説明

無線LAN端末並びに無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法およびその最適化プログラム

【課題】ハンドオーバー閾値を自動的に最適化できる無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法を提供する。
【解決手段】ハンドオーバー前のパケットロス値B及びハンドオーバー後のパケットロス値Aを測定し、B>Aであるときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ上げ、B>Aでないときはその閾値をMだけ下げる。ステップA1からA8までの処理でなる第1の処理では、ハンドオーバー前のパケットロス値をN回測定することにより、N回分のパケットロス値を記憶する。ステップA9からA16までの処理でなる第2の処理では、ハンドオーバー後のパケットロス値をN回測定することにより、N回分のパケットロス値を記憶する。パケットロス値Bは、第1の処理で記憶されたN回分のパケットロス値の平均値とし、パケットロス値Aは、第2の処理で記憶されたN回分のパケットロス値の平均値とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN端末並びに無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法および無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANシステムにおいては、無線端末がセル間を移動する場合、無線端末は、無線リンクが確立されている基地局(アクセスポイント)から、より通信状態の良い基地局に接続先を切り換えるハンドオーバー(Hand Over)を行う。
【0003】
特許文献1には、無線リンクが確立されている基地局からの受信電波の信号レベル(RSSI,Received Signal Strength Indication)をハンドオーバー閾値(HO閾値)と比較することにより、通信状態の劣化を検知し、RSSIがHO閾値以下に低下したときに、ハンドオーバーを実施する無線LAN端末について説明がされている。
【0004】
また、特許文献2には、無線状態情報(例えば、RSSI)の変動量、またはアプリケーションの通信品質がハンドオーバー閾値に到達するまでの到達時間を用いて、他の無線通信システムへのハンドオーバーを実行する無線通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−17264号公報、段落0003−0008
【特許文献2】特開2009−33682号公報、段落0019−0050
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の段落0003−0008に説明されている無線LAN端末では、無線LAN端末のハンドオーバー閾値は固定または手動で工事者が設定を変更する必要があった。また、このように固定または手動で工事者が設定を変更する必要がある無線LAN端末では、ハンドオーバー閾値は無線LAN端末の機種依存であるので、特定の無線LAN端末用に基地局を置局設計された既設の無線LANインフラに別の無線LAN端末を増設した場合、ハンドオーバー時に通話品質の劣化が発生するという解決するべき課題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示されたハンドオーバー閾値生成方法は、ハンドオーバー閾値を無線通信システムにとの組み合わせ毎に生成する方法であり(段落0037)、自動的に最適な値に生成方法ではない。そこで、特許文献2に開示されたハンドオーバー閾値生成方法では、特許文献1の段落0003−0008に説明されている無線LAN端末と同様に、特定の無線LAN端末用に基地局を置局設計された既設の無線LANインフラに別の無線LAN端末を増設した場合、通話中のハンドオーバー時に通話品質問題が発生する。
【0008】
(発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ハンドオーバー閾値を自動的に最適化できる無線LAN端末並びに無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法およびその最適化プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明による無線LAN端末並びに無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法およびその最適化プログラムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)本発明による無線LAN端末は、ハンドオーバー前のパケットロス値B及びハンドオーバー後のパケットロス値Aを測定するパケットロス値測定手段と、B>Aであるか否かを判定する判定手段と、B>Aであるときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ上げ、B>Aでないときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ下げるハンドオーバー閾値自動調整手段とを有することを特徴とする。
(2)本発明による無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法は、ハンドオーバー前のパケットロス値B及びハンドオーバー後のパケットロス値Aを測定し、B>Aであるときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ上げ、B>Aでないときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ下げることを特徴とする。
(3)本発明による無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化プログラムは、上記(2)に記載の無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の無線LAN端末並びに無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法およびその最適化プログラムによれば、ハンドオーバー閾値を自動的に最適化できる
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の無線LAN端末の一実施形態である無線端末が収容される無線LANシステムを示す概念図である。
【図2】図1の無線端末の構成を示す図である。
【図3】図1の無線端末において実施されるハンドオーバー閾値自動最適化方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による無線LAN端末および無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。この無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法は、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することができる。
【0014】
(本発明の特徴)
本発明になる無線LAN端末および無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法は、ハンドオーバー前のパケットロス値B及びハンドオーバー後のパケットロス値Aを測定し、B>AであるときはHO閾値を調整値Mだけ上げ、B>Aでないときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ下げることを特徴とする。ここで、HO閾値は、通常dBmで表されるRSSIで以って規定される値であり、負の値となる。また、調整値Mは正の値である。
【0015】
(実施形態の一例)
本発明による無線LAN端末および無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法の実施形態の一例を、図1乃至図3を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態である無線LANシステムの構成を示す図である。図1の無線LANシステムは、交換機100と、有線の通信路104により交換機100に接続される基地局101,102と、交換機100に収容される無線端末103を有してなる。無線端末103は、PHS(Personal Handy-Phone System)等の無線LAN機能を有する通信端末である。
【0017】
図2は、図1の無線端末103の構成を示す図である。無線端末103はROM201、CPU202、RAM203及び無線部204を有する。ROM201は制御プログラム、HO閾値、タイマ値、調整値M、カウンタ値Nを格納している。CPU202はその制御プログラムに基づいて無線部204を制御し、無線出力の制御を行う。また、制御プログラムにより、音声パケットロスの測定、呼ステータスの確認ができる。RAM203はパケットロス値1、パケットロス値B、パケットロス値2、パケットロス値B、タイマ、カウンタ、呼ステータスを格納し、CPU202のワークエリアとして制御プログラムの実行に伴うデータの一時的な保管を行う。無線部204は、無線機能を有し、無線端末103を無線で基地局101,102に接続することができる。
【0018】
次に、図1〜図3を参照して本実施形態の無線端末の動作について説明する。図3は、図1の無線端末において実施されるハンドオーバー閾値自動最適化方法を示すフローチャートである。
【0019】
無線端末103は、ROM201に格納されている制御プログラムをCPU202で実行することにより、図3の各処理を行う。無線端末103(より具体的には、CPU202。以下、同じ。)は、RAM203に格納された呼ステータスを読み出し、無線端末103が通話中か否かを判定する(ステップA1)。無線端末103が通話中か否かの判定(ステップA1)の結果がYES(通話中)であった場合、無線端末103はRAM203におけるタイマのエリアを使用し、タイマをスタートする(ステップA2)。このタイマのタイマ値(タイマが、スタートしてからタイムアウトするまでの時間を規定する値)は、任意の所定値であるが、例えば500ミリ秒であり、制御プログラムに予め書かれている。通話中か否かの判定(ステップA1)の結果がNO(通話中以外)であった場合、開始に戻る。
【0020】
次に、無線端末103は、タイマがタイムアウトしたか否かの判定をする(ステップA3)。タイマがタイムアウトしたか否かの判定(ステップA3)の結果がYES(タイムアウト)であった場合、無線端末103の通話が継続されているか否かを判定する(ステップA4)。
【0021】
通話が継続されているか否かの判定(ステップA4)の結果がYES(通話中)であった場合、無線端末103は音声パケットロスの測定をし、その測定の結果を、RAM203のパケットロス値1に格納し(ステップA6)、RAM203のタイマをリセットする(ステップA7)。このとき、RAM203におけるパケットロス値1の記憶エリアは、FIFO構造を持ち、測定回数N分だけを格納するものとする。測定回数Nは任意の整数値(例えば、10)であり、制御プログラムに予め書かれている。通話が継続されているか否かの判定(ステップA4)の結果がNO(通話中以外)であった場合、RAM203のタイマをリセットし(ステップA5)、開始に戻る。
【0022】
次に、無線端末103がハンドオーバーしたか否かを判定する(ステップA8)。ハンドオーバーしたか否かの判定(ステップA8)の結果がYES(ハンドオーバーした)であった場合、RAM203のカウンタに測定回数Nを記録する(ステップA9)。続いて、無線端末103はタイマをスタートする(ステップA10)。ハンドオーバーしたか否かの判定(ステップA8)の結果がNO(ハンドオーバーしていない)であった場合、再度、タイマをスタートする(ステップA2)。
【0023】
ステップA2からA8までの処理を一回実行することにより、タイマが一回タイムアウトし、そのタイムアウトの都度に一回分の音声パケットロス値が測定され、この音声パケットロス値がパケットロス値1に記憶される。上述のように、パケットロス値1の記憶エリアがN回分のパケットロス値だけを記憶できるFIFO構造のメモリであり、ステップA8でハンドオーバーと判定されるまで、ステップA2からA8までの処理は繰り返されるから、その処理の繰返しがN回に至ったとき、パケットロス値1には最新のN回分のパケットロス値が記憶されることとなる。以後、ステップA8でハンドオーバーと判定されるまで、ステップA2からA8までの処理は何回でも繰り返されるが、パケットロス値1には最新のN回分のパケットロス値が記憶される。
【0024】
次に、無線端末103はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップA11)。タイマがタイムアウトしたか否かの判定の結果がYES(タイムアウト)であった場合、無線端末103の通話が継続されている否かを判定する(ステップA12)。無線端末103の通話が継続されている否かの判定の結果がYES(通話中)であった場合、無線端末103は音声パケットロスを測定し、その結果を、RAM203のパケットロス値2に格納し(ステップA13)、RAM203のタイマをリセットする(ステップA14)。このとき、パケットロス値2はそれぞれFIFO構造を持ち測定回数N分を格納するものとする。続いて、RAM203の現在のカウンタ値から1減算した値をカウンタに格納する(ステップA15)。通話が継続されている否かの判定(ステップA12)の結果がNO(通話中以外)であった場合、RAM203のタイマをリセットし(ステップA5)、開始に戻る。
【0025】
次に、無線端末(図1−103)はRAM203のカウンタに格納されたカウント値が0であるか否かを判定する(ステップA16)。カウンタのカウント値が0であるか否かの判定(ステップA16)の結果がYES(カウンタが0)であった場合、無線端末103はRAM203のパケットロス値1から測定回数N分の値を読み出す。
【0026】
前述のように、パケットロス値1の記憶エリアがN回数分のパケットロス値だけを記憶できるFIFO構造のメモリであるから、ステップA2からA8までの処理により、パケットロス値1には、ハンドオーバー直前の最新のN回数分のパケットロス値が記憶される。また、パケットロス値2の記憶エリアもN回数分のパケットロス値だけを記憶できるFIFO構造のメモリであり、また、ハンドオーバー直後にカウンタのカウント値がNに設定され(ステップA9)、そのカウント値が1に至るまで、ステップA10からA16までの処理がN回繰り返されるので、パケットロス値2には、ハンドオーバー直後の最新のN回数分のパケットロス値が記憶される。
【0027】
上述のとおり、カウンタのカウント値が0であるか否かの判定(ステップA16)の結果がYES(カウンタが0)であった場合、無線端末103はRAM203のパケットロス値1から測定回数N分の値を読み出す。次に、無線端末103は、パケットロス値1から読み出したN回測定分のパケットロス値1の平均をとり、RAM203のパケットロス値Bに格納する。パケットロス値Bは、ハンドオーバー直前の音声パケットロスの平均値である。同様に、パケットロス値2から測定回数N分の値を読み出し平均をとり、RAM203のパケットロス値Aに格納する(ステップA17)。パケットロス値Aは、ハンドオーバー直後の音声パケットロスの平均値である。カウンタのカウント値が0であるか否かの判定(ステップA16)の結果がNO(カウンタが0以外)であった場合、再度、タイマをスタートする(ステップA10)。
【0028】
次に、パケットロス値Bがパケットロス値Aより大きい(B>A)か否かを判定する(ステップA18)。パケットロス値Bがパケットロス値Aより大きいか否かの判定(ステップA18)の結果がYES(パケットロス値Bが大きい)であった場合、ハンドオーバー直前の音声パケットロスの平均値Bがハンドオーバー直後の音声パケットロスの平均値Aより大きいことであり、ハンドオーバーするタイミングが遅いと推定されるので、無線端末103はROM201のHO閾値を調整値Mだけ上げ(ステップA19)、ハンドオーバーするタイミングを早くする。調整値Mは、制御プログラムに予め書かれている。パケットロス値Bがパケットロス値Aより大きいか否かの判定(ステップA18)の結果がNO(パケットロス値Aが大きい)であった場合、ハンドオーバー直後の音声パケットロスの平均値Aがハンドオーバー直前の音声パケットロスの平均値Bより大きいことであり、ハンドオーバーするタイミングが早いと推定されるので、無線端末103はROM201のHO閾値を調整値Mだけ下げ(ステップA20)、ハンドオーバーするタイミングを遅くする。調整値Mとしては、例えば、HO閾値が−75dBmのとき、5dBとする。ただし、調整値Mの大きさは、HO閾値との相互関係で決めればよく、例えば1dBでも、或いは8dBとしても、本実施の形態の効果を得ることはできる。
【0029】
(実施の形態の効果)
このようにして、本実施の形態では、HO閾値を、ハンドオーバー前後のパケットロス値に応じて、自動的に調整するので、HO閾値が、ハンドオーバーの都度に、パケットロス値が最も小さくなるように最適な値ハンドオーバー直後の音声パケットロスの平均値Aに調整される。すなわち、本実施の形態によれば、無線端末103が通話中にハンドオーバーした際に、ハンドオーバー前後の音声パケットロスを測定することで、HO閾値を自動的に最適化でき、引いては、既設の無線LANインフラに新たな無線端末103(無線LAN端末)を増設した場合でも、無線端末103の設定を手動で変更することなく、適正は通話品質を得ることができる。
【0030】
なお、上述の実施の形態では、タイマ値、測定回数Nおよび調整値Mは、制御プログラムに予め書かれているとしたが、これらの値を工事者などが書き込めるように、書き込み手段を設けても、本発明は実施できる。
【0031】
なお、以上には実施の形態を挙げ、本発明を具体的に説明したが、本発明はこれら実施の形態に限られるものでないことは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、図1の無線LANシステムはPHSとして説明したが、本発明は、PHSに限らず、例えば、IP電話その他の通信システムにも適用できる。このように、本発明は、その要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0032】
100 交換機
101,102 無線LAN機能を有する基地局
103 無線LAN機能を有する無線端末
104 有線の通信路
201 ROM
202 CPU
203 RAM
204 無線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドオーバー前のパケットロス値B及びハンドオーバー後のパケットロス値Aを測定するパケットロス値測定手段と、B>Aであるか否かを判定する判定手段と、B>Aであるときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ上げ、B>Aでないときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ下げるハンドオーバー閾値自動調整手段とを有することを特徴とする無線LAN端末。
【請求項2】
ハンドオーバー前のパケットロス値をN回測定することにより、N回分のパケットロス値を記憶する第1の処理手段と、ハンドオーバー後のパケットロス値をN回測定することにより、N回分のパケットロス値を記憶する第2の処理手段とを有し、
第1の処理手段は、通話中にタイマをスタートさせ、該タイマがタイムアウトした時に通話中であればその時のパケットロス値を、N回のパケットロス値分だけのデータ記憶容量の第1のFIFOメモリに記憶するという処理をハンドオーバーが生じるまで繰り返し行い、
第2の処理手段は、カウンタのカウント値をNに設定し、タイマをスタートさせ、該タイマがタイムアウトした時に通話中であればその時のパケットロス値をN回のパケットロス値分だけのデータ記憶容量の第2のFIFOメモリに記憶し、続いてタイマをリセットし、前記カウンタのカウント値を1だけ低減し、該カウンタのカウント値が0になるまで、第2のFIFOメモリへの記憶と、前記タイマのリセットと、前記カウンタのカウント値の低減とでなる処理を繰り返し行い、
パケットロス値Bは、第1のFIFOメモリに記憶されたN回分のパケットロス値の平均値とし、
パケットロス値Aは、第2のFIFOメモリに記憶されたN回分のパケットロス値の平均値とする
ことを特徴とする請求項1に記載のされた無線LAN端末。
【請求項3】
ハンドオーバー前のパケットロス値B及びハンドオーバー後のパケットロス値Aを測定し、B>Aであるときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ上げ、B>Aでないときはハンドオーバー閾値を調整値Mだけ下げることを特徴とする無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法。
【請求項4】
ハンドオーバー前のパケットロス値をN回測定することにより、N回分のパケットロス値を記憶する第1の処理と、ハンドオーバー後のパケットロス値をN回測定することにより、N回分のパケットロス値を記憶する第2の処理とを含み、
第1の処理では、通話中にタイマをスタートさせ、該タイマがタイムアウトした時に通話中であればその時のパケットロス値を、N回のパケットロス値分だけのデータ記憶容量の第1のFIFOメモリに記憶するという処理をハンドオーバーが生じるまで繰り返し行い、
第2の処理では、カウンタのカウント値をNに設定し、タイマをスタートさせ、該タイマがタイムアウトした時に通話中であればその時のパケットロス値をN回のパケットロス値分だけのデータ記憶容量の第2のFIFOメモリに記憶し、続いてタイマをリセットし、前記カウンタのカウント値を1だけ低減し、該カウンタのカウント値が0になるまで、第2のFIFOメモリへの記憶と、前記タイマのリセットと、前記カウンタのカウント値の低減とでなる処理を繰り返し行い、
パケットロス値Bは、第1のFIFOメモリに記憶されたN回分のパケットロス値の平均値とし、
パケットロス値Aは、第2のFIFOメモリに記憶されたN回分のパケットロス値の平均値とする
ことを特徴とする請求項4に記載された無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法。
【請求項5】
請求項3または4の何れかに記載の無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする無線LAN端末のハンドオーバー閾値自動最適化プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−217078(P2011−217078A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82487(P2010−82487)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】