説明

無線通信装置

【課題】 発熱量の大きい無線通信用の電子部品等を取り付けた回路基板を筐体内に収納した上で、電子部品等から効率よく放熱が行える無線通信装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 電気回路ユニット6は、コネクタ5や電子部品が取り付けられた回路基板7、回路基板7を取り付けるコの字状のフレーム8、回路基板7上に設けたブロック部材9、回路基板7とフレーム8との間に設けられた内部プレート10、フレーム8に設けたプレート部材11を有しており、底面部6aにおいてケース2の底面2aに固定される。回路基板7で発生した熱を、ブロック部材9によりケース2の一方の側面2bへ熱伝導せしめ、さらに、内部プレート10、プレート部材11を介して、ケース2の他方の側面2cへ熱伝導させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばRFID用リーダライタなどの機器に関し、発熱量の大きい無線通信用の電子部品等を取り付けた回路基板を筐体内に収納し、電子部品等からの放熱を行う無線通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発熱量が大きい電子部品を実装する電子機器では、電子部品から発生する熱によって筐体内部の温度もしくは電子部品自身の温度が電子部品の許容温度以上に上昇して故障するのを防ぐために、発熱量が大きい主要な電子部品が実装された基板の表面と筐体との間を熱伝導率の良い金属製部品によって物理的に接続し、熱を放熱体である筐体全体に効率良く伝導・拡散させる。例えば、特許文献1には従来の無線通信用電子機器が開示されており、この特許文献1に記載の技術によれば、無線通信用電子機器の筐体は筒状の形状を有し、外表面には放熱フィンが設けられており、筐体の内壁面の一部と、発熱する電子部品を取り付けた基板(金属ベース)の底面とを密着せしめ、電子部品で発生した熱が基板を介して筐体へ流れる構造が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−74657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来の技術によれば、筒状筐体の内壁面のうち基板(金属ベース)と接触している部分においては発熱する電子部品からの熱伝導により放熱効率は良いが、接触していない部分では放熱効率が低くなるという問題点があった。具体的には、筒状筐体の内壁面のうち基板と接触している部分と対向する内壁面の部分では、発熱する電子部品からの放熱は空気を介した熱伝達と熱放射に依存するため、基板と接触している部分での熱伝導に比べて、放熱効率は低くなる。また、特許文献1の筒状筐体の外表面に設けた放熱フィン全体への熱伝導を良くするためには、筐体の肉厚を厚くし、周方向の熱伝導抵抗を低減化する手法をとる必要があるが、このような手法によれば、電子機器の外形寸法及び質量が増大してしまうという問題点もあった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、発熱量の大きい無線通信用の電子部品等を取り付けた回路基板を筐体内に収納した上で、電子部品等から効率よく放熱が行える無線通信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る無線通信装置は、高周波電子部品から発生する熱を放熱するケースと、このケース内に収納される電気回路ユニットとを備え、上記電気回路ユニットは、上記高周波電子部品を取り付けた回路基板と、この回路基板を取り付けるフレームと、上記回路基板の表面に設けられ上記ケースの1の内壁に接続されて、上記高周波電子部品から発生する熱を上記ケースへ伝導するブロック部材と、上記回路基板の裏面に設けられ上記フレームに接続されて上記高周波電子部品から発生する熱を上記フレームへ伝導する内部フレームと、上記フレームに設けられ上記1の内壁に対向する上記ケースの内壁に接続されて、上記フレームから上記ケースへ伝導するプレート部材とを具備したものである。
【0007】
請求項2の発明に係る無線通信装置は、請求項1の発明に係る無線通信装置において、上記ケースは、中空長方形断面の角筒であるものである。
【0008】
請求項3の発明に係る無線通信装置は、請求項1の発明に係る無線通信装置において、上記プレート部材は、Z字状に曲げられた板材であるものである。
【0009】
請求項4の発明に係る無線通信装置は、高周波電子部品及び制御回路部品から発生する熱を放熱するケースと、このケース内に収納される電気回路ユニットとを備え、上記電気回路ユニットは、上記高周波電子部品を取り付けた第1の回路基板と、上記制御回路部品を取り付けた第2の回路基板と、これらの回路基板を取り付けるフレームと、上記第1の回路基板の表面に設けられ上記ケースの1の内壁に接続される部材であって、上記高周波電子部品から発生する熱を上記ケースへ伝導する部分を有するブロック部材と、上記フレームに設けられ上記1の内壁に対向する上記ケースの内壁に接続されて、上記第2の回路基板上で発生する熱を上記ケースへ伝導するプレート部材とを具備したものである。
【0010】
請求項5の発明に係る無線通信装置は、請求項4の発明に係る無線通信装置において、上記ブロック部材は、さらに、上記第1の回路基板に取り付けた電子部品をシールドする部分を有するものである。
【0011】
請求項6の発明に係る無線通信装置は、請求項4または請求項5の発明に係る無線通信装置において、上記ケースは、中空長方形断面の角筒であるものである。
【0012】
請求項7の発明に係る無線通信装置は、請求項4または請求項5の発明に係る無線通信装置において、上記プレート部材は、Z字状に曲げられた板材であるものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、回路基板上の高周波電子部品で発生した熱をブロック部材、内部プレート、プレート部材によってケースへ熱伝導させるので、発生した熱を効率良く放熱体であるケース全体へ伝導させることができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、ケースは角筒状とするので、安価に製造することができ、請求項3に記載の発明によれば、プレート部材をZ字状に曲げられた板材とすることにより、このプレート部材とケース内壁の密着性が高まり、熱伝導をよくすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、第1の回路基板上の高周波電子部品で発生した熱をブロック部材により、第2の回路基板上で発生した熱をプレート部材によってケースへ熱伝導させるので、発生した熱を効率良く放熱体であるケース全体へ伝導させることができる。また、請求項5に記載の発明によれば、ブロック部材により電子部品のシールドを兼ねることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明によれば、ケースは角筒状とするので、安価に製造することができ、請求項7に記載の発明によれば、プレート部材をZ字状に曲げられた板材とすることにより、このプレート部材とケース内壁の密着性が高まり、熱伝導をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1に係る無線通信装置の外形を表わす外観図である。
【図2】図1に示す無線通信装置のAA断面を表わす断面図である。
【図3】図1に示す無線通信装置のBB断面を表わす断面図である。
【図4】電気回路ユニット6の左側面の外形を表わす外観図である。
【図5】図4に示す電気回路ユニット6のCC断面を表わす断面図である。
【図6】図4に示す電気回路ユニット6のD側からみた外形を表わす外観図である。
【図7】電気回路ユニット6の右側面の外形を表わす外観図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る無線通信装置の電気回路ユニット13の左側面の外形を表わす外観図である。
【図9】図8に示す電気回路ユニット13のEE断面を表わす断面図である。
【図10】図8に示す電気回路ユニット13のF側からみた外形を表わす外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1
【0019】
この発明の実施の形態1に係る無線通信装置について図1乃至図7を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る無線通信装置の外形を表わす外観図であり、図1における(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図1において、1は筐体であり、2は電子部品を取り付けた回路基板等を収納するケースであり、3は前面パネル、4は背面パネル、5はアンテナケーブルを接続するコネクタである。ケース2は、前面と背面とが開口し、左右側面、上面及び底面が閉じられた角筒形状(断面AAは中空の長方形断面形状)を有しており、ケース2は、引抜き又は押出し加工により形成される角パイプを軸方向に所定寸法で切り出すことにより作ることができる。このような加工方法によってケース2は安価に製作することができる。実施の形態1に係る無線通信装置は、ケース2、前面パネル3及び背面パネル4からなる筐体1と、筐体1内に収納される電気回路ユニットであって、コネクタ5や電子部品等を取り付けた回路基板及びフレーム等の部材からなる電気回路ユニットとで構成する。図2は図1に示す無線通信装置のAA断面を表わす断面図であり、図3は図1に示す無線通信装置のBB断面を表わす断面図である。図2において、6はケース2内に収納する電気回路ユニットであり、底面部6aにおいてケース2の底面2aに固定される。電気回路ユニット6内の構成についてみれば、7はコネクタ5や電子部品が取り付けられた回路基板であり、8は回路基板7を取り付けるコの字状のフレーム、9は回路基板7で発生した熱をケース2の一方の側面2bへ熱伝導させるブロック部材、10は回路基板7とフレーム8との間に設けられ回路基板7で発生した熱をフレーム8側へ熱伝導させる内部プレート、11はフレーム8に伝わった回路基板7からの熱をケース2の他方の側面2cへ熱伝導させるプレート部材である。
【0020】
図4は電気回路ユニット6の左側面の外形を表わす外観図であり、図5は図4に示す電気回路ユニット6のCC断面を表わす断面図であり、図6は図4に示す電気回路ユニット6のD側からみた外形を表わす外観図であり、図7は電気回路ユニット6の右側面の外形を表わす外観図である。図4に示す電気回路ユニット6の左側面には、回路基板7上に設けたブロック部材9があり、このブロック部材9は図5に示すように発熱する電子部品である増幅器12等の高周波電子部品を覆うように設けられている。無線通信装置であるRFIDリーダライタにおいては、RFIDアンテナから送信する電波の生成部分である変調機や高周波信号を増幅する送信機部分(増幅器12を含む)での発熱が大きく、ここで発生した熱を放熱するために、高周波電子部品を覆うようにブロック部材9を回路基板7に設ける。
【0021】
図5に示すように内部プレート10は回路基板7とフレーム8との間に設けられている。詳細には、ブロック部材9を取り付けた回路基板7の面を表面としたとき、回路基板7の裏面に電子回路13(例えば変調機や局所信号生成回路などの高周波部品)が実装されており、この電子回路13から発生する熱をフレーム8側へ熱伝導するように内部プレート10が設けられている。また、プレート部材11は図6に示すように板金加工により折り曲げて形成されたZ字上の部材であり、厚み方向に段差をもつものであり、フレーム8の外側であって、内部プレート10の取り付け部分付近に取り付けられている。図7には、電気回路ユニット6の右側面に設けられたプレート部材11が示されている。
【0022】
上記のような部品により構成される電気回路ユニット6の組立てについて説明する。回路基板7の表面に設けられた最も発熱量の大きい増幅器12等の高周波電子部品に外形が干渉しないようにブロック部材9には溝が設けられている(図7参照)。高周波電子部品とブロック部材9との隙間には伝熱抵抗を低減させるために、熱伝導率の良好な弾性体を適切な量だけ圧縮させて挟み込み、回路基板7にブロック部材9を取り付ける。フレーム8にプレート部材11と内部プレート10を取り付け、内部プレート10の電子回路13と当接する面にも熱伝導率の良好な弾性体を貼り付ける。プレート部材11と内部プレート10が取り付けられたフレーム8に回路基板7を取り付けることにより、電気回路ユニット6が組み立てられる。この電気回路ユニット6をケース2に挿入し、電気回路ユニット6の底面部6aをケース2の底面部2aにねじ等の締結部品により固定する(図2参照)。また、ケース2の右側面及び左側面から雄ねじを挿入してブロック部材9及びプレート部材11の雌ねじにねじ止めすることにより、ブロック部材9とプレート部材11がケース2の内壁面に密着する。プレート部材11は折り曲げて形成された板部品であり、ねじによりケース2に締結することによって、弾性変形してケース2の内面に密着される。最後に、ケース2の前面に前面パネル3を、背面に背面パネル4を取り付けて組立てが完了する。
【0023】
以上のように、ケース2内部の回路基板7上に実装された電子部品が発生する熱を放熱体であるケース2に熱伝導せしめる経路を、ブロック部材9を取り付けた回路基板7の表面側と、さらに内部プレート10を取り付けた回路基板7の裏面側に設けることによって、回路基板7を中心にケース2全体へ効率良く、より均一に熱伝導させることができる。また、Z型の形状を有するプレート部材11は、電気回路ユニット6をケース2内に挿入したときに、電気回路ユニット6とケース2左右内壁との間の隙間が極力小さくなるように、寸法(段差の高さ)を設定することによって、電気回路ユニット6をケース2内に組込んだときのがたつきを抑えることができ、プレート部材11とケース2の内壁面の密着性が高まり、熱伝導性をより向上させることができる。なお、回路基板7上には高周波電子部品が分布して配置されており、最も発熱量の大きい電子部品(増幅器12など)の箇所にブロック部材9(ヒートシンクの役割も果たす)を配置し、やや発熱量が大きい電子部品(変調器や局所信号生成回路など)の箇所に内部プレート10を設けることにより、回路基板7において分布的に発生する熱の効果的な熱伝導による放熱が可能となる。
【0024】
実施の形態2
【0025】
この発明の実施の形態2に係る無線通信装置について図8乃至図10を用いて説明する。図8はこの発明の実施の形態2に係る無線通信装置の電気回路ユニットの左側面の外形を表わす外観図であり、図9は図8に示す電気回路ユニットのEE断面を表わす断面図であり、図10は図8に示す電気回路ユニットのF側からみた外形を表わす外観図である。図8乃至図10に示すこの発明の実施の形態2に係る電気回路ユニット13は、実施の形態1における電気回路ユニット6に代替されるものであり、図1乃至図3を用いて実施の形態1において説明した電気回路ユニットのケース2の構成や、ケース2への電気回路ユニット13の取り付け方は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0026】
図8乃至図10に示す電気回路ユニット13の構成についてみれば、14はコネクタ5や高周波電子部品等が取り付けられた第1回路基板、15は制御回路や信号処理回路等が取り付けられた第2回路基板であり、16は第1回路基板14及び第2回路基板15を取り付けるコの字状のフレーム、17は第1回路基板14で発生した熱をケース2の一方の側面2bへ熱伝導させるブロック部材、18は第1回路基板15で発生した熱をケース2の他方の側面2cへ熱伝導させるプレート部材である。
【0027】
図8に示す電気回路ユニット13の左側面には、第1回路基板14上に設けたブロック部材17があり、ブロック部材17は電磁シールドのための凹形状部分17aと、熱伝導のための中実部分17bとからなる。図9に示すように発熱する電子部品である増幅器12等の高周波電子部品が設けられた箇所の直下に中実の部分17aが位置し、周波数変換器19やシンセサイザ等の中・高周波電子部品が設けられた箇所を覆うように凹形状部分17aが位置するように、ブロック部材17の形状・位置を決める。尚、図9に示す第1回路基板14では、増幅器12等の発熱の大きな高周波電子部品が基板面14b側に、周波数変換器19やシンセサイザ等の中・高周波電子部品が基板14a側に設けられている。増幅器12等の発熱の大きな高周波電子部品及び周波数変換器19等の中・高周波電子部品が同じ基板面14a側に配置される場合には、中実部分17bの形状は、図5に示すブロック部材9のように増幅器12等の高周波電子部品の外形が干渉しない程度の凹部を有するものとし、当該凹部底面と増幅器12との間に熱伝導特性のよい弾性体を挟み込むことにより、熱伝導性が良好となる。
【0028】
次に、プレート部材18による放熱について説明する。実施の形態1に比べ、実施の形態2に係る電気回路ユニットは、回路基板を2つ設けている分だけ実装面積が大きくなり、従って電子部品による熱発生は分散される。第1回路基板14には主として、中・高周波電子回路を設けているのに対し、第2回路基板15にはCPU20などの制御回路や信号処理回路等を実装している。このような制御回路や信号処理回路であっても、処理速度が高速となり、より回路規模が大きくなる場合には発熱量は無視できなくなり、何らかの放熱機構が必要となる。図9に示すようにCPU20のような発熱する制御回路部品や信号処理回路部品の上面に熱伝導特性のよい弾性体21を設け、プレート部材18で挟み込む。プレート部材18は、図9及び図10に示すように板金加工によって折り曲げて形成されたZ字上の部材であり厚み方向に段差をもち、さらにフレーム16の内部側の面にねじ止めやスポット溶接等によって取り付けるための座面をもつものである。
【0029】
上記のような部品により構成される電気回路ユニット6の組立てについて説明する。フレーム16にプレート部材16を取り付ける。CPU20等の制御回路部品や信号処理回路部品の上面に熱伝導特性のよい弾性体21を貼り付け、第2回路基板15をフレーム16内に挿入しねじ止めする。このとき、弾性体21がプレート部材18により押圧されて密着性が高まり、CPU20等の制御回路部品や信号処理回路部品からプレート部材18への伝熱抵抗を低減し、熱伝導性が良好となる。第1回路基板14にブロック部材17を取り付け、第1回路基板14をフレーム16にねじ止めして、電気回路ユニット13が組み立てられる。この電気回路ユニット13をケース2に挿入し、電気回路ユニット13の底面部13aをケース2の底面部2aにねじ等の締結部品により固定する(図2参照)。また、ケース2の右側面及び左側面から雄ねじを挿入してブロック部材17及びプレート部材18の雌ねじにねじ止めすることにより、ブロック部材17とプレート部材18がケース2の内壁面に密着する。プレート部材18は折り曲げて形成された板部品であり、ねじによりケース2に締結することによって、弾性変形してケース2の内面に密着される。最後に、ケース2の前面に前面パネル3を、背面に背面パネル4を取り付けて組立てが完了する。
【0030】
以上のように、ケース2内部の第1回路基板14及び第2回路基板15上に実装された電子部品が発生する熱を放熱体であるケース2に熱伝導せしめる経路が確保される。即ち、第1回路基板14からブロック部材17を介してケース2の左側面へ放熱する経路と、第2回路基板15からプレート部材18を介してケース2の右側面へ放熱する経路が得られ、電気回路ユニット13で発生した熱をケース2全体へ効率良く、より均一に熱伝導させることができる。また、ブロック部材17は中実部分17bと凹形状部分17aを有しており、凹形状部分17aによって、中・高周波電子回路を電磁シールドすることができる。また、Z型の形状を有するプレート部材18は、電気回路ユニット13をケース2内に挿入したときに、電気回路ユニット13とケース2左右内壁との間の隙間が極力小さくなるように、寸法(段差の高さ)を設定することによって、電気回路ユニット13をケース2内に組込んだときのがたつきを抑えることができ、プレート部材18とケース2の内壁面の密着性が高まり、熱伝導性をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 筐体
2 ケース
6、13 電気回路ユニット
7 回路基板
8、16 フレーム
9、17 ブロック部材
10 内部プレート
11、18 プレート部材
14 第1回路基板
15 第2回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電子部品から発生する熱を放熱するケースと、このケース内に収納される電気回路ユニットとを備え、上記電気回路ユニットは、上記高周波電子部品を取り付けた回路基板と、この回路基板を取り付けるフレームと、上記回路基板の表面に設けられ上記ケースの1の内壁に接続されて、上記高周波電子部品から発生する熱を上記ケースへ伝導するブロック部材と、上記回路基板の裏面に設けられ上記フレームに接続されて上記高周波電子部品から発生する熱を上記フレームへ伝導する内部フレームと、上記フレームに設けられ上記1の内壁に対向する上記ケースの内壁に接続されて、上記フレームから上記ケースへ熱を伝導するプレート部材とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
上記ケースは、中空長方形断面の角筒であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
上記プレート部材は、Z字状に曲げられた板材であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
高周波電子部品及び制御回路部品から発生する熱を放熱するケースと、このケース内に収納される電気回路ユニットとを備え、上記電気回路ユニットは、上記高周波電子部品を取り付けた第1の回路基板と、上記制御回路部品を取り付けた第2の回路基板と、これらの回路基板を取り付けるフレームと、上記第1の回路基板の表面に設けられ上記ケースの1の内壁に接続される部材であって、上記高周波電子部品から発生する熱を上記ケースへ伝導する部分を有するブロック部材と、上記フレームに設けられ上記1の内壁に対向する上記ケースの内壁に接続されて、上記第2の回路基板上で発生する熱を上記ケースへ伝導するプレート部材とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
上記ブロック部材は、さらに、上記第1の回路基板に取り付けた電子部品をシールドする部分を有することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
上記ケースは、中空長方形断面の角筒であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
上記プレート部材は、Z字状に曲げられた板材であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−223881(P2009−223881A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17947(P2009−17947)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】