説明

熱処理中に放射エネルギーを測定するための装置および方法

本発明の実施形態は、熱処理中の温度測定の際に加熱源からの放射の影響を低減するための装置および方法を提供する。本発明の一実施形態では、熱処理チャンバのエネルギー源など背景の放射エネルギーが、選択されたスペクトル内で標識を付けられ、次いで背景の特性が、選択されたスペクトル内の参照波長および、選択されたスペクトルの直ぐ外の比較波長で放射エネルギーを測定することにより、確定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体処理の分野に関する。より詳細には、本発明は、半導体基板を熱的に処理するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理中に様々な化学反応および/または物理反応が起こり得るように、基板を高温に加熱することがある。熱プロセスが、基板を加熱するのに通常、用いられる。アニーリングなど典型的な熱プロセスには、短時間に比較的多量の熱エネルギーを基板に供給し、その後、熱プロセスを終了させるために、ウエーハを急速に冷却することが必要である。現在、用いられている熱プロセスの例には、急速熱処理(Rapid Thermal Processing:RTP)およびインパルス(スパイク)アニーリングがある。
【0003】
一般に、これらの熱プロセスでは、所定の熱レシピに従って、制御された条件下で基板を加熱する。これらの熱レシピは、基本的には、温度変化のレート、つまり、温度上昇レートおよび下降レートで半導体基板を加熱しなければならない温度ならびに熱処理システムが特定の温度に留まる時間からなる。
【0004】
所望の結果を実現し、熱処理中に基板全体にわたる均一性を維持するように、プロセスを制御するには、正確な温度測定が不可欠である。処理中の基板またはチャンバ構成部品の温度測定は、測定対象物からの放射エネルギーを感知する高温計を用いるなど、非接触法でインサイチュで通常、行う。高温計は、一般に、測定対象物の温度を確定するために、測定対象物からの放射エネルギーの、ある波長のエネルギーレベルを検知する。
【0005】
熱処理中の高温計による温度測定の正確さは、放射エネルギー中の受け取る雑音により通常、影響を受ける。例えば、処理中の基板の温度を測定する際は、基板から放出される放射エネルギーに加えて、エネルギー源からの放射エネルギーが、直接的にまたは反射を通じてセンサで受け取られることがある。
【0006】
望まない放射エネルギーが温度センサに入るのを防止するために、様々な方法が用いられてきた。例えば、エネルギー源からの放射など背景雑音がセンサに入るのを防止するために、覆いや遮蔽が用いられる。しかし、覆いや遮蔽は、システムの複雑性を増し、システムの柔軟性を低減させるのみならず、より低温の測定範囲のセンサを制限する。
【0007】
放射センサの動作波長内の背景放射エネルギーをフィルタを通して除去するために、スペクトルフィルタもまた用いられる。熱処理中に半導体基板を測定するための動作波長は、一般に制限された範囲内にある。希土類元素を含むスペクトルフィルタなど適切なスペクトルフィルタは、通常、高価である。さらに、スペクトルフィルタは、動作波長内にある加熱源からの放射エネルギーを通常、吸収する。この吸収は、加熱源からの放射エネルギーを浪費することになるのみならず、スペクトルフィルタ自体の過熱を引き起こす。
【発明の概要】
【0008】
したがって、熱処理中の効率的で正確な温度測定のための改良された装置および方法が必要である。
【0009】
本発明の実施形態は、一般に、熱処理中の正確な温度測定のための装置および方法を提供する。詳細には、本発明の実施形態は、熱処理中の温度測定において加熱源からの放射など背景雑音を低減するための装置および方法を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態は、基板を処理するためのチャンバであって、処理体積を画定するチャンバ容器と、処理体積へ放射エネルギーを導くように構成されたエネルギー源と、エネルギー源から処理体積への放射エネルギーに標識を付けるように構成されたスペクトルデバイスと、処理体積内で基板を支持するように構成された基板支持体と、放射エネルギーを受け取るために処理体積内に位置決めされた参照センサと、測定波長で放射エネルギーを受け取るために処理体積内に位置決めされた測定対象用センサと、参照センサの測定値を用いて、エネルギー源からの放射エネルギーの特性を確定し、測定対象用センサの測定値およびエネルギー源の放射エネルギーの特性を用いて、基板の温度を確定するように構成された制御装置とを備えるチャンバを提供する。
【0011】
本発明の別の一実施形態は、基板を処理するための方法であって、エネルギー源からの放射エネルギーを熱処理チャンバの処理体積へ導くこと、エネルギー源から処理体積へ導かれた放射エネルギーに標識を付けること、処理体積内に基板を位置決めすること、処理体積内の放射エネルギーを測定すること、処理体積内の測定放射エネルギーおよびエネルギー源からの放射エネルギーの標識付けを用いて、エネルギー源からの放射エネルギーの特性を確定すること、及び、処理体積内の測定放射エネルギーおよびエネルギー源からの放射エネルギーの確定された特性を用いて、基板の温度を確定することを含む方法を提供する。
【0012】
本発明のさらに別の一実施形態は、基板を処理するための方法であって、エネルギー源から熱処理チャンバの処理体積へ放射エネルギーを導くことと、エネルギー源から処理体積に導かれた放射エネルギーに標識を付けることと、処理体積内に基板を位置決めすることと、参照波長で処理体積内の放射エネルギーを測定することと、参照波長での測定値から放射エネルギーの特性を確定することと、測定波長で処理体積内の放射エネルギーを測定することと、測定波長での測定値およびエネルギー源からの放射エネルギーの確定された特性を用いて、基板の温度を確定することを含む方法を提供する。
【0013】
本発明の上述の特徴が詳細に理解できるように、一部を添付の図面に示す実施形態を参照にして、上で簡単に要約されている本発明がより具体的に説明され得る。しかし、添付の図面は、本発明の典型的実施形態のみを示すものであり、したがって、本発明には他の同等に有効な実施形態が許され得るので、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による熱処理チャンバの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による方法を示す、測定対象からの放射スペクトルおよび加熱源からの放射スペクトルの概略グラフである。
【図3】本発明の一実施形態による方法を示す、測定対象からの放射スペクトルおよび加熱源からの放射スペクトルの概略グラフである。
【図4】異なる温度での加熱源のスペクトルシグネチャを示す概略グラフである。
【図5】本発明の一実施形態による、熱処理チャンバ内で測定対象の温度を測定するための方法を示す概略流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態による、熱処理中に温度を測定するための方法を示す流れ図である。
【図7】本発明の一実施形態による、測定対象の温度を測定するための方法を概略的に示す流れ図である。
【図8】本発明の別の一実施形態による、測定対象の温度を測定するための方法を概略的に示す流れ図である。
【図9】本発明の一実施形態による急速熱処理チャンバの概略側断面図である。
【0015】
理解を容易にするため、図に共通な同一の要素を表すのに、可能な個所では、同一の参照番号を用いている。一実施形態で開示された要素は、特別な記載がなくとも、他の実施形態に有益に活用できることが意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、熱処理中の温度測定において加熱源放射を同定または特徴付けるための装置および方法を提供する。本発明の一実施形態では、熱処理チャンバのエネルギー源など背景の放射エネルギーが選択されたスペクトル内で標識を付けられ、次いで背景の特性が、選択されたスペクトル内の参照波長および選択されたスペクトルの直ぐ外の比較波長で放射エネルギーを測定することにより、確定される。一実施形態では、処理中の基板など測定対象の温度は、選択されたスペクトル外の測定波長での放射エネルギーの測定値および背景の特性を用いて、確定される。参照波長が測定波長と異なるので、背景は、熱損失が限定されたスペクトルで標識を付けてもよく、同時に測定対象は、熱的可視性が高い波長で測定することができる。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による熱処理チャンバ100の概念図である。処理チャンバ100は、その中で基板102が熱的に処理されることになる処理体積110を画定するチャンバ本体101を一般に備える。エネルギー源103は、チャンバ本体101の外部に設けられ、窓104を通じて、処理体積110へ放射エネルギー105を導くように構成される。
【0018】
センサアセンブリ108は、構成部品の属性を測定するために、チャンバ本体101の内部に位置決めされて設けられる。一実施形態では、センサアセンブリ108は、基板102から放射エネルギーを得て、測定することにより、基板102の温度を測定するように構成される。センサアセンブリ108は、システム制御装置109と接続してもよい。システム制御装置109は、センサアセンブリ108が受け取る放射エネルギーに応じて、チャンバ本体101内の構成部品の温度または他の特性を確定するように構成される。一実施形態では、システム制御装置109は、センサアセンブリ108からの測定値に応じて、エネルギー源103を調節することもできる。
【0019】
一実施形態では、エネルギー源103からの放射エネルギー105は、処理体積110に入る前に、または入る際に、放射エネルギー106のように処理しても、標識を付けてもよい。その結果、センサ108は、基板102など測定対象物に起源をもつ放射エネルギー107を、処理中に放射エネルギー106から区別および/または分離することが可能になる。
【0020】
放射エネルギー105は、偏光、反射、吸収、標識の付加、またはそれらの組合せを通じて処理してもよい。エネルギー源103からの放射エネルギー105は、スペクトル全体にわたって処理してもよく、または、放射エネルギー105の選択されたスペクトルのみを処理する。
【0021】
一実施形態では、エネルギー源103からの放射エネルギー105は、処理体積110に入る際に、選択されたスペクトル内で標識を付けられる。エネルギー源の標識付けは、選択されたスペクトル内の放射エネルギーを吸収、反射、または偏光するように構成された、吸収体、反射体、または偏光体を用いて、実現してもよい。
【0022】
一実施形態では、吸収体、反射体、または偏光体は、窓104の内側または外側に設けてもよい。
【0023】
その結果、エネルギー源103からの標識付き放射エネルギー106のみが、処理体積110に入る。一実施形態では、図1に示すように、選択されたスペクトル114中の放射エネルギーの一部分のみが処理体積110に入る。
【0024】
センサアセンブリ108は、基板102からの放射エネルギー107およびエネルギー源103からの標識付き放射エネルギー106の両方を受け取る。一実施形態では、センサアセンブリ108は、選択されたスペクトル114内にある参照波長115で動作する参照センサおよび選択されたスペクトル114の直ぐ外にある比較波長111で動作する比較センサを備える。一実施形態では、比較波長111と参照波長115とは、それらの波長での元の放射エネルギー105、107の強度の差は無視してもよいほど実質的に近い。
【0025】
比較波長111での、エネルギー源103からの放射エネルギーと基板102からの放射エネルギーとの比など、受け取った放射エネルギーの特性は、参照波長115および比較波長111でのセンサアセンブリ108の測定値を用いて、確定してもよい。図2〜図8に従って、特性を確定する方法を説明する。
【0026】
標識付けの効果、例えば、吸収される放射エネルギーの比が既知であるときには、比較波長111での放射エネルギー107の強度は、参照波長115および比較波長111での測定値から近似的に計算してもよい。一実施形態では、基板102の温度は、比較波長111での放射エネルギー107の近似的強度から確定することができる。
【0027】
一実施形態では、基板102のより正確な温度測定は、測定波長112で放射エネルギーを測定することにより得ることができる。測定波長112では、基板102の放射エネルギーが相対的に高く、検出しやすい。測定波長では、放射エネルギー107の強度は、その放射エネルギーの測定値から、参照波長115および比較波長111での測定値に応じて得られる放射エネルギー106の強度を引いた値と等しい。
【0028】
一実施形態では、システム制御装置109は、エネルギー源103の電源113と接続される。システム制御装置109は、電源113の電力レベルを監視してもよい。電源113の電力レベルは、処理中にエネルギー源103のスペクトルシグネチャを生成するのに用いることができる。例えば、黒体放射源の座標色温度は電力レベルの関数であることが知られている。スペクトルシグネチャは、測定波長112での強度を含む、スペクトル全体にわたる放射エネルギー105の強度を確定するために、参照波長115および比較波長111での測定値と組み合わせて、用いることができる。
【0029】
図2は、熱処理チャンバ内の放射スペクトルを示す概略グラフである。x軸は波長を指し、y軸は放射エネルギーの相対強度を指す。図2は、図1のエネルギー源103など加熱源からの放射エネルギー206の相対強度および図1の基板102など測定対象からの放射エネルギー207の相対強度を示す。図2はまた、加熱源および測定対象からの組み合わされた放射エネルギー208の強度も示す。測定対象の、温度など属性を同定するのに放射エネルギー207が必要であるが、熱センサは、組み合わされた放射エネルギー208を一般に受け取る。本発明の実施形態は、組み合わされた放射エネルギー208を測定することにより、放射エネルギー207を正確に得るために方法および装置を提供する。
【0030】
本発明の一実施形態は、加熱源からの放射エネルギー206の選択されたスペクトル209が、吸収体や反射体など標識付けデバイスにより標識付けされる。放射エネルギー206の標識付けは、加熱源と処理チャンバの間の窓を標識付けデバイスで裏打ちすることにより実施してもよい。一実施形態では、標識付けデバイスの減衰率は既知である。図2に示すように、放射エネルギー207の既知の部分が、処理チャンバからフィルタで除去される。その結果、組み合わされたエネルギー208は、また、選択されたスペクトル209でV字切り込みが入る。
【0031】
一実施形態では、第1の熱センサが、選択されたスペクトル209内にある参照波長201で、結合された放射エネルギー208を測定するように構成される。第1の熱センサの測定値は、


で表すことができる。この式で、Sは測定値であり、Wは測定対象からの放射エネルギーの強度であり、Lは減衰後の加熱源からの放射エネルギーの強度であり、Rは標識付けデバイスの減衰率で既知であり、


は減衰前の加熱源からの放射エネルギーの強度である。一実施形態では、標識付けデバイスの減衰率は約0.3から約0.01である。
【0032】
第2の熱センサは、選択されたスペクトル209の直ぐ外にあり、参照波長201と相対的に近い波長である比較波長202で、結合された放射エネルギー208を測定するように構成される。第2の熱センサの測定値は、
=W+L 式2
で表すことができる。この式で、Sは測定値であり、Wは測定対象からの放射エネルギー207の強度であり、Lは加熱源からの放射エネルギーの強度である。
【0033】
一実施形態では、参照波長と比較波長とが、波長201および波長202での放射エネルギー206、207の強度が近似的に同じである、つまり、


であるほど十分に近いとき、測定対象からの放射エネルギー207の強度Wは、測定値S、Sから近似的に計算してもよい。したがって、


である。
【0034】
図6は、図2に示した、熱処理中に温度を測定するための方法300を示す流れ図である。
【0035】
枠310では、熱処理のために基板が熱処理チャンバ内に位置決めされる。
【0036】
枠320では、ランプアセンブリなど加熱源からの放射エネルギーが、図2の選択されたスペクトル209など選択されたスペクトルで標識付けされる。標識付けは、吸収、反射、または偏光で行うことができる。
【0037】
枠330では、加熱源からの放射エネルギーは、熱処理チャンバへ導かれる。一実施形態では、放射エネルギーは、熱処理チャンバの石英窓を通じて熱処理チャンバへ導いてもよく、標識付けデバイスは、石英窓に裏打ちされたフィルタであり得る。
【0038】
枠340では、熱処理チャンバ内の放射エネルギーが、選択されたスペクトル内にある参照波長で測定される。
【0039】
枠350では、熱処理チャンバ内の放射エネルギーが、選択されたスペクトルの直ぐ外にある比較波長で測定される。
【0040】
枠360では、基板からの放射エネルギーは、参照波長および比較波長での放射エネルギーの測定値から得てもよい。一実施形態では、基板からの放射エネルギーは、式3を用いて得てもよい。温度など、基板の属性は、計算された放射エネルギーから得ることができる。
【0041】
一実施形態では、熱測定の正確さが、放射エネルギー207が相対的により強い波長で測定することにより、向上することがある。しかし、放射エネルギー207を測定するのに理想的な波長は、加熱源の放射エネルギー206に標識を付けるのに理想的な波長とは異なる可能性が高い。図3は、標識付けおよび測定を異なる波長で行うことを可能にする、本発明の別の一実施形態による方法を示す。
【0042】
図3は、図2の測定対象および加熱源からの放射スペクトルの概略グラフである。図2と同様に、加熱源からの放射エネルギー206は、選択されたスペクトル209で標識が付けられ、選択されたスペクトル209内の参照波長201および選択されたスペクトル209の直ぐ外の比較波長202で放射エネルギーを測定するために、第1および第2のセンサを用いる。
【0043】
さらに、加熱源からの放射エネルギー206は、選択されたスペクトル209とは異なる第2の選択されたスペクトル210で、同様に標識が付けられる。第2の選択されたスペクトル210内の第2の参照波長203で放射エネルギー208を測定するために、第3のセンサを用いる。第2の選択されたスペクトル210の直ぐ外の第2の比較波長204で放射エネルギー208を測定するために、第4のセンサを用いる。
【0044】
加熱源の2つの選択されたスペクトルに標識を付けることと4つの熱センサを用いることにより、測定対象からの放射エネルギー206と加熱源からの放射エネルギー207との比は、スペクトルに沿って計算することができ、したがって、選択されたスペクトル209、210の外の波長での測定値から、測定対象の放射エネルギー207を得ることが可能になる。
【0045】
式1および、式2ならびに


という近似により、比較波長202での放射エネルギー206は、
=(S−S)/(1−R) 式4
である。
【0046】
第3の熱センサの測定値は、


で表すことができる。この式で、Sは測定値であり、Wは測定対象からの放射エネルギー207の強度であり、Lは減衰後の加熱源からの放射エネルギーの強度であり、


は減衰前の加熱源からの放射エネルギーの強度であり、R’は第2の標識付けデバイスの減衰率である。
【0047】
第4の熱センサの測定値は、
=W+L 式6
で表すことができる。この式で、Sは測定値であり、Wは測定対象からの放射エネルギー207の強度であり、Lは加熱源からの放射エネルギーの強度である。
【0048】
式5および、式6、


および


という近似により、比較波長204での放射エネルギー206は、
=(S−S)/(1−R’) 式7
である。
【0049】
一実施形態では、測定波長205での放射エネルギー206は、LおよびLにより、波長の関数として計算することができる。したがって、
=F(p,L,L) 式8
である。ここで、pはLに対応する波長である。Fは、放射エネルギー206のスペクトル特性を反映する任意の適切な関数であってもよい。一実施形態では、関数Fは直線補間式であってもよい。別の一実施形態では、Fは、プランクの法則から導出してもよく、または経験的に決定してもよい。
【0050】
一実施形態では、測定波長205で放射エネルギーを測定するために、第5のセンサを用いる。測定波長205は、基板など測定対象からの放射エネルギーを測定するのに理想的なように選択してもよい。測定波長205での第5のセンサからの測定値は、
=W+L 式9
で表すことができる。この式で、Sは測定値であり、Wは測定対象からの放射エネルギー207の強度であり、Lは加熱源からの放射エネルギーの強度である。
【0051】
測定対象からの放射エネルギー207の強度Wは、測定値Sおよび放射エネルギーLから近似的に計算することができる。したがって、
=S−L 式10
である。
【0052】
図7は、図3に示した、熱処理中に温度を測定するための方法400を示す流れ図である。
【0053】
枠410では、熱処理のために基板が熱処理チャンバ内に位置決めされる。
【0054】
枠420では、ランプアセンブリなど加熱源からの放射エネルギーが、図2の選択されたスペクトル209および210など2つの選択されたスペクトルで標識が付けられる。標識付けは、吸収、反射、または偏光で行うことができる。
【0055】
枠430では、加熱源からの放射エネルギーは、熱処理チャンバへ導かれる。一実施形態では、放射エネルギーは、熱処理チャンバの石英窓を通じて熱処理チャンバへ導いてもよく、標識付けデバイスは、石英窓に裏打ちされたフィルタであり得る。
【0056】
枠440では、熱処理チャンバ内の放射エネルギーが、2つの選択されたスペクトル内のそれぞれ2つの参照波長で測定される。
【0057】
枠450では、熱処理チャンバ内の放射エネルギーが、対応する選択されたスペクトルの直ぐ外にある2つの比較波長で測定される。
【0058】
枠460では、加熱源からの放射エネルギーは、参照波長および比較波長での測定値からスペクトル全体にわたって得ることができる。式4、式7および式8は、スペクトル全体にわたってエネルギー源からの放射エネルギーを得るために用いることができる。
【0059】
枠470では、放射エネルギーは測定波長で測定される。測定波長は、最も効果的に基板の属性を反映する放射エネルギーを有する波長となるように選択してもよい。
【0060】
枠480では、測定波長での基板からの放射エネルギーは、測定波長での測定値およびエネルギー源からの既得の放射エネルギーを用いて、確定することができる。確定のために式10を用いてもよい。
【0061】
別の一実施形態では、図4および図5で説明するように、標識付け波長とは異なる波長での測定値および加熱源のスペクトルシグネチャを用いて、熱処理中に基板の温度または他の属性を測定することができる。
【0062】
図4は、異なる温度での加熱源のスペクトルシグネチャを示す概略グラフである。x軸は波長を指す。y軸は放射の相対強度を指す。熱放射は周波数の広い範囲で生じることが観察されている。特定の対象物に対しては、温度が上昇するにつれて、放出される放射の主周波数は増大し、スペクトル全体にわたる放射の相対強度が、異なる温度に対し特定の形状を有する。スペクトル全体にわたる放射の相対強度の異なる形状は、スペクトルシグネチャであると同定してもよい。図4に概略的に示すように、加熱源、例えば加熱ランプは、スペクトル全体にわたる相対強度の固有の形状を有する。図4では、T1、T2、T3、およびT4は異なる温度であり、T1はT2より高く、T2はT3より高く、T3はT4より高い。
【0063】
したがって、加熱源の温度が既知で、特定の波長での加熱源からの放射の強度もまた既知ならば、スペクトルシグネチャに従って、全スペクトルでの加熱源からの放射の強度を計算することができる。
【0064】
図5は、特定の波長221での放射強度220が既知のとき、スペクトル全体にわたる放射プロファイルを得るための方法を示す概略流れ図である。x軸は波長を指し、y軸は放射エネルギーの強度を指す。図5に示したように、加熱源の温度が既知のとき、放射エネルギーのプロファイルは、波長221での既知の強度220から確定することができる。図5中の曲線は、図4中のスペクトルシグネチャから導出してもよい。一実施形態では、図5中の曲線は、図4のスペクトルシグネチャから尺度変更で導出される。
【0065】
図2に戻って参照すると、比較波長202での加熱源の放射エネルギー206は、式4、L=(S−S)/(1−R)から計算することができる。
【0066】
加熱源の温度は、加熱源への電力レベルを監視するなど、様々な方法で得ることができる。したがって、加熱源からの放射エネルギー206は、
=G(L,T,p) 式11
から計算することができる。ここで、Gは加熱源のスペクトルシグネチャに対応する関数であり、Tは加熱源の温度であり、pは任意の波長である。加熱源のスペクトルシグネチャは、経験的な方法で得ることができる。
【0067】
再び図2を参照すると、測定波長205で放射エネルギーを測定するためにセンサを用いる。測定波長は、基板など測定対象からの放射エネルギーを測定するのに理想的であるように選択してもよい。測定波長205での第5のセンサからの測定値は、式9で表すことができる。
【0068】
測定対象からの放射エネルギー207の強度Wは、測定値Sおよび放射エネルギーLから式10、W=S−Lを用いて、近似的に計算することができる。
【0069】
図8は、図4および図5に示した、熱処理中に温度を測定するための方法500を示す流れ図である。
【0070】
枠505では、熱処理チャンバの加熱源のスペクトルシグネチャを得てもよい。一実施形態では、加熱源の温度と加熱源への電源の電力レベルとの関係をまた得てもよい。別の一実施形態では、加熱源スペクトルシグネチャを電源の1つまたは複数の電力レベルの関数として経験的に確定してもよい。
【0071】
別の一実施形態では、マルチゾーン加熱を用いるとき、加熱源スペクトルシグネチャをゾーン影響により確定してもよい。マルチゾーン加熱では、加熱源は、それぞれが放射エネルギーを処理体積の一部分へ導くように構成された複数の加熱要素を備える。所望の加熱プロファイルを実現するために、マルチゾーン制御装置が、複数の加熱要素を個別にまたはグループで制御してもよい。マルチゾーン加熱源のスペクトルシグネチャは、経験的に確定してもよい。マルチゾーン加熱源のスペクトルシグネチャは、複数のゾーンに対応する複数のスペクトルシグネチャを含んでいてもよい。一実施形態では、各ゾーンの他のゾーンへの影響または他のゾーンによる各ゾーンへの影響を反映させるために、複数のゾーンの影響行列を経験的に確定してもよく、複数ゾーンのそれぞれのスペクトルシグネチャは、影響行列を考慮して確定される。例えば、各ゾーンからの各測定半径への相対寄与を確定し、それに応じて各ゾーンのスペクトルに重みを付けることにより、影響行列を得てもよい。
【0072】
一実施形態では、2つ以上のゾーンを有する加熱源のスペクトルシグネチャを確定するのに、2組以上のセンサを、センサの各組を1つの加熱ゾーンに対応させた状態で用いてもよい。
【0073】
枠510では、熱処理するために基板が熱処理チャンバ内に位置決めされる。
【0074】
枠520では、ランプアセンブリなど加熱源からの放射エネルギーが、図2の選択されたスペクトル209など1つまたは複数の選択されたスペクトルで標識が付けられる。標識付けは、スペクトル全体にわたり異なる波長で吸収、反射、偏光、またはスパイクの付加で行うことができる。
【0075】
枠530では、加熱源からの放射エネルギーは、熱処理チャンバへ導かれる。一実施形態では、放射エネルギーは、熱処理チャンバの石英窓を通じて熱処理チャンバへ導いてもよく、標識付けデバイスは、石英窓に裏打ちされたフィルタであり得る。
【0076】
枠540では、熱処理チャンバ内の放射エネルギーが、1つまたは複数の選択されたスペクトル内の参照波長および1つまたは複数の選択されたスペクトルの直ぐ外の比較波長で測定される。
【0077】
枠550では、比較波長での加熱源の放射エネルギーは、参照波長および比較波長での測定値から計算される。
【0078】
枠560では、電力レベルと温度、または、代替として、適切な加熱源スペクトルとの既得の関係に従い、加熱源の温度を確定するために、加熱源の電源が監視される。
【0079】
枠570では、放射エネルギーは測定波長で測定される。測定波長は、最も効果的に基板の属性を反映する放射エネルギーを有する波長となるように選択してもよい。
【0080】
枠580では、測定波長での加熱源からの放射エネルギーは、加熱源の温度、加熱源のスペクトルシグネチャ、および比較波長で得られた加熱源の放射エネルギーから確定される。
【0081】
枠590では、測定波長での基板からの放射エネルギーは、測定波長での測定値および測定波長で得られた加熱源の放射エネルギーを用いて確定することができる。
【0082】
図9は、本発明の一実施形態による急速熱処理システム10の概略側断面図である。急速熱処理システム10は、その中で円板形基板12をアニールするように構成された処理体積14を画定するチャンバ本体35を備える。チャンバ本体35は、ステンレス鋼で作製してもよく、石英で裏打ちしてもよい。処理体積14は、急速熱処理システム10の石英窓18上に設けた加熱アセンブリ16により、放射的に加熱されるように構成される。一実施形態では、石英窓18は、水冷してもよい。
【0083】
チャンバ本体35の側面に、基板12に対し処理体積14へ通路を提供するスリットバルブ30を形成してもよい。ガス入口44は、処理体積14に処理ガス、パージガス、および/またはクリーニングガスを提供するように、ガス源45に接続してもよい。真空ポンプ55は、処理体積14をポンプで排気するために、出口11を通じて処理体積14に流体的に接続してもよい。
【0084】
円形チャネル22は、チャンバ本体35の底部の近くに形成される。磁気回転子21は、円形チャネル22内に設けられる。管状立上がり39は、磁気回転子21上に置かれているか、またはそうでなければ、磁気回転子21と結合している。基板12は、管状立上がり39上に設けられたエッジ輪20により、周縁部で支持される。磁気固定子23は、磁気回転子21の外部に位置し、磁気回転子21の回転、したがってエッジ輪20およびその上で支持された基板12の回転を誘起するために、チャンバ本体35を通じて磁気的に結合される。磁気固定子23は、磁気回転子21の高さを調節し、これにより処理中の基板12を持ち上げるように構成してもよい。磁気回転および浮上についての追加の情報が、米国特許第6800833号で入手可能である。この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
チャンバ本体35は、基板12の裏側の近くで反射体プレート27を備えてもよい。反射体プレート27は、基板12の放射率を強めるために、基板12の裏側に面する光学反射面28を有する。一実施形態では、反射体プレート27は水冷してもよい。反射面28および基板12の裏側が反射空洞15を画定する。一実施形態では、反射体プレート27は、処理中の基板12の直径よりもわずかに大きな直径を有する。例えば、急速熱処理システム10が、12インチ基板を処理するように構成されているならば、反射体プレート27の直径は約13インチでよい。
【0086】
一実施形態では、反射空洞15を処理体積14から分離するために、外輪19をチャンバ本体35とエッジ輪20の間に結合してもよい。反射空洞15と処理体積14とは、異なる環境を有してもよい。
【0087】
加熱アセンブリ16は、加熱要素37のアレイを備えていてもよい。加熱要素37のアレイは、UVランプ、ハロゲンランプ、レーザダイオード、抵抗ヒータ、マイクロ波パワーヒータ、発光ダイオード(LED)、または他の任意の適切な加熱要素の単体または組合せのいずれでもよい。加熱要素37のアレイは、反射体本体53内に形成された垂直孔内に設けてもよい。一実施形態では、加熱要素37は、六角形パターン状に配置してもよい。冷却チャネル40は、反射体本体53内に形成してもよい。水など冷却剤が、入口41から反射体本体53に入り、加熱要素37のアレイを冷却しながら、垂直孔の近傍を通り、出口42から反射体本体を出てもよい。
【0088】
加熱要素37のアレイは、制御装置52に接続した電源60により電力供給される。制御装置52は、加熱要素37のアレイの加熱効果を調節する能力がある。一実施形態では、複数の同心円ゾーンで基板12を加熱するために、加熱要素37のアレイは、複数の加熱グループに分割してもよい。各加熱グループは、基板12の半径方向全体に所望の温度プロファイルを与えるように独立に制御してもよい。加熱アセンブリ16についての詳細な説明は、米国特許第6350964号および米国特許第6927169号に見出すことができる。両特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
一実施形態では、制御装置52は、加熱要素37の温度またはスペクトルを確定するために、電源60の電力レベルを監視するように構成される。
【0090】
一実施形態では、石英窓18は、それに取り付けられた標識付けデバイス47を有してもよい。標識付けデバイス47は、選択されたスペクトル内で加熱要素37のアレイからの放射エネルギーに標識を付けるように構成される。一実施形態では、標識付けデバイス47は、選択されたスペクトル内で加熱要素37のアレイからの放射エネルギーを減衰するように構成された吸収体または反射体でもよい。別の一実施形態では、標識付けデバイス47は、処理体積14に導かれる放射エネルギーを偏光してもよく、または標識を付加してもよい。
【0091】
急速熱処理システム10は、異なる半径位置で基板12の熱性質を測定するように構成された1つまたは複数の熱プローブアセンブリ24を備える。一実施形態では、熱プローブアセンブリ24は、基板12の異なる半径部分の温度または他の熱性質を検出するために、反射体プレート27内に形成された複数の開口25と光学的に結合され、それらの内部に設けられた複数の高温計でもよい。同様の温度プローブについての詳細な説明は、米国特許第5755511号に見出すことができる。この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0092】
一実施形態では、プローブアセンブリ24のそれぞれは、標識付けデバイス47の選択されたスペクトル内の参照波長、選択されたスペクトルの比較波長、および基板12の性質に応じて選択された測定波長など、異なる波長で放射エネルギーを測定するように構成される。
【0093】
複数の熱プローブアセンブリ24は、図2〜図8で説明された実施形態により、基板12の性質を計算するようプログラムしてもよい制御装置52と接続される。
【0094】
別の一実施形態では、制御装置52は、加熱要素37のアレイへの電力供給を調節して、基板12全体にわたり注文に合う半径方向熱プロファイルを与えるために、閉ループ制御を行うよう構成してもよい。
【0095】
上記の考察は、熱処理チャンバ内の基板温度を測定することに焦点を置いているが、本発明の装置および方法は、計測においてサンプル信号から背景放射雑音を除去する適切ないかなるどの用途にも用いてもよい。
【0096】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、本発明の他のおよび更なる実施形態を案出してもよく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲で決まるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するためのチャンバであって、
処理体積を画定するチャンバ容器と、
前記処理体積へ放射エネルギーを導くように構成されたエネルギー源と、
前記エネルギー源から前記処理体積への前記放射エネルギーに標識を付けるように構成されたスペクトルデバイスと、
前記処理体積内で前記基板を支持するように構成された基板支持体と、
放射エネルギーを受け取るために前記処理体積内に位置決めされた参照センサと、
測定波長で放射エネルギーを受け取るために前記処理体積内に位置決めされた測定対象用センサと、
前記参照センサの測定値を用いて、前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの特性を確定し、前記測定対象用センサの測定値および前記エネルギー源の前記放射エネルギーの前記特性を用いて、前記基板の温度を確定するように構成された制御装置を備えるチャンバ。
【請求項2】
前記スペクトルデバイスが、吸収スペクトル中の放射エネルギーを吸収するように構成された吸収体、反射スペクトル中の放射エネルギーを反射するように構成された反射体、あらかじめ選択されたスペクトルでの放射エネルギーを偏光するように構成された偏光体、または複数の選択された波長で前記放射エネルギーに標識を付加するように構成されたスプリンクラのうちの1つを備え、前記測定波長が、前記吸収スペクトル、前記反射スペクトル、または前記のあらかじめ選択されたスペクトルの外にある、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記スペクトルデバイスが、吸収スペクトルでの放射エネルギーを吸収するように構成された吸収フィルタを備える、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項4】
前記参照センサが、
前記吸収スペクトル内の参照波長で放射エネルギーを測定するように構成された第1のセンサと、
前記吸収スペクトル外の比較波長で前記放射エネルギーを測定するように構成された第2のセンサを備え、前記比較波長が前記参照波長に実質的に近い、請求項3に記載のチャンバ。
【請求項5】
前記特性が、前記比較波長での、前記エネルギー源からの放射エネルギーと前記基板からの放射エネルギーとの比であり、前記測定波長が、基板からの前記放射エネルギーが相対的に高くなるように選択され、前記吸収スペクトルが、主要な加熱スペクトルから離れているように選択される、請求項4に記載のチャンバ。
【請求項6】
前記エネルギー源に供給される1つまたは複数の電力レベルを監視する監視装置をさらに備え、前記監視装置が前記制御装置と接続し、前記制御装置が、前記エネルギー源の前記1つまたは複数の電力レベルおよび前記参照センサの前記測定値を用いて、前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの前記特性を確定し、前記エネルギー源が複数のゾーンを備え、前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの前記特性が各ゾーンからの前記放射エネルギーの特性を含み、前記制御装置が、前記エネルギー源の1つまたは複数の電力レベル、前記参照センサの前記測定値および前記複数のゾーン間の相互の影響を反映した影響行列を用いて、各ゾーンからの前記放射エネルギーの前記特性を確定する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項7】
放射エネルギーを受け取るために、前記処理体積内に位置決めされた1つまたは複数の追加の参照センサと、
それぞれが、測定波長で放射エネルギーを受け取るために、前記処理体積内に位置決めされ、各追加の測定対象用センサが追加の参照センサに対応する1つまたは複数の追加の測定対象用センサをさらに備え、
前記エネルギー源が複数の加熱ゾーンを備え、参照センサと測定対象用センサの各対が各加熱ゾーンに対応する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項8】
基板を処理するための方法であって、
エネルギー源からの放射エネルギーを熱処理チャンバの処理体積へ導くこと、
前記エネルギー源から前記処理体積へ導かれた前記放射エネルギーに標識を付けること、
前記処理体積内に前記基板を位置決めすること、
前記処理体積内の放射エネルギーを測定すること、
前記処理体積内での前記測定放射エネルギーおよび前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの前記標識付けを用いて、前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの特性を確定すること、及び
前記処理体積内での前記測定放射エネルギーおよび前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの前記確定された特性を用いて、前記基板の温度を確定することを含む方法。
【請求項9】
前記エネルギー源からの前記放射エネルギーに標識を付けることが、吸収スペクトルでの、前記エネルギー源からの前記放射エネルギーを吸収することを含み、前記処理体積内の放射エネルギーを測定することが、
前記吸収スペクトル内の参照波長で放射エネルギーを測定すること、及び
前記吸収スペクトル外の比較波長で放射エネルギーを測定することを含み、前記比較波長と前記参照波長とが実質的に近い、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記処理体積内の放射エネルギーを測定することが、
前記参照波長および前記比較波長とは異なる測定波長で放射エネルギーを測定することをさらに含み、
エネルギー源からの前記放射エネルギーの前記特性を確定することが、
前記参照波長および前記比較波長での前記測定値から、前記比較波長での、前記エネルギー源からの放射エネルギーと前記基板からの放射エネルギーとの比を確定すること、及び
前記エネルギー源の電力レベルならびに前記参照波長および前記比較波長での前記測定値を用いて、前記エネルギー源のスペクトルシグネチャを確定することを含み、
前記基板の前記温度を確定することが、前記測定波長での前記基板からの放射エネルギーの強度に応じて、前記基板の前記温度を確定することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
基板を処理するための方法であって、
エネルギー源から熱処理チャンバの処理体積へ放射エネルギーを導くこと、
前記エネルギー源から前記処理体積に導かれた前記放射エネルギーに標識を付けること、
前記処理体積内に前記基板を位置決めすること、
参照波長で前記処理体積内の放射エネルギーを測定すること、
前記参照波長での前記測定値から前記放射エネルギーの特性を確定すること、
測定波長で前記処理体積内の放射エネルギーを測定すること、及び
前記測定波長での測定値および前記エネルギー源からの放射エネルギーの前記確定された特性を用いて、前記基板の温度を確定することを含む方法。
【請求項12】
前記エネルギー源からの前記放射エネルギーに標識を付けることが、吸収、反射、または偏光のうちの1つにより、選択されたスペクトル内の前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの一部分をフィルタに通すことを含み、前記参照波長が前記選択されたスペクトル内にあり、前記測定波長が前記選択されたスペクトル外にある、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
比較波長で前記処理体積内の放射エネルギーを測定することをさらに含み、前記比較波長が、前記選択されたスペクトル外にあり、前記参照スペクトルに実質的に近く、放射エネルギーの前記特性を確定することが、前記比較波長での、前記エネルギー源からの前記放射エネルギーと前記基板からの前記放射エネルギーとの比を確定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エネルギー源からの前記放射エネルギーの前記特性が、前記エネルギー源のスペクトルシグネチャであり、前記特性を確定することが、
前記エネルギー源の電力レベルを監視すること、及び
前記参照波長での測定値と前記エネルギー源の前記監視された電力レベルを用いて、前記エネルギー源の前記スペクトルシグネチャを確定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記基板の前記温度を確定することが、
前記エネルギー源の前記確定されたスペクトルシグネチャを用いて、前記測定波長での前記エネルギー源の放射エネルギーを確定することと、
前記測定波長で測定された放射エネルギーから前記測定波長での前記エネルギー源の放射エネルギーを引くことにより、前記測定波長での前記基板の放射エネルギーを確定することを含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−527118(P2011−527118A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516730(P2011−516730)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/048939
【国際公開番号】WO2010/002742
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】