照明ユニット、画像読取装置および画像形成装置
【課題】 コンパクトな構成で、LEDの分光分布の欠けている波長領域および光量を補間でき、カラー読取時やモノクロ読取時に必要な光量を維持し、広い分光分布を持たせて効率的に読取を行い、LED光源のリップルを低減することができる照明ユニットを提供する。
【解決手段】 この照明ユニットは、分光分布が異なる2つの光源(LED201、有機EL202)と、それら光源を隣接させて配置するための光源配置面と、それら光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体200とから構成される。発光面は、円弧状に突出した曲面を有するように形成され、その曲面により集光させ、原稿へ向けて集光された光を照射させる。また、導光体200の発光面の一部に隣接して配置され、原稿に照射され反射した光を、電気信号へ変換する画像読取装置の光電変換手段に向けて反射させるための第1ミラー12を備えることができる。
【解決手段】 この照明ユニットは、分光分布が異なる2つの光源(LED201、有機EL202)と、それら光源を隣接させて配置するための光源配置面と、それら光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体200とから構成される。発光面は、円弧状に突出した曲面を有するように形成され、その曲面により集光させ、原稿へ向けて集光された光を照射させる。また、導光体200の発光面の一部に隣接して配置され、原稿に照射され反射した光を、電気信号へ変換する画像読取装置の光電変換手段に向けて反射させるための第1ミラー12を備えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)を用いた照明ユニット、この照明ユニットを備える画像読取装置、この画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙に印字等された原稿を読み取る画像読取装置は、照明系により照射された原稿の反射光を読取光学系により、光電変換を行うラインセンサ上に結像させ、画像情報を信号化し、必要に応じてアナログ−デジタル変換器(A/Dコンバータ)によりデジタル信号へ変換して出力する。このような画像読取装置には、原稿をコンタクトガラス上に載置し、その原稿を圧板(押さ板)で押さえ、照明系と光学系を走査して読み取る方式(圧板方式)と、照明系と光学系を移動せず、シート原稿を光学系の露光位置である原稿ガラス上に自動給送する自動原稿搬送装置(ADF)で搬送し、読み取る方式(シートスルー方式)とがある。
【0003】
この画像読取装置の照明系として用いられる照明ユニットとして、これまでにLED、キセノンランプ、蛍光ランプ等が使用されているが、近年、消費電力が少なく、長寿命であるLEDが数多く使用されるようになってきている。
【0004】
しかしながら、LEDの発光波長は、太陽光のような連続スペクトルではなく、特に、高輝度の白色光を発生させる、青色LEDと蛍光物質とを組み合わせた白色LEDでは、その青色LEDによる480nm付近のピークと、蛍光物質による500nmより長波長側の幅広い波長の光を有する不連続なスペクトルである。このため、CCD(Charge Coupled Device)の分光感度領域に対して効果的な発光ではなかった。
【0005】
また、1個当たりのLED光量は小さいため、原稿面の照度を大きくするには、多数のLEDを配置する必要があるが、多数のLEDを配置すると、発熱量が大きくなるという問題があった。
【0006】
LEDのほか、消費電力が少なく、長寿命であるものとしてキセノンランプがある。そこで、LEDを多数配置することなく、原稿面の照度を大きくする構成として、白色LEDとキセノンランプとを組み合わせて二灯化し、照度特性分布を補間するものを挙げることができる。
【0007】
2種類の光源を組み合わせて照明ユニットを構成するものとして、例えば、冷陰極管とLEDアレイとを備える光源が開示されている(特許文献1参照)。この光源を備える画像読取装置は、LEDアレイが冷陰極管の照度特性分布を補間するように、個々のLEDの照度分布を設定する。この照度分布の設定は、LEDの大きさ、配列間隔、輝度、分光特性等の調整によって行われる。このように設定することで、所望の照度分布、配光を得ることができ、高画質化を図ることができ、また、冷陰極管光源に要求される仕様を広く取ったり、開発期間を短縮したりすることができ、さらにはトータル的なコストダウンが期待できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多数のLEDを配置する場合、LEDは点発光であるため、原稿面の主走査方向において光量のリップル(強弱)が発生し、濃度のばらつきといった画質低下を生じるという問題がある。
【0009】
上記の特許文献1のように、異なる2種類の光源を組み合わせて照明ユニットを構成する場合、照明ユニットが大型化するという問題がある。また、この特許文献1に記載の技術では、LED光源のリップルが発生し、画質低下を生じるという問題を解消することができない。
【0010】
そこで、コンパクトな構成の照明ユニットで、LEDの分光分布の欠けている波長領域および光量を補間でき、カラー原稿の読取時やモノクロ原稿の読取時に必要な光量を維持し、広い分光分布を持たせて効率的に読取を行い、LED光源のリップルを低減することができる照明ユニットの提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、面発光が可能な光源である有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)と、LEDと、導光体とを組み合わせて構成される照明ユニットを提供する。
【0012】
この照明ユニットは、(1)分光分布が異なる2以上の光源と、(2)2以上の光源を隣接させて配置するための2以上の光源配置面と、2以上の光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体とから構成される。
【0013】
このように導光体の異なる面に、分光分布が異なるLEDや有機EL等を配置し、発光させることで、照明ユニットを小型化することができ、LEDの分光分布の欠けている波長領域および光量を有機EL等で補間し、カラー原稿の読取時やモノクロ原稿の高速読取時に必要な光量を維持し、広い分光分布を持たせて効率的に読取を行うことができ、また、LEDチップ間に有機EL等を配置することにより、LED光源のリップルを低減することができる。
【0014】
この1つの発光面は、円弧状に突出した曲面を有するように形成されることが好ましく、その曲面により集光させ、原稿へ向けて集光された光を照射させることができる。
【0015】
2以上の光源は、不連続なスペクトルを有する第1光源と連続的なスペクトルを有する第2光源とされ、導光体は、一方に長くされた板状物とされ、面積が最も大きい表裏2つの面が第2光源を隣接させて配置する光源配置面と発光面とされ、その光源配置面と発光面に連続する面の1つに第1光源を隣接させて配置し、残りの面が内部を拡散する光を反射させる反射面とされる。例えば、第1光源はLEDとされ、第2光源は有機ELとされる。これにより、第2光源である有機ELの発光面積を確保するとともに、原稿面照度を確保することができる。
【0016】
第2光源は、導光体の長手方向における位置に応じて当該第2光源の発光面積が異なる形状とされる。例えば、中央部に配置する第2光源の発光面積を小さくし、両端部に配置する第2光源の発光面積をこれより大きくすることができる。これにより、レンズ通過後のCCDセンサ面上での両端部の光量低下を低減し、画像品質を向上させることができる。
【0017】
この照明ユニットは、導光体の発光面の一部に隣接して配置され、原稿に照射され反射した光を、電気信号へ変換する光電変換手段に向けて反射させるためのミラーをさらに備えることができる。これにより、さらにコンパクトな構成を実現することができる。
【0018】
本発明では、上述した照明ユニットを備える画像読取装置を提供することができる。この画像読取装置は、照明ユニットと、光電変換手段とを含んで構成される。また、画像読取装置は、点灯制御手段をさらに含み、この点灯制御手段は、カラー原稿の読取時に、第1光源と第2光源とを同時に点灯させ、モノクロ原稿の読取時には、第1光源のみを点灯させる。
【0019】
また、点灯制御手段は、第1光源および第2光源が点灯し、一定の光量を有するかどうかを確認することにより正常であるか否かを判断し、カラー原稿の読取時において異常と判断した場合は、第1光源または第2光源の一方のみを点灯させることができる。これにより、異常と判断された光源を修理完了するまでのダウンタイムを低減することができる。
【0020】
画像読取装置は、例えば、スキャナ装置とされるが、スキャナ装置は、MFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置にも搭載されることから、本発明では、この画像読取装置を搭載した画像形成装置も提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の画像読取装置のハードウェア構成を示した図。
【図2】画像読取装置の制御ブロック図。
【図3】画像読取装置の制御ブロック図。
【図4】照明ユニットの構成を例示した図。
【図5】有機ELの構成を例示した図。
【図6】キャリッジに収容して構成した照明ユニットを例示した図。
【図7】分光分布の一例を示した図。
【図8】第2光源の構成の第1実施形態を示した図。
【図9】第2光源の構成の第2実施形態を示した図。
【図10】第2光源の構成の第3実施形態を示した図。
【図11】第2光源の構成の第4実施形態を示した図。
【図12】第2光源の構成の第5実施形態を示した図。
【図13】画像読取処理の第1実施形態を示した図。
【図14】画像読取処理の第2実施形態を示した図。
【図15】画像読取処理の第3実施形態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本実施形態の画像読取装置の構成例を示した図である。この画像読取装置は、原稿を載せる原稿台ガラス10と、原稿台ガラス10を介して原稿へ光を照射する照明ランプ11と、原稿からの反射光を所定方向へ反射させる第1ミラー12とを備えており、照明ランプ11と第1ミラー12は第1キャリッジ13に搭載され、原稿台ガラス10の下側を移動しながら走査を行うように構成されている。
【0023】
また、この装置は、第1ミラー12を反射した光を所定方向へ反射させる第2ミラー14と、第2ミラー14を反射した光を後述するCCD(Charge Coupled Device)が配置される方向へ反射させる第3ミラー15と、第3ミラー15を反射した光を集束させるレンズ16と、レンズ16により集束した光が入力されるCCDが搭載されたSBU(Sensor Board Unit)17とを備えている。第2ミラー14と第3ミラー15は、第2キャリッジ18に搭載され、原稿台ガラス10の下側を移動しながら走査を行うように構成され、SBU17に搭載されたCCDは、入力された光を電気信号へ光電変換する光電変換手段として機能する。
【0024】
第1キャリッジ13および第2キャリッジ18は、走行体モータ19を駆動源として、基準位置であるキャリッジホームポジションから最大走査領域方向へ移動可能にされている。ここまでは、画像読取装置のスキャナ本体の構成を説明したものである。次に、画像読取装置の自動両面原稿搬送装置(ARDF)の構成について説明する。
【0025】
ARDFは、原稿を積載する原稿台20と、原稿台20の両側に設けられる原稿ガイド21と、片面原稿読取を選択した場合に、その原稿を読取位置へ搬送する呼び出しコロ22と、給紙ベルト23と、その給紙ベルト23により回転する搬送コロ24および分離コロ25とを備える。また、ARDFは、第1搬送ローラ26と、DF(Document Feeder)用原稿ガラス27と、反射ガイド板28と、第2搬送ローラ29と、排紙ローラ30とを備えていて、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を経て第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り込み、これら第2搬送ローラ29および排紙ローラ30により原稿を排出する。このDF用原稿ガラス27の前流側には、読取部への紙の進入や後端部のタイミングを検知するレジストセンサ31が設けられている。
【0026】
また、両面原稿読取を選択した場合に採用され、原稿を排出せずに、下方への移動へ切り換える分岐爪32と、原稿を反転させる反転ローラ33と、反転させた原稿を移送する反転テーブル34とをさらに備えている。原稿の表面を読み取る場合は、呼び出しコロ22、搬送コロ24、分離コロ25、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ原稿を送り込む。その後、原稿を排出することなく、分岐爪32が下方へ切り換えられ、反転ローラ33により反転テーブル34上へ移送され、原稿の後端が排紙ローラ30を通り抜けたところで、分岐爪32が上方へ切り換えられ、一旦、反転ローラ33が停止する。
【0027】
次にその原稿の裏面を読み取る場合、一旦、停止していた反転ローラ33を上記とは逆方向へ回転させることにより原稿が反転テーブル34から第1搬送ローラ26の方向へ搬送される。その後、表面の場合と同様、DF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り込まれ、原稿が排出される。原稿は、表面、裏面のいずれの読取に際しても、DF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を通過する際に、読取位置の近傍に停止されている照明ランプ11により照射され、その反射光が、第1ミラー12および一体に構成された第2ミラー14および第3ミラー15により走査される。そしてその後、SBU17により光電変換される。
【0028】
ARDFの呼び出しコロ22、給紙ベルト23、搬送コロ24、分離コロ25の給紙機構は、図示しない給紙モータにより駆動され、第1搬送ローラ26、第2搬送ローラ29、排紙ローラ30、反転ローラ33の搬送機構は、図示しない搬送モータにより駆動される。ARDFは、上記の構成要素のほか、原稿を検知するために原稿台20へ原稿がセットされているかを検知するセットセンサ35と、原稿サイズを検知するための幅サイズ検知基板36と、第1原稿長さセンサ37と、第2原稿長さセンサ38と、原稿の後端を検知するための原稿後端センサ39とを備えている。
【0029】
また、画像読取装置のスキャナ本体には、スキャナ本体およびARDFを含めたカラー画像読取装置の動作制御を行うSCU(System Control Unit)40が搭載されている。
【0030】
図2および図3は、画像読取装置の制御ブロック図である。図2は、制御ブロック図で、図3は、図2に示すVIOBおよびSCUの構成を詳細に記載した制御ブロック図である。図2に示すように、画像読取装置は、ARDFと、スキャナ本体とから構成される。ARDFには、上記でも説明したレジストセンサ31、セットセンサ35、幅サイズ検知基板36、第1原稿長さセンサ37、第2原稿長さセンサ38、原稿後端センサ39が設けられ、そのほか、ADF(Auto Document Feeder)リフトアップセンサ41、ADFカバーオープンセンサ42、排紙センサ43、反転トレイセンサ44といった各種センサが設けられている。
【0031】
これらのセンサは、ARDFに用いる電装部品の電力供給を中継する機能を有する自動両面コピー給紙部(ADU)45に接続されており、このADU45には、自動両面コピーを実現するために、給紙/反転モータ46、搬送モータ47、給紙/反転モータ46へ動力を伝達する給紙クラッチ48、底板ソレノイド49、反転ソレノイド50等が接続されている。
【0032】
スキャナ本体には、照明ランプ11を構成する2つの光源であるLED11aおよび有機EL11bと、CCDセンサ基板であるSBU17と、スキャナモータといった走行体モータ19とが含まれる。また、スキャナ本体は、電源プラグ51を介して電力供給ユニット(PSU)52へ電源を供給し、このPSU52から各センサや部品等へ電源を供給している。
【0033】
このスキャナ本体も、原稿サイズセンサ(幅)53、原稿サイズセンサ(長さ)54、ホームポジションセンサ55、ADF開閉角度センサ56といった各種センサを備え、それに加えて、本体操作パネル(SOP)57、SWB58、NIC(Network Interface Card)59、NIC操作パネル60、OIPU61、SCU40、ISIC62、LED11aを駆動するLEDドライバ63、これらが接続されるVIOB64を備えている。VIOB64は、ARDFのADU45と接続され、ADU45へPSU52からの電力を供給する。
【0034】
LED11aおよび有機EL11bから構成される照明ランプ11から出射された光は、原稿台ガラス10を介して原稿へ照射され、その原稿に反射し、再び原稿台ガラス10を介して、第1ミラー12、第2ミラー14、第3ミラー15と反射を繰り返して、レンズ16へ入力され、SBU17に搭載されるCCD100へ入力される。このSBU17では、CCD100内で光の強度に応じた電圧値をもつアナログ信号へ変換され、奇数ビットと偶数ビットに分かれて出力される。
【0035】
SBU17において変換されたアナログ画像信号は、VIOB64上でアナログ処理回路101により暗電位部分が除去され、奇数ビットと偶数ビットが合成され、所定の振幅にゲイン調整される。その後、A/Dコンバータ102へ入力され、このA/Dコンバータ102によりデジタル信号化される。このデジタル化された画像信号は、シェーディング部103へ送られ、シェーディング補正された後、VIOB64からSCU40へ送られ、そのSCU40上のIPU104でガンマ補正、MTF(Modulation Transfer Function)補正等の画像処理が施される。この画像処理が施された画像信号は、同期信号画像クロックとともにビデオ信号として、SDRAM105といった画像データ記憶手段を管理するメモリコントローラ106へ送られ、そのSDRAM105に記憶される。
【0036】
SDRAM105に記憶された画像データは、外部I/F107へ送られ、PCやプリンタ等の外部出力装置108へ転送される。この外部I/F107は、SCSI、IEEE1394、LAN等のドライバや、ローカルビデオ信号等を総称するものである。SCU40には、CPU109、ROM110、RAM111、NVRAM112、モータドライバ113が実装されており、CPU109は、スキャナ本体のステッピングモータである走行体モータ19、ARDFの給紙/反転モータ46、搬送モータ47のタイミング制御や、LEDドライバ63や有機ELドライバ114の駆動制御も行う。
【0037】
SCU40上のCPU109に接続されている入力ポートは、VIOB64を介してSOP57に接続される。SOP57は、スタートスイッチと停止スイッチを実装しており、CPU109は、それぞれのスイッチが押下されると入力ポートを介してスイッチがONされたことを検出する。
【0038】
図4は、画像読取装置に用いられる照明ユニットの構成を例示した図である。この照明ユニットは、波長に対する特性である分光分布が異なる2以上の光源と、それらの光源を隣接させて配置するための2以上の光源配置面、それらの光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体200とから構成される。
【0039】
導光体200は、透明性が高く、光の反射、吸収、散乱が少ないメタクリル樹脂やアクリル樹脂等から形成され、例えば、一方に長くされた略直方体の板状物とされる。この導光体200が有する6つの面の1つに第1光源としてのLED201が隣接して配置され、別の面に第2光源としての有機EL202が隣接して配置される。
【0040】
LED201は、不連続なスペクトルを有し、有機ELは、太陽光と同様に連続的なスペクトルを有する。スペクトルは、波長ごとの光の強度の分布をいい、連続的なスペクトルとは、ある波長範囲にわたって途切れることなく連続的に現れるスペクトルである。光源としてよく用いられる白色LEDは、上述したように、青色LEDと蛍光物質との組み合わせにより白色光を発生させ、青色LEDにより480nm付近のピークと、蛍光物質による500nmより長波長側の幅広い光を有することから、スペクトルが連続的に現れるものではなく、不連続なスペクトルを有するものである。このような不連続なスペクトルを有する光源としては、キセノンランプ、冷陰極管等を挙げることができる。
【0041】
導光体200は、一方に長くされた板状物である場合、6つの面を有し、その中の最も面積が大きい表裏2つの面の1つに第2光源である有機EL202を隣接させて配置し、もう1つの面は、2つの光源から入力された光を出射させる発光面とされる。このように最も面積が大きい面に連続的なスペクトルを有する有機EL202を配置し、その面に対向する位置にある面を発光面とすることで、有機EL202の発光面積を確保し、原稿面照度を確保することができる。
【0042】
LED201は、有機EL202が配置され取り付けられる面と、発光面とに連続する4つの面の1つに隣接させて配置されるように取り付けられる。取り付けは、透明な接着剤等を使用して貼り付けることにより行うことができる。導光体200は、6つの面のうち2つに、2つの光源が取り付けられ、1つの面が発光面とされており、残りの3つの面は、それらの面から光が放出されないように、内部を拡散する光を反射させる反射面とされる。これにより、適切に1つの発光面からのみ光を放出させ、その発光面に対向する位置の原稿に光を照射させることができる。
【0043】
図4に示す実施形態では、1つの面に隣接して必要な数のLED201が配置され、その面に連続する他の面に隣接して板状の有機EL202が配置され、有機EL202が配置される面に対向した面の一部を覆うように、原稿から反射した反射光を所定の方向へ反射させる第1ミラー12が隣接して配置され、それと同じ面の残りの部分に、円弧状に突出した曲面を有する光出射部203が設けられている。
【0044】
この導光体200は、略斜め45°に傾斜させて設置され、LED201および有機EL202が下側になるように配置され、第1ミラー12のミラー面および光出射部203が上側を向くように配置される。なお、光出射部203は、曲面により原稿面のスキャンラインに集光させながら光を放出させることができる。
【0045】
このような構成とすることで、第1光源であるLED201から照射された光は、導光体200の、このLED201が配置された面に対向する面に当たり、反射して、有機EL202が配置された面に当たり、反射して、光出射部203から出射させることができる。出射された光は、原稿台ガラス10を介してその原稿台ガラス10上に載置される原稿に適切に当たり、それに反射した光が第1ミラー12のミラー面へ当たり、このミラー面で反射して所定の方向、すなわち第2ミラー14へ入力される。その後、第3ミラー15、レンズ16を介してSBU17に搭載されたCCDへ入力される。
【0046】
一方、第2光源である有機EL202から照射された光は、第1ミラー12のミラー面の裏側の面と、再び有機EL202が配置される面とで反射を繰り返し、光出射部203の曲面で偏向し、原稿へ向けて出射させることができる。その後は、上述したものと同様に、原稿に適切に当たり、それに反射した光が第1ミラー12のミラー面へ当たり、このミラー面で反射して所定の方向、すなわち第2ミラー14へ入力される。そして、第3ミラー15、レンズ16を介してSBU17に搭載されたCCDへ入力される。
【0047】
この導光体200の主走査方向に対応する長手方向の大きさは、有効読取幅であるA3用紙の幅(297mm)以上、あるいはA4用紙の幅(210mm)以上として設定される。ここでは、光源を2つとして説明したが、残りの面に光源を隣接させて配置することで、3つ以上取り付けることも可能である。
【0048】
図5は、有機EL光源の構成例を示した図である。有機EL光源は、ガラス基板210上に透明電極211を蒸着またはスパッタリングにより形成し、その上に有機EL発光層212を真空蒸着等により形成し、その上に電極213を真空蒸着等により形成し、これら透明電極211、有機EL発光層212、電極213を覆うように封止膜214をプラズマ化学的気相成長法等により、例えばSiH4およびN2ガスを用いて形成することにより構成される。この構成では、ガラス基板210側から光が放射される方式がボトムエミッションであり、封止膜214側から光が放射される方式がトップエミッションである。
【0049】
有機EL光源に用いられる透明電極211の材料としては、電気抵抗が低く、パターン加工が容易なインジウムとスズの酸化物であるITOを用いることができる。有機EL発光層212は、例えば、白色発光するものであれば、電子輸送性を有する有機化合物と、赤色発色、緑色発色、青色発色する蛍光色素とを蒸着し、その有機化合物中にこれら3色の蛍光色素が分散した状態に成膜することにより白色光を発光する発光層を形成することができる。なお、発光体としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体、ジトルイルビニルビフェニル、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアルキルチオフェン等を用いることができる。電極213は、陰電極であり、例えばマグネシウムやアルミニウムを蒸着して形成することができる。
【0050】
有機EL光源は、有機EL発光層212と、陰電極を構成する電極213との間に、電子注入層、電子輸送層を設けてもよく、また、陽電極を構成する透明電極211と、有機EL発光層212との間に、正孔注入層、正孔輸送層を設けてもよい。ここで、正孔注入層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ドーパントである電子受容性の化合物を蒸着により形成され、正孔注入のエネルギー障壁を低くし、透明電極211からの円滑な正孔注入を実現するものである。正孔輸送層は、正孔輸送性を有する有機化合物により形成され、正孔を有機EL発光層212へ移行させる機能、その有機EL発光層212から正孔輸送層へ移行する電子の移動をブロックする機能を有するものである。
【0051】
電子注入層は、電子輸送性を有する有機化合物とドーパントであるリチウム等の電子供与性を有する金属とを蒸着することにより形成され、電子注入のエネルギー障壁を低くし、円滑な電子注入を実現するものである。電子輸送層は、電子輸送性を有する有機化合物により形成され、電子を有機EL発光層212へ移行させる機能、その有機EL発光層212から電子輸送層へ移行する正孔の移動をブロックする機能を有するものである。
【0052】
正孔輸送性物質としては、芳香族アミン誘導体を用いることができ、電子輸送性物質としては、1,3,4−オキサゾール誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体を用いることができる。
【0053】
図6は、光源をキャリッジに収容して構成した照明ユニットを例示した図である。実際に照明ユニットは、図5に示すような有機ELを用いて図4に示すように構成したものをキャリッジに搭載した装置として提供される。光源は、第1光源と第2光源といった2以上の光源を用いて構成され、これらの光源は、分光分布が異なるものが採用される。
【0054】
これら分光分布が異なる2つの光源を導光体200の互いに連続する異なる面に隣接させて貼り付け、また、第1ミラー12も他の面に隣接させて貼り付け、これを第1キャリッジ13に搭載することで、よりコンパクトで照射光のリップルを低減した照明ユニットを構成することができる。
【0055】
ここで図7を参照して、分光分布について詳細に説明する。図7(a)は、LEDの分光分布、図7(b)は、有機ELの分光分布を示す。分光分布は、上述したように光源の波長に対する特性で、各波長成分の量を連続的に表したものである。したがって、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は最大値に対する光の相対強度(%)あるいは強度(−)で表される。
【0056】
青色LEDと蛍光物質という組み合わせにより白色光を発生させる白色LEDでは、上述したように不連続なスペクトルとなる。一方、有機ELは、可視領域の波長範囲にわたってとぎれなく連続的にスペクトルが現れることから、連続的なスペクトルである。
【0057】
図7(c)は、CCDの分光感度を示した図で、向かって左側から青(B)、緑(G)、赤(R)の分光感度特性を示している。太陽光は、波長400nm〜700nmにわたって各波長の光が細かく滑らかに連続していることから、特定の波長において強度が低い等の、CCDの分光感度領域に対して欠落している部分がないため、効果的な発光と言える。しかしながら、LEDの分光分布は、不連続なスペクトルで、CCDの分光感度特性におけるGおよびRのピークとなる波長の部分の強度が低いことから、色の再現性に乏しく、効果的な発光とは言えない。
【0058】
有機ELの分光分布は、連続的なスペクトルで、その波長の部分の強度が比較的高いことから、LEDとこの有機ELとを組み合わせて照明ユニットを構成すると、有機ELが、CCDの分光感度特性におけるGおよびRのピークとなる波長の部分を補うことができ、LEDの不連続なスペクトルを補間することができる。また、有機ELがLEDの光量も補うことができるため、CCDの分光感度領域に対して十分に効果的な発光となりうる。
【0059】
このように、分光分布が異なる2つの光源を用いることで、互いを補間することができることから、波長に応じて強度が大きく低下する部分を低減させ、照射光のリップルを低減させることができる。2つの光源は、上記のLEDと有機ELの組み合わせに限らず、有機ELと、LEDに代えてキセノンランプや冷陰極管(CCFL)等の他の光源とを組み合わせて照明ユニットを構成することも可能である。なお、LEDと、それらのキセノンランプや冷陰極管とを組み合わせることも考えられるが、CCDの分光感度領域に対し、欠落している部分を少なくする点において有機ELと組み合わせる方が望ましい。
【0060】
図8は、第2光源の第1実施形態を示した図である。図4および図6は、光源を側方から見たところを示した図であるが、図8〜図12の各図は、光源を正面から見たところを示した図である。図8では、導光体200が略直方体の板状物として形成され、その最も面積が大きい表裏2つの面の1つに板状の第2光源である有機EL202が貼り付けられ、その面に連続する4つの面の1つに複数の第1光源であるLED201が貼り付けられている。この図8では、8つの略直方体に形成されたLED201が等間隔で貼り付けられている。この実施形態では、有機EL202が1つのみで構成され、各光源から照射された光が、導光体200内で合成され、その合成された光が原稿面へ出射されるものとされている。
【0061】
図9は、第2光源の第2実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8に示す実施形態と同じであるが、有機EL202が7つの小さい板状物とされ、LED201間となる位置に対応した他の面の位置に貼り付けられている。図8に示すように1つの面のほぼ全体を覆うように有機EL202を貼り付けるのではなく、必要な箇所に貼り付けることで有機EL202を貼り付ける量を減らし、生産コストを下げることができる。
【0062】
図10は、第2光源の第3実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8および図9に示す実施形態と同様である。この実施形態では、有機EL202が、7つの小さい第1板状物と、1つの大きい第2板状物とから構成し、第1板状物を図9に示す実施形態と同様、LED201間となる位置に対応した他の面の位置に貼り付け、その貼り付けた7つの第1板状物と、8つのLED201との間に、導光体200の長手方向のほぼ全体を覆うような大きさの第2板状物を貼り付ける構成とされている。
【0063】
図11は、第2光源の第4実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8〜図10に示す実施形態と同様である。この実施形態では、有機EL202が、7つの小さい板状物から構成されるが、図9に示すように、すべてが同じ大きさではなく、導光体200の中央に貼り付けられる有機EL202の板状物が最も小さく、両端部へ向かうにつれてその面積が大きい有機EL202の板状物が貼り付けられるように構成されている。このように、LED201間に配置する有機ELパネルの面積を主走査方向の中央と両端部で変えることにより、レンズ通過後のCCDセンサ面上での両端部の光量低下を低減し、画像品質を向上させることができる。
【0064】
図12は、第2光源の第5実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8〜図11に示す実施形態と同様である。この実施形態では、図10に示す有機EL202と同様、7つの小さい第1板状物と、1つの大きい第2板状物とから構成しているが、図11に示す実施形態と同様に、導光体200の中央が最も面積が小さい第1板状物とされ、その両端部へいくにつれてその面積が大きくなるように構成され、1つの大きい第2板状物も、中央が最もその幅が狭く、両端部へいくにつれて太くなるように構成されている。この場合も、LED201間に配置する有機ELパネルの面積を主走査方向の中央と両端部で変えることにより、レンズ通過後のCCDセンサ面上での両端部の光量低下を低減し、画像品質を向上させることができる。
【0065】
これまで光源の構成をもつ照明ユニット、その照明ユニットを備える画像読取装置について説明してきた。本発明では、その画像読取装置を備える画像形成装置も提供することができ、画像形成装置としては、MFP(Multi Function Peripheral)を挙げることができる。
【0066】
次に、本発明の画像読取装置が行う第1光源および第2光源の点灯制御について説明する。この制御は、点灯制御手段が実行することができ、図2および図3に示すSCU40をこの手段として機能させることができる。図13は、この点灯制御を実施する画像読取処理の第1の流れを示したフローチャート図である。ステップ1300から処理を開始し、ユーザがSOP57で設定した情報に基づき、まず、ステップ1305で、カラー原稿であるか、モノクロ原稿であるかを判断する。モノクロ原稿である場合は、ステップ1310へ進み、モノクロ高速読取を行うシートスルー読取動作であるか否かを判断する。シートスルー画像読取は、上記のシートスルー方式を採用して画像読取を行うものである。
【0067】
ステップ1305でカラー原稿と判定された場合、およびステップ1310でシートスルー読取動作と判断された場合、ステップ1315へ進み、ユーザからの読取開始の指示を受けたか否かにより、読取動作を開始するかどうかを判断する。例えば、スキャナ本体のSOPのスタートスイッチが「ON」にされたか否かにより判断することができる。開始すると判断された場合、カラー原稿の読取動作、またはシートスルー読取にてモノクロ高速読取動作を開始することになるが、これらの場合、LEDチップ間の照射光のリップルを低減するため、2つの光源の点灯が必要となる。
【0068】
これは、カラー原稿の場合は、上述したようにLEDのみでは、CCDの分光感度領域に対して効果的な発光とはならないからである。モノクロ原稿の場合は、読取時間を長くし、十分な光量を与えることができれば、光源のリップルはほとんど発生せず、画質低下という問題が生じることはない。しかしながら、シートスルー読取にてモノクロ高速読取動作を行う場合は、読取時間が非常に短いことから、十分な光量を与えることができず、その結果、リップルが発生し、画質の低下を生じる。
【0069】
したがって、このような場合に、ステップ1320で第1光源を点灯させ、それと同時に、ステップ1325で第1光源とは異なる分光分布をもつ第2光源を点灯させ、十分な分光分布で、かつ十分な光量の光を原稿へ照射する。これを基に、ステップ1330で読取を開始する。読取は、カラー原稿であれば、例えばこれら光源が搭載されたキャリッジを移動させることにより、モノクロ高速読取を行う場合は、原稿をローラで自動搬送することにより行う。そして、ステップ1335で、原稿の終端までキャリッジが移動したか、原稿が排出されたかを判断することにより、その読取を終了したかどうかを判断する。終了していなければ、再びステップ1320へ戻り、読取動作を継続する。
【0070】
終了していれば、ステップ1340へ進み、第1光源および第2光源を消灯する。そして、ステップ1345へ進み、この処理を終了する。また、ステップ1310でシートスルー読取動作ではないと判断された場合や、ステップ1315で読取動作を開始しないと判断された場合は、この処理を行わないので、ステップ1345へ進み、終了する。
【0071】
図14は、この画像読取処理の第2の流れを示したフローチャート図である。図13でシートスルー読取動作ではなく、読取動作を開始しないと判断され、ステップ1345でその処理を終了した場合に、この図14に示す処理を開始することができる。ステップ1400からこの処理を開始し、まず、ステップ1405で、モノクロ原稿であるかを判断する。これは、図13に示したステップ1305における判断と同様のものである。ただし、この場合、モノクロ原稿ではなく、カラー原稿と判断されると、ステップ1435へ進み、処理を終了する。
【0072】
ステップ1405でモノクロ原稿と判断された場合、ステップ1410へ進み、読取動作を開始するかどうかを判断する。この処理も、図13に示したステップ1315における判断と同様のものである。開始しないと判断された場合は、ステップ1435へ進み、この処理を終了する。開始すると判断された場合、ステップ1415へ進み、第1光源を点灯する。そして、ステップ1420で読取を開始する。ステップ1425で読取を終了したかを判断し、まだ終了していない場合は、ステップ1415へ戻り、読取動作を継続し、終了した場合は、ステップ1430へ進む。
【0073】
ステップ1430では、読取動作が終了していることから、第1光源を消灯する。そして、ステップ1435へ進み、この処理を終了する。このようにモノクロ原稿の読取動作では、時間をかけて読取を行い、十分な光量を与えることができるため、LEDチップ間の照射光のリップルが、カラー原稿やシートスルー読取にて高速に読み取られるモノクロ原稿の場合に比較してほとんど発生することはない。このため、第2光源を点灯させなくても済むことから、図14に示したような第1光源のみを点灯させる処理で十分である。
【0074】
図15は、この画像読取処理の第3の流れを示したフローチャート図である。ステップ1500からこの処理を開始し、まず、ステップ1505で原稿読取動作であるか否かを判断する。読取動作でなければ、ステップ1580へ進み、処理を終了する。読取動作である場合は、ステップ1510へ進み、第1光源が正常であるかどうかを判断する。すなわち、一度点灯してみて、第1光源が実際に点灯するか、その光量が一定量以上あるかを確認し、点灯してその光量が一定量以上ある場合には正常と判断する。反対に、故障による不点灯や、経時劣化による光量不足の場合には異常と判断する。
【0075】
ステップ1510で第1光源が正常と判断された場合、ステップ1515へ進み、第2光源が正常であるかどうかを、ステップ1510と同様の方法により判断する。ステップ1515で第2光源も正常と判断された場合に、ステップ1520へ進み、読取動作を開始するかどうかを判断し、開始すると判断されれば、ステップ1525で第1光源および第2光源を点灯する。そして、原稿の読取を行い、ステップ1530で読取が終了したかを判断する。
【0076】
ステップ1520で読取動作を開始しないと判断された場合、図13および図14に示した実施形態と同様、ステップ1580へ進み、処理を終了する。ステップ1530で読取が終了していない場合、ステップ1525へ戻り、読取を継続する。一方、読取が終了した場合、ステップ1535へ進み、第1光源および第2光源を消灯し、ステップ1580で処理を終了する。
【0077】
ステップ1510で第1光源が正常でないと判断された場合、ステップ1540へ進み、第1光源の異常を通知する。例えば、スキャナ本体の本体操作パネルに表示したり、ユーザが使用するPCの表示画面上に表示する等して、その異常をユーザに知らせることができる。その通知後、ステップ1545で、ステップ1515と同様に第2光源が正常であるかどうかを判断する。正常でない場合は、ステップ1550へ進み、第2光源の異常を通知する。この場合、第1光源も、第2光源も異常が検出され、読取動作を行うことができないので、ステップ1580へ進み、処理を終了する。
【0078】
その一方、第2光源が正常である場合は、ステップ1555へ進み、第2光源のみを点灯するかを判断する。例えば、第1光源が異常で、第1光源を点灯させることができなくても、第2光源が正常で、修理完了までのダウンタイムを低減するため、第2光源のみでの点灯モードで、モノクロモードでの画像読取動作や読取時間を遅くして光量不足を補うような条件にて動作させることが可能であれば、第2光源のみを点灯すると判断することができる。
【0079】
ステップ1555で第2光源のみを点灯すると判断された場合、ステップ1560へ進み、第2光源を点灯する。そして、ステップ1565で読取を開始する。ステップ1570で読取を終了したかを判断し、まだ終了していない場合は、ステップ1560へ戻り、読取を継続する。一方、終了した場合は、ステップ1575へ進み、第2光源を消灯し、ステップ1580でこの処理を終了する。
【0080】
ステップ1555で第2光源のみを点灯しないと判断された場合は、第1光源が異常で、点灯させることができず、第2光源は正常であるが、点灯しないことから、読取を行うことはできないため、ステップ1580へ進み、処理を終了する。図15に示した処理では、第1光源のみが正常の場合についての判断ステップが示されていないが、上記の第2光源のみが正常である場合の処理(ステップ1555〜ステップ1575)と同様、第1光源のみを点灯し、読取を行い、それが終了した後に消灯するという処理を行うことができる。
【0081】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、本発明は、上記の照明ユニット、画像読取装置、画像形成装置、画像読取方法のほか、その方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラム、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【符号の説明】
【0082】
10…原稿台ガラス、11…照明ランプ、11a…LED、11b…有機EL、12…第1ミラー、13…第1キャリッジ、14…第2ミラー、15…第3ミラー、16…レンズ、17…SBU、18…第2キャリッジ、19…走行体モータ、20…原稿台、21…原稿台ガイド、22…呼び出しコロ、23…給紙ベルト、24…搬送コロ、25…分離コロ、26…第1搬送ローラ、27…DF用原稿ガラス、28…反射ガイド板、29…第2搬送ローラ、30…排紙ローラ、31…レジストセンサ、32…分岐爪、33…反転ローラ、34…反転テーブル、35…セットセンサ、36…幅サイズ検知基板、37…第1原稿長さセンサ、38…第2原稿長さセンサ、39…原稿後端センサ、40…SCU、41…ADFリフトアップセンサ、42…ADFカバーオープンセンサ、43…排紙センサ、44…反転トレイセンサ、45…ADU、46…給紙/反転モータ、47…搬送モータ、48…給紙クラッチ、49…底板ソレノイド、50…反転ソレノイド、51…電源プラグ、52…PSU、53…原稿サイズセンサ、54…原稿サイズセンサ、55…ホームポジションセンサ、56…ADF開閉角度センサ、57…SOP、58…SWB、59…NIC、60…NIC操作パネル、61…OIPU、62…ISIC、63…LEDドライバ、64…VIOB、100…CCD、101…アナログ処理回路、102…A/Dコンバータ、103…シェーディング部、104…IPU、105…SDRAM、106…メモリコントローラ、107…外部I/F、108…外部出力装置、109…CPU、110…ROM、111…RAM、112…NVRAM、113…モータドライバ、114…有機ELドライバ、200…導光体、201…第1光源、202…第2光源、203…光出射部、210…ガラス基板、211…透明電極、212…有機EL発光層、213…電極、214…封止膜
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2006−60407号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)を用いた照明ユニット、この照明ユニットを備える画像読取装置、この画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙に印字等された原稿を読み取る画像読取装置は、照明系により照射された原稿の反射光を読取光学系により、光電変換を行うラインセンサ上に結像させ、画像情報を信号化し、必要に応じてアナログ−デジタル変換器(A/Dコンバータ)によりデジタル信号へ変換して出力する。このような画像読取装置には、原稿をコンタクトガラス上に載置し、その原稿を圧板(押さ板)で押さえ、照明系と光学系を走査して読み取る方式(圧板方式)と、照明系と光学系を移動せず、シート原稿を光学系の露光位置である原稿ガラス上に自動給送する自動原稿搬送装置(ADF)で搬送し、読み取る方式(シートスルー方式)とがある。
【0003】
この画像読取装置の照明系として用いられる照明ユニットとして、これまでにLED、キセノンランプ、蛍光ランプ等が使用されているが、近年、消費電力が少なく、長寿命であるLEDが数多く使用されるようになってきている。
【0004】
しかしながら、LEDの発光波長は、太陽光のような連続スペクトルではなく、特に、高輝度の白色光を発生させる、青色LEDと蛍光物質とを組み合わせた白色LEDでは、その青色LEDによる480nm付近のピークと、蛍光物質による500nmより長波長側の幅広い波長の光を有する不連続なスペクトルである。このため、CCD(Charge Coupled Device)の分光感度領域に対して効果的な発光ではなかった。
【0005】
また、1個当たりのLED光量は小さいため、原稿面の照度を大きくするには、多数のLEDを配置する必要があるが、多数のLEDを配置すると、発熱量が大きくなるという問題があった。
【0006】
LEDのほか、消費電力が少なく、長寿命であるものとしてキセノンランプがある。そこで、LEDを多数配置することなく、原稿面の照度を大きくする構成として、白色LEDとキセノンランプとを組み合わせて二灯化し、照度特性分布を補間するものを挙げることができる。
【0007】
2種類の光源を組み合わせて照明ユニットを構成するものとして、例えば、冷陰極管とLEDアレイとを備える光源が開示されている(特許文献1参照)。この光源を備える画像読取装置は、LEDアレイが冷陰極管の照度特性分布を補間するように、個々のLEDの照度分布を設定する。この照度分布の設定は、LEDの大きさ、配列間隔、輝度、分光特性等の調整によって行われる。このように設定することで、所望の照度分布、配光を得ることができ、高画質化を図ることができ、また、冷陰極管光源に要求される仕様を広く取ったり、開発期間を短縮したりすることができ、さらにはトータル的なコストダウンが期待できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多数のLEDを配置する場合、LEDは点発光であるため、原稿面の主走査方向において光量のリップル(強弱)が発生し、濃度のばらつきといった画質低下を生じるという問題がある。
【0009】
上記の特許文献1のように、異なる2種類の光源を組み合わせて照明ユニットを構成する場合、照明ユニットが大型化するという問題がある。また、この特許文献1に記載の技術では、LED光源のリップルが発生し、画質低下を生じるという問題を解消することができない。
【0010】
そこで、コンパクトな構成の照明ユニットで、LEDの分光分布の欠けている波長領域および光量を補間でき、カラー原稿の読取時やモノクロ原稿の読取時に必要な光量を維持し、広い分光分布を持たせて効率的に読取を行い、LED光源のリップルを低減することができる照明ユニットの提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、面発光が可能な光源である有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)と、LEDと、導光体とを組み合わせて構成される照明ユニットを提供する。
【0012】
この照明ユニットは、(1)分光分布が異なる2以上の光源と、(2)2以上の光源を隣接させて配置するための2以上の光源配置面と、2以上の光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体とから構成される。
【0013】
このように導光体の異なる面に、分光分布が異なるLEDや有機EL等を配置し、発光させることで、照明ユニットを小型化することができ、LEDの分光分布の欠けている波長領域および光量を有機EL等で補間し、カラー原稿の読取時やモノクロ原稿の高速読取時に必要な光量を維持し、広い分光分布を持たせて効率的に読取を行うことができ、また、LEDチップ間に有機EL等を配置することにより、LED光源のリップルを低減することができる。
【0014】
この1つの発光面は、円弧状に突出した曲面を有するように形成されることが好ましく、その曲面により集光させ、原稿へ向けて集光された光を照射させることができる。
【0015】
2以上の光源は、不連続なスペクトルを有する第1光源と連続的なスペクトルを有する第2光源とされ、導光体は、一方に長くされた板状物とされ、面積が最も大きい表裏2つの面が第2光源を隣接させて配置する光源配置面と発光面とされ、その光源配置面と発光面に連続する面の1つに第1光源を隣接させて配置し、残りの面が内部を拡散する光を反射させる反射面とされる。例えば、第1光源はLEDとされ、第2光源は有機ELとされる。これにより、第2光源である有機ELの発光面積を確保するとともに、原稿面照度を確保することができる。
【0016】
第2光源は、導光体の長手方向における位置に応じて当該第2光源の発光面積が異なる形状とされる。例えば、中央部に配置する第2光源の発光面積を小さくし、両端部に配置する第2光源の発光面積をこれより大きくすることができる。これにより、レンズ通過後のCCDセンサ面上での両端部の光量低下を低減し、画像品質を向上させることができる。
【0017】
この照明ユニットは、導光体の発光面の一部に隣接して配置され、原稿に照射され反射した光を、電気信号へ変換する光電変換手段に向けて反射させるためのミラーをさらに備えることができる。これにより、さらにコンパクトな構成を実現することができる。
【0018】
本発明では、上述した照明ユニットを備える画像読取装置を提供することができる。この画像読取装置は、照明ユニットと、光電変換手段とを含んで構成される。また、画像読取装置は、点灯制御手段をさらに含み、この点灯制御手段は、カラー原稿の読取時に、第1光源と第2光源とを同時に点灯させ、モノクロ原稿の読取時には、第1光源のみを点灯させる。
【0019】
また、点灯制御手段は、第1光源および第2光源が点灯し、一定の光量を有するかどうかを確認することにより正常であるか否かを判断し、カラー原稿の読取時において異常と判断した場合は、第1光源または第2光源の一方のみを点灯させることができる。これにより、異常と判断された光源を修理完了するまでのダウンタイムを低減することができる。
【0020】
画像読取装置は、例えば、スキャナ装置とされるが、スキャナ装置は、MFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置にも搭載されることから、本発明では、この画像読取装置を搭載した画像形成装置も提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の画像読取装置のハードウェア構成を示した図。
【図2】画像読取装置の制御ブロック図。
【図3】画像読取装置の制御ブロック図。
【図4】照明ユニットの構成を例示した図。
【図5】有機ELの構成を例示した図。
【図6】キャリッジに収容して構成した照明ユニットを例示した図。
【図7】分光分布の一例を示した図。
【図8】第2光源の構成の第1実施形態を示した図。
【図9】第2光源の構成の第2実施形態を示した図。
【図10】第2光源の構成の第3実施形態を示した図。
【図11】第2光源の構成の第4実施形態を示した図。
【図12】第2光源の構成の第5実施形態を示した図。
【図13】画像読取処理の第1実施形態を示した図。
【図14】画像読取処理の第2実施形態を示した図。
【図15】画像読取処理の第3実施形態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本実施形態の画像読取装置の構成例を示した図である。この画像読取装置は、原稿を載せる原稿台ガラス10と、原稿台ガラス10を介して原稿へ光を照射する照明ランプ11と、原稿からの反射光を所定方向へ反射させる第1ミラー12とを備えており、照明ランプ11と第1ミラー12は第1キャリッジ13に搭載され、原稿台ガラス10の下側を移動しながら走査を行うように構成されている。
【0023】
また、この装置は、第1ミラー12を反射した光を所定方向へ反射させる第2ミラー14と、第2ミラー14を反射した光を後述するCCD(Charge Coupled Device)が配置される方向へ反射させる第3ミラー15と、第3ミラー15を反射した光を集束させるレンズ16と、レンズ16により集束した光が入力されるCCDが搭載されたSBU(Sensor Board Unit)17とを備えている。第2ミラー14と第3ミラー15は、第2キャリッジ18に搭載され、原稿台ガラス10の下側を移動しながら走査を行うように構成され、SBU17に搭載されたCCDは、入力された光を電気信号へ光電変換する光電変換手段として機能する。
【0024】
第1キャリッジ13および第2キャリッジ18は、走行体モータ19を駆動源として、基準位置であるキャリッジホームポジションから最大走査領域方向へ移動可能にされている。ここまでは、画像読取装置のスキャナ本体の構成を説明したものである。次に、画像読取装置の自動両面原稿搬送装置(ARDF)の構成について説明する。
【0025】
ARDFは、原稿を積載する原稿台20と、原稿台20の両側に設けられる原稿ガイド21と、片面原稿読取を選択した場合に、その原稿を読取位置へ搬送する呼び出しコロ22と、給紙ベルト23と、その給紙ベルト23により回転する搬送コロ24および分離コロ25とを備える。また、ARDFは、第1搬送ローラ26と、DF(Document Feeder)用原稿ガラス27と、反射ガイド板28と、第2搬送ローラ29と、排紙ローラ30とを備えていて、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を経て第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り込み、これら第2搬送ローラ29および排紙ローラ30により原稿を排出する。このDF用原稿ガラス27の前流側には、読取部への紙の進入や後端部のタイミングを検知するレジストセンサ31が設けられている。
【0026】
また、両面原稿読取を選択した場合に採用され、原稿を排出せずに、下方への移動へ切り換える分岐爪32と、原稿を反転させる反転ローラ33と、反転させた原稿を移送する反転テーブル34とをさらに備えている。原稿の表面を読み取る場合は、呼び出しコロ22、搬送コロ24、分離コロ25、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ原稿を送り込む。その後、原稿を排出することなく、分岐爪32が下方へ切り換えられ、反転ローラ33により反転テーブル34上へ移送され、原稿の後端が排紙ローラ30を通り抜けたところで、分岐爪32が上方へ切り換えられ、一旦、反転ローラ33が停止する。
【0027】
次にその原稿の裏面を読み取る場合、一旦、停止していた反転ローラ33を上記とは逆方向へ回転させることにより原稿が反転テーブル34から第1搬送ローラ26の方向へ搬送される。その後、表面の場合と同様、DF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り込まれ、原稿が排出される。原稿は、表面、裏面のいずれの読取に際しても、DF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読取位置を通過する際に、読取位置の近傍に停止されている照明ランプ11により照射され、その反射光が、第1ミラー12および一体に構成された第2ミラー14および第3ミラー15により走査される。そしてその後、SBU17により光電変換される。
【0028】
ARDFの呼び出しコロ22、給紙ベルト23、搬送コロ24、分離コロ25の給紙機構は、図示しない給紙モータにより駆動され、第1搬送ローラ26、第2搬送ローラ29、排紙ローラ30、反転ローラ33の搬送機構は、図示しない搬送モータにより駆動される。ARDFは、上記の構成要素のほか、原稿を検知するために原稿台20へ原稿がセットされているかを検知するセットセンサ35と、原稿サイズを検知するための幅サイズ検知基板36と、第1原稿長さセンサ37と、第2原稿長さセンサ38と、原稿の後端を検知するための原稿後端センサ39とを備えている。
【0029】
また、画像読取装置のスキャナ本体には、スキャナ本体およびARDFを含めたカラー画像読取装置の動作制御を行うSCU(System Control Unit)40が搭載されている。
【0030】
図2および図3は、画像読取装置の制御ブロック図である。図2は、制御ブロック図で、図3は、図2に示すVIOBおよびSCUの構成を詳細に記載した制御ブロック図である。図2に示すように、画像読取装置は、ARDFと、スキャナ本体とから構成される。ARDFには、上記でも説明したレジストセンサ31、セットセンサ35、幅サイズ検知基板36、第1原稿長さセンサ37、第2原稿長さセンサ38、原稿後端センサ39が設けられ、そのほか、ADF(Auto Document Feeder)リフトアップセンサ41、ADFカバーオープンセンサ42、排紙センサ43、反転トレイセンサ44といった各種センサが設けられている。
【0031】
これらのセンサは、ARDFに用いる電装部品の電力供給を中継する機能を有する自動両面コピー給紙部(ADU)45に接続されており、このADU45には、自動両面コピーを実現するために、給紙/反転モータ46、搬送モータ47、給紙/反転モータ46へ動力を伝達する給紙クラッチ48、底板ソレノイド49、反転ソレノイド50等が接続されている。
【0032】
スキャナ本体には、照明ランプ11を構成する2つの光源であるLED11aおよび有機EL11bと、CCDセンサ基板であるSBU17と、スキャナモータといった走行体モータ19とが含まれる。また、スキャナ本体は、電源プラグ51を介して電力供給ユニット(PSU)52へ電源を供給し、このPSU52から各センサや部品等へ電源を供給している。
【0033】
このスキャナ本体も、原稿サイズセンサ(幅)53、原稿サイズセンサ(長さ)54、ホームポジションセンサ55、ADF開閉角度センサ56といった各種センサを備え、それに加えて、本体操作パネル(SOP)57、SWB58、NIC(Network Interface Card)59、NIC操作パネル60、OIPU61、SCU40、ISIC62、LED11aを駆動するLEDドライバ63、これらが接続されるVIOB64を備えている。VIOB64は、ARDFのADU45と接続され、ADU45へPSU52からの電力を供給する。
【0034】
LED11aおよび有機EL11bから構成される照明ランプ11から出射された光は、原稿台ガラス10を介して原稿へ照射され、その原稿に反射し、再び原稿台ガラス10を介して、第1ミラー12、第2ミラー14、第3ミラー15と反射を繰り返して、レンズ16へ入力され、SBU17に搭載されるCCD100へ入力される。このSBU17では、CCD100内で光の強度に応じた電圧値をもつアナログ信号へ変換され、奇数ビットと偶数ビットに分かれて出力される。
【0035】
SBU17において変換されたアナログ画像信号は、VIOB64上でアナログ処理回路101により暗電位部分が除去され、奇数ビットと偶数ビットが合成され、所定の振幅にゲイン調整される。その後、A/Dコンバータ102へ入力され、このA/Dコンバータ102によりデジタル信号化される。このデジタル化された画像信号は、シェーディング部103へ送られ、シェーディング補正された後、VIOB64からSCU40へ送られ、そのSCU40上のIPU104でガンマ補正、MTF(Modulation Transfer Function)補正等の画像処理が施される。この画像処理が施された画像信号は、同期信号画像クロックとともにビデオ信号として、SDRAM105といった画像データ記憶手段を管理するメモリコントローラ106へ送られ、そのSDRAM105に記憶される。
【0036】
SDRAM105に記憶された画像データは、外部I/F107へ送られ、PCやプリンタ等の外部出力装置108へ転送される。この外部I/F107は、SCSI、IEEE1394、LAN等のドライバや、ローカルビデオ信号等を総称するものである。SCU40には、CPU109、ROM110、RAM111、NVRAM112、モータドライバ113が実装されており、CPU109は、スキャナ本体のステッピングモータである走行体モータ19、ARDFの給紙/反転モータ46、搬送モータ47のタイミング制御や、LEDドライバ63や有機ELドライバ114の駆動制御も行う。
【0037】
SCU40上のCPU109に接続されている入力ポートは、VIOB64を介してSOP57に接続される。SOP57は、スタートスイッチと停止スイッチを実装しており、CPU109は、それぞれのスイッチが押下されると入力ポートを介してスイッチがONされたことを検出する。
【0038】
図4は、画像読取装置に用いられる照明ユニットの構成を例示した図である。この照明ユニットは、波長に対する特性である分光分布が異なる2以上の光源と、それらの光源を隣接させて配置するための2以上の光源配置面、それらの光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体200とから構成される。
【0039】
導光体200は、透明性が高く、光の反射、吸収、散乱が少ないメタクリル樹脂やアクリル樹脂等から形成され、例えば、一方に長くされた略直方体の板状物とされる。この導光体200が有する6つの面の1つに第1光源としてのLED201が隣接して配置され、別の面に第2光源としての有機EL202が隣接して配置される。
【0040】
LED201は、不連続なスペクトルを有し、有機ELは、太陽光と同様に連続的なスペクトルを有する。スペクトルは、波長ごとの光の強度の分布をいい、連続的なスペクトルとは、ある波長範囲にわたって途切れることなく連続的に現れるスペクトルである。光源としてよく用いられる白色LEDは、上述したように、青色LEDと蛍光物質との組み合わせにより白色光を発生させ、青色LEDにより480nm付近のピークと、蛍光物質による500nmより長波長側の幅広い光を有することから、スペクトルが連続的に現れるものではなく、不連続なスペクトルを有するものである。このような不連続なスペクトルを有する光源としては、キセノンランプ、冷陰極管等を挙げることができる。
【0041】
導光体200は、一方に長くされた板状物である場合、6つの面を有し、その中の最も面積が大きい表裏2つの面の1つに第2光源である有機EL202を隣接させて配置し、もう1つの面は、2つの光源から入力された光を出射させる発光面とされる。このように最も面積が大きい面に連続的なスペクトルを有する有機EL202を配置し、その面に対向する位置にある面を発光面とすることで、有機EL202の発光面積を確保し、原稿面照度を確保することができる。
【0042】
LED201は、有機EL202が配置され取り付けられる面と、発光面とに連続する4つの面の1つに隣接させて配置されるように取り付けられる。取り付けは、透明な接着剤等を使用して貼り付けることにより行うことができる。導光体200は、6つの面のうち2つに、2つの光源が取り付けられ、1つの面が発光面とされており、残りの3つの面は、それらの面から光が放出されないように、内部を拡散する光を反射させる反射面とされる。これにより、適切に1つの発光面からのみ光を放出させ、その発光面に対向する位置の原稿に光を照射させることができる。
【0043】
図4に示す実施形態では、1つの面に隣接して必要な数のLED201が配置され、その面に連続する他の面に隣接して板状の有機EL202が配置され、有機EL202が配置される面に対向した面の一部を覆うように、原稿から反射した反射光を所定の方向へ反射させる第1ミラー12が隣接して配置され、それと同じ面の残りの部分に、円弧状に突出した曲面を有する光出射部203が設けられている。
【0044】
この導光体200は、略斜め45°に傾斜させて設置され、LED201および有機EL202が下側になるように配置され、第1ミラー12のミラー面および光出射部203が上側を向くように配置される。なお、光出射部203は、曲面により原稿面のスキャンラインに集光させながら光を放出させることができる。
【0045】
このような構成とすることで、第1光源であるLED201から照射された光は、導光体200の、このLED201が配置された面に対向する面に当たり、反射して、有機EL202が配置された面に当たり、反射して、光出射部203から出射させることができる。出射された光は、原稿台ガラス10を介してその原稿台ガラス10上に載置される原稿に適切に当たり、それに反射した光が第1ミラー12のミラー面へ当たり、このミラー面で反射して所定の方向、すなわち第2ミラー14へ入力される。その後、第3ミラー15、レンズ16を介してSBU17に搭載されたCCDへ入力される。
【0046】
一方、第2光源である有機EL202から照射された光は、第1ミラー12のミラー面の裏側の面と、再び有機EL202が配置される面とで反射を繰り返し、光出射部203の曲面で偏向し、原稿へ向けて出射させることができる。その後は、上述したものと同様に、原稿に適切に当たり、それに反射した光が第1ミラー12のミラー面へ当たり、このミラー面で反射して所定の方向、すなわち第2ミラー14へ入力される。そして、第3ミラー15、レンズ16を介してSBU17に搭載されたCCDへ入力される。
【0047】
この導光体200の主走査方向に対応する長手方向の大きさは、有効読取幅であるA3用紙の幅(297mm)以上、あるいはA4用紙の幅(210mm)以上として設定される。ここでは、光源を2つとして説明したが、残りの面に光源を隣接させて配置することで、3つ以上取り付けることも可能である。
【0048】
図5は、有機EL光源の構成例を示した図である。有機EL光源は、ガラス基板210上に透明電極211を蒸着またはスパッタリングにより形成し、その上に有機EL発光層212を真空蒸着等により形成し、その上に電極213を真空蒸着等により形成し、これら透明電極211、有機EL発光層212、電極213を覆うように封止膜214をプラズマ化学的気相成長法等により、例えばSiH4およびN2ガスを用いて形成することにより構成される。この構成では、ガラス基板210側から光が放射される方式がボトムエミッションであり、封止膜214側から光が放射される方式がトップエミッションである。
【0049】
有機EL光源に用いられる透明電極211の材料としては、電気抵抗が低く、パターン加工が容易なインジウムとスズの酸化物であるITOを用いることができる。有機EL発光層212は、例えば、白色発光するものであれば、電子輸送性を有する有機化合物と、赤色発色、緑色発色、青色発色する蛍光色素とを蒸着し、その有機化合物中にこれら3色の蛍光色素が分散した状態に成膜することにより白色光を発光する発光層を形成することができる。なお、発光体としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体、ジトルイルビニルビフェニル、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアルキルチオフェン等を用いることができる。電極213は、陰電極であり、例えばマグネシウムやアルミニウムを蒸着して形成することができる。
【0050】
有機EL光源は、有機EL発光層212と、陰電極を構成する電極213との間に、電子注入層、電子輸送層を設けてもよく、また、陽電極を構成する透明電極211と、有機EL発光層212との間に、正孔注入層、正孔輸送層を設けてもよい。ここで、正孔注入層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ドーパントである電子受容性の化合物を蒸着により形成され、正孔注入のエネルギー障壁を低くし、透明電極211からの円滑な正孔注入を実現するものである。正孔輸送層は、正孔輸送性を有する有機化合物により形成され、正孔を有機EL発光層212へ移行させる機能、その有機EL発光層212から正孔輸送層へ移行する電子の移動をブロックする機能を有するものである。
【0051】
電子注入層は、電子輸送性を有する有機化合物とドーパントであるリチウム等の電子供与性を有する金属とを蒸着することにより形成され、電子注入のエネルギー障壁を低くし、円滑な電子注入を実現するものである。電子輸送層は、電子輸送性を有する有機化合物により形成され、電子を有機EL発光層212へ移行させる機能、その有機EL発光層212から電子輸送層へ移行する正孔の移動をブロックする機能を有するものである。
【0052】
正孔輸送性物質としては、芳香族アミン誘導体を用いることができ、電子輸送性物質としては、1,3,4−オキサゾール誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体を用いることができる。
【0053】
図6は、光源をキャリッジに収容して構成した照明ユニットを例示した図である。実際に照明ユニットは、図5に示すような有機ELを用いて図4に示すように構成したものをキャリッジに搭載した装置として提供される。光源は、第1光源と第2光源といった2以上の光源を用いて構成され、これらの光源は、分光分布が異なるものが採用される。
【0054】
これら分光分布が異なる2つの光源を導光体200の互いに連続する異なる面に隣接させて貼り付け、また、第1ミラー12も他の面に隣接させて貼り付け、これを第1キャリッジ13に搭載することで、よりコンパクトで照射光のリップルを低減した照明ユニットを構成することができる。
【0055】
ここで図7を参照して、分光分布について詳細に説明する。図7(a)は、LEDの分光分布、図7(b)は、有機ELの分光分布を示す。分光分布は、上述したように光源の波長に対する特性で、各波長成分の量を連続的に表したものである。したがって、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は最大値に対する光の相対強度(%)あるいは強度(−)で表される。
【0056】
青色LEDと蛍光物質という組み合わせにより白色光を発生させる白色LEDでは、上述したように不連続なスペクトルとなる。一方、有機ELは、可視領域の波長範囲にわたってとぎれなく連続的にスペクトルが現れることから、連続的なスペクトルである。
【0057】
図7(c)は、CCDの分光感度を示した図で、向かって左側から青(B)、緑(G)、赤(R)の分光感度特性を示している。太陽光は、波長400nm〜700nmにわたって各波長の光が細かく滑らかに連続していることから、特定の波長において強度が低い等の、CCDの分光感度領域に対して欠落している部分がないため、効果的な発光と言える。しかしながら、LEDの分光分布は、不連続なスペクトルで、CCDの分光感度特性におけるGおよびRのピークとなる波長の部分の強度が低いことから、色の再現性に乏しく、効果的な発光とは言えない。
【0058】
有機ELの分光分布は、連続的なスペクトルで、その波長の部分の強度が比較的高いことから、LEDとこの有機ELとを組み合わせて照明ユニットを構成すると、有機ELが、CCDの分光感度特性におけるGおよびRのピークとなる波長の部分を補うことができ、LEDの不連続なスペクトルを補間することができる。また、有機ELがLEDの光量も補うことができるため、CCDの分光感度領域に対して十分に効果的な発光となりうる。
【0059】
このように、分光分布が異なる2つの光源を用いることで、互いを補間することができることから、波長に応じて強度が大きく低下する部分を低減させ、照射光のリップルを低減させることができる。2つの光源は、上記のLEDと有機ELの組み合わせに限らず、有機ELと、LEDに代えてキセノンランプや冷陰極管(CCFL)等の他の光源とを組み合わせて照明ユニットを構成することも可能である。なお、LEDと、それらのキセノンランプや冷陰極管とを組み合わせることも考えられるが、CCDの分光感度領域に対し、欠落している部分を少なくする点において有機ELと組み合わせる方が望ましい。
【0060】
図8は、第2光源の第1実施形態を示した図である。図4および図6は、光源を側方から見たところを示した図であるが、図8〜図12の各図は、光源を正面から見たところを示した図である。図8では、導光体200が略直方体の板状物として形成され、その最も面積が大きい表裏2つの面の1つに板状の第2光源である有機EL202が貼り付けられ、その面に連続する4つの面の1つに複数の第1光源であるLED201が貼り付けられている。この図8では、8つの略直方体に形成されたLED201が等間隔で貼り付けられている。この実施形態では、有機EL202が1つのみで構成され、各光源から照射された光が、導光体200内で合成され、その合成された光が原稿面へ出射されるものとされている。
【0061】
図9は、第2光源の第2実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8に示す実施形態と同じであるが、有機EL202が7つの小さい板状物とされ、LED201間となる位置に対応した他の面の位置に貼り付けられている。図8に示すように1つの面のほぼ全体を覆うように有機EL202を貼り付けるのではなく、必要な箇所に貼り付けることで有機EL202を貼り付ける量を減らし、生産コストを下げることができる。
【0062】
図10は、第2光源の第3実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8および図9に示す実施形態と同様である。この実施形態では、有機EL202が、7つの小さい第1板状物と、1つの大きい第2板状物とから構成し、第1板状物を図9に示す実施形態と同様、LED201間となる位置に対応した他の面の位置に貼り付け、その貼り付けた7つの第1板状物と、8つのLED201との間に、導光体200の長手方向のほぼ全体を覆うような大きさの第2板状物を貼り付ける構成とされている。
【0063】
図11は、第2光源の第4実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8〜図10に示す実施形態と同様である。この実施形態では、有機EL202が、7つの小さい板状物から構成されるが、図9に示すように、すべてが同じ大きさではなく、導光体200の中央に貼り付けられる有機EL202の板状物が最も小さく、両端部へ向かうにつれてその面積が大きい有機EL202の板状物が貼り付けられるように構成されている。このように、LED201間に配置する有機ELパネルの面積を主走査方向の中央と両端部で変えることにより、レンズ通過後のCCDセンサ面上での両端部の光量低下を低減し、画像品質を向上させることができる。
【0064】
図12は、第2光源の第5実施形態を示した図である。導光体200およびLED201の数および形状は、図8〜図11に示す実施形態と同様である。この実施形態では、図10に示す有機EL202と同様、7つの小さい第1板状物と、1つの大きい第2板状物とから構成しているが、図11に示す実施形態と同様に、導光体200の中央が最も面積が小さい第1板状物とされ、その両端部へいくにつれてその面積が大きくなるように構成され、1つの大きい第2板状物も、中央が最もその幅が狭く、両端部へいくにつれて太くなるように構成されている。この場合も、LED201間に配置する有機ELパネルの面積を主走査方向の中央と両端部で変えることにより、レンズ通過後のCCDセンサ面上での両端部の光量低下を低減し、画像品質を向上させることができる。
【0065】
これまで光源の構成をもつ照明ユニット、その照明ユニットを備える画像読取装置について説明してきた。本発明では、その画像読取装置を備える画像形成装置も提供することができ、画像形成装置としては、MFP(Multi Function Peripheral)を挙げることができる。
【0066】
次に、本発明の画像読取装置が行う第1光源および第2光源の点灯制御について説明する。この制御は、点灯制御手段が実行することができ、図2および図3に示すSCU40をこの手段として機能させることができる。図13は、この点灯制御を実施する画像読取処理の第1の流れを示したフローチャート図である。ステップ1300から処理を開始し、ユーザがSOP57で設定した情報に基づき、まず、ステップ1305で、カラー原稿であるか、モノクロ原稿であるかを判断する。モノクロ原稿である場合は、ステップ1310へ進み、モノクロ高速読取を行うシートスルー読取動作であるか否かを判断する。シートスルー画像読取は、上記のシートスルー方式を採用して画像読取を行うものである。
【0067】
ステップ1305でカラー原稿と判定された場合、およびステップ1310でシートスルー読取動作と判断された場合、ステップ1315へ進み、ユーザからの読取開始の指示を受けたか否かにより、読取動作を開始するかどうかを判断する。例えば、スキャナ本体のSOPのスタートスイッチが「ON」にされたか否かにより判断することができる。開始すると判断された場合、カラー原稿の読取動作、またはシートスルー読取にてモノクロ高速読取動作を開始することになるが、これらの場合、LEDチップ間の照射光のリップルを低減するため、2つの光源の点灯が必要となる。
【0068】
これは、カラー原稿の場合は、上述したようにLEDのみでは、CCDの分光感度領域に対して効果的な発光とはならないからである。モノクロ原稿の場合は、読取時間を長くし、十分な光量を与えることができれば、光源のリップルはほとんど発生せず、画質低下という問題が生じることはない。しかしながら、シートスルー読取にてモノクロ高速読取動作を行う場合は、読取時間が非常に短いことから、十分な光量を与えることができず、その結果、リップルが発生し、画質の低下を生じる。
【0069】
したがって、このような場合に、ステップ1320で第1光源を点灯させ、それと同時に、ステップ1325で第1光源とは異なる分光分布をもつ第2光源を点灯させ、十分な分光分布で、かつ十分な光量の光を原稿へ照射する。これを基に、ステップ1330で読取を開始する。読取は、カラー原稿であれば、例えばこれら光源が搭載されたキャリッジを移動させることにより、モノクロ高速読取を行う場合は、原稿をローラで自動搬送することにより行う。そして、ステップ1335で、原稿の終端までキャリッジが移動したか、原稿が排出されたかを判断することにより、その読取を終了したかどうかを判断する。終了していなければ、再びステップ1320へ戻り、読取動作を継続する。
【0070】
終了していれば、ステップ1340へ進み、第1光源および第2光源を消灯する。そして、ステップ1345へ進み、この処理を終了する。また、ステップ1310でシートスルー読取動作ではないと判断された場合や、ステップ1315で読取動作を開始しないと判断された場合は、この処理を行わないので、ステップ1345へ進み、終了する。
【0071】
図14は、この画像読取処理の第2の流れを示したフローチャート図である。図13でシートスルー読取動作ではなく、読取動作を開始しないと判断され、ステップ1345でその処理を終了した場合に、この図14に示す処理を開始することができる。ステップ1400からこの処理を開始し、まず、ステップ1405で、モノクロ原稿であるかを判断する。これは、図13に示したステップ1305における判断と同様のものである。ただし、この場合、モノクロ原稿ではなく、カラー原稿と判断されると、ステップ1435へ進み、処理を終了する。
【0072】
ステップ1405でモノクロ原稿と判断された場合、ステップ1410へ進み、読取動作を開始するかどうかを判断する。この処理も、図13に示したステップ1315における判断と同様のものである。開始しないと判断された場合は、ステップ1435へ進み、この処理を終了する。開始すると判断された場合、ステップ1415へ進み、第1光源を点灯する。そして、ステップ1420で読取を開始する。ステップ1425で読取を終了したかを判断し、まだ終了していない場合は、ステップ1415へ戻り、読取動作を継続し、終了した場合は、ステップ1430へ進む。
【0073】
ステップ1430では、読取動作が終了していることから、第1光源を消灯する。そして、ステップ1435へ進み、この処理を終了する。このようにモノクロ原稿の読取動作では、時間をかけて読取を行い、十分な光量を与えることができるため、LEDチップ間の照射光のリップルが、カラー原稿やシートスルー読取にて高速に読み取られるモノクロ原稿の場合に比較してほとんど発生することはない。このため、第2光源を点灯させなくても済むことから、図14に示したような第1光源のみを点灯させる処理で十分である。
【0074】
図15は、この画像読取処理の第3の流れを示したフローチャート図である。ステップ1500からこの処理を開始し、まず、ステップ1505で原稿読取動作であるか否かを判断する。読取動作でなければ、ステップ1580へ進み、処理を終了する。読取動作である場合は、ステップ1510へ進み、第1光源が正常であるかどうかを判断する。すなわち、一度点灯してみて、第1光源が実際に点灯するか、その光量が一定量以上あるかを確認し、点灯してその光量が一定量以上ある場合には正常と判断する。反対に、故障による不点灯や、経時劣化による光量不足の場合には異常と判断する。
【0075】
ステップ1510で第1光源が正常と判断された場合、ステップ1515へ進み、第2光源が正常であるかどうかを、ステップ1510と同様の方法により判断する。ステップ1515で第2光源も正常と判断された場合に、ステップ1520へ進み、読取動作を開始するかどうかを判断し、開始すると判断されれば、ステップ1525で第1光源および第2光源を点灯する。そして、原稿の読取を行い、ステップ1530で読取が終了したかを判断する。
【0076】
ステップ1520で読取動作を開始しないと判断された場合、図13および図14に示した実施形態と同様、ステップ1580へ進み、処理を終了する。ステップ1530で読取が終了していない場合、ステップ1525へ戻り、読取を継続する。一方、読取が終了した場合、ステップ1535へ進み、第1光源および第2光源を消灯し、ステップ1580で処理を終了する。
【0077】
ステップ1510で第1光源が正常でないと判断された場合、ステップ1540へ進み、第1光源の異常を通知する。例えば、スキャナ本体の本体操作パネルに表示したり、ユーザが使用するPCの表示画面上に表示する等して、その異常をユーザに知らせることができる。その通知後、ステップ1545で、ステップ1515と同様に第2光源が正常であるかどうかを判断する。正常でない場合は、ステップ1550へ進み、第2光源の異常を通知する。この場合、第1光源も、第2光源も異常が検出され、読取動作を行うことができないので、ステップ1580へ進み、処理を終了する。
【0078】
その一方、第2光源が正常である場合は、ステップ1555へ進み、第2光源のみを点灯するかを判断する。例えば、第1光源が異常で、第1光源を点灯させることができなくても、第2光源が正常で、修理完了までのダウンタイムを低減するため、第2光源のみでの点灯モードで、モノクロモードでの画像読取動作や読取時間を遅くして光量不足を補うような条件にて動作させることが可能であれば、第2光源のみを点灯すると判断することができる。
【0079】
ステップ1555で第2光源のみを点灯すると判断された場合、ステップ1560へ進み、第2光源を点灯する。そして、ステップ1565で読取を開始する。ステップ1570で読取を終了したかを判断し、まだ終了していない場合は、ステップ1560へ戻り、読取を継続する。一方、終了した場合は、ステップ1575へ進み、第2光源を消灯し、ステップ1580でこの処理を終了する。
【0080】
ステップ1555で第2光源のみを点灯しないと判断された場合は、第1光源が異常で、点灯させることができず、第2光源は正常であるが、点灯しないことから、読取を行うことはできないため、ステップ1580へ進み、処理を終了する。図15に示した処理では、第1光源のみが正常の場合についての判断ステップが示されていないが、上記の第2光源のみが正常である場合の処理(ステップ1555〜ステップ1575)と同様、第1光源のみを点灯し、読取を行い、それが終了した後に消灯するという処理を行うことができる。
【0081】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、本発明は、上記の照明ユニット、画像読取装置、画像形成装置、画像読取方法のほか、その方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラム、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【符号の説明】
【0082】
10…原稿台ガラス、11…照明ランプ、11a…LED、11b…有機EL、12…第1ミラー、13…第1キャリッジ、14…第2ミラー、15…第3ミラー、16…レンズ、17…SBU、18…第2キャリッジ、19…走行体モータ、20…原稿台、21…原稿台ガイド、22…呼び出しコロ、23…給紙ベルト、24…搬送コロ、25…分離コロ、26…第1搬送ローラ、27…DF用原稿ガラス、28…反射ガイド板、29…第2搬送ローラ、30…排紙ローラ、31…レジストセンサ、32…分岐爪、33…反転ローラ、34…反転テーブル、35…セットセンサ、36…幅サイズ検知基板、37…第1原稿長さセンサ、38…第2原稿長さセンサ、39…原稿後端センサ、40…SCU、41…ADFリフトアップセンサ、42…ADFカバーオープンセンサ、43…排紙センサ、44…反転トレイセンサ、45…ADU、46…給紙/反転モータ、47…搬送モータ、48…給紙クラッチ、49…底板ソレノイド、50…反転ソレノイド、51…電源プラグ、52…PSU、53…原稿サイズセンサ、54…原稿サイズセンサ、55…ホームポジションセンサ、56…ADF開閉角度センサ、57…SOP、58…SWB、59…NIC、60…NIC操作パネル、61…OIPU、62…ISIC、63…LEDドライバ、64…VIOB、100…CCD、101…アナログ処理回路、102…A/Dコンバータ、103…シェーディング部、104…IPU、105…SDRAM、106…メモリコントローラ、107…外部I/F、108…外部出力装置、109…CPU、110…ROM、111…RAM、112…NVRAM、113…モータドライバ、114…有機ELドライバ、200…導光体、201…第1光源、202…第2光源、203…光出射部、210…ガラス基板、211…透明電極、212…有機EL発光層、213…電極、214…封止膜
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2006−60407号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る画像読取装置に用いられる照明ユニットであって、
分光分布が異なる2以上の光源と、
前記2以上の光源を隣接させて配置するための2以上の光源配置面と、前記2以上の光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体とから構成される、照明ユニット。
【請求項2】
前記発光面は、円弧状に突出した曲面を有するように形成され、前記曲面により集光させ、前記原稿へ向けて集光された光を照射させる、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記2以上の光源は、不連続なスペクトルを有する第1光源と、連続的なスペクトルを有する第2光源とから構成され、
前記導光体は、一方に長くされた板状物とされ、面積が最も大きい表裏2つの面が前記第2光源を隣接させて配置する前記光源配置面と前記発光面とされ、当該光源配置面と当該発光面に連続する面の1つに前記第1光源を隣接させて配置し、残りの面が内部を拡散する光を反射させる反射面とされる、請求項1または2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記第2光源は、前記導光体の長手方向における位置に応じて当該第2光源の発光面積が異なる形状とされた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記導光体の前記発光面の一部に隣接して配置され、前記原稿に照射され反射した光を、電気信号へ変換する前記画像読取装置が備える光電変換手段に向けて反射させるためのミラーをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明ユニットと、原稿から反射した光を電気信号へ変換する光電変換手段とを含む、画像読取装置。
【請求項7】
カラー原稿を読み取る場合に第1光源と第2光源とを点灯させ、モノクロ原稿を読み取る場合に前記第1光源のみを点灯させるように点灯制御を行う点灯制御手段をさらに備える、請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記点灯制御手段は、前記第1光源と前記第2光源とが点灯し、一定の光量を有するかどうかを確認することにより正常であるか否かを判断し、前記カラー原稿を読み取る際に異常と判断した場合、前記第1光源または前記第2光源の一方のみを点灯させる、請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像読取装置を備える画像形成装置。
【請求項1】
原稿を読み取る画像読取装置に用いられる照明ユニットであって、
分光分布が異なる2以上の光源と、
前記2以上の光源を隣接させて配置するための2以上の光源配置面と、前記2以上の光源から入力され内部で拡散された光を外部へ出射させる1つの発光面とを備える導光体とから構成される、照明ユニット。
【請求項2】
前記発光面は、円弧状に突出した曲面を有するように形成され、前記曲面により集光させ、前記原稿へ向けて集光された光を照射させる、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記2以上の光源は、不連続なスペクトルを有する第1光源と、連続的なスペクトルを有する第2光源とから構成され、
前記導光体は、一方に長くされた板状物とされ、面積が最も大きい表裏2つの面が前記第2光源を隣接させて配置する前記光源配置面と前記発光面とされ、当該光源配置面と当該発光面に連続する面の1つに前記第1光源を隣接させて配置し、残りの面が内部を拡散する光を反射させる反射面とされる、請求項1または2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記第2光源は、前記導光体の長手方向における位置に応じて当該第2光源の発光面積が異なる形状とされた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記導光体の前記発光面の一部に隣接して配置され、前記原稿に照射され反射した光を、電気信号へ変換する前記画像読取装置が備える光電変換手段に向けて反射させるためのミラーをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明ユニットと、原稿から反射した光を電気信号へ変換する光電変換手段とを含む、画像読取装置。
【請求項7】
カラー原稿を読み取る場合に第1光源と第2光源とを点灯させ、モノクロ原稿を読み取る場合に前記第1光源のみを点灯させるように点灯制御を行う点灯制御手段をさらに備える、請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記点灯制御手段は、前記第1光源と前記第2光源とが点灯し、一定の光量を有するかどうかを確認することにより正常であるか否かを判断し、前記カラー原稿を読み取る際に異常と判断した場合、前記第1光源または前記第2光源の一方のみを点灯させる、請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像読取装置を備える画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−175212(P2012−175212A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32843(P2011−32843)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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