ブロック820において決定されるように、新しい番組Bがデコードされると、無線装置は、新しい番組Bをデコードし、解凍し、表示する(ブロック822)。
【0061】
2.早期デコーディング
「継続的なデコーディング」のための上記記載は、新しい番組のユーザー選択より前に無線装置が番組変更のための情報を持たないことを仮定している。この場合には、無線装置は、ユーザー選択を受信した後に新しい番組のデコーディングを開始する。しかしながら、多くのインスタンスにおいて、無線装置は、ユーザーの以前の行動に関する情報を持っており、この情報を用いてユーザーの将来の選択を予測してもよい。番組間のより高速な切替を達成するために、無線装置は、ユーザーによる選択よりも前に番組のデコーディングを「早期に」実行してもよい。以下に記載するように、早期デコーディングは種々の方法で実行してもよい。
【0062】
図9は無線装置により発生された典型的なディスプレイスクリーン900を示す。この実施形態の場合、ディスプレイスクリーン900は2つの領域910および920を含む。領域910は、現在選択されたマルチメディア番組のためのビデオを示す。領域920は番組案内(PG)を示す。番組案内は、さまざまな番組チャネル上に示されている番組をリストアップしてもよい。一般に、ディスプレイスクリーン900は、任意のタイプのコンテンツを示すための任意の数の領域を含んでいてもよい。
【0063】
ユーザーは、無線装置または遠隔制御装置上の適切なキー(例えば、「番組メニュー」キー)をクリックすることによりいつでも番組案内を提示してもよい。また、ユーザーが指定されたキーのセットのいずれか1つ(例えば、「スクロールアップ」ボタンまたは「スクロールダウン」ボタン)をクリックするなら、無線装置は、番組案内を自動的に提示してもよい。いずれにせよ、無線装置は、番組案内を介してユーザーナビゲーションを監視し、次の番組選択を予測してもよい。
【0064】
図9に示される実施形態の場合、番組案内は、番組チャンネルのリストおよびこれらのチャンネル上に現在示されている番組を表示する。カーソル922は現在強調表示されている番組を示す。カーソル922はユーザーキーの作用に応答して番組案内を上下に移動する。ユーザーがカーソルを領域920の上段または下段を過ぎて移動させるなら、番組案内の別のセクションが検索されて領域920に表示される。
【0065】
図10は番組案内のために無線装置により維持される典型的な表1000を示す。表1000は迅速なアクセスのために無線装置内のキャッシュに記憶されてもよい。表1000は、番組チャンネルを記憶する列1012、番組名を記憶する列1014、各番組を運ぶために使用されるMLCsを記憶する列1016、各MLCのための適切なパラメーターを記憶する列1018、現在のスーパーフレームのために各MLCの時間−周波数ロケーションを記憶する列1020を含む。基地局は、列1012乃至1018のための情報を送信する。この情報はまれに変わるかもしれない。そして、無線装置は、必要に応じてこの情報を更新する。各MLCのための時間−周波数ロケーションは各スーパーフレームにおいて変化してもよい。無線装置が現在選択されたマルチメディア番組を連続的に受信しているなら、この番組のために使用される各MLCのための時間−周波数ロケーションは、上述したように、そのMLC上に送信された埋め込まれたオーバーヘッド情報から取得してもよい。無線装置は、ウエークアップする必要がないし、OISを受信する必要がないであろう。この場合、列1020における情報は、現在選択された番組のために使用されるMLCsを除くすべてのMLCsに対して古くなっているだろう。
【0066】
ユーザーが(例えば、キー/ボタン作用に基づいて)番組を変更しているかもしれないことを無線装置が検出するなら、無線装置は、各スーパーフレーム内のOISを受信することを開始してもよい。無線装置は、(1)番組案内のための領域920に表示される番組に使用されるMLCs、(2)現在のスーパーフレームに送信されるすべてのMLCs、または(3)MLCsのその他のグループのためのオーバーヘッド情報をセーブしてもよい。従って、無線装置は、次のスーパーフレームでOISを待つ必要なく、現在のスーパーフレーム内のこれらのMLCsのいずれかのデコーディングを開始することができるであろう。
【0067】
無線装置は、全体のコードブロックを受信せずに与えられたMLCに送信されたコードブロックをリカバーすることができるかもしれない。例えば、レート3/4リードソロモンコードがコードブロックのために使用され、(図3に示すように)コードブロックが4つのサブブロックに分割され、1つのスーパーフレームの4つのフレームに送信されるなら、無線装置は、これらのサブブロックのうちの3つだけを用いてコードブロックをリカバーすることができるかもしれない。無線装置は、フレーム1または2において開始するMLCをデコードすることによりコードブロックをリカバーすることができるかもしれない。従って、MLCをデコードするための表示がフレーム1の期間中に受信されるなら、無線装置は、フレーム2において、このMLCのデコーディングを開始することができ、次のスーパーフレームまで待つ必要がない。
【0068】
図9に戻ると、ユーザーは、番組案内をナビゲートすると、カーソル922は現在強調表示されている番組を示す。この番組に使用されるMLCsのためのオーバーヘッド情報が利用可能になるとすぐに、無線装置は、強調表示された番組のデコーディングを開始してもよい。上述したように、十分なリソースが無線装置において利用可能なら、現在選択されている番組および強調表示された番組を同時にデコードしてもよい。一実施形態において、無線装置は、この番組のためのデコードされたデータが利用可能になるとすぐに、強調表示された番組の解凍を開始する。解凍された後、無線装置は、任意でこの強調表示された番組を表示してもよい。他の実施形態において、ユーザーが強調表示された番組を選択するまで、無線装置は、現在選択された番組をデコードし、解凍し、表示し続ける。この実施形態の場合、無線装置はユーザー選択があり次第、強調表示された番組のためのデコードされたデータを使用してこの番組を迅速に切り替える。
【0069】
階層化されたコーディングが強調表示された番組のために使用されないなら、無線装置は、例えば図6に示すように、現在選択されている番組を解凍しながら、強調表示された番組をデコードしてもよい。デコードされたデータがこの番組のために利用可能になるとすぐに、無線装置は、強調表示された番組を解凍し表示してもよい。階層化されたコーディングが現在選択されている番組および強調表示された番組のために使用されるなら、無線装置は、たとえば、図7に示すように段階的に番組間で切り替えてもよい。無線装置は、両方の番組のためにベースストリームをデコードしてもよく、現在選択されている番組のためにベースストリームを解凍して表示してもよい。無線装置は、(1)デコードされたデータがこの番組のために利用可能になるとすぐに、および/または(2)ユーザーがこの番組を選択するなら、強調表示された番組のためのベースストリームを解凍して表示してもよい。ユーザーがこの番組を選択するなら、無線装置は、強調表示された番組のためにベースストリームおよびエンハンスメントストリームをデコードし、解凍し、表示してもよい。
【0070】
無線装置が現在強調表示された番組Yをデコードしており、ユーザーが別の番組Zを強調表示するなら、無線装置は、番組Zのためのオーバーヘッド情報が利用可能になるとすぐに番組Yの処理を終了し、番組Zのデコーディングを開始する。無線装置は種々の番組を介してユーザーナビゲーションを追跡し、現在強調表示されている番組がどれであってもデコードしようと試みる。これは、最新の強調表示された番組がユーザーにより次に選択されるなら、無線装置が最新の強調表示された番組を迅速に切り替えることを可能にする。
【0071】
上述したように、無線装置は、他の情報を考慮せずに強調表示された番組の早期のデコーディングを実行してもよい。また、無線装置は、例えばスクロールの方向、スクロールの速度、スクロールの方法等のような他の情報に基づいて次のユーザー選択を予測してもよい。
【0072】
例えば、ユーザーが現在の番組チャンネルから相対的に遠く離れた特定の番組チャンネルに到達しようとしているなら、ユーザーは継続的に「スクロールアップ」ボタンを押してもよい。この場合、無線装置は、「スクロールアップ」ボタンがリリースされるまで、迅速に変化している強調表示された番組を無視してもよい。次に、無線装置はボタンのリリースの後に最新の強調表示された番組の早期のデコーディングを実行してもよい。あるいは、無線装置は、現在強調表示されている番組より先にある番組をデコードしてもよい。この「将来」の番組は、スクロールの方向と速度に基づいて決定してもよい。高速スクロール中に中間の番組を表示することは、ユーザーに良好なフィードバックを提供することができる。
【0073】
別の例として、ユーザーは、番組チャンネルをサーフするために多少周期的なレートで「スクロールアップ」ボタンをクリックしてもよい。この場合、無線装置は、これらのタスクを実行するために十分な時間が与えられる各強調表示された番組をデコードし、解凍し、表示してもよい。また、無線装置は、ユーザーがこの方向にナビゲートするのを予測して(リソースが利用可能なら)現在強調表示された番組より先に1つ以上の番組をデコードしてもよい。例えば、4つの番組A、B、CおよびDがA乃至Dに順序づけられているなら、無線装置は、番組Aにおいてチャネルアップを受信すると番組BおよびCの獲得を開始してもよい。番組Bにおいてチャンネルアップを受信すると無線装置は、番組Bを放棄して番組CおよびDの獲得を開始してもよい。また、無線装置は、複数の方向に(例えば、チャンネルスクロールの反対の方向に)複数の番組の獲得を開始してもよい。
【0074】
ユーザーはテンキーを介してチャンネル番号を直接入力することにより新しい番組を選択してもよい。無線装置は、ユーザーにより入力されたキーに基づいて早期のデコーディングを開始してもよい。例えば、ユーザーは「3」をクリックして次に「8」をクリックし、次に「エンター(enter)」をクロックして番組チャンネル38に行ってもよい。ユーザーから「3」のキーストロークを受信すると無線装置は、(ユーザーがこのチャンネルを選択することを予想して)番組チャンネル3の早期のデコーディングを開始してもよく、および/または(ユーザーがチャンネル30乃至39の1つを選択することを予想して)番組チャンネル30乃至39のためのオーバーヘッド情報をセーブしてもよい。「8」キーストロークを受信すると、無線装置は、ユーザーがこのチャンネルを選択することを予想して番組チャンネル38の早期のデコーディングを開始してもよい。「エンター」キーストロークを受信すると、無線装置は、このチャンネルを解凍して表示してもよい。
【0075】
また、無線装置は、オーバーヘッド情報をセーブしてもよく、および/またはしばしばアクセスされる番組のための早期のデコーディングを実行してもよい。例えば、ユーザーは、(「ジャンプ」ボタンをクリックすることにより)関心のある2つの番組間で煩雑にまたは継続的にジャンプしてもよい。この条件を検出すると、無線装置は、次のジャンプを予想して両方の番組をデコードしてもよい。また、ユーザーは、番組チャンネルの小さな範囲間で前後にスクロールしてもよい。この条件を検出すると、無線装置は、スクロールにおいて次のチャンネル変化を予想して次の番組をデコードしてもよい。
【0076】
一般に、無線装置は、番組の早期デコーディングのための任意の適切な情報を使用してもよい。異なるキー入力(例えば、「スクロールアップ」、「ジャンプ」、数値番号等)は、次のユーザー選択を予測するために無線装置により使用されてもよい異なる情報を提供してもよい。無線装置は、ユーザーにより選択されるように予測される任意の番組、例えば現在強調表示されている番組、スクロールの方向にある番組等の早期のデコーディングを実行してもよい。
【0077】
図11は早期のデコーディングを用いてマルチメディア番組間の受信を切り替えるためのプロセス1100のフロー図を示す。無線装置は、例えばキー/ボタン作用に基づいて番組のユーザーナビゲーションを検出する(ブロック1112)。ブロック1114において決定されるように、ユーザーナビゲーションが決定されるなら、無線装置は、各スーパーフレームにおいてOISの処理を開始し、関心のあるMLCsのためのオーバーヘッド情報をセーブする(ブロック1116)。例えば、無線装置は、すべてのMLCsのためにオーバーヘッド情報、または番組案内スクリーン上に表示される番組に使用されるMLCsそのもの、またはMLcsのその他のグループをセーブしてもよい。
【0078】
ユーザーナビゲーションが検出された後に、無線装置は、ユーザー入力を監視する(ブロック1118)。ブロック1120において決定されるように、ユーザー入力が受信されるなら、無線装置は、このユーザー入力がチャンネル選択キーか否かを決定する(ブロック1122)。チャンネル選択キーは、新しい番組チャンネルのためのユーザー選択を示すキーであり、「エンター」キー、「チャンネルアップ」キー、「チャンネルダウンキー」および「ジャンプキー」を含んでいてもよい。チャンネル選択キーが受信されないなら、無線装置は、これまで受信したユーザー入力(複数の場合もある)に基づいてユーザー選択のための可能性を有した番組を識別する(ブロック1124)。上述するようにこの番組は、現在強調表示されている番組であってもよいしまたは数値および/または非数値キー入力に基づいて選択されることが予測される番組であってもよい。無線装置は、この識別された番組の早期のデコーディングを開始する(ブロック1126)。また、無線装置は、ユーザー選択の前に番組を解凍して(任意で)表示してもよい(ブロック1128)。あるいは、無線装置は、番組(図11に図示せず)を解凍して表示する前にこの番組のユーザー選択を待ってもよい。次に、プロセスはブロック1118に戻る。
【0079】
ブロック1122に戻り、チャンネル選択キーが受信されるなら、無線装置は、新しく選択された番組に切り替える。この選択された番組は以前のユーザー入力(複数の場合もある)に基づいて識別された番組であってもよい。次に、無線装置は、この選択された番組をデコードし、解凍し、表示する(ブロック1130)。次に、プロセスは、(図11に示すように)ブロック1118に戻ってもよいしまたはブロック1112に戻ってもよい。
【0080】
無線装置は、キー/ボタンが作用しない期間の後に第1のユーザー入力を受信することに応答してブロック1112乃至1116を実行してもよい。また、第1のユーザー入力はブロック1118および1120をトリガーし、適切に処理されるであろう。
【0081】
明確にするために、番組案内を介した番組選択について上述した。また、番組は、他の方法で、例えば、スクリーン上の選択方法を用いて選択してもよい。例えば、表示画面は1つ以上のアイコンを示してもよく、各アイコンは、特定の番組を表してもよい。いずれにせよ、無線装置は、番組が強調表示されるとすぐに、早期の番組獲得(例えば、デコーディング)をしてもよいし、ユーザーによる選択に応じてこの番組に切り替えてもよい。獲得プロセスは、ユーザー選択以前に早期に開始されるので、ユーザーはより高速な獲得速度を感知する。
【0082】
継続するデコーディング技術および早期にデコーディングする技術は、マルチメディア番組に関連する1つ以上のデータストリームに使用してもよい。例えば、継続するデコーディングおよび早期のデコーディングは、現在のマルチメディア番組および新しいマルチメディア番組のオーディオ部分/成分のみに、またはビデオ部分のみに、またはオーディオ部分とビデオ部分の両方に対して実行してもよい。従って、図8のブロック810、814、818、および822および図11のブロック1126、1128、および1130は、現在のマルチメディア番組と新しいマルチメディア番組のオーディオ部分、ビデオ部分、またはオーディオ部分とビデオ部分の両方に対して実行してもよい。
【0083】
また、無線装置におけるリソースは、異なるマルチメディア番組のための異なる部分/成分を受信するように構成してもよい。例えば、RXデータプロセッサー170は、一方の番組のオーディオ部分と他方の番組のビデオ部分を同時にデコードして解凍してもよい。これは、ユーザーが同時に2つの異なる番組を見て聞くことを可能にする。継続するデコーディング技術および早期のデコーディング技術は、ユーザーが2つの番組のオーディオ部分および/またはビデオ部分をよりシームレスに切り替えることを可能にする。例えば、ユーザーは同時に野球を見て音楽を聴いてもよい。野球に興味を持つようになったなら、ユーザーは、よりシームレスに音楽から野球のオーディオ部分に切り替えることができる。また、ユーザーは同時に1つのゲームを見て別のゲームを聞いてもよく、興奮するイベントが生じたときはいつでも、より関心のあるゲームにビデオおよび/またはオーディオを切り替えてもよい。
【0084】
3.時間補償されたビデオおよびオーディオ送信
無線装置におけるビデオデコーダーおよびオーディオデコーダーは、それぞれビデオとオーディオの解凍を実行するためにある時間量を必要とする。基地局は、新しい番組の獲得を改良するような方法でビデオとオーディオを送信してもよい。
【0085】
図12は、基地局において時間合わせされたビデオとオーディオの送信を示す。ビデオ部分1210とオーディオ部分1212は、一緒に再生されるように指定されT11において時間合わせされた基地局により送信される。無線装置は、ビデオ部分とオーディオ部分を受信し、各部分をデコードし、時刻T12においてこれらの部分のデコーディングを完了する。簡単のために、図12はビデオ部分とオーディオ部分のためのDdecの同じ送信およびデコーディング遅延を示す。次に、無線装置は、それぞれビデオデコーダーおよびオーディオデコーダーを用いてデコードされたビデオ部分とオーディオ部分を別個に解凍する。図12は、Dvideoのビデオ解凍遅延とDaudioのオーディオ解凍遅延を示す。但し、Dvideoは典型的にDaudioより大きく、例えば、改良された圧縮性能に対して順序が狂ってフレームが送信されるなら、Daudioよりはるかに大きくなるかもしれない。次に、無線装置は、時刻T13において早期にオーディオ解凍を完了する。無線装置は典型的に解凍遅延における差分(すなわち、ΔD=Dvideo−Daudio)により、(より多くのビットを含む、解凍されたオーディオの代わりに)デコードされたオーディオをバッファーする。このバッファリングは、時刻T14においてビデオ解凍が完了すると、ビデオ部分とオーディオ部分が一緒に再生されることを可能にする。
【0086】
図13は、ビデオおよびオーディオ解凍遅延における差分に対処するために時間補償を有したビデオおよびオーディオの送信を示す。ビデオ部分1310とオーディオ部分1312は、一緒に再生されるように指定されるが、それぞれ異なる時刻T21およびT22において、基地局により送信される。無線装置は、ビデオ部分とオーディオ部分を受信し、各部分をデコードし、時刻T23においてビデオデコーディングを完了し、時刻T24においてオーディオデコーディングを完了する。無線装置は、デコードされたビデオ部分およびオーディオ部分を別個に解凍し、およそ時刻T25において両方の部分の解凍を完了する。ビデオ解凍遅延はDvideoであり、オーディオ解凍遅延はDaudioであり、これらは図12に示すように同じである。しかしながら、ビデオ部分1310は、ΔD、すなわちΔD=T22−T21の遅延差分だけ、オーディオ部分1312に対して早期に送信された。
【0087】
図13に示される遅延補償された送信の場合、無線装置は、オーディオをバッファーする必要なしにかつビデオの解凍が完了するのを待つことなしに、オーディオが解凍されるとすぐにオーディオを再生することができる。できるだけ早く(そしてより短い解凍遅延のためにビデオよりもより早く)オーディオを再生することは、番組変更に対してより高速な応答を提供するために望ましい。図13における時間補償された送信のための応答時間は、図12における時間合わせされた送信のための応答時間よりもΔDの遅延差分だけより高速である。オーディオは、ニュース、天気等のような多くの番組のための関連のある情報を運ぶので、ユーザーは、ビデオなしであってもオーディオを楽しむことができる。
【0088】
シームレスに受信を切り替えるための種々の技術は(例えば、継続するデコーディング、早期のデコーディング、ベースストリームおよびエンハンスメントストリームを有した段階的に切り替えること、および時間補償されたビデオおよびオーディオ送信)、個々に適用してもよい。また、これらの技術は、種々の異なる組み合わせに適用してもよい。例えば、上述したように、早期のデコーディングは、段階的な切替と組み合わせて実行してもよい。
【0089】
ここに記載されたシームレスな切替受信技術は、種々の手段により実施してもよい。例えば、これらの技術は、ハードウエア、ソフトウエア、または、それらの組み合わせで実施してもよい。ハードウエア実施の場合、受信のシームレスな切替をサポートまたは実行するために使用される処理装置は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、デジタルシグナルプロセッサー(DSPs)、デジタルシグナル処理装置(DSPDs)、プログラマブルロジックデバイス(PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサー、ここに記載された機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせ内で実施してもよい。
【0090】
ソフトウエア実施の場合、ここに記載された技術は、ここに記載された機能を実行するモジュール(例えば、手続、機能等)で実施してもよい。ソフトウエアコードは、メモリユニット(例えば、図1のメモリユニット142または192)に記憶し、プロセッサー(例えば、コントローラー140または190)により実行してもよい。メモリユニットはプロセッサー内部でまたはプロセッサー外部で実施してもよい。プロセッサー外部で実施する場合、メモリユニットは、技術的に知られている種々の手段を介してプロセッサーに通信可能に接続することができる。
【0091】
見出しは、参照のためにおよびあるセクションの位置をつきとめるのを支援するために含まれる。これらの見出しはその下に記載した概念の範囲を制限することを意図したものではなく、これらの概念は、明細書全体にわたって他のセクションに適用性を有していてもよい。
【0092】
開示された実施形態の上述の記載は、当業者がこの発明を製作または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の変更は、当業者に容易に明白であり、ここに定義される包括的原理は、この発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に提供してもよい。従って、この発明は、ここに示された実施形態に限定することを意図したものではなく、ここに開示される原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲が許容されるべきである。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2003年10月24日に出願された、「無線マルチキャストネットワークにおいてマルチメディアストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための方法](A Method for Seamlessly Switching Reception Between Multimedia Streams in a Wireless Multicast Network)というタイトルの米国仮出願第60/514,401の利益を請求する。
【0002】
この発明は一般に、通信に関し、特に、マルチメディアストリーム間の受信を切り替えるための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、ブロードキャスト、マルチキャスト、および/またはユニキャストサービスのためのマルチメディアストリームを同時に送信してもよい。データストリームは、無線装置により独立して受信されてもよいデータのストリームである。ブロードキャスト送信はサービスエリア内のすべての無線装置に送信され、マルチキャスト送信は無線装置のグループに送信され、ユニキャストは特定の無線装置に送信される。例えば、基地局は、基地局のサービスエリア内の無線装置により受信するために地上波の無線リンクを介してマルチメディア(例えば、テレビジョン)番組のための多数のデータストリームを送信してもよい。
【0004】
無線装置はいつなんどきでも基地局により送信されるマルチメディア番組の唯一つを受信してもよい。この番組を受信するために、無線装置は、番組のために基地局により送信されたすべてのデータストリームを識別し、関心のある各データストリームのための関連のあるパラメーター(例えば、どのようにしておよびどこで各データストリームが送信されるか)を決定し、これらのパラメーターに従って各データストリームをデコードし、さらに各デコードされたデータストリームを処理してユーザーに提示するために適した出力を発生する。無線装置は、選択された番組に対してデータストリームを連続的にデコードし、番組が受信のために選択されるかぎりストリーミングの方法でデコードされたデータを供給する。
【0005】
ユーザーが受信のために別のマルチメディア番組を選択するなら、無線装置は、典型的に新しい番組を獲得し、デコードし、および表示するためのタスクのセットを実行する必要がある。これらのタスクは現在の番組のデコーディングと処理を終了することと、新しい番組のために基地局により送信されたすべてのデータストリームを識別することと、新しい番組のために各データストリームのための関連のあるパラメーターを決定することと、そのパラメーターに従って各新しいデータストリームをデコードすることとを含んでいてもよい。無線装置は、古い番組のための最後のデコードされたフレームでディスプレイを「フリーズ」してもよいし、または、装置が新しい番組のためのタスクを実行している期間に青のまたは黒の背景でディスプレイを「ブランク」にしてもよい。新しい番組を獲得してデコードするのに必要な時間量は、ある無線システムの場合相対的に長い(例えば、1秒以上)かもしれない。この場合、全体の期間に対してディスプレイをフリーズしたりまたはブランクにしたりすることは、ユーザーを「いらいさせる」ことが分かるかもしれない。
【0006】
それゆえ、マルチメディア番組間の受信を切り替えるためのより良い技術の必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
マルチメディア番組/ストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための技術がここに提供される。これらの技術は、いくつかのインスタンスにおいて番組切換のためのより良いユーザー経験およびより高速な獲得速度を提供することができる。これらの技術は、現在選択されている番組の「連続したデコーディング」、今後予測される番組の「早期のデコーディング」、および時間補償されたビデオおよびオーディオ送信を含む。
【0008】
連続されたデコーディングの場合、新しい番組が選択された後であっても、新しい番組を受信しデコードするのに必要なオーバーヘッド情報が取得されるまで、現在の番組を受信し、デコードし、解凍し、(任意で)表示し続ける。ストリーム処理との関連で、「デコーディング」は物理層受信機処理またはチャネルデコーディングに言及し、「解凍」は高次層受信機処理またはソースデコーディング(例えば、ビデオおよびオーディオ解凍)に言及する。オーバーヘッド情報を取得した後に、無線装置は、新しい番組をデコードするが、現在の番組のために以前に取得したデコードされたデータで現在の番組を解凍し続ける。次に、無線装置は、この番組のデコーディングを完了した後に新しい番組を解凍する。現在および新しい番組が階層化されたコーディング(それは必要条件ではない)で送信されるなら、2つの番組間の遷移は、以下に記載するようによりスムーズに行われるかもしれない。
【0009】
早期のデコーディングの場合、無線装置は、ユーザー入力を受信し、ユーザー選択のための可能性を有する番組を識別する。ユーザー入力は、番組案内の喚起、番組案内を介したユーザーナビゲーション、遠隔性制御装置上のキーストローク等のためのものであってよい。識別された番組は、ユーザー入力により強調表示された番組であってもよいし、ユーザー入力に基づいて選択されることが今後予測される番組であってもよい。無線装置は、選択する前に識別された番組のデコーディングを開始するので、それが続けて選択されるなら、より短い時間量で番組を解凍し、表示することができる。また、無線装置は、新しい番組のためのユーザー選択を予期してあるタスク(例えば、連続的にオーバーヘッド情報を受信する)を実行し、それによりこの番組を早期にデコードし、解凍しおよび表示してもよい。
【0010】
時間補償された送信の場合、基地局は、無線装置におけるオーディオ処理遅延とビデオ処理遅延との間の差分に対処する方法で番組のためのビデオとオーディオを送信する。ビデオ処理遅延がADによるオーディオ処理遅延より長いなら、基地局は、ADによりビデオをより早く送信してもよい。従って、無線装置は、ビデオとオーディオの適切な時間調整を達成しながら、わずかなバッファリングでまたはバッファリングなしでオーディオとビデオを受信し、デコードし、解凍し、提示することができる。これは、その処理遅延がより短いので、番組変更の期間に無線装置がオーディオをより早く提示することを可能にし、従って番組変更に対してより高速な応答を提供することを可能にする。
【0011】
ここに記載される技術は、個々に適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。この発明の種々の観点および実施形態は、さらに以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、基地局と無線装置のブロック図を示す。
【図2】図2は典型的なスーパーフレーム構造を示す。
【図3】図3は、データチャネル上のデータストリームの送信を図解する。
【図4】図4は基地局における送信(TX)データプロセッサーを示す。
【図5】図5は無線装置における受信(RX)データプロセッサーを示す。
【図6】図6は、番組Aから番組Bに受信を切り替えるための時系列を示す。
【図7】図7は両方の番組のために使用される階層化されたコーディングを用いて番組Aから番組Bに受信を切り替えるための時系列を示す。
【図8】図8は、番組Aから番組Bに受信を切り替えるためのプロセスを示す。
【図9】図9は典型的なディスプレイスクリーンを示す。
【図10】図10は、番組案内のために維持された典型的な表を示す。
【図11】図11は、早期のデコーディングを有した番組間の受信を切り替えるためのプロセスを示す。
【図12】図12は、ビデオとオーディオの時間調整された送信を示す。
【図13】図13は、ビデオとオーディオの時間補償された送信を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の特徴、性質及び利点は、類似による参照文字が相応して、全体で特定する図面と関連して解釈されるときに後述される詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【0014】
ここに使用される「典型的な」という用語は、例、インスタンス、または例証として機能することを意味するために使用される。「典型的な」としてここに記載されるいかなる実施形態または設計は、他の実施形態または設計に対して好適であるまたは利点があるとして必ずしも解釈される必要はない。
【0015】
マルチメディアストリーム間の受信をシームレスに切り替えるための技術は、無線通信システム、有線通信システム、時分割多元接続(TDM)システム、周波数分割多元接続(FDM)システム、符号分割多元接続(CDM)システム、単一キャリアシステム、およびマルチキャリアシステムのために使用してもよい。多重キャリアは、直交周波数分割多重化(OFDM)、いくつかの他のマルチキャリア変調技術、またはその他の構成により提供されてもよい。また、ここに記載された技術は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス、およびユニキャストサービスに使用されてもよい。明確にするために、これらの技術は、特定の連結されたコーディングスキーム、特定のフレーム構造、および特定の送信スキームを採用する典型的な無線通信システムに対して以下に記載される。
【0016】
図1は、無線通信システム100における基地局110と無線装置150のブロック図を示す。基地局110は一般に固定局であり、ベーストランシーバーシステム(BTS)、アクセスポイント、送信機、またはその他の用語で呼んでもよい。無線装置150は固定であってもよいしまたはモバイルであってもよく、また、ユーザー端末、移動局、受信機、またはその他の用語で呼んでもよい。また、無線装置150は、携帯電話、ハンドヘルド装置、無線モジュール、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等のような携帯装置であってもよい。
【0017】
基地局110において、TXデータプロセッサー120は、データソース112から複数(T)のデータストリーム(または、「トラフィックデータ」)を受信し、各データストリームを処理し(例えば、圧縮し、符号化し、インターリーブし、およびシンボルマッピングし)、データシンボルを生成する。ここに使用されるように、「データシンボル」はトラフィックデータのための変調シンボルである。「パイロットシンボル」は、パイロット(これは、基地局と無線装置の両方により先験的に知られるデータである)のための変調シンボルである。変調シンボルは、変調スキーム(例えば、M−PSK、M−QAM等)のための信号コンステレーション(constellation)におけるあるポイントのための複素値である。マルチプレクサー(Mux)/変調器130は、すべてのデータストリームのためのデータシンボルを受信し、パイロットシンボルと多重化し複合シンボルストリームを生成する。変調器130は、複合シンボルストリームに対して変調を実行し、データサンプルのストリームを生成する。送信機ユニット(TMTR)132は、データサンプルストリームをアナログ信号に変換し、さらにアナログ信号を条件付けして(例えば、増幅し、フィルターし、周波数アップコンバートする)変調された信号を生成する。次に、基地局110は、アンテナ134からの変調された信号をシステム内の無線装置に送信する。
【0018】
無線装置150において、基地局110から送信された信号は、アンテナ152により受信され受信機ユニット(RCVR)154により供給される。受信機ユニット154は、受信された信号を条件づけし(例えば、フィルターし、増幅し、周波数変換し、デジタル化する)、入力サンプルのストリームを供給する。復調器/デマルチプレクサー(DemodDemux)160は入力サンプルに復調を実行し、関心のある1つ以上のデータストリーム(例えば、選択されたマルチメディア番組のためのすべてのデータストリーム)のための受信されたシンボルを取得する。復調器160はさらに受信されたシンボルに検出(例えば、等化または整合フィルタリング)を実行し、検出されたデータシンボルを取得する。検出されたデータシンボルは、基地局110により送信されたデータシンボルの推定値である。RXデータプロセッサー170は各選択されたデータストリームに対して検出されたデータシンボルを処理し(例えば、シンボルデマッピングし、デインターリーブし、デコードし、解凍する)そのストリームのための出力データを供給する。復調器160およびRXデータプロセッサー170による処理は、基地局110において、それぞれ変調器130およびTXデータプロセッサー120による処理と相補的である。ポストプロセッサー180は、選択されたデータストリームのための出力データを処理し(例えば、アナログに変換し、フィルターし、増幅する)、電子ディスプレイユニット(例えば、LCDスクリーン)、オーディオユニット184(例えば、ラウドスピーカー)、および/または他の出力装置上に提示するのに適した出力信号を生成する。
【0019】
コントローラー140および190は、それぞれ基地局110と無線装置150における動作を指示する。メモリユニット142および192は、それぞれコントローラー140および190により使用される番組コードおよびデータのための記憶装置を提供する。
【0020】
コントローラー140またはスケジューラー144は、基地局110により送信されたデータストリームのためにリソースを割り当ててもよい。
【0021】
基地局110は、マルチメディア(例えばテレビジョン)番組のための、およびビデオ、オーディオ、文字多重放送、データ、ビデオ/オーディオクリップ等のようなマルチメディアコンテンツのためのTのデータストリームを送信してもよい。単一のマルチメディア番組は、複数のデータストリーム、例えば、ビデオ、オーディオ、およびデータのための3つの別個のデータストリームで送信されてもよい。これは、無線装置がマルチメディア番組のビデオ部分、オーディオ部分およびデータ部分を独立して受信することを可能にする。また、単一のマルチメディア番組は、例えば、異なる言語のために複数のオーディオストリームを有していてもよい。簡単にするために、以下の記載は、各データストリームが別個のデータチャネル上に送信されると仮定する。このデータチャネルはまた多重論理チャネル(MLC)とも呼ばれる。この場合、データストリームとMLCsの間に1対1の関係がある。一般に、各MLC/データチャネルは、任意の数のデータストリームを運んでもよい。基地局110は種々の送信スキームを用いてデータストリームを送信してもよい。その1つが以下に記載される。
【0022】
図2は、システム100のために使用してもよい典型的なスーパーフレーム構造200を示す。トラフィックデータは、スーパーフレームで送信してもよい。各スーパーフレーム210は、所定の時間期間(例えば、ほぼ1秒)を有する。また、スーパーフレームは、フレーム、タイムスロット、その他の用語で呼んでもよい。図2に示される実施形態の場合、各スーパーフレーム210は、パイロットのためのフィールド220、1つ以上のオーバーヘッド/制御情報シンボル(OIS)のためのフィールド230およびトラフィックデータのためのフィールド240を含む。無線装置は、同期(例えば、フレーム検出、周波数誤差推定、およびタイミング取得)のためにおよび恐らくチャネル推定のためにパイロットを使用してもよい。オーバーヘッド情報は、送信されるTのデータストリームのための種々のパラメーター(例えば、スーパーフレーム内の各データストリームの時間−周波数ロケーション)を示してもよい。Tのデータストリームは、フィールド240で送信される。図2に示される実施形態の場合、フィールド240は、さらに、データ送信を容易にするために4つの等しいサイズのフレーム242a乃至242dに分割される。一般にスーパーフレームは、任意の時間期間であってよく任意の数のフィールドとフレームを含んでいてもよい。また、パイロットとオーバーヘッド情報も図2に示される方法と異なる他の方法で送信してもよい。
【0023】
図3は、MLC上のデータストリームの典型的な送信を図解する。データストリームは、データブロックで処理される。Mのデータブロックは、各スーパーフレーム内のMLC上に送信してもよく、ただしM>0であり、スーパーフレームからスーパーフレームに変更してもよい。各データブロックは、情報ビットの特定番号を含んでおり、コードブロックを生成するために外部コードで別々にエンコードされる。次に、各コードブロックは4つのサブブロックに分割され、各サブブロックは内部コードで符号化され、MLCのために選択された「モード」に基づいて変調される(すなわち、変調シンボルにマッピングされる)。モードは内部コードレートおよびMLCのために使用される変調スキームを示してもよい。各コードブロックの変調シンボルの4つのサブブロックは、1フレームあたり1つのサブブロックの割合で、1つのスーパーフレームの4つのフレームで送信され、時間ダイバーシティと堅固な受信性能を達成する。フレームごとに、MのコードブロックのためのMのサブブロックは、MLCに割り当てられたフレームの部分で送信される。
【0024】
各MLCはそのMLCにより運ばれるデータストリームの性質に応じておよび恐らく他の要因に応じて、連続的なまたは非連続的な方法で送信されてもよい。各スーパーフレームに対して、「アクティブな」MLCは、そのスーパーフレームで送信されているMLCである。各アクティブMLCは、1つまたは複数のデータブロックをスーパーフレームで運んでもよい。リソースのアロケーションと割当を簡単にするために、各アクティブMLCは、図3に示すように、4つのフレームのために同じリソース割当(例えば、同じ時間−周波数ロケーション)が許可される。
【0025】
図2を参照すると、各スーパーフレームのためのOISは、そのスーパーフレームで送信されたすべてのアクティブなMLCsのための「複合」オーバーヘッド情報を運んでもよい。複合オーバーヘッド情報は、アクティブなMLCのための関連のあるパラメーター(例えば、スーパーフレーム内のMLCの時間−周波数ロケーション)を伝達する。さらに、各MLCは、そのMLCの送信に関連する「埋め込まれた」オーバーヘッド情報を次のスーパーフレームで運んでもよい。埋め込まれたオーバーヘッド情報は、そのスーパーフレームで送信されたOISをチェックする必要なしに無線装置が次のスーパーフレームでMLCの送信をリカバーすることを可能にする。無線装置は最初にOIS内の複合オーバーヘッド情報を使用して関心のある各データストリームの時間−周波数ロケーションを決定してもよく、その後に埋め込まれたオーバーヘッド情報を用いてデータストリームが送信されている期間だけ電源をオンにするようにしてもよい。各MLCのために使用される外部コードおよびモードは、OISでまたは別個の制御チャネルで送信されてもよい。明確にするために、以下の記載は、各スーパーフレームのためのOISがそのスーパーフレームで送信された各MLCを受信するために必要とされるすべてのパラメーターを運ぶと仮定する。
【0026】
図4は基地局110におけるTXデータプロセッサー120の一実施形態のブロック図を示す。簡単にするために、図4は1つのマルチメディア番組のためのビデオとオーディオのための処理を示す。また、図4は「階層化されたコーディングの使用を示す。それによりデータストリームは2つのサブストリームとして送信される。2つのサブストリームは、ベースストリームとエンハンスメントストリームと呼ばれる。ベースストリームはすべての無線装置のためのベース情報を運んでもよく、エンハンスメントストリームはより良いチャネル条件を観察する無線装置のためのさらなる情報を運んでもよい。階層化されたコーディングで、ベースストリームとエンハンスメントストリームは別個に符号化され変調され2つの変調シンボルストリームを発生する。2つの変調シンボルストリームは結合された1つのデータシンボルストリームを取得する。
【0027】
TXデータプロセッサー120内では、ビデオエンコーダー410は、マルチメディア番組のビデオ部分のためのビデオデータストリーム{ix}を受信して圧縮し、ビデオ部分のためのベースストリーム{dxb}およびエンハンスメントストリーム{dxe}を供給する。ビデオエンコーダー410は、MPEG−2(ムービングピクチャーイクスパーツグループ)を実施してもよく、ビデオデータストリームのための内部符号化された(intra-coded)(I)フレーム、フォワード予測(P)フレーム、および双方向予測(B)フレームのシーケンスを発生してもよい。ベースストリーム{dxb}はIフレームおよびPフレームを含むことがあり、エンハンスメントストリーム{dxe}はBフレームおよびおそらくPフレームを含むことがある。一般に、ビデオエンコーダー410は、任意のビデオ圧縮スキームを実施してもよく、ベースストリームおよびエンハンスメントストリームは、任意のタイプのフレームおよびフレームの任意の組み合わせを含むことがある。
【0028】
TXベースストリームプロセッサー420は、ビデオベースストリーム{dxb}を受信して処理する。プロセッサー420内では、外部エンコーダ/インタリーバー422は、ビデオベースストリーム内の各データブロックをエンコードし、コードブロックを発生する。各データブロックはKのデータパケットを含み、例えば、(N,K)リードソロモンコードを用いて外部エンコードされ、Nの外部コード化されたパケットを有するコードブロックを発生してもよい。例えば、12のデータパケットを有するデータブロックは、レート3/4リードソロモンコードで外部エンコードし、16の外部コード化されたパケットを有するコードブロックを発生してもよい。また、外部エンコーダー422は、エラー検出のために(すなわち、パケットが正しくデコードされたかまたはエラーでデコードされたかどうかを決定するために)使用される巡回冗長検査(CRC)値を発生して各外部コード化されたパケットに付加する。インターリーバー422は、各コードブロックを4つのフレームのための4つのサブブロックに分割し、さらにフレーム毎に外部コード化されたパケットをインターリーブ(すなわち、順序付ける(reorder))する。内部エンコーダー/インターリーバー424は、例えば、ターボコードを用いて各外部コード化されたパケットをエンコードし、内部コード化されたパケットを発生する。インターリーバー424は、各内部コード化されたパケット内にビットをインターリーブし、インターリーブされたパケットを発生する。シンボルマッピングユニット426は、インターリーバー424からのビットをビデオデータストリームのために選択された変調スキーム(例えば、QPSKまたは16−QAM)に基づいて変調シンボルにマッピングし、ビデオベースストリームのための第1の変調シンボルストリーム{sxb}を供給する。
【0029】
TXエンハンスメントストリームプロセッサー430は、ビデオエンハンスメントストリーム{dxe}を処理し、第2の変調シンボルストリーム{sxe}を供給する。プロセッサー430は、ベースストリームまたは異なるストリームのためにプロセッサー420により使用される同じ外部コード、内部コード、および変調スキームを使用してもよい。結合器440は、第1および第2の変調シンボルストリームを受信し、それぞれ利得GbsおよびGesで倍率をかけ、倍率のかけられた変調シンボルストリームを結合してビデオ部分のためのデータシンボルストリーム{sx}を発生する。利得GbsおよびGesは、それぞれベースストリームおよびエンハンスメントストリームのための送信電力の量(および従ってサービスエリア)を決定する。階層化されたコーディングが使用されないなら、ビデオエンコーダー410は1つのデータストリーム{dx}を供給し、プロセッサー420は、このデータストリームを符号化し、データシンボルストリーム{sx}を発生する。そしてプロセッサー430と結合器440は必要ない。
【0030】
オーディオエンコーダー450は、マルチメディア番組のオーディオ部分のためのオーディオデータストリーム{iy}を受信して符号化し、オーディオ部分のためのベースストリーム{dyb}およびエンハンスメントストリーム{dye}を供給する。オーディオエンコーダー450は任意のオーディオ圧縮スキームを実施してもよい。ベースストリーム{dyb}はモノオーディオ(例えば、左プラス右、またはL+R)を含むことがあり、エンハンスメントストリーム{dye}はステレオオーディオ(例えば、左マイナス右、またはL−R)を含むことがある。
【0031】
TXベースストリームプロセッサー460は、オーディオベースストリーム{dyb}を受信して処理し、オーディオベースストリームのための第1の変調シンボルストリーム{syb}を供給する。プロセッサー460内では、オーディオベースストリームのためのデータブロックは、外部エンコーダー/インターリーバー462により外部エンコードされおよびインターリーブされ、さらに内部エンコーダー/インターリーバー464により内部エンコードされおよびインターリーブされ、シンボルマッピングユニット466により変調シンボルにマッピングされる。TXエンハンスメントストリームプロセッサー470はオーディオエンハンスメントストリーム{dye}を処理し、第2の変調シンボルストリーム{sye}を供給する。結合器480は、変調シンボルストリーム{syb}および{sye}を受信し、倍率をかけ、結合してオーディオ部分のためのデータシンボルストリーム{sy}を発生する。階層化されたコーディングが使用されないなら、オーディオエンコーダー450は1つのデータストリーム{dy}を供給し、プロセッサーは、このデータストリームをエンコードしてデータシンボルストリーム{sy}を発生し、プロセッサー470と結合器480は必要ない。
【0032】
ビデオエンコーダ410およびオーディオエンコーダ450はデータストリームのために高次層処理(または「圧縮」)を実行する。プロセッサー420,430,460,470、および結合器440,480は、データストリームのために物理層処理(または「符号化」)を行なう。他のマルチメディア番組および/または他のコンテンツは、図4に示される方法と同様の方法で圧縮され符号化されてもよい。
【0033】
図5は、無線装置150においてRXデータプロセッサー170の一実施形態のブロック図を示す。簡単にするために、図5は、1つのマルチメディア番組のためのビデオおよびオーディオのための処理を示す。RXデータプロセッサー170内では、RXベースストリームプロセッサー520とRXエンハンスメントストリームプロセッサー530は復調器160から検出されたデータシンボルストリーム
【数1】
【0034】
を受信する。このシンボルストリームはビデオ部分のためのデータシンボルストリーム{sx}の推定値である。プロセッサー520内では、シンボルデマッパー522は、検出されたデータシンボルをデマッピングし、検出されたビットを供給する。検出されたビットは、対数尤度比(LLRs)として表してもよい。ユニット522は、RXデータプロセッサー170の代わりに復調器160の一部であってもよい。内部デインターリーバー/デコーダー524は、内部コードに基づいて各パケットのための検出されたビットをデインターリーブしてデコードし、内部デコードされたパケットを供給する。また、デコーダー524は、パケットに付加されたCRC値で、各内部デコードされたパケットをチェックする。外部デインターリーバー/デコーダー526は、各フレームに対して内部デコードされたパケットをデインターリーブする。与えられたコードブロック内の任意のパケットがエラーでデコードされるなら、デコーダー526は、例えば、(N,K)リードソロモンコードに基づいてそのコードブロックのためのNの内部デコードされたパケットに対して外部デコーディングを実行し、そのコードブロックのためのK個の外部デコードされたパケットを供給する。コードブロック内のパケットがエラーで内部デコードされないなら、外部デコーディングはスキップしてもよい。プロセッサー520は、デコードされたビデオベースストリーム
【数2】
【0035】
を供給する。
【0036】
プロセッサー530は、検出されたシンボルストリーム
【数3】
【0037】
を処理し、デコードされたビデオエンハンスメントストリーム
【数4】
【0038】
を供給する。ビデオデコーダー540は、デコードされたベースストリームとエンハンスメントストリームを受信し、基地局において実行されたビデオ圧縮と相補的な方法でビデオ解凍を実行し、解凍されたビデオデータストリーム
【数5】
【0039】
を供給する。マルチプレクサー544は、解凍されたビデオデータストリーム
【数6】
【0040】
とビデオバッファーからの補助ビデオストリーム{ux}を受信し、出力データストリーム{vx}としてストリーム
【数7】
【0041】
または{ux}を供給する。ビデオバッファー542は、あらかじめ記録されたビデオクリップ、ロゴ、広告、テキストメッセージ等を記憶してもよい。例えば、ビデオバッファー542からのコンテンツは、新しい番組の取得が進行中であるという表示をユーザーに与えるために、番組変更間にビデオバッファー542からのコンテンツを表示してもよい。
【0042】
RXベースストリームプロセッサー560とRXエンハンスメントストリームプロセッサー570は、検出されたシンボルストリーム
【数8】
【0043】
を受信する。このシンボルストリームはマルチメディア番組のオーディオ部分のデータシンボルストリーム{sy}の推定値である。プロセッサー560内では、シンボルデマッピングユニット562は、検出されたデータシンボルをデマッピングし、検出されたビットを供給する。ユニット562は、RXデータプロセッサー170の代わりに復調器160の一部であってもよい。内部デインターリーバー/デコーダー564は各パケットに対して検出されたビットをデインターリーブおよびデコードし、内部デコードされたパケットを供給する。また、デコーダー564はパケットに付加されたCRC値を用いて各内部デコードされたパケットをチェックする。外部デインターリーバー/デコーダー566は、各フレームに対して内部デコードされたパケットをデインターリーブする。少なくとも1つのパケットエラーを有する各コードブロックに対して、デコーダー566は、そのコードブロックのための内部デコードされたパケットに対して外部デコーディングを実行し、外部デコードされたパケットを供給する。プロセッサー560は、デコードされたオーディオベースストリーム
【数9】
【0044】
を供給する。
【0045】
プロセッサー570は検出されたデータシンボルストリーム
【数10】
【0046】
を処理し、デコードされたオーディオエンハンスメントストリーム
【数11】
【0047】
を供給する。オーディオデコーダー580は、基地局において実行されるオーディオ圧縮と相補的な方法でデコードされたベースストリームおよびエンハンスメントストリームを受信して解凍し、解凍されたオーディオデータストリーム
【数12】
【0048】
を供給する。マルチプレクサー584は、解凍されたオーディオデータストリーム
【数13】
【0049】
とオーディオバッファー582からの補助オーディオストリーム{uy}を受信し、出力データストリーム{vy}としてストリーム
【数14】
【0050】
または{uy}を供給する。オーディオバッファー582は、あらかじめ記録されたオーディオクリップ、広告等を記憶してもよい。
【0051】
プロセッサー520,530,560および570はデータストリームのための物理層受信機処理(または「デコーディング」)を行なう。ビデオデコーダー540とオーディオデコーダー580はデータストリームのための高次層受信機処理(または「解凍」)を行なう。他のマルチメディア番組のための他のデータストリームおよび/または他のコンテンツを、図5に示される方法と類似した方法でデコードし、解凍してもよい。
【0052】
1. 継続的デコーディング
図6は、現在のマルチメディア番組Aから新しいマルチメディア番組Bへの受信をシームレスに切り替えるための時系列を示す。最初に、スーパーフレームnにおいて、無線装置は、番組Aをデコードし、解凍し、表示する。時刻T1において、ユーザーは新しい番組Bを選択する。この時に、無線装置は番組Bをデコードするのに必要なオーバーヘッド情報を有していない。ディスプレイをフリーズするかまたはブランクにする代わりに無線装置は、スーパーフレームnで番組Aをデコードし、解凍し、(任意で)表示する。
【0053】
次のスーパーフレームn+1の開始である時刻T2において、無線装置は、このスーパーフレームのためのOISを受信し、番組Bのためのオーバーヘッド情報を取得する。無線装置は、このオーバーヘッド情報を用いて、スーパーフレームn+1内の番組Bのデコーディングを開始することができる。無線装置は、番組Aのための以前のスーパーフレームにおいて取得されたデコードされたデータを用いてスーパーフレームn+1において番組Aを解凍し続ける。
【0054】
時刻T3において、無線装置は、スーパーフレームn+1のための番組Bのデコーディングを完了する。番組Bがレート3/4リードソロモンコードを使用し、各コードブロックのためのパリティパケットがフレーム4で送信されるなら、図6に示されるように、パケットがエラーで内部デコードされないなら、無線装置は、フレーム3内の番組Bのためのすべてのコードブロックをリカバーしてもよい。番組のデコーディングを完了したとき(例えば、図6に示すように、時刻T3において)スーパーフレームn+1において番組Bを早期に解凍を開始してもよい。また、無線装置は番組Bのための十分なデコードされたデータ(例えば、Iフレーム)を取得すると、早期に番組Bの解凍を開始してもよい。従って、無線装置は、スーパーフレームn+1の期間に番組Bの解凍を開始してもよい。あるいは、無線装置は、(図6に示されていない)次のスーパーフレームn+2の開始において番組Bの解凍を開始してもよい。
【0055】
T1とT3の間の時間は、新しい番組Bのための取得時間として見てもよい。取得時間は可変であり、次のOISに対してユーザー選択がいつ受信されるか、およびいつ番組Bの解凍が開始されるかに依存する。この取得時間は、OISがまれに(例えば、1秒毎に)送信されるならおよび/またはデコーディング遅延が長いなら相対的に長いかもしれない。取得時間中の番組Aの継続的なデコーディング、解凍、および(任意での)表示は、全取得時間中ディスプレイをフリーズまたはブランクにするよりも、より良いユーザー経験を提供するかもしれない。
【0056】
図7は、両方の番組のために使用される階層化されたコーディングを用いて現在のマルチメディア番組Aから新しいマルチメディア番組Bへの受信をシームレスに切り替えるための時系列を示す。最初に、スーパーフレームnにおいて、無線装置は、番組Aのためのベースストリームおよびエンハンスメントストリーム(BS&ES)をデコードし、解凍し、表示する。時刻T1において、ユーザーは新しい番組Bを選択する。無線装置は、この時点で番組Bをデコードするためのオーバーヘッド情報を持たないので、無線装置は、スーパーフレームn内の番組Aをデコードし、解凍し、および(任意で)表示し続ける。
【0057】
時刻T2において、無線装置は、次のスーパーフレームn+1のためのOISを受信し番組Bのためのオーバーヘッド情報を取得する。スーパーフレームn+1において、無線装置は、(例えば、図5におけるプロセッサー520および560を用いて)番組Aのためのベースストリームをデコードし続け、(通常は、エンハンスメントストリームのために使用されるが、ベースストリームも処理するように構成されてもよい、図5のプロセッサー530および570を用いて)番組Bのためのベースストリームのデコーディングを開始する。また、無線装置は、以前のスーパーフレームn内の番組Aのために取得されたデコードされたデータを用いてスーパーフレームn+1内の番組Aのためのベースストリーム(またはベースストリームとエンハンスメントストリームの両方)を解凍し続ける。
【0058】
時刻T3において、無線装置は、番組Bのためのベースストリームのデコーディングを完了する。無線装置は、スーパーフレームn+1において早期に(例えば、図7に示すように、時刻T3において)または、次のスーパーフレームn+2の開始時に番組Bの解凍を開始してもよい。スーパーフレームn+2において、無線装置は、番組Aのデコーディングを終了し、番組Bのためのベースストリームおよびエンハンスメントストリームのデコーディングを実行する。また、無線装置は、以前のスーパーフレームn+1内のこのベースストリームのために取得されたデコードされたデータを用いて番組Bのためのベースストリームを解凍する。時刻T5において、番組Bのためのエンハンスメントストリームのためのデコードされたデータが利用可能である。無線装置は、早期に(例えば、図7に示すように、時刻T5において)または、次のスーパーフレームn+3の開始時に番組Bのためのベースストリームおよびエンハンスメントストリームの両方の解凍を開始してもよい。
【0059】
図7で示すように、現在の番組Aから新しい番組Bへの遷移は、両方の番組が階層化されたコーディングを用いて送信されるなら、「よりスムーズに」行われるかもしれない。無線装置は、番組Aから番組Bに段階的に切り替えてもよい。無線装置は、第1の段階において、番組Aのためのベースストリームとエンハンスメントストリームの両方を受信し、第2の段階において、番組Aのためのベースストリームを受信し、次に、第3の段階において、番組Bのためのベースストリームを受信し、第4の段階において、番組Bのためのベースストリームとエンハンスメントストリームの両方を受信する。例えば、番組AまたはBが階層化されたコーディングを用いて送信されないなら、(図7に示すように)わずかなスーパーフレームで切換が実行されるなら等、1つ以上の段階を省略してもよい。
【0060】
図8は、現在のマルチメディア番組Aから新しいマルチメディア番組Bへの受信の切替のためのプロセス800のフロー図を示す。無線装置は、現在の番組Aを受信し、デコードし、解凍し、表示する(ブロック810)。無線装置は、新しい番組Bのためのユーザー選択を受信する(ブロック812)。ブロック816において決定されるように、無線装置は、新しい番組Bのためのオーバーヘッド情報が利用可能になるまで、現在の番組Aをデコードし、解凍し、および(任意で)表示し続ける(ブロック814)。この時に、無線装置は、新しい番組Bをデコードするが、現在の番組Aを解凍し、(任意で)表示し続ける(ブロック818)。ブロック820において決定されるように、新しい番組Bがデコードされると、無線装置は、新しい番組Bをデコードし、解凍し、表示する(ブロック822)。
【0061】
2.早期デコーディング
「継続的なデコーディング」のための上記記載は、新しい番組のユーザー選択より前に無線装置が番組変更のための情報を持たないことを仮定している。この場合には、無線装置は、ユーザー選択を受信した後に新しい番組のデコーディングを開始する。しかしながら、多くのインスタンスにおいて、無線装置は、ユーザーの以前の行動に関する情報を持っており、この情報を用いてユーザーの将来の選択を予測してもよい。番組間のより高速な切替を達成するために、無線装置は、ユーザーによる選択よりも前に番組のデコーディングを「早期に」実行してもよい。以下に記載するように、早期デコーディングは種々の方法で実行してもよい。
【0062】
図9は無線装置により発生された典型的なディスプレイスクリーン900を示す。この実施形態の場合、ディスプレイスクリーン900は2つの領域910および920を含む。領域910は、現在選択されたマルチメディア番組のためのビデオを示す。領域920は番組案内(PG)を示す。番組案内は、さまざまな番組チャネル上に示されている番組をリストアップしてもよい。一般に、ディスプレイスクリーン900は、任意のタイプのコンテンツを示すための任意の数の領域を含んでいてもよい。
【0063】
ユーザーは、無線装置または遠隔制御装置上の適切なキー(例えば、「番組メニュー」キー)をクリックすることによりいつでも番組案内を提示してもよい。また、ユーザーが指定されたキーのセットのいずれか1つ(例えば、「スクロールアップ」ボタンまたは「スクロールダウン」ボタン)をクリックするなら、無線装置は、番組案内を自動的に提示してもよい。いずれにせよ、無線装置は、番組案内を介してユーザーナビゲーションを監視し、次の番組選択を予測してもよい。
【0064】
図9に示される実施形態の場合、番組案内は、番組チャンネルのリストおよびこれらのチャンネル上に現在示されている番組を表示する。カーソル922は現在強調表示されている番組を示す。カーソル922はユーザーキーの作用に応答して番組案内を上下に移動する。ユーザーがカーソルを領域920の上段または下段を過ぎて移動させるなら、番組案内の別のセクションが検索されて領域920に表示される。
【0065】
図10は番組案内のために無線装置により維持される典型的な表1000を示す。表1000は迅速なアクセスのために無線装置内のキャッシュに記憶されてもよい。表1000は、番組チャンネルを記憶する列1012、番組名を記憶する列1014、各番組を運ぶために使用されるMLCsを記憶する列1016、各MLCのための適切なパラメーターを記憶する列1018、現在のスーパーフレームのために各MLCの時間−周波数ロケーションを記憶する列1020を含む。基地局は、列1012乃至1018のための情報を送信する。この情報はまれに変わるかもしれない。そして、無線装置は、必要に応じてこの情報を更新する。各MLCのための時間−周波数ロケーションは各スーパーフレームにおいて変化してもよい。無線装置が現在選択されたマルチメディア番組を連続的に受信しているなら、この番組のために使用される各MLCのための時間−周波数ロケーションは、上述したように、そのMLC上に送信された埋め込まれたオーバーヘッド情報から取得してもよい。無線装置は、ウエークアップする必要がないし、OISを受信する必要がないであろう。この場合、列1020における情報は、現在選択された番組のために使用されるMLCsを除くすべてのMLCsに対して古くなっているだろう。
【0066】
ユーザーが(例えば、キー/ボタン作用に基づいて)番組を変更しているかもしれないことを無線装置が検出するなら、無線装置は、各スーパーフレーム内のOISを受信することを開始してもよい。無線装置は、(1)番組案内のための領域920に表示される番組に使用されるMLCs、(2)現在のスーパーフレームに送信されるすべてのMLCs、または(3)MLCsのその他のグループのためのオーバーヘッド情報をセーブしてもよい。従って、無線装置は、次のスーパーフレームでOISを待つ必要なく、現在のスーパーフレーム内のこれらのMLCsのいずれかのデコーディングを開始することができるであろう。
【0067】
無線装置は、全体のコードブロックを受信せずに与えられたMLCに送信されたコードブロックをリカバーすることができるかもしれない。例えば、レート3/4リードソロモンコードがコードブロックのために使用され、(図3に示すように)コードブロックが4つのサブブロックに分割され、1つのスーパーフレームの4つのフレームに送信されるなら、無線装置は、これらのサブブロックのうちの3つだけを用いてコードブロックをリカバーすることができるかもしれない。無線装置は、フレーム1または2において開始するMLCをデコードすることによりコードブロックをリカバーすることができるかもしれない。従って、MLCをデコードするための表示がフレーム1の期間中に受信されるなら、無線装置は、フレーム2において、このMLCのデコーディングを開始することができ、次のスーパーフレームまで待つ必要がない。
【0068】
図9に戻ると、ユーザーは、番組案内をナビゲートすると、カーソル922は現在強調表示されている番組を示す。この番組に使用されるMLCsのためのオーバーヘッド情報が利用可能になるとすぐに、無線装置は、強調表示された番組のデコーディングを開始してもよい。上述したように、十分なリソースが無線装置において利用可能なら、現在選択されている番組および強調表示された番組を同時にデコードしてもよい。一実施形態において、無線装置は、この番組のためのデコードされたデータが利用可能になるとすぐに、強調表示された番組の解凍を開始する。解凍された後、無線装置は、任意でこの強調表示された番組を表示してもよい。他の実施形態において、ユーザーが強調表示された番組を選択するまで、無線装置は、現在選択された番組をデコードし、解凍し、表示し続ける。この実施形態の場合、無線装置はユーザー選択があり次第、強調表示された番組のためのデコードされたデータを使用してこの番組を迅速に切り替える。
【0069】
階層化されたコーディングが強調表示された番組のために使用されないなら、無線装置は、例えば図6に示すように、現在選択されている番組を解凍しながら、強調表示された番組をデコードしてもよい。デコードされたデータがこの番組のために利用可能になるとすぐに、無線装置は、強調表示された番組を解凍し表示してもよい。階層化されたコーディングが現在選択されている番組および強調表示された番組のために使用されるなら、無線装置は、たとえば、図7に示すように段階的に番組間で切り替えてもよい。無線装置は、両方の番組のためにベースストリームをデコードしてもよく、現在選択されている番組のためにベースストリームを解凍して表示してもよい。無線装置は、(1)デコードされたデータがこの番組のために利用可能になるとすぐに、および/または(2)ユーザーがこの番組を選択するなら、強調表示された番組のためのベースストリームを解凍して表示してもよい。ユーザーがこの番組を選択するなら、無線装置は、強調表示された番組のためにベースストリームおよびエンハンスメントストリームをデコードし、解凍し、表示してもよい。
【0070】
無線装置が現在強調表示された番組Yをデコードしており、ユーザーが別の番組Zを強調表示するなら、無線装置は、番組Zのためのオーバーヘッド情報が利用可能になるとすぐに番組Yの処理を終了し、番組Zのデコーディングを開始する。無線装置は種々の番組を介してユーザーナビゲーションを追跡し、現在強調表示されている番組がどれであってもデコードしようと試みる。これは、最新の強調表示された番組がユーザーにより次に選択されるなら、無線装置が最新の強調表示された番組を迅速に切り替えることを可能にする。
【0071】
上述したように、無線装置は、他の情報を考慮せずに強調表示された番組の早期のデコーディングを実行してもよい。また、無線装置は、例えばスクロールの方向、スクロールの速度、スクロールの方法等のような他の情報に基づいて次のユーザー選択を予測してもよい。
【0072】
例えば、ユーザーが現在の番組チャンネルから相対的に遠く離れた特定の番組チャンネルに到達しようとしているなら、ユーザーは継続的に「スクロールアップ」ボタンを押してもよい。この場合、無線装置は、「スクロールアップ」ボタンがリリースされるまで、迅速に変化している強調表示された番組を無視してもよい。次に、無線装置はボタンのリリースの後に最新の強調表示された番組の早期のデコーディングを実行してもよい。あるいは、無線装置は、現在強調表示されている番組より先にある番組をデコードしてもよい。この「将来」の番組は、スクロールの方向と速度に基づいて決定してもよい。高速スクロール中に中間の番組を表示することは、ユーザーに良好なフィードバックを提供することができる。
【0073】
別の例として、ユーザーは、番組チャンネルをサーフするために多少周期的なレートで「スクロールアップ」ボタンをクリックしてもよい。この場合、無線装置は、これらのタスクを実行するために十分な時間が与えられる各強調表示された番組をデコードし、解凍し、表示してもよい。また、無線装置は、ユーザーがこの方向にナビゲートするのを予測して(リソースが利用可能なら)現在強調表示された番組より先に1つ以上の番組をデコードしてもよい。例えば、4つの番組A、B、CおよびDがA乃至Dに順序づけられているなら、無線装置は、番組Aにおいてチャネルアップを受信すると番組BおよびCの獲得を開始してもよい。番組Bにおいてチャンネルアップを受信すると無線装置は、番組Bを放棄して番組CおよびDの獲得を開始してもよい。また、無線装置は、複数の方向に(例えば、チャンネルスクロールの反対の方向に)複数の番組の獲得を開始してもよい。
【0074】
ユーザーはテンキーを介してチャンネル番号を直接入力することにより新しい番組を選択してもよい。無線装置は、ユーザーにより入力されたキーに基づいて早期のデコーディングを開始してもよい。例えば、ユーザーは「3」をクリックして次に「8」をクリックし、次に「エンター(enter)」をクロックして番組チャンネル38に行ってもよい。ユーザーから「3」のキーストロークを受信すると無線装置は、(ユーザーがこのチャンネルを選択することを予想して)番組チャンネル3の早期のデコーディングを開始してもよく、および/または(ユーザーがチャンネル30乃至39の1つを選択することを予想して)番組チャンネル30乃至39のためのオーバーヘッド情報をセーブしてもよい。「8」キーストロークを受信すると、無線装置は、ユーザーがこのチャンネルを選択することを予想して番組チャンネル38の早期のデコーディングを開始してもよい。「エンター」キーストロークを受信すると、無線装置は、このチャンネルを解凍して表示してもよい。
【0075】
また、無線装置は、オーバーヘッド情報をセーブしてもよく、および/またはしばしばアクセスされる番組のための早期のデコーディングを実行してもよい。例えば、ユーザーは、(「ジャンプ」ボタンをクリックすることにより)関心のある2つの番組間で煩雑にまたは継続的にジャンプしてもよい。この条件を検出すると、無線装置は、次のジャンプを予想して両方の番組をデコードしてもよい。また、ユーザーは、番組チャンネルの小さな範囲間で前後にスクロールしてもよい。この条件を検出すると、無線装置は、スクロールにおいて次のチャンネル変化を予想して次の番組をデコードしてもよい。
【0076】
一般に、無線装置は、番組の早期デコーディングのための任意の適切な情報を使用してもよい。異なるキー入力(例えば、「スクロールアップ」、「ジャンプ」、数値番号等)は、次のユーザー選択を予測するために無線装置により使用されてもよい異なる情報を提供してもよい。無線装置は、ユーザーにより選択されるように予測される任意の番組、例えば現在強調表示されている番組、スクロールの方向にある番組等の早期のデコーディングを実行してもよい。
【0077】
図11は早期のデコーディングを用いてマルチメディア番組間の受信を切り替えるためのプロセス1100のフロー図を示す。無線装置は、例えばキー/ボタン作用に基づいて番組のユーザーナビゲーションを検出する(ブロック1112)。ブロック1114において決定されるように、ユーザーナビゲーションが決定されるなら、無線装置は、各スーパーフレームにおいてOISの処理を開始し、関心のあるMLCsのためのオーバーヘッド情報をセーブする(ブロック1116)。例えば、無線装置は、すべてのMLCsのためにオーバーヘッド情報、または番組案内スクリーン上に表示される番組に使用されるMLCsそのもの、またはMLcsのその他のグループをセーブしてもよい。
【0078】
ユーザーナビゲーションが検出された後に、無線装置は、ユーザー入力を監視する(ブロック1118)。ブロック1120において決定されるように、ユーザー入力が受信されるなら、無線装置は、このユーザー入力がチャンネル選択キーか否かを決定する(ブロック1122)。チャンネル選択キーは、新しい番組チャンネルのためのユーザー選択を示すキーであり、「エンター」キー、「チャンネルアップ」キー、「チャンネルダウンキー」および「ジャンプキー」を含んでいてもよい。チャンネル選択キーが受信されないなら、無線装置は、これまで受信したユーザー入力(複数の場合もある)に基づいてユーザー選択のための可能性を有した番組を識別する(ブロック1124)。上述するようにこの番組は、現在強調表示されている番組であってもよいしまたは数値および/または非数値キー入力に基づいて選択されることが予測される番組であってもよい。無線装置は、この識別された番組の早期のデコーディングを開始する(ブロック1126)。また、無線装置は、ユーザー選択の前に番組を解凍して(任意で)表示してもよい(ブロック1128)。あるいは、無線装置は、番組(図11に図示せず)を解凍して表示する前にこの番組のユーザー選択を待ってもよい。次に、プロセスはブロック1118に戻る。
【0079】
ブロック1122に戻り、チャンネル選択キーが受信されるなら、無線装置は、新しく選択された番組に切り替える。この選択された番組は以前のユーザー入力(複数の場合もある)に基づいて識別された番組であってもよい。次に、無線装置は、この選択された番組をデコードし、解凍し、表示する(ブロック1130)。次に、プロセスは、(図11に示すように)ブロック1118に戻ってもよいしまたはブロック1112に戻ってもよい。
【0080】
無線装置は、キー/ボタンが作用しない期間の後に第1のユーザー入力を受信することに応答してブロック1112乃至1116を実行してもよい。また、第1のユーザー入力はブロック1118および1120をトリガーし、適切に処理されるであろう。
【0081】
明確にするために、番組案内を介した番組選択について上述した。また、番組は、他の方法で、例えば、スクリーン上の選択方法を用いて選択してもよい。例えば、表示画面は1つ以上のアイコンを示してもよく、各アイコンは、特定の番組を表してもよい。いずれにせよ、無線装置は、番組が強調表示されるとすぐに、早期の番組獲得(例えば、デコーディング)をしてもよいし、ユーザーによる選択に応じてこの番組に切り替えてもよい。獲得プロセスは、ユーザー選択以前に早期に開始されるので、ユーザーはより高速な獲得速度を感知する。
【0082】
継続するデコーディング技術および早期にデコーディングする技術は、マルチメディア番組に関連する1つ以上のデータストリームに使用してもよい。例えば、継続するデコーディングおよび早期のデコーディングは、現在のマルチメディア番組および新しいマルチメディア番組のオーディオ部分/成分のみに、またはビデオ部分のみに、またはオーディオ部分とビデオ部分の両方に対して実行してもよい。従って、図8のブロック810、814、818、および822および図11のブロック1126、1128、および1130は、現在のマルチメディア番組と新しいマルチメディア番組のオーディオ部分、ビデオ部分、またはオーディオ部分とビデオ部分の両方に対して実行してもよい。
【0083】
また、無線装置におけるリソースは、異なるマルチメディア番組のための異なる部分/成分を受信するように構成してもよい。例えば、RXデータプロセッサー170は、一方の番組のオーディオ部分と他方の番組のビデオ部分を同時にデコードして解凍してもよい。これは、ユーザーが同時に2つの異なる番組を見て聞くことを可能にする。継続するデコーディング技術および早期のデコーディング技術は、ユーザーが2つの番組のオーディオ部分および/またはビデオ部分をよりシームレスに切り替えることを可能にする。例えば、ユーザーは同時に野球を見て音楽を聴いてもよい。野球に興味を持つようになったなら、ユーザーは、よりシームレスに音楽から野球のオーディオ部分に切り替えることができる。また、ユーザーは同時に1つのゲームを見て別のゲームを聞いてもよく、興奮するイベントが生じたときはいつでも、より関心のあるゲームにビデオおよび/またはオーディオを切り替えてもよい。
【0084】
3.時間補償されたビデオおよびオーディオ送信
無線装置におけるビデオデコーダーおよびオーディオデコーダーは、それぞれビデオとオーディオの解凍を実行するためにある時間量を必要とする。基地局は、新しい番組の獲得を改良するような方法でビデオとオーディオを送信してもよい。
【0085】
図12は、基地局において時間合わせされたビデオとオーディオの送信を示す。ビデオ部分1210とオーディオ部分1212は、一緒に再生されるように指定されT11において時間合わせされた基地局により送信される。無線装置は、ビデオ部分とオーディオ部分を受信し、各部分をデコードし、時刻T12においてこれらの部分のデコーディングを完了する。簡単のために、図12はビデオ部分とオーディオ部分のためのDdecの同じ送信およびデコーディング遅延を示す。次に、無線装置は、それぞれビデオデコーダーおよびオーディオデコーダーを用いてデコードされたビデオ部分とオーディオ部分を別個に解凍する。図12は、Dvideoのビデオ解凍遅延とDaudioのオーディオ解凍遅延を示す。但し、Dvideoは典型的にDaudioより大きく、例えば、改良された圧縮性能に対して順序が狂ってフレームが送信されるなら、Daudioよりはるかに大きくなるかもしれない。次に、無線装置は、時刻T13において早期にオーディオ解凍を完了する。無線装置は典型的に解凍遅延における差分(すなわち、ΔD=Dvideo−Daudio)により、(より多くのビットを含む、解凍されたオーディオの代わりに)デコードされたオーディオをバッファーする。このバッファリングは、時刻T14においてビデオ解凍が完了すると、ビデオ部分とオーディオ部分が一緒に再生されることを可能にする。
【0086】
図13は、ビデオおよびオーディオ解凍遅延における差分に対処するために時間補償を有したビデオおよびオーディオの送信を示す。ビデオ部分1310とオーディオ部分1312は、一緒に再生されるように指定されるが、それぞれ異なる時刻T21およびT22において、基地局により送信される。無線装置は、ビデオ部分とオーディオ部分を受信し、各部分をデコードし、時刻T23においてビデオデコーディングを完了し、時刻T24においてオーディオデコーディングを完了する。無線装置は、デコードされたビデオ部分およびオーディオ部分を別個に解凍し、およそ時刻T25において両方の部分の解凍を完了する。ビデオ解凍遅延はDvideoであり、オーディオ解凍遅延はDaudioであり、これらは図12に示すように同じである。しかしながら、ビデオ部分1310は、ΔD、すなわちΔD=T22−T21の遅延差分だけ、オーディオ部分1312に対して早期に送信された。
【0087】
図13に示される遅延補償された送信の場合、無線装置は、オーディオをバッファーする必要なしにかつビデオの解凍が完了するのを待つことなしに、オーディオが解凍されるとすぐにオーディオを再生することができる。できるだけ早く(そしてより短い解凍遅延のためにビデオよりもより早く)オーディオを再生することは、番組変更に対してより高速な応答を提供するために望ましい。図13における時間補償された送信のための応答時間は、図12における時間合わせされた送信のための応答時間よりもΔDの遅延差分だけより高速である。オーディオは、ニュース、天気等のような多くの番組のための関連のある情報を運ぶので、ユーザーは、ビデオなしであってもオーディオを楽しむことができる。
【0088】
シームレスに受信を切り替えるための種々の技術は(例えば、継続するデコーディング、早期のデコーディング、ベースストリームおよびエンハンスメントストリームを有した段階的に切り替えること、および時間補償されたビデオおよびオーディオ送信)、個々に適用してもよい。また、これらの技術は、種々の異なる組み合わせに適用してもよい。例えば、上述したように、早期のデコーディングは、段階的な切替と組み合わせて実行してもよい。
【0089】
ここに記載されたシームレスな切替受信技術は、種々の手段により実施してもよい。例えば、これらの技術は、ハードウエア、ソフトウエア、または、それらの組み合わせで実施してもよい。ハードウエア実施の場合、受信のシームレスな切替をサポートまたは実行するために使用される処理装置は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、デジタルシグナルプロセッサー(DSPs)、デジタルシグナル処理装置(DSPDs)、プログラマブルロジックデバイス(PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサー、ここに記載された機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせ内で実施してもよい。
【0090】
ソフトウエア実施の場合、ここに記載された技術は、ここに記載された機能を実行するモジュール(例えば、手続、機能等)で実施してもよい。ソフトウエアコードは、メモリユニット(例えば、図1のメモリユニット142または192)に記憶し、プロセッサー(例えば、コントローラー140または190)により実行してもよい。メモリユニットはプロセッサー内部でまたはプロセッサー外部で実施してもよい。プロセッサー外部で実施する場合、メモリユニットは、技術的に知られている種々の手段を介してプロセッサーに通信可能に接続することができる。
【0091】
見出しは、参照のためにおよびあるセクションの位置をつきとめるのを支援するために含まれる。これらの見出しはその下に記載した概念の範囲を制限することを意図したものではなく、これらの概念は、明細書全体にわたって他のセクションに適用性を有していてもよい。
【0092】
開示された実施形態の上述の記載は、当業者がこの発明を製作または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の変更は、当業者に容易に明白であり、ここに定義される包括的原理は、この発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に提供してもよい。従って、この発明は、ここに示された実施形態に限定することを意図したものではなく、ここに開示される原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲が許容されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の番組の少なくとも1つの部分をデコードすること、
第2の番組のユーザー選択を受信すること、
前記第2の番組をデコードするために使用されるオーバーヘッド情報を受信すること、
前記第2の番組のためのオーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分のデコーディングを継続すること、および
前記第2の番組のためのオーバーヘッド情報を受信した後に前記第2の番組の少なくとも1つの部分をデコードすること、
を備えた方法。
【請求項2】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分は、オーディオ部分を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分は、ビデオ部分を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第2の番組のオーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することをさらに備えた、請求項1の方法。
【請求項5】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することは、前記第1の番組のビデオ部分をビデオデコーディングすることを含む、請求項4の方法。
【請求項6】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することは、前記第1の番組のオーディオ部分をオーディオデコーディングすることを含む、請求項4の方法。
【請求項7】
前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することをさらに備えた、請求項1の方法。
【請求項8】
前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされた後に前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することをさらに備えた、請求項7の方法。
【請求項9】
前記第2の番組の前記オーバーヘッド情報が受信されている間および前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を表示することをさらに備えた、請求項7の方法。
【請求項10】
前記第2の番組のユーザー選択を受信した後で前記第2の番組がデコードされていることを示す表示を供給することをさらに備えた、請求項1の方法。
【請求項11】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分の前記デコーディングと前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分の前記デコーディングは物理層デコーディングのためのものである、請求項1の方法。
【請求項12】
第1の番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを指示し、第2の番組のためのユーザー選択を受信し、前記第2の番組をデコードするために使用されるオーバーヘッド情報の受信を開始するように機能的に作用するコントローラーと、
前記コントローラーにより指示されたときに前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分をデコードし、前記第2の番組の前記オーバーヘッド情報が受信されるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分をデコードし続け、前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報を受信した後に前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分をデコードするように機能的に作用するデータプロセッサーと、
を備えた、無線通信システムにおける装置。
【請求項13】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍するように機能的に作用する少なくとも1つのデコーダーをさらに備えた、請求項12の装置。
【請求項14】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信される間および前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を表示するように動作可能な表示装置をさらに備えた、請求項12の装置。
【請求項15】
単一の無線周波数(RF)チャネルを介して前記第1および第2の番組を受信するように動作可能な受信機装置をさらに備えた、請求項12の装置。
【請求項16】
第1の番組の少なくとも第1の部分をデコードする手段と、
第2の番組のユーザー選択を受信する手段と、
前記第2の番組をデコードするために用いられるオーバーヘッド情報を受信する手段と、
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分のデコードを継続する手段と、
前記第2の番組の前記オーバーヘッド情報を受信した後に前記第2の番組の少なくとも1つの部分をデコードする手段と、
を備えた無線通信システムにおける装置。
【請求項17】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍する手段をさらに備えた、請求項16の装置。
【請求項18】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されている間および前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を表示する手段をさらに備えた、請求項16の装置。
【請求項19】
無線通信システムにおける、マルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の時間間隔において第1の番組のための第1のベースストリームと第1のエンハンスメントストリームとをデコードすること、前記第1のベースストリームは、前記第1の番組のためのベース情報を含み、前記第1のエンハンスメントストリームは、前記第1の番組のためのさらなる情報を含み、
前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔において、前記第1の番組のための前記第1のベースストリームと第2の番組のための第2のベースストリームとをデコードすること、
および、
前記第2の時間間隔の後の第3の時間間隔において、前記第2の番組のための前記第2のベースストリームと第2のエンハンスメントストリームとをデコードすること、
を備えた方法。
【請求項20】
前記第2の番組をデコードすることを開始するための表示を受信することをさらに備え、前記第1ベースストリームと前記第2のベースストリームのデコーディングは前記表示を受信することに応答して開始される、請求項19の方法。
【請求項21】
前記第2の番組を強調するユーザー入力を受信することをさらに備え、前記第2の番組をデコードすることを開始するための前記表示は、前記第2の番組が強調されることに応答する、請求項20の方法。
【請求項22】
前記第1の番組から前記第2の番組に切り替えるための表示を受信することをさらに備え、前記第2のベースストリームおよび前記第2のエンハンスメントストリームのデコーディングは前記表示を受信することに応答して開始される、請求項19の方法。
【請求項23】
前記第2の番組を選択するユーザー入力を受信することをさらに備え、前記第2の番組に切り替えるための前記表示は、前記第2の番組が選択されることに応答する、請求項22の方法。
【請求項24】
前記第1の時間間隔においてデコードされた前記第1のベースストリームおよび前記第1のエンハンスメントストリームを解凍すること、および、
前記第2の時間間隔においてデコードされた前記第1のベースストリームを解凍すること、
をさらに備えた、請求項19の方法。
【請求項25】
前記第1の時間間隔の後に前記第1のベースストリームの前記解凍を終了すること、および、
前記第2の時間間隔においてデコードされた前記第2のベースストリームを解凍すること、
をさらに備えた、請求項24の方法。
【請求項26】
前記第3の時間間隔においてデコードされた前記第2のベースストリームおよび前記第2のエンハンスメントストリームを解凍することをさらに備えた、請求項25の方法。
【請求項27】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の時間間隔において、第1の番組のための第1のベースストリームおよび第1のエンハンスメントストリームをデコードすること、前記第1のベースストリームは前記第1の番組のためのベース情報を含み、前記第1のエンハンスメントストリームは前記第1の番組のためのさらなる情報を含み、
前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔において、前記第1の番組のための前記第1のベースストリームと第2の番組のための第2のベースストリームとをデコードすること、および、
前記デコードされた第1および第2のベースストリームを同時表示のために提示すること、
を備えた方法。
【請求項28】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
ユーザー入力を受信すること、
ユーザー入力に基づいて、ユーザー選択の可能性のある第1の番組を識別すること、および、
前記第1の番組のユーザー選択の前に、前記第1の番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始すること、
を備えた方法。
【請求項29】
前記ユーザー入力を受信することは、前記第1の番組を強調する前記ユーザー入力を受信することを含む、請求項28の方法。
【請求項30】
前記ユーザー入力に基づいて、ユーザー選択の可能性のある第2の番組を識別することと、および、
前記第2の番組のユーザー選択の前に、前記第2の番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始すること、
をさらに備えた請求項28の方法。
【請求項31】
前記第1および第2の番組はチャネルスクロールの異なる方向のためのものである、請求項30の方法。
【請求項32】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの前記デコーディングを完了した後に前記第1の番組の前記少なくとも1つを解凍することをさらに備えた請求項28の方法。
【請求項33】
前記第1の番組のためのユーザー選択を受信すること、および、
前記第1の番組の前記少なくとも1つのデコーディングを完了した後に、前記第1の番組のための前記ユーザー選択を受信することに応答して前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍すること、
をさらに備えた請求項28の方法。
【請求項34】
前記ユーザー入力に基づいて新しい番組を選択するためにユーザーナビゲーションを検出すること、および、
前記少なくとも1つの番組のためのユーザー選択を予期して少なくとも1つの番組のためのオーバーヘッド情報を受信すること、
をさらに備え、前記オーバーヘッド情報は、前記少なくとも1つの番組をデコードするために使用される、請求項28の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの番組は、ディスプレイスクリーンに提示するのに適した番組案内のための番組を含む請求項34の方法。
【請求項36】
前記ユーザー入力を受信することは、利用可能な番組をスクロールするためのキーの押下を受信することを含む、請求項28の方法。
【請求項37】
前記ユーザー入力は、ユーザー選択された番組のための数値入力を受信することを含む請求項28の方法。
【請求項38】
前記第1の番組の少なくともひとつの部分のデコーディングを開始することは、前記第1の番組のユーザー選択の前に前記第1の番組のオーディオ部分のデコーディングを開始することを含む、請求項28の方法。
【請求項39】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分のデコーディングを開始することは、前記第1の番組のユーザー選択の前に前記第1の番組のビデオ部分のデコーディングを開始することを含む、請求項28の方法。
【請求項40】
ユーザー入力を受信し、前記ユーザー入力に基づいてユーザー選択の可能性のある番組を識別し、前記番組のユーザー選択の前に前記番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始するように機能的に作用するコントローラーと、
前記コントローラーにより指示された前記番組の前記少なくとも1つの部分をデコードするように機能的に作用するデータプロセッサーと、
を備えた無線通信システムにおける装置。
【請求項41】
前記コントローラーは、前記番組を強調する前記ユーザー入力を受信するように動作可能である、請求項40の装置。
【請求項42】
前記番組がデコードされた後に前記番組の前記少なくとも1つの部分を解凍するように機能的に作用する少なくとも1つのデコーダをさらに備えた、請求項40の装置。
【請求項43】
ユーザー入力を受信する手段と、
前記ユーザー入力に基づいてユーザー選択の可能性のある番組を識別する手段と、
前記番組のユーザー選択の前に前記番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始する手段と、
を備えた無線通信システムにおける装置。
【請求項44】
前記ユーザー入力を受信する手段は、前記番組を強調する前記ユーザー入力を受信する手段を含む、請求項43の装置。
【請求項45】
前記番組の前記少なくとも1つの部分のデコーディングを完了した後に前記番組の前記少なくとも1つの部分を解凍する手段をさらに具備する、請求項43の装置。
【請求項46】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を送信する方法であって、
第1の時刻において開始する番組のためのビデオ部分を送信すること、および、
前記第1の時刻から所定量だけ遅延された第2の時刻において開始する前記番組のオーディオ部分を送信すること、
を備え、
前記ビデオ部分および前記オーディオ部分は、受信エンティティにおいて一緒に提示されるように指定され、前記所定量は、前記受信エンティティにおける前記ビデオ部分の処理遅延と前記オーディオ部分の処理遅延との間の推定された差分に対応する、方法。
【請求項47】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の番組のビデオ部分を受信すること、前記第1の番組の前記ビデオ部分は、第1の時刻に送信が開始され、
前記第1の番組のオーディオ部分を受信すること、前記第1の番組の前記オーディオ部分は、前記第1の時刻から所定量だけ遅延された第2の時刻に送信が開始され、前記ビデオ部分および前記オーディオ部分は、受信エンティティにおいて一緒に提示されるように指定され、前記所定量は、前記受信エンティティにおける前記ビデオ部分の処理遅延と前記オーディオ部分の処理遅延との間の差分に対応し、
前記第1の番組の前記受信されたオーディオおよびビデオ部分を処理すること、及び、
前記オーディオおよびビデオ部分の処理を完了すると、前記第1の番組の前記オーディオおよびビデオ部分を提示すること、
を備えた方法。
【請求項48】
第2の番組を受信するための表示を取得すること、
前記第2の番組のオーディオ部分およびビデオ部分を受信すること、
前記第2の番組の前記オーディオおよびビデオ部分を処理すること、および、
前記第2の番組の前記オーディオおよびビデオ部分の処理が完了すると、前記第2の番組の前記オーディオおよびビデオ部分を提示すること、
をさらに備えた、請求項47の方法。
【請求項49】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の番組の第1のコンポーネントを受信しデコードすること、前記第1のコンポーネントはオーディオまたはビデオであり、および、
第2の番組の第2のコンポーネントを受信しデコードすること、
を備え、前記第2のコンポーネントは、ビデオまたはオーディオであり、前記第1のコンポーネントとは異なる、方法。
【請求項50】
第3の番組のためのユーザー選択を受信すること、
前記第3の番組をデコードするために使用されるオーバーヘッド情報を受信すること、
前記第3の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記第1のコンポーネントのデコーディングを継続すること、および、
前記第3の番組のための前記オーバーヘッド情報を受信後、前記第3の番組の前記第1のコンポーネントをデコードすること、
をさらに備えた請求項49の方法。
【請求項51】
前記第2の番組のためのユーザー選択を受信すること、および、
前記第2の番組のための前記ユーザー選択を受信した後、前記第2の番組の前記第1および第2のコンポーネントをデコードすること、
をさらに備えた請求項50の方法。
【請求項52】
ユーザー入力を受信すること、
前記ユーザー入力に基づいてユーザー選択に対して可能性を有した第3の番組を識別すること、および、
前記第3の番組のユーザー選択の前に前記第3の番組の前記第1のコンポーネントのデコーディングを開始すること、
をさらに備えた請求項49の方法。
【請求項1】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の番組の少なくとも1つの部分をデコードすること、
第2の番組のユーザー選択を受信すること、
前記第2の番組をデコードするために使用されるオーバーヘッド情報を受信すること、
前記第2の番組のためのオーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分のデコーディングを継続すること、および
前記第2の番組のためのオーバーヘッド情報を受信した後に前記第2の番組の少なくとも1つの部分をデコードすること、
を備えた方法。
【請求項2】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分は、オーディオ部分を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分は、ビデオ部分を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第2の番組のオーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することをさらに備えた、請求項1の方法。
【請求項5】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することは、前記第1の番組のビデオ部分をビデオデコーディングすることを含む、請求項4の方法。
【請求項6】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することは、前記第1の番組のオーディオ部分をオーディオデコーディングすることを含む、請求項4の方法。
【請求項7】
前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することをさらに備えた、請求項1の方法。
【請求項8】
前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされた後に前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍することをさらに備えた、請求項7の方法。
【請求項9】
前記第2の番組の前記オーバーヘッド情報が受信されている間および前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を表示することをさらに備えた、請求項7の方法。
【請求項10】
前記第2の番組のユーザー選択を受信した後で前記第2の番組がデコードされていることを示す表示を供給することをさらに備えた、請求項1の方法。
【請求項11】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分の前記デコーディングと前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分の前記デコーディングは物理層デコーディングのためのものである、請求項1の方法。
【請求項12】
第1の番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを指示し、第2の番組のためのユーザー選択を受信し、前記第2の番組をデコードするために使用されるオーバーヘッド情報の受信を開始するように機能的に作用するコントローラーと、
前記コントローラーにより指示されたときに前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分をデコードし、前記第2の番組の前記オーバーヘッド情報が受信されるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分をデコードし続け、前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報を受信した後に前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分をデコードするように機能的に作用するデータプロセッサーと、
を備えた、無線通信システムにおける装置。
【請求項13】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍するように機能的に作用する少なくとも1つのデコーダーをさらに備えた、請求項12の装置。
【請求項14】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信される間および前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を表示するように動作可能な表示装置をさらに備えた、請求項12の装置。
【請求項15】
単一の無線周波数(RF)チャネルを介して前記第1および第2の番組を受信するように動作可能な受信機装置をさらに備えた、請求項12の装置。
【請求項16】
第1の番組の少なくとも第1の部分をデコードする手段と、
第2の番組のユーザー選択を受信する手段と、
前記第2の番組をデコードするために用いられるオーバーヘッド情報を受信する手段と、
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分のデコードを継続する手段と、
前記第2の番組の前記オーバーヘッド情報を受信した後に前記第2の番組の少なくとも1つの部分をデコードする手段と、
を備えた無線通信システムにおける装置。
【請求項17】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍する手段をさらに備えた、請求項16の装置。
【請求項18】
前記第2の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されている間および前記第2の番組の前記少なくとも1つの部分がデコードされるまで前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を表示する手段をさらに備えた、請求項16の装置。
【請求項19】
無線通信システムにおける、マルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の時間間隔において第1の番組のための第1のベースストリームと第1のエンハンスメントストリームとをデコードすること、前記第1のベースストリームは、前記第1の番組のためのベース情報を含み、前記第1のエンハンスメントストリームは、前記第1の番組のためのさらなる情報を含み、
前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔において、前記第1の番組のための前記第1のベースストリームと第2の番組のための第2のベースストリームとをデコードすること、
および、
前記第2の時間間隔の後の第3の時間間隔において、前記第2の番組のための前記第2のベースストリームと第2のエンハンスメントストリームとをデコードすること、
を備えた方法。
【請求項20】
前記第2の番組をデコードすることを開始するための表示を受信することをさらに備え、前記第1ベースストリームと前記第2のベースストリームのデコーディングは前記表示を受信することに応答して開始される、請求項19の方法。
【請求項21】
前記第2の番組を強調するユーザー入力を受信することをさらに備え、前記第2の番組をデコードすることを開始するための前記表示は、前記第2の番組が強調されることに応答する、請求項20の方法。
【請求項22】
前記第1の番組から前記第2の番組に切り替えるための表示を受信することをさらに備え、前記第2のベースストリームおよび前記第2のエンハンスメントストリームのデコーディングは前記表示を受信することに応答して開始される、請求項19の方法。
【請求項23】
前記第2の番組を選択するユーザー入力を受信することをさらに備え、前記第2の番組に切り替えるための前記表示は、前記第2の番組が選択されることに応答する、請求項22の方法。
【請求項24】
前記第1の時間間隔においてデコードされた前記第1のベースストリームおよび前記第1のエンハンスメントストリームを解凍すること、および、
前記第2の時間間隔においてデコードされた前記第1のベースストリームを解凍すること、
をさらに備えた、請求項19の方法。
【請求項25】
前記第1の時間間隔の後に前記第1のベースストリームの前記解凍を終了すること、および、
前記第2の時間間隔においてデコードされた前記第2のベースストリームを解凍すること、
をさらに備えた、請求項24の方法。
【請求項26】
前記第3の時間間隔においてデコードされた前記第2のベースストリームおよび前記第2のエンハンスメントストリームを解凍することをさらに備えた、請求項25の方法。
【請求項27】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の時間間隔において、第1の番組のための第1のベースストリームおよび第1のエンハンスメントストリームをデコードすること、前記第1のベースストリームは前記第1の番組のためのベース情報を含み、前記第1のエンハンスメントストリームは前記第1の番組のためのさらなる情報を含み、
前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔において、前記第1の番組のための前記第1のベースストリームと第2の番組のための第2のベースストリームとをデコードすること、および、
前記デコードされた第1および第2のベースストリームを同時表示のために提示すること、
を備えた方法。
【請求項28】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
ユーザー入力を受信すること、
ユーザー入力に基づいて、ユーザー選択の可能性のある第1の番組を識別すること、および、
前記第1の番組のユーザー選択の前に、前記第1の番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始すること、
を備えた方法。
【請求項29】
前記ユーザー入力を受信することは、前記第1の番組を強調する前記ユーザー入力を受信することを含む、請求項28の方法。
【請求項30】
前記ユーザー入力に基づいて、ユーザー選択の可能性のある第2の番組を識別することと、および、
前記第2の番組のユーザー選択の前に、前記第2の番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始すること、
をさらに備えた請求項28の方法。
【請求項31】
前記第1および第2の番組はチャネルスクロールの異なる方向のためのものである、請求項30の方法。
【請求項32】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの前記デコーディングを完了した後に前記第1の番組の前記少なくとも1つを解凍することをさらに備えた請求項28の方法。
【請求項33】
前記第1の番組のためのユーザー選択を受信すること、および、
前記第1の番組の前記少なくとも1つのデコーディングを完了した後に、前記第1の番組のための前記ユーザー選択を受信することに応答して前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分を解凍すること、
をさらに備えた請求項28の方法。
【請求項34】
前記ユーザー入力に基づいて新しい番組を選択するためにユーザーナビゲーションを検出すること、および、
前記少なくとも1つの番組のためのユーザー選択を予期して少なくとも1つの番組のためのオーバーヘッド情報を受信すること、
をさらに備え、前記オーバーヘッド情報は、前記少なくとも1つの番組をデコードするために使用される、請求項28の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの番組は、ディスプレイスクリーンに提示するのに適した番組案内のための番組を含む請求項34の方法。
【請求項36】
前記ユーザー入力を受信することは、利用可能な番組をスクロールするためのキーの押下を受信することを含む、請求項28の方法。
【請求項37】
前記ユーザー入力は、ユーザー選択された番組のための数値入力を受信することを含む請求項28の方法。
【請求項38】
前記第1の番組の少なくともひとつの部分のデコーディングを開始することは、前記第1の番組のユーザー選択の前に前記第1の番組のオーディオ部分のデコーディングを開始することを含む、請求項28の方法。
【請求項39】
前記第1の番組の前記少なくとも1つの部分のデコーディングを開始することは、前記第1の番組のユーザー選択の前に前記第1の番組のビデオ部分のデコーディングを開始することを含む、請求項28の方法。
【請求項40】
ユーザー入力を受信し、前記ユーザー入力に基づいてユーザー選択の可能性のある番組を識別し、前記番組のユーザー選択の前に前記番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始するように機能的に作用するコントローラーと、
前記コントローラーにより指示された前記番組の前記少なくとも1つの部分をデコードするように機能的に作用するデータプロセッサーと、
を備えた無線通信システムにおける装置。
【請求項41】
前記コントローラーは、前記番組を強調する前記ユーザー入力を受信するように動作可能である、請求項40の装置。
【請求項42】
前記番組がデコードされた後に前記番組の前記少なくとも1つの部分を解凍するように機能的に作用する少なくとも1つのデコーダをさらに備えた、請求項40の装置。
【請求項43】
ユーザー入力を受信する手段と、
前記ユーザー入力に基づいてユーザー選択の可能性のある番組を識別する手段と、
前記番組のユーザー選択の前に前記番組の少なくとも1つの部分のデコーディングを開始する手段と、
を備えた無線通信システムにおける装置。
【請求項44】
前記ユーザー入力を受信する手段は、前記番組を強調する前記ユーザー入力を受信する手段を含む、請求項43の装置。
【請求項45】
前記番組の前記少なくとも1つの部分のデコーディングを完了した後に前記番組の前記少なくとも1つの部分を解凍する手段をさらに具備する、請求項43の装置。
【請求項46】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を送信する方法であって、
第1の時刻において開始する番組のためのビデオ部分を送信すること、および、
前記第1の時刻から所定量だけ遅延された第2の時刻において開始する前記番組のオーディオ部分を送信すること、
を備え、
前記ビデオ部分および前記オーディオ部分は、受信エンティティにおいて一緒に提示されるように指定され、前記所定量は、前記受信エンティティにおける前記ビデオ部分の処理遅延と前記オーディオ部分の処理遅延との間の推定された差分に対応する、方法。
【請求項47】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の番組のビデオ部分を受信すること、前記第1の番組の前記ビデオ部分は、第1の時刻に送信が開始され、
前記第1の番組のオーディオ部分を受信すること、前記第1の番組の前記オーディオ部分は、前記第1の時刻から所定量だけ遅延された第2の時刻に送信が開始され、前記ビデオ部分および前記オーディオ部分は、受信エンティティにおいて一緒に提示されるように指定され、前記所定量は、前記受信エンティティにおける前記ビデオ部分の処理遅延と前記オーディオ部分の処理遅延との間の差分に対応し、
前記第1の番組の前記受信されたオーディオおよびビデオ部分を処理すること、及び、
前記オーディオおよびビデオ部分の処理を完了すると、前記第1の番組の前記オーディオおよびビデオ部分を提示すること、
を備えた方法。
【請求項48】
第2の番組を受信するための表示を取得すること、
前記第2の番組のオーディオ部分およびビデオ部分を受信すること、
前記第2の番組の前記オーディオおよびビデオ部分を処理すること、および、
前記第2の番組の前記オーディオおよびビデオ部分の処理が完了すると、前記第2の番組の前記オーディオおよびビデオ部分を提示すること、
をさらに備えた、請求項47の方法。
【請求項49】
無線通信システムにおけるマルチメディア番組を受信する方法であって、
第1の番組の第1のコンポーネントを受信しデコードすること、前記第1のコンポーネントはオーディオまたはビデオであり、および、
第2の番組の第2のコンポーネントを受信しデコードすること、
を備え、前記第2のコンポーネントは、ビデオまたはオーディオであり、前記第1のコンポーネントとは異なる、方法。
【請求項50】
第3の番組のためのユーザー選択を受信すること、
前記第3の番組をデコードするために使用されるオーバーヘッド情報を受信すること、
前記第3の番組のための前記オーバーヘッド情報が受信されるまで、前記第1の番組の前記第1のコンポーネントのデコーディングを継続すること、および、
前記第3の番組のための前記オーバーヘッド情報を受信後、前記第3の番組の前記第1のコンポーネントをデコードすること、
をさらに備えた請求項49の方法。
【請求項51】
前記第2の番組のためのユーザー選択を受信すること、および、
前記第2の番組のための前記ユーザー選択を受信した後、前記第2の番組の前記第1および第2のコンポーネントをデコードすること、
をさらに備えた請求項50の方法。
【請求項52】
ユーザー入力を受信すること、
前記ユーザー入力に基づいてユーザー選択に対して可能性を有した第3の番組を識別すること、および、
前記第3の番組のユーザー選択の前に前記第3の番組の前記第1のコンポーネントのデコーディングを開始すること、
をさらに備えた請求項49の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−136383(P2010−136383A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−283611(P2009−283611)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【分割の表示】特願2006−536787(P2006−536787)の分割
【原出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283611(P2009−283611)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【分割の表示】特願2006−536787(P2006−536787)の分割
【原出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]