説明

熱接着性複合繊維およびその製造方法

【課題】ポリオレフィン系ポリマーを熱接着性成分とする熱接着性複合繊維において、裁断性が良好な低タフネスを付与しつつ、良好な紡糸調子で、かつ安価に得る方法を提供する。
【解決手段】主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル(A)99.9〜97.0重量%と、ガラス転移温度が90〜270℃である非晶性ポリマー又はガラス転移温度が90℃以上かつ融点が275℃以下である結晶性ポリマー(B)0.1〜3.0重量%のポリマーブレンドを繊維形成性成分とし、該繊維形成性成分より20℃以上低い融点または軟化温度をもつ熱接着性成分からなる熱接着性複合繊維において、引張強度が0.5〜3.0cN/dtex、引張伸度が5.0〜45.0%である熱接着性複合繊維。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タフネスの低い熱接着性複合繊維に関し、更に詳しくは、極度に低い分子量のポリエステルを使用せずとも裁断性に優れたポリオレフィン系の熱接着性複合繊維に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱接着性複合繊維は、不織布分野、フィルター分野、食品包装用、衛生材料等の不織布や硬綿やクッション用途等の繊維構造体に広く用いられている。
このような熱接着性複合繊維を用いた熱接着不織布や熱接着繊維構造体は、所望の形状、大きさのパーツに裁断する必要があり、この裁断性が高速生産性や製品品位の面で重要視される。
【0003】
従来、熱接着性複合繊維としては、繊維形成性成分(芯成分)にポリプロピレン、熱接着性成分(鞘成分)にポリエチレンを用いたポリオレフィン系複合繊維が提案されている(例えば特許文献1参照。)。この複合繊維は優れた熱接着性を有する反面、ポリオレフィン固有の剛性の低さにより、熱接着後の裁断性が悪いものであった。
【0004】
また、繊維形成性成分(芯成分)にポリエステル、熱接着性成分(鞘成分)にポリエチレンもしくはポリプロピレンを用いた複合繊維が提案されているが(例えば特許文献2参照。)、前述のポリオレフィン系複合繊維と同様、ポリオレフィンの剛性の低さと、ポリオレフィンとポリエステルの界面が剥離することにより、熱接着後の裁断性が更に悪く、切れ残りが発生するものであった。
【0005】
このような裁断性を向上される目的で、極限粘度が0.30〜0.55dL/gである低重合度のポリエステルを繊維形成性成分とし、更に界面剥離を抑制するために繊維形成性成分に酸変性ポリオレフィンあるいは熱接着性成分に共重合ポリエステルを含有されることにより、低タフネスとした熱接着性複合繊維が開示されている(例えば特許文献3参照。)。但し、繊維形成性成分の溶融粘度が著しく低下するために、紡糸工程における曳糸性の低下や繊維形成性成分の分配斑等による不均一な吐出状態で、紡糸断糸が多発するなど欠点がある。曳糸性を維持するためにノズルから出たポリマーをなるべく早いタイミングで冷却固化させることが必要となるが、冷却位置が口金直下に近い位置となるために、口金面が冷えやすく、吐出孔の詰りによる紡糸断糸が起こり易くなる。
【0006】
【特許文献1】特開昭53−86836号公報
【特許文献2】特開昭57−176217号公報
【特許文献3】特公平7−26252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ポリオレフィン系ポリマーを熱接着性成分とする熱接着性複合繊維において、裁断性が良好な低タフネスを付与しつつ、良好な紡糸調子で、かつ安価に得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル(A)99.9〜97.0重量%と、ガラス転移温度が90〜270℃である非晶性ポリマー又はガラス転移温度が90℃以上かつ融点が275℃以下である結晶性ポリマー(B)0.1〜3.0重量%のポリマーブレンドを繊維形成性成分とし、該ポリエステル(A)成分より20℃以上低い融点または軟化温度をもつ熱接着性成分からなる熱接着性複合繊維において、引張強度が0.5〜3.0cN/dtex、引張伸度が5.0〜45.0%であることを特徴とする熱接着性複合繊維により、裁断性に優れた低タフネスの熱接着性複合繊維を工程調子良く得られることを発見し、本発明に到達した。更に
(1)ポリエステル(A)と非晶性ポリマー又は結晶性ポリマー(B)を99.9:0.1〜97.0:3.0の重量比率で溶融混練し、ポリマーブレンドを製造する工程
(2)該ポリマーブレンドを繊維形成性成分とし、該ポリマーブレンドより20℃以上低い融点または軟化温度を有するポリマーを熱接着性成分として、繊維形成性成分を芯、熱接着性成分を鞘とする同芯芯鞘型若しくは繊維形成性成分を芯、熱接着性成分を鞘とする偏芯芯鞘型、又はサイドバイサイド型に複合繊維紡糸用ノズルを用いて吐出し、吐出したポリマーを接合する工程
(3)該複合繊維紡糸用ノズルより吐出した該ポリマーを、該複合繊維紡糸用ノズルから40mm以上下流から気体の流れにより空冷し、冷却固化する工程
(4)吐出した該ポリマーを紡糸速度1500m/min以下で引き取り、更に延伸及び熱処理する工程
を含む熱接着性複合繊維の製造方法によっても上記の課題を解決する事ができることを見出した。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、従来知られている低極限粘度のポリエステルを使用しないため、溶融粘度の低下に伴うポリマー分配斑や急冷紡糸による口金面冷却の影響を受けにくく、紡糸調子が極めて良好な低タフネスのポリオレフィン系熱接着性複合繊維を得ることができる。更には、繊維のタフネス、すなわち強伸度特性を、高ガラス転移温度の樹脂の添加量を変えることによって、所望の値に設定することが可能である。
【0010】
本発明の繊維は、特に汎用の極限粘度を有するポリエチレンテレフタレートを主たる成分として使用することができ、熱接着性複合繊維を含有する熱接着不織布や賦型成型繊維構造体における裁断性が向上するために、製品の高速生産性や低価格化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の熱接着性複合繊維を構成するポリマーは、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル(A)99.9〜97.0重量%と、ガラス転移温度が90〜270℃である非晶性ポリマー又はガラス転移温度が90℃以上かつ融点が275℃以下である結晶性ポリマー(B)0.1〜3.0重量%のポリマーブレンドを繊維形成性成分とし、該ポリエステル(A)成分より20℃以上低い融点または軟化温度をもつ熱接着性成分とする。ここで「主たる」とは該エチレンテレフタレート繰り返し単位がポリエステル中の全繰り返し単位を基準として70モル%以上を占めていることをいう。
【0012】
ポリエステル(A)を構成する代表的なポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)の他、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が例示されるが、本発明のポリエステル(A)として用いられるポリエステルとしては、強伸度特性、剛性面で主たる繰返し単位がアルキレンテレフタレートであるポリエステルが好適であり、中でもポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。このポリエチレンテレフタレートには、本発明の強伸度特性を阻害しない範囲で、目的に応じて、テレフタル酸以外のジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸などの金属スルホネート基を含む芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸)やエチレングリコール以外のジオール成分(例えば、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオール等)を共重合した、共重合ポリエステルとしてもよい。さらに、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を少量共重合してもよい。
【0013】
ポリエステル(A)としては、極限粘度0.55〜0.70dL/gのものを用いることが好ましい。極限粘度が0.55dL/g未満の場合は、従来の抗ピル繊維と同様に、ポリマーの溶融粘度が著しく小さいために口金面の直下で冷却をする必要があり、その結果、ノズル詰りによる断糸が多発し易い。更には、本発明のポリマー(B)を添加した場合は、タフネスが下がりすぎることによる布帛そのものの強度が著しく低下し、取り扱い性、洗濯耐久性などに問題を生じる。一方、極限粘度が0.70dL/gを超える場合は、タフネスが抗ピル性に適した範囲を超えてしまうため、本発明の目的である抗ピル性能を得ることができない。より好ましい範囲としては、0.57〜0.68dL/gの範囲である。
【0014】
ポリマー(B)は、ガラス転移温度(Tg)が90〜270℃である非晶性ポリマー又はガラス転移温度が90℃以上かつ融点(Tm)が275℃以下である結晶性ポリマーより選択される。好ましくは線状の熱可塑性ポリマーの中から採用することができ、上記のTg及びTmの要件を充足するポリマーであれば、付加重合系ポリマーであっても重縮合系ポリマーであっても構わない。非晶性ポリマーについて好ましくはTgが100〜250℃であるポリマーであり、結晶性ポリマーについて好ましくはガラス転移温度が100℃以上かつ融点が180〜270℃であるポリマーである。代表的なポリマー例としては、ポリスチレン(Tg=約100℃)、ポリメタクリル酸メチル(Tg=約115℃)、ビスフェノールAポリカーボネート(Tg=約150℃、Tm=約267℃)である。中でも、シンジオタクティックポリスチレンは、Tg=100℃、Tm=270℃と高い融点をもち、タフネス低下効果が大きい。ここで「ビスフェノールAポリカーボネート」とはビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)と炭酸結合形成化合物(例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジアルキルカーボネート)を反応させて得られるポリカーボネートをさす。
【0015】
ポリマー(B)の添加量は、0.1〜3.0重量%に限定される。0.1重量%未満では、本発明の目的とすべきタフネス低下効果が見られない。一方、3.0重量%を超えると、未延伸糸のタフネスが下がりすぎ、更に添加量を上げるとブレンド状態が不均一になり、曳糸性が極度に悪くなり、紡糸不可となる。好ましい範囲は0.3〜2.5重量%、更に好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲である。本発明の繊維の特徴は、ポリマー(B)の添加量を変えることにより、タフネスの程度を調整することが可能な点にあり、ポリエステル(A)の組成や極限粘度によっては、後述のような目標強伸度物性に調整するために、ポリマー(B)の種類や添加量を調整することができる。
【0016】
更にタフネス低下効果を発揮させるために、ポリマー(B)のメルトフローレイト(MFR)は0.1〜1.5g/10minの範囲に限定することが好ましい。MFRが1.5g/10minを超えると、タフネスが大きくなり過ぎる傾向であり、好ましくない。MFRが0.1g/10min未満であると、ノズルから吐出されるポリマーの溶融粘度が上がり過ぎ、メルトフラクチャーを起こし、曳糸性に劣る。好ましい範囲は0.2〜1.3g/10minである。
【0017】
ポリエステル(A)とポリマー(B)のポリマーブレンドを作成する方法としては、両ポリマーのペレットをナウターミキサー、ダブルコーン式ブレンダー等の回分式混合装置で予め所定の混率、即ち本発明のポリエステルを製造する場合であれば、99.9:0.1〜97.0:3.0の重量比率にブレンドしておき、溶融押出機(エクストルーダー)で溶融混練する方法、各ペレットを所定の混率となるように別々の計量機で連続的にエクストルーダーに供給し溶融混練する方法、あるいは別々に溶融したポリエステル(A)とポリマー(B)を多段のスタティックミキサーを通して上記の重量比の混率で混練する方法等を用いて溶融混練することができる。エクストルーダーとしては、1軸エクストルーダーより2軸エクストルーダーの方が混練性に優れているが、(A)と(B)を別々の計量機から供給する場合は、特に2軸エクストルーダーを用いる方が好ましい。なお、ポリエステルのペレットは加水分解による分子量低下を抑制するために真空乾燥や加熱窒素あるいは減湿空気などで乾燥する必要があるが、エクストルーダーに脱気装置(ベント装置)が設置されている場合では無乾燥でペレットを供給してもよい。また、ペレットの乾燥は、混合ペレットを乾燥する方法でも、別々に乾燥したペレットを乾燥後に混合する方法でもよい。
【0018】
熱接着性成分を構成するポリマーは、繊維形成性成分より20℃以上低い融点または軟化温度をもつものであれば特に限定はされないが、熱接着性成分がギロチンカッター等のカッターで切断されにくく、伸びてしまうような低剛性かつ高タフネスのポリマーである場合に特に効果を発する。特に、熱接着性成分が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及び共重合ポリオレフィンよりなる群から少なくとも1種選ばれるポリオレフィン類を主たる成分とする場合であって、該共重合ポリオレフィンがエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、又はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸若しくはハイミック酸若しくはこれらのエステル若しくはこれらの酸無水物からなるアルケンを少なくとも1種以上共重合されたポリオレフィンである場合に特に効果を発揮しやすい。
【0019】
従って熱接着性成分を構成するポリマーのうちホモポリマーとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。一方不飽和化合物による共重合ポリマーを構成する代表的なモノマーとしてはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸ブチル、イソクロトン酸、イソクロトン酸メチル、イソクロトン酸エチル、イソクロトン酸ブチル、メサコン酸、メサコン酸メチル、メサコン酸エチル、メサコン酸ブチル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ハイミック酸又は無水ハイミック酸を挙げる事ができ、これらのエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1又はカルボン酸基、エステル基若しくは無水カルボン酸基等の極性基を有する不飽和化合物等の少なくとも1種のコモノマーとの共重合体からなる変性ポリオレフィン類等も本発明の熱接着性成分を構成するポリマーとして好ましく含まれる。
る。
【0020】
なお更に、本発明における熱接着性成分は、融点あるいは軟化温度が繊維形成性成分より20℃以上低い熱可塑性樹脂の2種以上がポリマーブレンドされた形態でもよく、著しく接着性や低熱収縮性を阻害しない範囲で繊維形成性成分との融点差が20℃未満の熱可塑性樹脂が含有されていてもよい。
【0021】
本発明の熱接着性複合繊維の形態としては同芯芯鞘型複合繊維、偏芯芯鞘型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維を挙げる事ができる。芯鞘型複合繊維の場合には上述のポリエステル(A)とポリマー(B)のポリマーブレンドを繊維形成性成分として芯成分に、上記の熱接着性成分として好ましいポリマーを熱接着性成分として鞘成分に構成することが好ましい。
【0022】
繊維形成性成分と熱接着性成分の複合比は特に限定されないが、目的とする不織布または繊維構造体の強度、嵩、熱収縮率の要求に応じて選択される。繊維形成性成分/熱接着性成分の比が重量比で10/90〜90/10程度であることが好ましい。
【0023】
上述のポリエステル(A)とポリマー(B)からなるポリマーブレンドを両ポリマーが融解した状態、好ましくは280℃以上の溶融ポリマーブレンドと、別の溶融押出機にて溶融された熱接着性成分ポリマーを、公知の複合繊維形成用ノズルを用いて同芯芯鞘状態、偏芯芯鞘状態あるいはサイドバイサイドの断面を形成するようにポリマー流を形成し吐出前に合流させる。続いてノズルから40mm以上の下流の地点から気体の流れにより空冷し、好ましくはノズルから40〜100mmの下流の地点から冷却固化させながら、1500m/min以下の紡糸速度で引き取り、まず未延伸糸を得る。更に未延伸糸を、従来知られている延伸処理を行い、その後熱処理する工程を通して、本発明の熱接着性複合繊維を得ることができる。気体の流れは空気、窒素、その他の通常の気体の中から任意に選ぶ事ができるが、空気を用いる事が最も簡便で好ましい。またその気体の温度は吐出ポリマーより50℃以上低温であれば特に限定はなく、20℃以上であり吐出ポリマー温度より50℃以下がより好ましい。また流量は0.5Nm/min以上が冷却効率の面で特に好ましい。
【0024】
ノズルから40mm未満の下流の地点から気体の流れにより空冷した場合には冷却位置が口金直下に近い位置になるために口金面が冷却されやすく、その結果吐出孔の詰まりにより断糸が起こりやすくなり好ましくない。また引き取り速度が1500m/minを超える場合には、繊維のタフネスや裁断性に優れる繊維が得られないことがあり、好ましくない。
【0025】
延伸条件としては、冷延伸でも、温水中やオイル浴、蒸気、ヒーター等で加熱して延伸してもよいが、熱収縮率を下げるために、1.05倍以下での緊張熱処理あるいはローラー間のオーバーフィードや完全なテンションフリー状態で弛緩熱処理することが必要である。延伸後、用途に応じて必要な油剤を付与した後、クリンパーで機械捲縮を付与して、乾燥したのち、所望の繊維長にカットする。また、用途に応じて捲縮を付与する必要がない場合は、クリンパーを使用しなくてもよい。
【0026】
これらの製造条件を採用する事によって引張強度が0.5〜3.0cN/dtex、引張伸度が5.0〜45.0%の熱接着性複合繊維を得ることができ、本発明の課題を解決することができる。
【0027】
本発明の如きポリエステル(A)とポリマー(B)のポリマーブレンドによりタフネスが低下するメカニズムは明確ではないが、以下のような推定をしている。ポリマー(B)はポリエステル(A)より高いTgを持つため、ノズルより吐出された後、ポリエステル(A)よりも先に固化して、ポリエステル(A)の配向を抑制する。そこで、1500m/min以下の比較的遅い紡糸速度であれば、ポリエステル(A)の配向は比較的ルーズに留められ、結果として、低極限粘度のポリエステルを吐出後早いタイミングで急冷し、固化点を上流側に持ってきた構造と類似することになる。低極限粘度のポリエステルと異なり、口金直下で冷却する必要がなくなるため、ポリマーの孔詰りによる断糸が生じる可能性も少なくなり、紡糸調子としては良好となる。更に、ポリマー(B)が、シンジオタクティックポリスチレンのような結晶化速度の速い高融点の結晶成分や、低MFRの高Tgポリマーとなれば、ポリエステル(A)の固化点を早める効果に相まって、繊維中で島状態に分散しているポリマー(B)が力学的欠陥となって、引張力が生じたときに島成分に応力集中し、低タフネス性を助長していると考えられる。
【0028】
以上のような本発明の熱接着性複合繊維又はその製造方法技術を用いることで、引張強度が0.5〜3.0cN/dtex、引張伸度が5.0〜45.0%の熱接着性複合繊維、更に好ましくは低タフネス(シルクファクター)として20以下の、抗ピル性や裁断性に優れた熱接着性複合繊維を得ることができる。
【0029】
これらの繊維には、目的に応じて少量の添加剤、例えば艶消剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、相溶化剤、蛍光増白剤、抗菌剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
【0030】
また、繊維の断面形状には特に制限は無く、中実であっても中空部を有するものでもよく、また、目的に応じて、丸断面以外に、三角断面、四角断面、偏平断面、十字断面等の多葉断面、H字型、W字型といった異型断面を有してもよい。
単糸繊度についても特に制限はなく、比較的抗ピル性や裁断性が不良である太繊度の用途として好適である。好ましい範囲としては、0.1〜200dtexである。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるものでは無い。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)極限粘度(IV)
ポリエステルポリマーを一定量計量し、o−クロロフェノールに0.012g/mLの濃度に溶解してから、常法に従って35℃にて求めた。
(2)メルトフローレイト(MFR)
ポリメタクリル酸メチル樹脂はJIS−K7210条件15(230℃、37.26N)、ポリエチレン樹脂はJIS−K7210条件4(190℃、21.18N)、ポリプロピレン樹脂はJIS−K7210条件14(230℃、21.18N)、それ以外の樹脂はJIS−K7210条件21(300℃、11.77N)に準じて測定した。なお、メルトフローレイトは溶融紡糸前のペレットを試料とし測定した値である。
(3)融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(4)繊度
JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(5)引張強度(Te)・引張伸度(El)
JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。
(6)シルクファクター(Sf)
測定した引張強度(Te)、引張伸度(El)より、下記の式で算出する。
なお、シルクファクターとタフネスは同意である。
Sf=Te(cN/dtex)×√{El(%)}
(7)捲縮数(CN)、捲縮率(CD)
JIS L 1015:2005 8.12.1〜8.12.3法に記載の方法により測定した。
(8)乾熱収縮率
JIS L 1015:2005 8.15 b)において、120℃にて測定した。(9)接着強度
繊維長51mmにカットした熱接着性複合短繊維100%からなる目付30g/mのカードウェブを150℃の熱風で2分間熱接着させ、厚みが5mmの熱接着不織布を得た。これより、マシン方向に幅5cm、長さ20cmの試験片を切り取り、つかみ間隔10cm、伸長速度20cm/minで測定した。接着強度は、引張破断力を試験片重量で除した値とした。
(10)裁断性
(9)の要領で作成した熱接着不織布をロータリーダイカッターで裁断性を評価した(ゲージの間隔は1.5μm)。切断状態を下記の基準で評価した。
(レベル1)完全に切断
(レベル2)切断不良箇所があるものの一応生産は可能
(レベル3)切断不良
【0032】
[実施例1]
ポリマー(A)として、IV=0.64dL/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)98重量部、ポリマー(B)として、MFR=3g/10min、Tg=100℃、Tm=270℃のシンジオタクティックポリスチレン(出光石油化学株式会社製 XAREC F2907(商品名);以下SPSと略す)2重量部となるように両種のペレットを混合した後、80℃で1時間、170℃で4時間減湿空気下の乾燥を行って、1軸エクストルーダーで溶融混練して280℃のポリマーブレンド流とし、複合繊維の繊維形成性成分とした。一方、MFR=20g/10min、Tm=131℃(Tgは零下)の高密度ポリエチレンを熱接着性成分として(溶融温度250℃)、各々のポリマー流を孔径0.5mm、孔数750の丸孔ノズルをもつ同芯芯鞘型複合紡糸口金より吐出量620g/minで吐出させ、紡糸速度1000m/minにて未延伸糸を得た(以下の実施例、比較例において特に断らない限り、芯鞘型とは「同芯芯鞘型」を指すものとする。)。繊維形成性成分と熱接着性成分の比は重量比で50:50とした。この際、口金の43mm下流で7.0Nm/minの冷却風(25℃、60%RH)を当て、ポリマーブレンド流及び熱接着性成分のポリマー流を冷却固化させ、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を約50万デシテックスのトウに集束し、70℃の温水中で2.5倍に延伸した後、90℃の温水中で1.2倍に2段延伸を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリエチレングリコールラウレート=90/10からなる界面活性剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて15個/25mmの機械捲縮を付与し、110℃で熱風乾燥した後、繊維長51mmに切断した。このときの単糸繊度は3.24dtex、強度1.48cN/dtex、伸度27.6%、シルクファクター7.8、CN=14.4山/25mm、CD=14.6%、乾熱収縮率は6.2%であった。この熱接着性複合繊維の接着強度、裁断性を表1に示す。
【0033】
[実施例2]
SPS添加量を0.2重量部とした他は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0034】
[実施例3]
SPS添加量を1重量部とした他は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0035】
[比較例1]
SPS添加量を4重量部とした他は、実施例1と同様にしたが、紡速を600m/minまで低下させないと断糸する傾向にあった。紡速600m/minにて得た未延伸糸は引っ張ってもネック状に延伸されず、すぐに切断するような弱いものであった。
【0036】
[比較例2]
IV=0.64dL/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を80℃で1時間、170℃で4時間減湿空気下で乾燥した後、1軸エクストルーダーで溶融して290℃の溶融体とし、複合繊維の繊維形成性成分とした。一方、MFR=20g/10min、Tm=131℃(Tgは零下)の高密度ポリエチレンを熱接着性成分として(溶融温度250℃)、各々のポリマー流を孔径0.5mm、孔数750の丸孔ノズルをもつ芯鞘型複合紡糸口金より吐出量620g/minで吐出させ、紡糸速度1000m/minにて未延伸糸を得た。繊維形成性成分と熱接着性成分の比は重量比で50:50とした。この際、口金の43mm下流で7.0Nm/minの冷却風(25℃、60%RH)を当て、ポリエステルポリマー流及び熱接着性成分のポリマー流を冷却固化させ、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を約50万デシテックスのトウに集束し、70℃の温水中で2.5倍に延伸した後、90℃の温水中で1.2倍に2段延伸を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリエチレングリコールラウレート=90/10からなる界面活性剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて15個/25mmの機械捲縮を付与し、110℃で熱風乾燥した後、繊維長51mmに切断した。このときの単糸繊度は3.4dtex、強度2.54cN/dtex、伸度56.8%、シルクファクター19.1、CN=13.9山/25mm、CD=15.6%、乾熱収縮率は1.2%であった。この熱接着性複合繊維の接着強度、裁断性を表1に示す。
【0037】
[参考例1]
IV=0.43dL/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を80℃で1時間、170℃で4時間減湿空気下で乾燥した後、1軸エクストルーダーで溶融して272℃の溶融体とし、複合繊維の繊維形成性成分とした。一方、MFR=20g/10min、Tm=131℃(Tgは零下)の高密度ポリエチレンを熱接着性成分として(溶融温度250℃)、各々のポリマー流を孔径0.5mm、孔数750の丸孔ノズルをもつ芯鞘型複合紡糸口金より吐出量620g/minで吐出させ、紡糸速度1000m/minにて未延伸糸を得た。繊維形成性成分と熱接着性成分の比は重量比で50:50とした。この際、口金の20mm下流で7.0Nm/minの冷却風(25℃、60%RH)を当て、ポリエステルポリマー流及び熱接着性成分のポリマー流を冷却固化させ、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を約50万デシテックスのトウに集束し、70℃の温水中で2.5倍に延伸した後、90℃の温水中で1.2倍に2段延伸を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリエチレングリコールラウレート=90/10からなる界面活性剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて15個/25mmの機械捲縮を付与し、110℃で熱風乾燥した後、繊維長51mmに切断した。このときの単糸繊度は3.25dtex、強度1.94cN/dtex、伸度35.8%、シルクファクター11.6、CN=14.7山/25mm、CD=13.8%、乾熱収縮率は1.0%であった。この熱接着性複合繊維の接着強度、裁断性を表1に示す。
【0038】
[参考例2]
IV=0.37dL/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を80℃で1時間、170℃で4時間減湿空気下で乾燥した後、1軸エクストルーダーで溶融して270℃の溶融体とし、複合繊維の繊維形成性成分とした。一方、MFR=20g/10min、Tm=131℃(Tgは零下)の高密度ポリエチレンを熱接着性成分として(溶融温度250℃)、各々のポリマー流を孔径0.5mm、孔数750の丸孔ノズルをもつ芯鞘型複合紡糸口金より吐出量620g/minで吐出させ、紡糸速度1000m/minにて未延伸糸を得た。繊維形成性成分と熱接着性成分の比は重量比で50:50とした。この際、口金の17mm下流で7.0Nm/minの冷却風(25℃、60%RH)を当て、ポリエステルポリマー流及び熱接着性成分のポリマー流を冷却固化させ、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を約50万デシテックスのトウに集束し、70℃の温水中で2.5倍に延伸した後、90℃の温水中で1.2倍に2段延伸を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリエチレングリコールラウレート=90/10からなる界面活性剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて15個/25mmの機械捲縮を付与し、110℃で熱風乾燥した後、繊維長51mmに切断した。このときの単糸繊度は3.31dtex、強度1.51cN/dtex、伸度29.1%、シルクファクター8.1、CN=15.2山/25mm、CD=14.3%、乾熱収縮率は0.7%であった。この熱接着性複合繊維の接着強度、裁断性を表1に示す。
【0039】
[実施例4]
ポリマー(B)をTg=105℃、MFR=1.8のポリメタクリル酸メチル(奇美実實業股▲分▼有限公司製 Acryrex CM−205(商品名);以降PMMAと略す)とした他は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0040】
[実施例5]
ポリマー(B)をTg=140℃、MFR=2.5g/10minのポリビスフェノールAカーボネート(帝人化成株式会社製 パンライトK−1300Y(商品名);以降PBACと略す)とした他は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0041】
[実施例6]
熱接着性成分をMFR=26g/10min、Tm=161℃(Tgは零下)であるアイソタクティックポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製 ノバテックPP SA03A(商品名);以降PPと略す)とした他は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。但し、ウェブの熱接着温度は180℃に変更した。
【0042】
[実施例7]
繊維形成性成分を芯、熱接着性成分を鞘とした偏芯芯鞘型複合繊維とした他は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0043】
[実施例8]
繊維形成性成分と熱接着性成分をサイドバイサイド型に接合した複合繊維とした他は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0045】
以上本発明により、汎用の極限粘度のポリエチレンテレフタレートを活用して、裁断性の良好なオレフィン系熱接着性複合繊維を供給することが可能となる。それによって、生理用ナプキン表面材、ティーバッグ等の食品包装材、水切り袋等の生活用雑品などの部材としての不織布裁断や、自動車用や建材用などの吸音材、フィルター、クッション材等の賦型加工前後のウェブの裁断を要する用途に、高速裁断性による生産性向上と安価な原料使用を可能とすることにより、経済性にもメリットを呈することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル(A)99.9〜97.0重量%と、ガラス転移温度が90〜270℃である非晶性ポリマー又はガラス転移温度が90℃以上かつ融点が275℃以下である結晶性ポリマー(B)0.1〜3.0重量%のポリマーブレンドを繊維形成性成分とし、該ポリエステル(A)成分より20℃以上低い融点または軟化温度をもつ熱接着性成分からなる熱接着性複合繊維において、引張強度が0.5〜3.0cN/dtex、引張伸度が5.0〜45.0%であることを特徴とする熱接着性複合繊維。
【請求項2】
ポリエステル(A)がポリエチレンテレフタレートである、請求項1記載の熱接着性複合繊維。
【請求項3】
ポリエステル(A)の極限粘度が0.55〜0.70dL/gであることを特徴とする、請求項1又は2記載の熱接着性複合繊維。
【請求項4】
ポリマー(B)のメルトフローレイトが0.1〜5.0g/10minであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
【請求項5】
ポリマー(B)がポリスチレンである、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
【請求項6】
ポリマー(B)がシンジオタクティックポリスチレンである、請求項5記載の熱接着性複合繊維。
【請求項7】
ポリマー(B)がポリメタクリル酸メチルである、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
【請求項8】
ポリマー(B)がビスフェノールAポリカーボネートである、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
【請求項9】
繊維形成性成分と芯成分とし、熱接着性成分を鞘成分とする同芯芯鞘型複合繊維あるいは偏芯芯鞘型複合繊維である、請求項1〜8のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
【請求項10】
繊維形成性成分と熱接着性成分をサイドバイサイド型に接合した繊維横断面を有する請求項1〜8のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
【請求項11】
熱接着性成分が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン及び共重合ポリオレフィンよりなる群から少なくとも1種選ばれるポリオレフィンからなり、該共重合ポリオレフィンがエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン−1、又はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸若しくはハイミック酸若しくはこれらのエステル若しくはこれらの酸無水物からなるアルケンを少なくとも1種以上共重合された共重合ポリオレフィンである請求項1記載の熱接着性複合繊維。
【請求項12】
下記(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
(1)ポリエステル(A)と非晶性ポリマー又は結晶性ポリマー(B)を99.9:0.1〜97.0:3.0の重量比率で溶融混練し、ポリマーブレンドを製造する工程
(2)該ポリマーブレンドを繊維形成性成分とし、該ポリマーブレンドより20℃以上低い融点または軟化温度を有するポリマーを熱接着性成分として、繊維形成性成分を芯、熱接着性成分を鞘とする同芯芯鞘型若しくは繊維形成性成分を芯、熱接着性成分を鞘とする偏芯芯鞘型、又はサイドバイサイド型に合流させ複合繊維紡糸用ノズルを用いてポリマーを吐出し、ポリマーを接合する工程
(3)該複合繊維紡糸用ノズルより吐出した該ポリマーを、該複合繊維紡糸用ノズルから40mm以上下流から気体の流れにより空冷し、冷却固化する工程
(4)吐出した該ポリマーを紡糸速度1500m/min以下で引き取り、更に延伸及び熱処理する工程

【公開番号】特開2008−169509(P2008−169509A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−3428(P2007−3428)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】