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無電解金属化のための安定な触媒
説明

無電解金属化のための安定な触媒

【課題】プリント回路板の製造に使用される樹脂積層基体、特に基体に形成されたスルーホールに適用される安定でかつ信頼性のある無電解金属めっき用触媒を提供する。
【解決手段】銀、金、白金、イリジウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケルおよび鉄から選択される金属と、セルロースまたはセルロース誘導体とのナノ粒子、並びに1種以上の酸化防止剤を含み、かつスズを含まない水系溶液を触媒とすることで目的が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無電解金属化のための安定な水系触媒に関する。より具体的には、本発明は、スズを含まず、かつセルロースおよびセルロース誘導体によって安定化される無電解金属化ための安定な水系触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
無電解金属堆積は基体表面上に金属層を堆積させるための周知の方法である。誘電体表面の無電解めっきは触媒をあらかじめ適用することを必要とする。プリント回路板の製造に使用される積層基体の非導電性セクションのような、誘電体を触媒化または活性化するのに最も一般的に使用される方法は、その基体を酸性塩化物媒体中の水系スズ/パラジウムコロイドで処理することである。このコロイドの構造は広く検討されてきた。一般に、懸濁物中でのこのコロイドの凝集を回避するために表面安定化基として機能する、スズ(II)イオンの安定化層、本質的にSnCl複合体のシェルによって取り囲まれたパラジウム金属コアをこのコロイドは含む。
【0003】
活性化プロセスにおいては、無電解金属堆積を活性化させるために、スズ/パラジウムコロイド触媒がエポキシまたはポリイミド含有基体のような誘電体基体上に吸着させられる。理論的には、無電解金属めっき浴中で還元剤から金属イオンへの電子輸送の経路におけるキャリアとして、この触媒は機能する。無電解めっきの性能は多くの要因、例えば、めっき液の添加剤組成によって影響を受けるが、無電解めっきの速度およびメカニズムを制御するには活性化工程が鍵となる。
【0004】
近年、電子デバイスのサイズの小型化および性能の望まれる増大に伴って、電子パッケージング産業における欠陥のない電子回路についての要求がより高くなってきている。スズ/パラジウムコロイドは数十年にわたって無電解金属めっきのための活性化剤として商業的に使用され、かつ許容可能な貢献をもたらしてきたが、それは、より高い品質の電子デバイスについての要求が増大するにつれて目立ってきている多くの欠点を有している。スズ/パラジウムコロイドの安定性は主たる懸念事項である。上述のように、スズ/パラジウムコロイドはスズ(II)イオンの層によって安定化され、そしてその対アニオンはパラジウムが凝集するのを妨げることができる。この触媒は空気に対して感受性であり、容易にスズ(IV)に酸化し、よってこのコロイドはそのコロイド構造を維持することができない。この酸化は無電解めっきの際の温度および攪拌を増大させることによってさらに促進される。スズ(II)の濃度がほぼゼロのような限界水準まで低下する場合には、パラジウム金属粒子のサイズが大きくなり、凝集しかつ沈殿し、よって触媒的に不活性になる。結果的に、より安定な触媒についての要求が増大している。さらに、パラジウムの高くかつ変動するコストはこの産業界がより低コストの金属を探索することを促してきた。
【0005】
新規で改良された触媒を見いだすためにかなりの努力がなされてきた。高コストのパラジウムのせいで、かなりの努力がコロイド銀触媒のようなパラジウムを含まない触媒の開発に向けられてきた。塩化第一スズがコスト高でかつ酸化されたスズは別のアクセレレーション(acceleration)工程を必要とするので、研究が行われてきた別の方向はスズを含まないパラジウム触媒に向いている。アクセレレーション工程は金属化プロセスにおける追加の工程であり、それは多くの場合、基体上の、特にガラス繊維の基体上の幾分かの触媒を剥ぎ取って、めっきされた基体表面上に空隙を生じさせる。しかし、このスズを含まない触媒は、プリント回路板製造におけるスルーホールめっきに対して不充分な活性および信頼性であることを示してきた。さらに、このような触媒は、典型的には、貯蔵の際に徐々に活性が低下することとなり、よってこのような触媒を信頼性なくかつ商業的な使用に非実用的にする。
【0006】
スズ複合体のための別の安定化部分、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)およびデンドリマーが開発されてきた。安定でかつ均一なPVP保護されたナノ粒子が様々な研究グループによって文献で報告されてきた。パラジウムがより安価な金属で部分的に置換えられている銀/パラジウムおよび銅/パラジウムのような他の金属コロイドも文献において報告されてきたが、このような代替的な触媒は商業的に許容可能ではなかった。イオン性パラジウム変異種が商業的に使用されてきたが、それらは追加の還元工程を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、安定でかつ信頼性のある無電解金属めっき触媒についての必要性が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
水系触媒溶液は、
銀、金、白金、イリジウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケルおよび鉄から選択される金属と、下記1種以上の化合物とのナノ粒子;並びに、1種以上の酸化防止剤;を含み、
前記1種以上の化合物が、式
【化1】


(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−H、−CHCOOX、−C(O)−CH、−C(O)−(CH−CH、並びに
【化2】


から選択され、Rは−Hまたは−CHであり、nは少なくとも2の整数であり、x、yおよびzは少なくとも1の整数であり、Xは−Hまたは対カチオンである)
を有するポリマー、および式
【化3】


(式中、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−Hから選択され、ただし、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15の少なくとも1つは−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHまたは−(CHCHRO)−Hであり、R、n、x、yおよびzは上述の通りである)
を有するポリマーと、
式:
【化4】


または
【化5】


(mは1〜16の整数であり、Yはハロゲンであり、Zは対アニオンであり、R16、R17およびR18は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CHまたは−(CH−CHであり、R19は−Hまたは−CHであり、pは1〜9の整数である)を有する第四級化合物と、1種以上の架橋剤との反応生成物
から選択され;前記触媒はスズを含まない。
【0009】
方法は、
a)基体を提供し、
b)前記基体に水系触媒溶液を適用し、前記水系触媒溶液は、銀、金、白金、イリジウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケルおよび鉄から選択される金属と、下記1種以上の化合物とのナノ粒子、並びに1種以上の酸化防止剤を含み、
前記1種以上の化合物が、式
【化6】


(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−H、−CHCOOX、−C(O)−CH、−C(O)−(CH−CH、並びに
【化7】


から選択され、Rは−Hまたは−CHであり、nは少なくとも2の整数であり、x、yおよびzは少なくとも1の整数であり、Xは−Hまたは対カチオンである)
を有するポリマー、および

【化8】


(式中、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−Hから選択され、ただし、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15の少なくとも1つは−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHまたは−(CHCHRO)−Hであり、R、n、x、yおよびzは上述の通りである)
を有するポリマーと、
式:
【化9】


または
【化10】


(mは1〜16の整数であり、Yはハロゲンであり、Zは対アニオンであり、R16、R17およびR18は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CHまたは−(CH−CHであり、R19は−Hまたは−CHであり、pは1〜9の整数である)を有する第四級化合物と、1種以上の架橋剤との反応生成物
から選択され;並びに、前記触媒はスズを含まず;並びに
c)無電解金属めっき浴を用いて前記基体上に金属を無電解堆積させる;
ことを含む。
【0010】
この触媒は、誘電体材料の基体をはじめとする基体上に金属を無電解めっきするために使用されることができ、かつこの触媒は従来のスズ/パラジウム触媒と比べて容易に酸化しないので、貯蔵の際に並びに無電解金属めっきの際に安定である。このセルロース安定化剤は生物分解性であり、よってこのセルロース安定化剤は塩化第一スズが廃棄の際にもたらすような環境的な危険をもたらさないことを除いて、従来のスズ/パラジウム触媒において塩化第一スズが機能するようにセルロース安定化剤は機能する。セルロース安定化剤は塩化第一スズの何分の一かのわずかなコストで大量に利用可能である。この安定化剤を製造するのに使用される原料は本質的にどこにでもある植物から容易に入手可能である。このセルロース安定化金属触媒は、アクセレレーション工程なしで無電解金属めっきを可能にし、かつプリント回路板のスルーホールの壁でさえ基体の良好な金属被覆を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書全体にわたって使用される場合、文脈が明らかに他のことを示さない限りは、以下に示される略語は以下の意味を有する:g=グラム;mg=ミリグラム;ml=ミリリットル;L=リットル;cm=センチメートル;m=メートル;mm=ミリメートル;μm=ミクロン;nm=ナノメートル;ppm=100万分率;℃=摂氏度;g/L=グラム/リットル;DI=脱イオン;wt%=重量パーセント;およびT=ガラス転移温度。
【0012】
用語「プリント回路板」および「プリント配線板」は本明細書全体にわたって交換可能に使用される。用語「めっき」および「堆積」は本明細書全体にわたって交換可能に使用される。全ての量は、他に示されない限りは、重量パーセントである。全ての数値範囲は包括的であり、かつこのような数値範囲が合計で100%になることに制約されることが論理的である場合を除いて任意に組み合わせ可能である。
【0013】
水系触媒溶液は銀、金、白金、イリジウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケルおよび鉄から選択される金属と、式
【化11】


(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−H、−CHCOOX、−C(O)−CH、−C(O)−(CH−CH、並びに
【化12】


から選択され、Rは−Hまたは−CHであり、nは少なくとも2、典型的には2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは5〜10の整数であり、x、yおよびzは少なくとも1、典型的には1〜10、好ましくは2〜5の整数であり、Xは−Hまたは対カチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンまたはアルカリ土類金属イオン、典型的にはナトリウムもしくはカリウムである)
を有する1種以上の安定化ポリマーとのナノ粒子を含む。好ましくは、R、R、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つは−C(O)−CHまたは−CHCOOXであり、より好ましくはR、R、R、RおよびRの少なくとも1つは−CHCOOXであり、並びに前記好ましい実施形態およびより好ましい実施形態においては、R、R、R、R、R、RまたはRが−C(O)−CHまたは−CHCOOXでない場合には、好ましくはそれは−Hである。典型的なポリマーはカルボキシメチルセルロース、セルロースアセタート、ヒドロキシエチルセルロースおよびエチルセルロースである。この触媒はスズを含まない。
【0014】
安定化ポリマーは式:
【化13】


(式中、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−Hから選択され、ただし、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15の少なくとも1つは−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHまたは−(CHCHRO)−Hであり、好ましくはR10、R11、R12、R13、R14およびR15の少なくとも1つは−[CHCHR−OHまたは−(CHCHRO)−Hであり、R、n、x、yおよびzは上述の通りである)
を有するポリマーと、式:
【化14】


または
【化15】


(mは1〜16の整数であり、Yはハロゲン、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、好ましくはハロゲンは塩素であり、Zは対アニオン、例えばハライド、例えば、フルオリド、クロリド、ブロミド、もしくはヨージド、好ましくはクロリド、ニトラート、ニトリット、ホスファート、ヒドロキシドまたはカルボキシラート、例えば、アセタートまたはプロピオナートであり、R16、R17およびR18は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CHまたは−(CH−CHであり、R19は−Hまたは−CHであり、pは1〜9の整数である)
を有する第四級化合物と、1種以上の架橋剤との反応生成物であってもよい。この触媒はスズを含まない。典型的な第四級化合物はグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、2,3−エポキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−ジメチルエタノールアンモニウムクロリド、および1,3−ビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム)−N−プロパンジクロリドである。セルロース誘導体と第四級アンモニウム化合物との好ましい反応生成物は、ヒドロキシエチルセルロースとグリシジルトリメチルアンモニウムクロリドとの反応生成物である。
【0015】
架橋剤の例としては、これに限定されないが、ホルムアルデヒド、メチロール化窒素化合物、例えば、ジメチロールウレア、ジメチロールエチレンウレアおよびジメチロールイミダゾリドン;ジカルボン酸、例えば、マレイン酸;ジアルデヒド、例えば、グリオキサール;ジエポキシド、例えば、1,2,3,4−ジエポキシブタンおよび1,2,5,6−ジエポキシヘキサン;ジイソシアナート;ジビニル化合物、例えば、ジビニルスルホン;ジハロゲン化合物、例えば、ジクロロアセトン、ジクロロ酢酸、1,3−ジクロロプロパン−2−オール、ジクロロエタン、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、および2,2−ジクロロエチルエーテル;ハロヒドリン、例えば、エピクロロヒドリン;ビス(エポキシプロピル)エーテル;ビニルシクロヘキセンジオキシド;エチレングリコール−ビス(エポキシプロピルエーテル);ビニルシクロヘキセンジオキシド;エチレングリコール−ビス(エポキシプロピル)エーテル;1,3−ビス(β−ヒドロキシ−Γ−クロロプロポキシ)エーテル、1,3−ビス(β−ヒドロキシ−Γ−クロロプロポキシ)エタン;メチレンビス(アクリルアミド);N,N’−ジメチロール(メチレンビス(アクリルアミド));トリアクリロールヘキサヒドロトリアジン;アクリルアミドメチレンクロロアセタミド;2,4,6−トリクロロピリミジン;2,4,5,6−テトラクロロピリミジン;シアヌル酸クロリド;トリアリルシアヌラートホスホラスオキシクロリド;ビス(アクリルアミド)酢酸;ジ−エポキシ化合物およびハロエポキシ化合物、例えば、1,3−ビス(グリシジルジメチルアンモニウム)プロパンジクロリドおよびエピクロロヒドリンが挙げられる。好ましい架橋剤はジエポキシおよびハロエポキシ化合物である。
【0016】
このポリマーは当該技術分野および文献において知られている方法によって製造されることができ、かつ多くのものが市販されている。市販のカルボキシメチルセルロースナトリウムはアッシュランド(Ashland)によるアクアロン(AQUALON)であり、ヒドロキシエチルセルロースおよびグリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの市販のポリマーはアメルコール(Amerchol)コーポレーションから入手可能なUCARE JR−125である。このセルロースおよびセルロース誘導体並びに第四級アンモニウム化合物ポリマーを製造する方法は米国特許第5,780,616号に開示されている。
【0017】
このポリマーの重量平均分子量は変化することができる。典型的には、それは10,000以上、より典型的には10,000〜300,000の範囲である。
【0018】
安定化ポリマーは、粒子安定化を提供するのに充分な量で水系触媒中に含まれる。上述の様々な安定化ポリマーの混合物が水系触媒に含まれることができる。
触媒を安定化するための具体的な安定化剤の量、または安定化剤の組み合わせを決定するためにわずかな実験が行われるだけでよい。一般に、1種以上の安定化ポリマーは水系触媒中に、10mg/L〜10g/L、好ましくは20mg/L〜1g/Lの量で含まれる。
【0019】
水系触媒溶液中に1種以上の酸化防止剤が含まれる。従来の酸化防止剤が含まれることができ、かつ従来の量で含まれることができる。典型的には、酸化防止剤は0.1g/l〜10g/l、好ましくは0.2g/L〜5g/Lの量で含まれる。このような酸化防止剤には、限定されないが、アスコルビン酸、フェノール酸、ポリフェノール化合物、例えば、これに限定されないが、ヒドロキシ安息香酸および誘導体、没食子酸、ヒドロキシベンゾアルデヒド、カテコール、ヒドロキノン、カテキンおよびフラボノイドが挙げられる。
【0020】
金属イオンを金属に還元するために、1種以上の還元剤が含まれる。金属イオンを金属に還元することが知られている従来の還元剤が使用されうる。このような還元剤には、これに限定されないが、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、ジ亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン水和物、ギ酸およびホルムアルデヒドが挙げられる。還元剤は金属イオンの実質的に全てを金属に還元する量で含まれる。そのような量は一般的には、従来の量であり、かつ当業者に周知である。
【0021】
金属源には、当該技術分野および文献で知られている、触媒活性を有する金属を提供する任意の従来の水溶性金属塩が挙げられるが、パラジウム塩およびパラジウム金属は触媒の金属から除かれる。2種以上の触媒金属の混合物が使用されうる。このような塩は100ppm〜2000ppm、好ましくは300ppm〜1500ppmの量で金属を提供するように含まれる。銀塩には、これに限定されないが、硝酸銀、フッ化銀、酸化銀、p−トルエンスルホン酸銀、チオ硫酸銀ナトリウムおよびシアン化銀カリウムが挙げられる。金塩には、これに限定されないが、シアン化金、三塩化金、三臭化金、塩化金カリウム、シアン化金カリウム、塩化金ナトリウム、およびシアン化金ナトリウムが挙げられる。白金塩には、これに限定されないが、塩化白金および硫酸白金が挙げられる。イリジウム塩には、これに限定されないが、三臭化イリジウムおよび塩化イリジウムカリウムが挙げられる。銅塩には、これに限定されないが硫酸銅および塩化銅が挙げられる。ニッケル塩には、これに限定されないが塩化ニッケルおよび硫酸ニッケルが挙げられる。コバルト塩には、これに限定されないが、酢酸コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、および硫酸コバルトアンモニウムが挙げられる。アルミニウム塩には、これに限定されないが、硫酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムナトリウムが挙げられる。鉄塩には、これに限定されないが、クエン酸第一鉄アンモニウム、シュウ酸第一鉄アンモニウム、および硫酸第一鉄アンモニウムが挙げられる。典型的には、この塩は銀、金、白金、ニッケルおよび銅である。好ましくは、この塩は銀、金および白金である。より好ましくはこの塩は銀および金である。最も好ましくはこの塩は銀塩である。
【0022】
水系触媒を作り上げる成分は任意の順に一緒にされて良い。当該技術分野および文献において知られている任意の適切な方法が水系触媒を製造するために使用されうる。具体的なパラメータおよび成分の量は方法ごとに変動しうるが、一般に、1種以上の安定化ポリマーが充分な量の水に最初に溶解される。水溶液としての金属源の1種以上が激しい攪拌を伴って安定化溶液と一緒にされて均一な混合物を形成する。次いで、1種以上の還元剤を含む水溶液が激しい攪拌を伴って安定化剤および金属塩の混合物と混合されて、金属イオンを金属に還元する。プロセス工程および溶解は典型的には室温で行われるが、温度は反応成分を溶解するのを助けかつ金属イオンの還元を促進するように変えられうる。理論に拘束されるわけではないが、安定化剤は金属の一部分またはほとんどをコーティングするかまたは取り囲むことができ、触媒溶液を安定化することができる。金属および安定化剤の粒子は1nm〜1000nm、または例えば、2nm〜500nmのサイズの範囲である。好ましくは、この粒子は2nm〜100nm、より好ましくは2nm〜10nmのサイズの範囲である。
【0023】
1種以上の酸が触媒に添加されることができ、7未満、好ましくは1〜6.5、より好ましくは2〜6のpH範囲を提供することができる。無機または有機酸が、所望の範囲にこのpHを維持するのに充分な量で使用されうる。無機および有機酸の混合物が使用されても良い。無機酸の例は塩酸、硫酸および硝酸である。有機酸には、モノカルボン酸およびポリカルボン酸、例えば、ジカルボン酸が挙げられる。有機酸の例は、安息香酸およびその誘導体、例えば、ヒドロキシ安息香酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、没食子酸、酢酸、クエン酸および酒石酸が挙げられる。
【0024】
この触媒は、無電解金属めっきされうることが知られている様々な基体を無電解金属めっきするのに使用されうる。基体には、これに限定されないが、ガラス、セラミック、磁器、樹脂、紙、布およびこれらの組み合わせのような無機および有機物質をはじめとする材料が挙げられる。金属−クラッドおよび非クラッド材料も、この触媒を用いて金属めっきされうる基体である。
【0025】
基体にはプリント回路板も挙げられる。このようなプリント回路板には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂およびこれらの組み合わせを伴い、ガラス繊維のような繊維を含む金属クラッドおよび非クラッド、並びに上記含浸された実施形態が挙げられる。
【0026】
熱可塑性樹脂には、これに限定されないが、アセタール樹脂、アクリル系、例えば、アクリル酸メチル、セルロース系樹脂、例えば、酢酸エチル、セルロースプロピオナート、セルロースアセタートブチラートおよび硝酸セルロース、ポリエーテル、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブレンド、例えば、アクリロニトリルスチレンおよびコポリマー、並びにアクリロニトリル−ブタジエンスチレンコポリマー、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、並びにビニルポリマーおよびコポリマー、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、塩化ビニル、塩化ビニル−アセタートコポリマー、塩化ビニリデンおよびビニルホルマールが挙げられる。
【0027】
熱硬化性樹脂には、これに限定されないが、フタル酸アリル、フラン、メラミン−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒドおよびフェノール−フルフラールコポリマーを単独でまたはブタジエンアクリロニトリルコポリマーまたはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーとのコンパウンドで、ポリアクリルエステル、シリコーン、尿素ホルムアルデヒド、エポキシ樹脂、アリル樹脂、グリセリルフタラートおよびポリエステルが挙げられる。
【0028】
多孔質材料には、これに限定されないが、紙、木材、ガラス繊維、布および繊維、例えば、天然繊維および合成繊維、例えば、綿繊維およびポリエステル繊維が挙げられる。
【0029】
触媒は低T樹脂および高T樹脂の双方をめっきするために使用されうる。低T樹脂は160℃未満のTを有し、そして高T樹脂は160℃以上のTを有する。典型的には、高T樹脂は160℃〜280℃、または例えば、170℃〜240℃のTを有する。高Tポリマー樹脂には、これに限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポリテトラフルオロエチレンブレンドが挙げられる。このようなブレンドには、例えば、PTFEとポリフェニレンオキシドおよびシアナートエステルが挙げられる。高Tを有する樹脂を含むポリマー樹脂の他の種類には、これに限定されないが、エポキシ樹脂、例えば、二官能性および多官能性エポキシ樹脂、ビマレイミド/トリアジンおよびエポキシ樹脂(BTエポキシ)、エポキシ/ポリフェニレンオキシド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン(PS)、ポリアミド、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)およびポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、エポキシおよびこれらの複合体が挙げられる。
【0030】
触媒はプリント回路板のスルーホールまたはバイアの壁上に金属を堆積させるために使用されうる。触媒はプリント回路板を製造する水平プロセスおよび垂直プロセスの両方で使用されうる。
【0031】
水系触媒は従来の無電解金属めっき浴と共に使用されうる。この触媒は無電解めっきされうるあらゆる金属を無電解的に堆積させるために使用されうることが想定されるが、典型的には、この金属は銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金から選択される。より典型的には、この金属は銅および銅合金から選択され、最も典型的には銅が使用される。
【0032】
従来の無電解銅または銅合金浴が使用されうる。典型的には、銅イオン源には、これに限定されないが、銅の水溶性ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩および他の有機および無機塩が挙げられる。このような銅塩の1種以上の混合物が銅イオンを提供するために使用されうる。例としては、硫酸銅、例えば、硫酸銅五水和物、塩化銅、硝酸銅、水酸化銅およびスルファミン酸銅が挙げられる。従来の量の銅塩が組成物中に使用されうる。組成物中の銅イオン濃度は0.5g/L〜30g/L、または例えば、1g/L〜20g/L、または例えば、5g/L〜10g/Lの範囲であり得る。
【0033】
1種以上の合金形成金属(alloying metal)も無電解組成物中に含まれて良い。このような合金形成金属には、これに限定されないが、ニッケルおよびスズが挙げられる。銅合金の例としては、銅/ニッケルおよび銅/スズが挙げられる。典型的には、銅合金は銅/ニッケルである。
【0034】
ニッケルおよびニッケル合金無電解浴のためのニッケルイオン源には、1種以上の従来のニッケルの水溶性塩が挙げられうる。ニッケルイオン源には、これに限定されないが、硫酸ニッケルおよびハロゲン化ニッケルが挙げられる。ニッケルイオン源は従来の量で無電解合金形成組成物に含まれうる。典型的には、ニッケルイオン源は0.5g/L〜10g/L、または例えば、1g/L〜5g/Lの量で含まれる。
【0035】
基体を金属化するのに使用される方法の工程は、めっきされるべき表面が金属であるか誘電体であるかに応じて変化しうる。基体を無電解金属めっきするのに使用される従来の工程はこの触媒と共に使用されることができるが、この水系ポリマー安定化金属触媒は、多くの従来の無電解めっきプロセスにおけるようなアクセレレーション工程を必要としない。よって、この触媒を使用する場合には、アクセレレーション工程は好ましくは除かれる。一般に、この触媒は金属で無電解めっきされるべき基体の表面に適用され、その後金属めっき浴を適用する。無電解金属めっきパラメータ、例えば、温度および時間は従来のものでありうる。従来の基体準備方法、例えば、基体表面をクリーニングまたは脱脂すること、表面を粗化またはマイクロ粗化すること、表面をエッチングまたはマイクロエッチングすること、膨潤溶媒適用、スルーホールをデスミアすること、並びに様々なすすぎおよび変色防止(anti−tarnish)処理が使用されうる。このような方法および配合物は当該技術分野において周知であり、かつ文献に開示されている。
【0036】
一般に、金属めっきされる基体が、プリント回路板の表面上またはスルーホールの壁上のような誘電体材料である場合には、その板は水ですすがれ、クリーニングされ、そして脱脂され、その後、スルーホール壁をデスミアする。典型的には、誘電体表面を準備または軟化することまたはスルーホールをデスミアすることが膨潤溶媒の適用と共に始まる。
【0037】
任意の従来の膨潤溶媒が使用されうる。この具体的な種類は誘電体材料の種類に応じて変化しうる。誘電体の例は上に開示されている。どの膨潤溶媒が特定の誘電体材料に適しているかを決定するためにわずかな実験が行われるだけでよい。誘電体のTは多くの場合、使用されるべき膨潤溶媒の種類を決定する。膨潤溶媒には、これに限定されないが、グリコールエーテルおよびその関連するエーテルアセタートが挙げられる。グリコールエーテルおよびその関連するエーテルアセタートの従来の量が使用されうる。市販の膨潤溶媒の例は、サーキュポジットコンディショナー(CIRCUPOSIT CONDITIONER(商標))3302、サーキュポジットホールプレップ(CIRCUPOSIT HOLE PREP(商標))3303、およびサーキュポジットホールプレップ(商標)4120(マサチューセッツ州マルボロのロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズから入手可能)である。
【0038】
場合によっては、基体およびスルーホールが水ですすがれる。次いで、プロモーターが適用される。従来のプロモーターが使用されうる。このようなプロモーターには、硫酸、クロム酸、過マンガン酸アルカリまたはプラズマエッチングが挙げられる。典型的には、過マンガン酸アルカリがプロモーターとして使用される。市販のプロモーターの例はサーキュポジットプロモーター(CIRCUPOSIT PROMOTER(商標))4130(マサチューセッツ州マルボロのロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズから入手可能)である。
【0039】
場合によっては、基体およびスルーホールは再び水ですすがれる。次いで、中和剤が適用されて、プロモーターによって残った残留物を中和する。従来の中和剤が使用されうる。典型的には、中和剤は、1種以上のアミンを含むアルカリ水溶液、または3重量%のペルオキシドおよび3重量%の硫酸の溶液である。場合によっては、基体およびスルホールは水ですすがれ、次いで乾燥させられる。
【0040】
溶媒膨潤およびデスミアの後で、酸またはアルカリコンディショナーが適用されうる。従来のコンディショナーが使用されうる。このようなコンディショナーには、1種以上のカチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、錯化剤およびpH調節剤または緩衝剤が挙げられうる。市販の酸コンディショナーの例はサーキュポジットコンディショナー(商標)3320およびサーキュポジットコンディショナー(商標)3327(マサチューセッツ州マルボロのロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズから入手可能)である。適するアルカリコンディショナーには、これに限定されないが、1種以上の第四級アミンおよびポリアミンを含むアルカリ界面活性剤水溶液が挙げられる。市販のアルカリ界面活性剤の例はサーキュポジットコンディショナー(商標)231、3325、813、および860(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズから入手可能)である。場合によっては、基体およびスルーホールは水ですすがれる。
【0041】
コンディショニングの後でマイクロエッチングが行われうる。従来のマイクロエッチング組成物が使用されうる。マイクロエッチングは、後で堆積される無電解およびその後の電気めっきの接着性を向上させるために、露出した金属上にマイクロ粗化された金属表面を提供するようにデザインされる(例えば、内層および表面エッチング)。マイクロエッチング剤には、これに限定されないが、60g/L〜120g/Lの過硫酸ナトリウム、またはオキシモノ過硫酸ナトリウムもしくはカリウム、および硫酸(2%)混合物、または一般的な硫酸/過酸化水素が挙げられる。市販のマイクロエッチング組成物の例は、サーキュポジットマイクロエッチ(CIRCUPOSIT MICROETCH(商標))3330(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズから入手可能)である。場合によっては、基体は水ですすがれる。
【0042】
次いで、場合によっては、マイクロエッチングされた基体およびスルーホールにプレディップが適用される。典型的には3〜5のpH範囲を有する無機または有機酸の従来のプレディップ水溶液が使用されうる。無機酸溶液の例は2%〜5%塩酸である。場合によっては、基体は冷水ですすがれる。
【0043】
次いで、安定化されたナノ粒子触媒が基体およびスルーホールに適用される。基体およびスルーホールは場合によっては、触媒の適用の後で、水ですすがれうる。
【0044】
次いで、基体およびスルーホールの壁は、無電解浴で金属、例えば、銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金でめっきされる。典型的には、スルーホールの壁上に銅がめっきされる。めっき時間および温度は従来のものであり得る。典型的に、金属堆積は20℃〜80℃、より典型的には30℃〜60℃の温度で行われる。基体は無電解めっき浴中に浸漬されうるか、または無電解めっき浴がこの基体上に噴霧されうる。典型的には、堆積は5秒〜30分間にわたって行われうるが、めっき時間は基体上の金属の厚さに応じて変化しうる。
【0045】
場合によっては、変色防止剤が金属に適用されうる。従来の変色防止組成物が使用されうる。市販の変色防止剤の例はアンチターニッシュ(ANTI TARNISH(商標))7130(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズから入手可能)である。基体は、場合によっては、すすがれることができ、次いで板は乾燥させられうる。
【0046】
さらなる処理には、光像形成による従来の処理、および、例えば、銅、銅合金、スズおよびスズ合金の電解金属堆積など基体上のさらなる金属堆積が挙げられうる。
【0047】
誘電体材料の基体をはじめとする基体上に金属を無電解めっきするのに、この触媒が使用されることができ、かつこの触媒は従来のスズ/パラジウム触媒と比べて容易に酸化しないので、この触媒は貯蔵の際に、および無電解金属めっきの際に安定である。セルロース安定化剤が生物分解性であって、よってそれが廃棄の際に塩化第一スズが生じさせるような環境的危険性を生じさせないということを除いて、セルロース安定化剤は従来のスズ/パラジウム触媒において塩化第一スズが働くように機能する。セルロース安定化剤は塩化第一スズの何分の一かのわずかなコストで、多量に利用可能である。この安定化剤を製造するのに使用される原料は本質的にどこにでもある植物から容易に入手可能である。セルロース安定化パラジウム触媒は、アクセレレーション工程なしで無電解金属めっきするのを可能にし、そしてプリント回路板のスルーホールの壁でさえ、基体の良好な金属被覆を可能にする。
【0048】
以下の実施例は本発明の範囲を限定することを意図しておらず、本発明をさらに説明することを意図している。
【実施例】
【0049】
実施例1
カルボキシメチルセルロース/銀触媒が製造された:500mlのDI水を収容するビーカーに室温で175mgのカルボキシメチルセルロースナトリウムが溶かされた。攪拌しつつ、10mlのDI水中の637.5mgのAgNOが添加され、そしてこの混合物が激しく混合された。非常に強く攪拌しつつ、この溶液混合物に10mlのDI水中の150mgのNaBHが添加された。この溶液は無色から赤褐色に素早く変化し、このことは 銀イオンが銀金属に還元されたことを示す。この合成されたままの触媒の溶液は、アキュメット(ACCUMET)AB15pH計を用いて測定して、8〜9のpHを有していた。その安定性を試験するためにこの水系触媒溶液を収容していたビーカーは50℃の水浴中に少なくとも12時間にわたって配置された。約12時間後、この溶液が観察され、観察可能な沈殿が存在せず、このことは触媒が依然として安定であったことを示す。
【0050】
この触媒溶液がストック溶液として使用され、2つのアリコートが300ppmのナノ粒子濃度に希釈された。このアリコートのpHはアスコルビン酸で3.5に調節された。
【0051】
6種類の異なる積層物が試験された:NP−175、370HR、TUC−752、SY−1141、SY−1000−2、およびFR−408。NP−175はナンヤ(Nanya)から得られ、370HRおよびFR−408はイソラ(Isola)から得られ、TUC−752は台湾ユニオンテクノロジーコーポレーションから得られ、並びにSY−1141およびSY−1000はシェンギー(Shengyi)から得られた。T値は140℃〜180℃の範囲であった。それぞれの積層物は5cm×12cmであった。それぞれの積層物の表面は以下のように処理された:
【0052】
1.それぞれの積層物はエチレングリコールジメチルエーテルおよび水を体積対体積比1:2で含んでいた膨潤溶媒中に80℃で7分間にわたって浸漬された;
2.次いで、それぞれの積層物は膨潤溶媒から取り出され、そして冷水道水で4分間にわたってすすがれた。
3.次いで、それぞれの積層物は、10を超えるpHで、80℃で10分間にわたって1%過マンガン酸カリウムを含んでいた過マンガン酸水溶液で処理された;
4.次いで、それぞれの積層物は4分間にわたって冷水道水ですすがれた;
5.次いで、積層物は3重量%のペルオキシドおよび3重量%の硫酸の中和剤溶液で2分間にわたって、室温で処理された;
6.次いで、それぞれの積層物は冷水道水で4分間にわたってすすがれた;
7.次いで、それぞれの積層物は3%サーキュポジットコンディショナー(商標)231水系酸コンディショナーを含む水系浴中に、40℃で、5分間にわたって浸漬された;
8.次いで、それぞれの積層物は冷水道水で4分間にわたってすすがれた;
9.次いで、それぞれの積層物にマイクロエッチ(MICROETCH(商標))748溶液が室温で2分間にわたって適用された;
10.次いで、それぞれの積層物は冷水道水で4分間にわたってすすがれた;
11.次いで、積層物は6分間にわたって40℃で、上で製造されたカルボキシメチルセルロース/銀触媒のアリコートの1つで前処理された;
12.次いで、積層物は冷水で5分間にわたってすすがれた;
13.次いで、積層物はサーキュポジット(商標)880無電解銅めっき浴中に、40℃でpH13で浸漬され、18分間にわたって銅が基体上に堆積させられた;
14.次いで、銅めっきされた積層物が冷水で2分間にわたってすすがれた;
15.次いで、それぞれの銅めっきされた積層物がコンベンショナル対流オーブン内に配置され、105℃で20分間にわたって乾燥させられた;
16.乾燥の後で、それぞれの銅めっきされた積層物は従来の実験室デシケータ内に20分間にわたって、またはそれが室温に冷却されるまで配置された;並びに
17.次いで、それぞれの銅積層物は、従来のスコッチテープ試験方法を用いて接着性について試験された。
【0053】
めっきされた銅積層物の全てが上記スコッチテープ試験に合格した。銅積層物からのテープの除去後での、スコッチテープへの観察可能な銅金属張り付きはなかった。
【0054】
実施例2
400ppmの水系カルボキシメチルセルロース/銀触媒が実施例1に記載されるように製造された。この触媒溶液のpHは没食子酸でpH3.5に調節された。それぞれ複数のスルーホールを有する上述の6種類の積層物が提供された。これらスルーホールは積層物の表面処理について実施例1において記載されたのと同じプロセス工程およびパラメータによって導電化された。触媒が適用された後で、スルーホールは実施例1に記載されたのと同じ無電解銅浴で無電解めっきされた。
【0055】
めっき後に、それぞれの板は、スルーホールの銅めっきされた壁を露出させるように側方向に切断された。板のスルーホール壁被覆率を決定するために、各板の切断されたスルーホールの壁から、厚さ1mmの複数の側切片がとられた。欧州バックライト評定スケール(European Backlight Grading Scale)が使用された。各板からの1mmの切片が50倍の倍率の従来の光学顕微鏡下に配置された。銅堆積物の品質は顕微鏡下で観察された光の量によって決定された。光が観察されなかった場合には、その切片は完全に黒であり、バックライトスケールにおいて5と評定され、これはスルーホールの完全な銅被覆を示す。何ら暗い領域なしで光が切片全体を透過した場合には、これは壁上に銅金属堆積が非常にわずか〜全くなかったことを示し、この切片は0と評定された。切片が幾分かの暗い領域と明るい領域を有していた場合には、その切片は0〜5の間で評定された。5種類の積層物における400ppmカルボキシメチルセルロース/銀触媒についてのバックライト評定は5スケールで4.5以上の範囲であった。FR−408積層物は4.2のバックライト評定を有していた。この結果はこの触媒が産業標準によって一般的に商業的な使用に許容可能であることを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀、金、白金、イリジウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケルおよび鉄から選択される金属と、下記1種以上の化合物とのナノ粒子、並びに1種以上の酸化防止剤を含む水系触媒溶液であって、
前記1種以上の化合物が、式:
【化1】


(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CH、−(CHCHRO)−H、−CHCOOX、−C(O)−CH、−C(O)−(CH−CH、および
【化2】

から選択され、Rは−Hまたは−CHであり、nは少なくとも2の整数であり、x、yおよびzは少なくとも1の整数であり、Xは−Hまたは対カチオンである)
を有するポリマー;並びに、
式:
【化3】

(式中、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHおよび−(CHCHRO)−Hから選択され、ただし、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15の少なくとも1つは−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHまたは−(CHCHRO)−Hであり、R、n、x、yおよびzは上述の通りである)
を有するポリマーと、
式:
【化4】

または
【化5】

(mは1〜16の整数であり、Yはハロゲンであり、Zは対アニオンであり、R16、R17およびR18は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CHまたは−(CH−CHであり、R19は−Hまたは−CHであり、pは1〜9の整数である)を有する第四級化合物と、1種以上の架橋剤との反応生成物;
から選択され、
前記触媒がスズを含まない、
水系触媒溶液。
【請求項2】
、R、R、RおよびRの少なくとも1つが−CHCOOXまたは−C(O)−CHである請求項1に記載の水系触媒。
【請求項3】
前記ナノ粒子が1nm〜1000nmである請求項1に記載の水系触媒。
【請求項4】
前記架橋剤がハロエポキシ化合物およびジエポキシ化合物の1種以上から選択される請求項1に記載の水系触媒。
【請求項5】
a)基体を提供し;
b)前記基体に水系触媒溶液を適用し、
前記水系触媒溶液は銀、金、白金、イリジウム、銅、アルミニウム、コバルト、ニッケルおよび鉄から選択される金属と、下記1種以上の化合物とのナノ粒子、並びに1種以上の酸化防止剤を含み、
前記1種以上の化合物が、式:
【化6】

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CH、−(CHCHRO)−H、−CHCOOX、−C(O)−CH、−C(O)−(CH−CH、および
【化7】

から選択され、Rは−Hまたは−CHであり、nは少なくとも2の整数であり、x、yおよびzは少なくとも1の整数であり、Xは−Hまたは対カチオンである)
を有するポリマー;並びに、
式:
【化8】

(式中、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CH、−CHCH、−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CH、−(CHCHRO)−Hから選択され、ただし、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15の少なくとも1つは−CHOH、−[CHCHR−OH、−CHCH(OH)CHまたは−(CHCHRO)−Hであり、R、n、x、yおよびzは上述の通りである)
を有するポリマーと、
式:
【化9】

または
【化10】

(mは1〜16の整数であり、Yはハロゲンであり、Zは対アニオンであり、R16、R17およびR18は同じかまたは異なっており、かつ−H、−CHまたは−(CH−CHであり、R19は−Hまたは−CHであり、pは1〜9の整数である)を有する第四級化合物と、1種以上の架橋剤との反応生成物;
から選択され、
前記水系触媒溶液がスズを含まず;並びに
c)無電解金属めっき浴を用いて前記基体上に金属を無電解堆積させる;
ことを含む方法。
【請求項6】
前記基体が複数のスルーホールを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記無電解金属めっき浴が銅、銅合金、ニッケルおよびニッケル合金浴から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
、R、R、RおよびRの少なくとも1つが−CHCOOXまたは−C(O)−CHである請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記架橋剤がハロエポキシ化合物およびジエポキシ化合物の1種以上から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ナノ粒子が1nm〜1000nmである請求項5に記載の方法。

【公開番号】特開2013−49920(P2013−49920A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−180772(P2012−180772)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】