説明

熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置及びその方法

【課題】溶着する形状が異なっていても、超音波加工具を別々に用意する必要がなく、単一の加工具で種々の形状の溶着加工ができ、少ロット、多種加工が容易とし、装置を連続運転しながら溶着ができ、振動及び騒音の少ない装置及び方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性袋素材原反Fを搬送する搬送ローラ13の上流側に、原反の外側位置より、原反の中間位置まで達する受けローラ15が原反外位置で片持ち支持してある。この受けローラ15と平行に往復移動可能に超音波溶着装置20が設けてある。この超音波溶着装置20のホーン21先端の加工具17は前記原反Fの搬送中に前記受けローラ15とによって、原反Fを挟み原反Fの搬送中に原反の幅方向に移動可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は数枚重ねた熱可塑性袋素材原反を超音波溶着装置を用いて、溶着する装置及びその方法に関するものであって、特に溶着か工具を溶着部の形状に合わせて、その都度製造する必要がなく、同一の加工具で、複雑な形状の溶着ができるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の超音波溶着装置を用いた溶着装置は、極狭い面積の溶着か、或いは特殊な形状の溶着に限られ、異なるパターンの溶着はできないものであった。
例えば特許文献1に示すように、超音波溶着装置を原反の幅方向に移動させる為に、特殊な円筒形の加工ローラ周面に目的の加工形状に合致させた加工刃を形成し、他方この加工刃の加工ローラ周面上の形状に習って、超音波ホーンが原反の幅方向に移動させる為の円筒カムを別に設けるなど、徒に装置を複雑にし、且つ加工形状は特定され、他の形状の加工はできない。
また、特許文献2記載のものは加工形状にエンボス加工を施した受けローラを設け、これにローラの幅一杯の超音波振動する加工具を接触させたものであるが、特許文献1同様に他の形状の溶着はできないし、細長い加工具を超音波振動させる構造は複雑で、溶着が均一にできる様にするには高度の技術が必要であるし、エンボスローラが損耗毎に、作り替えねばならず、全体として高価な装置となる。
また従来の製袋装置乃至包装装置においては原反は殆どが特許文献3に見られるよう間歇搬送であり、装置の振動及び騒音の原因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−297608号公開特許公報
【特許文献2】特開2002-38318号公開特許公報
【特許文献3】特開平9−323708号公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は熱可塑性袋素材原反を溶着する形状が異なっていても、これに対応する超音波加工具を別々に用意する必要がなく、単一の加工具で種々の形状の溶着加工ができ、少ロット、多種加工が容易となり、更に装置を連続運転しながら溶着ができ、装置の運転が従来のものに較べ、格段に振動及び騒音の少ない熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置及びその方法を市場に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を達成するために、この特定発明は熱可塑性袋素材原反を一定方向に搬送する一対挟持型の搬送ローラが機枠に位置固定に備へ、この搬送ローラに依る原反の搬送方向を基準として、上流側に原反の外側位置より、原反の少なくとも中間位置まで達する受けローラが原反外位置で片持ち支持乃至両端支持によって、前記機枠に回転自在に装備してあり、前記原反の外側には前記受けローラと平行にガイド部材が前記機枠に固定してあり、このガイド部材にスライドする溶着装置ブロックが備えてあり、この溶着装置ブロックには超音波型溶着装置の本体部分が前記受けローラに対して接離可能に装備してあり、前記本体部分より伸びるホーンの先端の加工具は前記受けローラ周面に接離可能に装備してあり、且つ前記本体部分は溶着装置ブロックと共に搬送ローラの駆動中に幅方向に移動可能としてあることを特徴とする熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置とする。
【0006】
また前記の課題を達成するために、この発明の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置は前記搬送ローラは可変速回転可能なパルスモータ乃至エンコーダ付のサーボモータよりなる第1駆動手段によって駆動可能としてあり、前記溶着装置ブロックは前記機枠に設けてあるタイミングベルトのガイド部材と平行な部分に連結してあり、前記タイミングベルトと噛合う歯車軸には前記機枠に装備したパルスモータ型乃至エンコーダ付の正逆可変速回転可能なサーボモータよりなる第2駆動手段が連結してあり、前記溶着装置ブロックは前記第2駆動手段によって、前記原反の幅方向に移動可能としてあることを特徴とする。
【0007】
また前記の課題を達成するために、この発明の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置は前記請求項1記載の前記ホーンの先端の加工具は前記ホーンと共に、前記受けローラ周面に接離可能に装備してあるとは溶着装置本体部が溶着ブロックに対して、前記接離方向に移動可能にしてあり、溶着装置ブロックに備えた空気圧式、液圧式、電磁式、若しくはこれらの一種と機械的機構との結合式のうちの一種の接離駆動手段に依って接離可能としてあることを特徴とする。
【0008】
また前記の課題を達成するために、この発明の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置には搬送ローラの発停、駆動速度設定及び駆動指令手段、並びに溶着装置ブロックの往復範囲設定、移動方向、前記搬送ローラの周面速度に対する溶着装置ブロックの幅方向移動速度の比の設定手段及び移動指令手段及び前記各手段の作動プログラム設定及び作動停止指令可能な制御装置が装備してあることを特徴とする。
【0009】
また前記の課題を達成するために、この関連の方法発明は前記搬送ローラで連続搬送される2枚乃至4枚重ねの前記熱可塑性袋素材原反の搬送中において、これを前記受けローラ周面に接触させ、前記受けローラとは原反の反対側より超音波溶着装置のホーン先端の加工具を接触させて、これを前記原反の幅方向に移動させて前記2乃至4枚の原反を幅方向に傾斜乃至屈曲した形状に相互に溶着をすることを特徴とする熱可塑性袋素材原反を超音波型溶着する方法とする。
【0010】
また前記の課題を達成するために、この関連の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着する方法発明は前記請求項5記載の前記原反に幅方向に傾斜乃至屈曲した形状に相互に溶着をする方法は数値制御装置を用い、これに前記原反を搬送する搬送ローラの回転速度を基準として、超音波溶着装置の幅方向の正又は負の移動方向、移動速度、移動範囲及び超音波溶着装置の作動不作動を予めプログラムとして前記数値制御装置に入力し、且つ設定し、このプログラムに基づき、前記数値制御装置よりの指令に基づき、超音波溶着装置を運行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記の特定においては発明は前述のように構成しているから、搬送ローラを連続回転させて、前記2枚ないし4枚の原反を連続して一方向に搬送しながら、前記ホーンを超音波振動させながら、先端の加工具を受けローラ周面に圧接すると、その超音波振動は加工具を介して受けローラに掛合している原反に伝播して、前記加工具と受けローラで挟まれている原反の重なっているフイルム部分は溶着され、溶着装置全体を受けローラの長さ方向に移動させると溶着される部分は原反の幅方向に順次線状に形成され、その方向は前記原反の搬送速度と前記溶着装置の受けローラの軸方向への移動速度の合成方向となり、45度傾斜、30度傾斜、半円形状など溶着形状など、任意の形状に溶着できる。
従って、溶着部の形状ごとに、それに対応した形状の加工具を製造したり、工具の取替えを必要としない。
【0012】
前記の特定発明の第1駆動手段と第2駆動手段は共にパルスモータ型乃至エンコーダ付のサーボモータによって形成してあるから、これらの回転速度同士の比が容易に数値決定でき、操作プログラムの作成、設定が容易であるだけでなく、これらサーボもモータの回転角を前述のパルスモータ乃至エンコーダから発せられるパルスを計数することによって、実際の原反の送り寸法及び加工具の移動寸法が計測でき、制御が容易であり、且つ正確な寸法及び形状の溶着が可能となる。
【0013】
前記ホーンの先端の加工具は前記ホーンと共に前記受けローラ周面に接離可能に装備してあるとは溶着装置の本体部分がスライドブロックに対して、前記接離方向に移動可能にしてあり、スライドブロックに備えた空気圧式、液圧式、電磁式、若しくはこれらの一種と機械的機構との結合式のうちの一種の接離駆動手段に依って接離可能としてあることを特徴とする発明は動作が迅速で機構も簡素である。
【0014】
前記搬送ローラの発停、駆動速度設定及び駆動指令手段、並びに溶着装置ブロックの往復範囲設定、移動方向、前記搬送ローラの周面速度に対する超音波溶着装置の原反の幅方向つまり、受けローラの長さ方向への移動速度比の設定手段及び移動指令手段及び前記各手段の作動プログラム設定及び作動停止指令可能な制御装置が装備してあることを特徴とする発明においては、溶着部の形状の変更に対応して、制御装置の入力部より、溶着形状に合った情報、及び運行プログラムを設定でき、実行させることが出来る。
前記制御装置へのプログラムの入力はその入力部よりその都度入力しても、或いは予め複数のプログラムを入力しておき、必要に応じて、その内の任意のプログラムを選択する方法を用いてもよい。
【0015】
方法発明を実施することにより各種の形状の溶着が加工具を取り替えることなく、且つ原反搬送を継続しながら加工できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】代表的な実施態様の装置の一部原理的な正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】他の装置の実施態様を示す一部原理的な正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】袋の形状の一例を示す正面図である。
【図6】は袋の溶着工程を示す説明図である。
【図7】図3の装置を用いたガーメントバッグの製造工程を示す正面図である。
【図8】種々の溶着部形状の例を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明を前記請求項4記載の装置発明において、請求項6記載の方法を実施する場合について説明する。
図1の装置において、Fは熱可塑性合成樹脂をインフレーション方式により扁平チューブに成形し更に両側よりガゼット折込した原反であり、両側より折り込まれたガゼット折込11のガゼット底12は殆ど接触するばかりに折り込まれた正ガゼット折り込み帯である。
この原反Fは一対挟持型の機枠14に支持された搬送ローラ13によって搬送される。
前記搬送ローラ13はパルスモータ型乃至エンコーダ付のモータサーボたる第1駆動手段M1により、任意の速度で原則として連続搬送される。しかし、袋を製造する1袋分の長さLの途中において、一時停止乃至殆ど停止に近い低速度搬送することを妨げるものではない。
前記搬送ローラ13に依る原反Fの搬送方向を基準として、前記搬送ローラ13より上流側の前記機枠14には前記搬送ローラ13と軸線が平行な受けローラ15が設けてあり、図1の例においてはそれぞれ原反Fの幅よりも外側の位置において、前記機枠14に片持ち支持してあり、受けローラ15の先端部は前記原反Fのガゼット折り込み11の中に側方より挿入してある。
【0018】
図1及び図2に示す実施態様においては前記受けローラ15は前記ガゼット折り込み11内にそれぞれ表裏2本ずつ左右二組設けてあり、2本一組の受けローラ15は相互に接触せず平行に設けてあり、原反Fと接触しながら、原反Fの搬送方向に強制駆動されている。通常搬送ローラ13と機械的若しくは電気的に同一周速度で駆動するよう連結してある。つまり表裏一組の受けローラ15は相互に逆回転する。
これら全ての受けローラ15の周面は研磨仕上げされた周面に細かい碁盤目乃至篭目状の凹凸が刻まれた鋼ローラである。
【0019】
これら各受けローラ15の上流側位置の機枠14には前記搬送ローラ及び受けローラ15と軸線が平行な案内ローラ16が設けてあり、前記原反Fはその供給部(図示してない)から案内ローラ16に掛合して一対挟持型の搬送ローラ13に通し、途中前記の原反Fのガゼット折込み11の中に前記の片持ち支持されている受けローラ15が原反Fの側縁から挿入して、各受けローラ15の先端はそれぞれガゼット底12近傍まで挿入する。前記案内ローラ16よりも上流側において、前記原反Fには若干の制動が加えてあり、原反Fに緊張が加えてある。
このようにすると、原反Fは緊張しており、ガゼット折込み11の2枚重ねのフイルムは各受けローラ15周面で相互に密着する。
【0020】
前記各受けローラ15(15a、15b)の設けてある位置に対抗して、これらと平行なガイド部材(図示では2本のガイドバー)24が原反Fの外側に位置して機枠14に固定してあり、このガイド部材24に超音波溶着装置20を備えたスライドブロック23が往復摺動自在に摺動自在に設けてあり、超音波溶着装置20の超音波振動するホーン21は前記受けローラ15a、15b周面に向けてあり、各ホーン21の先端には加工具17a、17bが取り付けてある。
前記スライドブロック23の一部は機枠14に設けたタイミングベルト25の前記ガイド部材24と平行な部分に連結してあり、タイミングベルト25と歯合する歯車26の回転軸27には第2の駆動手段M2たる第2のサーボモータM2が連結してある。
このサーボモータM2はパルスモータ型乃至エンコーダ付の可逆回転可能なモータである。
【0021】
前述の超音波溶着装置20の本体部分22は前記スライドブロック23に対して、前記対応する受けローラ15に対して接離可能に装備してあり、図2の例においてはリンク機構28によって連結してあって、本体部分22はスライドブロック23に装備した接離駆動手段の一種であるソレノイド29(29a、29b)によって、ホーン21の先端の加工具17aが受けローラ15に接離するように設けてあり、各加工具17が対応する受けローラ15から最も離反した間隔は大きくとも5mm好ましくは2mm程度がよい。
【0022】
Cは制御装置であり、通常市販されている3軸制御可能な数値制御装置〔NC(Numerrical Control)又はCNC(computer Numerrical Control)制御装置〕を用い、一袋乃至1サイクル加工する加工プログラム情報を入力する。
即ち、その入力部41よりY軸制御として、前記第1のサーボモータM1の発停及び速度を入力設定し、且つX軸制御として、第2サーボモータM2の作動不作動のタイミングを第1サーボモータM1から発せられるパルスの特定パルス数毎とし、同時に回転方向を特定し、その特定された回転方向により、前記ソレノイド29a、29bが作動不作動の2位置制御をZ軸制御とし、且つ超音波溶着装置20のホーン21が作動して、加工具17が各受けローラ15周面上に重なる原反Fを圧接しながら超音波振動を与える情報を制御装置Cの入力部41から入力し、入力された情報は表示部42に表示される。
図1乃至図4において、破線結合は機械的ないし電気的に同期していることを示し、二点鎖線は情報の伝達を示し、その矢印は情報伝達方向を示す。
更に具体的に説明すれば、前記第2サーボモータM2から発せられるパルス数を特定し、超音波溶着装置20の原反Fの幅方向への移動範囲を特定し、原反Fの側縁から、ガゼット底12近傍まで達する第2サーボモータM2から発せられるパルス数を制御装置Cにフィードバックさせ、制御装置C内の計数完了判断手段により、計数完了を判断し、その計数完了信号により、制御装置Cより前記ソレノイドを消磁指令信号を発して、同時にホーン21の超音波振動を止め、これを不作動とし、同時に前記超音波溶着装置20を受けローラ15から離反させ、且つ、更に第2サーボモータM2を逆転させ、前記超音波溶着装置20を元位置に復帰させて停止させる一連のプログラムを入力し、設定して、Y軸制御を除いて、他のプログラムは繰り返し実行するプログラムを入力する。
前述の制御装置Cへの作動プログラムの入力方法は一例であり、使用される制御装置の入力方法に従えばよく、前記の入力方法に限定されるものではなく,要は作動プログラムが入力され、各部の作動が設定通り実行されればよい。
【0023】
このようにして原反Fをその供給部から案内ローラ16に掛合し、一対挟持型の搬送ローラ13に供給し、案内ローラ16と搬送ローラ13の間において、片持ち支持された受けローラ15をそれぞれ表裏に一本ずつ2本左右二組挿入し、これら受けローラ15の各先端がガゼット底12近傍に達するよう位置させ、これら受けローラ15の位置を機枠14に対して,位置固定する。
而して、全装置を運転すると、原反Fが所定寸法搬送され、袋毎の起点から特定の寸法搬送されるごとに、搬送中の原反Fはその側縁から超音波振動を開始し、ソレノイド29a、29bが作動して、加工具17が各受けローラ15上の2枚のフイルムは各受けローラ15周面に押圧されて、2枚のフイルムは溶着され、超音波溶着装置20が設定された位置まで進行したところで、ソレノイド29a、29bは消磁して、後退して第2サーボモータM2は逆転し、超音波溶着装置20は元位置に復帰する。
以下この作用を一袋の起点を第1サーボモータM1のパルスを計数しては繰り返し実行される。
【0024】
前述の超音波溶着装置20の移動速度を原反Fの搬送速度と同一なるように、各サーボモータM1及びM2を設定すれば、前記ガゼット折込み11に形成される溶着部60の傾斜角は流れ方向に対し45度となり、原反Fの搬送速度を超音波溶着装置20に移動速度より速くすれば45度以上の傾斜した溶着部60が形成され、袋Bを広げれば、角底袋の底は角錐形状となり、例えば底部が角錐ホッパー形状のコンテナの内袋の製造に適する。
【0025】
図6のTに示す両側溶着で底ガゼットの袋のガゼット折込み11部分を溶着する態様においては、各袋が横方向に連続するように加工する。即ち図6のT1に示すように広幅のフイルム帯を順次幅を狭く2枚折にし、折り曲げ縁を更に内側に折り込んでガゼット折込み11を形成した原反Fを用いる。
前記制御装置Cへのプログラム入力は起点50をスタート点と設定し、一袋幅Wを1サイクルとし、第1のサーボモータM1が発するパルス数で設定する。このとき超音波溶着装置20はガゼット折込み11側の原反Fのすぐ外側の位置をスタート位置と設定する(図6のT1の中の符号50参照)。
原反Fが搬送され、第1のサーボモータM1の回転によって発生する任意のパルスをスタート信号とし、これと同時に前記の超音波溶着装置20は第2のサーボモータM2により原反F上に移動し、これと同時にホーン21は作動し、ソレノイド29a、29bは励磁して、加工具16a、16bによって2枚のフィルムは受けローラ15a、15bに圧接される。
原反Fに表示してある一袋毎に繰り返し模様、文字その他のレジスタマークを光学的センサで検出した信号を各プログラム開始の起点信号としてもこの発明としては同じである。
【0026】
前記の超音波溶着装置20の移動速度は搬送ローラ13に依る原反Fの搬送速度と同一に設定する。また移動寸法は第2のサーボモータ由来のパルス数により設定し、その終端において、第1のサーボモータM1が発する極わずか2~5パルス数間、第2のサーボモータM2を停止すべく設定をし、次いで、前記第2のサーボモータM2を前と同速度で逆転させ、前記超音波溶着装置20を反対方向に移動させようにする。
このように制御装置Cに入力し、運転すると、超音波溶着装置20は原反Fの幅方向にガゼット折込み11の幅内において、一往復し、溶着部60a及び60bは横向き山形乃至く字状に頂部分が搬送方向に連続して溶着される。
超音波溶着装置20は順次受けローラ15上を移動し原反Fの外側に出る位置を別に設けたセンサ(図示していない)において検出し、この検出信号を制御装置Cにフィードバックし、この入力信号を指令信号として、ホーン21の作動を停止させ、ソレノイド29a、29bを消磁させ(必ずしも消磁せず連続作動でもよい)、1サイクル終了する方法であってもこの発明の方法の制御装置Cを用いる方法の概念に含まれる。
以下原反Fが一袋ピッチ搬送される毎、搬送ローラ13に由来するパルスが設定数計数するごとに、この操作は繰り返される。
【実施例1】
【0027】
図3に示すものであって、前記の実施態様に示した装置とは若干異なり、請求項1記載の装置発明の一実施例である。
異なる点は、受けローラ15が片持ちローラではなく、原反Fの通路の外側位置で両端支持されている構造と、この一本の受けローラ15に対して2台の超音波溶着装置20が対峙して設けてあり、これらを左右移動させる機構、受けローラ15への接離機構は前記の実施態様に示したものと同じである。
また制御装置C及びプログラムの入力方法並びに実行方法も同じである。
この実施例1においては、原反Fとしては2枚重ねの熱可塑性フイルム帯、或いはその内の一枚が熱可塑性の不織布、などより複雑な形状の溶着部60を形成するときに用いる。
例えば、ガーメントバッグを製造するときなど(図7参照)、片面はフィルム、他方は不織布よりなる2枚重ねの原反Fを案内ローラ16から受けローラ15に架け搬送ローラ13に供給する。
他方制御装置Cにはガーメントバッグの肩に相当する2次曲線部分に相当する部分及び両側直線部分を溶着する部分の作動プログラムを入力する。
【0028】
このようにして、実施例1の装置を運転すれば、原反Fが所定長さ送られる毎、両側の超音波溶着装置20は原反Fの両側縁位置に移動し、その部分において、受けローラ15とによって原反Fを挟持すると同時に、ホーン21は超音波振動し、幅方向への移動は一端停止し、原反Fの搬送に伴って、原反の両側縁をその長手方向に順次溶着し、両溶着部60cを形成し、ガーメントバッグの肩部分53まで到達した信号により、その肩は予め入力された運行プログラムに従って、超音波溶着装置20は内側にゆっくり若しくは急速に移行して、溶着終点位置54まで移行し、2次曲線形状の肩部溶着部60dが形成され、前記超音波溶着装置20の加工具17は受けローラ15から離反し、同時にホーン21は超音波振動は停止され、超音波溶着装置20は第2のサーボモータM2の逆転により、原反Fの外側位置まで復帰し、停止する。
以下原反が1サイクル寸法L搬送するたびに、この動作が繰り返される。
【実施例2】
【0029】
装置としては、図1または図3の装置を用い、原反Fとしては実施例1と同様に広幅の熱可塑性フラットフィルムを2枚重ねたものを用いる。主として、エアマット、空気袋型の玩具などを製造するときに用いる。
溶着部60の形状は例えば図8のP,O及びRに示すような複雑な形状の場合は、曲線部分は函数で入力、或いはコンピュータによる図形画描例えばCADによる図形情報を制御装置Cにその入力部41より入力する。而してこの入力情報に基づいて、左右に速度調整しながら実行し、目的の形状の溶着形状を得る。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明は溶着作業が比較的少ロット、多種作業に適し、肥料、飼料などの粒,顆粒、ペレット、その他塩,砂糖などの結晶粒などを収納する硬質コンテナー、布製などの柔軟なコンテナーの内袋、殊に角底の形状がフラットのものは勿論ホッパー形状の袋で、その傾斜角が多種にわたるもの、その他エアマット、浮き袋型の玩具、ガーメントバッグ、など複雑な溶着部の形状の溶着加工に数多くの加工具を必要としないで加工できる。
【符号の説明】
【0031】
F 原反
M1 第1のサーボモータ
M2 第2のサーボモータ
C 制御装置
B 袋
L 一袋の長さ
W 一袋の幅
11 ガゼット折込み
12 ガゼット底
13 搬送ローラ
14 機枠
15、15a、15b 受けローラ
16 案内ローラ
17,17a、17b 加工具
20 超音波溶着装置
21 ホーン
22 本体部分
23 スライドブロック
24 ガイド部材
25 タイミングベルト
26 歯車
27 回転軸
28 リンク機構
29 ソレノイド
41 入力部
42 表示部
50 起点
60 溶着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性袋素材原反を一定方向に搬送する一対挟持型の搬送ローラが機枠に位置固定に備へ、この搬送ローラに依る原反の搬送方向を基準として、上流側に原反の外側位置より、原反の少なくとも中間位置まで達する受けローラが原反外位置で片持ち支持乃至両端支持によって、前記機枠に回転自在に装備してあり、前記原反の外側には前記受けローラと平行にガイド部材が前記機枠に固定してあり、このガイド部材にスライドする溶着装置ブロックが備えてあり、この溶着装置ブロックには超音波型溶着装置の本体部分が前記受けローラに対して接離可能に装備してあり、前記本体部分より伸びるホーンの先端の加工具は前記受けローラ周面に接離可能に装備してあり、且つ前記本体部分は溶着装置ブロックと共に搬送ローラの駆動中に幅方向に移動可能としてあることを特徴とする熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置。
【請求項2】
前記搬送ローラは可変速回転可能なパルスモータ型乃至エンコーダ付のサーボモータよりなる第1駆動手段によって駆動可能としてあり、前記溶着装置ブロックは前記機枠に設けてあるタイミングベルトのガイド部材と平行な部分に連結してあり、前記タイミングベルトと噛合う歯車軸には前記機枠に装備したパルスモータ型乃至エンコーダ付の正逆可変速回転可能なサーボモータよりなる第2駆動手段が連結してあり、前記溶着装置ブロックは前記第2駆動手段によって、前記原反の幅方向に移動可能としてあることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置。
【請求項3】
前記請求項1記載の前記ホーンの先端の加工具は前記ホーンと共に前記受けローラ周面に接離可能に装備してあるとは溶着装置本体部が溶着ブロックに対して、前記接離方向に移動可能にしてあり、溶着装置ブロックに備えた空気圧式、液圧式、電磁式、若しくはこれらの一種と機械的機構との結合式のうちの一種の接離駆動手段に依って接離可能としてあることを特徴とする2記載の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置。
【請求項4】
請求項3記載の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置には搬送ローラの発停、駆動速度設定及び駆動指令手段、並びに溶着装置ブロックの往復範囲設定、移動方向、前記搬送ローラの周面速度に対する溶着装置ブロックの幅方向移動速度の比の設定手段及び移動指令手段及び前記各手段の作動プログラム設定及び作動停止指令可能な制御装置が装備してあることを特徴とする熱可塑性袋素材原反超音波型溶着装置。
【請求項5】
前記搬送ローラで連続搬送される2枚乃至4枚重ねの前記熱可塑性袋素材原反の搬送中において、これを受けローラ周面に接触させ、
前記受けローラと原反の反対側より超音波溶着装置のホーン先端の加工具を接触させて、これを前記原反の幅方向に移動させて前記2乃至4枚の原反を幅方向に傾斜乃至屈曲した形状に相互に溶着をすることを特徴とする熱可塑性袋素材原反超音波型溶着方法。
【請求項6】
請求項5記載の前記原反に幅方向に傾斜乃至屈曲した形状に相互に溶着をする方法は数値制御装置を用い、これに前記原反を搬送する搬送ローラの回転速度を基準として、超音波溶着装置の幅方向の移動方向、移動速度、移動範囲及び超音波溶着装置の作動不作動を予めプログラムとして前記数値制御装置に入力し、且つ設定し、このプログラムに基づき、前記実行前記数値制御装置よりの指令に基ずき、超音波溶着装置を運行させることを特徴とする請求項5記載の熱可塑性袋素材原反超音波型溶着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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