説明

照明装置

【課題】低コストで光源部の長寿命化を図ることが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】複数の光源4a〜4dを具備する光源部4と、太陽光により発電する太陽光発電部1と、太陽光発電部1で発電した起電力を蓄える蓄電池部2と、蓄電池部2を電源として光源部4を点灯させる点灯装置6と、人の在否を検知する人体検知部5と、太陽光発電部1で発電した起電力に基づいて昼夜を判定する判定手段を有し、判定手段による判定結果および人体検知部5による検知結果に基づいて点灯装置6を制御する制御部3とを備え、制御部3は、判定手段により夜と判定され且つ人体検知部5により人の存在が検知されない特定条件のときに、点灯装置6を制御して複数の光源4a〜4dのうちの一部の光源を点灯させる照明器具である。制御部3は、上記特定条件のときに、判定手段による判定結果に基づいて前日とは異なる光源を点灯させるように点灯装置6を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光による発電を利用する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光による発電(以下、太陽光発電と称する)を利用する照明装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された照明装置は、夜間に道路を照らす照明装置であって、図4に示すように、10個の発光ダイオード24a〜24jと、これらの発光ダイオード24a〜24jを点灯させる点灯回路23と、点灯回路23を制御する制御回路27とを有する。また、この照明装置は、太陽光により発電する太陽電池20と、10個の発光ダイオード24a〜24jを点灯させるための電源となる蓄電体21と、太陽電池20で発電した起電力を蓄電体21に充電する定電圧充電回路22とを有する。さらに、上述の照明装置は、太陽電池20で発電した起電力に基づいて昼夜を判別する昼夜判別回路25と、人体を検出する人体検出器26とを有する。
【0004】
制御回路27は、昼夜判別回路25により夜と判別され、且つ、人体検出器26により人体が検出されないときに、点灯回路23を制御して10個の発光ダイオード24a〜24jのうちの特定の3個の発光ダイオード24a〜24cを点灯させる。また、制御回路27は、昼夜判別回路25により夜と判別され、且つ、人体検出器26により人体が検出されたときに、点灯回路23を制御してすべての発光ダイオード24a〜24jを点灯させる。さらに、制御回路27は、すべての発光ダイオード24a〜24jを点灯させた後に、人体検出器26により人体が検出されなくなってから、予め設定された一定時間を経過すると、特定の3個の発光ダイオード24a〜24cのみ点灯を維持し、残りの7個の発光ダイオード24d〜24jを消灯させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−281327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図4に示した構成の照明装置は、点灯回路23により点灯させた発光ダイオード24a〜24jの個数に応じて、照明光の明るさが変わる。
【0007】
しかしながら、この照明装置では、昼夜判別回路25により夜と判別されたときに、10個の発光ダイオード24a〜24jのうちの特定の3個の発光ダイオード24a〜24cが、人体検出器26の出力にかかわらず常時点灯するから、残りの7個の発光ダイオード24d〜24jよりも長時間点灯される。したがって、上述の照明装置では、特定の3個の発光ダイオード24a〜24cが残りの7個の発光ダイオード24d〜24jよりも早く寿命を迎えるので、10個の発光ダイオード24a〜24jを具備する光源部24を交換する必要が生じてしまう。
【0008】
この課題を解決する方法としては、各発光ダイオード24a〜24jそれぞれの累積点灯時間を各別に計時して、累積点灯時間が短い発光ダイオードを、特定の発光ダイオードとする方法が考えられる。
【0009】
しかしながら、上述の方法では、各発光ダイオード24a〜24jそれぞれの累積点灯時間を各別に計時する計時手段や累積点灯時間を記憶するメモリなどが必要であり、コストアップの要因となる。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで光源部の長寿命化を図ることが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の照明装置は、複数の光源を具備する光源部と、太陽光により発電する太陽光発電部と、前記太陽光発電部で発電した起電力を蓄える蓄電池部と、前記蓄電池部を電源として前記光源部を点灯させる点灯装置と、人の在否を検知する人体検知部と、前記太陽光発電部で発電した起電力に基づいて昼夜を判定する判定手段を有し、前記判定手段による判定結果および前記人体検知部による検知結果に基づいて前記点灯装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記判定手段により夜と判定され且つ前記人体検知部により人の存在が検知されない特定条件のときに、前記点灯装置を制御して前記複数の光源のうちの一部の光源を点灯させる照明器具であって、前記制御部は、前記特定条件のときに、前記判定手段による判定結果に基づいて前日とは異なる光源を点灯させるように前記点灯装置を制御することを特徴とする。
【0012】
この照明装置において、前記制御部は、前記点灯装置を制御して前記一部の光源を点灯させた後に、前記判定手段により夜と判定され、且つ、前記人体検知部により人の存在が検知されたとき、前記一部の光源を消灯させるとともに、前記複数の光源のうちの前記一部の光源以外の光源を点灯させることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明装置においては、低コストで光源部の長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態の照明装置の概略構成図である。
【図2】同上の照明装置の外観斜視図である。
【図3】同上の照明装置の動作説明図である。
【図4】従来例の照明装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態の照明装置について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態の照明装置は、複数(図1では、4つ)の光源4a〜4dを具備する光源部4と、太陽光により発電する太陽光発電部1と、太陽光発電部1で発電した起電力を蓄える蓄電池部2と、蓄電池部2を電源として光源部4を点灯させる点灯装置6とを有する。また、この照明装置は、人の在否を検知する人体検知部5と、太陽光発電部1で発電した起電力に基づいて昼夜を判定する判定手段を有し、この判定手段による判定結果および人体検知部5による検知結果に基づいて点灯装置6を制御する制御部3とを有する。なお、点灯装置6は、光源部4に設けてもよい。
【0017】
また、上述の照明装置は、夜間に道路などを照らす照明装置(例えば、街路灯など)であって、図2に示すように、角筒状の鋼管により形成され地面に立設したポール10と、ポール10の下部側に設置され、蓄電池部2、制御部3などを収納する箱状の収納部9とを有する。
【0018】
ポール10の頂上部には、板状(図示例では、矩形板状)の太陽光発電部1が、側面視において地面に対して所定の角度だけ傾けて設置されている。また、ポール10の中央部には、各光源4a〜4dそれぞれが下方を照射するように光源部4が取り付けられている。
【0019】
ここにおいて、ポール10内には、太陽光発電部1、光源部4、蓄電池部2、制御部3などを電気的に接続するための電線(図示せず)が収納配置されている。
【0020】
各光源4a〜4dそれぞれは、例えば、複数のLEDチップを具備する白色LEDを用いた光源である。なお、各光源4a〜4dそれぞれは、白色LEDを用いた光源を採用しているが、これに限らず、例えば、蛍光灯または白熱灯などを採用してもよい。
【0021】
ここで、本実施形態の照明装置では、すべての光源4a〜4dに対して点灯装置6により点灯させる個数の割合を光源部4の調光率と定義しており、点灯装置6によりすべての光源4a〜4dを点灯させた場合の光源部4の調光率を100%としてある。つまり、本実施形態の照明装置は、点灯装置6により1つの光源4aを点灯させると、光源部4の調光率が25%となる。
【0022】
太陽光発電部1は、複数の太陽電池1aを電気的に直列接続あるいは並列接続して板状(例えば、矩形板状)に形成された複数(図2では、2つ)の太陽電池パネル1bにより構成される(図2参照)。
【0023】
太陽電池1aは、シリコン系太陽電池(例えば、バルク結晶シリコン型太陽電池、薄膜シリコン型太陽電池など)により構成されている。なお、太陽電池1aは、シリコン系太陽電池により構成しているが、特に限定するものではない。
【0024】
蓄電池部2は、複数のリチウムイオン電池を電気的に直列接続あるいは並列接続して構成されている。なお、蓄電池部2は、リチウムイオン電池を採用しているが、特に限定するものではない。
【0025】
また、蓄電池部2には、この蓄電池部2を充電する充電回路(図示せず)が電気的に接続されている。つまり、蓄電池部2は、充電部を介して、太陽光発電部1から供給された直流電圧が充電される。
【0026】
点灯装置6は、蓄電池部2と各光源4a〜4dそれぞれとの間に設けられた複数のスイッチング素子(図示せず)により構成されている。なお、スイッチング素子としては、例えば、FET(Field EffectTransistor)を用いればよい。また、光源部4の光源として蛍光灯が用いられる場合には、点灯装置6をインバータにより構成すればよい。また、光源部4の光源として白熱灯が用いられる場合には、点灯装置6を、トライアックなどのスイッチング素子、または、リレーなどのスイッチ要素により構成すればよい。
【0027】
人体検知部5は、人体から放射される赤外線を検出する焦電素子を有しており、人の存在を検知したときに、検知信号S5を制御部3へ出力する。ここにおいて、人体検知部5は、焦電素子を用いているが、これに限らず、例えば、検知範囲を撮像する撮像手段により取得された画像を用いて検知範囲内の人の在否を検知する画像センサを用いてもよい。また、人体検知部5は、例えば、検知範囲内にミリ波からなる電波を送波するとともに検知範囲内の移動物体(例えば、人体)で反射した電波を受波し、送波した電波の周波数と受波した電波の周波数とに基づいて、検知範囲内の人の在否を検知するミリ波センサなどを用いてもよい。また、人体検知部5は、例えば、検知範囲内に近赤外光を照射するとともに検知範囲内の移動物体(例えば、人体)からの反射光を受光し、三角測量法の原理に基づいて人体までの距離を求める測距センサを用いて、検知範囲内に人が存在するか否かを判定する人体検知装置を用いてもよい。
【0028】
制御部3は、適宜のプログラムを搭載したマイクロコンピュータで構成されており、各光源4a〜4dそれぞれを各別に点灯または消灯させるように点灯装置6を制御するための複数(図1では、4つ)の制御信号S1〜S4を点灯装置6へ出力する。ここにおいて、点灯装置6は、制御部3から出力された各制御信号S1〜S4に応じて、各光源4a〜4dそれぞれを各別に点灯または消灯させる。
【0029】
制御部3の判定手段は、太陽光発電部1で発電した起電力に基づいて昼夜を判定する。なお、判定手段は、制御部3に搭載した適宜のプログラムにより構成されている。
【0030】
具体的に説明すると、判定手段は、太陽光発電部1で発電した起電力が予め設定された基準値を超えた場合に、昼と判定する。一方、判定手段は、太陽光発電部1で発電した起電力が基準値以下の場合に、夜と判定する。
【0031】
また、制御部3は、判定手段による判定結果および人体検知部5による検知結果に基づいて点灯装置6を制御して、各光源4a〜4dそれぞれを各別に点灯または消灯させる。
【0032】
以下、本実施形態の照明装置の動作について、図3を参照しながら説明する。なお、図3に示す縦軸は太陽光発電部1で発電した起電力を表し、図3に示す横軸は時間を表している。
【0033】
制御部3は、判定手段により夜と判定され且つ人体検知部5により人の存在が検知されない特定条件のときに、点灯装置6を制御して複数の光源4a〜4dのうちの一部の光源4aを点灯させる。この場合、本実施形態の照明装置では、点灯装置6により1つの光源4aを点灯させるので、光源部4の調光率が25%となる。
【0034】
また、制御部3は、判定手段により夜と判定され、且つ、人体検知部5により人の存在が検知されたときに、点灯装置6を制御してすべての光源4a〜4dを点灯させる。この場合、本実施形態の照明装置では、点灯装置6によりすべての光源4a〜4dを点灯させるので、光源部4の調光率が100%となる。
【0035】
さらに、制御部3は、点灯装置6を制御してすべての光源4a〜4dを点灯させた後に、人体検知部5により人の存在が検知されなくなってから、予め設定された所定時間(例えば、1分)を経過すると、光源4aのみ点灯を維持し、残りの3個の光源4b〜4dを消灯させる。また、制御部3は、判定手段により昼と判定されたとき(例えば、図3の時刻t0〜時刻t1および時刻t2〜時刻t3の期間)に、点灯装置6を制御してすべての光源4a〜4dを消灯させる。また、制御部3は、判定手段により判定された判定結果が昼から夜になったとき(例えば、図3の時刻t1および時刻t3の時点)、上述の特定条件のときに点灯させる光源として、複数の光源4a〜4dのうちの光源4aとは異なる光源4bを点灯させるように点灯装置6を制御する。
【0036】
したがって、制御部3は、一日(図3では、例えば、時刻t1〜時刻t3の期間)が経過した後で上述の特定条件のときに、前日に点灯させた光源(例えば、光源4a)とは異なる光源(例えば、光源4b)を点灯させる。言い換えれば、制御部3は、上述の特定条件のときに、判定手段による判定結果に基づいて前日とは異なる光源(前日に光源4aを点灯させた場合には、例えば、光源4b)を点灯させるように点灯装置6を制御する。
【0037】
さらに、制御部3は、点灯装置6を制御して光源4bを点灯させた後に、判定手段により昼と判定されて光源4bを消灯させてから、判定手段により判定された判定結果が昼から夜になる(さらに一日が経過する)と、上述の特定条件のときに点灯させる光源として、複数の光源4a〜4dのうちの光源4bとは異なる光源4cを点灯させるように点灯装置6を制御する。以降、制御部3は、一日が経過するごとに、上述の特定条件のときに点灯させる光源を、光源4d、光源4a、光源4b、光源4c、光源4d、光源4a・・・の順番で点灯させるように点灯装置6を制御する。
【0038】
したがって、本実施形態の照明装置は、上述の特定条件のときに前日とは異なる光源を点灯させるので、複数の光源4a〜4dのうちの特定のものが夜に常時点灯されて早く寿命を迎えるのを抑制することが可能となり、図4に示した従来例の照明装置に比べて、光源部4の長寿命化を図ることが可能となる。また、この照明装置は、上述の特定条件のときに、太陽光発電部1で発電した起電力に基づいて前日とは異なる光源を点灯させるので、各光源4a〜4dの累積点灯時間それぞれを各別に計時する計時手段や累積点灯時間を記憶するメモリなどが不要となり、低コストで光源部4の長寿命化を図ることが可能となる。
【0039】
ここにおいて、本実施形態の制御部3は、一日が経過するごとに、上述の特定条件のときに点灯させる光源を、光源4a、光源4b、光源4c、光源4d、光源4a、光源4b・・・の順番で点灯させるように点灯装置6を制御しているが、この順番を特に限定するものではなく、例えば、上述の特定条件のときに点灯させる光源を、光源4a、光源4b、光源4c、光源4d、光源4c、光源4b・・・の順番で点灯させるように点灯装置6を制御してもよい。また、本実施形態の照明装置は、上述の特定条件のときに点灯させる光源を、1つの光源のみで構成しているが、これに限らず、例えば、2つの光源などで構成してもよい。また、本実施形態の照明装置は、光源部4を4つの光源4a〜4dで構成しているが、この構成を特に限定するものではなく、2つ以上の光源で構成すればよい。
【0040】
また、制御部3は、点灯装置6を制御して一部の光源4aを点灯させた後に、判定手段により夜と判定され、且つ、人体検知部5により人の存在が検知されたとき、一部の光源4aを消灯させるとともに、複数の光源4a〜4dのうちの一部の光源4a以外の光源(図1では、光源4b、光源4cおよび光源4d)を点灯させてもよい。つまり、制御部3は、判定手段により夜と判定され、且つ、人体検知部5により人の存在が検知されたときに、点灯装置6により光源4b〜4dを点灯させて光源部4の調光率を75%としてもよい。したがって、本実施形態の照明装置は、判定手段により夜と判定され、且つ、人体検知部5により人の存在が検知されたときに光源部4の調光率を100%とする場合に比べて、さらに光源部4の長寿命化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
1 太陽光発電部
2 蓄電池部
3 制御部
4 光源部
4a〜4d 光源
5 人体検知部
6 点灯装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源を具備する光源部と、太陽光により発電する太陽光発電部と、前記太陽光発電部で発電した起電力を蓄える蓄電池部と、前記蓄電池部を電源として前記光源部を点灯させる点灯装置と、人の在否を検知する人体検知部と、前記太陽光発電部で発電した起電力に基づいて昼夜を判定する判定手段を有し、前記判定手段による判定結果および前記人体検知部による検知結果に基づいて前記点灯装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記判定手段により夜と判定され且つ前記人体検知部により人の存在が検知されない特定条件のときに、前記点灯装置を制御して前記複数の光源のうちの一部の光源を点灯させる照明器具であって、前記制御部は、前記特定条件のときに、前記判定手段による判定結果に基づいて前日とは異なる光源を点灯させるように前記点灯装置を制御することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記点灯装置を制御して前記一部の光源を点灯させた後に、前記判定手段により夜と判定され、且つ、前記人体検知部により人の存在が検知されたとき、前記一部の光源を消灯させるとともに、前記複数の光源のうちの前記一部の光源以外の光源を点灯させることを特徴とする請求項1記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−169226(P2012−169226A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31269(P2011−31269)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】