説明

無線通信装置及び無線通信方法

【課題】無線通信装置において、リーダライタに対する通信特性を良好に保ちつつ、アンテナのサイズを小型化すること。
【解決手段】無線通信装置は、リーダライタとの間で信号を送受信する第1のアンテナと、リーダライタに対する信号の送受信特性がリーダライタとの距離が短い領域において第1のアンテナよりも良好な第2のアンテナと、第1のアンテナを介して受信した信号に基づいて受信電圧を検出する電圧検出部と、受信電圧が所定の閾値電圧以下である場合には、リーダライタへ送信すべき信号を第1のアンテナを介して送信するとともに、それ以外の場合には、リーダライタへ送信すべき信号を第2のアンテナを介して送信するアンテナ切替部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び無線通信方法に関し、特に、非接触ICカード又は携帯端末に設けられる無線通信装置、及び無線通信装置とリーダライタとの間の無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカードに設けられた無線通信装置は、リーダライタとの間で無線通信を行う。図9は、非接触ICカードに搭載された従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。図9を参照すると、無線通信装置110は、リーダライタに対してデータを返信する際に、単一のアンテナ141を用いている。このとき、アンテナ141の大きさ及び巻数、並びに、無線通信装置110及びリーダライタ間の距離に依存して、無線通信装置110とリーダライタとの間で通信を行うことができない領域が生じうる。
【0003】
上記の通信不能領域が発生する場所は、アンテナの形状及び巻数によって変化するため、単一のアンテナ141によって通信不能領域の発生を防ぐことは困難である。また、無線通信装置110が搭載される非接触ICカード及び携帯端末(例えば、携帯電話)の小型化及び薄型化に伴い、通信不能領域はさらに発生しやすくなっている。
【0004】
ICカードの機能を携帯端末に内蔵する場合には、金属の影響によって、通信性能が著しく低下する。良好な通信特性を保つために、例えば、アンテナの裏面及び電池裏蓋に磁性体シートが貼り付けられる。特に、通信特性を良くするには磁性体シートを厚くしたり、金属との距離を広げたりする必要がある。しかし、高密度の実装及び薄さが要求される携帯端末においては、これらを実現することは困難である。
【0005】
なお、特許文献1において、リーダライタとの距離に応じた必要な電力を得るとともに、必要なデータを互いに授受できるようにした非接触ICカードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−281818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本発明者によってなされたものである。一般に、リーダライタと通信する際に、ICカード側の無線通信装置のアンテナの巻数を増やす、又はアンテナのサイズを大きくすると通信可能な距離は長くなるものの、リーダライタとの距離が短いときに通信不能となりやすい。一方、ICカード側の無線通信装置のアンテナの巻数を減らす、又はアンテナのサイズを小さくすると通信可能な距離は短くなるものの、リーダライタとの距離が短いときに通信不能となり難いという特性がある。
【0008】
特許文献1に記載された非接触ICカードにおいては、リーダライタとの間で無線通信用に設けられた小型アンテナから得られる第1受信電圧と、小型アンテナよりもアンテナ長の長い大型アンテナから得られる第2受信電圧との合成電圧が基準電圧よりも大きいか小さいかを比較し、リーダライタとの距離に応じて変化する合成電圧が基準電圧よりも大きいときに大型アンテナのアンテナ機能を停止させ、合成電圧が基準電圧よりも小さいときに大型アンテナのアンテナ機能を動作させる。
【0009】
図10は、特許文献1に記載された非接触ICカードにおけるアンテナの構造を示す図である。図10を参照すると、非接触ICカードは、大型のアンテナA121及び小型のアンテナB122を備えている。図10において、アンテナCはリーダライタ側のアンテナC201を示し、携帯端末170は典型的な携帯端末(例えば、携帯電話)を示す。
【0010】
特許文献1に記載された非接触ICカードによると、大型のアンテナA121の幅は、リーダライタ側のアンテナC201の幅よりも大きくなる。ところで、改札機等に設けられているリーダライタのアンテナC201の幅は携帯端末170の筐体の幅よりも大きい。したがって、特許文献1に記載された方法によると、図10に示すように、大型のアンテナA121の幅は、携帯端末170の筐体の幅よりも大きくなってしまう。したがって、特許文献1に記載された非接触ICカードと同様のアンテナを携帯端末170に対して実装することは困難となる。
【0011】
また、携帯端末170に対して非接触ICカードの機能を搭載する場合には、アンテナのサイズが異なる様々なリーダライタに対して良好な通信特性が得られるようにする必要がある。しかしながら、リーダライタにおけるアンテナのサイズが一定でない場合には、特許文献1のように、大型のアンテナA121の受信電圧と小型のアンテナB122の受信電圧の合成電圧が基準電圧よりも大きいか否かによってアンテナを切り替えることは困難となる。なぜなら、非接触ICカード及びリーダライタ間の距離を変えた場合における合成電圧は、非接触ICカード側のアンテナA121及びアンテナB122と、リーダライタ側のアンテナC201のサイズの大小関係に依存して複雑な振る舞いを示すからである。
【0012】
そこで、無線通信装置において、リーダライタに対する通信特性を良好に保ちつつ、アンテナのサイズを小型化することが課題となる。本発明の目的は、かかる課題を解決する無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の視点に係る無線通信装置は、リーダライタとの間で信号を送受信する第1のアンテナと、リーダライタに対する信号の送受信特性がリーダライタとの距離が短い領域において第1のアンテナよりも良好な第2のアンテナと、第1のアンテナを介して受信した信号に基づいて受信電圧を検出する電圧検出部と、受信電圧が所定の閾値電圧以下である場合には、リーダライタへ送信すべき信号を第1のアンテナを介して送信するとともに、それ以外の場合には、リーダライタへ送信すべき信号を第2のアンテナを介して送信するアンテナ切替部と、を備えている
【0014】
本発明の第2の視点に係る非接触ICカードは、上記の無線通信装置を備えている。
【0015】
本発明の第3の視点に係る携帯端末は、上記の無線通信装置を備えている。
【0016】
本発明の第4の視点に係る無線通信方法は、リーダライタとの間で信号を送受信する第1のアンテナを介して受信した信号に基づいて受信電圧を検出する工程を含むとともに、受信電圧が所定の閾値電圧以下である場合には、リーダライタへ送信すべき信号を第1のアンテナを介して送信する工程を含み、それ以外の場合には、リーダライタへ送信すべき信号をリーダライタに対する信号の送受信特性が前記リーダライタとの距離が短い領域において第1のアンテナよりも良好な第2のアンテナを介して送信する工程を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る無線通信装置、及び無線通信方法によると、リーダライタに対する通信特性を良好に保ちつつ、アンテナのサイズを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置におけるアンテナ切替回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置における閾値電圧の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置の効果について説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置におけるアンテナの構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置におけるアンテナの構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】特許文献1に記載された非接触ICカードにおけるアンテナの構造を示す図である。
【図11】無線通信装置及びリーダライタ間の距離と受信電圧との関係を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1の展開形態の無線通信装置は、上記第1の視点に係る無線通信装置であることが好ましい。
【0020】
第2の展開形態の無線通信装置は、第1のアンテナ及び第2のアンテナが、ループアンテナであってもよい。
【0021】
第3の展開形態の無線通信装置は、第1のアンテナの巻数が、第2のアンテナの巻数よりも多いことが好ましい。
【0022】
第4の展開形態の無線通信装置は、第1のアンテナのループのサイズが、第2のアンテナのループのサイズよりも大きいことが好ましい。
【0023】
第5の展開形態の無線通信装置は、第1のアンテナが、ループアンテナと第1の負荷変調回路とを備え、第2のアンテナが、当該ループアンテナと第2の負荷変調回路とを備えていてもよい。
【0024】
第6の展開形態の非接触ICカードは、上記第2の視点に係る非接触ICカードであることが好ましい。
【0025】
第7の展開形態の携帯端末は、上記第3の視点に係る携帯端末であることが好ましい。
【0026】
第8の展開形態の無線通信方法は、上記第4の視点に係る無線通信方法であることが好ましい。
【0027】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る無線通信装置10の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、無線通信装置10は、アンテナA11、アンテナB12、電圧検出部14、及びアンテナ切替部16を備えている。
【0028】
アンテナA11は、リーダライタ(非図示)との間で信号を送受信する。アンテナB12は、リーダライタに対する信号の送受信特性がリーダライタとの距離が短い領域においてアンテナA11よりも良好である。電圧検出部14は、アンテナA11を介して受信した信号に基づいて受信電圧を検出する。アンテナ切替部16は、受信電圧が所定の閾値電圧以下である場合には、リーダライタへ送信すべき信号をアンテナA11を介して送信するとともに、それ以外の場合には、リーダライタへ送信すべき信号をアンテナB12を介して送信する。
【0029】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置について図面を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る無線通信装置20の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、無線通信装置20は、アンテナA21、アンテナB22、容量調整回路A31、容量調整回路B32、アンテナ制御回路23、制御線34、及び制御部35を備えている。アンテナ制御回路23は、電圧検出回路24、受信データ復調回路25、アンテナ切替回路26、負荷変調回路A27、及び負荷変調回路B28を備えている。
【0030】
リーダライタと通信する際、アンテナA21で返信すると通信不可になってしまう場合にはアンテナB22で返信し、アンテナB22で返信すると通信不可になってしまう場合にはアンテナA21で返信するようにして、2つのアンテナの返信時の特性の短所を補うように返信用のアンテナを切り替えながら通信することによって、無線通信装置20の通信性能を向上させることができる。したがって、無線通信装置20によると、通信特性の確保が厳しい、薄型の携帯端末などの実装条件下においても良好な通信特性を保持することができる。
【0031】
図2を参照すると、無線通信装置20は、交通機関の改札機などで使用されるリーダライタとの通信においては、外部のリーダライタから出力された変調データを、アンテナA21を経由して受信する。アンテナ制御回路23は、この変調データを受信データ復調回路25によって復調し、必要に応じて、復調したデータを制御線34を介して制御部35へ送信する。アンテナ制御回路23から外部のリーダライタへの応答は、アンテナ切替回路26により選択された負荷変調回路及びアンテナによって行う。
【0032】
図4は、本実施形態に係る無線通信装置20における閾値電圧の一例を示す図である。図4を参照すると、アンテナ切替回路26によってリーダライタと無線通信装置20との距離が返信アンテナを切り替えるべき距離であるか否かを判定する基準として、受信電圧に閾値(閾値電圧)を設ける。
【0033】
図3は、本実施形態に係る無線通信装置20におけるアンテナ切替回路26の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、アンテナ切替回路26は、スイッチ36を備えている。アンテナ切替回路26は、電圧検出回路24からの信号に基づいて制御される。図3を参照すると、アンテナ切替回路26は、電圧検出回路24によって検出されたリーダライタ側からの受信電圧が閾値電圧Vtよりも大きいか否かによって、負荷変調回路A27又は負荷変調回路B28のいずれかを選択し、各負荷変調回路に接続されたアンテナを介して返信を行う。
【0034】
リーダライタにかざした場合に、得られた受信電圧が設定した閾値電圧Vtよりも大きい(すなわち、距離Ltよりも短い距離である)ときには、スイッチ36は、接点38と繋がる。このとき、負荷変調回路B28によって変調が行われ、アンテナB22を介してリーダライタへの返信が行われる。
【0035】
リーダライタにかざした場合に、得られた受信電圧が設定した閾値電圧Vtよりも小さい(すなわち、距離Ltよりも長い距離である)ときには、スイッチ36は接点37と繋がる。このとき、負荷変調回路A27によって変調が行われ、アンテナA21を介してリーダライタへの返信が行われる。
【0036】
アンテナA21は、リーダライタとの通信可能な距離は長いものの、短距離において通信不能な領域が発生しやすいアンテナとする。一方、アンテナB22は、リーダライタとの通信可能な距離は短いものの、短距離において通信不能な領域が発生し難いアンテナとする。アンテナA21の巻数を増やし、かつ/又は、アンテナA21のサイズを大きし、アンテナB22の巻数を減らし、かつ/又は、アンテナB22のサイズを小さくすることによって、このような特性が得られることが、実測及び数値シミュレーションによって確認されている。
【0037】
両アンテナの特長を生かし、リーダライタとの距離が長い場合にはアンテナA21によってリーダライタへ返信し、短い場合にはアンテナB22によって返信することにより、近距離及び長距離のいずれにおいても良好な通信特性が得られる。
【0038】
図6は、本実施形態に係る無線通信装置20におけるアンテナの構造の一例を示す図である。アンテナA21及びアンテナB22は、一例として、FPC(Flexible Printed Circuit)などのプリント基板及び銅線によって形成することができる。薄型のループアンテナを2つ搭載する場合には、図6に示すように、両アンテナを同一面上に配置してもよい。
【0039】
無線通信装置20は、無線通信装置20を設けた携帯端末と、交通機関の改札機などに設けられたリーダライタとの通信中に、リーダライタへデータを返信する際に用いるアンテナを切り替える。本実施形態に係る無線通信装置20によると、次の効果がもたらされる。
【0040】
図2において、アンテナ切替回路26は、電圧検出回路24によって検出されたリーダライタから得られた電磁誘導に基づく受信電圧を参照して、リーダライタと無線通信装置20との距離が短いか長いかを判定するとともに、判定結果にしたがって距離が短い場合に通信特性が良好なアンテナと距離が長い場合に通信特性が良好なアンテナとを切り替える。
【0041】
図5は、本実施形態に係る無線通信装置20の効果について説明するための図である。図5を参照すると、状況に応じて適切なアンテナを選択してデータを返信することによって、各アンテナの有する短所を互いに補うことができる。リーダライタとの通信時において、状況に応じてアンテナを切り替えることによって、良好な通信特性を維持することができ、従来よりも厳しい環境(例えば、携帯端末を薄型化した場合、磁性体を削減した場合)においても、リーダライタとの通信が可能となる。
【0042】
図7は、本実施形態に係る無線通信装置20におけるアンテナの構造の一例を示す図である。図7を参照すると、巻数が多くサイズが大きいアンテナA21と、巻数が少なくサイズが小さいアンテナB22を使うことによって、長距離及び短距離のいずれにおいても良好な通信特性を実現することができる。また、アンテナA21及びアンテナB22は、いずれも、携帯端末70内に実装することができるサイズとすることができる。
【0043】
また、本実施形態の無線通信装置20においては、受信アンテナを共通にし、返信アンテナのみを切り替えているため、アンテナを切り替えても受信電圧は変化しない。
【0044】
図11は、無線通信装置20及びリーダライタ間の距離と受信電圧との関係を概略的に示す図である。無線通信装置20及びリーダライタ間の距離に対して、単一の受信アンテナが受ける受信電圧は図11に示すように振舞う。本実施形態の無線通信装置20においては、図11に示すような単一の受信アンテナからの受信電圧と閾値電圧Vtとの大小に基づいて、アンテナの切り替え動作を行う。したがって、無線通信装置20におけるアンテナの切り替え方法は、複数のアンテナの受信電圧の合成電圧に基づいてアンテナを切り替える方法(特許文献1)と比較して、アンテナのサイズの異なる様々なリーダライタに対して適用しやすい。
【0045】
(実施形態3)
本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置について図面を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る無線通信装置40の構成を示すブロック図である。図8を参照すると、無線通信装置40は、アンテナ41、容量調整回路51、及びアンテナ制御回路43を備えている。アンテナ制御回路43は、電圧検出回路44、受信データ復調回路45、アンテナ切替回路46、負荷変調回路A47、及び負荷変調回路B48を備えている。
【0046】
実施形態2のように特性の異なる複数のアンテナ(例えば、アンテナA21及びアンテナB22)を切り替える代わりに、負荷の異なる複数の負荷変調回路(例えば、負荷変調回路A47及び負荷変調回路B48)を単一のアンテナ41へ接続し、リーダライタへのデータ送信時に使用する負荷変調回路を切り替えるようにしてもよい。
【0047】
以上の記載は実施形態に基づいて行ったが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る無線通信装置は、RFID(Radio Frequency Identification)技術において利用することができる。また、本発明に係る無線通信装置を備えた携帯端末及び非接触ICカードは、交通機関の改札機及びコンビニエンスストアのレジにおける料金の支払いに利用される。
【符号の説明】
【0049】
10、20、40、110 無線通信装置
11、21、121 アンテナA
12、22、122 アンテナB
14 電圧検出部
16 アンテナ切替部
23、43、123 アンテナ制御回路
24、44 電圧検出回路
25、45、125 受信データ復調回路
26、46 アンテナ切替回路
27、47 負荷変調回路A
28、48 負荷変調回路B
31 容量調整回路A
32 容量調整回路B
34、134 制御線
35、135 制御部
36 スイッチ
37、38 接点
41、141 アンテナ
51、131 容量調整回路
70、170 携帯端末
127 負荷変調回路
201 アンテナC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーダライタとの間で信号を送受信する第1のアンテナと、
前記リーダライタに対する信号の送受信特性が前記リーダライタとの距離が短い領域において前記第1のアンテナよりも良好な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナを介して受信した信号に基づいて受信電圧を検出する電圧検出部と、
前記受信電圧が所定の閾値電圧以下である場合には、前記リーダライタへ送信すべき信号を前記第1のアンテナを介して送信するとともに、それ以外の場合には、前記リーダライタへ送信すべき信号を前記第2のアンテナを介して送信するアンテナ切替部と、を備えている無線通信装置。
【請求項2】
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、ループアンテナである、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナの巻数は、前記第2のアンテナの巻数よりも多い、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナのループのサイズは、前記第2のアンテナのループのサイズよりも大きい、請求項2又は3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナは、ループアンテナと第1の負荷変調回路とを備え、
前記第2のアンテナは、前記ループアンテナと第2の負荷変調回路とを備えている、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無線通信装置を備えている非接触ICカード。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無線通信装置を備えている携帯端末。
【請求項8】
リーダライタとの間で信号を送受信する第1のアンテナを介して受信した信号に基づいて受信電圧を検出する工程を含むとともに、
前記受信電圧が所定の閾値電圧以下である場合には、前記リーダライタへ送信すべき信号を前記第1のアンテナを介して送信する工程を含み、それ以外の場合には、前記リーダライタへ送信すべき信号を前記リーダライタに対する信号の送受信特性が前記リーダライタとの距離が短い領域において前記第1のアンテナよりも良好な第2のアンテナを介して送信する工程を含む無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−233048(P2010−233048A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79527(P2009−79527)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】