説明

熱希釈剤を使用する熱力学的サイクル

機械的出力、電力、および/または加熱もしくは冷却のための流体流を作り出す熱力学的システムである。 このサイクルは、燃料と酸化剤の燃焼によってエネルギー流体を作り出す燃焼システムを有する。 限定はされないが出力、効率、経済性、放出物、動的およびオフピークの負荷性能、および/またはタービン入口温度(TIT)の調節、および加熱された部品の冷却を含めた性能を向上させるために熱的希釈剤がこのサイクルに使用されることが可能である。 このサイクルは、エネルギー流体から熱および熱的希釈剤を回収してサイクルの熱力学的効率を上げ、かつエネルギー変換コストを下げるために熱回収システムおよび凝縮器またはその他の手段を有することが好ましい。 このサイクルはまた、サイクル全体にわたる温度、圧力、および流量に関する制御部、電力出力、効率、およびエネルギー流体組成の制御部も有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、機械的出力および電力の発生、加熱、または冷却のための熱力学的サイクルを実行する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術は、燃焼を冷却するためにピーク温度を支配する比較的貧弱な制御および横断方向の温度プロファイルにわたる僅かな空間的制御を備えた希釈剤を使用する燃焼器および燃焼システムを有する。 燃焼生成物の冷却は通常、余剰の空気でもって為されてきた。 この余剰の空気の加圧は普通では(大型タービンからマイクロタービンまでで)回収される全体的タービン出力の40%から70%を消費し、結果として低い正味の比出力につながる。 すなわち、(複数)圧縮機または(複数)タービンを通じて質量流量当たり発生される、全体の出力から圧縮機およびポンプの出力を差し引いた出力である。
【0003】
関連する希釈剤の出願は、特に超希薄混合物を使用し、燃焼限界付近で動作させるときの排気、燃焼安定性、および消炎(flame quenching)の制御に特に焦点を絞ってきた(例えば非特許文献1〜4参照)。 希釈剤としての余剰の空気の使用を削減するためのいくつかの関連する努力が、更少ない圧縮の仕事量で更に多くの熱を除去することが可能な蒸気および水といった熱希釈剤の形式を使用してきた(例えばGinterの特許文献1〜4、Guilettの特許文献5、Chengの特許文献6参照)。
【0004】
熱力学的サイクル全体にわたる温度制御は効率的な動作にとって重要である。 膨張器へと供給されるエネルギー流体のピーク温度およびプロファイルの制御は結果として更に良好なサイクルの効率につながる(非特許文献5参照)。 サイクルの部品および特定の混合装置を冷却するために一般的に使用されるような余剰の空気または蒸気を使用して温度プロファイルを制御することは困難である。 流量の空間的不規則性および瞬間的温度分布は、温度プロファイルの不確定性を補償するために推奨されるよりも大きな設計マージンを必要とする(例えば非特許文献6参照)。 温度不規則性の問題は仕事量の変化によって高められる。
【0005】
熱の回収およびシステムの効率を向上させるために様々な熱力学的サイクルが提案されてきた。 従来式の複合サイクル(CC:Combined Cycle)は、二次(蒸気)タービンを通じて膨張される蒸気を発生させるために熱回収蒸気発生器(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)を利用する。 これにより、資本コストが高くなる。 このため、複合サイクルはベース負荷用途に最も多く使用される。 蒸気噴射ガスタービン(STIG:Steam Injected Gas Turbine)サイクルでは、蒸気は同様のHRSGで発生させられ、膨張器の上流に噴射される。 これは更に高い質量流量でもって同じガスタービンを使用する。 蒸気を供給することしか可能ではないことにより、STIGサイクルは更に低い温度の熱を回収する能力に限界がある。 STIGを更に広範囲に使用するための主な難点として高い水処理コストおよび水の利用可能性がしばしば述べられる。 CHENGのサイクルはSTIGサイクルと同様である。 それについてはSTIGサイクルと同様の難点が生じている。
【0006】
回収水噴射(RWI:Recuperated Water Injection)サイクルは膨張した流体から入来する圧縮体へと熱を回収するために復熱装置を利用する。 それは熱の回収を向上させるために復熱装置取水口への水噴射を使用する。 これは同様に、空気の飽和限界によって制限を受ける。 加湿されたエアタービン(HAT:Humidified Air Turbine)サイクルは飽和装置(saturator)を通して取り入れ空気を加湿した。 蒸発ガスタービン(EvGT:Evaporated Gas Turbine)は類似したサイクルである。 更に低品質の水を使用するが、HATおよびEvGTサイクルは空気の飽和限界により、供給可能な希釈剤の量に制限を受ける。 EvGTサイクルはスウェーデンのLUND大学で明らかにされた。 別な方法ではこれらRWI、HAT、およびEvGTサイクルはほとんど使用されてこなかったが、その理由はおそらく相対的に高い資本コストのせいである。 資本コストを下げるためにHAWITサイクルが提案された。 それはHATサイクルに使用される表面型熱交換器のコストを下げるために直接接触型熱交換器を利用する。 それはHATサイクルよりも低いコストを得るが効率更は低下する。 これらのサイクルに関する相対的効率および内部収益率がTraverso(2000)によって比較された。
【0007】
従来式の熱回収方法は、膨張器の上流もしくは蒸気膨張器の中に再噴射するための十分な圧力を備えた膨張流体から形成される蒸気の温度よりも低い有用な熱を回収する点で特に困難を有する。 膨張体が排出されるときに多くの熱エネルギーが失われ続ける。 膨張流体から(機械的エネルギーを取り出すために熱いエネルギー流体が膨張させられた後に)熱を回収する従来式の方法は、余剰の冷却用空気の大容積を加熱するためにしばしば高温の復熱装置を要求する。 例えば、空気から空気への復熱装置は700℃に近づく。 これらは結果として高コストおよび高額の保守管理につながり、復熱装置単独でシステムのコストの30%を超える可能性があり、マイクロタービンの保守管理の80%を超える可能性がある。
【0008】
空気以外の希釈剤を使用することは結果として、「湿式」サイクル類似のSTIGおよびHATといった発電のための関連するサイクルでの希釈剤の供給と回収の更なる費用につながった。 通常の熱と希釈剤の回収システムを伴った関連するサイクルは、通常では、システムの非効率を補償し、かつ運転コストを下げるために「補給(make-up)」希釈剤を追加することを必要とする。
【0009】
酸化剤含有流体凌駕する希釈剤を使用した熱力学的サイクルは、汚染および/または経済的な理由でその熱希釈剤を回収することをしばしば必要とする(例えば、PoggioとAgrenの特許文献7参照。)。 そのような方法は高額であった。 補給希釈剤は、回収プロセスの非効率が理由で共通して必要とされる(Blanco、2002)。
【0010】
熱希釈剤に加えて、熱力学的サイクルのシステムに供給される希釈剤を調製するために流体のフィルタ処理と清浄化が必要とされた(非特許文献7、非特許文献8参照。)。 そのような従来式の方法は大幅な経費を追加する。
【0011】
汚染物質は世界中にわたって共通した関心事になりつつあり、それらの抑制が一層重要になりつつある。 水を追加する関連技術の方法は、例えば他を減少させる一方でしばしばいくつかの汚染物質の形成を深刻にする(例えば非特許文献9参照。)。 厳しく法規制された方法への汚染物質の抑制はしばしば、大幅な更なる資本と保守管理費用で追加的な部品を必要とした。 これらの汚染物質抑制装置の多くはプラント全体の寿命と比較して相対的に短命であり、結果として更なる保守管理費用につながる。 主要企業は低いNO放出を達成し、かつ希釈剤としての蒸気の使用を避けるために乾燥余剰空気への移行に協調した努力を行ったように思われる。
【0012】
非特許文献9は従来式の知識がタービン発電システムへの水噴射を思いとどまらせることを示している。 水を供給および処理する費用は実質的な障害として頻繁に指摘される。 解説者はサイクルに更に多くの水または水蒸気が加えられると効率が低下すると予期している(非特許文献10)。
【0013】
機械的作業および加熱の両方に熱力学的サイクルがときどき使用される。 燃焼工程によって作り出される熱は蒸気発生から地域暖房までいろいろな用途の熱に使用されることが可能である。 これらの「熱電気複合利用」(CHP:combined heat and power)用途はCHP装置の設計によって制限されてきた。 もしも熱または電力に関する要求がCHPシステムの設計から外れていると、特に熱水を供給するときに効率は大幅に低下する。
【特許文献1】米国特許第3,651,641号明細書
【特許文献2】米国特許第5,627,719号明細書
【特許文献3】米国特許第5,743,080号明細書
【特許文献4】米国特許第6,289,666号明細書
【特許文献5】米国特許第5,271,215号明細書
【特許文献6】米国特許第6,370,862号明細書
【特許文献7】イタリア特許TO92A000603号明細書
【非特許文献1】Lefebvre、1998、section 5−7−3
【非特許文献2】Bathie、1996、p139
【非特許文献3】Boyce、2002、p62
【非特許文献4】Lundquist、2002、p85
【非特許文献5】Gravonvski、2001
【非特許文献6】Maleckiらの「Application of and Advanced CFD-Based Analysis System to the PW600 Combustor to Optimize Exit Temperature Distribution-Part 1」、2001
【非特許文献7】Agren、「Advanced Gas Turbine Cycles with Water-Air Mixtures as Working Fluid」
【非特許文献8】SPE「Mashproekt」、「Aquarius Cycle」、http://www.mashproekt.nikolaev.ua
【非特許文献9】Lefebvre、1998、p337、CO vs NOX
【非特許文献10】PavriとMoore 2001、p18
【非特許文献11】The Gas Turbine Handbook、2003
【非特許文献12】Lefebvre 1998
【非特許文献13】Dixon 1998
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
多くのエネルギー変換システムおよび熱力学的システムで、システムのライフサイクルコストおよび排気を減少させ、かつ性能と信頼性を向上させる要望がある。 熱力学的効率を向上させ、費用を下げながらその一方でタービンのブレードの寿命、汚染物質排出を含めた設備、環境によって強いられる制限を維持もしくは向上させる同様の関心事がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明の一実施形態は、膨張したエネルギー流体から熱を更に効率的に回収する熱および質量の伝達システムを備えた新たな熱力学的発電サイクルを構成する工程を含む。 そのような実施形態では、ユーザは気化可能な成分(例えば水)を含む希釈剤を利用するために機能強化型VASTサイクルで動作するエネルギー変換システムを構成し、それにより、膨張器の下流で膨張したエネルギー流体からの効率的な熱回収を提供することが好ましい。 一実施形態では、液体の希釈剤、例えば水を加熱することによってVAST−Wサイクルが膨張した流体から熱を回収する。 別の実施形態では、液体の希釈剤、例えば水と水蒸気を加熱し、蒸発させ、かつ好ましくはスーパーヒート状態にすることによってVAST蒸気サイクル(VAST−WS)がその熱を回収する。
【0016】
他の実施形態では、VAST復熱型水−水蒸気サイクル(VAST−WSR)がVAST−WおよびVAST−WS部分それぞれと共に復熱装置を使用して膨張流体の一部から入来する酸化剤含有流体へと熱を回収するように構成される。 各々のサイクルは、混合物を供給し、かつ酸化剤含有流体を燃焼させるように動作可能であることが好ましい燃焼器、燃料含有流体、並びに液体の希釈剤および気化した希釈剤のうちの一方もしくは両方を含む。
【0017】
別の実施形態では、目的は熱発生部分から、および加熱された部分の冷却から熱を回収することである。 そのような実施形態では、ユーザは一以上の加熱された部分、および一以上のタービン、燃焼器、ジェネレータ、駆動部、およびモータといった熱発生部分から熱を回収するように希釈剤を分布させることが好ましい。 多数の流体と部分を冷却するように希釈剤の分布を管理し、かつ熱された希釈剤を燃焼器へと配給するように動作可能な制御器を構成することが好ましい。
【0018】
ある実施形態では、Ginterの特許、HagenらによるTrifluid特許出願、およびHagenらによる191特許出願に述べられているように、汚染物質を低く保ちながらその一方で化学量論に近い条件下でVASTサイクルを制御するためにVAST燃焼器が供給され、動作可能に構成されることが好ましい。 それらは、膨張器の上流で化学量論に近い条件で動作することを望まれる液体および/または蒸気の希釈剤すべてを収容するように構成されることが好ましい。 例えば、空気飽和限界、蒸気発生限界、および従来式のプレミックス燃焼性または燃焼安定性の限界、および小滴消炎限界(small droplet combustion quench limit)のうちの一以上を超えるために十分な希釈剤(例えば水と水蒸気)を加える。 更に低い酸化剤含有流体の流れを収容するために、圧縮機はタービンに相対してサイズ変更されることが好ましく、際立ったコストの節約を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つの目的はサイクルの中で希釈剤を供給および処理するコストを削減することである。 そのような実施形態では、膨張流体は凝縮器で冷却されることが好ましく、希釈剤は凝縮されて回収される。 回収効率を向上させ、かつ汚染物質排出を削減するために、冷却された希釈剤(水)を使用する直接接触型凝縮器が推奨される。 燃焼で形成される水および/または空気中の水分、ならびに噴射された希釈剤が回収されることが好ましく、サイクル自体を水中で十分にする。 余剰の希釈剤の回収は流体の放出によって流体の不純物の除去に役立つ。 酸化剤含有流体流の取り入れは対応する取り入れ不純物の削減に伴って減らされることが好ましい。 清浄な燃料および取り入れスプレー浄化でもって不純物レベルは希釈剤の放出によって抑制されることが可能である。 サイクルは希釈剤を処理および再利用することが好ましく、処理コストを削減する。
【0020】
別の実施形態では、目的は機械的出力への熱の変換を高めることである。 そのような実施形態では、圧縮機の圧力比(pressure ratio)は特に液体希釈剤の供給で上げられる。 ユーザは凝縮器または膨張器の下流に再圧縮機を構成することが好ましい。 燃焼器は更に小さい圧力低下のために構成されることが可能である。 凝縮器内の圧力損失を減少させるために直接接触型凝縮器が使用されることが可能である。 取り入れ用圧縮機、再圧縮機、燃焼器圧力損失、および直接接触圧力損失の圧力比はタービンを横切る望ましい正味の膨張比を達成するように構成される。 増大した膨張でもって、熱回収システムははるかに低い排出温度用に構成される。
【0021】
別の実施形態では、目的は高温のエネルギー(「作用」)流体温度およびシステムの効率を高めることである。 そのような実施形態では、TrifluidのVAST燃焼器は膨張器に入る横断方向の温度分布を制御するように動作可能であり、流体の流れを正確に制御する工程が使用されることが好ましい。 これは汚染物質レベルを抑制しながらその一方で同じピーク温度を伴った更に高い平均流体温度を可能にする。 燃焼器および膨張器の高温部分を冷却するために(空気冷却ではなく)希釈剤(例えば水および/または水蒸気)が使用されることが好ましい。 熱された希釈剤は上流で燃焼器の中に再循環され、それにより、エネルギー(作用)流体の希釈剤冷却を避け、更に圧縮機のサイズおよびコストを下げることが好ましい。
【0022】
別の実施形態では、別の目的は取り込む酸化剤含有流体を処理するためのコストとエネルギーを削減することである。 そのような実施形態では、余剰の希釈剤を使用して取り込み酸化剤流体をスプレーフィルタ処理するために直接接触器が使用されることが好ましい。 取り込み拡散器およびフィルタは、更に低い酸化剤の流れのためにサイズ変更される。 取り込み流体の密度を上げるために低温の希釈剤が使用されることが可能である。
【0023】
別の実施形態では、目的は気体状の酸化剤含有流体を発生電力に相対して圧縮するために超希薄燃焼で従来から必要とされる電力と設備とを削減することであり、それにより、圧縮機とタービンの正味の比出力を上げ、システムのコストを下げる(すなわち、ポンピング出力を差し引いた全体的なタービン出力をそれぞれの質量流量で割ったものである。)。 そのような実施形態では、希釈剤として一般的に使用される余剰の気体状酸化剤含有流体を減らし、かつガスのポンプ作用を液体のポンプ作用で置き換えるために少なくともいくらかの気化可能な希釈剤が使用されることが好ましい。 気化可能な希釈剤は膨張器を通って流れるエネルギー流体の体積当たりで更に多くの熱を移動させる。
【0024】
別の実施形態では、サイクルは圧縮の熱を回収するために希釈剤を使用しながらその一方で酸化剤含有流体を冷却するように圧縮機を構成する。 このサイクルは、圧縮機のプレクーラ(precoolers)、インタークーラ(inter-coolers)、およびイントラクーラ(intra-coolers)内の希釈剤供給の空間分布を改善するために、191特許出願に教示されているような直接流体接触器を使用することが好ましい。 冷却希釈剤を使用する表面型熱交換器が、熱交換システムまたは燃焼器の中に再循環される加熱された希釈剤を備えて使用されることが可能である。
【0025】
本発明の他の実施形態では、目的は化学量論に近い条件で動作させながらその一方で主な汚染物質レベルを望ましい限度以下に抑制することである。 流体供給の横断方向の分布を制御することが可能なVAST燃焼器が、低い汚染物質放出を達成しながらその一方で化学量論に近い条件および温度の横断方向の分布を与えるように動作可能となるように利用されることが好ましい。 そのような実施形態では、低い余剰量の酸化剤を使用しながらその一方でピーク燃焼温度を抑制するように動作可能な燃焼器を使用することによって、窒素酸化物(NO)の放出は大幅に低減される。 横断方向の温度分布および流体組成分布を制御するように動作可能な燃焼器を使用することによって、一酸化炭素低い放出量を伴った良好な燃料酸化および残留燃料成分が達成される。
【0026】
別の実施形態では、1つの目的は特定の用途に関して望まれるように熱電気複合利用(CHP:Combined Heat and Power)に熱水、飽和水蒸気、およびスーパーヒート状態の水蒸気のうちの一以上を供給可能なようにVASTサイクルを構成することである。 そのような実施形態では、熱および質量の伝達システムはそのような熱された流体を機械的出力または電力と共に取り出すための一以上の場所を備えて構成されることが好ましい。 希釈剤の供給、熱の回収、および燃焼器は、気化希釈剤(例えば水蒸気)の供給、総熱量のQ、および機械的出力もしくは電力全体にわたるフレキシブルな制御を提供するように構成され、かつ制御可能であることが好ましい。
【0027】
本発明、および先行技術を上回って達成される利点を説明する目的で本発明の実施形態のある目的および利点が上記で述べられたことは留意されるべきである。 もちろん、必ずしもそのような目的または利点のすべてが本発明のいずれかの特定の実施形態に従って達成されることが可能ではないことは理解されるはずである。 従って、例えば、本明細書に教示されるような1つの利点または利点のグループを達成し、本明細書に教示もしくは示唆され得るような他の目的または利点を必ずしも達成することのない方式で本発明が具現化もしくは実行され得ることを当業者は認識するであろう。
【0028】
こうして本発明の総合的な性質およびその特徴と利点のいくつかを要約してきたが、各々が本発明の一実施形態による特徴および利点を有する添付の図面を参照している詳細な説明から、ある好ましい実施形態およびその改良例が当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[概要]
Ginterの特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4は、燃焼を冷却するために(水のような)液体の熱希釈剤を熱力学サイクルの中に最初にポンプ噴射し、余剰の希釈用空気の使用を削減するVAST熱力学発電サイクルを教示している。 このVAST(「Value Added Steam Technology」)サイクルはBraytonサイクルとRankineサイクルとの間の混成であり、希釈剤として流体の水を使用することが好ましい。 それは燃焼の高温生成物とスーパーヒート状態の水蒸気との両方を含むVAST直接接触流体燃焼器内で形成されるエネルギー流体を使用する。 軸動力および/または電力を、例えばタービンもしくはレシプロエンジンを介して発生させるためにこの高温エネルギー流体は膨張器を通じて膨張させられることが好ましい。 それはまた、熱電気複合利用(CHP)も提供することが可能である。
【0030】
図1を参照すると、膨張流体を形成し、作用出力を供給する膨張システム5000にエネルギー流体を形成して供給するためにVAST熱力学サイクルは燃焼システム4000を利用する。 例えば、タービンを通じて作用流体を膨張させる。 膨張システムは大気圧より低い圧力に膨張させ、再び加圧し、冷却された膨張流体を排気して雰囲気条件に戻すことが可能である。
【0031】
熱および質量の伝達システム6000はシステムに希釈剤を分配するために使用される。 それは例えば膨張流体から熱を回収し、燃焼システムおよび膨張システムのような部分を冷却し、モータ、ポンプ、ベアリング、および電磁コンバータと制御器といった加熱された部品を冷却する。 それは例えばモータ、ポンプ、およびベアリングに関して作用入力を受け取る。 そのようにすると、それは燃焼システム、膨張システム、および酸化剤供給システムといったシステムまたは部品に冷却希釈剤を配給して熱された希釈剤を受け取ることが可能である。 熱および質量の伝達システムは希釈剤含有流体、酸化剤含有流体、燃料含有流体、または冷却剤流体を使用して熱を回収することが可能である。 それは膨張させられ、冷却された流体を排出することが可能である。 それは暖房または冷房のために高温または低温の流体を供給することが可能である。 それはまた、希釈剤、水、および熱のうちの一以上を放出することも可能である。
【0032】
燃料供給システム3000は燃料を受け取り、処理された燃料を熱および質量の伝達システム6000を通じて燃焼システム4000に供給するために設けられる。 それはポンプおよび流体処理のための作用入力を必要とする。 酸化剤供給システム1000は酸化剤含有流体(「オキシダント」と呼ばれる)を燃焼システム4000、熱および質量の伝達システム6000、および膨張システム5000のうちの1つまたは複数へと供給する。 それは流体圧縮および/またはポンプ送出、および流体処理のための作用入力を必要とする。 希釈剤供給システムは外部の回収された希釈剤を受け取り、処理された希釈剤を熱および質量の伝達システム6000へと供給する。 それはポンプ送出および流体処理のための作用入力を必要とする。
【0033】
VASTサイクルは膨張器5100の上流に供給される水の直接接触によって、特に圧縮機と膨張器との間の燃焼器内の燃焼流体またはエネルギー流体との接触で水蒸気を形成するように液体の水を中にポンプ送出することが好ましい。 これは冷却されたブレードを備えたタービン5100内で使用可能な最も高い可能な温度で水蒸気を形成する。 VASTシステムは比較的低温に保たれる断熱された圧力容器を使用し、安価な圧力容器材料および構造の使用を可能にすることが好ましい。 この取り組み方は、燃焼熱が表面型熱交換器を通じて移されなければならない従来の冶金学的限界を回避する。 従って、それは従来式の蒸気発電システムの温度への主な制約、およびそれに対応する作用流体温度とシステム効率への制限を回避する。
【0034】
カルノーの法則によって、膨張器への入口でのエネルギー(作用流体)の高温度と膨張器の出口での低温度との間の差が高い絶対温度で割った値が増大するにつれて熱力学的効率が増大する。 VASTサイクルを利用するガスタービンは高圧冶金学的限界の約1373K(1100℃)に比べて約1773K(1500℃)の温度で動作することが可能である。 VASTサイクルは、関連するTrifluid特許出願に教示されているTrifluid燃焼器の実施形態を使用することが好ましい。 Trifluid燃焼器は、燃焼器から出るエネルギー流体F405のピーク温度をタービンのブレードの許容可能な材料の温度および応力で与えられる所望の設計の、または許容可能なピーク動作温度に、与えられた付随のブレード冷却で極めて精密かつ正確に操作者が制御または制限することを可能にする。 それはまた、燃焼器を出て膨張器に入るエネルギー流体F405の空間温度分布を制御することを可能にする。
【0035】
そのような正確なピーク温度制御で、利用可能なブレード冷却を前提として、ユーザはタービンのブレードにとって望ましい温度プロファイルに合わせるように空間温度制御を調節することによってエネルギー流体F405内の平均温度を上げることが好ましい。 燃焼器のライナーを冷却するための熱希釈剤の使用はライナーを冷却するために従来使用された気体の熱希釈剤(例えば空気)を削減するかまたはそれに置き換わる。 その後、熱された希釈剤は上流で燃焼器の中に供給される。 これはライナーを通じて熱損失を燃焼チャンバ4100へと戻して再循環させ、関連技術におけるエネルギー流体F405内の平均温度の関連した低下の大部分を回避する。
【0036】
これらの方法のうちの一以上を使用することが好ましい実施形態は、エネルギー流体F405の使用可能平均(高)温度を上昇させ、それに相応して従来式の技術に相対するカルノー熱効率を高めながらその一方で膨張器5100の下流で同じピーク温度、例えば同じピークのタービン入口温度(TIT:Turbine Inlet Temperatures)を制御する。
【0037】
好ましくはライナーを通る共通の余剰量酸化剤冷却流を削減するかまたは置き換えることによって、ユーザは燃焼器出口を横切るエネルギー流体F405の静圧分布および速度分布の空間的均一性を向上させる。 エネルギー流体F405内のこれらのパラメータ分布の向上はタービン5100の中のフローパターンを大幅に向上させ、タービンの効率を高める。
【0038】
VASTサイクルは、膨張器の下流の膨張流体の流れを冷却し、かつ希釈剤を凝縮させるために直接接触型熱交換器7500を使用することが好ましい。 分散された直接接触型熱交換器7500を使用することによってユーザは熱伝導を改善し、結果として従来技術の表面型熱交換器と比較して更に近い接近温度につながる。 それらは実効フロー面積を増大させ、凝縮器7500を横切る実効圧力低下およびエネルギー損失を減少させる。 これらの方法のうちの一方または両方を使用する実施形態はカルノー効率内の実効冷却温度を下げ、それにより、カルノー効率を上げる。
【0039】
余剰の酸化剤含有流体(例えば空気)の大部分を置き換えるために液体の熱希釈剤(例えば水)を供給することによって、いくつかの実施形態は酸化剤流体圧縮機1300および熱希釈剤ポンプ内の寄生ポンピング損失を大幅に減少させる。 スプレー式直接接触フィルタの使用は寄生の取り込み流体圧力損失を減少させる。 そのようなフィルタは圧縮機1300内のごみの蓄積に由来する効率の低下を削減する。 そのような直接接触フィルタによる浄化はタービンの後方で凝縮される流体の中にそのまま残る物質の量を減少させる。 これは凝縮した流体を再循環させるために必要とされるフィルタ処理とpHバランス調節、および対応する寄生ポンピングを削減する。 これらの寄生ポンピング損失のうちの一以上を削減することによって、記述した様々な実施形態は正味のシステム効率を大幅に高める。
【0040】
VAST熱力学サイクルの正味の比出力および効率は、本明細書および191特許出願およびTrifluid特許出願に述べられるようなTrifluid燃焼器、直接接触型凝縮器7500、および直接接触型フィルタのうちの一以上の実施形態を使用することによって大幅に改善される。
【0041】
[熱および質量の交換システム]
[エコノマイザ]
図2を参照すると、いくつかの構成では、希釈剤回収システム6010から(例えば凝縮器または予熱ヒータ7100を介して)受け取った熱希釈剤F249を加熱し、かつ膨張器(EXP)5100から排出されて凝縮器または予熱ヒータに到達する前の膨張流体F420から熱を回収するためにユーザは熱交換器エコノマイザ(ECO)6500を供給することが好ましい (例えば図02、図03、図04、および図27参照。)。VASTサイクルでは、膨張器5100から出る膨張流体F420は通常では不飽和である。 従って、エコノマイザ6500については表面型熱交換器が使用されることが可能である。
【0042】
いくつかの構成では、ユーザは合計の再循環希釈剤の一部だけをエコノマイザ6500を通して導くことが好ましい。 例えば、図2を更に参照すると、エコノマイザ6500に向かって進むフローF248の一部分対酸化剤供給システム1000に向けて方向付けられる希釈剤フローF250の一部分の間でフローF220を分割するためにフロースプリッタ6320を設けている。 このスプリッタ6320はそれらのフローF248とF250の間で方向付けられた流体の部分にわたって能動的な制御を提供することが可能である。 それらは、膨張流体または酸化剤含有流体のような流体のフローを冷却するための一層低い温度の流体、および/または機器の温度を制御し、かつ/または効率を高めるための熱発生機器を必要とするシステムの部分に対する希釈剤のバランスのいくぶんか、または全部をダクト接続することが好ましい。 例えば、191特許出願に教示されているように、希釈剤の噴霧を第1の圧縮機1310の中に取り込むためにユーザは冷却フローの一部分を直接接触混合器へと方向付けることが好ましい。
【0043】
同様に、ユーザは一以上の直接接触器を191特許出願に教示されているように、低圧圧縮機1310と高圧圧縮機1350の一以上の圧縮機段の間にスプレー式インタークーラとして設けることが可能である。 それらは、Trifluid特許出願に教示されているように、燃焼器4000内で燃焼チャンバ4100を取り巻く圧力容器を冷却するための希釈剤を同様に供給することが可能である。 図37および表1に示されるVAST−WSサイクルでの構成の結果では、エコノマイザ6500を通して希釈剤フローの一部を方向付け、一部を直接的に燃焼器4000の中に方向付けることが、エコノマイザを通して熱希釈剤の全部を加熱のために方向付けるよりも高い熱的経済利益を与えた。
【0044】
【表1】

【0045】
改良を加えた構成では、ユーザは希釈剤回収システム6010(例えば表面型凝縮器7400)の後段に可変式フロースプリッタ6320を設けることが好ましく、それにより、熱希釈剤の一部もしくは全部を下流の予熱ヒータ7100へと方向付け、それにより、膨張流体F475を雰囲気条件へと排出する拡散器5900(または排気管、または排気筒)へと排出される膨張流体F421から熱を回収する。 このスプリッタ6320は予熱ヒータ7100を通る熱希釈剤フローの量を調節することを可能にし、従って、予熱ヒータを出る熱希釈剤フローF270の温度に直接的に影響を及ぼす。 これはまた、エコノマイザを通る希釈剤フローF249の量にも影響を与え、従ってエコノマイザ6500を出る熱希釈剤フローF275の温度に影響を与える。
【0046】
いくつかの構成では、ユーザはVAST−W(VAST Water Economizer Cycle)上のエコノマイザを備えたエネルギー変換システムを操作することが好ましい。 それらは、加熱された希釈剤F275を気化させずにエコノマイザ6500の下流で燃焼システム4000へと供給するために熱希釈剤(例えば水)を十分な圧力に加圧することが好ましい。 例えば、それらは、水の希釈剤フローF248を加圧し、加圧された水の希釈剤フローF249をエコノマイザ6500へと供給し、その結果、加圧された熱水のフローF275を形成し、燃焼器への供給の前に水を水蒸気へと蒸発させることなく燃焼システム4000へと供給するためにポンプ7800を使用することが可能である。 膨張器5100を通した高い膨張比を使用し、膨張流体F420を凝縮させることによって、ユーザは従来式のサイクルに比べて膨張器(タービン)によって作り出される質量流量当たり大幅に大きな出力を達成する。 それは膨張器から出てエコノマイザ6500に入る膨張流体F420に、関連技術よりも更に低いタービン出口温度を与える。
【0047】
VASTエコノマイザサイクルに関すると、適切な燃焼器を使用することによって、および沸騰などを生じさせることなく燃焼器に供給される熱希釈剤を収容するように膨張器に相対して酸化剤供給システムを構成することによって化学量論に近い条件で動作することが好ましい。 図37および表1に示されるように、そのようなVAST−W構造で、ユーザは関連技術の構成よりも大幅に小型で安価な圧縮機を使用することが可能となる。 同様に、VAST−Wサイクルのエコノマイザ単独に関する面積とコストは表1に示された複合サイクル、STIG、HAWIT、およびHATのそれらよりも大幅に小さくかつ安価である。
【0048】
図37および表1に示された相対的な据え付け資本コストは関連技術の複合サイクル(CC)の「湿式」サイクル、蒸気噴射ガスタービン(STIG、または同等のCHENGサイクル−図53)、RWI(Recuperated Water Injection−図54)、HAT(登録商標)(Humidified Air Turbine(登録商標)または同等の蒸発ガスタービンEvGTサイクル−図55)、およびHAWIT(Humidified Air Water Injection Turbine−図56)の「湿式」サイクルに比べてVAST−Wシステムの大幅な経済的利点を実証している。 図37および表1は圧縮機圧力比30(すなわち約30Barの燃焼器入口圧力)で動作する共通の1300℃のタービン入口温度を備えた50MWの電力システムを想定している。 これらは一年間で4000時間または8000時間の運転を想定しており、地域暖房またはスチームといった追加的な熱の回収と使用の恩典は想定していない。 これらのサイクルの比較では、同じ部品コストの方程式および釣り合った据え付け条件がTraversoとMassardo(2003)およびそれに類似したTraversoとMassardo(2002)に基づいてサイクルの各々について使用されている。 これらは2000年の米国内の平均の産業用天然ガスおよび電力料金を想定している。
【0049】
【表2】

【0050】
図38を参照すると、ユーザは従来式の湿式サイクルに比べて優位性のある効率を備えたVAST−Wサイクルを使用して更に高い熱的経済利益を達成する。 図38で、右の目盛りは8000時間/年の基本負荷運転に関する。 左のそれは年に4000時間を想定した、すなわち50%負荷の部分負荷運転に関する。 これらの構成から、ユーザは15よりも大きい、好ましくは30よりも大きい、更に好ましくは40よりも大きい圧力比ベータ(pressure ratios Beta)を備えたVAST−Wサイクルを、優位性をもって運転することが可能である。 VAST−Wサイクル構成で評価される内部収益率%は示された圧力比ベータの範囲全体にわたって、特に20から30の圧力比ベータの範囲で関連技術の「湿式」サイクルよりも大幅に高い。 示されたVAST−Wサイクルの低位発熱量(LHV)のサイクル効率は、最も近い経済利益を示したSTIGおよびHAWITサイクルと競合し得る。
【0051】
更に図38を参照すると、VAST−Wサイクルに関する内部収益率は2000年の米国の想定された産業用燃料および電力料金に関して、約15を超える圧力比でSTIGサイクルよりも高い。 更に、VAST−W構成で想定される165Barからの水供給圧力の改善および削減が更にこれらの利点を向上させると期待される。 VAST−W構成が、特に部分負荷運転のこの出力での2つの圧力レベルの複合サイクル構成と比較して優れた収益を示すことに留意すべきである。 高い効率を備えた複合サイクル構成は低い効率と高いIRRを備えたものが最高のライフサイクルの経済収益を追求するように調節された間に最高の効率を追求するように調節された。 示されたVAST−Wおよび他のサイクルは所定の圧力比で最高の効率を追求するように調節された。 改良された構成がこれらのサイクルに関して収益を更に向上させることが可能である。
【0052】
[蒸発器(ボイラ)]
[VAST蒸気サイクル(VAST−WS)]
いくつかの実施形態で(図2に相対して)図3を参照すると、ユーザは膨張流体から熱を回収しながらその一方で希釈剤を沸騰させることで蒸気の希釈剤を形成するように設計された熱交換器を利用することが好ましい。 希釈剤を沸騰させるように動作可能ないくつかの熱交換器は、膨張器5100を出る膨張流体F420から排熱を回収しながらその一方で熱希釈剤F251を蒸発させる分離型蒸発器(EVA)6600として特別に構成されることが可能である。 この蒸発器6600は膨張器を出る膨張エネルギー流体に相対してエコノマイザ6500の上流(またはエコノマイザを出発する希釈剤流体F250に相対して下流)に置かれる。
【0053】
更に図3を参照すると、ユーザは蒸発器6600内で形成される希釈剤蒸気F252をスーパーヒート状態蒸気にするため、およびスーパーヒート状態の希釈剤F275を形成するために分離型スーパーヒータ(SH)6700を供給するように熱交換器を構成することが可能である。 このスーパーヒータ6700は膨張器5100を出る膨張エネルギー流体F420に相対して蒸発器6600の上流に配置されることが好ましい。 この構成で、スーパーヒート状態にされた蒸気の希釈剤F275、飽和した蒸気の希釈剤F252、および高温の液体希釈剤F251が膨張流体F420から熱を回収して形成される。 これらは燃焼器へと供給され、かつ/または他の熱応用のために使用されることが好ましい。 例えば、図3を参照するとユーザは、タービン5100の下流で膨張流体F420から熱を回収しながらその一方で希釈剤(例えば水)を沸騰させることによってVAST蒸気サイクル(VAST−S)を構成することが好ましく、それにより、熱水F251、飽和水蒸気F252、および場合によってはスーパーヒート状態の水蒸気F275のうちの2つ以上を形成する。 図44を参照すると、いくつかの構成でユーザは形成される気化希釈剤に対する液体の希釈剤の割り当てを調節するために圧縮機の圧力比ベータを調節することが可能である。
【0054】
いくつかの構成では、ユーザはエコノマイザ6500によって加熱された熱希釈剤の一部だけを蒸発器6600を通して供給することが好ましい。 更に図3を参照すると、ユーザは熱希釈剤の少なくとも一部分を液体希釈剤として燃焼器に供給することが好ましい。 蒸発した熱希釈剤の少なくとも一部分を燃焼器に供給することが好ましい。 これは熱回収の熱的経済性およびシステムの効率を向上させる。
【0055】
改良を加えられた構成の図29を参照すると、ユーザはエコノマイザ(ECO)6500と蒸発器(EVA)6600との間の希釈剤フローを制御することで他の場所と比較して蒸発器に向けられる希釈剤の割り当てを制御するために可変式のフロースプリッタ6350を設けることが好ましい。 例えば、ユーザはエコノマイザ6500から蒸発器6600へと進む液体希釈剤に対する燃焼システム4000へと進む液体希釈剤の割り当てを制御するためにスプリッタ6350を使用することが好ましい。 これは蒸発器を通る熱希釈剤のフローの量の調節を可能にし、従って形成される蒸気の量、ならびにエコノマイザを出るフロー加熱希釈剤の温度の調節を可能にする。 ユーザはエコノマイザを出る流体の温度を沸点よりも数度下になるように制御するためにこの比を制御することが好ましい。 例えば、エコノマイザを出る加熱液体希釈剤の温度に関して沸点よりも下の3℃の温度差が想定された。 これはエコノマイザを出る膨張流体F420の温度に間接的に影響を与える。
【0056】
[スーパーヒータ(ガス−ガス熱交換器)]
改良を加えられた実施形態では、ユーザは膨張器5100を出る膨張流体から熱を回収しながらその一方でスーパーヒート状態の希釈剤を形成するように動作可能な熱交換器を構成することが好ましい。 例えば図3を参照すると、ユーザは膨張器5100を出る膨張エネルギー流体F420から一層高い温度の熱を回収しながらその一方で蒸発した熱希釈剤蒸気F252を加熱するためにエコノマイザ6600(および蒸発器6500)の上流にスーパーヒータ(SH)6700を追加することが可能である。 VAST蒸気サイクル(VAST−WS)は蒸発器(EV)6600とスーパーヒータ(SH)6500の両方を有することが好ましい。
【0057】
[ユーザ用途への加熱希釈剤]
図29を参照すると、いくつかの構成で、図3に示されたVAST−WSに使用される熱回収システムは蒸発器6600とスーパーヒータ6700との間に可変式フロースプリッタ6360を有するように改良されることが好ましい。 これは希釈剤蒸気のフローF252(例えば飽和水蒸気)の一部もしくは全部を(暖房または冷房といった)熱応用に向けるため、および蒸発した希釈剤の残りのフローをスーパーヒータ6700へと向けるために使用されることが可能である。 このフロースプリッタ6360はスーパーヒータ6700を通る蒸気フローの量を調節することを可能にする。 ユーザはスーパーヒータから流れ出るスーパーヒート状態の熱希釈剤の温度を制御するためにこのフロースプリッタを使用することが可能である。
【0058】
図28を参照すると、図3に示されたVAST−Sサイクルは、場合によって、または選択的に温かい希釈剤、熱い希釈剤、飽和水蒸気、および/またはスーパーヒート状態の水蒸気のうちの一以上を他の内部もしくは外部の熱応用のために熱および質量の伝達システム6000へと供給するように一以上のスプリッタバルブを追加することによって改良されることが可能である。 例えば、温水用途に温水を供給するために希釈剤処理システム(DTS)2010とエコノマイザ(ECO)6500との間にスプリッタバルブ6310が構成されることが可能であり、熱水用途に熱された希釈剤流体の一部を転用するためにエコノマイザ(ECO)6500と蒸発器(EVA)6600との間にスプリッタバルブ6340が構成されることが可能であり、蒸気用途に蒸発した希釈剤を供給するために蒸発器(EVA)6600とスーパーヒータ(SH)6700との間にスプリッタバルブ6360が構成されることが可能であり、スーパーヒート状態の蒸気用途にスーパーヒート状態の希釈剤を供給するためにスーパーヒータ(SH)6700と燃焼システム4000との間にスプリッタバルブ6370が構成されることが可能である。
【0059】
図1を参照すると、加熱されているかまたは熱発生用の部品を所望通りに冷却するためにこれらの希釈剤フローのうちの一以上がエネルギー変換システムの中で使用されることが好ましい。 例えば、燃焼器および膨張器のうちの一方または両方を冷却する。 図28を参照すると、温水、熱水、飽和水蒸気、またはスーパーヒート状態の水蒸気のその他のユーザ用途のためにこれらのフローのうちの一以上がエネルギー変換システムの外で同様に使用されることが可能である。
【0060】
更に図28を参照すると、燃焼工程を制御しながらその一方でユーザ用途への熱された希釈剤フローの供給への制御を与えるために、ユーザは熱された流体が望まれる熱交換器の前段にフロースプリッタバルブ6320を設けることが好ましく、それにより、燃焼工程を制御するため冷却用希釈剤を燃焼器へと方向付ける一方でなおもユーザ所望の熱フローを供給するために十分な熱を回収する。 温水もやはり所望される場合では、希釈剤回収システム(DRS)6010の冷却用部分の更に近くの(膨張流体に関して)更に下流でこのスプリッタバルブ6320もしくは類似したスプリッタバルブが配置されることが可能である。 異なる温度を伴った複数の液体希釈剤フローが図示されるように混合器6190で合流させられ、図28に示されるように一緒に燃焼器へと方向付けられることが可能である。 それらはまた、熱的勾配への所望の制御に従って多数の流れで燃焼器へと方向付けられることも可能である。
【0061】
そのような制御方策は膨張流体から回収可能な熱のいくぶんか、または全部をユーザが利用することを可能にする。 燃焼器に入る希釈剤のフローは従って、希釈剤の温度の差異の原因となるように調節される。 ユーザはこれを、ユーザに提供される熱に従って極めて高温から低温までの希釈剤温度に対応するように動作可能なVAST燃焼器と結び付けて使用することが好ましい。
【0062】
低下した圧力または温度または両方を下流でユーザが希望もしくは要求する(例えば地域暖房)場合に、圧力または温度のうちの少なくとも一方のパラメータを下げるために温度低減器を伴うかまたは伴わない一以上の緩熱器(desuperheaters)が使用されることが可能である。 サイクルの内部および外部供給源(例えば地域暖房から戻される流体)から由来する熱的希釈剤が水の温度を低減する源として使用されることが可能である。
【0063】
[復熱器(Recuperator:ガス−ガス熱交換器)]
図4を参照すると、ユーザは膨張流体から燃焼器4000に供給される酸素含有流体へと熱を回収するために復熱器(REC)6800を追加することによって(図3に示されるような)VAST−WSサイクルを改良することが可能である。 この改良は図32に更に示されている。 例えば、加熱された膨張流体を2つの流れで方向付けるためにスプリッタ6410が設けられることが可能である。 一方の加熱された膨張流体の流れF422は希釈剤に熱を回収して希釈剤含有流体を蒸発させ、かつスーパーヒート状態にするために一以上の熱交換器を通して使用される(例えば、図4に示されるような一以上のスーパーヒータおよび蒸発器)。 他方の加熱された膨張流体の流れF435は、熱された酸化剤含有流体F435を燃焼器4000に供給する前に、酸化剤供給システム(例えば圧縮機1350)から入来する酸化剤含有流体F160を加熱するために復熱器(REC)6800を通して方向付けられる。
【0064】
更に図4を参照すると、復熱器6800および蒸発器6600から出る2つの冷却された膨張流体の流れは混合器6180で組み合わされ、組み合わされて部分的に冷却された流体流および熱希釈剤含有流体から(例えば熱水へと)更なる熱を回収するためにエコノマイザ6500を通して方向付けられることが可能である。 エコノマイザ6500は再び組み合わされて膨張させられた流れから熱を回収して希釈剤含有流体を加熱する。 エコノマイザを出る加熱された希釈剤の流れは蒸発器6600と他の用途の間で希釈剤のフローを分配するためにスプリッタ6350を通して方向付けられることが好ましい。
【0065】
スプリッタ6350によって迂回させられた希釈剤のフローは、復熱器6800の上流で酸化剤含有流体と混合されるいくらかの希釈剤のフローを方向付けるために別のスプリッタ6351を通して方向付けられることが好ましい。 スプリッタ6351から出るフローの他の部分はこの実施形態では燃焼器4000へと供給されるように示されている。
【0066】
更に図4および図33を参照すると、液体希釈剤含有流体はまた、最後の圧縮段を出発する酸化剤含有流体を後冷却するために使用される追加的な希釈剤含有流体と混合されることも可能であり、この組み合わされた希釈剤含有流体が加湿装置または「飽和装置」へと送られる。 この加湿装置または飽和装置は充填層接触器であることが可能である。 ユーザは気化可能な希釈剤を圧縮された酸化剤含有流体の中に配分するように直接接触器を構成することが好ましい。 例えば、流線形にされた直接接触器を通して水を噴霧する。 これは加湿装置を横切る必要な容積および圧力降下を減少させることが可能である。
【0067】
図33を参照すると、上述された復熱VASTサイクルの実施形態の改良では、復熱器6800の下流の第2の膨張流体の流れから熱を回収するため、および加湿装置もしくは飽和装置に供給される液体希釈剤を加熱するために第2のエコノマイザ6510が使用されることが可能である。
【0068】
いくつかの実施形態では、復熱器に供給される圧縮された酸化剤含有流体の中に熱的希釈剤を供給することでタービン膨張器の下流の膨張流体からの熱の回収を補助するためにユーザは直接接触器を設ける。 圧縮流体の比熱容量を高め、それにより、表面熱伝導を向上させ、かつ復熱器のサイズとコストを下げるためにユーザは圧縮された流体の流れに液体希釈剤を供給することが好ましい。
【0069】
[予熱ヒータ]
いくつかの実施形態では、低い温度の希釈剤(例えば水)から中程度の温度へと熱的希釈剤を予熱し、かつ雰囲気条件へと放出される前に再圧縮機5300によって加熱される冷却膨張流体(または「燃焼排ガス」)から熱を回収するためにユーザは予熱ヒータ7100を利用することが可能である(例えば図02、図03、および図04参照)。 いくつかの構成では、予熱ヒータの寄与は比較的小さいことが可能であり、ユーザはそれなしでVAST−W、VAST−WS、およびVAST−WSRのうちの一以上を形成することが可能である。
【0070】
改良された構成では、ユーザは回収される合計の希釈剤の一部だけを予熱ヒータ7100を通して方向付けることが好ましい。 それらはフローまたは機器を冷却し、かつ効率を改善するために更に低い温度の流体を必要とするかまたは要求するシステムの部分に対する回収された熱的希釈剤のバランスのいくぶんか、または全部をダクト接続することが好ましい(例えば図02、図03、および図04参照、そこではフローの一部分F270が圧縮された酸化剤のフローを冷却するために酸化剤供給システムへと方向付けられる)。
【0071】
例えば、ユーザは冷却用フローの一部分を圧縮機へのスプレー式同伴装置、または低圧と高圧の圧縮機の間のスプレー式インタークーラ、および/または冷えた圧力容器へと方向付けることが好ましい。 いくつかの構成では、フローの一部を予熱ヒータに通して方向付けることが熱的希釈剤全部を加熱のために予熱ヒータに通して方向付けるよりも高い熱的経済利益を与えた。 従って、ユーザは更に低い温度の熱的希釈剤F248をフローF270よりもエコノマイザ6500へと供給して圧縮機をインタークールし、それにより、サイクルの効率を向上させることが好ましい。
【0072】
他の構成では、ユーザが暖房または発電システム内の復熱器をエコノマイザで置き換えることがいくつかの構成では好ましい。 再圧縮機を含ませることが好ましい。 これらの方策のうちの一方または両方が膨張器を出る膨張流体の温度を大幅に下げる。 これらの方策は熱回収装置の動作温度および付随するコストを極めて大幅に下げる。 いくつかの構成では、ユーザが蒸発器およびスーパーヒータを含ませることが好ましい。
【0073】
これらの方策のうちの一以上は暖房または発電システムの熱力学的効率を大幅に上げる。 例えば、従来式のマイクロタービンでは、約80kWから約100kWで単純なサイクルに関する約23%から復熱型のマイクロタービンに関する30%〜31%へとシステムの効率を上げるためにしばしば復熱器が設けられる。 VASTサイクルは、発電機、電力変換器、および軸受けに関して80%の組合せ効率を仮定すると約3パーセントポイント、または約10%から約33%へと効率を向上させる。
【0074】
同様に、改善されたパワーエレクトロニクスで、VAST−WエコノマイザとVAST−WS蒸気サイクルはシステムの効率を約3から4パーセントポイント向上させ、あるいは効率で約10%向上させる。 これは発電機効率約98%、可変周波数型電力変換エレクトロニクスの効率約95%、軸受けおよび他の部品の効率約93%〜95%を想定している。 例えば、これらはVASTエコノマイザとVAST蒸気サイクルに関して約100kWで約32.5%から約35.7%の効率(LHV)を与える。
【0075】
これらの効率はタービン入口温度で大幅に向上し、例えばエコノマイザだけを備えた100kWのVASTマイクロタービンシステムについては、950℃で約32.5%の効率を示すと予期され、これらが1000℃で約33.8%、1200℃で約36.1%、および1200℃で約36.9%へとタービン入口温度と共に上昇する。
【0076】
熱回収方法のこれらの構成は熱力学的システムのコストも同様に下げる。 例えば、マイクロタービンシステムでは、例えば200kWおよびそれ以下で、復熱器単独でしばしば圧縮機とタービンの組合せと同じかそれを超える費用となる。 更に、高温の復熱器は修理と保守管理の大部分(伝えられるところでは、いくつかのシステムで約80%)を生じさせる。 好ましくは復熱器を蒸発器で置き換え、更に高い圧力および膨張を使用することによって、ユーザはマイクロタービン発電システムのコストを約20%から約25%削減する。
【0077】
向上した効率と削減されたコストのそのような組合せは、好ましくはそれに続く一以上の凝縮器を供給し、対応するパラメータおよび利益を達成することについて資本コストを大幅に改善する。
【0078】
膨張させられて冷却された流体F460は凝縮器を通り、冷えた熱的希釈剤に向けて方向付けられることが好ましい。 冷却に使用される凝縮希釈剤含有流体と液体希釈剤含有流体、および冷却された膨張流体から由来する凝縮希釈剤含有流体の両方が回収されることが可能である。
【0079】
図34を参照すると、表面型熱交換器7400に関して対向流(counter-flow)式構造が選択されることが好ましい。 これは回収される冷却剤もしくは希釈剤の更に高い温度を得ながらその一方で凝縮されるフローの更に低い温度と圧力の利点を提供する。 希釈剤を凝縮させることに加えて、表面型熱交換器は入来する膨張流体からある程度の熱を回収するように構成されることが好ましい。 熱のうちのいくらかはこうして冷却剤のフローで回収される。 希釈剤は冷却剤のフローとして使用されることが好ましい。 例えば高純度の水である。 改良された実施形態では、ユーザは対向流または並行(co-flow)流の構造を供給することが可能である。
【0080】
凝縮された希釈剤は凝縮器内の膨張冷却流体の低い圧力から望ましい復帰圧力へとポンプアップされる。 キャビテーションを削減もしくは回避するために気圧計の脚部が追加され、その脚部の下方にポンプが置かれることが可能である。
【0081】
凝縮器から出る凝縮体の最も高温の部分は、膨張器出口の上流に供給されて熱交換器からユーザの様々な熱用途へと方向付けられる希釈剤含有流体の量と等しい量で熱および質量の伝達システムへと再循環させられることが好ましい。 この温かい希釈剤のフローは再び所望通りに熱を回収するために一以上の熱交換器を通じて処理され、圧縮機1300、燃焼器4000、および膨張器5000に向かって再び方向付けられて戻される。 十分量の温かい希釈剤もしくは冷却剤流体が表面型熱交換器7400の最も冷えた部分から集められ、冷却サイクルを循環させられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、酸素または酸素濃縮された空気との燃焼がある程度、または実質的にすべての窒素、および他の非凝縮性気体の熱的希釈剤を排除する。 いくつかの実施形態では、空気中の窒素および他の希釈剤を削減または除去することが燃焼によって形成される二酸化炭素を冷却膨張流体から分離除去する工程のエネルギー、機器、およびコストを同様に下げる。
【0083】
図35を参照すると、いくつかの実施形態ではユーザは分散型直接接触凝縮器7500を使用することが好ましい。 これは膨張流体と冷却剤との間の接近温度の差を減少させ、膨張流体を更に低い温度に冷却する。 これらの方策の両方が、従来式の熱交換器を使用する工程と比較して発電サイクルの熱効率を高める。 直接接触凝縮器の使用は希釈剤回収のコストを下げ、従って発電サイクルの熱的経済性を向上させると期待される。
【0084】
特に図83を参照して191特許出願に教示されるように、直接接触凝縮器を形成する工程にユーザが直接接触器を使用することが更に好ましい。 これは凝縮器を横切る膨張流体の圧力降下を減少させる。 191特許出願の図83に示されるような縦方向の対向流式構造は、最大では入来する膨張流体流の飽和温度まで加熱される希釈剤の回収を更に提供する。
【0085】
これらの冷却方法は膨張させられ、冷却されたエネルギー流体中の蒸気および水蒸気の大部分を凝縮させる。 これは窒素および二酸化炭素および少量の酸素および水蒸気を凝縮膨張流体中に残す。 燃焼の中の余剰空気のほとんどすべてを排除すること、およびその後に形成および噴射された水を凝縮させて除去することによって、これらの実施形態は、酸素濃縮された空気または酸素を燃焼のために使用しないすべての従来式の技術の冷却排ガスの中で最も高い濃度の二酸化炭素をおそらく作り出す(例えば表3参照)。
【0086】
【表3】

【0087】
例えば、酸化剤含有流体中に化学量論的な酸化剤の110%(例えば空気中の酸素)でディーゼル燃料を燃焼させると、結果として生じる二酸化炭素(CO)は凝縮膨張流体中で、約13.34体積%の非凝縮体を形成する(Diesel#2がC1226で表わされることが可能であると仮定し、乾燥ベースは水蒸気を除外する、19.42質量%)。 これは化学量論的空気の約334%で取り入れ空気を備えた希薄燃焼を使用する、約4.26体積%(6.40質量%)の二酸化炭素に匹敵し、ここで、酸素は残留する非凝縮ガスの約15体積%(約16.39質量%)を乾燥ベースで形成する。
【0088】
いくつかの実施形態では、その後にユーザは残りの二酸化炭素を圧縮して分離する。 冷却膨張流体中の更に高濃度の二酸化炭素は結果的に、従来式の工程と比較して二酸化炭素を分離除去するための大幅に低いエネルギー使用およびコストにつながる。 例えば、化学量論的空気の約110%でのDiesel#2の燃焼で、ユーザは化学量論的空気の約334%で動作する従来式の希薄燃焼システムによって得られる質量で約303%の濃度の一酸化炭素を得る。 従ってユーザはこの高い二酸化炭素濃度を回収する工程で約67%少ないポンピング電力などを使用する。
【0089】
冷却膨張流体から不純物を除去するためにフィルタ処理および吸着処理が使用されることが好ましい。 いくつかの実施形態は圧縮と凝縮を利用して二酸化炭素を分離および回収する。 他の実施形態は吸着材料を使用する圧力スイング吸着法(pressure swing absorption)または真空圧力スイング吸着法(vacuum pressure swing absorption)、および好適には二酸化炭素が構成されるような方法を利用する。 いくつかの応用法はアミンもしくは他の吸着材料を使用する化学的吸着処理を使用する。 他の実施形態は物理的、電気化学的、または導電性の膜による分離方法を使用して二酸化炭素を回収する。
【0090】
[熱水−地域暖房]
軸動力および/または電力に加えて、いくつかの構成ではユーザは加熱された熱的希釈剤、熱的希釈剤の蒸気、および/またはスーパーヒート状態にされた熱的希釈剤の蒸気を供給するための機器を設けることが好ましい。 例えば図28を参照すると、熱水、および/または低圧もしくは高圧の蒸気がエコノマイザ内および/または蒸気発生システムを通じて作り出されることが可能である。 同様に、図34を参照すると、表面型熱交換器内の膨張流体から液体希釈剤含有流体を凝縮する処理で熱水が作り出されることが可能である。 これは熱水用途もしくは「地域暖房」用途へと供給されることが可能である。 例えば、公称80℃での供給および40℃の返還である。 図35および図36に示されるような直接接触凝縮器を通じて温水または熱水が同様に回収されることが可能である。 ユーザは、エコノマイザおよび酸化剤供給システムおよび地域暖房あるいは他の熱の用途のうちの一以上へとフローを方向付ける前に、エネルギー流体からの所望の熱回収の程度に従って表面型または直接接触型凝縮器を選択することが可能である。
【0091】
図28を参照すると、ユーザは所望の通りに、または熱利用用途もしくは冷却フローに関して指定される通りに流量と温度を調節するために、表面型凝縮器、予熱ヒータ、エコノマイザ、蒸発器、および/またはスーパーヒータのうちの一以上へと流れる、またはバイパスする熱的希釈剤の割り当てを構成および/または制御することが好ましい。 図45を参照すると(図46もやはり参照する)、そのような方策によって、ユーザは正味の電力に対する低温熱の「Q」の比、および広範囲にわたる正味の電力に対する蒸気の比を調節することが可能である。
【0092】
更に図45を参照すると、同じ蒸気熱フローのQ蒸気に関すると、VAST蒸気サイクルは関連技術のSTIGサイクルよりも正味の電力に対して大幅に高い合計熱量Qを与える。 例えば、約0から1.0の蒸気/電力の比に関するとSTIGサイクルで約0.6から0.4であるのに比べてVASTで約1.1から1.3熱/電力である。 これらの結果は約1000℃で動作する5MWの産業用蒸気タービンについてモデル化されている。 ここで、STIGサイクルは可能な最大の蒸気をそれに従って調節される圧縮機の最大流量を伴って与えるためにモデル化されている。 このVAST蒸気サイクルは相対的空気/燃料比1.05で動作することを想定されている。 これらの更に高い熱/電力比は商業的および光学産業的用途の要求に大幅に近くなっている。
【0093】
地域暖房が望まれるか要求されるとき、ユーザはやはり必要な蒸気の量に従ってVAST水サイクルまたはVAST蒸気サイクルのうちの一方を選択することが可能である。 ユーザはいくつかの構成で、地域暖房に供給される熱水の温度と量を調節するために予熱ヒータおよびエコノマイザおよび/またはそれらの部品を通る相対的流量のうちの一以上を構成することが好ましい(例えば図28、図36、および/または図45参照)。
【0094】
熱水を使用する地域暖房の用途では熱水が冷却されるとその後、冷却された熱水はエネルギー変換システムに戻されることが好ましい。 いくらかの水は通常は地域暖房システムの中で失われる。 いくつかの実施形態では、ユーザは膨張流体から余剰の水を回収し、地域暖房のための補給水を供給するためにこれを使用する。 これは補給水供給のコスト回避と同等の価値を有する。 いくつかの改良実施形態では、戻ってきた流体から残留熱を回収し、それにより、熱を回収して希釈剤の加熱のようにVASTサイクルに熱を加えるために再生式の熱交換器が使用されることが可能である。
【0095】
[他の用途のための蒸気]
低圧の蒸気が要求されるかまたは必要であるときにユーザはVAST蒸気サイクルを使用することが好ましい。 VAST蒸気サイクルでもって、ユーザは生成される低圧の蒸気の温度と量および/または地方暖房への熱水の量をいくつかの構成の中で調節するために予熱ヒータ、エコノマイザ、蒸発器、および/またはそれらを通る相対的流量のうちの一以上を構成することが好ましい(例えば図28および図45参照)。
【0096】
[冷凍装置]
高圧の蒸気が要求されるかまたは必要とされるとき、ユーザはVAST蒸気サイクルを使用することが好ましい。 VAST蒸気サイクルで、所望されるかまたは構成される通りに供給される高圧蒸気の温度と量を調節するためにユーザは予熱ヒータ7100、エコノマイザ6500、蒸発器6600、およびスーパーヒータ6700のうちの一以上、および/またはそれらの部品を通る相対的流量を構成することが好ましい。 また、いくつかの構成で熱水および/または低圧の蒸気を所望されるかまたは必要とされる通りに供給するためのシステムを構成する(例えば図28および図45参照)。
【0097】
いくつかの構成では、ユーザは低温貯蔵システムを供給する。 例えば、冷水タンク、貯氷槽、および/または冷凍ロック貯蔵槽である。 冷却剤流体を冷却し、それを低温貯蔵システムの冷却に使用するためにユーザはオフピーク時間に冷却用設備を運転することが好ましい。 例えば冷水、冷気、または冷媒である。
【0098】
低温サービスおよび/または機械的出力もしくは電力の要求に大幅な変動がある場合、ユーザはVASTサイクルの構成を変更して所望の通りに低温貯蔵から引き出し、かつ低温サービスを供給する手段を提供することが好ましい。 いくつかの構成では、ユーザは取り入れ酸化剤含有流体を冷却するための冷却貯蔵を利用するのが好ましい。 これは特に暑い日に取り入れ空気の密度および圧縮機の能力を高める一助となる。
【0099】
[出力増大]
膨張器の前段で燃焼および/または燃焼器内のエネルギー流体を冷却するためにユーザは希釈剤を供給することが好ましい。 そのような手段によって、燃焼させられることが可能な燃料と酸化剤の量およびシステムの出力容量を増大させる。 そのようにしながらその一方でエネルギーガスの温度を維持することが好ましい。
【0100】
温度を維持しながらその一方で出力を変更または増大させるVASTサイクルのこの能力は、余剰の空気を熱的希釈剤として使用する希薄燃焼システムである従来式の関連技術に比べて特別の利点を提供する。 それら従来のシステムでは、追加的な燃料の燃焼は、燃焼器を出るエネルギーガスの温度を上げ、それにより、タービンのブレードおよび他の高温部の部品の損傷率を上げる。 VASTサイクルでもって、ユーザは別々に燃料フローの温度および出力レベルを制御することが好ましい。
【0101】
いくつかの条件下では、タービンの発電能力および/またはタービンの効率を高めるためにユーザは燃焼器出口でのエネルギー流体の温度を上げることが好ましい。 例えば、緊急時の電力要求状況下である。 191特許出願およびTrifluid特許出願に述べられている向上した温度制御方法によって、ユーザは出口温度およびそのような温度上昇の持続時間を正確に制御することが好ましい。 これらはタービンのブレードの劣化速度と相対させて注意深くモニタされる。
【0102】
VASTサイクルのフレキシビリティを前提として、いくつかの構成でエネルギー流体の温度が上げられるときにブレードの冷却を高めるために、ユーザはタービンのブレードへの蒸気の冷却フローと冷却剤温度および/または水冷却剤フローを調節することが好ましい。 これが従来式の関連技術以上にタービンのブレードを冷却し、高温運転の損傷率を下げる。 従ってユーザは従来式の関連技術と比較してブレード交換の頻度を少なくし、システムのライフサイクルのコストを改善する。
【0103】
[流量制御]
ユーザは、予熱ヒータ、エコノマイザ、および蒸発器のスプリッタバルブのうちの一以上の中の流量比を調節するためにアクチュエータおよび制御部を設け、それにより、いくつかの構成でこれらの流量を所望されるかまたは必要とされる通りに調節することが好ましい。 時間と共に用途によって所望されるとき、および処理が変わるときなどに、熱水、低圧蒸気、高圧蒸気、および出力の相対的割り当てを動的に制御するためにユーザは動的アクチュエータ、制御部、およびセンサを設けることが好ましく、これらは電気的、水圧式、空気圧式、または機械的アクチュエータを使用することが可能である。
【0104】
いくつかの実施形態では、ユーザは多数回リサイクルされる熱的希釈剤のフローを供給し、膨張流体から熱を回収することによってこれらを多数の温度へと加熱する。 例えば、コークス発生を防止するためにユーザは冷水を供給して液体燃料供給システムを冷却することが好ましい。 補完的に、ユーザは燃焼温度プロファイルを制御して大部分の一酸化炭素と他の燃焼可能な成分を酸化し、かつ所望のタービン入口温度を達成しながらその一方でNO放出を抑制するために、熱水および/または蒸気を燃焼器に供給する。 ユーザは加熱された水の微小液滴(fine droplets)および/または水蒸気を供給して燃焼安定限度の拡張を手助けすることが好ましい。 ユーザは燃焼開始後に大部分が蒸発するように液体希釈剤を供給することが好ましい。
【0105】
空調または冷却を要求する用途では、ユーザは吸収冷却機器を提供し、いくつかの構成で吸収冷却機器に必要な温度とフローを与えるためにVASTサイクルで機器および/または相対的流量を構成することが好ましい。 例えば空調または冷凍用である。 場合によっては、ユーザは吸収型空調機の代わり、またはこれに加えて機械的圧縮/膨張型の空調機を供給する。
【0106】
他の用途では、ユーザは適切にVASTサイクルを構成することによって電力もしくは機械的出力、熱、および空調のうちの3つ全部を供給する。
【0107】
そのような組み合わされた電力と冷却の構成は従来式の関連技術を上回る大幅な熱的経済性および環境的利点を提供する。
【0108】
いくつかの実施形態では、ユーザはVAST蒸気サイクル(VAST−WS)、および/またはVASTエコノマイザサイクル(VAST−W)でもって余剰の水を作り出す(または正味で正の水収支を達成する(例えば図44参照))。 すなわち燃料中の水素が燃焼時に水を形成する。 この追加的な水のいくぶんかは正味で正の水収支を達成するために凝縮され、再循環させられることが好ましい。
【0109】
例えば、50MWの産業用空気力学的な例で、VAST蒸気サイクルでもってユーザは、化学量論的空気流量の約105%で計算される空気圧縮機の圧縮比ベータが約10から約50までのすべてについて正味で正の水収支を達成する。 空冷を伴わないVAST蒸気サイクルについても同様の正味で正の水収支を達成する。 これは燃料の流量の約0.5倍から約1.5倍の量で流れ、それは燃料のタイプ、空気圧縮比ベータ、および環境的パラメータである相対湿度および周囲の冷却用流体の温度に応じて決まる(例えば約7℃の深海水から約45℃以上の暑い砂漠の空気までである)。
【0110】
内部収益率を向上させるためにVAST蒸気サイクルを構成し、余剰の水を収益の流れとして考慮することは、水需要(water for sale)を伴わないいくつかの構成の約2倍の需要用の水を凝縮して回収する構成に結び付く。
【0111】
同様に、この実施例でユーザは、化学量論的空気流量の約105%で空気圧縮機の圧縮比約28以上についてVASTエコノマイザサイクルに関して正味の水収支を達成した。
【0112】
対照的に、すべての関連技術のモデルとなる湿式サイクルは極めて多くの補給水を必要とした。 これらの補給水は燃料の流量の約4から9倍の量で流れる。 関連技術のサイクルであるCC2L、STIG、RWI、HAT、およびHAWITに要求される補給水(負の水収支)と比較してVASTサイクルで作り出される余剰の水(正味で正の水収支)は大幅な環境的および熱的経済性の利点を提供する。
【0113】
そのようなVASTサイクルの発電システムは空冷システムを備えて構成されることが可能である。 その結果、それらは正の水収支が得られるまでのシステムの立ち上げ時に準備するために十分なそれ以外は周囲の水供給に関するいかなる要求も伴わずにどのような場所にも置かれることが可能である。
【0114】
正味で正の水収支(余剰の水)を達成するVASTサイクルでもって、取り入れられる酸化剤含有流体、燃料、および熱的希釈剤の中の微粒子および混入物質の大部分は凝縮器の中で希釈剤と共に凝縮される。 余剰の凝縮された希釈剤中のこれらの成分の濃度は取り入れられる燃料中のこれら混入物質の濃度と同程度かまたはそれ未満である。 燃焼器から膨張器に入るこれら混入物質の流れは従って、ほぼ燃料と酸化剤のフロー中の取り入れ量に熱的希釈剤(例えば水)と共に再循環される混入物質のフローの量を加えた量である。
【0115】
これら複合流の混入物質が、考えられる温度での膨張器について所望されるかまたは必要とされる濃度未満である場合、ユーザは混入物質をシステムから余剰の形成される熱的希釈剤中に放出することによって混入物質の蓄積を管理することが好ましい。 例えば放出される余剰の水を介する。 そのような構成では、ユーザは従来式の関連技術で必要とされる水処理設備のほとんどすべてを撤去することによってシステムのコストの大幅な削減を達成する。
【0116】
水回収の開始前、またはそれ以外に利用可能であれば水を使用して立ち上げを容易にするようにVASTサイクルで使用するために、余剰の回収水を入れるため、または外部供給源からの補給水の貯蔵のための貯蔵用の水容積が設けられる。 改良された実施形態では、他の方法で利用可能なそれよりも高い圧力の容積を供給するために空気袋(bladder)システムが使用される。
【0117】
VASTサイクルの部品に充填する水を供給するため、または所定の条件下で排気マニホールドの圧力を上げるために一以上のチャージングポンプが使用されることが可能である。
【0118】
ユーザは、熱的希釈剤を添加することによって燃焼流体および/または燃焼器を出るエネルギーガスの温度プロファイルを制御することが好ましい。 それを液体の希釈剤として熱システムの中にポンプ送出することが好ましい。 ユーザは液体および/または気化した、またはスーパーヒート状態にされた熱的希釈剤を、本明細書に述べられるような一以上の分散型接触器を通して供給することが好ましい。 ユーザは本実施形態を使用して水/燃料および空気/燃料の空間的分布を作り出すことが好ましく、それらは従来式の技術よりもはるかに均一である。 これは空間的温度ばらつきの大幅な減少につながる。
【0119】
いくつかの構成では、水または水蒸気の供給を増やすためにユーザは火炎の下流で燃焼器4000に沿って、およびその中に追加的なノズルを設ける。
【0120】
ユーザは結果的に生じる反応混合物またはエネルギー流体の温度を制御するために、供給される熱的希釈剤対供給される燃料の比率を制御することが好ましい。 ユーザはどのような余剰の酸化剤および/または気体の熱的希釈剤または他の反応剤、および反応の温度もしくはエネルギー流体の温度を変える各々の流体の温度、圧力、および熱容量も把握していることが好ましい。
【0121】
例えば、表4は約350K(約77℃または171°F)で供給される#2Diesel燃料を約60%の相対湿度の取り入れ空気で、約788K(約515℃または約959°F)で約10の圧力比(例えば10bar)の圧縮空気の化学量論比の110%で燃焼させるときに、水を熱的希釈剤として様々な水/燃料比で供給することによって達成される代表的な温度を示している。 入口の水は約300K(約27℃または81°F)の雰囲気条件で供給される。
【0122】
【表4】

【0123】
例えば、約110%の余剰空気では、温度を約846℃に制御するためにユーザはDiesel#2で約7:1の水/燃料m/mを供給することが好ましい。 同様に、出口温度を約1611℃に制御するためにユーザは約2:1の水/燃料m/mを供給することが好ましい。 7:1から2:1のこの範囲は大部分の市販ガスタービンのタービン入口温度の範囲(すなわち未冷却ブレードに関する約900℃から、見積もられるHクラス技術に関する約1,525℃)を網羅する。
【0124】
別の実施例では、約1720℃のエネルギー流体の温度を達成するためにユーザは約110%の余剰空気でDiesel#2に約1.5:1の水/燃料の比を与えることが好ましい。 これは高温の実験セラミックタービンに使用されるタービン入口温度と類似している。 Diesel#2での約1:1の水/燃料の比は約1829℃のエネルギー流体温度を達成する。
【0125】
ユーザは共通して利用可能な熱化学反応または計算の流体力学プログラムを使用して他の温度、余剰酸化剤もしくは余剰気体希釈剤の他の比、異なる入口条件もしくは熱回収、あるいは天然ガスもしくは他の燃料についても容易に同様の水/燃料比を計算する。
【0126】
本明細書に述べられた実施形態または以前の出願でもって、ユーザは燃焼器を出るエネルギー流体の温度を約2073K(約1800℃または約3272°F)よりも低く制御するように熱的希釈剤を供給する。 ユーザは冷却された流体希釈剤の温度よりも上に温度を制御する(例えば水については約1℃または約34°F)。
【0127】
多くの構成で、熱的希釈剤の質量流量は燃料の質量流量よりも高いことが好ましい。 例えば、エネルギー流体の温度を約1611℃から約846℃の範囲に制御するためにユーザは水/Diesel#2に関して約2:1から約7:1の希釈剤対燃料の比を与える。 これは大部分の市販ガスタービンの好ましい設計のタービン入口温度を網羅する。
【0128】
従来式の技術は火炎を消すことなく、または高いCO放出もしくは燃焼器内の圧力の振れを生じさせることなく供給することの可能な水の量に制限を受ける。 例えば、通常は質量で約1.1:1未満の水/燃料である。 本実施形態では、ユーザは質量で少なくとも約1.5:1の水/燃料を達成することが好ましい。
【0129】
熱的希釈剤を燃焼システム4000の中に噴射し、余剰の空気を削減することによってVASTサイクルの熱力学モデルは、エネルギー流体が膨張させられ、冷却されるとたとえ大気圧よりも下へと膨張してもガスタービンの中に熱的希釈剤(蒸気)にとって不十分な蒸気濃度が存在して凝縮することを示している。 これは結果として、膨張流体の中の凝縮物に起因するタービンのブレードの極めて微量の浸食につながる。 対照的に、凝縮用タービンを通じた蒸気の結果的膨張を伴う熱回収蒸気発生器での熱回収は結果として、タービン内の凝縮した希釈剤もしくは水がブレードの大幅な浸食を、特に高い膨張と低い圧縮で生じさせることにつながる。
【0130】
いくつかの実施形態では、ユーザは膨張させられたタービン排出ガスを、雰囲気温度に近い冷却剤流体を使用して冷却することが好ましい。 冷却剤流体は周囲の冷水または入手可能な空気熱交換器によって冷却される。
【0131】
[高温部品の冷却]
エネルギー変換システムは共通して冷却を必要とする部品を有し、それらは対応する熱損失でもってしばしば空冷される。 いくつかの構成では、そのような部品を冷却し、この低から中庸の程度の熱を回収するために希釈剤の冷却用フローを使用することが好ましい。 ユーザは損傷に対する熱的弱さおよび冷却の必要性の順番で部品をランク付けすることが好ましい。 ライフサイクルの利点および/または損傷によって冷却用フローをランク付けすることが好ましい。 ユーザはいくつかの構成で、熱的弱さおよび経済的利点の順番で部品を冷却することが好ましい。
【0132】
図22を参照すると、図3に示されたVAST−WSサイクルのようなVASTサイクルのうちの1つは熱発生部品を冷却するように構成されることが可能である。 それらはエネルギー流体または圧縮された酸化剤含有流体のような流体によって加熱された複数部品を同様に冷却することが可能である。 ユーザは一以上のスプリッタバルブを設けるか、あるいは冷えた希釈剤、温かい希釈剤、高温の温かい希釈剤、希釈剤蒸気、またはスーパーヒート状態の希釈剤蒸気をこれらの冷却の要求性について所望される通りに選択的に熱および質量の伝達システム6000へと供給することが好ましい。 例えば、これらは利用可能なように冷水から温水もしくは熱水、飽和蒸気および/またはスーパーヒート状態の蒸気の範囲にわたることが可能である。 加熱された希釈剤は内部または外部の熱用途に使用されることが好ましい。
【0133】
例えば、スプリッタバルブ6450は希釈剤処理システム(DTS:Diluent treatment system)2010と低温の熱源との間に構成されることが可能である。 これは共通して温度に敏感な電子部品類、および電磁変換器、変圧器、周波数変換器、電子式ドライブ、電子式制御器といった熱を発生するいくつかの電気部品である。
【0134】
例えば電力変換エレクトロニクスは冷却温度に極めて敏感であり、エレクトロニクスの接合温度が望ましい値もしくは要求される値よりも上になることを可能にする。 これらは冷却用フローおよびヒートシンクに基づいて100℃または類似した設計温度よりも下に制御されることが好ましい。 温度が高くなると急速に信頼性が下がり、故障を引き起こし、利用可能性を下げ、交換のコストを上げる。 しかしながら、望ましい冷却よりもはるかに低温の水は他の場所で冷却水の適用を削減するほど有意にエレクトロニクスに更に利点とならない。
【0135】
最も低温の熱的希釈剤(例えば水もしくは冷媒)はエコノマイザの最も低温の部分、予熱ヒータ、取り入れ空気の直接接触型スプレー式フィルタ処理/冷却部、圧縮機スプレーに入る直接接触同伴冷却部、直接接触型スプレー式インタークール部、および/または複数の圧縮機の間の表面型冷却部のうちの一以上に使用されることが好ましい。 ユーザは相対的な利点を査定し、これらの利点の順序でかつ比例して冷却用熱的希釈剤をこれらの用途の中で配分することが好ましい。 更に温かい熱的希釈剤(例えば水)は、冷却を必要とし、かつその利点を有するがそれほど逼迫した温度要求性を備えていない中間温度熱源へと向けられることが可能である。 例えば、電力変換エレクトロニクスを冷却することによって90℃付近から95℃に加熱された水はその後、発電機および圧力容器を冷却するために使用されることが好ましい。
【0136】
同様に、要求されると地域暖房のような熱水用途へと熱水を方向付けるためにスプリッタバルブ6460が低温熱源と中間温度熱源との間で構成されることが可能である。 要求されるとこの熱水を燃焼器4000へと方向付けるために別のスプリッタ6470が同様に設けられることが可能である。 これら中間温度の熱源はしばしば、発電機、モータ、軸受け、ポンプ、および機械的駆動部といった熱を発生する電気部品である。
【0137】
これら中間温度の熱源は潤滑剤を使用する軸受け、ギアトレイン、および可変速度駆動部といった更に低い温度の部品へと分類されることが可能である(潤滑剤は現在、500°Fで動作するように利用可能であることに留意すべきである)。 圧力容器は加熱される部品であって、500°F未満に制御されることが好ましい。 モータおよび発電機は絶縁コーティングの温度およびハンダの溶融温度によって同様に制限を受ける可能性がある。
【0138】
加熱された希釈剤はその後、高温の熱源へと方向付けられてそれぞれの部品を冷却することが可能である。 例えば、燃焼システムおよび膨張システムの中の高温の経路である。 これらは燃焼チャンバのライナー、平衡ゾーンもしくは遷移ゾーン、タービンの羽根、タービンのブレード、タービンのハブ、および一以上の段に関するタービンシュラウドのうちの一以上を含むことが可能である。 高温または蒸発した希釈剤(例えば蒸気)を対応する高温用途(例えば蒸気用途)へと供給するためにスプリッタバルブ6480が中間温度の熱源と高温の(複数)熱源との間で構成されることが可能である。
【0139】
同様に、スーパーヒート状態の希釈剤もしくは蒸気の用途へとスーパーヒート状態の希釈剤を供給するためにスプリッタバルブ6490が高温の熱源と燃焼器4000との間で構成されることが可能である。 残りの高温またはスーパーヒート状態の希釈剤は燃焼器へと供給されることが好ましい。 ここでは燃焼ゾーンの上流で酸化剤、希釈剤、および/または燃料流体のうちの一以上と混合されることが望ましい。 いくつかの環境ではユーザは、希釈剤の蒸発またはスーパーヒート状態を例えば加圧された水を使用することによって回避するために十分な希釈剤もしくは冷却用希釈剤の更に大きな流量を供給することが可能である。
【0140】
これらの方法は更に低い程度の熱を効果的に回収し、それをエネルギー流体の中に再利用する。 この熱再利用法は高温部の部品を冷却するために余剰の酸化剤流体を使用し、そうすることでエネルギー流体を冷却してサイクルの効率を失う関連技術の問題を削減する。
【0141】
[燃焼器の構成]
一以上の望ましい方策に従って燃焼および希釈剤供給工程にわたる制御を与えるようにユーザは選択されたエネルギー変換システムに燃焼器を供給および構成する。 いくつかの実施形態では、希釈剤を供給して少なくとも液体希釈剤の一部を含むことが好ましい酸化剤含有流体と混合するように動作可能な燃焼器をユーザは使用することが可能である。 例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4でGinterによって教示されている燃焼器が使用されることが可能である。 これらの燃焼器への流体供給は燃焼の開始に先立って燃焼可能な混合物を維持し、安定な燃焼で動作するように制御可能であることが好ましい。
【0142】
ユーザは燃焼の開始の後に更なる希釈剤を供給するように燃焼器を動作可能に構成することが好ましい。 そのような性能を備えた燃焼器はほとんどの関連技術に共通する希釈剤飽和限界を超える希釈剤を供給することが可能であり、従って、酸化剤含有流体の更に大きな部分を撤去することが可能である。 例えば、サイクルはGinterによって教示されたそれらのような燃焼器を使用することが可能であり、それらはSTIG、HAT(または「EvGT」)、HAWIT、RWI、および複合サイクルで使用されるような水を蒸発させるサイクルでの共通した空気飽和限界を克服する。
【0143】
燃焼の開始の前に蒸発させられる希釈剤の量を制御することで燃焼器の中で燃焼可能な混合物と安定な燃焼を維持するために、燃焼器は燃焼器内の希釈剤の空間的供給量を制御するように動作可能に選択されることが更に好ましい。 それに相応して、希釈剤の供給は燃焼開始部の下流で更なる希釈剤を蒸発させるように制御可能であることが好ましい。 例えば、Trifluid特許出願に教示されているVAST燃焼器が使用されることが好ましい。 いくつかの構成では、これらのVAST燃焼器は従来式の燃焼安定限界よりも燃焼の上流への多くの希釈剤の供給を可能にする。 これらの燃焼器は流体の供給と混合で横断方向の空間的制御を備えて構成されることが好ましい。 これは流体の組成と燃焼にわたる更に卓越した制御を可能にし、従って、化学量論的動作に更に近い信頼性のある動作を可能にする。
【0144】
燃焼器は蒸発されるかまたは気体の希釈剤もやはり供給するように動作可能であることが好ましい。 例えば、Trifluid特許出願に教示されているようなそのような性能を備えた燃焼器が使用されることが好ましい。 これらは蒸発した希釈剤と液体の希釈剤、例えば水蒸気および加熱(または冷却)された水の両方を供給するように動作可能であることが好ましい。 これは更に多くの希釈剤の供給を可能にし、関連技術のサイクルの希釈剤蒸発能力よりも多くの熱を膨張流体から回収して再循環させる能力を与える。 例えば、Trifluid特許出願に教示されているようなVAST燃焼器は蒸発させられる希釈剤の2から4倍の合計の希釈剤を、例えば蒸気および通常もしくは加熱された水として供給するように構成されることが可能である。 これはSTIGサイクルで燃焼器へと供給可能な蒸気の量を超える。
【0145】
それらは、別の方法では他の用途に使用されることのない熱回収システム6000から回収され得る気化希釈剤の最大量を燃焼器4000へと供給することが好ましい。 ユーザは、流体供給条件でプレミックスされた燃料含有流体、酸化剤含有流体、希釈剤含有流体であった燃焼可能な混合物を維持したであろうよりも少ない酸化剤および多い希釈剤で燃焼器を動作させることが更に好ましい。 すなわち、それらは更に多くの気体の凝縮不可能な希釈剤、例えば酸化剤含有流体もしくは希釈剤として使用される空気に置き換わる。
【0146】
ここに与えられる図面で、燃料含有流体、酸素含有流体、および希釈剤含有流体の混合と燃焼を供給するための熱力学的「ブラックボックス」として燃焼器が示されていることに留意すべきである。 これらの図は希釈剤と燃料の供給の順序または場所を示すように意図されていない。 実際の流体の空間的供給に関する更なる詳細はTrifluid特許出願、191特許出願、およびGinterの特許のうちの一以上の中に見出されることが可能である。
【0147】
ユーザは、補完的なTrifluid特許出願に教示されているような流体の横断方向の空間分布を制御するように動作可能なVAST Trifluid燃焼器を使用することが更に好ましい。 温度の横断方向の分布を少なくとも1つの方向で制御するようにこの燃焼器を構成することが好ましい。 例えば、タービンのブレードおよび羽根のハブから先端へとタービンに入るエネルギー流体の温度分布もしくはプロファイルを制御するように環状燃焼器の半径方向である。
【0148】
ユーザは、Trifluid特許出願に教示されているような複数の流体および流体比にわたる高精度の制御を伴って動作可能な燃焼システムを使用することが好ましい。 これは燃焼器が膨張器の設計ピーク温度に近いピーク温度でエネルギー流体を信頼性良く供給するように動作することを可能にする。
【0149】
流体供給の横断方向の分布を制御し、かつ横断方向の温度分布を設計の温度分布に近い状態に制御することが好ましい。 これは空間温度設計の不確定性の中に留まりながらその一方で更に高い平均温度で動作することを可能にする。
【0150】
ユーザは、横断方向の流体組成が補完的なTrifluid特許出願に教示されているような燃焼器出口を横切る多数の領域の中で化学量論的燃焼に近くなるように燃焼器を構成および制御することが好ましい。 この組成は、酸化剤含有流体希釈剤を除去し、かつ少なくとも1つの汚染物質、例えば一酸化炭素、残留もしくは部分的に反応した燃料成分、および窒素酸化物を望ましい限度未満に抑制するように制御されることが好ましい。 これはユーザが汚染物質の放出制限を達成しながらその一方で化学量論に近い運転を行うことを可能にする。
【0151】
[サイクルの仕様]
[VAST水サイクル:VAST−W]
熱力学的サイクルの実施形態は図02(VAST−W)に示されるように構成されることが可能である。
【0152】
この構成では、H2Oを含むことが可能な液体希釈剤F275の一部が燃焼器4000の中に直接噴射される。 図示されるように希釈剤のフローF429は、エコノマイザ6500を備えた希釈剤熱交換サブシステム6020を使用して膨張器5100から出る膨張流体F420から熱を回収するために使用されることが可能である(図27もやはり参照する)。 いくつかの実施形態では、希釈剤はスプリッタバルブ6310と6320およびポンプ2200と7800を経由して希釈剤処理部2300から直接入来することが可能である。
【0153】
望ましい結果を達成するために、要求されるかまたは必要とされるとポンプ、スプリッタバルブ、および混合バルブは追加されるかまたは削減されることが可能である。 流量制御は可変比率もしくはスプリッタバルブを使用するように示されているが、他の部品もしくは部品の組合せが同様の結果を達成することが可能であることは理解されるであろう。 例えば、一以上の制御可能なバルブ、ポンプ、および流量制限部を使用することによって可能である。
【0154】
燃焼チャンバ4100に添加される液体希釈剤でもって希釈剤蒸気が作り出され、燃焼生成物と混ざることでエネルギー流体のフローF405を生じる。 いくつかの実施形態では、この処理から出る熱は膨張器5100の後段もしくは下流で希釈剤熱交換サブシステム6020の中のエコノマイザ6500を使用して回収されることが可能である。
【0155】
膨張流体F420の中にある希釈剤は膨張流体F420の少なくとも一部分を直接的に膨張器5300から希釈剤回収システム6010へと方向付けることによって回収されることが可能である。 他の実施形態はこの膨張流体を、冷却された希釈剤F460を供給する前にエコノマイザ6500を通してそれを希釈剤回収システム6010へと方向付けることが可能である。
【0156】
希釈剤処理システム6010の中で、膨張流体は希釈剤を回収するように処理され、いくつかの実施形態ではこの希釈剤を熱力学サイクルに戻して再循環させる。 いくつかの実施形態では、希釈剤回収システムは(図34に示されるように)表面型凝縮器7400を備えて構成されることが可能である。 表面型凝縮器7400内で膨張流体を冷却するために使用される冷却用流体から由来する熱を排斥するために冷却装置7600が使用されることが可能である。 回収された希釈剤は表面型凝縮器7400から除去され、所望されればF295でシステムに戻されて再循環させられることが可能である。 いくつかの実施形態では、これは希釈剤処理システム2010を通じて為される。
【0157】
希釈剤回収システム6010の別の実施形態である図35は膨張流体から希釈剤を分離するために直接接触型凝縮器7500を使用することが可能である。 この構成では、冷却用流体が膨張流体との直接接触を作り出し、その処理の中で希釈剤を除去する。 その後、希釈剤と冷却用流体が回収されてF240となり、いくつかの実施形態では直接接触型凝縮器7400で再使用される前に冷却装置7600で冷却される。
【0158】
希釈剤回収システムの実施形態では、加熱された冷却用流体および回収された希釈剤は熱を要求するかまたは必要とする用途に使用されることが可能である。 冷却用流体および希釈剤流体はこれらの用途に分配され、所望されれば、いくつかの実施形態では再循環のためにシステムへと戻されることが可能である。 1つの実施形態が、地域暖房に使用される冷却用流体および希釈剤流体を備えて図36に明示されている。
【0159】
いくつかの実施形態では、直接接触型凝縮器から回収された希釈剤流体および冷却用流体はF295でシステムに戻されて再循環させられることが可能である。 いくつかの実施形態では、これは希釈剤処理システム2010を通じて為されることが可能である。
【0160】
この熱力学的サイクルのいくつかの実施形態で、図02の再圧縮機5300が使用されることが可能である。 再圧縮機でもって、膨張システムは更に大きな膨張比およびエネルギー流体F405から回収される更に多くの仕事エネルギーW580を有することが可能となる。 除去される希釈剤の少なくとも一部分を伴う膨張流体(膨張流体)F460はその後、希釈剤回収システムから再圧縮機5300へと供給されることが可能である。 その後、再圧縮機5300は流体の圧力を周囲環境と同じ圧力付近に至らせ、それにより、それがシステムから放出されることが可能となる。
【0161】
[VAST水−蒸気サイクル:VAST−WS]
VAST熱力学サイクルの実施形態は図03(VAST−WS)に示されるように一以上の熱交換器を使用して、膨張させられたエネルギー流体から加熱された液体希釈剤および希釈剤蒸気へと熱を回収するように構成されることが可能である。
【0162】
この構成では、液体希釈剤の一部および蒸気希釈剤の一部が燃焼器4000へと供給されることが好ましい(これらは熱水である流体の水、および水蒸気を含むことが可能である)。 図29に示されるように、希釈剤は膨張器5100から出る膨張流体F420で、希釈剤熱交換サブシステム6020を使用して加熱されることが可能であり、その熱交換器はエコノマイザ6500、蒸発器6600、およびスーパーヒータ6700として示されている。 希釈剤は希釈剤処理システム2300から提供されるように示され、その一方で膨張器から出る膨張流体は熱が回収されるとその後に希釈剤回収システム6010へと供給されるように示されている。
【0163】
燃焼チャンバ4100に添加される希釈剤でもって希釈剤蒸気が作り出され、燃焼生成物と混ざることでエネルギー流体のフローF405を生じる。 いったんエネルギー流体が膨張器5100の中で膨張させられると、結果として得られた高温の膨張流体F420は燃焼システム4000へと進む希釈剤を加熱するために熱交換器アレイまたは希釈剤熱交換サブシステム6020に供給されることが可能である。
【0164】
図29では、最も高温の膨張流体は熱交換器6700を通して方向付けられることが好ましく、それが沸点付近から高温の希釈剤蒸気F251を得て、燃焼システム4100に供給する前にそれをスーパーヒート状態にする。 いくつかの実施形態では、熱交換器6600は高温の液体希釈剤を得て、高温の膨張流体を使用してそれを沸騰させ、上流の先行するスーパーヒータ熱交換器6700から、またはいくつかの実施形態では膨張器5100から供給される膨張流体に向けて蒸気を作り出す。
【0165】
エコノマイザは、液体希釈剤を更に高い温度へと加熱するために沸騰熱交換器6600の前に使用されることが可能である。
【0166】
図28および図29に明示されるように、VASTサイクルは他の熱用途または冷却用途での使用のための加熱された希釈剤を熱交換器アレイの前段および後段で取り出すように動作可能に構成されることが可能である。 いくつかの実施形態では、加熱された希釈剤は図示されるように複数の熱交換器の間で抽出されることが可能である。
【0167】
いくつかの実施形態では、この加熱された希釈剤は希釈剤の少なくとも一部が燃焼システム4000、または熱力学的サイクルの他の領域へと導入されるときに使用されることが可能である。
【0168】
エコノマイザ6500から出る膨張流体は希釈剤回収システム(DRS)6010へと供給されることが可能である。 希釈剤回収システム6010内で、膨張流体は希釈剤を回収するように処理され、いくつかの実施形態ではこの希釈剤を熱力学的サイクルへと戻して再循環させる。 いくつかの実施形態では、希釈剤回収システムは表面型凝縮器7400を備えて構成される(図34)ことが可能である。 表面型凝縮器7400内で膨張流体を冷却するために使用される冷却用流体から由来する熱を排斥するために冷却装置7600が使用されることが可能である。 回収された希釈剤は表面型凝縮器7400から除去され、所望されればF295でシステムに戻されて再循環させられることが可能である。 いくつかの実施形態では、これは希釈剤処理システム2010を通じて為される。
【0169】
希釈剤回収システム6010の別の実施形態である図35は膨張流体から希釈剤を分離するために直接接触型凝縮器7500を使用することが可能である。 この構成では、冷却用流体が膨張流体との直接接触を作り出し、その処理の中で希釈剤を除去する。 その後、希釈剤と冷却用流体が回収されてF240となり、いくつかの実施形態では直接接触型凝縮器7400で再使用される前に冷却装置7600で冷却される。
【0170】
希釈剤回収システムの実施形態では、加熱された冷却用流体および回収された希釈剤は熱を要求するかまたは必要とする用途に使用されることが可能である。 冷却用流体および希釈剤流体はこれらの用途に分配され、所望されれば、いくつかの実施形態では再循環のためにシステムへと戻されることが可能である。 1つの実施形態が、地域暖房に使用される冷却用流体および希釈剤流体を備えて図36に明示されている。
【0171】
いくつかの実施形態では、直接接触型凝縮器から回収された希釈剤流体および冷却用流体はF295でシステムに戻されて再循環させられることが可能である。 いくつかの実施形態では、これは希釈剤処理システム2010を通じて為されることが可能である。
【0172】
この熱力学的サイクルのいくつかの実施形態で、図2の再圧縮機5300が使用されることが可能である。 再圧縮機でもって、膨張システムは更に大きな膨張比およびエネルギー流体F405から回収される更に多くの仕事エネルギーW580を有することが可能となる。 除去される希釈剤の少なくとも一部分を伴う膨張流体(膨張流体)F460はその後、希釈剤回収システムから再圧縮機5300へと供給されることが可能である。 その後、再圧縮機5300は流体の圧力を周囲環境と同じ圧力付近に至らせ、それにより、それがシステムから放出されることが可能となる。
【0173】
このVAST蒸気サイクル(VAST−WS)の利点のいくつかは、例えば図38に示されており、50MWの空気力学的産業用タービンが1300℃で動作する。 想定された燃料および電力の価格は米国エネルギー省によって発表された2000年の米国の平均の産業用ガスおよび電力である。 2003年にTraversoとMassardoによって展開された(発表のためにInternational Gas Turbine Institute Turbo 2004に投稿された)ように、すべてのサイクルに関して同じ機器部品コスト方程式が使用されている(これらはいくつかの修正を伴うが2002年のTraversoによる比較分析と同様である)。
【0174】
VAST蒸気サイクルが従来式の関連技術によるサイクルに匹敵する効率を有しながら、しかし大幅に低い資本コストであることに留意すべきである。 この実施例では、VAST蒸気サイクルは(低圧圧縮機と高圧圧縮機との間に1つのスプレー式インタークーラを備えて)約20から30の圧力比の条件で8000時間/年の基本負荷で約24%の内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)を有し、約4000時間/年の(〜50%の)部分負荷で約12%のIRRを有する。
【0175】
このVAST蒸気サイクルの実施例は、基本負荷vs50%負荷に関してこれらの条件で、関連技術のSTIGサイクルと比較した内部収益率(IRR%)で2から4パーセントポイントの利点を与える(すなわち約20%から40%高いIRR%)。 同様に、4000から8000時間/年で動作する同様の50MWタービンの関連技術の2圧力レベル複合サイクル(CC2L)はVAST蒸気サイクルの12%から24%とは対照的に約2%から4%の内部収益率しか達成しない。
【0176】
VAST蒸気サイクルはRWI、HAWIT、およびHATサイクルを上回る同様の利点を有すると思われる(例えば図38参照)。
【0177】
[蒸気によるブレード冷却(空冷ではない)を備えたVAST蒸気サイクル]
VAST蒸気サイクルで、ユーザは熱的希釈剤蒸気またはスーパーヒート状態の熱的希釈剤蒸気のフローおよび/または温度を構成することが好ましい。 膨張器の高温部への冷却剤として使用するためにこれらのフローのうちの1つを、例えばタービンの羽根、ブレード、およびシュラウドのうちの一以上へと方向付けることが好ましい。 これは圧縮空気を膨張器高温部の冷却剤として使用する工程と比較するとシステムの効率を大幅に向上させる。 これはまた、システムのコストを下げ、システムの熱的経済性を向上させる(例えば図49参照)。
【0178】
例えば、VAST蒸気サイクルで動作する50MWの産業用空気力学的ガスタービンでもって、空冷を蒸気冷却で置き換えると熱効率が約51.3%から約53.3%へと上がる。 これは膨張器の(複数の)高温部(例えばタービンのブレードおよび羽根)の冷却の後に加熱された蒸気が膨張器の上流の燃焼器へと戻して方向付けられることを想定している。
【0179】
改良された構成では、ユーザは高温部の部品(例えばブレード)を冷却し、その後、タービンの中のエネルギー流体へと供給するように蒸気を使用する。 この組合せは効率をこれらの相対的計算で51.3%と53.3%の間へと上げるであろう。
【0180】
VASTサイクルでは、タービンのブレードの冷却に使用される余剰の空気は化学量論的流量の約110%での燃焼に使用される空気流量の約18%を使用すると想定された。 従って、余剰の圧縮空気を除外することがVASTサイクル内の圧縮機のサイズを約15%削減することが可能である。
【0181】
空冷をこのVASTサイクルを伴う蒸気冷却で置き換えることは機器のコストを削減し、これらの相対的計算で約20から30の空気圧縮比で約12%IRRから14%IRRの約2パーセントポイントで内部収益率を上げる。
【0182】
[復熱を伴うVAST水−蒸気サイクル:VAST−WSR]
熱力学的サイクルの実施形態は図4(VAST−WSR)に示されるように構成されることが可能である。 これは酸化剤含有流体で熱を回収するようにVAST−WSサイクルを適合させる実施形態である。
【0183】
この構成では、図32に示されるように希釈剤熱交換サブシステム6020はガス−ガス熱交換器もしくは復熱器6800、および充填層加湿装置7300を有する。 更なる実施形態は第2のエコノマイザ6510、およびアフタークーラ(after-cooler)6900を有することが可能である。
【0184】
これらのサイクルの実施形態の利点および結果は図37〜46に明示されている。
【0185】
[酸化剤供給システム]
[酸化剤源]
相補相互反応剤流体に関すると、多くの実施形態でユーザは酸化剤含有流体、普通では酸素含有流体または酸素を使用する。 いくつかの酸化剤含有流体は窒素、水、二酸化炭素、およびアルゴンのような希ガスなどといった一以上の熱的希釈剤を含む。
【0186】
燃焼システム4000もしくは反応器に酸素を供給するために多くの実施形態は空気を酸化剤含有流体として利用する。 いくつかの実施形態では、ユーザは空気の湿度、温度、および圧力のばらつきを補償することが好ましい。
【0187】
いくつかの実施形態では、ユーザは液体酸素、液体酸素の気化によって調製された酸素、電気分解によって形成された酸素、固体電解質の酸素分離、または他の方法によって調製された酸素を使用する。
【0188】
従来式の酸素燃料の燃焼は極めて高温のエネルギー流体F405を作り出す。 この極めて高い温度は耐久性があって長く持続する燃焼器のライナーを作ることを極めて困難にする。 いくつかの実施形態では、熱的希釈剤の分配チューブアレイが燃料と熱的希釈剤を近接させて配分する。 これは高温のエネルギー流体F405の温度を大幅に抑制する。 液体酸素を使用する構成では、使用者は燃料、酸化剤、および希釈剤の細部まで極めて均一な混合を向上させるために直接接触チューブを通して酸素を供給することが好ましい。
【0189】
そのような実施形態によって得られる更に低いピークの流体温度は信頼性良く燃焼を許容するであろう燃焼システム4000を作製することをはるかに単純にする。 同様に、熱的希釈剤配分用チューブおよび輻射シールド用フィンは燃料配分用チューブの受ける熱流束を強力に削減する。
【0190】
いくつかの実施形態では、ユーザは液体酸素の気化のための熱交換器の方を選び、VASTサイクル内部もしくは外部もしくは両方から作り出された膨張させられた燃焼流体、加熱された希釈剤、地域暖房用流体のうちの少なくとも1つの熱、または電気エネルギーを使用する。
【0191】
いくつかの実施形態は酸素の「濃縮された」空気を使用し、そこでは酸素濃度は様々な濃縮方法のうちの一以上によって標準的な空気を上回って高められる。 これらは圧力スイング式ゼオライト濃縮システム、および真空圧力スイング式濃縮システムを含む。 膜による酸素濃縮法もやはり使用されることが可能である。 酸素燃焼と同様に、燃料と酸化剤含有流体配分用の孔を設けられたチューブのアレイは燃焼温度を大幅に抑制し、燃焼器の設計を単純にする。
【0192】
[フィルタ]
図12を参照すると、ユーザは酸化剤流体処理部(TRE)1200でスプレー式直接流体接触フィルタを使用して液体の熱的希釈剤を噴霧し、それによって取り入れ部の酸化剤含有流体、例えば取り入れ空気から微粒子および繊維を除去することが好ましい。 この直接接触フィルタは191特許出願に教示されているような多数のオリフィスを備えた直接接触器を使用することが好ましい。 これらは191特許出願の図82に示される多重通過型のスプレーシステムとして構成されることが好ましい。 使用される希釈剤は燃焼器に入るそれと同じ高品質を有する必要はない。 それは配分されたオリフィスのサイズよりも小さい微粒子を除去するために濾過作用でもって回収希釈剤から直接引き出されることが可能である。 それはもしもスプレー式の同伴が燃焼器への混入物質負荷に有意に寄与するならば部分的処理を有することが可能である。 集められた液体希釈剤(例えば冷水)はエネルギー変換システムの中で使用するために希釈剤処理システム2010へと戻されることが可能であり、あるいは他の用途のために希釈剤放出部(DWD)8500を介して引き出されるかまたは排出されることが可能である。 そのようなスプレー式フィルタ処理はガス/空気フィルタの代わりに使用されることが好ましく、またはそれに追加して使用されることが可能である。
【0193】
いくつかの実施形態では、ユーザは取り入れ部のガス/空気フィルタを横切る圧力降下をモニタして空気フィルタを洗浄もしくは交換するときを判定するために差圧センサを設けることが好ましい。 いくつかの実施形態では、流量制御装置(例えばバルブ、ダンパなど)を備えた複数のフィルタが使用され、微粒子または流れの抵抗を上げる他の物質の蓄積から由来する高い差圧およびその結果となる全体的サイクルの効率の低下のせいで1つのフィルタが保守管理を待っているときなどに取り入れの源をオンラインで切り換えることを可能にする。
【0194】
ユーザは空気を冷却することとフィルタ処理することの両方のために冷えた液体希釈剤を使用することが好ましい。 そのようなフィルタ処理は圧縮機1300(例えば圧縮用羽根およびブレードの上)、および膨張器5100(例えば膨張用羽根およびブレードの上)内での繊維蓄積の速度を下げる。 空気の冷却は、特に暑い日に圧縮機に大きな能力を与える。 フィルタ処理は圧縮機と膨張器の目詰まりの速度を下げ、従って不稼動時間、洗浄コスト、および平均の圧縮機と効率を少なくする。 それは流体(ガス/空気)フィルタを横切る圧力降下を小さくすることで圧縮機のポンピング電力を削減する。
【0195】
空気をフィルタ処理するために直接接触フィルタで水のスプレーを使用するとき、ユーザは燃焼の前に希釈剤供給を制御することで湿度のばらつきから由来し、かつスプレー式直接接触を通る希釈剤の使用から由来する水分組成のばらつきを補償することが好ましい。
【0196】
[圧縮機]
中型から大型のガスタービン発電システムでは、圧縮機は高い圧力比のシステムで最大の単一資本出費であり、膨張器よりも多くの費用を要する。 低い圧力比のシステムで、それでも圧縮機は実質的に有意に高価である。 図5を参照すると、酸化剤供給源1100から酸化剤含有流体を取り込むために連続した多数の圧縮段を備え、その流体を燃焼システム4000に供給する所望の全体的圧縮比を達成する圧縮機(CP)1300をユーザは構成することが可能である。 図7を参照すると、ユーザは希釈剤含有流体を供給し、本明細書、TrifluidのReactor特許出願、191特許出願、およびGinterの前述の特許に述べられた一以上の方策によって使用される余剰の酸化剤含有流体を削減することが好ましい。 例えば、それはGinterのVAST燃焼器、または化学量論に近い条件で動作可能なVAST Trifluid燃焼器などの燃焼器によって為される。 これらの方策を補完するために、ユーザは(複数の)圧縮機のサイズを変更して(複数の)タービンに相対した(複数の)圧縮機の流量容量を下げることが好ましい。 これは(複数の)圧縮機およびエネルギー変換システムのコストを大幅に下げる。
【0197】
例えば、好ましくは(約1300℃での)約334%の超希薄燃焼から化学量論的流量の約110%へと圧縮空気のフローを削減することによって、ユーザは圧縮機を通るフローのその部分を約67%削減する。 同様に、蒸気および水のような希釈剤を供給することによって膨張器の高温部(例えばタービンのブレード、羽根、およびシュラウド)を冷却するために広く使用される圧縮空気を置き換えることが好ましい。 これらの方策によって、膨張器を冷却するために広く使用される酸化剤含有流体(例えば圧縮空気)の約10%から18%を置き換える。 これらの方策は圧縮機のサイズを約67%から約72%削減することが可能である。 圧縮機サイズのこの削減はVASTサイクルへと変換するときの資本コストの最大の削減を提供する。
【0198】
ユーザは広く使用される圧力での圧縮機のサイズに大幅なコスト節約を適用し、それにより、全体的な実効圧力比ベータ、従ってタービン膨張比を高め、従っていくつかの実施形態でシステムの効率を向上させることが好ましい。 改良された実施形態では、共通の構成と比較すると多数の膨張器へと供給するために同じ圧縮機が使用される。
【0199】
ユーザは酸化剤含有流体を加圧するために基本の低圧圧縮機(LPC:low pressure compressor)1310を設けることが好ましい。
【0200】
いくつかの構成で、ユーザは燃焼器4000および膨張器5100への圧縮された酸化剤含有流体を増加させるように一以上の高圧圧縮機(HPC:high pressure compressors)1350を追加することが好ましい。 これは低圧圧縮機の圧力比ベータを(複数の)高圧圧縮機の各々の圧力比ベータで増倍した積として全体の圧力比ベータを増加させる。
【0201】
いくつかの実施形態では、エネルギー流体の総量の膨張比を制御するためにユーザは一以上の圧縮機(例えば低圧圧縮機1310と高圧圧縮機1350および再圧縮機5300を含む)の圧力比を調節することが好ましい。 これは正味の比出力、システムの電力効率、システムの総合熱効率のうちの一以上を調節するように、および/またはライフサイクルの熱的経済性のコストを削減するように制御されることが可能である。
【0202】
例えば、1300℃のタービン入口温度で動作し、低圧圧縮機と高圧圧縮機の間で水スプレーによるインタークールを使用するVAST−WS(VAST蒸気サイクル)用に構成された50MWのガスタービンを2000年の米国の天然ガスの産業コストおよび電力の価格を使用して考察する。 タービンの効率は1990年のGE社とロールスロイス社の空気力学的タービンクラスとの間の平均として考察される。
【0203】
そのような構造に関する低圧圧縮機、高圧圧縮機、および再圧縮機の圧縮比のいくつかの代表的な配分が、10から44の範囲の空気圧縮機の圧力比について図47および図50に示されている。
【0204】
同様の様式で、通常のスプレー式でインタークールされる産業用50MWの空気力学的タービン構造の酸化剤含有流体に関しては、低圧圧縮機の比は約30の圧力比ベータについては約3.16で構成される。
【0205】
同様に、約10の空気圧縮機の圧力比ベータについては低圧圧縮機の比を約2.53に設定することが好ましい。 約44の空気圧縮機の圧力比ベータについてはこれを約3.64に上げることが好ましい。
【0206】
同様に、通常の産業用50MW空気力学的タービン構造の酸化剤含有流体に関する約30の圧力比ベータについては、いくつかの実施形態でユーザは高圧圧縮機の比を約9.47に構成することが好ましい(例えば図47参照)。
【0207】
同様に、約10の空気圧縮機の圧力比ベータについては再圧縮機の比を約3.94に設定することが好ましい(膨張システム内の再圧縮機の考察を参照)。 約44の空気圧縮機の圧力比ベータについてはこれを約2.2に下げることが好ましい。
【0208】
スプレー式インタークーラに関するこれらの好ましい結果でもって、2つの圧縮機に関する3.16および9.47の圧力比は、合計圧力比の平方根すなわち約5.47である表面型インタークーラのための最適圧力比とは実質的に異なることに留意すべきである。
【0209】
ユーザは、システムの経済性を改善もしくは最適化する(例えば更に高い内部収益率%)ために再圧縮機5300を調節することが好ましく、それは最適の熱効率に近い(膨張システムの再圧縮機の考察を参照)。 内部収益率vs.熱効率の曲線(図38)は歪んだ逆放物線のように見え、経済的利益と熱効率の両方が、使用された想定に関する高い内部収益率(IRR%)を伴って見出される構成の近辺よりも高い方と低い方の再圧縮比と共に降下する。
【0210】
例えば、通常の産業用50MW空気力学的タービン構造の酸化剤含有流体に関する約30の圧力比ベータについては、いくつかの実施形態でユーザは再圧縮機の比を約2.6に構成することが好ましい。 すなわち、再圧縮機入口での冷却された(凝縮させられた)膨張流体の圧力は大気圧の約38%である(例えば図47参照)。
【0211】
同様に、約10の空気圧縮機の圧力比ベータについては再圧縮機の比を約3.9に設定することが好ましい。 約44の空気圧縮機の圧力比ベータについてはこれを約2.3に下げることが好ましい。 すなわち、再圧縮機入口での凝縮させられた膨張流体の圧力は大気圧の約25.6%(1/3.9)から約44%(1/2.3)である(例えば1気圧の%すなわち約26kPaから44kPa)。
【0212】
好ましくは気体の圧縮を液体の圧縮で置き換えることによって、いくつかの実施形態でユーザは膨張器入口への入口にエネルギー流体を供給するために必要とされる総計のポンピング仕事量を大幅に削減する(例えば図42および図48参照)。 これはシステムから入手可能な正味の電力すなわち、すべてのポンピング仕事量と効率損失とを差し引いた総計のタービン出力(および図43に示されるようにIRR)を大幅に上げる。 相応して、これは気体圧縮機を通るフローを減少させる。
【0213】
酸化剤含有流体のフローを減少させながらその一方でシステムの正味の出力を増大させる方策によって、ユーザは、圧縮機出口を通る質量流量に対するシステムの正味の出力の比、すなわち圧縮機出口の正味の比出力((複数の)圧縮機と(複数の)ポンプとのポンピング電力を差し引いた総計のタービン出力を、圧縮機の出口を通る、相対湿度、フォギング、水同伴、内部圧縮機(intra-compressor)の水噴霧または中間圧縮機(inter-compressor)の水噴霧から由来する水を含めた流体の質量流量で除算した比)を増大させる。 これは、供給される正味の電力当たりの対応する圧縮機資本コストを下げる。 図39を参照すると、圧縮機出口の正味の比出力のこれらの改善から得られる利点がシステムの熱力学的効率(%LHVベース)vs.圧縮機出口の正味の比出力のグラフによって可視化されることが可能である。 図39は、LHVサイクル熱力学効率%vs.圧縮機出口の正味の比出力をkW/(kg/s)すなわちkJ/kgで示している(すなわち、kWすなわちkJ/sの正味電力をkg/sの質量流量で割った値は、酸化剤含有流体もしくは空気の単位質量を加圧するための比仕事量kJ/kgに相当する)。 これは表面型凝縮器を伴ったVAST−WとVAST−WSサイクル、および直接接触型凝縮器を伴ったVAST−WSを比較している。 これらのVASTサイクルは約10から40の圧力比ベータの範囲にわたって、例えば50MW、およびTIT=1300℃で主な関連技術の「湿式」サイクルと更に比較される。 関連技術のサイクルの各々が、従来の圧縮機のサージ限界ではなく、控えめの比較のために対応してサイズ変更された圧縮機を伴う空気飽和限度へと拡張されることに留意すべきである。
【0214】
超希薄燃焼を伴う関連技術では、圧縮機を通るフローは普通ではタービンを通る質量流量と同様である。 しかしながら関連技術の「湿式」サイクルおよびVASTサイクルでは、圧縮機を出る空気と水蒸気の圧縮されたフローは膨張器またはタービンを通る質量流量よりも大幅に少ない。 「湿式」サイクルでは、タービンの正味の比出力は従来式の希薄燃焼システムよりも大幅に高い。 この圧縮機出口の正味の比出力は、関連技術と比べたVASTサイクルについてのこれらのパラメータの利点を明確に比較するために、図40に示されるタービン入口の正味の比出力に相対させて図39に別々に示されている。
【0215】
VAST−W(VAST水サイクル)は燃焼器に熱水を供給する。 圧力比ベータが約10から約50へと上がると、VASTサイクル2は圧縮機出口の正味の比出力で約1020kJ/kg(kW/kg/s)から約1200kJ/kg(kW/kg/s)への大幅な増大を示す。 相応してこれはLHVサイクル効率を約43.7%から約51.3%へと上げる。
【0216】
同様に、VAST−WS(VAST蒸気サイクル)は燃焼器に蒸気と水の両方を供給する。 それは同様に圧縮機出口の正味の比出力を圧力比ベータが約10での約1120kJ/kg(kW/kg/s)から圧力比ベータが約40での約1200kJ/kg(kW/kg/s)へと増大させる。
【0217】
更に図39を参照すると、比較では、評価されたすべての関連技術の「湿式」サイクル(STIG、HAT、HAWIT、RWI、およびCC2LP)は約840kJ/kg(kW/kg/s)未満の圧縮機出口の正味の比出力を示している。 これら2つのVASTサイクルすなわちVAST−WとVAST−WSは、同様のLHVサイクル効率について約30から40の圧力比ベータでHAWITおよびHATサイクルと比べると、圧縮機出口の正味の比出力に約50%の改善を示している。 これはVASTサイクルの能力の利点が希釈剤添加の空気飽和限度を上回り、従って圧縮された酸化剤含有流体(例えば空気)の流量を化学量論的空気流量の約150%から約110%以下へと削減することを実証している。
【0218】
エコノマイザだけを備えたVASTサイクルのこれら初期の計算では、水は165barに加圧されると仮定された。 VAST蒸気発生サイクルでは水の噴射圧力は下げられた。 システムの効率、IRR%、および電力コストは余剰の水供給圧力を下げることによって改善されることが可能である。
【0219】
VAST蒸気サイクル(VAST−WS)の1つの実施形態はタービンのブレードを冷却するための圧縮空気を供給しないように構成されることが可能であり、圧縮機はそれに従ったサイズにされる。 化学量論に近い条件で動作しているとき、これは、圧縮機出口の正味の比出力を、例えば、1.05の相対的空気比ラムダ、約10の圧力比ベータで約1380kJ/kg(kW/kg/s)へと増大させる。 圧力比ベータが約50へと上げられると、この圧縮機出口の正味の比出力は約1480kJ/kg(kW/kg/s)へと増大する。 これらの方策は1990年代の技術の圧縮機およびタービンを備えて想定されたこのVAST−WSサイクルでシステムの効率を、約10のベータでの約49.6%から約50の圧力比ベータでの約53%へと増大させる。
【0220】
[一層低い入口と出口の損失]
酸化剤含有流体を熱力学的サイクルの中に引き込むときの乱流は圧力降下を作り出し、システムの効率を低下させる。 出口では同様の乱流の混合と圧力損失が存在する。 例えば関連技術は通常、空気取り入れ部で約1%の圧力降下、および排出部もしくは排気筒で別の1%の圧力降下を想定している(例えば非特許文献11、非特許文献12、または非特許文献13など参照)。 圧縮機は約65%の正味の出力を有するので、これら取り入れ部と排出部の拡散器による損失は超希薄燃焼システムにおいて、合計出力の約1.3%すなわち正味出力の3.7%を構成する。
【0221】
いくつかの実施形態では、ユーザは燃焼システム内の熱的希釈剤として使用される気体状で余剰の酸化剤含有流体の大部分を置き換えるために推奨される希釈剤を使用することが好ましい。 例えば、ユーザは化学量論的速度の334%のラムダから化学量論的速度の110%以下のラムダへと空気流を約67%削減する。
【0222】
その結果、好ましい実施形態ではユーザは取り入れ部と排出部の圧力−容積寄生拡散器損失(pressure-volume parasitic diffuser losses)を約67%から約72%以上削減する。 例えば、更に小型の圧縮機が総出力の約35%必要とすると仮定すると、2%から総出力の約0.67%すなわち正味の出力の約1.9%へと削減する。 従って、好ましいVASTの実施形態は取り入れ部と排出部の拡散器のコストを約67%から72%削減し、これらの拡散器による出力損失を正味出力の約3.7%から、正味出力の1.9%〜1.6%へと削減する。 すなわち、これは単独で正味出力の約1.8%から2.1%の節約を与える。
【0223】
更に低い入口と出口の流量でもって、ユーザは取り入れ部ダクトサイズおよび拡散器サイズを小さくし、それにより、VASTサイクルに入る酸化剤含有流体の結果的に生じる更に少ない流量を提供することが可能である。 これは資本コストならびに空間と土地の要求量を削減する。
【0224】
改良された実施形態では、ユーザは関連技術に相対して拡散器の効率を向上させるために取り入れ部と出口の拡散器の長さと形状を大きくすることが好ましい。 これは従来式の希薄燃焼システムと相対して圧力−容積寄生ポンピング損失を減少させる。
【0225】
改良された実施形態では、ユーザは圧縮機への取り入れ流量を制御するために少なくとも1つのダンパまたはバルブを追加または制御することが可能である。 これは供給される空気流量、および低下した膨張器出力での運転といった圧縮機出力の削減を可能にする。
【0226】
図6を参照すると、改良された実施形態でユーザはいくぶんかの酸化剤含有流体を燃焼システム4000の周囲の圧縮機1300から膨張器冷却システム5020へと迂回させて一以上の膨張器を冷却するためのダクトを追加することが可能である。 同様に、図7を参照すると、ユーザは同様に圧縮機の列の出力を取り出し、一部分を膨張器冷却システム(ECS)5020へとダクト接続することが可能である。 評価された50MWの実施形態では、膨張器への冷却のためのフローは膨張器を通る質量流量のうちの10.7%と想定された。 迂回用ダクトは冷却剤として使用される余剰の酸化剤含有流体を制御するためにダンパ/バルブを含むことが可能である。
【0227】
例えばエコノマイザのために膨張燃焼流体を使用する工程の代替策として、または追加として圧縮器/燃焼システム迂回フローが使用されることが可能である。
【0228】
取り入れ部と出口の損失と同様に、好ましくは取り入れの酸化剤含有流体を削減することによって、改良された構成でユーザは取り入れ部ガスフィルタを通る寄生のポンピング損失を同様に減少させる。 例えばそれは従来式の空気取り入れフィルタの損失の約67%から約72%以上である。
【0229】
大幅に低い取り入れ流量に伴って、ユーザは取り入れ流量に関連して取り入れフィルタ面積をサイズ変更することが好ましい。 これは、更に低いフィルタ資本コスト、更に小さいサイズおよび土地費用、および更に低い寄生ポンピングコストと更に低いフィルタ交換と労働のコストという極めて低いライフサイクル運転用コストのせいで大幅に正味現在価値を節約することに結び付く。
【0230】
これらの大幅な節約で、ユーザは改良された構成で単位ガス流量当たりのフィルタ断面積を上げ、寄生の取り入れフィルタ処理圧力損失と寄生の圧力−容積をVASTサイクルに関するライフサイクルの最適値付近に下げることが好ましい。
【0231】
[フィルタ処理]
好ましくは従来式のシステムに相対して取り入れの酸化剤含有流体を削減することによって、いくつかの実施形態でユーザはエネルギー変換システムへと同伴される微粒子(繊維、埃など)の量を大幅に減少させることが好ましい。 例えば、従来式の超希薄燃焼に相対して(排気の中の15%Oで)約67%から約72%以上削減させる。
【0232】
いくつかの構成では、ユーザは供給される希釈剤の量が酸化剤含有流体の飽和によって制限されるSTIG、HAT、HAWIT、RWI、EvGT、および他の湿式サイクルといった圧縮空気を加湿するために水を使用する関連技術のシステムで広く使用される化学量論的流量の約150%以上という従来量よりも下まで取り入れ空気を削減することが好ましい。 例えば、供給される水の量が空気飽和によって制限される約150%のラムダからいくつかの構成で約110%以下のラムダへと削減する。 これは取り入れ空気とそれに付随するフィルタ除去可能な粒子負荷を関連技術の湿式サイクルに比べて約27%削減する。
【0233】
図12を参照すると、ユーザは取り入れる酸化剤含有流体(例えば空気取り入れ)にフィルタ処理装置を供給することが好ましい。 好ましくは化学量論に近い空気流量で動作させ、かつ好ましくは圧縮空気での冷却を削減もしくは除外することによって、ユーザは空気濾過装置のコストを従来式のシステムに比べて約65%から約72%削減することが可能である。 ユーザはこれらの節約のうちのいくつかを取り込み、いくつかの高い資本コストを更に小さい圧力降下、更に少ない圧縮機目詰まり、更に高い効率、それらに対応する更に低い運転と保守管理のコストと交換することによってライフサイクルコストを下げることが好ましい。
【0234】
いくつかの実施形態では、ユーザは191特許出願に教示されるように、例えば取り入れ空気を冷却および/またはフィルタ処理するために希釈剤を取り入れの酸化剤含有流体の中に噴霧するための直接接触式供給システムを設けることが好ましい。 これらは関連技術よりも低いフィルタでの圧力降下および低いポンピング仕事量を与えることが好ましい。 それらは直接接触式の冷却用空気流を供給する。 そのような改善されたフィルタ処理は圧縮機の目詰まりを削減し、圧縮機の洗浄保守管理を減らし、圧縮機の効率を高め、かつライフサイクルコストを削減するようにサイズを決められ、運転されることが好ましい。
【0235】
[削減されるタービン目詰まり]
酸化剤含有流体を約67%から約72%以上削減することによって、ユーザは酸化剤含有フロー中の微粒子の同伴によって引き起こされるタービンの目詰まりの度合いを超希薄燃焼に相対して下げることが好ましい。 これはタービンのブレードの保守管理洗浄を減らす。
【0236】
[圧縮機と圧縮の冷却]
図8を参照すると、圧縮される酸化剤含有流体を冷却するためにユーザは一以上の方策を使用することが好ましい。 圧縮機の列の前段および/または中の多数の場所での同様の冷却方策は191特許出願の図84に教示されている。 そのような冷却は「準等温線」の圧縮を提供し、圧縮の仕事量を下げる。 冷却は複数の圧縮段の前段、内部、および/またはそれらの間であることが好ましい。 いくつかの実施形態ではアフタークーラが利用されることが可能である。
【0237】
ユーザは図8および図9に示されるように酸化剤含有流体と冷却用希釈剤含有流体もしくは他の冷却剤との間に表面型熱交換器を設けることが好ましい。 いくつかの構成では、ユーザは図8の下側部分に示されるように一以上の表面型インタークーラを使用することが好ましい。 これらはシステムの効率を向上させること、およびフロー密度を向上させることに役立つ。 一層小さい酸化剤流量に基づいて、これら表面型熱交換器システムは希薄燃焼システムのインタークーラの名目上約1/3のサイズにされることが可能である。 低圧の圧縮機と高圧の圧縮機との間に1つの表面型ヒータを備えると、ユーザはサイクルの効率に約1から2パーセントポイントの増大を予期する。 これはHAWITとHATサイクルの間の効率の差と同様である(Traverso、2001;およびTraverso & Massardo、2002参照)。 そのような表面型インタークール構造を設けることによって、ユーザはインタークールされたVAST蒸気サイクル構成がHATサイクルおよび複合サイクルに近い効率を有することを予期する(表5参照)。
【0238】
【表5】

【0239】
図13を参照すると、いくつかの構成でユーザは液体希釈剤含有流体を圧縮機の列の中の一以上の場所に直接噴射することが好ましい。 そのような噴射は蒸発および吸収される潜熱によって冷却を行う。 気化した希釈剤はフローの体積を増大させる。 この方法は表面型熱交換器よりも更に安価なシステムを要求するが、しかし効率に高い向上を与えることはない。
【0240】
図2、図3、および図4では、希釈剤に冷却を表わすために1つのスプレー式インタークーラが実施例として示されている。 効率およびシステムのコストを改善するために第1と第2の圧縮機の間で圧力比ラムダを調節するための努力が表4に示されている。 これらは、低圧圧縮機の望ましいサイズが60のベータでのVAST−Wに関する圧縮機の組合せのコストの約1%から25のベータでのVAST−WSサイクルに関する38%までの範囲にあり、VASTサイクルの特定の実施形態を構成するために使用される圧力と希釈剤冷却方法に応じて決まることを示唆している。 1つだけの希釈剤噴射冷却フローが設けられる場合、高圧のシステムではそれはすべての後段に冷却された流体の恩典を与えるために第1の圧縮段の中(または第1と第2の間)に構成されることが好ましい。 更に低い圧力構造を備えて、それはシステムに沿った道のりの約1/3に構成されることが可能である。 同様に、希釈剤は191特許出願の図16に示されたように直接接触器を使用して圧縮機入口へと同伴されることが好ましい。
【0241】
図8に描かれたように、ユーザが各々の圧縮段C1、C2・・・CNに関してスプレー式インタークーラを設けることが更に好ましい。 ユーザは、次の段で蒸発させられることが可能である多さに近い蒸発可能な希釈剤を各々の段で供給するように流体噴射パラメータを制御することが好ましい。 オリフィスの直径および直接接触器のオリフィスを横切る流体の差圧は、急速に蒸発する小さい液滴を構成するように調節されることが好ましい。 蒸発距離はほぼ段と段の間隔となるように選択されることが好ましい。 液滴のサイズは羽根とブレードの周りのフローに伴う運動を液滴に与えるように選択されることが好ましい。 同様に、液滴が圧縮機の部品を浸食する有意の衝撃浸食を回避するために十分な程度にそれらは小さく構成されることが可能である。
【0242】
これらの評価は圧縮機の中の酸化剤流体速度の横断方向の分布の変動に適応するようにTrifluid特許出願および191特許出願に教示された構成方法を使用することが好ましい。 加熱された希釈剤は蒸発速度を向上させ、その一方でそれでも冷却を提供するように使用されることが可能である。 最後の段では、供給される流体の量が圧縮機出口によって蒸発させられることが可能な量を超えることが可能である。 残りの流体の液滴はスプレーの中で従来式に形成される液滴よりも小さいであろう。 これらは燃焼器を構成して制御することに計上されることが好ましい。
【0243】
噴射された液体が酸化剤含有流体の流れの中で完全に蒸発することを見分けるために注意が払われることが好ましい。 システムを停止するとき、圧縮機は乾燥する時間のためにスプレーの添加を伴わずに動作させられ、腐食の可能性を削減することが好ましい。 図13に示されるように、「オーバーフロー用の」ドレン管が圧縮機の列の中に設けられることが可能であり、そこでは余剰の液体希釈剤が外に落ちて圧縮機の中に集まる。
【0244】
図10に示されるように、ユーザは表面型熱交換器1900および水冷もしくは空冷といった手段による環境への熱排出F670を使用することが可能である。 図8に示されるように冷却から出る熱が冷却剤のフローの中に回収され、再循環させられることが更に好ましい。 図11を参照すると、ユーザは直接接触型熱交換器1700を使用して圧縮された酸化剤含有流体F102への気化可能な希釈剤含有流体F270の直接噴射によって冷却を行うことで加湿されて圧縮された酸化剤含有流体F103を形成することが可能である。 この直接接触型熱交換器は191特許出願に教示されるような直接接触器を使用することが好ましい。 何人かのユーザは、例えば図30に示されるような上述の冷却手段のうちの一以上の組合せを使用する。
【0245】
[膨張器の蒸気冷却を備えたVAST蒸気サイクル(VAST−WS)]
いくつかの構成では、ユーザは膨張器の高温部品の蒸気冷却を使用し、ブレードを冷却するために広く使用される余剰空気の少なくともいくらか、好ましくは全部を置き換えることが好ましい。 タービンのブレードおよび羽根といった膨張器の高温部の部品を冷却するために広く使用される余剰空気はしばしばタービンを通る流量の10%から18%である。 従って、VASTサイクルでは、ブレードの蒸気冷却を提供することはユーザが圧縮機のサイズを空冷システムに相対して約9%から15%削減することを可能にする。
【0246】
[膨張器表面蒸気冷却用の表面型インタークーラを備えたVAST蒸気サイクル]
改良された構成では、ユーザは蒸気混合型インタークーラではなく一以上の表面型インタークーラを組み合わせ、空冷を蒸気冷却で置き換えることが好ましい。 加熱された蒸気が膨張器の高温部から回収され、上流に向きを変えられて燃焼器に入ることが好ましい。 これは従来式の蒸気冷却のエネルギー流体(作用流体)の冷却を少なくする。 そのようなVAST蒸気サイクル構成でもって、ユーザはスプレー式インタークールを備え、かつタービンのブレードの冷却のために圧縮空気を使用するVAST蒸気サイクルに相対して効率で約3から4パーセントポイントの増大を予期する。 例えば、ユーザはそのようなVAST蒸気サイクル構成で、それらの方策を伴わないでTraversoによって為された部品の効率とパラメータの想定を備えた約51%に相対して50MWおよび1300℃で54%よりも大きい効率を予期する。 すなわち、それらの構成に関すると、サイクルの効率で約6%の向上がある。
【0247】
[希釈剤供給システム]
[希釈剤源]
[熱的希釈剤/ヒータ]
多くの実施形態は反応する流体を冷却してエネルギー流体の温度を抑制するために直接接触式の配分を通じて流体の水を熱的希釈剤として供給することが好ましい。 電子部品のような冷却用部品は液体の水を使用してそれらを低温に保つことが可能である。 蒸発器の沸騰水のような他のものは蒸気を形成する。 スーパーヒータは膨張エネルギー流体から熱を回収するために使用される蒸気を加熱する。
【0248】
いくつかの実施形態は燃焼によって形成された二酸化炭素の一部を熱的希釈剤または希釈剤の成分として再循環させることで燃焼の温度を抑制する。
【0249】
従来式の希薄燃焼型発電システムは余剰の空気を熱的希釈剤として使用する。 本実施形態は熱的希釈剤として使用される余剰の空気の大部分を置き換えることで熱効率を向上させることが好ましい。 いくつかの構成では、ユーザは窒素、二酸化炭素、水蒸気、およびいくぶんかの余剰酸素を含めたいくぶんかの燃焼ガスまたは希釈剤回収システムを出る使用済みガスを熱的希釈剤として再循環させることが可能である。
【0250】
いくつかの実施形態は低い蒸気圧の天然油または合成油を一以上の分散型直接接触器内の熱的希釈剤として使用する。 いくつかの構成ではフルオロカーボンのような合成の熱流体が、それらの特殊な特性に関して用途によって要求されるかまたは必要とされるときに使用される。
【0251】
いくつかの実施形態では、分散型接触器は少なくとも1つの冷却された(または加熱された)反応剤および/または生成物を反応中の成分へと供給し、それらを混合することで温度を抑制する(または押し上げる)。 特に、いくつかの方策は二酸化炭素、水蒸気、窒素、および/または付随する希ガスのうちの少なくとも一部を含めた使用済みガスまたは排ガスの一部分を再循環させる。 そのような方策は生成物の分離と精製のシステム、ならびに反応剤再循環システムを大幅に単純化する。
【0252】
[貯蔵システム]
いくつかの構成では、ユーザは燃料(例えばDiesel#2)、熱的希釈剤(例えば供給水、処理された水)、または酸化剤含有流体(例えば圧縮空気、濃縮空気、および/または酸素)のうちの一以上のフローを緩衝するために貯蔵システムを設けることが好ましい。 この貯蔵システムはタンク、パイプ、リザーバおよびその他の関連した容器を含むことが可能である。 タンクは処理された流体または未処理の流体のために供給されることが好ましい。
【0253】
正味で正の水収支を供給するが水需要のない構成では、ユーザは従来式のシステム構成に相対して水供給の貯蔵タンクのサイズを小さくすることが好ましい。 例えば、正の水収支が達成されるまでの立ち上げに十分な水を供給し、かつ/または正の水収支がもはや有効ではなくなるとその後はシステムを遮断する。 これらの方策は水供給システムに関するコストおよび専有面積を大幅に削減する。
【0254】
正味で正の水収支を供給し、水需要を伴う構成では、ユーザは処理された水の供給用貯蔵タンクのサイズを、ピーク需要期間と閑散期間または水輸送の間、例えば日中の需要または定期的なタンカーの集配を緩衝するように構成する。
【0255】
[ポンプ]
従来式の気体の熱的希釈剤と置き換えるために希釈剤流体を供給する工程では、ユーザはエネルギー変換システムの中の熱および質量の伝達システム6000に液体の熱的希釈剤をポンプ送出することが好ましい。 例えば図14を参照されたい。 例えば、余剰の圧縮空気と置き換えるために液体の水を熱的希釈剤および/または冷却剤としてポンプ噴射する。 ユーザは液体希釈剤を加圧し、その大部分もしくは全部をタービンの上流で酸化剤含有流体の中に供給するために高効率の液体ポンプを使用することが好ましい。
【0256】
ユーザは液体希釈剤の少なくともいくぶんかを一以上の熱回収部品、例えばエコノマイザ、蒸発器、スーパーヒート器、および復熱器のうちの一以上にポンプ噴射することが好ましい。 そこからユーザは加熱された希釈剤を、普通ではタービンの上流で酸化剤含有流体のフローまたはエネルギー流体のフローの中にダクト接続する。 いくつかの構成では、ユーザは熱的希釈剤をタービンのブレード、羽根、および壁に供給する。
【0257】
ユーザは最大の容積のための最大の圧力の場所に供給するために必要とされる最大の圧力を供給するように液体希釈剤の(複数)ポンプをサイズ決定することが好ましい。 例えば、燃焼器内のエネルギー流体のための最大圧力比と、直接流体接触器を通して希釈剤を供給するための余剰圧力もしくは差圧と、(複数)ポンプと燃焼器との間の圧力損失に打ち勝つために十分な圧力との合計である。
【0258】
[希釈剤処理システム]
[熱的希釈剤のフィルタ処理]
図2および図15を参照すると、ユーザは熱的希釈剤がエネルギー変換システム内で使用される前にそれを処理するために流体処理システム(TRE)2300を設けることが望ましい。 例えば、必要とされるときにユーザはシステムの中にポンプ噴射される熱的希釈剤から微粒子を除去するためのフィルタを設けることが好ましい。
【0259】
VASTサイクルがTrifluid燃焼器、酸化剤含有流体中への希釈剤噴霧または直接接触器のその他の応用を備えて構成される場合、191特許出願およびTrifluid反応器特許出願に教示されるように分散型直接流体接触器チューブを通して噴射されるであろう流体から微粒子をフィルタ除去するように注意が払われることが好ましい。
【0260】
ユーザは、分散型接触器のオリフィスを詰まらせる可能性のある、必要とされるサイズよりも大きい微粒子を熱的希釈剤(例えば水)から所望の確率で除去するように最大オリフィスのフィルタを流体処理部に設けることが好ましい。 そのような微粒子除去は、タービンを目詰まりさせかねない成分(例えば水中に懸濁した微粒子)を熱的希釈剤から取り除くことによってシステムに利点を与える。 これは平均のタービン効率と有効性を向上させ、保守管理と修理のコストを下げる。
【0261】
[熱的希釈剤の処理]
高温ガス経路の部品の耐用年数を維持するため、ガスタービンの製造業者は高温ガスの経路への異物混入の限度を規定することで保証を維持する。 同様の値が高温経路の腐食を抑制するために推奨される。
【0262】
最大の懸案は微量金属であって、主にバナジウム、ナトリウム、カリウム、鉛、およびカルシウムである。 これらの混入物質は腐食性の燃焼生成物を生じかねず、それは例えば硫酸ナトリウム、バナジウム酸ナトリウム、五酸化バナジウムである。 これらの金属の限度(通常は0.5〜2ppmの範囲)は、通常では、混入物質の各々の考え得る供給源、すなわち水および燃料について規定される。
【0263】
入口空気または蒸発冷却器からの最少限の持ち込みを提供するための通常のフィルタ処理および適切な操作でもって、空気供給源は小さく、かつ厳しい環境を除いて通常はそのような規定の濃度限界の範囲内にある。 統制された市場の天然ガス供給源は懸案となるに足る量でこれらの微量元素を含むことを知られていない。 従って、フィルタ処理した空気と天然ガスでもって、そのような混入物質は通常ではVASTサイクルに関して主要な懸案ではなくなる。
【0264】
ほとんどの供給源から得る液体燃料は懸案となる十分に高いレベルの混入物質、特にバナジウムを含む。 従って、微量元素を規定のレベルに削減するための液体燃料の処理は通常では希釈剤の回収および再使用とは関係なくこれらの異物混入レベルに対処する手助けをするために含まれる。 回収されるよりも多くの希釈剤が使用されるSTIGおよびHATサイクルのようなサイクルについては、補給水と回収希釈剤の両方の持続的な処理が継続的に要求される可能性がある。
【0265】
[VASTサイクル内の希釈剤処理]
ほとんどのVASTサイクルで、膨張器5100の出口の上流で酸化剤およびエネルギー流体のフローに供給されるよりも多くの希釈剤を回収するようにシステムが構成され、運転されることが好ましい。 これはほとんどの状況で補給水の必要性を排除する。 VASTサイクルは再循環に必要とされるよりも多くの水を回収し、他の水の損失を補充するための補給水を作り出す(ユーザの水漏れの多い用途での高い水損失がVASTサイクルの余剰水回収能力を超える状況ではある程度の補給が必要とされる可能性がある)。
【0266】
天然ガスのような清浄な燃料、および良好にフィルタ処理された空気取り入れでもって、通常のVASTサイクルでは回収されて再使用される希釈剤の更なる処理は不要と思われる(表6参照)。 この結論は、あるガスタービン製造業者の発表した異物混入限度の適用、およびすべての供給源から由来するすべてのガス経路の混入物質が最後には回収された希釈剤の中にあるという想定(極めて控えめな想定)に基づいている。 フローを見積もるために使用される一般式は次の通りである。
[式] (A/F)X+(W/F)X+X<表1の限度
【0267】
ここでX、X、Xは空気、水、および燃料それぞれに関する異物混入限度であり、Wは噴射される水の流量であり、A、Fは空気および燃料の流量である。
【0268】
この結果は、天然ガスを使用すると燃焼によって十分な余剰希釈剤が作り出され、推奨されるガス経路異物混入限度を超えないように十分に取り入れ混入物質濃度を希釈するために回収されることを示している。 従って、いくつかの実施形態では、余剰水の放出すなわち「ブローダウン」による濃度抑制を超えた、混入物質を削減するための更なる希釈剤処理は不要とされることが可能である。
【0269】
【表6】

【0270】
十分量の混入物質(表7参照)を伴った液体燃料(または気体燃料)が使用される場合、または高度に異物混入した取り入れ空気条件が存在する場合、回収される希釈剤の処理が、フローを所望のレベルまで下げるために要求される。 混入物質を除去するための選択の処理として混床式脱塩塔が使用されることが可能である。 低い異物混入レベルのせいで、再生速度は相応して低いであろう。
【0271】
【表7】

【0272】
いくつかの実施形態では、混入物質のレベルを制御するために十分なある程度の希釈剤を処理するためにユーザが「副流」処理を設けることが更に好ましい。 これは、別の方法では処理システムを通してすべての希釈剤を押し進めることを必要とされるであろうポンピング仕事量を削減する利点を提供する。 希釈剤処理コストを下げるために余剰希釈剤の放出と副流処理との組合せが好ましい。
【0273】
回収される熱的希釈剤を介して膨張器に供給される混入物質のフロー(または濃度)が多量であり、その濃度を下げることによってライフサイクルコストが削減される場合、または混入物質のフロー(または濃度)のそのような低下が必要とされる場合、いくつかの構成でユーザはそれら混入物質を減少させるために処理システム2300内に希釈剤の更なる処理を設けることが好ましい。
【0274】
同様に、処理された水が要求されるかまたは必要とされるとき、形成された余剰の希釈剤のフローを処理することでこれらの濃度を要求されるかまたは必要とされるレベルに下げることが好ましい。 いくつかの状況では、利用可能な余剰の水は精製されて収益のために販売されることが可能であり、水処理を費用から収入発生源へと切り換える。
【0275】
例えば混床式脱塩塔による水処理が使用されることが可能である。 化学が適している場合には逆浸透および他のタイプの脱塩塔といった他のタイプの処理が使用されることが可能である。 これらの処理方法は、それが噴射されるであろう部品、例えばタービンのブレード、タービンの羽根、およびシュラウドのうちの一以上を含むことが可能であるタービンの高温経路部品と相容れない化学物質を除去する。
【0276】
ユーザは微粒子負荷を削減するために一以上のフィルタを通して凝縮希釈剤を濾過することが好ましい。 希釈剤の微粒子が分散型接触器のオリフィスに混入することを防ぐために分散型接触器のオリフィスよりも小さいサイズの均一なオリフィスのフィルタを使用することが好ましい。
【0277】
二重構造の配列のうちの他方のフィルタが使用されているときにフィルタ媒質がオンラインで洗浄または交換されることが可能となるように粗いフィルタが二重タイプにされることが可能である。 ある実施形態では100ミクロンまで下がった自動逆洗フィルタ媒質フィルタが使用されることが可能である。
【0278】
約10ミクロンよりも大きい微粒子をフィルタ除去するためにいくつかの実施形態では細かいフィルタが使用されることが可能である。 これらのフィルタは砂および無煙炭のような媒質フィルタを含むことが可能である。
【0279】
いくつかの構成では、後に来るpH調節に先行してユーザは希釈剤凝縮物中のCO濃度を下げることが好ましい。 ユーザは再圧縮機を設け、希釈剤中の二酸化炭素を減らすため、および/またはシステムの熱的経済性を改善するために必要とされるかまたは要求されるときに凝縮器の後段の圧力を大気圧未満に引き下げることが好ましい。 いくつかの構成では、VASTサイクルに設けられる再圧縮機はそれ自体で十分な二酸化炭素除去を提供する。
【0280】
形成される酸性ガスのいくらかは凝縮した熱的希釈剤で溶解して回収される。 例えばそれは二酸化窒素、二酸化硫黄、および二酸化炭素などのいくらかの部分である。 VASTサイクル燃焼器内の促進された温度制御は燃焼中に形成される窒素酸化物および一酸化炭素(NOおよびCO)の濃度を従来式の関連技術に比較して大幅に低下させ、触媒燃焼のレベルと同様まで下げる。
【0281】
正味で正の水収支を供給するVASTサイクル構成では、これら酸性成分の混入物質の濃度は、形成された量を放出された水の量で割った値に比例して平衡に至るであろう。 ユーザはこれらの酸性成分濃度で動作するように十分に耐酸性のある部品からシステムを構成することが好ましい。
【0282】
酸の処理を必要とするシステムでは、ユーザは酸のフローを処理するために必要とされるサイズでイオン交換膜または同様の酸の処理システムを設けることが好ましい。 ユーザは、更に少ない混入物質形成が理由で、および形成される余剰の水と共に一部が放出されるので、再循環希釈剤処理システムを従来式のシステムよりも大幅に小さくかつ安価にサイズ決定することを予期する。
【0283】
更に少ない処理の必要性および更に小さい処理設備に相応して、ユーザは凝縮物を処理して再循環させるために従来式の関連技術の「湿式」サイクルよりも大幅に少ない時間を費やすことを予期する。 ほとんどすべての外部補給水の必要性がほとんどの構成で排除される。
【0284】
[燃焼システム]
[燃焼チャンバ]
図21を参照し、好ましいVAST燃焼器および温度制御方法については191特許出願およびTrifluid特許出願を参照する。
【0285】
[燃焼器出口/タービン入口温度]
図1を参照すると、ユーザは処理された希釈剤を燃焼器に供給してエネルギー流体の温度を制御するために希釈剤供給システム2000を使用することが好ましい。 希釈剤は、部品類を冷却し、かつ燃焼器へと供給される前にエネルギー変換システム内から熱を回収するために熱および質量の伝達システムの中で利用されることが好ましい。 伝えられるところではタービンのブレードの寿命は、エネルギー流体の温度が10K(18°F)下げられるかまたは上げられるかで2倍になるかまたは半分になる。 更に、約1300℃の通常のタービン入口温度で、関連技術の温度測定の不確実性は約+/−10Kである。
【0286】
VASTサイクルは、燃焼器出口またはタービン入口温度(TIT)の度合いを更に正確に制御するように動作可能な燃焼器を使用することが好ましい。
【0287】
ユーザは、特に希釈剤のフローにわたって高精度の流量制御を備えた燃焼器を構成することが好ましい。 好ましくはGinterのVAST燃焼器、更に好ましくはTrifluid 特許出願および191特許出願に教示されるようなTrifluidのVAST燃焼器を供給する。
【0288】
例えば、Trifluid 特許出願に開示されたVAST Trifluid燃焼器は、燃料含有流体および希釈剤含有流体にわたって、特にそれらが液体であるとき、大幅に更に正確な制御を供給するように使用されることが好ましい。 同様に、VAST燃焼器は化学量論に近い条件で動作しながらその一方で残留酸化剤濃度をモニタすることによって酸化剤対燃料の比にわたる大幅に更に正確な制御を供給する。
【0289】
本明細書に述べられているように、ユーザは以下の利点、すなわち
タービン入口温度の度合い、
低減された不確実性、
タービン入口温度分布、
削減された分布/「プロファイルファクタ」、
削減もしくは削除されたライナー冷却、
削減された温度分布の不確定性、
更に高い平均温度、
のうちの一以上を提供するように燃焼器を構成し、かつ熱的希釈剤の流量を制御することが好ましい。
【0290】
[低減された温度不確実性の横断方向分布]
この好ましい燃焼器および設けられた流体制御方策で、ユーザは大幅に改善された流体流量制御、従ってエネルギー流体の温度制御での改善された不確実性を得ることが好ましい。 更に特定すると、Trifluid燃焼器は流体供給の横断方向分布を制御する。 従って、ユーザはエネルギー流体の中で温度の横断方向分布を構成し、かつ制御することが可能である。 これはエネルギー流体のピーク温度の度合いと場所を制御する不確実性に大幅な改善を与える。 Trifluid燃焼器は更に、流体流量の一時的変動の制御を向上させ、従ってエネルギー流体の温度の一時的変動の制御を向上させる。 これらの特徴は空間的および一時的の両方で削減された温度制御の不確実性を提供する。 それらは更に、エネルギー流体を横切る不確定性の横断方向の分布を達成する。
【0291】
[更に高い横断方向温度分布]
ユーザはエネルギー流体の空間的ピーク温度を所望の可能性の中で望ましいピーク温度以下に制御することが好ましい。 この望ましいピーク温度は、この温度が超えられることがない所望の確率に従って、膨張器の高温部の部品の望ましいピーク温度から、エネルギー流体内の空間的ピーク温度の一以上の標準偏差を差し引いたものとして規定されることが好ましい。
【0292】
同様の様式で、ユーザはエネルギー流体内の横断方向温度分布を、膨張器に入る温度の所望の横断方向分布、例えば、ハブから先端へのタービンブレードを横切る温度プロファイルからオフセットされるように構成および制御することが好ましい。 エネルギー流体内の温度の横断方向分布は更に、膨張器入口温度の望ましい横断方向分布から、温度不確実性の横断方向分布内の空間的局所の不確実性を望ましく増倍した値を差し引いたものとして構成されることが好ましい。
【0293】
膨張器入口を横切る不確実性の更に低い横断方向分布を達成することによって、ユーザは膨張器に入るエネルギー流体の温度の更に高い許容可能な横断方向分布を構成することが好ましい。 そのような温度の更に高い横断方向分布でもって、空間的および一時的に温度制御に更に高い不確実性を有する関連技術に比べるとエネルギー流体に更に高い平均温度を達成する。 この更に高い平均温度はエネルギー変換システムに更に高い熱力学的効率を提供する。
【0294】
[燃焼器冷却システム]
温かい冷却用流体への冷却は最初に熱に弱い部品類を冷却するために使用されることが好ましい。 図19を参照すると、熱に弱い加熱された部品から熱を引き出すために表面型熱交換器が熱および質量の伝達システム6000内で使用されることが好ましい。 例えば、Trifluid特許出願に教示されるように、冷却剤は燃焼チャンバを取り巻く圧力容器へとダクト接続されることが好ましい。 熱の回収を補助するために、断熱が設けられることで雰囲気条件への熱損失を減少させることが可能である。 例えば、図19に示されるように燃焼器冷却システムを断熱材で取り囲む。 ユーザは圧力容器の温度を約533K(約260℃または500°F)未満に維持することで共通のASME規格に準拠する更に安価な圧力容器部品を利用するように圧力容器冷却システムを設計することが好ましい。
【0295】
その後、ユーザは加熱された水を熱的希釈剤として燃焼チャンバ4100に供給するように方向付けることが好ましい。 これは燃焼器からの熱損失を大幅に減らす。
【0296】
ユーザは、Trifluid反応器特許出願および191特許出願に教示されるように、追加の熱的希釈剤冷却と共に化学量論に近い燃焼で動作するVASTサイクルによって与えられる抑制された燃焼を扱うことが可能な燃焼器の壁もしくは「ライナー」を設けることが好ましい。 ユーザは、図21に示されるように、燃焼器のライナーを追加的に冷却してこの高いグレードの熱を回収するためにライナー冷却システムを追加的に設けることが可能である。 (複数の)酸化剤流体F160、燃料F320、液体の希釈剤F276、および気化した希釈剤F275は、普通は燃焼器へと供給され、燃料が燃やされ、エネルギー流体F405が形成される。 燃焼室の周りの冷却システムの中に冷却用流体がダクト接続されることで必要な場所で壁の温度が抑制される。 それらはスーパーヒート状態の蒸気のような更に高温の流体として回収される。 燃焼器の壁の中でそのように加熱された熱的希釈剤は更に一様な温度プロファイルを提供するために上流で燃焼器の中に供給されることが好ましい。
【0297】
ユーザは、熱的希釈剤もしくは冷却剤として燃焼器ライナーの壁を通して供給される余剰の酸化剤含有流体(例えば圧縮空気および/または蒸気)を供給する工程を除外することが好ましい。 これは、そのようなライナー冷却用の熱的希釈剤でエネルギーガスを冷却しないことによって燃焼器を横切る温度分布を改善するという利点を与える(すなわち、更に一様な温度プロファイル、または単一に更に近い「プロファイルファクタ」を与える)。 「プロファイルファクタ」を改善することは他方でシステムの熱効率を向上させる。
【0298】
改良された構成では、ユーザは燃焼器のライナーの壁を冷却するためにいくつかの構成で熱的希釈剤を供給する。 そのような燃焼器冷却システムに関する更なる詳細はTrifluid特許出願に特に図28と図30を参照して、および191特許出願に提供されている。 燃焼器のライナーは圧力容器の中に配置されることが好ましく、それにより、ライナー冷却剤の圧力はライナーを通して希釈剤を供給することに十分であることだけを必要とする。 例えば、高温の金属を保護するために蒸気が内側に並んだ冷却剤ダクトと共に使用されることが可能である。 そうでない場合は高温のセラミックが使用されることが可能である。
【0299】
いくつかの実施形態では、燃焼システムから熱を除去することでシステムを低温に保つために燃焼システム内の輻射シールドが構成されることが可能である。
【0300】
必要とされるかまたは要求される場合、ユーザは燃焼チャンバのライナーを冷却するための方法に類似したいくつかの構成で燃焼器−タービン移行ゾーンの壁を冷却するために熱的希釈剤を供給することが好ましい。 結果的に生じる加熱された希釈剤は、更に一様な温度プロファイルを供給し、かつエネルギー流体を希釈して冷却するのではなくこの熱を回収するために上流で燃焼器の中に供給されることが好ましい。
【0301】
[燃料供給システム]
[燃料源]
[流体燃料、および希釈剤/ヒータ]
VASTサイクルの実施形態はTrifluid特許出願および191特許出願に教示され、かつ以下のように広範な流体燃料もしくは流体にされた燃料のうちの少なくとも1つを使用することが可能なTrifluid燃焼器の実施形態を利用することが好ましい。 いくつかの実施形態は液体燃料と気体燃料の両方、例えば天然ガスおよびディーゼル燃料から選択される多数の燃料を供給することが好ましい。 これは燃料価格または利用可能性の変動から由来する経済的危険性を低減する。 他の構成は多数の液体燃料を使用することが可能である。 Trifluid燃焼器は液体燃料を使用して動的性能を向上させることが可能である。
【0302】
いくつかの実施形態は、異なる発熱量の燃料の供給と混合に付随するコストを削減することで燃料、供給、および貯蔵のコストのうちの一以上のパラメータのコスト、燃料処理のコスト、および重合のような影響を緩和するためのコストを削減するように複数の燃料を混合する工程を提供する。
【0303】
ポンプ、圧縮機、および制御バルブは流量および必要な圧力を燃焼システムに要求されるように提供するために選択的に使用される(図26参照)。(いくつかのケースで、パイプラインもしくはタンクからといった外部の燃料供給圧力が適切である場合にいくつかのポンプまたは圧縮機が削減または削除され得ることに留意すべきである)。
【0304】
[燃料のタイプ]
本発明のいくつかの実施形態は広範な液体燃料のうちの一以上を使用することが可能である。 それは例えば、
航空機燃料、ガソリン、灯油、ディーゼル燃料、重油、バンカーオイル、原油、タールサンド、シェール油、重化石液、石炭由来燃料、および液体天然ガス(LNG)を含めた液体石油燃料および蒸留燃料、
ヤシ油、ココナッツ油、大豆油、菜種油、カノーラ油、およびピーナッツ油を含めた植物油、
そのような植物油のエステル、
バイオマスまたは化石炭化水素を加熱することによって形成される熱分解燃料、
メタノール、エタノール、およびMTBEを含めた含酸素燃料、
液体水素、液体アンモニアを含めた非炭素液体燃料である。
【0305】
本発明の実施形態は広範囲の気体燃料のうちの一以上を使用することが可能である。 それは例えば、
多くの燃料または天然ガス、コールベッドメタン、プロパン、ブタンを含むガスをベースとする石油、
石炭、オイルサンドを含めた化石燃料を空気、酸素濃縮空気、または酸素を伴ってガス化することによって作られるプロデューサガスまたは合成ガス、一酸化炭素と水素の量を変え、メタンおよびその他の炭化水素の追加部分を変えたものを含む重燃料、および場合によっては残留している未反応燃料および/または窒素および二酸化炭素を含む希釈剤、
空気、酸素濃縮空気、または酸素中でバイオマスをガス化して得られるプロデューサガスまたは合成ガス、
水素または他の非炭素気体燃料など、
バイオマスから放出される生物ガスまたは他のガス、
水を伴う燃料である。
【0306】
いくつかの実施形態は一以上の燃料を伴う流体燃料を与える。 それは例えば、
水を溶解するエタノールおよびメタノールのような含酸素燃料、
上記の液体燃料のいずれかを伴い、場合によっては乳化剤もしくは界面活性剤、例えば「Orimulsion(登録商標)」を伴う水乳化物を含めた燃料の水エマルジョン、
水滴を含む燃料および燃料液滴を含む水を含めた燃料を混合された水、
噴霧水、水蒸気、または蒸気と混合された気体燃料、
上記の燃料の混合物、
懸濁された固体燃料である。
【0307】
いくつかの実施形態は固体燃料を酸化剤含有流体で懸濁、同伴、または流動化する。 それは例えば、
微粉化された褐炭、軟炭粉末、無煙炭粉末を含めた空気中もしくは燃料流体中に同伴もしくは流動化されたいずれかの微細粉砕された石炭、
おが屑、木屑、活性炭屑、小麦粉、籾殻、粉砕トウモロコシ部分などを含めた空気中もしくは燃料流体中に同伴もしくは流動化されたいずれかの微細粉砕されたバイオマスである。
【0308】
[燃料処理システム]
図4を参照すると、ユーザは燃料処理設備を設けることで燃料を処理し、それをエネルギー変換システムで使用するために調製することが好ましい。
【0309】
[燃料のフィルタ処理]
191特許出願およびTrifluid特許出願に述べられているように、ユーザは供給される流体燃料から微粒子を取り除くためにフィルタを設けることが好ましい。 分散型接触器のオリフィスを詰まらせる可能性のある微粒子を所望の確率で除去する最大のオリフィスのフィルタを設けることが好ましい。 例えばそれは穿孔された直接接触器内のオリフィスのサイズの約2/3のサイズのオリフィスを備えた一様なフィルタである。 そのような微粒子除去は、タービンを目詰まりさせかねない燃料成分を除去することによってシステムに利点を与える。 これは平均のタービン効率および有効性を向上させ、保守管理と修理のコストを下げる。 塩類を除去するために燃料は洗浄されることが可能である。
【0310】
改良された実施形態では、ユーザは燃料を加熱することで性能を向上させることが可能である。 液体燃料に関すると、選択された温度範囲に予備加熱する処理は重合およびコークス化という有害な影響を削減することが可能である。 気体燃料については、熱を加える処理が、燃料供給システムまたは燃焼システムの部品に悪影響を与えかねない同伴水分を除去することが可能である。 熱は、エネルギー流体、膨張流体、圧縮された酸化剤流体、加熱された希釈剤流体、または加熱された冷却剤流体のうちの一以上から加えられることが可能である。 燃料は発電機のような内部で加熱される部品を使用して加熱されることが可能である。
【0311】
[膨張システム]
[タービン]
[タービン膨張比]
機械的エネルギーまたは電気エネルギーが所望される場合、ユーザは膨張器にエネルギー流体を供給し、エネルギー流体を高圧から低圧へと膨張させることが好ましい。 発電機を駆動させ、その後、膨張流体を拡散器(または排気筒)へと排気するために機械的エネルギーのいくらかを使用することが可能である(例えば図23参照)。
【0312】
更に大きなシステムでは、ユーザは図24に描かれるような一連のいくつかの膨張段を通してエネルギー流体を膨張させることが好ましい。
【0313】
図20を参照すると、ユーザは熱および質量の伝達システム6000によって供給される希釈剤を使用し、膨張器の複数の膨張段の中の一以上、あるいは高温部品を冷却することが好ましい。 例えば、タービンの羽根、タービンのブレード、タービンのシュラウド、およびタービンのハブのうちの一以上の段である。
【0314】
図8および図25を参照すると、いくつかの実施形態でユーザは膨張器および凝縮器の後段で再圧縮機を備えた燃焼器の前段で一以上の圧縮機を組み合わせることが好ましい。 そうすることによって、タービンの前段の一以上の圧縮機の圧力比の積(ベータlpc、ベータhpc)を再圧縮機の圧力比(ベータrec)で乗じ、取り入れ部と出口との間の圧力損失の効果を差し引いたものである正味のタービン膨張比(ベータタービン)を達成することが好ましい。 この方法によって、燃焼器と雰囲気条件との間の従来の圧力比よりも大幅に高い正味のタービン膨張比を達成する。
【0315】
VAST−WSサイクルと共に再圧縮機を設けることによって、この総計のタービン膨張比は、(合計の酸化剤の圧縮比ベータが約10の際の)約37から(酸化剤の圧縮比ベータが約44の際の)約102.8に構成されることが好ましい。 その結果、再圧縮機の追加は超高圧部品を使用することなく合計のタービン膨張比を大幅に上げる。 それは更に、一層低い温度での圧縮を可能にする。
【0316】
この全体的タービン膨張比は望ましい入口酸化剤圧縮比と近似して変わるように見える。 再圧縮比は(圧縮器の比約10の際の)約3.7から(圧縮器の比約44の際の)約2.3であることが更に好ましい。
【0317】
ユーザはVAST蒸気サイクル(VAST−WS)を伴う所望の、もしくは改善された性能の達成を補助するように全体的タービン膨張比(ベータタービン)を構成することが好ましい。 表8、表9、および表10は合計の酸化剤圧縮比約30でのVAST水サイクル(VAST−W)の構成を示している(構成の方法は表11および図51に示されている)。 VAST−Wサイクルは、2000年の米国の平均の産業用ガスおよび電力の価格でもって約50MWの産業用タービンに関してほぼ最適の経済収益の構成を提供するために約60の圧力比に調節されることが更に好ましく(表12、表13、および表14参照)、ここでは他の湿式サイクルと比較するためにTraversoとMassardoによって選択されたパラメータを想定している。 再圧縮機は約102.5の組合せの正味タービン膨張比を与えるために約1.71の圧力比で構成されることが好ましい。
【0318】
【表8】

【0319】
【表9】

【0320】
【表10】


【0321】
【表11】



【0322】
【表12】

【0323】
【表13】

【0324】
【表14】


【0325】
このタービン膨張比(ベータタービン)は、約30の組み合わされた取り入れ圧縮機圧力比を備えたVAST−WSサイクルについては約76.1になるように選択されることが好ましい。 VAST蒸気サイクル(VAST−WS)で、組合せの圧力比は経済的性能を最適近くに改善するために約25に調節されることが更に好ましい(圧縮比25でのVAST−WSの構成は表15、表16、および表17に示され、構成の方法は表18および図52に示されている)。 このVAST−WSサイクルに関する再圧縮機の圧力比は、組み合わされた正味の膨張比(ベータタービン)約46.1を与えるために約1.81に選択されることが好ましい。
【0326】
【表15】

【0327】
【表16】

【0328】
【表17】



【0329】
【表18】



【0330】
図39を参照すると、2以上の圧縮機で、高圧圧縮機から低圧圧縮機はシステムの性能を向上させるために変えられることが可能である。
【0331】
[余剰水噴射損失vs.引き込み損失]
引き込み圧力は一以上の部品を横切って降下し、かつ/または寄生ポンピング損失は実効酸化剤圧縮比、およびその後、機械的出力を回収するために利用可能な正味のタービン膨張比を低下させる。 例えばその部品は、取り入れ部の拡散器、取り入れ部の流体フィルタ、取り入れ部の水同伴スプレー、内部圧縮機の水スプレー、中間圧縮機の水スプレー、中間圧縮機の表面型インタークーラ、拡散器、拡散器を含めた燃焼器の部品、流体供給と平衡化ゾーン(過渡部分)、スーパーヒータ、蒸発器、エコノマイザ、予熱器、凝縮器、冷却器、および拡散器のうちの一以上である。 圧力降下を減らすために、ユーザは191特許出願に教示されるように水スプレー式酸化剤取り入れフィルタを構成することが好ましい。 圧力降下を減らし、かつ熱的性能を向上させるために、191特許出願に教示されるように直接接触型凝縮器を構成することもやはり好ましい。
【0332】
[多軸タービン]
いくつかの実施形態では、ユーザは第1の圧縮機タービンと第1の圧縮機を1つのシャフト上に構成することが好ましい。 電力タービンと発電機を第2のシャフト上に位置決めすることが好ましい。 ユーザは再圧縮機を、圧縮機タービンおよび圧縮機と共に第1のシャフト上に構成することが好ましい。 圧縮機−再圧縮機の組合せのスピードを制御することが可能なモータと共に組合せを構成することが好ましい。 他の構成では、再圧縮機とモータは別々のシャフト上に構成されることが可能である。
【0333】
そのような組合せは圧縮機−タービンの回転スピードおよびそれに付随する酸化剤含有流体の流量および燃焼の変更にフレキシビリティを与える。 圧縮機を駆動しなければならないわけではないので、電力タービンは用途に要求されるトルクとスピードを供給するように構成されることが好ましい。 例えば、それは低スピード用途で極めて高いトルクを供給するように構成されることが可能である。 同様に、タービンと発電機はグリッドスピードに比例して別々のシャフト上で固定のスピードで動作することが可能である。
【0334】
タービンを更に効率的なパラメータの下で動作させるために、少なくとも1つのタービンの回転スピードは上下に変えられることが可能である。 例えば、電力タービンのスピードが、望ましいシャフトスピードに従って調節されることが可能である。 同様に、正味のタービン膨張比を制御するために再圧縮機のスピードが変えられることが可能である。
【0335】
いくつかの構成では、ユーザは電力タービンと出力駆動シャフトとの間に調節可能なスピードの駆動部を設けることが可能である。 これは所望の出力に関してタービンをその最良の効率付近に保ちながらその一方でほとんどのスピード変化に対応することを可能にする。
【0336】
圧縮機タービンの出力は圧縮機のために要求される出力の大きさにされることが好ましい。 これは圧縮空気の流量当たり15%のO排気濃度で、従来式の希薄燃焼圧縮機タービンよりも約65%から約72%小さいことが可能である。 ユーザが再圧縮機を追加するとき、圧縮機タービンは第1のシャフト上の2つの圧縮機によって引き出される組合せ出力の大きさにされることが好ましい。
【0337】
いくつかの実施形態では、ユーザは第3のシャフト上に第2の(低圧の)圧縮機タービンもしくは電気モータを入口の低圧圧縮機と共に構成することが好ましい。 そのような構成では、ユーザは第1のシャフト上に高圧圧縮機タービンと共に高圧の圧縮機を配置するその一方で再圧縮機をこの第3のシャフト上に構成することが好ましい。 高圧圧縮機タービンと低圧圧縮機タービンもしくは電気モータは、付随する圧縮機によって要求される対応した出力に構成される。 ユーザは独立した第2のシャフト上で直接電力タービンを使用するかまたは発電機を伴って使用するかのどちらかが好ましい。
【0338】
いくつかの実施形態は、中間の駆動部を伴うかまたは伴わずに機械的装置をタービンに接続する。 機械的装置は圧縮機に加えて少なくとも1つの容器のプロペラ(vessel propeller)、サイクルの再圧縮機、サイクルのポンプからなることが可能である。
【0339】
[タービンの正味の比出力]
いくつかの実施形態では、ユーザは単位質量流量当たりの正味の出力またはタービン膨張器の「比出力」を上げることが好ましい。 すなわち、タービンの質量流量(kg/s)当たりのタービン出力kW=(kJ/s)/(kg/s)=(kJ/kg)を上げる。 同じタービンを通じて作り出される出力を上げることによって、VASTサイクルは所望の電力を発生させるための資本コストを削減する。 これは1年当たりの使用の時間数が減少するにつれて電力コスト($/kWすなわちエネルギーのコスト、¢/kWhすなわち$/MWh)のますます大きな部分となる。
【0340】
ユーザはいくつかの構成で次の特徴および利点、すなわち
段当たりのタービン比出力の増大、
更に高い比熱容量、
更に高い比エンタルピ、
所定の出力定格に関して更に低い質量、
所定の温度、質量流量、圧力に関して更に高い出力、
更に高いピーク比出力、
更に高いタービン膨張比、
を提供するように構成されることが好ましい。
【0341】
[正味のタービン膨張比]
いくつかの実施形態では、ユーザはエネルギー流体が膨張させられるタービンの膨張比を上げることが好ましい。 すなわち、タービン入口での高圧対タービン出口後方での低圧の比を上げる。
【0342】
いくつかの構成で、ユーザは余剰の酸化剤および圧縮された気体の熱的希釈剤の大部分を、液体としてポンプ送出される気化可能な希釈剤と置き換える。 従って本明細書に述べられるように圧縮機とタービンのサイズを変更することが好ましい(例えば圧縮空気の65%以上をポンプ送出される水で置き換える)。 これはタービンを通るエネルギー流体のタービン質量流量当たりの正味のタービン出力あるいは正味のタービン比出力(kg/s流量当たりのkWすなわちタービン入口で測定したkJ/kgエネルギー流体)の極めて大幅な増大という利点を与える(例えば図41および図48参照)。 相応して、これは電力タービンからのトルクを、関連技術と相対して特に低スピードにおいて大幅に増大させる。
【0343】
例えば、蒸気および水による熱回収を伴うVAST蒸気サイクル(VAST−WS)で、タービン質量流量当たりの正味のタービン出力は、サンプルの産業用50MW、1300℃の空気力学的タービンで約30の空気圧力比ベータ(経済的最適値に近い)の際に約843kJ/kg(kW/kg/s)である。 これは約10の空気圧力比ベータの際の約791kJ/kgから、約40の空気圧力比ベータの際の約852kJ/kgの範囲にわたる。
【0344】
同様に、水による熱回収だけを伴うVAST−W(VAST水サイクル)で、タービン質量流量当たりの正味のタービン出力は、サンプルの産業用50MW、1300℃の空気力学的タービンで約30の空気圧力比ベータ(経済的最適値に近い)の際に約847kJ/kg(kW/kg/s)である。 これは約10の空気圧力比ベータの際の約764kJ/kgから、約40の空気圧力比ベータの際の約851kJ/kgの範囲にわたる。 この正味のタービン比出力は約58の空気圧力比ベータでは、約848kJ/kgへと後退する。
【0345】
いくつかの実施形態では、ユーザはタービンブレードの空冷を水もしくは蒸気で置き換えるか、またはタービンブレードの冷却を使用しないことが好ましい。 蒸気および水による熱回収を伴うが空冷を伴わないVAST蒸気サイクル(VAST−WS)は約50から約10のそれぞれの圧力比ベータについて約41%から約44%の更に高い熱的希釈剤/酸化剤流量(水/空気)の比を達成する。 その結果、この構成は極めて大幅に高い正味のタービン比出力を達成する。
【0346】
ブレードの冷却を伴わないこのVAST−WSは産業経済的最適値に近い約30の空気圧力比ベータの際に約980kJ/kg(kW/kg/s)の正味のタービン比出力を達成する。 この正味のタービン比出力は、約10の圧力比ベータの際の約912kJ/kgから、約50の圧力比ベータの際の約993kJ/kgの範囲にわたる。
【0347】
関連技術との比較によると、最も類似したHAWITサイクルは同様の条件で約612kJ/kg(kW/kg/s)の正味のタービン比出力を有する(すなわち、(複数の)圧縮機および(複数の)ポンプ内のすべてのポンピング仕事量を差し引いたタービンの総計出力をタービンから出る流体の質量流量で割ったものである)。 すなわち、VAST−WSは更に約38%高い正味のタービン比出力を有する。 同様に、単一圧力のSTIGサイクルは正味のタービン比出力533kJ/kgを有する。 これはVAST−WSにSTIGサイクルを上回る約58%の正味のタービン比出力の利点を与える。 これらのパラメータは極めて大幅な熱的経済性の利点を提供する。
【0348】
同様に、ブレードの冷却を伴わず、空冷を伴わないこのVAST−WSに関する980kJ/kgの高い正味のタービン比出力は、この50MWの産業用空気力学的タービンの例でHAWITサイクルよりも約60%高く、STIGサイクルよりも84%高い。
【0349】
VASTサイクルが、(圧縮機取り入れ部での)追加される熱的希釈剤/酸化剤含有流体流量(例えば追加される合計水量/合計の圧縮空気流量)の大幅に高い比を利用することもやはり留意すべきである。 例えば、それは1300℃のタービン入口温度で空冷されるタービンブレードを伴って算出される実施例については29%から40%である。 4つの関連技術のサイクルの比較によると、STIG、HAT、RWI、およびHAWITは通常の圧力比20から40については概して12%から23%の範囲にわたる水/空気比を有する(サイクルの完全な再設計が加えられる追加希釈剤のそれらのレベルを可能にすることを想定している)。 従って、VASTサイクルは1300℃で26%を超える添加合計水量/合計圧縮空気流量を与えることが好ましい。 低いタービン入口温度(TIT)では、水/空気のこれらの割合は更に増大する。
【0350】
[タービンの必要条件]
高温ガスタービンの部品は部品損傷を回避するためにエネルギー流体中のナトリウムおよびバナジウムといったイオンの低レベルを必要とする。 効率を下げるタービンの羽根およびブレードの目詰まりを避けるために低レベルの微粒子が好ましい。 これらの有害な成分は取り入れの酸化剤含有流体、燃料、および熱的希釈剤(例えば圧縮空気、ディーゼル燃料、および水)から入来する。
【0351】
[部品の冷却および冷却熱の再循環]
ユーザは一以上の熱発生部品あるいは電磁気学的制御器に熱的希釈剤による冷却を提供することが好ましい(図18および図22参照)。 例えばそれらは発電機、モータ、機械的駆動部、ポンプ、軸受け、電磁変換器(例えば変圧器、もしくは可変周波数変換器)のうちの一以上を冷却することが可能である。 図18を参照すると、これらは低温部として記述され、かつ集められることが可能である。 その後、燃焼およびエネルギー流体を冷却するためにVAST熱力学サイクルの中に加熱された流体を戻すように方向付けることが好ましい。 そのような冷却剤のフローが部品を通じて普通に失われる熱を回収し、それにより、燃焼器を出るエネルギー流体の温度を所望の燃焼器出口温度(またはタービン入口温度)へと上げるために必要とされる燃料を削減する。
【0352】
タービン−発電機駆動システムは熱損失の極めて大きな発生源である。 いくつかの実施形態でユーザはこの駆動システムで生じる熱のいくぶんかを回収し、熱的希釈剤を使用してそれを再循環させることが好ましい。
【0353】
可変速度の電子的電力変換器/制御器は、例えばマイクロタービン発電システムで約95%から約96%の効率を達成する。 その結果、発電機によって作り出される総計出力のうちの約5%から4%が熱へと変換される。 従来式の電力変換システムは電子式電力変換器の温度を維持するために空冷を供給する。 送風機の送風電力は大きな寄生損失であり、効率の削減である。
【0354】
そうするのではなくVASTサイクルで、ユーザはいくつかの構成で電力エレクトロニクスを冷却するために液体の熱交換器を設けることが好ましい。 ユーザは電力変換器の接合部温度を必要な信頼性に従った望ましい、すなわち必要なレベルよりも下に保つように(または故障率を所望のレベルに下げるように)熱交換器を構成し、かつ/または熱的希釈剤の流量を制御することが好ましい。 ユーザは、望ましい確率で冷却剤のフローを供給するために余剰のポンプを設けることが好ましい。
【0355】
そのような方策で、ユーザは電力エレクトロニクスから熱を回収し、凝縮器を出る流体の温度から電力エレクトロニクスを出る許容可能な温度付近へと熱的希釈剤を加熱する。 例えば、約25℃の温度から約30℃の熱的希釈剤を取り出し、それを最大で約95℃から98℃に加熱する。 それによってユーザは、そうしなければ可変周波数型の電子式電力変換器から熱として失われる電力の約3.5%から4.5%以上を回収する。
【0356】
ユーザは、集合してエネルギー流体を冷却する熱的希釈剤のフローのうちの一以上にこの加熱された熱的希釈剤を供給することが好ましい。 これは、酸化剤含有流体および熱的希釈剤の温度を望ましい燃焼器出口温度(またはタービン入口温度)に上げるために燃料として加えられる熱の量を下げる。 好ましくはこの熱を再循環させることによって、ユーザは熱効率の大幅な増大を達成する。
【0357】
例えば、それは1パーセントポイント以上の等級である。 そのような方策でもって、ユーザは100kWのマイクロタービン発電システムで3.5から4.5kWの熱を再循環することを見込む。 それらは必要となる寄生の送風機電力もやはり削減する。 従ってそのようなシステムでは、約36%から約37%のそのような100kWのVASTマイクロタービン発電システムの効率を向上させることを見込む。
【0358】
そのような構成では、ユーザは、熱交換器の熱的希釈剤中への溶解を削減するために低溶解性で高伝導度の材料またはコーティングで並べられることが好ましい熱交換器を形成することが好ましい。 例えば、銅の熱交換器の腐食または溶解を減らすための錫メッキまたはステンレス鋼のコーティングである。 これは熱的希釈システムの中の銅もしくは他の異物混入の濃度を減少させ、従ってタービンに流れ込むエネルギー流体からも減少させる。
【0359】
ギアの列は普通では0.5から2%またはそれ以上の損失に結び付く。 いくつかの実施形態で、ユーザはギア列を冷却してこの熱を回収することが好ましい。 熱的希釈剤を直接的に流体冷却剤として使用することが好ましい。 他の構成では適切なインタークール剤を使用し、その後にその熱を熱的希釈剤中に回収する。
【0360】
いくつかの構成では、ユーザは潤滑と熱冷却の両方を供給するために熱的希釈剤を使用することが好ましい。 例えば、熱的希釈剤として使用される高純度脱イオン水はほとんど微粒子を含まず、かつ有用な潤滑剤ならびに冷却剤を供給する。 そのような構成では、ユーザはギア列用に耐腐食性材料を使用することが好ましい。
【0361】
可変速度の機械的駆動部も同様の損失および潤滑の必要性を有する。 いくつかの構成で、ユーザはこの駆動部を冷却して熱を回収するために熱的希釈剤を使用することが好ましい。 適切である場合に駆動部を潤滑させるため、または潤滑剤を熱的希釈剤で冷却するために熱的希釈剤を使用することが好ましい。
【0362】
[発電機]
発電機は導体中を電流が流れることによる大きな抵抗損失がある。 発電機はまたウィンデージ損失(windage loss)を生じる。 発電機は通常空冷されて、熱が取り除かれる。 発電機の損失は小型交流発電機では5%程度であり、高速の小型永久磁石発電機では1.5%〜2%であり、大型発電機では0.5%〜1.25%に低下する。 変更実施形態では、発電機熱除去率(すなわち温度)は発電機(交流または直流)の出力電力変化を実現するように変更してもよい。
【0363】
ユーザは熱希釈剤を回転子および固定子を通して、および/または回転子および固定子の周囲に送り込んで、それらを冷却し、ある構成での発電機損失のかなりの部分を補償することが好ましい。 ユーザは、電力用電子機器など熱的影響がより強い用途で温められる熱希釈剤を用いることが好ましい。 ユーザは、発電機を高温で運転し熱エネルギーをより効果的に回収し再利用するために、巻線および/または永久磁石に対し高温絶縁被覆を用いることが好ましい。
【0364】
ガスを用いて発電機回転子を冷却する場合、ユーザは熱交換器を設けることにより、その加熱されたガスから熱を回収することが好ましく、例えば、導体を冷却すると共にウィンデージを低減するために大型発電機の回転子の冷却に用いられる水素を冷却することが好ましい。
【0365】
[再圧縮機(RCP)]
図25を参照すると、ユーザは付勢流体を大気圧より低圧になるまで膨張させ、凝縮可能な希釈剤含有流体の少なくとも一部を凝縮し、次いで非凝縮性部分(non-condensable)を再圧縮して大気圧に戻すことが好ましい。 この再圧縮機5300は、いくらかの過剰な酸素および希ガス(例えばアルゴン)が未凝縮の残留水蒸気で飽和されている状態で、主に加湿された燃焼生成物上にある使用済み流体に対して作用する、すなわち主として窒素および炭素の二酸化物に対して作用する。
【0366】
ユーザは、上述のように付勢流体を膨張し再圧縮し、次いで、希釈剤含有流体を加熱および気化した後その流体を膨張段間に噴射することによって膨張流体から更に熱を回収することが好ましい(図26および図31参照。)。 これにより、更にいくらかの熱を回収し、更なる機械的仕事を行うために膨張列(expansion train)に追加のガスを噴射する。
【0367】
更なる圧縮が必要である場合は、ユーザは圧縮されているガス質量流量を低減するために反応ガスではなく燃焼生成物を再圧縮することが好ましい。 燃焼中、酸化剤は燃料と反応して二酸化炭素と水分を生成する。 水は熱希釈剤としても使用されることが好ましい。 生成および追加された水分は凝縮器で凝縮され除去されることが好ましい。 これにより、反応ガスに比べて燃焼生成物の非凝縮性部分(non-condensable volume)はかなり低減される(ただし、非凝縮性の希釈ガス、例えば窒素、過剰酸素、およびアルゴンを含む希ガスの共通流は別である)。
【0368】
例えば、メタン1モルは酸素2モルと反応して、1モルの二酸化炭素および2モルの水分を生成する。 これにより、非凝縮性ガス分量が3モルから1モルまで約67%減少する。 同様に、ディーゼル燃料の燃焼では、酸素約18.5モルから、二酸化炭素12モルと水分13モルへと減少する。 これにより、非凝縮性の反応および生成物ガスが約35%減少する。
【0369】
ユーザは、直接接触の凝縮器で膨張流体を好適に冷却することにより、冷却流体に極めて近い温度、例えば周囲状態に近い温度を実現することが好ましい。 この温度は典型的には、高圧圧縮機(HPC)1350で圧縮される酸化剤含有流体の平均温度より低温である。 従って、上記流体はより緻密であり、より高温の流体を圧縮する圧縮機に比べて圧縮機のコストは低減される。
【0370】
後でタービン5100および再圧縮機5300の前でこのように(いくつかの)圧縮機を混成で組み合わせることにより、圧縮機のコストならびに労力を低減することが好ましい。
【0371】
排出流体が冷却され凝縮される実施形態では、ユーザは、膨張流体を放出して大気に戻すための再圧縮機5300を追加することが好ましい。 この冷却および凝縮により膨張ガスの体積が減少する。 次いで、再圧縮機5300により、タービンの下流の圧力は大気圧より低くなる。 ユーザは、この構成を用いて正味の熱力学サイクル効率およびコストを改善することが好ましい(図37、図50、表1、表19および表20参照)。
【0372】
【表19】

【0373】
【表20】

【0374】
[液体/ガス流体接触装置]
ある実施形態では、食料生産、穀物生産、水産養殖、または海洋牧場で、炭素供給物として二酸化炭素が豊富な通気路ガスを用いる。 典型的に生成されるVast gas(商標)は、排気中約15%Oでの通常の希薄燃焼における二酸化炭素の300%分を有している(例えば表3を参照。)。
【0375】
これらの実施形態から生成された非常に低いNO濃度は、そのような用途に大変望ましい炭素供給を可能にする。 これにより、野菜、果物または他の園芸産物の熟成加速に対するNOの作用が大いに低減される。 他の構成では、熟成を積極的に促進し加速する必要がある場合、ユーザは燃焼チャンバ4100内の温度を高めて積極的にNO生成を促進することが好ましい。
【0376】
排気中の高い湿度は園芸用途には理想的である。
【0377】
他の実施形態では、ユーザは出口ガスから二酸化炭素を分離して、医薬製品、生合成処理、または他の高炭素含有用途(high carbon application)に二酸化炭素の豊富なガスを供給する。
【0378】
ある実施形態では、二酸化炭素の豊富なガスまたは豊富にされた二酸化炭素を石油回収処理におけるフラッディング流体(flooding fluid)として用いることが好ましい。 他の実施形態では、ユーザは深水、部分的に枯渇した油田、または地質学的な構造体で二酸化炭素を隔離して、温室効果の進展を緩和する。 上述した実施形態は、二酸化炭素を回収、利用または隔離するための、より効果的で低コストとなる方法を提供する。
【0379】
[拡散器/スタック]
ある実施形態では、ユーザは、膨張流体凝縮器7500を通る冷却剤流れと、再圧縮速度とについてのパラメータの一方または両方を制御して、再圧縮比を調節することが好ましい。 これにより膨張流体F420の圧力および膨張流体のガス温度を制御する。 ユーザは、これらのパラメータを水/燃料比、空気/燃料比および燃料組成について制御することにより、放出された排出流体(または「スタックガス(stack gas」)の露点を調節することが好ましい。 こうすることにより、ユーザは凝縮器7500で凝縮された熱希釈剤の部分を調節する(例えば、水分回収の部分または速度)。 ユーザは、使用済み流体F475の組成および温度を調節して、その温度が露点または飽和温度を上回るようにすることが好ましい。 そのような制御により、ユーザは拡散器またはスタック5900内での凝縮を回避できる。
【0380】
タービン排出ガスを冷却し、熱希釈剤を凝縮し、比凝縮性の使用済み流体を再圧縮することにより、典型的には非飽和のスタックガスが生じる。 そうすることにより、ユーザは、典型的な周囲条件下で排出物上に形成される可視煙(visible plume)の大きさを低減または消滅させる。 ある構成では、ユーザは排出物の露点を制御または低下させ、大気中に排出物流体が放出されたとき煙が生じないようにしてよい。
【0381】
これにより、環境的に清浄な電力システムに対する地元の公共社会による理解が得られる。 また、このことは、都市地域で可視煙の防止を求める規則などの地方規則を順守するための手段を可能にする。 これにより、そのようなVASTサイクルシステムを、煙の生成を禁ずる地方都市内に配置することが容易になる。 このことは、煙を防止するために排出物を再加熱する関連技術の方法に比べてより効率的で経済的な煙抑制方法を可能にする。 再圧縮VASTサイクルにより、スタックガスを再加熱するために燃焼器および燃料を使用する必要なしに上記の利点が実現される。
【0382】
[制御システム]
本発明のある実施形態は、フィルタの圧力降下、ポンプヘッド、ポンプ速度、圧縮機および/またはブロアの速度、燃焼器の圧力および温度、膨張器の軸トルク、発電機出力などシステムの動作すべてを制御し監視する制御器を備えていることが好ましい。 必要に応じて回転速度計、圧力計、温度計、流量計など適切なセンサを使用してよい。 制御器を効果的にフィードバック系に組み込んでよい。
【0383】
制御器は、構成されたVAST熱力学サイクル内で希釈剤の供給を制御するように構成されることが好ましい。 液体および蒸気の希釈剤の流れは、図28および図29に示すように熱および低温の付勢流体流を回収するように必要に応じて方向付けされる。 希釈剤流体または冷却剤流体の流れは同様に、図18および図22に示すように、加熱されるまたは熱を生成する構成部品の温度を制御するように必要に応じて方向付けされる。 制御器は、燃焼系および膨張系の一以上の高温部品に対する冷却剤または希釈剤の流れを制御することが好ましい。
【0384】
加熱された希釈剤は、図28および図29に示すように、特定された複数の熱利用用途に向けられてよい。 図8、図12および図13に示すように、希釈剤は圧縮されながら酸化剤含有流体の一以上の流れに対して向けられることが好ましい。 制御器は、関連する冷却および温度制御の基準を満足するためにそれらの用途に対して流れを配分することが好ましい。
【0385】
ユーザは、加熱された構成部品の温度を選択された設定温度未満に抑えるのに十分な希釈材流を制御することが好ましい。 熱の影響を受ける部品が積極的に冷却される場合、ユーザはそれらを各設定温度未満に保持するように希釈剤流れに優先順位を付けることが好ましい。 温度センサまたは流れセンサなどのセンサを設けて温度または流れ条件を感知することが好ましい。 希釈剤の流れが必要な温度の制御に十分でない場合、流れを制御し、かつ電力低下または他の対策を開始することが好ましい。
【0386】
同様に、ある熱的用途では、加熱された希釈剤の最低限の流れが必要となる。 これは、最低温度より高い温度でしばしば必要となる。 従って、ユーザは、例えば付勢流体から熱を回収する際に望ましい確率で最低温度を確保するために希釈剤または冷却剤の流れを制御することが好ましい。 そうするために、タービンの入口温度は、タービン入口温度設計限界より低く、かつ熱回収システムから出る所望の最低温度を達成するのに十分な実用的温度より高くなるような所望範囲に制御されることが好ましい。 熱回収用熱交換器を介する希釈剤流れは、所望の用途に対して所望の程度の加熱および流体温度を達成するように制御される流れにより供給されることが好ましい。
【0387】
燃料流は、エネルギー変換システムからの所望の熱的および機械的または電気的なパワーを達成するように制御されることが好ましい。 希釈剤の流れは、電力レベルが変動する間タービン入口の温度を所望の温度にまたは所望の範囲内に制御するように調節されることが好ましい。
【0388】
温度の影響を受ける構成部品、熱流の温度、および電力レベルを制御する間、ユーザは、圧縮される酸化剤流体を冷却し、かつ圧縮処理の効率を向上するように酸化剤供給システムに対する希釈剤の部分を形成することが好ましい。 気化された希釈剤が圧縮される酸化剤流体に噴霧される場合、ユーザは所望の設定レベル未満に供給量を制御することが好ましい。 供給量は圧縮機のサージを回避するように設定されることが好ましい。 供給量を調節しかつ液体希釈剤液滴サイズおよび/または温度を調節して、所望の距離内で希釈剤の蒸発を実現しかつ圧縮機の腐食を軽減または回避するようにしてもよい。 段階的に冷却を強め、圧縮された酸化剤で飽和に近い条件を達成するために、複数の流れが圧縮機への入口におよび圧縮機段間に供給されることが好ましい。
【0389】
同様にユーザは、それら他の制御目的を達成しながら特定の電力およびサイクル効率を向上するように熱回収システム間で残りの希釈剤を形成する。 加熱流体に対する強い需要がある場合、ユーザは、タービン入口温度を制御し、かつ同様に燃焼器のライナーを冷却するように、温暖なまたは加熱されていない液体希釈剤を燃焼器に供給してもよい。 例えば、利用可能な水蒸気を補完するために温暖なまたは低温の水を用い、かつ/または付勢流体の温度およびタービン入口の温度を制御するため場合により熱水を用いる。 これにより、複数の目的および/または変化する目的を達成するためにエネルギー変換システムを制御する方法が可能になる。
【0390】
[総括]
以上の説明から、液体希釈剤を用いて熱力学サイクルを形成する新規な手法が本明細書に記載した一以上の方法を用いて開示されたことが理解されよう。 本発明の構成要素、技法および態様をある程度の具体性を以って説明したが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本明細書で述べた上記の具体的構成、構造および方法に多くの変更を行ってよいことは明らかである。
【0391】
各寸法が与えられているが、それらは例示を目的とするものであり、規定を行うものではない。 もちろん、本明細書で教示または示唆した各長所および利点の一以上のを達成する目標を考慮して、他の適切な流体組成物、圧力、温度、熱流および電力レベルが効果的に使用できることを当業者は理解されよう。
【0392】
いくつかの圧縮機、熱交換器、タービン、ポンプ、処理システム、ダクト、バルブ、混合器、および他の構成要素をいくつかの実施形態に対するいくつかの構成で示したが、これらの構成の組合せを効果的に使用してよく、それには、公称圧縮機サイズ、圧縮機段数、圧縮比、タービンサイズ、タービン膨張比、段数、熱交換器サイズ、表面型熱交換器か直接接触型熱交換器、流れ制御の種類および方法、温度制御、電力制御、エンタルピ制御、ならびに他の寸法およびパラメータを変えて使用できることが含まれる。
【0393】
いくつかの実施形態でタービンが膨張器として使用されているが、往復膨張器(reciprocating expander)を含む他の種類の膨張器を使用してもよい。
【0394】
燃料、希釈剤、水、空気、酸素、および酸化剤という用語を使用している場合、当方法は概ねそれらの流体からなる他の組合せ、または他の反応性流体および非反応性流体からなる他の組合せに対して適用可能である。 流体の量が関連する場合、当方法は概ね複数回供給される量および連続的な流体流れを含んで適用可能である。 組立て方法が記載される場合、様々な代替の組立て方法を効果的に用いて、本明細書で教示または示唆した各実施形態の一以上の長所または利点を達成する構成を実現できる。
【0395】
横断方向、軸方向、半径方向、円周方向、または他の方向が関連する場合、デカルト座標系、円筒座標系、球座標系、または他の特殊座標系を含む、曲線座標を用いる任意の汎用座標系を使用してよいことが理解されよう。 同様に、一以上の横断方向または軸方向分布またはプロファイルが関連する場合、所望のまたは所定の一以上の曲線座標方向での空間的制御に対して当構成および当方法が同様に適用されることが理解されよう。 同様に、接触器、アレイ、装置、またはダクトの方向は、上述の各特徴および方法の効果的な組合せを実現するように全体として再構成してよい。
【0396】
本発明の構成要素、技法および態様をある程度の具体性を以って説明したが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本明細書で述べた上記の具体的構成、構造および方法に多くの変更を行ってよいことは明らかである。
【0397】
本発明の真の精神または範囲から逸脱することなく本発明の様々な変更および応用が当業者には思いつくであろう。 本発明は例示目的で本明細書に記載した実施形態に限定されるものではなく、むしろ各要素が該当する均等の範囲すべてを含むことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0398】
【図1】全体的な熱および質量の伝達の構成方法およびVASTサイクルで使用される可能な構成を示す概略図である。
【図2】インタークーラ、表面型凝縮器、再圧縮機、および予熱器を備えたVAST水サイクル(VAST−W)を示す概略図である。
【図3】インタークーラ、直接接触型凝縮器、再圧縮機、および予熱器を備えたVAST水−蒸気サイクル(VAST−WSまたはVASTEAM)を示す概略図である。
【図4】加湿装置および復熱器を備えた図3と同様のVAST復熱蒸気サイクル(VAST−WSR)を示す概略図である。
【図5】単一の圧縮機を備えて抜き出した単純な酸化剤供給システムを示す図である。
【図6】膨張器の高温部に対する処理および場合によって供給される冷却用フローを備えて抜き出した酸化剤供給システムを示す図である。
【図7】膨張器の高温部に対する処理、多数の圧縮機部品、および考え得る冷却用フローを備えて抜き出した酸化剤供給システムを示す図である。
【図8】圧縮機冷却剤システムから出る冷却剤流体でもって考え得るプレクール、インタークールもしくは内部冷却、および後段冷却を備えた酸化剤供給システムの詳細抜き出しを示す図である。
【図9】表面型熱交換装置を示す概略図である。
【図10】熱排斥を備えたフロー冷却を示す概略図である。
【図11】液体−気体接触または直接接触式の熱交換器を示す単純化された図である。
【図12】希釈剤スプレー前処理部、圧縮機への希釈剤噴射部、および膨張器冷却部を備えた圧縮機の列を使用する酸化剤供給システムを示す図である。
【図13】圧縮機への希釈剤噴射部を備えた圧縮機の列の更なる詳細を示す図である。
【図14】単純な希釈剤/冷却剤供給部を備えた希釈剤供給システムを示す図である。
【図15】処理部を伴う希釈剤/冷却剤供給部を備えた希釈剤供給システムを示す図である。
【図16】単純な燃料供給部を備えた燃料供給システムを示す図である。
【図17】燃料供給部と処理部を備えた燃料供給システムを示す図である。
【図18】熱発生部品とその冷却システムを示すブロック図である。
【図19】冷却システム用の選択肢となる断熱および表面型熱交換に関するブロック図である。
【図20】冷却剤のフローを伴う表面型熱交換システム、または希釈剤を使用する直接接触型冷却部のうちの一方または両方を備えた膨張器に関するブロック図である。
【図21】燃料、(複数の)酸化剤流体、液体希釈剤、および気化希釈剤の供給部を備えた燃焼システム、および燃焼器冷却システムに関するブロック図である。
【図22】加熱された希釈剤の回収と使用を伴う低温、中温、高温の冷却を示す概略図である。
【図23】冷却のための希釈剤噴射を伴う単一膨張器型の膨張システムを示す概略図である。
【図24】表面型熱交換および熱回収を使用する膨張器冷却システムを備えた多重膨張器型の膨張システムを示す概略図である。
【図25】膨張から準大気圧への変化、希釈剤回収、および再圧縮を伴う膨張システムを示す概略図である。
【図26】中間ステージの蒸気噴射、希釈剤回収と再圧縮、および蒸気噴射を伴う膨張システムを示す概略図である。
【図27】膨張流体から処理後の液体希釈剤へと熱を回収するエコノマイザを示す概略図である。
【図28】熱を回収し、温水、熱水、蒸気、およびスーパーヒート状態の蒸気をユーザ用途および/または燃焼器へと供給するように動作可能なエコノマイザ、蒸発器、およびスーパーヒータを示す概略図である。
【図29】熱を回収し、温水および/または蒸気をユーザ用途および/または燃焼器へと供給するように動作可能なエコノマイザ、蒸発器、およびスーパーヒータを示す概略図である。
【図30】圧縮機用のインタークールシステムの熱および質量の伝達システムの部分を示す概略図である。
【図31】エコノマイザ、蒸発器、および膨張器のインタークールシステムを使用する熱および質量の伝達システムの部分を示す概略図である。
【図32】復熱器、アフタークーラ、加湿装置、エコノマイザ、蒸発器、およびスーパーヒータを使用する熱および質量の伝達システムを示す概略図である。
【図33】復熱器、アフタークーラ、加湿装置、2つのエコノマイザ、蒸発器、およびスーパーヒータを使用する熱および質量の伝達システムを示す概略図である。
【図34】冷却剤システムでの表面型凝縮による熱および質量の伝達システムを示す概略図である。
【図35】直接接触型凝縮器および冷却剤システムによる熱および質量の伝達システムを示す概略図である。
【図36】冷却剤システムの中に地域暖房を伴った、表面型凝縮による熱および質量の伝達システムの希釈剤回収を示す概略図である。
【図37】VAST−W、VAST−WS、および関連技術の「湿式」サイクル導入の資本コスト比較を示すグラフである。
【図38】VAST−W、VAST−WS、および関連技術のサイクルの内部収益率vs.LHVサイクル効率を示すグラフである。
【図39】50MW、1300℃でのVAST−W、VAST−WS、VAST−WSR、および関連技術のサイクルのLHVサイクル効率vs.正味出力対圧縮機空気流量の比を示すグラフである。
【図40】50MW、TIT=1300℃でのVASTおよび関連技術のサイクルのLHVサイクル効率vs.正味出力対タービン流量の比を示すグラフである。
【図41】50MW、TIT=1300℃でのVASTおよび関連技術のサイクルの正味出力当たりの水流量vs.水対取り入れ空気の比を示すグラフである。
【図42】50MWのVAST−W、VAST−WS、および関連技術のサイクルに関する正味出力対タービン流量の比vs.相対的空気/燃料のラムダ比を示すグラフである。
【図43】50MW、TIT=1300℃でのVASTおよび関連技術のサイクルの内部収益率vs.相対的空気/燃料のラムダ比を示すグラフである。
【図44】50MW、TIT=1300℃、ラムダ1.05でのVASTおよび関連技術のサイクルに関する圧縮機の補給水対燃料の比vs.圧力比ベータを示すグラフである。
【図45】5MW、TIT=1000℃でのVASTおよびSTIGサイクルに関する蒸気要求「Q」対正味出力の比vs.合計熱要求「Q」対正味出力の比を示すグラフである。
【図46】5MW、TIT=1000℃でのVAST−W、VAST−WSおよび関連技術のSTIGサイクルのLHVコージェネレーション効率vs.合計熱要求「Q」対正味出力の比を示すグラフである。
【図47】VAST蒸気サイクル(VAST−WS)の膨張器圧力比と個別圧縮機圧力比vs.空気圧縮機圧力比を示すグラフである。
【図48】正味出力対タービン流量vs.水対空気の比を示すグラフである。
【図49】VASTサイクルの様々な構成に対して内部収益率%vs.LHVサイクル効率を示すグラフである。
【図50】膨張比vs.再圧縮機圧力比対圧縮機圧力比の比を示すグラフである。
【図51】熱力学的VAST水サイクルの構成に関する構成方法を示すフロー図である。
【図52】熱力学的VAST水サイクルの構成に関する構成方法を示すフロー図である。
【図53】関連技術の蒸気噴射ガスタービン(STIG)サイクルを示す概略図である。
【図54】関連技術のインタークール式のRecuperated Water Injection(RWI)サイクルを示す概略図である。
【図55】関連技術のHumid Air Turbine(登録商標)(HAT(登録商標))サイクルを示す概略図である。
【図56】関連技術のHumid Air Water Injected Turbine(HAWIT)サイクルを示す概略図である。
【符号の説明】
【0399】
1000 酸化剤供給システム
1200 酸化剤流体処理部
1300 酸化剤流体圧縮機
1310 第1の圧縮機
1350 高圧圧縮機
1700 直接接触型熱交換器
1900 表面型熱交換器
2000 希釈剤供給システム
2010 希釈剤処理システム
2200,7800 ポンプ
2300 希釈剤処理部
3000 燃料供給システム
4000 燃焼システム
4100 燃焼チャンバ4100
5000 膨張システム
5020 膨張器冷却システム
5100 タービン
5300 再圧縮機
5900 拡散器
6000 質量の伝達システム
6010 希釈剤回収システム
6020 希釈剤熱交換サブシステム
6180 混合器
6310,6320,6340,6350,6351,6360,6370,6410,6450,6460,6470,6480,6490 スプリッタバルブ(フロースプリッタ)
6500 熱交換器エコノマイザ
6510 第2のエコノマイザ
6600 分離型蒸発器
6700 分離型スーパーヒータ
6800 復熱器
6900 アフタークーラ
7100 予熱ヒータ
7300 充填層加湿装置
7400 表面型凝縮器
7500 直接接触凝縮器
7600 冷却装置
8500 希釈剤放出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー変換システムであって、
前記エネルギー変換システムに酸化剤含有流体を供給するように構成された入口と出口を有する酸化剤供給システムと、
前記エネルギー変換システムに燃料含有流体を供給するように構成された燃料供給システムと、
少なくともその一部が気化可能希釈剤流体を含み、少なくとも一部が液体として加圧される希釈剤含有流体を前記エネルギー変換システムに供給するように構成された希釈剤供給システムと、
前記燃料供給システム、前記酸化剤供給システム、および前記希釈剤供給システムから流体を受け取るように構成され、前記酸化剤供給システムの前記出口および前記燃料供給システムの出口と流体連絡している少なくとも1つの入口を有し、少なくとも1つの出口を有する燃焼チャンバを含む燃焼システムであって、燃料含有流体と酸化剤含有流体を混合して燃料と酸化剤の燃焼可能混合物を形成し、燃料を酸化剤で酸化することで酸化生成物を形成し、かつ液体希釈剤含有流体の少なくとも一部を前記燃焼チャンバに供給するように構成され、更に、希釈剤含有流体を供給して酸化剤含有流体、燃料含有流体、および酸化生成物のうちの一以上と混合し、前記燃焼システムから出るエネルギー流体のピーク温度を抑制し、かつ前記燃焼システムの中で、酸化生成物および気化した希釈剤流体を含み、温度、圧力、および運動エネルギーのうちの一以上で上昇したレベルを有するエネルギー流体を形成するように構成される燃焼システムと、
入口と出口を有し、前記エネルギー流体の少なくとも一部を膨張させることで膨張流体を形成するように構成された膨張器を含む膨張システムと、
複数の入口および出口を有し、前記膨張流体から熱を回収することで冷却された膨張流体を形成し、前記希釈剤含有流体に熱を供給することで加熱された希釈剤流体を形成し、加熱された希釈剤流体の少なくとも一部を前記燃焼システムに供給するように構成される熱および質量の伝達システムと、
前記酸化剤流体またはエネルギー流体に供給されるそれに少なくともほとんど等しい希釈剤を前記膨張システムの前記出口の上流で前記膨張流体から回収し、燃焼中に形成される水および前記酸化剤供給システムの中に前記酸化剤流体と共に供給される水のうちの一方または両方の一部を回収するように構成される希釈剤回収システムと、
前記膨張流体から回収された水の少なくとも一部を取り除くように構成され、前記膨張流体の中の少なくとも1つの混入物質の一部を除去し、かつ前記膨張システムに入る前記エネルギー流体の中の混入物質の濃度を下げる流体処理システムとを有するエネルギー変換システム。
【請求項2】
前記冷却されたエネルギー流体が、燃料含有流体、酸化剤含有流体、および希釈剤含有流体のうちの2つ以上の成分の間の反応によって形成される少なくとも1つの微量の汚染物質種を更に含み、前記エネルギー変換システムを出る使用済み流体中の少なくともその1つの汚染物質の濃度を抑制するように構成される請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項3】
微量汚染物質種の放出率を、作り出される電力1MWh当たり1kg未満に抑制するように更に構成される、請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項4】
前記エネルギー流体の中の空間的温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼システムを出る前記エネルギー流体の横断方向温度分布が前記燃焼器の出口付近の燃焼器断面内の少なくとも1つの横断方向で制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項5】
前記エネルギー流体の中の空間的温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼システムを出る前記エネルギー流体の横断方向温度分布が前記燃焼器の出口付近の燃焼器断面内の第1と第2の横断方向の両方で制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項6】
前記エネルギー流体の中の空間的温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼器の出口付近の燃焼器断面内の第1の横断方向に沿って実質的に不均一な温度分布を達成するように前記燃焼器内の希釈剤および燃料含有流体供給の空間的分布が制御される、請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項7】
前記エネルギー流体の中の空間的温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼器の出口付近の燃焼器断面内の第1の横断方向に沿って実質的に不均一な温度分布を達成するように希釈剤および燃料含有流体供給の空間的分布が制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項8】
前記エネルギー流体の中の空間的温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼システムを出る温度の横断方向分布が望ましい横断方向温度分布の+/−10K度以内に制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項9】
望ましい出口温度に対する実際の出口温度の比の横断方向分布が望ましい横断方向の比の分布の範囲内に制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項10】
温度の比が0.93から1.07の範囲内に維持される、請求項9に記載のエネルギー変換システム。
【請求項11】
温度の比が0.97から1.03の範囲内に維持される、請求項9に記載のエネルギー変換システム。
【請求項12】
ピーク温度の場所付近で温度の比が0.99から1.01の範囲内に維持される、請求項9に記載のエネルギー変換システム。
【請求項13】
中心部付近の温度の比に対する周縁部付近の温度の比の比が1.00から1.06の範囲内に維持される、請求項9に記載のエネルギー変換システム。
【請求項14】
燃料含有流体、希釈剤含有流体、および酸化剤含有流体のフローの流量の不確実性が選択された大きさ以内に制御され、それにより、前記燃焼システムを出る前記エネルギー流体のピーク温度が望ましい確率で設計ピーク温度よりも下の選択された数の温度不確実性以内となり、それにより、システム効率を上げるように温度不確実性を規定する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項15】
希釈剤含有流体の供給が、前記燃焼システムを出る前記エネルギー流体中の希釈剤濃度が完全に混合されたときのそれらの燃焼可能限界よりも大きくなるように制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項16】
前記酸化剤供給システムが、前記酸化剤含有流体を加圧するように構成された流体加圧装置を更に含み、前記燃焼器に入る圧力の環境気圧に対する比が約20よりも大きい、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項17】
希釈剤含有流体と共に圧縮される前記酸化剤含有流体を冷却するように更に構成される、請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項18】
前記加熱された希釈剤含有流体の少なくとも一部を第2の熱交換器から、圧縮される前記酸化剤含有流体の中に供給するように更に構成される、請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項19】
膨張した流体を少なくとも環境気圧に圧縮し、それを排出するように構成された再圧縮機を更に含む、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項20】
前記再圧縮機が希釈剤回収システムの下流に構成される、請求項19に記載のエネルギー変換システム。
【請求項21】
前記燃焼チャンバの上流の酸化剤含有流体を圧縮する一以上の流体加圧装置の圧力比の積、および前記希釈剤回収システムの下流の前記冷却された前記膨張流体を圧縮する前記再圧縮機の圧力比の総計の組み合わされた膨張比が37よりも大きい、請求項19に記載のエネルギー変換システム。
【請求項22】
前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤流体、および前記希釈剤回収システムの下流の冷却された前記膨張流体を圧縮するために利用される合計電力を差し引いた膨張器の総計出力を含む、合計の酸化剤含有流体の流量に相対した前記エネルギー変換システムの正味の比出力が、酸化剤が空気である場合の前記酸化剤含有流体を圧縮する流体加圧装置を出る流体流量(kg/s)当たり940kW/(kg/s)(=kJ/kg)よりも大きくなるように酸化剤含有流体の質量流量に対する凝縮可能な希釈剤の質量流量の比が制御される、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項23】
前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤流体、および前記希釈剤回収システムの下流の冷却された前記膨張流体を圧縮するために利用される合計電力を差し引いた膨張器の総計出力を含む、膨張器の流量に相対した前記エネルギー変換システムの正味の比出力が、空気で動作するときの膨張器に入る流体流量(kg/s)当たり700kW/(kg/s)(=kJ/kg)よりも大きくなるように酸化剤含有流体の質量流量に対する凝縮可能な希釈剤の質量流量の比が制御される、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項24】
前記希釈剤回収システムの下流の前記冷却された前記膨張流体を圧縮する再圧縮用流体加圧装置が、前記希釈剤回収システムを出る冷却された前記膨張流体の圧力を環境気圧よりも少なくとも1%少なく低下させる、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項25】
前記再圧縮機が、冷却された前記膨張流体の圧力に対する環境気圧の再圧縮比を変えるように更に構成される、請求項24に記載のエネルギー変換システム。
【請求項26】
前記希釈剤回収システムの下流の冷却された前記膨張流体を圧縮する流体加圧装置の圧縮比が1.1と8の間で構成される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項27】
前記エネルギー変換システムを出る流体中の希釈剤流体の濃度が飽和濃度のうちの望ましい部分よりも小さく、それにより、柱状噴流が形成される確率を制御するように前記エネルギー流体中の凝縮不能ガスに対する凝縮可能な希釈剤の比、周囲温度に対する冷却された前記膨張流体の温度の比、および再圧縮比を制御するように更に構成される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項28】
前記燃焼器と流体連絡している入口、および出口を有する膨張器を更に含み、前記エネルギー流体を前記膨張器入口での高圧から前記膨張器出口での低圧へと膨張させるように構成される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項29】
前記膨張器が、前記エネルギー流体に含まれるエネルギーを有用な機械的出力へと変換するように構成された仕事機関である、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項30】
前記膨張器を出る流体の出口温度が500℃未満となるように流体供給および膨張比が構成および制御される、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項31】
前記膨張器を出る前記エネルギー流体の希釈剤濃度が飽和濃度未満であり、それにより、前記膨張器の中で希釈剤が凝縮しないように流体供給および膨張比を制御するように更に構成される、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項32】
前記膨張器へと機械的に接続され、機械的出力の少なくとも一部を電力に変換するように構成された発電機を更に有する、請求項29に記載のエネルギー変換システム。
【請求項33】
前記熱および質量の伝達システムが、前記発電機から熱を回収して希釈剤含有流体を加熱するように構成された熱交換器を更に含む、請求項32に記載のエネルギー変換システム。
【請求項34】
前記発電機の熱交換器を通る希釈剤含有流体の流量を制御し、前記発電機の温度を望ましいレベルよりも下に維持するように更に構成される、請求項33に記載のエネルギー変換システム。
【請求項35】
前記発電機を冷却し、前記希釈剤含有流体と熱を交換するために低粘度の流体を使用するように更に構成される、請求項33に記載のエネルギー変換システム。
【請求項36】
前記発電機から由来する熱を含む前記加熱された希釈剤の少なくとも一部を前記膨張器の前記出口の上流の流体と混合するように更に構成される、請求項33に記載のエネルギー変換システム。
【請求項37】
前記膨張器を機械的用途へと接続する膨張器駆動部を更に有し、前記熱および質量の伝達システムが、前記膨張器駆動部から熱を回収し、かつ加熱された希釈剤含有流体を供給するように構成される、請求項29に記載のエネルギー変換システム。
【請求項38】
駆動部潤滑剤の温度を望ましい温度よりも下に維持するように更に構成される、請求項37に記載のエネルギー変換システム。
【請求項39】
一以上の発電機が前記膨張器、モータ、電磁変換器、および電磁制御器へと接続される熱発生部品を更に含み、
前記熱および質量の伝達システムが、希釈剤含有流体の流量を制御するように構成された部品熱交換機を更に有し、前記熱発生部品の温度を制御し、加熱された希釈剤含有流体の中に熱を回収する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項40】
電子変換器の温度が100℃よりも下に維持されるように希釈剤含有流体の流量を制御するように更に構成される、請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項41】
設計条件で第1の膨張器によって抽出可能な出力の1.5倍以上で前記エネルギー流体から出力を取り出すように構成された少なくとも第2の膨張器を更に含む、請求項28に記載のエネルギー変換システム。
【請求項42】
流体供給を制御するように制御器が構成され、それにより、前記膨張器に入るエネルギー流体の温度が望ましい温度を超えないように制御される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項43】
前記燃料含有流体を処理してそれを前記エネルギー変換システム内で使用するために供給するように構成され、前記希釈剤供給システムと流体連絡している燃料処理システムを更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項44】
前記燃料含有流体中の混入物質の少なくとも一部を除去するように構成された清浄化手段を更に有する、請求項43に記載の燃料処理システム。
【請求項45】
所望のサイズよりも大きい混入物質を前記燃料含有流体からフィルタで取り去るように更に構成される、請求項44に記載の燃料処理システム。
【請求項46】
前記膨張器の下流の前記エネルギー流体から由来する熱が、前記燃焼システムへと供給される燃料含有流体で交換される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項47】
前記燃焼システム内への供給の前に、前記燃料含有流体の温度が望ましい温度よりも下に維持されることで燃料含有流体の望ましい供給を実質的に維持する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項48】
前記燃焼システム内への供給の前に、前記燃料含有流体の温度が100℃よりも下に維持されるように熱回収が制御される、請求項47に記載のエネルギー変換システム。
【請求項49】
前記希釈剤供給システムと流体連絡しており、かつ前記エネルギー変換システムで使用するために前記希釈剤を調製するように構成された希釈剤処理システムを更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項50】
前記希釈剤含有流体の少なくとも一部から混入物質の少なくとも一部を除去するように構成された清浄化手段を更に有する、請求項49に記載の希釈剤処理システム。
【請求項51】
前記希釈剤含有流体の少なくとも一部から所望のサイズよりも大きい混入物質をフィルタで取り去るように更に構成される、請求項50に記載の希釈剤処理システム。
【請求項52】
前記希釈剤含有流体から可溶性混入物質の少なくとも一部を除去するように更に構成される、請求項50に記載の希釈剤処理システム。
【請求項53】
前記エネルギー変換システムから回収された希釈剤の一部を除去するように更に構成される、請求項49に記載の希釈剤処理システム。
【請求項54】
前記エネルギー変換システムから希釈剤の一部を除去し、それにより、前記エネルギー変換システムから少なくとも1つの混入物質の少なくとも一部を除去するように更に構成され、前記膨張器に入る少なくともその混入物質の濃度を所望の値未満に維持する、請求項53に記載の希釈剤処理システム。
【請求項55】
希釈剤含有流体の少なくとも一部分で希釈剤成分の濃度を所望の値未満に下げるように更に構成され、その希釈剤の少なくとも一部が前記膨張器の前記出口の上流に供給されるとき、前記膨張器に供給される前記エネルギー流体中のその成分の濃度が所望の濃度未満である、請求項49に記載の希釈剤処理システム。
【請求項56】
回収された希釈剤の一部を前記燃焼システムの出口の上流へと再循環させるように更に構成される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項57】
回収された希釈剤の一部の中の混入物質の部分を減少させるように構成される、請求項56に記載のエネルギー変換システム。
【請求項58】
前記希釈剤を十分に精製するように更に構成され、それにより、回収されたその精製希釈剤を含むエネルギー流体中の少なくとも1つの混入物質の合計の濃度が所望のレベル未満となる、請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項59】
使用済みの流体から希釈剤の一部を回収するように構成された希釈剤回収システムを更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項60】
前記エネルギー変換システムから回収される希釈剤の部分を制御するように更に構成され、前記エネルギー変換システムの中の希釈剤の量を制御する、請求項59に記載の希釈剤処理システム。
【請求項61】
前記膨張器の前記出口の上流に供給される部分に少なくとも等しい希釈剤の部分を使用済み流体から回収するように更に構成される、請求項59に記載の希釈剤回収システム。
【請求項62】
前記膨張器の前記出口の上流に供給される希釈剤の部分に、前記エネルギー変換システムから除去されることを要求される部分を加えた以上の部分を回収するように更に構成される、請求項61に記載の希釈剤回収システム。
【請求項63】
前記膨張器の前記出口の上流に供給され得る部分に燃焼で形成され得る希釈剤の部分を加え、入来する酸化剤含有流体を通じて受け取り得る相対湿度の部分を加えた量に等しくなるように使用済みの流体から希釈剤の部分を回収するように更に構成される、請求項59に記載のエネルギー変換システム。
【請求項64】
前記希釈剤含有流体中の希釈剤として水を使用するように構成される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項65】
前記希釈剤回収システムが直接接触型凝縮器を含む、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項66】
前記希釈剤回収システムに入る冷却剤流体と前記希釈剤回収システムを出る前記冷却されたエネルギー流体の温度の間の接近温度が20K(華氏36度)未満である、請求項65に記載のエネルギー変換システム。
【請求項67】
前記希釈剤回収システムに入る冷えた希釈剤流体と前記希釈剤回収システムを出る前記冷却されたエネルギー流体の温度の間の接近温度が4K(華氏7.2度)未満である、請求項65に記載のエネルギー変換システム。
【請求項68】
前記希釈剤回収システムが前記冷却された膨張エネルギー流体からフィルタ処理可能な部分を更に除去する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項69】
前記希釈剤回収システムが前記冷却された膨張エネルギー流体から可溶性混入物質の一部を更に除去する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項70】
膨張したエネルギー流体の少なくとも一部から希釈剤含有流体の少なくとも一部でもって熱を交換するために前記膨張器出口、および冷却器出口と流体連絡している更に高温の入口を有する第1の熱交換器を更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項71】
加熱された希釈剤の一部が前記燃焼システムへと供給される、請求項70に記載のエネルギー変換システム。
【請求項72】
前記膨張器の前記出口と流体連絡しており、希釈剤流体を回収するように構成された希釈剤回収システムを更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項73】
前記膨張器を出る使用済み流体から希釈剤の少なくとも望ましい一部を回収するように構成される、請求項72に記載の希釈剤回収システム。
【請求項74】
回収された希釈剤流体の少なくとも一部を前記エネルギー変換システムの中で再循環させるように構成される、請求項72に記載のエネルギー変換システム。
【請求項75】
熱交換器が膨張器の下流である、請求項70に記載のエネルギー変換システム。
【請求項76】
膨張した流体から希釈剤流体の少なくとも一部を回収するように更に構成される、請求項75に記載のエネルギー変換システム。
【請求項77】
加熱された希釈剤含有流体の少なくとも一部が前記燃焼システムへと供給される、請求項76に記載のエネルギー変換システム。
【請求項78】
前記希釈剤の一部が燃焼の上流の燃料含有流体と混合される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項79】
前記希釈剤の一部が燃焼の上流の酸化剤含有流体と混合される、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項80】
前記エネルギー流体の少なくとも一部の熱を冷却用希釈剤の少なくとも一部で交換して前記エネルギー流体を冷却するために前記第1の熱交換器の下流に第2の熱交換器を更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項81】
前記熱および質量の伝達システムが前記第1の熱交換器の下流に第2の熱交換器を更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項82】
前記熱および質量の伝達システムが、前記第1の熱交換器の面積に対する前記第2の熱交換器の面積の比が20%から150%の範囲になるように構成される、請求項81に記載のエネルギー変換システム。
【請求項83】
前記第2の下流の熱交換器を通って流れる膨張した流体からの熱が液体の希釈剤によって回収される、請求項81に記載のエネルギー変換システム。
【請求項84】
酸化剤流体圧力装置によって圧縮される酸化剤含有流体を冷却するために、前記第2の下流の熱交換器内で加熱された液体の希釈剤の一部が供給される、請求項81に記載のエネルギー変換システム。
【請求項85】
前記第2の熱交換器から前記第1の熱交換器へと供給される熱的希釈剤および前記酸化剤供給システムへと供給される熱的希釈剤の流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項81に記載のエネルギー変換システム。
【請求項86】
前記第2の熱交換器から前記酸化剤供給システムへの取り入れ部へと供給される熱的希釈剤および前記酸化剤供給システム内の圧縮された酸化剤含有流体へと供給される熱的希釈剤の流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項81に記載のエネルギー変換システム。
【請求項87】
酸化剤流体圧力装置へと供給される加熱された液体希釈剤のフローの部分が、酸化剤加圧装置を出る前記酸化剤含有流体を飽和させるために必要とされるそれ以下である、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項88】
前記熱および質量の伝達システムが前記第1の熱交換器の下流で、気化した希釈剤流体の少なくとも一部を凝縮させるために十分な前記エネルギー流体の少なくとも一部から熱を回収するために冷却剤流体を使用する凝縮熱回収システムを更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項89】
前記熱および質量の伝達システムが、膨張した流体を冷却し、かつ気化した希釈剤を凝縮させるための冷却システムを更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項90】
前記凝縮熱回収システムが、希釈剤を冷却剤流体として使用する直接接触型熱交換器を有する、請求項89に記載のエネルギー変換システム。
【請求項91】
前記直接接触型熱交換器を出る冷却された使用済み流体と加熱された冷却剤流体との間の接近温度が4℃未満となるように直接接触型の熱および質量の伝達システムおよび冷却剤希釈剤のフローが構成される、請求項90に記載のエネルギー変換システム。
【請求項92】
前記熱および質量の伝達システムが、膨張した流体から熱を回収するため、および冷却剤流体を加熱するために前記膨張器の下流、かつ前記第1の熱交換器の上流に第3の熱交換器を有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項93】
前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器へと供給される熱的希釈剤および前記燃焼システムへと供給される熱的希釈剤の流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項92に記載のエネルギー変換システム。
【請求項94】
冷却剤流体が液体の熱的希釈剤を含み、前記熱的希釈剤の少なくとも一部が前記第3の熱交換器内で蒸発させられる、請求項92に記載のエネルギー変換システム。
【請求項95】
冷却剤流体が熱的希釈剤であり、前記熱的希釈剤の少なくとも一部が前記第3の熱交換器内で蒸発させられ、更に加熱されることでスーパーヒート状態の希釈剤を形成する、請求項92に記載のエネルギー変換システム。
【請求項96】
前記第3の熱交換器の冷却剤側が、圧縮機の下流かつ前記膨張器の上流で前記燃焼システムと流体連絡している、請求項92に記載のエネルギー変換システム。
【請求項97】
前記第3の熱交換器によって加熱された希釈剤が酸化剤圧縮機の下流かつ前記膨張器の上流の前記燃焼システムの中の流体と混合される、請求項92に記載のエネルギー変換システム。
【請求項98】
前記第3の熱交換器によって加熱された希釈剤が燃焼の開始部の上流の流体と混合される、請求項92に記載のエネルギー変換システム。
【請求項99】
前記熱および質量の伝達システムが、前記膨張器を出る前記膨張流体から熱を回収し、かつ前記燃焼システムの上流の酸化剤含有流体を加熱するように構成された復熱型熱交換器を更に有する、請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項100】
前記熱および質量の伝達システムが、希釈剤の熱交換器に対する前記復熱型熱交換器の熱回収表面積の比が20%から300%になるように構成される、請求項99に記載のエネルギー変換システム。
【請求項101】
前記熱および質量の伝達システムが、前記膨張器の下流の熱交換器を通って方向付けられる前記膨張流体の部分が前記燃焼システムの上流の酸化剤含有流体を加熱する前記復熱型熱交換器を通って方向付けられる前記膨張流体の部分に類似するように構成される、請求項99に記載のエネルギー変換システム。
【請求項102】
前記流体処理システムが更に、前記膨張システムに入る前記エネルギー流体の少なくとも1つの成分の濃度を下げるために前記希釈剤流体、前記燃料含有流体、および前記酸化剤含有流体のうちの一以上を処理するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項103】
エネルギー変換システムと結びつけて使用するための、少なくとも2つの入口と少なくとも1つの出口を有する熱および質量の伝達システムであって、
酸化剤含有流体を前記エネルギー変換システムへと供給するように構成された酸化剤供給システムと、
前記エネルギー変換システムに燃料含有流体を供給するように構成された燃料供給システムと、
気化可能希釈剤流体を含む希釈剤含有流体を前記エネルギー変換システムの中に直接噴射するように構成された希釈剤供給システムと、
燃料含有流体の一部と前記酸化剤含有流体を反応させ、かつ前記液体希釈剤の一部を蒸発させることでエネルギー流体を形成するように構成された燃焼チャンバを有する燃焼システムと、
前記エネルギー流体の少なくともいくらかを膨張させることで膨張流体を作り出すように構成された少なくとも1つの膨張装置を有する膨張システムと、
前記膨張流体の少なくとも一部の熱を前記希釈剤含有流体の少なくとも一部で交換するように構成された熱交換器と、
前記熱交換器の下流で、冷却された流体を形成するために前記膨張流体の少なくとも一部から熱を回収し、それにより、前記エネルギー変換システムの中に噴射された前記希釈剤の少なくとも一部を回収するように構成された熱回収システムとを有し、
別の方法ではエネルギー流体と共に排出されるであろう熱であってその熱のうちの少なくともいくらかが有用な機械的仕事量へと変わる少なくともいくらかの熱、および少なくともいくらかの加熱された流体であってその流体をいくつかの他の用途で加熱のために使用する流体、および少なくともいくらかの前記希釈剤流体、少なくともいくらかの冷却剤流体、および酸化によって作り出される少なくともいくらかの水で構成されるグループから少なくとも1つの要素を回収する熱および質量の伝達システム。
【請求項104】
前記膨張システムが、前記膨張流体を再圧縮するように構成された少なくとも1つの再圧縮機を有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項105】
前記燃焼システムからの熱の損失を減らすように前記燃焼システムが断熱される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項106】
前記燃焼システムが、燃焼および前記エネルギー流体のうちの一方からの前記燃焼システムの部品による熱の獲得を減らすように構成された断熱部を有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項107】
前記燃焼システムが、燃焼中の流体および前記エネルギー流体のうちの少なくとも1つから出る輻射を遮断するように構成された少なくとも1つの輻射シールドを有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項108】
前記燃焼システムが冷却システムもやはり有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項109】
前記冷却システムが前記燃焼チャンバ内の流体と前記冷却システムに供給される冷却用流体との間の表面型熱交換を可能にするための装置を有する、請求項108に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項110】
前記冷却システムが前記燃焼チャンバ内の流体と前記冷却システムによって供給される冷却用希釈剤含有流体との間の直接接触型熱交換を可能にするための装置を有する、請求項108に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項111】
熱交換装置による前記酸化剤含有流体の冷却と、それに続く前記熱および質量の伝達システムへの希釈剤含有流体の返還のために前記希釈剤含有流体の一部を前記酸化剤供給システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項112】
表面型熱交換装置による前記酸化剤含有流体の冷却と、それに続く前記熱および質量の伝達システムへの希釈剤含有流体の返還のために前記希釈剤含有流体の一部を前記酸化剤供給システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項113】
前記熱交換装置が再圧縮装置の上流に置かれる、請求項111に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項114】
前記酸化剤供給システム内の流体混合装置による酸化剤含有流体の少なくとも一部との混合のために希釈剤含有流体の一部を前記酸化剤供給システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項115】
前記混合装置が圧縮装置のうちのいずれかの前段または後段に置かれる、請求項114に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項116】
前記混合装置が前記希釈剤含有流体の一部を圧縮装置のうちの少なくとも1つに直接噴射する、請求項114に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項117】
前記酸化剤供給システムの中の前記酸化剤含有流体の少なくとも一部が冷却装置によって冷却される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項118】
前記冷却装置が圧縮装置のうちのいずれかの前段または後段に置かれる、請求項117に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項119】
前記酸化剤含有流体の少なくとも一部が更なる処理のために前記酸化剤供給システムから前記熱および質量の伝達システムへと供給される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項120】
以下の熱発生部品、すなわち
発電機と、
タービン発電機駆動部と、
電子変換器のうちの少なくとも1つ上に少なくとも1つの熱交換器を更に有し、
その部品が冷却される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項121】
前記熱発生部品が希釈剤含有流体によって冷却される、請求項120に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項122】
前記燃料供給システムが燃料含有流体の一部を更なる処理のために前記熱および質量の伝達システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項123】
前記希釈剤供給システムが希釈剤含有流体の一部を更なる処理のために前記熱および質量の伝達システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項124】
前記酸化剤含有流体の一部を前記燃焼チャンバへと供給するように更に構成される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項125】
前記燃料含有流体の一部を前記燃焼チャンバへと供給するように更に構成される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項126】
前記希釈剤含有流体の一部を前記燃焼チャンバへと供給するように更に構成される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項127】
いくつかの流体の一部を前記燃焼システムの中の前記冷却システムへと供給し、その後、それが前記熱および質量の伝達システムへと戻されるように更に構成される、請求項109に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項128】
前記膨張システムの中の膨張流体の冷却と、それに続く前記熱および質量の伝達システムへの前記希釈剤含有流体の返還のために前記希釈剤含有流体の一部を前記膨張システムへと供給するように更に構成される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項129】
熱交換装置が前記膨張装置の下流かつ前記再圧縮装置の上流に置かれる、請求項111に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項130】
熱交換装置が前記再圧縮装置の下流に置かれる、請求項111に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項131】
前記膨張システムの中の流体混合装置によるいくつかの流体との混合のために前記希釈剤含有流体の一部を前記膨張システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項132】
前記混合装置が前記膨張装置、または前記再圧縮装置のいずれかの前段または後段に置かれる、請求項131に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項133】
前記混合装置が前記膨張装置、または前記再圧縮装置のうちの少なくとも1つに前記希釈剤含有流体の一部を直接噴射する、請求項131に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項134】
前記膨張システムの中のいくつかの流体の一部がいくつかの冷却装置によって冷却される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項135】
前記冷却装置が前記膨張装置、または前記再圧縮装置のいずれかの前段または後段に置かれる、請求項134に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項136】
前記膨張システムの中のいくつかの流体の一部が更なる処理のために前記熱および質量の伝達システムへと供給される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項137】
いくつかの流体の一部を前記膨張システムへと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項138】
前記エネルギー変換システムが少なくとも1つのポンプを有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項139】
前記エネルギー変換システムの中での少なくとも1つのポンプの冷却の目的で希釈剤含有流体および/または冷却剤流体の少なくとも一部を供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項140】
少なくともいくらかの熱を周囲環境、または他の処理へと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項141】
希釈剤含有流体の一部を周囲環境、または他の処理へと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項142】
排出ガスの一部を周囲環境、または前記エネルギー変換システムの外側の他の処理へと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項143】
高温流体の一部を前記エネルギー変換システムの外側の他の処理へと供給する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項144】
前記高温流体が前記エネルギー変換システムの外側の他の処理で使用され、その後、その少なくとも一部が前記熱および質量の伝達システムへと戻される、請求項143に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項145】
前記高温流体が気化した希釈剤含有流体である、請求項143に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項146】
前記高温流体が高温液体の希釈剤含有流体である、請求項143に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項147】
前記高温流体が冷却処理用のエネルギーを供給するために使用される、請求項143に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項148】
液体の希釈剤含有流体または冷却剤流体の一部が、表面型熱交換装置の使用による排出ガスまたはエネルギーガスによって加熱される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項149】
加熱された希釈剤含有流体または冷却剤流体の少なくとも一部が前記燃焼チャンバへと直接噴射される、請求項148に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項150】
加熱された希釈剤含有流体または冷却剤流体の少なくとも一部が前記酸化剤含有流体を冷却するために使用される、請求項148に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項151】
加熱された希釈剤含有流体または冷却剤流体の少なくとも一部が表面型熱交換装置によって燃料を加熱するために使用され、燃料が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項148に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項152】
加熱された希釈剤含有流体または冷却剤流体の少なくとも一部がいくつかの混合装置を使用して燃料と混合され、燃料が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項148に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項153】
蒸発した希釈剤含有流体の少なくとも一部がいくつかの混合装置を使用して燃料の一部と混合され、燃料が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項148に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項154】
前記燃料含有流体の少なくとも一部が気化され、前記燃料含有流体の少なくとも一部が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項153に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項155】
加熱された希釈剤含有流体または冷却剤流体の少なくとも一部が前記エネルギー変換システムの外部で加熱処理に使用される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項156】
液体の希釈剤含有流体の少なくとも一部がいくつかの表面型熱交換装置の使用による排出ガスまたはエネルギーガスによって蒸発させられる、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項157】
蒸発した希釈剤含有流体の少なくとも一部が前記燃焼チャンバへと直接噴射される、請求項156に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項158】
蒸発した希釈剤含有流体の少なくとも一部が、前記エネルギー変換システムの外部で気化流体を必要とする加熱処理に使用される、請求項156に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項159】
気化流体を必要とする加熱処理に使用される前記希釈剤含有流体の少なくとも一部が前記熱および質量の伝達システムへと戻される、請求項158に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項160】
蒸発した希釈剤含有流体の少なくとも一部が表面型熱交換装置内で燃料含有流体の一部を加熱するために使用され、燃料の一部が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項156に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項161】
気化した希釈剤含有流体の少なくとも一部が、表面型熱交換装置の使用による排出ガスまたはエネルギーガスによって加熱される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項162】
更に加熱された希釈剤含有流体の少なくとも一部が前記燃焼チャンバへと直接噴射される、請求項161に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項163】
更に加熱された希釈剤含有流体の少なくとも一部が、前記エネルギー変換システムの外部で気化流体を必要とする加熱処理に使用される、請求項161に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項164】
気化流体を必要とする加熱処理に使用される前記希釈剤含有流体の少なくとも一部が前記熱および質量の伝達システムへと戻される、請求項163に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項165】
更に加熱された希釈剤含有流体の少なくとも一部が、いくつかの表面型熱交換装置によって前記燃料含有流体の少なくとも一部を加熱するために使用され、前記燃料含有流体が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項161に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項166】
加熱された希釈剤含有流体の少なくとも一部がいくつかの混合装置を使用して前記燃料含有流体の一部と混合され、燃料が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項161に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項167】
燃料含有流体の少なくとも一部が気化され、前記燃料含有流体の少なくとも一部が前記燃焼チャンバへと供給される、請求項166に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項168】
前記希釈剤含有流体または水の少なくとも一部が表面型凝縮装置の使用によってエネルギーガスまたは排出ガスの一部の希釈剤含有流体から凝縮される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項169】
前記希釈剤含有流体または水の少なくとも一部が、直接流体接触装置の使用によってエネルギーガスまたは排出ガスの一部の希釈剤含有流体から凝縮される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項170】
エネルギーガスまたは排出ガスの一部が冷却用流体の一部によって冷却される、請求項168および169に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項171】
冷却用流体の少なくとも一部が、冷却装置によってそれから除去された熱を有し、その後、更なる冷却のためにポンプもしくは他の再循環用装置の使用によって再循環させられる、請求項170に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項172】
凝縮されて回収される希釈剤含有流体または水の少なくとも一部が冷却装置へと再循環させられる、請求項171に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項173】
凝縮されて回収される希釈剤含有流体または水の一部が前記熱および質量の伝達システムの中で他の目的のために使用される、請求項171に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項174】
凝縮されて回収される希釈剤含有流体または水の一部が、前記熱および質量の伝達システムの外部で加熱処理のために使用される、請求項171に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項175】
前記熱および質量の伝達システムの外部での加熱処理のための希釈剤含有流体または水の一部が前記熱および質量の伝達システムへと戻される、請求項171に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項176】
凝縮されて回収される希釈剤含有流体または水の一部が前記エネルギー変換システムから放出される、請求項171に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項177】
冷却用流体の少なくとも一部が前記熱および質量の伝達システムの内部で様々な目的のために使用される、請求項170に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項178】
冷却用流体の少なくとも一部が前記熱および質量の伝達システムの外部で加熱処理のために使用される、請求項170に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項179】
前記熱および質量の伝達システムの外部での加熱処理のための前記希釈剤含有流体または水の一部が前記熱および質量の伝達システムへと戻される、請求項178に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項180】
凝縮装置から出るエネルギーガスまたは排出ガスの一部が前記エネルギー変換システムから排出される、請求項168および169に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項181】
凝縮装置から出るエネルギーガスまたは排出ガスの一部が排気システム内の再圧縮機の1つへと供給される、請求項168および169に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項182】
前記膨張流体または表面型熱交換装置の使用によって冷却された膨張流体の一部によって前記酸化剤含有流体の少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項183】
前記希釈剤含有流体の少なくとも一部または冷却剤流体の一部が前記酸化剤含有流体の中に蒸発する流体接触装置の中で前記酸化剤含有流の少なくとも一部が前記希釈剤含有流体の少なくとも一部または冷却剤流体の一部との接触に至らされる、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項184】
流体のうちの少なくとも1つを循環させるように構成された少なくとも1つの装置を更に有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項185】
流体のうちの少なくとも1つの圧力を更に高い値へと上げるように構成された少なくとも1つの装置を更に有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項186】
流体のうちの少なくとも1つの圧力を更に低い値へと下げるように構成された少なくとも1つの装置を更に有する、請求項103に記載の熱および質量の伝達システム。
【請求項187】
エネルギー変換システムの中の熱および質量の伝達を制御する方法であって、前記エネルギー変換システムが、
酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤含有流体を受け取るように構成された燃焼器であって、
前記燃料含有流体から由来する燃料の少なくとも一部を前記酸化剤含有流体から由来する酸化剤の少なくとも一部と反応させるように構成され、
それにより、反応の生成物と、残りの前記酸化剤含有流体、燃料含有流体および希釈剤含有流体を含み、温度、圧力、速度のうちの少なくとも1つで上昇したレベルを有するエネルギー流体を形成する燃焼チャンバを有する燃焼器と、
酸化剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成された酸化剤供給システムと、
燃料含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成された燃料供給システムと、
気化可能な希釈剤を含む希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成された希釈剤供給システムと、
前記エネルギー流体の少なくともいくらかを膨張させ、それにより、膨張エネルギー流体を形成するように構成された少なくとも1つの膨張装置を有する流体膨張システムと、
少なくとも1つの熱交換器を有し、少なくとも2つの入口と1つの出口を有し、
前記膨張エネルギー流体の少なくとも一部からの熱を冷却剤流体で交換し、
かつ前記希釈剤含有流体と、前記酸化剤含有流体、前記エネルギー流体、および前記膨張エネルギー流体のうちの少なくとも1つとの間で質量を移すように構成された熱および質量の伝達システムと、
前記燃料供給システムによって供給される前記燃料含有流体、前記希釈剤供給システムによって供給される前記希釈剤含有流体、前記希釈剤含有流体と、前記酸化剤含有流体、前記エネルギー流体、および前記膨張エネルギー流体のうちの少なくとも2つとの間の質量移動、および前記エネルギー変換システム内での希釈剤供給の分布を制御するように構成され、その制御方法が前記燃焼システム内の燃料含有流体の供給を制御する工程と、前記燃焼システム内の酸化剤含有流体の供給を制御する工程と、前記エネルギー変換システム内での希釈剤含有流体と、酸化剤含有流体、エネルギー流体、および膨張エネルギー流体のうちの少なくとも2つとの間の質量移動を制御する工程と、前記エネルギー変換システム内での希釈剤含有流体の供給の分布を制御する工程とを含む制御器を有し、
前記燃焼器を出る前記エネルギー流体のピーク温度を規定された膨張器ピーク温度未満に制御し、前記膨張流体から熱を回収する制御システムとを有する制御方法。
【請求項188】
前記膨張システムの上流で希釈剤の供給を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項189】
前記酸化剤供給システムへの希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項190】
前記燃焼システムへの希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項191】
前記膨張流体の熱交換器へと供給される前記冷却剤流体を制御する工程を更に含み、前記膨張エネルギー流体から前記冷却剤流体へと熱を回収する、請求項187に記載の制御方法。
【請求項192】
前記冷却剤流体が希釈剤含有流体を含み、前記制御方法が、前記膨張流体の熱交換器へと供給される前記希釈剤含有流体を制御し、それにより、前記膨張エネルギー流体から前記希釈剤へと熱を回収する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項193】
冷却された前記膨張エネルギー流体の温度を制御する工程を更に含む、請求項192に記載の制御方法。
【請求項194】
前記エネルギー変換システムが希釈剤回収システムを更に有し、請求項187の制御方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項195】
前記エネルギー流体によって加熱された前記エネルギー変換システムの部品への、希釈剤含有流体および酸化剤含有流体のうちの1つを含む冷却剤流体の供給を制御する工程を更に含み、その部品の温度が規定の温度を超えないように制御する、請求項187に記載の制御方法。
【請求項196】
前記膨張エネルギー流体中の前記希釈剤の部分を回収するために更に熱を交換し、それにより、冷却された膨張流体と加熱された冷却剤流体を形成し、前記冷却剤流体が希釈剤の少なくとも一部を含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項197】
冷却されたエネルギー流体を希釈剤の回収の後に再圧縮するための再圧縮装置を前記膨張システムの中に更に含み、それにより、排出流体を形成し、前記排出流体を雰囲気条件へと排出し、前記制御方法が、前記再圧縮装置に入る前記冷却された膨張エネルギー流体の圧力を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項198】
前記再圧縮装置の上流の前記冷却された膨張エネルギー流体の前記圧力を環境気圧の約80%よりも上に更に制御する、請求項197に記載の制御方法。
【請求項199】
前記再圧縮装置の上流の前記冷却された膨張エネルギー流体の前記圧力を環境気圧の約80%以下に更に制御する、請求項197に記載の制御方法。
【請求項200】
前記希釈剤含有流体が前記反応によって形成される化学成分を含み、前記方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分を前記膨張システムの上流に供給される希釈剤の量以上になるように制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項201】
前記希釈剤が水を含み、前記方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が前記酸化剤供給システムによって受け取られる酸化剤含有流体中の相対湿度の部分を更に含むように制御する工程を更に含む、請求項200に記載の制御方法。
【請求項202】
前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が前記酸化剤供給システムによって受け取られる酸化剤含有流体中の相対湿度のすべてを含み、燃焼処理によって形成される希釈剤の部分を更に含むように制御する工程を更に含む、請求項200に記載の制御方法。
【請求項203】
前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が燃焼処理によって形成される実質的にすべての水を含むように制御する工程を更に含む、請求項202に記載の制御方法。
【請求項204】
前記エネルギー変換システムが、熱交換器を含む熱発生装置を更に有し、前記装置が発電機、モータ、機械的駆動部、ポンプ、軸受け、電磁エネルギー変換器、および電磁制御器から選択され、
前記制御器が前記熱交換器を通る冷却剤流体の流量を制御するように構成され、前記制御方法が冷却剤流体の流量を制御する工程を更に含み、前記熱発生装置の温度が発生装置の温度限界未満に維持される、請求項187に記載の制御方法。
【請求項205】
前記熱発生装置の温度を約343℃(650°F)未満に制御する工程を更に含む、請求項204に記載の制御方法。
【請求項206】
前記熱発生装置の温度を約100℃(212°F)未満に制御する工程を更に含む、請求項204に記載の制御方法。
【請求項207】
前記エネルギー変換システムが更に、エネルギー流体に接触するように構成された高温区画を含み、かつ高温区画の熱交換器を含み、
前記高温区画が燃焼チャンバ、燃料含有流体供給部品、燃焼担当部、平衡化チャンバ、タービンブレード、タービン羽根、およびタービンシュラウドのうちの1つから選択され、
前記制御器が前記熱交換器を通る冷却剤流体の流量を制御するように構成され、
前記制御方法が、冷却剤流体の流量を制御する工程を更に含み、前記高温区画の温度が規定の高温区画温度限界よりも下に維持される、請求項187に記載の制御方法。
【請求項208】
前記熱および質量の伝達システムが希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記制御方法が更に、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給される加熱された希釈剤含有流体の部分を制御する工程を含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項209】
酸化剤含有流体と混合される希釈剤含有流体の部分が、希釈された酸化剤含有流体が前記燃焼器に入る前に、前記酸化剤含有流体を飽和させるレベルの110%未満となるように制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項210】
前記熱および質量の伝達システムが前記再圧縮機の下流で排出部熱交換器を更に有し、前記制御方法が、前記排出部熱交換器を通って流れる希釈剤含有流体の部分を制御し、それにより、加熱された希釈剤含有流体を形成する工程を更に含む、請求項197に記載の制御方法。
【請求項211】
前記エネルギー変換システムを出る前記排出流体の相対湿度を制御し、それにより、柱状噴流形成の確率に影響を与える工程を更に含む、請求項210に記載の制御方法。
【請求項212】
前記熱および質量の伝達システムが気化した希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記方法が、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給される気化した希釈剤含有流体の部分を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項213】
前記熱および質量の伝達システムがスーパーヒート状態の気化希釈剤を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記方法が、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給されるスーパーヒート状態の気化希釈剤の部分を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項214】
前記酸化剤含有流体への希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含み、前記酸化剤供給システムによって供給される前記酸化剤含有流体の希釈によって飽和度を制御する、請求項187に記載の制御方法。
【請求項215】
前記希釈剤含有流体、および前記酸化剤含有流体と共に供給される希釈剤流体によって供給される合計の希釈剤の部分を制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項216】
前記酸化剤含有流体が空気であり、前記希釈剤含有流体が水を含み、前記制御方法が、前記膨張システムの上流に供給される空気に対する水の比を質量で25%よりも上に成るように制御する工程を更に含む、請求項187に記載の制御方法。
【請求項217】
希釈剤含有流体供給の分布を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中で火炎前方に入る前記酸化剤含有流体中の希釈剤の量が、前記酸化剤含有流体を希釈剤で飽和させるために必要な量を超える、請求項187に記載の制御方法。
【請求項218】
希釈剤供給の分布を制御する工程を更に含み、均一に混合されれば前記エネルギー流体を形成する酸化剤含有流体、流体含有流体、および希釈剤含有流体の量が、それらの流体が前記燃焼システムへと供給されるそれぞれの条件を前提とすると燃焼不能の混合物を形成する、請求項187に記載の制御方法。
【請求項219】
酸化剤含有流体の供給と燃料含有流体の供給のうちの一方または両方を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中の反応の程度が、前記排出流体中の未酸化燃料成分のうちの少なくとも1つを所望の濃度未満に制御するために十分である、請求項187に記載の制御方法。
【請求項220】
希釈剤供給の分布を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中の反応の程度が、前記排出流体中の副生成物を所望の濃度未満に制御するために十分である、請求項187に記載の制御方法。
【請求項221】
熱と電力のシステムを制御する方法であって、前記熱と電力のシステムが、
反応剤を含む反応剤流体を供給するように構成された反応剤供給システムと、
相互反応剤を含む相互反応剤流体を供給するように構成された相互反応剤供給システムと、
気化可能希釈剤を含む希釈剤流体を供給するように構成された希釈剤供給システムと、
希釈剤を供給し、反応剤を相互反応剤と反応させ、かつ反応生成物、希釈剤、および相互反応剤流体と希釈剤流体の残りの成分を含むエネルギー流体を形成するように構成された反応器と、
前記エネルギー流体を膨張させ、機械的エネルギーを抽出し、それにより、膨張流体を形成するように構成された膨張器と、
前記エネルギー流体と前記膨張流体のうちの少なくとも一方から冷却剤流体へと熱エネルギーを回収し、それにより、加熱された流体と冷却された流体を形成するように構成された高温流体熱交換器と、
加熱された部品の温度を制御し、冷却剤流体へと熱を回収するように構成された被加熱部品熱交換器と、
反応剤流体、相互反応剤流体、および希釈剤流体の供給を制御するように構成された制御器とを含み、
前記方法が、
前記被加熱部品熱交換器への冷却剤流体の供給を制御する工程であって、加熱された部品の温度を選択された温度未満に制御する工程と、
前記膨張器の出口の上流で前記相互反応剤含有流体またはエネルギー流体へと供給される前記希釈剤流体を制御する工程であって、前記膨張器に入る前記エネルギー流体のピーク温度を特定の温度よりも下に制御する工程と、
前記高温流体熱交換器を通る冷却剤流体の供給を制御する工程であって、前記エネルギー流体から熱を回収する工程と、
前記加熱された流体の温度を選択された温度よりも上に制御する工程と、
前記膨張器によって前記エネルギー流体から抽出される機械的エネルギーと、前記エネルギー流体もしくは膨張エネルギー流体から抽出され、前記冷却剤流体によって供給される熱エネルギーの合計を供給することに十分な熱エネルギーに少なくとも等しい熱エネルギーを供給するように前記相互反応剤流体の供給を制御する工程と、
1よりも上で選択された比よりも下の選択された範囲内で化学量論的な相互反応剤対反応剤の比に相対した相互反応剤対反応剤の比のラムダ比を得るように前記反応剤流体と前記相互反応剤流体のうちの一方または両方を制御する工程と、
前記反応器の中で希釈剤供給を制御する工程であって、前記エネルギー変換システムから排出される前記膨張流体中の窒素酸化物および反応剤の汚染成分の量を制御する工程とを含む制御方法。
【請求項222】
前記加熱された流体が希釈剤を含む、請求項221に記載の制御方法。
【請求項223】
前記反応剤が水素および炭素のうちの一以上を含む燃料である、請求項221に記載の制御方法。
【請求項224】
前記相互反応剤が酸素、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のうちの一以上を含む酸化剤である、請求項221に記載の制御方法。
【請求項225】
前記反応器が、前記相互反応剤含有流体を飽和させるために十分な量よりも多くの希釈剤を供給するように構成され、かつ供給することが可能である、請求項221に記載の温度制御方法。
【請求項226】
前記反応器の部品、前記膨張器の部品、および熱交換器を含めた前記加熱される部品が前記エネルギー流体および前記膨張流体のうちの一方から熱を受ける、請求項221に記載の制御方法。
【請求項227】
前記加熱される部品が、熱を発生する内的に加熱される部品であり、前記内的に加熱される部品が発電機、モータ、軸受け、機械的駆動部、電磁変換器、および電磁制御器のうちの一以上を含む、請求項221に記載の制御方法。
【請求項228】
他の加熱された部品を冷却するために加熱された希釈剤を供給する工程を更に含む、請求項227に記載の制御方法。
【請求項229】
加熱された希釈剤を熱用途へと供給する工程を更に含む、請求項227に記載の制御方法。
【請求項230】
加熱された希釈剤を前記反応器へと供給する工程を更に含む、請求項227に記載の制御方法。
【請求項231】
エネルギー変換システム内でエネルギーを変換する方法であって、前記エネルギー変換システムが、
酸化剤含有流体を前記エネルギー変換システム内に供給するように構成された入口と出口を有する酸化剤供給システムを使用して酸化剤を供給する方法と、
燃料含有流体を前記エネルギー変換システム内に供給するように構成された燃料供給システムを使用する供給燃料の方法と、
希釈剤含有流体を前記エネルギー変換システム内に供給するように構成された希釈剤供給システムを使用して、少なくともその一部が気化可能な希釈剤流体であって、液体として加圧される希釈剤を供給する方法と、
前記燃料供給システム、前記酸化剤供給システム、および前記希釈剤供給システムから流体を受け取るように構成され、前記酸化剤供給システムの前記出口および前記燃料供給システムの出口と流体連絡している少なくとも1つの入口を有し、少なくとも1つの出口を有する燃焼チャンバを含む燃焼システムであって、燃料含有流体と酸化剤含有流体を混合して燃料と酸化剤の燃焼可能混合物を形成し、燃料を酸化剤で酸化することで酸化生成物を形成し、かつ液体希釈剤含有流体の少なくとも一部を前記燃焼チャンバに供給するように構成され、更に、希釈剤含有流体を供給して酸化剤含有流体、燃料含有流体、および酸化生成物のうちの一以上と混合し、前記燃焼システムから出るエネルギー流体のピーク温度を抑制し、かつ前記燃焼システムの中で、酸化生成物および気化した希釈剤流体を含み、温度、圧力、および運動エネルギーのうちの一以上で上昇したレベルを有するエネルギー流体を形成するように構成される燃焼システムを使用する燃焼の方法と、
入口と出口を有し、前記エネルギー流体の少なくとも一部を膨張させることで膨張流体を形成するように構成された膨張器を含む膨張システムを使用する膨張の方法と、
複数の入口および出口を有し、前記膨張流体から熱を回収することで冷却された膨張流体を形成し、前記希釈剤含有流体に熱を供給することで加熱された希釈剤流体を形成し、加熱された希釈剤流体の少なくとも一部を前記燃焼システムに供給するように構成される熱および質量の伝達システムを使用する熱および質量の伝達の方法と、
前記酸化剤流体またはエネルギー流体に供給されるそれに少なくともほとんど等しい希釈剤を前記膨張システムの前記出口の上流で前記膨張流体から回収し、燃焼中に形成される水および前記酸化剤供給システムの中に前記酸化剤流体と共に供給される水のうちの一方または両方の一部を回収するように構成される希釈剤回収システムを使用して希釈剤を回収する方法と、
前記膨張流体から回収された水の少なくとも一部を取り除くように構成され、前記膨張流体の中の少なくとも1つの混入物質の一部を除去し、かつ前記膨張システムに入る前記エネルギー流体の中の混入物質の濃度を下げる流体処理システムを使用して流体を処理する方法とを含むエネルギー変換方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応剤を含む反応剤流体、相互反応剤を含む相互反応剤流体、および希釈剤を含む希釈剤流体を供給するように構成された反応剤、相互反応剤、および希釈剤の供給システムと、
反応器出口を有し、かつ前記反応剤、相互反応剤、および希釈剤の供給システムから流体を受け取り、混合し、かつ反応させるように構成され、それにより、雰囲気条件よりも上の温度と圧力を有してかつ反応生成物を含むエネルギー流体を形成する反応器と、
上流の前記反応器から前記エネルギー流体の少なくとも一部を受け取り、少なくとも1つの冷却剤流体のフローを受け取り、かつ前記エネルギー流体から前記冷却剤流体へと前記熱の少なくともいくらかを伝達し、それにより、加熱された冷却剤流体および冷却されたエネルギー流体を形成するように構成された下流の熱交換装置を有する熱伝達システムとを有するエネルギー変換システムであって、
前記熱伝達システムが更に、
前記加熱された冷却剤流体の少なくともいくらかを熱利用用途および前記希釈剤供給システムのうちの少なくとも一方へと供給するように構成された供給システムを有し、
前記エネルギー変換システムが、
前記熱伝達システムの中で前記冷却剤流体および加熱された冷却剤流体の流量のうちの少なくとも一方を制御し、
前記熱伝達システムから前記少なくとも1つの熱利用用途への少なくとも1つの加熱された冷却剤流体のフローの供給を制御し、
前記反応器の上流で、
前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流量の部分と、
希釈剤を含む他の希釈剤流体の部分と、
希釈剤と他の希釈剤流体を含む加熱された冷却剤流体の組合せとのうちの少なくとも1つの反応システムへの供給を制御する制御システムとを有し、
前記制御システムが更に、前記熱利用用途に供給される加熱された冷却剤フローの温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御するように構成され、
前記制御システムが更に、加熱される部品のピーク温度が規定の温度未満になるように制御するように構成され、前記加熱される部品が前記エネルギー流体、加熱された冷却剤、機械的出力、および電力のうちの少なくとも1つによって加熱されるエネルギー変換システム。
【請求項2】
エネルギー流体用の入口と出口とを備え、前記エネルギー流体の中の空間温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼システムを出る前記エネルギー流体の横断方向温度分布が、前記燃焼器の排出口付近の燃焼器断面内の少なくとも1つの横断方向で制御されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項3】
前記燃焼器の出口付近の燃焼器断面内の第1の横断方向に沿って実質的に不均一な指定温度分布を達成するように、希釈剤および燃料含有流体供給の空間的分布が制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項4】
前記の燃焼器を出る温度の横断方向分布が、規定の横断方向温度分布の±10K°以内に制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項5】
望ましい出口温度に対する実際の燃焼器排出口温度の比の横断方向分布が、望ましい横断方向の比の分布範囲内に制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項6】
温度の比が、0.93から1.07の範囲内に維持されることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項7】
温度の比が、0.97から1.03の範囲内に維持されることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項8】
前記燃焼器出口の中心付近の温度比に対する前記燃焼器周縁部付近の温度比の比が、1.00から1.06の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項9】
前記の燃焼器を出る前記エネルギー流体中の希釈剤濃度が、それらの流体が完全に混合されたときのそれらに関する仮説的燃焼可能限界よりも大きくなるように希釈剤流体の供給が制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項10】
前記相互反応剤供給システムが更に、前記相互反応剤流体を加圧するように構成された流体加圧装置を有し、環境気圧に対する前記燃焼器に入る圧力の圧力比が約15よりも大きく、かつ前記希釈剤供給システムが更に、圧縮される前記相互反応剤流体を冷却するために水および希釈剤流体の一方を前記相互反応剤供給システムへと供給するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項11】
前記熱伝達流体と流体的に連通しており、反応剤流体から混入物質の一部を除去し、それを前記エネルギー変換システム内での使用のために供給するように構成された反応剤処理システムを更に有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項12】
前記希釈剤供給システムと流体的に連通しており、希釈剤供給部のサイズの規定の部分よりも大きい混入物質を前記希釈剤流体の少なくとも一部からフィルタで取り去るように構成された希釈剤処理システムを更に有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項13】
前記希釈剤含有流体から可溶性混入物質の少なくとも一部を除去するように更に構成されることを特徴とする請求項12に記載の希釈剤処理システム。
【請求項14】
前記希釈剤の一部が反応の上流で反応剤含有流体と混合されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項15】
前記希釈剤の一部が反応の上流で相互反応剤含有流体と混合されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項16】
流れに関して上流の前記反応器および前記熱伝達システムと流体的に連通しており、前記反応器の出口から出る前記エネルギー流体の少なくとも一部を膨張させ、出力を抽出し、膨張流体を形成し、かつ前記膨張流体を前記熱伝達システムへと供給するように構成された膨張器を有する膨張システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項17】
前記冷却されたエネルギー流体が、反応剤流体、相互反応剤流体、および希釈剤流体のうちの2つ以上の成分の間の反応によって形成される少なくとも1つの微量汚染物質種を更に含み、前記エネルギー変換システムが、前記エネルギー変換システムを出る冷却されたエネルギー流体中の前記少なくとも1つの汚染物質の濃度を、供給される軸出力1MWh当たり0.1kg未満に制御するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項18】
前記膨張器を出る前記エネルギー流体の希釈剤濃度が飽和濃度未満であり、それにより、前記膨張器の中で希釈剤が凝縮しないように流体供給および膨張比を制御するように更に構成されることを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項19】
加熱される部品が前記膨張器によって駆動される発電機を含み、熱の伝達システムが更に、前記発電機から熱を回収し、かつ熱伝達流体を加熱し、かつ前記発電機の温度を規定のレベルよりも下に保つように構成された熱交換器を有することを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項20】
前記発電機を冷却し、かつ熱を前記希釈剤含有流体で交換し、かつ加熱された希釈剤に前記膨張器の流れに関する排出口の上流の流体を供給して混合するために、低粘度の流体を使用するように更に構成されることを特徴とする請求項19に記載のエネルギー変換システム。
【請求項21】
加熱される部品が、前記膨張器を機械的用途へと接続する膨張器駆動部を更に含み、前記熱伝達システムが、前記膨張器駆動部から熱伝達流体へと熱を回収するように構成された熱交換器を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項22】
前記膨張器駆動部の潤滑剤の温度を規定の温度よりも下に維持するように更に構成されることを特徴とする請求項21に記載のエネルギー変換システム。
【請求項23】
熱発生部品が、前記膨張器に接続された発電機、モータ、電磁変換器、膨張器駆動部、および電磁制御器のうちの一以上を更に含み、
熱伝達システムが、希釈剤含有流体の流量を制御するように構成された部品熱交換器を更に有し、前記熱発生部品の温度を制御し、かつ加熱された熱伝達流体へと熱を回収することを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項24】
電子変換器の温度が100℃よりも下に維持されるように、熱伝達流体の流量を制御するように更に構成されることを特徴とする請求項23に記載のエネルギー変換システム。
【請求項25】
設計条件で、第1の膨張器によって抽出可能な出力の10%以上で前記エネルギー流体から出力を取り出すように構成された少なくとも第2の膨張器を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項26】
前記反応剤流体が燃料供給システムによって供給される燃料含有流体、および酸化剤供給システムによって供給される酸化剤含有流体を含む相互反応剤流体、および流体の水と二酸化炭素のうちの少なくとも一方を含む希釈剤含有流体を含み、前記反応器が燃焼器を含み、前記エネルギー変換システムが更に希釈剤処理システムを含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項27】
前記燃料含有流体から、燃料供給オリフィスのサイズの規定の部分よりも大きい前記混入物質をフィルタで取り去るように更に構成されることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項28】
前記膨張器の下流の前記エネルギー流体から由来する熱が、前記燃焼システムへと供給される燃料含有流体で熱交換されることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項29】
前記燃焼システムへの供給に先立って、前記燃料含有流体の温度が約100℃よりも下に維持されることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項30】
前記熱伝達システムが、前記膨張流体から熱を回収するため、および気化希釈剤を加熱してスーパーヒート状態の希釈剤を形成するために前記膨張器の下流でかつ前記第1の熱交換器の上流に第3の熱交換器を有することを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項31】
前記第1の熱交換器から前記第3の熱交換器および前記燃焼システムのうちの少なくとも1つへと供給される希釈剤の少なくとも1つの流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項32】
前記冷却剤流体が液体の熱的希釈剤を含み、前記熱的希釈剤の少なくとも一部が前記第1の熱交換器内で蒸発させられることを特徴とする請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項33】
前記第3の熱交換器によって加熱された希釈剤が酸化剤圧縮機の下流かつ前記膨張器の上流の前記燃焼システムの中の流体と混合されることを特徴とする請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項34】
前記第3の熱交換器によって加熱された希釈剤が燃焼の開始部の上流の流体と混合される、請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項35】
前記熱伝達システムが、前記膨張器を出る前記膨張流体から熱を回収し、かつ前記燃焼システムの上流の酸化剤含有流体を加熱するように構成された復熱型熱交換器を更に有することを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項36】
前記熱伝達システムが、希釈剤の熱交換器に対する前記復熱型熱交換器の熱回収表面積の比が20%から300%になるように構成されることを特徴とする請求項35に記載のエネルギー変換システム。
【請求項37】
前記熱伝達システムが、前記膨張器の下流の熱交換器を通って方向付けられる前記膨張流体の部分が前記燃焼システムの上流の酸化剤含有流体を加熱する前記復熱型熱交換器を通って方向付けられる前記膨張流体の部分の33%と300%との間になるように構成されることを特徴とする請求項35に記載のエネルギー変換システム。
【請求項38】
前記流体処理システムが更に、前記膨張システムに入る前記エネルギー流体の少なくとも1つの成分の濃度を下げるために前記希釈剤流体、前記燃料含有流体、および前記酸化剤含有流体のうちの一以上を処理するように構成されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項39】
前記膨張システムの上流の前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つへと供給される量に少なくともほとんど等しい量で前記膨張流体から希釈剤を回収し、かつ前記酸化剤流体と共に前記酸化剤供給システムの中に供給される水、二酸化炭素、いずれかの希釈剤燃焼生成物、およびいずれかの希釈剤のうちの少なくとも1つの一部分を回収するように構成された希釈剤回収システムを更に含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項40】
前記冷却された膨張流体を環境気圧よりも上に圧縮してそれを排出するために、前記希釈剤回収システムの下流に構成された再圧縮機を更に有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項41】
前記燃焼チャンバの上流の酸化剤含有流体を圧縮する一以上の流体加圧装置の圧力比、および前記希釈剤回収システムの下流の前記冷却された前記膨張流体を圧縮する前記再圧縮機の圧力比の積である総計の組み合わされた膨張比が、約37よりも大きいことを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項42】
前記再圧縮機が、冷却された前記膨張流体の圧力に対する環境気圧の再圧縮比を変えるように更に構成されることを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項43】
前記希釈剤回収システムの下流の冷却された前記膨張流体を圧縮する流体加圧装置の圧縮比が、1.1と8の間で構成されることを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項44】
前記エネルギー変換システムを出る流体中の希釈剤流体の濃度が飽和濃度のうちの望ましい部分よりも小さく、それにより、柱状噴流が形成される確率を制御するように、前記エネルギー流体中の凝縮不能ガスに対する凝縮可能な希釈剤の比、周囲温度に対する冷却された前記膨張流体の温度の比、および再圧縮比を制御するように更に構成されることを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項45】
酸化剤含有流体の質量流量に対する凝縮可能希釈剤の質量流量の比が、合計の酸化剤含有流体流量に相対した前記エネルギー変換システムの正味の比出力が前記酸化剤含有流体を圧縮する前記流体加圧装置を出る流体の流量1kg当たり940kJよりも大きくなるように制御され、前記酸化剤含有流体が空気であり、正味の比出力が、前記希釈剤回収システムの下流で前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤流体と冷却された膨張流体を圧縮するために利用される電力の合計を差し引いた前記膨張器の総計の出力を有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項46】
酸化剤含有流体の質量流量に対する凝縮可能な希釈剤の質量流量の比が、前記膨張器の流量に相対した前記エネルギー変換システムの正味の比出力が空気で動作中の前記膨張器に入る流体流量1kg当たり700kJを超えるように制御され、正味の比出力が、前記希釈剤回収システムの下流で前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤流体と冷却された膨張流体を圧縮するために利用される電力の合計を差し引いた前記膨張器の総計の出力を有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項47】
前記エネルギー変換システムから回収される希釈剤の部分を制御するように更に構成され、前記エネルギー変換システムの中の希釈剤の量を制御することを特徴とする請求項39に記載の希釈剤処理システム。
【請求項48】
前記膨張器の前記出口の上流に供給される希釈剤の部分に、前記エネルギー変換システムから除去されることを要求される部分を加えた以上の部分を回収するように更に構成されることを特徴とする請求項39に記載の希釈剤回収システム。
【請求項49】
前記膨張器の前記出口の上流に供給され得る部分に燃焼で形成され得る希釈剤の部分を加え、入来する酸化剤含有流体を通じて受け取り得る湿度の部分を加えた量に等しくなるように使用済みの流体から希釈剤の部分を回収するように更に構成されることを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項50】
前記希釈剤回収システムが直接接触型凝縮器を含むことを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項51】
前記希釈剤回収システムに入る前記冷却剤流体と、前記希釈剤回収システムを出る表面型熱交換器を使用して冷却されたエネルギー流体の温度との間の接近温度が20K(華氏36度)未満であることを特徴とする請求項50に記載のエネルギー変換システム。
【請求項52】
前記希釈剤回収システムに入る前記冷却剤流体と、前記希釈剤回収システムを出る直接接触型熱交換器を使用して冷却されたエネルギー流体の温度との間の接近温度が4K(華氏7.2度)未満である、請求項50に記載のエネルギー変換システム。
【請求項53】
前記希釈剤回収システムが前記冷却された膨張エネルギー流体から可溶性混入物質の一部を更に除去することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項54】
前記熱伝達システムが、膨張した流体を冷却し、かつ気化した希釈剤を凝縮させるための冷却システムを更に有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項55】
前記凝縮熱回収システムが、希釈剤を冷却剤流体として使用する直接接触型熱交換器を有することを特徴とする請求項54に記載のエネルギー変換システム。
【請求項56】
前記流体処理システムが、混入物質を含む流体であって水、二酸化炭素、および回収された希釈剤から選択される前記流体の少なくとも一部を除去するように構成され、前記膨張流体中の少なくとも1つの混入物質の一部を除去し、かつ前記膨張システムに入る前記エネルギー流体へと供給される前記混入物質の濃度を規定のレベルよりも下に下げることを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項57】
前記第1の熱交換器を出る前記エネルギー流体の少なくとも一部分の熱を、希釈剤を含む熱交換流体の少なくとも一部で交換して前記熱を回収するために前記第1の熱交換器の下流に第2の熱交換器を更に有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項58】
前記加熱された希釈剤流体の一部を、前記第2の熱交換器から圧縮される前記相互反応剤流体へと供給するように更に構成されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項59】
前記第2の熱交換器を出る流体の出口温度が150℃未満となるように、流体供給および膨張比が構成および制御されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項60】
前記熱伝達システムが、前記第1の熱交換器の面積に対する前記第2の熱交換器の面積の比が20%から150%の範囲になるように構成されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項61】
前記第2の下流の熱交換器を通って流れる膨張した流体からの熱が液体の希釈剤によって回収されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項62】
酸化剤流体圧力装置によって圧縮される酸化剤含有流体を冷却するために、前記第2の下流の熱交換器内で加熱された液体の希釈剤の一部が供給されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項63】
前記第2の熱交換器から前記第1の熱交換器へと供給され、前記酸化剤供給システムへと供給される熱的希釈剤の流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項64】
前記第2の熱交換器から前記酸化剤供給システムへの入口、および前記酸化剤供給システム内で圧縮された酸化剤含有流体の中を含めた複数の場所へと供給される希釈剤の多数の流量を制御するように構成された流量制御器を更に有することを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項65】
前記酸化剤流体加圧装置へと供給される加熱された液体の希釈剤の流量の部分が、前記酸化剤加圧装置を出る前記酸化剤含有流体を飽和させるために必要なそれ以下であり、前記流量制御器が前記多数の流量を前記加圧装置内で急騰を生じさせる量未満になるように制御するように構成されることを特徴とする請求項64に記載のエネルギー変換システム。
【請求項66】
反応剤を含む反応剤流体、相互反応剤を含む相互反応剤流体、および希釈剤を含む希釈剤流体を供給するように構成された供給システムを有するエネルギー変換システムと、
反応器出口を有し、前記反応剤、相互反応剤、および希釈剤の供給システムから出る流体を受け取り、混合し、かつ反応させ、それにより、周囲環境条件よりも上の温度と圧力を有し、かつ反応生成物を含むように構成された反応器と、
上流の前記反応器から前記エネルギー流体の少なくとも一部を受け取り、少なくとも1つの冷却剤流体のフローを受け取り、かつ前記エネルギー流体から前記冷却剤流体へと前記熱の少なくともいくらかを伝達し、それにより、加熱された冷却剤流体および冷却されたエネルギー流体を形成するように構成された下流の熱交換装置を有する熱伝達システムと、
前記加熱された冷却剤流体の少なくともいくらかを熱利用用途および前記希釈剤供給システムのうちの少なくとも一方へと供給するように構成された供給システムとを有するエネルギー伝達システムであって、
前記熱伝達システムが更に、
前記熱伝達システムの中で前記冷却剤流体および加熱された冷却剤流体の流量のうちの少なくとも一方を制御し、
前記エネルギー伝達システムが、
冷却剤流体、加熱された冷却剤流体、および冷却剤と加熱された冷却剤の流体の組合せを含む前記熱伝達システムの中で少なくとも1つの熱伝達流体の流量を制御し、
前記熱伝達システムから前記少なくとも1つの熱利用用途への少なくとも1つの加熱された冷却剤流体のフローの供給を制御し、
前記反応器の上流で、
前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流量の部分と、
希釈剤を含む他の希釈剤流体の部分と、
希釈剤と他の希釈剤流体を含む加熱された冷却剤流体の組合せとのうちの少なくとも1つの反応システムへの供給を制御する制御システムとを有し、
前記制御システムが更に、前記熱利用用途に供給される加熱された冷却剤フローの温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御するように構成され、
前記制御システムが更に、前記反応器の出口で流出するエネルギー流体の温度を規定の範囲内に制御するように構成されるエネルギー伝達システム。
【請求項67】
前記反応器が、反応および前記エネルギー流体のうちの1つからの、前記反応器の部品による熱獲得を減少させるように構成された断熱部を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項68】
前記反応器が、前記反応剤流体、相互反応剤流体、希釈剤流体、反応生成物の流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つからの輻射を遮断するように構成された少なくとも1つの輻射シールドを有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項69】
前記熱伝達システムが、前記反応器内の前記エネルギー流体の一部と前記熱伝達システム内の熱伝達流体の部分との間の表面型熱交換を可能にするための熱交換装置を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項70】
前記熱伝達システムが、前記反応器内の前記エネルギー流体の一部と前記熱伝達システムへと供給されるかまたはその中にある希釈剤を含む熱伝達流体との間の直接接触型熱交換を可能にするための熱交換装置を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項71】
前記熱伝達システムが、前記相互反応剤流体で熱を交換し、それに続いて前記熱伝達流体を前記熱伝達システムへと戻すために熱伝達流体の一部を前記相互反応剤供給システム内の相互反応剤熱交換装置へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項72】
前記熱伝達システムが、希釈剤含有流体の一部を前記相互反応剤供給システムへと供給し、かつそれを前記相互反応剤供給システム内で流体混合装置によって相互反応剤流体の少なくとも一部と混合するように構成されることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項73】
前記相互反応剤システムが少なくとも1つの圧縮機を有し、前記流体の供給および混合用の装置が圧縮装置のうちのいずれか1つの上流および下流のうちの少なくとも一方に置かれることを特徴とする請求項72に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項74】
前記供給および混合用の装置が、前記希釈剤流体の一部を圧縮装置の少なくとも1つへと噴射するように構成される、請求項73に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項75】
前記相互反応剤供給システムが圧縮される前記相互反応剤流体を冷却するように構成され、圧縮装置のうちのいずれかの前段もしくは後段に置かれるか、またはその一部として構成される少なくとも1つの表面冷却装置を有することを特徴とする請求項72に記載の熱伝達システム。
【請求項76】
前記相互反応剤流体の少なくとも一部が更なる処理のために前記相互反応剤供給システムから前記熱伝達システムへと供給されることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項77】
発電機と、
タービン発電機駆動部と、
電子変換器とで構成される熱発生部品のグループのうちの少なくとも1つを更に有し、
前記熱伝達システムが熱伝達流体によって前記熱発生部品を冷却するように構成されることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項78】
前記熱発生部品が希釈剤流体によって冷却されることを特徴とする請求項77に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項79】
前記反応剤供給システムが更なる処理のために反応剤流体の一部を前記熱伝達システムへと供給することを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項80】
前記希釈剤供給システムが更なる処理のために希釈剤流体の一部を前記熱伝達システムへと供給することを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項81】
更に、前記相互反応剤流体の一部を前記反応器へと供給するように構成されることを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項82】
更に、前記反応剤流体の一部を前記反応器へと供給するように構成されることを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項83】
更に、前記希釈剤流体の一部を前記反応器へと供給するように構成されることを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項84】
前記エネルギー変換システムが、少なくとも1つのポンプを有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項85】
前記熱伝達システムが、少なくともいくらかの熱を他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項86】
前記熱伝達システムが、希釈剤含有流体の一部を他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項87】
前記熱伝達システムが、排出ガスの一部を他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項88】
前記熱伝達システムが、熱伝達流体の一部を他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項89】
前記熱伝達流体が前記エネルギー変換システムの外部で他の処理に使用され、その後、少なくとも前記熱伝達流体の一部が前記熱伝達システムへと戻されることを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項90】
前記熱伝達流体が、蒸気および気化希釈剤含有流体のうちの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項91】
前記蒸発した希釈剤含有流体の少なくとも一部が、表面型熱交換装置の使用による前記排出ガスまたは前記エネルギーガスによって更に加熱され、前記反応器および前記エネルギー変換システムの外部の熱利用用途のうちの一方に使用されることを特徴とする請求項90に記載の熱伝達システム。
【請求項92】
前記熱伝達流体が、高温液体の水および高温液体の希釈剤含有流体のうちの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項93】
前記熱伝達流体が、冷却用途、空調用途、および冷却用途のうちの少なくとも1つのためにエネルギーを供給することに使用されることを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項94】
前記希釈剤流体および前記熱伝達流体のうちの一方の一部がエネルギー流体によって加熱され、それにより、加熱された希釈剤流体または加熱された熱伝達流体をそれぞれ形成することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項95】
前記加熱された希釈剤流体の少なくとも一部が、直接前記反応器に供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項96】
前記加熱された希釈剤流体または前記熱伝達流体の少なくとも一部が、前記相互反応剤流体を冷却するために使用されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項97】
前記加熱された希釈剤流体または前記加熱された加熱された熱伝達流体の少なくとも一部が前記反応剤流体を加熱するために使用され、前記反応剤流体が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項98】
前記加熱された希釈剤流体の少なくとも一部が1つの混合装置を使用して前記反応剤流体と混合され、前記反応剤流体が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項99】
前記希釈剤流体の少なくとも一部が蒸発させられ、いくつかの混合装置を使用して前記反応剤と混合され、前記反応剤流体が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項100】
前記反応剤流体の少なくとも一部が気化させられ、前記反応剤流体の少なくとも一部が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項99に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項101】
前記蒸発した希釈剤流体の少なくとも一部の1つが、前記反応器へと直接噴射されることを特徴とする請求項99に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項102】
前記希釈剤流体および水のうちの一方の少なくとも一部が、表面型凝縮装置および直接流体接触装置のうちの少なくとも一方によって前記エネルギー流体の一部から凝縮させられることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項103】
前記エネルギー流体の一部が、前記熱伝達流体の一部によって冷却されることを特徴とする請求項102に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項104】
前記加熱された熱伝達流体の少なくとも一部が、熱交換装置によってそこから除去される熱を有し、凝縮させられ、ポンプまたは他の再循環用装置の使用によって更なる熱伝達のために回収されることを特徴とする請求項103に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項105】
回収される凝縮希釈剤含有流体または水の一部が、熱利用用途のために使用されることを特徴とする請求項104に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項106】
回収される凝縮希釈剤流体または水の一部が、前記エネルギー変換システムから放出されることを特徴とする請求項104に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項107】
前記熱伝達システムの上流で前記エネルギー変換システムが更に、エネルギー流体を受け取って膨張させ、それによって膨張流体を形成するように構成された膨張器を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項108】
前記膨張システムが、前記膨張流体および前記エネルギー流体のうちの少なくとも一方を再圧縮するように構成された少なくとも1つの再圧縮装置を有することを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項109】
熱交換装置が前記膨張装置、または前記再圧縮装置のいずれかの下流に置かれる、請求項108に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項110】
更に、表面型熱交換装置による前記膨張システムの中の膨張流体の冷却、それに続く前記熱伝達システムへの前記希釈剤流体の少なくとも一部の返還のために前記希釈剤流体の一部を前記膨張システムへと供給するように構成されることを特徴とする請求項107に記載の熱伝達システム。
【請求項111】
前記熱伝達システムが、前記膨張システム内の流体混合装置によるエネルギー流体、反応剤流体、または相互反応剤との混合のために前記希釈剤流体の一部を前記膨張システムへと供給することを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項112】
前記膨張システムの中で加熱される熱伝達流体の一部および相互反応剤流体の一部のうちの少なくとも一方が、更なる使用のために前記熱伝達システムへと供給されることを特徴とする請求項107に記載の熱伝達システム。
【請求項113】
前記熱伝達システムが熱伝達流体の一部および相互反応剤流体の一部のうちの少なくとも一方を、前記膨張システムへと供給することを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項114】
前記熱伝達システムが、表面型熱交換装置の使用によるエネルギー流体または膨張流体によって前記相互反応剤流体の少なくとも一部を加熱するように構成されることを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項115】
熱伝達を制御する方法であって、
a) 反応剤を含む反応剤流体および相互反応剤を含む相互反応剤流体を、反応器を有する反応器システムへと供給する工程と、
b) 周囲環境条件よりも上の温度と圧力を有し、かつ反応生成物を含むエネルギー流体を前記反応器内で形成するために前記反応剤と相互反応剤を混合して反応させる工程と、
c) 前記エネルギー流体の少なくとも一部分を前記反応器から下流の熱交換器を有する熱伝達システムへと供給する工程と、
d) 少なくとも1つの冷却剤流体の一部を前記熱伝達システムへと供給する工程と、
e) 前記エネルギー流体の前記部分から前記少なくとも1つの冷却剤流体へと熱を伝達させ、それにより、少なくとも1つの加熱された冷却剤流体、および冷却されたエネルギー流体を形成する工程と、
f) 前記熱伝達システムから少なくとも1つの熱利用用途へと前記少なくとも1つの加熱された冷却剤流体の第1の部分を供給する工程と、
g) 前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流体の一部分と、
希釈剤を含む追加的な希釈剤流体の一部分と、
希釈剤を含む加熱された冷却剤流体および追加的な希釈剤流体の組合せのうちの少なくとも1つを前記反応器へと供給し、
希釈剤を含む前記流体を前記反応器の出口の上流で反応剤流体、相互反応剤流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つと混合する工程と、
h) 前記熱伝達システムの中の冷却剤流体の流量を制御し、
前記反応器の出口の上流で前記反応器システムへの、
加熱された冷却剤希釈剤流体の流量と、
追加的な希釈剤流体の流量と、
加熱された冷却剤希釈剤流体と追加的な希釈剤流体の組合せの流量のうちの少なくとも1つを制御する工程とを含み、
i) 加熱された流体の用途へと供給される加熱された冷却剤流体の温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御し、
j) 前記反応器の出口で流出する前記エネルギー流体の温度を規定の範囲内に制御する制御方法。
【請求項116】
前記膨張システムの上流で希釈剤の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項117】
前記酸化剤供給システムへの希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項118】
前記燃焼システムへの希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項119】
前記膨張流体の熱交換器へと供給される前記冷却剤流体を制御する工程を更に含み、前記膨張エネルギー流体から前記冷却剤流体へと熱を回収することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項120】
前記冷却剤流体が希釈剤含有流体を含み、前記制御方法が、前記膨張流体の熱交換器へと供給される前記希釈剤含有流体を制御し、それにより、前記膨張エネルギー流体から前記希釈剤へと熱を回収する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項121】
冷却された前記膨張エネルギー流体の温度を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項120に記載の制御方法。
【請求項122】
前記エネルギー変換システムが希釈剤回収システムを更に有し、請求項115の制御方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項123】
前記エネルギー流体によって加熱された前記エネルギー変換システムの部品への、希釈剤含有流体および酸化剤含有流体のうちの1つを含む冷却剤流体の供給を制御する工程を更に含み、その部品の温度が規定の温度を超えないように制御することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項124】
前記膨張エネルギー流体中の前記希釈剤の部分を回収するために更に熱を交換し、それにより、冷却された膨張流体と加熱された冷却剤流体を形成し、前記冷却剤流体が希釈剤の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項125】
冷却されたエネルギー流体を希釈剤の回収の後に再圧縮するための再圧縮装置を前記膨張システムの中に更に含み、それにより、排出流体を形成し、前記排出流体を雰囲気条件へと排出し、前記制御方法が、前記再圧縮装置に入る前記冷却された膨張エネルギー流体の圧力を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項126】
前記再圧縮装置の上流の前記冷却された膨張エネルギー流体の前記圧力を環境気圧の約80%以下に更に制御することを特徴とする請求項125に記載の制御方法。
【請求項127】
前記熱伝達システムが前記再圧縮機の下流で排出部熱交換器を更に有し、前記制御方法が、前記排出部熱交換器を通って流れる希釈剤含有流体の部分を制御し、それにより、加熱された希釈剤含有流体を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項125に記載の制御方法。
【請求項128】
前記エネルギー変換システムを出る前記排出流体の相対湿度を制御し、それにより、柱状噴流形成の確率に影響を与える工程を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の制御方法。
【請求項129】
前記希釈剤含有流体が前記反応によって形成される化学成分を含み、前記方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分を前記膨張システムの上流に供給される希釈剤の量以上になるように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項130】
前記希釈剤が水を含み、前記方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が前記酸化剤供給システムによって受け取られる酸化剤含有流体中の相対湿度の部分を更に含むように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項129に記載の制御方法。
【請求項131】
前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が前記酸化剤供給システムによって受け取られる酸化剤含有流体中の相対湿度のすべてを含み、燃焼処理によって形成される希釈剤の部分を更に含むように制御する工程を更に含む、請求項129に記載の制御方法。
【請求項132】
前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が、燃焼処理によって形成される実質的にすべての水を含むように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項131に記載の制御方法。
【請求項133】
前記エネルギー変換システムが、熱交換器を含む熱発生装置を更に有し、前記装置が発電機、モータ、機械的駆動部、ポンプ、軸受け、電磁エネルギー変換器、および電磁制御器から選択され、
前記制御器が前記熱交換器を通る冷却剤流体の流量を制御するように構成され、前記制御方法が冷却剤流体の流量を制御する工程を更に含み、前記熱発生装置の温度が発生装置の温度限界未満に維持されることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項134】
前記熱発生装置の温度を約343℃(650°F)未満に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項133に記載の制御方法。
【請求項135】
前記熱発生装置の温度を約100℃(212°F)未満に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項133に記載の制御方法。
【請求項136】
前記エネルギー変換システムが更に、エネルギー流体に接触するように構成された高温部を含み、かつ高温区画の熱交換器を含み、
前記高温部が燃焼チャンバ、燃料含有流体供給部品、燃焼担当部、平衡化チャンバ、タービンブレード、タービン羽根、およびタービンシュラウドのうちの1つから選択され、
前記制御器が前記熱交換器を通る冷却剤流体の流量を制御するように構成され、
前記制御方法が、冷却剤流体の流量を制御する工程を更に含み、前記高温部の温度が規定の高温部温度限界よりも下に維持されることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項137】
前記熱伝達システムが希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記制御方法が更に、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給される加熱された希釈剤含有流体の部分を制御する工程を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項138】
酸化剤含有流体と混合される希釈剤含有流体の部分が、希釈された酸化剤含有流体が前記燃焼器に入る前に、前記酸化剤含有流体を飽和させるレベルの110%未満となるように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項139】
前記熱および質量の伝達システムが気化した希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記方法が、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給される気化した希釈剤含有流体の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項140】
前記熱伝達システムがスーパーヒート状態の気化希釈剤を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記方法が、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給されるスーパーヒート状態の気化希釈剤の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項141】
前記酸化剤含有流体への希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含み、前記酸化剤供給システムによって供給される前記酸化剤含有流体の希釈によって飽和度を制御することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項142】
前記希釈剤含有流体、および前記酸化剤含有流体と共に供給される希釈剤流体によって供給される合計の希釈剤の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項143】
前記酸化剤含有流体が空気であり、前記希釈剤含有流体が水を含み、前記制御方法が、前記膨張システムの上流に供給される空気に対する水の比を質量で25%よりも上に成るように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項144】
希釈剤含有流体供給の分布を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中で火炎前方に入る前記酸化剤含有流体中の希釈剤の量が、前記酸化剤含有流体を希釈剤で飽和させるために必要な量を超えることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項145】
希釈剤供給の分布を制御する工程を更に含み、均一に混合されれば前記エネルギー流体を形成する酸化剤含有流体、流体含有流体、および希釈剤含有流体の量が、それらの流体が前記燃焼システムへと供給されるそれぞれの条件を前提とすると燃焼不能の混合物を形成することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項146】
酸化剤含有流体の供給と燃料含有流体の供給のうちの一方または両方を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中の反応の程度が、前記排出流体中の未酸化燃料成分のうちの少なくとも1つを所望の濃度未満に制御するために十分であることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項147】
希釈剤供給の分布を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中の反応の程度が、前記排出流体中の副生成物を所望の濃度未満に制御するために十分であることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項148】
供給される圧力での流体の沸点よりも上の温度に熱交換器をスーパーヒートさせる工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項149】
前記熱伝達システム内に加熱された気化可能希釈剤流体および加熱された気化希釈剤流体を供給する工程、および前記反応器の出口の上流に前記流体の各々を供給し、反応剤流体、相互反応剤流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つと前記流体の各々を混合する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項150】
加熱された流体の用途が、反応剤流体および相互反応剤のうちの少なくとも一方を冷却することでそれを前記反応器へと供給する圧縮の仕事量を削減することであることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項151】
複数の加熱された冷却剤流体を複数の加熱された流体の用途へと供給する工程を更に含み、各々の冷却剤が、加熱された気化可能冷却剤、高温液体の水、加熱された気化冷却剤、および蒸気のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項152】
前記熱伝達システム内で加熱される複数の流体の流量を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項153】
表面型凝縮器、予熱器、エコノマイザ、蒸発器、およびスーパーヒータのうちの1つを含む前記熱伝達システムの少なくとも1つの部品へと流れる熱的希釈剤の部分および前記部品を迂回する熱的希釈剤流体の部分のうちの少なくとも一方を制御する工程を更に含み、熱利用用途および冷却用途のうちの少なくとも1つのために流体の流量および流体の温度を規定の範囲内に調節することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項154】
前記冷却剤流体が液体の水、気化可能希釈剤流体、蒸気、および気化希釈剤流体のうちの少なくとも1つを含み、前記加熱された冷却剤流体が熱水、加熱された気化可能希釈剤、低圧の蒸気、低圧の気化希釈剤流体、高圧の蒸気、および高圧の気化希釈剤流体のうちの少なくとも1つを含み、前記方法が更に、前記熱伝達システムの中の、前記冷却剤流体の流量および前記加熱された冷却剤流体の流量から選択される少なくとも1つの流体流量を動的に制御する工程を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項155】
前記希釈剤が水物質を含み、前記方法が更に、高温液体の水、低圧の蒸気、および高圧の蒸気のうちの少なくとも2つの相対的流量を動的に制御する工程を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項156】
前記エネルギー流体を膨張させる工程を更に含み、機械的出力および電気出力のうちの少なくとも一方を前記膨張器から少なくとも1つの出力の用途へと供給することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項157】
電力用途のために規定されるように供給される前記出力の少なくとも一部を動的に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項158】
気化可能希釈剤および熱水を含む少なくとも1つの加熱された気化可能冷却剤流体によって熱利用用途へと供給される熱流量Qの液体熱対出力の比を、少なくとも1つの前記出力の用途へと供給される正味の出力に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項159】
気化希釈剤および蒸気を含む少なくとも1つの加熱された冷却剤流体によって少なくとも1つの熱利用用途へと供給される熱流量Qの気体熱対出力の比を、前記出力の用途へと供給される正味の出力に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項160】
少なくとも1つの熱利用用途へと供給される液体熱流量と気体熱流量の合計の合計熱対出力の比を、前記少なくとも1つの出力の用途へと供給される正味の出力、前記少なくとも1つの出力の用途へと供給される正味の出力に対する加熱流体を通じて供給される熱の比の80%以上に制御する工程を更に含む、請求項156に記載の制御方法。
【請求項161】
冷えた希釈剤を前記圧縮機の上流の前記相互反応剤流体の中に噴霧する工程を更に含むことを特徴とする請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記反応器システム、膨張器、および前記熱伝達システムを制御する工程を更に含み、低位発熱量コージェネレーション効率が、70%および気化希釈剤を通じて供給される熱対前記出力の用途へと供給される正味の出力の比の12%の和よりも大きいことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項163】
熱伝達を制御する方法であって、
a) 反応剤を含む反応剤流体および相互反応剤を含む相互反応剤流体を、反応器を有する反応器システムへと供給する工程と、
b) 周囲環境条件よりも上の温度と圧力を有し、かつ反応生成物を含むエネルギー流体を前記反応器内で形成するために前記反応剤と相互反応剤を混合して反応させる工程と、
c) 少なくとも1つの冷却剤流体を熱伝達システムへと供給し、前記冷却剤流体との熱交換によって前記エネルギー流体および加熱された成分のうちの少なくとも一方を冷却する工程と、
d) 前記加熱された成分を前記エネルギー流体、加熱された冷却剤流体、機械的出力、および電気出力のうちの少なくとも1つによって加熱する工程と、
e) 前記少なくとも1つの加熱された冷却剤流体の第1の部分を前記熱伝達システムから少なくとも1つの熱利用用途へと供給する工程と、
f) 前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流体の一部分と、
希釈剤を含む他の希釈剤流体の一部分と、
希釈剤を含む加熱された冷却剤流体および他の希釈剤流体の組合せのうちの少なくとも1つを前記反応器へと供給し、
希釈剤を含む前記流体を前記反応器の出口の上流で反応剤流体、相互反応剤流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つと混合する工程と、
g) 前記熱伝達システムの中の冷却剤流体の流量を制御し、
前記熱伝達システムの上流で前記反応器システムへの、
加熱された冷却剤希釈剤流体の流量と、
追加的な希釈剤流体の流量と、
加熱された冷却剤希釈剤流体と追加的な希釈剤流体の組合せの流量のうちの少なくとも1つを制御し、かつ前記熱伝達システムの中の冷却剤流体の流量を制御する工程とを含み、
h) 前記熱利用用途へと供給される加熱された冷却剤流体の温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御し、
i) 前記加熱された成分の温度を規定の温度未満に制御する制御方法。
【請求項164】
前記加熱された流体が熱水、蒸気、高温液体の希釈剤、および気化希釈剤のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項165】
前記反応剤が、水素および炭素のうちの少なくとも一方を含む燃料であることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項166】
前記相互反応剤が、酸素、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素うちの少なくとも1つを含む燃料であることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項167】
前記反応器が、更に多くの水および希釈剤のうちの少なくとも一方を供給するように構成され、その後、前記相互反応剤含有流体を飽和させるために十分な量が前記反応器に入ることを特徴とする請求項163に記載の温度制御方法。
【請求項168】
前記加熱される部品が、前記エネルギー流体および前記膨張流体のうちの一方から熱を受け取り、前記加熱される部品がライナーおよび平衡化ゾーンを含めた前記反応器の部品、タービンの羽根、ブレード、シュラウド、および壁を含めた前記膨張器の部品、および熱交換器のうちの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項169】
前記加熱される部品が、機械的出力および電力によって加熱される熱と電力のシステムの部品を有し、それが発電機、モータ、軸受け、機械的駆動部、電磁変換器、および電磁制御器のセットから選択されることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項170】
少なくとも1つの加熱された部品を冷却するために加熱された希釈剤を供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項169に記載の制御方法。
【請求項171】
加熱された希釈剤を熱利用用途へと供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項169に記載の制御方法。
【請求項172】
加熱された希釈剤を前記反応器へと供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項169に記載の制御方法。
【請求項173】
前記反応器の出口から入る前記エネルギー流体の少なくとも一部を下流の膨張器を通して膨張させる工程を更に含み、出力を抽出し、膨張流体を形成し、前記膨張流体を前記熱伝達システムへと供給することを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項174】
前記反応が、流体の水、二酸化炭素、および窒素のうちの少なくとも1つを含む希釈剤の存在下での燃料反応剤、酸化剤相互反応剤の間の燃焼を含むことを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項175】
希釈剤回収システムを使用して水、二酸化炭素、および反応生成物を含む希釈剤を回収する工程を更に含み、前記希釈剤回収システムが、前記熱伝達システムの前記出口の上流で前記相互反応剤含有流体またはエネルギー流体へと供給される量に少なくともほとんど等しい量で前記膨張流体から希釈剤を回収し、燃焼中に形成される希釈剤であって水、二酸化炭素、および反応生成物のうちの1つを含む希釈剤、および前記相互反応剤含有流体と共に前記相互反応剤供給システムへと供給される希釈剤のうちの一方または両方の一部を回収するように構成されることを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項176】
流体処理システムを使用して前記希釈剤流体を処理する工程を更に含み、前記流体処理システムが、前記膨張流体から回収される希釈剤の少なくとも一部を除去するように構成され、前記膨張流体中の少なくとも1つの混入物質の一部を除去し、前記膨張システムに入る前記エネルギー流体中の前記混入物質の濃度を下げることを特徴とする請求項175に記載の方法。
【請求項177】
希釈剤回収部の下流で前記相互反応剤の制御と排出ガスの圧縮を結びつけて更に制御することを特徴とする請求項175に記載の方法。
【請求項178】
前記反応器内の希釈剤、反応剤、および相互反応剤の供給を制御する工程を更に含み、前記エネルギー変換システムから排出される前記膨張流体中の窒素酸化物のうちの1つ、反応剤および相互反応剤の一方もしくは両方との希釈剤の反応の副生成物、および未燃焼炭化水素、一酸化炭素、微粒子、および反応剤と相互反応剤の中間生成物を含む副生成物の放出を制御することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項179】
前記膨張器によって抽出される出力を変えながらその一方で、前記反応器の出口付近の前記エネルギー流体のピーク温度を制御するために流体供給を更に制御することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項180】
高レベルの出力を供給するときに、前記反応器および膨張器から選択される少なくとも1つの部品の寿命の低下に相対して前記反応器の出口のピーク温度の上昇を更に制御することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項181】
前記反応器の出口付近で流れになった流体フローに対して横断する少なくとも1つの方向で前記エネルギー流体の温度分布を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項182】
横断方向の温度分布が、前記出口付近で同じピーク流体温度および壁温度を伴うほぼ逆放物線状の温度分布のそれよりも高い平均流体温度を与えるように構成されることを特徴とする請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記膨張器の入口温度の限度に相対して前記エネルギー流体の横断方向温度分布を制御する工程を更に含み、逆放物線状の温度プロファイルを有するBraytonサイクルに比べてサイクルの効率で少なくとも1%の向上を獲得することを特徴とする請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記膨張器の入口温度の限度に相対した横断方向温度分布の空間的不確実性および一時的不確実性の一方または両方を減少させる工程を更に含み、Braytonサイクルに相対してサイクルの効率に少なくとも更なる0.5%の向上を獲得することを特徴とする請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記相互反応剤の流量および相互反応剤供給効率のうちの少なくとも一方を制御するために前記相互反応剤の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応剤を含む反応剤流体、相互反応剤を含む相互反応剤流体、および希釈剤を含む希釈剤流体を供給するように構成された反応剤、相互反応剤、および希釈剤の供給システムと、
反応器出口を有し、かつ前記反応剤、相互反応剤、および希釈剤の供給システムから流体を受け取り、混合し、かつ反応させるように構成され、それにより、雰囲気条件よりも上の温度と圧力を有してかつ反応生成物を含むエネルギー流体を形成する反応器と、
上流の前記反応器から前記エネルギー流体の少なくとも一部を受け取り、少なくとも1つの冷却剤流体のフローを受け取り、かつ前記エネルギー流体から前記冷却剤流体へと前記熱の少なくともいくらかを伝達し、それにより、加熱された冷却剤流体および冷却されたエネルギー流体を形成するように構成された下流の熱交換装置を有する熱伝達システムとを有するエネルギー変換システムであって、
前記熱伝達システムが更に、
前記加熱された冷却剤流体の少なくともいくらかを熱利用用途および前記希釈剤供給システムのうちの少なくとも一方へと供給するように構成された供給システムを有し、
前記エネルギー変換システムが、
前記熱伝達システムの中で前記冷却剤流体および加熱された冷却剤流体の流量のうちの少なくとも一方を制御し、
前記熱伝達システムから前記少なくとも1つの熱利用用途への少なくとも1つの加熱された冷却剤流体のフローの供給を制御し、
前記反応器の上流で、
前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流量の部分と、
希釈剤を含む他の希釈剤流体の部分と、
希釈剤と他の希釈剤流体を含む加熱された冷却剤流体の組合せとのうちの少なくとも1つの反応システムへの供給を制御する制御システムとを有し、
前記制御システムが更に、前記熱利用用途に供給される加熱された冷却剤フローの温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御するように構成され、
前記制御システムが更に、加熱される部品のピーク温度が規定の温度未満になるように制御するように構成され、前記加熱される部品が前記エネルギー流体、加熱された冷却剤、機械的出力、および電力のうちの少なくとも1つによって加熱されるエネルギー変換システム。
【請求項2】
エネルギー流体用の入口と出口とを備え、前記エネルギー流体の中の空間温度分布を制御するように構成された燃焼器を有し、前記燃焼システムを出る前記エネルギー流体の横断方向温度分布が、前記燃焼器の排出口付近の燃焼器断面内の少なくとも1つの横断方向で制御されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項3】
前記燃焼器の出口付近の燃焼器断面内の第1の横断方向に沿って実質的に不均一な指定温度分布を達成するように、希釈剤および燃料含有流体供給の空間的分布が制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項4】
前記の燃焼器を出る温度の横断方向分布が、規定の横断方向温度分布の±10K°以内に制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項5】
望ましい出口温度に対する実際の燃焼器排出口温度の比の横断方向分布が、望ましい横断方向の比の分布範囲内に制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項6】
温度の比が、0.93から1.07の範囲内に維持されることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項7】
温度の比が、0.97から1.03の範囲内に維持されることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項8】
前記燃焼器出口の中心付近の温度比に対する前記燃焼器周縁部付近の温度比の比が、1.00から1.06の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換システム。
【請求項9】
前記の燃焼器を出る前記エネルギー流体中の希釈剤濃度が、それらの流体が完全に混合されたときのそれらに関する仮説的燃焼可能限界よりも大きくなるように希釈剤流体の供給が制御されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項10】
前記相互反応剤供給システムが更に、前記相互反応剤流体を加圧するように構成された流体加圧装置を有し、環境気圧に対する前記燃焼器に入る圧力の圧力比が約15よりも大きく、かつ前記希釈剤供給システムが更に、圧縮される前記相互反応剤流体を冷却するために水および希釈剤流体の一方を前記相互反応剤供給システムへと供給するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー変換システム。
【請求項11】
前記熱伝達流体と流体的に連通しており、反応剤流体から混入物質の一部を除去し、それを前記エネルギー変換システム内での使用のために供給するように構成された反応剤処理システムを更に有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項12】
前記希釈剤供給システムと流体的に連通しており、希釈剤供給部のサイズの規定の部分よりも大きい混入物質を前記希釈剤流体の少なくとも一部からフィルタで取り去るように構成された希釈剤処理システムを更に有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項13】
前記希釈剤含有流体から可溶性混入物質の少なくとも一部を除去するように更に構成されることを特徴とする請求項12に記載の希釈剤処理システム。
【請求項14】
前記希釈剤の一部が反応の上流で反応剤含有流体と混合されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項15】
前記希釈剤の一部が反応の上流で相互反応剤含有流体と混合されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項16】
流れに関して上流の前記反応器および前記熱伝達システムと流体的に連通しており、前記反応器の出口から出る前記エネルギー流体の少なくとも一部を膨張させ、出力を抽出し、膨張流体を形成し、かつ前記膨張流体を前記熱伝達システムへと供給するように構成された膨張器を有する膨張システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項17】
前記冷却されたエネルギー流体が、反応剤流体、相互反応剤流体、および希釈剤流体のうちの2つ以上の成分の間の反応によって形成される少なくとも1つの微量汚染物質種を更に含み、前記エネルギー変換システムが、前記エネルギー変換システムを出る冷却されたエネルギー流体中の前記少なくとも1つの汚染物質の濃度を、供給される軸出力1MWh当たり0.1kg未満に制御するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項18】
前記膨張器を出る前記エネルギー流体の希釈剤濃度が飽和濃度未満であり、それにより、前記膨張器の中で希釈剤が凝縮しないように流体供給および膨張比を制御するように更に構成されることを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項19】
加熱される部品が前記膨張器によって駆動される発電機を含み、熱の伝達システムが更に、前記発電機から熱を回収し、かつ熱伝達流体を加熱し、かつ前記発電機の温度を規定のレベルよりも下に保つように構成された熱交換器を有することを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項20】
前記発電機を冷却し、かつ熱を前記希釈剤含有流体で交換し、かつ加熱された希釈剤に前記膨張器の流れに関する排出口の上流の流体を供給して混合するために、低粘度の流体を使用するように更に構成されることを特徴とする請求項19に記載のエネルギー変換システム。
【請求項21】
加熱される部品が、前記膨張器を機械的用途へと接続する膨張器駆動部を更に含み、前記熱伝達システムが、前記膨張器駆動部から熱伝達流体へと熱を回収するように構成された熱交換器を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項22】
前記膨張器駆動部の潤滑剤の温度を規定の温度よりも下に維持するように更に構成されることを特徴とする請求項21に記載のエネルギー変換システム。
【請求項23】
熱発生部品が、前記膨張器に接続された発電機、モータ、電磁変換器、膨張器駆動部、および電磁制御器のうちの一以上を更に含み、
熱伝達システムが、希釈剤含有流体の流量を制御するように構成された部品熱交換器を更に有し、前記熱発生部品の温度を制御し、かつ加熱された熱伝達流体へと熱を回収することを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項24】
電子変換器の温度が100℃よりも下に維持されるように、熱伝達流体の流量を制御するように更に構成されることを特徴とする請求項23に記載のエネルギー変換システム。
【請求項25】
設計条件で、第1の膨張器によって抽出可能な出力の10%以上で前記エネルギー流体から出力を取り出すように構成された少なくとも第2の膨張器を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項26】
前記反応剤流体が燃料供給システムによって供給される燃料含有流体、および酸化剤供給システムによって供給される酸化剤含有流体を含む相互反応剤流体、および流体の水と二酸化炭素のうちの少なくとも一方を含む希釈剤含有流体を含み、前記反応器が燃焼器を含み、前記エネルギー変換システムが更に希釈剤処理システムを含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項27】
前記燃料含有流体から、燃料供給オリフィスのサイズの規定の部分よりも大きい前記混入物質をフィルタで取り去るように更に構成されることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項28】
前記膨張器の下流の前記エネルギー流体から由来する熱が、前記燃焼システムへと供給される燃料含有流体で熱交換されることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項29】
前記燃焼システムへの供給に先立って、前記燃料含有流体の温度が約100℃よりも下に維持されることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項30】
前記熱伝達システムが、前記膨張流体から熱を回収するため、および気化希釈剤を加熱してスーパーヒート状態の希釈剤を形成するために前記膨張器の下流でかつ前記第1の熱交換器の上流に第3の熱交換器を有することを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項31】
前記第1の熱交換器から前記第3の熱交換器および前記燃焼システムのうちの少なくとも1つへと供給される希釈剤の少なくとも1つの流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項32】
前記冷却剤流体が液体の熱的希釈剤を含み、前記熱的希釈剤の少なくとも一部が前記第1の熱交換器内で蒸発させられることを特徴とする請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項33】
前記第3の熱交換器によって加熱された希釈剤が酸化剤圧縮機の下流かつ前記膨張器の上流の前記燃焼システムの中の流体と混合されることを特徴とする請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項34】
前記第3の熱交換器によって加熱された希釈剤が燃焼の開始部の上流の流体と混合される、請求項30に記載のエネルギー変換システム。
【請求項35】
前記熱伝達システムが、前記膨張器を出る前記膨張流体から熱を回収し、かつ前記燃焼システムの上流の酸化剤含有流体を加熱するように構成された復熱型熱交換器を更に有することを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換システム。
【請求項36】
前記熱伝達システムが、希釈剤の熱交換器に対する前記復熱型熱交換器の熱回収表面積の比が20%から300%になるように構成されることを特徴とする請求項35に記載のエネルギー変換システム。
【請求項37】
前記熱伝達システムが、前記膨張器の下流の熱交換器を通って方向付けられる前記膨張流体の部分が前記燃焼システムの上流の酸化剤含有流体を加熱する前記復熱型熱交換器を通って方向付けられる前記膨張流体の部分の33%と300%との間になるように構成されることを特徴とする請求項35に記載のエネルギー変換システム。
【請求項38】
前記流体処理システムが更に、前記膨張システムに入る前記エネルギー流体の少なくとも1つの成分の濃度を下げるために前記希釈剤流体、前記燃料含有流体、および前記酸化剤含有流体のうちの一以上を処理するように構成されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項39】
前記膨張システムの上流の前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つへと供給される量に少なくともほとんど等しい量で前記膨張流体から希釈剤を回収し、かつ前記酸化剤流体と共に前記酸化剤供給システムの中に供給される水、二酸化炭素、いずれかの希釈剤燃焼生成物、およびいずれかの希釈剤のうちの少なくとも1つの一部分を回収するように構成された希釈剤回収システムを更に含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換システム。
【請求項40】
前記冷却された膨張流体を環境気圧よりも上に圧縮してそれを排出するために、前記希釈剤回収システムの下流に構成された再圧縮機を更に有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項41】
前記燃焼チャンバの上流の酸化剤含有流体を圧縮する一以上の流体加圧装置の圧力比、および前記希釈剤回収システムの下流の前記冷却された前記膨張流体を圧縮する前記再圧縮機の圧力比の積である総計の組み合わされた膨張比が、約37よりも大きいことを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項42】
前記再圧縮機が、冷却された前記膨張流体の圧力に対する環境気圧の再圧縮比を変えるように更に構成されることを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項43】
前記希釈剤回収システムの下流の冷却された前記膨張流体を圧縮する流体加圧装置の圧縮比が、1.1と8の間で構成されることを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項44】
前記エネルギー変換システムを出る流体中の希釈剤流体の濃度が飽和濃度のうちの望ましい部分よりも小さく、それにより、柱状噴流が形成される確率を制御するように、前記エネルギー流体中の凝縮不能ガスに対する凝縮可能な希釈剤の比、周囲温度に対する冷却された前記膨張流体の温度の比、および再圧縮比を制御するように更に構成されることを特徴とする請求項40に記載のエネルギー変換システム。
【請求項45】
酸化剤含有流体の質量流量に対する凝縮可能希釈剤の質量流量の比が、合計の酸化剤含有流体流量に相対した前記エネルギー変換システムの正味の比出力が前記酸化剤含有流体を圧縮する前記流体加圧装置を出る流体の流量1kg当たり940kJよりも大きくなるように制御され、前記酸化剤含有流体が空気であり、正味の比出力が、前記希釈剤回収システムの下流で前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤流体と冷却された膨張流体を圧縮するために利用される電力の合計を差し引いた前記膨張器の総計の出力を有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項46】
酸化剤含有流体の質量流量に対する凝縮可能な希釈剤の質量流量の比が、前記膨張器の流量に相対した前記エネルギー変換システムの正味の比出力が空気で動作中の前記膨張器に入る流体流量1kg当たり700kJを超えるように制御され、正味の比出力が、前記希釈剤回収システムの下流で前記酸化剤含有流体、燃料含有流体、および希釈剤流体と冷却された膨張流体を圧縮するために利用される電力の合計を差し引いた前記膨張器の総計の出力を有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項47】
前記エネルギー変換システムから回収される希釈剤の部分を制御するように更に構成され、前記エネルギー変換システムの中の希釈剤の量を制御することを特徴とする請求項39に記載の希釈剤処理システム。
【請求項48】
前記膨張器の前記出口の上流に供給される希釈剤の部分に、前記エネルギー変換システムから除去されることを要求される部分を加えた以上の部分を回収するように更に構成されることを特徴とする請求項39に記載の希釈剤回収システム。
【請求項49】
前記膨張器の前記出口の上流に供給され得る部分に燃焼で形成され得る希釈剤の部分を加え、入来する酸化剤含有流体を通じて受け取り得る湿度の部分を加えた量に等しくなるように使用済みの流体から希釈剤の部分を回収するように更に構成されることを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項50】
前記希釈剤回収システムが直接接触型凝縮器を含むことを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項51】
前記希釈剤回収システムに入る前記冷却剤流体と、前記希釈剤回収システムを出る表面型熱交換器を使用して冷却されたエネルギー流体の温度との間の接近温度が20K(華氏36度)未満であることを特徴とする請求項50に記載のエネルギー変換システム。
【請求項52】
前記希釈剤回収システムに入る前記冷却剤流体と、前記希釈剤回収システムを出る直接接触型熱交換器を使用して冷却されたエネルギー流体の温度との間の接近温度が4K(華氏7.2度)未満である、請求項50に記載のエネルギー変換システム。
【請求項53】
前記希釈剤回収システムが前記冷却された膨張エネルギー流体から可溶性混入物質の一部を更に除去することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項54】
前記熱伝達システムが、膨張した流体を冷却し、かつ気化した希釈剤を凝縮させるための冷却システムを更に有することを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項55】
前記凝縮熱回収システムが、希釈剤を冷却剤流体として使用する直接接触型熱交換器を有することを特徴とする請求項54に記載のエネルギー変換システム。
【請求項56】
前記流体処理システムが、混入物質を含む流体であって水、二酸化炭素、および回収された希釈剤から選択される前記流体の少なくとも一部を除去するように構成され、前記膨張流体中の少なくとも1つの混入物質の一部を除去し、かつ前記膨張システムに入る前記エネルギー流体へと供給される前記混入物質の濃度を規定のレベルよりも下に下げることを特徴とする請求項39に記載のエネルギー変換システム。
【請求項57】
前記第1の熱交換器を出る前記エネルギー流体の少なくとも一部分の熱を、希釈剤を含む熱交換流体の少なくとも一部で交換して前記熱を回収するために前記第1の熱交換器の下流に第2の熱交換器を更に有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換システム。
【請求項58】
前記加熱された希釈剤流体の一部を、前記第2の熱交換器から圧縮される前記相互反応剤流体へと供給するように更に構成されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項59】
前記第2の熱交換器を出る流体の出口温度が150℃未満となるように、流体供給および膨張比が構成および制御されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項60】
前記熱伝達システムが、前記第1の熱交換器の面積に対する前記第2の熱交換器の面積の比が20%から150%の範囲になるように構成されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項61】
前記第2の下流の熱交換器を通って流れる膨張した流体からの熱が液体の希釈剤によって回収されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項62】
酸化剤流体圧力装置によって圧縮される酸化剤含有流体を冷却するために、前記第2の下流の熱交換器内で加熱された液体の希釈剤の一部が供給されることを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項63】
前記第2の熱交換器から前記第1の熱交換器へと供給され、前記酸化剤供給システムへと供給される熱的希釈剤の流量を制御するように構成された装置を更に有する、請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項64】
前記第2の熱交換器から前記酸化剤供給システムへの入口、および前記酸化剤供給システム内で圧縮された酸化剤含有流体の中を含めた複数の場所へと供給される希釈剤の多数の流量を制御するように構成された流量制御器を更に有することを特徴とする請求項57に記載のエネルギー変換システム。
【請求項65】
前記酸化剤流体加圧装置へと供給される加熱された液体の希釈剤の流量の部分が、前記酸化剤加圧装置を出る前記酸化剤含有流体を飽和させるために必要なそれ以下であり、前記流量制御器が前記多数の流量を前記加圧装置内で急騰を生じさせる量未満になるように制御するように構成されることを特徴とする請求項64に記載のエネルギー変換システム。
【請求項66】
反応剤を含む反応剤流体、相互反応剤を含む相互反応剤流体、および希釈剤を含む希釈剤流体を供給するように構成された供給システムを有するエネルギー変換システムと、
反応器出口を有し、前記反応剤、相互反応剤、および希釈剤の供給システムから出る流体を受け取り、混合し、かつ反応させ、それにより、周囲環境条件よりも上の温度と圧力を有し、かつ反応生成物を含むように構成された反応器と、
上流の前記反応器から前記エネルギー流体の少なくとも一部を受け取り、少なくとも1つの冷却剤流体のフローを受け取り、かつ前記エネルギー流体から前記冷却剤流体へと前記熱の少なくともいくらかを伝達し、それにより、加熱された冷却剤流体を形成するとともに冷却されたエネルギー流体を排出するように構成された下流の熱交換装置を有する熱伝達システムと、
前記加熱された冷却剤流体の少なくともいくらかを熱利用用途および前記希釈剤供給システムのうちの少なくとも一方へと供給するように構成された供給システムとを有するエネルギー伝達システムであって、
前記熱伝達システムが更に、
前記熱伝達システムの中で前記冷却剤流体および加熱された冷却剤流体の流量のうちの少なくとも一方を制御し、
前記エネルギー伝達システムが、
冷却剤流体、加熱された冷却剤流体、および冷却剤と加熱された冷却剤の流体の組合せを含む前記熱伝達システムの中で少なくとも1つの熱伝達流体の流量を制御し、
前記熱伝達システムから前記少なくとも1つの熱利用用途への少なくとも1つの加熱された冷却剤流体のフローの供給を制御し、
前記反応器の上流で、
前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流量の部分と、
希釈剤を含む他の希釈剤流体の部分と、
希釈剤と他の希釈剤流体を含む加熱された冷却剤流体の組合せとのうちの少なくとも1つの反応システムへの供給を制御する制御システムとを有し、
前記制御システムが更に、前記熱利用用途に供給される加熱された冷却剤フローの温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御するように構成され、
前記制御システムが更に、前記反応器の出口で流出するエネルギー流体の温度を規定の範囲内に制御するように構成されるエネルギー伝達システム。
【請求項67】
前記反応器が、反応および前記エネルギー流体のうちの1つからの、前記反応器の部品による熱獲得を減少させるように構成された断熱部を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項68】
前記反応器が、前記反応剤流体、相互反応剤流体、希釈剤流体、反応生成物の流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つからの輻射を遮断するように構成された少なくとも1つの輻射シールドを有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項69】
前記熱伝達システムが、前記反応器内の前記エネルギー流体の一部と前記熱伝達システム内の熱伝達流体の部分との間の表面型熱交換を可能にするための熱交換装置を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項70】
前記熱伝達システムが、前記反応器内の前記エネルギー流体の一部と前記熱伝達システムへと供給されるかまたはその中にある希釈剤を含む熱伝達流体との間の直接接触型熱交換を可能にするための熱交換装置を有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項71】
前記熱伝達システムが、前記相互反応剤流体で熱を交換し、それに続いて前記熱伝達流体を前記熱伝達システムへと戻すために熱伝達流体の一部を前記相互反応剤供給システム内の相互反応剤熱交換装置へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項72】
前記熱伝達システムが、希釈剤含有流体の一部を前記相互反応剤供給システムへと供給し、かつそれを前記相互反応剤供給システム内で流体混合装置によって相互反応剤流体の少なくとも一部と混合するように構成されることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項73】
前記相互反応剤システムが少なくとも1つの圧縮機を有し、前記流体の供給および混合用の装置が圧縮装置のうちのいずれか1つの上流および下流のうちの少なくとも一方に置かれることを特徴とする請求項72に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項74】
前記供給および混合用の装置が、前記希釈剤流体の一部を圧縮装置の少なくとも1つへと噴射するように構成される、請求項73に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項75】
前記相互反応剤供給システムが圧縮される前記相互反応剤流体を冷却するように構成され、圧縮装置のうちのいずれかの前段もしくは後段に置かれるか、またはその一部として構成される少なくとも1つの表面冷却装置を有することを特徴とする請求項72に記載の熱伝達システム。
【請求項76】
前記相互反応剤流体の少なくとも一部が更なる処理のために前記相互反応剤供給システムから前記熱伝達システムへと供給されることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項77】
発電機と、
タービン発電機駆動部と、
電子変換器とで構成される熱発生部品のグループのうちの少なくとも1つを更に有し、
前記熱伝達システムが熱伝達流体によって前記熱発生部品を冷却するように構成されることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項78】
前記熱発生部品が希釈剤流体によって冷却されることを特徴とする請求項77に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項79】
前記反応剤供給システムが更なる処理のために反応剤流体の一部を前記熱伝達システムへと供給することを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項80】
前記希釈剤供給システムが更なる処理のために希釈剤流体の一部を前記熱伝達システムへと供給することを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項81】
更に、前記相互反応剤流体の一部を前記反応器へと供給するように構成されることを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項82】
更に、前記反応剤流体の一部を前記反応器へと供給するように構成されることを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項83】
更に、前記希釈剤流体の一部を前記反応器へと供給するように構成されることを特徴とする請求項66に記載の熱伝達システム。
【請求項84】
前記エネルギー変換システムが、少なくとも1つのポンプを有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項85】
前記熱伝達システムが、少なくともいくらかの熱を前記エネルギー変換システム内の他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項86】
前記熱伝達システムが、希釈剤含有流体の一部を前記エネルギー変換システム内の他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項87】
前記熱伝達システムが、冷却されたエネルギーガスの一部を他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項88】
前記熱伝達システムが、熱伝達流体の一部を他の処理へと供給することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項89】
前記熱伝達流体が前記エネルギー変換システムの外部で他の処理に使用され、その後、少なくとも前記熱伝達流体の一部が前記熱伝達システムへと戻されることを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項90】
前記熱伝達流体が、蒸気および気化希釈剤含有流体のうちの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項91】
前記蒸発した希釈剤含有流体の少なくとも一部が、表面型熱交換装置の使用による前記排出ガスまたは前記エネルギーガスによって更に加熱され、前記反応器および前記エネルギー変換システムの外部の熱利用用途のうちの一方に使用されることを特徴とする請求項90に記載の熱伝達システム。
【請求項92】
前記熱伝達流体が、高温液体の水および高温液体の希釈剤含有流体のうちの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項93】
前記熱伝達流体が、冷却用途、空調用途、および冷却用途のうちの少なくとも1つのためにエネルギーを供給することに使用されることを特徴とする請求項88に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項94】
前記希釈剤流体および前記熱伝達流体のうちの一方の一部がエネルギー流体によって加熱され、それにより、加熱された希釈剤流体または加熱された熱伝達流体をそれぞれ形成することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項95】
前記加熱された希釈剤流体の少なくとも一部が、前記希釈剤供給システムによって前記反応器に供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項96】
前記加熱された希釈剤流体または前記熱伝達流体の少なくとも一部が、前記相互反応剤流体を冷却するために前記希釈剤供給システムによって前記相互反応剤供給システムへと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項97】
前記加熱された希釈剤流体または前記加熱された加熱された熱伝達流体の少なくとも一部が前記反応剤流体を加熱するために使用され、前記反応剤流体が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項98】
前記加熱された希釈剤流体の少なくとも一部が1つの混合装置を使用して前記反応剤流体と混合され、前記反応剤流体が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項99】
前記希釈剤流体の少なくとも一部が蒸発させられ、いくつかの混合装置を使用して前記反応剤と混合され、前記反応剤流体が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項94に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項100】
前記反応剤流体の少なくとも一部が気化させられ、前記反応剤流体の少なくとも一部が前記反応器へと供給されることを特徴とする請求項99に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項101】
前記蒸発した希釈剤流体の少なくとも一部の1つが、前記反応器へと直接噴射されることを特徴とする請求項90に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項102】
前記希釈剤流体および水のうちの一方の少なくとも一部が、表面型凝縮装置および直接流体接触装置のうちの少なくとも一方によって冷却された前記エネルギー流体の一部から凝縮させられることを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項103】
前記エネルギー流体の一部が、前記熱伝達流体の一部によって冷却されることを特徴とする請求項102に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項104】
前記加熱された熱伝達流体の少なくとも一部が、熱交換装置によってそこから除去される熱を有し、凝縮させられ、ポンプまたは他の再循環用装置の使用によって更なる熱伝達のために回収されることを特徴とする請求項103に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項105】
回収される凝縮希釈剤含有流体または水の一部が、熱利用用途のために使用されることを特徴とする請求項104に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項106】
回収される凝縮希釈剤流体または水の一部が、前記エネルギー変換システムから放出されることを特徴とする請求項104に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項107】
前記熱伝達システムの上流で前記エネルギー変換システムが更に、エネルギー流体を受け取って膨張させ、それによって膨張流体を形成するように構成された膨張器を含む膨張システムを有することを特徴とする請求項66に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項108】
前記膨張システムが、前記膨張流体および前記エネルギー流体のうちの少なくとも一方を再圧縮するように構成された少なくとも1つの再圧縮装置を有することを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項109】
熱交換装置が前記膨張装置、または前記再圧縮装置のいずれかの下流に置かれる、請求項108に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項110】
更に、表面型熱交換装置による前記膨張システムの部材の冷却、それに続く前記熱伝達システムへの前記希釈剤流体の少なくとも一部の返還のために前記希釈剤流体の一部を前記膨張システムへと供給するように構成されることを特徴とする請求項107に記載の熱伝達システム。
【請求項111】
前記熱伝達システムが、前記膨張システム内の流体混合装置によるエネルギー流体、反応剤流体、および相互反応剤のうちの一つの一部との混合のために前記希釈剤流体の一部を前記膨張システムへと供給することを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項112】
前記膨張システムの中で加熱される熱伝達流体の一部および相互反応剤流体の一部のうちの少なくとも一方が、更なる使用のために前記熱伝達システムへと供給されることを特徴とする請求項107に記載の熱伝達システム。
【請求項113】
前記熱伝達システムが熱伝達流体の一部および相互反応剤流体の一部のうちの少なくとも一方を、前記膨張システムへと供給することを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項114】
前記熱伝達システムが、表面型熱交換装置の使用によるエネルギー流体または膨張流体によって前記相互反応剤流体の少なくとも一部を加熱するように構成されることを特徴とする請求項107に記載のエネルギー伝達システム。
【請求項115】
熱伝達を制御する方法であって、
a) 反応剤を含む反応剤流体および相互反応剤を含む相互反応剤流体を、反応器を有する反応器システムへと供給する工程と、
b) 周囲環境条件よりも上の温度と圧力を有し、かつ反応生成物を含むエネルギー流体を前記反応器内で形成するために前記反応剤と相互反応剤を混合して反応させる工程と、
c) 前記エネルギー流体の少なくとも一部分を前記反応器から下流の熱交換器を有する熱伝達システムへと供給する工程と、
d) 少なくとも1つの冷却剤流体の一部を前記熱伝達システムへと供給する工程と、
e) 前記エネルギー流体の前記部分から前記少なくとも1つの冷却剤流体へと熱を伝達させ、それにより、少なくとも1つの加熱された冷却剤流体、および冷却されたエネルギー流体を形成する工程と、
f) 前記熱伝達システムから少なくとも1つの熱利用用途へと前記少なくとも1つの加熱された冷却剤流体の第1の部分を供給する工程と、
g) 前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流体の一部分と、
希釈剤を含む追加的な希釈剤流体の一部分と、
希釈剤を含む加熱された冷却剤流体および追加的な希釈剤流体の組合せのうちの少なくとも1つを前記反応器へと供給し、
希釈剤を含む前記流体を前記反応器の出口の上流で反応剤流体、相互反応剤流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つと混合する工程と、
h) 前記熱伝達システムの中の冷却剤流体の流量を制御し、
前記反応器の出口の上流で前記反応器システムへの、
加熱された冷却剤希釈剤流体の流量と、
追加的な希釈剤流体の流量と、
加熱された冷却剤希釈剤流体と追加的な希釈剤流体の組合せの流量のうちの少なくとも1つを制御する工程とを含み、
i) 加熱された流体の用途へと供給される加熱された冷却剤流体の温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御し、
j) 前記反応器の出口で流出する前記エネルギー流体の温度を規定の範囲内に制御する制御方法。
【請求項116】
前記膨張システムの上流で希釈剤の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項117】
前記酸化剤供給システムへの希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項118】
前記燃焼システムへの希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項119】
前記膨張流体の熱交換器へと供給される前記冷却剤流体を制御する工程を更に含み、前記膨張エネルギー流体から前記冷却剤流体へと熱を回収することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項120】
前記冷却剤流体が希釈剤含有流体を含み、前記制御方法が、前記膨張流体の熱交換器へと供給される前記希釈剤含有流体を制御し、それにより、前記膨張エネルギー流体から前記希釈剤へと熱を回収する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項121】
冷却された前記膨張エネルギー流体の温度を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項120に記載の制御方法。
【請求項122】
前記エネルギー変換システムが希釈剤回収システムを更に有し、請求項115の制御方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項123】
前記エネルギー流体によって加熱された前記エネルギー変換システムの部品への、希釈剤含有流体および酸化剤含有流体のうちの1つを含む冷却剤流体の供給を制御する工程を更に含み、その部品の温度が規定の温度を超えないように制御することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項124】
前記膨張エネルギー流体中の前記希釈剤の部分を回収するために更に熱を交換し、それにより、冷却された膨張流体と加熱された冷却剤流体を形成し、前記冷却剤流体が希釈剤の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項125】
冷却されたエネルギー流体を希釈剤の回収の後に再圧縮するための再圧縮装置を前記膨張システムの中に更に含み、それにより、排出流体を形成し、前記排出流体を雰囲気条件へと排出し、前記制御方法が、前記再圧縮装置に入る前記冷却された膨張エネルギー流体の圧力を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項126】
前記再圧縮装置の上流の前記冷却された膨張エネルギー流体の前記圧力を環境気圧の約80%以下に更に制御することを特徴とする請求項125に記載の制御方法。
【請求項127】
前記熱伝達システムが前記再圧縮機の下流で排出部熱交換器を更に有し、前記制御方法が、前記排出部熱交換器を通って流れる希釈剤含有流体の部分を制御し、それにより、加熱された希釈剤含有流体を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項125に記載の制御方法。
【請求項128】
前記エネルギー変換システムを出る前記排出流体の相対湿度を制御し、それにより、柱状噴流形成の確率に影響を与える工程を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の制御方法。
【請求項129】
前記希釈剤含有流体が前記反応によって形成される化学成分を含み、前記方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分を前記膨張システムの上流に供給される希釈剤の量以上になるように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項130】
前記希釈剤が水を含み、前記方法が、前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が前記酸化剤供給システムによって受け取られる酸化剤含有流体中の相対湿度の部分を更に含むように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項129に記載の制御方法。
【請求項131】
前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が前記酸化剤供給システムによって受け取られる酸化剤含有流体中の相対湿度のすべてを含み、燃焼処理によって形成される希釈剤の部分を更に含むように制御する工程を更に含む、請求項129に記載の制御方法。
【請求項132】
前記膨張エネルギー流体から回収される希釈剤の部分が、燃焼処理によって形成される実質的にすべての水を含むように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項131に記載の制御方法。
【請求項133】
前記エネルギー変換システムが、熱交換器を含む熱発生装置を更に有し、前記装置が発電機、モータ、機械的駆動部、ポンプ、軸受け、電磁エネルギー変換器、および電磁制御器から選択され、
前記制御器が前記熱交換器を通る冷却剤流体の流量を制御するように構成され、前記制御方法が冷却剤流体の流量を制御する工程を更に含み、前記熱発生装置の温度が発生装置の温度限界未満に維持されることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項134】
前記熱発生装置の温度を約343℃(650°F)未満に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項133に記載の制御方法。
【請求項135】
前記熱発生装置の温度を約100℃(212°F)未満に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項133に記載の制御方法。
【請求項136】
前記エネルギー変換システムが更に、エネルギー流体に接触するように構成された高温部を含み、かつ高温区画の熱交換器を含み、
前記高温部が燃焼チャンバ、燃料含有流体供給部品、燃焼担当部、平衡化チャンバ、タービンブレード、タービン羽根、およびタービンシュラウドのうちの1つから選択され、
前記制御器が前記熱交換器を通る冷却剤流体の流量を制御するように構成され、
前記制御方法が、冷却剤流体の流量を制御する工程を更に含み、前記高温部の温度が規定の高温部温度限界よりも下に維持されることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項137】
前記熱伝達システムが希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記制御方法が更に、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給される加熱された希釈剤含有流体の部分を制御する工程を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項138】
酸化剤含有流体と混合される希釈剤含有流体の部分が、希釈された酸化剤含有流体が前記燃焼器に入る前に、前記酸化剤含有流体を飽和させるレベルの110%未満となるように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項139】
前記熱および質量の伝達システムが気化した希釈剤含有流体を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記方法が、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給される気化した希釈剤含有流体の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項140】
前記熱伝達システムがスーパーヒート状態の気化希釈剤を前記燃焼器へと供給するように構成され、前記方法が、前記膨張システムの上流で前記酸化剤含有流体および前記エネルギー流体のうちの一方または両方に供給されるスーパーヒート状態の気化希釈剤の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項141】
前記酸化剤含有流体への希釈剤含有流体の供給を制御する工程を更に含み、前記酸化剤供給システムによって供給される前記酸化剤含有流体の希釈によって飽和度を制御することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項142】
前記希釈剤含有流体、および前記酸化剤含有流体と共に供給される希釈剤流体によって供給される合計の希釈剤の部分を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項143】
前記酸化剤含有流体が空気であり、前記希釈剤含有流体が水を含み、前記制御方法が、前記膨張システムの上流に供給される空気に対する水の比を質量で25%よりも上に成るように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項144】
希釈剤含有流体供給の分布を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中で火炎前方に入る前記酸化剤含有流体中の希釈剤の量が、前記酸化剤含有流体を希釈剤で飽和させるために必要な量を超えることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項145】
希釈剤供給の分布を制御する工程を更に含み、均一に混合されれば前記エネルギー流体を形成する酸化剤含有流体、流体含有流体、および希釈剤含有流体の量が、それらの流体が前記燃焼システムへと供給されるそれぞれの条件を前提とすると燃焼不能の混合物を形成することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項146】
酸化剤含有流体の供給と燃料含有流体の供給のうちの一方または両方を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中の反応の程度が、前記排出流体中の未酸化燃料成分のうちの少なくとも1つを所望の濃度未満に制御するために十分であることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項147】
希釈剤供給の分布を制御する工程を更に含み、前記燃焼器の中の反応の程度が、前記排出流体中の副生成物を所望の濃度未満に制御するために十分であることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項148】
供給される圧力での流体の沸点よりも上の温度に熱交換器をスーパーヒートさせる工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項149】
前記熱伝達システム内に加熱された気化可能希釈剤流体および加熱された気化希釈剤流体を供給する工程、および前記反応器の出口の上流に前記流体の各々を供給し、反応剤流体、相互反応剤流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つと前記流体の各々を混合する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項150】
加熱された流体の用途が、反応剤流体および相互反応剤のうちの少なくとも一方を冷却することでそれを前記反応器へと供給する圧縮の仕事量を削減することであることを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項151】
複数の加熱された冷却剤流体を複数の加熱された流体の用途へと供給する工程を更に含み、各々の冷却剤が、加熱された気化可能冷却剤、高温液体の水、加熱された気化冷却剤、および蒸気のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項152】
前記熱伝達システム内で加熱される複数の流体の流量を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項153】
表面型凝縮器、予熱器、エコノマイザ、蒸発器、およびスーパーヒータのうちの1つを含む前記熱伝達システムの少なくとも1つの部品へと流れる熱的希釈剤の部分および前記部品を迂回する熱的希釈剤流体の部分のうちの少なくとも一方を制御する工程を更に含み、熱利用用途および冷却用途のうちの少なくとも1つのために流体の流量および流体の温度を規定の範囲内に調節することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項154】
前記冷却剤流体が液体の水、気化可能希釈剤流体、蒸気、および気化希釈剤流体のうちの少なくとも1つを含み、前記加熱された冷却剤流体が熱水、加熱された気化可能希釈剤、低圧の蒸気、低圧の気化希釈剤流体、高圧の蒸気、および高圧の気化希釈剤流体のうちの少なくとも1つを含み、前記方法が更に、前記熱伝達システムの中の、前記冷却剤流体の流量および前記加熱された冷却剤流体の流量から選択される少なくとも1つの流体流量を動的に制御する工程を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項155】
前記希釈剤が水物質を含み、前記方法が更に、高温液体の水、低圧の蒸気、および高圧の蒸気のうちの少なくとも2つの相対的流量を動的に制御する工程を含むことを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項156】
前記エネルギー流体を膨張させる工程を更に含み、機械的出力および電気出力のうちの少なくとも一方を前記膨張器から少なくとも1つの出力の用途へと供給することを特徴とする請求項115に記載の制御方法。
【請求項157】
電力用途のために規定されるように供給される前記出力の少なくとも一部を動的に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項158】
気化可能希釈剤および熱水を含む少なくとも1つの加熱された気化可能冷却剤流体によって熱利用用途へと供給される熱流量Qの液体熱対出力の比を、少なくとも1つの前記出力の用途へと供給される正味の出力に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項159】
気化希釈剤および蒸気を含む少なくとも1つの加熱された冷却剤流体によって少なくとも1つの熱利用用途へと供給される熱流量Qの気体熱対出力の比を、前記出力の用途へと供給される正味の出力に制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項160】
少なくとも1つの熱利用用途へと供給される液体熱流量と気体熱流量の合計の合計熱対出力の比を、前記少なくとも1つの出力の用途へと供給される正味の出力、前記少なくとも1つの出力の用途へと供給される正味の出力に対する加熱流体を通じて供給される熱の比の80%以上に制御する工程を更に含む、請求項156に記載の制御方法。
【請求項161】
冷えた希釈剤を前記圧縮機の上流の前記相互反応剤流体の中に噴霧する工程を更に含むことを特徴とする請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記反応器システム、膨張器、および前記熱伝達システムを制御する工程を更に含み、低位発熱量コージェネレーション効率が、70%および気化希釈剤を通じて供給される熱対前記出力の用途へと供給される正味の出力の比の12%の和よりも大きいことを特徴とする請求項156に記載の制御方法。
【請求項163】
熱伝達を制御する方法であって、
a) 反応剤を含む反応剤流体および相互反応剤を含む相互反応剤流体を、反応器を有する反応器システムへと供給する工程と、
b) 周囲環境条件よりも上の温度と圧力を有し、かつ反応生成物を含むエネルギー流体を前記反応器内で形成するために前記反応剤と相互反応剤を混合して反応させる工程と、
c) 少なくとも1つの冷却剤流体を熱伝達システムへと供給し、前記冷却剤流体との熱交換によって前記エネルギー流体および加熱された成分のうちの少なくとも一方を冷却する工程と、
d) 前記加熱された成分を前記エネルギー流体、加熱された冷却剤流体、機械的出力、および電気出力のうちの少なくとも1つによって加熱する工程と、
e) 前記少なくとも1つの加熱された冷却剤流体の第1の部分を前記熱伝達システムから少なくとも1つの熱利用用途へと供給する工程と、
f) 前記熱伝達システムから由来する希釈剤を含む前記加熱された冷却剤流体の一部分と、
希釈剤を含む他の希釈剤流体の一部分と、
希釈剤を含む加熱された冷却剤流体および他の希釈剤流体の組合せのうちの少なくとも1つを前記反応器へと供給し、
希釈剤を含む前記流体を前記反応器の出口の上流で反応剤流体、相互反応剤流体、およびエネルギー流体のうちの少なくとも1つと混合する工程と、
g) 前記熱伝達システムの中の冷却剤流体の流量を制御し、
前記熱伝達システムの上流で前記反応器システムへの、
加熱された冷却剤希釈剤流体の流量と、
追加的な希釈剤流体の流量と、
加熱された冷却剤希釈剤流体と追加的な希釈剤流体の組合せの流量のうちの少なくとも1つを制御し、かつ前記熱伝達システムの中の冷却剤流体の流量を制御する工程とを含み、
h) 前記熱利用用途へと供給される加熱された冷却剤流体の温度、圧力、および流量のうちの少なくとも1つを規定の範囲内に制御し、
i) 前記加熱された成分の温度を規定の温度未満に制御する制御方法。
【請求項164】
前記加熱された冷却剤流体が熱水、蒸気、高温液体の希釈剤、および気化希釈剤のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項165】
前記反応剤が、水素および炭素のうちの少なくとも一方を含む燃料であることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項166】
前記相互反応剤が、酸素、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素うちの少なくとも1つを含む燃料であることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項167】
更に、前記反応器に入る前記相互反応剤含有流体を飽和させるために十分な量よりも多くの水および希釈剤のうちの少なくとも一方を供給していることを特徴とする請求項163に記載の温度制御方法。
【請求項168】
前記加熱される部品が、前記エネルギー流体および前記膨張流体のうちの少なくとも一方から熱を受け取り、前記加熱される部品がライナーおよび平衡化ゾーンを含めた前記反応器の部品、タービンの羽根、ブレード、シュラウド、および壁を含めた前記膨張器の部品、および熱交換器のうちの1つを含むことを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項169】
前記加熱される部品が、機械的出力および電力によって加熱される熱と電力のシステムの部品を有し、それが発電機、モータ、軸受け、機械的駆動部、電磁変換器、および電磁制御器のセットから選択されることを特徴とする請求項163に記載の制御方法。
【請求項170】
少なくとも1つの加熱された部品を冷却するために加熱された希釈剤を供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項169に記載の制御方法。
【請求項171】
加熱された希釈剤を熱利用用途へと供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項169に記載の制御方法。
【請求項172】
加熱された希釈剤を前記反応器へと供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項169に記載の制御方法。
【請求項173】
前記反応器の出口から入る前記エネルギー流体の少なくとも一部を下流の膨張器を通して膨張させる工程を有する膨張システムを更に含み、出力を抽出し、膨張流体を形成し、前記膨張流体を前記熱伝達システムへと供給することを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項174】
前記反応が、流体の水、二酸化炭素、および窒素のうちの少なくとも1つを含む希釈剤の存在下での燃料反応剤、酸化剤相互反応剤の間の燃焼を含むことを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項175】
希釈剤回収システムを使用して水、二酸化炭素、および反応生成物を含む希釈剤を回収する工程を更に含み、前記希釈剤回収システムが、前記熱伝達システムの前記出口の上流で前記相互反応剤含有流体またはエネルギー流体へと供給される量に少なくともほとんど等しい量で前記膨張流体から希釈剤を回収し、燃焼中に形成される希釈剤であって水、二酸化炭素、および反応生成物のうちの1つを含む希釈剤、および前記相互反応剤含有流体と共に前記相互反応剤供給システムへと供給される希釈剤のうちの一方または両方の一部を回収するように構成されることを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項176】
流体処理システムを使用して前記希釈剤流体を処理する工程を更に含み、前記流体処理システムが、前記膨張流体から回収される希釈剤の少なくとも一部を除去するように構成され、前記膨張流体中の少なくとも1つの混入物質の一部を除去し、前記膨張システムに入る前記エネルギー流体中の前記混入物質の濃度を下げることを特徴とする請求項175に記載の方法。
【請求項177】
希釈剤回収部の下流で前記相互反応剤の制御と排出ガスの圧縮を結びつけて更に制御することを特徴とする請求項175に記載の方法。
【請求項178】
前記反応器内の希釈剤、反応剤、および相互反応剤の供給を制御する工程を更に含み、前記エネルギー変換システムから排出される前記膨張流体中の窒素酸化物のうちの1つ、反応剤および相互反応剤の一方もしくは両方との希釈剤の反応の副生成物、および未燃焼炭化水素、一酸化炭素、微粒子、および反応剤と相互反応剤の中間生成物を含む副生成物の放出を制御することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項179】
前記膨張器によって抽出される出力を変えながらその一方で、前記反応器の出口付近の前記エネルギー流体のピーク温度を制御するために流体供給を更に制御することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項180】
高レベルの出力を供給するときに、前記反応器および膨張器から選択される少なくとも1つの部品の寿命の低下に相対して前記反応器の出口のピーク温度の上昇を更に制御することを特徴とする請求項173に記載の方法。
【請求項181】
前記反応器の出口付近で流れになった流体フローに対して横断する少なくとも1つの方向で前記エネルギー流体の温度分布を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。
【請求項182】
横断方向の温度分布が、前記出口付近で同じピーク流体温度および壁温度を伴うほぼ逆放物線状の温度分布のそれよりも高い平均流体温度を与えるように構成されることを特徴とする請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記膨張器の入口温度の限度に相対して前記エネルギー流体の横断方向温度分布を制御する工程を更に含み、逆放物線状の温度プロファイルを有するBraytonサイクルに比べてサイクルの効率で少なくとも1%の向上を獲得することを特徴とする請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記膨張器の入口温度の限度に相対した横断方向温度分布の空間的不確実性および一時的不確実性の一方または両方を減少させる工程を更に含み、Braytonサイクルに相対してサイクルの効率に少なくとも更なる0.5%の向上を獲得することを特徴とする請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記相互反応剤の流量および相互反応剤供給効率のうちの少なくとも一方を制御するために前記相互反応剤の供給を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項163に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate


【公表番号】特表2006−515912(P2006−515912A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501071(P2006−501071)
【出願日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/001545
【国際公開番号】WO2004/065763
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(505275491)ヴァスト・パワー・システムズ・インコーポレーテッド (2)