説明

熱安定性α−アミラーゼ

本発明は、a)配列番号4のアミノ酸22〜450と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;b)受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたポリヌクレオチドのアミラーゼコード部分によりコードされるポリペプチドと少なくとも70%同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;c)配列番号3における位置68〜1417に示される配列と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;及びd)α−アミラーゼ活性を有する、上記(a)、(b)又は(c)のフラグメントから成る群から選択された、α−アミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする読取枠を含んで成る単離されたポリヌクレオチドに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、特に酸性pHでの改良された熱安定性を有する熱安定性α−アミラーゼに関する。本発明はまた、そのようなα−アミラーゼの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
α−アミラーゼ(α−1,4−グルカン−4−グルカノヒドラーゼ、EC3,2,1,1)は、澱粉、及び他の線状及び枝分かれ鎖の1,4−グルコシド オリゴ−及び多糖類の加水分解を触媒する酵素群を構成する。
【0003】
この産業的に非常に重要な種類の酵素に関して特許及び化学文献に非常に広範囲な主要部として存在する。 Termamyl(商標)−様α―アミラーゼ”及びその変異体として言及される多くのα−アミラーゼは、たとえばWO90/11352、WO95/10603、WO95/26397、WO96/23873及びWO96/23874から知られている。Termamyl(商標)−様α−アミラーゼは、非常に熱安定性であり、そして従って、高温で行われる工程、例えばデキストロース生成工程における澱粉液化のために適切である。
【0004】
もう1つのグループのα−アミラーゼは、アスペルギラス・オリザエに由来するα−アミラーゼに関連するか又は相同であるFungamylTM−様α−アミラーゼとして言及される。FungamylTM−様α−アミラーゼは、比較的低い熱安定性を有し、Novozymes A/S、Denmarkにより商品名FUNGAMYLTMとして市販されている商品は、55℃近くで最適であり、そして高い温度で行われる工程のためには適切でない。FungamylTM−様α−アミラーゼは、醸造産業のためのシロップの製造のために今日使用されている。
【0005】
明確には、酸性pHで高められた熱安定性を有するα−アミラーゼを供給することが好都合である。これは、新規の実現化ではないが、しかし実際、当業界においては、非常に長い切実な要求である。1980代まで戻ると、Somkuti及びSteinbergは、彼らが単離し、そして特徴づけるために管理した、リゾムコル・プシラス(ムコル・プシラス)の好熱酸性細胞外α−アミラーゼを記載した。彼らは、“高温及び酸性pHが澱粉の経済的加水分解のための最適条件であるので、産業目的のための微生物起源の熱安定性及び酸−安定性アミラーゼの使用が推薦される”ことを言及し、そして“それは、明らかに、好酸性及び好熱性の両者を同時に示す菌類α−アミラーゼの最初の例である。従って、M. プシラスのα−アミラーゼは、経済的に重要なものである”ことを、リゾムコルアミラーゼについて結論づけている。(Somkuti GA, Steinberg DH (1980) Thermoacidophilic extracellular amylase of Mucor pusillus. Dev Indust Microbiol 21: 327-337)。
【0006】
しかしながら、1980年代に戻ってのSomkuti及びSteinbergによる非常に明確な結論にもかかわらず、リゾムコル・プシラスα−アミラーゼをコードする遺伝子は、今日まで、クローン化も又は配列決定もされておらず、そしてそのアミラーゼは、今日まで、産業的に適切な量で組換え的に生成されていもいない。1987年、改良された精製方法が報告されているが、しかしまだ、野生型リゾムコル・プシラスにより生成された酵素についてのみ報告されている(Turchi SL and Becker T (1987) Curr Microbiol 15: 203-205)。
【発明の開示】
【0007】
発明の要約:
本発明により解決されるべき問題は、組換え好熱酸性α−アミラーゼをいかにして供給するかである。本発明者は、彼らがAM782として示し、組換え産業用糸状菌発現システム中にコード遺伝子を都合よく導入し、そしてα−アミラーゼを生成する、α−アミラーゼをコードするリゾムコル・プシラスから遺伝子を都合良く単離した。アミラーゼの特徴化は、アミラーゼAM782によるマルトデキストリン加水分解からの糖プロフィールにより示されるように、非常に興味ある活性を有する高い好熱酸性α−アミラーゼであることを示している。
【0008】
アミラーゼAM782は、非常に高い温度、すなわち少なくとも70℃までの温度で作用することができる。アミラーゼAM782は、非常に早い反応速度を有し:FungamylTM 800Lを用いての同じ用量で比較される場合、アミラーゼAM782は、FungamylTMが24〜48時間かかるのに、約3時間で達することができる。さらに、アミラーゼAM782は、DP3をDP2及びDP1に分解し、その結果、それはより高いDP1結果をもたらす。
【0009】
従って、第1の観点においては、本発明は、
a)配列番号4のアミノ酸22〜450と少なくとも70%の同一性、好ましくは75%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは85%、さらにより好ましくは90%、より好ましくは95%、及び最も好ましくは97%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
b)受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたポリヌクレオチドのアミラーゼコード部分によりコードされるポリペプチドと少なくとも70%同一性、好ましくは75%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは85%、さらにより好ましくは90%、より好ましくは95%、及び最も好ましくは97%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
【0010】
c)配列番号3における位置68〜1417に示される配列と少なくとも70%の同一性、好ましくは75%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは85%、さらにより好ましくは90%、より好ましくは95%、及び最も好ましくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;及び
d)α−アミラーゼ活性を有する、上記(a)、(b)又は(c)のフラグメントから成る群から選択された、α−アミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする読取枠を含んで成る単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0011】
第2の観点においては、本発明は、適切な宿主細胞におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に結合される、第1の観点に定義されるようなポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体に関する。
第3の観点は、前記第2の観点において定義されるような核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクターに関する。
第4の観点においては、本発明は、前記第2の観点において定義されるような核酸構造体、又は前記第3の観点において定義されるような発現ベクターの少なくとも1つのコピーを含んで成る組換え発現ベクターに関する。
【0012】
アミラーゼAM782、並びに相同体及び変異体の産業的生成はもちろん、非常に興味あるものである。
従って、第5の観点においては、本発明は、(a)請求項12〜16のいずれか1項記載の組換え宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、第1の観点において定義されるようなポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの生成方法に関する。
【0013】
アミラーゼAM782のようなアミラーゼについて出願は非常に少なく、主要出願についての概観は本明細書に与えられ、そしてそれは、澱粉産業、食品加工産業、織物産業及び洗剤産業を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0014】
従って、本発明の追加の観点は、第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、澱粉の液化及び/又は糖化のために使用される、酵素的に修飾された澱粉誘導体の生成方法;
第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、澱粉の液化のために使用される、高マルトースシロップの生成方法;
第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、布の処理のために使用される、布の糊抜き方法;
【0015】
第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、麦汁の発酵の間に添加される醸造方法;
第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、蒸留酒造用マッシュにおける澱粉の液化のために使用される、アルコール生成方法;及び
第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドを含んで成るドウ生成物がベーキングされる方法に関する。
【0016】
相同体及び変異体と共にアミラーゼAM782の種々の使用がまた、本発明において企画される。
従って、本発明の多くの非制限的観点は、液化及び/又は糖化のための澱粉転換工程への第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用;
高マルトースシロップ生成工程における澱粉の液化のためへの第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用;
【0017】
布糊抜きのためへの第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用;
アルコールの生成のためへの第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用;
醸造のためへの第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用;及び
ベーキングのためへの第5の観点において定義されるような方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
定義:
配列相同性及び一列整列
本発明のために、相同性評点の配列の一列整列及び計算が、タンパク質及びDNA一列整列のために有用な、十分なSmith−Waterman一列整列を用いて行われ得る。デフォルト評点マトリックスBLOSUM50及び同一性マトリックスが、それぞれタンパク質及びDNA一列整列のために使用される。ギャップにおける最初の残基についてのペナルティーは、タンパク質に関して、−12であり、そしてDNAに関して、−16であり、ところがギャップにおける追加の残基についてのペナルティーは、タンパク質に関して、−2であり、そしてDNAに関して、−4である。一列整列は、FASTAパッケージングバージョンv20u6により行われ得る(W. R. Pearson and D. J. Lipman (1988),"Improved Tools for Biological Sequence Analysis", PNAS 85: 2444-2448, and W. R. Pearson (1990) "Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA", Methods in Enzymology, 183: 63-98)。
【0019】
タンパク質配列の複数一列整列は、“Clustal W”(Thompson, J.D., Higgins, D.G. and Gibson, T. J. (1994) CLUSTAL W:配列重量、位置−特異的ギャップペナルティー及び重量マトリックス選択を通しての前進性複数配列一列整列の感受性の改良;Nucleic Acids Research, 22:4673-4680)を用いて行われ得る。DNA配列の複数の一列整列は、前記DNA配列からのその対応するコドンによりアミノ酸を置換する、鋳型としてのタンパク質一列整列を用いて行われ得る。
【0020】
実質的に純粋なポリヌクレオチド
用語“実質的に純粋なポリヌクレオチド”とは、本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチド調製物を言及し、ここで前記ポリヌクレオチドはその天然の遺伝子環境から除去され、そして従って、他の外来の又は所望しないコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在する。従って、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、多くても10重量%の天然に関連する他のポリヌクレオチド材料を含む(低い%、例えば多くても8重量%、多くても6重量%、多くても5重量%、多くても4重量%、多くても3重量%、多くても2重量%、多くても1重量%及び多くても0.5重量%の他のポリヌクレオチド材料が好ましい)。しかしながら、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、天然に存在する5’及び3’末翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。
【0021】
実質的に純粋なポリヌクレオチドは少なくとも92%純粋であり、すなわちポリヌクレオチドは、調製物に存在する合計のポリヌクレオチド材料の少なくとも92重要%を構成し、そしてより高い%、例えば少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%及び多くても99.5%の純度が好ましい。本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、好ましくは、実質的に純粋な形で存在する。特に、好ましくは、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは“実質的に純粋な形”で存在し、すなわちポリヌクレオチド調製物は、それが天然において関連する他のポリヌクレオチド材料を実質的に有さない。ここで、用語“実質的に純粋なポリヌクレオチド”は、用語“単離されたポリヌクレオチド”及び“単離された形のポリヌクレオチド”と類似語である。
【0022】
cDNA
用語“cDNA”とは、本明細書において使用される場合、真核細胞に由来する、成熟した、スプライシングされたmRNA分子から逆転写により調製され得るDNA分子を包含する。cDNAは、その対応するゲノムDNAに通常存在するイントロン配列を欠いている。初期一次RNA転写体は、mRNAに対する前駆体であり、そしてそれは、成熟した、スプライシングされたmRNAとして出現する前、一連のプロセッシング現象を通して進行する。それらの現象は、スプライシングと呼ばれる工程によるイントロン配列の除去を包含する。cDNAがmRNAに由来する場合、それは、従ってイントロン配列を欠いている。
【0023】
詳細な記載:
本発明の第1の観点は、a)配列番号4のアミノ酸22〜450と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;b)受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたポリヌクレオチドのアミラーゼコード部分によりコードされるポリペプチドと少なくとも70%同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;c)配列番号3における位置68〜1417に示される配列と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;及びd)α−アミラーゼ活性を有する、上記(a)、(b)又は(c)のフラグメントから成る群から選択された、α−アミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする読取枠を含んで成る単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0024】
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を単離するか又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組合せを包含する。そのようなゲノムDNAからの本発明のヌクレオチド配列のクローニングは、例えば共有する構造特徴を有する、クローン化されたDNAフラグメントを検出するために、良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)又は発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いて、もたらされ得る。例えば、Innis など., 1990, PCR : A Guide to Methods and Application, Academic Press, New Yorkを参照のこと。他の増幅方法、たとえばリアーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及びヌクレオチド配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。ヌクレオチド配列は、リゾムコル株、又はもう1つの関連する生物からクローン化され得、そして従って、ヌクレオチドのポリペプチドコード領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。
【0025】
ヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列を、その天然の位置から、それが生成されるであろう異なった部位に再配置するために、遺伝子工学に使用される標準のクローニング方法により得られる。クローニング方法は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る所望するフラグメントの切除及び単離、ベクター分子中へのフラグメントの挿入、及びヌクレオチド配列の複数コピー又はクローニングが複製されるであろう宿主細胞中への組換えベクターの導入を包含する。ヌクレオチド配列は、ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成起源のもの、又はそれらのいずれかの組合せのものであり得る。
【0026】
用語“ポリペプチド変異体”、“タンパク質変異体”、“酵素変異体”又は単純には、“変異体”とは、1又は複数の変更、例えば本発明のポリペプチドにおける1又は複数の特定の位置での1又は複数の特定アミノ酸残基の置換、挿入、欠失及び/又は切断を含んで成る本発明のポリペプチドを言及する。そのような変更の合計数は典型的には、10以下、例えば1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8又は9である。さらに、本発明の変異体は、親酵素の他の修飾、典型的には、10以下、例えば5以下のそのような修飾を包含する。変異体は一般的に、親ポリペプチドに対して、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、典型的には少なくとも90%、又は少なくとも95%の程度の配列同一性を有する。
【0027】
用語“親ポリペプチド”、“親タンパク質”、“親酵素”、“標準酵素”、又は単純に“親”とは、変異体が基づかれるポリペプチドを言及する。この用語はまた、変異体が比較され、そして一列整列されるポリペプチドも言及する。親は天然に存在する(野生型)ポリペプチドであり得、又はそれはいずれかの適切な手段により調製される、その変異体であり得、例えば、親タンパク質は、アミノ酸配列において修飾されているか又は変更されている、天然に存在するポリペプチドの変異体であり得る。
【0028】
親はまた、同じ染色体遺伝子座を支配する遺伝子のいずれかの複数の他の形である対立遺伝子変異体でもあり得る。対立遺伝子変動は、天然においては、突然変異を通して生じ、そして当業界において良く記載されるように、集団内での多形現象をもたらす。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子のその対応する対立遺伝子変異体によりコードされるポリペプチドである。
【0029】
用語“ランダム化されたライブラリー”、“変異体ライブラリー”又は“ライブラリー”とは、変異体ポリペプチドのライブラリーとして本明細書において定義される。変異体ライブラリーにおける多様性は、個々のコドンが、例えばPCR反応における部分的ランダマイズされた配列のプライマーを用いることにより多様化されるよう、DNAトリプレットレベルでの変異体をコードする遺伝子の突然変異誘発により生成され得る。遺伝子におけるいくつかのヌクレオチド位置を多様化し、そしてそれらを、例えばそれらの位置が単一(スパイクされているか又はドーピングされた)のオリゴヌクレオチドプライマーにより転換されるのに離れ過ぎている場合、組み換えることにより、種々の組み換えライブラリーを創造することができるいくつかの技法が記載されている。
【0030】
それらの技法は、WO97/07205号の3ページの8〜29行(Novozymes A/S)に記載されるように個々の多様化された遺伝子セグメントのインビボ組換え使用を包含する。それらはまた、十分な長さの遺伝子のライブラリーを創造するためにDNAシャフリング技法の使用を包含し、ここでいくつかの遺伝子セグメントが組合され、そして個々のセグメントは、例えばスパイクされた突然変異誘発により多様化され得る(Stemmer, 1994, Nature 370: 389-391; アメリカ特許第 5,811, 238号; アメリカ特許第5,605, 793号; 及びアメリカ特許第5,830, 721号)。
【0031】
鋳型ポリヌクレオチドとしてタンパク質“主鎖”(野生型親ペプチド)をコードする遺伝子を使用し、そしてWO98/41623号及びWO98/41622号(Novozymes A/S)に記載されるように、1又は複数の一本鎖又は二本鎖オリゴヌクレオチドとこれとを組合すことができる。一本鎖オリゴヌクレオチドは、合成の間、部分的にランダム化され得る。二本鎖オリゴヌクレオチドは、特定領域に多様性を組み込むPCR生成物であり得る。両者の場合、導入される変化の平均数を制限するために、主鎖タンパク質の配列をコードする対応するセグメントにより多様性を弱めることができる。
【0032】
特定のコドンによりコードされる1組の1又は複数の所望するアミノ酸に対して所望する頻度分布を近づけるためのバイアスを導入するために、オリゴ−又はポリヌクレオチド合成の間、特定コドン位置に挿入されるヌクレオチド混合物(A;C;T;G)の比率を企画するための方法はまた確立されている。ポリペプチドの主要配列における異なった位置に多くの既知アミノ酸修飾の過突然変異を含んで成る変異体ライブラリーを生成することは、興味あるものである。それらは、後−翻訳的に、又は化学的修飾部位により導入されるか、又はそれらはコード遺伝子における突然変異を通して導入され得る。修飾自体は、1つの理由又は他の理由(例えば、抗原性の低下、又は比活性、性能、安定性又は他の特徴の改良)のために有益であることは、これまでに知られている。そのような場合、既知配列の種々の組合せのライブラリーを創造することが、第1に所望される。
【0033】
例えば、12の個々の突然変異が知られている場合、親タンパク質コードの遺伝子の(少なくとも)12のセグメントを組みさわすことができ、ここで個々のセグメントは、2種の形、すなわち所望する突然変異を有する形及びそれを有さない形で存在する。それらのセグメントの相対量を変えることにより、遺伝子当たりの突然変異の平均数が予測され得るライブラリー(212サイズ)を企画することができる。これは、“スパイクされた突然変異誘発”を用いる場合、よくあることだが、非常に大きなライブラリーにたよらないで、単独で、いくらかの、但し十分ではない効果を与える、組合せ突然変異の有用な手段であり得る。それらの“既知突然変異”を組合すもう1つの手段は、十分な長さの野生型配列のフラグメントを含む既知突然変異をコードするオリゴマーDNAのファミリーシャフリングを用いることによってであり得る。
【0034】
従って、本発明の好ましい態様は、第1の観点のポリヌクレオチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸22〜450に比較して、アミノ酸の1又は複数の切断、及び/又は少なくとも1つの置換、欠失及び/又は挿入を有するアミノ酸配列を含んで成る人工変異体である。
【0035】
そのような修飾は、分子の機能に対して決定的である領域外で行われ、そしてさらに活性ポリペプチドをもたらすことは、当業者に明らかであろう。本発明のヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドの活性に必須であり、そして従って、好ましくは修飾、例えば置換を受けやすくないアミノ酸残基は、当業界において知られている方法、たとえば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(たとえば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085を参照のこと)。
【0036】
後者の技法においては、突然変異は分子における正に荷電された残基ごとに導入され、そしてその得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するためにアミラーゼ活性について試験される。基質−酵素相互作用の部位はまた、核磁気共鳴分析、クリスタログラフィー又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、立体構造体の分析により決定され得る(たとえば、de Vos など., 1992, Science 255: 306-312; Smith など., 1992, Journal of Molecular Biology 224: 899-904; Wlodaver など., 1992, FEBS Letters 309: 59-64を参照のこと)。
【0037】
さらに、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのもう1つのアミノ酸配列を生ぜしめないが、しかし酵素の生成のために意図される宿主物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により修飾され得る。
【0038】
1つのヌクレオチドをもう1つのヌクレオチドにより交換するためへのヌクレオチド配列中への突然変異の導入は、当業界において知られているいずれかの方法を用いて、特定部位の突然変異誘発により達成され得る。興味ある挿入体を有する、超らせん二本鎖DNAベクター及び所望する突然変異を含む2種の合成プライマーを用いる方法が特に有用である。ベクターの反対鎖に対してそれぞれ相補的なオリゴヌクレオチドプライマーは、Pfu DNAポリメラーゼによる温度サイクリングの間、延長する。プライマーの組み込みに基づいて、付着されたニッケルを含む突然変異誘発されたプラスミドが生成される。
【0039】
温度サイクリングに続いて、生成物は、親DNA鋳型を消化し、そして突然変異−含有の合成されたDNAについて選択するために、メチル化され、そしてヘミメチル化されたDNAに対して特異的であるDpnIにより処理される。当業界において知られている他の方法もまた使用され得る。ヌクレオチド置換の一般的な説明に関しては、例えばFord など., 1991, Protein Expression and Purification 2: 95-107を参照のこと。
【0040】
もう1つの好ましい態様は、第1の観点のポリヌクレチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸22〜450と少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは85%、さらにより好ましくは90%、より好ましくは95%及び最も好ましくは、少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る。
【0041】
さらにもう1つの好ましい態様は、ポリペプチドが配列番号4のアミノ酸22〜450を含んで成る、第1の観点のポリヌクレオチドに関する。
好ましい態様においては、本発明は、ポリペプチドが配列番号4のアミノ酸22〜450から成る第1の観点のポリヌクレオチドに関する。
【0042】
さらに好ましい態様においては、本発明は、第1の観点のポリヌクレオチドに関して、ここで前記ポリペプチドは、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるポリペプチドと少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成り;好ましくは、前記ポリペプチドは、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるアミノ酸配列を含んで成り;さらにより好ましくは、前記ポリペプチドは、受託番号BSM15334号としてDSMZによりブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるアミノ酸配列から成る。
【0043】
もう1つの好ましい態様は、第1の観点のポリヌクレオチドに関し、ここで前記ポリペプチドは、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるアミノ酸配列に比較して、アミノ酸の1又は複数の切断、及び/又は少なくとも1つの置換、欠失及び/又は挿入を有するアミノ酸配列を含んで成る人工変異体である。
【0044】
核酸構造体
本明細書において使用される場合、用語“核酸構造体”とは、天然に存在する遺伝子から単離されるか、又はさもなければ、天然において存在しない態様で核酸のセグメントを含むよう修飾された、一本鎖又は二本鎖核酸分子を意味する。
【0045】
用語、核酸構造体は、核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされる制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と類似語である。本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、ヌクレオチド配列の操作が、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いてヌクレオチド配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
【0046】
用語“制御配列”とは、本発明のポリペプチドの発現のために必要であるか、又はそのために好都合であるすべての成分を包含するよう定義される。個々の制御配列は、変異体をコードするヌクレオチド配列に対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。
【0047】
用語“作用可能に連結される”とは、本明細書においては、制御配列が、本発明のポリペプチドの発現を方向づけるよう、ヌクレオチド配列のコード配列に対する位置に適切に配置される形状として定義される。
本明細書において使用される場合、用語“コード配列”とは、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定するヌクレオチド配列を包含する。コード配列の境界は一般的に、ATG開始コドンにより通常、開始する読み取り枠により決定される。コード配列は典型的には、DNA、cDNA及び組換えヌクレオチドを包含する。
本発明の観点は、適切な宿主におけるポリペプチドの生成を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に連結される、第1の観点において定義されるようなポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体に関する。
【0048】
発現ベクター
本発明においては、用語“発現”とは、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾、及び分泌を包含する。
本発明においては、用語“発現ベクター”とは、本発明のポリペプチドをコードするセグメントを含んで成り、そしてその転写を提供する追加のセグメントに作用可能に連結される、線状又は環状のDNA分子を包含する。
本発明の観点は、前の観点において定義されるような核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクターに関する。
【0049】
本発明によれば、本発明のアミラーゼをコードするポリヌクレオチドは、制御配列、例えばプロモーター、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、及び任意には、リプレッサー遺伝子、又は種々の活性化因子遺伝子を典型的には、包含する発現を用いて発現され得る。本発明のα−アミラーゼをコードするポリヌクレオチドを担持する組換え発現ベクターは、組換えDNA方法にゆだねられ得るいずれかのベクターであり得、そしてベクターの選択はしばしば、それが導入される宿主細胞に依存するであろう、ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、宿主細胞ゲノム中に組込まれ、そしてそれが組込まれている染色体と共に複製されるベクターであり得る。適切な発現ベクターの例は、pMT838を包含する。
【0050】
ベクターにおいては、DNA配列は、適切なプロモーター配列に作用可能に結合されるべきである。プロモーターは、選択の宿主細胞において転写活性を示し、そして宿主細胞に対して相同か又は異種であるタンパク質をコードする遺伝子に由来するいずれかのDNA配列であり得る。
本発明の発現ベクターはまた、適切な転写ターミネーター、及び真核生物において、本発明のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列に作用可能に結合されるポリアデニル化配列を含んで成る。終結及びポリアデニル化配列は適切には、プロモーターと同じ源に由来する。
【0051】
ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてベクターの複製を可能にするDNA配列を含んで成る。そのような配列の例は、プラスミドpUC19, pACYC177, pUB110, pE194, pAMB1 及び pIJ702の複製の起点である。
ベクターはまた、選択マーカー、例えばその生成物が宿主細胞における欠失を補足する、遺伝子、例えばB. サブチリス又はB. リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与する遺伝子を含んで成る。さらに、ベクターは、アスペルギラス選択マーカー、例えばamdS, argB, niaD及びsC, ヒグロマイシン耐性を生ぜしめるマーカーを含んで成り、又はその選択は、WO91/17243号に記載されるように、同時形質転換により達成され得る。
【0052】
グルコアミラーゼ変異体をコードする本発明のDNA構造体、プロモーター、ターミネーター及び他の要素を、それぞれ連結し、そして複製のために必要な情報を含む適切なベクター中にそれらを挿入するために使用される方法は、当業界に良く知られている(Sambrook など., Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor, 1989を参照のこと)。
【0053】
本発明のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列の転写を、特に細菌宿主において方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリのlac オペロンのプロモーター、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子dagA プロモーター、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus) マルトジェン性アミラーゼ遺伝子のプロモーター(amyM)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α−アミラーゼのプロモーター(amyQ)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)xylA 及びxylB 遺伝子のプロモータ、等である。
【0054】
菌類宿主における転写に関して、有用なプロモーターの非−制限的例は、A.オリザエ(A. oryzae)TAKA アミラーゼ、S.セレビシアエ(S. cerevisiae)からの TPI (トリオースリン酸イソメラーゼ) プロモーター (Alber など. (1982), J. Mol. Appl. Genet 1, p. 419-434)、リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、A.ニガー(A. niger)中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸性安定性α−アミラーゼ、A.ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、A.オリザエアルカリプロテアーゼ、A.オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、又はA.ニジュランスアセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するそれら、及びそれらの突然変異され、切断され、そして/又ハイブリッドはプロモーターである。
【0055】
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
【0056】
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちヌクレオチド配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
【0057】
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
【0058】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。ヌクレオチド配列のコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。
【0059】
他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの分泌を増強するために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
【0060】
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトース生成アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・スブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
【0061】
糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガー中性アミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイアスペラギン酸プロテイナーゼ、ヒューミコラ・インソレンスセルラーゼ及びヒューミコラ・ラヌギノサリパーゼについての遺伝子から得られたシグナルペプチドコート領域である。
【0062】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は多くの場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。
【0063】
プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0064】
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。原核生物系における調節システムは、lac, tac及びtrpオペレーターシステムお包含する。糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用され得る。
【0065】
調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、キモトリプシン様活性を有する微生物トリプシン変異体をコードするヌクレオチド配列が、調節配列により作用可能に連結される。
【0066】
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、たとえばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。
ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
【0067】
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。
【0068】
細菌選択マーカーの例は、バチルス・サブチリス又はバチルス・リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、次の群から選択されるが、但しそれらだけには限定されない;amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 及びtrpC (アントラニル酸シンターゼ)、並びにそれらの同等物。
【0069】
アスペルギラス・ニジュランス又はアスペルギラス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子及びストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar遺伝子が、アスペルギラス細胞への使用のために好ましい。
本発明のベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
【0070】
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの組み込みのためのベクター中の変異体、又はいずれか他の要素をコードするヌクレオチド配列に依存する。他方では、ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加のヌクレオチド配列を含むことができる。その追加のヌクレオチド配列は、染色体における正確な位置での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込みを可能にする。
【0071】
正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は好ましくは、相同組換えの可能性を高めるために対応する標的配列と高い相同性を示す十分な数のヌクレオチド、たとえば100〜1,500個の塩基対、好ましくは400〜1,500個の塩基対、及び最も好ましくは800〜1,500個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコードヌクレオチド配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
【0072】
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の細菌起点の例は、E.コリにおける複製を可能にするプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177及びpACYC184, 及びバチルスにおける複製を可能にするpUB110, pE194, pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。糸状菌宿主細胞における自律維持を確保する配列の例は、AMA1配列である。複製の起点は、宿主細胞においてその機能を感温性にする突然変異を有する起点である(例えば、Ehrlich, 1978, Procedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433を参照のこと)。
【0073】
本発明のヌクレオチド配列の1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。ヌクレオチド配列のコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又はヌクレオチド配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、ヌクレオチド配列の追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
【0074】
宿主細胞
上記で定義されたような本発明のDNA構造体又は発現ベクターのいずれかを含んで成る本発明の細胞は、好都合には、本発明のα−アミラーゼ変異体の組換え生成において宿主細胞として使用される。細胞は、便利には、宿主染色体にDNA構造体(1または複数のコピーにおける)を組み込むことによって、変異体をコードする本発明のDNA構造体により形質置換され得る。この組み込みは一般的には、DNA配列が細胞において安定して維持されるので、好都合であると思われる。宿主染色体中へのDNA構造体の組み込むは、従来の方法、たとえば相同又は非相同組換えにより行われ得る。他方では、細胞は、異なった型の宿主細胞に関して上記に記載されるようにして、発現ベクターにより形質転換され得る。
【0075】
本発明の細胞は、高等生物、たとえば哺乳類又は昆虫の細胞であり得るが、しかし好ましくは、微生物細胞、たとえば細菌又は菌類(酵母を包含する)細胞である。
【0076】
適切な細胞の例は、グラム陽性細菌、たとえばバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・プレビス(Bacillus brevis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・ラクタス(Bacillus lautus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus);及びグラム陰性細胞、たとえばE.コリである。細菌の形質転換は、原形質形質転換により、又はそれ自体知られている態様でコンピテント細胞を用いることによってもたらされ得る。
【0077】
宿主細胞はまた、糸状菌、例えばアスペルギラスの種、最も好ましくはアスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)又はアスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)に属する菌株、又はフサリウムの菌株、例えばフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporium)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)(完全な状態においては、グリベレラ・ゼアエ(Gribberella zeae)と呼ばれ、以前はスファエリア・ゼアエ(Sphaeria zeae)と呼ばれ、グリベレラ・ロセウム(Gibberella roseum)及びグリベレラ・ロセウムf. sp. セレアリス(Gibberella roseum f. sp. cereals)に類似する)、又はフサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)(完全な状態においては、グリベレラ・プリカリス(Gibberella puricaris)と呼ばれ、フサリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・サムブシウム(Fusarium sambucium)、フサリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)及びフサリウム・ロセウムvar. グラミネアラム(Fusarium roseum var. graminearum)に類似する)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cereals)(フサリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crokkwellnse)に類似する)、又はフサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)の菌株でもあり得る。
【0078】
本発明の好ましい態様においては、宿主細胞は、プロテアーゼ欠失又はプロテアーゼ-株である。これは、例えばアスペルギラス属のプロテアーゼ欠失、特にA. オリザエ株、例えば欠失される、“alp”と呼ばれるアルカリプロテアーゼ遺伝子を有するA. オリザエJaL125であり得る。この株はWO97/35956号(Novo Nordisk)に記載されている。
糸状菌細胞は、プロトプラスト形成及びプロトプラストの形質転換、続くそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。宿主微生物としてのアスペルギラスの使用は、EP238023号(Novo Nordisk)(この内容は引用により本明細書に組込まれる)に記載されている。
本発明の観点は、上記に定義されるような核酸構造体、又は上記に定義されるような発現ベクターの少なくとも1つのコピーを含んで成る組換え宿主細胞に関する。
【0079】
好ましい態様は、微生物である、前の観点の細胞;好ましくは、細菌又は菌類である細胞;より好ましくは、グラム陽性細菌、例えばバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・ラクタス(Bacillus lautus)又はバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)である細胞;又は最も好ましくは、菌類アスペルギラス、特にA. オリザエのプロテアーゼ欠失である細胞に関する。
【0080】
本発明のα−アミラーゼ変異体の生成方法
さらなる観点においては、本発明は、本発明のα−アミラーゼ変異体の生成方法に関し、ここで前記方法は、宿主細胞を、変異体の生成の助けと成る条件下で培養し、そして前記細胞及び/又は培養培地から前記変異体を回収することを含んで成る。
細胞を培養するために使用される培地は、問題の宿主細胞を増殖し、そして本発明のα−アミラーゼの発現を得るために適切ないずれかの従来の培地であり得る。適切な培地は、市販されているか、又は公開されたレセピー(例えば、American Type Calture Collectionのカタログに記載されるような)に従って調製され得る。
【0081】
宿主細胞から分泌されるα−アミラーゼ変異体は、培地から細胞を遠心分離又は濾過により分離し、そして培地中のタンパク質成分を、塩、例えば硫酸アンモニウムにより沈殿せしめ、続いてクロマトグラフィー方法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー又は同様のものを使用する良く知られた方法により、培養培地から便利に回収され得る。
【0082】
そのような生成されたアミラーゼを使用するための種々の方法、及びより特定の使用は、本発明の要約にすでに言及されるように、本発明の他の観点において概略されている。
本発明は、澱粉からグルコース又はマルトース、又は同様のものを生成するために、本発明のポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼを用いる方法を提供する。
一般的に、前記方法は、α−アミラーゼの存在下で前駆体澱粉を部分的に加水分解し、そしてさらに、α−(1←4)及びα(1←6)グルコシド結合を切断することにより、グルコアミラーゼの存在下で澱粉又は関連するオリゴ−及び多糖分子の非還元末端からのD−グルコースの開放を加水分解する段階を包含する。
【0083】
α−アミラーゼを用いる前駆体澱粉の部分的加水分解は、内部α−(1←4)連鎖を加水分解することにより澱粉分子の初期分解を提供する。商業的な適用においては、α−アミラーゼを用いる初期加水分解は、約105℃の温度で行われる。非常に高い沈殿濃度、通常30%〜40%の乾燥−固形物の濃度が処理される。初期加水分解は通常、この高められた温度で約5分間、行われる。次に、部分的に加水分解された澱粉は、第2タンクに移され、そして10〜15のデキストロース等量(D. E.)を導くために、85〜90℃の温度で約1時間インキュベートされる。
【0084】
グルコアミラーゼの存在下で澱粉又は関連するオリゴ−及び多糖分子の非還元末端からのD−グルコースをさらに加水分解する段階は、通常、30〜60℃の低められた温度で別々のタンクにおいて行われる。好ましくは、基質液体の温度は、55〜60℃に低められる。溶液のpHは、6〜6.5から3〜5.5の範囲に低められる。好ましくは、溶液のpHは4〜4.5である。グルコアミラーゼが前記溶液に添加され、そして反応が24〜72時間、好ましくは36〜48時間、行われる。
【0085】
本発明のポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼはまた、醸造工程においても使用され得る。高マルトースシロップは典型的には、次の通りに生成される。“高マルトースシロップ”(50〜55%のマルトースを含む)を生成するために、澱粉がDE10−20に液化される。液化された澱粉のpH及び温度がそれぞれ、65℃及び約5.0に調節され、そしてマルトース生成α−アミラーゼ活性(例えば、バチルス・ステアロサーモフィラスアミラーゼ、例えばMaltogenaseTM 4000L, 0.4 l/t DS (Novozymes))、プルラナーゼ活性(例えば、バチルス・プルラナーゼ、例えばPromozymeTM 600L, 0.3 l/t DS (Novozymes))及びα−アミラーゼ活性(例えば、BAN240L又はTermamylTM 120L, タイプLS, 0.4kg/t DS (Novozymes))に、24〜41時間ゆだねられる。特定の工程時間は、達成されるべき、所望のサッカリドスペクトルに依存する。マルトース生成α−アミラーゼ及びプルラナーゼの用量を高めることにより、マルトース含有物は高められ得る。
【0086】
他方では、“高マルトースシロップ”は、澱粉をDE10-20にまず液化し、そして次に、pHを約5.5又はそれ以下に及び温度を55℃又はそれ以上に調節し、そして次に、液化された澱粉を、菌類α−アミラーゼ活性(例えば、バチルス・ステアロサーモフィラスアミラーゼ、例えばFungamylTM 800L (Novozymes))に、22〜44時間ゆだねることにより生成され得る。菌類FungamylTM 800Lの用量は、予測される糖化に依存し、例えば200g/tのDSでは44時間及び400g/tのDSでは22時間である。本発明のポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼは、上記工程においてはFungamylTM 800Lを置換することができ、そして次に、温度がさらに高められ、そしてpHがさらに低められ、より早い転換速度がもたらされ、そして従って、より良好な全体的な経済性がもたらされる。
【0087】
55−65%のマルトース含有率を有する“高マルトースシロップ”澱粉を生成するためには、澱粉はDE10-20に液化される。液化された澱粉の温度及びpHが、それぞれ60℃又はそれ以上、及び約6又はそれ以下に調節され、そしてマルトース生成α−アミラーゼ活性(例えば、MaltogenaseTM 4000L, 0.25-1.0l/t DS (Novozymes))及び菌類α−アミラーゼ活性(例えば、アスペルギラスアミラーゼ、例えばFungamylTM 800L, 0.4-1.0kg/t DS (Novo Nordisk)に24〜48時間ゆだねられ;又は本発明のポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼに関しては、より短い時間ゆだねられる。
【0088】
本発明のα−アミラーゼ変異体は、ベーキング工程においても使用され得る。1つの観点においては、本発明は、本発明の変異体を用いての澱粉転換、アルコール生成、醸造及びベーキングに関する。
本発明はまた、1)α−アミラーゼの存在下で澱粉を液化し;2)本発明の菌類α−アミラーゼ変異体の存在下でデキストリン化し;そして3)シロップを回収し;そして任意には、シロップを精製する段階を含んで成る、マルトースシロップの生成方法にも関する。
【0089】
段階1)における液化のために使用されるα−アミラーゼは、いずれかのα−アミラーゼであっても良い。好ましいα−アミラーゼは、バチルスα−アミラーゼ、例えばB. リケニルホルミスα−アミラーゼ(TermamylTM (Novo Nordisk)として市販されている)、B. アミロリクエファシエンスα−アミラーゼ(BAN(Novo Nordisk)として市販されている)、B. ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ(TermamylTM 120 L型Sとして市販されている)を包含するTermamyl−様α−アミラーゼである。
【0090】
好ましいα−アミラーゼは、バチルスsp. NCIB 12289, NCIB12512, NCIB12513又はDSM9875(それらのすべては、WO95/26397号に記載される)の株に由来するα−アミラーゼ、及びTsukamoto など, Biochemical and Biophysical Research Communications, 151 (1988), p p. 2 5-31により記載されるα−アミラーゼである。“Termamyl−様α−アミラーゼの定義内のα−アミラーゼは、例えばWO96/23874号(Novo Nordisk)に定義される。
【0091】
もう1つの観点においては、前記方法は、1)澱粉を、140〜160℃の温度、4〜6のpHで液化し;2)60〜95℃、特に65〜85℃、例えば70〜80℃の温度、4〜6のpHで、本発明の菌類α−アミラーゼ変異体の存在下でデキストリン化し;そして3)シロップを回収し;そして任意には、シロップを精製する段階を含んで成る、マルトースの生成方法に関する。
【0092】
本発明の態様においては、有効量のグルコアミラーゼが段階2)において添加される。この態様(グルコアミラーゼによる処理を包含する)においては、シロップは、マルトースシロップではないが、しかし異なった糖プロフィールを有するシロップである。グルコアミラーゼは、アスペルギラスグルコアミラーゼ、特にアスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼであり得る。
【0093】
他方では、前記方法は、1)澱粉を、バチルスα−アミラーゼの存在下で、95〜110℃の温度、4〜6のpHで液化し;2)本発明の第1の観点に定義されるようなポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼの存在下で、70〜95℃の温度、4〜6のpHで液化し、続いて得られる生成物を回収し、そして/又は任意には精製する段階を含んでなる方法に関する。
【0094】
最終的に、本発明のいくつかの観点は、種々の洗剤使用に関する。1つの観点は、任意には、無粉塵性顆粒、安定化された液体又は保護された酵素の形での、第1の観点において定義されるようなポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼを含んで成る洗剤活添加剤に関する。この観点の好ましい態様は、0.02〜200mgの酵素タンパク質/g添加剤を含む洗剤添加剤に関する。もう1つの好ましい態様は、さらに、もう1つの酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、もう1つのアミロース分解酵素及び/又はセルラーゼを含んで成る、前記観点に従っての洗剤添加物に関する。
【0095】
もう1つの観点は、第1の観点に定義されるようなポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼを含んで成る洗剤組成物に関し、そしてこの観点の好ましい態様は、さらに、もう1つの酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、もう1つのアミロース分解酵素及び/又はセルラーゼを含んで成る洗剤組成物に関する。さらにもう1つの観点は、第1の観点に定義されるようなポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼ変異体を含んで成る手動又は自動皿洗い洗剤組成物に関する。
【0096】
好ましい皿洗い洗剤組成物はさらに、もう1つの酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、もう1つのアミロース分解酵素及び/又はセルラーゼを含んで成る。最終洗剤関連の観点は、第1の観点において定義されるようなポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼ変異体を含んで成る手動又は自動洗濯洗浄組成物であり;そして好ましい洗濯洗剤組成物はさらに、もう1つの酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、アミロース分解酵素及び/又はセルラーゼを含んで成る。
【実施例】
【0097】
例1リゾムコル・プシラスNN046782からのα−アミラーゼの精製及び特徴化
AM782として示されるこのα−アミラーゼを、好熱性菌類株NNO46782の培養ブイヨンから精製し、そして60,70及び80℃、5.0, 6.0及び7.0のpHで、BAN(バチルス・アミロリクエファシエンス)アミラーゼによりも安定性であることが見出された。特徴を、次の通りに要約する:
【0098】
分子量(SDS) 約50kDa (SDS-PAGE)
pI pH3.5
活性pH範囲 pH3〜9
最適pH pH4〜5
活性温度範囲 30〜80℃
最適温度 70℃
pH安定性 pH=5, 6, 7で安定性
【0099】
菌類増殖のための培地
YG:酵母−グルコース寒天:
5.0gのDifco粉末化された酵母抽出物;10.0gのグルコース;20.0gの寒天;1000mlの水道水。
121℃で15〜20分間オートクレープ処理する。
FG-4培地50ml/フラスコ:
30gの大豆粉;15gのマルトース;5gのペプトン;1000mlの水;1gのオリーブ油(2滴/フラスコ)。
2枚のそらせ板を有する500mlの三角フラスコにおいて50ml。121℃で30分間オートクレープ処理する。
【0100】
菌類を、YG寒天プレート(4.5cmlの直径)上で、45℃で3日間、暗室において増殖し、そして振盪フラスコを接種するために使用した。十分に増殖した培養物を有するプレートを、使用の前、4℃で貯蔵した。
酵素生成のために、上記プレート上での十分に増殖した菌類培養物を含む4〜6個の寒天プラグを用いて、FG-4を含む1つの振盪フラスコを接種し、そして45℃、160rpmで72時間、増殖し、次に培養物ブイヨンを8000rpm及び4℃で30分間、遠心分離することにより収穫した。上清液を集め、そして酵素精製のために使用した。
【0101】
化学薬品及び試薬
BAN標準及びFungamylTM 800L (Novozymes A/S, Denmark)を、標線として使用し、AZCL−アミロース(Megazyme)を酵素アッセイのために使用した。
他の化学薬品及び緩衝液は、次のものを包含する:
【0102】
25mMのトリス-HCI, pH7.0 ; 25mM のトリス-HCI ; 1Mの NaCI, pH7.0 ; 0.1Mの Na3PO4/クエン酸, pH5.5 ; 硫酸アンモニウム; 0. 1 Mの NaAc, pH5.0 ; 0. 1 M のMES, pH6.0 ; 0. 1 M のトリス-HCI, pH7.0 。pH プロフィールのための緩衝液 : 100mM の琥珀酸, 100mM のHEPES, 100mM のCHES, 100mM のCABS, 1 mM のCaCl2, 150Mmの KCI, HCI or NaOH によりpH-値2.0, 3.0, 4.0, 5.0, 6.0, 7.0, 8.0, 9.0, 10.0 及び 11.0 に調節された0. 01% Triton X-100。
【0103】
酵素活性試験
マイクロタイタープレートアッセイ:
上清液を、マイクロタイタープレートアッセイにより、α−アミラーゼ活性について試験した。青色基質AZCL−アミロース(Megazyme)の0.2%溶液を、0.1Mのリン酸−クエン酸緩衝液(pH5.5)又はトリス−HCl緩衝液(pH7)において、攪拌下で懸濁した。その溶液を、マクロタイタープレートに、攪拌しながら分配し(個々のウェルに200μl)、20μlの酵素サンプルを添加し、そしてプレートをEppendorf Thermomixerにおいて、50℃及び650rpmで15〜30分間インキュベートした。
【0104】
変性された酵素サンプルを、100℃での20分間の煮沸により調製し、そして次に、ブランク対照として使用した。インキュベーションの後、着色された溶液を、3000rpm、4℃で5分間の遠心分離により、固形物から分離した。次に、150μlの上清液を、マイクロタイタープレートに移し、そして吸光度を、595nmでBioRad Microplate Reoderにより測定した。
【0105】
Eppendorf管アッセイ:
青色基質AZCL-アミロース(Megazyme)の0.2%溶液を、異なったpH値での緩衝液において攪拌下で懸濁した。その溶液を、1.5mlのEppendorf管に攪拌しながら分配し(個々の管に900μl)、100μmの酵素サンプルを個々の管に添加し、そして次に、それらを水浴において、50℃で10〜60分間インキュベートした。変性された酵素サンプル(100℃での20分間の煮沸により調製された)を、ブランク対照として使用した。インキュベーションの後、着色された溶液を、5000rmp、4℃での10分間の遠心分離により固形物から分離した。次に、200μlの上清液をマイクロタイタープレートに移し、そして吸光度を、595nmでBioRad Microplate Readerにより測定した。
【0106】
等電点電気泳動
等電点電気泳動を、pH3.5〜9.5のプレキャストされたApholine PAGプレート(Pharmacia, Sweden)において、その製造業者の説明書に従って行った。サンプルを、三重反復して適用し、そして電気泳動の後、ゲルを3等分した。pH5〜7の緩衝液中、1%アガロース及び0.4%AZCL−アミロースを含むオーバーレイを、45℃で12〜16時間インキュベートされたゲルの個々の部分上に注いだ。酵素活性、及び酵素タンパク質のpIを、青色領域から同定した。
【0107】
SDS−PAGE
精製されたアミラーゼの純度を調べ、そしてそのアミラーゼの分子量を決定するために、30μlの酵素サンプルを、12%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に適用した。ゲルを、100Vで1.5時間、運転し、そしてクーマシーブルーにより染色した。
【0108】
酵素精製
NN046782株の上清液300mlを、硫酸アンモニウム(80%飽和)により沈殿し、そして20mlの25mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.0)に再懸濁し、次に同じ緩衝液に対して透析し、そして0.45mmのフィルターを通して濾過し、最終体積は200mlであった。その溶液を、25mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.0)において平衡化された、35mlのSource 15Qカラム(Pharmacia)に適用し、そしてタンパク質を、線状NaClグラジエント(0〜0.3M)により溶離した。カラムからの企画を、pH5.5でAZCL−アミロース上でのアミロース活性について分析した。アミラーゼ活性を有する画分をプールした。次に、プールされた溶液、限外濾過し、濃縮された溶液を、25mMのトリス−HCl、pH7.0により平衡化された、180mlのSuperdex75カラムに適用し、タンパク質を同じ緩衝液により溶離した。アミラーゼ含有画分を、SDS−PAGEにより分析し、そして純粋な画分をプールした。
【0109】
酵素特徴化
pHプロフィール:
異なったpHを有する次の緩衝液システム(100mMの琥珀酸, 100mM のHEPES, 100mMの CHES, 100mMの CABS, 1mMの CaCl2, 150mMの KCI, HCI 又はNaOH によりpH-値2.0, 3.0, 4.0, 5.0, 6.0, 7.0, 8.0, 9.0, 10.0 及び 11.0調節された0. 01% Triton X-100)中、20μlの酵素サンプル及び200μlの0.2%AZCL−アミロースを、マイクロタイタープレートにおいて混合し、そして反応の前、氷上に置いた。50℃のアッセイ温度に設定されたEppendorf Thermomixerにマイクロタイタープレートを移すことにより、アッセイを開始した。
【0110】
プレートを、650rpmでの振盪速度でEppendorf Thermomixer上で20分間インキュベートした。インキュベーションを、プレートを氷浴に戻すことにより停止した。次に、プレートを、氷冷却された遠心分離機により数分間、遠心分離し、そして150μlの上清液を、新しいマイクロタイタープレートに移した。吸光度、OD595を、アミラーゼ活性の測定値として読み取った。すべての反応は、三重反復して行われ、そして緩衝液ブラインド(酵素の代わりに)が、アッセイに包含される。BAN及びFungamylTM酵素を、正の対照として使用した。結果は図1に示される。
【0111】
温度プロフィール:
0.1MのNa3PO4/クエン酸緩衝液(pH5.5)中、200μlの0.2%AZCL−アミロースを含むEppendorf管を、20, 30, 40, 50, 55, 60, 70, 80℃でプレインキュベートした。20μlの酵素サンプルと緩衝液とを混合することにより、アッセイを開始した。管を、その最高の振盪速度(1400rpm)でEppendorf Thermomixer上で10分間インキュベートした。管を氷浴に移すことにより、インキュベーションを停止した。次に、管を、氷冷却された遠心分離機により数分間、遠心分離し、そして150μlの上清液をマイクロタイタープレートに移した。OD595を、アミラーゼ活性の測定値として読み取った。すべての反応は三重反復して行われ、そして緩衝液ブラインドがアッセイに含まれた(酵素の代わりに)。BAN及びFungamylTMを対照として使用した。結果は図2に示される。
【0112】
pH及び熱安定性:
Eppendorf管における80μlの酵素サンプル(それぞれ、0. 1Mの NaAc pH5.0, 0. 1Mの MES pH6.0, 0. 1M のトリス-HCI pH7.0により希釈された)を、Eppendorf Thermomixer上で、60, 70, 80℃で及び300rpmの振盪下で、5, 10, 15及び20分間インキュベートした。インキュベーションを、氷浴に管を戻すことにより停止した。インキュベートされていないサンプルを、対照として使用した。20μlの上記インキュベートされたサンプルを、新しいマイクロタイタープレートに移し、そして0.1MのNa3PO4/クエン酸緩衝液(pH5.5)中、0.2%AZCL−アミロース200μlを添加した。
【0113】
マイクロタイタープレートを、アッセイ温度を50℃に設定されたEppendorf Thermomixerに移すことにより、アッセイを開始した。プレートを、650rpmでの振盪速度でEppendorf Thermomixer上で30分間インキュベートした。インキュベーションを、プレートを氷浴に戻すことにより停止した。次に、プレートを、氷冷却された遠心分離機により数分間、遠心分離し、そして150μlの上清液を、新しいマイクロタイタープレートに移した。吸光度、OD595を、アミラーゼ活性の測定値として読み取った。すべての反応は、二重反復して行われ、そして緩衝液ブラインド(酵素の代わりに)が、アッセイに包含される。BAN及びFungamylTM酵素を、正の対照として使用した。結果は図3−5に示される。
【0114】
側活性アッセイ:
精製されたアミラーゼを、pH7.0で次の基質において試験した:AZCL-ガラクトマンナン, AZCL-β-グルカン, AZCL-デキストラン, AZCL-キシログルカン, AZCL-ジャガイモガラクタン, AZCL-アラビナン, AZCL-プルラナン, AZCL-キシラン, AZCL-he-セルロース, AZCL-カゼイン。側活性は、いずれの基質においても検出されなかった。
精製されたアミラーゼの純度を12%のSDS−PAGEにおいて調べ、酵素の分子量は、SDS−PAGE上で見られるように、役50KDaであり、AM782のPIは、IEFにより決定される場合、約3.5のpHである。
【0115】
例2リゾムコル・プシラスNN046782のAM782α−アミラーゼをコードする遺伝子のクローニング
菌類株及びその増殖
リゾムコル・プシラスNN046782を、2%澱粉を有するFG4培地において、45℃、165rpmで48時間、増殖した。菌糸体を、7000rpmでの30分間の遠心分離により収穫した。収穫された菌糸体を、RNA抽出のために使用する前、-80℃で貯蔵した。
全RNAの抽出
全RNAを、RNeasy Mini kit (Qiagen) を用いて、100mgの菌糸体から抽出した。
【0116】
特異的プライマー
リゾムコル・プシラスNNO46782からのアミラーゼAM782が、もう1つのリゾムコル・プシラス株NN101459からの初期プロジェクトにおいて本発明者により同定され、そして配列決定されたアミラーゼコードの遺伝子と同じN−末端配列を有したことが見出された。従って、2種の特異的プライマーを、前に決定されたDNA配列から企画し、そしてそれらを、NN046782からのアミラーゼのクローニングのために使用した。
プライマーAM298-CDSF (配列番号1): 5'tat cat gaa att cag cat
プライマーAM298-CDSR (配列番号2): 5'agt tca aaa tgg aca aag t。
【0117】
次のPCR反応システム及び条件を使用した:
Pfu DNAポリメラーゼ×PCR緩衝液(MgSO4を含む) 5μl
10mMのdNTP混合物 1μl
プライマーAM298−CDSF(10μM) 1μl
プライマーAM298−CRSR(10μM) 1μl
Pfu DNAポリメラーゼ(3u/μl) 0.5μl
cDNA合成反応(鋳型) 2μl
オートクレーブ処理された、蒸留された水の添加 50μl
【0118】
条件
95℃ 3分
95℃ 30秒
45又は50又は53℃ 30秒 40サイクル
72℃ 3分
72℃ 7分
PCR生成物を、アガロースゲル上で観察し、そして特異的バンドを同定し、そして精製した。従って、0.3μlのこのPCR生成物を、次の条件下で第2回目のPCRのための鋳型として使用した。
【0119】
Pfu DNAポリメラーゼ×PCR緩衝液(MgSO4を含む) 5μl
10mMのdNTP混合物 1μl
プライマーAM298−CDSF(10μM) 1μl
プライマーAM298−CRSR(10μM) 1μl
pfu DNAポリメラーゼ(3u/μl) 0.5μl
cDNA合成反応 0.3μl
オートクレーブ処理された、蒸留された水の添加 50μl
【0120】
条件
95℃ 3分
95℃ 30秒
55℃ 30秒 40サイクル
72℃ 3分
72℃ 7分
【0121】
約1.5kbのサイズを有する特異的バンドは、この増幅の結果であった。ポリA末端を、Taq DNAポリメラーゼ(PCR 生成物20 ul, 10 X 緩衝液 2μl, Mg2+ 1μl, dATP (10 mM) 0. 5μl, Taq ポリメラーゼ(5 単位/μl) 0.3μl)を用いて付加し、そして72℃で30分間インキュベートした。dA−末端付加されたフラグメントを、GFXキットを用いてゲルから回収し、そして30μlの水に再溶解した。次に、精製されたフラグメントを、pGEM-Tベクター中に連結し(2 X 緩衝液 10 μl, T− ベクター(50 ng/1) 1μl, T4 リガーゼ (3 単位/l)) 1μl及び精製されたP CR 生成物8μlを混合し; 次に、4℃で一晩放置することにより)、そしてそれを用いて、コンピテント細胞を形質転換した(形質転換条件:0.1cmのキュベットにおける1μlの連結溶液及び40μlのDH10Bコンピテント細胞、1.8KV)。8個の陽性クローンを、コロニーPCRによりスクリーンした。
【0122】
コロニーPCRシステム
10×PCR緩衝液 5μl
25mMのMgCl2 3μl
10mMのdNTP混合物 1μl
AM298−CDSF 1μl
AM298−CRSR 1μl
pfuポリメラーゼ 1μl
オートクレーブ処理された、蒸留された水の添加 50μl
白色コロニーを、PCR混合物中に直接的に移行し、ここでそれは鋳型として作用した。PCR条件は次の通りであった:
【0123】
条件
94℃ 3分
94℃ 30秒
55℃ 30秒 30サイクル
72℃ 1分
72℃ 10分
【0124】
PCR反応の後、10μlのPCR生成物を、0.3× TBE緩衝液中、1%アガロース中に負荷し、そして90Vで1時間、ゲルを通して運転し、そして次に、UV下で可視化し、すべてのコロニーは陽性結果を与えた。
次に、プラスミドを、Wizards Plus Minipreps DNA Purification System (Promega)を用いて、それらの8個のクローンの3個から抽出した。このプラスミドを、2種のプライマーAM298-CDSF 及びAM298-CDFRを用いて、ETターミネーターキット(Amersham)により配列決定し、そして3個のクローンが同一であることがわかり、十分な長さの配列が配列番号3で示される。
【0125】
α−アミラーゼAM782をコードするDNA配列を含んで成るプラスミドを用いて、E. コリDH10B株を形質転換し、これは、寄託番号DSM15334として、2002年11月29日、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, Federal Republic of Germanyで、特許手続の目的のための微生物の寄託の国際的承認のためのブダペスト条約に従って発明者により寄託された。寄託は、Novozymes A/Sにより行われた。このプラスミドのDNA配列は、配列番号3のDNA配列を包含することが予測される。
【0126】
cDNAのさらなる配列分析は、その配列が1413個のヌクレオチドのコード領域を含むことを示した。コード領域の翻訳生成物は、471個のアミノ酸のペプチドである。この遺伝子、並びにシグナルペプチド(aa1〜21)及び成熟ペプチド(aa22〜471)によりコードされる推定されるアミノ酸配列が配列番号4に示される。
【0127】
例3AM782アミラーゼのサブクローニング及び異種発現
菌株及びプラスミド
発現宿主として使用されるA. オリザエ株BECh2は次の遺伝子型を有する:amy-, alp-, Npl-, CPA-, KA-。E. コリDH5α(InvitrogenTM)を、発現ベクターの構成においてクローニング宿主として使用した。アスペルギラスにおける選択マーカーとしてのA. ニジュランスandS遺伝子及びE. コリにおける選択のためのアンピシリン耐性遺伝子、3個のamyR−部位を有するA. ニガーNA2プロモーター(中性アミラーゼ)の2つのコピー+異種発現のためのA. ニジュランスTPIプロモーターの5’翻訳部分、及びA. ニガーAMGターミネーターを含む発現プラスミドpDAu71(図6)を使用した。
【0128】
PCR増幅:
10×PCR緩衝液(MgCl2を含む) 5μl
2.5mMのdNTP混合物 5μl
168/R. p. amy3-forw(10μM) 5μl
169/R. p. amy4-rev(10μM) 5μl
Expand High Fidelity polymerase (Roche) 0.5μl
鋳型DNA 1μl
オートクレーブ処理された、蒸留された水の添加 50μl
【0129】
条件
95℃ 1分 1サイクル
94℃ 30秒
60℃ 30秒 20サイクル
72℃ 1.30分
72℃ 2分 1サイクル
【0130】
プラスミドpPFJo143の構成(図7):AM782遺伝子を含むDNAフラグメントを、下記十分な配列から企画されたプライマーを用いて、十分な長さのcDNAを含むプラスミドからPCR増幅した:
プライマー168/R. p. amy3-forw (配列番号5): gaagatctaccatgaaattcagcatctctctc
プライマー169/R. p. amy4-rev (配列番号6): ccgctcgagttaagcagaggtgaagatagc
前記プライマーは、その末端において、それぞれクローニング制限部位Bglll-Xholを有する。個々のPCR反応からのPCR生成物のプールを、クローニングのために使用した。PCR生成物を、BglII及びXhoIにより消化し、そしてBamHI及びXhoIにより消化されたpDAu71中にクローン化した。PCR生成物を配列決定し、そして元の配列と同一であるこを確めた。
【0131】
BECh2の形質転換を、プロトプラスト形成及びそれらの形質転換を包含する方法により行った。アスペルギラス形質転換のための適切な方法は、EP 0 238 023 号及びYeltonなど., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81: 1470-1474に記載されている。形質転換体を単離し、そして10mlのYPM(1%酵母抽出、2%Bactoペプトン及び2%マルトース)を含む小さなNunc−容器において、30℃で3日間、増殖した(回転される)。
【0132】
SDS−PAGEゲル電気泳動;上記の培養物10mlからの上清液サンプル10μlを、SDS−ゲル電気泳動にゆだねた。ゲルを、SYPRO Orange Protein Gel Stain (Molecular Probes)により染色した。
α−アミラーゼを、次の通りにPNPによりアッセイした。作業用溶液を製造した:5mlのα−グルコシダーゼ溶液+1mlの基質溶液(PNP−基質)。TermamylTMを、標準(0〜100NU/mlの濃度)として使用した。希釈のための緩衝液:50mMの酢酸、硼酸及びリン酸、及び0.1mMのCaCl2+0.25%のBRIJ35。マイクロタイタープレートにおける上清液20μlを、2分間インキュベートした。200μlの作業用溶液を添加した。405nmでの運動学は3分にわたる。
【0133】
PCR増幅されたORFを、発現ベクターpDAu71中にクローン化し、材料及び方法に記載のようなpPFJo143をもたらした(図7)。プラスミドを用いて、BECh2(A. オリザエ)を形質転換した。10個の形質転換体を単離し、YPMにおいて3日間、増殖し、そして上清液をSDS−PAGE上で試験した。これは、ほとんど不良な発現〜非常に良好な発現の範囲の種々の発現レベルを示した。分子量は約50kDaであり、これにより、野生型酵素が見出された。形質転換体BECh2/pPFJo143-9を選択し、アミラーゼの小規模精製のために発酵した。α−アミラーゼアッセイを、材料及び方法に従って行った(表1)。それを、標準としてTermamylTMにより行い、そして単位はNU/mlであり、これは、それが相対数を本発明者に与えるのみならず、本発明者は、タンパク質の活性とタンパク質の量との間に良好な相互関係が存在したことを見出したことを意味する。
【0134】
【表1】

【0135】
例4α−アミラーゼAM782によるマルトデキストリン加水分解の糖プロフィールの調査
装置
温度調節された水浴Heto lab装置DT1;pH−メーター(Mettler MP220);HPLC Watersシステム(A/P TSCN-QI-2411);電子ピペット;分光計UV-1601;平衡(Mettler AG 204);屈折計。
【0136】
ガラス器具
蓋付の250mlのフラスコ;フラスコのための重リング;500mlのメスフラスコ;500mlのビーカー;10mlのガラス管。
酵素
0.225FAU/mlでのAM782α−アミラーゼ、及び0.135FAU/g.dsでの対照としての市販の菌類アミラーゼFungamy) 800L (Novozymes A/S, Denmark; AFN-000515)。
【0137】
アミロース分解活性
α−アミラーゼ活性を、“菌類α−アミラーゼ単位”(FAU)で表すことができる。1FAUは、標準の条件(すなわち、37℃及びpH4.7)下で、1時間当たり5260mgの澱粉(Amylum solubile, Merck)を分解する酵素の量である。このFAUアッセイをより詳細に説明するフォルダーAF9.1/3(引用により本明細書に組込まれる)は、必要により、Novozymes A/S, Denmarkから入手できる。
基質
DE11マルトデキストリン FFS−99039
【0138】
プロトコール
2種の水浴を、それぞれ55℃及び70℃の温度で設定した。53gのマルトデキストリンを、ガラスビーカーにおける397gの煮沸Milli-Q水中にゆっくりと添加し、そしてすべてのマルトデキストリンが水に溶解されるまで、電気攪拌機により同時に攪拌した。マルトデキストリン溶液の重量を示し、そしてさらに、煮沸水を450gまで添加した。マルトデキストリン溶液を水浴中に移し、そして加水分解温度まで冷却した。次に、マルトデキストリン溶液を、2つの等しい部分に分割し;1つの部分は1NのHClによりpH5.0に調節し;残りの1つはその天然のpH(5.5)で維持した。基質濃度を、屈折計(約10%のDS)により調べた。
【0139】
マルトデキストリン溶液を、蓋付の4個の250mlのフラスコに移した:フラスコ#1、pH5.5の90gの溶液を含む;フラスコ#2及び3、pH5.0の90gの溶液を含む;フラスコ#4、pH5.5の95gの溶液を含む。フラスコを、加水分解温度で水浴に維持し、フラスコ#1−3は70℃で、そしてフラスコ#4は55℃で維持した。
【0140】
10mlの希釈されたAM782酵素(6mlのAM782サンプル及び4mlのMilli-Q水)を、90gの溶液を含むフラスコ#1−3の個々に添加し、そして5mlの希釈されたFungomylTM (100mlのMilli-Q水中、0.04gのFungamyl)を、95gの溶液を含むフラスコ#4に添加した。この手段で、AM782及びFungamylTMを、同じ活性レベル、すなわち0.135FAU/g.dsで投与した。
個々のフラスコのpHを調べ、そして個々のフラスコのDSを、T=0でサンプリングすることにより測定した。その後、4mlのサンプルを、水浴におけるインキュベーションの後、T=3, 6, 9, 21, 24, 28, 45及び48時で個々の振盪フラスコから取った。
【0141】
加水分解サンプルにおける酵素を、サンプルを15分間、煮沸し、そして次にHPLC分析のために室温に冷却するこをにより、サンプリング直後、不活性化した。冷却の後、pH及びDSを、サンプル希釈を決定するために個々のサンプルンついて測定し、そして次にサンプルを、Milli-Q水により、DS=5%の濃度に希釈した。サンプルを、混合された層のイオン−交換樹脂(Bio-Rad AG 501/X8 (D))と共に混合し、そして20分間、放置し、これにより、サンプルから灰及び可溶性Nを除去した。次に、サンプルを、0.2μmのフィルター(Sartorius MINISARTTM NML 0.2 ミクロン)を通して濾過し、そして濾過されたサンプルを、HPLCボトルに集め、そしてHPLCにより分分析した。結果は、下記表2−4及び図8に与えられる。
【0142】
【表2】

【0143】
【表3】

【0144】
【表4】

【0145】
この実験は、アミラーゼAM782が非常に高い温度、少なくとも70℃までの温度で作動できることを示した。アミラーゼAM782は非常に早い反応速度を有し;同じ用量でのFungamylTM 800Lに比較して、アミラーゼAM782は約3時間で達することができ、これはFungamylTMに関しては、24〜48時間を要する。さらに、アミラーゼAm782は、DP3をDP2及びDP1に分解し、その結果、それはより高いDP1結果を付与する。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は、精製されたアミラーゼAM782のpHプロフィールを示す。
【図2】図2は、精製されたアミラーゼAM782の温度プロフィールを示す。
【図3−1】図3−1は、pH5及び60℃でのAM782の残留活性を示す。
【図3−2】図3−2は、pH5及び70℃でのAM782の残留活性を示す。
【図3−3】図3−3は、pH5及び80℃でのAM782の残留活性を示す。
【図4−1】図4−1は、pH6及び60℃でのAM782の残留活性を示す。
【図4−2】図4−2は、pH6及び70℃でのAM782の残留活性を示す。
【図4−3】図4−3は、pH6及び80℃でのAM782の残留活性を示す。
【図5−1】図5−1は、pH7及び60℃でのAM782の残留活性を示す。
【図5−2】図5−2は、pH7及び70℃でのAM782の残留活性を示す。
【図5−3】図5−3は、pH7及び80℃でのAM782の残留活性を示す。
【図6】図6は、発現プラスミドpDAu71を示す。
【図7】図7は、発現プラスミドpPFJo143を示す。
【図8】図8は、例4の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)配列番号4のアミノ酸22〜450と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
b)受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたポリヌクレオチドのアミラーゼコード部分によりコードされるポリペプチドと少なくとも70%同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
c)配列番号3における位置68〜1417に示される配列と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;及び
d)α−アミラーゼ活性を有する、上記(a)、(b)又は(c)のフラグメントから成る群から選択された、α−アミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする読取枠を含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜450に比較して、アミノ酸の1又は複数の切断、及び/又は少なくとも1つの置換、欠失及び/又は挿入を有するアミノ酸配列を含んで成る人工変異体である請求項1記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜450と少なくとも70%同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る請求項1又は2記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜450を含んで成る請求項1〜3のいずれか1項記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜450から成る請求項1〜4のいずれか1項記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記ポリペプチドが、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるポリペプチドと少なくとも70%同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る請求項1記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記ポリペプチドが、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるアミノ酸配列を含んで成る請求項6記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
前記ポリペプチドが、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるアミノ酸配列から成る請求項6又は7記載のポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記ポリペプチドが、受託番号DSM15334号としてDSMZにブダペスト条約下で寄託されたE.コリ宿主に存在するプラスミド中に挿入されたヌクレオチド配列のアミラーゼコード部分によりコードされるアミノ酸配列に比較して、アミノ酸の1又は複数の切断、及び/又は少なくとも1つの置換、欠失及び/又は挿入を有するアミノ酸配列を含んで成る人工変異体である請求項6又は7記載のポリヌクレオチド。
【請求項10】
適切な宿主細胞におけるポリペプチドの生成を指令する1又は複数の制御配列に作用可能に結合される、請求項1〜9のいずれか1項記載のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体。
【請求項11】
請求項10記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項12】
請求項10記載の核酸構造体、又は請求項11記載の発現ベクターの少なくとも1つのコピーを含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項13】
微生物である請求項12記載の細胞。
【請求項14】
細菌又は菌類である請求項13記載の細胞。
【請求項15】
グラム陽性細菌、たとえばバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・ラクタス(Bacillus lautus)又はバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)である請求項14記載の細胞。
【請求項16】
菌類アスペルギラス、特にA. オリザエのプロテアーゼ欠失株である請求項14記載の細胞。
【請求項17】
請求項1〜9のいずれか1項記載のポリヌクレオチドによりコードされるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの生成方法であって、
(a)請求項12〜16のいずれか1項記載の組換え宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で培養し;そして
(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、澱粉の液化及び/又は糖化のために使用される、酵素的に修飾された澱粉誘導体の生成方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、澱粉の液化のために使用される、高マルトースシロップの生成方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、布の処理のために使用される、布の糊抜き方法。
【請求項21】
請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、麦汁の発酵の間に添加される醸造方法。
【請求項22】
請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドが、蒸留酒造用マッシュにおける澱粉の液化のために使用される、アルコール生成方法。
【請求項23】
請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドを含んで成るドウ生成物がベーキングされる方法。
【請求項24】
液化及び/又は糖化のための澱粉転換工程への請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
【請求項25】
高マルトースシロップ生成工程における澱粉の液化のためへの請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
【請求項26】
布糊抜きのためへの請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
【請求項27】
アルコールの生成のためへの請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
【請求項28】
醸造のためへの請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
【請求項29】
ベーキングのためへの請求項17記載の方法に従って生成されるα−アミラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−509511(P2006−509511A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559633(P2004−559633)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000882
【国際公開番号】WO2004/055178
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】