説明

燃焼多位置制御ボイラ

【課題】燃焼量を高燃焼・中燃焼・低燃焼のように多位置で制御しているボイラであって、燃焼用空気供給量の調節には送風機の回転速度調節と燃焼用空気供給路の流路面積調節を組み合わせているボイラにおいて、燃焼量変更時に燃焼失火や振動燃焼などが発生することを防止する。
【解決手段】高燃焼から低燃焼への変更のように2段階以上先の燃焼量に変更する場合、まず途中にある燃焼位置における空気供給量を目指して送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更を開始し、燃料は空気供給量が途中の燃焼位置における設定風量に到達するよりも前の時点で途中の燃焼位置に応じた供給量に切り替えておき、送風機回転数と送風路流路面積の両方が途中の燃焼位置における設定位置に到達した後に、目標とする燃焼位置における空気供給量を目指して再度送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更を開始し、続いて目標とする燃料供給量に切り替える制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼量を多位置で制御しているボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にボイラでは、蒸気負荷要求に応じて燃焼量を増減する制御を行っており、燃焼量の増減は、燃料と燃焼用空気の供給量を切り替えることで行っている。最近では最低燃焼量を小さくしてターンダウン比を大きく設定し、燃焼位置を高燃焼・中燃焼・低燃焼・停止のように多位置で制御することで、低負荷運転時の効率アップや、蒸気負荷追従性の向上、及び蒸気圧力の安定化を図ったボイラも現れている。燃焼用空気供給量の調節手段としては、送風機にインバータ装置などの回転数制御装置を設けておいて送風機の回転速度を増減することや、燃焼用空気の送風路に流路面積を変更するダンパ装置を設けて送風路の流路面積を増減することで行っている。
【0003】
特開平10−213320号公報には、送風機回転速度の変更とダンパによる流路面積変更とを併用して送風量を調節することの記載がある。この場合、送風機回転速度変更とダンパの位置変更を同時に開始しても、送風機回転速度の変更に要する時間とダンパの開度変更に要する時間は異なるため、燃焼量変更時に送風量が適正な範囲から外れることがあった。燃焼量の調節が高燃焼・低燃焼・停止の三位置であった場合には、燃焼量の変更時に一時的な送風量のずれが発生しても、燃焼量の変更が終了すると送風量のずれはそれ以上には大きくならない。しかし、ターンダウン比が大きいために、燃焼量の設定が高燃焼・中燃焼・低燃焼・停止のように多位置となっている場合であって、低燃焼から高燃焼への変更又は高燃焼から低燃焼への変更のように燃焼量を大きく変更する場合には、送風量のずれが大きくなることがある。この場合、適正な風量から外れた状態で燃焼量の切り替えが行われることになるため、燃焼量変更時に燃焼失火や振動燃焼などが発生することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−213320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、燃焼量を多位置で制御しているボイラであって、燃焼用空気供給量の調節には送風機の回転速度調節と燃焼用空気供給路の流路面積調節を組み合わせて行っているボイラにおいて、燃焼量変更時に燃焼用空気供給量が適正な範囲を外れて、燃焼失火や振動燃焼などが発生することを防止することのできる燃焼多位置制御ボイラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
燃焼量を高燃焼・中燃焼・低燃焼のように多段階に変更することができるようにしているボイラであって、送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更とを併用して燃焼用空気供給量を調節するようにしている燃焼多位置制御ボイラにおいて、
高燃焼から低燃焼への変更や、低燃焼から高燃焼への変更のように2段階以上先の燃焼量に変更する場合、まず途中にある燃焼位置における空気供給量を目指して送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更を開始し、燃料は空気供給量が途中の燃焼位置における設定風量に到達するよりも前の時点で途中の燃焼位置に応じた供給量に切り替えておき、送風機の回転数と送風路の流路面積の両方が途中の燃焼位置における設定位置に到達した後に、目標とする燃焼位置における空気供給量を目指して再度送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更を開始し、続いて目標とする燃料供給量に切り替える制御を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明を実施すると、燃焼量を大きく変更する場合であっても燃焼用空気供給量が適正な範囲から大きく外れることはなくなるため、燃焼量変更時に燃焼失火や振動燃焼などの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を実施しているボイラのフロー図
【図2】本発明の一実施例での燃焼量を低燃焼から高燃焼へ変更した場合の運転状態を説明するタイムチャート
【図3】本発明の一実施例での燃焼量を高燃焼から低燃焼へ変更した場合の運転状態を説明するタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施しているボイラのフロー図である。ボイラは中央に設けた燃焼室3の周囲に垂直な水管を環状に並べておき、水管の上部と下部で管寄せに接続している。燃焼室3の上部には、下向きに火炎を発生させる燃焼装置2を設けており、ボイラ中央部の燃焼室3内で火炎の燃焼を行う。燃焼装置2には、メインバーナ5とパイロットバーナ6を設けている。燃焼装置2で使用する燃焼用空気は、送風機10によって供給する。送風機10からの燃焼用空気は送風路7を通して供給するようにしており、ウインドボックス8で燃焼用空気を整流してメインバーナ5及びパイロットバーナ6へ供給する。送風機10には、送風機の電源周波数を変更するインバータ装置17を接続しておき、インバータ装置17によって送風機の回転数を変更することで燃焼装置2へ送る燃焼用空気量を調節する。さらに送風路7の途中には、送風路7の流路面積を変更するダンパ16を設けており、ダンパ16によっても燃焼装置2へ送る燃焼用空気量を調節するようにしている。
【0010】
ボイラは高燃焼・中燃焼・低燃焼・停止の4位置で燃焼量を制御するものであり、ボイラの蒸気部に接続している圧力検出装置1で検出した蒸気圧力値に基づいて燃焼量を決定する。蒸気圧力値が制御範囲の下限値より低い場合は、100%の燃焼量である高燃焼で燃焼を行い、蒸気発生量を多くすることで蒸気圧力値を高める。逆に蒸気圧力値が制御範囲の上限値より高くなった場合は、燃焼を停止することで蒸気圧力値の上昇を防ぐ。蒸気圧力値が制御範囲内にある場合には、蒸気圧力値が比較的低い値なら50%の燃焼量である中燃焼を行い、比較的高い値であると20%の燃焼量である低燃焼を行う。
【0011】
燃焼装置2への燃料供給は、燃料供給配管4を通して行う。燃料供給配管4は途中で分岐しており、メインバーナ5及びパイロットバーナ6のそれぞれと接続している。メインバーナ5へ接続している燃料供給配管4には、燃料供給量調節手段としてメイン燃料遮断弁13とメイン第二電磁弁14及びメイン第三電磁弁15を設け、パイロットバーナ6へ接続している燃料供給配管4にはパイロット燃料遮断弁12を設けている。メインバーナ5への燃料供給は、メイン燃料遮断弁13を開くことで行い、メイン第二電磁弁14及びメイン第三電磁弁15によって流量を切り替えることで、高燃焼・中燃焼・低燃焼での燃料供給を行うことができるようにしておく。メイン燃料遮断弁13は燃料の流れを完全に遮るための遮断弁であり、燃料を流す場合の100%開度と燃料を遮断する0%開度の2位置で開閉を行う。メイン第二電磁弁14は、弁を開いた場合には100%分の燃料を流す開度、弁を閉じた場合でも20%分の燃料を流す開度に設定した電磁弁であり、100%開度と20%開度の2位置で開閉を行う。メイン第三電磁弁15も、弁を開いた場合には100%分の燃料を流す開度と、弁を閉じた場合でも50%分の燃料を流す開度に設定した電磁弁であり、100%開度と50%開度の2位置で開閉を行う。
【0012】
燃料供給量は、メイン燃料遮断弁13、メイン第二電磁弁14、メイン第三電磁弁15の開閉によって制御する。燃焼停止の場合、運転制御装置11は各制御弁を閉じる制御を行う。メイン第二電磁弁14及びメイン第三電磁弁15は、弁を閉じる制御を行っても燃料ガス流路を完全に閉じることはなく、20%又は50%分の燃料が流れる分だけ開いている。しかし、上流側のメイン燃料遮断弁13を閉じているために、メイン第二電磁弁14及びメイン第三電磁弁15部分をガス燃料が流れることはなく、燃焼装置2へ送られるガス流量は0%であって、燃料ガスの供給は完全にストップする。
【0013】
ボイラの燃焼を開始する場合、最初にパイロットバーナ6の燃焼を開始し、パイロットバーナ6の火炎を火種としてメインバーナ5の燃焼を開始する。パイロットバーナ6のみを燃焼するパイロット燃焼の場合、運転制御装置11はパイロット燃料遮断弁12のみを開き、その他の制御弁は閉じておく。パイロットバーナ6の燃焼は、メインバーナ5の燃焼開始前後にのみ行い、メインバーナ5の燃焼が始まるとパイロット燃料遮断弁12を閉じることでパイロットバーナ6での燃焼は停止する。
【0014】
ボイラの燃焼量が低燃焼の場合、運転制御装置11はメイン燃料遮断弁13のみを開く制御を行い、メイン第二電磁弁14及びメイン第三電磁弁15は閉じる制御を行う。メイン燃料遮断弁13のみを開くと、メイン燃料遮断弁13では100%分の燃料ガスが流れる開度となり、メイン燃料遮断弁13とメイン第二電磁弁14ではそれぞれ20%分の燃料ガスが流れる開度と50%分の燃料ガスが流れる開度となる。この場合、燃料ガス供給配管4を流れて燃焼装置2へ達する燃料ガス量は、ボトルネックとなるメイン第二電磁弁14で流すことのできる量となり、20%分の燃料ガスがメインバーナ5へ送られる。この時、送風機5から燃焼装置2へも20%分の燃焼量に相当する分の空気を供給することで、低燃焼(20%燃焼)を行うことができる。
【0015】
ボイラの燃焼量が中燃焼の場合、運転制御装置11はメイン燃料遮断弁13とメイン第二電磁弁14を開く制御を行い、メイン第三電磁弁15は閉じる制御を行う。メイン燃料遮断弁13とメイン第二電磁弁14を開いた場合、メイン燃料遮断弁13では100%分の燃料ガスが流れる開度、メイン第二電磁弁14でも100%分の燃料ガスが流れる開度となり、閉じているメイン第三電磁弁15では50%分の燃料ガスが流れる開度となる。この場合、燃料供給配管4を流れて燃焼装置2へ達する燃料ガス量は、メイン第三電磁弁15で流れることのできる量になるため、50%分の燃料ガスが燃焼装置2へ送られる。この時、送風機10から燃焼装置2へも50%分の燃焼量に相当する分の空気を供給することで、中燃焼(50%燃焼)を行うことができる。
【0016】
ボイラの燃焼量が高燃焼の場合、運転制御装置11はメイン燃料遮断弁13、メイン第二電磁弁14、メイン第三電磁弁15のすべての制御弁を開く制御を行う。この場合、メイン燃料遮断弁13、メイン第二電磁弁14、メイン第三電磁弁15はそれぞれ100%分の燃料ガスが流れる開度となるため、燃料供給配管4を流れて燃焼装置2へ達する燃料ガス量は100%分となる。この時、送風機10から燃焼装置2へも100%分の燃焼量に相当する分の空気を供給することで、高燃焼(100%燃焼)を行うことができる。
【0017】
高燃焼・中燃焼・低燃焼で必要な燃焼用空気供給量はそれぞれ異なるため、ダンパ16及びインバータ装置17によって燃焼用空気供給量を調節する。ダンパ16では、低燃焼時の設定位置として低燃位置、中燃焼の設定位置として中燃位置、高燃焼の設定位置として高燃位置を設定しておく。設定位置は各燃焼状態に応じた空気供給量になるようにしており、低燃位置<中燃位置<高燃位置の順に送風路7の流路面積が大きくなる。
【0018】
インバータ装置17には、低燃焼時の設定周波数として低燃周波数、中燃焼の設定周波数として中燃周波数、高燃焼の設定周波数として高燃周波数を設定しておく。インバータ装置17でも各燃焼状態に応じた空気供給量になるようにしており、低燃周波数<中燃周波数<高燃周波数の順に送風機10での回転数が高くなる。燃焼量ごとの燃焼用空気の供給量は、ダンパ16とインバータ装置17によって調節しており、各燃焼量に応じた量の空気が燃焼装置2へ供給される。
【0019】
低燃焼と中燃焼の間で燃焼量の変更を行う場合、インバータ装置17による周波数が低燃周波数と中燃周波数の間の値に設定したV2開閉周波数(メイン第二電磁弁開閉周波数)に達すると、メイン第二電磁弁14の作動を行って燃料供給量を変更する。同様に、中燃焼と高燃焼の間で燃焼量の変更を行う場合、ダンパ16の位置が中燃位置と高燃位置の間の値に設定したV3開閉位置(メイン第三電磁弁開閉位置)に達すると、メイン第三電磁弁15の作動を行って燃料供給量を変更するように設定しておく。
【0020】
図2は当初の必要燃焼量は低燃焼であったが、必要燃焼量が中燃焼を飛ばして高燃焼に変化した場合での燃焼状態の変更状況を記載している。必要燃焼量が低燃焼から高燃焼に変化し、燃焼量を増加することになると、運転制御装置11では、最初にインバータ装置17の周波数増加を開始する。このとき、インバータ装置17の周波数は、急激には変更することができないために緩やかに変化している。インバータ装置17の周波数がV2開閉周波数に達すると、ダンパ位置の低燃位置から中燃位置への変更を開始するとともに、メイン第二電磁弁14を開くことで中燃焼を開始する。必要燃焼量は高燃焼であり、中燃焼ではないが、運転制御装置11では中間の燃焼量である中燃焼を一時的に行う。この後、ダンパ16がインバータ装置17よりも先に中燃焼用の位置に達すると、ダンパ16は中燃位置で開度変更を一時停止し、インバータ装置17の周波数が中燃焼用の位置に達するまで待機する。逆にインバータ装置17がダンパ16よりも先に中燃焼用の位置に達すると、インバータ装置17は中燃位置で周波数変更を一時停止し、ダンパ16の開度が中燃焼用の位置に達するまで待機する。ダンパ16とインバータ装置17の両方が中燃焼用の位置に達すると、燃焼用空気供給量の増加を再開し、ダンパ16では高燃位置を目指してダンパ位置の変更を行い、インバータ装置17では高燃周波数を目指して周波数を変更していく。その後、ダンパ16の位置がV3開閉位置に達すると、メイン第三電磁弁15を開くことで高燃焼を開始し、ダンパ16とインバータ装置17は高燃焼の設定位置になると空気供給量の変更を終了する。
【0021】
図2ではその後、必要燃焼量が高燃焼から中燃焼に低下し、さらにその後に低燃焼へと変化している。高燃焼から中燃焼に変更する場合、ダンパ16とインバータ装置17は中燃焼用の位置を目指して変更を行う。ダンパ位置がV3開閉位置に達するとメイン第三電磁弁15を閉じることで燃焼量を中燃焼とする。さらにその後、必要燃焼量が低燃焼に低下すると、先ほどと同様にダンパ16とインバータ装置17は低燃焼用の位置を目指して変更を行う。そしてインバータ装置17周波数がV2開閉周波数に達するとメイン第二電磁弁14を閉じることで燃焼量を低燃焼とする。
【0022】
図3は当初の必要燃焼量は高燃焼であったが、必要燃焼量が中燃焼を飛ばして低燃焼に変化した場合での燃焼状態の変更状況を記載している。必要燃焼量が高燃焼から低燃焼に変化し、燃焼量を減少することになると、運転制御装置11では、インバータ装置17の周波数減少とダンパ16での流路面積減少を開始する。このとき、インバータ装置17の周波数は、急激には変更することができないために緩やかに変化している。ダンパ16の位置がV3開閉位置に達すると、メイン第三電磁弁15を閉じることで中燃焼を開始する。この場合も必要燃焼量は低燃焼であり、中燃焼ではないが、運転制御装置11では中間の燃焼量である中燃焼を一時的に行う。
【0023】
ダンパ16がインバータ装置17よりも先に中燃焼用の位置に達すると、ダンパ16は中燃位置で開度変更を一時停止し、インバータ装置17の周波数が中燃焼用の位置に達するまで待機する。逆にインバータ装置17がダンパ16よりも先に中燃焼用の位置に達すると、インバータ装置17は中燃位置で周波数変更を一時停止し、ダンパ16の開度が中燃焼用の位置に達するまで待機する。
【0024】
ダンパ16とインバータ装置17の両方が中燃焼用の位置に達すると、ダンパ16とインバータ装置17の両方で燃焼用空気供給量の減少を再開し、ダンパ16では低燃位置を目指してダンパ位置の変更を行い、インバータ装置17では低燃周波数を目指して周波数を変更していく。その後、インバータ装置17の周波数がV2開閉周波数に達すると、メイン第二電磁弁14を閉じることで低燃焼を開始し、ダンパ16とインバータ装置17は低燃焼の設定位置になると空気供給量の変更を終了する。
【0025】
図3ではその後、必要燃焼量が低燃焼から中燃焼に上昇し、さらにその後に高燃焼へと変化している。低燃焼から中燃焼に変更する場合、ダンパ16とインバータ装置17は中燃焼用の位置を目指して変更を行う。ダンパ位置がV2開閉周波数に達するとメイン第二電磁弁14を開くことで燃焼量を中燃焼とする。さらにその後、必要燃焼量が高燃焼に上昇すると、先ほどと同様にダンパ16とインバータ装置17は高燃焼用の位置を目指して変更を行う。そしてダンパ16位置がV3開閉位置に達するとメイン第三電磁弁15を開くことで燃焼量を高燃焼とする。
【0026】
燃焼多位置制御で、2つ以上先への燃焼量変更(例えば、低燃焼から中燃焼を飛ばして高燃焼への変更や、高燃焼から中燃焼を飛ばして低燃焼への変更)が必要になった場合、複数の燃焼用空気供給量調節手段を組み合わせて燃焼用空気供給量を調節していると空気供給量が適正な範囲から外れて、燃焼失火や振動燃焼などが発生することがあった。しかし、最終の燃焼量へ直接変更するのではなく、途中の燃焼量で燃焼用空気供給量を安定させ、その後に燃焼量の切り替えを再開する制御とすることで、複数の燃焼用空気供給量調節手段を組み合わせて燃焼用空気供給量を調節している場合でも空気供給量が適正な範囲から外れて、燃焼失火や振動燃焼などが発生することを防止できる。
【符号の説明】
【0027】
1 圧力検出装置
2 燃焼装置
3 燃焼室
4 燃料供給配管
5 メインバーナ
6 パイロットバーナ
7 送風路
8 ウインドボックス
9 蒸気配管
10 送風機
11 運転制御装置
12 パイロット燃料遮断弁
13 メイン燃料遮断弁
14 メイン第二電磁弁
15 メイン第三電磁弁
16 ダンパ
17 インバータ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼量を高燃焼・中燃焼・低燃焼のように多段階に変更することができるようにしているボイラであって、送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更とを併用して燃焼用空気供給量を調節するようにしている燃焼多位置制御ボイラにおいて、
高燃焼から低燃焼への変更や、低燃焼から高燃焼への変更のように2段階以上先の燃焼量に変更する場合、まず途中にある燃焼位置における空気供給量を目指して送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更を開始し、燃料は空気供給量が途中の燃焼位置における設定風量に到達するよりも前の時点で途中の燃焼位置に応じた供給量に切り替えておき、送風機の回転数と送風路の流路面積の両方が途中の燃焼位置における設定位置に到達した後に、目標とする燃焼位置における空気供給量を目指して再度送風機の回転数変更と送風路の流路面積変更を開始し、続いて目標とする燃料供給量に切り替える制御を行うものであることを特徴とする燃焼多位置制御ボイラ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−184894(P2012−184894A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48990(P2011−48990)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000130651)株式会社サムソン (164)
【Fターム(参考)】