照明器具
【課題】光源としての複数の発光素子を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の発光素子61と、この複数の発光素子61が実装された基板62とを備えた光源部6と、前記複数の発光素子61を点灯する通常点灯モード又は前記複数の発光素子61のうち、一部を点灯する補助点灯モードに選択的に切換え可能なモード切換手段29とを備える照明器具である。
【解決手段】本発明は、複数の発光素子61と、この複数の発光素子61が実装された基板62とを備えた光源部6と、前記複数の発光素子61を点灯する通常点灯モード又は前記複数の発光素子61のうち、一部を点灯する補助点灯モードに選択的に切換え可能なモード切換手段29とを備える照明器具である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源としてLED等の発光素子を用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅用の照明器具においては、主光源に環状の蛍光ランプを用い、常夜灯として主光源とは別に、常夜灯に適する光出力の比較的小さな小形の電球が用いられている。
【0003】
一方、近時、LED等の発光素子の高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源として発光素子を用いて長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。光源として発光素子を用いる場合、その点灯が放電現象によるものではないため深調光による点灯が容易に実現できる。
【0004】
そのため、光源として発光素子を用いる照明器具においては、別の光源を設けることなく、発光素子の点灯を深調光することによって光出力を小さくし、常夜灯の機能を持たせることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−142137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように発光素子の点灯を深調光することによって、常夜灯の機能を持たせる場合、従来の点状の光源とは異なり、その発光部は面状となるため、常夜灯としての点灯状態において発光部が面状に光り違和感を生じることとなる。また、主光源としての発光素子とは別に、常夜灯としての発光素子を設けることも考えられるが、その分、発光素子の数が多くなり、発光素子が実装される基板も大形化する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、光源としての複数の発光素子を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による照明器具は、複数の発光素子と、この複数の発光素子が実装された基板とを備えた光源部を有している。また、前記複数の発光素子を点灯する通常点灯モード又は前記複数の発光素子のうち、一部を点灯する補助点灯モードに選択的に切換え可能なモード切換手段を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、光源としての複数の発光素子を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を分解して示す斜視図である。
【図3】同器具本体を背面側から見て示す斜視図である。
【図4】同器具本体を前面側から見て示す平面図である。
【図5】同器具本体における導光板と基板の配置関係を示しており、特定の基板を取り出して示す平面図である。
【図6】図3中、X−X線に沿って示す断面図である。
【図7】図6中、A部を示す拡大図である。
【図8】図6中、B部を示す拡大図である。
【図9】同照明器具のブロック構成図である。
【図10】同照明器具の天井面への取付状態を示す断面図である。
【図11】同じく、照明器具の天井面への取付状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る照明器具を示す図6に相当する断面図である。
【図13】同器具本体を前面側から見て示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図11を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された引掛けシーリングボディに取付けられて使用される形式であり、導光板を用いて例えば、室内の照明を行うものである。
【0013】
図1乃至図4において、照明器具は、器具本体1と、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタA(図2及び併せて図10参照)と、赤外線リモコン送信器Rとを備えている。器具本体1は、図1に示すように略正方形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0014】
図2に代表して示すように、器具本体1は、点灯装置2と、反射板3と、シャーシ4と、アダプタガイド5と、光源部6と、導光板7と、補助部品ユニット8と、本体枠9と、カバー部材10とを備えている。これら構成要素について順次説明する。
【0015】
点灯装置2は、図7の参照を加えて説明するように、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属製のケース21と、このケース21に取付けられて収容された回路基板22と、この回路基板22に実装された回路部品23とを備えている。ケース21は、略直方体形状の薄型の箱状に形成されていて、一長辺側と一短辺側には、当該辺に沿って外方に延出する鍔状の接続部21aが形成されている。また、一長辺側と対向する長辺側には、取付舌片21bが延出して形成されている。
【0016】
回路基板22は、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料からなり、略長方形の板状に形成されて、表面側には、制御用IC、コンデンサ、巻線部品、抵抗素子等の回路部品23が実装されている。また、回路基板22は、図示上、表面側を下側にして樹脂製固定具22aによってケース21に取付けられている。
【0017】
以上のような点灯装置2は、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置2は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子61に供給し、発光素子61を点灯制御するようになっている。この点灯装置2は、反射板3の背面側に位置して取付けられている(主として図3参照)。
【0018】
反射板3は、放熱部材を兼用しているもので、放熱部材として機能する。反射板3は、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属材料から略正方形状に形成されており、正方形状の浅皿状の凹部31を有し、この凹部31の各辺には外側に延出する取付片32が形成されている。また、凹部31の前面側は、反射面として構成されており、さらに、略中央部には、四角形状の開口33が形成されている。
【0019】
シャーシ4は、冷間圧延鋼板等の金属材料から略直方体の箱状に形成されており、一端側(図示上、下側)を開放し、この開放した各辺には外側に向かって水平方向に延出する鍔状の当接部41が形成されている。また、他端側(図示上、上側)には、円形状の開口52が形成されている。したがって、シャーシ4は、全体としては高さの低い略筒状をなしている。当接部41は、導光板7の背面側に当接される部分であり、開口42は、アダプタAが挿通される部分である。そして、図7に示すように、シャーシ4の当接部41の上面側に、反射板3における開口33の周辺部が重合されるように配置され、こられが溶接等によって固着されている。なお、シャーシ4の当接部41は、導光板7を補強する機能を有している。
【0020】
アダプタガイド5は、図7の参照を加えて示すように、略八角柱状に形成されていて、中央部にアダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられており、下端側に外方へ向かう鍔部52が形成されている。このアダプタガイド5は、その外周面がシャーシ4の内周面に接するように配設され取付けられている。
【0021】
光源部6は、図2、図5、図6及び図8に示すように、光源である発光素子61が実装された基板62と、この基板62が取付けられる取付部材としての取付板63とから構成されている。なお、図5は、導光板7と基板62との配置関係を示し、また、特定の基板62Aを取り出して示している。
【0022】
基板62は、横長の長方形状に形成されていて、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂の平板からなり、表面側には銅箔で形成された配線パターンが施されている。また、適宜レジスト層が施されるようになっている。なお、基板62の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用してもよい。
【0023】
発光素子61は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが基板62の長手方向に沿って直線状に並べられて複数個、具体的には15個実装され配設されている。LEDパッケージは、概略的にはセラミックスで形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0024】
なお、後述するように特定の基板62Aに実装された複数の発光素子61のうち、一部の発光素子61Aは、補助光源として用いられるようになっている(図5参照)。具体的には、特定の基板62Aに実装された複数の発光素子61のうち、基板62Aの端部側に位置する2個の発光素子61Aが補助光源、すなわち、常夜灯として用いられるようになっている。
【0025】
LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、白色光を出射できるようにするために、青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
【0026】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板62に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0027】
取付板63は、アルミニウムや亜鉛めっき鋼板等の熱伝導が良好な材料から作られており、横長で側面が略C型チャンネル形状に形成されている。この取付板63の内側壁には、2枚の基板62が、ねじ止め等によって、その裏面側が密着するように長手方向に並べられて取付けられている。したがって、光源部6は、一つの取付板63に2枚の基板62が取付けられてユニット化されている。
本実施形態では、主として図2に示すように、このユニット化された光源部6が4個用いられており、導光板7の各辺に対応して配設されるようになっている。
【0028】
導光板7は、アクリル樹脂等の透過率の高い材料を用いて四角形状の平板状に形成され、背面側には光を拡散する多数の白色の反射ドットからなるドットパターンが印刷によって形成されている。さらに、導光板7の略中央部には、アダプタガイド5の外形と対応し、また、アダプタAと対応するように略八角形の開口71が形成されている。この略八角形の開口71は、原型的には、四角形の角部を面取りした形状として形成されている。また、この導光板7の外周部である四角形状の各辺、すなわち、側端面は、発光素子61から出射される光が入射して導光板7内を進行する光入射端面72として機能するようになっている。そして、導光板7は、前面側に面状の発光領域を有する発光部として構成される。
なお、導光板7には、背面側に反射シートを設けたものや前面側に拡散シートを設けたものを適宜適用できる。
【0029】
補助部品ユニット8は、図8に示すように、横長箱状のケース81内にユニット基板82及びこの基板82に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。本実施形態における電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部84や照度センサ85等である。
【0030】
この補助部品ユニット8は、照明器具、すなわち、器具本体1の外周縁部、具体的には、本体枠9の一辺側に配設される。したがって、導光板7の発光領域の外側に配設されるようになっている。
【0031】
このように構成された補助部品ユニット8は、複数の電気的補助部品が集中化して設けられていて、本体枠9に形成された開口部に嵌合され、ケースカバー81bのフランジ81b1が係止されて、図示しない固定手段によって本体枠9に取付けられる。
【0032】
本体枠9は、ABS樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂から作られていて、略正方形状であって前記導光板7の寸法より大きな枠状に形成されており、側壁91と、この側壁91の下端部から内側に向かって延出し、斜めに立ち上がる傾斜状部を有する底壁92とを備えている。また、底壁92には、複数のボス93が立設されており、このボス93には、反射板3の取付片32がねじ止めされるようになっている。また、前述のように、正方形状の一辺に対応する底壁92には、補助部品ユニット8が嵌合する開口部が形成されている。
【0033】
カバー部材10は、アクリル樹脂やポリカーボネート等の乳白色を呈する合成樹脂材料から略正方形状に形成されており、図示しない係脱手段によってアダプタガイド5に着脱自在に取付けられるようになっている。したがって、カバー部材10が取付けられることによって、アダプタAは覆われて下方から視認しにくくすることができる。
【0034】
アダプタAは、図2及び図10に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置2へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置2とコネクタを介して接続されるようになっている。
【0035】
赤外線リモコン送信器Rは、例えば、周波数38kHzのパルス状の特定のコード化された赤外線リモコン制御信号を送信するもので、例えば、通常点灯モード用ボタン(主光源点灯ボタン)、補助点灯モード用ボタン(常夜灯ボタン)、消灯ボタン等が設けられている。このリモコン送信器Rを補助部品ユニット8、すなわち、赤外線リモコン信号受信部84に向けて操作することによって光源部6における発光素子61の発光状態、つまり、通常点灯モード、補助点灯モード、消灯等に切換えて制御を行うことができる。
【0036】
次に、図9を参照して本実施形態に係る照明器具のブロック構成について説明する。図に示すように、概略的には、点灯装置2と、発光素子61が実装された基板62と、赤外線リモコン信号受信部84が実装されたユニット基板82とから構成されている。
【0037】
点灯装置2は、直流電源として機能するもので、商用交流電源ACに接続されており、この交流電源ACを受けて直流出力を生成するものである。商用交流電源ACは、全波整流回路24の入力端子に接続されており、この全波整流回路24の出力端子間に平滑コンデンサ25が接続されている。平滑コンデンサ25に代えて昇圧チョッパを主として構成するような力率改善回路を用いてもよい。そして、この平滑コンデンサ25に直流電圧変換回路26及び電流検出手段27が接続されている。この直流電源は、出力電流を定電流化するため、電流検出手段27での検出結果に応じて電流制御信号を直流電圧変換回路26にフィードバックする制御機能を有している。
【0038】
直流電圧変換回路26としては、降圧チョッパ、昇圧チョッパ、DC−DCコンバータ等によって構成することができ、この場合、上記フィードバック制御によりチョッパ等のスイッチング素子のオン期間やオン・オフ周波数を制御することによって定電流化を図ることができる。
【0039】
また、直流電圧変換回路26には、点灯回路制御部28を介してユニット基板82が接続されており、モード切換手段29を介してその出力端子間に基板62、すなわち、複数の発光素子61が直列に接続された例えば、2つの直列回路が並列に接続されている。したがって、前述のユニット化された4個の光源部6のうちで、隣接する光源部6における複数の発光素子61が直列に接続されて1つの直列回路を構成している。
【0040】
さらに、これら複数の発光素子61のうち、特定の発光素子61Aは、補助光源、すなわち、常夜灯として用いられるようになっている。具体的には、例えば、特定の2個の発光素子61Aは、常夜灯として主光源と兼用して用いられるようになっている。そして、この特定の2個の発光素子61Aの一端側には、モード切換手段29が接続されるようになっている。
なお、ユニット基板82には、リモコン制御回路82a、赤外線リモコン信号受信部84、照度センサ85等が設けられている。
【0041】
このような構成において、例えば、赤外線リモコン送信器Rを操作して通常点灯モード用ボタンを選択すると、コード化された赤外線リモコン制御信号が赤外線リモコン信号受信部84で受信され、その信号がリモコン制御回路82a、点灯回路制御部28を通じてモード切換手段29に送信される。このモード切換手段29では、通常点灯モードが選択されたと判断され、全部の発光素子61が点灯状態となるように動作する。つまり、複数の発光素子61が直列に接続された2つの直列回路に電力を供給するように機能する。
【0042】
また、赤外線リモコン送信器Rを操作して補助点灯モード用ボタンを選択すると、前記と同様に、その信号がリモコン制御回路82a、点灯回路制御部28を通じてモード切換手段29に送信される。このモード切換手段29では、補助点灯モードが選択されたと判断され、特定の発光素子61A、つまり、特定の2個の発光素子61Aのみを選択し、これのみに電力を供給するように機能する。
【0043】
以上のように、モード切換手段29を設けることにより、通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えて使用することが可能となる。また、この場合、補助点灯モードでは、複数の発光素子61のうちの一部が選択されて電力が供給されることとなる。なお、通常点灯モードにおいて、所定の調光比で調光できるようにしてもよい。
【0044】
上記のような照明器具の構成において、図7に代表して示すように、シャーシ4の当接部41は、導光板7の背面側に当接されている。より詳しくは、シャーシ4の当接部41は、導光板7の背面側であって開口71の周囲に配設され当接されるようになっている。なお、シャーシ4の当接部41の導光板7の背面側への当接は、直接的に行われても間接的に行われてもよい。
【0045】
図3、図6及び図8に示すように、放熱部材としての反射板3は、導光板7の背面側に配置され、本体枠9の複数のボス93にねじ止めされて取付けられている。
【0046】
また、導光板7における開口71の前面側の周縁部は、アダプタガイド5の下端側の鍔部52に支持されている。さらに、図8に代表して示すように、導光板7の前面側の外周縁部は、本体枠9における底壁92の傾斜状部に支持されている。一方、前記のように導光板7の背面側には、反射板3が配設されており、導光板7は、反射板3と、前記アダプタガイド5の鍔部52及び本体枠9の底壁92の傾斜状部とによって挟持されるように配置されている。この状態においては、導光板7の光入射端面72は、発光素子61と対向して位置し、発光素子61から出射される光が入射するようになっている。
【0047】
図1、図4及び図6に示すように補助部品ユニット8は、発光部としての導光板7の発光領域外であって外周縁部に配設されるようになっている。したがって、この補助部品ユニット8、つまり、補助部品が導光板7上に暗部を形成するようなことを回避できる。また、補助部品ユニット8には、赤外線リモコン信号受信部84等の複数の電気的補助部品が集中化して設けられているので、配線処理や組立作業の効率化が可能となる。さらに、外周縁部に配置されているので目立つことなく、デザイン性の向上が期待できる。
【0048】
また、図3、図6及び図8に示すように、本体枠9の側壁91と、反射板3の取付片32との間には、間隙Gが形成されるようになっている。つまり、反射板3の外形は、枠状の本体枠9より小さく形成されていて、反射板3の全周にわたって間隙Gが形成されるようになっている。この間隙Gによって発光素子61から発生する熱が取付板63、反射板3の取付片32を介して対流作用で放熱される。なお、この対流作用を促進するため、本体枠9の底壁92に空気流通孔を形成するようにしてもよい。
【0049】
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について、図10及び図11を参照して説明する。なお、各図においてアダプタAから導出される電源コードの図示は省略している。
【0050】
図10に示すように、天井面Cに引掛けシーリングボディCbが設置されている。また、この引掛けシーリングボディCbには、アダプタAが電気的かつ機械的に接続されている。この状態から図示矢印で示すように、器具本体1におけるアダプタガイド5の係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部21がアダプタガイド5の係合口51に確実に係合するまで器具本体1を下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
【0051】
図11に示すように、器具本体1の取付状態では、アダプタAがシャーシ4の開口52を挿通し、アダプタAの係止部A1がアダプタガイド5の係合口51に係止されて取付状態が保持される。
【0052】
また、器具本体1を取外す場合には、カバー部材10を取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0053】
照明器具の取付け状態において、点灯装置2に電力が供給されると、基板62を介して発光素子61に通電され、各発光素子61が点灯する。発光素子61から出射された光は、導光板7の光入射端面72へ入射し、この入射した光は、導光板7内で全反射して導光板7全体に広がるとともに、背面側に形成された反射ドットからなるドットパターンによって拡散反射されて均質化された光が前面側の発光領域から放射される。加えて、導光板7から漏れた一部の光は、反射板3によって反射され前面側に放射されて再利用されるようになる。
【0054】
また、赤外線リモコン送信器Rを赤外線リモコン信号受信部84に向けて操作することによって光源部6における発光素子61の発光状態の制御を行うことができる。すなわち、図4及び図5に示すように、補助点灯モードでは、複数の発光素子61のうちの特定の一部の発光素子61Aが点灯されるので、面状の発光部の全体が光ることなく、そして違和感を感じることなく常夜灯として機能することが可能となる。また、この場合、通常点灯モードにおいて点灯される複数の発光素子61の一部を兼用して用いているので、補助光源としての発光素子61を格別増加することもなく、基板62の大形化を抑制できる。
【0055】
発光素子61の点灯中は熱が発生する。各発光素子61から発生する熱は、基板62裏面側から取付板63に伝導され、さらに、取付板63に伝導された熱は、放熱部材としての反射板3における取付片32に伝導され、反射板3の広い面積で効果的に放熱される。また、加えて、前記熱は、取付片32に接続された点灯装置2のケース21における接続部21aに伝導され、ケース21に伝わって放熱される。したがって、光源部6からの熱は、反射板3及びケース21の両者に伝導され効率よく放熱される。これらの放熱により全体的に放熱効果が高まる。
【0056】
なお、上記構成では、ユニット化された光源部6を4個用い、これを導光板7の各辺に対応して配設したものについて説明したが、例えば、光源部6を2個用い、これを隣接する二辺に対応して配設するようにしてもよい。さらに、光源部6を導光板7の一辺のみ又は対向する二辺に対応して配設するようにしてもよく、光源部6の配設形態は、特段限定されるものではない。適宜設計に応じて選択することができる。
【0057】
以上のように本実施形態によれば、光源としての複数の発光素子61を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について図12及び図13を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0059】
第1の実施形態では、発光素子61から出射される光を発光部である導光板7を用いて照明を行う形式のものについて説明したが、本実施形態では、導光板7を用いることなく、基板62に実装された発光素子61から出射される光を、例えば、拡散性を有する乳白の透光性カバーCvを透過させて照明を行う形式のものである。
【0060】
本実施形態の照明器具は、外観形状が略円形状に構成されている(図13参照)。器具本体1の背面側には、光源として複数の発光素子61を実装した略リング状の基板62が配設されている。この基板62の表面側には、複数の発光素子61が放射状に実装されており、また、電気的補助部品として例えば、赤外線リモコン信号受信部84が実装されている。つまり、同一基板62に複数の発光素子61と電気的補助部品が実装されている。
【0061】
さらに、基板62に実装された複数の発光素子61のうち、中央部近傍に位置する2個の発光素子61Aが補助光源、すなわち、常夜灯として用いられるようになっている。
【0062】
基板62の前面側には、基板62の表面側を覆うように透光性カバーCvが設けられている。したがって、発光素子61から出射される光は、透光性カバーCvを通じて外部に放射され、透光性カバーCvは、所定の発光領域を有する面状の発光部として機能する。
【0063】
このような構成において、例えば、赤外線リモコン送信器Rを操作して通常点灯モードが選択されると、全部の発光素子61が点灯状態となるように動作し、面状の発光部から光が照射される。また、補助点灯モードが選択されると、特定の発光素子61A、つまり、特定の2個の発光素子61Aのみが点灯し、点状の光源の常夜灯として機能する。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果に加え、電気的補助部品を複数の発光素子61が実装された基板62と同一基板に実装するようにしたので、電気的補助部品から導出されるリード線等を省略又はその配線長を短くすることが可能で、構成の簡素化を実現できる。
【0065】
なお、上記第2の実施形態においては、補助点灯モードが選択されたとき、特定の発光素子61Aが点灯し常夜灯として機能する場合について説明したが、次のような実施形態によっても所期の目的を達成することができる。
【0066】
例えば、発光部が調光できるようになっており、つまり、発光素子61が調光点灯できるようになっており、一定の調光度までは、全部の発光素子61が減光された状態で点灯する。そして、さらに連続的に調光度を深くしていくと、これに従い、外周部に配置された発光素子61から中央部に配置された発光素子61の方向に向かって、減光が伴って消灯されていく状態となる。
【0067】
したがって、中央部方向に配置された発光素子61、すなわち、複数の発光素子61のうち、その一部を減光された状態で点灯することができ、この状態で常夜灯として機能させることが可能となる。この場合、全部の発光素子61が点灯された状態から一部の発光素子61が点灯する状態に動作させる手段がモード切換手段となる。
【0068】
さらに、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、発光素子は、LEDや有機EL等の固体発光素子が適用できる。また、発光素子の個数は、特段限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
1・・・器具本体、2・・・点灯装置、3・・・反射板、5・・・アダプタガイド、
4・・・シャーシ、6・・・光源部、7・・・導光板、8・・・補助部品ユニット、
9・・・本体枠、10・・・カバー部材、29・・・モード切換手段、
61・・・発光素子、61A・・・特定の発光素子(補助光源)、62・・・基板、
72・・・光入射端面、84・・・赤外線リモコン信号受信部、
R・・・赤外線リモコン送信器
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源としてLED等の発光素子を用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅用の照明器具においては、主光源に環状の蛍光ランプを用い、常夜灯として主光源とは別に、常夜灯に適する光出力の比較的小さな小形の電球が用いられている。
【0003】
一方、近時、LED等の発光素子の高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源として発光素子を用いて長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。光源として発光素子を用いる場合、その点灯が放電現象によるものではないため深調光による点灯が容易に実現できる。
【0004】
そのため、光源として発光素子を用いる照明器具においては、別の光源を設けることなく、発光素子の点灯を深調光することによって光出力を小さくし、常夜灯の機能を持たせることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−142137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように発光素子の点灯を深調光することによって、常夜灯の機能を持たせる場合、従来の点状の光源とは異なり、その発光部は面状となるため、常夜灯としての点灯状態において発光部が面状に光り違和感を生じることとなる。また、主光源としての発光素子とは別に、常夜灯としての発光素子を設けることも考えられるが、その分、発光素子の数が多くなり、発光素子が実装される基板も大形化する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、光源としての複数の発光素子を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による照明器具は、複数の発光素子と、この複数の発光素子が実装された基板とを備えた光源部を有している。また、前記複数の発光素子を点灯する通常点灯モード又は前記複数の発光素子のうち、一部を点灯する補助点灯モードに選択的に切換え可能なモード切換手段を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、光源としての複数の発光素子を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を分解して示す斜視図である。
【図3】同器具本体を背面側から見て示す斜視図である。
【図4】同器具本体を前面側から見て示す平面図である。
【図5】同器具本体における導光板と基板の配置関係を示しており、特定の基板を取り出して示す平面図である。
【図6】図3中、X−X線に沿って示す断面図である。
【図7】図6中、A部を示す拡大図である。
【図8】図6中、B部を示す拡大図である。
【図9】同照明器具のブロック構成図である。
【図10】同照明器具の天井面への取付状態を示す断面図である。
【図11】同じく、照明器具の天井面への取付状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る照明器具を示す図6に相当する断面図である。
【図13】同器具本体を前面側から見て示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図11を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された引掛けシーリングボディに取付けられて使用される形式であり、導光板を用いて例えば、室内の照明を行うものである。
【0013】
図1乃至図4において、照明器具は、器具本体1と、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタA(図2及び併せて図10参照)と、赤外線リモコン送信器Rとを備えている。器具本体1は、図1に示すように略正方形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0014】
図2に代表して示すように、器具本体1は、点灯装置2と、反射板3と、シャーシ4と、アダプタガイド5と、光源部6と、導光板7と、補助部品ユニット8と、本体枠9と、カバー部材10とを備えている。これら構成要素について順次説明する。
【0015】
点灯装置2は、図7の参照を加えて説明するように、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属製のケース21と、このケース21に取付けられて収容された回路基板22と、この回路基板22に実装された回路部品23とを備えている。ケース21は、略直方体形状の薄型の箱状に形成されていて、一長辺側と一短辺側には、当該辺に沿って外方に延出する鍔状の接続部21aが形成されている。また、一長辺側と対向する長辺側には、取付舌片21bが延出して形成されている。
【0016】
回路基板22は、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料からなり、略長方形の板状に形成されて、表面側には、制御用IC、コンデンサ、巻線部品、抵抗素子等の回路部品23が実装されている。また、回路基板22は、図示上、表面側を下側にして樹脂製固定具22aによってケース21に取付けられている。
【0017】
以上のような点灯装置2は、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置2は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子61に供給し、発光素子61を点灯制御するようになっている。この点灯装置2は、反射板3の背面側に位置して取付けられている(主として図3参照)。
【0018】
反射板3は、放熱部材を兼用しているもので、放熱部材として機能する。反射板3は、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属材料から略正方形状に形成されており、正方形状の浅皿状の凹部31を有し、この凹部31の各辺には外側に延出する取付片32が形成されている。また、凹部31の前面側は、反射面として構成されており、さらに、略中央部には、四角形状の開口33が形成されている。
【0019】
シャーシ4は、冷間圧延鋼板等の金属材料から略直方体の箱状に形成されており、一端側(図示上、下側)を開放し、この開放した各辺には外側に向かって水平方向に延出する鍔状の当接部41が形成されている。また、他端側(図示上、上側)には、円形状の開口52が形成されている。したがって、シャーシ4は、全体としては高さの低い略筒状をなしている。当接部41は、導光板7の背面側に当接される部分であり、開口42は、アダプタAが挿通される部分である。そして、図7に示すように、シャーシ4の当接部41の上面側に、反射板3における開口33の周辺部が重合されるように配置され、こられが溶接等によって固着されている。なお、シャーシ4の当接部41は、導光板7を補強する機能を有している。
【0020】
アダプタガイド5は、図7の参照を加えて示すように、略八角柱状に形成されていて、中央部にアダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられており、下端側に外方へ向かう鍔部52が形成されている。このアダプタガイド5は、その外周面がシャーシ4の内周面に接するように配設され取付けられている。
【0021】
光源部6は、図2、図5、図6及び図8に示すように、光源である発光素子61が実装された基板62と、この基板62が取付けられる取付部材としての取付板63とから構成されている。なお、図5は、導光板7と基板62との配置関係を示し、また、特定の基板62Aを取り出して示している。
【0022】
基板62は、横長の長方形状に形成されていて、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂の平板からなり、表面側には銅箔で形成された配線パターンが施されている。また、適宜レジスト層が施されるようになっている。なお、基板62の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用してもよい。
【0023】
発光素子61は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが基板62の長手方向に沿って直線状に並べられて複数個、具体的には15個実装され配設されている。LEDパッケージは、概略的にはセラミックスで形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0024】
なお、後述するように特定の基板62Aに実装された複数の発光素子61のうち、一部の発光素子61Aは、補助光源として用いられるようになっている(図5参照)。具体的には、特定の基板62Aに実装された複数の発光素子61のうち、基板62Aの端部側に位置する2個の発光素子61Aが補助光源、すなわち、常夜灯として用いられるようになっている。
【0025】
LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、白色光を出射できるようにするために、青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
【0026】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板62に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0027】
取付板63は、アルミニウムや亜鉛めっき鋼板等の熱伝導が良好な材料から作られており、横長で側面が略C型チャンネル形状に形成されている。この取付板63の内側壁には、2枚の基板62が、ねじ止め等によって、その裏面側が密着するように長手方向に並べられて取付けられている。したがって、光源部6は、一つの取付板63に2枚の基板62が取付けられてユニット化されている。
本実施形態では、主として図2に示すように、このユニット化された光源部6が4個用いられており、導光板7の各辺に対応して配設されるようになっている。
【0028】
導光板7は、アクリル樹脂等の透過率の高い材料を用いて四角形状の平板状に形成され、背面側には光を拡散する多数の白色の反射ドットからなるドットパターンが印刷によって形成されている。さらに、導光板7の略中央部には、アダプタガイド5の外形と対応し、また、アダプタAと対応するように略八角形の開口71が形成されている。この略八角形の開口71は、原型的には、四角形の角部を面取りした形状として形成されている。また、この導光板7の外周部である四角形状の各辺、すなわち、側端面は、発光素子61から出射される光が入射して導光板7内を進行する光入射端面72として機能するようになっている。そして、導光板7は、前面側に面状の発光領域を有する発光部として構成される。
なお、導光板7には、背面側に反射シートを設けたものや前面側に拡散シートを設けたものを適宜適用できる。
【0029】
補助部品ユニット8は、図8に示すように、横長箱状のケース81内にユニット基板82及びこの基板82に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。本実施形態における電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部84や照度センサ85等である。
【0030】
この補助部品ユニット8は、照明器具、すなわち、器具本体1の外周縁部、具体的には、本体枠9の一辺側に配設される。したがって、導光板7の発光領域の外側に配設されるようになっている。
【0031】
このように構成された補助部品ユニット8は、複数の電気的補助部品が集中化して設けられていて、本体枠9に形成された開口部に嵌合され、ケースカバー81bのフランジ81b1が係止されて、図示しない固定手段によって本体枠9に取付けられる。
【0032】
本体枠9は、ABS樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂から作られていて、略正方形状であって前記導光板7の寸法より大きな枠状に形成されており、側壁91と、この側壁91の下端部から内側に向かって延出し、斜めに立ち上がる傾斜状部を有する底壁92とを備えている。また、底壁92には、複数のボス93が立設されており、このボス93には、反射板3の取付片32がねじ止めされるようになっている。また、前述のように、正方形状の一辺に対応する底壁92には、補助部品ユニット8が嵌合する開口部が形成されている。
【0033】
カバー部材10は、アクリル樹脂やポリカーボネート等の乳白色を呈する合成樹脂材料から略正方形状に形成されており、図示しない係脱手段によってアダプタガイド5に着脱自在に取付けられるようになっている。したがって、カバー部材10が取付けられることによって、アダプタAは覆われて下方から視認しにくくすることができる。
【0034】
アダプタAは、図2及び図10に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置2へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置2とコネクタを介して接続されるようになっている。
【0035】
赤外線リモコン送信器Rは、例えば、周波数38kHzのパルス状の特定のコード化された赤外線リモコン制御信号を送信するもので、例えば、通常点灯モード用ボタン(主光源点灯ボタン)、補助点灯モード用ボタン(常夜灯ボタン)、消灯ボタン等が設けられている。このリモコン送信器Rを補助部品ユニット8、すなわち、赤外線リモコン信号受信部84に向けて操作することによって光源部6における発光素子61の発光状態、つまり、通常点灯モード、補助点灯モード、消灯等に切換えて制御を行うことができる。
【0036】
次に、図9を参照して本実施形態に係る照明器具のブロック構成について説明する。図に示すように、概略的には、点灯装置2と、発光素子61が実装された基板62と、赤外線リモコン信号受信部84が実装されたユニット基板82とから構成されている。
【0037】
点灯装置2は、直流電源として機能するもので、商用交流電源ACに接続されており、この交流電源ACを受けて直流出力を生成するものである。商用交流電源ACは、全波整流回路24の入力端子に接続されており、この全波整流回路24の出力端子間に平滑コンデンサ25が接続されている。平滑コンデンサ25に代えて昇圧チョッパを主として構成するような力率改善回路を用いてもよい。そして、この平滑コンデンサ25に直流電圧変換回路26及び電流検出手段27が接続されている。この直流電源は、出力電流を定電流化するため、電流検出手段27での検出結果に応じて電流制御信号を直流電圧変換回路26にフィードバックする制御機能を有している。
【0038】
直流電圧変換回路26としては、降圧チョッパ、昇圧チョッパ、DC−DCコンバータ等によって構成することができ、この場合、上記フィードバック制御によりチョッパ等のスイッチング素子のオン期間やオン・オフ周波数を制御することによって定電流化を図ることができる。
【0039】
また、直流電圧変換回路26には、点灯回路制御部28を介してユニット基板82が接続されており、モード切換手段29を介してその出力端子間に基板62、すなわち、複数の発光素子61が直列に接続された例えば、2つの直列回路が並列に接続されている。したがって、前述のユニット化された4個の光源部6のうちで、隣接する光源部6における複数の発光素子61が直列に接続されて1つの直列回路を構成している。
【0040】
さらに、これら複数の発光素子61のうち、特定の発光素子61Aは、補助光源、すなわち、常夜灯として用いられるようになっている。具体的には、例えば、特定の2個の発光素子61Aは、常夜灯として主光源と兼用して用いられるようになっている。そして、この特定の2個の発光素子61Aの一端側には、モード切換手段29が接続されるようになっている。
なお、ユニット基板82には、リモコン制御回路82a、赤外線リモコン信号受信部84、照度センサ85等が設けられている。
【0041】
このような構成において、例えば、赤外線リモコン送信器Rを操作して通常点灯モード用ボタンを選択すると、コード化された赤外線リモコン制御信号が赤外線リモコン信号受信部84で受信され、その信号がリモコン制御回路82a、点灯回路制御部28を通じてモード切換手段29に送信される。このモード切換手段29では、通常点灯モードが選択されたと判断され、全部の発光素子61が点灯状態となるように動作する。つまり、複数の発光素子61が直列に接続された2つの直列回路に電力を供給するように機能する。
【0042】
また、赤外線リモコン送信器Rを操作して補助点灯モード用ボタンを選択すると、前記と同様に、その信号がリモコン制御回路82a、点灯回路制御部28を通じてモード切換手段29に送信される。このモード切換手段29では、補助点灯モードが選択されたと判断され、特定の発光素子61A、つまり、特定の2個の発光素子61Aのみを選択し、これのみに電力を供給するように機能する。
【0043】
以上のように、モード切換手段29を設けることにより、通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えて使用することが可能となる。また、この場合、補助点灯モードでは、複数の発光素子61のうちの一部が選択されて電力が供給されることとなる。なお、通常点灯モードにおいて、所定の調光比で調光できるようにしてもよい。
【0044】
上記のような照明器具の構成において、図7に代表して示すように、シャーシ4の当接部41は、導光板7の背面側に当接されている。より詳しくは、シャーシ4の当接部41は、導光板7の背面側であって開口71の周囲に配設され当接されるようになっている。なお、シャーシ4の当接部41の導光板7の背面側への当接は、直接的に行われても間接的に行われてもよい。
【0045】
図3、図6及び図8に示すように、放熱部材としての反射板3は、導光板7の背面側に配置され、本体枠9の複数のボス93にねじ止めされて取付けられている。
【0046】
また、導光板7における開口71の前面側の周縁部は、アダプタガイド5の下端側の鍔部52に支持されている。さらに、図8に代表して示すように、導光板7の前面側の外周縁部は、本体枠9における底壁92の傾斜状部に支持されている。一方、前記のように導光板7の背面側には、反射板3が配設されており、導光板7は、反射板3と、前記アダプタガイド5の鍔部52及び本体枠9の底壁92の傾斜状部とによって挟持されるように配置されている。この状態においては、導光板7の光入射端面72は、発光素子61と対向して位置し、発光素子61から出射される光が入射するようになっている。
【0047】
図1、図4及び図6に示すように補助部品ユニット8は、発光部としての導光板7の発光領域外であって外周縁部に配設されるようになっている。したがって、この補助部品ユニット8、つまり、補助部品が導光板7上に暗部を形成するようなことを回避できる。また、補助部品ユニット8には、赤外線リモコン信号受信部84等の複数の電気的補助部品が集中化して設けられているので、配線処理や組立作業の効率化が可能となる。さらに、外周縁部に配置されているので目立つことなく、デザイン性の向上が期待できる。
【0048】
また、図3、図6及び図8に示すように、本体枠9の側壁91と、反射板3の取付片32との間には、間隙Gが形成されるようになっている。つまり、反射板3の外形は、枠状の本体枠9より小さく形成されていて、反射板3の全周にわたって間隙Gが形成されるようになっている。この間隙Gによって発光素子61から発生する熱が取付板63、反射板3の取付片32を介して対流作用で放熱される。なお、この対流作用を促進するため、本体枠9の底壁92に空気流通孔を形成するようにしてもよい。
【0049】
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について、図10及び図11を参照して説明する。なお、各図においてアダプタAから導出される電源コードの図示は省略している。
【0050】
図10に示すように、天井面Cに引掛けシーリングボディCbが設置されている。また、この引掛けシーリングボディCbには、アダプタAが電気的かつ機械的に接続されている。この状態から図示矢印で示すように、器具本体1におけるアダプタガイド5の係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部21がアダプタガイド5の係合口51に確実に係合するまで器具本体1を下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
【0051】
図11に示すように、器具本体1の取付状態では、アダプタAがシャーシ4の開口52を挿通し、アダプタAの係止部A1がアダプタガイド5の係合口51に係止されて取付状態が保持される。
【0052】
また、器具本体1を取外す場合には、カバー部材10を取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0053】
照明器具の取付け状態において、点灯装置2に電力が供給されると、基板62を介して発光素子61に通電され、各発光素子61が点灯する。発光素子61から出射された光は、導光板7の光入射端面72へ入射し、この入射した光は、導光板7内で全反射して導光板7全体に広がるとともに、背面側に形成された反射ドットからなるドットパターンによって拡散反射されて均質化された光が前面側の発光領域から放射される。加えて、導光板7から漏れた一部の光は、反射板3によって反射され前面側に放射されて再利用されるようになる。
【0054】
また、赤外線リモコン送信器Rを赤外線リモコン信号受信部84に向けて操作することによって光源部6における発光素子61の発光状態の制御を行うことができる。すなわち、図4及び図5に示すように、補助点灯モードでは、複数の発光素子61のうちの特定の一部の発光素子61Aが点灯されるので、面状の発光部の全体が光ることなく、そして違和感を感じることなく常夜灯として機能することが可能となる。また、この場合、通常点灯モードにおいて点灯される複数の発光素子61の一部を兼用して用いているので、補助光源としての発光素子61を格別増加することもなく、基板62の大形化を抑制できる。
【0055】
発光素子61の点灯中は熱が発生する。各発光素子61から発生する熱は、基板62裏面側から取付板63に伝導され、さらに、取付板63に伝導された熱は、放熱部材としての反射板3における取付片32に伝導され、反射板3の広い面積で効果的に放熱される。また、加えて、前記熱は、取付片32に接続された点灯装置2のケース21における接続部21aに伝導され、ケース21に伝わって放熱される。したがって、光源部6からの熱は、反射板3及びケース21の両者に伝導され効率よく放熱される。これらの放熱により全体的に放熱効果が高まる。
【0056】
なお、上記構成では、ユニット化された光源部6を4個用い、これを導光板7の各辺に対応して配設したものについて説明したが、例えば、光源部6を2個用い、これを隣接する二辺に対応して配設するようにしてもよい。さらに、光源部6を導光板7の一辺のみ又は対向する二辺に対応して配設するようにしてもよく、光源部6の配設形態は、特段限定されるものではない。適宜設計に応じて選択することができる。
【0057】
以上のように本実施形態によれば、光源としての複数の発光素子61を通常点灯モード又は補助点灯モードに選択的に切換えることが可能であり、違和感を生じることなく、また、基板の大形化を抑制することが可能な照明器具を提供することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について図12及び図13を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0059】
第1の実施形態では、発光素子61から出射される光を発光部である導光板7を用いて照明を行う形式のものについて説明したが、本実施形態では、導光板7を用いることなく、基板62に実装された発光素子61から出射される光を、例えば、拡散性を有する乳白の透光性カバーCvを透過させて照明を行う形式のものである。
【0060】
本実施形態の照明器具は、外観形状が略円形状に構成されている(図13参照)。器具本体1の背面側には、光源として複数の発光素子61を実装した略リング状の基板62が配設されている。この基板62の表面側には、複数の発光素子61が放射状に実装されており、また、電気的補助部品として例えば、赤外線リモコン信号受信部84が実装されている。つまり、同一基板62に複数の発光素子61と電気的補助部品が実装されている。
【0061】
さらに、基板62に実装された複数の発光素子61のうち、中央部近傍に位置する2個の発光素子61Aが補助光源、すなわち、常夜灯として用いられるようになっている。
【0062】
基板62の前面側には、基板62の表面側を覆うように透光性カバーCvが設けられている。したがって、発光素子61から出射される光は、透光性カバーCvを通じて外部に放射され、透光性カバーCvは、所定の発光領域を有する面状の発光部として機能する。
【0063】
このような構成において、例えば、赤外線リモコン送信器Rを操作して通常点灯モードが選択されると、全部の発光素子61が点灯状態となるように動作し、面状の発光部から光が照射される。また、補助点灯モードが選択されると、特定の発光素子61A、つまり、特定の2個の発光素子61Aのみが点灯し、点状の光源の常夜灯として機能する。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果に加え、電気的補助部品を複数の発光素子61が実装された基板62と同一基板に実装するようにしたので、電気的補助部品から導出されるリード線等を省略又はその配線長を短くすることが可能で、構成の簡素化を実現できる。
【0065】
なお、上記第2の実施形態においては、補助点灯モードが選択されたとき、特定の発光素子61Aが点灯し常夜灯として機能する場合について説明したが、次のような実施形態によっても所期の目的を達成することができる。
【0066】
例えば、発光部が調光できるようになっており、つまり、発光素子61が調光点灯できるようになっており、一定の調光度までは、全部の発光素子61が減光された状態で点灯する。そして、さらに連続的に調光度を深くしていくと、これに従い、外周部に配置された発光素子61から中央部に配置された発光素子61の方向に向かって、減光が伴って消灯されていく状態となる。
【0067】
したがって、中央部方向に配置された発光素子61、すなわち、複数の発光素子61のうち、その一部を減光された状態で点灯することができ、この状態で常夜灯として機能させることが可能となる。この場合、全部の発光素子61が点灯された状態から一部の発光素子61が点灯する状態に動作させる手段がモード切換手段となる。
【0068】
さらに、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、発光素子は、LEDや有機EL等の固体発光素子が適用できる。また、発光素子の個数は、特段限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
1・・・器具本体、2・・・点灯装置、3・・・反射板、5・・・アダプタガイド、
4・・・シャーシ、6・・・光源部、7・・・導光板、8・・・補助部品ユニット、
9・・・本体枠、10・・・カバー部材、29・・・モード切換手段、
61・・・発光素子、61A・・・特定の発光素子(補助光源)、62・・・基板、
72・・・光入射端面、84・・・赤外線リモコン信号受信部、
R・・・赤外線リモコン送信器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、この複数の発光素子が実装された基板とを備えた光源部と;
前記複数の発光素子を点灯する通常点灯モード又は前記複数の発光素子のうち、一部を点灯する補助点灯モードに選択的に切換え可能なモード切換手段と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記複数の発光素子が実装された基板には、電気的補助部品が実装されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項1】
複数の発光素子と、この複数の発光素子が実装された基板とを備えた光源部と;
前記複数の発光素子を点灯する通常点灯モード又は前記複数の発光素子のうち、一部を点灯する補助点灯モードに選択的に切換え可能なモード切換手段と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記複数の発光素子が実装された基板には、電気的補助部品が実装されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−59573(P2012−59573A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202303(P2010−202303)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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