説明

燃料電池システム

【課題】 低温起動時に燃料電池を発電可能とした燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池1と、燃料電池1に水素を供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池1に空気を供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池1に供給する空気を冷却液で熱交換させて冷却するアフタークーラー7と、燃料電池1へ供給する空気の温度を検出する酸化剤ガス温度検出手段16,17と、起動時に冷却液温度が所定温度以下の場合には、冷却液の循環を停止する冷却液循環制御手段21とを備え、上記所定温度は、燃料電池が発電可能となる供給酸化剤ガス温度以上の値とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素等の燃料ガスおよび空気等の酸化剤ガスの供給により発電する燃料電池を備えた燃料電池システムにおける燃料電池の低温起動制御を改良した燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料電池システムにおける燃料電池の低温起動制御手法としては、例えば、特開2003−208914号公報に開示の「自動車用燃料電池の急速余熱のためのシステム及び方法」がある。この従来の燃料電池システムは、補助熱源や複雑な制御システムを必要とせずに、冷間始動または低温状態での車両の燃料電池スタックを選択的かつ迅速に余熱可能としたもので、低温起動時にコンプレッサで空気を加圧して昇温し、燃料電池への供給空気温度を高めて発電を促進させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−208914号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された低温起動制御手法にあっては、低温起動時に空気アフタークーラーを循環する冷却液が冷えていると、空気アフタークーラーで空気と冷たい冷却液とが熱交換されて、燃料電池への供給空気温度が下がり、電解質膜の湿潤水が凍って発電が困難となるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、供給空気が冷えないようにアフタークーラーの冷却液循環タイミングや流量を制御して、低温起動時に燃料電池を発電可能とする燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するため、本発明は、システム起動時に冷却液温度が、燃料電池が発電可能となる供給酸化剤ガス温度以上の温度以下の場合には、冷却液の循環を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る燃料電池システムでは、システム起動時に冷却液温度が、燃料電池が発電可能となる供給酸化剤ガス温度以上の温度以下の場合には、冷却液の循環が停止される。これにより、供給酸化剤ガスが冷えないようにアフタークーラーの冷却液の循環が制御されて、低温起動時に燃料電池を発電可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態1に係る燃料電池システムの構成図である。
【図2】実施形態1の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図3】実施形態1の燃料電池1の低温起動制御時の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】本発明の実施形態2に係る燃料電池システムの構成図である。
【図5】実施形態2の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】実施形態2の冷却系部品の温度上昇抑制可能時間特性を説明する説明図である。
【図7】実施形態2の燃料電池1の低温起動制御時の動作を説明するタイムチャートである。
【図8】本発明の実施形態3に係る燃料電池システムの構成図である。
【図9】実施形態3の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】実施形態3の燃料電池1の低温起動制御時の動作を説明するタイムチャートである。
【図11】本発明の実施形態4に係る燃料電池システムの構成図である。
【図12】実施形態4の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態5に係る燃料電池システムの構成図である。
【図14】実施形態5の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の燃料電池システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る燃料電池システムの構成図である。本実施形態の燃料電池システムは、図1に示すように、水素および空気の供給により発電を行う燃料電池1と、燃料電池1が発電する電力を取り出して管理するパワーマネージャー15とを備える。
【0011】
また、水素供給系として、水素タンク10、減圧弁11、水素調圧弁12、エゼクタ13およびパージ弁14を備え、空気供給系として、コンプレッサ8、アフタークーラー7および空気調圧弁9を備え、燃料電池1の冷却系として、ポンプ2、ラジエタ3、ラジエタファン4および三方弁5を備え、パワーマネージャー15の冷却系として、ラジエタ3、ラジエタファン4、ポンプ6およびアフタークーラー7を備えた構成である。さらに、冷却液循環制御系として、酸化剤ガス温度検出手段に該当するコンプレッサ出口空気温度センサ16および燃料電池入口空気温度センサ17並びに冷却液循環制御手段21aを備えている。
【0012】
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給される燃料極と酸化剤ガスである空気が供給される酸化剤極とが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されると共に、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。アノードに水素ガスが、カソードに空気が供給され、以下に示す電極反応が進行され、電力が発電される。
【0013】
(化1)
アノード(水素極):H→2H+2e (1)
カソード(酸素極):2H+2e+(1/2)O→HO (2)
アノードへの水素供給は、水素タンク10から減圧弁11および水素調圧弁12を通じてなされる。水素タンクから供給される高圧水素は、減圧弁11で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素調圧弁12で燃料電池での水素圧力が所望の水素圧に制御される。
【0014】
またエゼクタ13は、アノードで消費されなかった水素を再循環させるために設置されている。アノードの水素圧は、水素調圧弁12を駆動することによって制御される。水素圧を一定に制御することによって、燃料電池が消費した分だけの水素が自動的に供給される。14はパージ弁であり、エゼクタ13の水素循環機能を確保するために、カソードからアノードへ透過し水素系内に蓄積した窒素を排出する。排出された窒素水素混合ガスはカソードからの排空気で希釈される。また、カソードへの空気はコンプレッサ8により供給される。コンプレッサ8から供給される空気は圧力上昇により温度上昇するため、アフタークーラー7で冷却液と熱交換されて冷やされてからカソードへ供給される。カソードの空気圧は、空気調圧弁9を駆動することによって制御される。
【0015】
冷却液流路は2系統あり、燃料電池1の冷却系とパワーマネージャー15の冷却系がある。燃料電池1の冷却系については、ポンプ2により冷却液が燃料電池1やラジエタ3、ラジエタバイパス方向に循環される。三方弁5は、冷却液温度を調整するために、冷却液をラジエタ3側とラジエタバイパス側に分流する。三方弁5をラジエタ3側に動かすだけでは冷却液を所望の温度に冷やせないときにはラジエタファン4も駆動する。
【0016】
パワーマネージャー15の冷却系については、ポンプ6により冷却液がパワーマネージャー15、アフタークーラー7およびラジエタ3に循環される。その他、車両駆動モータなどの強電部品を本冷却系に配置しても良い。なお、パワーマネージャー15は燃料電池1から電流や電力を取り出す。
【0017】
冷却液循環制御手段21はコンプレッサ出口空気温度センサ16によって検出された温度と、燃料電池入口空気温度センサ17によって検出された温度に応じて、燃料電池起動時のパワーマネージャー冷却液の循環開始を判断してポンプ6を駆動する。
【0018】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおける燃料電池1の低温起動制御を図2および図3を参照して説明する。図2は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートであり、図3は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御時の動作を説明するタイムチャートである。図3において、(A−a),(B−b)は空気温度(コンプレッサ出口温度および燃料電池入口温度)、(A−b),(B−b)はパワーマネージャー15の冷却液循環の状態、(A−c),(B−c)は燃料電池1の取出電力それぞれの時間的推移を示す。
【0019】
以下、図2のフローチャートに沿って説明する。まず、水素タンク10から燃料電池1のアノードへの水素供給を開始する(ステップS101)。そして、コンプレッサ8を駆動して燃料電池1のカソードへの空気供給を開始する(ステップS102)。
【0020】
次に、ステップS103からステップS110までの処理とステップS107からステップS109までの処理を並行して同時に実行する。
【0021】
ステップS107からステップS109までの処理では、まず、燃料電池1入口の空気温度を燃料電池入口空気温度センサ17によって検出する(ステップS107)。次に、検出された空気温度が燃料電池1の発電可能な温度であるか否かを判断する(ステップS108)。ステップS108で燃料電池1が発電可能な温度に達してないと判断された場合にはステップS107に戻り、ステップS107およびS108による発電開始待ちのループが継続される。他方、発電可能な温度であると判断されるとステップS109に進んで、燃料電池1の発電が開始される。ここで、燃料電池1が発電可能な温度とは、一般的には氷点下以上の温度である。氷点下では、電解質膜の湿潤水が凍ってガスの供給流路が閉ざされて発電困難となるからである。
【0022】
また、ステップS103からステップS110までの処理では、まず、燃料電池1入口の空気温度を燃料電池入口空気温度センサ17によって検出する(ステップS103)。次に、検出された空気温度が燃料電池1の発電可能な温度よりもα以上高くなったか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104で空気温度がα以上高くなったと判断された場合には、ステップS110に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0023】
他方、空気温度が発電可能な温度よりもα以上高い温度に達してないと判断された場合には、ステップS105に進んで、コンプレッサ出口空気温度センサ16によってコンプレッサ8の出口空気温度を検出する。次に、検出されたコンプレッサ8の出口空気温度が空気系部品の耐熱温度よりもβ低い温度値以上か否かを判断する(ステップS106)。ステップS106でコンプレッサ8の出口空気温度が空気系部品の耐熱温度よりもβ低い温度値以上であると判断された場合には、ステップS110に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。また、コンプレッサ8の出口空気温度がβ低い温度値未満であると判断された場合には、ステップS103に戻って、ステップS103からステップS106までの処理による冷却液の循環待ちのループが継続されることになる。なお、α、βは温度余裕代である。
【0024】
次に、図3(A)には、燃料電池1入口の空気温度が律速してパワーマネージャー15の冷却液を循環させる場合のタイムチャートを示す。コンプレッサ8を駆動して燃料電池1のカソードへの空気供給が開始されると、加圧により空気温度が上昇していく。ここで、コンプレッサ8の出口空気はアフタークーラー7を通って冷やされてから燃料電池1の入口へ到達する。冷却液がアフタークーラー7に流れてなくても、アフタークーラー7自体が熱容量をもった熱媒体であり、低温起動時には冷えているからである。
【0025】
そして、燃料電池1入口の空気温度が氷点下以上になった時点(T1a)から、燃料電池1の発電を開始し、パワーマネージャー15により燃料電池1から電力を取り出す。そして、燃料電池1入口の空気温度が「発電可能温度(氷点下以上の温度)+α」になった時点(T1b)からパワーマネージャー15の冷却液を循環させる。ここで、冷却液流量とαは、冷却液を循環しても燃料電池1へ供給する空気温度が発電可能な温度以上に維持される流量と温度値に設定する。
【0026】
また、図3(B)には、コンプレッサ8出口の空気温度が律速してパワーマネージャー15の冷却液を循環させる場合のタイムチャートを示す。コンプレッサ8出口の空気温度が空気系部品の耐熱温度のβ手前まで昇温すると(時間T1d)、パワーマネージャー15の冷却液を循環させる。ここで、βはアフタークーラーの空気冷却性能を考慮して、余裕代として設定する。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、水素および空気の供給により発電を行う燃料電池1と、燃料電池1に水素を供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池1に空気を供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池1に供給する空気を冷却液で熱交換させて冷却するアフタークーラー7と、燃料電池1へ供給する空気の温度を検出する酸化剤ガス温度検出手段16,17と、検出された空気温度が所定値を超えるとき、冷却液の循環を開始する冷却液循環制御手段21aとを備え構成し、燃料電池1への供給空気温度が所定値を超えると、冷却液の循環を開始するようにしている。特に、酸化剤ガス温度検出手段(燃料電池入口空気温度センサ)17により燃料電池1入口の空気温度を検出して、冷却液の循環開始を判断するための所定値を、燃料電池1が発電可能になる温度以上の値とすることにより、供給空気が冷えないようにアフタークーラー7の冷却液流量を制御して、従来のように、燃料電池1への供給空気温度が下がって電解質膜の湿潤水が凍ってしまい発電が困難となるといった問題の発生を防止することができ、低温起動時に燃料電池を発電可能とすることができる。
【0028】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、酸化剤ガス温度検出手段により検出した空気温度が空気流路に配置された部品の耐熱温度以下の値を超えたときに、冷却液循環制御手段21aにより冷却液の循環を開始するようにしている。これにより、空気温度の過上昇を防止できると共に、空気流路に配置された部品や燃料電池1を保護することができる。
【0029】
特に、酸化剤ガス温度検出手段(コンプレッサ出口空気温度センサ)16により空気供給手段出口の空気温度を検出して、該検出した空気温度が空気流路に配置された部品の耐熱温度以下の値を超えたときに、冷却液循環制御手段21aにより冷却液の循環を開始するようにした場合には、空気供給手段より下流の空気温度の過上昇を防止できると共に、空気供給手段より下流の部品を保護することができる。
【0030】
さらに、本実施形態の燃料電池システムは、酸化剤ガス温度検出手段(燃料電池入口空気温度センサ)17により燃料電池1入口の空気温度を検出して、前記酸化剤ガス温度の所定値は、該検出した空気温度が燃料電池1の耐熱温度以下の値を超えたときに、冷却液循環制御手段21aにより冷却液の循環を開始するように変形することもできる。これにより、空気供給手段より下流の空気温度の過上昇を防止し、空気供給手段より下流の部品を保護することができる。
【0031】
(実施形態2)
次に、図4は本発明の実施形態2に係る燃料電池システムの構成図である。本実施形態の燃料電池システムも、実施形態1と同様に、燃料電池1およびパワーマネージャー15を備え、また、水素供給系、空気供給系、燃料電池1の冷却系、パワーマネージャー15の冷却系についても、実施形態1と同等の構成であるので、これら各構成要素についての説明を省略する。本実施形態の構成が実施形態1と異なる点は、冷却液循環制御系として、冷却液温度検出手段に該当するアフタークーラー入口冷却液温度センサ18と冷却液循環制御手段21bを備えている点である。
【0032】
アフタークーラー入口冷却液温度センサ18は、アフタークーラー7入口の冷却液の温度を検出する。また、冷却液循環制御手段21bは、アフタークーラー入口冷却液温度センサ18によって検出されたアフタークーラー7入口の冷却液温度に応じて、燃料電池1の起動時におけるパワーマネージャー15の冷却液の循環開始を判断する。
【0033】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおける燃料電池1の低温起動制御を図5,図6および図7を参照して説明する。図5は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートであり、図6は本実施形態の冷却系部品の温度上昇抑制可能時間特性を説明する説明図であり、図7は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御時の動作を説明するタイムチャートである。図7において、(a)はアフタークーラー入口冷却液温度、(b)はパワーマネージャー15の冷却液循環の状態、(c)は燃料電池1の取出電力それぞれの時間的推移を示す。
【0034】
以下、図5のフローチャートに沿って説明する。まず、水素タンク10から燃料電池1のアノードへの水素供給を開始する(ステップS201)。そして、コンプレッサ8を駆動して燃料電池1のカソードへの空気供給を開始する(ステップS202)。
【0035】
次に、アフタークーラー入口冷却液温度センサ18によってアフタークーラー7入口の冷却液温度を検出する(ステップS203)。次に、検出されたアフタークーラー7入口の冷却液温度が燃料電池1の発電可能な温度よりもγ以上高いか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204でアフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能な温度よりもγ以上高い場合には、ステップS207に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。ここで、γは温度余裕代である。
【0036】
また、ステップS204でアフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能な温度よりもγ以上に達してないと判断された場合には、ステップS205に進んで、冷却系に配置された部品であるパワーマネージャー15の作動経過時間をカウントする。そして、該作動経過時間が、アフタークーラー冷却液の循環を停止していてもパワーマネージャー15の温度が耐熱温度付近に達しないように抑制できる時間を超えてないか否かを判断する(ステップS206)。ステップS206で経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えてない場合にはステップS205へ戻り、ステップS205およびS206による冷却液循環開始待ちのループが継続される。他方、経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えた場合には、ステップS207に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0037】
ここで、パワーマネージャー15の温度が耐熱温度付近に達しない抑制可能時間については、図6に示す特性に基づき、冷却液温度に応じて設定する。起動前から起動時には冷却液温度と冷却系に配置された部品の温度は概略一致していると考えられる。冷却液温度(本実施形態では、アフタークーラー7入口の冷却液温度)が高いほどパワーマネージャー15の温度も高いので、冷却液温度が高くなるにつれて部品温度上昇抑制可能時間は短くなる。
【0038】
なお、燃料電池1の発電開始待ちのサブルーチンについては、実施形態1(図2におけるステップS107からステップS109までの処理)と同様の方法で実施することができるので、本実施形態では詳細な説明を省略する。
【0039】
次に、図7のタイムチャートに沿って動作を説明する。まず、初期状態では、アフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能温度よりも低いので、パワーマネージャー15の冷却液の循環をまだ開始しない。そして、供給空気温度を昇温させて燃料電池1の発電を開始して(時間T2a)から、部品温度(パワーマネージャー15の温度)上昇抑制可能時間が経過すると(時間T2b)、パワーマネージャー15の冷却液を循環させる。
【0040】
もし、アフタークーラー15の冷却液が燃料電池1に流れるシステム構成であった場合には、燃料電池1の耐熱温度を考慮して、冷却液の循環を停止しても燃料電池1が発電してから耐熱温度を超えないように停止可能時間を設定する。また、パワーマネージャー15と燃料電池1の両方に冷却液が流れるシステム構成であった場合には、それぞれの停止可能時間の短い方の時間を設定する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、水素および空気の供給により発電を行う燃料電池1と、燃料電池1に水素を供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池1に空気を供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池1に供給する空気を冷却液で熱交換させて冷却するアフタークーラー7と、冷却液の温度を検出する冷却液温度検出手段(アフタークーラー入口冷却液温度センサ)18と、燃料電池1が発電可能となる供給空気温度以上の温度を所定温度とし、起動時に冷却液温度検出手段18により検出された冷却液温度が該所定温度以下の場合には、冷却液の循環を停止する冷却液循環制御手段21bと、を備えて構成したので、冷却液温度が燃料電池1が発電可能となる供給空気温度以上の温度以下の間は、燃料電池1への供給空気がアフタークーラー7で冷やされないようになり、低温起動時の燃料電池1の発電が促進され、起動時間も短縮されることとなる。また、従来のように、低温起動時に冷却液を循環させると燃料電池への供給空気がアフタークーラーで冷やされて、電解質膜の湿潤水が凍って発電困難となるといった問題点も解消することができる。
【0042】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、冷却液循環制御手段21bにおいて、冷却液温度検出手段(アフタークーラー入口冷却液温度センサ)18により検出された冷却液温度が所定温度以下の場合であっても、冷却液が循環する流路に配置された部品の温度が冷却液循環停止時に耐熱温度以内に抑制できる所定時間が経過するとき、冷却液の循環を開始するようにしている。つまり、冷却液の循環を停めている最中に冷却液が循環する流路に配置された部品を作動させると該部品が発熱するので、検出された冷却液温度が所定温度以下の場合であっても所定時間が経過すると冷却液の循環を開始するようにしている。また、冷却液循環開始の所定時間として、該部品の温度が耐熱温度以内に抑制できる時間を設定するようにしたので、該部品を保護することができる。
【0043】
また特に、所定時間を冷却液の温度が低いほど長く設定するようにした場合には、冷却液の温度が低いほど、冷却液が循環する流路に配置された部品の温度も低いので、該部品温度を耐熱温度以内に抑制できる時間を長く設定することができる。また、燃料電池1への供給空気開始温度も低く昇温に時間がかかるため、冷却液の温度が低い場合には冷却液の循環を長い時間停止させることによって供給空気温度の昇温を促進させることができる。
【0044】
(実施形態3)
次に、図8は本発明の実施形態3に係る燃料電池システムの構成図である。本実施形態の燃料電池システムも、実施形態1と同様に、燃料電池1およびパワーマネージャー15を備え、また、水素供給系、空気供給系、燃料電池1の冷却系、パワーマネージャー15の冷却系についても、実施形態1と同等の構成であるので、これら各構成要素についての説明を省略する。本実施形態の構成が実施形態1と異なる点は、冷却液循環制御系として、冷却液温度検出手段に該当するアフタークーラー入口冷却液温度センサ18と、部品温度検出手段に該当するパワーマネージャー温度検出センサ19と、冷却液循環制御手段21cを備えている点である。
【0045】
アフタークーラー入口冷却液温度センサ18は、アフタークーラー7入口の冷却液の温度を検出する。パワーマネージャー温度検出センサ19は、パワーマネージャー15の温度を検出する。また、冷却液循環制御手段21cは、パワーマネージャー温度検出センサ19によって検出されたパワーマネージャー15の温度とアフタークーラー入口冷却液温度センサ18によって検出されたアフタークーラー7入口の冷却液温度とに応じて、燃料電池1の起動時におけるパワーマネージャー15の冷却液の循環開始を判断する。
【0046】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおける燃料電池1の低温起動制御を図9および図10を参照して説明する。図9は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートであり、図10は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御時の動作を説明するタイムチャートである。図10において、(a)はアフタークーラー入口冷却液温度、(b)はパワーマネージャー15の冷却液循環の状態、(c)は燃料電池1の取出電力、(d)はパワーマネージャー15の温度それぞれの時間的推移を示す。
【0047】
以下、図9のフローチャートに沿って説明する。まず、水素タンク10から燃料電池1のアノードへの水素供給を開始する(ステップS301)。そして、コンプレッサ8を駆動して燃料電池1のカソードへの空気供給を開始する(ステップS302)。
【0048】
次に、アフタークーラー入口冷却液温度センサ18によってアフタークーラー7入口の冷却液温度を検出する(ステップS303)。次に、検出されたアフタークーラー7入口の冷却液温度が燃料電池1の発電可能な温度よりもγ以上高いか否かを判断する(ステップS304)。ステップS304でアフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能な温度よりもγ以上高い場合には、ステップS309に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。ここで、γは温度余裕代である。
【0049】
また、ステップS304でアフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能な温度よりもγ以上に達してないと判断された場合には、ステップS305に進んで、冷却系に配置された部品であるパワーマネージャー15の作動経過時間をカウントする。そして、該作動経過時間が、アフタークーラー冷却液の循環を停止していてもパワーマネージャー15の温度が耐熱温度付近に達しないように抑制できる時間を超えてないか否かを判断する(ステップS306)。ステップS306で経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えた場合には、ステップS309に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0050】
他方、ステップS306で経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えてない場合には、ステップS307へ進んで冷却系に配置された部品即ちパワーマネージャー15の温度をパワーマネージャー温度検出センサ19によって検出する。そして、検出したパワーマネージャー15の温度がパワーマネージャー15の耐熱温度よりθ低い温度値以上に達してないか否かを判断する(ステップS308)。ステップS308でパワーマネージャー15の温度が耐熱温度よりθ低い温度値以上に達した場合には、ステップS309に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。他方、ステップS308でパワーマネージャー15の温度が耐熱温度よりθ低い温度値以上に達していない場合には、ステップS305に戻り、ステップS305からステップS308までの処理による冷却液循環開始待ちのループが継続される。ここで、θは温度余裕代である。
【0051】
次に、図10のタイムチャートに沿って動作を説明する。まず、初期状態では、アフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能温度よりも低いので、パワーマネージャー15の冷却液の循環をまだ開始しない。そして、供給空気温度を昇温させて燃料電池1の発電を開始して(時間T3a)から、部品温度(パワーマネージャー15の温度)上昇抑制可能時間が経過する(時間T3c)前に、パワーマネージャー15の温度が耐熱温度より余裕をみたθ低い温度まで達した(時間T3b)ので、その時点(時間T3b)からパワーマネージャー15の冷却液を循環させる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、部品温度検出手段(パワーマネージャー温度センサ)19により冷却液が循環する流路に配置された部品の温度を検出し、冷却液循環制御手段21cにより、冷却液が循環する流路に配置された部品の温度が耐熱温度以下の所定温度を超えるときに冷却液の循環を開始するようにしている。これにより、該部品を熱から保護することができる。
【0053】
また、冷却液循環制御手段21cが循環させる冷却液の流量は、燃料電池1に供給された空気の温度が発電可能な温度以上に維持される流量としている。これにより、冷却液を循環したときに供給空気温度が発電不可温度まで下がらなくなり、発電を維持することができる。
【0054】
さらに、冷却液循環制御手段21cにおいて、燃料電池1に供給された空気の温度が発電可能な温度にならない場合であっても、空気系あるいは冷却系に配置された部品の温度が耐熱温度以下の所定温度を越えるとき、冷却液を循環させ、冷却液の流量は該部品温度が耐熱温度を超えず、かつ、供給空気温度が大きく下がらないだけの流量としている。これにより、発電よりも部品保護を優先し、該部品を熱から保護することができる。
【0055】
(実施形態4)
次に、図11は本発明の実施形態4に係る燃料電池システムの構成図である。本実施形態の燃料電池システムも、実施形態1と同様に、燃料電池1およびパワーマネージャー15を備え、また、水素供給系、空気供給系、燃料電池1の冷却系、パワーマネージャー15の冷却系についても、実施形態1と同等の構成であるので、これら各構成要素についての説明を省略する。本実施形態の構成が実施形態1と異なる点は、冷却液循環制御系として、部品温度検出手段に該当するパワーマネージャー温度検出センサ19と、外気温測定手段に該当する外気温度センサ20と、冷却液循環制御手段21cを備えている点である。
【0056】
パワーマネージャー温度検出センサ19は、パワーマネージャー15の温度を検出する。外気温度センサ20が外気温を検出する。また、冷却液循環制御手段21dは、パワーマネージャー温度検出センサ19によって検出されたパワーマネージャー15の温度と外気温度センサ20によって検出された外気温とに応じて、燃料電池1の起動時におけるパワーマネージャー15の冷却液の循環開始を判断する。
【0057】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおける燃料電池1の低温起動制御を図12を参照して説明する。図12は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【0058】
以下、図12のフローチャートに沿って説明する。まず、水素タンク10から燃料電池1のアノードへの水素供給を開始する(ステップS401)。そして、コンプレッサ8を駆動して燃料電池1のカソードへの空気供給を開始する(ステップS402)。
【0059】
次に、外気温度センサ20によって外気温を検出する(ステップS403)。次に、検出された外気温が燃料電池1の発電可能な温度よりもγ以上高いか否かを判断する(ステップS404)。ステップS404で外気温が発電可能な温度よりもγ以上高い場合には、ステップS409に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。ここで、γは温度余裕代である。
【0060】
また、ステップS404で外気温が発電可能な温度よりもγ以上に達してないと判断された場合には、ステップS405に進んで、冷却系に配置された部品であるパワーマネージャー15の作動経過時間をカウントする。そして、該作動経過時間が、アフタークーラー冷却液の循環を停止していてもパワーマネージャー15の温度が耐熱温度付近に達しないように抑制できる時間を超えてないか否かを判断する(ステップS406)。ステップS406で経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えた場合には、ステップS409に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0061】
他方、ステップS406で経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えてない場合には、ステップS407へ進んで冷却系に配置された部品即ちパワーマネージャー15の温度をパワーマネージャー温度検出センサ19によって検出する。そして、検出したパワーマネージャー15の温度がパワーマネージャー15の耐熱温度よりθ低い温度値以上に達してないか否かを判断する(ステップS408)。ステップS408でパワーマネージャー15の温度が耐熱温度よりθ低い温度値以上に達した場合には、ステップS409に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。他方、ステップS408でパワーマネージャー15の温度が耐熱温度よりθ低い温度値以上に達していない場合には、ステップS405に戻り、ステップS405からステップS408までの処理による冷却液循環開始待ちのループが継続される。ここで、θは温度余裕代である。
【0062】
なお、パワーマネージャー15の温度が耐熱温度付近に達しない冷却液停止可能時間については、実施形態2における冷却液温度を外気温で代用して、図6に示した特性と同様の特性に基づいて設定する。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、外気温測定手段(外気温センサ)20で外気温を測定し、実施形態2または実施形態3における冷却液温度検出手段(アフタークーラー入口冷却液温度センサ)18により検出した冷却液の温度を、外気温測定手段(外気温センサ)20で測定した外気温で代用している。これにより、実施形態2または実施形態3の燃料電池システムにおける効果と同等の効果を奏することができる。
【0064】
(実施形態5)
さらに、図13は本発明の実施形態5に係る燃料電池システムの構成図である。本実施形態の燃料電池システムも、実施形態1と同様に、燃料電池1およびパワーマネージャー15を備え、また、水素供給系、空気供給系、燃料電池1の冷却系、パワーマネージャー15の冷却系についても、実施形態1と同等の構成であるので、これら各構成要素についての説明を省略する。本実施形態の構成は実施形態1と実施形態2を組み合わせた構成であり、冷却液循環制御系として、酸化剤ガス温度検出手段に該当するコンプレッサ出口空気温度センサ16および燃料電池入口空気温度センサ17と、冷却液温度検出手段に該当するアフタークーラー入口冷却液温度センサ18と、冷却液循環制御手段21eとを備えている。
【0065】
冷却液循環制御手段21bは、コンプレッサ出口空気温度センサ16によって検出されたコンプレッサ出口空気温度、燃料電池入口空気温度センサ17によって検出された燃料電池入口空気温度、並びに、アフタークーラー入口冷却液温度センサ18によって検出されたアフタークーラー7入口の冷却液温度に応じて、燃料電池1の起動時におけるパワーマネージャー15の冷却液の循環開始を判断する。
【0066】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおける燃料電池1の低温起動制御を図14を参照して説明する。図14は本実施形態の燃料電池1の低温起動制御の処理の流れを説明するフローチャートである。
【0067】
まず、水素タンク10から燃料電池1のアノードへの水素供給を開始する(ステップS501)。そして、コンプレッサ8を駆動して燃料電池1のカソードへの空気供給を開始する(ステップS502)。
【0068】
次に、アフタークーラー入口冷却液温度センサ18によってアフタークーラー7入口の冷却液温度を検出する(ステップS503)。次に、検出されたアフタークーラー7入口の冷却液温度が燃料電池1の発電可能な温度よりもγ以上高いか否かを判断する(ステップS504)。ステップ504でアフタークーラー7入口の冷却液温度が発電可能な温度よりもγ以上高い場合には、ステップS511に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0069】
他方、ステップS504で冷却液温度が発電可能温度よりもγ以上に達してないと判断された場合には、ステップS505に進み、燃料電池1入口の空気温度を燃料電池入口空気温度センサ17によって検出する。そして、検出された空気温度が燃料電池1の発電可能な温度よりもα以上高くなったか否かを判断する(ステップS506)。ステップS506で空気温度がα以上高くなったと判断された場合には、ステップS511に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0070】
他方、空気温度が発電可能な温度よりもα以上高い温度に達してないと判断された場合には、ステップS507に進んで、コンプレッサ出口空気温度センサ16によってコンプレッサ8の出口空気温度を検出する。そして、検出されたコンプレッサ8の出口空気温度が空気系部品の耐熱温度よりもβ低い温度値以上か否かを判断する(ステップS508)。ステップS508でコンプレッサ8の出口空気温度が空気系部品の耐熱温度よりもβ低い温度値以上であると判断された場合には、ステップS511に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0071】
また他方、コンプレッサ8の出口空気温度がβ低い温度値未満であると判断された場合には、ステップS509に進んで、冷却系に配置された部品であるパワーマネージャー15の作動経過時間をカウントする。そして、該作動経過時間が、アフタークーラー冷却液の循環を停止していてもパワーマネージャー15の温度が耐熱温度付近に達しないように抑制できる時間を超えてないか否かを判断する(ステップS510)。ステップS510で経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えてない場合にはステップS505へ戻り、ステップS505からステップS510までの処理による冷却液循環開始待ちのループが継続される。他方、経過時間が部品温度上昇抑制可能時間を超えた場合には、ステップS511に進んでアフタークーラー冷却液の循環を開始する。
【0072】
なお、燃料電池1に供給された空気の温度が発電可能な温度にならない場合であっても、空気系あるいは冷却系に配置された部品の温度が耐熱温度以下の所定温度を越えると冷却液を循環させ、発電よりも部品保護を優先する。
【0073】
以上のように、本実施形態の燃料電池システムでは、実施形態1と実施形態2を組み合わせた構成としたので、実施形態1および実施形態2の燃料電池システムにおけるそれぞれの効果を合わせ持つことができる。
【符号の説明】
【0074】
1 燃料電池
2,6 ポンプ
3 ラジエタ
4 ラジエタファン
5 三方弁
7 アフタークーラー
8 コンプレッサ
9 空気調圧弁
10 水素タンク
11 減圧弁
12 水素調圧弁
13 エゼクタ
14 パージ弁
15 パワーマネージャー
16 コンプレッサ出口空気温度センサ
17 燃料電池入口空気温度センサ(酸化剤ガス温度検出手段)
18 アフタークーラー入口冷却液温度センサ(冷却液温度検出手段)
19 パワーマネージャー温度センサ(部品温度検出手段)
20 外気温センサ(外気温測定手段)
21a〜21e 冷却液循環制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
前記燃料電池に供給する酸化剤ガスを冷却液で熱交換させて冷却するアフタークーラーと、
前記冷却液の温度を検出する冷却液温度検出手段と、
前記燃料電池が発電可能となる供給酸化剤ガス温度以上の温度を所定温度とし、起動時に前記冷却液温度検出手段により検出された冷却液温度が該所定温度以下の場合には、前記冷却液の循環を停止する冷却液循環制御手段と、
を有することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記冷却液循環制御手段は、前記冷却液温度検出手段により検出された冷却液温度が前記所定温度以下の場合であっても、前記冷却液が循環する流路に配置された部品の温度が冷却液循環停止時に耐熱温度以内に抑制できる所定時間が経過するとき、前記冷却液の循環を開始することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記所定時間は、前記冷却液の温度が低いほど長く設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記冷却液が循環する流路に配置された部品の温度を検出する部品温度検出手段を有し、
前記冷却液循環制御手段は、前記冷却液が循環する流路に配置された部品の温度が耐熱温度以下の所定温度を超えるとき、前記冷却液の循環を開始することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記冷却液循環制御手段が循環させる冷却液の流量は、前記燃料電池に供給された酸化剤ガスの温度が発電可能な温度以上に維持される流量とすることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記冷却液循環制御手段は、前記燃料電池に供給された酸化剤ガスの温度が発電可能な温度にならない場合であっても、酸化剤ガス系あるいは冷却系に配置された部品の温度が耐熱温度以下の所定温度を越えるとき、前記冷却液を循環させ、前記冷却液の流量は該部品温度が耐熱温度を超えず、かつ、供給酸化剤ガス温度が大きく下がらないだけの流量とすることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
外気温を測定する外気温測定手段を有し、
前記冷却液の温度は、前記外気温測定手段で測定した外気温で代用することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−228313(P2011−228313A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150152(P2011−150152)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【分割の表示】特願2004−354304(P2004−354304)の分割
【原出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】