説明

燐含有混合物、その製造方法およびその用途

【課題】 従来技術の欠点を有さず、容易に製造でき、かつ、非常に低いハロゲン含有量でしかないハロゲン不含の反応性難燃材の提供。
【解決手段】 この課題は、式(I) RO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2H および
(II) HO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2R [式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールであり、Rは (D,E)C=C(B, R5) または Hであり、B、DおよびEは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ H または C1-C18 -アルキルであり、R5は C1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である]で表される化合物を含有する混合物,その製造方法およびその用途によって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2006年3月21日に出願したドイツ特許出願第102006012879.6号に基づいて優先権を主張するものであり、その内容をここに全て記載したものとする。
【0002】
本発明は、燐含有混合物、その製造方法およびその用途に関する。
【0003】
特開平9−124668号公報には、式
【0004】
【化1】

および
【0005】
【化2】

[式中、R1 および R2 は水素原子およびメチル基でありそして R3 は炭素原子数1〜18のアルキル、ベンジルまたはフェニル基であり、 R4は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基でありそして m は2〜4の整数である。]
で表される燐含有のエチレン性不飽和モノマーが開示されている。
【0006】
該公報には、これらのモノマー、特に R4 = H と R4 = Me とが8:2のモル比である燐含有エチレン性不飽和モノマーを含有するコポリマーが記載されている。
【0007】
上記のモノマーはフェニルジクロロホスファンを最初にアクリル酸およびメタノールと反応させ、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレートと反応させることによって製造される。精製段階が意図的に行われないので、得られる生成物は相当な量の水素含有成分を含有している。かゝる副生成物は高品質合成樹脂に使用した場合に、中でも金属を腐食する原因になるので望ましくない。
【0008】
ハロゲン含有難燃剤は火災の際に更にハロゲン化水素を生じさせる。これらは腐食性でそして健康に有害である。
【0009】
基 R3 は難燃に対して有効に寄与しない。この基はできるだけ小さいものにするのが有利である。フェニル基類はメチル基と比較して不利である。これらは難燃剤中の燐の有効含有量を減少させる。
【0010】
この従来技術は遊離のホスフィン酸基またはメチルエステル化されたホスフィン酸基(反応によって導入することができない)を持つタイプ(1)のモノマーが難燃用途に適しているということを当業者に教示している。
【0011】
Priola (Priola, A.; Gozzelino, G.; Ferrero, F.; Special Publication - Royal Society of Chemistry 64(1987)143-160)は、式
【0012】
【化3】

および
【0013】
【化4】

で表される種類の化合物を、2−ヒドロキシエチルアクリレートとオキサホスホランとを10〜20℃で反応させてFBA1を得および50〜60℃で反応させてFBA2を得る製造方法を開示している。これらの化合物は次いで、紫外線硬化性のスチール用エポキシアクリレート被覆剤の接着促進剤として用いられる。
【0014】
Priolaによる方法は、10〜60℃で反応を行おうとするものである。この温度範囲においては、この発明に従う殆どのオレフィン化合物は液体でありそしてオキサホスホランは固体である。Priola の方法は沢山の欠点を有している:
未粉砕の状態ではオキサホスホランの反応速度が遅い。これは比較的に長い反応時間によって埋め合わされる。方法技術の意味で不利である小さい空時収率がこの場合の欠点であり、モノマーは過度に長い熱処理のために自己重合する恐れがあり、かつ、不所望の変色を被る恐れがある。後者はハーゼン数の増加によって測定することができる。
【0015】
従って従来には、比較的に長い炭素鎖を持ち、容易に製造でき、(オレフィンの)二重結合による反応によってポリマー中に導入できそして有効な難燃剤として適する適当な燐含有化合物がなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
それ故に本発明の課題は、上述の欠点を回避し、容易に製造でき、かつ、非常に低いハロゲン含有量でしかないハロゲン不含の反応性難燃剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この課題は、式
(I) RO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2H および
(II) HO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2R
[式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールであり、
Rは (D,E)C=C(B, R5) または Hであり、
B、DおよびEは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ H または C1-C18 -アルキルであり、
R5は C1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である]
で表される各化合物を含有する混合物によって達成される。
【0018】
R5は好ましくは飽和、不飽和または多重不飽和のC1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である。
【0019】
R5 は特に好ましくは-CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-、 -CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2-、-CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- または -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-である。
【0020】
本発明の混合物は、式
(I) RO-P(=O)(A) - CH2-CH2-CO2H および
(II) H-OP(=O)(A) - CH2-CH2-CO2-R
[式中、Aはメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、
Rは (D,E)C=C(B, R5)であり、
その際にDはH またはメチルであり、
EはH またはメチルであり、
Bは H またはメチルであり、
R5は -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-、-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2-、
-CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- または -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-である。]
で表される各化合物を含有しているのが好ましい。
【0021】
この混合物は好ましくは99.9〜20重量%の式(I)の化合物および0.1〜80重量%の式(II)の化合物を含有しており、その際に各成分の合計は常に100重量%である。
【0022】
本発明は、また、式
(I) RO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2H および
(II) HO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2R
[式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールであり、
Rは (D,E)C=C(B, R5) または Hであり、
B, D, Eは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ H または C1-C18 -アルキルであり、
R5は C1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である]
で表される各化合物を含有する本発明の混合物を製造する方法において、オキサホスホランをジ−、トリ−またはポリヒドロキシル基を含有するオレフィンとを反応させることを特徴とする、上記方法にも関する。
【0023】
オキソホスホランは好ましくは式 (III)
【0024】
【化5】

[式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールであり、
R5は 特に好ましくは-CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-、-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2-、
-CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- または -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-である。]
で表される化合物に相当する。
【0025】
本発明の方法においては上記混合物は99.9〜20重量%の式(I)の化合物および0.1〜80重量%の式(II)の化合物を含有し、各成分の合計が常に100重量%であるのが有利である。
【0026】
本発明は請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物を難燃剤としてまたは難燃剤組成物の製造に用いることにも関する。
【0027】
それ故に本発明は、99.5〜40重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物および0.1〜60重量%のオレフィン成分を含有し、各成分の合計が常に100重量%である、難燃剤組成物にも関する。
【0028】
難燃剤組成物は好ましくは90〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物および10〜50重量%のオレフィン成分を含有し、該各成分の合計が常に100重量%である。
【0029】
本発明は0.5〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%の熱可塑性ポリマーまたはそれの混合物、0〜60重量%の添加物および0〜60重量%のフィラーを含有し、各成分の合計が常に100重量%である難燃性ポリマー成形材料にも関する。
【0030】
熱可塑性ポリマーはHI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)の種類のブレンドまたはポリマーブレンドであるのが好ましい。
【0031】
本発明は0.5〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物を含有するポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維材料または請求項28または29に記載の難燃ポリマー材料にも関する。
【0032】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維材料のポリマーは好ましくは熱可塑性または熱硬化性ポリマーである。
【0033】
熱可塑性ポリマーは好ましくはHI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、ポリアミド、ポリエステルおよび/またはABSのブレンドまたはポリマーブレンドである。
【0034】
熱硬化性ポリマーは好ましくはホルムアルデヒド−、エポキシ−またはメラミンフェノール樹脂および/またはポリウレタン類である。
【0035】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維材料は好ましくは0.5〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%のポリマーまたはそれの混合物、0〜60重量%の添加物および0〜60重量%のフィラーを含有しており、その際各成分の合計は常に100重量%である。
【0036】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維材料は好ましくは1〜40重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%の熱硬化性ポリマーまたはそれの混合物、0.5〜60重量%の添加物および0.5〜60重量%のフィラーおよび/または補強材を含有しており、その際各成分の合計は常に100重量%である。
【0037】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維材料中の熱硬化性ポリマーには好ましくは不飽和ポリエステル樹脂、ジシクロペンタジエン変性された不飽和ポリエステル、ポリフェニレンエーテル類またはブタジエンポリマー類が含まれる。
【0038】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維材料は好ましくは電気スイッチ部材、自動車構造物の各成分、電気工業、電子製品、回路盤、プレプレッグ、電子製品の注封材料、ボートおよびローターブレード構造物において、屋外GFR合成樹脂用途、家庭用品および衛生用品用途、工業材料および他の製品において使用される。
【0039】
A は好ましくはC1-C6-アルキルである。
【0040】
Aは特に好ましくはメチル、エチルまたはプロピルである。
【0041】
B、D およびEは好ましくは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれHまたはメチルである。
【0042】
R5 は特に好ましくは飽和のC1-C6-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である。
【0043】
混合物は特に好ましくは99〜30重量%の式(I)の化合物および1〜70重量%の式(II)の化合物を含有しており、その際各成分の合計は常に100重量%である。
【0044】
本発明の混合物は好ましくはメチルエステルを含有していない。
【0045】
本発明の混合物は0.005重量%より多い塩素含有量を有していない。
【0046】
本発明の混合物は好ましくはA がメチルで、 R5 が -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-でそしてD、E およびB がそれぞれHである以下の化合物を含有している:
【0047】
【化6】

および
【0048】
【化7】

本発明の混合物は好ましくはA がエチルで、R5 が -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2- でそしてD、Eおよび B がそれぞれHである化合物を含有する:
【0049】
【化8】

および
【0050】
【化9】

本発明の混合物は好ましくは A がフェニルで、 R5 が-CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-でそしてD、EおよびBがそれぞれHである化合物を含有する:
【0051】
【化10】

および
【0052】
【化11】

本発明の混合物は好ましくは A がメチルで、B がメチルで、 R5 が -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2- そしてDおよびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0053】
【化12】

および
【0054】
【化13】

本発明の混合物は好ましくはAがエチルで、Bがメチルで、 R5 が -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-CH2でそしてD およびE がそれぞれHである化合物を含有する:
【0055】
【化14】

および
【0056】
【化15】

本発明の混合物は好ましくはAがフェニルで、Bがメチルで、R5が -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-でそしてD およびE がそれぞれHである化合物を含有する:
【0057】
【化16】

および
【0058】
【化17】

本発明の混合物は好ましくはA およびB がそれぞれメチルで、R5 が-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2でそしてD およびE がそれぞれHである化合物を含有する:
【0059】
【化18】

および
【0060】
【化19】

本発明の混合物は好ましくはAがエチルで、Bがメチルで、R5 が-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2- でそしてD およびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0061】
【化20】

および
【0062】
【化21】

本発明の混合物は好ましくは Aがフェニルで、Bがメチルで、R5 が-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2でそしてDおよびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0063】
【化22】

および
【0064】
【化23】

本発明の混合物は好ましくはA およびB がそれぞれメチルで、R5 が -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2- でそしてD およびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0065】
【化24】

および
【0066】
【化25】

本発明の混合物は、好ましくはAがエチルで、Bがメチルで、R5 が -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2でそして DおよびE がそれぞれHである化合物を含有する:
【0067】
【化26】

および
【0068】
【化27】

本発明の混合物は、好ましくはAがフェニルで、B がメチルでそしてR5が -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-CH2でそしてDおよびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0069】
【化28】

および
【0070】
【化29】

本発明の混合物は好ましくはAおよびBがそれぞれメチルで、R5 が -CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2-でそしてDおよびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0071】
【化30】

および
【0072】
【化31】

本発明の混合物は、好ましくはAがエチルで、Bがメチルで、R5 が -CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- でそしてD およびE がそれぞれHである化合物を含有する:
【0073】
【化32】

および
【0074】
【化33】

本発明の混合物は好ましくはAがフェニルで、Bがメチルで、R5 が -CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2-でそしてDおよびEがそれぞれHである化合物を含有する:
【0075】
【化34】

および
【0076】
【化35】

既に上述した通り、A、R5、D、EおよびB は広い範囲で変更することができる。それ故に本発明は上記の混合物だけでなく、個々の化合物中に比較的長鎖の部分を含むそれぞれの分子式で表して具体的に説明していないあらゆる混合物にも関する。
【0077】
原則として本発明の混合物は式RO-PO(A)-CH2-CH2-CO2Rで表される化合物の成分も含有していてもよい。その際に、AおよびRは上述の意味を有する。
【0078】
本発明の混合物は好ましくは0.1〜80重量%の式 RO-PO(A)-CH2-CH2-CO2Rで表される化合物も含有していてもよい。その際に、AおよびRは上述の意味を有する。
【0079】
幾つかの場合には非常に僅かな燐含有量であるにもかかわらず、本発明の混合物は良好な難燃効果を示す。これらはオキサホスホランとオレフィン成分との反応によって製造される。この目的のためにはオレフィン成分を最初に導入しそしてオキサホスホランを添加するかまたは反対の順序、即ちオキサホスホランを最初に導入しそして次にオレフィン成分を添加してもよい。
【0080】
Aは好ましくはC1-C6-アルキルである。Aは特に好ましくはメチル、エチルまたはプロピルである。
【0081】
オレフィン成分は好ましくは式(IV)
(D,E)C=C(B)- R5-OH
[式中、B、DおよびEは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれH またはC1-C18-アルキルでありそしてR5 は C1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である。]
で表される化合物に相当する。
【0082】
B、DおよびEは好ましくは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれH またはメチルである。
【0083】
R5 は好ましくは飽和、不飽和または多重不飽和のC1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である。
【0084】
R5は特に好ましくは飽和C1-C6-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である。
【0085】
本発明の方法において混合物は特に好ましくは99〜30重量%の式(I)の化合物および1〜70重量%の式(II)の化合物を含有し、その際に各成分の合計が常に100重量%である。
【0086】
オキサホスホランは好ましくは粉末状態でまたは溶融物の状態で反応させる。
【0087】
オキサホスホランは、2-メチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-エチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-n-ブチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-ヘキシル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホラン、2-オクチル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホランまたは2-フェニル-2,5-ジオキソ-1-オキサ-2-ホスホランが好ましい。
【0088】
オレフィン成分は2,3-ビスヒドロキシプロピルアクリレート、2,3-ビスヒドロキシプロピルメタクリレート、2,2’-ビスヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3,4-ビスヒドロキシブチルアクリレートまたは2-メチル-2-ヒドロキシメチルプロピルアクリレートが有利である。
【0089】
オキサホスホランは好ましくは粉末として添加しそして該オキソホスホランの平均粒度は好ましくは0.1〜1000 mm、特に好ましくは10〜300 mmである。
【0090】
しかしながらオキサホスホラン溶融物として添加してもよい。オキサホスホランを次いで好ましくは100〜200°C、特に好ましくは110〜130°Cの温度で溶融物として添加する。
【0091】
オレフィン成分は好ましくは最初に10〜100°Cで導入しそして得られる反応溶液を同様に10〜100°Cに加熱する。
【0092】
この反応は好ましくは攪拌式容器またはスタテックミキサーで行う。
【0093】
有利に使用される混合装置はアンカー型攪拌機、パドル型攪拌機、MIG攪拌機、プロペラ型攪拌機、羽根車式攪拌機、タービン式攪拌機、クロスビーム式攪拌機、分散用ディスク、回転子式混合機、スタテックミキサー、ベンチャーノズル(venture nozzles )および/またはエアーフィフトポンプ(air-lift pumps)がある。
【0094】
反応溶液を好ましくは1〜1,000,000、好ましくは100〜100,000のレーノルズ回転数に相当する混合強度に付す。
【0095】
反応溶液を0.083〜10kW/m3、好ましくは0.33〜1.65kW/m3のエネルギー出力に付す。
【0096】
有利なオレフィン成分には不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、3-ブテン-1-オール、 3-ヒドロキシ-1-ブテン、 3-ブテノール-2、メチルビニルカルビノール、2-メチル-2-プロペノール-1、メチルアリルアルコール、 2-ブテノール-1、 クロチルアルコール、1-ペンテノール-3、トランス-2-ペンテノール-1、シス-2-ペンテノール-1、 3-ペンテノール-2、 4-ペンテノール-1、4-ペンテノール-2、1-ヘキセノール-3、シス-2-ヘキセノール-1、トランス-2-ヘキセノール-1、シス-3-ヘキセノール、トランス-3-ヘキセノール-1、4-ヘキセノール-1、5-ヘキセノール-1、5-ヘキセノール-2、1-ヘプテノール-3、1-オクテノール-3、トランス-2-オクテノール-1、オレイルアルコールまたはテルペンアルコールがある。
【0097】
上記の化合物(I) RO-P(=O)(A) - CH2-CH2-CO2H および(II) H-OP(=O)(A) - CH2-CH2-CO2-R は原則として反応性難燃剤として直接的に使用できる。しかしながらこの用途はしばしばこの化合物が有していない物理的性質を必要とする。重要な特徴は粘度である。これはポリマー中への導入を簡単にする。
【0098】
本発明の混合物は所望でかつ必要な粘度を発揮するが、個々の化合物(I) および(II)はしばしばこれを発揮せず、後者の場合にはポリマー中に組み入れるために助剤を添加すべきである。
【0099】
本発明の難燃剤組成物中にはオレフィン成分が過剰量で助剤として使用される。
【0100】
本発明の混合物の有利な粘度は50〜1000cPである。
【0101】
本発明の混合物は難燃剤として使用するのが有利である。本発明の混合物とポリマーとの結合は個々の成分中にオレフィン性基を反応させることによって行うのが有利である。
【0102】
本発明によれば、個々の成分のホスフィン酸基またはカルボキシル基はポリマーマトリックスまたはコモノマーの適当な官能基と縮合することもできる。有利な官能基は水酸基系である。
【0103】
難燃化されたポリマー材料は好ましくは1〜40重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、5〜90重量%の熱可塑性ポリマーまたはそれらの混合物、5〜40重量%の添加物および5〜40重量%の充填剤を含有しており、その際に各成分の合計は常に100重量%である。
【0104】
熱可塑性ポリマーは好ましくはポリアミド類、ポリエステルまたはABSである。
【0105】
本発明に従って難燃性化された成形材料の製造方法においては、本発明の混合物は
a)他の/別のコモノマーと一緒に反応させて難燃性化されたポリマーを得るかまたは
b)それ自体を重合してホモポリマーを得、そして次に従来技術に従って押出成形、配合等によってポリマーとブレンドするかまたは
c)他の/別のコモノマーと反応させてコポリマーを得、次いで従来技術に従い押出成形、配合等によってポリマーと混合する。
【0106】
難燃化されたポリマー成形材料の製造方法は、本発明の混合物を含有するポリマーをポリマー顆粒および場合によっては存在する添加物と混合することを含みそして組み入れ合体を二軸スクリュー式押出機(ZSK 25 WLE、14.5 kg/時、200回転/分、L/D: 4)で170°C (ポリスチレン)の温度で、270°C (PET、ポリエチレンテレフタレート)の温度で、230〜260°C (ポリブチレンテレフタレート:PBT)の温度で、260°C (PA6) の温度でまたは260〜280°C (PA 66)の温度で行う。均一化されたポリマー紐状物を引出し、水浴で冷却し、次いで顆粒化しそして0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の残留湿分含有量に乾燥する。
【0107】
本発明は、0.5〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物を含有するポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントおよびポリマー繊維製品または本発明の混合物を含有する難燃性化されたポリマー成形材料にも関する。
【0108】
ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントおよびポリマー繊維製品は好ましくは1〜40重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%のポリマーまたはそれの混合物、0〜60重量%の添加物および0〜60重量%のフィラーを含有しており、その際に各成分の合計は常に100重量%である。
【0109】
本発明の有利なコモノマーはメチルアクリレート、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、2-エチルヘキシルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ラウリル、および/またはメタクリル酸メチル、メタクリルアミド、メタクリルニトリル、メタクリル酸、アクリル酸−n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸第二ブチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸第三ブチル、メタクリル酸第三ブチル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、プロピオ酸ビニル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸シアノアルキル、置換アクリルアミド類、例えばN,N'-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリジンおよびアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ヒドロキシメタクリレート、スチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンである。
【0110】
本発明に従う難燃化された熱可塑性成形材料および/または成形体はポリメチルメタクリレートをベースとしていてもよい。
【0111】
有利なポリメチルメタクリレートは以下のモノマーの1種以上のホモ−またはコポリマーである:1〜20の炭素原子数のアルキルを有する(メタ)アクリル酸モノマー、例えば(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸 n-プロピル、 (メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸, n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸第二ブチル、(メタ)アクリル酸第三ブチル、(メタ)アクリル酸 n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸 n-オクチル、(メタ)アクリル酸 2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸 n-デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸 1-ナフチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸 2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノアルキル、アクリルアミド、置換アクリルアミド類、例えば N,N'-ジメチルアクリルアミドおよびN-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリジンおよびアクリロニトリルがある。
【0112】
メタクリル酸ポリメチルをベースとする本発明の難燃性熱可塑性成形材料および/または成形体の有利な用途には、自動車照明、船舶用照明、方向指示ライト、交通用照明、ドーム用照明、建築用ガラス板、照明付き広告、車、光ファイバー、ヘッドランプ用レンズ、衛生器具、電子製品用途、モニターおよびディスプレー用フィルター、精密工業用部材、装置建設での部材、測定、製図および筆記装置での部材、レンズおよび眼鏡、光学的記憶媒体およびデータ媒体、医療用、食品用および医薬用包装材がある。
【0113】
熱可塑性ポリマーはモノ−およびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレンまたはノルボルネン;更に(場合によっては架橋されていてもよい)ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)または高密度高分子量ポリエチレン(HDPE-HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン (HDPE-UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐した低密度ポリエチレン(BLDPE)およびそれらの混合物が好ましい。
【0114】
熱可塑性ポリマーはモノ−およびジオレフィン相互または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン-プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン-1-ブテンコポリマー、プロピレン-イソブチレンコポリマー、エチレン-1-ブテンコポリマー。エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−メチルペンテンコポリマー、エチレン−ヘプテンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、プロピレン−ブタジエンコポリマー、イソブチレン−イソプレンコポリマー、エチレン−アルキルアクリレートコポリマー、エチレン−メタクリル酸アルキル−コポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマーおよびそれらと一酸化炭素とのコポリマー、またはエチレン−アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)、およびエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、シクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネンとのターポリマー;更にかゝるコポリマー相互の混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー、LDPE/エチレン-アクリル酸コポリマー、LLDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー、LLDPE/エチレン−アクリル酸コポリマーおよびポリアルキレン/一酸化炭素の交互またはランダムコポリマーおよびそれらと他のポリマー、例えばポリアミド類との混合物が有利である。
【0115】
熱可塑性ポリマーは好ましくは炭化水素樹脂の水素化変性樹脂(例えば粘着性樹脂)を含めた炭化水素樹脂(例えばC5-C9)およびポリアルキレン類と澱粉との混合物が好ましい。
【0116】
熱可塑性ポリマーはポリスチレン類(ポリスチレン143E:BASF)、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)である。
【0117】
熱可塑性ポリマーは好ましくはスチレンまたはα−メチルスチレンとジエン類またはアクリル酸誘導体とのコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アルキルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−アルキルアクリレート、スチレン−ブタジエン−アルキルメタクリレート、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−アクリロニトリル−メタクリレート;またはスチレンコポリマーおよび他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー、またはエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーよりなる耐衝撃性混合物;またはスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンまたはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのブロックコポリマーであるのが有利である。
【0118】
熱可塑性ポリマーは好ましくはスチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレンが、ポリブタジエン−スチレン−コポリマーにスチレンがまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレンが、ポリブタジエンにスチレンおよびアクリルニトリル(あるいはメタクリロニトリル)がグラフトしたグラフトコポリマー;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよびメタクリル酸メチルがグラフトしたグラフトコポリマー;ポリブタジエンにスチレンおよび無水マレイン酸がグラフトしたグラフトコポリマー;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレインイミドがグラフトしたグラフトコポリマー;ポリブタジエンにスチレンおよびマレイミドが、ポリブタジエンにスチレンおよびアクリル酸アルキルあるいはメタクリル酸アルキルが、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーにスチレンおよびアクリロニトリルが、ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレートにスチレンおよびアクリルニトリルが、アクリレート−ブタジエンコポリマーにスチレンおよびアクリルニトリルがグラフトしたグラフトコポリマーまたはこれらの混合物、例えばABSポリマー類、MBSポリマー類、ASAポリマー類またはAESポリマー類として知られるものがある。
【0119】
熱可塑性ポリマーは好ましくはハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、スチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンのホモおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリビニリデンクロライド、ポリフッ化ビニル、ポリビニリデンフルオライド;およびそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル−ビニリデンクロライド、塩化ビニル−酢酸ビニルまたはビニリデンクロライド−酢酸ビニルである。
【0120】
熱可塑性ポリマーは好ましくはα−,β−不飽和酸およびそれの誘導体から誘導されるポリマー、例えばポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ブチルアクリレートで耐衝撃性変性したポリメチルメタクリレート類、ポリアクリルアミド類およびポリアクリロニトリル類および上記モノマー相互のまたは他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル−アルコキシアルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル−ビニルハロゲン化物−コポリマーまたはアクリロニトリル−アルキルメタクリレート−ブタジエンターポリマーである。
【0121】
熱可塑性ポリマーは好ましくは不飽和アルコールおよびアミン類またはアシル誘導体またはそれらのアセタール類から誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ステアレート、ベンゾエートまたはマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;およびそれらとオレフィンとのコポリマーである。
【0122】
熱可塑性ポリマーは好ましくは環状エーテルのホモおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドまたはそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマーがある。
【0123】
熱可塑性ポリマーには好ましくはポリアセタール類、例えばポリオキシメチレン、およびコモノマー、例えばエチレンオキサイドを含有するそれらのポリオキシメチレン類;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート類またはMBSで変性されているポリアセタール類がある。
【0124】
熱可塑性ポリマーには好ましくはポリフェニレンオキサイド類およびスルフィッド類およびそれとスチレンポリマーまたはポリアミド類との混合物がある。
【0125】
熱可塑性ポリマーには一方においては末端水酸基を持つポリエーテル類、ポリエステル類およびポリブタジエン類ともう一方の脂肪族および芳香族ポリイソシアネート類とのポリウレタン類およびそれの前駆体がある。
【0126】
熱可塑性ポリマーにはジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または相応するラクタム類から誘導されるポリアミド類およびコポリアミド類、例えばポリアミド-2/12、ポリアミド−4(ポリ−4−アミノ酪酸:(R)Nylon 4:製造元 DuPont)、ポリアミド-4,6 (ポリ(テトラメチレンアジパミド)、ポリ(テトラメチレンアジピン酸ジアミド)、(R) Nylon 4/6, DuPont)、ポリアミド−6 (ポリカプロラクタム、ポリ-6-アミノヘキサノン酸、(R)Nylon 6(製造元:DuPont)、(R)Akulon K122(製造元:DSM);(R)Zytel 7301(製造元:DuPont); (R)Durethan B 29(製造元:Bayer)、ポリアミド−6/6 (ポリ(N,N'-ヘキサメチレンアジピン酸ジアミド)、(R)Nylon 6/6 (製造元:DuPont)、(R) Zytel 101( 製造元:DuPont); (R)Durethan A30, (R)Durethan AKV、(R)Durethan AM: 製造元:Bayer;(R) Ultramid A3, BASF), ポリアミド-6/9 (ポリ(ヘキサメチレンノナンジアミド)、 (R)Nylon 6/9 (製造元:DuPont)、ポリアミド-6/10 (ポリ(ヘキサメチレンセバカミド), (R)Nylon 6/10 , 製造元:DuPont)、ポリアミド-6/12 (ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、 (R)Nylon 6/12, 製造元:DuPont)、ポリアミド-6/66 (ポリ(ヘキサメチレンアジパミド−コカプロラクタム)、 (R)Nylon 6/66:製造元:DuPont)、ポリアミド-7 (ポリ-7-アミノヘプタン酸: (R)Nylon 7, 製造元:DuPont)、ポリアミド-7,7 (ポリヘプタメチレンピメラミド、(R)Nylon 7,7:製造元:DuPont)、ポリアミド-8 (ポリ-8-アミノオクタン酸、(R)Nylon 8:製造元:DuPont)、ポリアミド-8,8 (ポリオクタメチレンスベラミド:(R)Nylon 8,8,製造元: DuPont)、ポリアミド-9 (ポリ-9-アミノノナン酸:(R)Nylon 9, 製造元:DuPont)、ポリアミド-9,9 (ポリノナメチレンアゼラミド:(R)Nylon 9,9:製造元:DuPont)、ポリアミド-10 (ポリ-10-アミノデカン酸:(R)Nylon 10:製造元:DuPont)、ポリアミド-10,9 (ポリ(デカメチレンアゼラミド):(R)Nylon 10,9:製造元 DuPont)、ポリアミド-10,10 (ポリデカメチレンセバカミド:(R)Nylon 10,10: 製造元:DuPont)、ポリアミド-11 (ポリ-11-アミノウンデカン酸: (R)Nylon 11, 製造元:DuPont)、ポリアミド-12 (ポリラウロラクタム:(R) Nylon 12 :製造元:DuPont;(R) Grillamid L20:製造元:Ems Chemie)、m−キシレンジアミン、ジアミンおよびアジピン酸から誘導される芳香族ポリアミド類;ヘキサメチレンジアミンおよびイソ−および/またはテレフタル酸から製造されるポリアミド類(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド) および場合によっては変性剤としてのエラストマーから製造されるポリアミド、例えばポリ-2,4,4-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ-m-フェニレンイソフタルアミドがある。上記のポリアミド類とポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学結合したまたはグラフトされたエラストマー;またはポリエーテル類、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー、またEPDM−またはABS−変性されたポリアミド類またはコポリアミド類:および加工の間に縮合されたポリアミド類("RIM ポリアミド系")がある。
【0127】
熱可塑性ポリマーには好ましくはポリ尿素類、ポリイミド類、ポリアミドイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリエステルイミド類、ポリヒダントイン類およびポリベンズイミダゾール類がある。
【0128】
ポリマーは好ましくはジカルボン酸とジアルコールとからおよび/またはヒドロキシカルボン酸または相応するラクトン類から誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート((R)Celanex 2500、(R)Celanex 2002:製造元Celanese; (R)Ultradur:製造元BASF)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサン−テレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート類および末端水酸基を持つポリエーテルから誘導されるブロックポリエーテルエステル類;および更にポリカルボナート類またはMBSで変性されたポリエステルである。
【0129】
熱可塑性ポリマーには好ましくはポリカルボナート類およびポリエステルカルボナート類がある。
【0130】
熱可塑性ポリマーには好ましくはポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類およびポリエーテルケトン類がある。
【0131】
難燃性ポリマー成形体を製造する方法は、本発明の難燃性ポリマー成形材料を射出成形((R)Aarburg 320C Allrounderタイプの射出成形機)によっておよびプレス成形、フォーム射出成形、内部ガス圧射出成形、ブロー成形、フォーム注型 成形、カレンダー加工、積層および比較的高温でのコーティングによって加工して難燃性ポリマー成形体を得るのが有利である。
【0132】
難燃性ポリマー成形体の製造方法では、本発明の難燃性成形材料を本発明に従い溶融温度で加工してポリマー成形体を得る。
【0133】
本発明に従う有利な溶融温度は、
ポリスチレンの場合には200〜250°C;
ポリプロピレンの場合には200〜300°C;
ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合には250〜290°C;
ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合には230〜270°C;
ポリアミド 6(PA6)の場合には260〜290°C;
ポリアミド6,6 (PA6)の場合には260〜290°C;
ポリカルボナートの場合には280〜320°Cである。
【0134】
本発明は本発明の混合物および/または本発明の難燃性ポリマー成形材料を含有する難燃性熱硬化性ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維製品にも関する。
【0135】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維製品の熱硬化性ポリマーはポリブタジエンまたはポリイソプレンブロックおよびスチレンまたはα−メチルスチレンのブロックを有するブロックコポリマーよりなる。
【0136】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維製品の熱硬化性ポリマーは第一のポリブタジエンブロックと第二のポリエチレンブロックまたはエチレン−プロピレンブロックとよりなるのが好ましい。
【0137】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維製品の熱硬化性ポリマーは好ましくは第一のポリイソプレンブロックおよび第二のポリエチレンブロックまたはエチレン−プロピレンブロックよりなるのが好ましい。
【0138】
ポリマー成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維製品の熱硬化性ポリマーはエポキシ化された植物性油(エポキシ化された大豆油/亜麻仁油)、アクリル酸誘導体(アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メタクリル酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、メチルメタクリル酸)およびヒドロキシアルキルアクリレート類および/またはヒドロキシメタクリレート類(ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール−メタクリレート)をベースとするものである。
【0139】
熱硬化性成形材料を製造する方法において本発明の混合物を
a)他の/別のモノマーと一緒に反応させて難燃性ポリマーを得るか、または
b) それ自体を重合してホモポリマーを得そして次に従来技術に従って押出成形、配合等によってブレンドするか、または
c) 他の/別のモノマーと反応させて、コポリマーを得そして次に他のモノマーで架橋させるか、または予めに決められたコポリマーにグラフトさせる。
【0140】
この結合は好ましくは本発明の混合物中に個々の化合物のオレフィン性基と反応させることによって行う。本発明によれば、個々の化合物のホスフィン酸またはカルボキシル基をポリマーマトリックスの適当な官能基と縮合させてもよい。有利な官能基は水酸基である。
【0141】
本発明は、本発明の混合物を含有する難燃性熱硬化性ポリマー成形材料にも関する。
【0142】
熱硬化性ポリマーは好ましくは飽和および不飽和の多塩基性カルボン酸、ジカルボン酸またはそれの酸無水物と多価アルコールおよび可溶剤としてのビニル化合物とのコポリマーエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)であるのが有利である。
【0143】
UP樹脂は開始剤(例えば過酸化物類)および促進剤を用いて遊離ラジカル重合によって硬化される。
【0144】
不飽和ポリエステルはポリマー鎖中に結合因子としてエステル基を含有していてもよい。
【0145】
ポリエステルを製造するための有利な不飽和ジカルボン酸およびジカルボン酸誘導体はマレイン酸、無水マレイン酸およびフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸である。
【0146】
これらは不飽和酸成分を規準として200モル%の少なくとも1種類の脂肪族飽和または脂環式ジカルボン酸と混合してもよい。
【0147】
有利な飽和ジカルボン酸はフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテレフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、メチルグルタル酸およびピメリン酸である。
【0148】
有利な多価、特に二価の場合によっては不飽和のアルコール類は慣用のアルカンジオール類および非環状または環状基を持つオキサアルカンジオール類である。
【0149】
有利な二価のアルコールにはエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、 2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ペルヒドロビスフェノール等がある。
【0150】
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびジプロピレングリコール、1,2-シクロヘキサンジオール、 2,2-ビス(ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、トリメチロールプロパン−モノアリルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジアルキルマレエート、ビスオキシアルキル化ビスフェノールA、エトキシル化またはプロポキシル化ビスフェノールAが特に有利である。
【0151】
一価、二価または多価アルコールは同時に使用してもよい:メタノール、エタノール、ブタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールおよびテトラヒドロフルフリルアルコール、トリメチロールプロパン、エチルヘキサノール、脂肪アルコール類、ベンジルアルコール類、1,2-ジ(アリルオキシ)プロパノール-3、グリセロールおよびペンタエリスリトール、モノ、ジおよびトリアリルエーテル類およびベンジルエーテル類からの炭素原子数3〜6の三価および多価アルコール類、例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、並びに一塩基酸、例えば安息香酸またはアクリル酸の組み入れ物。
【0152】
不飽和ポリエステル類と共重合し得る有利な不飽和モノマーは好ましくはビニル基、ビニリデン基またはアリル基を有しており、例えば好ましくはスチレンであるが、例えば核の所でアルキル化またはアルケニル化されたスチレン類もあり、この場合にはアルキル基には1〜4個の炭素原子を含有していてもよく、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、第三ブチルスチレン;炭素原子数2〜6のカルボン酸のビニルエステル、好ましくは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル;ビニルピリジン、ビニルナフタレン、ビニルシクロヘキサン、アクリル酸およびメタクリル酸および/またはアルコール成分中炭素原子数1〜4のそれらのエステル(好ましくはビニル、アリルおよびメタアリルエステル類)、それらのアミド類およびニトリル類、無水マレイン酸およびアルコール成分中炭素原子数1〜4のマレイン酸モノエステルおよびジエステル、マレイン酸モノアミド類およびジアミド類または環状イミド類、例えばアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、N-メチルマレイミドまたはN-シクロヘキシルマレイミド;アリル化合物、例えばアリルベンゼンおよびアリルエステル類、例えばアリルアセテート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルフマレート、アリルカルボナート類、ジアリルフタレート類、ジアリルカルボナート類、トリアリルホスファートおよびトリアリルシアヌレート。
【0153】
架橋用の有利なビニル化合物はスチレンである。
【0154】
有利な不飽和ポリエステルは側鎖にもエステル基を持っていてもよい。例えばポリアクリレート類およびポリメタクリレート類。
【0155】
有利な硬化系は過酸化物および促進剤である。
【0156】
有利な促進剤は金属共開始剤および芳香族アミン類および/または紫外線および光増感剤、例えばベンゾインエーテル類である。
【0157】
有利な過酸化物は無機系および/または有機系過酸化物、過酸化水素、オゾニド類、ジ第三ブチルペルオキシド、第三ブチルペルオクトナート、第三ブチルペルピバレート、第三ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、第三ブチルペルマレエート、第三ブチルペルイソブチラート、ベンゾイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキソジカルボナート、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド類、シクロヘキサンペルオキシド類、ジクミルヒドロペルオキシド類、第三ブチルヒドロペルオキシド類、クミルヒドロペルオキシド類、ピネンヒドロペルオキシド類、テルピネオールオゾニド類である。
【0158】
開始剤は、全てのコモノマーの質量を規準として計算して0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%の量で使用するのが好ましい。
【0159】
有利な金属共開始剤はコバルト、マンガン、鉄、バナジウム、ニッケルまたは鉛化合物、例えばコバルトオクタノエート、コバルト(II) ビス-2-エチルヘキノエート、コバルトナフテナート、バナジウムアセチルアセトナートである。
【0160】
金属共開始剤は好ましくは、全てのコモノマーの質量を規準として計算して0.05〜1重量%の量で使用される。
【0161】
有利な促進剤は芳香族アミン類、例えばジメチルアニリン、ジメチル-p-トルエン、ジエチルアニリン、フェニルジエタノールアミン、エチルアミン、第三ブチルアミン、ジエチルアニリン、ジメチル -p-トルイジンである。
【0162】
有利な促進剤にはアゾ触媒、例えばアゾイソブチロニトリル、メルカプタン類、例えばラウリルメルカプタン、ビス(2−エチルヘキシル)スルフィドおよびビス(2−メルカプトエチル)スルフィドがある。
【0163】
難燃性コポリマーの製造方法は、(A)少なくとも1種類のC4-C8-ジカルボン酸から誘導される少なくとも1種類のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物 、(B) 少なくとも1種類のビニル芳香族化合物および(C)少なくとも1種類のポリオールを重合しそして(D)この生成物を本発明の混合物と反応させるものである。
【0164】
ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、水、飽和アルコールおよび場合によっては他の多塩基酸を反応させることによって得られる、ジシクロペンタジエンで変性した不飽和ポリエステルを使用するのが有利である。このポリエステルは遊離基開始重合に付すことのできるモノマー、例えばスチレンと架橋させて、樹脂を得る。
【0165】
有利な飽和アルコールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、 1,4-ブタンジオール、 1,3-ブタンジオール、 2,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、 2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,4-ブタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジメチルシクロヘキサン、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,4-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-ブタンジオール、4,5-ノナンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等である。
【0166】
有利な多塩基酸にはマレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸、マロン酸、 コハク酸、メチルコハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、2,3-ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3,3-ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等がある。
【0167】
マレイン酸とジシクロペンタジエンとのモル比は1.5より大きいのが好ましい。
【0168】
ポリマーは好ましくは一方をアルデヒド類としてそしてもう一方をフェノール類、尿素またはメラミンとして誘導される架橋したポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒドおよびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。
【0169】
ポリマーは乾性および非乾性アルキッド樹脂であるのが有利である。
【0170】
ポリマーは置換されたアクリレート類、例えばエポキシアクリレート類、尿素アクリレート類またはポリエステルアクリレート類から誘導される、架橋性のアクリル樹脂樹脂が有利である。
【0171】
ポリマーは好ましくはメラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂と架橋するアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂である。
【0172】
ポリマーは好ましくは脂肪族、脂環式、ヘテロ環式または芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋したエポキシ樹脂、例えば慣用の架橋剤、例えば酸無水物またはアミン類で促進剤なしでまたは促進剤を用いて架橋したビスフェノールAジグリシジルエーテル類、ビスフェノールFジグリシジルエーテル類の生成物である。
【0173】
ポリマーは好ましくは上記のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えば PP/EPDM、ポリアミド/EPDM またはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート類、POM/熱可塑性PU、PC/熱可塑性PU、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6、およびコポリマー類、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PCである。
【0174】
有利なポリフェニレンエーテル類は2,6-ジメチルフェノール(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)のホモポリマー、2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテルのスチレングラフトコポリマー、6-ジメチルフェノールと2-メチル-6-フェニルフェニレンエーテルとのコポリマーおよび2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマーである。
【0175】
ポリフェニレンエーテル類の有利な耐衝撃変性剤はコノモマー、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテンおよび4-メチル-1-ペンテン、アルケニル芳香族化合物、例えばスチレンおよびα−メチルスチレン、共役ジエン類、例えばブタジエンおよびイソプレン、およびビニルカルボン酸およびそれの誘導体、例えば酢酸ビニル、アクリル酸、アルキルアクリル酸、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびアクリロニトリルである。
【0176】
有利な熱硬化性樹脂はシアナートエステル類、シアナートエステル/ビスマレイミド−コポリマー、ビスマレイミド−トリアジン−エポキシブレンドおよびブタジエンポリマー、例えばブタジエン−スチレン−ジビニルベンゼン−グラフトターポリマー(Ricon RXBK 250 シリーズ)よりなる群から選ばれるポリマーである。
【0177】
有利なブタジエンポリマーは70〜95重量%の炭素原子数8〜18の1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素化合物および30〜5重量%の炭素原子数4〜12の1種類以上の共役ジエンおよび場合によっては架橋剤を含有するブロックコポリマーである。
【0178】
有利なモノビニル置換芳香族炭化水素化合物はスチレン、3-メチルスチレン、4-n-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-p-トルイルスチレン、 4-(4-フェニル-N-ブチル)スチレン、1-ビニルナフタロールおよび2-ビニルナフタロールである。
【0179】
有利な共役ジエン類は1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン, 2,4-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-オクタジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、エチルブタジエン、ピペリレン、3-ブチル-1,3-オクタジエンおよびフェニル-1,3-ブタジエンである。
【0180】
有利な架橋剤はジビニルベンゼン、1,2,4-トリビニルベンゼン、1,3-ジビニナフタレン、1,8-ジビニルナフタレン、1,3,5-トリビニルナフタレン、2,4-ジビニルビフェニル、3,5,4'-トリビニルビフェニル、1,2-ジビニル-3,4-ジメチルベンゼン、1,5,6-トリビニル-3,7-ジエチルナフタレン、1,3-ビニル-4,5-8-トリブチルナフタレン、2,2'-ジビニル-4-エチル-4'-プロピルビフェニルである。
【0181】
本発明の混合物を誘電複合材料で用いるのが有利である。
【0182】
有利な誘電複合材料は以下の成分を含有している:
40〜60重量%の熱硬化性ポリマー、
60〜40重量%の無機系粒状フィラー、
20〜60重量%のガラス製補強剤、
0.1〜20重量%の本発明の混合物。
【0183】
特に有利な誘電複合材料は以下の成分を含有している:
40〜60重量%のブタジエン-スチレン-ジビニルベンゼン−グラフトターポリマー
60〜40重量%の無機系粒状フィラー
20〜60重量%のガラス製補強剤、
0.1〜20重量%の本発明の混合物。
【0184】
本発明の混合物を難燃性熱硬化性マトリックスで用いるのが有利である。
【0185】
有利な難燃性熱硬化性マトリックスは以下の成分を含有している:
25〜50重量%の樹脂系、
10〜40重量%のガラス製補強剤、
5〜50重量%のフィラー、
0.1〜20重量%の本発明の混合物。
【0186】
本発明の混合物は、ポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂並びにそれらと架橋に一つの役割を果たし得る飽和ブタジエン- またはイソプレン含有ポリマーとの混合物を含む樹脂系において使用するのが有利である。
【0187】
有利なポリブタジエンまたはイソプレン樹脂は(R)B3000樹脂(日本ソーダ製)である。
【0188】
有利な不飽和ブタジエン-またはイソプレン含有ポリマーは、例えば少なくとも50%の1,2-付加部分を有する、ポリブタジエンまたはポリイソプレンブロックを持つグラフトブロックコポリマーおよびスチレンまたはα-メチルスチレンを含む熱可塑性ブロック、例えば(R)Kraton DX1300 (製造元:Shell Chem. Corp)である。
【0189】
有利な不飽和ブタジエンまたはイソプレン含有ポリマーは、例えば第一のポリブタジエンブロックおよび第二のポリエチレンブロックまたはエチレン−プロピレンブロックを有するグラフトブロックコポリマー、例えば(R)Kraton GX1855 (製造元:Shell Chem. Corp)である。
【0190】
有利な不飽和ブタジエン- またはイソプレン含有ポリマーは例えば第一のポリイソプレンブロックおよび第二のポリエチレンブロックまたはエチレン−プロピレンブロックを有するグラフトコポリマーである。
【0191】
ポリマー含有量を規準として1〜50重量%の他の硬化性コポリマーを好ましくは添加することができる。例えばブタジエンまたはイソプレンとスチレン、α−メチルスチレン、アクリレートまたはメタクリレート、アクリロニトリルモノマー、エチレン、エチレン−プロピレンコポリマーおよびエチレン−プロピレン−ジアミンターポリマー、エチレン−エチレンオキサイドコポリマー、天然ゴム、ノルボルネンポリマー、例えばポリシクロペンタジエン、水素化スチレン−イソプレン−スチレンポリマおよびブタジエン−アクリロニトリルコポリマーを添加してもよい。
【0192】
本発明の混合物のために有利に使用できる添加物は、従来技術に従う共難燃剤、熱安定剤、衝撃変性剤/加工助剤、潤滑剤、光安定剤、滴り防止剤、相容性付与剤、フィラー、補強材、成核剤、レーザーマーキング用添加物、加水分解安定剤、連鎖延長剤、着色顔料、可塑剤および可塑化剤がある。
【0193】
本発明の難燃性熱硬化性成形材料を製造するための方法は、熱硬化性樹脂と本発明の難燃性組成物の混合物とを混合しそして得られる混合物を湿潤状態で3〜10barの圧力および20〜60℃の温度でプレス成形(冷間プレス成形)するものである。
【0194】
難燃性熱硬化性成形材料を製造する別の方法は、熱硬化性樹脂を混合物または本発明の難燃性組成物と混合しそしてされる混合物を3〜10barの圧力および80〜150℃の温度で湿潤状態でプレス成形(加温または加熱プレス成形)するものである。
【0195】
特に有利な熱硬化性樹脂は、天然物をベースとするもの、即ち、エポキシド化された植物油(エポキシド化された大豆油/亜麻仁油)、アクリル酸誘導体(アクリル酸、クトロン酸、イソクロトン酸、メタクリル酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、メチルメタクリル酸)およびヒドロキシアルキルアクリレート類および/またはヒドロキシアルキルメタクリレート類(ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート)をベースとするものである。
【0196】
難燃化された熱硬化性成形材料の有利な用途は電気スイッチ部材、自動車構造物の各成分、電気工業品、電子製品、回路盤、プレプレッグ、電子製品の注封材料において、ボートおよびローターブレード構造物における部材、GFR屋外用途、家庭用品および衛生用品用途における部材、工業材料および他の製品がある。
【0197】
本発明を以下の実施例によって更に詳細い説明する。以下の物質を使用している:
MBHP: 2,3-ビスヒドロキシプロピルメタクリレート、
ABHP: 2,3-ビスヒドロキシプロピルアクリレート、
AMHP: 2-メチル-2-ヒドロキシメチルプロピルアクリレート。
Oxa: オキサホスホラン:(R)Exolit PE 110
以下の実施例において本発明の混合物を本発明の反応性難燃剤とも称する。
【0198】
例1(実施例):
54.4 g のMBHBを最初に温度計、滴下ロート、KPG攪拌機およびジャケット式蛇管冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入し、130℃で45.6 gのOxa溶融物を0.1時間に亙って計量供給する。この反応溶液を、温度調整浴を用いて50℃に温度調整する。表1に分析データを掲載した本発明の反応性難燃剤を得る。この反応性難燃剤は25のハーゼン数を有する。
【0199】
例1a(比較例):
54.4 gのMBHBおよび3mmの平均粒度を有する45.6 gのOxa粉末を最初に温度計、滴下ロート、KPG攪拌機およびジャケット式蛇管冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに導入する。この反応溶液を、温度調整浴を用いて60℃で温度調整する。全固形分が溶解する前に殆ど4時間を要する。この反応性難燃剤は実質的に不所望の二次反応を示す80の(不所望の高い)ハーゼン数を有する。
【0200】
例2(実施例):
実施例1に記載の通り、52.2 g のABHPを最初に導入しそして130℃で溶融した47.8 g のOxaを0.04時間に亙って計量供給する。この反応溶液を、温度調整浴を用いて90℃に温度調整する。表1に分析データを掲載した本発明の反応性難燃剤を得る。
【0201】
例3(比較例):
以下の組成を有する燐含有エチレン性不飽和モノマーを特開平9−124,668号明細書に従って得る:80 mol% (79重量% に相当する) の CH2=C(CH3)-CO2-CH2CH2O2C-CH2CH2PO(OH)C6H5および20 mol% (21重量%に相当する) のCH2=C(CH3)-CO2- CH2 CH2O2C-CH2CH2PO(OCH3)C6H5
【0202】
例4(実施例):
実施例1に記載の通り、56.5 gのAMHPを最初に導入しそして130℃で溶融した43.5 g のOxaを0.3時間に亙って計量供給する。この反応溶液を、温度調整浴を用いて60℃に温度調整する。表1に分析データを掲載した本発明の反応性難燃剤を得る。
【0203】
例5(実施例):
56.8 gのMBHPを温度計、滴下ロート、KPG攪拌機およびジャケット式蛇管冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに最初に導入しそして130℃で溶融した43.2 g のOxaを0.1時間に亙って計量供給する。この反応溶液を、温度調整浴を用いて50℃に温度調整する。表2に分析データを掲載した本発明の反応性難燃剤を得る。
【0204】
例6(実施例):
78.2gのMBHPを温度計、滴下ロート、KPG攪拌機およびジャケット式蛇管冷却器を備えた五つ首丸底フラスコに最初に導入しそして130℃で溶融した21.8 g のOxaを0.1時間に亙って計量供給する。この反応溶液を、温度調整浴を用いて50℃に温度調整する。表2に分析データを掲載した本発明の反応性難燃剤を得る。
【0205】
例7(実施例):
13.3 gの実施例1の反応性難燃剤を最初に導入し、そして更に120 gのメチルメタクリレートおよび60 mgの2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加する。次いで攪拌を室温で10分行う。この混合物を2枚のガラス板の間に導入し、60℃で48時間重合する。その後に、ガラス板を、殆ど100%転化する様に乾燥炉で100℃で3時間完全に重合する。このガラス板を除きそして透明なシート状物(厚さ3.2 mm) を12.7 mmの幅で10 cmの長さの帯状物に切断する。この試験体を表3に記載の難燃剤含有量を有しており、表3に記載のLOIを達成する。
【0206】
例8(比較例):
例7に記載の通り、試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造しそして上記試験体のLOIを試験した。難燃剤含有量および LOIを表3に記載した。
【0207】
例9(実施例):
不飽和ポリエステル樹脂を、415重量部の無水マレイン酸、419重量部の無水フタル酸、774重量部のネオペンチルグリコールおよび159重量部のn-テトラデカノールを重縮合に付して製造する。更に例1の654部の反応性難燃剤を添加する。60重量部のこのポリエステルを40重量部のバーサテック酸ビニル-10に溶解する。ジオクチルフタレートに溶解した0.25 mlのコバルトオクタノエート溶液 (1重量%のCo)およびジメチルフタレートに溶解した1 ml の50%濃度メチルエチルケトンペルオキシド溶液をこの樹脂25 gに添加する。3 mmの層厚のシート状物を注型しそして試験体のサイズに切り取る。難燃剤含有量および達成されるLOI を表3に示す。
【0208】
例10(比較例):
例9と同様に試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造する。難燃剤含有量および達成されるLOI を表3に示す。
【0209】
例11(実施例):
予めに促進剤を含む100重量部のジシクロペンタジエニル樹脂 (Norpol 507-504)、 例1の37 重量部の反応性難燃剤、2 重量部の過酸化物硬化剤 (Butanox M 50)、0.5重量部の促進剤(コバルト-(II) ビス(2-エチルヘキサノエート)、NL 49P) を均一化しそして3 mmの厚さのシート状物を注型成形しそして切断して試験体を得る。難燃剤含有量および達成されるLOI を表3に示す。
【0210】
例12(比較例):
例11と同様に試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造する。難燃剤含有量および達成されるLOI を表3に示す。
【0211】
例13(実施例):
無水マレイン酸と1,2-プロピレングリコールとから1:1のモル比で製造されそしてスチレンに溶解して65%濃度とされそして120 ppmのヒドロキノンで安定化された60重量部のポリエステル樹脂溶液、およびスチレンに溶解しそして100ppmのヒドロキノンおよび1200 ppmの2,6-ジメチルキノンで安定化された40重量部の36 %濃度ポリメチルメタクリレート溶液を、3重量部の水酸化マグネシウム、3重量部の第三ブチルペルベンゾエート(ジオクチルフタレート中50%濃度)、ジオクチルフタレートに溶解した2 重量部のコバルトオクタノエート溶液( 1重量%の Co)、150重量部のチョーク、4.5重量部のステアリン酸亜鉛および実施例2の32.9重量部の反応性難燃剤と一緒に使用する。
【0212】
約2.6cmに切断されたロービングよりなる96 部 のガラス繊維マットにこの樹脂溶液を含浸させそして濃厚化するために23℃で14日間、ポリエチレンフィルムの間に保存した。カバーフィルムを除いた後に、濃厚化された成形材料を7.45 N/mm2の圧力で145℃で3分間、研磨済み鋼鉄製型でプレス成形する。試験体のサイズに切り取る。難燃剤含有量および達成されるLOI を表3に示す。
【0213】
例14(比較例):
例13と同様に試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造する。難燃剤含有量および達成されるLOI を表3に示す。
【0214】
例15(実施例):
60重量部のアリール化ポリフェニレンエーテル、46重量部のトリアリルイソシアヌレート、例1の25重量部の反応性難燃剤、15 重量部のHU-119 (silicone, Dow Corning Toray Silicone, Inc.)およびトルエンに溶解した4重量部の促進剤 ((R)Par butyl P;日本油脂株式会社)から樹脂を製造する。樹脂の割合50%の厚さ100 mm のプレプレグを、ガラス繊維を樹脂に浸漬することによって製造する。8枚のこれらのプレプレグを互いに重ねて保存する。35 mm の厚さの銅性フィルムを一番下と一番上に置きそしてこのスタックを 4 Mpaの圧力、170℃で100分間加熱圧縮する。1 mm の厚さの積層体が得られる。試験体のサイズに切り取る。難燃剤含有量、達成されたTg値および達成されたUL-94分類を表3に示す。
【0215】
例16(実施例):
例15と同様に試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造する。難燃剤含有量、達成されたTg値および達成されたUL-94分類を表3に示す。
【0216】
例17(実施例):
1 kg のRicon XBK 250(スチレン-ブタジエン-ジビニルベンゼン−ターポリマー:Ricon Resins, Inc., Grand Junction, CO) を1 kgのトルエンに溶解し、そして不純物を300 mm の篩に通して除く。100gのトルエンに溶解した 45 g のジクミルペルオキシドの溶液を上記溶液中に計量供給する。1 kg の合成の珪酸マグネシウム-アルミニウム(INCOR Corporation,HC-ll, 400 μm) および例1の1150 g の反応性難燃剤をゆっくり混入する。更に600 g のトルエンを、混合物の均一化を促進するために添加する。溶液の固形分含有量は50〜60%である。この混合物を再び 50 mm の篩に通して分級する。 E-ガラス繊維をこの溶液で被覆し、以下の組成物を得た: 20重量%のガラス繊維、 40% のポリマーおよび40%のフィラー。被覆された繊維を300℃で硬化させる。6つの層および銅製フィルム層をプレスして積層体を得る。試験体のサイズに切断する。難燃剤含有量および達成された UL-94 分類を表3に示す。
【0217】
例18(実施例):
例17と同様に試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造する。難燃剤含有量、達成されたTg値および達成されたUL-94分類を表3に示す。
【0218】
例19(実施例):
14.6重量部のB3000 樹脂(日本ソーダ株式会社製)、3.8 重量部の Kraton ゴム (製造元:Shell Chemicals)、0.6重量部のLuperox 500R (製造元:Elf Atochem)、0.5 重量部の A176 シラン (OSi)で被覆された51重量部のAerosil 200 (パイロジェンシリカ:製造元Degussa)および例2の7.4重量部の 反応性難燃剤を、均一に混合してスラリーを得る。ガラス性織物をこのスラリーに浸漬しそしてプレプレッグを製造する。5枚のプレプレッグを1または2枚の銅製層と一緒に165〜218℃でプレスしてシート状物を得る。試験体のサイズに切断する。難燃剤含有量および達成された UL-94 分類を表3に示す。
【0219】
例20(実施例):
例19と同様に試験体を例3の反応性難燃剤を用いて製造する。難燃剤含有量、達成されたTg値および達成されたUL-94分類を表3に示す。
【0220】
【表1】

【0221】
【表2】

【0222】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

(I) RO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2H および
(II) HO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2R
[式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールであり、
Rは (D,E)C=C(B, R5) または Hであり、
B、Dおよび Eは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ H または C1-C18 -アルキルであり、
R5は C1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である]
で表される各化合物を含有する混合物。
【請求項2】
R5 が飽和、不飽和または多重不飽和のC1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
R5 が-CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-、 -CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2-、 -CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- または-CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-である、請求項1または2に記載の混合物。
【請求項4】

(I) RO-P(=O)(A) - CH2-CH2-CO2H および
(II) H-OP(=O)(A) - CH2-CH2-CO2-R
[式中、Aはメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、
Rは (D,E)C=C(B, R5)であり、
その際にDはH またはメチルであり、
EはH またはメチルであり、
Bは H またはメチルであり、
R5は -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-、-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2-、
-CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- または -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-である。]
で表される各化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の混合物。
【請求項5】
99.9〜20重量%の式(I)の化合物および0.1〜80重量%の式(II)の化合物を含有し、各成分の合計が常に100重量%である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の混合物。
【請求項6】

(I) RO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2H および
(II) HO-P(=O)(A)-CH2-CH2-CO2R
[式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールであり、
Rは (D,E)C=C(B, R5) または Hであり、
B、Dおよび Eは互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ H または C1-C18 -アルキルであり、
R5は C1-C20-(-CO-O-ヒドロキシアルキレン)である]
で表される各化合物を含有する混合物を製造する方法において、オキサホスホランをジ−、トリ−またはポリヒドロキシル基を有するオレフィン成分とを反応させることを特徴とする、上記方法。
【請求項7】
オキソホスホランが式 (III)
【化1】

[式中、AはC1-C18 -アルキル、 C6-C18-アルキルアリール、C6-C18-アルアルキルまたはアリールである。]
に相当する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
R5が -CO-O-CH2-CH(OH)-CH2-、-CO-O-CH2-C(CH2OH)2-CH2-、
-CO-O-(CH2)2-CH(OH)-CH2- または -CO-O-CH2-C(CH3)(CH2OH)2-CH2-である。]
である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
混合物が99.9〜20重量%の式(I)の化合物および0.1〜80重量%の式(II)の化合物を含有し、各成分の合計が常に100重量%である、請求項6〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物を難燃剤としてまたは難燃剤組成物の製造に用いることを特徴とする、上記混合物の用途。
【請求項11】
99.9〜40重量%の請求項1〜10のいずれか一つに記載の混合物および0.1〜60重量%のオレフィン成分を含有し、各成分の合計が常に100重量%である、難燃剤組成物。
【請求項12】
99〜50重量%の請求項1〜10のいずれか一つに記載の混合物および10〜50重量%のオレフィン成分を含有し、該各成分の合計が常に100重量%である、請求項11に記載の難燃剤組成物。
【請求項13】
0.5〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%の熱可塑性ポリマーまたはそれの混合物、0〜60重量%の添加物および0〜60重量%のフィラーを含有し、各成分の合計が常に100重量%である難燃性ポリマー成形材料。
【請求項14】
熱可塑性ポリマーがHI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のブレンドまたはポリマーブレンドである請求項13に記載の難燃性ポリマー成形材料。
【請求項15】
0.5〜50重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物または請求項13に記載の難燃性ポリマー成形材料を含有するポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項16】
ポリマーが熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーである、請求項15に記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項17】
熱可塑性ポリマーがHI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、ポリアミド、またはポリエステルおよび/またはABSのブレンドまたはポリマーブレンドである、請求項15または16に記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項18】
熱硬化性ポリマーがホルムアルデヒド−、エポキシ−またはメラミン−フェノール樹脂ポリマーおよび/またはポリウレタンである、請求項15または16に記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項19】
0.5〜50重量%の請求項1〜10のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%のポリマーまたはそれの混合物、0〜60重量%の添加物および0〜60重量%のフィラーを含有しており、各成分の合計が常に100重量%である、請求項15〜18のいずれか一つに記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項20】
1〜40重量%の請求項1〜5のいずれか一つに記載の混合物、1〜99重量%の熱硬化性ポリマーまたはそれの混合物、0.5〜60重量%の添加物および0.5〜60重量%のフィラーおよび/または補強材を含有しており、各成分の合計が常に100重量%である、請求項15〜19のいずれか一つに記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項21】
熱硬化性ポリマーが不飽和ポリエステル樹脂、ジシクロペンタジエン変性された不飽和ポリエステル、ポリフェニレンエーテル類またはブタジエンポリマーよりなる請求項20に記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。
【請求項22】
電気スイッチ部材、自動車構造物の各成分、電気工業部材、電子製品、回路盤、プレプレッグ、電子製品の注封材料において、ボートおよびローターブレード構造物において、GFR屋外用途、家庭用品および衛生用品用途、工業材料および他の製品において使用される、請求項15〜21のいずれか一つに記載のポリマー成形体、フィルム、フィラメントまたは繊維製品。

【公開番号】特開2007−254741(P2007−254741A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73682(P2007−73682)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(398025878)クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド (74)
【Fターム(参考)】