説明

燐光を発する車輪を有する車輪付き乗り物の燐光荷電システム

様々な燐光荷電システムが燐光を発する車輪を荷電するために提供される。車輪(20)は夜間あるいは低照明で動作能力を有する乗り物のフレーム(12)に取り付けられる。燐光荷電システムは、車輪の燐光を発する部分に紫外線光(70)などの電磁波を放射し、そこから続いて燐光放出を起こさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜間または低照明条件下での車輪の付いた乗り物の安全に関し、特に、車輪が可視光を放射する車輪構造の燐光を発する部品を励起する紫外線光の放射構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車輪付きの乗り物は、側面に照明構造を十分に備えていないことが多い。側面照明は、夜間に乗り物の運転手の安全に非常に重要であり、特に、自転車、自転車トレーラ、モペット、オートバイ、スクータ、ジョギング・ベビーカー、ベビーカー、車椅子、および自動車に利用可能な強力な照明システムを通常提供しない他の乗り物の場合に重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この問題を解決するために利用可能な様々な固定された点照明システムがあるが、一連の欠点がある。多くのシステムは、数ミリメートルから数インチの領域の非常に小さい光を生成する領域を提供するので、自動車の運転者の注意を引くのは全く不十分である。回転する車輪に取り付けられたタイヤフライや反射鏡などの安全構造の場合には、ターンするときに製品の動きで「サイクロイド運動」と呼ばれる錯視が生み出され、その乗り物は実際の運動に対して人をだますような速度とコースを持つように見えるかもしれない。このように、代替の安全な照明アプローチ、オプションに先行技術の欠点の1つまたはそれ以上を解決する有利な代替のアプローチに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要約
本発明は、燐光を発する車輪の輝きを作るために、通常必要とされる日光の代りに燐光を荷電する人工光源を提供する。人工光源は、車輪の燐光を発する表面のすぐ近くに配置され、電磁波を燐光を発する表面に向けてその表面を荷電し、それに続いて燐光を発生させる。
【0005】
1つの実施例では、車輪の付いた乗り物は、フレームと、燐光を発する第1および第2側面を有し、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの回転可能な車輪と、前記フレームに接続され、前記燐光を発する第1および第2側面に電磁波を放射することによって、前記燐光を発する第1および第2側面を荷電するように適合されている燐光荷電システムと、を有する。前記燐光荷電システムは、前記燐光を発する第1および第2側面に入射するように向けられた電磁波を放射することにより、前記燐光を発する第1および第2側面をそれぞれ荷電するように適合された第1と第2のエミッタと、前記燐光荷電システムに電力を供給する手段とを有し得る。前記燐光荷電システムは、更に、前記電力を供給する手段と、前記第1と第2のエミッタとの間に電気的に接続して配置されたスイッチとを有し得る。前記車輪は、タイヤと、リムと、ハブとを有し得る。エミッタは、発光ダイオードまたは蛍光管または他の形態であり得る。エミッタのための電力は、バッテリー、および/または、発電機などの知られている電源であり得る。車輪の付いた乗り物は、いくつかの実施例では、自転車、ベビーカー、またはオートバイであり得る。乗り物は、車輪から遠くに向けられた複数の外に光を放射する構造を更に含み得る、この構造は、オプションに、燐光荷電システムと共通の電源で電力を供給され得る。この実施例では、燐光荷電システムは、1つの燐光を発する車輪の両側(左、右)を荷電する。所望であれば、燐光荷電システムは車輪の回転表面もまた荷電し得る。
【0006】
別の実施例では、車輪の付いた乗り物は、フレームと、それぞれがほぼ同じ方向を面している少なくとも1つの燐光を発する側面を有し、前記フレームに取り付けられた第1と第2の回転可能な車輪と、前記フレームに接続され、第1と第2のエミッタを含む燐光荷電システムと、を有し、前記第1のエミッタは、前記第1の車輪の前記燐光を発する側面に電磁波を放射することによって前記第2の車輪の前記燐光を発する側面を荷電するように配置され、前記第2のエミッタは、前記第2の車輪の前記燐光を発する側面に電磁波を放射することによって前記第2の車輪の前記燐光を発する側面を荷電するように配置される。前記燐光荷電システムは更に、前記燐光荷電システムに電力を供給する手段とエミッタとの間に電気的に接続して配置されたスイッチとを有する。前記第1と第2のエミッタは複数の発光ダイオードの形態を取り、有利には、100〜405nmの範囲内にピーク波長を有する。前記車輪が回転し、前記燐光を発する側面が前記燐光荷電システムによって荷電すると前記第1および第2車輪の前記燐光を発する側面が目に見える輪を形成する。
【0007】
別の実施例では、車輪の付いた乗り物は、フレームと、少なくとも第1の燐光を発する側面を有し、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの回転可能な車輪と、前記フレームに操作可能に接続されたブレーキアセンブリとを有し、前記ブレーキアセンブリが、車輪に対して移動可能であり前記車輪の回転を遅らせるように操作可能な少なくとも1人のブレーキパッドと、前記第1の燐光を発する側面を荷電して、それに続いて燐光を発生させるために、そこから放射された電磁波が前記車輪の前記第1の燐光に向かうように配置されたエミッタと、前記エミッタに電力を供給する手段とを有する。前記ブレーキアセンブリはさらに、ブレーキブースターエレメントを有し、前記エミッタは前記ブレーキブースターエレメント中に配置されている。代替として、前記ブレーキアセンブリはさらに、前記車輪に対して外側寄りに配置されたブレーキパッドポストを含み、前記エミッタは前記ブレーキパッドポストによって支えられている。前記エミッタは、前記ブレーキパッドとともに移動し得る。
【0008】
別の実施例では、車輪の付いた乗り物は、フレームと、少なくとも第1の燐光を発する側面を有し、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの回転可能な車輪と、前記車輪に近接する前記フレームに接続されたフェンダーアセンブリとを有し、前記フェンダーアセンブリは、前記第1の燐光を発する側面を荷電し、それに続いて燐光を発生させるために、放射された電磁波が前記車輪の前記第1の燐光を発する側面に向かい、それによって前記車輪の前記第1の燐光を発する側面に入射するように配置されたエミッタと、前記エミッタに電力を供給する手段とを有する。前記エミッタは、発光ダイオードを含み、有利には、100〜405nmの範囲内にピーク波長を有する。1つまたはそれ以上のバッテリなどの前記エミッタに電力を供給する手段は、前記フェンダーアセンブリによって支えられている。光センサが含まれ、光センサは、前記エミッタと前記エミッタに電力を供給する手段との間の連結を制御するために操作可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[発明の詳細な説明]
側面照明における不十分な大きさの照明とサイクロイド運動の2つの欠点を克服するための解決策は、それ自身で光を作り出す車輪を使用することである。この能力を有する車輪は、多くの光源が溢れた人通りの多い場所などの注意を非常に散漫になりやすい道路を含む状況だけでなく、長い距離にわたってより効率的に注意を引くための十分に大きな光を生成する領域を持っているだろう。
【0010】
光を生成する車輪を生産する1つのアプローチは、燐光を発する(暗がりで光る)車輪、特にタイヤである。そのようなタイヤは、外部表面に燐光を発する顔料を含む、またはコーティングされているかもしれない。通常、これらのタイヤを光らせる顔料は、活性となって光を生成する前に、荷電するために紫外線に晒す必要がある。同時に、これらの顔料は、荷電に晒されている時間から数秒〜数分間以上、強い荷電を保持しない。したがって、日光が荷電源として使用される場合、燐光を発する顔料内に貯蔵されたエネルギーは、外が十分に暗くなり、生成物が最も必要とされる環境にある時までにほとんど放出されてしまうであろう。したがって、その結果、得られる安全照明の効果は大いに減少する。このように、本発明は、紫外線発光ダイオード(LED)などの人工的な燐光荷電源を使用して、その放射された電磁エネルギー(例えば、紫外線および近紫外光)を燐光を発する車輪上に向けてそれらを荷電し、それに続いて燐光を放出させることを意図する。簡単のために、以下では、一般に自転車の文脈において記載する。しかしながら、様々な実施例は、ジョギングベビーカー、ベビーカー、車椅子、スクータ、モペット、オートバイ、自転車トレーラなどの他の自動車でない車輪の付いた乗り物で使用され得る。
【0011】
図1は本発明の1つの実施例を示している。図1において、自転車10は、選択的に燐光を発する車輪20の両側面20a、20b上に紫外線を放射する燐光荷電システム50を備えている。一般に、自転車10は、メインフレーム11、フォーク12、ヘッドパイプ13、ハンドル14、オプションの1つまたはそれ以上のフェンダー16と、およびオプションのブレーキ用アセンブリ30を含んでいるフレームを含んでいる。メインフレーム11は、通常、接合された管状部材の形態を取り、通常、後輪20を回転可能に取り付ける位置を提供する。フォーク12は、ヘッドパイプ13を介してメインフレーム11に回転可能に取り付けられ、ハンドル14はフォーク構造の先端に付けられている。前輪20はフォーク12に回転可能に取り付けられる。フェンダー30は、車輪20の上方に配置され、適切な取り付けボス17あるいは当技術分野で知られていた他の手段を介してメインフレーム11あるいはフォーク12に取り付けられる。ブレーキ用アセンブリ30は、通常、車輪20から横方向の内および外に動くキャリパー32を含んでいる。キャリパー32は、所望により、中央引張りタイプあるいは側面引張りタイプであり得る。ブレーキパッド36は、そこで、通常は適切な取り付けポスト38を介して、動くようにキャリパー32上に取り付けられている。
【0012】
図1の燐光荷電システム50は、電源60、制御ユニット52、紫外線エミッタ70、および関連した連結ワイヤ53を含んでいる。電源60は、制御ユニット52に収容されているバッテリパック62の形態を取る。制御ユニット52は、この実施例ではハンドル14に取り付けられている、紫外線エミッタ70のオン・オフ状態を制御するスイッチ54を含んでいる。紫外線エミッタ70は、この実施例では、複数の紫外線発光ダイオード72の形態を取る。発光ダイオード72は、左側の発光ダイオード72が車輪20の左側20aにその放射された光線を照射し、右側の発光ダイオード72が車輪20の右側20bにその放射された光線を照射するように、フォーク12の内部表面に配置される。有利には、発光ダイオード72は、フォーク12の内部に取り付けられているが、そこからわずかに外側に突き出ている。ワイヤ56を介して発光ダイオード72に電力が供給され、ワイヤは、フォーク12の内部構造からサイクルフレームのヘッドパイプ13を通って、ハンドル軸15を通って、適切にグラメットされたワイヤポートを通って、制御ユニット52まで延びているものとして図1に示されている。様々なワイヤ56、制御ユニット52、および同様のものは、ケーブルひも、ねじって調節可能なストラップ、粘着性、および/または、合成のひもや、ゴムバンドなどの適切なストラップ59を使用して取り付けられるまたは固定され得る。
【0013】
作動スイッチ54は、電流をバッテリパック62からワイヤ56を通して発光ダイオード72まで流す。次に、複数のLED72は車輪20のそれぞれの側面20a、20bに向けて紫外線光を放射し、それにより、車輪20の燐光を発する表面20a、20bを励起する。このように、図1の実施例では、燐光荷電システム50は、紫外線光を燐光を発する車輪20の両面20a、20bに向ける。次に、車輪20の励起された領域は可視光を放射し、車輪20が回転すると、目に見える円の1つが自転車10の各側面から見えるように、目に見える円を有利に形成する。
【0014】
図2の実施例において、燐光荷電システム50は、2個の異なるハウジング66中に統合されており、各ハウジングで、紫外線エミッタ70(LED72など)、電源(バッテリー62など)、および制御部52(スイッチ54など)を持っている。ハウジング66は、有利には、調節可能なストラップ59でフォーク12に取り付けられたプラスチックあるいは合成部品ハウジングの形態を取る。少なくとも1つの紫外線エミッタがあり、燐光を発する車輪20の各側面20a、20bに対して、その放射する紫外線光を車輪20の側面上に向ける。したがって、図2に見られるように、1つの部品のハウジング66は、各フォーク12上に配置され、自転車10の両側から目に見える燐光の輝きを発生させるために燐光を発する車輪20の両側20a、20bに紫外線光を向ける。
【0015】
図3の実施例において、紫外線エミッタ70は、発光ダイオード72よりむしろ蛍光管74の形態を取る。この実施例では、蛍光管74は、車輪20の各側面20a、20b上に配置された少なくとも1つの蛍光管74を持ち、必要な燐光荷電エネルギーを有利に発生させるために使用される。図3の実施例において、蛍光管74は、フロントフェンダ16の裏面に取り付けられる。さらに、図3の燐光荷電システム50の制御ユニット52部分は、フェンダー16に取り付けられた運動/光センサ55を含んでいる。この運動/光センサ55は、概念的に、蛍光管74のオン・オフ状態を制御するためのスイッチとして作動する。従って、暗闇または低照明において自転車10を動かすと、フェンダー16はセンサー55を活性化させて、蛍光管74の電力回路を完成させる。伝統的な手動スイッチと対照的に運動/光センサ55を使用することによって、蛍光管は夜または他の低照明条件のみで作動するように限定され得る。
【0016】
図4の実施例では、燐光荷電システム50のエミッタ部分70は、ブレーキアセンブリ30の一部に取り付けられる。図4では、複数の紫外線発光ダイオード72は、ブレーキキャリパセット32中に取り付けられ、そこから放射される紫外線光を燐光を発する車輪20の側面20a、20bに向けるように配置されている。したがって、キャリパー32が動くとき、発光ダイオード72は車輪20に向かうおよび離れるように動く。必要な電力ワイヤ56は、部分的に内部を通って、あるいは、所望の場合に外部を通って、キャリパー32まで送られ得る。上記のように、スイッチ54が選択的に発光ダイオード72を、この実施例ではバッテリパック62の形態を取る、電源60に接続する。
【0017】
図5に示す別の実施例では、発光ダイオード72はブレーキ用アセンブリ30の別の一部に、本実施例ではいわゆるブレーキブースター34に取り付けられる。ブレーキブースター34は、通常は、U字形状の部品であって、キャリパー32のためにピボット点の位置を安定させるのを助ける。通常は、ブレーキブースター34は、取り付けるポート群を通ってキャリパー32を制動するために部分的に重ねて接続する。電力は、上記説明されたように供給され制御される。
【0018】
図6に示す別の実施例では、発光ダイオード72はブレーキ用アセンブリ30の別の一部に、本実施例では、ブレーキパッドハウジング35に取り付けられる。ブレーキパッドハウジング35は、従来のように、ブレーキパッド取り付けポスト38を通してそれぞれブレーキキャリパ32に取り付けられる。電力は、ブレーキパッドハウジング35中に取り付けられた対応するバッテリー62から発光ダイオード72に供給され、ブレーキパッド取り付けポスト38の端部に配置されたそれぞれのスイッチ54によって制御され得る。
【0019】
図7に示す別の実施例では、発光ダイオード72はブレーキ用アセンブリ30の別の一部に、本実施例では、ブレーキパッドポスト取り付けクリップ37に取り付けられる。ブレーキパッドポスト取り付けクリップ37はブレーキパッド取り付けるポスト38に取り付ける。ブレーキパッド取り付けクリップ37は、ブレーキパッドハウジング35がブレーキパッド取り付けポスト38を使用しながら従来のやり方で取り付けられるとき、キャリパー32と共に動くように固定されている。電力は、上記説明されたように供給され制御される。
【0020】
図8は2個の異なる車輪20の同じ側面に紫外線光を向ける燐光荷電システム50を示している。図8の燐光荷電システム50は、制御ユニット52と少なくとも2つの紫外線エミッタ70を含んでいる。紫外線エミッタ70は、それぞれフォーク12に取り付けられたおよびバイクメインフレーム11に取り付けられた、紫外線光放射蛍光管74の形態をとる。上記で一般に説明されたように、メインフレーム11および/またはフォーク12に固定された、および/または、配送される適切なワイヤ56は、蛍光管74のオン/オフ状態を制御するために蛍光管74を制御ユニット52に接続する。理解されるように、フォーク12と関連づけられた蛍光管74は、前輪20の左側面20a上に紫外線光を照射し、他の蛍光管74が後輪20の左側面20上にその紫外線を照射する。したがって、図8では、蛍光管74、ワイヤ56、およびスイッチ54を含む燐光荷電システム50は、自転車10の2つの異なる車輪20の同じ側面(例えば、左側面)に紫外線光を向ける。次に、車輪20上の励起された領域は、車輪20が回転するときに、それぞれ目に見える円を有利に形成する可視光を放射する。所望であれば、同様のアプローチは、メインフレーム11/フォーク12の反対側面(例えば、右側面)に取り入れられ得る。
【0021】
図9は、各車輪20が車輪20上に紫外線光を放射するために2つの紫外線発光ダイオード72を収容する、対応するユニット66を持つ配置構成を示している。1つのユニット66は、メインフレーム11に取り付けられ、他のユニットはフォーク12に取り付けられる。次に、2つのユニット66は、ハンドル14に取り付けられた制御ユニット52によって制御される。ユニット66は、それぞれ、フォーク12あるいはメインフレーム11に取り付けるためのプラスチック製ハウジングと、バッテリー62と、受信機スイッチ53とを含んでいる。さらに、制御ユニット52は、送信機(図示せず)、バッテリー、およびスイッチ54を含んでいる。作動スイッチ54は、制御ユニット52からユニット66まで無線で送信されるべき信号を発生し、その信号は、受信機スイッチ53によって受け取られ、対応する発光ダイオード72に電気的に接続されるバッテリー62を作動する。従って、図9の実施例は、概念的に蛍光管74よりむしろ発光ダイオード72を有する図8の実施例の無線電信バージョンである。
【0022】
図10は、前輪20の1つの側面上のフォーク12に取り付けられた複数の紫外線発光ダイオード72と、後輪20近くの自転車のメインフレーム11に取り付けられた複数の紫外線発光ダイオード72とを示している。電力は、上記説明されたように、供給されて制御される。したがって、図10の実施例は、概念的に、図8の実施例と同様であるが、蛍光管74よりむしろ2セットの発光ダイオード72を有する。
【0023】
図11は、電源60がバッテリー62よりはむしろ発電機(dynamo)64(当技術分野では場合によっては「発電機(generator)」と呼ばれる)である実施例を示しており、発光ダイオード72は、フォーク12に取り付けられたプラスチックハウジング66中に含まれている。発電機64は、当技術分野で知られている形態で磁場で移動して電力を発生させる。自転車10の前方部分のみが図11で示されていて、実施例の概念と同様の構成が後部部分に使用され得ることが理解される。いくつかの実施例では、前部と後部の両方の発電機64はあり得るが、そのような構成の費用対効果はよくない。
【0024】
図12は、ベビーカー80に対して使用される燐光荷電システム50を示している。一般に、ベビーカーは、前部フレームチューブ82、後部フレームチューブ84、および下部フレームチューブ86を含んでおり、それらは、一緒になって前輪20と後輪20を支える一般的な三角形形状(通常、三輪車構成)を形成する。この実施例では、燐光荷電システム50は、ベビーカーのフェンダー87内に含まれる複数の紫外線発光ダイオード72と、プラスチック製ハウジング89内に含まれ、ブラケットで下部フレームチューブ86に連結されているる異なるセットの発光ダイオード72を含んでいる。スイッチ54とバッテリパック62は、ハンドル88に取り付けられ、スイッチ54は、選択的に、一般的に上記説明されたように、発光ダイオード74をバッテリパック62に接続している。図13の実施例は同様のアプローチを使用するが、バッテリパック62に代わって発電機64を使用し、対応する異なるワイヤを配線する構成を使用している。
【0025】
上記議論された実施例は、燐光を発する車輪20に紫外線光の形態で電磁エネルギーを照射する様々な手段を使用している。そのような車輪20は、その側面20a、20b上に燐光を発する物質を含んでおり、その物質は紫外線光による励起(または、「荷電(charge)」)を伴い、非反射的な方法で、時間がたつにつれて衰える強度を有する可視光を放射する。燐光を発する物質は、車輪20の側面、特に、タイヤの側壁20a、20bに面する材料中に一体成形され得る、または、その上にコーティングされる、またはそこに接着剤ステッカーを介して付けられ得る。燐光を発する物質の例は、「硫化亜鉛」と「アルミン酸ストロンチウム」として当技術分野で知られている材料を含んでおり、それらは、天然色で燐光を発する、または、燐光を発する物質の技術分野で知られている方法を使用して変えられた色で燐光を発する。
【0026】
本発明は、その用語が厳格な科学的意味で使用されるような唯一紫外線光を発するエミッタによって荷電することに限定していない。代わりに、エミッタ70は、紫外線光と近紫外線(しかし目に見える)光を含み得る、広いスペクトルの光を発し得る。本明細書に使用されるように、用語の紫外線は、約410nmから約10nmの波長を持つことを意味する。本明細書に使用されるように、用語の紫外線エミッタは、電磁波を放射し、その放射のかなりの部分が紫外線であるエミッタ(例えば、発光ダイオード、蛍光管、高強度放電ランプ、レーザなど)を意味する。非限定的な例として、紫外線エミッタは、100〜410nmの範囲、有利には315〜405nmの範囲のピーク波長を有する発光ダイオードであり得る。
【0027】
図1〜13の実施例の種々の態様は、所望に応じて結合され得ることに注意するべきである。例えば、図1の実施例は、バッテリパック62よりむしろ発電機ベースの電源60を使用するように、および光センサ制御部55などを含むように変更され得る。他の実施例は、様々な実施例の様々な技術を単独あるいは組み合わせて取り入れるために同様に変更され得る。また、燐光荷電システム50のための電源60は、乗り物10、80上の他の照明100に電力を供給するために使用され得ることに注意するべきである。例えば、自転車10は、さらに、自転車10の側面、または、前部/後部の外側に向けられた、バッテリパック62によって作動される可視光源100を含み得る。これらの可視光源100は、白熱電球、発光ダイオード、蛍光バルブ、高強度放電ランプ、およびレーザなどの適切な種類のものであり得る。
【0028】
図1〜13の例示の実施例は、人間が動かす乗り物(例えば、自転車10、ベビーカーなど)の文脈中で使用されるものであった。しかしながら、いくつかの実施例では、その考えは、オートバイなどの内部に動力付きの乗り物に広げられ得る。図14に関して、オートバイは、そのフォークの表面内に含まれる複数の紫外線発光ダイオードを含み得る。オートバイの前部を上げて走っているワイヤは、ハンドルに関連するスイッチに発光ダイオードを接続し得る。さらに、複数の紫外線発光ダイオードは、オートバイの後部スイングアームの表面内に含まれ得る。スイングアームとオートバイ本体に沿って走るワイヤは、発光ダイオードをスイッチに接続する。次に、スイッチは、オートバイのバッテリーまたは他の内部動力システムに接続されている。発光ダイオードは、それらの紫外線をそれぞれの燐光を発する車輪20上に放射する。図15は、発光ダイオードがオートバイのフェンダーの内側の曲がり内に配置された関連する実施例を示している。
【0029】
本発明は、もちろん、本発明の本質的特質から逸脱することなしに、本明細書で説明されたもの以外の特定の方法で実施され得る。したがって、本実施例は、あらゆる点で例示として制限無しに考慮されるべきものであり、付属の特許請求の範囲の意味するものおよび均等範囲に含まれるすべての変化はその中に含まれるものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】紫外線光の放射構造を含む自転車フォークの正面図である。
【図2】ストラップを含む紫外線光の放射構造を含む自転車フォークの正面図である。
【図3】紫外線光の放射構造を含む自転車フェンダーの側面図である。
【図4】紫外線光の放射構造を含む自転車ブレーキキャリパの正面図である。
【図5】紫外線光の放射構造を含む自転車ブレーキブースターの正面図である。
【図6】紫外線光の放射構造を含む自転車ブレーキパッドハウジングの正面図である。
【図7】ブレーキポストハウジングポートを含む紫外線光の放射構造を含む自転車ブレーキポストの正面図である。
【図8】外部配線を使用する前部と後部の車輪の両方上に紫外線光の放射構造を含む自転車の側面図である。
【図9】前部と後部の車輪の両方上に無線で起動するスイッチを含む紫外線光の放射構造を含む自転車の側面図である。
【図10】内部配線を用いて前部と後部の車輪の両方上に紫外線光の放射構造を含む自転車の側面図である。
【図11】ダイナモ発電機を含む紫外線波の放射構造を含む自転車フォークの側面図である。
【図12】紫外線波の放射構造を含むベビーカーの側面図である。
【図13】ダイナモタイプの発電機を含む紫外線波の放射構造を含むベビーカーの側面図である。
【図14】紫外線波の放射構造を含むオートバイの側面図である。
【図15】紫外線波の放射構造を含むフェンダーを含むオートバイの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪の付いた乗り物であって、
フレームと、
燐光を発する第1および第2側面を有し、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの回転可能な車輪と、
前記フレームに接続され、前記燐光を発する第1および第2側面に電磁波を放射することによって、前記燐光を発する第1および第2側面を荷電するように適合されている燐光荷電システムと、
を有することを特徴とする車輪の付いた乗り物。
【請求項2】
前記燐光荷電システムは、
前記燐光を発する第1および第2側面に入射するように向けられた電磁波を放射することにより、前記燐光を発する第1および第2側面をそれぞれ荷電するように適合された第1と第2のエミッタと、
前記燐光荷電システムに電力を供給する手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項3】
前記燐光荷電システムは、更に、前記電力を供給する手段と、前記第1と第2のエミッタとの間に電気的に接続して配置されたスイッチとを有することを特徴とする請求項2に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項4】
前記車輪は、タイヤと、リムと、ハブとを有することを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項5】
前記タイヤは、前記タイヤ中に一体成形された燐光を発する物質を有することを特徴とする請求項4に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項6】
前記燐光荷電システムは、電磁波放射が前記燐光を発する第1および第2側面に向くように前記フレームに接続された複数の発光ダイオードを含み、それにより前記燐光を発する第1および第2側面に電磁波放射が入射することを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項7】
前記複数の発光ダイオードは、主として100〜405nmの範囲内の光を放射することを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項8】
前記電力を供給する手段は、バッテリーと発電機とからなるグループのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項9】
前記燐光荷電システムは、前記フレームで支えられた、前記車輪に対して動くことができるエレメントに取り付けられたエミッタを含むことを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項10】
前記エレメントは、ブレーキパッドと、ブレーキキャリパと、ブレーキパッドポストとからなるグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項11】
前記燐光荷電システムが、前記車輪のためのブレーキ用アセンブリの一部に取り付けられたエミッタを含むことを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項12】
前記一部がブレーキパッドと、ブレーキキャリパと、ブレーキブースターと、ブレーキパッドポストと、ブレーキパッドハウジングと、ブレーキポストとからなるグループから選択されることを特徴とする請求項11に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項13】
前記燐光荷電システムが、フェンダーと、フォークと、チェインガードと、スウィングアームと、ショックとからなるグループから選択された、車輪の付いた乗り物の部品に取り付けられたエミッタを有することを特徴とする請求項11に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項14】
更に、前記車輪から離れる方向に向けられた複数の外に光を放射する構造を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項15】
前記外に光を放射する構造と前記燐光荷電システムとが共通の電源によって電力を供給されることを特徴とする請求項14に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項16】
前記フレームが自転車のフレームであることを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項17】
前記フレームがオートバイのフレームであることを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項18】
前記フレームがベビーカーのフレームであることを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項19】
前記車輪が回転し前記燐光を発する側面が前記燐光荷電システムによって荷電すると、前記燐光を発する側面が目に見える輪を形成することを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項20】
前記燐光荷電システムは、
前記燐光を発する第1および第2側面に紫外線をそれぞれ放射することによって、前記燐光を発する第1および第2側面を荷電するように適合された第1と第2の紫外線エミッタと、
前記燐光荷電システムに電力を供給するためのバッテリーと、
前記電力を供給する手段と前記第1および第2のエミッタとの間で電気的に接続して配置されたスイッチとを有し、
前記フレームは人間が動力を供給する乗り物のフレームであることを特徴とする請求項1に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項21】
車輪の付いた乗り物であって、
フレームと、
それぞれがほぼ同じ方向に面している少なくとも1つの燐光を発する側面を有し、前記フレームに取り付けられた第1と第2の回転可能な車輪と、
前記フレームに接続され、第1と第2のエミッタを含む燐光荷電システムと、を有し、
前記第1のエミッタは、前記第1の車輪の前記燐光を発する側面に電磁波を放射することによって前記第1の車輪の前記燐光を発する側面を荷電するように配置され、
前記第2のエミッタは、前記第2の車輪の前記燐光を発する側面に電磁波を放射することによって前記第2の車輪の前記燐光を発する側面を荷電するように配置されることを特徴とする車輪の付いた乗り物。
【請求項22】
前記燐光荷電システムは更に、
前記燐光荷電システムに電力を供給する手段と、
前記第1と第2のエミッタとの間に電気的に接続して配置されたスイッチとを有することを特徴とする請求項21に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項23】
前記第1と第2のエミッタは、複数の発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項21に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項24】
前記複数の発光ダイオードは、100〜405nmの範囲内にピーク波長を有することを特徴とする請求項23に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項25】
前記車輪が回転し、前記燐光を発する側面が前記燐光荷電システムによって荷電すると、前記第1および第2の車輪の前記燐光を発する側面が目に見える輪を形成することを特徴とする請求項21に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項26】
車輪の付いた乗り物であって、
フレームと、
少なくとも第1の燐光を発する側面を有し、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの回転可能な車輪と、
前記フレームに操作可能に接続されたブレーキアセンブリとを有し、
前記ブレーキアセンブリが、
車輪に対して移動可能であり前記車輪の回転を遅らせるように操作可能な少なくとも1人のブレーキパッドと、
前記第1の燐光を発する側面を荷電して、それに続いて燐光を発生させるために、そこから放射された電磁波が前記車輪の前記第1の燐光を発する側面に向かうように配置されたエミッタと、
前記エミッタに電力を供給する手段とを有することを特徴とする車輪の付いた乗り物。
【請求項27】
前記ブレーキアセンブリはさらに、ブレーキブースターエレメントを有し、前記エミッタは前記ブレーキブースターエレメント中に配置されていることを特徴とする請求項26に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項28】
前記ブレーキアセンブリはさらに、前記車輪に対して外側寄りに配置されたブレーキパッドポストを含み、前記エミッタは前記ブレーキパッドポストによって支えられていることを特徴とする請求項26に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項29】
前記エミッタは、前記ブレーキパッドとともに移動することを特徴とする請求項26に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項30】
前記エミッタが前記ブレーキパッド中に配置されていることを特徴とする請求項29に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項31】
車輪の付いた乗り物であって、
フレームと、
少なくとも第1の燐光を発する側面を有し、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの回転可能な車輪と、
前記車輪に近接する前記フレームに接続されたフェンダーアセンブリとを有し、
前記フェンダーアセンブリは、
前記第1の燐光を発する側面を荷電し、それに続いて燐光を発生するために、放射された電磁波が前記車輪の前記第1の燐光を発する側面に向かい、それによって前記車輪の前記第1の燐光を発する側面に入射するように配置されエミッタと、
前記エミッタに電力を供給する手段とを有することを特徴とする車輪の付いた乗り物。
【請求項32】
前記エミッタは、発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項31に記載の車輪付きの乗り物。
【請求項33】
前記発光ダイオードは、100〜405nmの範囲内にピーク波長を有することを特徴とする請求項23に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項34】
前記エミッタに電力を供給する手段は、前記フェンダーアセンブリによって支えられていることを特徴とする請求項31に記載の車輪の付いた乗り物。
【請求項35】
更に、前記エミッタと前記エミッタに電力を供給する手段との間の連結を制御するための操作可能な光センサを有することを特徴とする請求項31に記載の車輪の付いた乗り物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−508762(P2009−508762A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532235(P2008−532235)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/032838
【国際公開番号】WO2007/037852
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508085073)ルナシー エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】LUNASEE LLC
【住所又は居所原語表記】610 Lynndale, Suite G, Greenville, North Carolina 27585, U. S. A.
【Fターム(参考)】