説明

燃料電池の電力変換装置

【課題】系統電圧の歪みが大きい場合において、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を出力する燃料電池の電力変換装置を提供する。
【解決手段】系統2の電圧高調波成分を検出する電圧高調波検出手段55を備え、電圧高調波検出手段55から検出される高調波成分値から、系統2の電圧歪みが増加したことを検知した場合、電流制御ループ演算手段53のフィードバック制御のゲインを可変とすることにより、燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池により発電した直流電力を商用電力系統に連系可能な交流電力に変換して家庭内負荷に電力供給する電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の燃料電池の電力変換装置としては、特許文献1に開示された燃料電池の電力変換装置があった。
【0003】
以下、図19、図20を参照しながら従来の燃料電池の電力変換装置について説明する。
【0004】
図19に示すように、従来の燃料電池の電力変換装置は、水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流を発電する燃料電池本体1から直流電力を入力し、50Hzまたは60Hzの交流に変換して系統2に交流電力を供給している。
【0005】
燃料電池の電力変換装置は、入力電圧Vinを昇圧する昇圧コンバータ回路3と、出力電流を正弦波に波形成形するインバータ回路4とを備え、系統2に接続されている。
【0006】
昇圧コンバータ回路3は、入力電圧を平滑する平滑コンデンサ31、パワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ構成のコンバータ回路32と、コンバータ回路32の出力に一次側を接続された高周波昇圧トランス33と、高周波昇圧トランス33の二次側に接続された整流回路34で構成されている。
【0007】
インバータ回路4は、パワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ回路41を構成し、その出力がフィルタ42を介して系統2に接続されている。
【0008】
インバータ回路4を制御する制御部5は、
インバータ回路4が系統2に出力する交流電流値を検出する電流検出手段51と、インバータ回路4が系統2に出力する正弦波の交流電流指令値を指定する交流電流指令手段52と、電流検出手段51から検出される交流電流値と、交流電流指令手段52が指定する交流電流指令値との差から比例・積分を実行する電流制御ループ演算手段53と、
電流制御ループ演算手段53の出力値を入力として、インバータ回路4を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段54とを備え、交流電流を電力変換装置の出力として系統2に連系されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−152647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の構成では、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の演算結果で、PWM制御手段は一定周波数の三角波と基準波との比較でパワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ回路のオンオフ時間を決定して、交流電流を出力する。そのため、系統電圧の歪みが大きい場合や、系統負荷にコンデンサ等のインピーダンスの低い負荷が接続され系統電流の歪が大きい場合において、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することが困難で
あった。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を出力する燃料電池の電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池の電力変換装置は、水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流電力を発電する燃料電池本体と、前記発電した直流電力を入力とし系統に連系可能な交流に変換するインバータ回路と、前記系統の電圧高調波成分を検出する電圧高調波検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流値を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流指令値を指定する交流電流指令手段と、前記電流検出手段から検出される前記交流電流値と、前記交流電流指令手段が指定する前記交流電流指令値によりフィードバック制御を実行する電流制御ループ演算手段と、前記電流制御ループ演算手段の出力値を入力として、前記インバータ回路を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段とを備え、
前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とするように構成されている。
【0013】
これによって、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の燃料電池の電力変換装置は、系統電圧の歪みが大きい場合、もしくは、系統負荷にコンデサ等のインピーダンスの低い負荷が接続され系統電流の歪が大きい場合において、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができる。そのため、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図3】電力変換装置の出力波形図
【図4】本発明の実施の形態2における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図7】本発明の実施の形態3におけるフローチャート
【図8】本発明の実施の形態4における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図9】本発明の実施の形態4におけるフローチャート
【図10】本発明の実施の形態5における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図11】本発明の実施の形態5におけるフローチャート
【図12】電力変換装置の出力波形図
【図13】本発明の実施の形態6における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図14】本発明の実施の形態6におけるフローチャート
【図15】本発明の実施の形態7における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図16】本発明の実施の形態7におけるフローチャート
【図17】本発明の実施の形態8における燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図18】本発明の実施の形態8におけるフローチャート
【図19】従来の燃料電池の電力変換装置のブロック図
【図20】従来の燃料電池の電力変換装置におけるフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流電力を発電する燃料電池本体と、前記発電した直流電力を入力とし系統に連系可能な交流に変換するインバータ回路と、前記系統の電圧高調波成分を検出する電圧高調波検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流値を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流指令値を指定する交流電流指令手段と、前記電流検出手段から検出される前記交流電流値と、前記交流電流指令手段が指定する前記交流電流指令値によりフィードバック制御を実行する電流制御ループ演算手段と、前記電流制御ループ演算手段の出力値を入力として、前記インバータ回路を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段とを備え、
前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする燃料電池の電力変換装置である。
【0017】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の電力変換装置は、前記系統の交流電圧位相を検出する電圧位相検出手段をさらに有し、前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電圧位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする構成であってもよい。
【0019】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の電力変換装置は、前記系統の交流電圧位相を検出する電圧位相検出手段をさらに有し、前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電圧位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御の積分項を更新しない構成であってもよい。
【0021】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明の電力変換装置は、前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記交流電流指令手段が指定
する前記交流電流指令値を小さくする構成であってもよい。
【0023】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の電力変換装置は、前記系統電圧のひずみ率を、前記系統電圧の総合ひずみ率として測定する構成であってもよい。
【0025】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明の電力変換装置は、前記系統電圧の総合ひずみ率の所定値を5%以上になった場合とする構成であってもよい。
【0027】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明の電力変換装置は、前記系統電圧のひずみ率を、前記系統電圧の各次調波ひずみ率として測定する構成であってもよい。
【0029】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0030】
また、本発明の電力変換装置は、前記系統電圧の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合とする構成であってもよい。
【0031】
上記構成において、制御手段は、系統電圧の歪みが大きい場合において、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0032】
また、本発明は、水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流電力を発電する燃料電池本体と、前記発電した直流電力を入力とし系統に連系可能な交流に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流の電流高調波成分を検出する電流高調波検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流値を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流指令値を指定する交流電流指令手段と、前記電流検出手段から検出される前記交流電流値と、前記交流電流指令
手段が指定する前記交流電流指令値によりフィードバック制御を実行する電流制御ループ演算手段と、前記電流制御ループ演算手段の出力値を入力として、前記インバータ回路を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段とを備え、
前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする燃料電池の電力変換装置である。
【0033】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、本発明の電力変換装置は、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流位相を検出する電流位相検出手段をさらに有し、前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電流位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする構成であってもよい。
【0035】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0036】
また、本発明の電力変換装置は、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流位相を検出する電流位相検出手段をさらに有し、前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電流位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御の積分項を更新しない構成であってもよい。
【0037】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0038】
また、本発明の電力変換装置は、前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記交流電流指令手段が指定する前記交流電流指令値を小さくする構成であってもよい。
【0039】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、本発明の電力変換装置は、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率を、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の総合ひずみ率として測定する構成であってもよい。
【0041】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0042】
また、本発明の電力変換装置は、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の総合ひずみ率の所定値を5%以上になった場合とする構成であってもよい。
【0043】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0044】
また、本発明の電力変換装置は、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率を、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率として測定する構成であってもよい。
【0045】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0046】
また、本発明の電力変換装置は、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合とする構成であってもよい。
【0047】
上記構成において、制御手段は、系統電流の歪が大きい場合において出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段の出力がオーバーシュートしなくなる。そのため、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0048】
以下、本発明の燃料電池の電力変換装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0049】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図2は、本発明の実施の形態1におけるフローチャートである。
【0050】
図1に示すように、水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流を発電する燃料電池本体1から直流電力を入力し、50Hzまたは60Hzの交流に変換して系統2に交流電力を供給している。
【0051】
燃料電池の電力変換装置は、入力電圧Vinを昇圧する昇圧コンバータ回路3と、出力
電流を正弦波に波形成形するインバータ回路4とを備え、系統2に接続されている。
【0052】
昇圧コンバータ回路3は、入力電圧を平滑する平滑コンデンサ31、パワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ構成のコンバータ回路32と、コンバータ回路32の出力に一次側を接続された高周波昇圧トランス33と、高周波昇圧トランス33の二次側に接続された整流回路34で構成されている。
【0053】
インバータ回路4は、パワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ回路41を構成し、その出力がフィルタ42を介して系統2に接続されている。
【0054】
インバータ回路4を制御する制御部5は、インバータ回路4が系統2に出力する交流電流値を検出する電流検出手段51と、インバータ回路4が系統2に出力する正弦波の交流電流指令値を指定する交流電流指令手段52と、電流検出手段51から検出される交流電流値と、交流電流指令手段52が指定する交流電流指令値との差から比例・積分を実行する電流制御ループ演算手段53と、電流制御ループ演算手段53の出力値を入力として、インバータ回路4を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段54とを備え、交流電流を電力変換装置の出力として系統2に連系されている。
【0055】
図3は、系統2の電圧歪みが大きい場合の系統電圧波形である。
【0056】
制御部5は、さらに、前記系統2の電圧高調波成分を検出する電圧高調波検出手段55を備え、前記電圧高調波検出手段55から検出される高調波成分値から、前記系統2の電圧歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記系統電圧の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記系統電圧の各次調波ひずみ率が3%以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段53の比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方を可変とすることにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0057】
以上のように本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0058】
なお、この実施の形態においては、フィードバック制御としてPI制御(比例・積分)で説明したが、ほかのI−P制御、PID制御(比例・積分・微分)、I−PD制御等でも同等の効果を有することが出来る。
【0059】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図5は、本発明の実施の形態2におけるフローチャートである。
【0060】
なお、実施の形態1と同一ものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
制御部5は、さらに、前記系統2の交流電圧位相を検出する電圧位相検出手段56を備える。制御部5は、前記電圧高調波検出手段55から検出される高調波成分値から、前記系統2の電圧歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記系統電圧の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記系統電圧の各次調波ひずみ率が3%以上になった場合、前記系統2の交流電圧位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段53の比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方を可変とする。これにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0062】
以上のように、本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0063】
なお、この実施の形態においては、フィードバック制御としてPI制御(比例・積分)で説明したが、ほかのI−P制御、PID制御(比例・積分・微分)、I−PD制御等でも同等の効果を有することが出来る。
【0064】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図7は、本発明の実施の形態3におけるフローチャートである。
【0065】
なお、実施の形態1と同一ものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0066】
制御部5は、さらに、前記系統2の交流電圧位相を検出する電圧位相検出手段56を備え、前記電圧高調波検出手段55から検出される高調波成分値から、前記系統2の電圧歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記系統電圧の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記系統電圧の各次調波ひずみ率が3%以上になった場合、前記系統2の交流電圧位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段53のフィードバック制御の積分項を更新しないことにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0067】
以上のように、本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0068】
なお、この実施の形態においては、フィードバック制御としてPI制御(比例・積分)で説明したが、ほかのI−P制御、PID制御(比例・積分・微分)、I−PD制御等でも同等の効果を有することが出来る。
【0069】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図9は、本発明の実施の形態4におけるフローチャートである。
【0070】
なお、実施の形態1と同一ものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
制御部5は、前記電圧高調波検出手段55から検出される高調波成分値から、前記系統2の電圧歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記系統電圧の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記系統電圧の各次調波ひずみ率が3%以上になった場合、前記交流電流指令手段52が指定する前記交流電流指令値を小さくすることにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0072】
以上のように、本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0073】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図11は、本発明の実施の形態5におけるフローチャートである。
【0074】
図10に示すように、水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流を発電する燃料電池本体1から直流電力を入力し、50Hzまたは60Hzの交流に変換して系統2に交流電力を供給している。
【0075】
燃料電池の電力変換装置は、入力電圧Vinを昇圧する昇圧コンバータ回路3と、出力電流を正弦波に波形成形するインバータ回路4とを備え、系統2に接続されている。
【0076】
昇圧コンバータ回路3は、入力電圧を平滑する平滑コンデンサ31、パワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ構成のコンバータ回路32と、コンバータ回路32の出力に一次側を接続された高周波昇圧トランス33と、高周波昇圧トランス33の二次側に接続された整流回路34で構成されている。
【0077】
インバータ回路4は、パワー・スイッチング素子を4石使用したHブリッジ回路41を構成し、その出力がフィルタ42を介して系統2に接続されている。
【0078】
インバータ回路4を制御する制御部5は、インバータ回路4が系統2に出力する交流電流値を検出する電流検出手段51と、インバータ回路4が系統2に出力する正弦波の交流電流指令値を指定する交流電流指令手段52と、電流検出手段51から検出される交流電流値と、交流電流指令手段52が指定する交流電流指令値との差から比例・積分を実行する電流制御ループ演算手段53と、電流制御ループ演算手段53の出力値を入力として、インバータ回路4を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段54とを備え、交流電流を電力変換装置の出力として系統2に連系されている。
【0079】
図12は、系統2の電流歪みが大きい場合の系統電流波形である。
【0080】
制御部5は、さらに、前記インバータ回路4が前記系統2に出力する交流電流の電流高調波成分を検出する電流高調波検出手段57を備え、前記電流高調波検出手段57から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段53の比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方を可変とすることにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0081】
以上のように本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0082】
なお、この実施の形態においては、フィードバック制御としてPI制御(比例・積分)で説明したが、ほかのI−P制御、PID制御(比例・積分・微分)、I−PD制御等でも同等の効果を有することが出来る。
【0083】
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図14は、本発明の実施の形態6におけるフローチャートである。
【0084】
なお、実施の形態2と同一ものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
制御部5は、さらに、前記系統2の交流電流位相を検出する電流位相検出手段58を備え、前記電流高調波検出手段57から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合、前記系統2の交流電流位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段53の比例ゲイン及び積分ゲインの少なくとも一方を可変とすることにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0086】
以上のように本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0087】
なお、この実施の形態においては、フィードバック制御としてPI制御(比例・積分)で説明したが、ほかのI−P制御、PID制御(比例・積分・微分)、I−PD制御等でも同等の効果を有することが出来る。
【0088】
(実施の形態7)
図15は、本発明の実施の形態7における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図16は、本発明の実施の形態7におけるフローチャートである。
【0089】
なお、実施の形態2と同一ものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0090】
制御部5は、さらに、前記系統2の交流電流位相を検出する電流位相検出手段58を備え、前記電流高調波検出手段57から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合、前記系統2の交流電流位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段53のフィードバック制御の積分項を更新しないことにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0091】
以上のように、本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【0092】
なお、この実施の形態においては、フィードバック制御としてPI制御(比例・積分)で説明したが、ほかのI−P制御、PID制御(比例・積分・微分)、I−PD制御等でも同等の効果を有することが出来る。
【0093】
(実施の形態8)
図17は、本発明の実施の形態8における燃料電池の電力変換装置のブロック図を示すものである。図18は、本発明の実施の形態8におけるフローチャートである。
【0094】
なお、実施の形態2と同一ものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0095】
制御部5は、前記電流高調波検出手段57から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流歪みが所定値以上になった場合、たとえば前記インバータ回路4が前記系統2に出力する電流の総合ひずみ率が5%以上になった場合、もしくは、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合、前記交流電流指令手段52が指定する前記交流電流指令値を小さくすることにより、出力交流電流を検出して正弦波の交流電流指令値と比較するフィードバック制御の電流制御ループ演算手段53の出力がオーバーシュートしなくなる。
【0096】
以上のように、本実施の形態の燃料電池の電力変換装置は、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することができ、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明の燃料電池の電力変換装置は、系統電圧の歪みが大きい場合、もしくは、系統負荷にコンデサ等のインピーダンスの低い負荷が接続され系統電流の歪が大きい場合において、安定な制御を行なって歪みの少ない交流電流を電力変換装置の出力することが可能となるので、燃料電池を安定に動作させることでき、システムの信頼性を向上させることが出来るきわめて有用なものである。
【符号の説明】
【0098】
1 燃料電池本体
2 系統
3 昇圧コンバータ回路
4 インバータ回路
5 制御部
31 平滑コンデンサ
32 コンバータ回路
33 高周波昇圧トランス
34 整流回路
41 Hブリッジ回路
42 フィルタ
51 電流検出手段
52 交流電流指令手段
53 電流制御ループ演算手段
54 PWM制御手段
55 電圧高調波検出手段
56 電圧位相検出手段
57 電流高調波検出手段
58 電流位相検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流電力を発電する燃料電池本体と、
前記発電した直流電力を入力とし系統に連系可能な交流に変換するインバータ回路と、
前記系統の電圧高調波成分を検出する電圧高調波検出手段と、
前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流値を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流指令値を指定する交流電流指令手段と、
前記電流検出手段から検出される前記交流電流値と、前記交流電流指令手段が指定する前記交流電流指令値によりフィードバック制御を実行する電流制御ループ演算手段と、
前記電流制御ループ演算手段の出力値を入力として、前記インバータ回路を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段とを備え、
前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする、燃料電池の電力変換装置。
【請求項2】
前記系統の交流電圧位相を検出する電圧位相検出手段をさらに有し、
前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電圧位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする、請求項1に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項3】
前記系統の交流電圧位相を検出する電圧位相検出手段をさらに有し、
前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電圧位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御の積分項を更新しない、請求項1に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項4】
前記電圧高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記系統電圧のひずみ率が所定値以上になった場合、前記交流電流指令手段が指定する前記交流電流指令値を小さくする、請求項1に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項5】
前記系統電圧のひずみ率を、前記系統電圧の総合ひずみ率として測定する、請求項1〜4に記載のいずれか1項に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項6】
前記系統電圧の総合ひずみ率の所定値を5%以上になった場合とする、請求項5に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項7】
前記系統電圧のひずみ率を、前記系統電圧の各次調波ひずみ率として測定する、請求項1〜4に記載のいずれか1項に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項8】
前記系統電圧の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合とする、請求項7に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項9】
水素を主体とする燃料ガスと酸素とから直流電力を発電する燃料電池本体と、
前記発電した直流電力を入力とし系統に連系可能な交流に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流の電流高調波成分を検出する電流高調波検出手段と、
前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流値を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流指令値を指定する交流電流指令手段と、
前記電流検出手段から検出される前記交流電流値と、前記交流電流指令手段が指定する
前記交流電流指令値によりフィードバック制御を実行する電流制御ループ演算手段と、
前記電流制御ループ演算手段の出力値を入力として、前記インバータ回路を駆動するPWM信号を出力するPWM制御手段とを備え、
前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする、燃料電池の電力変換装置。
【請求項10】
前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流位相を検出する電流位相検出手段をさらに有し、
前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電流位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御のゲインを可変とする、請求項5に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項11】
前記インバータ回路が前記系統に出力する交流電流位相を検出する電流位相検出手段をさらに有し、
前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記系統の交流電流位相が90度及び270度から所定範囲内において、前記電流制御ループ演算手段のフィードバック制御の積分項を更新しない、請求項5に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項12】
前記電流高調波検出手段から検出される高調波成分値から、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率が所定値以上になった場合、前記交流電流指令手段が指定する前記交流電流指令値を小さくする、請求項9に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項13】
前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率を、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の総合ひずみ率として測定する、請求項9〜12に記載のいずれか1項に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項14】
前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の総合ひずみ率の所定値を5%以上になった場合とする、請求項13に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項15】
前記インバータ回路が前記系統に出力する電流のひずみ率を、前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率として測定する、請求項9〜12に記載のいずれか1項に記載の燃料電池の電力変換装置。
【請求項16】
前記インバータ回路が前記系統に出力する電流の各次調波ひずみ率の所定値を3%以上になった場合とする、請求項15に記載の燃料電池の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−59224(P2013−59224A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196829(P2011−196829)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】