説明

熱接着方法および熱接着装置

【課題】チャックテープとフィルムとを熱接着する方法の提供。
【解決手段】第一平面にチャックテープ(以下「テープ」という)の嵌合素子3aを案内するための、嵌合素子の幅より広い幅で、テープの高さより浅い深さの直線状に伸びる第一溝7を有し、第一溝近傍を冷却する冷却手段を備えたガイド体4と、ガイド体の第一平面に対向配置され、第一溝を覆う形状を持つ第三平面12を有し、第三平面が第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体10とを備えた熱接着装置を用いて、第一溝内に嵌合素子を通してテープの基材部2aが第一溝の開口方向になるようにテープを配置すると共にフィルム16を配置し、第一加熱体の第三平面を第一平面位置まで近接させてフィルムに接触加熱させてチャックテープとフィルムとを熱接着させる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャック付袋の製造方法及び製造装置に関し、詳しくは、袋本体を構成するフィルムにチャックテープを装着する方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チャック付袋を製造する場合、合成樹脂からなるテープ状基材フィルムの片面にお互いが嵌合する構造のオス型嵌合素子またはメス型嵌合素子を備えたチャックテープを、袋本体となる合成樹脂フィルム面に熱によって合成樹脂を溶融させ接着し、この袋本体用フィルムを製袋している。
【0003】
例えば、特許文献1には袋本体用フィルムにチャックテープを熱接着する方法が開示されている。この方法を図10、図11に基づいて説明する。この方法は、まず、予め嵌合した状態のチャックテープ1、2のテープ状基材部の一部であるフランジ部分4でシール受け5を挟んだ状態に位置させる。さらに、本体用フィルム3を、チャックテープ1、2を挟んだ状態に、重ね合わせて位置させる。この状態で加熱体6を、各本体用フィルム3の外側から、本体用フィルム3とチャックテープのフランジ部分4とを、加熱体6の平面部分とシール受け5とで加圧しながら挟めるように位置させる。このように、本体用フィルム3とチャックテープ1、2とが停止しているときに、加熱体6の平面部分がシール受け5に加圧されながら接することで本体用フィルム3とチャックテープ1、2が挟まれ熱接着される。また、加熱体6の平面部分とシール受け5が離脱しているときに本体用フィルム3とチャックテープ1、2は一定長さに順次送られる。
【0004】
特許文献2や特許文献3には、図12に示すように、回転ドラム32の周方向に沿って形成されたチャック導入溝33内に前記チャックテープ3、4のチャック部が通るように前記チャックテープ3、4と本体用フィルム5、6とを重ね合わせた状態で前記回転ドラム32の回転により連続走行させるとともに、前記回転ドラム34の周面上において、回転ドラム34の周面形状に対応する曲面形状の融着面を有するシールバー35により前記チャックテープ3、4を本体用フィルム5、6に連続的に融着し、その後、互いに嵌合する一対のチャック部を有するチャックテープ3、4が融着された本体用フィルムを使って製袋する咬合具付袋の製造方法が開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1〜3の方法ではチャックテープのフランジの先端部分まで本体用フィルムに熱接着させようとすると本体用フィルムが特許文献1記載のものにおいてはシール受けに、特許文献2又は3に記載されるものにおいては、ドラムにそれぞれ融着し、皺の原因となる。これを避ける為にフランジの先端部分を未接着状態にすると、意匠性におとり、また、袋に内容物を収納したときに、未接着部分に内容物が挟まるという不具合が起きる。
【0006】
また、チャックテープは図1、図2に示すように、材料の軽減や審美的理由からテープ状基材の幅を極力少なくしたものや、嵌合素子の幅とテープ状基材の幅がほぼ同一でフランジ部分がほとんどないものがある。この場合には、フランジが無いため、フィルムに皺を入れずに熱接着させる有効な手段が無い。
特に、特許文献4の図14(b)、図15(b)に図示される包装袋を形成する為のチャックテープ付フィルムを製造する場合、袋の外側からの開封強度と内側からの開封強度に差を持たせるためにテープ状基材の幅方向片側約半分のみを熱接着する必要があるが、この様な場合には特許文献1〜3記載の方法は適用できない。
【0007】
さらに、通常製袋工程は特許文献1に開示されている様に、フィルムを順次送る間欠動作であり、フィルムが停止しているときに加熱体でフィルム同士を熱接着している。一方、特許文献2や特許文献3の方法は、回転ドラムにより連続動作でフィルムとチャックテープを熱接着する方法であるので、間欠動作をする製袋工程に容易に連結することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平3−36825号公報
【特許文献2】国際公開第2006/075644号公報
【特許文献3】特開平9−39121号公報
【特許文献4】特開2006−213366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、チャックテープのフランジの先端部分まで本体用フィルムに熱接着した場合でも、フィルムに皺が発生せず、また、フランジの無いチャックテープであってもフィルムに皺を発生することなく熱接着が可能となる装置、及び、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、チャックテープの嵌合素子を導入案内するための溝であって、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝をその表面に形成すると共に、前記溝の近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、該ガイド体に対向して配置され、前記溝の所定部分を略覆う形状を持つ加熱面を有し、この加熱面がガイド体の溝を設けた表面に近接し離脱する機構を有する加熱体とを備えた熱接着装置を用いてチャックテープとフィルムとを熱接着させることにより、上記の目的を達成することができるとの知見を得て本件発明を完成したものである。
上記の目的を達成するための本発明の構成は以下に記載する通りのものである。
【0011】
(1)テープ状基材部の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる方法であって、
一つの面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、前記第一溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体とを備えた熱接着装置を用い、前記第一加熱体の第三平面が前記ガイド体の第一平面位置から離脱した状態の時に、チャックテープを移送して前記第一溝内に前記嵌合素子を通して前記テープ状基材部が前記第一溝の開口方向になるようにチャックテープを配置し、前記チャックテープを覆うように前記フィルムを配置した後、所定温度に保たれた前記第一加熱体の第三平面を前記第一平面位置まで近接させて前記フィルムに所定時間接触加熱させることによってチャックテープとフィルムとを熱接着させることを特徴とする熱接着方法。
(2)テープ状基材部の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる方法であって、
一方の側の面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、他方の側の前記第一平面に平行な面(第二平面)の前記第一溝に対応する位置にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸び、前記第一溝に対し平行な溝(第二溝)を有し、前記第一溝及び第二溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体と、前記ガイド体の第二平面に対向して配置され、前記第二溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第四平面)を有し、前記第四平面が前記第二平面位置まで近接し離脱する機構を有する第二加熱体とを備えた熱接着装置を用い、前記第一加熱体の第三平面がガイド体の第一平面の位置から離脱すると共に前記第二加熱体の第四平面がガイド体の第二平面の位置から離脱した状態の時に、チャックテープを移送して前記第一溝及び第二溝内に前記嵌合素子を通して前記テープ状基材部が前記第一溝及び第二溝の開口方向になるようにチャックテープを配置し、前記チャックテープを覆うように前記フィルムを配置した後、所定温度に保たれた前記第一加熱体の第三平面をガイド体の第一平面の位置まで近接させると共に、前記第二加熱体の第四平面をガイド体の第二平面の位置まで近接させて、前記フィルムに所定時間接触加熱させることによってチャックテープとフィルムとを熱接着させることを特徴とする熱接着方法。
(3)前記チャックテープは、嵌合素子がチャックテープの長手方向に連続的に一列に設けられたチャックテープであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の熱接着方法。
(4)前記チャックテープは、嵌合素子がチャックテープの長手方向に不連続に設けられ、チャックテープの幅方向に前記不連続に設けられた嵌合素子の列が複数列設けられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の熱接着方法。
(5)前記チャックテープは、一方のチャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に不連続に設けられると共に幅方向に前記不連続に設けられた嵌合素子の列が複数列設けられており、他方のチャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に連続的に一列に設けられたチャックテープであることを特徴とする(2)に記載の熱接着方法
(6)テープ状基材の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる装置であって、
一方の側の面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、前記第一溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体とを備えた熱接着装置。
(7)テープ状基材の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる装置であって、
一方の側の面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、他方の側の前記第一平面に平行な面(第二平面)の所定位置にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸び、前記第一溝に対し平行な溝(第二溝)を有し、前記第一溝及び第二溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する加熱体と、前記ガイド体の第二平面に対向して配置され、前記第二溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第四平面)を有し、前記第四平面が前記第二平面位置まで近接し離脱する機構を有する加熱体と、を備えた熱接着装置。
(8)前記冷却手段が、ガイド体の第一溝の近くに設けられ、冷却媒体が通流することが可能な流路であることを特徴とする(6)又は(7)に記載の熱接着装置。
(9)(1)〜(5)のいずれかの熱接着方法によって製造されたことを特徴とするチャックテープ付フィルム。
(10)(9)に記載のチャックテープ付フィルムを用いて製造されたことを特徴とする包装袋。
(11)(10)に記載の包装袋に内容物を充填してなることを特徴とする包装体。
以下では上記(1)〜(11)の発明の態様を態様(1)〜(11)という。
【発明の効果】
【0012】
態様(1)によれば、チャックテープの嵌合素子が第一溝内に位置するのでチャックテープが蛇行することなく、直線状態を保つことが可能となる。
これにより、チャックテープは、第一溝の延びる方向に直線状に熱接着する事ができる。また、ガイド体に第一溝近傍を冷却する冷却手段が備えられているので、第一溝内は冷却された状態に保たれる。これにより、加熱体によってチャックテープとフィルムを熱接着させた場合でも、嵌合素子部分の温度が高くならないため、嵌合素子部分が熱によって軟化することがない。さらに、ガイド体に第一溝近傍を冷却する冷却手段が備えられているので、加熱体によってチャックテープとフィルムとを熱接着させた場合でも、フィルムのガイド体と接する面は、熱が直ちにガイド体に放熱されるので、一定温度以上に上昇しない。これにより、フィルムのガイド体と接する面は、熱による溶融が無いので、ガイド体に貼りつくことがない。このようにフィルムとガイド体が貼りつく事がないためフィルムとチャックテープを順次送った場合でも、フィルムに皺が入ることがない。また、フィルムとチャックテープを順次送りながら熱接着する方法であるので、フィルムを順次送り製袋する工程と容易に連結することができる。
態様(2)によれば、態様(1)の効果に加え、ガイド体には、第一溝と平行した第二溝を備えているので、第一溝及び第二溝にチャックテープの嵌合素子が溝内に位置することができる。これにより、チャックテープが搬送するときに蛇行することなく直線状を保ち、さらに、互いの嵌合素子同士が平行に近接した状態に保たれることになる。そのため、フィルムを連続して製袋する場合でも、互いの嵌合素子同士の位置あわせの必要が無くなり、容易に嵌合する事ができる。
態様(3)によれば、態様(1)又は(2)の効果に加え、チャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に連続構造からなるチャックテープであっても、容易にフィルムと熱接着が出来る。
態様(4)によれば、態様(1)又は(2)の効果に加え、チャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に不連続に設けられ、かつに前記不連続に設けられた嵌合素子の列がテープの幅方向に複数列に設けられたチャックテープであっても、容易にフィルムと熱接着ができる。
態様(5)によれば、態様(2)の効果に加え、一方のチャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に不連続に設けられると共に幅方向に前記不連続に設けられた嵌合素子の列が複数列設けられており、他方のチャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に連続的に一列に設けられたチャックテープであっても、容易にフィルムと熱接着が出来る。
態様(6)の装置を用いて態様(1)の製造方法を実施することにより容易にチャックテープとフィルムとを熱接着することができる。
態様(7)の装置を用いて態様(2)の製造方法を実施することにより容易にチャックテープとフィルムとを熱接着することができる。
態様(8)の装置を用いて態様(1)又は(2)の製造方法を実施することにより容易にチャックテープとフィルムとを熱接着することができる。
態様(9)のチャックテープ付フィルムはチャックテープとフィルムとが低コストで良好に熱接着されており品質も良好であるので、包装袋を製造する材料として好適である。
態様(10)の包装袋は機能及び外観的に優れているので種々の材料の包装袋として好適に使用することができる。
態様11)の包装体は機能的及び外観的に優れた包装袋を使用しているため、包装体としても機能的及び外観的に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】嵌合素子を有するチャックテープの一例を示す図である。
【図2】嵌合素子を有するチャックテープの他の例を示す図である。
【図3】本発明の熱接着装置におけるガイド体の例を示す図である。
【図4】本発明の熱接着装置における加熱体の例を示す図である。
【図5】本発明の熱接着方法の全体の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の熱接着装置において図1に示すチャックテープを用いた場合の状態を示す図である。
【図7】本発明の熱接着装置において図1に示すチャックテープを用いた場合の状態を示す図である。
【図8】本発明の熱接着装置において図2に示すチャックテープを用いた場合の状態を示す図である。
【図9】嵌合素子を有するチャックテープの一例を示す図である。
【図10】従来の熱接着装置を用いてチャックテープにフィルムを熱接着する状態を示す図である。
【図11】図10に示されている熱接着装置の断面図である。
【図12】従来の熱接着装置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の熱接着方法を適用することができるチャックテープの一例を示す図であり、メス型嵌合素子とオス型嵌合素子とを嵌合させた状態のものを示す。
このチャックテープ1はテープ状基材2の片側面上に長手方向に連続構造をしたメス型嵌合素子3が形成されたメス型チャックテープ1aと同じくテープ状基材2の片側面上に長手方向に連続構造をしたオス型嵌合素子4が形成されたオス型チャックテープ1bとからなる。このテープ状基材2の幅はメス型嵌合素子3の幅と同じ幅に設定されている。
【0015】
図2は本発明の熱接着方法を適用することが可能なチャックテープの他の例を示す図である。
このチャックテープは、テープ状基材の長手方向に複数個の単位嵌合素子が不連続に設けられており、この不連続になった嵌合素子が複数列平行に設けられている。当該チャックテープを嵌合させる場合は、チャックテープの幅方向の断面方向から見た場合、一本の嵌合素子が相対する嵌合素子の間に嵌ることで嵌合できる。すなわち、嵌合素子を嵌合させる場合には、一方のチャックテープの嵌合素子列がもう一方のチャックテープの嵌合素子の列と列との間に位置するように、幅方向にずらして配置して両者を押圧し、一方のチャックテープの嵌合素子を他方のチャックテープの嵌合素子間に押し込むことによって嵌合することができる。
【0016】
本発明の熱溶着方法ではチャックテープとフィルムとを熱接着させるために、図3に示すようなガイド体と図4に示すような加熱体とを備えた熱溶着装置を用いる。
ガイド体は一方の面(「第一平面」という)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための溝を有しているが、必要に応じて他方の面にもチャックテープの嵌合素子を導入案内するための溝を有していてもよく、図3ではガイド体の両側の面に溝を設けた場合を示している。
この溝は嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(「第一溝」という)である。
【0017】
また、ガイド体は前記の第一溝近傍を冷却状態に保つために冷却手段を備えている。図3に示した例では冷却手段としてガイド体内部に第一溝と平行な流路を穿設し、この流路に水のような冷却媒体を流すようにしている。
【0018】
加熱体(「第一加熱体」という)はガイド体の第一平面に対向して配置されて、ガイド体に対向する面(「第三平面」という)は前記第一溝の所定部分を略覆う形状を有しており、この第二平面がガイド体の第一平面位置まで近接し離脱するような機構を備えている。第一加熱体の第三平面がガイド体の第一平面位置から離脱した状態の時に、チャックテープを移送してガイド体の第一溝内にチャックテープの嵌合素子を通してテープ状基材部が前記第一溝の開口方向になるようにチャックテープを配置する。次いで、チャックテープを覆うようにフィルムを配置した後、所定温度に保たれた第一加熱体の第三平面をガイド体の第一平面位置まで近接させてフィルムに所定時間接触加熱させることによってチャックテープとフィルムとを熱接着させる。
【0019】
ここで、袋本体を構成するフィルムは、袋外側になる面と内側になる面とで溶融温度の異なるフィルムを張り合わせて構成することが通常である。このとき袋内側になる面に、袋外側になる面と比較して、低温で溶融するフィルムを使用し、熱接着可能面とする。
このときの加熱体の温度及び接触加熱する時間は、使用されるフィルムやチャックテープの材質、厚み、張り合わせるフィルムの構成等によって適宜最適な温度時間を選択されるものであるが、所定温度とは、袋外側になる面を溶融、軟化すること無く、熱接着可能面とテープ基材とを溶融することのできる温度であり、所定時間とは、熱接着可能面とテープ基材との温度が溶融温度に達するまで加熱でき、袋外側になるフィルムが溶融、軟化、変質の生じない時間である。
【0020】
また、メス型チャックテープとオス型チャックテープのそれぞれを同時に一つのガイド体で熱接着処理する場合には、ガイド体の反対側の前記第一平面と平行な面(「第二平面」という)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための(「第二溝」という)を設け、このガイド体の第二平面と対向する位置に加熱体(「第二加熱体」という)を配置して同様の処理を行えばよい。
【0021】
図5は本発明の熱接着方法の全体の概略構成を示す図である。
図5に示したものは第一溝及び第二溝を設けたガイド体を使用してメス型チャックテープ及びオス型チャックテープのそれぞれにフィルムを溶着する場合を示したものである。
図5において、右側にはチャックテープを繰り出すためのチャックテープリールが配置されている。この二つのチャックテープリールのそれぞれにはメス型チャックテープ及びオス型チャックテープがそれぞれ分離された状態で巻回されており、テープ状基材面がガイド体に設けられた第一溝、第二溝の開口方向を向き、嵌合素子が溝内を通るように設置される。
【0022】
袋本体を構成するフィルムは少なくとも一方の表層に熱接着が可能な合成樹脂からなるフィルムが積層された構成を持つフィルムである。このフィルムを熱接着可能面が巻き内側になるようにチャックテープリールに巻回して原反とする。
この原反を熱接着装置に通したとき、熱接着可能面がガイド体の第一平面及び第二平面に接触可能となるように設置する。
【0023】
チャックテープ及びフィルムはガイドロール17に送られ、ガイドロール17ではチャックテープ1(1a、1b)の基部のテープ状基材2にフィルム16が重ね合わされ、重ね合わされたフィルム16とチャックテープ1とは熱接着部Hに送られる。
熱接着部Hに設置された、第一加熱体及び第二加熱体の後には、加熱体と略同様の形状をし、一定温度に冷却された状態を保つ冷却体(図示せず)が備えられ、ガイド体は、冷却体の下部まで延長されている。
熱接着部Hではフィルム16とチャックテープ1のテープ状基材2とが熱溶着されたのち、加熱体によって溶融された部分は、冷却体で冷却固化され、チャックテープ嵌合用ロール18に送られてメス型嵌合素子3aとオス型嵌合素子3bとが嵌合された状態で、次工程の製袋工程に移送される。
ここで、通常の製袋工程におけるフィルム同士を熱溶着させる熱シールは、フィルムの搬送は停止と移送とを繰り返す間欠運動によって行われている。すなわち、熱接着部Hにおける操作も間欠運動によって行われている事から製袋工程の直前だけでなく、製袋工程中にも、本発明の熱接着装置を容易に組み込む事ができる。
以下では、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0024】
[実施形態1]
本実施形態は図1に示されたチャックテープをフィルムに熱接着する場合についてのものである。
図6は、図5に示した熱接着装置における熱接着部Hの詳細を示す図であり、図1に示すチャックテープを用いた場合における、チャックテープ及びフィルムの流れ方向に対して垂直面の端面図であり、加熱体が離脱した状態を示す端面図である。
また、図7は、図6に示すものにおいて、加熱体がガイド体に加圧状態で接触した状態を示す端面図である。
【0025】
図3に示すようなガイド体としてアルミニウム等の金属からなる板状の矩形状のものを用いる。
この板状のガイド体の第一平面5には、ガイド体4の長手方向に向かって直線状に第一溝7が設けられている。この第一溝7は、メス型嵌合素子3aの幅より僅かに広い幅で、メス型嵌合素子3aの素子部分の高さと同じ深さでありチャックテープの全体高さよりテープ状基材の厚み分僅かに浅い深さである。また、第一平面5と平行する第二平面6にも第一溝7と平行し、溝の中心位置が断面垂直方向で同じ位置になる所定位置に第二溝8を備えている。この第二溝8は、チャックテープのオス型嵌合素子3bの幅より僅かに大きい幅で、オス型嵌合素子3bの素子部分の高さと同じ深さでありチャックテープの全体高さよりテープ状基材部分の厚み分僅かに浅い深さである。このように構成することによりチャックテープの嵌合素子が第一溝及び第二溝内に配置することができるためチャックテープが蛇行することなく、直線状態を保つことができる。
【0026】
さらに、ガイド体4には、冷却手段として水等の冷却媒体を流す冷却媒体流路が設けられており、一定温度に保たれた冷却媒体が流されている。これにより、ガイド体全体が一定温度に冷却されているので第一溝7、第二溝8の近傍も一定温度になるように冷却されている。
【0027】
ガイド体4の厚みは、使用されるチャックテープやフィルムに応じて適宜の値に設定することができ、特に制限されるものはないが、チャックテープの高さの約2.5〜5倍であれば良好な結果を得ることができる。すなわち、ガイド体の厚みがチャックテープの高さの2.5〜5倍であることにより、ガイド体の外にフィルムが搬送されたときに、フィルム面から垂直方向にチャックテープを押しつけるだけで嵌合素子同士を容易に嵌合させることができる。
【0028】
図4(a)に示す第一加熱体10は基材部と凸条部14とからなり、凸条部14の頂面(以下「第三平面」という)はガイド体の第一平面5と対向する面であり、ガイド体4の第一溝7と同じ長さで第一溝7の幅より僅かに大きい幅を持つ矩形状の平面である。
図4(b)に示す第二加熱体11は基本的には第一加熱体10と同様の形状を有しており、凸条部14の頂面(以下「第四平面」という)がガイド体の第二平面6と対向する面であり、ガイド体4の第二溝8と同じ長さで第二溝8の幅より僅かに大きい幅を持つ矩形状の平面である。
【0029】
熱接着部はガイド体の第一平面5が上方向、第二平面6が下方向を向き、それぞれの平面に備えた第一溝7、第二溝8の延びる方向がフィルム16及びチャックテープ1の搬送方向と平行するように設置する。第一溝7に平行し、第一加熱体10の第三平面12が第一溝7を覆うように第一加熱体10を設置し、同様に、第二溝8に平行し、第二加熱体11の第四平面13が第二溝8を覆うように第二加熱体11を設置する。第一加熱体10と第二加熱体11は、それぞれ上下動、すなわち図面の矢印方向に可動に設けられており、第一加熱体10及び第二加熱体11が同時にガイド体4に加圧接合し、同時に離脱する機構を有している。
【0030】
ガイド体4に設けられた第一溝7には、メス型チャックテープのテープ状基材部2aが第一溝7の開口方向になるようにチャックテープを配置し、チャックテープを覆うようにフィルムを配置している。第二溝も第一溝と同様にオス型チャックテープとフィルム16とを配置している。加熱体10が離脱した状態では、第一溝7の深さとメス型嵌合素子3aの高さが同じなので、テープ基材2aの厚み分だけフィルム16とガイド体4の第一平面5とは離れることになる。フィルム16とチャックテープを熱接着させるために、第一加熱体10の第三平面12をガイド体4の第一平面5の位置まで近接させる。これにより、フィルム16とテープ状基材2aの面は加圧された状態で接触する。
【0031】
このとき、嵌合素子3aは、第一溝7の中で圧縮され僅かに変形する。溝の内部の温度が高温になっていると、嵌合素子3aが熱で軟化するため熱変形が生じてしまうが、第一溝7の近傍は冷却媒体により冷却状態が保たれているので、嵌合素子3aは合成樹脂の特性である弾力性を失わず熱変形することがない。また、嵌合素子3aの弾力性によりフィルム16とテープ状基材2aの加圧接触の圧力が良好に保たれる。
このように、第一溝7及び第二溝8の深さは、メス型チャックテープ1a及びオス型チャックテープ1bの材質によって決定されるが、チャックテープに圧力を掛ける必要があるのでチャックテープの高さより僅かに浅く、合成樹脂の弾力性により形が復元される範囲とする必要がある。
【0032】
また、第一加熱体10の第三平面12をガイド体4の第一平面5の位置まで近接させると、第三平面12は、第一溝7の幅より幅が広いため、ガイド体4の第一平面5とフィルム16の熱接着可能面も加圧状態で接触することになる。このとき、フィルム16には、第一加熱体10から熱接着可能面を溶融し熱接着可能状態にするに充分な熱が伝えられる。しかし、熱接着可能面に伝わった熱は、熱接着可能面と第一平面5とが加圧接触しているので直ちにガイド体4に放熱され、熱接着可能面の表面温度は溶融状態になる温度まで上昇しない。
これにより、フィルム16の熱接着可能面がガイド体4の第一平面5に貼り付くことがないので、フィルム16とチャックテープを搬送した場合でもフィルム16に皺が入らない。
【0033】
第二溝8も第一溝7と同様にオス型チャックテープとフィルム16とが配置されている。第二加熱体11が離脱した状態では、第二溝8の深さとオス型嵌合素子3bの高さが同じなので、テープ基材2bの厚み分だけフィルム16とガイド体4の第三平面6とは離れることになる。フィルム16とチャックテープを熱接着させるために、第二加熱体11の第四平面13をガイド体4の第二平面6の位置まで近接させる。これにより、フィルム16とテープ状基材2bの面は加圧された状態で接触する。同時にテープ状基材2bの面とガイド体4の第二平面6も加圧された状態で接触することになる。このとき、フィルム16には、第二加熱体11から溶融可能面を溶融状態にするに充分な熱が伝えられる。
【0034】
フィルム16に伝えられた熱の量が多すぎた場合、テープ状基材2bのガイド体4の第二平面6と接触する面にも溶融する熱量が伝わることがある。その場合、第二平面6に溶融したテープ状基材2bが貼り付くことになる。
しかし、ガイド体の第二溝8の近傍が冷却状態を保つので、テープ状基材2bに伝えられた熱は、直ちにガイド体4に放熱されるので、テープ状基材2bのガイド体4の第二平面6に接触する面が溶融する温度になることがなく、このため貼り付くことがない。また、フィルム16の熱接着可能面もガイド体の第二平面に貼り付くことがないので、フィルム16とチャックテープを搬送した場合でもフィルム16に皺が入らない。
【0035】
更に、ガイド体4の厚みはチャックテープの高さの約2.5〜5倍であるのでメス型チャックテープ1aとオス型チャックテープ1bとは互いに近接している。その為、チャックテープが第一溝7、第二溝8の外に搬送されてすぐに嵌合することができる。さらに、溝によってチャックテープが蛇行することなく搬送されるので位置ずれすることなく容易に嵌合することができる。
このように、第一溝7及び第二溝8の幅は、チャックテープの嵌合素子の幅によって決定されるが、嵌合素子が溝内を通る必要があるので嵌合素子の幅より僅かに広く、蛇行により、互いの嵌合素子が嵌合する事を阻害されない範囲とする必要がある。
【0036】
また、チャックテープは、熱接着装置によりフィルムに熱接着された後、チャックテープ嵌合用ロール18にて、オス型チャックテープとメス型チャックテープとが嵌合される。このようにチャックテープが熱接着されたチャックテープ付フィルムは、オス型チャックテープとメス型チャックテープとが嵌合された状態でそのまま製袋工程に搬送される。
【0037】
製袋工程において、袋になったとき側辺となる部分や底辺になる部分等その他必要箇所を熱接着された後裁断され包装袋となる。このとき、一般的なチャック付包装袋を製袋するに当たって必要な部材も適宜装着される。
一般的なチャック付包装袋とは、三方袋、四方袋、ドイパック、ガセット袋等、合成樹脂フィルムを使用して熱接着により包装袋に製袋可能なものを全て含む。
また、当該実施の形態においては、チャック付フィルムを製造した後、そのまま必要な箇所を熱接着して袋状にしてから裁断する方法であるが、チャック付フィルムを製造した後、当該チャック付フィルムを所定形状、大きさに裁断してから必要な箇所を熱接着して包装袋にしても良い。
更に、当該チャック付フィルムから製造された袋に内容物を充填し包装体とすることが出来る。また、チャック付フィルムを使用し、自動充填包装機によって内容物を充填しながら包装体とすることができる。
【0038】
上記の実施形態1ではガイド体の両面(第一平面及び第二平面)のそれぞれに溝(第一の溝及び第二の溝)を設けてオス型チャックテープ及びメス型チャックテープを同時にフィルムに熱接着する例を示したが、ガイド体の一方の面にのみ溝を設けてオス型チャックテープとフィルムとを熱接着するか、またはメス型チャックテープとフィルムとを熱接着する処理操作のみを行うこともでき、これも本発明の実施形態である。
【0039】
[実施形態2]
図2は本実施形態で使用するチャックテープの一例を示す図である。
このチャックテープは、テープ状基材の長手方向に複数個の単位嵌合素子が不連続に設けられており、この不連続になった嵌合素子が複数列平行に設けられている。当該チャックテープを嵌合させる場合は、チャックテープの幅方向の断面方向から見た場合、一本の嵌合素子が相対する嵌合素子の間に嵌ることで嵌合できる。すなわち、嵌合素子を嵌合させる場合には、一方のチャックテープの嵌合素子列がもう一方のチャックテープの嵌合素子の列と列との間に位置するように、幅方向にずらして配置して両者を押圧し、一方のチャックテープの嵌合素子を他方のチャックテープの嵌合素子間に押し込むことによって嵌合することができる。
【0040】
図8は、図2に示された熱接着装置の熱接着部に本実施形態を適用した場合における、チャックテープ及びフィルムの流れ方向に対して垂直面の端面図であり、加熱体が離脱した状態を示す端面図である。
ガイド体に備えた第一溝と第二溝は、一方の嵌合素子がもう一方の嵌合素子の間に位置するように、幅方向にずらして所定の位置に設けられている。
ここで所定位置とは、ガイド体が無いとした場合に、互いのチャックテープをフィルム面に対して垂直方向に押さえた場合に嵌合する位置である。
チャックテープをフィルムに熱接着する場合は、チャック付フィルムを用いて包装袋を形成した場合の袋外側からの開封強度と袋内側からの開封強度の差を持たせるため、テープ状基材の幅方向約半分のみを熱接着することがある(特許文献4参照)。
【0041】
このようにテープ状基材の幅方向約半分のみを熱接着する場合には、図8に示すように、第一加熱体及び第二加熱体は、第一溝及び第二溝の幅方向の約半分に当る所定部分を略覆う形状を持つ第三平面及び第四平面を有している。その為、テープ状基材の幅方向の片側約半分をフィルムと熱接着する事が出来る。その他は、実施形態1で示したと同様である。
また、当該チャック付フィルムを使用して、包装袋や包装体を製造できることも第一実施の形態と同様である。
【0042】
さらに、使用されるチャックテープは、上記の実施形態1、2において示したチャックテープに限定されるものではなく、例えば、図9に示すように、片方のチャックテープがテープの長手方向に嵌合素子が不連続に設けられ、もう一方のチャックテープがテープの長手方向に嵌合素子が連続に設けられているものでも良く、片方のチャックテープの嵌合素子が複数列並んだものでも良い。
【0043】
上記の実施形態2ではガイド体の両面(第一平面及び第二平面)のそれぞれに溝(第一の溝及び第二の溝)を設けてオス型チャックテープ及びメス型チャックテープを同時にフィルムに熱接着する例を示したが、ガイド体の一方の面にのみ溝を設けてオス型チャックテープとフィルムとを熱接着するか、またはメス型チャックテープとフィルムとを熱接着する処理操作のみを行うこともでき、これも本発明の実施形態である。
【実施例】
【0044】
[実施例1]
以下では上記実施形態2の実施例について述べる。
図2に示すチャックテープにおいて、嵌合素子の幅は4列で5.2mm、高さ1.2mm、テープ状基材は厚み0.1mm、幅5.5mmのものを使用した。また、材質はポリプロピレン製である。
ガイド体の厚みは5mmであり、第一溝、第二溝の幅は5.4mm、深さ1.2mmである。また、冷却冷媒体としては15℃に保たれた水を使用した。
フィルムは、12μm厚みのポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルムと60μm厚みのポリプロピレンからなる無延伸フィルムとを張り合わせたものを使用した。熱接着可能面は60μm厚みのポリプロピレンからなる無延伸フィルムである。
第一加熱体及び第二加熱体は160℃に保たれ、第三平面及び第四平面の幅は6mmのものを使用し、第一溝および第二溝の約半分を覆うように設定した。
ガイド体に冷却水を流さなかった場合、フィルムの熱接着可能面がガイド体の第一平面及び第二平面に溶着し、フィルムに皺が入った。ガイド体に冷却水を流した場合、フィルムの熱接着可能面がガイド体の第一平面及び第二平面に溶着することなく容易にフィルムとチャックテープを熱接着する事が出来た。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の熱接着方法は、チャックテープのフランジの先端部分まで本体用フィルムに熱接着した場合でも、フィルムに皺が発生せず、また、フランジの無いチャックテープであってもフィルムに皺を発生することなく熱接着が可能となるので、包装袋用のチャックテープ付フィルムを製造する方法として好適である。
【0046】
(1図〜9図)
1 チャックテープ
1a メス型チャックテープ
1b オス型チャックテープ
2 テープ状基材
2a テープ状基材(メス型嵌合素子用)
2b テープ状基材(オス型嵌合素子用)
3 嵌合素子
3a メス型嵌合素子
3b オス型嵌合素子
4 ガイド体
5 第一平面
6 第二平面
7 第一溝
8 第二溝
9 冷却媒体流路
10 第一加熱体
11 第二加熱体
12 第三平面
13 第四平面
14 凸条部
15 チャックテープリール
1a メス型チャックテープ
1b オス型チャックテープ
16 フィルム
17 ガイドロール
18 チャックテープ嵌合用ロール
19 フィルム原反ロール
(10図、11図)
3 本体用フィルム
4 フランジ部
5 シール受け
6 加熱体
(12図)
1、2 嵌合素子
3、4 チャックテープ
5、6 本体用フィルム
15 重合ロール
31 融着手段
32 回転ドラム32
33 チャック導入溝
34 融着面
35 シールバー
36 無端ベルト
37 ローラ
38 押えローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状基材部の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる方法であって、
一つの面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、前記第一溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体とを備えた熱接着装置を用い、前記第一加熱体の第三平面が前記ガイド体の第一平面位置から離脱した状態の時に、チャックテープを移送して前記第一溝内に前記嵌合素子を通して前記テープ状基材部が前記第一溝の開口方向になるようにチャックテープを配置し、前記チャックテープを覆うように前記フィルムを配置した後、所定温度に保たれた前記第一加熱体の第三平面を前記第一平面位置まで近接させて前記フィルムに所定時間接触加熱させることによってチャックテープとフィルムとを熱接着させることを特徴とする熱接着方法。
【請求項2】
テープ状基材部の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる方法であって、
一方の側の面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、他方の側の前記第一平面に平行な面(第二平面)の前記第一溝に対応する位置にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸び、前記第一溝に対し平行な溝(第二溝)を有し、前記第一溝及び第二溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体と、前記ガイド体の第二平面に対向して配置され、前記第二溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第四平面)を有し、前記第四平面が前記第二平面位置まで近接し離脱する機構を有する第二加熱体とを備えた熱接着装置を用い、前記第一加熱体の第三平面がガイド体の第一平面の位置から離脱すると共に前記第二加熱体の第四平面がガイド体の第二平面の位置から離脱した状態の時に、チャックテープを移送して前記第一溝及び第二溝内に前記嵌合素子を通して前記テープ状基材部が前記第一溝及び第二溝の開口方向になるようにチャックテープを配置し、前記チャックテープを覆うように前記フィルムを配置した後、所定温度に保たれた前記第一加熱体の第三平面をガイド体の第一平面の位置まで近接させると共に、前記第二加熱体の第四平面をガイド体の第二平面の位置まで近接させて、前記フィルムに所定時間接触加熱させることによってチャックテープとフィルムとを熱接着させることを特徴とする熱接着方法。
【請求項3】
前記チャックテープは、嵌合素子がチャックテープの長手方向に連続的に一列に設けられたチャックテープであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱接着方法。
【請求項4】
前記チャックテープは、嵌合素子がチャックテープの長手方向に不連続に設けられ、チャックテープの幅方向に前記不連続に設けられた嵌合素子の列が複数列設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱接着方法。
【請求項5】
前記チャックテープは、一方のチャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に不連続に設けられると共に幅方向に前記不連続に設けられた嵌合素子の列が複数列設けられており、他方のチャックテープの嵌合素子がテープの長手方向に連続的に一列に設けられたチャックテープであることを特徴とする請求項2に記載の熱接着方法
【請求項6】
テープ状基材の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる装置であって、
一方の側の面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、前記第一溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する第一加熱体とを備えた熱接着装置。
【請求項7】
テープ状基材の片側表面に嵌合素子を備えたチャックテープとフィルムとを熱接着させる装置であって、
一方の側の面(第一平面)にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸びる溝(第一溝)を有し、他方の側の前記第一平面に平行な面(第二平面)の所定位置にチャックテープの嵌合素子を導入案内するための、嵌合素子の幅より僅かに広い幅で、前記チャックテープの高さより僅かに浅い深さの直線状に伸び、前記第一溝に対し平行な溝(第二溝)を有し、前記第一溝及び第二溝近傍を冷却状態に保つ冷却手段を備えたガイド体と、前記ガイド体の第一平面に対向して配置され、前記第一溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第三平面)を有し、前記第三平面が前記第一平面位置まで近接し離脱する機構を有する加熱体と、前記ガイド体の第二平面に対向して配置され、前記第二溝の所定部分を略覆う形状を持つ面(第四平面)を有し、前記第四平面が前記第二平面位置まで近接し離脱する機構を有する加熱体と、を備えた熱接着装置。
【請求項8】
前記冷却手段が、ガイド体の第一溝の近くに設けられ、冷却媒体が通流することが可能な流路であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱接着装置。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかの熱接着方法によって製造されたことを特徴とするチャックテープ付フィルム。
【請求項10】
請求項9に記載のチャックテープ付フィルムを用いて製造されたことを特徴とする包装袋。
【請求項11】
請求項10に記載の包装袋に内容物を充填してなることを特徴とする包装体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−254602(P2012−254602A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129796(P2011−129796)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(307027717)株式会社彫刻プラスト (6)
【Fターム(参考)】