説明

燃料電池及び発電システム

【課題】燃料ガス供給路から供給される燃料ガスに不純物ガスが混入する場合であっても、燃料ガスを効率的に発電に用いることができる燃料電池を提供する。
【解決手段】一側面にアノード電極21が形成され、他側面にカソード電極22が形成された膜電極接合体23を複数備えた燃料電池スタック2と、前記膜電極接合体23に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路R6を含む燃料電池であって、前記燃料ガス供給路R6を通流する燃料ガスに作用する遠心力の方向とは反対側の方向に、前記燃料ガス供給路R6に沿ってアノード電極21が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池及び発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池による発電電力で走行用モータを駆動して動力を得る車両が実用化されつつある。
【0003】
図1(a),(b)に示すように、燃料電池スタックは、水素を含む燃料ガスが供給されるアノード電極100と、酸素を含む酸化ガスが供給されるカソード電極200と、アノード電極100及びカソード電極200に挟まれた高分子電解質膜300を備えた膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly)と、燃料ガスをアノード電極に誘導するアノードセパレータと、酸化ガスをカソード電極に誘導するカソードセパレータを備えた燃料電池セルが複数積層されている。
【0004】
燃料ガスタンク400からインジェクタ500を介して供給された水素ガスが、電極に設けた触媒の作用によりアノード電極100で水素イオンと電子に分解され、高分子電解質膜300を移動した水素イオンが、カソード電極200に供給された酸素と反応して水が生成され、アノード電極100で発生した電子が負荷回路600に供給される。
【0005】
カソード電極200には、エアコンプレッサを介して空気が供給されている。さらに、アノード電極100で発電に寄与しなかった水素ガスを再利用するため、燃料電池スタックから排気された水素ガスを燃料電池スタックに循環供給する環状の燃料ガス循環路700が設けられている。
【0006】
ところで、燃料電池スタックから排気された水素ガスには、高分子電解質膜300を通り抜けた微量の窒素ガス等の不純物ガスが含まれるため、燃料ガス循環路700を循環する過程で燃料ガスに含まれる不純物ガスの濃度が高くなると、発電効率が低下するという問題があった。
【0007】
特許文献1には、アノードオフガスから分離された不純物ガスと共に排気されてしまう水素ガスの量を抑制して水素利用効率を向上させる燃料電池システムを提供することを目的として、アノードオフガスを滞留させる滞留空間を形成するガス滞留容器と、アノードオフガスをガス滞留容器に導入するアノードオフガス導管と、アノードオフガスから水素との比重差により分離した不純物ガスをガス滞留容器から導出する不純物ガス導管と、不純物ガスの導出量を調整する排気バルブと、滞留空間の断面積を狭めるオリフィス部を備えた燃料電池システムが提案されている。
【特許文献1】特開2007−328987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたような不純物ガス除去装置を備えることにより、燃料ガス循環路700を循環する水素ガスにより効率的に発電できる燃料電池を構成することができるが、大きな設置スペースが必要になるばかりか部品コストが嵩むという問題がある。
【0009】
そこで、従来は、燃料ガス循環路700に排気弁800を備えた排気路を取り付け、定期的に燃料ガス循環路700内のガスを排気していたが、水素ガスも同時に排気されるため、燃料ガスの有効利用という観点で更なる改良の余地があった。
【0010】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、燃料ガス供給路から供給される燃料ガスに不純物ガスが混入する場合であっても、燃料ガスを効率的に発電に用いることができる燃料電池及び発電システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明による燃料電池の特徴構成は、一側面にアノード電極が形成され、他側面にカソード電極が形成された膜電極接合体を複数備えた燃料電池スタックと、前記膜電極接合体に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路を含む燃料電池であって、前記燃料ガス供給路を通流する燃料ガスに作用する遠心力の方向とは反対側の方向に、前記燃料ガス供給路に沿ってアノード電極が配置されている点にある。
【0012】
上述の構成によれば、燃料ガス供給管を介して燃料ガス供給路に供給されるガスに窒素ガス等の不純物ガスが混入しても、燃料ガス供給路を流れる分子量の小さな水素ガス等の燃料ガスに比べて分子量の大きな窒素ガスに大きな遠心力が作用する。従って、アノード電極を、燃料ガスに作用する遠心力の方向とは反対側の方向に、燃料ガス供給路に沿って配置することにより、アノード電極付近に流れる燃料ガスの濃度が高くなり、不純物ガスが含まれる場合であっても、発電効率の低下を招くことなく効率的に発電できるようになる。
【0013】
また、本発明による発電システムの特徴構成は、走行用のモータに給電する上述の燃料電池と、前記燃料ガス供給路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管に備えた循環ポンプを制御して発電量を調整する制御部を含む発電システムであって、前記循環ポンプの回転数を所定回転数より高く制御する場合に、前記燃料ガス供給路または燃料ガス供給管に備えた排気弁を開放して、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気する点にある。
【0014】
上述の構成によれば、循環ポンプの回転数が所定回転数より高いときに、燃料ガス供給路を流れる不純物ガスの濃度が高くなる傾向があり、そのような場合に排気弁を開放することにより、効率的に不純物ガスを排気することができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明した通り、本発明によれば、燃料ガス供給路から供給される燃料ガスに不純物ガスが混入する場合であっても、燃料ガスを効率的に発電に用いることができる燃料電池及び発電システムを提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による燃料電池及び発電システムが組み込まれた車両について説明する。
【0017】
図2に示すように、燃料電池を動力源とする車両1には、燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2に燃料ガスである水素ガスを供給する燃料ガス供給機構3と、燃料電池スタック2に酸化ガスとしての酸素ガスを含む空気を供給する空気供給機構4と、燃料ガス供給機構3及び空気供給機構4を制御して燃料電池スタック2の発電量を制御する燃料電池制御部FC−ECU(Fuel cell-Electronic Control Unit)と、燃料電池スタック2による発電電力が供給される三相同期式電動機で構成される走行用モータ6等が搭載されている。
【0018】
尚、本実施形態では、燃料ガスとして水素ガスを用いているが、酸素ガスと反応して発電できるものであればその他のものであってもよい。
【0019】
また、本実施形態では、燃料電池スタック2に、燃料ガスと反応させるため、酸素ガスを含む空気を供給しているが、酸素ガスを含んでいるのであれば空気以外のガスを供給してもよいし、酸素ガスそのものを供給してもよい。
【0020】
従って、燃料電池スタック2に酸素ガスを供給するための酸素供給源は、空気供給源、例えば空気供給機構4であってもよいし、酸素ガスそのものの供給源、例えば酸素ガスが充填されたタンクであってもよい。
【0021】
燃料ガス供給機構3は、一端が燃料ガスタンク20に接続され、他端が燃料電池スタック2に接続された燃料ガス供給管R1に、燃料ガスを供給するか遮断する安全弁としての燃料供給弁31と、燃料ガスの供給量を調整するインジェクタ32を備えるとともに、燃料ガスタンク20から供給され、燃料電池スタック2から排気された燃料ガスを、燃料電池スタック2に循環供給する再供給管R2を備えて構成されている。
【0022】
再供給管R2には、燃料ガスの循環流量を調整する循環ポンプPが配置され、再供給管R2または後述する燃料電池スタック2の燃料供給経路には、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気する排気弁33を備えた排気路R8と、不純物ガス濃度を検知するガスセンサ34を備えている。
【0023】
尚、ガスセンサ34には窒素ガスセンサを使用することができるが、水素ガスセンサを使用して、水素ガス濃度を検知することにより窒素ガスの濃度を推定するように構成してもよく、窒素ガスセンサと水素ガスセンサの双方を設けてもよい。
【0024】
空気供給機構4は、一端がエアフィルタ41を介して外気と連通し、他端が燃料電池スタック2に接続された酸化ガス供給管R3と、一端が燃料電池スタック2に接続され、他端がマフラー43を介して外気と連通した排気管R4を備えて構成されている。
【0025】
酸化ガス供給管R3にエアコンプレッサ42が設けられ、エアコンプレッサ42により吸引された外気が酸化ガスとして燃料電池スタック2に供給される。
【0026】
上述した燃料電池スタック2と、燃料ガス供給機構3と、空気供給機構4と、FC−ECUにより発電システムが構成されている。
【0027】
燃料電池スタック2で発電された電力は、リレーRY1、昇圧コンバータ61、インバータ62を介して走行用モータ6に供給され、走行用モータ6の回転力がギア機構65を介して駆動輪66に伝達される。
【0028】
また、回生制動された走行用モータ6による発電電力がインバータ62、昇降圧コンバータ63、リレーRY2を介して蓄電器64に充電される。
【0029】
蓄電器64に蓄えられた電力は、燃料電池スタック2の故障時等、燃料電池による電力が利用できない場合に、リレーRY2、昇降圧コンバータ63、インバータ62を介して走行用モータ6に供給される。
【0030】
当該車両1には、上述したFC−ECUの他に、車両システムを統括して制御するシステム制御部HV−ECU(Hybrid vehicle-Electronic Control Unit)や、HV−ECUの指令に基づいて走行用モータ6を制御するモータ制御部MOT−ECU(Motor-Electronic Control Unit)等の複数の電子制御装置が搭載され、各電子制御装置はCAN(Controller Area Network)によりネットワーク接続されている。
【0031】
各電子制御装置には、CPUと、CPUの実行プログラムや制御データが格納されたROMと、CPUのワーキングエリアとして使用されるRAMと、入出力周辺回路を備えている。図3にはFC−ECUの回路ブロック構成図が示されている。
【0032】
HV−ECUは、FC−ECUやMOT−ECUを管理し、ドライバの運転操作に基づいて、各ECUに制御指令を出力し、車両の走行状態を制御する。例えば、ドライバによってアクセルペダルが踏み込まれると、アクセルペダルの踏込み量に応じた走行を可能にするために、FC−ECUに燃料電池スタック2の発電量に関する制御指令を発し、MOT−ECUに走行用モータ6のトルク指令を発する。
【0033】
FC−ECUは、HV−ECUから発電量に関する制御指令を受信すると、インジェクタ32を制御して燃料ガスの供給量を調整するとともに、循環ポンプPの回転数やエアコンプレッサ42を制御して、燃料電池スタック2による発電量を制御する。尚、図3には示されていないが、FC−ECUには、燃料電池スタック2の電圧及び電流を検知するセンサからの信号が入力されている。
【0034】
また、FC−ECUは、再供給管R2または後述の燃料ガス供給路に設けたガスセンサ34の出力に基づいて、再供給管R2を介して燃料電池スタック2に循環供給される燃料ガスに含まれる不純物ガスの濃度が、所定の許容ガス濃度よりも高いと判断される場合に、排気弁33を開放して、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気する。許容ガス濃度の具体的な値は、実験等に基づいて予め決定されROMに格納されている。
【0035】
尚、FC−ECUは、不純物ガスの濃度に基づいて排気弁33を開放する必要があると判断した場合であっても、循環ポンプPの回転数が所定回転数より高くなるように制御しているときに限り、排気弁33を開放して燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気することがより好ましい。所定回転数も実験等に基づいて予め決定されROMに格納されている。
【0036】
許容ガス濃度、所定回転数は、HV−ECUから出力される発電量に関する制御指令に応じて複数段階に設定されており、燃料ガスの供給量に対する発電効率が低下し、正常な走行の妨げとなる場合に、不純物ガスを排気して発電効率を回復させるための指標である。
【0037】
FC−ECUは、上述した不純物ガスの濃度にかかわらず、燃料電池スタック2による発電量を検知し、循環ポンプPの回転数に基づいて想定される基準発電量よりも低い場合に、排気弁33を開放して、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気するようにも構成されている。
【0038】
図4に示すように、燃料電池は、円筒状に形成された燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2の外周にらせん状に配管された燃料ガス供給路R6と、燃料電池スタック2の内周部に空気を供給する円筒状の吸気路R7を備えている。
【0039】
詳述すると、一側面にアノード電極21が形成され、他側面にカソード電極22が形成された膜電極接合体23でなる複数の燃料電池セル20が、メッシュ状に形成された円筒状の支持部8に沿って配列固定されている。
【0040】
アノード電極21が円筒状の支持部8の外側を向き、カソード電極22が円筒状の支持部8に接するように配列され、以て、吸気路R7に供給される空気がカソード電極22に供給され、燃料ガス供給管R1から供給された燃料ガスが、燃料ガス供給路R6を介してアノード電極21に供給されるように構成されている。
【0041】
図5に示すように、燃料ガス供給路R6は、燃料電池セル20のアノード電極21との間に僅かな間隙Sが形成されるように、アノード電極21に沿って配置されたらせん形状の管壁25とアノード電極21との間に形成され、管壁23の幅方向中央部に外側に湾曲した凸状部24を備えている。
【0042】
つまり、燃料ガス供給路R6には、アノード電極の対向部でアノード電極21から遠ざかる凸状部24が形成されている。
【0043】
燃料ガス供給管R1から供給され、燃料ガス供給路R6に流入した燃料ガスは、らせん状の燃料ガス供給路R6に沿って通流する間に遠心力により、管面23方向への力が作用する。
【0044】
カソード電極22に供給された空気に含まれる窒素ガスの一部が、膜電極接合体23の高分子膜を通過して燃料ガス供給路R6の燃料ガスに混入しても、水素ガスより分子量が大きな窒素ガスの方が遠心力による作用を強く受けるため、窒素ガスの大半が凸状部24に移動し、アノード電極21に接する機会が少なくなるため、アノード電極21には良好に水素ガスが供給されるようになる。
【0045】
つまり、燃料電池は、一側面にアノード電極20が形成され、他側面にカソード電極21が形成された膜電極接合体22を複数備えた燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路R6を含み、燃料ガスに作用する遠心力の方向とは反対側の方向に、燃料ガス供給路R6に沿ってアノード電極21が配置されている。
【0046】
尚、燃料電池スタック2は必ずしも円筒状に形成される必要はなく、少なくとも膜電極接合体22とそれに沿う燃料ガス供給路R6の一部が湾曲形成され、当該湾曲部で燃料ガスに遠心力が作用するような構成であればよい。
【0047】
図6及び図7に示すように、当該凸状部24のうち燃料ガスの流化方向に沿って下流側に、ガスセンサ34と、不純物ガスを排気する排気弁33を備えた排気路R8が設けられている。
【0048】
遠心力によって凸状部24に移動した分子量の大きな不純物ガスが、当該排気路R8を介して排気管R4に排気されるように構成されているのである。
【0049】
上述したFC−ECUによって、ガスセンサ34により検知された不純物ガスの濃度に基づいて、排気弁33が開放されると、凸状部24に移動した不純物ガスが凸状部24から排気路33に効果的に排気されるのである。循環ポンプPの回転数が所定回転数より高ときには、それだけ不純物ガスに対して作用する遠心力が大きくなるので、不純物ガスがさらに効果的に排気される。
【0050】
尚、排気路33の取付位置は、凸状部24のうち燃料ガスの流化方向に沿って上流側、つまり、燃料ガス供給管R1との接合部よりやや下流側であってもよい。また、排気路33を再供給管R2に取り付けてもよい。
【0051】
尚、燃料電池を構成する燃料電池スタック2は、円筒状に形成されるものに限るものではない。少なくとも、燃料ガスに作用する遠心力の方向とは反対側の方向に、燃料ガス循環路R6に沿ってアノード電極が配置されていればよい。
【0052】
例えば、図1に示すような燃料電池スタックにも本発明を適用することができる。詳述すると、図8に示すように、一側面にアノード電極21が形成され、他側面にカソード電極22が形成された膜電極接合体23を湾曲姿勢となるようにケーシングに積層配置し、各膜電極接合体23の両面にカソードセパレータ及びアノードセパレータを配置することによっても実現できる。
【0053】
この場合、アノード電極21は、湾曲姿勢となる膜電極接合体23の凸側に配置される必要がある。
【0054】
以下、FC−ECUによる発電量制御及び不純物ガスのパージ制御を、図9及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
HV−ECUから発電量に関する制御指令を受信すると(SA1)、ROMに格納された発電量と対応付けられたテーブル情報からインジェクタ32の制御量及び循環ポンプPの制御量を読み出して、インジェクタ32及び循環ポンプPの回転数、さらにはエアコンプレッサ42を調整する(SA2,SA3)。
【0056】
さらに、電流センサ及び電圧センサの出力値を検知し(SA4)、制御指令に対応した発電量が得られているか否かを判断し(SA5)、発電量に過不足があれば、インジェクタ32及び循環ポンプPの回転数をフィードバック制御する。
【0057】
例えば、制御指令に対応した発電量と電流センサ及び電圧センサの出力値に基づく発電量の差分に基づいて、インジェクタ32及び循環ポンプPの操作量をPI制御するのである。
【0058】
このようなフィードバック制御を所定時間継続しても、制御指令に対応した発電量に満たない場合には(SA6)、排気弁フラグをセットする(SA7)。
【0059】
図10に示すように、FC−ECUは、所定時間間隔でガスセンサ34の出力を検知し(SB1)、窒素ガス濃度が所定の許容ガス濃度より濃くなり(SB2)、循環ポンプPの回転数が所定回転数より高くなると(SB3)、パージ処理、つまり、排気弁33を所定時間開放した後に閉弁する(SB6,SB7,SB8)。
【0060】
窒素ガス濃度が所定の許容ガス濃度より薄く(SB2)、循環ポンプPの回転数が所定回転数より低い場合には(SB3)、排気弁フラグがセットされているかを判断し、排気弁フラグがセットされていれば(SB4)、排気弁フラグをリセットして(SB5)、ステップSB6,SB7,SB8の処理を実行する。
【0061】
ステップSB4で排気弁フラグがセットされていなければ、そのままパージ処理を終了する。
【0062】
尚、上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】(a)は従来の燃料電池スタックの構造の説明図、(b)は従来の燃料電池スタックを用いた発電システムの説明図
【図2】本発明の燃料電池を搭載した車両の機能ブロック構成図
【図3】FC−ECUの回路ブロック構成図
【図4】本発明の燃料電池の説明図
【図5】燃料ガス供給路の説明図
【図6】排気路が設けられた本発明の燃料電池の説明図
【図7】燃料ガス供給路及び排気路の説明図
【図8】図1に示す燃料電池スタックに本発明を適用する場合の説明図
【図9】FC−ECUによる発電量制御について説明するためのフローチャート
【図10】不純物ガスのパージ制御について説明するためのフローチャート
【符号の説明】
【0064】
2:燃料電池スタック
6:走行用モータ
21:アノード電極
22:カソード電極
23:膜電極接合体
24:凸状部
33:排気弁
34:ガスセンサ
P:循環ポンプ
R1:燃料ガス供給管
R6:燃料ガス供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面にアノード電極が形成され、他側面にカソード電極が形成された膜電極接合体を複数備えた燃料電池スタックと、前記膜電極接合体に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路を含む燃料電池であって、
前記燃料ガス供給路を通流する燃料ガスに作用する遠心力の方向とは反対側の方向に、前記燃料ガス供給路に沿ってアノード電極が配置されている燃料電池。
【請求項2】
前記燃料ガス供給路のうち、アノード電極の対向部に、アノード電極から遠ざかる凸状部が形成され、当該凸状部に不純物ガスを排気する排気弁を備えた排気路が接続されている請求項1記載の燃料電池。
【請求項3】
走行用のモータに給電する請求項1または2記載の燃料電池と、前記燃料ガス供給路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管に備えた循環ポンプを制御して発電量を調整する制御部を含む発電システムであって、
前記循環ポンプの回転数を所定回転数より高く制御する場合に、前記燃料ガス供給路または燃料ガス供給管に備えた排気弁を開放して、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気する発電システム。
【請求項4】
前記燃料ガス供給路または燃料ガス供給管にガスセンサを設けて、当該ガスセンサに基づいて不純物ガス濃度が高いと判断される場合に、前記排気弁を開放して、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気する請求項3記載の発電システム。
【請求項5】
前記燃料電池スタックによる発電量を検知し、前記循環ポンプの回転数に基づいて想定される基準発電量よりも低い場合に、前記排気弁を開放して、燃料ガスに含まれる不純物ガスを排気する請求項3または4記載の発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−140777(P2010−140777A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316446(P2008−316446)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】