照明装置
【課題】 本発明は、LEDなどの光源の数が少なくても種々の照明効果を有する照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の照明装置10は、光14を発する光源12と、前記光源12の発する光14の光路上に配置され、回折格子となる誘電体アンテナ22を設けた光透過性シート16と、を含むことである。光源12で発せられた光14は、光透過性シート16の誘電体アンテナ22によって分散され、高輝度の光点Lを映し出すことができる。
【解決手段】 本発明の照明装置10は、光14を発する光源12と、前記光源12の発する光14の光路上に配置され、回折格子となる誘電体アンテナ22を設けた光透過性シート16と、を含むことである。光源12で発せられた光14は、光透過性シート16の誘電体アンテナ22によって分散され、高輝度の光点Lを映し出すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折現象によって種々の照明効果を有する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より蛍光管、白熱電球、発光ダイオード(以下、LEDと記載する。)などの多種多様な光源が開発・発売されている。それらの光源は、通常の照明からその場の雰囲気に合わせた演出用の照明装置、信号灯、バックライトなどの様々な装置に利用される。
【0003】
例えば、LEDを利用した信号灯は、多数のLEDを密集させて並べるのが通常である(特許文献1参照)。また、クリスマスツリーなどに取り付ける演出用のLEDも多数必要であり、1光点に1つのLEDが存在する。しかし、多数のLEDを使用するのは種々の面で不経済である。演出用の照明において、単にLEDを使用するだけでは演出効果に限界がある場合がある。
【0004】
【特許文献1】特開2003−036497号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、LEDなどの光源の数が少なくても種々の照明効果を有する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置の要旨は、光を発する光源と、前記光源の発する光の光路上に配置され、回折格子となる誘電体アンテナを設けた光透過性シートと、を含むことである。光源で発せられた光は、光透過性シートの誘電体アンテナによって分散され、高輝度の光点を映し出すことができる。
【0007】
照明装置は、前記光透過性シートを回転、振動、またはその両方により揺れ動かす機構を設けてもよい。
【0008】
前記光透過性シート上に拡散シートを配置してもよい。
【0009】
前記光源が入る凹部を備えた構造体を有してもよい。
【0010】
前記光透過性シートは円錐形であってもよい。
【0011】
前記円錐形の頂点の角度が90°±30°であってもよい。
【0012】
前記誘電体アンテナの間隔は0.01μm〜10cmである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、回折格子として働く誘電体アンテナによって光を格子状に分散させることができる。誘電体アンテナによって、高輝度の光を分散させることができる。分散した光は拡散せず、照度が距離の自乗に反比例することはない。この光の分散をうまく利用することによって種々の照明装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の照明装置の実施形態について図面を用いて説明する。まずは本発明の基本的な構成から説明する。
【0015】
図1のように、照明装置10は、光14を発する光源12と、誘電体アンテナを設けた光透過性シート16とを含む。以上の構成が、本発明の照明装置10の基本的な構成である。
【0016】
図1の光源12は、レーザーダイオードを使用している。レーザー光の波長は例えば約660nm、出力は約1mW以下である。後述する種々の実施例においては、光源12はレーザーダイオードに限定されず、LEDなどのあらゆる光が使用可能である。
【0017】
図2の光透過性シート16は、光源12の発する光14の光路上に配置される。光透過性シート16は、透明のシート20の上に誘電体アンテナ22が配置されている。光透過性シート16に形成された誘電体アンテナ22が回折格子となる。誘電体アンテナ22は、透明のシート20のどちら側に配置されてもよい。この誘電体アンテナ22によって光14が回折、透過、散乱される。なお、図1の照明装置10はレーザー光14と光透過性シート16とは垂直になっている。
【0018】
誘電体アンテナ22は広帯域の光に対応することができる。誘電体アンテナ22は円柱形状である。円柱形状以外に、角柱、円錐、角錐、円錐台、角錐台などであってもよい。誘電体アンテナ22は、格子状に並べられて配置されるが、回折格子として働くのであれば格子状に並べられなくてもよい。誘電体アンテナ22同士の側面から側面の間隔は約0.01μm〜10cmであり、好ましくは約0.3〜50μmである。誘電アンテナ22の間隔の違いによって、図3に示す格子模様の光点Lの数が異なるようになる。例えば、約1μmであれば中心に最も近い輝く点として中心も含めて格子状の光点Lは7点であり、約4μmであれば中心に最も近い輝く点として中心も含めて光点Lは9点となる。なお、誘電体アンテナ22の高さは約0.01μm〜10cmであり、好ましくは約0.2〜10μmである。
【0019】
図3に光透過性シート16にレーザー光14を通過させたときに壁18などに映し出される光点Lの模様を示す。図3に示すように格子状に光点Lが映し出される。図3においてハッチングを施している中心の光点L1は光透過性シート16を介して光源12まで直線で結ばれる。なお、本明細書において符号Lは符号L1,L2,L3,L4,L5を総括的に示すものとする。
【0020】
符号Lと一緒に示した数字は光の明るさの順位を示す。実験によりL1〜L3までの光点Lは明るさが十分であったが、L4、L5は通常市販のLEDの輝度では十分な明るさが得られなかった。したがって、十分な明るさが得られた光点Lは9点である。以下、この9点の光点Lについて検討する。
【0021】
表1に各光点Lの照度の測定結果を示す。d1は、図1に示す光透過性シート16と壁18の距離である。d2は、図1に示す光源12と光透過性シート16との距離である。測定時の部屋の照度は6luxであった。
【0022】
【表1】
【0023】
光透過性シート16の透過率にもよるが、光14を光透過性シート16に通すと、光点L1の照度は光透過性シート16を通さないときの照度の約45〜48%となる。光透過性シート16に光14を通すことによって、光14が図3のように格子状に分散する。
【0024】
光透過性シート16が無い場合に光点L2やL3の照度が測定されたのは、部屋の照度の影響である。そこで部屋の照度の影響を除去した場合、すなわち暗闇を想定した場合の照度を表2に示す。光透過性シート16が無い場合のレーザー光14の照度をL0とした場合の暗闇での照度を表3に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
図4(a)〜(c)に示す光点Lの格子模様や光14の広がりの関係について表4に示す。なお、θは光透過性シート16から壁18までにおける2次元での光14の角度であり、Ωは光14の立体角である。d3やrは図4(a)に示すように、光点間の距離である。また、照射距離と格子模様の関係は表5のようになる。さらに表5に基づいて一般式を求めると表6のようになる。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
以上をまとめると、誘電体アンテナ22を有する光透過性シート16によって光14を格子状に分散させることができる。分散により、分散しない場合の光と比較して各光14の照度は下がるが、分散した各光14は拡散せず、各光14は高輝度となる。すなわち、光14の照度が距離の自乗に反比例して下がることはない。光14が拡散しない高輝度の光点Lを複数発生させるために複数のレーザーダイオードを必要としない。
【0032】
図3に示すように、1つの光源14から十分な照度を有する9個の光点Lを発生させている。照明装置10は、従来と比較して1/9個の光源14を備えるだけですみ、コスト面などで有利である。なお、実験により2n+1個(nは正の整数)の光点Lが発生することが確認できている。従来と同じだけの光点Lを発生させるのであれば、1/(2n+1)個の光源14を備えるだけでよい。
【0033】
図1においてレーザー光14と光透過性シート16とは垂直になっていたが、図5のように任意の角度φをつけてもよい。d1を10cm、d2を30cmとした場合に、φ=10〜30°、150〜170°で同心円状に光点Lが並ぶことが実験により確認できた(図6)。光透過性シート16とレーザー光14の角度φを調節することによって、格子状または同心円状に光点Lを並べることができ、角度φによっては光点Lは曲線状に並ぶ。照明装置10に光透過性シート16の角度を変える手段を設けることによって、光点Lの並びを変えることができる。また、光透過性シート16を回転させたり揺れ動かす手段を設け、光透過性シート16を動くようにしても良い。光点Lが変化し、照明効果を上げることができる。
【0034】
以上の基本的な照明装置10をうまく利用することによって、以下に説明する各種照明装置が可能となる。
【実施例1】
【0035】
例えば自動車のストップランプなどに照明装置が適用可能である。図7のストップランプ26は、光源12と、上記の光透過性シート16と、光透過性シート16と密着した拡散板(拡散シート)28を備える。光源12は1〜数個のLEDなどである。
【0036】
光透過性シート16を通過した光14は格子状に分散される。上述のように分散された光14は拡散しないので高輝度である。この分散された高輝度の光14が拡散板28によって拡散される。高輝度の光14が拡散されるため、視認性のよい光となる。1つのLEDであっても視認性がよい光となり、白熱電球と比較して長寿命、省電力、視認性のよいストップランプ26となる。このストップランプ26は、信号灯などに使用することもできる。
【実施例2】
【0037】
クリスマスツリーなどの装飾品を照らしたりすることができる照明装置について説明する。図1の壁18がクリスマスツリーなどに置き換わる。照明装置は任意の方向から装飾品を照らすことが好ましい。光源は複数のLEDやレーザーダイオードである。LEDなどが発する色は複数である方が好ましい。上述したように1つの光源から複数の光点を発生させることができるため、従来よりも数少ない光源で従来と同じ照明効果がある。また、LEDなどは点滅などするようにするのが好ましい。LEDが自己点滅型のLEDであったり、LEDなどに発振回路を接続することでLEDなどを点滅させる。なお、照明装置は装飾品だけではなく建物の壁、床、天井などを照らしてもよく、光が点滅などすることによって光の演出効果がある。
【実施例3】
【0038】
図8の液晶ディスプレイなどのバックライト30について説明する。光源12はLEDを使用する。バックライト30は、光源12を配置するための凹部32を設けた板状の構造体34を含む。光源12と凹部32の数は複数である。凹部32の側面は構造体34の上面に対して45度の傾斜を有している。構造体34の上面に上記の光透過性シート16と拡散シート28とが重ねて配置される。
【0039】
凹部32の中に光源12が配置されることにより、凹部32の開口部に光が集中し、高輝度となる。すなわち、光ファイバーなどで光を導いたようになる。高輝度の光が複数のポイントで発生し、この光を光透過性シート16と拡散シート28とによって分散と拡散をさせるため、従来のバックライトと比較して高輝度のバックライト30となる。また、既存のLEDを用いたバックライトと比較してLEDの数も大幅に少なくすることができる。
【実施例4】
【0040】
図9(a)に照明装置をクリスマスツリー36などの装飾品として使用した場合を示す。光源はレーザーダイオードやLEDなどを使用する。レーザーダイオードなどは複数の色を取りそろえ、各レーザーダイオードなどが点滅するようにしてもよい。上記の光透過性シート16を円錐形にする。複数の光透過性シート16は隙間が空くようにして重ねられる。円錐形の頂点となる部分に棒状の部材38を配置し、光透過性シート16をその部材38に固定する。棒状の部材38の下端に固定台40を設ける。固定台40にレーザーダイオードなどを配置し、光透過性シート16に向かって光を照射するようにする。
【0041】
効果的に光の演出がおこなわれるように、各光透過性シート用に光源を設けてもよい。光透過性シート16を3枚使用した場合の光源の配置を図9(b)に示す。図9(b)の×は棒状の部材38が取り付けられる位置であり、●が下段の光透過性シート16の光源の位置、▲が中段の光透過性シート16の光源の位置、□が上段の光透過性シート16の光源の位置である。光源と光透過性シート16との位置関係により、光路が固定台40に対して傾斜するようにし、光透過性シート16に対して垂直に光が当たるようにしてもよい。光透過性シート16と光路との角度によって、格子状または同心円状の光点が発生する。なお、棒状の部材38として光透過性の材料を用い、かつ棒状の下部に光源の一部を当てると輝く柱が形成できる。
【0042】
光透過性シート16によって光が格子状に分散される。円錐形の光透過性シート16が複数あるため、光が立体的に見え、その場の雰囲気を演出することができる。1つの光源より複数の光点が発生し、あたかも多数の光源を使用しているように見せることができる。なお、上述した円錐形は、底面が開口しており、内部も空間になっている。光透過性シート16を円錐形にしたが、多の形状であってもよい。
【実施例5】
【0043】
白色光を光透過性シート16に通過させたときに、壁などに照射された光は、図10に示すように、尾を引いたような長細い光点Lとなる。この光点Lは、すべての光点Lの中心点O側からその反対側に向けてプリズムのごとく色が変化している。その理由について説明する。図11(a)に示すように、光源12から白色光が出射された場合には、光透過性シート16を通過し、壁などに光14が照射されるとする。図11(b)は図11(a)の光透過性シート16の○で示した箇所の拡大である。角度や距離などは図に示すとおりである。図11(b)より、以下の得ような式が成り立つ。
【0044】
【数1】
【0045】
式において、mは正の整数、λは光14の波長である。上の式より、波長によって回折される光14の方向が異なることがわかる。図11(a)より、光路の差=xsinθとなり、また以下のような式が成り立つ。
【0046】
【数2】
【0047】
すなわち、波長によって照射される光14の位置が異なることがわかる。したがって、図10に示すように、白色光が光透過性シート16を通過すると、中心点O側から外側に向けて光色が変化する。光の変化は、図10の中心Oの側に青色、外側に赤色の光が照射される。
【実施例6】
【0048】
図9(a)において、固定台40に対して光路が90°の傾きを有するのならば、図12(a)に示すように、円錐形をした光透過性シート16の頂点を通って底面と直交する線と、光透過性シート16との角度θは約45°±15°が好ましい。すなわち、光は光透過性シート16に対して約45°±15°の傾きを有することになる。また、図12(b)に示すように、円錐形の頂点が丸まっていても、上記角度θは約45°±15°が好ましい。これは、光の角度によって光透過性シートを透過する光量が異なり、上記角度θであれば光が良く透過するためである。
【0049】
また、図13に示すように図9(a)の光透過性シート16にビーズ42を取り付けても良い。ビーズ42によって、光がビーズ42によって集光されて通過し、光が上方に進行させやすくなる。
【実施例7】
【0050】
光透過性シート16はダイクロリックミラーとして使用することもできる。図14に示すように、2枚の光透過性シート16を一直線上に並べる。使用する光14はRGBの色が混色された白色光である。光透過性シート16と光14の角度は45°になるようにする。1枚目の光透過性シート16を光14が透過したとき、ある色だけ違う方向に進行し、取り出すことができる。また、2枚目の光透過性シート16を光14が透過したとき、さらにある色だけ違う方向に進行する。そして、残った色の光だけが直進することになる。これは、1枚目と2枚目の光透過性シート16に設けられる誘電体アンテナの間隔を異ならせることによって光透過性シート16に波長選択性を持たせ、光14の回折を変えるためである。光14は光透過性シート16を通過することによって、上述したように図3や図6のように拡散される。
【実施例8】
【0051】
図15に示すように、複数のスリットを設けた円筒44の中に光源12を配置し、円筒44を覆い被せるように円錐状の光透過性シート16を設けても良い。光源12から出た光がスリットによって光が線状になって通過し、その光が光透過性シート16によって回折する。光透過性シート16をぶら下げて、揺れ動かしても良い。回折光が揺れ動くこととなる。
【実施例9】
【0052】
図16に示すように、ディスク48の表面に誘電体アンテナを設けも良い。図16のディスク48は、ワイングラス46などの底であり、ワイングラス46の中に光源12を配置し、インテリアとして利用することができる。ディスク48における誘電体アンテナの配置は、例えば同心円状にする。また、隣り合う誘電体アンテナが等間隔になるようにする。
【0053】
図17に示すように、2枚のディスク48の一部を隙間を空けながら重ね合わせ(図17中の斜線部)、2枚のディスク48を回転させても良い。回転方向は、図17において重ね合わされた部分でお互いのディスク48が同方向に回転するようにする。重ね合わされた部分を光が通過するようにする。ディスク48が回転するため、光と誘電体アンテナの位置関係が時間ごとに変化し、回折方向が変化する。そのため、ディスク48を通過した光が壁(看板などを含む)などに照射されたときに、ディスク48の回転速度によって種々の動きをする。ディスク48の回転速度によって、光がある方向に進んだり、速度が変わるとその反対方向に進んだり、また速度によって光が停止したりする。2枚のディスク48は楕円形であっても良い。時間と共に回転速度を変化させる構成でも良い。なお、1枚のディスク48を回転させることも構成であっても良い。
【実施例10】
【0054】
誘電体アンテナをめがねのレンズに設けてもよい。自動車の助手席などに乗って移動する自動車の中から街灯などを見ると、虹色の光が移動し、万華鏡をのぞいているようになる。
【実施例11】
【0055】
オーロラのような虹色の光を映し出す演出用の照明装置について説明する。光源の光が光透過性シートを通して壁や天井に照射する構成である。光源は蛍光管やLEDなどを使用する。上記の光透過性シートをゆっくり波を打つように揺れ動かす機構を設ける。光が誘電体アンテナを透過するときに回折するために、壁などに映し出される光が虹色になり、虹色の光が揺れ動くことによってオーロラのようになる。また、蛍光管などに発振回路を接続し、光が点滅するようにしてもよい。オーロラの出現と消滅を表現することができる。
【実施例12】
【0056】
図18に示すように、壁50と天井の間に隙間52を設け、隙間52の付近に光透過性シート16を設ける。光透過性シート16を設けた側に光源12を配置し、反対側に人が立つようにする。人がいる側の部屋は暗くする。光源12が発する光14を白色光にすることによって、光透過性シート16および隙間を通過した光14が虹色に見える。また、光透過性シート16を振動などで揺れ動かす機構を設ける。光透過性シート16を揺れ動かすことによってオーロラのように見える。蛍光管などに発振回路を接続し、光が点滅するようにしてもよい。オーロラの出現と消滅を表現することができる。
【実施例13】
【0057】
図18を図19のように変形しても良い。壁50と天井との隙間に任意の形状の衝立54を設ける。光源12のある部屋の方にあった光透過性シート16を取り除く。人がいる方の部屋を暗くしておく。光14の一部が衝立54の隙間を通じて人のいる方の部屋に木もれ日のようにはいる。人が、光透過性シート16または光透過性シート16を用いた眼鏡を使用して光を見ると光14が虹のように見える。また、衝立54を前後左右に揺れ動かす機構を設ける。衝立54が揺れ動くことによって、光がオーロラのように見える。蛍光管などに発振回路を接続し、光が点滅するようにしてもよい。オーロラの出現と消滅を表現することができる。
【実施例14】
【0058】
上述した光透過性シート16はシート状のもの以外に板状のものであっても良い。また、上述した拡散シートも板状のものであっても良い。さらに、それらの形などは四角形、円形など平面的なものから、平面的なものから立体的なものに変形したものであっても良い。また、光源12を固定させず、光源12の位置が移動する構成であっても良い。
【0059】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の照明装置の基本的な構成を示す図である。
【図2】光透過性シートの断面を示す図である。
【図3】格子模様に映し出された光点を示す図である。
【図4】格子模様の模式図であり、(a)は光点の格子模様であり、(b)は光透過性シートから壁までの角度を示す図であり、(c)は光透過性シートから壁までの立体角を示す図である。
【図5】光透過性シートを光路に対して傾けた場合の図である。
【図6】図5の場合の壁に映し出される光点の図である。
【図7】ストップランプなどに適用した照明装置の図である。
【図8】バックライトに適用した照明装置の図である。
【図9】クリスマスツリーに適用した照明装置の図であり、(a)は側面図であり、(b)は固定台の光源の位置を示す図である。
【図10】図11の場合に壁などに照射された光の様子を示す図である。
【図11】白色光が光透過性シートを通過したときの図であり、(a)は光と浮かせイートによって光が回折している図であり、(b)は(a)で示した光透過性シートの○内を拡大した図である。
【図12】光と光透過性シートの関係を示す図であり、(a)は円錐形の光透過性シートであり、(b)は(a)の頂点を丸めた場合の図である。
【図13】光透過性シートにビーズを取り付けた場合の図である。
【図14】光透過性シートをダイクロリックミラーとして使用した場合の図である。
【図15】スリットを多数設けた円筒を配置した照明装置の図である。
【図16】ディスクに誘電体アンテナを設けた図である。
【図17】ディスクを2枚重ね合わせた場合の図である。
【図18】光透過性シートを使用してオーロラなどを演出する場合の図である。
【図19】壁と天井との間に衝立を設けた場合の図であり、(a)は側面図であり、(b)は衝立の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0061】
10:照明装置
12:光源
14:光
16:光透過性シート(光透過性部材)
18:壁
20:透明のシート
22:誘電体アンテナ
26:ストップランプ
28:拡散板(拡散シート、拡散部材)
30:バックライト
32:凹部
34:構造体
36:クリスマスツリー
38:棒状の部材
40:固定台
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折現象によって種々の照明効果を有する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より蛍光管、白熱電球、発光ダイオード(以下、LEDと記載する。)などの多種多様な光源が開発・発売されている。それらの光源は、通常の照明からその場の雰囲気に合わせた演出用の照明装置、信号灯、バックライトなどの様々な装置に利用される。
【0003】
例えば、LEDを利用した信号灯は、多数のLEDを密集させて並べるのが通常である(特許文献1参照)。また、クリスマスツリーなどに取り付ける演出用のLEDも多数必要であり、1光点に1つのLEDが存在する。しかし、多数のLEDを使用するのは種々の面で不経済である。演出用の照明において、単にLEDを使用するだけでは演出効果に限界がある場合がある。
【0004】
【特許文献1】特開2003−036497号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、LEDなどの光源の数が少なくても種々の照明効果を有する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置の要旨は、光を発する光源と、前記光源の発する光の光路上に配置され、回折格子となる誘電体アンテナを設けた光透過性シートと、を含むことである。光源で発せられた光は、光透過性シートの誘電体アンテナによって分散され、高輝度の光点を映し出すことができる。
【0007】
照明装置は、前記光透過性シートを回転、振動、またはその両方により揺れ動かす機構を設けてもよい。
【0008】
前記光透過性シート上に拡散シートを配置してもよい。
【0009】
前記光源が入る凹部を備えた構造体を有してもよい。
【0010】
前記光透過性シートは円錐形であってもよい。
【0011】
前記円錐形の頂点の角度が90°±30°であってもよい。
【0012】
前記誘電体アンテナの間隔は0.01μm〜10cmである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、回折格子として働く誘電体アンテナによって光を格子状に分散させることができる。誘電体アンテナによって、高輝度の光を分散させることができる。分散した光は拡散せず、照度が距離の自乗に反比例することはない。この光の分散をうまく利用することによって種々の照明装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の照明装置の実施形態について図面を用いて説明する。まずは本発明の基本的な構成から説明する。
【0015】
図1のように、照明装置10は、光14を発する光源12と、誘電体アンテナを設けた光透過性シート16とを含む。以上の構成が、本発明の照明装置10の基本的な構成である。
【0016】
図1の光源12は、レーザーダイオードを使用している。レーザー光の波長は例えば約660nm、出力は約1mW以下である。後述する種々の実施例においては、光源12はレーザーダイオードに限定されず、LEDなどのあらゆる光が使用可能である。
【0017】
図2の光透過性シート16は、光源12の発する光14の光路上に配置される。光透過性シート16は、透明のシート20の上に誘電体アンテナ22が配置されている。光透過性シート16に形成された誘電体アンテナ22が回折格子となる。誘電体アンテナ22は、透明のシート20のどちら側に配置されてもよい。この誘電体アンテナ22によって光14が回折、透過、散乱される。なお、図1の照明装置10はレーザー光14と光透過性シート16とは垂直になっている。
【0018】
誘電体アンテナ22は広帯域の光に対応することができる。誘電体アンテナ22は円柱形状である。円柱形状以外に、角柱、円錐、角錐、円錐台、角錐台などであってもよい。誘電体アンテナ22は、格子状に並べられて配置されるが、回折格子として働くのであれば格子状に並べられなくてもよい。誘電体アンテナ22同士の側面から側面の間隔は約0.01μm〜10cmであり、好ましくは約0.3〜50μmである。誘電アンテナ22の間隔の違いによって、図3に示す格子模様の光点Lの数が異なるようになる。例えば、約1μmであれば中心に最も近い輝く点として中心も含めて格子状の光点Lは7点であり、約4μmであれば中心に最も近い輝く点として中心も含めて光点Lは9点となる。なお、誘電体アンテナ22の高さは約0.01μm〜10cmであり、好ましくは約0.2〜10μmである。
【0019】
図3に光透過性シート16にレーザー光14を通過させたときに壁18などに映し出される光点Lの模様を示す。図3に示すように格子状に光点Lが映し出される。図3においてハッチングを施している中心の光点L1は光透過性シート16を介して光源12まで直線で結ばれる。なお、本明細書において符号Lは符号L1,L2,L3,L4,L5を総括的に示すものとする。
【0020】
符号Lと一緒に示した数字は光の明るさの順位を示す。実験によりL1〜L3までの光点Lは明るさが十分であったが、L4、L5は通常市販のLEDの輝度では十分な明るさが得られなかった。したがって、十分な明るさが得られた光点Lは9点である。以下、この9点の光点Lについて検討する。
【0021】
表1に各光点Lの照度の測定結果を示す。d1は、図1に示す光透過性シート16と壁18の距離である。d2は、図1に示す光源12と光透過性シート16との距離である。測定時の部屋の照度は6luxであった。
【0022】
【表1】
【0023】
光透過性シート16の透過率にもよるが、光14を光透過性シート16に通すと、光点L1の照度は光透過性シート16を通さないときの照度の約45〜48%となる。光透過性シート16に光14を通すことによって、光14が図3のように格子状に分散する。
【0024】
光透過性シート16が無い場合に光点L2やL3の照度が測定されたのは、部屋の照度の影響である。そこで部屋の照度の影響を除去した場合、すなわち暗闇を想定した場合の照度を表2に示す。光透過性シート16が無い場合のレーザー光14の照度をL0とした場合の暗闇での照度を表3に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
図4(a)〜(c)に示す光点Lの格子模様や光14の広がりの関係について表4に示す。なお、θは光透過性シート16から壁18までにおける2次元での光14の角度であり、Ωは光14の立体角である。d3やrは図4(a)に示すように、光点間の距離である。また、照射距離と格子模様の関係は表5のようになる。さらに表5に基づいて一般式を求めると表6のようになる。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
以上をまとめると、誘電体アンテナ22を有する光透過性シート16によって光14を格子状に分散させることができる。分散により、分散しない場合の光と比較して各光14の照度は下がるが、分散した各光14は拡散せず、各光14は高輝度となる。すなわち、光14の照度が距離の自乗に反比例して下がることはない。光14が拡散しない高輝度の光点Lを複数発生させるために複数のレーザーダイオードを必要としない。
【0032】
図3に示すように、1つの光源14から十分な照度を有する9個の光点Lを発生させている。照明装置10は、従来と比較して1/9個の光源14を備えるだけですみ、コスト面などで有利である。なお、実験により2n+1個(nは正の整数)の光点Lが発生することが確認できている。従来と同じだけの光点Lを発生させるのであれば、1/(2n+1)個の光源14を備えるだけでよい。
【0033】
図1においてレーザー光14と光透過性シート16とは垂直になっていたが、図5のように任意の角度φをつけてもよい。d1を10cm、d2を30cmとした場合に、φ=10〜30°、150〜170°で同心円状に光点Lが並ぶことが実験により確認できた(図6)。光透過性シート16とレーザー光14の角度φを調節することによって、格子状または同心円状に光点Lを並べることができ、角度φによっては光点Lは曲線状に並ぶ。照明装置10に光透過性シート16の角度を変える手段を設けることによって、光点Lの並びを変えることができる。また、光透過性シート16を回転させたり揺れ動かす手段を設け、光透過性シート16を動くようにしても良い。光点Lが変化し、照明効果を上げることができる。
【0034】
以上の基本的な照明装置10をうまく利用することによって、以下に説明する各種照明装置が可能となる。
【実施例1】
【0035】
例えば自動車のストップランプなどに照明装置が適用可能である。図7のストップランプ26は、光源12と、上記の光透過性シート16と、光透過性シート16と密着した拡散板(拡散シート)28を備える。光源12は1〜数個のLEDなどである。
【0036】
光透過性シート16を通過した光14は格子状に分散される。上述のように分散された光14は拡散しないので高輝度である。この分散された高輝度の光14が拡散板28によって拡散される。高輝度の光14が拡散されるため、視認性のよい光となる。1つのLEDであっても視認性がよい光となり、白熱電球と比較して長寿命、省電力、視認性のよいストップランプ26となる。このストップランプ26は、信号灯などに使用することもできる。
【実施例2】
【0037】
クリスマスツリーなどの装飾品を照らしたりすることができる照明装置について説明する。図1の壁18がクリスマスツリーなどに置き換わる。照明装置は任意の方向から装飾品を照らすことが好ましい。光源は複数のLEDやレーザーダイオードである。LEDなどが発する色は複数である方が好ましい。上述したように1つの光源から複数の光点を発生させることができるため、従来よりも数少ない光源で従来と同じ照明効果がある。また、LEDなどは点滅などするようにするのが好ましい。LEDが自己点滅型のLEDであったり、LEDなどに発振回路を接続することでLEDなどを点滅させる。なお、照明装置は装飾品だけではなく建物の壁、床、天井などを照らしてもよく、光が点滅などすることによって光の演出効果がある。
【実施例3】
【0038】
図8の液晶ディスプレイなどのバックライト30について説明する。光源12はLEDを使用する。バックライト30は、光源12を配置するための凹部32を設けた板状の構造体34を含む。光源12と凹部32の数は複数である。凹部32の側面は構造体34の上面に対して45度の傾斜を有している。構造体34の上面に上記の光透過性シート16と拡散シート28とが重ねて配置される。
【0039】
凹部32の中に光源12が配置されることにより、凹部32の開口部に光が集中し、高輝度となる。すなわち、光ファイバーなどで光を導いたようになる。高輝度の光が複数のポイントで発生し、この光を光透過性シート16と拡散シート28とによって分散と拡散をさせるため、従来のバックライトと比較して高輝度のバックライト30となる。また、既存のLEDを用いたバックライトと比較してLEDの数も大幅に少なくすることができる。
【実施例4】
【0040】
図9(a)に照明装置をクリスマスツリー36などの装飾品として使用した場合を示す。光源はレーザーダイオードやLEDなどを使用する。レーザーダイオードなどは複数の色を取りそろえ、各レーザーダイオードなどが点滅するようにしてもよい。上記の光透過性シート16を円錐形にする。複数の光透過性シート16は隙間が空くようにして重ねられる。円錐形の頂点となる部分に棒状の部材38を配置し、光透過性シート16をその部材38に固定する。棒状の部材38の下端に固定台40を設ける。固定台40にレーザーダイオードなどを配置し、光透過性シート16に向かって光を照射するようにする。
【0041】
効果的に光の演出がおこなわれるように、各光透過性シート用に光源を設けてもよい。光透過性シート16を3枚使用した場合の光源の配置を図9(b)に示す。図9(b)の×は棒状の部材38が取り付けられる位置であり、●が下段の光透過性シート16の光源の位置、▲が中段の光透過性シート16の光源の位置、□が上段の光透過性シート16の光源の位置である。光源と光透過性シート16との位置関係により、光路が固定台40に対して傾斜するようにし、光透過性シート16に対して垂直に光が当たるようにしてもよい。光透過性シート16と光路との角度によって、格子状または同心円状の光点が発生する。なお、棒状の部材38として光透過性の材料を用い、かつ棒状の下部に光源の一部を当てると輝く柱が形成できる。
【0042】
光透過性シート16によって光が格子状に分散される。円錐形の光透過性シート16が複数あるため、光が立体的に見え、その場の雰囲気を演出することができる。1つの光源より複数の光点が発生し、あたかも多数の光源を使用しているように見せることができる。なお、上述した円錐形は、底面が開口しており、内部も空間になっている。光透過性シート16を円錐形にしたが、多の形状であってもよい。
【実施例5】
【0043】
白色光を光透過性シート16に通過させたときに、壁などに照射された光は、図10に示すように、尾を引いたような長細い光点Lとなる。この光点Lは、すべての光点Lの中心点O側からその反対側に向けてプリズムのごとく色が変化している。その理由について説明する。図11(a)に示すように、光源12から白色光が出射された場合には、光透過性シート16を通過し、壁などに光14が照射されるとする。図11(b)は図11(a)の光透過性シート16の○で示した箇所の拡大である。角度や距離などは図に示すとおりである。図11(b)より、以下の得ような式が成り立つ。
【0044】
【数1】
【0045】
式において、mは正の整数、λは光14の波長である。上の式より、波長によって回折される光14の方向が異なることがわかる。図11(a)より、光路の差=xsinθとなり、また以下のような式が成り立つ。
【0046】
【数2】
【0047】
すなわち、波長によって照射される光14の位置が異なることがわかる。したがって、図10に示すように、白色光が光透過性シート16を通過すると、中心点O側から外側に向けて光色が変化する。光の変化は、図10の中心Oの側に青色、外側に赤色の光が照射される。
【実施例6】
【0048】
図9(a)において、固定台40に対して光路が90°の傾きを有するのならば、図12(a)に示すように、円錐形をした光透過性シート16の頂点を通って底面と直交する線と、光透過性シート16との角度θは約45°±15°が好ましい。すなわち、光は光透過性シート16に対して約45°±15°の傾きを有することになる。また、図12(b)に示すように、円錐形の頂点が丸まっていても、上記角度θは約45°±15°が好ましい。これは、光の角度によって光透過性シートを透過する光量が異なり、上記角度θであれば光が良く透過するためである。
【0049】
また、図13に示すように図9(a)の光透過性シート16にビーズ42を取り付けても良い。ビーズ42によって、光がビーズ42によって集光されて通過し、光が上方に進行させやすくなる。
【実施例7】
【0050】
光透過性シート16はダイクロリックミラーとして使用することもできる。図14に示すように、2枚の光透過性シート16を一直線上に並べる。使用する光14はRGBの色が混色された白色光である。光透過性シート16と光14の角度は45°になるようにする。1枚目の光透過性シート16を光14が透過したとき、ある色だけ違う方向に進行し、取り出すことができる。また、2枚目の光透過性シート16を光14が透過したとき、さらにある色だけ違う方向に進行する。そして、残った色の光だけが直進することになる。これは、1枚目と2枚目の光透過性シート16に設けられる誘電体アンテナの間隔を異ならせることによって光透過性シート16に波長選択性を持たせ、光14の回折を変えるためである。光14は光透過性シート16を通過することによって、上述したように図3や図6のように拡散される。
【実施例8】
【0051】
図15に示すように、複数のスリットを設けた円筒44の中に光源12を配置し、円筒44を覆い被せるように円錐状の光透過性シート16を設けても良い。光源12から出た光がスリットによって光が線状になって通過し、その光が光透過性シート16によって回折する。光透過性シート16をぶら下げて、揺れ動かしても良い。回折光が揺れ動くこととなる。
【実施例9】
【0052】
図16に示すように、ディスク48の表面に誘電体アンテナを設けも良い。図16のディスク48は、ワイングラス46などの底であり、ワイングラス46の中に光源12を配置し、インテリアとして利用することができる。ディスク48における誘電体アンテナの配置は、例えば同心円状にする。また、隣り合う誘電体アンテナが等間隔になるようにする。
【0053】
図17に示すように、2枚のディスク48の一部を隙間を空けながら重ね合わせ(図17中の斜線部)、2枚のディスク48を回転させても良い。回転方向は、図17において重ね合わされた部分でお互いのディスク48が同方向に回転するようにする。重ね合わされた部分を光が通過するようにする。ディスク48が回転するため、光と誘電体アンテナの位置関係が時間ごとに変化し、回折方向が変化する。そのため、ディスク48を通過した光が壁(看板などを含む)などに照射されたときに、ディスク48の回転速度によって種々の動きをする。ディスク48の回転速度によって、光がある方向に進んだり、速度が変わるとその反対方向に進んだり、また速度によって光が停止したりする。2枚のディスク48は楕円形であっても良い。時間と共に回転速度を変化させる構成でも良い。なお、1枚のディスク48を回転させることも構成であっても良い。
【実施例10】
【0054】
誘電体アンテナをめがねのレンズに設けてもよい。自動車の助手席などに乗って移動する自動車の中から街灯などを見ると、虹色の光が移動し、万華鏡をのぞいているようになる。
【実施例11】
【0055】
オーロラのような虹色の光を映し出す演出用の照明装置について説明する。光源の光が光透過性シートを通して壁や天井に照射する構成である。光源は蛍光管やLEDなどを使用する。上記の光透過性シートをゆっくり波を打つように揺れ動かす機構を設ける。光が誘電体アンテナを透過するときに回折するために、壁などに映し出される光が虹色になり、虹色の光が揺れ動くことによってオーロラのようになる。また、蛍光管などに発振回路を接続し、光が点滅するようにしてもよい。オーロラの出現と消滅を表現することができる。
【実施例12】
【0056】
図18に示すように、壁50と天井の間に隙間52を設け、隙間52の付近に光透過性シート16を設ける。光透過性シート16を設けた側に光源12を配置し、反対側に人が立つようにする。人がいる側の部屋は暗くする。光源12が発する光14を白色光にすることによって、光透過性シート16および隙間を通過した光14が虹色に見える。また、光透過性シート16を振動などで揺れ動かす機構を設ける。光透過性シート16を揺れ動かすことによってオーロラのように見える。蛍光管などに発振回路を接続し、光が点滅するようにしてもよい。オーロラの出現と消滅を表現することができる。
【実施例13】
【0057】
図18を図19のように変形しても良い。壁50と天井との隙間に任意の形状の衝立54を設ける。光源12のある部屋の方にあった光透過性シート16を取り除く。人がいる方の部屋を暗くしておく。光14の一部が衝立54の隙間を通じて人のいる方の部屋に木もれ日のようにはいる。人が、光透過性シート16または光透過性シート16を用いた眼鏡を使用して光を見ると光14が虹のように見える。また、衝立54を前後左右に揺れ動かす機構を設ける。衝立54が揺れ動くことによって、光がオーロラのように見える。蛍光管などに発振回路を接続し、光が点滅するようにしてもよい。オーロラの出現と消滅を表現することができる。
【実施例14】
【0058】
上述した光透過性シート16はシート状のもの以外に板状のものであっても良い。また、上述した拡散シートも板状のものであっても良い。さらに、それらの形などは四角形、円形など平面的なものから、平面的なものから立体的なものに変形したものであっても良い。また、光源12を固定させず、光源12の位置が移動する構成であっても良い。
【0059】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の照明装置の基本的な構成を示す図である。
【図2】光透過性シートの断面を示す図である。
【図3】格子模様に映し出された光点を示す図である。
【図4】格子模様の模式図であり、(a)は光点の格子模様であり、(b)は光透過性シートから壁までの角度を示す図であり、(c)は光透過性シートから壁までの立体角を示す図である。
【図5】光透過性シートを光路に対して傾けた場合の図である。
【図6】図5の場合の壁に映し出される光点の図である。
【図7】ストップランプなどに適用した照明装置の図である。
【図8】バックライトに適用した照明装置の図である。
【図9】クリスマスツリーに適用した照明装置の図であり、(a)は側面図であり、(b)は固定台の光源の位置を示す図である。
【図10】図11の場合に壁などに照射された光の様子を示す図である。
【図11】白色光が光透過性シートを通過したときの図であり、(a)は光と浮かせイートによって光が回折している図であり、(b)は(a)で示した光透過性シートの○内を拡大した図である。
【図12】光と光透過性シートの関係を示す図であり、(a)は円錐形の光透過性シートであり、(b)は(a)の頂点を丸めた場合の図である。
【図13】光透過性シートにビーズを取り付けた場合の図である。
【図14】光透過性シートをダイクロリックミラーとして使用した場合の図である。
【図15】スリットを多数設けた円筒を配置した照明装置の図である。
【図16】ディスクに誘電体アンテナを設けた図である。
【図17】ディスクを2枚重ね合わせた場合の図である。
【図18】光透過性シートを使用してオーロラなどを演出する場合の図である。
【図19】壁と天井との間に衝立を設けた場合の図であり、(a)は側面図であり、(b)は衝立の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0061】
10:照明装置
12:光源
14:光
16:光透過性シート(光透過性部材)
18:壁
20:透明のシート
22:誘電体アンテナ
26:ストップランプ
28:拡散板(拡散シート、拡散部材)
30:バックライト
32:凹部
34:構造体
36:クリスマスツリー
38:棒状の部材
40:固定台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源と、前記光源の発する光の光路上に配置され、光を電磁波として取り扱ったときに集光を効率よくする凸状の誘電体アンテナを設けた光透過性部材と、を含む照明装置。
【請求項2】
前記光透過性部材を揺れ動かす機構を設けた請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光透過性部材上に拡散部材を配置した請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源が入る凹部を備えた構造体を有する請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光透過性部材が円錐形である請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記円錐形の頂点の角度が90°±30°である請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記誘電体アンテナの間隔が0.01μm〜10cmである請求項1乃至5に記載の照明装置。
【請求項1】
光を発する光源と、前記光源の発する光の光路上に配置され、光を電磁波として取り扱ったときに集光を効率よくする凸状の誘電体アンテナを設けた光透過性部材と、を含む照明装置。
【請求項2】
前記光透過性部材を揺れ動かす機構を設けた請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光透過性部材上に拡散部材を配置した請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源が入る凹部を備えた構造体を有する請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光透過性部材が円錐形である請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記円錐形の頂点の角度が90°±30°である請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記誘電体アンテナの間隔が0.01μm〜10cmである請求項1乃至5に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−252880(P2006−252880A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65878(P2005−65878)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(500404258)アーベル・システムズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(500404258)アーベル・システムズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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