説明

熱可塑性ポリマー混合物、およびその用途

少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と、熱可塑性混合物(M)の総質量の0〜25質量%の、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる熱可塑性ポリマー材料(P3)とを含む熱可塑性ポリマー混合物(M)であって、ポリマー混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量が少なくとも30質量%のものであり、かつ、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量が90%以下のものである混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、両出願の全内容が参照により本明細書に援用される、2007年4月23日出願の米国仮特許出願第60/913,395号明細書および2007年5月4日出願の米国仮特許出願第60/915,973号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ある種の改良された熱可塑性ポリ(アリールエーテルケトン)−ポリ(アリーレンスルフィド)混合物に関する。この改良は、第3ポリマー材料を熱可塑性混合物へ組み込むことによって達成される。
さらに、本発明はまた、改良された熱可塑性混合物を含む物品に関する。
【背景技術】
【0003】
(ユニオン・カーバイド(Union Carbide)に付与された)米国特許第4,684,699号明細書は、特性の良好な組み合わせを示す、約2〜約98質量パーセントのポリ(アリーレンスルフィド)と約98〜約2質量パーセントのポリ(アリールケトン)とを含むアロイを記載している。特に、それらは、質量平均成分値から予期されるより高い強度を示す。米国特許第4,684,699号明細書の4ページ、1.40−42に、これらのアロイは、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリヒドロキシエーテルをさらに含有してもよいと記述されており、実施例5は、30質量%ポリ(エーテルエーテルケトン)と、30質量%ポリ(フェニレンスルフィド)と40%ビスフェノールAポリスルホンとからなる3成分アロイを記載している。米国特許第4,684,699号明細書の2成分および3成分アロイは、低い耐衝撃性および低い引張伸びをはじめ、強靱性関連特性が特に不十分である。
【0004】
(フィリップス・ペトローリアム(Phillips Petroleum)に付与された)米国特許第4,703,081号明細書は、ポリ(アリールケトン)およびポリ(アリールスルホン)、ポリ(アリーレンスルフィド)およびポリ(アミドイミド)の少なくとも1つを含有する3成分ポリマーアロイを記載している。加えて、米国特許第4,703,081号明細書はまた、ポリ(フェニレンスルフィド)をポリ(エーテルエーテルケトン)およびポリエーテルスルホンと混合することによって調製されたある種の均一な物理的ブレンドを例示している。再び、米国特許第4,703,081号明細書の3成分アロイは、低い耐衝撃性および低い引張伸びをはじめ、強靱性関連特性が特に不十分である。
【0005】
(クレハ(Kureha)に付与された)米国特許第7,151,138号明細書は、40〜99質量%のポリ(アリールケトン)と、1〜60質量%のポリ(アリーレンスルフィド)と、樹脂成分の100質量部当たり0.1〜5質量部の少なくとも1つの、ビスアリルナギイミド(bisallylnagiimide)BANI−M、BANI−XおよびBANI−H樹脂などの、多官能性不飽和イミド化合物およびその熱硬化生成物の群から選択される少なくとも1つの熱硬化性イミド樹脂(「熱硬化性」が強調される)の樹脂成分とを含有する樹脂成分を含む樹脂組成物を記載している。当該熱硬化性イミド樹脂の組み込みの結果として、米国特許第7,151,138号明細書の組成物は、改善された相溶性、改善された成形性、改善された溶融流動性および改善された機械的特性、特に引張強度および曲げ強度を示し;表1の結果に基づき、ある種の例示樹脂組成物の引張伸びおよび/またはアイゾット(Izod)衝撃強度はまた、熱硬化性イミド樹脂なしの相当する2成分ブレンドと比較したときに非常にわずかに改善されるが、たとえあったとしても、その改善は非常に低いので、クレハ(Kureha)が決してそれについて特記すべきものとみなしていないようである、米国特許第7,151,138号明細書の熱硬化性イミド樹脂は高スペシャルティポリマーであり、それらは高価であり、入手可能性が限定される。加えて、それらの熱硬化性のために、溶融ポリ(アリールケトン)および溶融ポリ(アリーレンスルフィド)とのそれらのブレンディングは、ブレンドの化学的性質が加熱にさらされたときに実質的に変化するので、より微妙であり;加えて、熱硬化イミド樹脂は、(実施例6に使用されるように)熱硬化後に組み込まれるとき、予備硬化工程を本質的に必要とし、それらはそのまま溶融加工できないので、ポリ(アリールケトン)−ポリ(アリーレンスルフィド)ブレンドに組み込むことがより困難である。
【0006】
同様に、(長春応用化学研究所(Changchun Institute Applied Chemistry)に付与された)、中国特許第1,186,819号明細書は、ポリフェニルチオエーテルを均一にコートするために熱硬化イミドモノマーのアルコール溶液の使用を記載している。ポリ(フェニルチオエーテル)とポリ(アリールエーテルケトン)との相間の相溶性を高めるためにポリイミドが合成され、150℃〜250℃で結合される、ポリ(アリールエーテルケトン)−ポリ(フェニルチオエーテル)材料が製造されている。
【0007】
さらに同じ枠組み内で、同じ長春応用化学研究所(Changchun Institute Applied Chemistry)は2000年に、フェノールフタレンポリ(エーテルケトン)またはカード(cardo)−PEK(PEK−C)として知られる非常に独特のポリ(アリールエーテルケトン)とポリ(フェニレンスルフィド)とのブレンドの熱的および機械的特性ならびに形態構造を指向する技術論文をGongcheng Suliao Yingyong、28(11)、1−3ページに発表した。このブレンドは、1%〜2%(質量)の「モノマー反応体の重合」PMR−POIポリイミドをさらに含んでもよい。
【0008】
最後に、(アモコ・コーポ(Amoco Corp.)に付与された)米国特許第4,910,289号明細書は、(a)ポリ(アリールエーテルケトン)とポリエーテルイミド、ポリ(アミド−イミド)およびポリイミドからなる群から選択される少なくとも1つの非晶質ポリマーとを含む約98〜約99.9質量パーセントの混和性ブレンドと、(b)結晶化助剤として約0.1〜約2質量パーセントのポリ(アリーレンスルフィド)ホモポリマーまたはコポリマーとを含む、増加した結晶化速度を有する組成物を記載している。実施例1の組成物は、49.5質量%のポリ(エーテルエーテルケトン)と、49.5質量%のポリ(エーテルイミド)と1質量%のポリ(フェニレンスルフィド)とからなる。米国特許第4,910,289号明細書のポリ(アリールエーテルケトン)−ポリ(エーテルイミド)アロイ中に少量のポリ(フェニレンスルフィド)が存在するにもかかわらず、これらのものは、米国特許第4,684,699号明細書のポリ(アリールエーテルケトン)−ポリ(アリールスルフィド)アロイの、特性の良好な組み合わせ、特に高い強度を決して示さない。また、それらの強靱性関連特性は望ましいほどに高くないかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(実質的に改善された耐衝撃性および/または実質的により高い引張破断点伸びなどの)実質的に改善された強靱性関連特性および/または実質的に上がった熱撓み温度を示しながら、先行技術のポリ(アリールエーテルケトン)−ポリ(アリーレンスルフィド)ブレンドの有益な特性、特に(i)それらの高い強度、(ii)それらの溶融加工し易さ、および(iii)それらのコスト魅力を実質的に保持するであろうポリマー材料が依然として強く必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの期待は、
・少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、
・少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と、
・熱可塑性混合物(M)の総質量の0〜25質量%の、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる熱可塑性ポリマー材料(P3)と
を含む熱可塑性ポリマー混合物(M)であって、
・ポリマー混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量が少なくとも30%のものであり、かつ、
・ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量が90%以下のものである混合物によって満たされることが意外にも分かった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
熱可塑性ポリマー混合物(M)は、少なくとも3つの熱可塑性ポリマー材料、すなわち、(P1)と、(P2)と(P3)との混合物である。ポリマーは当業者に周知である。ポリマーは、繰り返しまたは反復モノマー単位を含有する材料であり;ポリマーは、モノマーが互いに結合して繰り返しおよび/または反復単位の鎖を形成するようにモノマー単位を反応させることによって製造することができる。幾つかのポリマーは熱可塑性材料である。熱可塑性材料もまた当業者に周知である。熱可塑性材料は、より強い形態へ不可逆的に硬化するポリマー材料である熱硬化性プラスチック(熱硬化性樹脂)とは対照的に、加熱すると軟化または溶融を受け、冷却するとき固体状態に戻り、材料の実質的な化学変化が全くなしに繰り返し加熱および冷却サイクルにかけられてもよい。
【0012】
有利には、混合物(M)は均一である。本明細書で用いるところでは、用語「均一混合物」には、混和性ポリマーの混合物、ならびに海/島構造を形成してもまたは別々の連続および不連続相を有してもよい部分的に混和性または不混和性ポリマーの混合物が含まれる。このように用語「均一な」は、不連続相が、存在する場合、連続相の至る所に均一に分散している、例えば、島がマトリックス材料の海の全体にわたって均一に分散していることを示唆するために巨視的な意味で本明細書では用いられ;不連続相の島の粒径に関して制限は全くない。
【0013】
混合物(M)において、熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量は、混合物(M)の総質量を基準として、0〜25質量%の範囲である。熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量は、混合物(M)の総質量を基準として、好ましくは少なくとも3質量%のもの、より好ましくは少なくとも5質量%のものである。他方では、熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量は、混合物(M)の総質量を基準として、好ましくは20質量%以下のもの、より好ましくは15質量%以下のもの、さらにより好ましくは12質量%以下のものである。
【0014】
混合物(M)において、熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)との総合質量を基準として、一般に0〜25質量%の範囲である。熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)との総合質量を基準として、好ましくは少なくとも3質量%のもの、より好ましくは少なくとも6質量%のもの、さらにより好ましくは少なくとも8質量%のものである。他方では、熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)との総合質量を基準として、好ましくは30質量%以下のもの、より好ましくは20質量%以下のもの、さらにより好ましくは15質量%以下のもの、最も好ましくは12質量%以下のものである。
【0015】
混合物(M)において、混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量は少なくとも30%のものである。それは、混合物(M)の総質量を基準として、好ましくは少なくとも50%のもの、より好ましくは少なくとも60%のものである。ある種の実施形態では、良好な結果は、混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量が少なくとも70%のものであるときに得られ、非常に良好な結果は、混合物(M)の総質量を基準として、同じ総合質量が少なくとも80%のものであるときに得られ、優れた結果は、同じ総合質量が約90%のものであるときに得られた。ある種の他の実施形態では、特に耐摩擦性および耐摩耗性の熱可塑性ポリマー混合物が調製されるとき、良好な結果は、混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量が80%より下であるときに得られ、混合物(M)の総質量を基準として、非常に良好な結果は、同じ総合質量が70%より下であるときに得られ、優れた結果は、同じ総合質量が65%より下であるときに得られた。
【0016】
混合物(M)において、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量は90%以下のものである。ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量は好ましくは80%以下のもの、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、より好ましくは70%以下のものである。他方では、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、一般には少なくとも10%のものであり;それは、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも40%のものであってもよく;それは好ましくは少なくとも50%のもの、より好ましくは少なくとも55%のもの、さらにより好ましくは少なくとも60%のものである。
【0017】
混合物(M)は、[ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)として]45〜75質量%のポリ(エーテルエーテルケトン)と、[ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)として]55〜25質量%のポリ(アリーレンスルフィド)とを含んでもよく、ここで、質量パーセントはポリ(エーテルエーテルケトン)とポリ(アリーレンスルフィド)との総質量を基準とする。
【0018】
混合物(M)において、混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)との総合質量は一般には50〜100%の範囲である。それは、混合物(M)の総質量を基準として、好ましくは少なくとも60%のもの、より好ましくは少なくとも65%のものである。ある種の実施形態では、良好な結果は、混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)との総合質量が少なくとも75%のものであるときに得られ、非常に良好な結果は、混合物(M)の総質量を基準として、同じ総合質量が少なくとも90%のものであるときに得られ、優れた結果は、同じ総合質量が約100%のものであるときに得られた。ある種の他の実施形態では、特に耐摩擦性および耐摩耗性の熱可塑性ポリマー混合物が調製されるとき、良好な結果は、混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)との総合質量が90%より下であるときに得られ、混合物(M)の総質量を基準として、非常に良好な結果は、同じ総合質量が75%より下であるときに得られ、優れた結果は、同じ総合質量が約70%のものであるときに得られた。
【0019】
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)
フェノールフタレンポリ(エーテルケトン)のような、ある種のケトン含有スペシャルティポリマーをはじめとする、アリーレン基、エーテル基およびケトン基を含む幾つかの繰り返し単位を含む任意のポリマーがポリ(アリールエーテルケトン)[用語の語源に基づいた意味に言及する]と呼ばれ得るが、工業的にかなり注目されているポリ(アリールエーテルケトン)は、本明細書に用いられるような、より厳密な定義に従う。
【0020】
従って、本発明の目的のためには、用語「ポリ(アリールエーテルケトン)」は、その繰り返し単位の50質量%超が次式:
【化1】

(式中:
・Arは独立して、フェニレン、ビフェニレンまたはナフチレンから選択される2価の芳香族基であり、
・Xは独立してO、C(=O)または直接結合であり、
・nは0〜3の整数であり、
・b、c、dおよびeは0または1であり、
・aは1〜4の整数であり、そして
・好ましくは、dは、bが1であるとき0である)
の1つ以上のケトン含有繰り返し単位(R1)である任意のポリマーを意味することを意図される。
【0021】
繰り返し単位(R1)はとりわけ、
【化2】

【化3】

【化4】

および
【化5】

から選択されてもよい。
【0022】
好ましくは、繰り返し単位(R1)は、
【化6】

および
【化7】

から選択される。
【0023】
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)は好ましくは、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルケトンケトン)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の目的のためには、ポリ(エーテルケトン)は、その繰り返し単位の50質量%超が式(VI)の繰り返し単位(R1)である任意のポリマーを意味することを意図される。
本発明の目的のためには、ポリ(エーテルエーテルケトン)は、その繰り返し単位の50質量%超が式(VII)の繰り返し単位(R1)である任意のポリマーを意味することを意図される。
本発明の目的のためには、ポリ(エーテルケトンケトン)は、その繰り返し単位の50質量%超が式(IX)の繰り返し単位(R1)である任意のポリマーを意味することを意図される。
【0024】
より好ましくは、繰り返し単位(R1)は、
【化8】

である。
【0025】
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の好ましくは70質量%超、より好ましくは85質量%超は、繰り返し単位(R1)である。さらにより好ましくは、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の繰り返し単位は本質的に全てが繰り返し単位(R1)である。最も好ましくは、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の繰り返し単位は全て繰り返し単位(R1)である。
【0026】
優れた結果は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)がポリ(エーテルエーテルケトン)ホモポリマーである、すなわち、その繰り返し単位が、たとえ全てではなくても、本質的に全て式(VII)のものであるポリマーであるときに得られた。ヴィクトレックス・マニュファクチャリング社(Victrex Manufacturing Ltd.)製のヴィクトレックス(VICTREX)(登録商標)150Pおよびヴィクトレックス(VICTREX)(登録商標)450P PEEK、ならびにソルベー・アドバンスト・ポリマーズ社(SOLVAY ADVANCED POLYMERS,L.L.C.)製のガトン(GATONE)(登録商標)およびケタスパイア(KETASPIRE)(登録商標)PEEKがポリ(エーテルエーテルケトン)ホモポリマーの例である。
【0027】
ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)
本発明の目的のためには、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)は、その繰り返し単位の5質量%超が次式:
−Ar−S− (R2)
(式中、Ar基は、直接のC−S結合によってその2つの端のそれぞれにより2つの硫黄原子と結合する(こうしてスルフィド基を形成する)、フェニレンまたはナフチレン基などの、場合により置換されたアリーレン基を意味する)
の単位である繰り返し単位(R2)であるポリマーを意味することを意図される。好ましい繰り返し単位Arは、場合により置換されたp−フェニレン(
【化9】

のような繰り返し単位(R2)をもたらす)および場合により置換されたm−フェニレン(
【化10】

のような繰り返し単位(R2)をもたらす)
である。
場合により置換されたアリーレン基Arは非置換であってもよく、それが多くの場合に好ましい。
【0028】
ある種の実施形態では、場合により置換されたアリーレン基Arは、ハロゲン原子、C1〜C12アルキル、C7〜C24アルキルアリール、C7〜C24アラルキル、C6〜C18アリール、C1〜C12アルコキシ基、およびC6〜C18アリールオキシ基、および置換または非置換アリーレンスルフィド基それら自体を含むがそれらに限定されない、1つ以上の置換基で置換されてもよく、そのアリーレン基はまた、
【化11】

におけるように、直接のC−S結合によってそれらの2つの端のそれぞれにより2つの硫黄原子と結合し、それによって分岐ポリマー鎖を生み出す。ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)において、かかる分岐ポリマー鎖はポリマー材料の熱可塑性特徴を損なわない程度まで存在し得ることは言うまでもない。分岐ポリマー鎖の量が余りにも高いとき、実質的な架橋が起こり得るし、不溶融性の三次元ポリマー網状構造、すなわち、本発明の範囲外の熱硬化ポリマー材料が形成される原因となる。
【0029】
ポリ(アリーレンスルフィド)は好ましくは25質量%超、より好ましくは50質量%超、さらにより好ましくは90質量%超の繰り返し単位(R2)を含有する。最も好ましくは、それは(R2)以外の繰り返し単位を全く含有しない。
好ましいポリ(アリーレンスルフィド)はポリ(フェニレンスルフィド)、すなわち、その繰り返し単位の5質量%超が一般タイプ:
−pPh−S− (R2a)
(式中、pPh基は、直接のC−S結合によってその2つの端のそれぞれにより2つの硫黄原子と結合してスルフィド基を形成する、場合により置換されたp−フェニレン基を意味する)
の1つ以上の式の繰り返し単位であるポリマーである。
pPhは非置換であってもよく、それが多くの場合に好ましい。
【0030】
ある種の実施形態では、pPhは、ハロゲン原子、C1〜C12アルキル(
【化12】

のような置換単位(R2a)をもたらす)、C7〜C24アルキルアリール、C7〜C24アラルキル、C6〜C18アリール、C1〜C12アルコキシ基、C6〜C18アリールオキシ基、および置換または非置換アリーレンスルフィド基それら自体(おそらく、置換または非置換p−フェニレンスルフィド基それら自体)含むがそれらに限定されない、1つ以上の置換基で置換されてもよく、そのアリーレン基はまた、
【化13】

などの、直接のC−S結合によってそれらの2つの端のそれぞれにより2つの硫黄原子と結合し、スルフィド基を形成する。
【0031】
ポリ(フェニレンスルフィド)は、好ましくは25質量%超、より好ましくは50質量%超、さらにより好ましくは90質量%超の繰り返し単位(R2a)を含有する。
【0032】
ポリ(アリーレンスルフィド)、具体的にはポリ(フェニレンスルフィド)は、(R2)以外の繰り返し単位をさらに含んでもよく;(R2)以外の繰り返し単位の非限定的な例は、ジハロ化合物から塩素原子の除去によってNa2Sと一般式Cl−Ar°−D−Ar°−Clのジハロ化合物との反応:
Na2S+Cl−Ar°−D−Ar°−Cl → −Ar°−D−Ar°−S− 繰り返し単位(R2*
(式中、Ar°は場合により置換されたアリーレン基であり、Dは、スルフィド(−S−)以外のまたはスルフィド−二末端ジラジカル(−S−D’−S−、ここで、D’は任意のジラジカルであってもよい)以外の任意のジラジカルであってもよい)
によって形成することができるそれらの繰り返し単位(R2*)である。
【0033】
繰り返し単位(R2*)の両断片−Ar°−S−は、場合により置換された基Ar°が直接のC−S結合によってその2つの端のそれぞれにより2つの硫黄原子と結合してスルフィド基を形成し、各アリーレン基Ar°の少なくとも1つの端が上に定義されたようなDと結合するという点において、繰り返し単位(R2)とは異なる。
【0034】
繰り返し単位(R2*)の非限定的な例には、
【化14】

のような−Ar°−O−Ar°−S−、
【化15】

のような−Ar°−S(=O)2−Ar°−S−、
【化16】

のような、−Ar°−C(=O)−Ar°−S−
およびそれらの混合物が挙げられ、ここで、ジラジカルDはそれぞれ、オキシ、スルホニルまたはカルボニルジラジカルである。
【0035】
良好な結果は、ポリ(アリーレンスルフィド)がポリ(フェニレンスルフィド)ホモポリマー、すなわち、繰り返し単位(R2)以外の繰り返し単位が本質的にない、またはさらには全くないポリ(フェニレンスルフィド)であるときに得られた。優れた結果は、ポリ(アリーレンスルフィド)が非置換p−フェニレン繰り返し単位以外の繰り返し単位を本質的に全く、または全くさえ含有しないポリ(フェニレンスルフィド)ホモポリマーであるときに得られた。
【0036】
ポリ(アリーレンスルフィド)は、シェブロン・フィリップス・ケミカル・カンパニー(Chevron Phillips Chemical Company)、フォートロン・インダストリーズ(Fortron Industries)、およびGEプラスチックス(GE Plastics)などの製造業者から市販されている。商業的銘柄のポリ(アリーレンスルフィド)には、プリメフ(PRIMEF)(登録商標)、ライトン(RYTON)(登録商標)、フォートロン(FORTRON)(登録商標)、およびスペック(SUPEC)(登録商標)ポリ(フェニレンスルフィド)が含まれる。
上に説明されたように、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)は、線状ポリマーまたは分岐ポリマーの形態にあってもよい。
【0037】
熱可塑性ポリマー材料(P3)
熱可塑性ポリマー材料(P3)は、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる。
材料(P3)は、単一の熱可塑性ポリマーからなってもよい。あるいはまた、材料(P3)は、幾つかの熱可塑性ポリマーからなってもよい。
【0038】
好ましくは、材料(P3)は、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)からなる。従って、材料(P3)はとりわけ、少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)からなってもよい。それはとりわけまた、少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)からなってもよい。
【0039】
より好ましくは、材料(P3)は、少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)と少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)とからなる。この場合、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)とポリ(エーテルイミド)(P3b)との総合質量を基準として、ポリ(エーテルイミド)(P3b)の質量は通常5%〜70%の範囲であり;それは、(P3a)と(P3b)との総合質量を基準として、好ましくは少なくとも10%のもの、より好ましくは少なくとも15%のものであり;他方では、それは、(P3a)と(P3b)との総合質量を基準として、好ましくは50%より下、より好ましくは35%より下、さらにより好ましくは25%以下のものである。
【0040】
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)
本発明の目的のためには、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)は、その繰り返し単位の50質量%超が少なくとも1つのp−ビフェニレン基:
【化17】

と、少なくとも1つのエーテル基(−O−)と少なくとも1つのスルホン基(−SO2−)とを含有する1つ以上の式の繰り返し単位(R3a)である、ポリマー、一般に重縮合物を意味することを意図される。
【0041】
ポリ(エーテルイミド)(P3b)の繰り返し単位(R3b)およびポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)の繰り返し単位(R3c)とは対照的に、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)の繰り返し単位(R3a)は、それ自体でまたはそのアミド酸形態で、イミド基を一般に含まない。
【0042】
好ましくは、繰り返し単位(R3a)は、一般タイプ:
【化18】

(式中、R1〜R4は−O−、−SO2−、−S−、−CO−であり、ただし、R1〜R4の少なくとも1つは−SO2−であり、かつ、R1〜R4の少なくとも1つは−O−であり;Ar1、Ar2およびAr3は、6〜24個の炭素原子を含有するアリーレン基であり、好ましくはフェニレンまたはp−ビフェニレンであり;aおよびbが0または1のいずれかである)
の1つ以上の式の繰り返し単位である。
【0043】
より好ましくは、繰り返し単位(R3a)は、
【化19】

および
【化20】

から選択される。
【0044】
さらにより好ましくは、繰り返し単位(R3a)は、
【化21】

もしくは
【化22】

または
【化23】


【化24】

とのミックスのいずれかであり、
ここで、ミックスを構成する繰り返し単位(4)と(6)との総量を基準として、ミックス中に含有される繰り返し単位(6)の質量は10〜99%、好ましくは50〜95%である。
【0045】
一方では、繰り返し単位(R3a)として繰り返し単位(2)を使用すると、一般に、最良の全体費用−特性バランス、および最高レベルの強靱性を提供する。
【0046】
他方では、繰り返し単位(R3a)として繰り返し単位(4)の、または繰り返し単位(4)と(6)とのミックスの使用は、特に高いガラス転移温度のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)をもたらす。さて、半導体産業でとりわけ有用な静電放電(ESD)からの防御を必要とするある種の特定の用途では、使用温度は非常に高く;繰り返し単位(4)および繰り返し単位(4)と(6)とのミックスは、それらが使用温度より一般に十分に上のガラス転移温度のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)を提供するので、とりわけかかる用途向けに特に好適であるかもしれない。加えて、繰り返し単位(R3a)として繰り返し単位(4)と繰り返し単位(6)とのミックスを使用すると、唯一の繰り返し単位(R3a)として繰り返し単位(4)を使用するときに得られるものと同じレベルの特性を、しかし幾分より魅力的なコストで実質的に達成することを多くの場合に可能にする。
【0047】
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)は、とりわけホモポリマー、ランダム、交互またはブロックコポリマ−であってもよい。ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)がコポリマーであるとき、その繰り返し単位はとりわけ、(i)式(2)〜(6)から選択された少なくとも2つの異なる式の繰り返し単位(R3a)、または(ii)1つ以上の式(2)〜(6)(特に、式(2)の繰り返し単位)の繰り返し単位(R3a)および
【化25】

および
【化26】

などの、繰り返し単位(R3a)とは異なる、繰り返し単位(R3a*)からなってもよい。
【0048】
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)の繰り返し単位の好ましくは70質量%超、より好ましくは85質量%超は、繰り返し単位(R3a)である。さらにより好ましくは、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)の繰り返し単位は、本質的に全てが繰り返し単位(R3a)である。最も好ましくは、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)の繰り返し単位は全て繰り返し単位(R3a)である。
【0049】
良好な結果は通常、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)がポリフェニルスルホンであるときに得られた。ポリフェニルスルホンは当業者に周知である。ポリフェニルスルホンは一般に、その繰り返し単位の50質量%超が式(2)の繰り返し単位(R3a)である重縮合ポリマーである。
優れた結果は通常、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)がポリフェニルスルホンホモポリマー、すなわち、その繰り返し単位が、たとえ全てではなくても、本質的に全て式(2)のものであるポリマーであるときに得られた。ソルベー・アドバンスト・ポリマーズ社(Solvay Advanced Polymers、L.L.C.)製のラデル(RADEL)(登録商標)Rポリフェニルスルホンがポリフェニルスルホンホモポリマーの例である。
【0050】
ポリ(エーテルイミド)(P3b)
ポリ(エーテルイミド)は、当業者に周知のエンジニアリングポリマーのクラス形態である。任意のポリ(エーテルイミド)として、混合物(M)に含めることができるポリ(エーテルイミド)(P3b)は、エーテル基とイミド基とを含む繰り返し単位(R3b)を含有し;イミド基は、それ自体でおよび/またはそのアミド酸形態で存在してもよい。ポリアミドおよびポリ(アミドイミド)の特徴的な繰り返し単位とは対照的に、ポリ(エーテルイミド)の特徴的な繰り返し、従って特にポリ(エーテルイミド)(P3b)の繰り返し単位(R3b)は、イミド基のアミド酸形態に含まれないいかなるアミド基も含まない。また、ポリ(エーテルスルホンイミド)の特徴的な繰り返し単位とは対照的に、ポリ(エーテルイミド)の特徴的な繰り返し、従って特にポリ(エーテルイミド)(P3b)の繰り返し単位(R3b)は、いかなるスルホン基も含まない。
【0051】
ポリ(エーテルイミド)(P3b)は有利には芳香族である、芳香族ポリ(エーテルイミド)は、アリーレン基を含む繰り返し単位を含有する。
ポリ(エーテルイミド)(P3b)の繰り返し単位の通常5質量%超、好ましくは50質量%超、より好ましくは90質量%超が、上に記載されたような繰り返し単位(R3b)である。さらにより好ましくは、ポリ(エーテルイミド)(P3b)はホモポリマーである、すなわち、ポリ(エーテルイミド)(P3b)の繰り返し単位は、たとえ全てではなくても、本質的に全てが繰り返し単位(R3b)である。
【0052】
好ましくは、繰り返し単位(R3b)は、それ自体でおよび/またはそのアミド酸形態で、少なくとも1つのアリーレン基と、少なくとも1つのエーテル基と少なくとも1つのイミド基とを含む1つ以上の式のものであり、前記1つ以上の式は、イミド基のアミド酸形態に含まれないいかなるスルホン基もおよびいかなるアミド基も含まない。
【0053】
ある種のクラスの芳香族ポリ(エーテルイミド)(P3b)は、繰り返し単位(R3b)が、
【化27】

のものであるものからなり、
ここで:
・Arは、
【化28】

(ここで、
【化29】

n=1、2、3、4または5)
であり、
・Rは、
【化30】

である。
【0054】
このクラスの芳香族ポリエーテルイミドに属するポリ(エーテルイミド)(P3b)の例は、繰り返し単位(R3b)が式:
【化31】

および/またはその2つの相当するアミド酸形態[式(10)の完全イミド形態に対して式(11)および(12)を参照されたい]のものであるものである。
【0055】
繰り返し単位が、たとえ全てではなくても、本質的に全て式(15)、および/またはそれらの2つの相当するアミド酸形態のものである芳香族ポリエーテルイミドはとりわけ、オウラム(AURUM)(登録商標)ポリイミドとして三井(Mitsui)から市販されている。
【0056】
ある種の他のクラスの芳香族ポリ(エーテルイミド)(P3b)は、繰り返し単位(R3b)が一般構造:
【化32】

の1つ以上の式のものであるものからなり、
ここで、式(16)のイミド基はそれ自体でおよび/またはそれらのアミド酸形態で芳香族ポリ(エーテルイミド)(P3b)中に含有され、そして
(i)−O−Zは、
(i−a)
【化33】

(式中、R5は独立して、水素またはC1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アルコキシである)
(i−b)
【化34】

(式中、酸素はいずれかの環に結合し、イミドカルボニル基の結合の1つに対してオルト位またはパラ位に置かれてもよい)
および
(i−c)
【化35】

(式中、酸素はまたいずれかの環に結合し、イミドカルボニル基の結合の1つに対してオルト位またはパラ位に置かれてもよい)
から選択されるメンバーであり、
(ii)R1は、
(ii−a)
【化36】

および
【化37】

などの置換または非置換芳香族基、
(ii−b)式:
【化38】

の2価の基
(式中、R3は独立してC1〜C6アルキルまたはアリールであり、R4は、−O−、1〜6個の炭素原子のアルキレンおよび4〜8個の炭素原子のシクロアルキレンから選択される)
から選択され、
(iii)R2は、6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、およびアルキル基は1〜6個の炭素原子を含有するそれらのアルキル置換誘導体、2〜20個の炭素原子を有するアルキレンおよびシクロアルキレン基、C2〜C8アルキレン末端ポリジオルガノシロキサン、ならびにR3およびR4が先に定義された通りである式(22)の2価の基から選択される。
【0057】
一般式(16)の繰り返し単位(R3b)を有するポリ(エーテルイミド)は、例えば、米国特許第3,833,544号明細書、米国特許第3,887,588号明細書、米国特許第4,017,511号明細書、米国特許第3,965,125号明細書および米国特許第4,024,110号明細書に述べられているように当該技術分野で周知の方法によって製造することができる。当業者に周知の方法は、芳香族ビス(エーテル酸無水物)と式H2N−Ar−NH2(式中、Arはアリーレン基である)の芳香族ジアミノ化合物との反応を含み;一般に、この反応は、反応で二酸無水物とジアミンとの間の相互作用を達成するために、約20℃〜約250℃の温度で、周知の溶媒、例えば、o−ジクロロベンゼン、m−クレゾール/トルエン、N,N−ジメチルアセトアミドなどを用いて実施される。あるいはまた、これらのポリ(エーテルイミド)は、同時に混合しつつ原料の混合物を高温で加熱しながら、二酸無水物とジアミノ化合物との溶融重合によって製造することができる。一般構造(16)の繰り返し単位(R3b)を有するポリ(エーテルイミド)の製造に好適な芳香族ビス(エーテル酸無水物)はとりわけ、
・2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二酸無水物;
・4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二酸無水物;
・1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二酸無水物;
・1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二酸無水物;
・2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二酸無水物;
・4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二酸無水物;
・1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二酸無水物;
・1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二酸無水物;
およびかかる二酸無水物の混合物から選択することができる。最も好ましい芳香族ビス(エーテル酸無水物)はビスフェノールA二酸無水物である。一般構造(16)の繰り返し単位(R3b)を有するポリ(エーテルイミド)の製造に好適な芳香族ジアミノ化合物には、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが含まれる。最も好ましいジアミンはm−フェニレンジアミンである。
【0058】
非常に好ましくは、繰り返し単位(R3b)は、1つ以上の式自体、
【化39】

および/またはそれらのアミド酸形態の
【化40】

および/または
【化41】

のものであり、
式中、
・→は、任意の繰り返し単位において矢印が示す基が示されるようにかまたは入れ替わった位置に存在してもよいように異性を意味し、
・Eは、
(E−i)R’が、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基またはC6〜C10アリールである状態で
【化42】

(E−ii)n=1〜6の整数の、
【化43】

(E−iii)R’が、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、またはC6〜C10アリールである状態で、
【化44】

(E−iv)R’が、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、またはC6〜C10アリールである状態で、
【化45】

から選択され、
そしてYが、
(Y−i)1〜6個の炭素原子のアルキレン、特に
【化46】

およびn=1〜6の整数の
【化47】

(Y−ii)4〜8個の炭素原子のシクロアルキレン、ならびに
(Y−iii)
【化48】

から選択され、
・Ar”が、
(Ar”−i)
【化49】

および、アルキル置換基が1〜6個の炭素原子を含有するそれらのアルキル置換誘導体などの、6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基および、アルキル置換基が1〜6個の炭素原子を含有するそれらのアルキル置換誘導体、
(Ar”−ii)Yが上に定義されたような(Y−i)、(Y−ii)および(Y−iii)から選択される状態で、
【化50】

(Ar”−iii)2〜20個の炭素原子を有するアルキレンおよびシクロアルキレン基、ならびに
(Ar”−iv)C2〜C8アルキレン末端ポリジオルガノシロキサン
から選択される。
【0059】
式(23)の繰り返し単位(R3b)において、Ar”は好ましくは、Yが、上に定義されたような、(Y−i)、(Y−ii)および(Y−iii)から選択される状態で(Ar”−ii)
【化51】

から選択される。
より好ましくは、Ar”は
【化52】

である。
【0060】
加えて、式(23)の繰り返し単位(R3b)において、Eは好ましくは、R’が、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基またはC6〜C10アリールである状態で、
【化53】

であり、より好ましくは、Eは非置換m−フェニレンまたはp−フェニレンである。
【0061】
良好な結果は、繰り返し単位(R3b)が、イミド形態での、式(28)自体の、および/またはアミド酸形態[式(29)および(30)]での繰り返し単位:
【化54】

および/または
【化55】

および/または
【化56】

(ここで、式(29)および(30)で、→は、任意の繰り返し単位において矢印が示す基が示されるようにかまたは入れ替わった位置に存在してもよいように異性を意味する)
であるときに得られた。
【0062】
その繰り返し単位が、たとえ全てではなくても、本質的に全て式(28)のものである芳香族ポリ(エーテルイミド)ホモポリマー、および/またはそれらの2つの相当するアミド酸形態は、ウルテム(ULTEM)(登録商標)1000ポリ(エーテルイミド)としてサビック・イノベイティブ・プラスチックス(SABIC INNOVATIVE PLASTICS)から市販されている。より一般的には、サビック・イノベイティブ・プラスチックス(SABIC INNOVATIVE PLASTICS)は、一般式(16)、および/またはそれらの2つの相当するアミド酸形態の繰り返し単位を含む広範囲の芳香族ポリ(エーテルイミド)を商業化している。
【0063】
ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)
ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)は、その繰り返し単位の少なくとも5質量%がエーテル基と、それ自体でおよび/またはアミド酸形態でのイミド基と、スルホン基とを含む繰り返し単位(R3c)であるポリマーである。ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)の繰り返し単位(R3c)は有利には、イミド基アミド酸形態に含まれないいかなるアミド基も含まない。ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)は有利には芳香族である、すなわち、それはアリーレン基を含む繰り返し単位を含有する。
【0064】
繰り返し単位(R3c)は好ましくは、下に表されるような、式(31)、(32)および/または(33):
【化57】

の繰り返し単位であり、
ここで、
・(32)および(33)はイミド形態(31)に対応するアミド酸形態であり;
・→は、任意の繰り返し単位において矢印が示す基が示されるようにかまたは入れ替わった位置に存在してもよいように異性を意味し、
・式(31)〜(33)のAr”は、以下の構造:
連結基がオルト位、メタ位またはパラ位にあり、R’が水素原子または1〜6個の炭素原子を含むアルキル基という状態で、
【化58】

Rが、メチレン、エチレン、イソプロピレンなどのような、6個以下の炭素原子の脂肪族2価基である状態で、
【化59】

およびそれらの混合物の中から選択される。
【0065】
ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)の繰り返し単位の好ましくは50質量%超、より好ましくは90質量%超は、上に記載されたような繰り返し単位(R3c)であり;さらにより好ましくは、ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)の繰り返し単位は全て繰り返し単位(R3c)である。
【0066】
一般式(31)の繰り返し単位(R3c)を有するポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)は、芳香族ビス(エーテル酸無水物)が、スルホン基を含有する特定の芳香族ジアミン、すなわち、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンと反応させられることを除いて、上に記載されたような、一般式(16)の繰り返し単位(R3b)を有するポリ(エーテルイミド)(P3b)を製造するのに好適な方法と同じ方法によって製造することができる。
ポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)は、イクステム(EXTEM)(登録商標)ポリ(エーテルイミドスルホン)としてサビック・イノベイティブ・プラスチックス(SABIC INNOVATIVE PLASTICS)から市販されている。
【0067】
任意の原料
本発明のある種の好ましい実施形態では、混合物(M)は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)とポリマー材料(P3)とから本質的になっても、またはそれらからなっていてもよい。
【0068】
あるいはまた、混合物(M)は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)およびポリマー材料(P3)以外の1つ以上の原料[本明細書では以下、「任意の原料」]をさらに含んでもよい。望ましくは、任意の原料は、いかなる任意の原料も含まない混合物と比較して、混合物(M)の有益な特性、特に引張弾性率、引張破断点伸び、ノッチ付きアイゾット(Izod)、熱撓み温度および/または耐環境応力亀裂性に有害な影響を及ぼさない。任意の原料が混合物(M)に含有される場合、混合物(M)の総質量を基準として、それらの質量は、一般に50質量%を超えず;それは好ましくは40質量%以下のもの、より好ましくは35質量%以下のものである。
【0069】
具体的には:
・混合物(M)は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アリル樹脂、セルロース樹脂、エチレンビニルアルコール、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフタルアミドなどのポリアミド、ポリアミド−イミド、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリジシクロペンタジエン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ビスフェノールAポリスルホン(「ポリスルホン」としてもまさに知られる)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーンおよびそれらの混合物などの、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)およびポリマー材料(P3)以外の熱可塑性ポリマーを含んでもよい。
・混合物(M)はまた、熱安定剤、加工助剤、難燃剤、着色剤、核剤および耐衝撃性改良剤、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の添加剤を含んでもよい。
【0070】
本発明の別の好ましい実施形態では、混合物(M)は少なくとも1つの減摩添加剤を含む。本発明の目的のためには、「減摩添加剤」は、混合物(M)中に含まれる場合に、同じであるが減摩添加剤を含まない混合物と比較したときに前記混合物(M)の摩擦係数を下げる化合物を意味することを意図される。こうして、減摩添加剤は、得られた混合物(M)とそれに接触する材料との間の摩擦が減少する状態で、得られた混合物(M)と前記得られた混合部(M)を含む物品とに、よりツルツルしたまたは絹のようなまたは滑らかな感触を持たせる。
【0071】
混合物(M)の総質量を基準として、減摩添加剤の質量は好ましくは15%〜45%、より好ましくは20%〜40%、さらにより好ましくは25%〜35%の範囲である。
減摩添加剤は、顕微鏡的寸法かナノ−スケール寸法(すなわち、平均粒子が200nmより下の長さの少なくとも1つの寸法を有する場合)かのいずれかのものであり得る、微粒子固体タイプの減摩添加剤であってもよい。用語「微粒子固体」は本明細書では、非繊維状形態を有する固体(例えば、球体、フレーク、棒、ペレット、粗粉末、ミクロパウダーなど)、または繊維状材料を細かく砕くこと(すなわち、例えば、ミリング、研削、パウンディングまたは研磨によって非常に小さい粒子に下げること)によって得られる微粒子固体を意味することを意図される。
あるいはまた、減摩添加剤は繊維状であってもよい。本明細書で用いるところでは、「繊維」または「繊維状材料」は、比較的高い靱性と長さ対直径の極めて高い比とによって特徴付けられる固体の(多くの場合結晶性の)基本的形態を意味する。繊維は、連続、不連続であっても、ミルにかけられても、切り刻まれても、それらの組み合わせであってもよい。
【0072】
混合物(M)は、滑剤から選択された少なくとも1つの減摩添加剤を含んでもよく;混合物(M)に組み込まれるのに好適な滑剤の非限定的な例は、二硫化モリブデン、シリコーンオイル、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとのコポリマーなどの溶融加工可能なフルオロポリマー、窒化ホウ素、およびそれらの混合物である。
【0073】
混合物(M)は、強化剤から選択された少なくとも1つの減摩添加剤を含んでもよく;混合物(M)に組み込まれるのに好適な強化剤の非限定的な例は、ピッチベースの、PANベースのおよび気相成長の炭素繊維をはじめとする炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBI繊維、PBO繊維およびそれらの混合物である。
混合物(M)は、アラミド粉末、炭化チタンおよびそれらの混合物のような、フィラーから選択された少なくとも1つの減摩添加剤を含んでもよい。
混合物(M)は少なくとも1つの減摩ナノ添加剤を含んでもよく;混合物(M)に組み込まれるのに好適な減摩ナノ添加剤の非限定的な例は、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、シリカ、硫酸バリウム、およびそれらの混合物である。
【0074】
とりわけ耐摩擦性および耐摩耗性用途での使用に特に有用な混合物を製造する第1の特に好ましい原料は炭素繊維である。本発明に有用な炭素繊維は有利には、例えば、レーヨン、ポリアクリロニトリル(PAN)、芳香族ポリアミドまたはフェノール樹脂などの異なるポリマー前駆体の熱処理および熱分解によって得ることができ;本発明に有用な炭素繊維はまた、ピッチ材料から得られてもよい。用語「グラファイト繊維」は、炭素繊維の高温熱分解(2000℃より上)によって得られた炭素繊維であって、炭素原子がグラファイト構造と似たやり方で位置している繊維を意味することを意図する。炭素繊維は好ましくはPANベースの炭素繊維であり;かかる炭素繊維の例はフォータフィル(FORTAFIL)(登録商標)219炭素繊維である。
【0075】
とりわけ耐摩擦性および耐摩耗性用途での使用に特に有用な混合物(M)を製造する第2の特に好ましい原料はグラファイトである。
とりわけ耐摩擦性および耐摩耗性用途での使用に特に有用な混合物(M)を製造する第3の特に好ましい原料はポリテトラフルオロエチレンである。
良好な結果は、耐摩擦性および耐摩耗性用途で、混合物(M)が炭素繊維と、グラファイトおよびポリテトラフルオロエチレンの少なくとも1つとをさらに含むときに得られ、ここで、
・混合物(M)の総質量を基準として、炭素繊維と、グラファイトとポリテトラフルオロエチレンとの総合質量が好ましくは15%〜45%の範囲であり、かつ、
・混合物(M)の総質量を基準として、炭素繊維の質量が好ましくは5%〜25%の範囲である。
【0076】
優れた結果は、耐摩擦性および耐摩耗性用途で、混合物(M)が炭素繊維と、グラファイトとポリテトラフルオロエチレンとをさらに含むときに得られ、ここで、
・混合物(M)の総質量を基準として、炭素繊維と、グラファイトとポリテトラフルオロエチレンとの総合質量が好ましくは15%〜45%、より好ましくは20%〜40%、さらにより好ましくは25%〜35%の範囲であり、
・混合物(M)の総質量を基準として、炭素繊維の質量が好ましくは5%〜15%、より好ましくは7.5%〜12.5%の範囲であり、
・混合物(M)の総質量を基準として、グラファイトの質量が好ましくは5%〜15%、より好ましくは7.5%〜12.5%の範囲であり、かつ、
・混合物(M)の総質量を基準として、ポリテトラフルオロエチレンの質量が好ましくは5%〜15%、より好ましくは7.5%〜12.5%の範囲である。
【0077】
本発明の別の態様は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)とを溶融配合する工程を含む、上記のような混合物(M)の調製方法に関する。
【0078】
好ましくは、本発明の方法は、
・ドライブレンドを得るために、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と熱可塑性ポリマー材料(P3)とを乾式ブレンドする工程、次に
・このドライブレンドを溶融配合する工程
を含む。
【0079】
溶融配合工程は好ましくは押出機で行われ、より好ましくは真空ガス抜きが、水分およびいかなる他のあり得る残留揮発分を混合物(M)から取り除くために配合の間ずっと押出機のバレルに適用される。
【0080】
本発明のさらに別の態様は、上記のような混合物(M)を含む物品に関する。物品は、上記のような混合物(M)から本質的になっても、またはそれからなっていてもよい。物品はまた、上記のような混合物(M)から本質的になる、またはそれからさえなる1つの部品を含んでもよい。本発明のある種の好ましい実施形態では、物品は、軸受面を有する少なくとも1つの部品を含み、前記部品は、上記のような、少なくとも1つの減摩添加剤をさらに含む混合物(M)からなる。
【0081】
本発明による物品は、
・射出成形品;
・フィルム、繊維、シート素材、棒素材、チューブ材料または異形材などの、押出品;
・圧縮成形品;
・シールリングなどの、バルブ構成部品またはその関連部品;
・空気圧縮機、冷凍圧縮機、往復圧縮機(例えば、LPG、アンモニア、塩素、HCl、エチレンまたはプロピレンを含む)での吸引および排出部品用の、プレートバルブ、リングバルブ、ポペット弁などの、圧縮機またはポンプ部品;
・特にオイル/ガス生産の坑井環境での使用のためのガスケットまたはバックアップリングなどの、シーリング部品;
・電子部品、特に、IRリフローはんだ温度に耐えるその能力のために;表面実装タイプ回路アセンブリの電子部品;
・ハードドライブプラッター部品、またはヘッド部品;
・セルカセットまたはチップキャリアトレーなどの、半導体製造に有用な部品;かかる部品は典型的には、炭素繊維、カーボンナノチューブまたは幾つかの他の導電性添加剤の添加によって静電放電性(ESD)である;
・試験ソケットまたはバーンイン・ソケットなどの、半導体試験装置の部品;
・流体配送システム、特に、熱い厳しい化学物質および/またはスチームが存在する化学プロセス工業または他の工業に使用される流体配送システムの管継手および/または連結器;
・構造上連続の繊維複合材料のためのマトリックス;
・電子レンジならびに従来型オーブンの両方での使用に好適な、調理器具または耐熱皿;
・坑井研磨テープまたは可撓性ライザー研磨テープ;
・高熱に曝されるかもしれない、アンダーボンネット自動車部品;
・照明ソケット、LEDフレームまたはLEDハウジングなどの、照明用途に有用な物品;
・とりわけコンピューターに有用な、熱散逸ヒートシンク;そのとき、混合物(M)は典型的には、ピッチベースの炭素繊維などの少なくとも1つの熱伝導性フィラーを組み込む;
・航空宇宙電気もしくは電子コネクター部品またはハウジング;
・ブッシング、ベアリングまたはスラストワッシャーなどの摩擦および摩耗部品;
・ギア;
・機械駆動部品;
・電気もしくは電子の、ワイヤまたはケーブル絶縁材またはコーティング;
・エレベータードア部品、または他のスライディング機構のブッシング、ベアリングまたは別の摩擦部品;
・高温コンベヤーシステムのブッシング、ベアリングまたは別の摩擦部品
であってもよい。
【0082】
本発明による物品はまた、自動車、輸送機関および苛酷な使用に耐える機器最終用途に有用であるかもしれず;それらに関して、本発明による物品はまた、
・ターボ部品および/または空気導入のためのプレート;
・農業機器または建設機器の油圧部品、シール、ポペット弁またはピストンリング;
・プッシュプルケーブルの摩耗防止層;
・ブレーキシステムの滑りリング、タペット、ギア、電子駆動パッド、制御弁、ポンプ部品、ブッシングまたはチェックボール;
・変速機部品のシールリング、スラストワッシャー、またはボール;
・かじ取り装置部品のギア、ブッシングまたはベアリング;
・CVT(連続可変変速機)またはクラッチのランプボタン、トルクローラー、スラストボタン;
・排ガスシステムのポンプ部品、ギア、またはセンサー;
・オイルシステムのポンプまたはG−ローター;
・圧縮機の斜板;
・エアバッグセンサー;
・列車ドアの摩擦板、ドアスリーブもしくはブラケットまたは別の滑り部品;
・自動車シャーシ部品;または
・シート調節機構用のモータースラストワッシャーまたはフィルム
であってもよい。
【0083】
本発明のさらに別の態様は、溶融混合物を得るために混合物(M)を溶融させる工程と、溶融混合物を物品に造形する工程と、物品を冷却する工程とを含む、上記のような物品の製造方法に関する。
好ましくは、前記方法は、混合物(M)を金型成形する工程を含む。より好ましくは、前記方法は、混合物(M)を射出成形する工程を含む。
また好ましくは、物品が冷却された後に、例えば、射出成形品が冷却された後に、それは熱へのその後の暴露によってアニールされない。このように、物品は好ましくは「造形されそして冷却されたままで」使用される。
【0084】
本発明のさらに別の態様は、(P1)、(P2)、(P3)、(P3a)、(P3b)および(P3c)が先に記載された通りである、少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)とを含む熱可塑性ポリマー混合物の強靱性関連特性を改善するための、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる熱可塑性ポリマー材料(P3)の使用に関する。特に、本発明は、少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)とを含む熱可塑性ポリマー混合物のノッチ付きアイゾッド(Izod)および/または引張降伏伸びおよび/または引張破断点伸びを上げるための、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる熱可塑性ポリマー材料(P3)の使用に関する。ノッチ付きアイゾット(Izod)は一般に、ASTM D−256に従って測定され、一方、引張降伏伸びおよび引張破断点伸びは一般に、ASTM D−638に従って測定される。
【0085】
本発明の最後の態様は、少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)とを含む熱可塑性ポリマー混合物の熱撓み温度を上昇させるための、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる熱可塑性ポリマー材料(P3)の使用に関する。熱撓み温度は一般に、ASTM D−648に従って測定される。
【実施例】
【0086】
本発明による様々な混合物を表す、14の調合物および対照を調製した。それらは、本発明の実施を例示し、本発明の混合物の予期されない利益および実用性を実証した。
【0087】
正確な処方および使用した原材料を表1および2に示す。ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)/ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)混合物へのポリフェニルスルホン(PPSU)および/またはポリ(エーテルイミド)(PEI)添加の影響を、PEEK対照および未変性PEEK/PPS対照と並列方法で、混合物のそれぞれについて評価した。簡潔さおよび例示のために、PEEK/PPS比は本研究の全体にわたって2:1に保った。
【0088】
調合物E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8およびE9は、本発明によるものであった。
調合物CE1、CE2、CE3、CE4およびCE5は、比較のために調製した。
【0089】
使用したポリマー材料
これらの実施例に使用したPEEK銘柄は、ケタスパイア(KetaSpire)(登録商標)KT−850P PEEK、400℃の温度および1000秒-1の剪断速度で毛管レオメータによって測定されるように3500〜4100ポアズの溶融粘度範囲の中程度粘度銘柄のPEEKであった。
使用したPPS銘柄は、大日本インキ化学工業株式会社(Dainippon Ink and Chemicals)製のDSP LD−10G、線状高分子量銘柄のPPSであった。
【0090】
使用したPPSU銘柄は、ラデル(RADEL)(登録商標)R−5000 NTおよびラデル(RADEL)(登録商標)R−5100 NT PPSUであった。これらの銘柄は、365℃の温度および5.0kg重りで測定される14〜20g/10分のメルトフローレイト範囲で特徴付けられる中程度粘度の、標準射出成形未処置銘柄のPPSUである。
使用したPEIは、サビック・イノベイティブ・プラスチックス(SABIC INNOVATIVE PLASTICS)から入手可能なウルテム(ULTEM)(登録商標)1000 PEI、ポリ(エーテルイミド)未処置樹脂の標準射出成形銘柄であった。このポリマーは、ビスフェノールA酸無水物とメタ−フェニレンジアミンとの重縮合生成物である。
【0091】
調合物の調製
本発明の全てのポリマー混合物は、ブレンドされるべき樹脂を約20分間先ず混転ブレンドし、引き続き18mmレイストリッチ(Leistritz)共回転相互咬合二軸スクリュー押出機を用いて溶融配合することによって調製した。この押出機は、バレル2〜6(表4および5ではそれぞれ、ゾーン1〜5に相当する)が加熱される状態で、6バレルゾーンを有した。真空ガス抜きを、水分およびいかなるあり得る残留揮発分を配合物から取り除くために配合の間ずっとバレル5に適用した。
【0092】
調合物の試験
機械的特性は、以下のASTM方法および0.125インチ厚さの射出成形検体を用いて0.125インチ厚さのASTM試験検体を使用して全ての調合物について試験した:
D−638引張特性
D−790:曲げ特性
D−256:耐アイゾット(Izod)衝撃性(ノッチ付き)
D−4812:耐アイゾット(Izod)衝撃性(ノッチなし)
D−648:264psiの付加応力での熱撓み温度。
【0093】
機械的特性測定に加えて、耐環境応力亀裂性(ESCR)もまた、0〜2.0%の連続的に変わる外側繊維歪みの放物線曲げ治具を使用して調合物の幾つかについて評価した。ASTM曲げ検体を取り付けた曲げ治具を3つの溶剤:クロロホルム、メチルエチルケトンおよびトルエンに浸漬した。破損(例えば、ひび割れまたは亀裂)を誘発するために必要とされる最小歪みを記録した。
【0094】
観察結果
ある種の重要な観察結果は、以下の通りである。
・PEEK/PPS混合物へのPPSUおよび/またはPEI添加が、さもなければ未変性のPEEK/PPS混合物より以下の特性:
−より高い引張降伏伸び
−より高い引張破断点伸び
−より高いノッチ付き耐衝撃性
−より高い熱撓み温度
を改善する、
PEEKと比べて調合物のコストをかなり低減しながら、本質的に、未変性PEEKのそれらに概してより似た特性を達成することができる、
・本発明による調合物が全て、2.0%の最大付加歪みまでいかなるひび割れまたは亀裂にも耐性を備えて傑出したESCRを示し;この性能がこれらの媒体でPEEKについて知られるものよりはるかに良好であるので、本発明の調合物が、本発明混合物の個々の成分のESCR性能の平均に基づき予期されるものよりはるかに良好に機能する。
【0095】
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
【表5】

【0100】
【表6】

【0101】
【表7】

【0102】
【表8】

【0103】
明らかに、本発明の多数の修正および変形は、上記教示を踏まえて可能である。それ故、添付の特許請求の範囲内で、本発明が本明細書に具体的に記載されるものとは別の方法で実施されてもよいことは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、
・少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)と、
・熱可塑性混合物(M)の総質量の0〜25質量%の、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)からなる熱可塑性ポリマー材料(P3)と
を含む熱可塑性ポリマー混合物(M)であって、
・ポリマー混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量が少なくとも30%のものであり、かつ、
・ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量が90%以下のものである混合物。
【請求項2】
熱可塑性混合物(M)の総質量を基準として、熱可塑性ポリマー材料(P3)の質量が5〜20質量%の範囲である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
熱可塑性混合物(M)の総質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量が少なくとも50%のものである、請求項1または2に記載の混合物。
【請求項4】
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とポリ(アリーレンスルフィド)(P2)との総合質量を基準として、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の質量が少なくとも50%のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)がポリ(エーテルエーテルケトン)、好ましくはポリ(エーテルエーテルケトン)ホモポリマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
ポリ(アリーレンスルフィド)(P2)がポリ(フェニレンスルフィド)、好ましくはポリ(フェニレンスルフィド)ホモポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
熱可塑性ポリマー材料(P3)が少なくとも1つのポリフェニルスルホン、好ましくはポリフェニルスルホンホモポリマーからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
熱可塑性ポリマー材料(P3)が少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、好ましくはポリ(エーテルイミド)ホモポリマーからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項9】
熱可塑性ポリマー材料(P3)が少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)と少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)とからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項10】
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)がポリフェニルスルホンホモポリマーであり、そしてポリ(エーテルイミド)(P3b)が、その繰り返し単位が本質的に全てイミドの形態の、式(28)自体であるか、
【化1】

および/または式(29)のアミド酸の形態、
【化2】

および/または式(30)のアミド酸形態
【化3】

にあるポリ(エーテルイミド)ホモポリマーである、請求項9に記載の混合物。
【請求項11】
熱安定剤、加工助剤、難燃剤、着色剤、核剤、耐衝撃性改良剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項12】
少なくとも1つの減摩添加剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項13】
減摩添加剤が、二硫化モリブデン、シリコーンオイル、溶融加工可能フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBI繊維、PBO繊維、アラミド粉末、炭化チタン、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、シリカ、硫酸バリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の混合物。
【請求項14】
炭素繊維、グラファイトおよびポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項13に記載の混合物であって、
・混合物(M)の総質量を基準として、炭素繊維、グラファイトおよびポリテトラフルオロエチレンの総合質量が15%〜45%の範囲であり、
・混合物(M)の総質量を基準として、炭素繊維の質量が5%〜15%の範囲であり、
・混合物(M)の総質量を基準として、グラファイトの質量が5%〜15%の範囲であり、かつ、
・混合物(M)の総質量を基準として、ポリテトラフルオロエチレンの質量が5%〜15%の範囲である混合物。
【請求項15】
軸受表面を有する少なくとも1つの部品を含む物品であって、前記部品が請求項12〜14のいずれか一項に記載の混合物から構成される物品。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の混合物を含む物品。
【請求項17】
・射出成形品;
・押出品;
・圧縮成形品;
・バルブ構成部品またはその関連部品;
・圧縮機またはポンプ部品;
・オイル/ガス生産の坑井環境に使用するためのシーリング部品;
・電子部品;
・ハードドライブプラッター部品、またはヘッド部品;
・セルカセットまたはチップキャリアトレー;
・半導体試験装置の部品;
・流体配送システムの管継手および/または連結器;
・構造連続繊維複合材料のためのマトリックス;
・調理器具または耐熱皿;
・坑井研磨テープまたは可撓性ライザー研磨テープ;
・アンダーボンネット自動車部品;
・照明用途に有用な物品;
・熱散逸ヒートシンク;
・航空宇宙電気もしくは電子コネクター部品またはハウジング;
・ブッシング、ベアリング、スラストワッシャー、または別の摩擦および摩耗部品;
・ギア;
・機械駆動部品;
・電気もしくは電子のワイヤまたはケーブル絶縁材またはコーティング;
・エレベータードア部品、または他のスライディング機構のブッシング、ベアリングまたは別の摩擦部品;
・高温コンベヤーシステムのブッシング、ベアリングまたは別の摩擦部品;
・ターボ部品および/または空気導入のためのプレート;
・農業機器または建設機器の油圧部品、シール、ポペット弁またはピストンリング;
・プッシュプルケーブルの摩耗防止層;
・ブレーキシステムの滑りリング、タペット、ギア、電子駆動パッド、制御弁、ポンプ部品、ブッシングまたはチェックボール;
・変速機部品のシールリング、スラストワッシャー、またはボール;
・かじ取り装置部品のギア、ブッシングまたはベアリング;
・CVT(連続可変変速機)またはクラッチのランプボタン、トルクローラー、スラストボタン;
・排ガスシステムのポンプ部品、ギア、またはセンサー;
・オイルシステムのポンプまたはG−ローター;
・圧縮機の斜板;
・エアバッグセンサー;
・列車ドアの摩擦板、ドアスリーブもしくはブラケットまたは別の滑り部品;
・自動車シャーシ部品;ならびに
・シート調節機構用のモータースラストワッシャーまたはフィルム
から選択される、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
少なくとも1つのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と少なくとも1つのポリ(アリーレンスルフィド)(P2)とを含む熱可塑性ポリマー混合物のノッチ付きアイゾットおよび/または引張降伏伸びおよび/または引張破断点伸びおよび/または熱撓み温度を上げるための、(i)少なくとも1つのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P3a)、および/または(ii)少なくとも1つのポリ(エーテルイミド)(P3b)、および/または少なくとも1つのポリ(エーテルイミドスルホン)(P3c)とからなる熱可塑性ポリマー材料(P3)の使用。

【公表番号】特表2010−525126(P2010−525126A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504676(P2010−504676)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054954
【国際公開番号】WO2008/116939
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502030880)ソルヴェイ アドバンスド ポリマーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (39)
【Fターム(参考)】