説明

燃料電池システム

【課題】燃料電池搭載車両の水素漏れの検知において、漏れた水素の出所を判別する。
【解決手段】燃料電池が発電していない間欠運転時において、水素検知器24により水素が検知された場合、水素タンク20、または水素を水素タンクから燃料電池スタック12に送る燃料供給管28からの水素漏れと判断する。また、間欠運転時に水素が検知された場合、水素ポンプ40を運転し、その後、水素濃度が上昇すれば水素排気排水弁46からの漏出と判定してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関し、特に燃料ガスである水素の検知に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池を搭載し、燃料電池により発電された電力を利用する車両が知られている。発電された電力は、例えば車両駆動用のモータに供給され、車両を駆動するのに用いられる。
【0003】
燃料電池は、燃料電池スタックのアノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス(例えば空気)を供給し、供給されたガスの電解質膜を介しての反応により電力を取り出している。反応後の使用済み燃料ガスおよび酸化ガスは、反応生成物である水と共に排気ガスとして燃料電池スタック外部に排出される。排気ガスを車両の適切な箇所に導くために排気管が備えられている。
【0004】
アノード側から排出されるガスは、反応しなかった水素が残留しており、水素の有効利用を図るために、再度アノード側に戻される。つまり、燃料ガスは、循環して繰り返しアノード側に供給される。燃料ガスが循環している間に、燃料ガスには水素以外の不純物が混入する。不純物として、例えば電解質膜を透過した窒素などが挙げられる。燃料ガスの循環が繰り返されると、これに伴って不純物の濃度が増加し、発電効率が低下するので、ある段階で燃料ガスを排出する。この使用済み燃料ガスには、水素が含まれている。
【0005】
燃料ガスとして水素を用いる場合、水素の漏れを検知する必要がある。特に、水素を貯蔵する水素タンクからの漏れを検知する必要がある。一方、前述のように、燃料電池スタックから排出される使用済み燃料ガスには水素が含まれている。両方の水素を検知するために、水素検知器が設けられる。下記特許文献1には、水素タンクの上方に配置された1個の水素検知器により、水素タンクからと、燃料電池スタックからの両者の水素を検知する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−116358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水素タンクの上方に配置された1個の水素検知器により水素を検知する場合、水素タンクから漏出した水素か、燃料電池スタックからの水素かが判別できない。
【0008】
本発明は、水素タンク上方の水素検知器により検出された水素の出所を判別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池システムの間欠運転時における水素の検知に基づき、検知された水素の出所を判別する。間欠運転とは、車両が運行中であっても、燃料電池システムの発電が停止された状態をいう。簡易的には、間欠運転時に水素が検知されたら、水素タンクまたは水素タンクから燃料電池スタックに水素を送る水素供給系から漏れた水素であると判定することができる。間欠運転時においては、燃料電池システムは停止しており、使用済み燃料ガスは排出されないので、水素の出所は使用済み燃料ガスではないと判断できる。
【0010】
さらに、間欠運転時に水素が検知された場合、水素を循環させる水素ポンプを運転する。このとき、燃料電池スタックから使用済み燃料を排出するための水素排気排水弁は閉じている。この状態で、水素検知器により検知される水素濃度が上昇しなければ、水素タンクまたは水素供給系ら漏れた水素と判定することができる。一方、水素濃度が上昇すれば、水素排気排水弁から漏れた水素と判定することができる。
【発明の効果】
【0011】
水素タンク上方に設けた水素検知器による検知された水素の出所が判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る燃料電池搭載車両の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係る燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】漏出水素の出所判定に係るフローチャートである。
【図4】漏出水素の出所判定に係る他のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、燃料電池システムを搭載した車両10の概略構成を示す図である。燃料電池搭載車両10において、燃料電池スタック12は車両の床下に配置される。燃料電池スタックは、車両の搭乗者が居る空間、すなわち車室の床を構成するフロアパネルの下に搭載されている。フロアパネルを車両の下側から見て窪ませた部分を設け、ここに燃料電池スタック12を配置するようにできる。車両前席のシートクッションの下は、搭乗者の足を置く位置に比べて、フロアパネルの位置を高くできるので、この部分を窪ませて燃料電池スタック12を搭載するようにできる。また、左右席の間の部分(いわゆるセンタートンネルの部分)も、フロアパネルを窪ませることができる部分であり、ここも搭載位置とすることができる。
【0014】
上記のような前席下やトンネルの部分は、ホイールベース、つまり前輪と後輪の間に位置する。燃料電池スタック12をホールベース内に搭載することにより、前方衝突したとき、また追突されたときなどに燃料電池スタック12の損傷を抑えることができる。また、燃料電池スタック12の外形は内燃機関を含む動力装置に比して大きく、エンジンコンパートメント内に収めようとすると、車両外観のデザインを制約する場合がある。床下に燃料電池スタック12を配置することにより、デザイン上の自由度が増す。
【0015】
燃料電池搭載車両10において、燃料電池スタック12からの排気管14は、床下の空間、ホイールベース内に開口している。この開口を排気口16と記す。また、排気管14の途中には、消音用のマフラ18が配置されている。車両の後方下部には、水素源として水素タンク20が搭載されている。水素タンク20の上方には、水素タンク20から水素が漏れた場合に、これを受けるための収集板22が配置される。また、収集板22は、集めた水素を水素検知器24に送る機能を有する。水素検知器24は、水素タンク20の上方、つまり、水素タンクから漏出した水素が上昇し、これが収集板22により集められて送られる位置に配置される。収集板22は、凹凸を設けた板状部材とすることができ、凹凸形状により水素を水素検知器24に導く流路を形成するようにできる。凹部により流路を構成し天井を傾斜させることにより、水素の浮力で流路に沿って移動するようにできる。また、収集板22で集めた水素を管状部材により水素検知器24に送る構成とすることもできる。この場合も、管状部材は傾斜を付けて配置し、水素が管内を浮力により上昇するようにする。
【0016】
図2は、燃料電池搭載車両10に搭載された燃料電池システム26の要部構成を示す図である。燃料電池スタック12は、単セルと呼ばれる単位燃料電池セルを複数積層して構成される。積層された複数の単セルが直列に接続され組電池が構成され、所望の端子電圧を得ている。個々の単セルは、電解質膜を挟んでその両側のカソード側とアノード側にそれぞれ触媒層と拡散層と多孔質電極層とセパレータが配置される構造を有する。
【0017】
燃料電池スタック12には、水素タンク20からの水素が燃料ガスとして燃料供給管28を通して供給され、一方、酸化剤として空気がコンプレッサ30により空気供給管32を通して供給される。燃料供給管28には、圧力を調整するためのバルブ等の機械要素が一つまたは複数配置される。水素タンク20から水素を送る燃料供給管28および燃料供給管に設けられたバルブ等を総称して水素供給系と記す。空気供給管32には、圧力センサ34が設けられ供給される空気の圧力を監視している。また、空気供給管32には、この管を閉止する入口弁36が設けられている。
【0018】
燃料電池スタック12に送られた燃料ガスは各単セルのアノード側に供給され、空気はカソード側に供給される。アノード側から排出されたガス(アノード側排出ガス)には、消費されなかった水素が含まれ、これを再びアノード側に戻して循環させるために、循環管38が設けられている。循環管38には、水素ポンプ40および逆止弁42が設けられている。循環管38は燃料供給管28に接続され、循環管38からのアノード側排出ガスは、水素タンク20から供給される水素と混合されて燃料電池スタック12に供給される。逆止弁42は、水素ポンプ40を運転していないときに、水素タンク20からの水素が、循環管38に流れ込まないようにするために設けられている。
【0019】
アノード側排出ガスの循環が続くと、水素が消費される一方、不純物が増加する。不純物としては、例えば、カソード側から電解質膜を透過した窒素がある。不純物が増加すると、発電効率が低下するため、ある段階でアノード側排出ガスを排出する。このために、循環管38の、水素ポンプ40と逆止弁42の間の部分から分岐した排出管44が設けられている。排出管44には、これを閉止、開放する水素排気排水弁46が設けられる。水素排気排水弁46を開放すると、アノード側排出ガスが排出管44を通って希釈器48に送られる。
【0020】
カソード側から排出された排気ガスは、排気管14を介して排気口16から排出される。排気管14には排出弁50が設けられる。排出弁50は開度を調整可能な、つまり排気管14を絞り、有効断面積を調整することが可能な形式の弁であり、例えばバタフライバルブを採用することができる。排気管14の絞りを調整して燃料電池スタック12内の空気(酸化ガス)の圧力を調整することができる。排出弁50は、燃料電池の発電が停止しているときには閉止される。排気管14には、マフラ18を迂回するようにバイパス管52が設けられ、ここに前述の希釈器48が配置されている。希釈器48において、燃料ガス中の残余の水素が、酸化ガスとして用いられた空気により希釈され、排気管14に戻される。空気、反応生成物である水(水蒸気)および水素を含む排気ガスは、排気管14を通って排気口16から大気に排出される。
【0021】
制御部54は、コンプレッサ30、水素ポンプ40および前述の各弁を制御して燃料電池システム26の発電等の制御を行う。また、水素検知器24により水素が検知されると、これに基づく制御を実行する。この水素検知に係る制御については後に詳述する。また、図2では、後述する燃料電池の間欠運転時の制御に係るパラメータとしてアクセルペダルの操作量56、補機の使用状況58および二次電池の蓄電量60を示している。これらのパラメータは、燃料電池に要求される電力を判断するためのものである。補機の使用状況とは、例えば空気調和機の運転状況、灯火類、デフロスタの使用状況などである。
【0022】
水素は可燃性であるので、水素タンク等からの水素漏れを検出する必要がある。収集板22は、水素タンク20および水素供給系から漏れた水素を集められるように、そして水素検知器24に水素を導くように形成されている。水素検知器24が水素を検知すると、制御部54は水素が漏れていると判断し、これを報知する。一方、前述のように、燃料電池スタックからの排気は水素を含んでおり、排気口16から排出された排気中の水素が水素検知器24に達すると、水素が漏れていると判断されてしまう。排気口16を、水素タンク20周囲から十分離せば、水素漏れの誤検知は避けられるが、車両のレイアウト上これがかなわない場合がある。前記の誤検知を避けるために、水素が検知されたとする濃度のしきい値を高めに設定するか、発電中、すなわち排気からの水素が検知される可能性がある場合にのみしきい値を高めに設定することができる。このようにしても、検知された水素の出所については分からない。この燃料電池システム26は、水素検知器24が水素を検知した場合、これが、水素タンク等から漏出したものか、排気に含まれる水素なのか、検知された水素の出所を判別する判別部62を備えている。
【0023】
水素の出所の判別には、燃料電池の間欠運転を利用する。燃料電池搭載車両10においては、燃料電池による発電が不要な状況では、二次電池に蓄えられた電力により、必要電力を賄う運転モードが採用されている。例えば、信号待ちなどで車両が停止し、二次電池の蓄電量も十分な場合においては、燃料電池による発電を停止する。このように、車両を運行中であるが、燃料電池による発電を停止している状態が間欠運転である。間欠運転時においては、コンプレッサ30は停止し空気が供給されず、排気管14からの排気ガスの排出も停止する。また、燃料ガスを循環させる必要がないので、水素ポンプ40も停止され、水素排気排水弁46も閉じた状態とされる。したがって、アノード側排気ガスが、循環管38から排出管44、排気管14を通って排気口16から排出されることもない。
【0024】
このように、間欠運転時には排気ガスが排出されないので、このとき検知された水素は、水素タンク20または水素供給系から漏れたものであると判定できる。制御部54は、判別部62に対し、燃料電池システム26を間欠運転に制御している情報、および水素検知器24が水素を検知した情報を送る。判別部62では、送られてきた情報に基づき、水素が検知されたのが間欠運転時であれば、水素タンク等からの水素漏れが生じていることを判定する。制御部54はこの情報を受け、運転者等にこれを報知する。水素が検知されたのが間欠運転時でなければ、水素漏れの判定を、次に間欠運転が実行されるまで保留する。
【0025】
水素タンク等の水素供給系からの水素漏れの場合、車両を停止する必要がある。一方で、排気に含まれる水素を検知した場合には、発電量を抑えた状態で運転することが可能な場合がある。よって、検知された水素の出所、すなわち水素タンク等からの水素か、排気に含まれる水素かを特定し、出所に応じた対応を採ることが望ましい。
【0026】
検知された水素の出所を、更に特定するために、水素ポンプ40を駆動して、水素濃度の推移を監視するようにしてよい。水素検知器24により水素が検知されると、制御部54は、水素排気排水弁46を閉じた状態で水素ポンプ40を運転させる。水素排気排水弁46が完全に閉じていれば、水素を含んだアノード側排気ガスは、循環管38から排出管44を通じて排出口16から排出されることはない。よって、水素検知器24により検知される水素の濃度が上昇することはない。一方、水素ポンプ40の運転により水素濃度が上昇すれば、水素排気排水弁46の閉止が完全ではなく、ここから漏れた水素が排出口16から排出され、検知されたと判定できる。判別部62は、水素ポンプ40の始動後の水素濃度の情報を、制御部54を介して水素検知器24から取得し、水素濃度の変化を監視する。水素濃度が上昇しなければ水素タンク等からの漏れ、上昇すれば水素排気排水弁46からの漏れであると判定する。
【0027】
図3は、水素の出所判定に係る制御フローを示す図である。間欠運転実行中に、水素検知器24により水素が検知されると(S100)、制御部54は水素ポンプ40の運転を指令する(S102)。間欠運転実行中は、水素排気排水弁46は閉じ状態に制御されており、弁が正常であれば水素ポンプ40を運転しても水素が漏出することはない。
【0028】
水素ポンプ運転後の水素濃度を判別部62は監視し(S104)、水素濃度が上昇した場合、水素排気排水弁46からの漏出であると判断する(S106)。水素排気排水弁46からの漏出が判断されると、制御部54は、燃料電池の発電電力の上限値を正常時より低く設定する(S108)。これにより、燃料ガスの循環量、すなわち水素ポンプ40による水素供給量が制限され、水素排気排水弁46からの漏れを抑制することができる。水素供給量の制限は、ステップS100で水素検知と判断される濃度に達しない程度の値にするようにされる。この場合、車両の動力性能は低下するが走行を停止するまでには至らない。
【0029】
ステップS104において、水素ポンプ40の運転後、水素濃度が上昇しなければ、水素タンク20からの漏出と判定する(S110)。この場合は、車両を停止する制御が行われる(S112)。
【0030】
図4は、水素の出所判定に係る他の制御フローを示す図である。間欠運転実行中に、水素検知器24により水素が検知されると(S100)、判定部62は水素濃度を所定時間監視し、その間の水素濃度の上昇の速さを測定する(S120)。水素濃度を監視する時間は、予め定められた固定の時間とすることも、また他の条件によって可変的に定められた値とすることもできる。
【0031】
制御部54は、水素濃度の上昇の速さの測定が完了すると、水素ポンプ40の運転を指令する(S102)。間欠運転実行中は、水素排気排水弁46は閉じ状態に制御されており、弁が正常であれば水素ポンプ40を運転しても水素が漏出することはない。
【0032】
判定部62は、水素ポンプ40の運転後の水素濃度の上昇の速さを測定し、これと水素ポンプ40の運転前に測定した値と比較する(S122)。水素濃度上昇の速さが増加した場合、水素ポンプ40の運転により、循環管38の水素が水素排気排水弁46から漏出し、これが検知されていると判定する(S106)。水素排気排水弁46からの漏出が判断されると、制御部54は、燃料電池の発電電力の上限値を正常時より低く設定する(S108)。これにより、燃料ガスの循環量、すなわち水素ポンプ40による水素供給量が制限され、水素排気排水弁46からの漏れを抑制することができる。水素供給量の制限は、ステップS100で水素検知と判断される濃度に達しない程度の値にするようにされる。この場合、車両の動力性能は落ちるが走行を停止するまでには至らない。
【0033】
ステップS122において、水素ポンプ40の運転後、水素濃度の上昇速さが増加しなかった場合、水素タンクおよび水素供給系から水素が漏出していると判定する(S110)。この場合は、車両を停止する制御が行われる(S112)。
【0034】
なお、図2において、制御部54と判別部62を別のブロックで示したが、実際には、同一の演算装置が制御部および判別部の処理を実行する。
【0035】
以上は、燃料電池の間欠運転時における水素漏れの判定であるが、燃料電池の発電中においては、現在の水素濃度の値を、過去のデータと比較する。過去の発電中の水素濃度より現在の水素濃度が高くなれば、水素漏れの判定を行う。
【0036】
以下に、水素漏れ検知の好ましい態様を記す。
【0037】
(1)
水素タンクの上方に設置された水素を検知する水素検知器と、
燃料電池システムの間欠運転時における水素検知器による水素の検知に基づき、検知された水素の出所を判別する判別部と、
を有する、車両に搭載される燃料電池システムであって、
水素を循環させる水素ポンプと、
水素反応後の使用済み燃料ガスを燃料電池スタックから排出ための水素排気排水弁と、
水素ポンプと水素排気排水弁の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記判別部は、前記間欠運転時において水素検知器により水素が検知されると、水素濃度の上昇の速さを測定し、
前記制御部は、前記水素濃度の上昇の速さの測定終了後、水素排気排水弁を閉じ状態とし、かつ水素ポンプを運転して水素を送り、
前記判別部は、更に、前記水素ポンプの運転後、水素検知器により検知される水素濃度の上昇の速さが増加しなければ、水素タンクまたは水素タンクから燃料電池スタックに水素を送る水素供給系から水素が漏れていると判定する、
燃料電池システム。
【0038】
(2)
水素タンクの上方に設置された水素を検知する水素検知器と、
燃料電池システムの間欠運転時における水素検知器による水素の検知に基づき、検知された水素の出所を判別する判別部と、
を有する、車両に搭載される燃料電池システムであって、
水素を循環させる水素ポンプと、
水素反応後の使用済み燃料ガスを燃料電池スタックから排出ための水素排気排水弁と、
水素ポンプと水素排気排水弁の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記判別部は、前記間欠運転時において水素検知器により水素が検知されると、水素濃度の上昇の速さを測定し、
前記制御部は、前記水素濃度の上昇の速さの測定終了後、水素排気排水弁を閉じ状態とし、かつ水素ポンプを運転して水素を送り、
前記判別部は、前記水素ポンプの運転後、水素検知器により検知される水素濃度が上昇の速さが増加した場合、水素排気排水弁から水素が漏れていると判定する、
燃料電池システム。
【符号の説明】
【0039】
10 燃料電池搭載車両、12 燃料電池スタック、20 水素タンク、24 水素検知器、26 燃料電池システム、38 循環管、40 水素ポンプ、44 排出管、46 水素排気排水弁、54 制御部、62 判別部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される燃料電池システムであって、
水素タンクの上方に設置された水素を検知する水素検知器と、
燃料電池システムの間欠運転時における水素検知器による水素の検知に基づき、検知された水素の出所を判別する判別部と、
を有する、燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1に記載された燃料電池システムであって、
水素を循環させる水素ポンプと、
水素反応後の使用済み燃料ガスを燃料電池スタックから排出するための水素排気排水弁と、
水素ポンプと水素排気排水弁の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記間欠運転時において水素検知器により水素が検知されると、水素排気排水弁を閉じ状態とし、かつ水素ポンプを運転して水素を送り、
前記判別部は、前記水素ポンプの運転後、水素検知器により検知される水素の濃度が上昇しなければ、水素タンクまたは水素タンクから燃料電池スタックに水素を送る水素供給系から水素が漏れていると判定する、
燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1に記載された燃料電池システムであって、
水素を循環させる水素ポンプと、
水素反応後の使用済み燃料ガスを燃料電池スタックから排出するための水素排気排水弁と、
水素ポンプと水素排気排水弁の動作を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記間欠運転時において水素検知器により水素が検知されると、水素排気排水弁を閉じ状態とし、かつ水素ポンプを運転して水素を送り、
前記判別部は、前記水素ポンプの運転後、水素検知器により検知される水素の濃度が上昇した場合、水素排気排水弁から水素が漏れていると判定する、
燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1に記載された燃料電池システムであって、前記判別部は、前記間欠運転時に水素検知器により水素が検知されると、水素タンクまたは水素タンクから燃料電池スタックに水素を送る水素供給系から水素が漏れていると判定する、燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−204011(P2012−204011A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64822(P2011−64822)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】