説明

照明灯制御回路

【課題】複数の照明灯に対して過負荷状態が生じた時に、電源供給ラインを遮断することで照明灯の保護を図る。
【解決手段】電源供給ライン中に設けられた並列路のそれぞれに介設された照明灯10a、…10nへの電力供給を制御するスイッチング素子121a、…121nを含むスイッチング制御回路12a、…12nを備えた照明灯制御回路1において、各並列路を流れる電流を検出する個別電流センサ21a…21nと、個別電流センサ21a…21nの検出電流を加算する加算回路22と、加算回路22の出力を平滑する電流検出回路23と、電流検出回路23で検出された検出電流値と所定の閾値とを比較する比較回路24と、比較の結果、検出電流値が所定の閾値を超えると、スイッチング素子121a、…121nをオフ状態に切り換える切換信号を出力する保護回路27とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源供給ライン中に設けられた並列路のそれぞれに介設された照明灯への電力供給を制御する照明灯制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、位相制御により照明灯への供給電力をスイッチングするスイッチ素子等の回路構成部品の発熱状態を温度センサで検出し、検出温度が異常レベルに達すると照明灯への電力供給を停止(消灯)する保護回路が一般的に知られている。また、特許文献1には、温度センサに代えて、白熱球を流れる電流を検出する電流検出回路を設け、検出電流から過電流状態にあると判断したとき、位相制御量を調整して過電流を緩和させる過負荷検出装置が提案されている。
【特許文献1】特開平8−111931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の温度センサを用いる態様の場合、使用場所等の環境温度によって検出温度にばらつきが発生することが考えられることから、照明灯の安定保護には一定の限界がある。また、特許文献1の過負荷検出装置は、電源電圧と負荷電流とのレベル関係を検出して位相制御量を調整することで過負荷状態をより適正に緩和させるものであるが、位相制御による調整に関するものであり、かつ複数の白熱球に対して一体として位相制御を行っているものである。また、配線施工が適切でなかった場合や負荷の誤使用がある場合に、過度な位相制御状態が継続される可能性があり、負荷や回路を劣化させる虞がある。
【0004】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、複数の照明灯に対して過負荷状態が生じた時に、電源供給ラインを遮断することで照明灯の保護を図る照明灯用過負荷保護回路を提供するものである。また、各照明灯について過負荷状態が生じた時に、電源供給ラインを遮断する照明灯用過負荷保護回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、電源供給ライン中に設けられた並列路のそれぞれに介設された照明灯への供給電力を制御するスイッチング素子を含むスイッチング制御回路を前記各並列路に備えた照明灯制御回路において、前記各並列路を流れる電流を検出する個別電流センサと、前記個別電流センサの検出電流を加算する加算回路と、前記加算回路からの加算出力を平滑する電流検出回路と、前記電流検出回路で平滑された電流値と所定の閾値とを比較する比較回路と、前記比較の結果、前記検出電流値が前記所定の閾値を超えると、前記スイッチング素子を全てオフ状態に切り換える切換信号を出力する保護回路とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
この発明によれば、並列路の各照明灯には電源供給ラインから電力が供給されて点灯される。電源供給ラインの各並列路は各スイッチング素子でスイッチングされることで、例えば交流電源にあっては位相制御され、あるいは交流、直流を問わず間歇的に制御された電力が各照明灯に供給され、用途に応じた調光器として、あるいは点滅器として機能する。個別電流センサで、並列路を流れる各電流が検出され、加算回路からの加算出力が電流検出回路で平滑される。比較回路で平滑された検出電流値と所定の閾値とが比較される。すなわち、照明灯全体に対する過負荷か否かの検出が行われる。そして、比較の結果、検出電流値が所定の閾値を超えると、保護回路によって、スイッチング素子を全てオフ状態に切り換える切換信号が出力される。従って、照明灯全体に対する検出電流値が所定の閾値を超えるような過負荷状態が検出されると、電源供給が、その後停止されるので、照明灯の一括的かつ効果的な保護が図れる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明灯制御回路において、前記個別電流センサの検出電流をそれぞれ平滑する個別電流検出回路と、前記個別電流検出回路で検出された個別検出電流値と所定の個別閾値とをそれぞれ比較する個別比較回路とを備え、前記保護回路は、前記個別比較の結果、前記個別検出電流値が前記所定の個別閾値を超えると、前記スイッチング素子を全てオフ状態に切り換える切換信号を出力するものであることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、個別比較回路によって、各照明灯に対する過負荷状態の有無の検出が行われ、各照明灯の過負荷に対して一括で電源供給を停止するようにしたので、正常な照明灯に対する保護が可能となる。また、一括で検出する態様では、異なる照明灯について過負荷と低負荷という異常が混在したような場合に、負荷電流が相殺されて過負荷が検出されない虞があるが、個別検出を併用することで、かかる不具合に対しても効果的に対処可能となる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の照明灯制御回路において、前記切換信号の出力の有無に応じた報知を行う報知回路を備えたことを特徴とする。この構成によれば、照明灯が消灯している場合に、過負荷検出によって消灯したのか、あるいはマニュアル操作によって例えばメインスイッチをオフ(遮断に)したことで消灯状態にあるのかが識別可能に報知される。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、照明灯全体に対する検出電流値が所定の閾値を超えるような過負荷状態を検出すると、電源供給を、その後停止するので、照明灯の一括的かつ効果的な保護を図ることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、同時に、各照明灯に対する過負荷状態の有無の検出を行い、各照明灯の過負荷に対しても一括で電源供給を停止するようにしたので、正常な照明灯に対する保護が可能となる。また、一括で検出する態様では、異なる照明灯について過負荷と低負荷という異常が混在したような場合に、負荷電流が相殺されて過負荷が検出されない虞があるが、個別検出を併用することで、かかる不具合に対しても効果的に対処可能となる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、照明灯が消灯している場合に、過負荷検出によって消灯したのか、あるいはマニュアル操作によって例えばメインスイッチをオフ(遮断に)したことで消灯状態にあるのかが識別可能に報知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明に係る照明灯制御回路の一実施形態を示す全体ブロック図である。照明灯制御回路1は、端子P1,P2間の電源供給ライン中に設けられた並列路に介設される白熱灯又は放電灯等の照明灯10(10a、10b、…10n)を点灯制御するための回路で、前記並列路毎にスイッチング制御回路12(12a、12b、…12n)を備えている。照明灯10のそれぞれは、並列路に図略のソケット乃至はコネクタ等を介して着脱可能に接続される。また、照明灯制御回路1は、電源供給ラインの端子P1,P2がメインスイッチ11を介設して商用電源13にソケット等で接続可能にされている。
【0014】
スイッチング制御回路12a〜12nは、同一構成を有するもので、照明灯10a…10nが接続される並列路にそれぞれ介設されている。スイッチング制御回路12は、照明灯10を調光器として使用する態様と、点滅器として使用する態様とで動作が異なる。調光器として使用する態様の場合、トライアック素子等からなるスイッチング素子121を有し、オンオフタイミングを商用電源の交流を位相制御によって調整することで供給電力を調整し、対応する照明灯の設定光量を出力する、特開平8−111931号公報に示すようなスイッチング制御回路が用いられる。点滅器として使用する態様では、間歇的に対応する照明灯10を点滅させるべく、前記トライアック素子や一般的なスイッチング素子が採用可能である。スイッチング素子121がトライアックである場合、商用電源13の半サイクル毎について、そのゲート端子にハイレベルのトリガ電圧が印加されるタイミングでオンされる。また、ローレベルのトリガ電圧が印加されるとオフするものである。
【0015】
電源回路14は、電解コンデンサ等から構成され、商用電源13から所要電圧レベルの電源(例えば5ボルト)を作成し、スイッチング制御回路12その他の回路部に必要な電源(図2の電源e1,e2等)を供給するものである。
【0016】
照明灯10の過負荷状態を検出し、保護を図る回路は、個別電流センサ21、加算回路22、電流検出回路23、比較回路24、個別電流検出回路25、個別比較回路24、及び保護回路27で構成されている。報知回路28は、照明灯制御回路1を構成する筐体の適所に配設され、負荷状態を報知するものである。
【0017】
個別電流センサ21a…21nは、同一構成を有するもので、照明灯10a…10nが接続される並列路に介設されている。加算回路22は、個別電流センサ21a…21nでの検出電流を実質的に加算(重畳)するものである。
【0018】
電流検出回路23は、加算回路22で加算された検出電流を対応する電圧に変換し、さらに平滑して出力するものである。比較回路24は、電流検出回路23からの検出電流値である、平滑された出力電圧と予め設定された閾値とを比較し、出力電圧が予め設定された閾値を超えている時に、過負荷と見なして異常信号を生成するものである。保護回路27は、比較回路24から異常信号が入力されると、スイッチング制御回路12a〜12nのスイッチング素子121a〜121nを強制的にオフ状態に切り換える切換信号を出力するものである。この切換信号は、後述するように、一旦生成されると、電源回路14がオフ、すなわちメインスイッチ11が遮断されるまで持続される。
【0019】
個別電流検出回路25a…25nは、同一構成を有するもので、個別電流センサ21a…21nからの各検出出力を平滑して検出電流値として出力するものである。個別比較回路26a…26nは、同一構成を有するもので、個別電流検出回路25a…25nに対応して設けられ、個別電流検出回路25a…25nからの検出電流値としての、平滑された出力電圧と予め設定された各個別閾値とを比較し、出力電圧が予め設定された個別閾値を超えている時に異常信号を生成し、保護回路27に出力するものである。
【0020】
保護回路27は、個別比較回路26a…26nから異常信号が入力されると、スイッチング制御回路12a〜12nの全てのスイッチング素子121a〜121nを強制的にオフ状態に切り換える切換信号を出力するものである。
【0021】
図2は、個別電流センサ21〜保護回路27までの具体例を示す回路図である。個別電流センサ21a〜21n、個別電流検出回路25a〜25n、及び個別比較回路26a〜26nはそれぞれ同一構成を有するので、ここでは、個別電流センサ21a、個別電流検出回路25a、及び個別比較回路26aについて説明する。
【0022】
個別電流センサ21aは、一次コイルを流れる電流のレベルに対応した電流を二次コイルに誘起する絶縁型のカレントトランス211aと、ダイオードブリッジからなる全波整流回路212aと、抵抗回路213aとで構成されている。なお、個別電流センサ21aと個別電流検出回路25aとの間には、電圧フォロア用のオペアンプOP1aがそれぞれ介設されている。
【0023】
個別電流検出回路25aは、オペアンプOP1aからなるバッファの出力側に、スイッチング素子121aのオンオフによるスイッチングタイミングで生じる突入電流を吸収するノイズ除去及び検出出力を平滑するCR型の積分回路251aを備えている。
【0024】
個別比較回路26aは、オペアンプOP2aと基準電圧回路261aとで構成され、オペアンプOP2aの非反転入力端子に個別電流検出回路25aの積分回路251aの出力電圧が入力され、反転入力端子に基準電圧回路261aの個別基準電圧が閾値として入力されている。個別比較回路26aは、基準電圧回路261aの積分回路251aの出力電圧が個別基準電圧以下である(正常動作)の期間、ローレベル信号を出力し、一方、基準電圧回路261aの積分回路251aの出力電圧が個別基準電圧を超える(過負荷の)期間、ハイレベル信号を出力するものである。
【0025】
保護回路27は、互いのベースが他方のコレクタに接続されたトランジスタQ1,Q2と、抵抗R0及びノイズ除去用のコンデンサC0とで構成されている。コンデンサC0は、一端が、抵抗R0を介して個別比較回路26a〜26n及び後述するように比較回路24と、トランジスタQ1のコレクタと、トランジスタQ2のベースとに接続され、他端が接地されている。トランジスタQ1のエミッタは電源e1及びスイッチング制御回路12a〜12nのスイッチング素子121a〜121nのゲートに接続されている。トランジスタQ2のエミッタは接地されている。
【0026】
ここで、保護回路27の動作を説明する。照明灯10a〜10nが正常負荷として動作している場合、すなわち個別比較回路26a〜26nがローレベルを出力している時は、トランジスタQ2のベースはローレベルであり、そのためトランジスタQ2はオフ状態に維持される。また、トランジスタQ1のベースは、トランジスタQ2のコレクタがハイレベルに維持されているため、オフ状態とされている。従って、スイッチング制御回路12a〜12nのスイッチング素子121a〜121nのゲートは電源e2の電圧が印加されるので、スイッチング制御回路12a〜12nは、内部の図略の位相制御回路部によって各照明灯10a〜10nの制御を行う。すなわち、この間は、スイッチング制御回路12a〜12nの図略の位相制御回路部からのハイ、ロー信号により商用電源13に対する周期的な位相制御が実行されている。
【0027】
一方、照明灯10a〜10nの少なくとも1個が過負荷状態になった場合、例えば照明灯10aが過負荷状態になった場合、すなわち個別比較回路26aがハイレベルを出力すると、トランジスタQ2のベースはハイレベルとなり、そのためトランジスタQ2はオフ状態からオンに切り換えられる。すると、トランジスタQ1のベースは、トランジスタQ2のコレクタがローレベルに切り換えられるため、オフ状態からオンへと切り換えられる。従って、スイッチング制御回路12a〜12nのスイッチング素子121a〜121nのゲートには電源e2の電圧が印加されなくなって、ローレベルとなるので、オフ状態に切り換えられる。そして、トランジスタQ1,Q2がいずれもオンすることで、個別比較回路24aが、後にロー状態に戻ったとしても、トランジスタQ2をオンさせ続けることになる。この結果、保護回路27は一旦、過負荷状態を検知すると、切換信号の出力状態が保持され(ラッチされ)、商用電源13からの照明灯10a〜10nへの電力供給が停止状態とされる。従って、保護回路7は、メインスイッチ11がマニュアルで遮断操作されて初期状態に戻されるまで、すなわち電源回路14からの供給電源がなくなるまでラッチ状態が維持される。
【0028】
報知回路28は、電源e1とアース間に直列接続されたフォトダイオード等の発光素子Ph1と発光素子Ph2とを有する。また、発光素子Ph1と発光素子Ph2との接続点には、電流制限抵抗を介して電源e2が印加されている。報知回路28は、照明灯10a〜10nが正常負荷状態では、トランジスタQ1のエミッタがハイレベルにあるので、発光素子Ph2が発光し、一方、照明灯10a〜10nの少なくとも1個が過負荷状態である場合には、トランジスタQ1のエミッタがローレベルにあるので、発光素子Ph1が発光する。従って、発光素子Ph1として赤色の発光色(異常報知)を有するものを採用し、発光素子Ph2として青色の発光色(正常報知)を有するものを採用することで、負荷状態の正常異常を識別可能に報知することが可能となる。このように、照明灯10全体の過負荷状態に対する保護を一括して行うようにしたので、一部に異常な照明灯があったり、照明灯10以外の部位に異常があって過負荷が検出されている場合に、正常な照明灯の劣化進行等の防止が可能となる。
【0029】
次に、放電灯10の全体としての負荷状態に対する制御のための構成を説明する。
【0030】
加算回路22は、実質的に個別電流センサ21a、21b、〜21nの出力電流を加算するべく、本実施形態ではオペアンプOP1a〜OP1nの出力端をそれぞれ抵抗Ra〜Rnを介して結線してなるものである。加算回路22によって、個別電流センサ21a、21b、〜21nからの出力電流が加算(重畳)される。電流検出回路23は、オペアンプOP3からなるバッファと、スイッチング素子121のオンオフによるスイッチングタイミングで生じる突入電流を吸収するノイズ除去及び検出出力を平滑するCR型の積分回路231とで構成されている。
【0031】
比較回路24は、オペアンプOP4と基準電圧回路241とで構成され、オペアンプOP4の非反転入力端子に電流検出回路23の積分回路231の出力電圧が入力され、反転入力端子に基準電圧回路241の基準電圧が閾値として入力されている。比較回路24は、電流検出回路23の積分回路231の出力電圧が基準電圧以下である(正常動作)の期間、ローレベル信号を出力し、一方、電流検出回路23の積分回路231の出力電圧が基準電圧を超える(過負荷の)期間、ハイレベル信号を出力するものである。
【0032】
比較回路24によって制御される保護回路27は、前述したように、個別比較回路26a〜26nの場合と同様である。すなわち、照明灯10が全体として正常負荷として動作している場合、すなわち比較回路24がローレベルを出力している時は、放電灯10a〜10nは、スイッチング制御回路12の図略の位相制御回路部によって動作させられる。一方、照明灯10が全体として過負荷状態になった場合、すなわち比較回路24がハイレベルを出力すると、スイッチング制御回路12a〜12nのスイッチング素子121a〜121nはオフ状態に切り換えられる。そして、保護回路27は一旦、過負荷状態を検知すると、切換信号の出力状態が保持され(ラッチされ)、商用電源13からの照明灯10a〜10nへの電力供給が停止状態とされる。従って、保護回路27は、メインスイッチ11がマニュアルで遮断操作されて初期状態に戻されるまで、すなわち電源回路14からの供給電源がなくなるまでラッチ状態が維持される。このように、照明灯10a〜10nの全体としての過負荷状態に対する保護に加えて、照明灯10a〜10nの個々に対する過負荷状態の検知に対しても同様に保護を行うようにしたので、保護の一層の強化が図れる。
【0033】
図3は、個別電流センサ21’〜個別比較回路26’までの他の具体例を示す回路図である。なお、その他の構成は、図1、図2と同一である。
【0034】
この回路例では、個別電流センサ21a’として、絶縁型のホール素子が採用されている。ホール素子は内部に形成した磁界に直交する方向に商用電源13からの負荷電流を流し、その電流レベルに対応した電子の進行偏向量によって生じる(ホール効果による)電圧差を検出信号として出力するものである。加算回路22’は個別電流センサ21a’〜21n’の出力線を結線したものである。
【0035】
個別電流検出回路25a’〜25n ’は、同一構成を有する。個別電流検出回路25a’は、オペアンプOP1a’を介して、スイッチング素子121a〜121nによるスイッチングノイズ吸収用及び検出電流の平滑を行うCR型の積分回路251a’を有する。個別比較回路26a’〜26n’は、同一構成を有する。個別比較回路26a’は、非反転入力端子の電位と反転入力端子の基準電圧回路261a’の個部電圧(閾値)との差分を所定の増幅度で増幅し、ハイ、ローの2値のいずれかのレベル出力を生成するオペアンプOP2a’で構成されている。
【0036】
また、電流検出回路23’、比較回路24’は個別電流検出回路25’、個別比較回路26’と同一構成である。異なる点は、比較回路24’における閾値が照明灯10全体における正常と過負荷の閾値レベルに設定されている点である。
【0037】
なお、本発明は、以下の回路構成が採用可能である。
【0038】
(1)本実施形態では、スイッチング素子としてトライアックを採用した例で説明したが、これに限定されず、サイリスタやパワートランジスタ、リレーを採用してもよい。
【0039】
(2)本実施形態では、保護回路27として2個のトランジスタを用いてラッチ動作を行うようにした回路を採用したが、これに限定されずサイリスタ等でもよく、また論理型のラッチ回路を採用してもよい。
【0040】
(3)図1では、照明灯10を比較回路24で保護する回路と、個別比較回路26’で個別に保護する回路とを含めたものとし、個別電流センサ21の回路部を兼用タイプとしたが、電源供給ラインの電流レベルを検出して照明灯10を一括で保護する回路のみの場合には、照明灯10a、10b、…10nの各並列路に介設する態様に代えて、電源供給ラインに電流センサを1個配設する構成にして回路の簡素化を図ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る照明灯制御回路の一実施形態を示す全体ブロック図である。
【図2】個別電流センサ〜保護回路までの具体例を示す回路図である。
【図3】個別電流センサ〜比較回路までの他の具体例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0042】
1 照明灯制御回路
10,10a、…10n 照明灯
11 メインスイッチ
12,12a、…12n スイッチング制御回路
121,121a、…121n スイッチング素子
13 商用電源(電源)
14 電源回路
21,21’,21a〜21n 個別電流センサ
22,22’ 加算回路
23,23’ 電流検出回路
24,24’ 比較回路
25,25a〜25n,25’,25a’〜25n’ 個別電流検出回路
26,26a〜26n,26’,26a’〜26n’ 個別比較回路
27 保護回路
28 報知回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給ライン中に設けられた並列路のそれぞれに介設された照明灯への供給電力を制御するスイッチング素子を含むスイッチング制御回路を前記各並列路に備えた照明灯制御回路において、
前記各並列路を流れる電流を検出する個別電流センサと、前記個別電流センサの検出電流を加算する加算回路と、前記加算回路からの加算出力を平滑する電流検出回路と、前記電流検出回路で平滑された電流値と所定の閾値とを比較する比較回路と、前記比較の結果、前記検出電流値が前記所定の閾値を超えると、前記スイッチング素子を全てオフ状態に切り換える切換信号を出力する保護回路とを備えたことを特徴とする照明灯制御回路。
【請求項2】
前記個別電流センサの検出電流をそれぞれ平滑する個別電流検出回路と、前記個別電流検出回路で検出された個別検出電流値と所定の個別閾値とをそれぞれ比較する個別比較回路とを備え、前記保護回路は、前記個別比較の結果、前記個別検出電流値が前記所定の個別閾値を超えると、前記スイッチング素子を全てオフ状態に切り換える切換信号を出力するものであることを特徴とする請求項1記載の照明灯制御回路。
【請求項3】
前記切換信号の出力の有無に応じた報知を行う報知回路を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明灯制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−35320(P2010−35320A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194322(P2008−194322)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)
【Fターム(参考)】