説明

無線通信制御装置、無線通信制御システムおよび無線通信制御方法

【課題】 無線基地局が通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を変更する場合に、携帯電話機における瞬断の発生を防止させる。
【解決手段】 無線基地局1は、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定部11と、無線パラメタ更新決定部11によって無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定された場合に、携帯電話機へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更部12と、送信電力値変更部12によって送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新する無線パラメタ更新部17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信制御装置、無線通信制御システムおよび無線通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、複数の無線事業者の無線ネットワーク品質を統合的に管理し、共有する無線リソースを最適に運用する無線リソース管理システムに採用される無線基地局(通信制御装置)が開示されている。この無線基地局では、無線リンクの品質を改善するために、通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を変更している。そして、無線パラメタの設定を変更する場合には、自局に接続している無線通信局に対して無線パラメタの設定変通知をすることなく変更している。
【特許文献1】特開2004−207839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、無線基地局が通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を瞬時に変更すると、自局に接続している無線通信局は、非接続状態となり、接続可能な新たな無線基地局を探索して再接続することになる。この場合に、無線通信局には瞬断が発生してしまい、ユーザの利便性が損なわれる。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、通信制御装置が通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を変更する際に、無線通信局における瞬断の発生を防止させることができる無線通信制御装置、無線通信制御システムおよび無線通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の無線通信制御装置は、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定手段と、無線パラメタ更新決定手段によって無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定された場合に、無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更手段と、送信電力値変更手段によって送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新する無線パラメタ更新手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の無線通信制御システムは、無線通信局と当該無線通信局が接続する無線通信制御装置とを有する無線通信制御システムであって、上記無線通信制御装置が、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定手段と、無線パラメタ更新決定手段によって無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定された場合に、上記無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更手段と、送信電力値変更手段によって送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新する無線パラメタ更新手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明の無線通信制御方法は、無線通信制御装置が、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定ステップと、無線パラメタ更新決定ステップにおいて無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定された場合に、無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更ステップと、送信電力値変更ステップにおいて送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新する無線パラメタ更新ステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
これらの発明によれば、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを更新することが決定された場合に、無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させていくことができ、送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、無線パラメタを更新させることができる。これにより、無線通信局の受信電力値を徐々に低下させることができるため、無線通信局に接続先の無線通信制御装置を切り替えさせることができる。したがって、自無線通信制御装置に接続している無線通信局が存在しなくなってから、無線パラメタを更新することができる。それゆえに、無線通信制御装置が通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を変更する際に、無線通信局における瞬断の発生を防止させることができる。
【0009】
本発明の無線通信制御装置において、上記送信電力値変更手段は、前回送信時の送信電力値に対する次回送信時の送信電力値の比が、無線通信局が接続先の無線通信制御装置を切り替える際の条件となる受信電力値に対する無線通信局が劣悪な通信品質であると判断する際の条件となる受信電力値の比以上となるように、次回送信時の送信電力値を決定するとともに、送信電力変更処理における所定の間隔を、無線通信局が自装置から他の無線通信制御装置に切り替えるのに要する時間よりも長時間に設定することが好ましい。
【0010】
このようにすれば、送信電力値を段階的に低下させていく過程で、必ず送信電力値が、無線通信制御装置を切り替える際の条件となる受信電力値と、劣悪な通信品質であると判断する際の条件となる受信電力値との間に設定されることになる。したがって、この場合に、無線通信局は、劣悪な通信品質になる前に接続先の無線通信制御装置を切り替えることが可能となる。また、変更間隔を、無線通信局が無線通信制御装置を切り替えるのに要する時間よりも長時間に設定することによって、送信電力値が、切り替える際の閾値となる受信電力値と、劣悪な通信品質であると判断する際の閾値となる受信電力値との間に変更されたときに、無線通信局は確実に無線基地局を切り替えることができる。
【0011】
本発明の無線通信制御装置において、上記送信電力値変更手段は、無線パラメタ更新決定手段によって送信電力に関する無線パラメタのみを更新すると決定された場合には、次回送信時の送信電力値が予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、次回送信時の送信電力値が、新たな無線パラメタに含まれる更新用の送信電力値以下である場合には、次回送信時の送信電力値に更新用の送信電力値を設定して、送信電力変更処理を終了し、上記無線パラメタ更新手段は、送信電力値変更手段によって送信電力変更処理が終了された場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新することが好ましい。
【0012】
このようにすれば、更新用の送信電力値が下限値よりも大きい場合には、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても更新用の送信電力値に達した時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0013】
本発明の無線通信制御装置において、自装置に接続している無線通信局の接続状態に関する接続状態情報を管理する接続状態情報管理手段と、接続状態情報管理手段によって管理されている接続状態情報に基づいて、自装置に接続している無線通信局が存在するか否かを判定する接続端末存在判定手段と、をさらに備え、上記送信電力値変更手段は、次回送信時の送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、接続端末存在判定手段によって自装置に接続している無線通信局が存在しないと判定された場合には、送信電力変更処理を終了し、上記無線パラメタ更新手段は、送信電力値変更手段によって送信電力変更処理が終了された場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新することが好ましい。
【0014】
このようにすれば、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても、自装置に接続している無線通信局が存在しないと判定された時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0015】
本発明の無線通信制御装置において、上記接続端末存在判定手段によって自装置と接続している無線通信局が存在すると判定された場合に、接続状態情報に含まれる無線通信局の通信状況に基づいて、自装置と接続している無線通信局が通信状態であるか否かを判定する通信状況判定手段をさらに備え、送信電力値変更手段は、次回送信時の送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、通信状況判定手段によって自装置と接続している無線通信局が通信状態ではないと判定された場合には、送信電力変更処理を終了することが好ましい。
【0016】
このようにすれば、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても、自装置に接続している無線通信局が通信状態ではないと判定された時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0017】
本発明の無線通信制御装置において、上記接続端末存在判定手段によって自装置と接続している無線通信局が存在すると判定された場合に、接続状態情報に含まれる無線通信局の通信種別に基づいて、自装置と接続している無線通信局の通信種別が音声通信であるか否かを判定する通信種別判定手段をさらに備え、上記送信電力値変更手段は、次回送信時の送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、通信種別判定手段によって自装置と接続している無線通信局の通信種別が音声通信ではないと判定された場合には、送信電力変更処理を終了することが好ましい。
【0018】
このようにすれば、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても、通信種別が音声通信である無線通信局が自装置に接続していないと判定された時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0019】
本発明の無線通信制御装置において、自装置に接続している無線通信局の接続状態に関する接続状態情報を管理する接続状態情報管理手段と、接続状態情報管理手段によって管理されている接続状態情報および他の無線通信制御装置において管理されている接続状態情報に基づいて、無線パラメタ更新決定手段によって無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定されたときに自装置に接続していた無線通信局が、現在、何れかの無線通信制御装置に接続しているか否かを判定する接続判定手段と、をさらに備え、上記無線パラメタ更新手段は、接続判定手段によって、自装置に接続していた無線通信局が、何れの無線通信制御装置にも接続していないと判定された場合に、無線パラメタの更新を中止することが好ましい。
【0020】
このようにすれば、無線通信制御装置の切り替えに失敗した無線通信局の存在を確認することができ、切り替えに失敗した無線通信局が確認された場合には無線パラメタの更新を中止することで、切り替えに失敗した無線通信局を自無線通信制御装置に再接続させることができる。
【0021】
本発明の無線通信制御装置において、自装置に接続している無線通信局の接続状態に関する接続状態情報を管理する接続状態情報管理手段と、接続状態管理手段によって管理されている接続状態情報に含まれる無線通信局の受信電力値に基づいて、自装置と接続している無線通信局の受信電力値が、無線通信局が接続先の無線通信制御装置を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな値であるか否かを判定する受信電力値判定手段と、をさらに備え、上記無線パラメタ更新手段は、受信電力値判定手段によって自装置と接続している無線通信局の受信電力値が切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな値であると判定された場合に、無線パラメタの更新を中止することが好ましい。
【0022】
このようにすれば、無線通信制御装置を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな受信電力値であるにもかかわらず、無線通信制御装置の切り替えが行われていない無線通信局の存在を確認することができ、そのような無線通信局が確認された場合には無線パラメタの更新を中止することで、無線通信局の瞬断を防止することができる。
【0023】
本発明の無線通信制御装置において、送信電力値を増大するように要求する送信電力値増大要求メッセージを他の無線通信制御装置に送信するメッセージ送信手段と、他の無線通信制御装置から送信された送信電力値増大要求メッセージを受信した場合に、送信電力値を増大させる送信電力値増大手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0024】
このようにすれば、自無線通信制御装置の周辺に存在する他の無線通信制御装置の送信電力値を増大させることができるため、自無線基地局に接続している無線通信局に対して、送信電力値を増大させた他の無線通信制御装置に切り替えるように促すことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る無線通信制御装置、無線通信制御システムおよび無線通信制御方法によれば、無線通信制御装置が通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を変更する際に、無線通信局における瞬断の発生を防止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る無線通信制御装置、無線通信制御システムおよび無線通信制御方法の実施形態を図面に基づき説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0027】
図1は、実施形態における無線通信制御システムの構成を例示する図である。図1に示すように、無線通信制御システムは、無線基地局1a,1b(無線通信制御装置)と携帯電話機2(無線通信局)とを有する。
【0028】
無線基地局1は、移動体通信網の末端に配置され、配下に接続された携帯電話機2と無線通信を行う無線通信制御装置である。無線基地局1は、物理的には、CPU、通信装置、メモリ等を有する。
【0029】
携帯電話機2は、自機が在圏する無線エリアをカバーする無線基地局1と無線通信を行い、通話サービスあるいはパケット通信サービスを受ける無線通信局である。携帯電話機2は、物理的には、CPU、通信装置、メモリ、入力キー、ディスプレイ等を有している。
【0030】
なお、本実施形態では、無線通信制御装置の具体例として無線基地局1を用いて説明しているが、無線通信制御装置の具体例はこれに限られず、例えば、複数の無線基地局を制御する無線ネットワーク制御装置等の無線通信制御装置であってもよい。また、本実施形態では、無線通信局の具体例として携帯電話機2を用いて説明しているが、無線通信局の具体例はこれに限られず、例えば、簡易型携帯電話機(PHS)や通信機能を有する携帯型情報端末(PDA)等の無線通信局であってもよい。
【0031】
次に、図2を参照して無線基地局1の機能構成について説明する。図2に示すように、無線基地局1は、無線パラメタ更新決定部11(無線パラメタ更新決定手段)と、送信電力値変更部12(送信電力値変更手段)と、接続状態情報管理部13(接続状態情報管理手段)と、接続端末存在判定部14(接続端末存在判定手段)と、通信状況判定部15(通信状況判定手段)と、通信種別判定部16(通信種別判定手段)と、無線パラメタ更新部17(無線パラメタ更新手段)とを有する。
【0032】
無線パラメタ更新決定部11は、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな無線パラメタに更新するか否かを決定する。無線パラメタを更新すると決定する場合の条件としては、例えば、以下の条件がある。自無線基地局内で他無線基地局との干渉が検知された場合、干渉を検知した他無線基地局から送信される無線パラメタの更新要求メッセージを受信した場合、検知したときに変更することが法令により義務付けられている気象レーダー等の他システムからの電波が検知された場合、移動体通信網内に設置された管理装置から送信される無線パラメタの更新要求メッセージを受信した場合。
【0033】
送信電力値変更部12は、無線パラメタ更新決定部11によって無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定された場合に、携帯電話機2へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する。この送信電力変更処理は、送信電力値が予め設定された下限値以下になるまで繰り返し行われ、送信電力値が下限値以下になると終了する。携帯電話機2に送信するデータとしては、例えば、通信データや制御データ(報知情報を含む)が該当する。このように、送信電力値を徐々に下げていくことで、無線基地局の切り替えを携帯電話機に意図的に行わせることができるため、無線パラメタの変更による瞬断を防止することが可能となる。
【0034】
送信電力値変更部12は、送信電力変更処理で段階的に小さな値に変更させていく送信電力値P2を、以下の式1を用いて算出する。
【0035】
P2 >= P1・P4/P3 ・・・ 式1
【0036】
ここで、式1のP1は、前回送信時の送信電力値[dBm]であり、P2は、次回送信時の送信電力値[dBm]である。また、P3は、携帯電話機2が接続先の無線基地局1を切り替える際の条件となる受信電力値[dBm]であり、P4は、携帯電話機2が劣悪な通信品質であると判断する際の条件となる受信電力値[dBm]である。したがって、式1は、次回送信時の送信電力値P2が、前回送信時の送信電力値P1と携帯電話機が劣悪な通信品質であると判断する際の条件となる受信電力値P4との積を、携帯電話機が接続先の無線基地局を切り替える際の条件となる受信電力値P3で除した値以上であることを表す式である。
【0037】
なお、一般に、移動体通信では、各携帯電話機2は無線基地局1からの受信電力値が低くなる程、通信品質が劣化してエラー頻度が上昇していき、受信電力値がある程度まで低くなると無線通信が不能になる。したがって、通信品質が劣悪になる前に無線基地局を切り替えさせるために、受信電力値P3には、受信電力値P4よりも大きな値が設定される。これにより、携帯電話機2は、受信電力値が受信電力値P3以下になると、通信品質が良好な他の無線基地局1を探索し、接続先の無線基地局1を他の無線基地局1に切り替えることになる。
【0038】
上記式1は、以下の式2に基づく式である。
【0039】
P2/P1 >= P4/P3 ・・・ 式2
【0040】
式2は、前回送信時の送信電力値P1に対する次回送信時の送信電力値P2の比Raが、携帯電話機2が接続先の無線基地局1を切り替える際の条件となる受信電力値P3に対する携帯電話機2が劣悪な通信品質であると判断する際の条件となる受信電力値P4の比Rb以上であることを表す式である。
【0041】
式2が成立する場合には、送信電力値を段階的に低下させていく過程で、必ず送信電力値が受信電力値P3と受信電力値P4との間に設定されることになる。したがって、この場合に、携帯電話機2は、劣悪な通信品質になる前に接続先の無線基地局を切り替えることが可能となる。これにより、自無線基地局に接続している携帯電話機の通信品質が劣悪になる前に、これら全ての携帯電話機の接続先無線基地局を切り替えさせることが可能となる。
【0042】
また、送信電力値変更部12は、送信電力値を段階的に変更する際の変更間隔(所定の間隔)として、携帯電話機2が自無線基地局1から他無線基地局1に切り替えるのに要する時間よりも長い時間を設定する。これにより、送信電力値が受信電力値P3と受信電力値P4との間に変更されたときに、携帯電話機2は、確実に無線基地局を切り替えることができる。
【0043】
なお、無線通信システムにおいては、一般に、上述した受信電力値P3や受信電力値P4は、システムを構成する端末やシステムごとに異なる値となる。したがって、システム管理者等が、システムを構成する携帯電話機の性能等を考慮して、上述した比Rb(Rb=P4/P3)の値を設定することとしてもよい。この場合に、各携帯電話機20の比Rbのうち最大の値を設定することとしてもよいし、システムを構成する全ての携帯電話機の比Rbの平均値を設定することとしてもよい。
【0044】
接続状態情報管理部13は、自無線基地局1に接続している携帯電話機2の接続状態に関する接続状態情報を管理する。接続状態情報としては、例えば、自無線基地局1に接続している携帯電話機2のアドレス情報、受信電力情報、通信状況、通信種別が該当する。
【0045】
接続状態情報のアドレス情報には、現在、自無線基地局1に接続している携帯電話機2のアドレス情報が格納される。したがって、例えば、自無線基地局1から接続解除された携帯電話機2のアドレス情報や、自無線基地局1と最後に通信した時間から所定時間経過した携帯電話機2のアドレス情報は格納対象から除外される。
【0046】
接続状態情報の受信電力情報は、自無線基地局1に接続している携帯電話機2から送信される現在の受信電力値を受信することで管理する。携帯電話機2の受信電力値は、データ通信時の受信電力値であってもよいし、無線基地局1からブロードキャスト送信される報知情報の受信電力値であってもよい。
【0047】
接続状態情報の通信状況には、例えば、現時点において、通信状態であるのか否かに関する情報が含まれる。通信状態であるのか否かは、自無線基地局1と最後に通信した時間から所定時間経過したか否かで判定する。つまり、最後に通信してから所定時間経過した場合には、通信状態ではないと判定し、最後に通信してから所定時間経過していない場合には、通信状態であると判定する。
【0048】
接続状態情報の通信種別には、例えば、データ通信や音声通信が含まれる。通信種類を判別する方法の一例を以下に説明する。例えば、通信データのパケットサイズが数百バイトであり、通信周期が一定で数10[ms]〜100[ms]程度である場合には音声通信と判別し、それ以外の場合にはデータ通信と判別する。また、フレームに含まれるIEEE802.11e規格のQoS ControlフィールドのAC値がVoである場合には音声通信と判別し、それ以外の場合にはデータ通信と判別する。また、IPパケットのペイロード中のDSCP値がEFである場合には音声通信と判別し、それ以外の場合にはデータ通信と判別する。さらに、IPパケットやIEEE802.11のフレーム内にフィールドを設け、このフィールドに通信種別や遅延を許容するか否かの情報を格納し、この情報を用いて通信種別を判別することとしてもよい。なお、通信種別は、音声通信とデータ通信とに区別することには限定されない。例えば、音声通信等の遅延が許容されない通信と、データ通信等の遅延が許容される通信とに区別することとしてもよい。
【0049】
接続状態情報管理部13は、上述した接続状態情報を用いて、自無線基地局に接続していた携帯電話機が他の無線通信基地局に移動したか否かを判定する機能をさらに有する。具体的に説明すると、接続状態情報管理部13は、無線パラメタ更新決定部11によって無線パラメタを更新すると決定されたときに、その決定時に自無線基地局に接続している携帯電話機のアドレス情報を履歴情報として保存する。接続状態情報管理部13は、保存した履歴情報と、現時点のアドレス情報とを比較することで、自無線基地局から他の無線基地局に移動した携帯電話機の有無を判定する。また、接続状態情報管理部13は、他無線基地局で管理されている接続状態情報のアドレス情報を他無線基地局から取得して、この取得したアドレス情報と、上記保存した履歴情報とを比較することで、自無線基地局1から他無線基地局1に移動した携帯電話機の有無を判定することとしてもよい。
【0050】
接続端末存在判定部14は、接続状態情報管理部13によって管理されている接続状態情報に基づいて、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在するか否かを判定する。ここで、上述した送信電力値変更部12は、次回送信時の送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、接続端末存在判定部14によって自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在しないと判定された場合には、送信電力変更処理を終了する。
【0051】
通信状況判定部15は、接続端末存在判定部14によって自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在すると判定された場合に、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が通信状態であるか否かを判定する。ここで、上述した送信電力値変更部12は、次回送信時の送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、通信状況判定部15によって自無線基地局1に接続している携帯電話機2が通信状態ではないと判定された場合には、送信電力変更処理を終了する。
【0052】
通信種別判定部16は、接続端末存在判定部14によって自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在すると判定された場合に、自無線基地局1に接続している携帯電話機2の通信種別が音声通信であるか否かを判定する。ここで、上述した送信電力値変更部12は、次回送信時の送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、通信種別判定部16によって自無線基地局1に接続している携帯電話機2の通信種別が音声通信ではないと判定された場合には、送信電力変更処理を終了する。
【0053】
無線パラメタ更新部17は、送信電力値変更部12による送信電力変更処理が終了した場合に、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新する。
【0054】
次に、図3を参照して、本実施形態における無線通信制御システムの動作について説明する。
【0055】
まず、携帯電話機2と無線基地局1aとの間で無線通信の接続が確立される(ステップS1)。
【0056】
次に、無線基地局1aの無線パラメタ更新決定部11は、例えば、自無線基地局内で他無線基地局との干渉が検知された場合に、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな無線パラメタに更新することを決定する(ステップS2)。これにより、無線基地局1aの送信電力値変更部12による送信電力変更処理が開始される。
【0057】
次に、無線基地局1aの送信電力値変更部12は、携帯電話機2への次回データ送信時の送信電力値を、前回送信時の送信電力値よりも小さな値に変更させる(ステップS3)。これにより、変更後の送信電力値で、無線基地局1aから携帯電話機に通信データが送信される(ステップS4)。
【0058】
次に、携帯電話機2では、無線基地局1aから受信した通信データの受信電力値を測定し、この受信電力値が、接続先の無線基地局を切り替える際の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS5)。この判定がNOである場合(ステップS5;NO)に、携帯電話機2は、無線基地局1aから通信データを受信するたびにこの判定を繰り返す。
【0059】
一方、ステップS5における判定で、測定した受信電力値が閾値以下であると判定された場合(ステップS5;YES)に、携帯電話機2は、切替先の無線基地局を探索する(ステップS6)。携帯電話機2は、新たな無線基地局1bが探索されると、接続先の無線基地局を無線基地局1aから無線基地局1bに切り替えて、無線基地局1bとの間で無線通信の接続を確立する(ステップS7)。その後、携帯電話機2と無線基地局1bとの間で通信データが送受信される(ステップS8)。
【0060】
上述したステップS4において、変更後の送信電力値で携帯電話機2に通信データを送信した無線基地局1aの送信電力値変更部12は、次回の送信電力値を算出し、この算出した送信電力値が、予め設定された下限値以下であるか否かを判定する(ステップS9)。この判定がYESである場合(ステップS9;YES)に、後述するステップS13の処理に移行する。
【0061】
一方、ステップS9における判定で、算出した送信電力値が下限値より大きいと判定された場合(ステップS9;NO)に、接続端末存在判定部14は、接続状態情報管理部13によって管理されている接続状態情報に基づいて、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在するか否かを判定する(ステップS10)。この判定がNOである場合(ステップS10;NO)に、後述するステップS13の処理に移行する。
【0062】
一方、ステップS10における判定で、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在すると判定された場合(ステップS10;YES)に、通信状況判定部15は、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が通信状態であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定がNOである場合(ステップS11;NO)に、後述するステップS13の処理に移行する。
【0063】
一方、ステップS11における判定で、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が通信状態であると判定された場合(ステップS11;YES)に、通信種別判定部16は、自無線基地局1に接続している携帯電話機2の通信種別が音声通信であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定がYESである場合(ステップS12;YES)に、上述したステップS3の処理に移行する。
【0064】
一方、ステップS12における判定で、自無線基地局1に接続している携帯電話機2の通信種別が音声通信ではないと判定された場合(ステップS12;NO)に、送信電力値変更部12は、送信電力変更処理を終了する(ステップS13)。
【0065】
次に、無線パラメタ更新部17は、無線パラメタを新たな無線パラメタに更新する(ステップS14)。
【0066】
以上のように、本実施形態における無線通信制御システムによれば、無線パラメタ更新決定部11、送信電力値変更部12、および無線パラメタ更新部17を備えることによって、通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを更新することが決定された場合に、携帯電話機2へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させていくことができ、送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、無線パラメタを更新させることができる。これにより、携帯電話機2の受信電力値を徐々に低下させることができるため、携帯電話機2に対して意図的に接続先の無線基地局1を切り替えさせることができる。したがって、無線基地局1では、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在しなくなってから、無線パラメタを更新することができる。それゆえに、無線基地局1が通信周波数や送信電力に関する無線パラメタの設定を変更する際に、携帯電話機2における瞬断の発生を防止させることができる。
【0067】
また、接続状態情報管理部13および接続端末存在判定部14をさらに備えることによって、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が存在しないと判定された時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0068】
また、通信状況判定部15をさらに備えることによって、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても、自無線基地局1に接続している携帯電話機2が通信状態ではないと判定された時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0069】
また、通信種別判定部16をさらに備えることによって、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても、通信種別が音声通信である携帯電話機2が無線基地局1に接続していないと判定された時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0070】
なお、送信電力値変更部12は、無線パラメタ更新決定部11によって送信電力に関する無線パラメタのみを更新すると決定されたときには、次回送信時の送信電力値が予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、次回送信時の送信電力値が、更新用の無線パラメタに含まれる送信電力値以下である場合には、次回送信時の送信電力値に更新用の送信電力値を設定して、送信電力変更処理を終了することとしてもよい。
【0071】
これにより、更新用の送信電力値が下限値よりも大きい場合には、送信電力値が下限値以下に変更される前であっても更新用の送信電力値に達した時点で送信電力変更処理を終了させることができるため、送信電力変更処理に要する時間を短縮させることができる。
【0072】
また、無線基地局1は、上述した各種機能に加えて、自無線基地局1に接続していた携帯電話機2のうち、送信電力変更処理中に何れの無線基地局にも接続していない携帯電話機2の存在を判定する接続判定部(接続判定手段)をさらに備えることとしてもよい。具体的に説明すると、接続判定部は、接続状態情報管理部13によって管理されている接続状態情報および他の無線基地局において管理されている接続状態情報に基づいて、無線パラメタ更新決定部11によって無線パラメタを新たな無線パラメタに更新すると決定されたときに自無線基地局に接続していた携帯電話機2が、現在、何れかの無線基地局に接続しているか否かを判定する。この場合に、無線パラメタ更新部17は、接続判定部によって、自無線基地局に接続していた携帯電話機が、何れの無線基地局にも接続していないと判定された場合には、無線パラメタの更新を中止する。
【0073】
これにより、無線基地局の切り替えに失敗した携帯電話機の存在を確認することができ、切り替えに失敗した携帯電話機が確認された場合には無線パラメタの更新を中止させることで、切り替えに失敗した携帯電話機を自無線基地局に再接続させることができる。
【0074】
また、無線基地局1は、上述した各種機能に加えて、自無線基地局と接続している携帯電話機2のうち、接続先の無線基地局を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな受信電力値で接続している携帯電話機2の存在を判定する受信電力値判定部(受信電力値判定手段)をさらに備えることとしてもよい。具体的に説明すると、受信電力値判定部は、接続状態情報管理部13によって管理されている接続状態情報に含まれる受信電力情報に基づいて、自無線基地局と接続している携帯電話機の受信電力値が、携帯電話機が接続先の無線基地局を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな値であるか否かを判定する。この場合に、無線パラメタ更新部17は、受信電力値判定部によって自無線基地局と接続している携帯電話機の受信電力値が、接続先の無線基地局を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな値であると判定された場合には、無線パラメタの更新を中止する。
【0075】
これにより、無線基地局を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな受信電力値であるにもかかわらず、無線基地局の切り替えが行われていない携帯電話機の存在を確認することができ、そのような携帯電話機が確認された場合には無線パラメタの更新を中止することで、携帯電話機の瞬断を防止することができる。
【0076】
また、無線基地局2は、上述した各種機能に加えて、周辺の無線基地局に対して送信電力値を増大するように要求する送信電力値増大要求メッセージを送信するメッセージ送信部(メッセージ送信手段)、および、他の無線基地局から送信された送信電力値増大要求メッセージを受信した場合に、送信電力値を増大させる送信電力増大部(送信電力値増大手段)をさらに備えることとしてもよい。
【0077】
これにより、自無線基地局の周辺に存在する他の無線基地局の送信電力を増大させることができるため、自無線基地局に接続している携帯電話機の接続先を他の無線基地局に切り替えさせることができる。
【0078】
また、本発明は、無線基地局と携帯電話機からなる移動通信ネットワークに適用させて説明しているが、本発明が適用されるネットワークはこれに限定されない。例えば、メッシュネットワークやアドホックネットワーク等の自律分散的なノード間で上下関係のないネットワークに適用することもできるし、無線LANに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】発明の実施形態における無線通信制御システムのシステム構成を例示する図である。
【図2】図1に示す無線基地局の機能構成を例示するブロック図である。
【図3】無線通信制御システムの動作を例示するシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1・・・無線基地局、2・・・携帯電話機、11・・・無線パラメタ更新決定部、12・・・送信電力値変更部、13・・・接続状態情報管理部、14・・・接続端末存在判定部、15・・・通信状況判定部、16・・・通信種別判定部、17・・・無線パラメタ更新部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定手段と、
前記無線パラメタ更新決定手段によって前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新すると決定された場合に、無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更手段と、
前記送信電力値変更手段によって前記送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新する無線パラメタ更新手段と、
を備えることを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項2】
前記送信電力値変更手段は、前回送信時の送信電力値に対する次回送信時の送信電力値の比が、無線通信局が接続先の無線通信制御装置を切り替える際の条件となる受信電力値に対する無線通信局が劣悪な通信品質であると判断する際の条件となる受信電力値の比以上となるように、次回送信時の送信電力値を決定するとともに、前記送信電力変更処理における前記所定の間隔を、無線通信局が自装置から他の無線通信制御装置に切り替えるのに要する時間よりも長時間に設定することを特徴とする請求項1記載の無線通信制御装置。
【請求項3】
前記送信電力値変更手段は、前記無線パラメタ更新決定手段によって送信電力に関する無線パラメタのみを更新すると決定された場合には、次回送信時の前記送信電力値が予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、次回送信時の前記送信電力値が、前記新たな前記無線パラメタに含まれる更新用の送信電力値以下である場合には、次回送信時の前記送信電力値に前記更新用の送信電力値を設定して、前記送信電力変更処理を終了し、
前記無線パラメタ更新手段は、前記送信電力値変更手段によって前記送信電力変更処理が終了された場合に、前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信制御装置。
【請求項4】
自装置に接続している前記無線通信局の接続状態に関する接続状態情報を管理する接続状態情報管理手段と、
前記接続状態情報管理手段によって管理されている前記接続状態情報に基づいて、自装置に接続している前記無線通信局が存在するか否かを判定する接続端末存在判定手段と、をさらに備え、
前記送信電力値変更手段は、次回送信時の前記送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、前記接続端末存在判定手段によって自装置に接続している前記無線通信局が存在しないと判定された場合には、前記送信電力変更処理を終了し、
前記無線パラメタ更新手段は、前記送信電力値変更手段によって前記送信電力変更処理が終了された場合に、前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
前記接続端末存在判定手段によって自装置と接続している前記無線通信局が存在すると判定された場合に、前記接続状態情報に含まれる前記無線通信局の通信状況に基づいて、自装置と接続している前記無線通信局が通信状態であるか否かを判定する通信状況判定手段をさらに備え、
前記送信電力値変更手段は、次回送信時の前記送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、前記通信状況判定手段によって自装置と接続している前記無線通信局が通信状態ではないと判定された場合には、前記送信電力変更処理を終了することを特徴とする請求項4記載の無線通信制御装置。
【請求項6】
前記接続端末存在判定手段によって自装置と接続している前記無線通信局が存在すると判定された場合に、前記接続状態情報に含まれる前記無線通信局の通信種別に基づいて、自装置と接続している前記無線通信局の通信種別が音声通信であるか否かを判定する通信種別判定手段をさらに備え、
前記送信電力値変更手段は、次回送信時の前記送信電力値が、予め設定された下限値以下に到達しない場合であっても、前記通信種別判定手段によって自装置と接続している前記無線通信局の通信種別が音声通信ではないと判定された場合には、前記送信電力変更処理を終了することを特徴とする請求項4記載の無線通信制御装置。
【請求項7】
自装置に接続している前記無線通信局の接続状態に関する接続状態情報を管理する接続状態情報管理手段と、
前記接続状態情報管理手段によって管理されている前記接続状態情報および他の無線通信制御装置において管理されている前記接続状態情報に基づいて、前記無線パラメタ更新決定手段によって前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新すると決定されたときに自装置に接続していた無線通信局が、現在、何れかの無線通信制御装置に接続しているか否かを判定する接続判定手段と、をさらに備え、
前記無線パラメタ更新手段は、前記接続判定手段によって、自装置に接続していた無線通信局が、何れの無線通信制御装置にも接続していないと判定された場合に、前記無線パラメタの更新を中止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項8】
自装置に接続している前記無線通信局の接続状態に関する接続状態情報を管理する接続状態情報管理手段と、
前記接続状態管理手段によって管理されている前記接続状態情報に含まれる前記無線通信局の受信電力値に基づいて、自装置と接続している前記無線通信局の受信電力値が、前記無線通信局が接続先の無線通信制御装置を切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな値であるか否かを判定する受信電力値判定手段と、をさらに備え、
前記無線パラメタ更新手段は、前記受信電力値判定手段によって自装置と接続している前記無線通信局の受信電力値が前記切り替える際の条件となる受信電力値よりも小さな値であると判定された場合に、前記無線パラメタの更新を中止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項9】
送信電力値を増大するように要求する送信電力値増大要求メッセージを他の無線通信制御装置に送信するメッセージ送信手段と、
他の無線通信制御装置から送信された前記送信電力値増大要求メッセージを受信した場合に、送信電力値を増大させる送信電力値増大手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項10】
無線通信局と当該無線通信局が接続する無線通信制御装置とを有する無線通信制御システムであって、
前記無線通信制御装置が、
通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定手段と、
前記無線パラメタ更新決定手段によって前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新すると決定された場合に、前記無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更手段と、
前記送信電力値変更手段によって前記送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新する無線パラメタ更新手段と、
を備えることを特徴とする無線通信制御システム。
【請求項11】
無線通信制御装置が、
通信周波数および送信電力に関する無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新するか否かを決定する無線パラメタ更新決定ステップと、
前記無線パラメタ更新決定ステップにおいて前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新すると決定された場合に、無線通信局へのデータ送信時の送信電力値を、所定の間隔を空けて段階的に小さな値に変更させる送信電力変更処理を実行する送信電力値変更ステップと、
前記送信電力値変更ステップにおいて前記送信電力値が予め設定された下限値以下に変更された場合に、前記無線パラメタを新たな前記無線パラメタに更新する無線パラメタ更新ステップと、
を備えることを特徴とする無線通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−42557(P2008−42557A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214761(P2006−214761)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】