説明

燃料製造方法及び装置

【課題】水熱反応条件を決定するための予備試験が不要であり、且つ、水熱処理に投入される有機性汚泥の性状が変動した際にも対応することのできる燃料製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】燃料製造装置10は、有機性汚泥を水熱反応させることによってスラリーに改質する水熱反応装置12と、水熱反応によって得られたスラリーを脱水する脱水機16と、脱水することによって得られた固形物を乾燥させる乾燥機18と、水熱反応装置12で得られるスラリーの粘度を測定する粘度計46と、粘度の測定値に基づいて水熱反応を制御する制御装置44と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料製造方法及び装置に係り、特に下水等の有機性汚泥を水熱処理により炭化燃料を製造する燃料製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RPS法によってエネルギーの再利用が求められており、バイオマスなどの廃棄物から有効なエネルギーを回収し、燃料として再利用することが行われている。たとえば、下水等の水処理設備から発生する有機性汚泥は、450〜800℃の高温の還元雰囲気下において炭化され、有機性汚泥から酸素と水素を分離させて炭素を固定化させることによって、燃料として利用される。この方法は高温反応であるため、投入エネルギーが大きく、また、回収する炭化汚泥の灰分比率が高くなることが知られており、汚泥燃料として望ましくない。
【0003】
そこで、投入エネルギーを少なくする方法として、水熱反応を利用して有機性汚泥を炭化させる方法が開発されている。たとえば、特許文献1は、原料有機物を供給ポンプに対して最適の粘度に調整して反応処理部に移送し、350℃程度に加熱して水熱反応を行うことが記載されている。また、特許文献2は、有機性汚泥を所定含水率に調整した後、回分式反応槽に加圧スチームを吹き込むことによって160〜250℃の比較的低温域で水熱反応させる方法が記載されている。
【特許文献1】特開2000−42403号公報
【特許文献2】特開2006−61861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水熱反応を利用した従来の燃料製造方法は、小型試験器で試験をすることによって、温度、圧力、時間などの水熱処理条件を予め決定しなければならず、作業が煩雑になるという問題があった。
【0005】
また、従来の燃料製造方法は、水熱処理条件を特定の有機性汚泥に対して決定しているため、有機性汚泥の性状が変動した際に対応することができず、脱水処理や乾燥処理で最適な運転ができなくなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、水熱反応条件を決定するための予備試験が不要であり、且つ、水熱処理に投入される有機性汚泥の性状が変動した際にも対応することのできる燃料製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、有機性汚泥を水熱反応によってスラリーに改質し、該スラリーから脱水処理によって水分を除去して固形分を回収し、該回収した固形分を乾燥させて固形燃料を製造する燃料製造方法において、前記水熱反応によって得られるスラリーの粘度を測定し、該粘度の測定値に応じて、前記水熱反応を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の発明者は、水熱反応によって得られるスラリーの粘度を指標として水熱反応を制御すれば、有機性汚泥の性状に依らず、脱水後の固形分が所望の含水率になり、脱水処理、乾燥処理において最適な運転を行うことができるという知見を得た。
【0009】
請求項1の発明はこのような知見に基づいて成されたものであり、水熱反応によって得られるスラリーの粘度に基づいて水熱反応を制御するようにしたので、有機性汚泥の性状が変動した場合にも、脱水後の固形分が所望の含水率になり、脱水処理、乾燥処理において最適な運転を行うことができる。これにより、本発明は、少ない投入エネルギーで安定して固形燃料を製造することができる。
【0010】
また、請求項1の発明は、スラリーの粘度に基づいて水熱反応を制御するようにしたので、水熱反応条件を決めるための予備的な試験が不要になる。
【0011】
なお、水熱反応の制御としては、たとえば回分式の場合は、スラリーの粘度が所定値になった際に水熱反応を停止するとよい。また、連続式の場合は、反応器の出口部でのスラリーの粘度が所定値になるように、汚泥の送量や加熱温度を調節するとよい。
【0012】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記水熱反応は、前記有機性汚泥を間接的に加熱することを特徴とする。ここで、「間接的に加熱」とは、蒸気や電気炉などの熱源が有機性汚泥に直接触れないように加熱することであり、たとえば有機性汚泥の反応器を外側から蒸気等によって加熱する方法がある。
【0013】
請求項2の発明によれば、有機性汚泥を間接的に加熱するので、熱源が有機性汚泥(スラリー)に触れることによってスラリーの粘度が変化することを防止できる。したがって、スラリーの粘度を指標として水熱反応を制御することによって、脱水後の固形分の含水率を精度よく制御することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は前記目的を達成するために、有機性汚泥を水熱反応させることによってスラリーに改質する水熱反応装置と、前記水熱反応によって得られたスラリーを脱水する脱水機と、前記脱水機で脱水することによって得られた固形物を乾燥させる乾燥機と、を備えた燃料製造装置において、前記水熱反応装置で得られるスラリーの粘度を測定する粘度測定装置と、前記粘度測定装置の測定値に基づいて前記水熱反応を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は請求項1の方法を実現するための装置であり、水熱反応装置で得られるスラリーの粘度を測定し、この粘度の測定値に基づいて水熱反応を制御するので、有機性汚泥の性状が変動した場合にも、脱水後に所望の含水率の固形分を得ることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は請求項3の発明において、前記水熱反応装置は前記有機性汚泥を連続的に水熱反応処理する連続式反応器を備え、該連続式反応器の少なくとも出口部に前記粘度測定装置が設けられるとともに、前記制御装置は、前記粘度測定装置の測定値に基づいて前記連続式反応器に有機性汚泥を供給するポンプを制御することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明によれば、連続式反応器の出口部でスラリーの粘度を測定し、その測定値に基づいてポンプ(すなわち有機性汚泥の供給速度)を制御するので、連続式反応器の出口部におけるスラリーの粘度を所定値(又は所定範囲)に制御することができる。したがって、有機性汚泥の性状が変動した場合であっても、水熱反応直後のスラリーの粘度が常に一定になり、脱水後の固形分を所望の含水率に制御することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は請求項3の発明において、前記水熱反応装置は前記有機性汚泥を回分式に処理する回分式反応器を備え、該回分式反応器の内部に前記粘度測定装置が設けられるとともに、前記制御装置は前記粘度測定装置の測定値に基づいて前記回分式反応器での水熱反応を停止させることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明によれば、回分式反応器内のスラリーの粘度に基づいて水熱反応を停止させるので、水熱反応直後のスラリーの粘度を常に所定値に制御することができる。したがって、有機性汚泥の性状が変動した場合であっても、水熱反応後のスラリーの粘度が常に一定になり、脱水後の固形分を所望の含水率に制御することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、水熱反応によって得られるスラリーの粘度に基づいて水熱反応を制御するようにしたので、有機性汚泥の性状が変動した場合にも、脱水後の固形分が所望の含水率になり、投入エネルギーの面で最適な運転をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下添付図面に従って本発明に係る燃料製造方法及び装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、第1の実施形態の燃料製造装置を模式的に示す構成図である。同図に示すように、燃料製造装置10は主として、水熱反応装置12、熱交換器14、脱水機16、乾燥機18によって構成される。
【0023】
水熱反応装置12に投入される有機性汚泥(以下、単に汚泥という)は、不図示の脱水機によって予め脱水される。その際の汚泥の含水率は、小さいほど投入エネルギーを減らすことができるので好ましいが、含水率が小さすぎると粘度が高くなって汚泥の圧送が難しくなるため、80〜85%程度が好ましい。なお、本実施形態では、脱水された汚泥を水熱反応装置12に投入するようにしたが、濃縮汚泥を投入するようにしてもよい。また、汚泥に夾雑物がある場合は、バルブ等にからんで閉塞の可能性があるため、除去する機構を設けることが好ましい。
【0024】
脱水汚泥は、高圧ポンプ20によって押し出される。高圧ポンプ20は、配管22を介して水熱反応装置12に接続されており、配管22には高圧バルブ24が配設される。
【0025】
水熱反応装置12は、汚泥を加熱して水熱反応させることによりスラリー状に改質させる装置であり、汚泥を貯留する回分式反応器26と、この回分式反応器26の外側を覆うジャケット28とで構成される。
【0026】
ジャケット28には不図示のボイラーが接続され、このボイラーより発生させた過熱蒸気がジャケット28に導入されてドレンとして排出される。これにより、ジャケット28に覆われた回分式反応器26内の汚泥を間接的に加熱することができる。
【0027】
回分式反応器26の上端部には前述の配管22が接続されており、高圧バルブ24を開くことによって汚泥が回分式反応器26内に貯留される。また、回分式反応器26の下端部には、高圧バルブ32が配設された配管30が接続されており、高圧バルブ32を開くことによって回分式反応器26から汚泥スラリーが排出される。配管30は、熱交換器14に接続されており、回分式反応器26から排出された汚泥スラリーが熱交換器14に送られる。
【0028】
熱交換器14は、スラリーから熱を回収するとともに、スラリーを冷却する装置であり、スラリーは例えば100℃以下(常圧)まで冷却される。スラリーから回収した熱は、後述の乾燥機18に供給したり、水熱反応装置12の前段に予熱装置を設けてこの予熱装置に供給したりするとよい。熱交換器14は、配管34を介して脱水機16に接続されており、熱交換器14で冷却されたスラリーが脱水機16に送られる。なお、配管34には、高圧バルブ36が配設される。
【0029】
脱水機16は、汚泥スラリーを脱水し、固形分と脱離水とに分離する装置であり、たとえば遠心脱水(2500G)と一般的なものが使用される。この脱水機16によって含水率50〜60%程度の固形分が得られ、その固形分は、配管38を介して乾燥機18に送られる。乾燥機18は、固形分を乾燥させて水分を除去する装置であり、この乾燥機18において固形分は含水率10%程度まで乾燥処理される。これにより、固形燃料が得られる。
【0030】
なお、脱水機16で分離した脱離水を、酸性下(たとえばpHが4以下、好ましくは2.5〜3.5)で酸性凝集させたり、脱離水に凝集剤を添加して凝集させたりし、その凝集物を脱水して乾燥させることによって、固形燃料を得るようにしてもよい。
【0031】
図2は、第1の実施形態の水熱反応装置12の構成を示す模式図である。同図に示すように、回分式反応器26の内部には、複数の熱電対40A、40A…が回分式反応器26の高さ方向に一定の間隔で配設されており、これらの熱電対40A、40A…を有する温度計40によって、回分式反応器26内の温度が測定される。温度計40は、ジャケット28の温度管理装置(不図示)に接続されており、温度計40の測定値が140〜200℃(好ましくは160〜180℃)になるように、ジャケット28への蒸気の供給量や供給温度が制御される。
【0032】
また、回分式反応器26内の上部は圧力計42が設けられており、この圧力計42によって回分式反応器26内の圧力が測定される。圧力計42の測定値は後述の制御装置44によって監視され、たとえば回分式反応器26内が飽和水蒸気圧以上〜5MPa以下になるように制御される。
【0033】
さらに、回分式反応器26内の下部には、粘度計46が設けられており、この粘度計46によって回分式反応器26内の汚泥スラリーの粘度が測定される。なお、粘度計46は、連続的に粘度を測定できるものが好ましい。
【0034】
粘度計46は制御装置44に接続され、粘度計46の測定値のデータが制御装置44に送信される。制御装置44は、粘度計46の測定値に基づいて高圧バルブ24、32の開閉を制御する。たとえば、粘度計46の測定値が所定値(400mPa/S以下、好ましくは10mPa/S以下)になった際に、二つの高圧バルブ24、32を開き、水熱反応を終了させる。
【0035】
次に上記の如く構成された燃料製造装置10の作用について説明する。
【0036】
まず、高圧バルブ24を開き、高圧バルブ32を閉じるとともに、高圧ポンプ20を駆動する。これにより、水熱反応装置12の回分式反応器26の内部に汚泥が貯留される。そして、所定量の汚泥が充填された後、ジャケット28に過熱水蒸気を導入し、回分式反応器26内の汚泥を加熱する。その際、回分式反応器26の内部は所定の温度(140〜200℃)、所定の圧力(飽和水蒸気圧以上)に制御される。これにより、回分式反応器26内の汚泥が水熱反応によってスラリー状に改質される。
【0037】
水熱反応を行っている間、汚泥スラリーの粘度が監視され、所定の粘度(400mPa/S)まで低下した際に、高圧バルブ32を開いて汚泥スラリーを熱交換器14に移送する。このとき、高圧バルブ24も同時に開くことによって水熱反応装置12の回分式反応器26に汚泥を再充填するとよい。また、再充填時は回分式反応器26の温度を保つため、過熱蒸気を注入したまま行うようにしてもよい。
【0038】
熱交換器14に送られた汚泥スラリーは冷却され、脱水機16に送られる。そして、脱水機16で脱水された後の固形分が乾燥機18に送られて乾燥され、固形燃料が得られる。
【0039】
ところで、脱水機16で脱水した際の脱水率(元々の存在水量に対する汚泥からの脱水量)は、水熱反応後の汚泥スラリーの粘度に依存している。図3は、水熱反応後の汚泥スラリーの粘度と脱水機16で脱水した際の脱水率との関係を示している。
【0040】
同図に示すように、粘度が400mPa/S以下になると、汚泥の脱水が確認され、反対に粘度が400mPa/Sを超える場合は、汚泥スラリーを脱水処理しても効果がない。また、粘度が10mPa/S以下の時には脱水率が60%を超え、特に脱水効果が高いことが分かる。
【0041】
以上の結果から、脱水機16において確実に脱水を行うには、水熱反応後のスラリーの粘度を400mPa/S以下、好ましくは10mPa/S以下に制御する必要があることが分かる。換言すると、水熱反応によって得られる汚泥スラリーの粘度をコントロールすれば、水熱反応装置12に投入される汚泥の性状に依らず、脱水後の固形分の含水率をコントロールできることが分かる。
【0042】
本実施の形態では、水熱反応装置12の回分式反応器26に粘度計46を設け、この粘度計46の測定値が所定値に達した際に水熱反応を停止させている。したがって、水熱反応直後の汚泥スラリーの粘度は確実に所定値にコントロールされるので、脱水後の固形分は常に一定の含水率にコントロールされる。したがって、本実施の形態によれば、脱水処理、乾燥処理において常に最適な条件で運転を行うことができ、少ない投入エネルギーで安定して固形燃料を製造することができる。
【0043】
なお、上述した第1の実施形態において、回分式反応器26に攪拌手段を設けてもよい。図4に示す水熱反応装置12は、回分式反応器26の内部に攪拌翼50が設けられ、この攪拌翼50を回転させるモータ52が回分式反応器26の上部に設けられる。汚泥供給用の配管22は、回分式反応器26の側面に接続され、側面側から汚泥が投入される。このように構成された水熱反応装置12は、回分式反応器26内の汚泥を攪拌することができるので、ジャケット28からの熱を、回分式反応器26内の汚泥に均等且つ迅速に伝達することができる。したがって、汚泥の水熱反応を回分式反応器26内で均等に安定して行うことができる。
【0044】
図5は第2の実施形態の水熱反応装置54を示している。同図に示す第2の実施形態の水熱反応装置54は、円筒状の連続式反応器56を有し、この連続式反応器56の下端に供給側の配管22が接続され、上端に排出側の配管30が接続される。したがって、汚泥が連続式反応器56の下端から供給され、上端から排出される。
【0045】
連続式反応器56の内部には、汚泥の流れ方向に沿って複数箇所で測定を行う圧力計及び温度計58が設けられており、連続式反応器56内の圧力及び圧力勾配、温度及び温度勾配を測定できるようになっている。
【0046】
また、連続式反応器56の内部には、汚泥の流れ方向に沿って複数箇所で粘度を測定する粘度計46が設けられており、この粘度計46で連続式反応器56内の粘度及び粘度勾配が測定される。粘度計46は制御装置44に接続されており、制御装置44は、高圧ポンプ20に接続される。制御装置44は、粘度計46の測定値に基づいて高圧ポンプ20の回転数(すなわち、汚泥の送量)を制御するように構成されている。具体的には、連続式反応器56の最上部(すなわち、出口部付近)の粘度が所定値(400mPa/S以下、好ましくは10mPa/S以下)になるように高圧ポンプ20を制御する。たとえば最上部での粘度が所定値よりも大きい場合には高圧ポンプ20の送量を小さくし、連続式反応器56内での汚泥の滞留時間が増えるようにする。反対に、最上部での粘度が所定値よりも小さい場合には、高圧ポンプ20の送量を大きくし、連続式反応器56内での汚泥の滞留時間が減るようにする。これにより、連続式反応器56から排出される汚泥スラリーの粘度が所定値にコントロールされる。
【0047】
なお、最上部での粘度に基づいて制御するだけでなく、その他の測定箇所の粘度に基づいて最上部での粘度変動を予測して制御するようにしてもよい。また、高圧ポンプ20の送量を制御する代わりに、ジャケット28での加熱条件(加熱温度など)を変えるようにしてもよい。
【0048】
上記の如く構成された第2の実施形態によれば、連続式反応器56から排出される汚泥スラリーが常に所定値に制御されるので、脱水後の固形分は所望の含水率に制御される。したがって、脱水処理、乾燥処理において最適な条件で運転することができ、少ない投入エネルギーで安定して固形燃料を製造することができる。
【0049】
なお、上述した第2の実施形態は、連続式反応器56を縦置きにしたが、横置きにしてもよい。この場合にも連続式反応器56の出口部での粘度が所定値になるように制御することによって、脱水後の固形分を所定の含水率に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る燃料製造装置を模式的に示す構成図
【図2】第1の実施形態の水熱反応装置を模式的に示す構成図
【図3】汚泥スラリーの粘度と脱水率との関係を示す図
【図4】図2と異なる水熱反応装置を模式的に示す構成図
【図5】第2の実施形態の水熱反応装置を模式的に示す構成図
【符号の説明】
【0051】
10…燃料製造装置、12…水熱反応装置、14…熱交換器、16…脱水機、18…乾燥機、20…高圧ポンプ、22…配管、24…高圧バルブ、26…回分式反応器、28…ジャケット、30…配管、32…高圧バルブ、34…配管、36…高圧バルブ、38…配管、40…温度計、42…圧力計、44…制御装置、46…粘度計、50…攪拌翼、52…モータ、54…水熱反応装置、56…連続式反応器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性汚泥を水熱反応によってスラリーに改質し、該スラリーから脱水処理によって水分を除去して固形分を回収し、該回収した固形分を乾燥させて固形燃料を製造する燃料製造方法において、
前記水熱反応によって得られるスラリーの粘度を測定し、該粘度の測定値に応じて、前記水熱反応を制御することを特徴とする燃料製造方法。
【請求項2】
前記水熱反応は、前記有機性汚泥を間接的に加熱することを特徴とする請求項1に記載の燃料製造方法。
【請求項3】
有機性汚泥を水熱反応させることによってスラリーに改質する水熱反応装置と、前記水熱反応によって得られたスラリーを脱水する脱水機と、前記脱水機で脱水することによって得られた固形物を乾燥させる乾燥機と、を備えた燃料製造装置において、
前記水熱反応装置で得られるスラリーの粘度を測定する粘度測定装置と、
前記粘度測定装置の測定値に基づいて前記水熱反応を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする燃料製造装置。
【請求項4】
前記水熱反応装置は前記有機性汚泥を連続的に水熱反応処理する連続式反応器を備え、
該連続式反応器の少なくとも出口部に前記粘度測定装置が設けられるとともに、
前記制御装置は、前記粘度測定装置の測定値に基づいて前記連続式反応器に有機性汚泥を供給するポンプを制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料製造装置。
【請求項5】
前記水熱反応装置は前記有機性汚泥を回分式に処理する回分式反応器を備え、
該回分式反応器の内部に前記粘度測定装置が設けられるとともに、
前記制御装置は前記粘度測定装置の測定値に基づいて前記回分式反応器での水熱反応を停止させることを特徴とする請求項3に記載の燃料製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−67872(P2009−67872A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236984(P2007−236984)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】