説明

照明装置およびこれを備えた投写型表示装置

【課題】光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置およびそれを備えた投写表示装置を提供する。
【解決手段】ショートアーク型放電ランプ4と、光束を集めて一方向へ導く反射鏡5を備え、光束を複数の部分光束に分割し、部分光束の各々を所定の距離だけ離れた位置で収束させる第1レンズアレイ8と、重畳して照射させる第2レンズアレイ9と光束からの光の強度分布を均一化させるコンデンサーレンズ11を備えた照明装置であって、ショートアーク型放電ランプ4と反射鏡5が光射出方向である光軸上に相対的に平行移動可能な摺動部27を備えた構成をとることで、反射鏡5の焦点からショートアーク型放電ランプ4の輝点位置をずらすことで、光の集光量を可変して射出する光量を調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショートアーク型放電ランプを用いた照明装置およびこれを備えた投写型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空間光変調素子を用いた投写表示装置は、液晶表示素子などの空間光変調素子を照明する光に映像信号に応じた光変調を与え、変調された変調光を拡大投影するものである。投写表示装置として高輝度が望まれるため、光源にメタルハライド、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ等の高輝度な放電ランプが適用されている。
【0003】
このようなシステムにおいて、近年、画質向上の目的で、平均輝度レベルに応じて、光源からの光量を制御することによって、画像のコントラストを高める方法である、メカアイリスなどのような光学絞り機構による光量調節の技術が提案されている。光学絞りにより光量調節するものについては、たとえば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2007−183450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、次の課題を有し対策を考慮する必要が生じる。
・ 光源光の熱に対する絞り機構の信頼性確保
・ 絞り機構に対する反射光による光源自体の熱に対する信頼性の確保
・ 音の対策
そこで、メカアイリスなどのような光学絞り機構を使わないで、光源自体で光量調節を行うための技術が必要である。
【0005】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、光源光の熱に対する絞り機構の信頼性の確保と絞り機構に対する反射光による光源自体の熱に対する信頼性の確保と音の対策を光源自体による光量調節することにより実現した照明装置およびこれを備えた投写型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明に係わる照明装置は、光束を射出する光源と、前記光束を集めて一方向へ導く反射鏡を備え、前記光源から射出された前記光束を、複数の部分光束に分割するとともに、前記部分光束の各々を所定の距離だけ離れた位置で収束させる第1のレンズアレイと、前記部分光束が収束する位置の近傍に備えられ、前記部分光束の各々を前記光変調装置に重畳して照射させる第2のレンズアレイと、前記部分光束が収束する位置の近傍で前記部分光束を入射し、前記光束からの光の強度分布を空間光変調素子上にて均一化させるコンデンサーレンズを備えた照明装置であって、前記光源と光を集める前記反射鏡が光射出方向である略光軸上に相対的に略平行移動可能な摺動部を備えた構成をとり、前記反射鏡の焦点から前記光源の位置をずらすことで、光の集光量を可変して射出する光量を調節することを特徴としたものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記光源はショートアーク型放電ランプなどの略点光源を有した高輝度の光源を用いることを特徴としたものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記光源と反射鏡の相対位置を外部信号により、任意に移動させることのできる駆動部を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記光源と反射鏡の相対位置を移動させる移動距離について制御可能な回路を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記光源と反射鏡の相対位置を移動させる駆動部を前記光源と反射鏡から分離し、独立した箇所へ配置したことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5の照明装置を備えたことを特徴とする投写型表示装置であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の照明装置およびこれを備えた投写表示装置によれば、光源光の熱に対する絞り機構の信頼性の確保と絞り機構に対する反射光による光源自体の熱に対する信頼性の確保と遮光のための絞り機構の駆動の音の対策を実現した光源自体による光量調節を可能とする照明装置およびそれを備えた投写表示装置を提供することができる。
【0013】
一方、光量調節の方法として、光源の出力を変化させ発光量を調節する方法が考えられるが、この方法の課題としてショートアーク型放電ランプは出力可変で発生する色特性の変化の課題や放電を維持するために必要な電力を上回って調節できないので、調節できる光量の幅の制限がある課題に対しても、本発明の照明装置およびこれを備えた投写表示装置によれば色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節する効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の照明装置およびそれを備えた投写装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0015】
なお、光射出方向とは、ショートアーク型放電ランプ4から射出する光が反射鏡5やレンズ8や9などによって調整された進行方向をいい、本実施形態においてはショートアーク型放電ランプ4から開口部へ向かい方向(一点鎖線7矢印)を示すものとして、以下の説明を行う。
【0016】
(実施の形態1)
図1から図3に、本発明の第1の実施の形態における照明装置およびそれを備えた投写表示装置の図を示す。
【0017】
ランプユニット3は、80W〜300Wの電力を印加することにより発光する光源であって、図3に示すように、放電発光するショートアーク型放電ランプ4と発した光を集め一方向へ送り出す反射鏡5とを有している。ショートアーク型放電ランプ4は内部に水銀蒸気が封入された発光管で対向した電極を有し、電極間で放電しアークを形成する。このアークが輝点となる。放電発光する光は紫外領域から赤外領域まで波長成分を含んでいる。反射鏡5はショートアーク型放電ランプ4の輝点を焦点に配置し、回りを覆うように配置される。
【0018】
第1レンズアレイ8と第2レンズアレイ9はランプユニット3から照射される光を照射面方向において均一化するための光学系の部品である。第1レンズアレイ8はランプユニット3の光射出側に配置されており、複数の矩形上の微小レンズがアレイ状に配置されている。
【0019】
第2レンズアレイ9は第1レンズアレイ8の焦点位置近傍に配置されており、第1レンズアレイ8に対応した矩形状の微小レンズを有している。
【0020】
偏光変換素子10は図2に示すように、光射出方向における第2レンズアレイ9の直下流側に隣接して配置されており、入射する光の偏光成分を揃えて一方向の直線偏光成分に変換する。
【0021】
コンデンサーレンズ11は図2に示すように、偏光変換素子10により偏光面が統一された直線偏光成分を液晶表示バルブなどの空間光変調素子に導くレンズであって、偏光変換素子10の光射出方向における直下流側に配置されている。そして、第1レンズアレイ8に生成されている微小レンズの矩形形状の像を照明対象である、たとえば空間光変調素子である液晶表示素子18に重畳して結像させる。
【0022】
色の分離について説明すると、まず、R光の挙動として第1ダイクロイックミラー14、第2ダイクロイックミラー16はショートアーク型放電ランプから放射され、導かれた光を波長選択し、分離する働きを有している。その構成配置を図1に示す。コンデンサーレンズ11からの光は、第1ダイクロイックミラー14に入射する。第1ダイクロイックミラーはR光を反射させ、G光およびB光を透過させる。反射光Rは第1ダイクロイックミラー14と反射ミラー15のそれぞれで光路を略90度折り曲げられR光用フィールドレンズ19Rへ入射する。R光用フィールドレンズ19Rは反射ミラー15からのR光を平行化し、R光用液晶表示素子18Rへ入射する。R光用液晶表示素子18Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。R光用液晶表示素子18Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム20へ入射する。
【0023】
G光の挙動としては第1ダイクロイックミラー14を透過したG光およびB光は、第2ダイクロイックミラー16へ入射する。第2ダイクロイックミラーは、G光を反射させ、B光を透過させる。第2ダイクロイックミラー16で反射されたG光は、第2ダイクロイックミラー16で光路を略90度折り曲げられ、G光用フィールドレンズ19Gへ入射する。G光用フィールドレンズ19Gは、第2ダイクロイックミラー16からのG光を平行化し、G光用液晶表紙素子19Gへ入射させる。G光用液晶表示素子19はG光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。G光用液晶表示素子19Gで変調されたG光は、R光とは異なる側からクロスダイクロイックプリズム20へ入射する。
【0024】
B光の挙動としては第2ダイクロイックミラー16を透過したB光は2枚のリレーレンズ17および2枚の反射ミラー15を経由して、B用フィールドレンズ19Bへ入射する。B光の光路は、R光の光路およびG光の光路よりも長い。液晶表示素子における照明倍率を他の色光と等しくするために、B光の光路には、リレーレンズ17を用いるリレー光学系が採用されている、B光用フィールドレンズ19Bは、反射ミラー15からのB光を平行化し、B光用液晶表示素子18Bへ入射させる。B光用液晶表示素子18BはB光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。B光用液晶表示素子18Bで変調されたB光は、R光および、G光とは異なる側からクロスダイクロイックプリズム20に入射する。
【0025】
画像の合成について説明すると、クロスダイクロイックプリズム20は、互いに略直交するように配置された2つのダイクロイック膜を有しており、前記R光、B光が中心部にて略90度に折り曲げられる。G光は直進する。このとき、R光とG光とB光は合成され、クロスダイクロイックプリズム20の前記R光、G光、B光が入射しなかった側の面から、合成光が投写レンズ13の方向へ射出する。
【0026】
画像の投写について説明すると、投写レンズ13に入射した合成光は投写レンズにて所定の位置に配置された不図示のスクリーンへ拡大投写される。
[本照明装置およびこれを備えた投写型表示装置の特徴]
本実施形態の照明装置22においては図2および図3にて説明する。
【0027】
図3に示すように、光束を射出する光源であるショートアーク型放電ランプ4を射出された光束を集めて一方向へ導き出す反射鏡5に保持する結合部に口金A22および口金B23からなる部品で構成され、口金A22および口金B23を介在し保持することによりショートアーク型放電ランプ4の輝点を反射鏡5の焦点からずらすことができる。
【0028】
口金B23とショートアーク型放電ランプ4は接着剤25で固定されている。口金B23と口金A22は機械加工された精度のある面を備え、たとえばステンレスなどの金属素材を用いる。また、耐熱潤滑性を有した材質でたとえばフッ素樹脂などの素材で表面処理されている。口金A22と口金B23は同芯にある。また、コイルばね24にて口金B23は口金A22に対して光軸7の光射出と略逆向きに張力がかけられている。口金A22は反射鏡5に対して接着材25にて固定されている。この部分が幾何公差のばらつきを吸収する部位になり、ショートアーク型ランプ4の輝点と反射鏡焦点6とを光軸上の同芯に位置を合わせることができる。このように、反射鏡5の焦点位置に配置されたショートアーク型放電ランプ4の略点光源の輝点を光軸上に移動することができ、ショートアーク型放電ランプ4が略点光源であるがゆえに、輝点移動量と照射光量変化の関係はたとえば、図4のようすることができ、ショートアーク型放電ランプ4と反射鏡5の光軸上に相対的に略平行移動可能な摺動部27を備えた構成をとり、前記反射鏡の焦点から前記光源の位置をずらすことで、光の集光量を可変して射出する光量を調節することができる。また、これは照明光学設計により特性を変えることができる。
【0029】
前記摺動部には、駆動系モーターを用いて実現する。このモーターには、例えばリニアモーターや、DCモーター、ステッピングモーター、VCMモーターを用いても良い。
【0030】
尚、このモーターを制御する回路として、ホール素子、エンコーダー等の位置認識センサーを持った制御回路も必要になってくる。
【0031】
以上のように、上記実施形態に係る照明装置およびこれを備えた投写型表示装置によれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置および、コントラストを向上した投写型表示装置を提供することができる。
【0032】
ランプユニット3は前記反射鏡5とショートアーク型放電ランプ4と口金A22と口金B23と不図示のケースと不図示の電気的接続子により構成され、メンテナンス上の都合に配慮され、ユニットで交換ができる。
【0033】
また、本実施形態の照明装置22について図2に示すように前記のショートアーク型ランプ4の輝点を反射鏡焦点6から光軸上に位置をずらす手段として、駆動部であるアクチュエータ1をランプユニット3と分離し、ランプハウス2に構成される。このアクチュエータ1はたとえばリニアモータのように直動するものである。
【0034】
以上により、ランプユニットの交換がなされても、駆動部を個別に用意しなくてよく、不要にコストの上昇を抑えることができる。
【0035】
アクチュエータ1はアクチュエータ1の突き出し部と口金B23の接点にて、基準位置補正できる機能を有している。
【0036】
以上により、ランプユニットが交換されても、個体のばらつきをキャンセルすることができ、目的の光量を調節することができる。
【0037】
移動量についてはあらかじめ設定された不図示の制御系により任意に制御される。
【0038】
以上により、外部信号により適時適量を任意にアクチュエータの移動量で制御することができ、目的の光量を調節することができ、画像信号に適した照明の光量を調節でき、コントラストを向上することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
(実施の形態2)
図5に示すように、上記実施形態の照明装置およびこれを備えた投写型表示装置では、アクチュエータ1はランプハウスに配置された例(図2)を挙げて説明したが、例えば、ランプユニットに配置されてもよい。図5では、アクチュエータ1をランプユニットに配置した例を示している。
【0040】
以上のように、上記実施形態に係る照明装置およびこれを備えた投写型表示装置によれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置および、コントラストを向上した投写型表示装置を提供することができる。
【0041】
(実施の形態3)
図6に示すように、上記実施形態の照明装置およびこれを備えた投写型表示装置では、アクチュエータ1はリニアモータを例(図2)に取り図示し説明したが、例えば、カム機構と回転モータ28で構成してもよい。図6では、カム機構と回転モータ28を構成した例を示している。
【0042】
以上のように、上記実施形態に係る照明装置およびこれを備えた投写型表示装置によれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置および、コントラストを向上した投写型表示装置を提供することができる。
【0043】
(実施の形態4)
図7に示すように、上記実施形態で説明した照明装置およびこれを備えた投写型表示装置は三板式液晶プロジェクタとして説明したが、透過型単板式液晶プロジェクタでも可能である。図7を用いて説明すれば以下の通りである。
【0044】
単板式液晶プロジェクタは照明装置1によって照明される透過型液晶表示素子31と、変調光を拡大投影する投写レンズ13と、透過型液晶表示素子31の光入射側と光出射側に偏光板30,32とを供えている。偏光板30と偏光板32とは互いに、その透過軸が
互いに直交する関係に配置されている。なお、照明装置については上記実施形態と同様の構成であるので、ここではその説明は省略する。
【0045】
ショートアーク型放電ランプ4より照射され、第1レンズアレイ8の微小レンズを透過した光は、対応する第2レンズアレイ9の微小レンズに入射する。そして、第2レンズアレイ9の各微小レンズを透過した光は、コンデンサーレンズ11によって照明対象である透過型液晶表示素子31上に微小レンズの矩形形状の像を結像する。この場合、一般に、微小レンズの矩形形状は透過型液晶表示素子31の表示領域の形状と相似形に形成される。透過型液晶表示素子31の前後には、透過軸を直交させた偏光板30,32が配置されているために、照明光のうち偏光板30の透過軸と一致した波面を有する直線偏光のみが、偏光板30を透過して透過型液晶表示素子31に達する。透過型液晶表示素子31に入射した光は、この透過型液晶表示素子31で映像信号に対応した光変調を受けて出射される。そして、直線偏光の照明光と波面が90°ずれた波面を有する変調光成分のみが偏光板32を透過することで、投射レンズ13によって図示しないスクリーン等に映像が拡大表示される。
【0046】
以上のように、上記実施形態に係る照明装置およびこれを備えた投写型表示装置によれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置および、コントラストを向上した単板式液晶プロジェクタを提供することができる。
【0047】
(実施の形態5)
図8に示すように、上記実施形態に係る照明装置を備えた単板式液晶プロジェクタ(投写型表示装置)について、反射型単板式液晶プロジェクタでもよい。図8を用いて説明すれば以下の通りである。
【0048】
単板式液晶プロジェクタは、照明装置と、不定偏光を直線偏光に変換する偏光ビームスプリッタ31と、偏光ビームスプリッタ31の透光面34aに面して配置した反射型液晶表示素子33と、偏光ビームスプリッタ31を通過した反射型液晶表示素子33からの変調光を拡大投影する投射レンズ35と、を備えている。なお、照明装置については上記実施形態と同様の構成であるので、ここではその説明は省略する。
【0049】
ショートアーク型放電ランプ4より照射され、第1レンズアレイ8の微小レンズを透過した光は、対応する第2レンズアレイ9の微小レンズに入射する。そして、第2レンズアレイ9の各微小レンズを透過した光は、コンデンサーレンズ11によって照明対象である透過型液晶表示素子31上に微小レンズの矩形形状の像を結像する。その際、照明光は偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34bにおいて、この偏光分離面34bの入射面に平行な波面を有するP偏光成分と、垂直な波面を有するS偏光成分とに分離される。反射型液晶表示素子33に入射したP偏光成分は、この反射型液晶表示素子33において映像信号に対応した光変調を受け出射する。この場合、反射型液晶表示素子33を出射する変調光のうちP偏光成分のみが偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34bを透過することで、投射レンズ35によって図示しないスクリーンに映像が拡大表示される。
【0050】
以上のように、上記実施形態に係る照明装置およびこれを備えた投写型表示装置によれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置および、コントラストを向上した単板式液晶プロジェクタを提供することができる。
【0051】
(実施の形態6)
図9に示すように、上記実施形態で説明した照明装置は三板式液晶プロジェクタとして説明したが、照明装置単体としても利用可能である。
【0052】
上記実施形態に係る照明装置を備えた照明装置によれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保し、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、射出する光量を大きく調節することのできる照明装置を提供することができる。
【0053】
(実施の形態7)
上記実施形態で説明したプロジェクタ装置をリアプロジェクション装置として利用することも可能である。上記実施形態に係る照明装置を備えた単板式液晶プロジェクタによれば、光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのでき、コントラストを向上したリアプロジェクションテレビを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明にかかる照明装置およびこれを備えた投写型表示装置は、光源の出力変化を行わないため光遮断により発生する不要光がもたらす熱による光学絞り機構や放電ランプや周辺部材への影響をなくし信頼性を確保しつつ、遮光のための絞り機構の駆動の音の対策がなされ、色特性の変化が少なく、射出する光量を大きく調節することのできる機能を有し、ショートアーク型放電ランプを用いた照明装置およびこれを備えた投写型表示装置などの用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1における照明装置およびそれを備えた投写表示装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1における照明装置の概略構成の拡大図
【図3】本発明の実施の形態1における照明装置のランプユニット概略構成の拡大図
【図4】輝点移動量と輝度変化の関係の説明図
【図5】本発明の実施の形態2における照明装置およびそれを備えた投写表示装置の概略構成図
【図6】本発明の実施の形態3における照明装置およびそれを備えた投写表示装置の概略構成図
【図7】本発明の実施の形態4における照明装置およびそれを備えた投写表示装置の概略構成図
【図8】本発明の実施の形態5における照明装置およびそれを備えた投写表示装置の概略構成図
【図9】本発明の実施の形態6における照明装置の概略構成図
【符号の説明】
【0056】
1 アクチュエータ
2 ランプハウス
3 ランプユニット
4 ショートアーク型放電ランプ
5 反射鏡
6 反射鏡焦点
7 光軸
8 第1レンズアレイ
9 第2レンズアレイ
10 偏光変換素子
11 コンデンサーレンズ
12 光学エンジン部
13 投写レンズ
14 第1ダイクロイックミラー
15 反射ミラー
16 第2ダイクロイックミラー
17 リレーレンズ
18 液晶表示素子
18R R 光用液晶表示素子
18G G 光用液晶表示素子
18B B 光用液晶表示素子
19R R 光用フィールドレンズ
19G G 光用フィールドレンズ
19B B 光用フィールドレンズ
20 クロスダイクロイックプリズム
21 照明装置
22 口金A
23 口金B
24 コイルばね
25 接着剤
26 摺動部潤滑材
27 摺動部
28 カム機構と回転モータ
29 アパーチャ
30 偏光板
31 透過型液晶表示素子
32 偏光板
33 反射型液晶表示素子
34 偏光ビームスプリッタ
34a 透光面
34b 偏光分離面
35 投写レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光束を射出する光源と、前記光束を集めて一方向へ導く反射鏡を備えて、前記光源から射出された前記光束を、複数の部分光束に分割するとともに、前記部分光束の各々を所定の距離だけ離れた位置で収束させる第1のレンズアレイと、前記部分光束が収束する位置の近傍に備えられ、前記部分光束の各々を所定の距離だけ離れた位置に重畳して光の強度分布を均一化する第2のレンズアレイと、コンデンサーレンズを備えた照明装置であって、前記光源と光を集める前記反射鏡が光射出方向である略光軸上に相対的に略平行移動可能な摺動部を備えた構成をとり、前記反射鏡の焦点から前記光源の位置をずらすことで、光の集光量を可変して射出する光量を調節することを特徴とした照明装置。
【請求項2】
前記光源はショートアーク型放電ランプなどの略点光源を有した高輝度の光源を用いることを特徴とした請求項1の照明装置。
【請求項3】
前記光源と反射鏡の相対位置を外部信号により、任意に移動させることのできる駆動部を備えたことを特徴とする請求項1の照明装置。
【請求項4】
前記光源と反射鏡の相対位置を移動させる移動距離について制御可能な回路を備えたことを特徴とする請求項3の照明装置。
【請求項5】
前記光源と反射鏡の相対位置を移動させる駆動部を前記光源と反射鏡から分離し、独立した箇所へ配置したことを特徴とする請求項3の照明装置。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5の照明装置を備えたことを特徴とする投写型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−205025(P2009−205025A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49084(P2008−49084)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】