説明

無線LANシステムにおけるパワーセービング方法及びこれをサポートする装置

【課題】無線LANにおける無線装置により実行されるパワーセービング方法を提供する。
【解決手段】前記方法は、TXOP(transmission opportunity)をアクセスポイント(access point;AP)から獲得し、前記TXOPは、APがMU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)送信のための少なくとも一つのデータブロックを送信するために権限を獲得する場合に時間区間を指示し;前記APからパワーセービング指示子を受信し、前記パワーセービング指示子は、前記APが前記TXOP区間中ドーズ状態(doze state)に進入することを許容するか否かを指示し;及び、前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示する場合、前記TXOPの終了時までドーズ状態に進入すること;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LANシステムに関し、より詳しくは、無線LANシステムにおけるステーション(Station;STA)のパワーセービング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報通信技術の発展とともに多様な無線通信技術が開発されている。このうち無線LAN(WLAN)は、無線周波数技術に基づいて個人携帯用情報端末機(Personal Digital Assistant;PDA)、ラップトップコンピュータ、携帯用マルチメディアプレーヤ(Portable Multimedia Player;PMP)等のような携帯用端末機を用いて家庭や企業または特定サービス提供地域で無線でインターネットに接続することができるようにする技術である。
【0003】
無線LANから脆弱点と指摘されてきた通信速度に対する限界を克服するために、比較的最近制定された技術規格としてIEEE802.11nがある。IEEE802.11nは、ネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張することを目的にする。より具体的に、IEEE802.11nでは、データ処理速度が最大540Mbps以上である高処理率(High Throughput;HT)をサポートし、送信エラーを最小化してデータ速度を最適化するために、送信部と受信部の両方ともにマルチアンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基づいている。
【0004】
無線LANシステムでは、ステーション(station;STA)の運営モードとしてアクティブモード(active mode)とパワーセーブモード(power save mode)をサポートする。アクティブモードは、STAがアウェイク状態(awake state)に動作してフレームを送受信することができる運営モードを意味する。反面、フレーム受信のために活性化状態にある必要がないSTAのパワーセービング(power saving)のためにパワーセーブモード運営がサポートされる。PSMをサポートするステーション(station;STA)は、自身が無線媒体に接近することができる期間でない場合、ドーズ状態(doze mode)に動作することによって不要なパワー消耗を防止することができる。即ち、該当STAにフレームが送信されることができる期間中または該当STAがフレームを送信することができる期間中にのみアウェイク状態(awake state)に動作する。
【0005】
STAは、WLANの普及が活性化され、これを用いたアプリケーションが多様化されることによって、最近にはIEEE802.11nがサポートするデータ処理速度より高い処理率をサポートするための新たなWLANシステムに対する必要性が台頭されている。超高処理率(Very High Throughput;VHT)をサポートする次世代無線LANシステムは、IEEE802.11n無線LANシステムの次のバージョンであり、MACサービス接続ポイント(Service Access Point;SAP)で1Gbps以上のデータ処理速度をサポートするために最近新たに提案されているIEEE802.11無線LANシステムのうち一つである。
【0006】
次世代無線LANシステムは、無線チャネルを効率的に用いるために、複数の非AP STAが同時にチャネルに接近するMU−MIMO(Multi User Multiple Input Multiple Output)方式の送信をサポートする。MU−MIMO送信方式によると、APがMIMOペアリングされた一つ以上の非AP STAに同時にフレームを送信することができる。
【0007】
従って、MU−MIMO送信をサポートする無線LANシステムにおける非AP STAの不要なパワー消耗を防止するためのパワーセービング方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、MU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)をサポートする無線LANシステムにおけるステーション(Station;STA)のパワーセービング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、無線LANにおける無線装置により実行されるパワーセービング方法が提供される。前記方法は、TXOP(transmission opportunity)をアクセスポイント(access point;AP)から獲得し、前記TXOPは、APがMU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)送信のための少なくとも一つのデータブロックを送信するために権限を獲得する場合に時間区間を指示し;前記APからパワーセービング指示子を受信し、前記パワーセービング指示子は、前記APが前記TXOP区間中ドーズ状態(doze state)に進入することを許容するか否かを指示し;及び、前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示する場合、前記TXOPの終了時までドーズ状態に進入すること;を含む。
【0010】
前記方法は、前記APからグループ指示子(group ID)を受信することをさらに含む。前記グループIDは、前記少なくとも一つのデータブロックの受信者グループを識別する。
【0011】
前記TXOPの前記終了時までドーズ状態に進入するステップは、前記無線装置が前記グループIDにより識別される受信者グループのメンバか否かを決定し;及び、前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示し、前記無線装置が前記受信者グループのメンバでない場合、前記TXOP終了時までドーズ状態に進入すること;を含む。
【0012】
前記データブロックは、VHT−SIGAフィールド及び複数のデータユニットを含むPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure)Protocol Data Unit)である。
【0013】
前記VHT−SIGAフィールドは、前記グループID及び前記パワーセービング指示子を含む。
【0014】
前記方法は、前記少なくとも一つのデータブロックの送信のために、前記受信者の各々に送信される空間ストリームの個数を指示する個数指示子を受信することをさらに含む。
【0015】
前記TXOP終了時まで前記ドーズ状態に進入するステップは、前記無線装置が前記グループIDにより識別される受信者グループのメンバか否かを決定し;前記無線装置が前記受信者グループの前記メンバでない場合、前記無線装置に送信される空間ストリームの個数を決定し;及び、前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示し、前記無線装置に送信される前記空間ストリームの個数が0の場合、前記TXOP終了時までドーズ状態に進入すること;を含む。
【0016】
前記データブロックは、VHT−SIGAフィールド及び複数のデータユニットを含むPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure)Protocol Data Unit)である。
【0017】
前記VHT−SIGAフィールドは、前記グループID及び前記パワーセービング指示子を含む。
【0018】
他の態様において無線装置が提供される。前記無線装置は、無線信号を送信及び受信するトランシーバ(transceiver);及び、前記トランシーバと機能的に結合されたプロセッサ;を含む。前記プロセッサは、TXOP(transmission opportunity)をアクセスポイント(access point;AP)から獲得し、前記TXOPは、APがMU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)送信のための少なくとも一つのデータブロックを送信するために権限を獲得する場合に時間区間を指示し;前記APからパワーセービング指示子を受信し、前記パワーセービング指示子は、前記APが前記TXOP区間中ドーズ状態(doze state)に進入することを許容するか否かを指示し;及び、前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示する場合、前記TXOPの終了時までドーズ状態に進入するように構成される。
【発明の効果】
【0019】
非AP STAは、アクセスポイント(Access Point;AP)から送信されるデータフレームの特性とAPにより割り当てられた送信対象非AP STAグループによってTXOP(Transmission Opportunity)内でパワーセービングをすることができる。
【0020】
本発明の実施例に係るパワーセーブモード運営方法によると、APは、必要によって選択的に非AP STAのTXOP内のスリップモード運営を許容することによって、追加的に送信されるデータフレームを受信することができるようにして全体的な無線LANシステムの処理率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例が適用されることができる無線LAN(Wireless Local Area Network;WLAN)システムの構成を示す。
【図2】無線LANシステムにおける非AP STA(non AP Station)のパワー管理(Power Management;PM)モードを示す。
【図3】本発明の実施例に係るPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure)Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係る非AP STAのパワー管理方法の一例を示す。
【図5】本発明の実施例に係る非AP STAのパワー管理方法の他の一例を示す。
【図6】本発明の実施例に係る非AP STAのパワー管理方法の他の一例を示す。
【図7】本発明の実施例に係る非AP STAのパワー管理方法の他の一例を示す。
【図8】本発明の実施例が具現されることができる無線装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施例が適用されることができる無線LAN(Wireless Local Area Network;WLAN)システムの構成を示す。
【0023】
図1を参照すると、WLANシステムは、一つまたはその以上の基本サービスセット(Basic Service Set;BSS)を含む。BSSは、成功的に同期化を行って互いに通信することができるステーション(Station;STA)の集合であり、特定領域を意味するものではない。
【0024】
インフラストラクチャ(infrastructure)BSSは、一つまたはその以上の非APステーション(non−AP STA1、non−AP STA2、non−AP STA3、non−AP STA4、non−AP STA5)、分散サービス(Distribution Service)を提供するAP(Access Point)、及び複数のAPを連結させる分散システム(Distribution System;DS)を含む。インフラストラクチャBSSではAPがBSSの非AP STAを管理する。
【0025】
反面、独立BSS(Independent BSS;IBSS)は、アドホック(Ad−Hoc)モードに動作するBSSである。IBSSは、APを含まないため、中央で管理機能を遂行するエンティティ(Centralized Management Entity)がない。即ち、IBSSでは、非AP STAが分散された方式(distributed manner)に管理される。IBSSでは、全てのSTAが移動STAからなることができ、DSへの接続が許容されないため自己完備的ネットワーク(self−contained network)を構築する。
【0026】
STAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11標準の規定による媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インターフェースを含む任意の機能媒体であり、広義ではAPと非APステーション(Non−AP Station)の両方ともを含む。
【0027】
非AP STAは、APでないSTAであり、移動端末(mobile terminal)、無線機器(wireless device)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit;WTRU)、ユーザ装備(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、または移動スクライバユニット(Mobile Subscriber Unit)など、他の名称で呼ばれることもある。
【0028】
APは、該当APに結合された(Associated)非AP STAのために、無線媒体を経由してDSに対する接続を提供する機能エンティティである。APを含むインフラストラクチャBSSで、非AP STA間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定された場合には非AP STA間でも直接通信が可能である。APは、集中制御器(central controller)、基地局(Base Station;BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などと呼ばれることもある。
【0029】
図1に示すBSSを含む複数のインフラストラクチャBSSは、分散システム(Distribution System;DS)を介して相互連結されることができる。DSを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set;ESS)という。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、同じESSで非AP STAは、シームレス通信しつつ、一つのBSSから他のBSSに移動することができる。
【0030】
IEEE802.11による無線LANシステムで、MAC(Medium Access Control)の基本接続メカニズムは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)メカニズムである。CSMA/CAメカニズムは、IEEE802.11MACの分配調整機能(Distributed Coordination Function;DCF)と呼ばれることもあり、基本的に“listen before talk”接続メカニズムを採用している。このような類型の接続メカニズムによると、STAは送信開始前に無線チャネルまたは媒体(medium)をセンシング(sensing)する。センシング結果、媒体が休止状態(idle status)であると判断されると、該当媒体を介してフレーム送信を開始する。反面、媒体が占有状態(occupied status)であると判断されると、該当ステーションは自己自身の送信を開始せずに媒体接近のための遅延期間を設定して待つ。
【0031】
CSMA/CAメカニズムは、STAが媒体を直接センシングする物理的キャリアセンシング(physical carrier sensing)外に仮想キャリアセンシング(virtual carrier sensing)も含む。仮想キャリアセンシングは、ヒドンノード問題(hidden node problem)などのように媒体接近上発生することができる問題を補完するためのことである。仮想キャリアセンシングのために、無線LANシステムのMACは、ネットワーク割当ベクトル(Network Allocation Vector;NAV)を用いる。NAVは、現在媒体を使用していたり、或いは使用する権限のあるSTAが、媒体の利用可能な状態になるまで残っている時間を他のSTAに指示する値である。従って、NAVとして設定された値は、該当フレームを送信するSTAにより媒体の使用が予定されている期間に該当する。
【0032】
DCFと共に、IEEE802.11MACプロトコルは、DCFとポーリング(polling)ベースのの同期式接続方式に全ての受信STAがデータフレームを受信することができるように周期的にポーリングするPCF(Point Coordination Function)に基づくHCF(Hybrid Coordination Function)を提供する。HCFは、提供子が複数のユーザにデータフレームを提供するための接続方式をコンテンションベースのEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)とポーリング(polling)メカニズムを用いた非コンテンションベースののチャネル接近方式を使用するHCCA(HCF Controlled Channel Access)を有する。HCFは、WLANのQoS(Quality of Service)を向上させるための媒体接近メカニズムを含み、コンテンション周期(Contention Period;CP)と非コンテンション周期(Contention Free Period;CFP)の両方ともでQoSデータを送信することができる。
【0033】
コンテンションベースのチャネル接近方式のEDCAは、八つの種類のユーザ優先順位を有するフレームに対して差別化された媒体接近を許容している。上位階層からMAC階層に到着する各フレームは特定ユーザ優先順位値を有するようになり、各々のQoSデータフレームのMACヘッダにはユーザ優先順位値が含まれる。
【0034】
これらの優先順位を含むQoSデータフレームの送信のために、QoS STAは、4個のAC(Access Category)を具現する。MAC階層に到着するフレームのユーザ優先順位は、互いに対応される一つのACが割り当てられる。従って、EDCAコンテンションで成功すると、EDCA送信機会(Transmission Opportunity;TXOP)を獲得するようになる。TXOPは、特定STAが無線媒体上に送信を開始する権利を有する場合の権利の持続時間間隔であり、特定STAがフレームを送信することができる一定時間を付与し、これを保障するために使われる。TXOPの送信開始時間と最大送信時間は、APにより決定され、EDCA TXOPの場合、ビーコンフレームにより非AP STAに通報されることができる。
【0035】
EDCA技法の核心要素であるEDCAパラメータセット(EDCA parameter set)は、ユーザ優先順位のトラフィックに対するパラメータを示すフィールドであり、その一例として下記表1のように与えられる。EDCAパラメータセット(EDCA parameter set)は、2009年10月に開示された“IEEE802.11n,Part 11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications,Amendment 5:Enhancements for Higher Throughput”の7.3.2.29節を参照することができる。
【0036】
【表1】

前記EDCAパラメータセットであるAIFSN[AC]、CWmin[AC]、CWmax[AC]等の値は、APによりビーコンフレームに載せて各STAに通報することができる。基本的にAIFSN[AC]とCWmin[AC]の値が小さいほど高い優先順位を有し、これによってチャネル接近遅延が短くなって与えられたトラフィック環境でより多くの帯域を使用する。前記のように特定STAが送信を開始する時、TXOPに基づいて送信時間を定める。APは、AIFSN[AC]、CWmin[AC]、CWmax[AC]などのEDCAパラメータとEDCA TXOP時間であるTXOP Limit[AC]をビーコンフレームに載せて各STAに伝達する。
【0037】
前記のようなTXOP獲得は、プローブ応答フレーム(probe response frame)の送信、RTS(request to send)/CTS(clear to send)フレーム交換、及びCTS to selfフレーム送信により行われることができる。TXOPに関連する情報は、APによりブロードキャストされることができ、前述したフレームに含まれたEDCAパラメータセット情報要素に含まれることができる。
【0038】
無線LANシステムで非AP STAのパワー管理(Power Management;PM)モードは、アクティブモード(Active mode)及びパワーセービング(Power Save;PS)モードに分けられる。非AP STAは、基本的にアクティブモードに動作する。アクティブモードに動作する非AP STAは、常時フレームを受信することができるようにアウェイク状態(awake state)に動作することができる。
【0039】
PSモードに動作する非AP STAは、ドーズ状態(doze state)とアウェイク状態を転換して動作する。ドーズ状態に動作する非AP STAは、最小限のパワーで動作し、データフレームを含むAPから送信される無線信号を受信しない。ドーズ状態の非AP STAは、選択されたビーコンフレームを受信するために、特定受信されたビーコンフレームの次にくるマルチキャスト/ブロードキャスト送信を受信するために、及びPS−ポールフレームに対する応答を待つために、アウェイク状態(awake state)に転換して動作することができる。
【0040】
非AP STAは、APにより設定されたTXOP区間内でパワーセーブモードに動作し、アウェイク状態とドーズ状態を転換して動作することができる。以下、TXOP区間内で非AP STAがアウェイク状態とドーズ状態を転換して動作することをTXOP PSモードという。TXOPは、STAがフレーム送信のために無線媒体に接近することができる権限を有する時間的な間隔を意味する。ただし、TXOP区間内で持続的にフレームの交換が進行されない。従って、TXOP PSモードがサポートされると、STAのパワーセービングが可能である。
【0041】
既存、無線LANシステムとは異なって、次世代無線LANシステムではより高い処理率を要求する。これをVHT(Very High Throughput)といい、このために、次世代無線LANシステムでは、80MHz、連続的な160MHz(contiguous 160MHz)、非連続的な160MHz(non−contiguous 160MHz)帯域幅送信及び/またはその以上の帯域幅送信をサポートしようとする。また、より高い処理率のために、MU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)送信方法を提供する。次世代無線LANシステムにおけるAPは、MIMOペアリングされた少なくとも一つ以上の非AP STAに同時にデータフレームを送信することができる。図1のような無線LANシステムにおけるAP10は、自身と結合(association)されている複数の非AP STA21、22、23、24、30 のうち少なくとも一つ以上の非AP STAを含む非AP STAグループにデータを同時に送信することができる。この時、各々の非AP STAに送信されるデータは、互いに異なる空間ストリーム(spatial stream)を介して送信されることができる。AP10が送信するデータフレームは、無線LANシステムの物理階層(Physical Layer;PHY)で生成されて送信されるPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure)Protocol Data Unit)と呼ばれることもある。本発明の例示で、AP10とMIMOペアリングされた非AP STAは、非AP STA1(21)、非AP STA2(22)、非AP STA3(23)、及び非AP STA4(24)と仮定する。この時、特定非AP STAには空間ストリームが割り当てられないためデータが送信されない場合がある。
【0042】
図2は、本発明の実施例に係るPPDUフォーマットの一例を示すブロック図である。
【0043】
図2を参照すると、PPDU200は、L−STFフィールド210、L−LTFフィールド220、L−SIGフィールド230、VHT−SIGAフィールド240、VHT−STFフィールド250、VHT−LTFフィールド260、VHT−SIGBフィールド270、及びデータフィールド280を含むことができる。
【0044】
PHYを構成するPLCP副階層(sublayer)は、MAC(Medium Access Control)階層から伝達を受けたPSDU(PHY Service Data Unit)に必要な情報を加えてデータフィールド280に変換し、L−STFフィールド210、L−LTFフィールド220、L−SIGフィールド230、VHT−SIGAフィールド240、VHT−STFフィールド250、VHT−LTFフィールド260、VHT−SIGBフィールド270などのフィールドを加えてPPDU200を生成し、PHYを構成するPMD(Physical Medium Dependent)副階層を介して一つまたはその以上の非AP STAに送信する。
【0045】
L−STFフィールド210は、フレームタイミング獲得(frame timing acquisition)、AGC(Automatic Gain Control)コンバージェンス(convergence)、粗い(coarse)周波数獲得などに使われる。
【0046】
L−LTFフィールド220は、L−SIGフィールド230及びVHT−SIGAフィールド240の復調のためのチャネル推定に使用する。
【0047】
L−SIGフィールド230は、L−STAがPPDUを受信してデータを獲得する時に使われる。
【0048】
VHT−SIGAフィールド240は、APとMIMOペアリングされた(paired)VHT−STAに必要な共用制御情報と関連するフィールドであり、受信されたPPDU200を解釈するための制御情報を含んでいる。VHT−SIGAフィールド240は、MIMOペアリングされた複数のSTAの各々に対する空間ストリームに対する情報、帯域幅(bandwidth)情報、STBC(Space Time Block Coding)を使用するか否かと関連する識別情報、送信対象非AP STAグループに対する識別情報であるグループ識別子(Group Identifier)、グループ識別子の割当を受けた非AP STAに割り当てられた空間ストリームに対する情報、及び送信対象非AP STAの短いGI(Guard Interval)関連情報を含む。ここで、グループ識別子は、現在使われたMIMO送信方法がMU−MIMOか、或いはSU−MIMOかを含むことができる。
【0049】
VHT−STFフィールド250は、MIMO送信においてAGC推定の性能を改善するために使われる。
【0050】
VHT−LTFフィールド260は、非AP STAがMIMOチャネルを推定する時に使われる。次世代無線LANシステムは、MU−MIMOをサポートするため、VHT−LTFフィールド260は、PPDU200が送信される空間ストリームの個数ほど設定されることができる。追加的に、フルチャネルサウンディング(full channel sounding)がサポートされ、これが実行される場合にVHT LTFの数はより多くなることができる。
【0051】
VHT−SIGBフィールド270は、MIMOペアリングされた複数の非AP STAがPPDU200を受信してデータの獲得に必要な専用制御情報を含む。従って、VHT−SIGBフィールド270に含まれた共用制御情報が、現在受信されたPPDU200はMU−MIMO送信されたものであると指示する場合にのみ、非AP STAは、VHT−SIGBフィールド270をデコーディング(decoding)するように設計されることができる。その反対に、共用制御情報が、現在受信されたPPDU200は単一非AP STAのためのもの(SU−MIMOを含む)であると指示する場合、STAは、VHT−SIGBフィールド270をデコーディングしないように設計されることができる。
【0052】
VHT−SIGBフィールド270は、各非AP STAの変調(modulation)、エンコーディング(encoding)、及びレートマッチング(rate−matching)に対する情報を含む。VHT−SIGBフィールド270の大きさは、MIMO送信の類型(MU−MIMOまたはSU−MIMO)及びPPDU送信のために使用するチャネル帯域幅によって異なる。
【0053】
データフィールド280は、非AP STAに送信が意図されるデータを含む。データフィールド280は、MAC階層でのMPDU(MAC Protocol Data Unit)が伝達されたPSDU(PLCP Service Data Unit)とスクランブラを初期化するためのサービス(service)フィールド、コンボリューション(convolution)エンコーダをゼロ状態(zero state)に返す時に必要なビットシーケンスを含むテール(tail)フィールド、及びデータフィールドの長さを規格化するためのパディングビットを含む。
【0054】
図3は、次世代無線LANシステム構成の一例を示す。図3は、図1のようにAP10及び複数の非AP STA21、22、23、24、25を含む無線LANシステムを示しており、AP10は、MU−MIMO送信技法を介して複数の非AP STAにPPDUを送信することができる。
【0055】
図3を参照すると、非AP STA1(21)、非AP STA2(22)、非AP STA3(23)、及び非AP STA4(24)は、グループ識別子1が指示する送信対象非AP STAグループに含まれ、非AP STA5(25)は、グループ識別子2が指示する送信対象非AP STAグループに含まれると仮定する。また、AP10は、グループ識別子1が指示する送信対象非AP STAグループに含まれる非AP STAにPPDUを送信しようとすると仮定する。
【0056】
AP10が送信するPPDU200に含まれたVHT−SIGAフィールド240にはグループ識別子1が含まれる。非AP STA1(21)に送信されるデータフィールド281は、1個の空間ストリーム(spatial stream)を介して送信され、非AP STA2(22)に送信されるデータフィールド282は、3個の空間ストリームを介して送信され、非AP STA3(23)に送信されるデータフィールド283は、2個の空間ストリームを介して送信される。一方、非AP STA4(24)は、送信対象非AP STAグループに含まれるが、データフィールドの送信のために送信される空間ストリームがない。これは、AP10がTXOP区間内でMIMOペアリングされた複数の非AP STAにMU−MIMOを送信することができるが、一部非AP STAに対しては送信するデータがない場合もあるためである。この場合、VHT−SIGAフィールド240に含まれる空間ストリーム情報は、非AP STA1(21)に1個の空間ストリームが送信されることを、非AP STA2(22)に3個の空間ストリームが送信されることを、非AP STA3(23)に2個の空間ストリームが送信されることを、最後に非AP STA(24)に送信される空間ストリームの個数が無いことを、指示するように構成されることができる。
【0057】
一方、非AP STA5(25)は、AP10と結合(association)されているが、送信対象非AP STAに該当しない。非AP STA5(25)は、PPDU300をオーバーヒアリングし(overhearing)、VHT−SIGAフィールド240に含まれたグループ識別子を確認し、送信対象非AP STAでないことを知ることができる。
【0058】
前記のような状況で送信対象非AP STAでない場合、又は送信対象非AP STAであるが空間ストリームの割当を受けない場合、非AP STAがTXOP区間内で持続的にアウェイク状態に動作することは不要なパワー消耗を引き起こすことができる。このために、非AP STAは、APが送信するPPDUに含まれたグループ指示子が指示する送信対象非AP STAグループに該当しない場合、或いは該当する場合にも空間ストリームを介して送信されるデータがない場合、ドーズ状態に転換してパワーセービングをすることができる。
【0059】
一方、必要によってTXOP区間内の特定期間中データを受信しない非AP STAであるとしても、すぐドーズ状態に転換せずにアウェイク状態を維持する必要がある場合もある。このために、APは、状況によってTXOP区間内で非AP STAのTXOP PSモードを許容するか否かを知らせることができる。このように、TXOP区間内で非AP STAのより細部的なパワー管理方法に対する議論が必要である。以下、非AP STAの各々に送信されるデータフィールドをデータユニット(data unit)といい、複数のAP STAに送信されるデータユニットの集合をデータブロックという。
【0060】
まず、APにより割り当てられるグループ識別子は、二つのタイプを有することができる。例えば、特定グループ識別子のセットは、非AP STAのTXOP PSモード運営を許容するように構成されることができ、他の特定グループ識別子セットは、非AP STAのTXOP PSモード運営を許容しないように構成されることができる。このようなグループ識別子セットは、APが制御情報を介して非AP STAに制御信号送信を介して知らせることができ、或いはAPと非AP STAとの間の能力値交換(capability exchange)手順を介して非AP STAにより獲得されることができる。このような特性を有するグループ識別子を介して送信対象非AP STAグループが特定されると、TXOP区間内でドーズ状態に転換して動作することができる非AP STAとTXOP区間内でアウェイク状態に動作する非AP STAが区分されることができる。図4は、二つのタイプのグループ識別子を介して行われる非AP STAのパワーセービング方法を示す一例である。
【0061】
図4は、本発明の実施例に係る非AP STAのパワーセービング方法の一例を示す。図4でグループ指示子1に含まれた非AP STAはTXOP PSモード運営が許容され、グループ指示子2に含まれた非AP STAはTXOP PSモード運営が許容されない。
【0062】
図4を参照すると、AP10と結合されている非AP STAは、TXOPが割り当てられる(S410)。TXOP割当は、前述のようにAP10により獲得されたTXOPに関連する情報が非AP STAに送信されることによって実行されることができる。
【0063】
AP10は、PPDUを送信し、該当PPDUには送信対象非AP STAグループを指示する情報としてグループ識別子1が含まれている。ただし、非AP STA4(24)にはデータ送信のための空間ストリームが割り当てられない(NSTS=0)。
【0064】
非AP STA1(21)、非AP STA2(22)、及び非AP STA3(23)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAであることを確認することができる。また、空間ストリーム情報を介して自身に割り当てられた空間ストリームの個数を確認することができ、これによって自身にデータが送信されることを知ることができる。従って、非AP STA1(21)、非AP STA2(22)、及び非AP STA3(23)は、TXOP区間内で持続的にアウェイク状態を維持する(S421)。
【0065】
非AP STA4(24)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAであることを確認することができる。ただし、空間ストリーム情報を介して自身に割り当てられた空間ストリームが無いことを知ることができ、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。非AP STA4(24)が含まれている送信対象非AP STAグループを指示するグループ識別子1は、TXOP PSモードが許容されるグループを指示するため、非AP STA4(24)はドーズ状態に転換して動作することができる(S422)。
【0066】
非AP STA5(25)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAに該当しないことを確認することができる。ただし、非AP STA5(25)が含まれている送信対象非AP STAグループを指示するグループ識別子2は、TXOP PSモードが許容されないグループを指示するため、非AP STA5(25)は、ドーズ状態に転換することができず、アウェイク状態を維持する(S423)。
【0067】
また、非AP STAのTXOP PSモード運営の許容可否を別途の制御情報送信を介して具現することができる。これをTXOP PSモード指示情報(TXOP PS mode indication information)という。TXOP PSモード指示情報は、MACヘッダ(header)の制御情報として含まれることができ、APと非AP STAの能力値交換過程を介して非AP STAに送信されることができる。また、TXOP PSモード指示情報は、PPDUのVHT−SIGAフィールドに含まれて送信されることができ、これはVHT−SIGAフィールドがTXOP PSモード指示サブフィールドをさらに含むことで具現されることができる。TXOP PSモード指示サブフィールドの値が‘1’の場合、非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示すると設定されることができ、‘0’の場合、非AP STAのTXOP PSモードを許容しないことを指示すると設定されることができる。サブフィールド値は、前記と反対に設定可能であり、他の特定値に設定されても区別可能なら関係ない。非AP STAは、PPDUを受信し、TXOP PSモード指示情報がTXOP PSモード運営の許容を指示する場合にドーズ状態に転換して動作することができる。図5を参照してより詳細に説明する。
【0068】
図5は、本発明の実施例に係る非AP STAのパワーセービング方法の他の一例を示す。
【0069】
図5を参照すると、AP10と結合されている非AP STAは、TXOPが割り当てられる(S510)。TXOP割当は、前述のように、AP10により獲得されたTXOPに関連する情報が非AP STAに送信されることによって実行されることができる。
【0070】
AP10は、PPDUを送信し、該当PPDUには送信対象非AP STAグループを指示する情報としてグループ識別子1が含まれている。また、非AP STA4(24)にはデータ送信のための空間ストリームが割り当てられない(NSTS=0)。PPDUには追加的にTXOP PSモード指示情報が含まれている。TXOP PSモード指示情報は、TXOP PSモードを許容するか否かを指示することができる。
【0071】
図示されていないが、非AP STA1(21)、非AP STA2(22)、及び非AP STA3(23)は、図4と同様にTXOP区間内で持続的にアウェイク状態を維持する。
【0072】
非AP STA4(24)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAであることを確認することができる。ただし、空間ストリーム情報を介して自身に割り当てられた空間ストリームが無いことを知ることができ、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示する場合(実線)、非AP STA(24)はドーズ状態に転換して動作することができる(S521a)。反対に、TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容しないことを指示する場合(点線)、非AP STA(24)はTXOP区間内で持続的にアウェイク状態に動作することができる(S521b)。非AP STA5(25)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAに該当せず、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示する場合(実線)、非AP STA(25)はドーズ状態に転換して動作することができる(S522a)。反対に、TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容しないことを指示する場合(点線)、非AP STA(24)はTXOP区間内で持続的にアウェイク状態に動作することができる(S522b)。
【0073】
一方、非AP STAがTXOP区間内で動作する時、TXOP区間終了までドーズ状態に動作せず、PPDUが送信される区間以後アウェイク状態に転換することができる。
【0074】
図6は、本発明の実施例に係る非AP STAのパワーセービング方法の他の一例を示す。
【0075】
図6を参照すると、AP10と結合されている非AP STAは、TXOPが割り当てられる(S610)。TXOP割当は、前述のように、AP10により獲得されたTXOPに関連する情報が非AP STAに送信されることによって実行されることができる。
【0076】
非AP STA4(24)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAであることを確認することができる。ただし、空間ストリーム情報を介して自身に割り当てられた空間ストリームが無いことを知ることができ、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示する等、非AP STAのTXOP PSモード運営が許容されると、非AP STA4(24)はドーズ状態に転換して動作することができる(S621)。非AP STA4(24)は、AP10のPPDU送信が完了すると、再びアウェイク状態に転換して動作することができる(S631)。また、非AP STA4(24)は、PPDUに含まれた制御情報であるPPDU長さ情報、データフィールドの長さ情報や送信されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの個数情報を介してPPDUの送信が終了される時点を知ることができる。
【0077】
反面、非AP STA5(25)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAに該当せず、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示する等、非AP STAのTXOP PSモード運営が許容されると、非AP STA5(25)はドーズ状態に転換して動作することができる(S622)。ただし、非AP STA5(25)は、PPDUの送信が終了されてもスリップモードに転換せずにTXOP区間内でドーズ状態を維持して動作することができる(S632)。
【0078】
図6のような実施例におけるAPは、非AP STAがTXOP区間内でTXOP PSモードに動作するか否かを選択的に決定するようにすることができる。これはTXOP内で追加的にPPDUが送信される場合に有用に適用されることができる。例えば、AP10がTXOP内でPPDUをさらに送信し、この場合、非AP STA4(24)に空間ストリームを送信してデータを送信する状況で非AP STA4(24)がドーズ状態に動作する場合、該当PPDUを受信することができない。反面、AP10が以前PPDUを送信する時、TXOP PSモード運営を許容しないという情報を送信する場合、非AP STA4(24)は、持続的にアウェイクモードに動作するため、追加的に送信されるPPDUを受信してデータを獲得することができる。
【0079】
また、次世代無線LANシステムにおける非AP STAは、グループ識別子が指示する送信対象非AP STAグループに重複して含まれることができる。例えば、非AP STA4(24)が、グループ識別子1及びグループ識別子2が指示する送信対象非AP STAに同時に含まれることができる。AP10は、TXOP区間内でグループ識別子2が指示する送信対象非AP STAグループにデータを送信しようとする状況で、非AP STA4(24)がアウェイク状態に動作すると、該当データを正常に受信することができる。従って、TXOP区間中、状況によって非AP STAのTXOP PSモードを選択的に許容することができると、無線LANシステムの全体的な処理率が向上することができる。
【0080】
一方、図6に示す一例で、非AP STA4(24)は、PPDU送信が完了する時点以後にアウェイク状態に転換するため、その以後AP10によるPPDU送信時に該当PPDUを受信することができるが、非AP STA5(25)は、TXOP区間内でスリップモードに動作し続けるため、以後AP10により追加に送信されるPPDUを受信することができない。
【0081】
追加的に、AP10は、非AP STAにPPDUを送信する時、TXOP区間内でTXOP PSモードに運営される持続時間に対する指示情報をさらに含んで送信することができる。TXOP PSモード持続時間指示情報は、送信されるPPDUのVHT−SIGBフィールドにTXOP PS持続時間指示(TXOP PS duration indication)サブフィールドがさらに含まれることによって具現されることができる。
【0082】
図7は、本発明の実施例に係る非AP STAのパワー管理方法の他の一例を示す。
【0083】
図7を参照すると、AP10と結合されている非AP STAは、TXOPが割り当てられる(S710)。TXOP割当は、前述のように、AP10により獲得されたTXOPに関連する情報が非AP STAに送信されることによって実行されることができる。
【0084】
非AP STA4(24)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAであることを確認することができる。ただし、空間ストリーム情報を介して自身に割り当てられた空間ストリームが無いことを知ることができ、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示する等、非AP STAのTXOP PSモード運営が許容されると、非AP STA4(24)はドーズ状態に転換する(S721)。TXOP PS持続時間指示情報が、TXOP PSモードがTXOP区間内で持続しなければならないことを指示すると(点線)、非AP STA4(24)はTXOP区間内でドーズ状態を維持する(S731a)。TXOP PS持続時間指示情報が、TXOP PSモードがPPDU送信終了時まで持続することを指示すると(実線)、非AP STA4(24)はPPDU送信終了時にアウェイク状態に転換して動作することができる(S731b)。
【0085】
反面、非AP STA5(25)は、PPDUの受信開始後、グループ識別子を介して自身が送信対象非AP STAに該当せず、これ以上PPDUを受信する必要がないと決定することができる。TXOP PSモード指示情報が非AP STAのTXOP PSモードを許容することを指示する等、非AP STAのTXOP PSモード運営が許容されると、非AP STA5(25)はドーズ状態に転換して動作することができる(S722)。TXOP PS持続時間指示情報が、TXOP PSモードがTXOP区間内で持続しなければならないことを指示すると(点線)、非AP STA5(25)はTXOP区間内でドーズ状態を維持する(S732a)。TXOP PS持続時間指示情報が、TXOP PSモードがPPDU送信終了時まで持続することを指示すると(実線)、非AP STA5(25)はPPDU送信終了時にアウェイク状態に転換して動作することができる(S732b)。非AP STA4(24)及び非AP STA5(25)は、TXOP区間内でAPにより追加的にPPDU送信される場合、該当PPDUを受信したり、或いは再びTXOP PSモードに動作することができる。
【0086】
図8は、本発明の実施例が具現されることができる無線装置を示すブロック図である。
【0087】
図8を参照すると、無線装置800は、プロセッサ810、メモリ820、及びトランシーバ830を含む。トランシーバ830は、無線信号を送信及び/または受信し、IEEE802.11の物理階層を具現する。プロセッサ810は、トランシーバ830と機能的に連結され、PPDUフォーマットのようなデータフレームを生成し、送信チャネルを選択し、データフレームを送信チャネルを介して送信する図2ないし図7に示す本発明の実施例を具現するMAC階層及び/またはPHY階層を具現するように設定される。プロセッサ810は、受信したPPDUに含まれたグループ識別子、空間ストリーム個数及び/またはTXOP PSモード指示情報を介してTXOP PSモードへの動作可否を決定し、TXOP PS持続時間指示情報を介してTXOP区間内での動作モードを決定することができる。
【0088】
プロセッサ810及び/またはトランシーバ830は、ASIC(Application−Specific Integrated Circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリ820に格納され、プロセッサ810により実行されることができる。メモリ820は、プロセッサ810の内部に含まれることができ、または外部に別途に位置して知られた多様な手段でプロセッサ810と機能的に連結されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANにおける無線装置により実行されるパワーセービング方法において、
前記方法は、TXOP(transmission opportunity)をアクセスポイント(access point;AP)から獲得し、前記TXOPは、APがMU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)送信のための少なくとも一つのデータブロックを送信するために権限を獲得する場合に時間区間を指示し、
前記APからパワーセービング指示子を受信し、前記パワーセービング指示子は、前記APが前記TXOP区間中ドーズ状態(doze state)に進入することを許容するか否かを指示し、及び
前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示する場合、前記TXOPの終了時までドーズ状態に進入することを含むパワーセービング方法。
【請求項2】
前記方法は、前記APからグループ指示子(group ID)を受信することをさらに含み、前記グループIDは、前記少なくとも一つのデータブロックの受信者グループを識別することを特徴とする請求項1に記載のパワーセービング方法。
【請求項3】
前記TXOPの前記終了時までドーズ状態に進入するステップは、前記無線装置が前記グループIDにより識別される受信者グループのメンバか否かを決定し、及び前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示し、前記無線装置が前記受信者グループのメンバでない場合、前記TXOP終了時までドーズ状態に進入することを含むことを特徴とする請求項2に記載のパワーセービング方法。
【請求項4】
前記データブロックは、VHT−SIGAフィールド及び複数のデータユニットを含むPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure)Protocol Data Unit)であることを特徴とする請求項3に記載のパワーセービング方法。
【請求項5】
前記VHT−SIGAフィールドは、前記グループID及び前記パワーセービング指示子を含むことを特徴とする請求項4に記載のパワーセービング方法。
【請求項6】
前記方法は、前記少なくとも一つのデータブロックの送信のために、前記受信者の各々に送信される空間ストリームの個数を指示する個数指示子を受信することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のパワーセービング方法。
【請求項7】
前記TXOP終了時まで前記ドーズ状態に進入するステップは、
前記無線装置が前記グループIDにより識別される受信者グループのメンバか否かを決定し、
前記無線装置が前記受信者グループの前記メンバでない場合、前記無線装置に送信される空間ストリームの個数を決定し、及び、
前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示し、前記無線装置に送信される前記空間ストリームの個数が0の場合、前記TXOP終了時までドーズ状態に進入することを含むことを特徴とする請求項6に記載のパワーセービング方法。
【請求項8】
前記データブロックは、VHT−SIGAフィールド及び複数のデータユニットを含むPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure)Protocol Data Unit)であることを特徴とする請求項7に記載のパワーセービング方法。
【請求項9】
前記VHT−SIGAフィールドは、前記グループID及び前記パワーセービング指示子を含むことを特徴とする請求項8に記載のパワーセービング方法。
【請求項10】
無線信号を送信及び受信するトランシーバ(transceiver);及び、
前記トランシーバと機能的に結合されたプロセッサ;を含み、
前記プロセッサは、
TXOP(transmission opportunity)をアクセスポイント(access point;AP)から獲得し、前記TXOPは、APがMU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)送信のための少なくとも一つのデータブロックを送信するために権限を獲得する場合に時間区間を指示し、
前記APからパワーセービング指示子を受信し、前記パワーセービング指示子は、前記APが前記TXOP区間中ドーズ状態(doze state)に進入することを許容するか否かを指示し、及び
前記パワーセービング指示子が前記ドーズ状態への進入を許容することを指示する場合、前記TXOPの終了時までドーズ状態に進入するように構成される無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513285(P2013−513285A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541968(P2012−541968)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【国際出願番号】PCT/KR2011/005679
【国際公開番号】WO2012/046951
【国際公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】