説明

燃焼器具の着火制御装置

【課題】点火用のスパークと燃油の噴霧とがタイミング良く行われることで、着火音が静かな良好な着火が得られる燃焼器具の着火制御装置を提供する。
【解決手段】ダイオード7を内蔵して極性を有し交流電源8にて半波駆動され点火電極6より着火用のスパークを発生させるイグナイタ9と、駆動回路10からの所定周期の駆動パルスで燃油をノズル2から噴霧して、前記スパークで着火させる電磁ポンプ3を備えたもので、前記駆動回路10は少なくとも着火時は、駆動パルスを電源周期と同期させることで、少なくとも着火時はイグナイタの半波駆動と電磁ポンプの駆動パルスとが同期するので、点火電極のスパークタイミングと電磁ポンプによる燃油の噴霧とが合致することで、スムーズな着火が得られ、着火音も小さく静かで、スモークや臭いの発生も少なく抑えることが出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は暖房器や給湯機の燃焼部を構成するガンタイプバーナ等の燃焼器具の着火制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、図4に示すように、電源周期のプラス側に同期してイグナイタは半波駆動されるが、電磁ポンプの駆動パルスとは何ら関連することなく、別々に駆動制御されていた。
又同様な従来公報を見つけ出すことはできなかったが、電源電圧の変動に応じて電磁ポンプを駆動するパルスのオンタイムを増減するものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開昭63−32173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、イグナイタの放電周期と、電磁ポンプの駆動パルスのタイミングが合わず、着火音が大きくなったり、スモークや臭いも発生すると言う不具合を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記問題点を解決する為、特にその構成を請求項1では、ダイオードを内蔵して極性を有し交流電源にて半波駆動され点火電極より着火用のスパークを発生させるイグナイタと、駆動回路からの所定周期の駆動パルスで燃油をノズルから噴霧して、前記スパークで着火させる電磁ポンプを備えたものに於いて、前記駆動回路は少なくとも着火時は、駆動パルスを電源周期と同期させるようにしたものである。
【0005】
又請求項2では、前記駆動回路には、電源周期のプラス側のゼロクロス点を検知するゼロクロス検知手段が備えられているものである。
【0006】
又請求項3では、前記駆動回路には、ゼロクロス検知手段からのゼロクロス点の検知信号を受けて、駆動パルスの発生を所定時間遅らせる遅延手段を備えられているものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、少なくとも着火時はイグナイタの半波駆動と電磁ポンプの駆動パルスとが同期するので、点火電極のスパークタイミングと電磁ポンプによる燃油の噴霧とが合致することで、スムーズな着火が得られ、着火音も小さく静かで、スモークや臭いの発生も少なく抑えることが出来るものである。
【0008】
又請求項2では、電源周期のゼロクロス点を検知して電磁ポンプの駆動パルスを制御するので、的確に同期させることが出来、常に良好な着火性を得ることが出来るものである。
【0009】
又請求項3では、燃油の噴霧がスパークよりやや遅れることで、常にスパーク中に燃油が供給されることとなり、更に着火性が向上し確実な着火が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は石油給湯機のバーナ(ガンタイプバーナ)として使用される燃焼バーナで、燃油を噴霧するノズル2と、該ノズル2に燃油を圧送する電磁ポンプ3と、該電磁ポンプ3とノズル2とを結ぶ送油管4と、燃焼用の空気を供給する燃焼ファン5とから構成されているものである。
【0011】
6は前記ノズル2の前方に先端部分を対峙させた一対の点火電極で、ダイオード7を内蔵して極性を有し交流電源8の電源周期と同期して半波の放電パルスを発するイグナイタ9と接続し、このイグナイタ9の放電パルスでスパークするものである。
【0012】
10は前記電磁ポンプ3の駆動を制御する駆動回路で、着火時には電源周期と同期した駆動パルスで電磁ポンプ3を駆動させるものであり、更に電源周期のプラス側のゼロクロス点を検知するゼロクロス検知手段11と、該ゼロクロス検知手段11からの検知信号を受けて駆動パルスの発生を所定時間A遅らせる遅延手段12とを有するものである。
【0013】
図2に示す電気回路では、交流電源8に着火時のみ閉成される接点13を介してイグナイタ9が接続され、又電磁ポンプ3と駆動回路10の直列回路はダイオードの整流スタック14を介して接続されている。
【0014】
次にこの一実施形態の作動について説明すれば、今燃焼バーナ1を着火するために接点13が閉成されることで、イグナイタ9は自動的に電源周期のプラス側と同期して半波の放電パルスを発生することにより、点火電極6ではこの放電パルスに応じてスパークが発生する。
【0015】
一方駆動回路10では電源周期のプラス側のゼロクロス点をゼロクロス検知手段11が検知し、電源周期に同期する電磁ポンプ3の駆動パルスの発生を遅延手段12が所定時間Aだけ遅らせて開始させるので、ノズル2からの燃油の噴霧は、すでにスパークが開始されている点火電極6に供給されることとなり、確実に着火されると共に着火音も小さく、スモークや臭いの発生を抑えられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明一実施形態を付した燃焼器具の概略構成図。
【図2】同要部の電気回路図。
【図3】電源周期と同期するパルスの説明図。
【図4】従来例の電源周期と同期するパルスの説明図。
【符号の説明】
【0017】
2 ノズル
3 電磁ポンプ
6 点火電極
7 ダイオード
8 交流電源
9 イグナイタ
10 駆動回路
11 ゼロクロス検知手段
12 遅延手段
A 所定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオードを内蔵して極性を有し交流電源にて半波駆動され点火電極より着火用のスパークを発生させるイグナイタと、駆動回路からの所定周期の駆動パルスで燃油をノズルから噴霧して、前記スパークで着火させる電磁ポンプを備えたものに於いて、前記駆動回路は少なくとも着火時は、駆動パルスを電源周期と同期させる事を特徴とする燃焼器具の着火制御装置。
【請求項2】
前記駆動回路には、電源周期のプラス側のゼロクロス点を検知するゼロクロス検知手段が備えられている事を特徴とする請求項1記載の燃焼器具の着火制御装置。
【請求項3】
前記駆動回路には、ゼロクロス検知手段からのゼロクロス点の検知信号を受けて、駆動パルスの発生を所定時間遅らせる遅延手段を備えられている事を特徴とする請求項2記載の燃焼器具の着火制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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