説明

燃焼システムおよびその燃焼システムに適用されるリモコン装置

【課題】燃焼装置のエネルギー使用量を目標値以下にできるようにして環境に与える影響の向上を図ることを可能とする燃焼システムを提供する。
【解決手段】リモコン装置10は、設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が、目標値設定手段52により設定される燃焼装置の設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを、目標達成合否判断部53により設定期間毎に判断し、エネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたと判断されたときには、省エネ動作モード指令送信部55から、燃焼装置40の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する。この指令を受け、燃焼装置は、省エネ動作モード指令が解除されるまでの間は省エネ動作モードで動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、給湯機能、浴槽への自動湯張り機能、浴槽湯水の追い焚き(風呂の追い焚き)機能、暖房機能の少なくとも一つを備えた燃焼装置と、該燃焼装置に信号接続されて燃焼装置を遠隔操作するリモコン装置を備えた燃焼システムおよびその燃焼システムに適用されるリモコン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯機能、浴槽への自動湯張り機能、風呂の追い焚き機能、暖房機能等の様々な機能を有する燃焼システムが用いられており、燃焼システムは、通常、前記のような機能を有する燃焼装置と、該燃焼装置を遠隔操作するリモコン装置とが信号接続されて形成されている。リモコン装置は、浴室や台所に設置され、このリモコン装置の表示画面には、給湯や湯張りの設定温度、浴槽水位等の情報を表示することが一般的に行なわれている。
【0003】
また、最近においては、環境に与える影響等を考慮してエネルギー使用量をできるだけ小さくに抑えようとする動きが活発になってきており、給湯器等の燃焼装置の燃料使用量や水使用量、料金等をリモコン装置の表示画面に表示させ、利用者が、その表示を見て、燃料使用量や水使用量、料金等を把握できるようにするリモコン装置も提案されるようになった(例えば、特許文献1、参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004―92951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、燃焼装置の燃料使用量や水使用量、料金等をリモコン装置の表示画面に表示させ、利用者が燃料使用量や料金等を把握できるようにしても、利用者がその旨を意識し、エネルギー使用量を小さくできるように積極的に努力しない限り、エネルギー使用量が小さくなるわけではなく、結果的に、環境に与える影響を向上させることはできなかった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃焼装置のエネルギー使用量を目標値以下にできるようにして環境に与える影響の向上を図ることを可能とする燃焼システムおよびその燃焼システムに適用されるリモコン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明の燃焼システムは、燃焼装置と、該燃焼装置の回路に信号接続されて該燃焼装置の遠隔操作を行なうリモコン装置とを有する燃焼システムにおいて、前記リモコン装置には、前記燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段と、前記設定期間毎の前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力する目標達成合否判断部と、該目標達成合否判断部から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する省エネ動作モード指令送信部とが設けられ、前記燃焼装置は前記省エネ動作モード指令送信部から省エネ動作モード指令が出力されてから該省エネ動作モード指令が解除されるまでの間は省エネ動作モードで動作を行う構成をもって課題を解決する手段としている。
【0008】
また、第2の発明の燃焼システムは、上記第1の発明の構成に加え、前記目標達成合否判断部は、設定期間毎に燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断する代わりに、前記設定期間を複数に分割したタイミング毎に該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断して前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0009】
さらに、第3の発明の燃焼システムは、上記第1の発明の構成に加え、前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が設定期間内に省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えるか否かをエネルギー使用量の推移を考慮して推測する目標達成合否推測部を有し、目標達成合否判断部は、設定期間毎に燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断する代わりに、前記目標達成合否推測部により前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときに目標達成不可判断信号を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0010】
さらに、第4の発明の燃焼システムは、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記リモコン装置には、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときには目標達成不可の表示指令を出力する目標達成不可表示指令部と、該目標達成不可表示指令部から目標達成不可の表示指令が出力されたときには目標が達成されなかったことを示す表示を行う目標達成不可表示部とが設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0011】
さらに、第5の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記目標達成合否判断部は、設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値または推測値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して前記エネルギー使用量の積算値または推測値が前記エネルギー使用量目標値以内であると判断したときには目標達成判断信号を出力する構成とし、リモコン装置は、省エネ動作モードの実行中に前記目標達成合否判断部から前記目標達成判断信号が出力されたときには省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置に送信して省エネ動作モード指令を解除する省エネ動作モード解除指令部を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0012】
さらに、第6の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第5のいずれか一つの発明の構成に加え、前記リモコン装置は、省エネ動作モードの実行中に、目標値設定手段により設定される省エネ目標値を大きくする方向に変更されたときには省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置に送信して省エネ動作モード指令を解除する省エネ動作モード解除指令部を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0013】
さらに、第7の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、前記目標達成合否判断部により設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値以内であると判断されたときに、前記エネルギー使用量目標値に対する前記エネルギー使用量の積算値の割合を求めて該割合の大きさに応じて該割合が小さくなるにつれて次回の設定期間内のエネルギー使用量目標値を連続的または段階的に大きく可変設定する省エネ目標値可変設定部を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0014】
さらに、第8の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、予め設定される保温設定時間内に前記追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う保温機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記保温設定時間を短縮する省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0015】
さらに、第9の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第8のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、予め設定される保温設定時間内に予め定められた間隔毎に前記追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う保温機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を長くする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、第10の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、予め設定される保温設定時間内に前記追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う保温機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記保温機能の動作をキャンセルする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、第11の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第10のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、該追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行ってリモコン装置により設定される風呂設定温度とする追い焚き機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときにリモコン装置の風呂設定温度表示部に表示する風呂設定温度は変更せずに前記追い焚きによる風呂の温度を前記風呂設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0018】
さらに、第12の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、該追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0019】
さらに、第13の発明の燃焼システムは、上記第12の発明の構成に加え、前記省エネ動作モード指令送信部から追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときには、省エネ動作によって追い焚き機能が停止されていることを示す表示指令を出力する省エネ動作表示指令部と、該表示指令に基づき省エネ動作によって追い焚き機能が停止されていることを表示する省エネ用追い焚き停止表示部とを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0020】
さらに、第14の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第13のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、給湯熱交換器と、該給湯熱交換器を通る水を最小燃焼量以上最大燃焼量以下の燃焼制御範囲内で加熱する加熱装置とを有し、前記最大燃焼量で燃焼を行うときには予め設定される最大給湯量の湯を前記給湯熱交換器の給湯通路から給湯先に給湯可能な給湯機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、第15の発明の燃焼システムは、上記第14の発明の構成に加え、前記燃焼装置は、給湯熱交換器で加熱した湯を湯張り通路を介して浴槽に注湯する自動湯張り機能を備え、リモコン装置の目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、省エネ動作モード指令送信部は前記自動湯張り機能による注湯の給湯を除く給湯時の最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、第16の発明の燃焼システムは、上記第14または第15の発明の構成に加え、前記燃焼装置には、給湯熱交換器の管路内の単位時間当たりの通水量を燃焼装置の使用前または使用初期に定められる基準値と比較し、燃焼装置の使用経年変化により前記通水量が前記基準値より小さくなったときには該基準値と前記通水量との差に応じてその差が大きくなるにつれて最大給湯量を段階的に小さくする最大給湯量可変実行部が設けられ、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部から最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令が出力されたときには前記最大給湯量可変実行部が最大給湯量を予め定められた段数だけ小さくする構成をもって課題を解決する手段としている。
【0023】
さらに、第17の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第16のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、給湯熱交換器を有し、該給湯熱交換器を通る水を加熱してリモコン装置により設定される給湯設定温度の湯を前記給湯熱交換器の給湯通路から給湯先に給湯する給湯機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときにリモコン装置の給湯設定温度表示部に表示する給湯設定温度は変更せずに前記給湯先に給湯する給湯の温度を前記給湯設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】
さらに、第18の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第13のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、給湯熱交換器を有し、該給湯熱交換器を通る水を加熱して該給湯熱交換器の給湯通路から給湯先に給湯する給湯機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記給湯機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0025】
さらに、第19の発明の燃焼システムは、上記第18の発明の構成に加え、前記省エネ動作モード指令送信部から給湯機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときには、省エネ動作によって給湯機能が停止されていることを示す表示指令を出力する省エネ動作表示指令部と、該表示指令に基づき省エネ動作によって給湯機能が停止されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0026】
さらに、第20の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第19のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給して予め設定される暖房設定温度上限値以下の温度で暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記暖房設定温度上限値を低くする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0027】
さらに、第21の発明の燃焼システムは、上記第20の発明の構成に加え、前記リモコン装置は熱源機が設けられている建物の屋外温度を検出する屋外温度検出手段に信号接続され、該屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の暖房設定温度上限値を決定する暖房上限温度決定手段が設けられ、省エネ動作モード指令送信部は前記暖房上限温度決定手段により決定した温度を暖房設定温度上限値とする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0028】
さらに、第22の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第21のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給して暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに単位期間毎の暖房利用時間を予め設定される暖房利用時間設定上限値以内に制限する省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0029】
さらに、第23の発明の燃焼システムは、上記第22の発明の構成に加え、前記リモコン装置は熱源機が設けられている建物の屋外温度を検出する屋外温度検出手段に信号接続され、該屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の単位期間毎の暖房利用時間の上限値を決定して設定する暖房利用時間上限値設定手段が設けられており、省エネ動作モード指令送信部は前記暖房利用時間上限値設定手段により決定した時間を単位期間毎の暖房利用時間設定上限値とする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0030】
さらに、第24の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第23のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給してリモコン装置により設定される暖房設定温度となるように暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに暖房設定温度表示部に表示する暖房設定温度は変更せずに暖房の温度を前記暖房設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0031】
さらに、第25の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第19のいずれか一つの発明の構成に加え、前記燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給して暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記暖房機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0032】
なお、暖房機能を有する上記各発明において、流体は、例えば温水である。
【0033】
さらに、第26の発明の燃焼システムは、上記第25の発明の構成に加え、前記省エネ動作モード指令送信部から暖房機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときには、省エネ動作によって暖房機能が停止されていることを示す表示指令を出力する省エネ動作表示指令部と、該表示指令に基づき省エネ動作によって暖房機能が停止されていることを表示する省エネ用暖房停止表示部とを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0034】
さらに、第27の発明の燃焼システムは、上記第1乃至第26のいずれか一つの発明の構成に加え、前記リモコン装置には、省エネ動作モードの実行の有無を決定する省エネ動作モード実行有無設定手段が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0035】
さらに、第28の発明の燃焼システムは、上記第27の発明の構成に加え、前記省エネ動作モード指令送信部は複数項目の省エネ動作モード指令を出力する構成と成し、省エネ動作モード実行有無設定手段は省エネ動作モード指令の項目毎に省エネ動作モードの実行の有無を決定する項目別設定手段を有している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0036】
さらに、第29の発明のリモコン装置は、上記第1または第2または第4乃至第28のいずれか一つの発明の燃焼システムに適用されるリモコン装置であって、燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段と、前記設定期間毎の前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断する、または該設定期間を複数に分割したタイミング毎に該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断し、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力する目標達成合否判断部と、該目標達成合否判断部から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する省エネ動作モード指令送信部とが設けられていることを特徴とする。
【0037】
さらに、第30の発明のリモコン装置は、上記第3乃至第28のいずれか一つの発明の燃焼システムに適用されるリモコン装置であって、燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段と、前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記設定期間内に前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えるか否かをエネルギー使用量の推移を考慮して推測する目標達成合否推測部と、該目標達成合否推測部により前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときに目標達成不可判断信号を出力する目標達成合否判断部と、該目標達成合否判断部から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する省エネ動作モード指令送信部とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、燃焼装置に信号接続されたリモコン装置には、燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段が設けられ、目標達成合否判断部によって、エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かの判断が行われる、あるいは、目標達成合否推測部によって、エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えそうかどうかの推測が行われて、推測結果が目標達成合否判断部に加えられる。
【0039】
そして、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断されたとき、または、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときには、目標達成合否判断部により目標達成不可判断信号が出力され、この信号出力に基づき、省エネ動作モード指令送信部から、燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令が出力される。
【0040】
そして、燃焼装置は、前記省エネ動作モード指令送信部から省エネ動作モード指令が出力されてから該省エネ動作モード指令が解除されるまでの間は省エネ動作モードで動作を行うので、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断されたとき、または、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときには、省エネ動作モードでの動作が行われることになり、エネルギー使用量を小さくすることができ、結果的に、環境に与える影響を向上させることができる。
【0041】
なお、前記目標達成合否判断部が、前記エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して、前記エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたときには目標達成不可判断信号を出力する構成によれば、設定期間毎に省エネ動作モードの実行のタイミングを計ることができ、適切にエネルギー使用量を小さくすることができ、結果的に、環境に与える影響を向上させることができる。
【0042】
また、前記目標達成合否判断部が、前記設定期間を複数に分割したタイミング毎に該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断して、前記エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたときには目標達成不可判断信号を出力する構成によれば、エネルギー使用量が大きくて、その積算値が設定期間に達する前にエネルギー使用量目標値を越えてしまうような場合には、早めに省エネ動作モードを実行することができ、環境に与える影響を向上させることができる。
【0043】
さらに、燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が設定期間内に省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えるか否かをエネルギー使用量の推移を考慮して推測する目標達成合否推測部を有して、目標達成合否判断部が、前記目標達成合否推測部により前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときに目標達成不可判断信号を出力する構成によれば、エネルギー使用量の積算値の推測により、適切なタイミングで省エネ動作モードの実行を行うことができ、適切にエネルギー使用量を小さくすることができ、結果的に、環境に与える影響を向上させることができる。
【0044】
さらに、本発明において、リモコン装置には、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときには目標達成不可の表示指令を出力する目標達成不可表示指令部と、該目標達成不可表示指令部から目標達成不可の表示指令が出力されたときには目標が達成されなかったことを示す表示を行う目標達成不可表示部とが設けられている構成によれば、目標が達成されなかったことを示す表示を行うことにより、その旨を利用者に知らせることができる。そのため、省エネ動作モードの実行の理由を利用者に把握させることができる。
【0045】
さらに、本発明において、目標達成合否判断部は、設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値または推測値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して前記エネルギー使用量の積算値または推測値が前記エネルギー使用量目標値以内であると判断したときには目標達成判断信号を出力する構成とし、省エネ動作モードの実行中に前記目標達成合否判断部から前記目標達成判断信号が出力されたときには省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置に送信して省エネ動作モード指令を解除する構成によれば、省エネ動作モードの実行によりエネルギー使用量が小さくなったときに省エネ動作モードを解除できる。
【0046】
そのため、適切なタイミングで省エネ動作モードの解除を行い、使い勝手のよい燃焼システムを構築できる。
【0047】
さらに、本発明において、リモコン装置は、省エネ動作モードの実行中に、目標値設定手段により設定される省エネ目標値を大きくする方向に変更されたときには省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置に送信して省エネ動作モード指令を解除する構成によれば、必要に応じて省エネ目標値の変更をすれば、省エネ動作モードを解除できるので、使い勝手のよい燃焼システムを構築できる。
【0048】
さらに、本発明において、目標達成合否判断部により設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値以内であると判断されたときに、前記エネルギー使用量目標値に対する前記エネルギー使用量の積算値の割合を求めて該割合の大きさに応じて該割合が小さくなるにつれて次回の設定期間内のエネルギー使用量目標値を連続的または段階的に大きく可変設定する構成によれば、設定期間の複数倍の期間を有する期間におけるエネルギー使用量を平均的な適切な値にすることができる。
【0049】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、燃焼装置の保温機能を実行するための保温設定時間を短縮する省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、利用者に不快感をそれほど与えずに、省エネ動作モードの動作を実行できる。
【0050】
それというのは、例えば保温設定時間は、保温機能動作の開始からしばらくたったときに利用者が浴槽に入る場合でも設定温度の湯に入れるように、長く設定されることが多いので、利用者が早めに入浴すれば保温設定時間を短縮しても利用者が不都合になることもなく、かつ、エネルギー使用量を小さくでき、環境に与える影響を向上できる。
【0051】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、燃焼装置の保温機能による保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を長くする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、利用者に不快感をそれほど与えずに、省エネ動作モードの動作を実行できる。
【0052】
それというのは、通常は、保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を多少長くしても、利用者が入浴しようとしたタイミング時に浴槽湯水温度が大きく低下することはないので、利用者がそれほど不都合を感じることもなく、かつ、エネルギー使用量を小さくでき、環境に与える影響を向上できる。
【0053】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、燃焼装置の保温機能の動作をキャンセルする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、保温機能をキャンセルした場合に、利用者が多少不都合を感じることになるが、手動により追い焚き可能な機能を有していれば、入浴時に利用者がその追い焚き機能を用いることにより入浴可能とすることができ、かつ、エネルギー使用量を小さくでき、環境に与える影響を向上できる。
【0054】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときにリモコン装置の風呂設定温度表示部に表示する風呂設定温度は変更せずに前記追い焚きによる風呂の温度を前記風呂設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、省エネ動作モードによって風呂の温度が多少低く変更されても、利用者が風呂設定温度表示を見ることにより、その変更を感じずに、知らず知らずのうちにエネルギー使用量を小さくすることができる。なお、自動湯張り機能を備えている燃焼装置において、湯張り時の風呂の温度を前記風呂設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成とした場合も、同様の効果を奏することができる。
【0055】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成によれば、追い焚き機能を停止することにより、エネルギー使用量の低減効果を大きくできる。
【0056】
さらに、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する本発明において、省エネ動作モード指令送信部から追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されて燃焼装置の追い焚き機能が停止されていること表示する構成によれば、利用者に省エネ動作モード指令による追い焚き機能停止を把握させることができるので、利用者が燃焼装置の故障であると誤判断すること等を防ぐことができる。
【0057】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、シャワー等の給湯は、その利用時間によって湯の使用量が大きく左右されるので、給湯時の給湯量を小さくすることによりエネルギー使用量を効率的に小さくすることができる。
【0058】
また、利用者が省エネ実行の意識を持てば、シャワー時の単位時間当たりの給湯量が多少小さくなっても、利用者が大きな不都合を感じることはないと考えられるので、本発明において、最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、利用者にそれほど不都合を感じさせることなく省エネを実行でき、環境に与える影響を向上できる。
【0059】
さらに、本発明において、リモコン装置の目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、省エネ動作モード指令送信部は、給湯熱交換器で加熱した湯を湯張り通路を介して浴槽に注湯する自動湯張り機能による注湯の給湯を除く給湯時の最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、自動湯張りの注湯は容量が決まっており、最大給湯量を小さくして注湯してもエネルギー使用量を小さくすることができないので、注湯は最大給湯量を小さくせずに、それ以外の給湯時の給湯量を小さくすることにより、使い勝手がよいままでエネルギー使用量を効率的に小さくすることができ、環境に与える影響を向上できる。
【0060】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部から最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令が出力されたときに、燃焼装置の使用経年変化により給湯熱交換器の通水量が基準値より小さくなったときに最大給湯量を段階的に小さくする最大給湯量可変実行部が最大給湯量を予め定められた段数だけ小さくする構成によれば、最大給湯量可変実行部の機能を利用して省エネ動作を行うことができ、燃焼装置の使用経年変化に対する対応と省エネ動作とを、装置構成が簡略化された装置で兼用できる燃焼システムを構築できる。
【0061】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときにリモコン装置の給湯設定温度表示部に表示する給湯設定温度は変更せずに前記給湯先に給湯する給湯の温度を前記給湯設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、省エネ動作モードによって給湯の温度が多少低く変更されても、利用者が給湯設定温度表示を見ることにより、その変更を感じずに、知らず知らずのうちにエネルギー使用量を小さくすることができる。
【0062】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに給湯機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成によれば、給湯機能を停止することにより、エネルギー使用量の低減効果を大きくできる。
【0063】
さらに、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに給湯機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する本発明において、省エネ動作モード指令送信部から給湯機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されて燃焼装置の給湯機能が停止されていることを表示する構成によれば、利用者に省エネ動作モード指令による給湯機能停止を把握させることができるので、利用者が燃焼装置の故障であると誤判断すること等を防ぐことができる。
【0064】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、燃焼装置の暖房設定温度上限値を低くする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、暖房設定温度上限値を低くすることにより、効率的に省エネ動作を実行でき、環境に与える影響を向上できる。
【0065】
さらに、省エネ動作モード指令送信部が燃焼装置の暖房の暖房設定温度上限値を低くする省エネ動作モード指令を出力する本発明において、リモコン装置に信号接続された屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の暖房設定温度上限値を決定する構成によれば、屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の暖房設定温度上限値を決定することにより、例えば非常に寒い時にも拘わらず暖房設定温度上限値をむやみに低くしてしまうことにより、利用者に不快感を与えてしまうようなことを抑制でき、適切な暖房設定温度上限値を決定して、使い勝手の良さと省エネ動作との両立を確実に図ることができる。
【0066】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに単位期間毎の暖房利用時間を暖房利用時間設定上限値以内に制限する省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、単位期間毎の暖房利用時間を暖房利用時間設定上限値以内に制限することにより、効率的に省エネ動作を実行でき、環境に与える影響を向上できる。
【0067】
さらに、省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに単位期間毎の暖房利用時間を暖房利用時間設定上限値以内に制限する省エネ動作モード指令を出力する本発明において、リモコン装置に信号接続された屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の単位期間毎の暖房利用時間の上限値を決定して設定することにより、例えば非常に寒い時にも拘わらず暖房利用時間をむやみに短くしてしまうことにより、利用者に不快感を与えてしまうようなことを抑制でき、適切な暖房設定温度上限値を決定して、使い勝手の良さと省エネ動作との両立を確実に図ることができる。
【0068】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに暖房設定温度表示部に表示する暖房設定温度は変更せずに暖房の温度を前記暖房設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、省エネ動作モードによって暖房の温度が多少低く変更されても、利用者が暖房設定温度表示を見ることにより、その変更を感じずに、知らず知らずのうちにエネルギー使用量を小さくすることができる。
【0069】
さらに、本発明において、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに暖房機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成によれば、暖房機能を停止することにより、エネルギー使用量の低減効果を大きくできる。
【0070】
さらに、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに暖房機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する本発明において、省エネ動作モード指令送信部から暖房機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されて燃焼装置の暖房機能が停止されていること表示する構成によれば、利用者に省エネ動作モード指令による暖房機能停止を把握させることができるので、利用者が燃焼装置の故障であると誤判断すること等を防ぐことができる。
【0071】
さらに、本発明において、リモコン装置には、省エネ動作モードの実行の有無を決定する省エネ動作モード実行有無設定手段が設けられている構成によれば、利用者が省エネ動作モードを実行させたいときのみ、省エネ動作モードを実行できるので、利用者の考え方に応じ、多少でも省エネ動作モードを利用して環境に与える影響を向上させたい場合には、省エネ動作モードの実行を決定し、省エネよりも使い勝手を優先したい場合等には省エネ動作モードを実行させないといった選択ができる。
【0072】
さらに、本発明において、省エネ動作モード指令送信部は複数項目の省エネ動作モード指令を出力する構成と成し、省エネ動作モード実行有無設定手段は省エネ動作モード指令の項目毎に省エネ動作モードの実行の有無を決定する項目別設定手段を有している構成によれば、例えば多少でも省エネ動作モードを利用して環境に与える影響を向上させたいという考えを持ちながらも、機能によっては省エネよりも使い勝手を優先したい場合等には省エネ動作モードを実行させないといった選択ができ、より一層使い勝手と省エネとの両立を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図2には、本発明に係る燃焼システムの一実施形態例に適用される燃焼装置のシステム構成例が示されている。本実施形態例の燃焼システムは、燃焼装置40と、燃焼装置40の回路(制御装置3の回路)に接続されて燃焼装置40の遠隔操作を行うリモコン装置10とを有している。リモコン装置10は、台所、浴室、暖房を行うために用いられる熱源機が設置されているリビング等の、適宜の場所に設置されている。
【0074】
燃焼装置40は、通常、建物の外に配置されており、例えば台所(図示せず)等の給湯先や、浴室の浴槽(図示せず)等に配管接続されている。同図に示すように、燃焼装置40の燃焼室50内には、それぞれ、加熱装置としての給湯バーナ1(1a,1b,1c)が燃焼室50a内に、暖房用バーナ2(2a,2b)が燃焼室50b内に配置され、これらの各バーナ1,2に燃料ガスを供給する供給系としてのガス通路49が接続されている。
【0075】
ガス通路49には通路の開閉を行う電磁弁37,38と開弁量によってガス供給量を制御する比例弁39とが介設されている。給湯バーナ1と暖房用バーナ2の下方側にはそれぞれ、各バーナ1,2の燃焼の給排気を行う燃焼ファン26,27が設けられており、給湯バーナ装置1と暖房用バーナ2の上方側には、それぞれ、給湯熱交換器7、暖房用熱交換器16が配置されている。
【0076】
給湯熱交換器7の入側には給水通路5が、出側には給湯通路11がそれぞれ接続されており、給水通路5側の通路には流量センサ4と入水温度センサ6が設けられ、また、給湯通路11側の通路には給湯温度センサ8が設けられている。
【0077】
前記暖房用熱交換器16の入側には入流体通路41が、出側には出流体通路42がそれぞれ接続されており、入流体通路41と出流体通路42にはそれぞれ、温度センサ33,34が設けられている。入流体通路41には暖房用ポンプ31の吐出口側が設けられており、暖房用ポンプ31の吸い込み口側には暖房シスターン35を介して暖房用戻り管28と分岐通路43とが接続されている。分岐通路43は電磁弁44を介し、前記出流体通路42に接続されている。
【0078】
本実施形態例において、暖房用の流体は湯水により形成されており、この湯水が、暖房用ポンプ31の駆動に伴い、暖房用戻り管28、入流体通路41、暖房用熱交換器16、出流体通路42を通り、暖房用往管29および暖房用戻り管28に接続された熱源機内を循環する。このとき、前記暖房用バーナ2の燃焼が行われると、この燃焼に伴い、暖房用熱交換器16を通る湯水温が高められ、出流体通路42と暖房用往管29を通って暖房機用の熱源機側に送られ、また、電磁弁44が開かれると、湯水温が高められた温水が前記分岐通路43に通される構成と成している。
【0079】
また、前記分岐通路43の周りを覆う態様で風呂用往管23の途中部が設けられ、水−水熱交換器の追い焚き熱交換器15が形成されている。追い焚き熱交換器15の入側には、風呂温度センサ18、流水スイッチ22、循環ポンプ21の吐出口側が接続されている。循環ポンプ21の吸い込み口側には風呂用戻り管24と管路19とが接続され、管路19は注湯電磁弁13と注湯路14とを介して、前記給湯通路11に接続されている。風呂用戻り管24には水位センサ20が設けられており、風呂用戻り管24と前記風呂用往管23とにより風呂用の追い焚き循環路25が形成され、浴槽に接続されている。
【0080】
本実施形態例において、燃焼装置40は、浴槽を含む給湯先への給湯機能と、浴槽への自動湯張り機能と、湯張りした浴槽の湯の保温機能と、暖房機能とを具備している。これらの機能は、リモコン装置10の設定に従い、燃焼装置40の制御装置3の制御により行われるものであり、各機能の動作は公知であるが、以下に、簡単に説明する。
【0081】
給湯機能の動作は、リモコン装置10の運転スイッチをオンし、この状態で給湯通路11の給湯先に設けられている給湯栓(図示せず)を開くことにより開始する。給湯栓の開により、制御装置3は流量センサ4により給水通路5を通水する最低作動流量以上の流量を検出すると、給湯バーナ1を燃焼し、給湯熱交換器7を通る水を加熱して湯を作成し、その湯を給湯通路11を通して給湯先へ供給する。
【0082】
この給湯機能の動作では、制御装置3は入水温度センサ6による入水温と、流量センサ4による給湯量と、給湯温度センサ8による給湯温(出湯温)との検出情報に基づき、給湯湯温が、リモコン装置10で設定された給湯設定温度となるようにガス通路49から供給されるガス量を比例弁の開弁量によって制御し、最大給湯量以下の湯が適宜給湯される。給湯動作は給湯先の給湯栓が閉止されることによって終了する。つまり、給湯栓の閉止によって流量センサ4が通水の停止を検出したときに、制御装置3は給湯バーナ1へのガス供給を遮断し、給湯バーナ1の燃焼を停止する。
【0083】
湯張り機能の動作は、リモコン装置10の運転スイッチがオンされている状態で、リモコン装置10の自動スイッチをオンすることにより開始する。そうすると、注湯電磁弁13が開かれ、前記給湯機能の動作と同様に給湯熱交換器7を通る水は給湯バーナ1の燃焼加熱により湯となり、その湯は、給湯通路11から注湯路14に入り、風呂用戻り管24と風呂用往管23とを有して構成される前記追い焚き循環路25を通して浴槽へ落とし込まれる。
【0084】
浴槽の水位は水位センサ20としての圧力センサによって検出され、この検出水位が予め設定された浴槽の設定水位に達したときに注湯電磁弁13が閉じられ、湯張り動作が終了する。この湯張りの動作においては、制御装置3はリモコン装置10によって設定された風呂設定温度となるように給湯熱交換器7の給湯湯温を制御する。
【0085】
自動スイッチによる自動運転の動作においては、湯張り機能の動作に引き続き保温機能の動作が行なわれる。この保温機能の動作は、予め定められた間隔(時間間隔)で、循環ポンプ21を短時間起動して、浴槽の湯を追い焚き循環路25を通して循環し、風呂温度センサ18により浴槽の湯温(風呂温度)を検出する。
【0086】
風呂の検出温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を外れて低下したときには、循環ポンプ21を駆動して浴槽の湯水を追い焚き循環路25を通して循環しながら、追い焚き熱交換器15で加熱し、追い焚きを行う。そして、風呂温度センサ18の検出温度が風呂の設定温度に達したときに循環ポンプ21を停止し追い焚きを停止する。
【0087】
なお、本実施形態例では、この風呂の追い焚きは、追い焚き循環路25の循環水が流水スイッチ22で検知されたときに、暖房用バーナ2を燃焼駆動して暖房用熱交換器16を通る湯水を加熱し、電磁弁44を開いて暖房用ポンプ31を駆動することにより、暖房用熱交換器16を通って加熱された湯を分岐通路43に通して、追い焚き熱交換器15を通る循環湯水を加熱昇温して浴槽湯水の追い焚きを行う。
【0088】
このような保温機能の動作(保温動作)は、湯張りが終了してから、予め定めた保温設定時間(例えば4時間)にわたって行なわれる。保温機能と供に保水機能の動作を行う燃焼装置40においては、水位センサ20によって浴槽の水位が監視され、浴槽の水位が設定水位から許容範囲を越えて低下したときには注湯電磁弁13が開けられて給湯熱交換器7側から設定水位に達する不足分の湯量が補充され、浴槽水位を設定水位に維持する保水動作が行なわれる。
【0089】
また、追い焚き機能による浴槽湯水の追い焚き動作は、前記運転スイッチがオンされている状態で、リモコン装置10の追い焚きスイッチをオンすることによっても開始する。風呂の追い焚きの動作は、循環ポンプ21が駆動されて浴槽の湯水が風呂用の追い焚き循環路25を通して循環されるものであり、本実施形態例では、前記の如く、暖房用の熱を利用して追い焚き熱交換器15を通る湯水を加熱するものである。
【0090】
この追い焚き動作は風呂温度センサ18が風呂温度を検出し、その検出温度が風呂設定温度に達したときに暖房用バーナ2の燃焼停止と循環ポンプ21、暖房用ポンプ31の停止と、電磁弁44の閉動作とが行なわれて自動的に終了する。また、追い焚き動作中に追い焚きスイッチのオフ操作をすると、追い焚き動作の途中で追い焚きの動作が停止される。
【0091】
暖房機能の動作は、暖房スイッチがオンされることにより行われるものであり、暖房用バーナ2(2a,2b)の燃焼制御によって暖房用熱交換器16を通る水が加熱され、電磁弁44を閉とした状態で暖房用ポンプ31を駆動制御し、暖房用戻り管28と暖房用往管29とを有して形成される暖房用循環路30内に暖房用の湯を循環させることにより、暖房用循環路30に接続された床暖房等の熱源機の温度が暖房設定温度となるようにする。
【0092】
本実施形態例の燃焼システムは、以上のような各機能を実行できる構成を有しており、次に、本実施形態例の制御構成について、図1に示すブロック図に基づいて説明する。
【0093】
同図に示すように、リモコン装置10は、省エネ実行有無設定手段51、目標値設定手段52、目標達成合否判断部53、省エネ動作モード指令送信部55、省エネ動作モード解除指令部63、動作スイッチ群61(運転スイッチ、自動スイッチ、追い焚きスイッチ、暖房スイッチ)、時計機構62、目標達成不可表示指令部56、省エネ動作表示指令部69、エネルギー使用量積算手段54、表示部57、給湯関連情報入力手段58、風呂運転関連情報入力手段59、暖房関連情報入力手段60、信号送受信部80、監視部82を有している。
【0094】
燃焼装置40の制御装置3は、省エネ動作モード指令受信部70、湯張り制御手段71、給湯燃焼制御手段72、追い焚き制御手段73、暖房燃焼制御手段74、信号送受信部81、監視部83を有している。
【0095】
リモコン装置10に設けられた信号送受信部80と制御装置3に設けられた信号送受信部81とは、図示されていない通信線を介して電気的に接続されており、信号送受信部80,81を介してリモコン装置10と制御装置3とが互いに通信するように構成されている。
【0096】
また、監視部82は、リモコン装置10に設けられた制御構成要素の機能と動作をマイコン(マイクロコンピュータ)により監視し、同様に、監視部83は、制御装置3設けられた制御構成要素の機能と動作をマイコンにより監視する。
【0097】
給湯燃焼制御手段72は、運転スイッチがオンの状態での前記給湯機能の実行時に、ガスの電磁弁37の開閉と比例弁39の開弁量を制御することにより、給湯バーナ1(1a,1b,1c)の燃焼を最小燃焼量以上最大燃焼量以下の燃焼制御範囲内で制御する。この燃焼制御により給湯熱交換器7を通る水を加熱し、給湯関連情報入力手段58により設定される給湯設定温度の湯として出湯可能とする。
【0098】
湯張り制御手段71は、自動スイッチのオン信号を受けて前記浴槽への自動湯張り動作の制御を行うものである。なお、自動湯張り制御の仕方は様々であり、本実施形態例でもこれまで提案されてきた様々な自動湯張り制御方法や今後提案される様々な自動湯張り制御方法を適用することができるが、その詳細説明は省略する。
【0099】
追い焚き制御手段73は、前記自動湯張り後の保温機能の実行時または、追い焚きスイッチのオン動作時に、暖房用バーナ2で加熱される湯を水―水熱交換器の追い焚き熱交換器15に通して浴槽湯水の追い焚き運転を制御し、浴槽内の湯の温度を、風呂運転関連情報入力手段59により入力される風呂設定温度の湯にする。
【0100】
暖房燃焼制御手段74は、暖房スイッチのオン信号を受けて、ガスの電磁弁38の開閉と比例弁39の開弁量を制御することにより、暖房用バーナ2(2a,2b)の燃焼制御を行い、暖房用熱交換器16を通る水を加熱すると共に、暖房用ポンプ31の駆動制御を行って暖房用の湯を循環させ、床暖房等の熱源機の温度が、暖房関連情報入力手段60によって暖房設定温度上限値以下に設定される暖房設定温度となるようにする。
【0101】
本実施形態例において、上記各制御手段72,73,74の制御によって、前記の如く、湯張りを含む給湯、追い焚き、暖房の各機能が実行される際、ガス比例弁39の開度や流量センサ4の検出値の信号は、前記信号送受信部81,80と信号線(図示せず)とを介し、リモコン装置10のエネルギー使用量算出手段54に加えられる。
【0102】
エネルギー使用量算出手段54は、ガス比例弁39の開度や流量センサ4の検出値の信号を受けて、給湯バーナ1や暖房用バーナ2の燃焼時に、ガスの比例弁39の開度からガス使用量を求め、予め定められる設定期間(例えば30日間)の間、積算していく。なお、給湯使用時に、(湯量×(給湯設定温度−入水温度))/効率の式により、ガス使用量を求めてもよい。また、エネルギー使用量算出手段54は、流量センサ4の検出値に基づいて水の使用量を求め、前記設定期間の間、積算していく。この計算のタイミングは、特に限定されるものではないが、本実施形態例では、例えば夜中等、燃焼装置40の稼働率が小さい時刻に行うようにしている。
【0103】
目標設定手段52は、燃焼装置40の予め定められる設定期間(例えば30日)毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定するものであり、例えば、利用者が、リモコン装置10の表示部57である表示画面を見ながら操作ボタンを操作すること等により省エネ目標値が設定される。省エネ目標値は、通常、ガス料金や上水道料金の値により設定されるが、ガス使用量や水道使用量により設定することもできる。省エネ設定値は目標達成合否判断部53に加えられる。
【0104】
目標達成合否判断部53は、時計機構62から時間情報を取り込み、前記設定期間毎の燃焼装置40のエネルギー使用量の積算値が前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断して、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力し、省エネ動作モード指令送信部55と目標達成不可表示指令部56とに加える。
【0105】
なお、目標達成合否判断部53は、エネルギー使用量の積算値が前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かの判断を、前記設定期間毎に行う代わりに、前記設定期間を複数に分割したタイミング毎に(例えば1日毎に)、該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断してもよい。
【0106】
本実施形態例では、燃焼装置40のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かをいずれのタイミングで判断するかを適宜設定できるように、判断タイミング設定手段(図示せず)が設けられており、利用者が適宜選択できるようになっている。なお、判断タイミング設定手段を設けず、予めいずれか一方の機能のみを設定しておき、実行してもよい。
【0107】
目標達成不可表示指令部56は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときには目標達成不可の表示指令を出力し、この表示指令を表示部57に加える。
【0108】
表示部57は、一般に、時計表示や、給湯関連情報の表示を行う機能を有しており、中には、文字放送表示が行われるものもあるが、本実施形態例に設けられている表示部57は、これらの表示を行う機能に加え、目標達成不可表示部64が、目標達成不可表示指令部56から目標達成不可の表示指令が出力されたときに、目標が達成されなかったことを示す表示を行う機能を有している。
【0109】
この表示は、特に限定されるものではないが、例えば、「エネルギー使用量が目標値を越えました。」、「目標値を越えました。」、といった文字表示で行うと分かりやすい。また、エネルギー使用量目標値を越えたことを示すランプの点灯や点滅等による表示でもよい。
【0110】
省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには、燃焼装置40の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する。この省エネ動作モード指令は、後述するように、予め定められた省エネ動作モードでの動作を指令するものであり、前記信号送受信部80,81と前記通信線とを介し、燃焼装置40の制御装置3の省エネ動作モード指令受信部70に加えられる。
【0111】
本実施形態例において、燃焼装置40は、前記省エネ動作モード指令送信部55から省エネ動作モード指令が出力されてから該省エネ動作モード指令が解除されるまでの間は省エネ動作モードで動作を行う。つまり、省エネ動作モード指令受信部70が省エネ動作モード指令を受けると、省エネ動作モード指令受信部70は、この指令を、適宜、給湯燃焼制御手段72、追い焚き制御手段73、暖房燃焼制御手段74に加え、燃焼装置40は省エネ動作モードでの動作を行う。
【0112】
また、本実施形態例において、前記リモコン装置10の目標達成合否判断部53は、設定期間毎の燃焼装置40のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断し、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値以内であると判断したときには目標達成判断信号を出力する構成と成している。この目標達成判断信号は、省エネ動作モード解除指令部63に加えられる。
【0113】
省エネ動作モード解除指令部63は、省エネ動作モードの実行中に前記目標達成合否判断部53から前記目標達成判断信号が出力されたときには、省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置40側に出力し、送信して省エネ動作モード指令を解除する。
【0114】
また、省エネ動作モード解除指令部63は、省エネ動作モードの実行中に、目標値設定手段により設定される省エネ目標値を大きくする方向に変更されたときには、省エネ動作モードの解除指令を出力し、燃焼装置40側に送信して省エネ動作モード指令を解除する。
【0115】
これらの省エネ動作モードの解除指令も、省エネ動作モード指令と同様に、前記信号送受信部80,81、通信線を介して省エネ動作モード指令受信部70に加えられ、省エネ動作モード指令の解除が行われる。
【0116】
なお、省エネ動作モード解除指令部63から省エネ動作モードの解除指令が出力されたときに、前記目標達成不可表示指令部56は、この省エネ動作モードの解除指令を受け、目標が達成されなかったことを示す表示を解除する。なお、このとき、表示部57が、「目標が達成されました。」といったような、目標達成を示す表示を行うようにしてもよい。
【0117】
前記省エネ動作モード指令送信部55は、以下に示すような様々な省エネ動作モード指令を出力することができる。
【0118】
例えば、第1形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、前記保温設定時間を(例えば4時間から2時間に変更するといったように)短縮する省エネ動作モード指令を出力する。
【0119】
第2形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、前記保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を(例えば30分間隔から1時間間隔に変更するといったように)長くする省エネ動作モード指令を出力する。
【0120】
第3形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、前記保温機能の動作をキャンセルする省エネ動作モード指令を出力する。
【0121】
第4形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、リモコン装置10の表示部57内の風呂設定温度表示部65に表示する風呂設定温度は変更せずに、追い焚きによる風呂の温度を前記風呂設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する。本実施形態例において、追い焚きは、自動湯張り動作中に適宜行われる追い焚きと、保温動作中の追い焚きと、追い焚きスイッチが押されたときに行われる追い焚きの両方を含むものである。なお、いずれか1つの動作時の追い焚きにのみ適用できるような選択手段を設けてもよい。
【0122】
第5形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する。
【0123】
なお、第5形態例の場合、リモコン装置10には、省エネ動作モード指令送信部55から追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときに、本実施形態例のように、燃焼装置40の追い焚き機能が停止されていることの表示指令を出力する省エネ動作表示指令部69と、該省エネ動作表示指令部69から前記表示指令が出力されたときには省エネ動作によって追い焚き機能が停止されていることを示す表示を行う省エネ用追い焚き停止表示部とを設けることが好ましい。
【0124】
本実施形態例では、省エネ用機能停止表示部75が省エネ用追い焚き停止表示部として機能し、例えば、「エネルギー使用量が目標値を越えたため、追い焚きができません。」といったような表示を、省エネ用機能停止表示部75に行うようにする。なお、表示形態は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0125】
以上のような第1から第5形態例の場合、各省エネ動作モード指令は、燃焼装置40の省エネ動作モード指令受信部70を介して追い焚き制御手段73に加えられる。
【0126】
また、第6形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、給湯機能の動作時における前記最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力する。本実施形態例において、この最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令は、自動湯張り機能による注湯の給湯を除く給湯時(例えばシャワー使用や台所等への給湯時)の最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令とする。
【0127】
なお、燃焼装置40には、給湯熱交換器7の管路内の単位時間当たりの通水量を燃焼装置40の使用前または使用初期に定められる基準値と比較し、燃焼装置40の使用経年変化により前記通水量が前記基準値より小さくなったときには該基準値と前記通水量との差に応じてその差が大きくなるにつれて最大給湯量を、例えば、その号数により、24号から20号にしたり、20号から16号にしたりするといったように、段階的に小さくする最大給湯量可変実行部が設けられている場合がある。
【0128】
この種の燃焼装置40においては、省エネ動作モード指令送信部55から最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令が出力されたときに、前記最大給湯量可変実行部が最大給湯量を予め定められた段数だけ(上記のように、号数によって最大給湯量を指定する場合、予め定められた号数だけ)小さくするように構成してもよい。
【0129】
第7形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、リモコン装置10の表示部57内の給湯設定温度表示部66に表示する給湯設定温度は変更せずに、前記給湯先に給湯する給湯の温度を前記給湯設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する。
【0130】
第8形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、前記給湯機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する。
【0131】
なお、第8形態例の場合、リモコン装置10には、省エネ動作モード指令送信部55から給湯機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときに、本実施形態例のように、燃焼装置の給湯機能が停止されていることの表示指令を出力する省エネ動作表示指令部69と、該省エネ動作表示指令部69から前記表示指令が出力されたときには省エネ動作によって給湯機能が停止されていることを示す表示を行う省エネ用給湯停止表示部とを設けることが好ましましい。
【0132】
本実施形態例では、省エネ用機能停止表示部75が省エネ用給湯停止表示部としても機能し、例えば、「エネルギー使用量が目標値を越えたため、給湯ができません。」といったような表示を、省エネ用機能停止表示部75に行うようにする。なお、表示形態は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0133】
これらの第6から第8形態例の場合、省エネ動作モード指令は、燃焼装置40の省エネ動作モード指令受信部70を介して給湯制御手段72に加えられる。
【0134】
第9形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、暖房機能実行時の前記暖房設定温度上限値を低くする省エネ動作モード指令を出力する。
【0135】
なお、この第9形態例において、リモコン装置10を、熱源機が設けられている建物の屋外温度を検出する屋外温度検出手段に信号接続し、該屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の暖房設定温度上限値を決定する、図1の破線に示す暖房上限温度決定手段76を設け、省エネ動作モード指令送信部55は、前記暖房上限温度決定手段により決定した温度を暖房設定温度上限値とする省エネ動作モード指令を出力する構成とすると、例えば非常に寒い時にも拘わらず暖房設定温度上限値をむやみに低くしてしまうことにより、利用者に不快感を与えてしまうようなことを抑制でき、適切な暖房設定温度上限値を決定できるので好ましい。
【0136】
第10形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、単位期間毎の暖房利用時間を暖房利用時間設定上限値以内に制限する省エネ動作モード指令を出力する。
【0137】
なお、この第10形態例において、リモコン装置10を、熱源機が設けられている建物の屋外温度を検出する屋外温度検出手段に信号接続し、該屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の単位期間毎の暖房利用時間の上限値を決定して設定する、図1の破線に示す暖房利用時間上限値設定手段77を設け、省エネ動作モード指令送信部55は、前記暖房利用時間上限値設定手段により決定した時間を単位期間毎の暖房利用時間設定上限値とする省エネ動作モード指令を出力すると、例えば非常に寒い時にも拘わらず暖房利用時間設定上限値をむやみに小さくしてしまうことにより、利用者に不快感を与えてしまうようなことを抑制でき、適切な暖房利用時間設定上限値を決定できるので好ましい。
【0138】
第11形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、暖房設定温度表示部67に表示する暖房設定温度は変更せずに、暖房の温度を前記暖房設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する。
【0139】
第12形態例として、省エネ動作モード指令送信部55は、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときに、暖房機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する。
【0140】
なお、第12形態例の場合、リモコン装置10には、省エネ動作モード指令送信部55から暖房機能を停止する省エネ動作モード指令が出力された時に、本実施形態例のように、燃焼装置40の暖房機能が停止されていることの表示指令を出力する省エネ動作表示指令部69と、該省エネ動作表示指令部69から前記表示指令が出力されたときには省エネ動作によって暖房機能が停止されていることを示す表示を行う省エネ用暖房停止表示部とを設けることが好ましましい。
【0141】
本実施形態例では、省エネ用機能停止表示部75が省エネ用暖房停止表示部としても機能し、例えば、「エネルギー使用量が目標値を越えたため、暖房ができません。」といったような表示を省エネ用機能停止表示部75に行うようにする。なお、表示形態は、特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0142】
これらの第9から第12形態例の場合、省エネ動作モード指令は、燃焼装置40の省エネ動作モード指令受信部70を介して暖房燃焼制御手段74に加えられる。
【0143】
本実施形態例において、省エネ動作モード指令送信部55は、前記第1から第12形態例のうち、2つ以上の形態例を実行できるように、複数項目の省エネ動作モード指令を出力可能に構成されている。
【0144】
また、本実施形態例では、リモコン装置10には、省エネ動作モード実行有無設定手段51が設けられている。この省エネ動作モード実行有無設定手段51は、省エネ動作モードの実行の有無を決定するものであり、省エネ動作モード実行有無設定手段51は、省エネ動作モード指令の項目毎に省エネ動作モードの実行の有無を決定する項目別設定手段を有している。つまり、本実施形態例では、省エネ動作モード実行有無設定手段51により決定した省エネ動作モード指令のみを選択的に省エネ動作モード指令送信部55から出力する構成と成している。
【0145】
本実施形態例は以上のように構成されており、リモコン装置10の目標値設定手段53によって、燃焼装置40の予め定められる設定期間(例えば30日)毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定し、省エネ動作モード実行有無設定手段51によって、省エネ動作モードの実行有りとすると、目標達成合否判断部53によって、エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かの判断が行われる。
【0146】
そして、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断されたときには、省エネ動作モード指令送信部55から省エネ動作モード指令が出力されて省エネ動作モードでの動作が実行される。
【0147】
目標達成合否判断部53が前記エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを設定期間毎に判断する場合、例えば、図3(a)に示すように、目標値設定手段53によって省エネ目標値が設定されてから30日後に目標達成の合否判断が行われ、前記エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたときには目標達成不可判断信号が出力され、省エネ動作モード指令が出力されて、省エネ動作モードでの動作が実行される。
【0148】
このように構成すると、設定期間毎に省エネ動作モードの実行のタイミングを計ることができ、適切にエネルギー使用量を小さくすることができ、結果的に、環境に与える影響を向上させることができる。
【0149】
また、目標達成合否判断部53が、前記設定期間を複数に分割したタイミング毎に該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断する場合、例えば図3(b)に示すように、設定期間に達する以前であっても、前記エネルギー使用量の積算値が省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたときには目標達成不可判断信号を出力し、省エネ動作モード指令を出力して、省エネ動作モードでの動作が行われる。
【0150】
このように構成すると、エネルギー使用量が大きくて、その積算値が設定期間に達する前にエネルギー使用量目標値を越えてしまうような場合には、早めに省エネ動作モードを実行することができ、環境に与える影響を向上させることができる。
【0151】
なお、省エネ動作モード指令送信部55は、前記第1から第12形態例のうち、省エネ動作モード実行有無設定手段51により選択決定した項目のみ省エネ動作モード指令を出力するので、その省エネ動作モードでの動作が行われる。
【0152】
また、本実施形態例では、目標達成合否判断部53から目標達成不可判断信号が出力されたときには、目標が達成されなかったことを示す表示を行うので、目標が達成されなかったことを示す表示を行うことにより、省エネ動作モードの実行の理由を利用者に把握させることができる。
【0153】
さらに、本実施形態例では、目標達成合否判断部53は、設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断し、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値以内であると判断したときには目標達成判断信号を出力する構成と成しており、省エネ動作モードの実行中に目標達成合否判断部53から前記目標達成判断信号が出力されたときには省エネ動作モード指令を解除する。そのため、省エネ動作モードの実行によりエネルギー使用量の積算値が小さくなり、省エネ動作モードの解除指令が出力されたときには、図3(a)、(b)に示すように、省エネ動作モードを解除できる。
【0154】
また、本実施形態例において、省エネ動作モードの実行中に、目標値設定手段52により設定される省エネ目標値を大きくする方向に変更すれば、例えば図3(b)の矢印Aに示すように、省エネ動作モード指令を解除することができる。
【0155】
つまり、本実施形態例は、設定期間毎の判断により、あるいは、必要に応じての省エネ目標値の変更により、適切なタイミングで省エネ動作モードの解除を行い、使い勝手のよい燃焼システムを構築できる。
【0156】
さらに、本実施形態例において、実行する省エネ動作モードを適宜選択することにより、以下のような効果を奏することができる。
【0157】
例えば、燃焼装置40の保温機能を実行するための保温設定時間を短縮する前記第1形態例においては、例えば保温設定時間は、保温機能動作の開始からしばらくたったときに利用者が浴槽に入る場合でも設定温度の湯に入れるように長く設定されることが多いので、利用者が早めに入浴すれば保温設定時間を短縮しても利用者が不都合になることもなく、かつ、エネルギー使用量を小さくでき、環境に与える影響を向上できる。
【0158】
また、前記保温機能による保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を長くする前記第2形態例によれば、通常は、保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を多少長くしても、利用者が入浴しようとしたタイミング時に浴槽湯水温度が大きく低下することはないので、利用者がそれほど不都合になることもなく、かつ、エネルギー使用量を小さくでき、環境に与える影響を向上できる。
【0159】
さらに、前記保温機能の動作をキャンセルする前記第3形態例によれば、保温機能のキャンセルした場合に、利用者が多少不都合を感じることになるが、利用者が手動により追い焚きを行えば入浴でき、かつ、エネルギー使用量を小さくでき、環境に与える影響を向上できる。
【0160】
さらに、リモコン装置10の風呂設定温度表示部65に表示する風呂設定温度は変更せずに前記追い焚きによる風呂の温度を前記風呂設定温度よりも低くする前記第4形態例によれば、省エネ動作モードによって風呂の温度が多少低く変更されても、利用者が風呂設定温度表示を見ることにより、その変更を感じずに、知らず知らずのうちにエネルギー使用量を小さくすることができる。
【0161】
さらに、追い焚き機能を停止する前記第5形態例によれば、省エネ動作モード指令を出力する構成と成している構成によれば、追い焚き機能を停止することにより、エネルギー使用量の低減効果を大きくできる。なお、この形態例において、省エネ動作モード指令が出力されて燃焼装置の追い焚き機能が停止されていることを表示する構成によれば、利用者に省エネ動作モード指令による追い焚き機能停止を把握させることができるので、利用者が燃焼装置の故障であると誤判断すること等を防ぐことができる。
【0162】
さらに、燃焼装置40の最大給湯量を小さくする前記第6形態例によれば、シャワー等の給湯は、その利用時間によって湯の使用量が大きく左右されるので、給湯時の給湯量を小さくすることによりエネルギー使用量を効率的に小さくすることができ、かつ、利用者にそれほど不快感を与えることもなく、環境に与える影響を向上できる。
【0163】
さらに、リモコン装置10の給湯設定温度表示部66に表示する給湯設定温度は変更せずに前記給湯先に給湯する給湯の温度を前記給湯設定温度よりも低くする前記第7形態例によれば、省エネ動作モードによって給湯の温度が多少低く変更されても、利用者が給湯設定温度表示を見ることにより、その変更を感じずに、知らず知らずのうちにエネルギー使用量を小さくすることができる。
【0164】
さらに、給湯機能を停止する前記第8形態例によれば、給湯機能を停止することにより、エネルギー使用量の低減効果を大きくできる。なお、この形態例においては、省エネ動作モード指令によって給湯機能が停止されていることを表示することにより、利用者に省エネ動作モード指令による給湯機能停止を把握させることができるので、利用者が燃焼装置の故障であると誤判断すること等を防ぐことができる。
【0165】
さらに、燃焼装置40の暖房設定温度上限値を低くする前記第9形態例によれば、暖房設定温度上限値を低くすることにより、効率的に省エネ動作を実行でき、環境に与える影響を向上できる。
【0166】
さらに、単位期間毎の暖房利用時間を暖房利用時間設定上限値以内に制限する前記第10形態例によれば、単位期間毎の暖房利用時間を暖房利用時間設定上限値以内に制限することにより、効率的に省エネ動作を実行でき、環境に与える影響を向上できる。
【0167】
さらに、暖房設定温度表示部67に表示する暖房設定温度は変更せずに暖房の温度を前記暖房設定温度よりも低くする前記第11形態例によれば、省エネ動作モードによって暖房の温度が多少低く変更されても、利用者が暖房設定温度表示を見ることにより、その変更を感じずに、知らず知らずのうちにエネルギー使用量を小さくすることができる。
【0168】
さらに、暖房機能を停止する前記第12形態例によれば、暖房機能を停止することにより、エネルギー使用量の低減効果を大きくできる。なお、この形態例において、省エネ動作モード指令が出力されて燃焼装置の暖房機能が停止されていること表示することにより、利用者に省エネ動作モード指令による暖房機能停止を把握させることができるので、利用者が燃焼装置の故障であると誤判断すること等を防ぐことができる。
【0169】
また、本実施形態例において、省エネ動作モード指令送信部55から、追い焚き機能の停止と、給湯機能の停止と、暖房機能の停止の省エネ動作モード指令が全て出力された場合、省エネ用機能停止表示部75への、これらの機能停止の表示と、時計表示のみをリモコン装置10の表示部57に行うようにしてもよく、このようにすると、リモコン装置10の消費電力を小さくすることができる。
【0170】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、省エネ動作モード指令送信部55は、前記第1から第12形態例のうち、2つ以上の形態例を実行できるように、複数項目の省エネ動作モード指令を出力可能に構成されていたが、省エネ動作モード指令送信部55は1つの省エネ動作モード指令のみを出力する構成としてもよい。
【0171】
この場合、省エネ動作モード実行有無設定手段51には、項目別設定手段を設ける必要はなく、1つの省エネ動作モード指令の実行の有無を決定できればよい。
【0172】
なお、省エネ動作モード実行有無設定手段51は、省略することもできる。この場合、使い勝手を考慮して、省エネ動作モード指令送信部55により出力する1つ以上の種類の省エネ動作モード指令の内容を設定することが好ましい。
【0173】
また、図1の破線に示すように、リモコン装置10に、目標達成合否推測部68を設け、この目標達成合否推測部68によって、燃焼装置40のエネルギー使用量の積算値が、設定期間内に省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えるか否かをエネルギー使用量の推移を考慮して推測し、この推測結果に基づいて目標達成合否判断を行うようにしてもよい。
【0174】
つまり、目標達成合否判断部53は、設定期間毎に燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断する代わりに、前記目標達成合否推測部68により、例えば図4に示すように、エネルギー使用量の推移を示す特性線aの傾きが、設定期間(ここでは30日間)後のエネルギー使用量目標値Eと設定期間の開始時(期間0の時)とを結ぶ線bの傾きに比べ、例えば予め設定した許容範囲を超えて大きく、前記エネルギー使用量の積算値が設定期間経過時には前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときに目標達成不可判断信号を出力する構成とすることができる。
【0175】
この場合、目標達成不可表示部64への表示は、例えば、「このまま使い続けると目標が達成できません。」といったような文字表示で行うことができる。なお、表示形態は特に限定されるものではなく、適宜設定される。
【0176】
上記のように、目標達成合否推測部68を設けてエネルギー使用量の積算値を推測する構成とした場合は、エネルギー使用量が大きくて、その積算値が設定期間に達する前にエネルギー使用量目標値を越えてしまうような場合に、早めに省エネ動作モードを実行することができ、環境に与える影響を向上させることができる。
【0177】
なお、目標達成合否判断部53による目標達成合否判断を、上記のような推測により行うか、上記実施形態例のように、エネルギー使用量の積算値に基づいて行うかを選択する手段を設け、この選択手段によっていずれかの方法を選択できるようにしてもよい。
【0178】
また、目標達成合否判断部53は、設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の推測値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して前記エネルギー使用量の推測値が前記エネルギー使用量目標値以内であると判断したときには目標達成判断信号を出力する構成としてもよい。この場合も、目標達成合否判断部53による判断によって上記実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0179】
また、目標達成合否判断部53により設定期間毎の燃焼装置40のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値以内であると判断されたときに、前記エネルギー使用量目標値に対する前記エネルギー使用量の積算値の割合を求めて該割合の大きさに応じて該割合が小さくなるにつれて次回の設定期間内のエネルギー使用量目標値を連続的または段階的に大きく可変設定する省エネ目標値可変設定部を有する構成としてもよい。
【0180】
例えば、エネルギー使用量目標値に対するエネルギー使用量の積算値の割合が100%だったときには、省エネ目標値を前回の設定値と同じに設定し、エネルギー使用量目標値に対するエネルギー使用量の積算値の割合が95%だったときには、省エネ目標値を前回の設定値より3%大きく設定し、エネルギー使用量目標値に対するエネルギー使用量の積算値の割合が90%だったときには、省エネ目標値を前回の設定値より5%大きく設定するといったようにしてもよい。また省エネ目標値の自動設定値を、エネルギー使用量目標値に対するエネルギー使用量の積算値の割合に応じたグラフデータや演算式により与えてもよい。
【0181】
このように、省エネ目標値可変設定部を有する構成すると、設定期間の複数倍の期間を有する期間におけるエネルギー使用量を平均的な適切な値にすることができる。
【0182】
さらに、上記実施形態例では、省エネ目標値を決定するための設定期間を30日間としたが、設定期間は1週間(7日間)でもよいし、10日間でもよく、適宜設定されるものである。
【0183】
さらに、上記実施形態例では、燃焼装置40は、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能を有する装置としたが、燃焼装置は、これらのうちの1つ以上の機能を有していればよく、例えば、給湯機能のみを有する燃焼装置、風呂の追い焚き機能のみを有する燃焼装置、暖房機能のみを有する燃焼装置、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能のうち2つの機能を有している燃焼装置等、様々な燃焼装置を適用でき、その装置構成の詳細も適宜設定できるものである。
【0184】
例えば、図5には、給湯機能と風呂の追い焚き機能を有する燃焼装置の一例が示されており、このような燃焼装置においては、風呂の追い焚きを、風呂バーナ46と、この風呂バーナ46により加熱される追い焚き熱交換器15を備えた追い焚き循環路25とにより行う。この場合、省エネ動作モード指令によって保温時間や追い焚きの間隔を制御する場合、これらの制御は、風呂バーナ46の燃焼制御と追い焚き循環路25に設けられた風呂用の循環ポンプ21の駆動制御により行われる。
【0185】
さらに、上記実施形態例では、燃焼装置は、ガス燃焼式の装置としたが、石油燃焼式の装置としてもよいし、電気による加温(加熱)方式の装置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】本発明に係る燃焼システムの一実施形態例の制御構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態例の燃焼システムのシステム構成を示す模式図である。
【図3】上記実施形態例の燃焼システムにおける省エネ動作モード指令の出力と省エネ動作モードの解除指令の出力タイミングの一例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る燃焼システムの他の実施形態例における省エネ動作モード指令の出力のタイミングの別の例を示す説明図である。
【図5】燃焼装置の別のシステム構成例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0187】
3 制御装置
10 リモコン装置
40 燃焼装置
51 省エネ実行有無設定手段
52 目標値設定手段
53 目標達成合否判断部
54 エネルギー使用量算出手段
55 省エネ動作モード指令送信部
56 目標達成不可表示指令部
57 表示部
63 省エネ動作モード解除指令部
64 目標達成不可表示部
68 目標達成合否推測部
70 省エネ動作モード指令受信部
71 湯張り制御手段
72 給湯燃焼制御手段
73 追い焚き制御手段
74 暖房燃焼制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置と、該燃焼装置の回路に信号接続されて該燃焼装置の遠隔操作を行なうリモコン装置とを有する燃焼システムにおいて、前記リモコン装置には、前記燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段と、前記設定期間毎の前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力する目標達成合否判断部と、該目標達成合否判断部から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する省エネ動作モード指令送信部とが設けられ、前記燃焼装置は前記省エネ動作モード指令送信部から省エネ動作モード指令が出力されてから該省エネ動作モード指令が解除されるまでの間は省エネ動作モードで動作を行うことを特徴とする燃焼システム。
【請求項2】
目標達成合否判断部は、設定期間毎に燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断する代わりに、前記設定期間を複数に分割したタイミング毎に該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断して前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1記載の燃焼システム。
【請求項3】
燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が設定期間内に省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えるか否かをエネルギー使用量の推移を考慮して推測する目標達成合否推測部を有し、目標達成合否判断部は、設定期間毎に燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断する代わりに、前記目標達成合否推測部により前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときに目標達成不可判断信号を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1記載の燃焼システム。
【請求項4】
リモコン装置には、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときには目標達成不可の表示指令を出力する目標達成不可表示指令部と、該目標達成不可表示指令部から目標達成不可の表示指令が出力されたときには目標が達成されなかったことを示す表示を行う目標達成不可表示部とが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の燃焼システム。
【請求項5】
目標達成合否判断部は、設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値または推測値がエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断して前記エネルギー使用量の積算値または推測値が前記エネルギー使用量目標値以内であると判断したときには目標達成判断信号を出力する構成とし、リモコン装置は、省エネ動作モードの実行中に前記目標達成合否判断部から前記目標達成判断信号が出力されたときには省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置に送信して省エネ動作モード指令を解除する省エネ動作モード解除指令部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項6】
リモコン装置は、省エネ動作モードの実行中に、目標値設定手段により設定される省エネ目標値を大きくする方向に変更されたときには省エネ動作モードの解除指令を燃焼装置に送信して省エネ動作モード指令を解除する省エネ動作モード解除指令部を有することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項7】
目標達成合否判断部により設定期間毎の燃焼装置のエネルギー使用量の積算値がエネルギー使用量目標値以内であると判断されたときに、前記エネルギー使用量目標値に対する前記エネルギー使用量の積算値の割合を求めて該割合の大きさに応じて該割合が小さくなるにつれて次回の設定期間内のエネルギー使用量目標値を連続的または段階的に大きく可変設定する省エネ目標値可変設定部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項8】
燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、予め設定される保温設定時間内に前記追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う保温機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記保温設定時間を短縮する省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項9】
燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、予め設定される保温設定時間内に予め定められた間隔毎に前記追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う保温機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記保温設定時間内の浴槽湯水の追い焚きの間隔を長くする省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項10】
燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、予め設定される保温設定時間内に前記追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う保温機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記保温機能の動作をキャンセルする省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項11】
燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、該追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行ってリモコン装置により設定される風呂設定温度とする追い焚き機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときにリモコン装置の風呂設定温度表示部に表示する風呂設定温度は変更せずに前記追い焚きによる風呂の温度を前記風呂設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項12】
燃焼装置は、浴槽に接続された追い焚き循環路を有し、該追い焚き循環路を介して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項13】
省エネ動作モード指令送信部から追い焚き機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときには、省エネ動作によって追い焚き機能が停止されていることを示す表示指令を出力する省エネ動作表示指令部と、該表示指令に基づき省エネ動作によって追い焚き機能が停止されていることを表示する省エネ用追い焚き停止表示部とを有することを特徴とする請求項12記載の燃焼システム。
【請求項14】
燃焼装置は、給湯熱交換器と、該給湯熱交換器を通る水を最小燃焼量以上最大燃焼量以下の燃焼制御範囲内で加熱する加熱装置とを有し、前記最大燃焼量で燃焼を行うときには予め設定される最大給湯量の湯を前記給湯熱交換器の給湯通路から給湯先に給湯可能な給湯機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項15】
燃焼装置は、給湯熱交換器で加熱した湯を湯張り通路を介して浴槽に注湯する自動湯張り機能を備え、リモコン装置の目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに、省エネ動作モード指令送信部は前記自動湯張り機能による注湯の給湯を除く給湯時の最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項14記載の燃焼システム。
【請求項16】
燃焼装置には、給湯熱交換器の管路内の単位時間当たりの通水量を燃焼装置の使用前または使用初期に定められる基準値と比較し、燃焼装置の使用経年変化により前記通水量が前記基準値より小さくなったときには該基準値と前記通水量との差に応じてその差が大きくなるにつれて最大給湯量を段階的に小さくする最大給湯量可変実行部が設けられ、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部から最大給湯量を小さくする省エネ動作モード指令が出力されたときには前記最大給湯量可変実行部が最大給湯量を予め定められた段数だけ小さくすることを特徴とする請求項14または請求項15記載の燃焼システム。
【請求項17】
燃焼装置は、給湯熱交換器を有し、該給湯熱交換器を通る水を加熱してリモコン装置により設定される給湯設定温度の湯を前記給湯熱交換器の給湯通路から給湯先に給湯する給湯機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときにリモコン装置の給湯設定温度表示部に表示する給湯設定温度は変更せずに前記給湯先に給湯する給湯の温度を前記給湯設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項18】
燃焼装置は、給湯熱交換器を有し、該給湯熱交換器を通る水を加熱して該給湯熱交換器の給湯通路から給湯先に給湯する給湯機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記給湯機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項19】
省エネ動作モード指令送信部から給湯機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときには、省エネ動作によって給湯機能が停止されていることを示す表示指令を出力する省エネ動作表示指令部と、該表示指令に基づき省エネ動作によって給湯機能が停止されていることを表示する省エネ用給湯停止表示部とを有することを特徴とする請求項18記載の燃焼システム。
【請求項20】
燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給して予め設定される暖房設定温度上限値以下の温度で暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記暖房設定温度上限値を低くする省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項19のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項21】
リモコン装置は熱源機が設けられている建物の屋外温度を検出する屋外温度検出手段に信号接続され、該屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の暖房設定温度上限値を決定する暖房上限温度決定手段が設けられ、省エネ動作モード指令送信部は前記暖房上限温度決定手段により決定した温度を暖房設定温度上限値とする省エネ動作モード指令を出力する構成としたことを特徴とする請求項20記載の燃焼システム。
【請求項22】
燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給して暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに単位期間毎の暖房利用時間を予め設定される暖房利用時間設定上限値以内に制限する省エネ動作モード指令を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項21のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項23】
リモコン装置は熱源機が設けられている建物の屋外温度を検出する屋外温度検出手段に信号接続され、該屋外温度検出手段により検出される屋外温度に対応させて省エネ動作モード指令時の単位期間毎の暖房利用時間の上限値を決定して設定する暖房利用時間上限値設定手段が設けられており、省エネ動作モード指令送信部は前記暖房利用時間上限値設定手段により決定した時間を単位期間毎の暖房利用時間設定上限値とする省エネ動作モード指令を出力する構成としたことを特徴とする請求項22記載の燃焼システム。
【請求項24】
燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給してリモコン装置により設定される暖房設定温度となるように暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに暖房設定温度表示部に表示する暖房設定温度は変更せずに暖房の温度を前記暖房設定温度よりも低くする省エネ動作モード指令を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項23のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項25】
燃焼装置は、暖房用の流体が通る管路を備えた暖房用熱交換器を有し、該暖房用熱交換器で加熱した前記暖房用の流体を熱源機に供給して暖房を行う機能を備えており、リモコン装置の省エネ動作モード指令送信部は、目標達成合否判断部から目標達成不可判断信号が出力されたときに前記暖房機能を停止する省エネ動作モード指令を出力する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項19のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項26】
省エネ動作モード指令送信部から暖房機能を停止する省エネ動作モード指令が出力されたときには、省エネ動作によって暖房機能が停止されていることを示す表示指令を出力する省エネ動作表示指令部と、該表示指令に基づき省エネ動作によって暖房機能が停止されていることを表示する省エネ用暖房停止表示部とを有することを特徴とする請求項25記載の燃焼システム。
【請求項27】
リモコン装置には、省エネ動作モードの実行の有無を決定する省エネ動作モード実行有無設定手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項26のいずれか一つに記載の燃焼システム。
【請求項28】
省エネ動作モード指令送信部は複数項目の省エネ動作モード指令を出力可能に構成され、省エネ動作モード実行有無設定手段は省エネ動作モード指令の項目毎に省エネ動作モードの実行の有無を決定する項目別設定手段を有していることを特徴とする請求項27記載の燃焼システム。
【請求項29】
請求項1または請求項2または請求項4乃至請求項28のいずれか一つに記載の燃焼システムに適用されるリモコン装置であって、燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段と、前記設定期間毎の前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えたか否かを前記設定期間毎に判断する、または該設定期間を複数に分割したタイミング毎に該タイミングに至るまでの燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたか否かを判断し、前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えたと判断したときには目標達成不可判断信号を出力する目標達成合否判断部と、該目標達成合否判断部から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する省エネ動作モード指令送信部とが設けられていることを特徴とするリモコン装置。
【請求項30】
請求項3乃至請求項28のいずれか一つに記載の燃焼システムに適用されるリモコン装置であって、燃焼装置の予め定められる設定期間毎のエネルギー使用量に関連する省エネ目標値を設定する目標値設定手段と、前記燃焼装置のエネルギー使用量の積算値が前記設定期間内に前記省エネ目標値に対応するエネルギー使用量目標値を越えるか否かをエネルギー使用量の推移を考慮して推測する目標達成合否推測部と、該目標達成合否推測部により前記エネルギー使用量の積算値が前記エネルギー使用量目標値を越えると推測されたときに目標達成不可判断信号を出力する目標達成合否判断部と、該目標達成合否判断部から前記目標達成不可判断信号が出力されたときには燃焼装置の動作モードを通常の動作モードでの動作時よりもエネルギー使用量を低減するための省エネ動作モードにする省エネ動作モード指令を出力する省エネ動作モード指令送信部とが設けられていることを特徴とするリモコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−155238(P2007−155238A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352267(P2005−352267)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】