説明

煤粒子センサシステム

煤粒子センサは、煤粒子センサの第1表面上に配置された検出部材とヒータ部材とを備えている。煤粒子センサシステムは、煤粒子センサと、煤粒子センサの検出部材およびヒータ部材に対して電気的に接続された回路と、を具備している。回路は、煤粒子センサ上に集積した煤粒子の量を決定し得るよう構成されているとともに、煤粒子の集積量に応じて、ヒータ部材の加熱を制御し得るよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年2月25日付けで出願された米国特許予備出願第61/308,267号の優先権を主張するものである。この文献の記載内容は、参考のためここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、全体的には煤粒子センサに関するものであり、より詳細には、排ガスフロー内において煤粒子を検出するためのセンサシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
煤粒子センサは、エンジン排気応用において使用することができる。例えば、車載式故障診断装置(on-board diagnostics, OBD)に関して使用することができる。このタイプのセンサを使用することにより、エンジン排ガス内における、例えば煤集積といったような粒状物質蓄積を検出して測定することができる。ディーゼルエンジンにおいては、特に、排気ガスが環境へと放出される際には、煤粒子の濃度ができるだけ最少であることが望ましい。内燃エンジンの動作状態を観測するに際しては、この目的において、内燃エンジンに関連した排気システム内に、煤粒子センサを配置することが好都合である。煤粒子センサは、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(diesel particulate filter,DPF)の上流側または下流側に配置することができる。煤粒子センサがDPFの下流側に配置されたときには、その煤粒子センサを使用して、DPFの機能の観測を行うことができる。DPFが故障した場合には、煤粒子センサは、エンジン排ガス内において過度の煤粒子を検出することとなり、車両エンジンの制御ユニット(engine control unit,ECU)に対して警告を発する。
【0004】
煤粒子センサは、比較的単純な抵抗デバイスとすることができる。図1は、組込式のヒータ部材を備えた煤粒子センサの1つの公知の構成を概略的に示す平面図であり、図2は、図1の煤粒子センサを概略的に示す底面図である。センサ100は、電気絶縁性基板102を備えることができる。電気絶縁性基板102は、第1表面104と、この第1表面104とは反対側に位置した第2表面106と、を規定している。検出部材108は、基板102の第1表面104上に形成されており、第1電極110を構成する電気伝導性材料と、第1電極110とは異なる第2電極112を構成する電気伝導性材料と、を備えている。電気伝導性材料は、高温に耐え得るように選択された貴金属とすることができ、第1電極110および第2電極112は、電気的に互いに絶縁することができ、これにより、それら電極どうしの間に開放回路を形成することができる。
【0005】
図示のように、第1電極110および第2電極112は、互いに噛合した「フィンガー」として構成することができる。それらフィンガーは、第1電極110および第2電極112の間の周囲長さを最大化する。第1電極110は、フィンガーの第1組114を規定し、第2電極112は、フィンガーの第2組116を規定する。動作時には、排ガス中の煤粒子(図示せず)が検出部材108上に着地した際に、煤粒子内のカーボンが、第1電極110と第2電極112とを電気的に接続し、第1電極110と第2電極112との間の抵抗値を効果的に下げる。それら電極間の抵抗値が、煤粒子の存在量を表す指標として測定される。
【0006】
図3は、3−3線に沿って図1および図2の煤粒子センサを拡大して示す矢視断面図である。図2および図3に示すように、いくつかの応用においては、センサ100は、組込式のヒータ部材118を備えている。組込式のヒータ部材118は、基板の第2表面106上に設けられている。組込式のヒータ部材118は、抵抗加熱によって、煤粒子センサ100を加熱し得るよう構成されている。例えば、組込式のヒータ部材118は、基板102の第1表面104および/または第2表面106上に集積された煤粒子を除去し得ることが望ましい。組込式のヒータ部材118は、既知の抵抗値を有した白金トレースを備えることができる。組込式のヒータ部材118を活性化することにより、センサ部材108を、例えば650℃といったような比較的高温に加熱することができる。これにより、集積されたすべての煤粒子を燃焼させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許予備出願第61/308,267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したタイプの煤粒子センサは、排ガスシステム内に存在するある種の条件下において絶縁破壊を起こしてしまう傾向がある。各電極は、排ガスフローに対して、直接的に曝される。ある種の排気材料が、電極の腐食、および/または、センサ表面の汚染、を引き起こす。これにより、煤粒子の集積測定が妨害されてしまう。
【0009】
加えて、現存の煤粒子センサの検出部材は、検出部材トレースの破損を検出し得る診断機能を欠いている。さらに、現存の煤粒子センサ内に設けられている組込式のヒータは、流量が多いという条件下においては、集積された煤粒子を十分に燃焼させるために要求される高温へと到達するのが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、全体的に、煤粒子を検出するための、煤粒子センサならびに煤粒子センサシステムに関するものである。一般に、本発明による煤粒子センサシステムは、第1表面と、この第1表面とは反対側に位置した第2表面と、を規定する基板を具備している。検出部材は、基板の第1表面上に形成される。検出部材は、基板の第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを備えている。ヒータ部材も、また、基板の第1表面上に形成される。ヒータ部材は、基板の第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを備えている。
【0011】
システムは、さらに、検出部材ループの両端部のところに、検出部材第1電気的コンタクトと検出部材第2電気的コンタクトとを備え、ヒータ部材ループの両端部のところに、ヒータ部材第1電気的コンタクトとヒータ部材第2電気的コンタクトとを備えている。回路は、電極の第1対および第2対に対して電気的に接続される。この回路は、基板の第1表面上におよび検出部材上に集積された煤粒子の量を決定し得るとともに、煤粒子の集積量に応じてヒータ部材の加熱を制御し得るものとされる。
【0012】
本発明による煤粒子センサならびに煤粒子センサシステムは、ディーゼルエンジンを有したモータ自動車の排気システム内に配置し得るよう構成することができる。加えて、煤粒子センサおよび/または煤粒子センサシステムは、オイルヒーティングシステムのハウスホールド技術という分野において使用し得るよう構成することができる。例えば、煤粒子センサおよび/または煤粒子センサシステムには、用途に応じて適切に設計されたサポートが設けられる。モータ自動車の排気システムにおける使用に際しては、本発明による煤粒子センサシステムは、排気ガスフローに起因する煤粒子の集積を検出し得るよう構成することができる。加えて、煤粒子センサシステムは、自動車の車載式故障診断システムに対して接続することができ、自動車の車載式故障診断システムと通信し得るよう構成することができる。加えて、煤粒子センサは、ディーゼルエンジンを有したモータ自動車のディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)の下流側に配置することができる。ここで、煤粒子センサは、DPFの性能を観測し得るよう構成することができる。
【0013】
本発明の様々な特徴点および様々な利点は、様々な実施形態に関する以下の詳細な説明により、明瞭となるであろう。以下の詳細な説明においては、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】煤粒子センサを示す概略的な平面図である。
【図2】図1の煤粒子センサを概略的に示す底面図である。
【図3】3−3線に沿って図1および図2の煤粒子センサを拡大して示す矢視断面図である。
【図4】本発明による煤粒子センサを概略的に示す平面図である。
【図5A】5−5線に沿って図4の本発明による煤粒子センサの一部を拡大して示す矢視断面図である。
【図5B】本発明の他の実施形態に基づき、5−5線に沿って図4の煤粒子センサの一部を拡大して示す矢視断面図である。
【図6】図5Bの煤粒子センサの一部を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による煤粒子センサを概略的に示す平面図である。
【図8A】図7の煤粒子センサの一部を拡大して示す図である。
【図8B】本発明の他の実施形態に基づき、図7の煤粒子センサの一部を拡大して示す図である。
【図8C】本発明のさらに他の実施形態に基づき、図7の煤粒子センサの一部を拡大して示す図である。
【図9】本発明による煤粒子センサの先端を示す斜視図である。
【図10】10−10線に沿って図9の煤粒子センサの先端の一部を拡大して示す矢視断面図である。
【図11】本発明による煤粒子センサシステムに関する1つの例示としての実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図4には、本発明による煤粒子センサの一実施形態が概略的に示されている。煤粒子センサ400は、基板402を備えている。基板402は、例えば、絶縁性材料すなわち非電気伝導性材料から構成されている。基板402は、第1表面404(例えば、図5Aに示すように、上面)と、第1表面404とは反対側に位置した第2表面406(例えば、図5Aに示すように、底面)と、を規定している。煤粒子センサ400は、基板402の第1表面402上に形成された検出部材408を備えている。検出部材408は、基板402上に配置された導電性材料からなる少なくとも1つの連続ループ410を備えている。ループ410は、例えば蛇行した形状や螺旋形状や矩形形状や円形形状といったような、任意の規則的なおよび/または不規則的な幾何形状を有することができる。
【0016】
図示の例示としての実施形態においては、ループ410は、蛇行した構成とされる。ループ410は、複数の波形412からなる第1組と、複数の波形412の各々内に位置した複数のギャップG1と、複数の波形412の各々の間に位置した複数のギャップG2と、を備えている。図示の実施形態においては、ループ410のうちの、センサの一方のサイド413に隣接したターン411を含む部分は、ギャップG1の分だけ離間しており、ループ410のうちの、センサの他方のサイド417に隣接したターン415を含む部分は、ギャップG2の分だけ離間しており、ギャップG1の方が、ギャップG2よりも広い。ここでは、「蛇行」という用語は、例えば図4に示すような円弧形状や正方形形状や円弧と正方形との組合せ形状等といったような任意の形状を有したターンを含む構成を意味しており、一様なサイズのおよび/または様々なサイズのギャップによって離間されたターンを備えている。
【0017】
検出部材(あるいは、センサ部材)408は、さらに、ループ410の両端部のところに、第1電気的コンタクト414および第2電気的コンタクト416を備えている。第1電気的コンタクト414および第2電気的コンタクト416は、電気回路に対して接続し得るよう構成することができ、これにより、ループ410を通して電流を供給することができる。図示の実施形態においては、入力電流Isense を、第1電気的コンタクト414(あるいは、第2電気的コンタクト416)のところに供給することができる。
【0018】
Isense の値は、センサ400上に配置された煤粒子の量を代理するものとすることができる。図示の実施形態においては、例えば、煤粒子428は、検出部材408を備えた基板402の第1表面404上に集積されたものとして、図示されている。煤粒子428が検出部材上に集積するにつれて、ループ410の抵抗値が変化する。これにより、Isense の値が変化する。よって、Isense の値は、世上に集積した煤粒子の量を代理する。
【0019】
煤粒子センサ400は、さらに、基板402の第2表面404上に形成されたヒータ部材418を備えている。ヒータ部材418は、基板402上に配置された導電性材料からなる少なくとも1つの連続ループ420を備えている。ループ420は、例えば蛇行した形状や螺旋形状や矩形形状や円形形状といったような、任意の規則的なおよび/または不規則的な幾何形状を有することができ、ループ420の長さの少なくとも一部において、検出部材ループ410の近傍に配置することができる。
【0020】
図示の例示としての実施形態においては、ループ420は、蛇行した構成とされる。ループ420は、複数の波形412からなる第1組に対して相補的でありなおかつ噛合した複数の波形422からなる第2組を備えている。ヒータ部材418は、さらに、ループ420の両端部のところに、第1電気的コンタクト424および第2電気的コンタクト426を備えている。第1電気的コンタクト424および第2電気的コンタクト426は、電気回路に対して接続し得るよう構成することができ、これにより、ループ420を通して電流を供給することができる。図示の実施形態においては、入力電流Iheaterを、第1電気的コンタクト424(あるいは、第2電気的コンタクト426)のところに供給することができる。一実施形態においては、例えば、煤粒子428のしきい値量が検出部材408上に集積した際には、例えば、Isense のしきい値に到達したことが決定されたときには、ヒータ電流Iheaterを供給することができ、これにより、ヒータ部材418を加熱することができて、煤粒子428を少なくとも部分的に除去することができる、例えば煤粒子428を燃焼させることができる。これにより、継続的な使用のために、センサ400をクリーニング/再生することができる。
【0021】
検出部材408は、電気伝導性材料を備えることができる。すなわち、例えば金や白金やオスミウムやロジウムやイリジウムやルテニウムやアルミニウムやチタニウムやジルコニウム等といったような金属や、酸化物や、合金や、上記金属の少なくとも1つを含む組合せ、を備えることができる。ヒータ部材418は、さらに、様々な材料を備えることができる。例えば、そのような材料は、白金や金やパラジウム等や、および/または、合金や、酸化物や、それらの組合せ、を備えることができる。基板402は、非電気伝導性材料すなわち電気絶縁性材料を備えることができる。そのような材料は、酸化物を備えることができる。限定するものではないけれども、そのような材料は、アルミナや、ジルコニアや、イットリアや、酸化ランタンや、シリカや、および/または、それらの少なくとも1つを含む組合せや、電気伝導を防止し得るとともに構造的一体性および/または物理的保護をもたらし得るような任意の適切な材料を備えることができる。
【0022】
図5Aは、5−5線に沿って、本発明の一実施形態による図4の煤粒子センサ400の一部を示す断面図である。図示の実施形態においては、煤粒子428は、少なくとも、検出部材408上に集積する。特に、排ガスフローに対して露出されたときには、煤粒子428は、検出部材408のループ410の複数の波形412の各々内にまたは各々の間に規定された複数のギャップG1および/またはG2の少なくとも1つの中に集積されることができる。検出部材408に全く煤粒子が存在していないときには、検出部材408のうちの、第1電気的コンタクト414および第2電気的コンタクト416の間に形成された電気回路は、第1抵抗値を有している。煤粒子428が検出部材408上に集積した際には、特に、煤粒子428がループ410に対して接触した状態で、複数のギャップG1および/またはG2の少なくとも1つ内に集積した際には、第1電気的コンタクト414および第2電気的コンタクト416の間の抵抗値は、変化することができる。より多くの量の煤粒子428が収集されて集積したときほど、抵抗値は、増大することができる。集積された煤粒子428が煤粒子センサから除去されることが要望された際には、ヒータ部材418を活性化することができる。ヒータ部材418は、煤粒子428が燃焼するような温度にまで到達し得るように構成することができる。
【0023】
図5Bは、5−5線に沿って、本発明の他の実施形態による図4の煤粒子センサの一部を示す断面図であり、図6は、図5Bの煤粒子センサの一部を拡大して示す断面図である。一実施形態においては、保護層532が、基板402の第1表面404上にわたって形成され、検出部材408およびヒータ部材418の波形412,422の少なくとも一部をカバーする。保護層532は、検出部材408の波形412の少なくとも一部を排ガスフローから絶縁するように構成することができる。保護層532は、さらに、検出部材408の波形412によって規定される複数のギャップG1に対応してそれらギャップG1に対して位置合わせされた複数のチャネル534を規定する。
【0024】
図6に示すように、複数のチャネル534の各々は、検出部材の少なくとも一部を、例えば波形412のエッジ636を、排ガスフローに対して、および、煤粒子428に対して、露出させる。図示の実施形態においては、複数のチャネル534の各々は、煤粒子428が複数のチャネル534の少なくとも1つの中におよび対応するギャップG1の中に集積され得るようなサイズおよび/または形状とされている。これにより、煤粒子428は、露出された検出部材の導電材料の少なくとも一部に対して、例えば波形412のエッジ636に対して、接触することができる。
【0025】
図7は、本発明による煤粒子センサの他の実施形態を示す概略的な平面図である。図8Aは、図7の煤粒子センサの一部を拡大して示す図である。この実施形態は、図4の実施形態と同様のものである。同様の構成部材に対しては、400番台に代えて、700番台として、同様の符号が割り当てられている。煤粒子センサ700は、第1表面704を規定する基板702を備えている。検出部材708およびヒータ部材718は、第1表面704上に形成されている。検出部材708およびヒータ部材718の各々は、基板702上に配置された導電材料からなる連続的ループ710,720を備えている。図4の実施形態の場合と同様に、ループ710,720は、複数の波形からなる第1組712および第2組722を備えた蛇行した構成として設けられている。図8Aに示すように、第1組の波形712および第2組の波形722は、さらに、波形からなる第1サブセット828および第2サブセット830を規定している。複数のギャップ832が、複数の波形からなる第1サブセット828および第2サブセット830との中におよびそれらの間に規定されている。
【0026】
検出部材708は、さらに、ループ710の両端のところに、第1電気的コンタクト714および第2電気的コンタクト716を備えている。第1電気的コンタクト714および第2電気的コンタクト716は、電気回路に対して接続し得るよう構成することができ、これにより、ループ710を通して電流を供給することができる。図示の実施形態においては、入力電流Isense を、第1電気的コンタクト714(あるいは、第2電気的コンタクト716)のところに、供給することができる。同様に、ヒータ部材718は、さらに、ループ720の両端部のところに、第1電気的コンタクト724および第2電気的コンタクト726を備えている。第1電気的コンタクト724および第2電気的コンタクト726は、電気回路に対して接続し得るよう構成することができ、これにより、ループ720を通して電流を供給することができる。図示の実施形態においては、入力電流Iheaterを、第1電気的コンタクト724(あるいは、第2電気的コンタクト726)のところに、供給することができる。
【0027】
図示の実施形態においては、検出部材708およびヒータ部材718は、図4の実施形態に関して上述したように、互いに対して個別的になおかつ独立的に動作し得るよう構成することができる。加えて、煤粒子センサ700は、さらに、ヒータ部材718の第1電気的コンタクト724および検出部材708の第2電気的コンタクト716に対して接続されたスイッチS1を備えることができる。これにより、両コンタクト724,716を選択的に接続または接続解除することができる。スイッチS1が開放されたときには、検出電流Isense は、両コンタクト714,716間の導電材料ループ710に関連した抵抗値によって決定され、ループ710上に集積した煤粒子の量に基づいて変化する。これにより、検出部材は、煤粒子の量を検出することができる。スイッチS1が閉塞されたときには、ループ710,720は、電気的に直列に接続され、これにより、コンタクト714,726の間において、導電性材料からなる単一の連続ループが確立される。電流Isense は、検出部材708とヒータ部材718との双方を通って流れることができる。これにより、検出部材708とヒータ部材718との双方を、単一のヒータ部材として機能させることができる。
【0028】
図8Bは、本発明の他の実施形態に基づき、図7の煤粒子センサの一部を拡大して示す図である。図示の実施形態においては、検出部材708およびヒータ部材718は、第1表面704上に配置された、導電性材料からなる連続ループ810,820を備えている。ループ810,820は、複数の波形からなる第1組812および第2組822を有した蛇行した構成で配置されている。複数の波形からなる第1組812および第2組822は、さらに、それぞれ、複数の波形からなる第1サブセット834および第2サブセット836を規定する。複数のギャップ838が、複数の波形からなる第1サブセット834および第2サブセット836の間に規定されている。ここで、ギャップ838は、サイズおよび/または形状において、実質的に一様とされている。
【0029】
図示の実施形態においては、ループ810の幅は、図8Aに示すように、ループ710と比較して、実質的に狭いものとされている。これにより、ループ810の抵抗値を、ループ710の抵抗値と比較して、より大きな値へと増大されている。抵抗値の増加により、ループ810を、ループ710と比較して、より大いなる精度でもって、温度を検出し得るように構成することができる。
【0030】
図8Cは、本発明の他の実施形態に基づき、図7の煤粒子センサの一部を拡大して示す図である。図示の実施形態においては、複数のギャップ840,842が、複数の波形からなる第1サブセット834および第2サブセット836の間に規定されている。ここで、ギャップ840,842は、サイズおよび/または形状において、互いに相違している。例えば、ギャップ840は、幅W1を有しており、ギャップ842は、幅W2を有している。そして、幅W1の方が、全体的に、幅W2よりも大きなものとされている。サイズおよび/または形状が互いに相違するギャップ840,842により、検出部材708は、煤粒子の集積を検出する際に、より広範な、レスポンスのダイナミックレンジを有することができる。
【0031】
図9は、本発明に基づく煤粒子センサの先端を示す斜視図であり、図10は、10−10線に沿って、図9の煤粒子センサの先端を拡大して示す矢視断面図である。先端900は、煤粒子センサ1014を少なくとも部分的に封入し得るよう構成されている。ここで、煤粒子センサ1014は、本発明に基づく様々な実施形態を包含することができる。先端900は、ボディ902を備えている。ボディ902は、外表面904と、内表面1006と、基端部908と、先端部910と、を有している。図示の実施形態においては、ボディ902は、基端部908のところにおける全体的な円形形状から、先端部910のところにおける全体的な矩形形状へと、漸次的に移行している。ボディ902の幾何形状は、先端900の内部容積を最小化し得るよう構成されている。ボディ902は、少なくとも1つの傾斜して配置されたチャネル912を備えている。チャネル912は、ボディ902の外表面904からボディ902の内表面1006へと連通する経路1016を規定している。
【0032】
経路1016は、排ガスフローを煤粒子センサ1014へと案内し得るよう構成されており、図10において矢印Aで示すように、煤粒子センサ1014の第1表面1018へと90°よりも小さな角度θでもって配向するように、側壁によって規定することができる。よって、経路1016は、第1表面1018に対して90°よりも小さな角度のものとして構成することができる。これにより、排ガスフロー中の煤粒子は、ボディの内部へと流入することができ、煤粒子センサ1014の第1表面1018に対して90°よりも小さな角度でもって煤粒子センサ1014を衝撃することができる。ボディ902は、ボディの周縁全体に沿って配置された複数の傾斜したチャネル912を規定することができる。
【0033】
図11は、本発明による煤粒子センサシステムの一つの例示としての実施形態を示すブロック図である。煤粒子センサシステム1100は、煤粒子センサ400を備えている。説明の簡便さのために、図4の煤粒子センサ400を参照することとする。しかしながら、煤粒子センサシステム1100が、本発明に基づく煤粒子センサの他の実施形態を備え得ることは、理解されるであろう。煤粒子センサシステム1100は、さらに、煤粒子センサ400に対して電気的に接続されていて、煤粒子センサ400に対して電流を供給し得るよう構成された、回路1102を備えている。一実施形態においては、回路1102は、電流Isense および/またはIheaterを供給し得るよう、検出部材408の第1電気的コンタクト414および第2電気的コンタクト416ならびにヒータ部材418の第1電気的コンタクト424および第2電気的コンタクト426に対して接続することができる。
【0034】
回路1102は、測定回路1104を備えている。測定回路1104は、コントローラ1106に対して電気的に接続されていて、コントローラ1106と通信し得るよう構成されている。測定回路は、また、煤粒子センサ400に対して電気的に接続されている。例えば、検出部材408の第1および第2の電気的コンタクト414,416に対して、および/または、ヒータ部材418の第1および第2の電気的コンタクト424,426に対して、電気的に接続されている。測定回路1104は、第1および第2の電気的コンタクト414,416の間に電圧を印加し得るよう構成することができ、コントローラ1106からの、Isense の得られた値を代理する出力を供給することができる。コントローラ1106は、自動車の公知のエンジン制御ユニット(ECU)とすることができ、煤粒子センサ400と測定回路1104とコントローラとの間の通信は、公知のCANバスを介して行うことができる。
【0035】
検出部材408を通して流れる電流Isense の値を使用することにより、煤粒子センサ400上に堆積した煤粒子の量を決定することができる。電流Isense の値は、さらに、センサ400と連通する排ガス流内の煤粒子の量を代理することができる。上述したように、煤粒子が、第1および第2の電気的コンタクト414,416の間に堆積した際には、それらコンタクト414,416の間の導電経路の電気抵抗値が変化する。これに対応して、Isense の値が変化する。Isense の値は、センサ400上に堆積した煤粒子の量を代理する。
【0036】
測定回路1104は、また、ヒータ部材の第1および第2の電気的コンタクト424,426の間に電圧を印加し得るよう構成することができる。Isense の値が所定のしきい値に到達したときには、コントローラ1106は、測定回路1104に対して出力を供給することができる。これにより、測定回路は、ヒータ部材418に対して電流Iheaterを供給することによって、ヒータ部材418を活性化することができる。ヒータ部材418が活性化されたときには、ヒータ部材418は、集積した煤粒子を燃焼させる温度にまで加熱することができる。これにより、煤粒子センサ400から、とりわけ検出部材408から、煤粒子を除去することができる。
【0037】
加えて、回路1102は、検出部材408および/またはヒータ部材418内における、回路開放および/または短絡の発生を検出し得るよう構成することができる。例えば、検出部材408が短絡を起こした場合には、検出部材の両コンタクト414,416の間の回路は、開放回路となる、あるいは、通常の抵抗値よりも大きな抵抗値を有した回路となる。よって、電流Isense が、所定のしきい値よりも下回った際には、コントローラ1106は、検出部材の故障を示す出力を供給することができる。
【0038】
したがって、一見地においては、本発明は、第1表面とこの第1表面とは反対側に位置した第2表面とを規定する基板を備えた煤粒子センサを特徴とすることができる。検出部材は、基板の第1表面上に形成され、第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有した検出部材ループを備えている。ヒータ部材も、また、基板の第1表面上に形成される。ヒータ部材は、第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有したヒータ部材ループを備えている。
【0039】
他の見地においては、本発明は、煤粒子センサシステムを特徴とすることができる。煤粒子センサシステムは、煤粒子センサの第1表面上に配置された検出部材およびヒータ部材を備えた煤粒子センサを備えることができる。煤粒子センサシステムは、さらに、検出部材およびヒータ部材に対して電気的に接続された回路を備えることができる。その回路は、検出部材およびヒータ部材に対して電流を供給し得るよう構成することができ、これにより、検出部材上に集積した煤粒子の量を決定し得るとともに、検出部材上に集積した煤粒子の量に応じて、ヒータ部材の加熱を制御することができる。
【0040】
さらに他の見地においては、本発明は、煤粒子センサ上に堆積した煤粒子の量を測定するための方法を特徴とすることができる。この方法においては、本発明に基づく煤粒子センサを準備し;検出部材を通して流れる検出電流を観測し、この電流を、検出部材上に集積した煤粒子の量を代理するものとし;検出電流が所定のしきい値に到達した際には、検出電流の観測に応じて、ヒータ部材を通してヒータ電流を供給し、これにより、検出部材上に集積した煤粒子の少なくとも一部を除去する。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態について説明して例示したけれども、当業者には、機能を実行して結果および/または上記1つまたは複数の利点を得るための様々な他の手段、および/または、機能を実行して結果および/または上記1つまたは複数の利点を得るための様々な他の構成は、自明であろう。そのような変形例および/または修正の各々は、本発明の範囲内に属するものである。より一般的には、当業者には、上記のすべてのパラメータや寸法や材質や構成が、例示に過ぎないことは明らかであろう、また、実際のパラメータや寸法や材質や構成が、本発明の開示が使用される特定の応用に依存することとなることは、明らかであろう。当業者であれば、上述した本発明の特定の実施形態に関して、多くの等価な構成が可能であることは、理解されるであろう。したがって、上記の様々な実施形態が例示のためだけのものであること、特許請求の範囲の範囲内において、また、それと等価な範囲内において、本発明を上記した以外の態様でもって、また、特許請求の範囲の規定した構成以外の構成でもって、具現し得ることは、理解されるであろう。本発明は、上述したような、各種の特徴点やシステムや物品や材質やキットや方法に関するものである。加えて、それら特徴点やシステムや物品や材質やキットや方法が相互に不整合なものでない限りにおいて、2つまたはそれ以上のそのような特徴点やシステムや物品や材質やキットや方法の任意の組合せは、本発明の範囲内に包含されるものである。
【0042】
すべての定義は、方向性を制御するためのものであることは、理解されるであろう。本明細書における定義は、参照のためのものであり、それら定義は、通常の意味合いとすることができる。
【0043】
特段に断らない限り、本明細書においてまた特許請求の範囲において、「1つの」という不定の呼称は、「少なくとも1つの」を意味するものとして理解されたい。
【0044】
本明細書においてまた特許請求の範囲において、「および/または」という用語は、対象をなす構成部材の「一方または双方」を意味するものとして理解されたい。すなわち、いくつかの場合においては、複数の構成部材は、共存的に存在し、他の場合においては、複数の構成部材は、択一的に存在する。他の構成部材は、付加的には、「および/または」という用語によって特定に識別された構成部材以外に、存在することができる。特に断らない限り、そのような他の構成部材は、特定に識別された構成部材に関連づけて、あるいは、そのような特定に識別された構成部材に関連づけることなく、存在することができる。
【符号の説明】
【0045】
400 煤粒子センサ
402 基板
404 第1表面
406 第2表面
408 検出部材
410 検出部材ループ
412 第1組
414 検出部材第1電気的コンタクト
416 検出部材第2電気的コンタクト
418 ヒータ部材
420 ヒータ部材ループ
422 第2組
424 ヒータ部材第1電気的コンタクト
426 ヒータ部材第2電気的コンタクト
428 煤粒子
532 保護層
534 チャネル
700 煤粒子センサ
702 基板
704 第1表面
708 検出部材
710 検出部材ループ
718 ヒータ部材
720 ヒータ部材ループ
G1 ギャップ
G2 ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煤粒子センサであって、
第1表面と、この第1表面とは反対側に位置した第2表面と、を規定する基板と;
前記基板の前記第1表面上に形成されるとともに、前記第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有した検出部材ループを備えた、検出部材と;
前記基板の前記第1表面上に形成されるとともに、前記第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有したヒータ部材ループを備えた、ヒータ部材と;
を具備していることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項2】
請求項1記載の煤粒子センサにおいて、
前記検出部材ループが、検出ループ蛇行構成として設けられ、
この検出ループ蛇行構成が、複数の波形からなる第1組と、前記複数の波形の間に規定された複数のギャップと、を備え、
前記ヒータ部材ループが、ヒータループ蛇行構成として設けられ、
このヒータループ蛇行構成が、前記複数の波形からなる前記第1組と噛合した複数の波形からなる第2組を備えていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項3】
請求項1記載の煤粒子センサにおいて、
前記検出部材ループが、その両端部のところに、検出部材第1電気的コンタクトと検出部材第2電気的コンタクトとを備え、
前記ヒータ部材ループが、その両端部のところに、ヒータ部材第1電気的コンタクトとヒータ部材第2電気的コンタクトとを備えていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項4】
請求項3記載の煤粒子センサにおいて、
前記検出部材第1電気的コンタクトと前記検出部材第2電気的コンタクトとの間の抵抗値が、前記検出部材上に集積した煤粒子の量に応じて変化することを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項5】
請求項1記載の煤粒子センサにおいて、
さらに、前記基板の前記第1表面上に形成された保護層を具備し、
この保護層が、前記検出部材の少なくとも一部をカバーし、
前記保護層が、前記検出部材の少なくとも一部を排ガスフローから絶縁し得るよう構成されていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項6】
請求項5記載の煤粒子センサにおいて、
前記保護層が、前記検出部材の前記複数のギャップに対応して設けられるとともにそれらギャップに対して位置合わせされた複数のチャネルを規定し、
それにより、前記検出部材の前記導電材料の複数の部分が、排ガスフローに対して、および、その排ガスフローに対して起因する煤粒子に対して、露出されていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項7】
請求項1記載の煤粒子センサにおいて、
前記煤粒子センサが、さらに、前記検出部材第1電気的コンタクトと前記ヒータ部材第1電気的コンタクトとの間に接続されたスイッチを具備し、
前記スイッチが、前記スイッチが閉塞された際に、前記検出部材ループと前記ヒータ部材ループとを直列接続し得るよう構成されていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項8】
請求項1記載の煤粒子センサにおいて、
さらに、前記煤粒子センサを少なくとも部分的に封入し得るよう構成された先端を具備し、
前記先端が、基端部と先端部とを有したボディ備え、
このボディが、前記基端部のところにおける全体的な円形形状から、前記先端部のところにおける全体的な矩形形状へと、移行していることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項9】
請求項1記載の煤粒子センサにおいて、
さらに、前記煤粒子センサを少なくとも部分的に封入し得るよう構成された先端を具備し、
前記先端が、外表面と内表面とを有したボディ備え、
このボディが、少なくとも1つの傾斜したチャネルを備え、
前記少なくとも1つの傾斜したチャネルが、前記ボディの前記外表面から前記ボディの前記内表面へと連通する経路を規定し、
前記経路が、排ガスフローを前記煤粒子センサに向けて案内し得るよう構成されていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項10】
請求項9記載の煤粒子センサにおいて、
前記経路が、前記第1表面に対して90°よりも小さな角度とされていることを特徴とする煤粒子センサ。
【請求項11】
煤粒子センサシステムであって、
第1表面と、この第1表面とは反対側に位置した第2表面と、を規定する基板と、前記基板の前記第1表面上に形成されるとともに、前記第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有した検出部材ループを備えた、検出部材と、前記基板の前記第1表面上に形成されるとともに、前記第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有したヒータ部材ループを備えた、ヒータ部材と;を具備した煤粒子センサと;
前記検出部材に対しておよび前記ヒータ部材に対して電気的に接続された回路であるとともに、前記検出部材に対しておよび前記ヒータ部材に対して電流を供給し得るよう構成され、これにより、前記検出部材上に集積された煤粒子の量を決定し得るとともに、前記検出部材上に集積した煤粒子の量に応じて前記ヒータ部材の加熱を制御し得るものとされた、回路と;
を具備していることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムにおいて、
前記検出部材ループが、検出ループ蛇行構成として設けられ、
この検出ループ蛇行構成が、複数の波形からなる第1組と、前記複数の波形の間に規定された複数のギャップと、を備え、
前記ヒータ部材ループが、ヒータループ蛇行構成として設けられ、
このヒータループ蛇行構成が、前記複数の波形からなる前記第1組と噛合した複数の波形からなる第2組を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11記載のシステムにおいて、
さらに、前記基板の前記第1表面上に形成された保護層を具備し、
この保護層が、前記検出部材の少なくとも一部をカバーし、
前記保護層が、前記検出部材の少なくとも一部を排ガスフローから絶縁し得るよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、
前記保護層が、前記検出部材の前記複数のギャップに対応して設けられるとともにそれらギャップに対して位置合わせされた複数のチャネルを規定し、
それにより、前記検出部材の前記導電材料の複数の部分が、排ガスフローに対して、および、その排ガスフローに対して起因する煤粒子に対して、露出されていることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項11記載のシステムにおいて、
前記煤粒子センサが、さらに、前記検出部材第1電気的コンタクトと前記ヒータ部材第1電気的コンタクトとの間に接続されたスイッチを具備し、
前記スイッチが、前記スイッチが閉塞された際に、前記検出部材ループと前記ヒータ部材ループとを直列接続し得るよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項11記載のシステムにおいて、
さらに、前記煤粒子センサを少なくとも部分的に封入し得るよう構成された先端を具備し、
前記先端が、基端部と先端部とを有したボディ備え、
このボディが、前記基端部のところにおける全体的な円形形状から、前記先端部のところにおける全体的な矩形形状へと、移行していることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項11記載のシステムにおいて、
さらに、前記煤粒子センサを少なくとも部分的に封入し得るよう構成された先端を具備し、
前記先端が、外表面と内表面とを有したボディ備え、
このボディが、少なくとも1つの傾斜したチャネルを備え、
前記少なくとも1つの傾斜したチャネルが、前記ボディの前記外表面から前記ボディの前記内表面へと連通する経路を規定し、
前記経路が、排ガスフローを前記煤粒子センサに向けて案内し得るよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記経路が、前記第1表面に対して90°よりも小さな角度とされていることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項11記載のシステムにおいて、
前記回路が、前記検出部材上に集積された煤粒子の量が所定しきい値に到達したときには、前記ヒータ部材を活性化し得るよう構成され、
前記ヒータ部材が、前記検出部材上に集積した煤粒子の少なくとも一部を除去し得るような温度にまで加熱され得るよう構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項20】
煤粒子センサ上に堆積した煤粒子の量を測定するための方法であって、
第1表面と、この第1表面とは反対側に位置した第2表面と、を規定する基板と、前記基板の前記第1表面上に形成されるとともに、前記第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有した検出部材ループを備えた、検出部材と;前記基板の前記第1表面上に形成されるとともに、前記第1表面上に配置された導電材料からなる少なくとも1つの連続ループを有したヒータ部材ループを備えた、ヒータ部材と;を具備した煤粒子センサを準備し;
前記検出部材を通して流れる検出電流を観測し、この検出電流を、前記検出部材上に集積した煤粒子の量を代理するものとし;
前記検出電流が所定のしきい値に到達した際には、前記検出電流の観測に応じて、前記ヒータ部材を通してヒータ電流を供給し、これにより、前記検出部材上に集積した煤粒子の少なくとも一部を除去する;
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−521469(P2013−521469A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555180(P2012−555180)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026211
【国際公開番号】WO2011/106625
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(508289615)ストーンリッジ・インコーポレッド (4)
【Fターム(参考)】