説明

照明装置

【課題】容易かつ低コストに製造することができる照明装置を実現すること。
【解決手段】図1は、スカッフプレート1の構造について示した図である。スカッフプレート1は、LED発光装置10と、導光板11と、反射プレート12と、ケース13と、カバー17とを備えている。LED発光装置10と導光板11は、LED発光装置10の光の照射方向が導光板11の長手方向側面11bとなるように配置されている。反射プレート12は、ケース13の凹部底面13aと、導光板11の裏面11aとの間に配置されている。反射プレート12の表面12aには塗料14が意匠形状に印刷されている。反射プレート12の表面12aと導光板11の裏面11aとが全面にわたって接着剤16により接着されている。導光板11に加工や印刷を施さないため、スカッフプレート1は容易かつ低コストに製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED発光装置を光源とし、光源からの光を導光体により導いて意匠を表示させる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車のサイドステップに配置されるスカッフプレートとして、文字や図形などの意匠を表示させる照明装置が用いられている。
【0003】
特許文献1には、導光板の側面にLED発光装置を配置し、導光板の上面に金属板や樹脂板などを意匠形状にくり抜いて形成した窓部を有する意匠板を置いた照明装置が示されている。この照明装置は、LED発光装置より放射された光を導光板側面から導光板内部へと入射させ、導光板内部の光を意匠板の窓部から透過させて外部へ出射させることで意匠を表示させるものである。また、意匠板の替わりに光を透過しないインクを導光板の表面に印刷する方法でもよいことが記載されている。
【0004】
特許文献2、3には、導光板の側面にLED発光装置を配置し、導光板の裏面を凹凸加工して文字部を形成することで文字を表示させる照明装置が示されている。
【特許文献1】特開2001−163117
【特許文献2】特開2002−108257
【特許文献3】特開2007−145082
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2、3のように導光板に加工を施すのは、製造工程が増えてコストが増大してしまうことが問題となり、不良の原因ともなる。また、導光板を加工すると導光板に微細な傷や汚れがついてしまい、装飾性が低くなるので望ましくない。
【0006】
また、特許文献1のように金属板などを加工して意匠板を形成する場合にも同様に製造工程が増えてコストが増大する問題が生じ、導光板の厚みに意匠板の厚みが加わるため照明装置の厚さが増してしまうことも問題となる。また、導光板上面にインクを印刷する場合は、印刷が剥がれてしまうなどの問題が生じてしまう。
【0007】
そこで本発明の目的は、容易に製造することができ、かつ低コストな照明装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、LED発光装置と導光板とを有し、LED発光装置からの光を導光板の側面に入射させて導光板の表面側に意匠を表示させる照明装置において、照明装置は、意匠形状の印刷が施されたプレートを有し、プレートは、導光板の裏面側に配置され、プレートと導光板は全面にわたって接着されている、ことを特徴とする照明装置である。
【0009】
プレートは、板状のものであってもよいし、フィルム状のものであってもよい。たとえば、アルミニウムなどの金属からなる金属板、樹脂板や樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0010】
第2の発明は、LED発光装置と導光板とLED発光装置および導光板を納める凹部を備えたケースとを有し、LED発光装置からの光を導光板の側面に入射させて導光板の表面に意匠を表示させる照明装置において、ケースの凹部底面には、意匠形状の印刷が施され、ケースの凹部底面と導光板は全面にわたって接着されていることを特徴とする照明装置である。
【0011】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、LED発光装置は、サイドビュー型であることを特徴とする照明装置である。
【0012】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、照明装置は、スカッフプレートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1、2の発明によると、導光板に加工や印刷を施す必要がないため、導光板に傷や汚れが付かず装飾性を向上することができ、また、非常に低コストでかつ容易に製造することができる。また、導光板とプレートまたはケースとが全面にわたって接着されているため、印刷が剥がれてしまうなどの問題が生じることもない。特に第2の発明では、ケース自体が第1の発明におけるプレートを兼ねているため、照明装置の構成がより簡略化され、より容易かつ低コストに製造することができる。
【0014】
また、第3の発明のようにサイドビュー型のLED発光装置を用いると、LED発光装置自体の高さを小さくすることができる。そのため、照明装置全体をより薄くすることができ、装飾性を向上させることができる。
【0015】
また、第4の発明のように、本発明によって安価で装飾性に優れたスカッフプレートを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1のスカッフプレート1の構造について示した図である。図1(b)は、スカッフプレート1を意匠表示側からみた図であり、図1(a)は、スカッフプレート1の長手方向の断面図である。スカッフプレート1は、LED発光装置10と、導光板11と、反射プレート12と、ケース13と、カバー17とを備えている。ケース13には凹部が設けられていて、LED発光装置10、導光板11、反射プレート12はその凹部に納められている。
【0018】
LED発光装置10は、白色発光のサイドビュー型であり、配置された面に対して水平方向に光を照射する。LED発光装置10は、ケース13の凹部底面13aの端部側に配置されている。
【0019】
LED発光装置10はサイドビュー型のものでなくてもよいが、サイドビュー型を用いる方が望ましい。サイドビュー型のLED発光装置は高さが小さいので、スカッフプレート1自体の厚さをより薄くすることができる。また、LED発光装置10は白色発光のものでなくてもよく、青色発光など任意の発光色のものを用いることができる。また、LED発光装置10は複数個配置するようにしてもよい。
【0020】
導光板11は、ケース13の凹部底面13aに反射プレート12を介して配置されている。導光板11は、長方形状で透明なアクリル樹脂板である。LED発光装置10と導光板11は、LED発光装置10の光の照射方向が導光板11の長手方向側面11bとなるように配置されている。
【0021】
なお、導光板11として、アクリル以外の透明な樹脂板を用いてもよいし、透明なガラス板などを用いてもよい。
【0022】
反射プレート12は、アルミニウムからなる金属板であり、反射率を高めることで導光板11の長手方向へ進行する光の光量を高めている。反射プレート12は、ケース13の凹部底面13aと、導光板11の裏面11aとの間に配置されている。反射プレート12の表面12aには塗料14が意匠形状に印刷されている。反射プレート12の表面12aと導光板11の裏面11aとが全面にわたって接着剤16により接着されている。このように全面にわたって接着されているため、印刷された塗料14が剥がれてしまうことはない。反射プレート12とケース13とが接着されて固定されていてもよい。
【0023】
反射プレート12は、アルミニウム以外の高反射な金属からなる金属板であってもよいし、板状やフィルム状の樹脂に銀などの金属を蒸着したものであってもよい。また、反射プレート12に印刷される塗料は白色などの任意の色の塗料を用いることができ、蛍光塗料などを用いてもよい。たとえば紫外発光のLED発光装置10と紫外光により励起されて発光する蛍光塗料とを組み合わせてもよい。
【0024】
ケース13は、凹部を有した長方形状であり、その凹部にLED発光装置10、導光板11、反射プレート12を納め、固定し、保持する。
【0025】
カバー17は、窓部を有したステンレスのプレートである。導光板11表面11cの大部分を露出し、それ以外の部分を覆うようにしてケース13の上部に配置されている。なお、カバー17は、ケース13の全体を覆い、導光板11の上部を透光性の部材とするものであってもよい。
【0026】
次に、スカッフプレート1の照明時の動作について説明する。
【0027】
まず、LED発光装置10を発光させ、光をケース13裏面13aに水平な方向に放射する。LED発光装置10からの光は、導光板11の長手方向側面11aに照射され、導光板11内部に入射する。
【0028】
導光板11内部に入射した光は、導光板11の長手方向へと進行する。このとき、導光板11内部を進行する光の一部は塗料14によって反射され、導光板11表面11cから外部へと出射する。これにより、塗料14による意匠形状が表示される。
【0029】
以上のように、実施例1のスカッフプレート1は、導光板11に加工や印刷を施していない。そのため導光板11に傷や汚れが付かず装飾性を向上することができ、また、容易かつ低コストに製造することができる。また、LED発光装置10としてサイドビュー型のものを用いているため、スカッフプレート1の厚さを薄くすることができる。
【0030】
なお、実施例1では反射プレートを用いて反射率を高めているが、反射率を高めることは必ずしも必要ではない。たとえば、反射プレートの替わりに黒色の樹脂からなるフィルム状や板状のプレートを用いて印刷された意匠形状の塗料とのコントラストを高めるようにしてもよい。
【実施例2】
【0031】
図2は、実施例2のスカッフプレート2の長手方向の断面図である。スカッフプレート2は、LED発光装置10と、導光板11と、ケース23と、カバー17を備えている。LED発光装置10、導光板11、カバー17は実施例1のスカッフプレート1のものと同様である。
【0032】
LED発光装置10と導光板11は、実施例1と同様に配置されている。つまり、LED発光装置10の光の照射方向が導光板11の長手方向側面11bとなるように配置されている。
【0033】
ケース23は、凹部を有した長方形状であり、その凹部にLED発光装置10、導光板11を納め、固定し、保持する。ケース23の凹部底面23aには、塗料24が意匠形状に印刷されている。ケース23の凹部底面23aと導光板11の裏面11aとは、接着剤25を介して全面にわたって接着されている。
【0034】
スカッフプレート2の照明時の動作は、実施例1とほぼ同様であり、LED発光装置10が放射する光を導光板11の長手方向側面11bから入射させ、導光板11内の光をケース23の凹部底面23aに印刷された塗料24が反射することで、意匠形状が表示される。
【0035】
実施例2のスカッフプレート2は、スカッフプレート1よりもさらに構成が簡略化されているため、より容易にかつ低コストに製造することができる。
【0036】
なお、実施例では導光板の長手方向側面の一方の側にLED発光装置を配置するものであるが、導光板の長手方向側面の両方の側にLED発光装置を配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の照明装置は薄型であるため、スカッフプレートなどに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】スカッフプレート1の構造を示す図。
【図2】スカッフプレート2の構造を示す図。
【符号の説明】
【0039】
10:LED発光装置
11:導光板
12:反射プレート
13、23:ケース
14、24:塗料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED発光装置と導光板とを有し、前記LED発光装置からの光を前記導光板の側面に入射させて前記導光板の表面側に意匠を表示させる照明装置において、
前記照明装置は、意匠形状の印刷が施されたプレートを有し、
前記プレートは、前記導光板の裏面側に配置され、
前記プレートと前記導光板は全面にわたって接着されている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
LED発光装置と導光板と前記LED発光装置および前記導光板を納める凹部を備えたケースとを有し、前記LED発光装置からの光を前記導光板の側面に入射させて前記導光板の表面に意匠を表示させる照明装置において、
前記ケースの前記凹部底面には、意匠形状の印刷が施され、
前記ケースの前記凹部底面と前記導光板は全面にわたって接着されている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記LED発光装置は、サイドビュー型であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明装置は、スカッフプレートであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−237143(P2009−237143A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81775(P2008−81775)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】