説明

燃料使用器具判別装置、流量測定装置、ガスメータおよび燃料使用器具判別方法

【課題】燃料流量変化の傾きを利用して器具を判別する燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法において、器具判別の精度を向上させる。
【解決手段】第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得し、第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得し、第1計測期間における燃料流量変化の傾きと第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法に関する。より詳しくは、燃料流量変化の傾きを利用して燃料使用器具を判別する、燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ガスメータ装置を開示する。該ガスメータ装置は、家庭用ガス供給管に接続され、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と流量計測手段から出力される流量値の差分値を求める演算手段と演算手段により算出された差分値と記憶手段内に登録された変化判定値との大きさを比較し、ガス器具の使用状態の変化を判定する比較判定手段を有し、比較判定手段が流量値の差分値と記憶手段内に登録されたガス器具に応じた変化点判定値との大きさを比較し、使用状態の変化が起きたガス器具を判別する(請求項3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−313114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、燃料流量変化の傾きを利用して燃料使用器具を判別する燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法において、器具判別の精度を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、燃料流量変化の傾きを利用して燃料使用器具を判別する燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法において、器具判別の精度を向上させるべく鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
【0006】
ガスコンロ等の燃料使用器具では、運転開始時、運転中や運転終了時における燃料消費量の時間変化が、比較的急峻である。一方、例えば燃料電池システム等のような燃料使用器具では、運転開始時、運転中や運転終了時における燃料消費量の時間変化が極めて緩慢であるという特徴を有する。従来の燃料使用器具判別装置では、このような、燃料消費量の時間変化が極めて緩慢な燃料使用器具の使用開始を的確に判別することができない場合があった。
【0007】
例えば、短時間(例えば数秒)における燃料流量変化の傾きに基づいて燃料使用器具を判別しようとすると、燃料消費量の時間変化が極めて緩慢な燃料使用器具では、燃料流量変化の幅が小さいためにこれを検出することができないことがある。また、長時間(例えば数十分)における燃料流量変化の傾きに基づいて燃料使用器具を判別しようとすると、短時間で大きな燃料流量変化をもたらす他の燃料使用器具と、燃料消費量の時間変化が極めて緩慢な燃料使用器具とを判別することが困難となる。
【0008】
本発明者らは、上記知見を踏まえ、長さの互いに異なる2種類の計測期間、すなわち、第1計測期間と第2計測期間、における燃料流量変化の傾きを利用することにより、器具判別の精度を向上させることができることに想到した。
【0009】
すなわち本発明の燃料使用器具判別装置は、第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第1取得部と、前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第2取得部と、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別する判別部と、を備える。
【0010】
かかる構成では、燃料流量変化の傾きを利用して燃料使用器具を判別する燃料使用器具判別装置において、器具判別の精度を向上させることが可能である。
【0011】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第2計測期間は、複数の前記第1計測期間を含む期間であってもよい。
【0012】
上記燃料使用器具判別装置において、前記判別部は、複数の前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きのそれぞれと、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0013】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第2計測期間は、連続した複数の前記第1計測期間からなってもよい。
【0014】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第2取得部は、前記第1取得部が取得した第1計測期間における燃料流量変化の傾きを用いて前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きを演算して取得してもよい。
【0015】
上記燃料使用器具判別装置において、前記判別部は、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0016】
上記燃料使用器具判別装置において、前記判別部は、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0017】
上記燃料使用器具判別装置において、前記判別部は、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否か、および前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0018】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第1範囲は前記第2範囲を包含してもよい。
【0019】
ここで、「前記第1範囲は前記第2範囲を包含する」とは、例えば、ある値が第2範囲に入ればその値が必ず第1範囲にも入ることをいう。より具体的には例えば、第1範囲がm1とm2との間であり、第2範囲がM1とM2との間であるとき、m1≦M1<M2≦m2を満たすことをいう。なお、第1範囲がm1とm2との間であり、第2範囲がM1とM2との間であるとき、M1≦m1<M2≦m2を満たすこととしてもよい。あるいは、第1範囲がm1とm2との間であり、第2範囲がM1とM2との間であるとき、M1≦m1<m2≦M2を満たすこととしてもよい。あるいは、第1範囲がm1とm2との間であり、第2範囲がM1とM2との間であるとき、m1≦M1<m2≦M2を満たすこととしてもよい。
【0020】
上記燃料使用器具判別装置において、前記判別部は、前記第2計測期間に含まれる全ての前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが、前記第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0021】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第1計測期間はいずれも長さが等しくてもよい。
【0022】
上記燃料使用器具判別装置において、ガスメータからネットワークを介してガス流量を取得する流量取得部を備え、前記第1取得部は、第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであり、前記第2取得部は、第2計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであってもよい。
【0023】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第1取得部は、ガスメータからネットワークを介して第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであり、前記第2取得部は、前記第1取得部が取得した第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを用いて、第2計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを演算して取得するものであってもよい。
【0024】
上記燃料使用器具判別装置において、前記第1取得部は、ガスメータからネットワークを介して第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであり、前記第2取得部は、ガスメータからネットワークを介して第2計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであってもよい。
【0025】
また、本発明の流量測定装置は、流路と、前記流路を流れる燃料流量を測定する流量測定部と、第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第1取得部と、前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第2取得部と、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて前記流路に接続された燃料使用器具を判別する判別部とを備える。
【0026】
また、本発明のガスメータは、流路と、前記流路を流れるガス流量を測定する流量測定部と、第1計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きを取得する第1取得部と、前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きを取得する第2取得部と、前記第1計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きとを用いて前記流路に接続されたガス燃料使用器具を判別する判別部とを備える。
【0027】
また、本発明の燃料使用器具判別方法は、第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得し、前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得し、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別する。
【0028】
上記燃料使用器具判別方法において、前記第2計測期間は、複数の前記第1計測期間を含む期間であってもよい。
【0029】
上記燃料使用器具判別方法において、前記判別において、複数の前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きのそれぞれと、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0030】
上記燃料使用器具判別方法において、前記第2計測期間は、連続した複数の前記第1計測期間からなっていてもよい。
【0031】
上記燃料使用器具判別方法において、前記判別において、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0032】
上記燃料使用器具判別方法において、前記判別において、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0033】
上記燃料使用器具判別方法において、前記判別において、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否か、および前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0034】
上記燃料使用器具判別方法において、前記第1範囲は前記第2範囲を包含してもよい。
【0035】
上記燃料使用器具判別方法において、前記判別部は、前記第2計測期間に含まれる全ての前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが、前記第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別してもよい。
【0036】
上記燃料使用器具判別方法において、前記第1計測期間はいずれも長さが等しくてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明の燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法によれば、燃料流量変化の傾きを利用して器具を判別する燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法において、器具判別の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別装置の概略構成の一例を示す概念図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別方法の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別方法の概念を説明するための図である。
【図5】図5は、第2実施形態にかかる燃料使用器具判別装置の概略構成の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、第2実施形態にかかる燃料使用器具判別方法の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2実施形態の変形例にかかる燃料使用器具判別方法の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第3実施形態にかかる燃料使用器具判別装置の概略構成の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1実施形態)
[装置構成]
図1は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別装置の概略構成の一例を示す概念図である。
【0040】
図に示すように、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別装置100は、第1取得部10と、第2取得部20と、判別部30とを備えている。図1では、第1取得部10および第2取得部20のそれぞれが判別部30と通信可能に接続されているが、接続関係はこれに限定されるものではない。
【0041】
第1取得部10は、第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する。
【0042】
第2取得部20は、第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する。
【0043】
「燃料流量」とは、気体、液体等の燃料が単位時間あたりに流れる量である。流量の単位は任意であり、例えば、sccm、リットル/分、グラム/秒等としうる。流量は、例えば、燃料ガス、灯油等の流量としうる。流量は、天然ガス、LPG等の燃料ガスの流量であることがさらに好ましい。
【0044】
「燃料流量変化の傾き」とは、時刻t1における流量をq1、時刻t2における流量をt2とし、計測期間を時刻t1から時刻t2までの期間とするとき、(q2−q1)/(t2−t1)で表される値としうる。なお、時刻および流量の単位は任意である。「燃料流量変化の傾き」には、上記以外にも、傾きを実質的に現すパラメータが含まれる。例えば、単位時間当たりの流量変化としうる。例えば、複数の第1計測期間の長さがすべて等しい場合には、流量の差分そのものを燃料流量変化の傾きとしてもよい。
【0045】
第1計測期間は、例えば、数秒程度の時間としうる。第2計測期間は、例えば、数十分程度の時間としうる。第2計測期間は、第1計測期間よりも長いことが好ましい。第2計測期間は、複数の前記第1計測期間を含む期間であることが好ましい。第2計測期間は、連続した複数の前記第1計測期間からなることがさらに好ましい。
【0046】
第1取得部10が第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する方法は特に限定されない。具体的には例えば、燃料流量変化の傾きを外部の装置から通信等により受け取ってもよい。あるいは、流量測定器と計時器とを備え、該流量測定器から受け取った流量と計時器から受け取った時刻との対応関係から、燃料流量変化の傾きを演算により求めてもよい。
【0047】
第2取得部20が第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する方法は特に限定されない。具体的には例えば、燃料流量変化の傾きを外部の装置から通信等により受け取ってもよい。あるいは、流量測定器と計時器とを備え、該流量測定器から受け取った流量と計時器から受け取った時刻との対応関係から、燃料流量変化の傾きを演算により求めてもよい。あるいは、第1取得部が取得した第1計測期間における燃料流量変化の傾きを用いて第2計測期間における燃料流量変化の傾きを演算して取得してもよい。
【0048】
判別部30は、第1計測期間における燃料流量変化の傾きと、第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別する。
【0049】
「燃料使用器具」とは、燃料使用器具判別装置が判別対象とする燃料使用器具であって、例えば、燃料使用器具判別装置が備え付けられた建物において、燃料ガス会社から燃料ガスが供給される配管に接続された燃料ガス使用器具等をいう。
【0050】
「燃料使用器具を判別する」とは、例えば、使用が開始された燃料使用器具の種類を特定することや、使用が終了された燃料使用器具の種類を特定すること、使用中の燃料使用器具の種類を特定すること、使用中でない燃料使用器具の種類を特定すること等が含まれる。
【0051】
具体的な燃料使用器具の判別方法は特に限定されない。例えば、複数の第1計測期間における燃料流量変化の傾きのばらつきの程度(分散)が第1閾値未満であり、かつ、第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲内にある場合に、特定の燃料使用器具が使用中である(または使用していない)と判別してもよい。あるいは、複数の第1計測期間における燃料流量変化の傾きの全てが第1範囲内にあり、かつ、複数の第2計測期間における燃料流量変化の傾きの全てが第2範囲内にある場合に、特定の燃料使用器具の使用が使用中である(または使用中でない)と判別してもよい。第1範囲が、上限の閾値を含むか否か、および、下限の閾値を含むか否かは任意である。第2範囲が、上限の閾値を含むか否か、および、下限の閾値を含むか否かは任意である。いずれにせよ、第1計測期間における燃料流量変化の傾きと、第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いるものであれば、判別の方法はどのようなものであってもよい。
【0052】
判別に用いられる第1計測期間の個数は任意である。判別に用いられる第2計測期間の個数は任意である。
【0053】
判別部30は、複数の第1計測期間における燃料流量変化の傾きのそれぞれと、第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別することが好ましい。
【0054】
判別部30は、第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否かに応じて燃料使用器具を判別することがさらに好ましい。判別部30は、第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて燃料使用器具を判別することがさらに好ましい。判別部30は、第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否か、および第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて燃料使用器具を判別することがさらに好ましい。第1範囲は第2範囲を包含することがさらに好ましい。
【0055】
判別部30は、第2計測期間に含まれる全ての第1計測期間における燃料流量変化の傾きが、第1範囲に含まれているか否かに応じて燃料使用器具を判別することがさらに好ましい。
【0056】
第1計測期間はいずれも長さが等しいことが好ましい。
【0057】
図2は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図2に例示するように、燃料使用器具判別装置100は、例えば、制御器40と、記憶器50と、計時器55と、入出力部60とを備えて構成されうる。図2では、計時器55および記憶器50および入出力部60のそれぞれが制御器40と通信可能に接続されているが、接続関係はこれに限定されるものではない。
【0059】
制御器40は、制御機能を有するものであればよく、MPU、CPU等が例示される。制御器40は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0060】
記憶器50には、例えば、制御器40が実行する燃料流量変化の傾きを演算するプログラムや、判別プログラム等が記憶されている。記憶器50としては、メモリが例示される。
【0061】
計時器55は、計時機能を有するものであればよく、例えばクロック回路等が例示される。
【0062】
入出力部60は、制御器40と他の部位ないし外部との通信を行う装置である。入出力部60は、燃料使用器具判別装置100が備える流量測定器と接続されていてもよい。入出力部60は、ネットワークを介して、燃料使用器具判別装置100の外部の流量測定装置と接続されていてもよい。
【0063】
例えば、制御器40と、記憶器50と、計時器55と、入出力部60とで、第1取得部10を実現することができる。また、例えば、制御器40と、記憶器50と、計時器55と、入出力部60とで、第2取得部20を実現することができる。また、例えば、制御器40と、記憶器50と、入出力部60とで、判別部30を実現することができる。
【0064】
[燃料使用器具判別方法]
図3は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別方法の一例を示すフローチャートである。以下、図3を参照しつつ、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別装置100の動作方法および第1実施形態にかかる燃料使用器具判別方法を説明する。なお、燃料使用器具判別装置100の動作においては、例えば、記憶器50に記憶された動作プログラムに基づく制御器40の制御により、各動作が実行されうる。
【0065】
燃料使用器具判別動作が開始されると(スタート)、まず、第1計測期間における燃料流量変化の傾きが取得される(ステップS101)。
【0066】
燃料使用器具判別装置100においては、ステップS101は第1取得部10により行われる。第1計測期間における燃料流量変化の傾きは、第1取得部10から判別部30へと送られる。
【0067】
第1取得部10が第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する動作は、図2に例示されるハードウェア構成では、例えば、以下のように実行されうる。まず、入出力部60を介して制御器40が燃料流量値(第1流量値)を取得し、計時器55から取得した時刻情報(第1時刻)と共に、記憶器50に記憶する。次に、計時器55から取得した時刻情報が、第1計測期間が経過したことを示すと、再度、入出力部60を介して制御器40が燃料流量値(第2流量値)を取得し、計時器55から取得した時刻情報(第2時刻)と共に、記憶器50に記憶する。その後、第2流量値と第1流量値との差分を、第2時刻と第1時刻との差分(第1計測期間)で割ることにより、第1計測期間における燃料流量変化の傾きが演算される。傾きは、例えば、第1時刻と対応づけられて、記憶器50に記憶される。
【0068】
次に、第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きが取得される(ステップS102)。
【0069】
燃料使用器具判別装置100においては、ステップS102は第2取得部20により行われる。第2計測期間における燃料流量変化の傾きは、第2取得部20から判別部30へと送られる。
【0070】
第2取得部20が第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する動作は、図2に例示されるハードウェア構成では、例えば、以下のように実行されうる。まず、入出力部60を介して制御器40が流量値(第3流量値)を取得し、計時器55から取得した時刻情報(第3時刻)と共に、記憶器50に記憶する。次に、計時器55から取得した時刻情報が、第2計測期間が経過したことを示すと、再度、入出力部60を介して制御器40が流量値(第4流量値)を取得し、計時器55から取得した時刻情報(第4時刻)と共に、記憶器50に記憶する。その後、第4流量値と第3流量値との差分を、第4時刻と第3時刻との差分(第2計測期間)で割ることにより、第2計測期間における燃料流量変化の傾きが演算される。傾きは、例えば、第3時刻と対応づけられて、記憶器50に記憶される。
【0071】
次に、ステップS101で取得された第1計測期間における燃料流量変化の傾きと、ステップS102で取得された第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて、燃料使用器具が判別され(ステップS103)、器具判別動作が終了する(エンド)。
【0072】
燃料使用器具判別装置100においては、ステップS103は判別部30により行われる。
【0073】
判別部30が燃料使用器具を判別する動作は、図2に例示されるハードウェア構成では、例えば、以下のように実行されうる。すなわち、制御器40が、記憶器50に記憶されている第1計測期間における燃料流量変化の傾きと、記憶器50に記憶されている第2計測期間における燃料流量変化の傾きと、記憶器50に記憶されている判別プログラムとを用いて、使用器具を判別することとしうる。
【0074】
判別結果がどのように処理されるかは限定されない。判別結果は、例えば、ディスプレイ及びプリンタ等の出力手段により出力されてもよいし、ネットワークを介してデータセンター等へ送信されてもよい。
【0075】
図4は、第1実施形態にかかる燃料使用器具判別方法の概念を説明するための図である。図4の上半分は、燃料流量の時間変化の一例を示すグラフであって、横軸は時刻T、縦軸は流量FLである。図4の下半分は、燃料流量変化の傾きの一例を示すグラフであって、横軸は時刻T、縦軸は燃料流量変化の傾きSLである。以下、図4を参照しつつ、本実施形態における燃料使用器具判別の具体的な方法について例示する。なお、以下の説明では、燃料電池システムを判別対象とした燃料使用器具判別の例について説明する。
【0076】
Δt(i=1〜5)はi番目の第1計測期間である。図4の例ではΔt(i=1〜5)はいずれも長さが等しい。Δt(i=1〜5)の長さは互いに異なっていてもよい。Δq(i=1〜5)はi番目の第1計測期間における燃料流量変化である。i番目の第1計測期間における燃料流量変化の傾きは、Δq/Δt(i=1〜5)で表される。
【0077】
ΔTは第2計測期間である。図4に示す例では、5個の連続する第1計測期間から構成される。すなわち、ΔT=ΣΔt(i=1〜5)である。ΔQは第2計測期間における燃料流量変化である。図4に示す例では、ΔQ=ΣΔq(i=1〜5)である。よって、第2計測期間における燃料流量変化の傾きは、ΔQ/ΔTで表される。
【0078】
燃料使用器具判別は、例えば、第1計測期間における燃料流量変化の傾きΔq/Δt(i=1〜5)の全てがm以上m以下であるか否か、および、第2計測期間における燃料流量変化の傾きΔQ/ΔTがM以上M以下であるか否かにより行われうる。
【0079】
例えば、図4に例示されているように、m、m、M、Mがいずれも正の値であって、Δq/Δtが、いずれもm以上m以下であり、かつ、ΔQ/ΔTが、M以上M以下である場合には、流量が緩やかに一定の傾きで増加していることが分かるので、燃料電池システムが運転中であると判別することができる。
【0080】
同様に、例えば、m、m、M、Mがいずれも負の値であって、Δq/Δtが、いずれもm以上m以下であり、かつ、ΔQ/ΔTが、M以上M以下である場合には、流量が緩やかに一定の傾きで減少していることが分かるので、燃料電池システムが運転中であると判別することができる。
【0081】
なお、m、m、M、Mの符号は、必ずしも一致している必要はない。上述の説明では、傾きの満たすべき範囲として、閾値であるm、m、M、Mを含むこととしたが、閾値を含まないこととしてもよい。
【0082】
以上のような方法によれば、急激な燃料流量の変化をもたらす燃料使用器具と、緩慢な燃料流量変化をもたらす燃料電池システムとを、適切に判別することが可能となる。
【0083】
第1計測期間における燃料流量変化の傾きの条件と、第2計測期間における燃料流量変化の傾きの条件とは、一致していなくてもよい。特に、第1計測期間が数秒程度と短い場合、流量の測定誤差等の影響で、本来の緩やかな傾きから大きく外れた値が傾きとして取得されることがある。この場合に、誤って判別することを抑制すべく、第1計測期間における燃料流量変化の傾きの条件は、第2計測期間における燃料流量変化の傾きの条件よりも緩やかであることが好ましい。すなわち、例えば、m以上m以下の範囲を第1範囲、M以上M以下の範囲を第2範囲とするとき、第1範囲は第2範囲を包含することが好ましい。具体的には例えば、第1計測期間における燃料流量変化の傾きの条件が、傾きがm以上m以下であることであり、第2計測期間における燃料流量変化の傾きの条件が、傾きがM以上M以下であることである場合に、m1≦M1<M2≦m2を満たすことが好ましい。なお、M1≦m1<M2≦m2を満たすこととしてもよい。あるいは、M1≦m1<m2≦M2を満たすこととしてもよい。あるいは、m1≦M1<m2≦M2を満たすこととしてもよい。
【0084】
第1計測期間が複数存在する場合において、その全てにおいて傾きが許容範囲に入ることを条件としなくてもよい。例えば、ランダムに選択された一部の第1計測期間において傾きが許容範囲に入ることを条件としてもよいし、奇数番目の第1計測期間の全てにおいて傾きが許容範囲に入ることを条件としてもよい。傾きの値を閾値と直接比較する必要は必ずしもない。分散及び標準偏差、それらを平均値で割った値等、複数の第1計測期間のばらつきの程度を示す指標を用いて、第1計測期間における燃料流量変化の傾きが所定の条件を満たすか否かが判定されてもよい。第1計測期間における燃料流量変化の傾きを用いて判定が行われれば、具体的な判定方法は限定されない。
【0085】
第2計測期間が複数存在する場合において、その全てにおいて傾きが許容範囲に入ることを条件としなくてもよい。例えば、ランダムに選択された一部の第2計測期間において傾きが許容範囲に入ることを条件としてもよいし、奇数番目の第2計測期間の全てにおいて傾きが許容範囲に入ることを条件としてもよい。傾きの値を閾値と直接比較する必要は必ずしもない。分散及び標準偏差、それらを平均値で割った値等、複数の第2計測期間のばらつきの程度を示す指標を用いて、第2計測期間における燃料流量変化の傾きが所定の条件を満たすか否かが判定されてもよい。第2計測期間における燃料流量変化の傾きを用いて判定が行われれば、具体的な判定方法は限定されない。
【0086】
第1計測期間における燃料流量変化の傾きに関する条件と、第2計測期間における燃料流量変化の傾きに関する条件とは、質的に異なっていてもよい。具体的には、例えば、第1計測期間における燃料流量変化の傾きについては標準偏差を平均値で割った値が所定の閾値以下であるか否かを条件とし、第2計測期間における燃料流量変化の傾きについては傾きが第2範囲に含まれるか否かを条件としてもよい。第1計測期間における燃料流量変化の傾きについては傾きが第1範囲に含まれるか否かを条件とし、第2計測期間における燃料流量変化の傾きについては、傾きが第2範囲に含まれるか否かではなく、他の条件を用いてもよい。
【0087】
(第2実施形態)
[装置構成]
図5は、第2実施形態にかかる燃料使用器具判別装置の概略構成の一例を示す概念図である。
【0088】
図に示すように、第2実施形態にかかる燃料使用器具判別装置200は、第1取得部10と、第2取得部20と、判別部30と、流路70と、流量測定部80とを備えている。図5では、第1取得部10および第2取得部20のそれぞれが判別部30および流量測定部80と通信可能に接続されているが、接続関係はこれに限定されるものではない。
【0089】
流量測定部80は、流路70を流れる燃料流量を測定する。流量測定部80としては、例えば、超音波式の流量計及びフローセンサ式の流量計等が用いられうる。図2のハードウェア構成を採用する場合、流量測定部80を流量センサで構成し、該流量センサを入出力部60と接続してもよい。
【0090】
流路70は、上流ガス配管220を介してガス供給源210に接続されている。ガス供給源210は、例えば、ガス供給会社のガス供給配管としうる。また、流路70は、下流ガス配管230を介して燃料電池システム240、ファンヒータ250、及びガステーブル260等のガス使用器具に接続されている。
【0091】
本実施形態において、第1取得部10は、流量測定部80が測定した燃料流量に基づいて、第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する。また、第2取得部20は、流量測定部80が測定した燃料流量に基づいて、第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する。
【0092】
本実施形態において、上記以外の装置構成は、第1実施形態と同様とすることができる。よって、共通する要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明は省略する。
【0093】
なお、図5では燃料がガスである場合が例示されているが、燃料は、灯油等の液体燃料であってもよい。
【0094】
[燃料使用器具判別方法]
図6は、第2実施形態にかかる燃料使用器具判別方法の一例を示すフローチャートである。以下、図6を参照しつつ、第2実施形態にかかる燃料使用器具判別装置200の動作方法および第2実施形態にかかる燃料使用器具判別方法を説明する。なお、燃料使用器具判別装置200の動作においては、例えば、記憶器50に記憶された動作プログラムに基づく制御器40の制御により、各動作が実行されうる。なお、以下の説明では、図4に示した例を採用した場合について説明するが、本実施形態がかかる構成に限定されないことは言うまでもない。
【0095】
燃料使用器具判別動作が開始されると(スタート)、まず、変数iに1が格納され(ステップS201)、Δtが経過した時点で(ステップS202でYes)、i番目の第1計測期間における燃料流量変化の傾きΔq/Δtが演算により求められ、mi1<(Δq/Δt)<mi2を満たすか否かの判定が行われる(ステップS203)。mi1は、i番目の第1計測期間における燃料流量変化の傾きの下限である。mi2は、i番目の第1計測期間における燃料流量変化の傾きの上限である。ステップS203の判定結果がNoである場合、ステップS201へ戻る。
【0096】
ステップS203の判定結果がYesである場合、変数iに1を加えた値が変数iに格納され(ステップS204)、i=n+1を満たすか否かの判定が行われる(ステップS205)。nは、第2計測期間に含まれる第1計測期間の数である。ステップS205の判定結果がNoである場合、ステップS202へ戻る。
【0097】
ステップS205の判定結果がYesである場合、第2計測期間における燃料流量変化の傾きΔQ/ΔTが演算により求められ、M<(ΔQ/ΔT)<Mを満たすか否かの判定が行われる(ステップS206)。
【0098】
ステップS206の判定結果がYesである場合には、燃料電池システムが使用中であると決定され(ステップS207)、燃料使用器具判別動作が終了する(エンド)。
【0099】
ステップS206の判定結果がNoである場合には、変数iから1を引いた値が変数iに格納され(ステップS208)、ステップS202へ戻る。
【0100】
上記動作及び方法はあくまで例示である。本実施形態においても、動作及び演算方法等を、第1実施形態と同様とすることができる。
【0101】
[変形例]
図7は、第2実施形態の変形例にかかる燃料使用器具判別方法の一例を示すフローチャートである。以下、図7を参照しつつ、第2実施形態の変形例にかかる燃料使用器具判別装置の動作方法および第2実施形態の変形例にかかる燃料使用器具判別方法を説明する。なお、第2実施形態の変形例にかかる燃料使用器具判別装置の装置構成については、第2実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。燃料使用器具判別装置の動作においては、例えば、記憶器50に記憶された動作プログラムに基づく制御器40の制御により、各動作が実行されうる。なお、以下の説明では、図4に示した例を採用した場合について説明するが、本変形例がかかる構成に限定されないことは言うまでもない。
【0102】
燃料使用器具判別動作が開始されると(スタート)、まず、複数の第1計測期間のそれぞれにおける燃料流量変化の傾きΔq/Δtと、第2計測期間における燃料流量変化の傾きΔQ/ΔTとが取得され、M<(ΔQ/ΔT)<Mを満たすか否かの判定が行われる(ステップS301)。すなわち、ステップS301が実行される時点で、第2計測期間は既に経過している。ステップS301の判定結果がNoである場合には、燃料使用器具判別動作が終了する(エンド)。
【0103】
次に、変数iに1が格納され(ステップS302)、mi1<(Δq/Δt)<mi2を満たすか否かの判定が行われる(ステップS303)。ステップS303の判定結果がNoである場合には、燃料使用器具判別動作が終了する(エンド)。
【0104】
ステップS303の判定結果がYesである場合には、変数iに1を加えた値が変数iに格納され(ステップS304)、i=n+1を満たすか否かの判定が行われる(ステップS305)。nは、第2計測期間に含まれる第1計測期間の数である。ステップS305の判定結果がNoである場合には、ステップS303へ戻る。
【0105】
ステップS305の判定結果がYesである場合には、燃料電池システムが使用中であると決定され(ステップS306)、燃料使用器具判別動作が終了する(エンド)。
【0106】
上記動作及び方法はあくまで例示である。本実施形態においても、動作及び演算方法等を、第1実施形態と同様とすることができる。
【0107】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態にかかる燃料使用器具判別装置の概略構成の一例を示す概念図である。
【0108】
図に示すように、第3実施形態にかかる燃料使用器具判別装置300は、第1取得部10と、第2取得部20と、判別部30と、流量取得部85とを備えている。
【0109】
流量取得部85は、それぞれのガスメータ320からネットワーク310を介してガス流量を取得する。図2のハードウェア構成を採用する場合、流量取得部85を通信ボード等で構成し、該通信ボード等を入出力部60と接続してもよい。
【0110】
ネットワーク310は、LANやインターネット等のコンピュータ回線、アナログ電話回線、ISDN回線等としうる。
【0111】
ガスメータ320は、家庭や店舗等に設置されたガスメータであり、ネットワーク310に接続されると共に、それぞれの場所で使用されるガスの使用量、すなわちガス流量を、ネットワーク310を介して燃料使用器具判別装置300へと送信する。
【0112】
第1取得部10は、流量取得部85が取得したガス流量に基づいて、第1計測期間におけるガスメータ320のガス燃料流量変化の傾きを取得することができる。
【0113】
第2取得部20は、流量取得部85が取得したガス流量に基づいて、第2計測期間におけるガスメータ320のガス燃料流量変化の傾きを取得することができる。
【0114】
本実施形態において、上記以外の装置構成は、第1実施形態と同様とすることができる。よって、共通する要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明は省略する。また、本実施形態における具体的な判別方法は、第1実施形態及び第2実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明を省略する。
【0115】
なお、流量取得部85は必ずしも必須ではない。第1取得部10が、ガスメータ320からネットワーク310を介して第1計測期間におけるガスメータ320のガス燃料流量変化の傾きを取得し、第2取得部20は、第1取得部10が取得した第1計測期間におけるガスメータのガス燃料流量変化の傾きを用いて、第2計測期間におけるガスメータ320のガス燃料流量変化の傾きを取得してもよい。
【0116】
また、第1取得部10が、ガスメータ320からネットワーク310を介して第1計測期間におけるガスメータ320のガス燃料流量変化の傾きを取得し、第2取得部20が、ガスメータ320からネットワーク310を介して第2計測期間におけるガスメータ320のガス燃料流量変化の傾きを取得してもよい。
【0117】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法は、器具判別の精度を向上させることができる燃料使用器具判別装置および燃料使用器具判別方法として有用である。
【符号の説明】
【0119】
10 第1取得部
20 第2取得部
30 判別部
40 制御器
50 記憶器
55 計時器
60 入出力部
70 流路
80 流量測定部
85 流量取得部
100 燃料使用器具判別装置
200 燃料使用器具判別装置
210 ガス供給源
220 上流ガス配管
230 下流ガス配管
240 燃料電池システム
250 ファンヒータ
260 ガステーブル
300 燃料使用器具判別装置
310 ネットワーク
320 ガスメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第1取得部と、
前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第2取得部と、
前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別する判別部と、
を備える燃料使用器具判別装置。
【請求項2】
前記第2計測期間は、複数の前記第1計測期間を含む期間である、請求項1記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項3】
前記判別部は、複数の前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きのそれぞれと、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて前記燃料使用器具を判別する請求項2記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項4】
前記第2計測期間は、連続した複数の前記第1計測期間からなる、請求項2または3記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項5】
前記第2取得部は、前記第1取得部が取得した第1計測期間における燃料流量変化の傾きを用いて前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きを演算して取得する、請求項4記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項6】
前記判別部は、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項8】
前記判別部は、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否か、および前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する、請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項9】
前記第1範囲は前記第2範囲を包含する、請求項8記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項10】
前記判別部は、前記第2計測期間に含まれる全ての前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが、前記第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する請求項2乃至5、8、9のいずれか1項記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項11】
前記第1計測期間はいずれも長さが等しい請求項1乃至10のいずれか1項記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項12】
ガスメータからネットワークを介してガス流量を取得する流量取得部を備え、
前記第1取得部は、第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであり、
前記第2取得部は、第2計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものである、請求項1に記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項13】
前記第1取得部は、ガスメータからネットワークを介して第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであり、
前記第2取得部は、前記第1取得部が取得した第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを用いて、第2計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを演算して取得するものである、請求項1に記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項14】
前記第1取得部は、ガスメータからネットワークを介して第1計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものであり、
前記第2取得部は、ガスメータからネットワークを介して第2計測期間における前記ガスメータのガス燃料流量変化の傾きを取得するものである、請求項1に記載の燃料使用器具判別装置。
【請求項15】
流路と、
前記流路を流れる燃料流量を測定する流量測定部と、
第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第1取得部と、
前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得する第2取得部と、
前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて前記流路に接続された燃料使用器具を判別する判別部とを備える、
流量測定装置。
【請求項16】
流路と、
前記流路を流れるガス流量を測定する流量測定部と、
第1計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きを取得する第1取得部と、
前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きを取得する第2取得部と、
前記第1計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間におけるガス燃料流量変化の傾きとを用いて前記流路に接続されたガス燃料使用器具を判別する判別部とを備える、
ガスメータ。
【請求項17】
第1計測期間における燃料流量変化の傾きを取得し、
前記第1計測期間と長さが異なる第2計測期間における燃料流量変化の傾きを取得し、
前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きと前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて燃料使用器具を判別する、
燃料使用器具判別方法。
【請求項18】
前記第2計測期間は、複数の前記第1計測期間を含む期間である、請求項17記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項19】
前記判別において、複数の前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きのそれぞれと、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きとを用いて前記燃料使用器具を判別する、請求項18記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項20】
前記第2計測期間は、連続した複数の前記第1計測期間からなる、請求項18または19記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項21】
前記判別において、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する、請求項17乃至20のいずれか1項記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項22】
前記判別において、前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する、請求項17乃至20のいずれか1項記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項23】
前記判別において、前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが第1範囲に含まれているか否か、および前記第2計測期間における燃料流量変化の傾きが第2範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する、請求項17乃至20のいずれか1項記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項24】
前記第1範囲は前記第2範囲を包含する、請求項23記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項25】
前記判別部は、前記第2計測期間に含まれる全ての前記第1計測期間における燃料流量変化の傾きが、前記第1範囲に含まれているか否かに応じて前記燃料使用器具を判別する請求項17乃至20、23、24のいずれか1項記載の燃料使用器具判別方法。
【請求項26】
前記第1計測期間はいずれも長さが等しい請求項17乃至25のいずれか1項記載の燃料使用器具判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88028(P2013−88028A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228913(P2011−228913)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】