物体の整列搬送方法および整列搬送装置
【課題】 物体の整列搬送を効率良く簡単に構成できるもの。
【解決手段】搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置に構成したもので、これにより、物体の整列搬送を効率良く簡単に構成できる。
【解決手段】搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置に構成したもので、これにより、物体の整列搬送を効率良く簡単に構成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚貝類や果菜類、工業用部品類などの物体を整列しながら搬送させる整列搬送の分野に属し、殊に二枚貝の整列、搬送、検査、分別などに適する整列搬送の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二枚貝の整列、搬送、検査、分別については各種の方法が提案されているが、本特許出願人においても特許文献1に示すものを提案して鋭意研究開発を重ねているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−271020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示される「二枚貝の検査方法及び検査装置」において、二枚貝の品質判別を非破壊で検査できるという効率的な方法で実施できるに至ったものであるが、検査装置の回転検査台3に設けられている複数個の載置皿26の凹状形成部分に、検査対象物の二枚貝を一個ずつ確実に位置決めして個別に載置させる必要があり、この位置決め、個別載置させる整列供給の点において高速かつ確実にできないかと更なる効率化を求められているものであり、この点に本発明の解決しようとする課題を有するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、第一に、搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給手段を設け、該供給手段の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送手段を設け、前記供給手段の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送手段の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送方法を創案したものである。これにより、供給装置の物体を連続的にして一列状に順列させて整列搬送して下流側の搬送装置に移送し、而して搬送装置は高速に移動しているので、搬送装置の受皿は搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、物体を任意間隔で受皿の凹陥部に安置して搬送するので確実に物体の一つ一つが任意の搬送受皿に入り、供給装置から物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できるものが現出でき、コスト安価に構成できる利点がある。
【0006】
第二に、前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送方法にしたものであり、供給装置の物体を一秒間に10個程度移送させる遅い速度に対して、搬送装置の受皿を2〜3倍以上の一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できるものが現出できるものである。
【0007】
第三に、搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置を現出したものである。これにより、供給装置の物体を移送させる速度に対して、搬送装置の受皿を高速の移動速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行でき、しかもコスト安価に構成できる。
【0008】
第四に、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置にしたものであり、供給装置の物体を一秒間に10個程度移送させる遅い速度に対して、搬送装置の受皿を2〜3倍以上の一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できるものが現出できるものである。
【0009】
第五に、前記供給装置の移送通路の両側に物体を通路の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材を間隙を置いて複数個設け、搬送装置の両側に受皿の凹陥部側に幅寄せするガイド部材を設け、且つ受皿の上方に物体を受皿の凹陥部に安置させる押圧部材を上下可能に配置したことを特徴とする物体の搬送装置にしたものであり、ホッパーにランダムに収容された物体をホッパーの下部から移送通路に供給する経路中で、誘導部材で順次に一列状に整列されて、供給装置から搬送装置に移され、爾後ガイド部材で物体を受皿の凹陥部に収納し、押圧部材で物体の上面を摺接して物体を受皿の凹陥部に安置して高速移動させる利点がある。
【0010】
第六に、供給装置を移送通路を前後に往復振動させるリニアフィーダーで構成し、搬送装置の受皿を無端搬送体の外周面に連続させて密接状に取り付けたことを特徴とする物体の搬送装置に構成されており、リニアフィーダーで連続的に物体を搬送装置側に供給でき、搬送装置側に供給された物体は前後の受皿同士の上面を転がりながら適宜に一個ずつ受皿の凹陥部に収容されるものである。
【0011】
第七に、受皿の凹陥部に上下方向に貫通する透孔を設け、押圧部材の配置箇所より下流側に物体の検査装置を設けたことを特徴とする物体の搬送装置に構成されており、物体を受皿の凹陥部に確実に安置して高速移動させるので、物体の搬送および検査を効率的に遂行できるものが現出でき、しかもコスト安価にできるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成により、供給装置の物体を一秒間に10個程度移送させる遅い速度に対して、搬送装置の受皿を2〜3倍以上の一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送および検査を効率的に遂行できるものが現出でき、しかもコスト安価にできる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る物体の整列搬送装置を示す全体側面図である。
【図2】同上整列搬送装置を示す全体平面図である。
【図3】同上整列搬送装置の供給装置を示す要部拡大平面図である。
【図4】同上整列搬送装置の搬送装置を示す要部拡大側面図である。
【図5】同上整列搬送装置の搬送チェンを示す部品図である。
【図6】同上整列搬送装置の受皿を示す部品図である。
【図7】同上整列搬送装置の供給装置の概略を示す斜視図である。
【図8】同上整列搬送装置の供給装置の概略を示す正面図である。
【図9】同上整列搬送装置の搬送終端を示す要部拡大側面図である。
【図10】同上整列搬送装置の搬送終端を示す説明正面図である。
【図11】供給装置を傾斜セットした使用説明側面図である。
【図12】図8に対応する要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の構成を図面に示した一実施形態に基づいて説明する。
符号1は本発明の整列搬送装置を示し、該整列搬送装置1は、複数の物体Aを整列させて順列に繰り出す上流側の物体繰出装置2と物体繰出装置2から繰り出される物体Aを受け止めて個別に搬送する下流側の搬送装置3で構成されている。
【0015】
上記物体繰出装置2は、下部に複数のジャッキスタンド4を有する架台5の上部に物体Aを移送する供給装置6と、該供給装置6の搬送始端側に物体Aを多数収容できるホッパー7が配置されている。該供給装置6は移送通路となる移送底板8が前後に往復振動されて物体Aを移送するタイプのリニアフィーダーで構成されており、該移送通路8の両側に物体Aを通路8の中央側に滑落案内させる外壁付きの傾斜板9が設けられ、該傾斜板9の上面に物体Aを通路8の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材10がホッパー7下部位置の上流側から下流側に亘って間隙を置いて複数個設けてある。これら誘導部材10は、平面視で下流側に向けて後退する傾斜状にされ、その先端は物体Aの単一通過を許容する所定巾に規制する位置にして左右対向位置が同一とならずに物体の流れ方向にずらした状態に齟齬されて前後通路8の両側に配置されている。そして、最終の誘導部材10の下手側には移送通路8の両側に位置する左右の壁板部材11が設けられて、物体Aを一列状に移送できるようにされている。
【0016】
そして、この物体繰出装置2の供給装置6は、架台5下部に設けた複数のジャッキスタンド4で前後傾斜を調節固定自在にされるもので、図4の鎖線状態、および図11に示すように搬送装置3の始端側の上方に臨ませて移送通路8が上流側を高く下流側が低くなるよう前高後低状に傾斜して設定配置されており、前記供給装置6の移送通路8終端より物体Aを順次連続的に落下させて、前記搬送装置3の始端側に供給するように構成されている。
【0017】
前記搬送装置3は、下部に複数のジャッキスタンド12を有する架台13の上部に上流側の遊転スプロケット14と駆動モーター15付きの駆動スプロット16が設けられており、該遊転スプロケット14と駆動スプロット16に無端状のチェン部材17が巻回され、駆動スプロット16の駆動によりチェン部材17が回転されて、その上面側が上流側から下流側に向けて移動するようにされている。チェン部材17は、外周に部材として多数のプレート部材18の接続で構成され、該プレート部材18のヒンジ部18Aにピン18Bを通して前後のプレート部材18を屈曲自在に結合して無端状に構成されている。プレート部材の中央に上下に貫通する透孔18Cが穿設され、その両側にネジ通し用の孔18Dが上下に貫通して穿設されており、このネジ通し用の孔18Dを利用してプレート部材18の外周側に受皿19がネジ孔19Aにネジ締めされて取り付けられている。
上記受皿19は、左右両側に傾斜面20を設けて上面21が平坦にされ、該上面21の中央部に物体Aを収納して載置保持できる形態のすり鉢状の凹陥部22が設けられ、該凹陥部22の中央下部に上下方向に貫通する透孔23が穿設されている。そして受皿19は、チェン部材17の外周のプレート部材18に回転方向に対して、可及的に隙間の少ない状態に密接されて取り付けられているものである。
【0018】
前記受皿19の搬送始端側に上流側から下流側に向けての一定範囲に亘って、受皿19の左右両側に設けた傾斜面20に沿わせた形態で、受皿19の凹陥部22を露出させる形態で、物体Aを凹陥部22側に向けて滑落案内させる傾斜面23を有する左右のガイド部材24が設けられている。該ガイド部材24の下流側上方には下流側を上下可能にした押圧部材25が配置されており、該押圧部材25により受皿19の凹陥部22に載置収納された物体Aの上面を摺接させて物体Aが凹陥部22よりはみ出さないように安置させる。
【0019】
そして、押圧部材25の配置箇所より下流側に物体Aの状態を検査する検査装置26が設けられている。該検査装置26は照射部材27と受光部材28とで構成され、受皿19の透孔23、プレート部材18の透孔18Cを介して物体Aの状況を検出し、該検出結果を、前記物体繰出装置2の架台5一側に設けられた制御装置Sで判定されるようになっている。
【0020】
前記搬送装置3の下流側終端で受皿19が水平方向から垂直方向に迂回して受皿19の凹陥部22に収納された物体Aが、下方のシューター29に落下して滑落する。該シューター29の下方は垂直方向の直線シューター30と傾斜方向の傾斜シューター31に分岐されており、その分岐部に仕分け用部材31が設けられており、該仕分け用部材31は図10の実線位置と鎖線位置に、図示しないアクチェーターにより切り替えられるようになっており、前記検査装置26の検出による制御装置Sの判定結果により、物体Aの正常、異常を判定して、物体Aが分岐部に至った時に、物体Aが正常の場合には実線位置にあり、物体Aが異常の場合には鎖線位置にあるようにして、物体Aを正常品と異常品とに仕分けて回収できるようにしてある。上記シューター29の上面には、シューター29の上面側と搬送装置3の下流側終端の湾曲部を被覆して物体Aの外部への飛び出しを防止する湾曲カバー32が設けられている。
【実施例】
【0021】
本発明の整列搬送装置について本特許出願人が実証している実施例について説明する。整列搬送装置1は、複数の物体Aを整列させて順列に繰り出す上流側の物体繰出装置2と物体繰出装置2から繰り出される物体Aを受け止めて個別に搬送する下流側の搬送装置3で構成されており、これらの駆動制御は制御装置Sで制御されている。
【0022】
物体繰出装置2のホッパー7に多数の物体Aをランダムに収納する。ホッパーの下部には開閉自在のシャッター(図示せず)が設けられており、運転時にはシャッターを開放して、多数の物体を下方の供給装置6の移送底板8に落下させると、リニアフィーダーで構成されている移送底板8が前後に振動して物体を踊らせながら下流側に移送させる。物体Aは移送通路8の両側に設けられた傾斜板9上に跳躍したりするものもあるが傾斜板9の谷底に向かう傾斜で物体Aを通路8の中央側に滑落案内させ、さらに、該傾斜板9の上面に物体Aを通路8の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材10がホッパー7下部位置の上流側から下流側に亘って互いに齟齬する状態で間隙を置いて複数個設けてある。これら誘導部材10は、平面視で下流側に向けて後退する傾斜状にされ、その先端は物体Aの単一通過を許容する所定巾に規制する位置にして通路8の両側に配置されている。これにより移送底板8の前後振動を受けて前進する物体のうち通路に溢れた物体は弾かれて前後の誘導部材10の間隙に待避して再び通路側に落下し、順次一列状に整列されて通路8の下流側に向けて移送される。そして、最終の誘導部材10の下手側には移送通路8の両側に位置する左右の壁板部材11が設けられて、物体Aを一列状に移送できるようにされている。
【0023】
そして、この物体繰出装置2の供給装置6は、架台5下部に設けた複数のジャッキスタンド4で前後傾斜を調節固定自在にされるもので、図4に示すように搬送装置3の始端側の上方に臨ませて移送通路8が上流側を高く下流側が低くなるよう前高後低状に傾斜して設定配置されており、移送通路8の前後振動による移送作用と相俟って、前記供給装置6の移送通路8終端より物体Aを順次連続的に落下させて、前記搬送装置3の始端側に供給するようにされている。因みに、移送通路8を上流側から下流側に移送される物体の速度は、多数の物体を順次整列して一列状にする必要があり、一秒間に10個程度移送させる遅い速度にされている。
【0024】
そして、搬送装置3の受皿19は、一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にしてあり、供給装置6から移送される物体Aの速度に対して2〜3倍以上の高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、供給装置6による物体Aの移送供給と搬送受皿19の搬送が非同期であるため、供給装置6から落下してくる物体Aが最初の搬送受皿19の凹陥部22を外れた場合でも、受皿19の左右両側に配置されている、傾斜面23を有する左右のガイド部材24により、物体Aを凹陥部22側に向けて滑落案内させながら転がして、受皿19上で転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿の凹陥部22に収納するようにする。このように搬送能力に余裕を持たせることにより物体Aはそれぞれ任意に収納する行き場があるため、確実に物体Aの一つ一つが搬送受皿19の凹陥部22に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できる。そして、受皿19は、チェン部材17の外周を構成するプレート部材18に下流側への回転方向に対して、可及的に隙間の少ない状態に密接されて取り付けられているものであり、物体Aが隣接する受皿同士の間に落ちることなく隣接する受皿同士の上で転がって、受皿19の凹陥部22に入るまでの転がり作用を円滑にするものである。
なお、本発明の実施例説明で提示する図面には、搬送上面側に位置する受皿19の凹陥部22の全てに物体Aが収納載置されている状態に描かれているが、実際には上記のような状態にあるもので、受皿19の2〜3個置き、若しくはそれ以上の間隔でもって受皿19の凹陥部22に入るものである。
【0025】
また、ガイド部材24の下部は受皿19の左右両側に設けた傾斜面20に沿わせた形態にされているので、チェン部材17のガタなどに起因する受皿19移動時の上方への踊りを抑制して受皿19を下流側に円滑に移動させることができる。また、該ガイド部材24の下流側上方には下流側を上下可能にした押圧部材25が配置されており、該押圧部材25により受皿19の凹陥部22に載置収納された物体Aの上面を摺接させて物体Aが凹陥部22よりはみ出さないように安置させるものである。
【0026】
このように、本発明の物体の整列搬送装置によると、搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成し、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたものであり、供給装置の物体を移送させる速度に対して、搬送装置の受皿を高速の移動速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿の凹陥部を外れた場合でも、転がりながら次の受皿の凹陥部、若しくはその次の受皿の凹陥部と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿の凹陥部に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行でき、しかもコスト安価に構成できる利点が生じるものである。
そして、これにより爾後の物体の検査、分別なども効率的に遂行できる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本特許出願人は、この物体の整列搬送装置を用いることにより、殊にしじみなどの良品、不良品の検査用として、二枚貝の整列、搬送、検査、分別などに適する整列搬送に利用しているが、本発明の技術思想は、魚貝類や果菜類、工業用部品類などの物体を整列しながら搬送させる整列搬送の産業分野にも充分に応用できるものであり、整列搬送される物体の性状、大きさに対応させて適宜に構成変更しても良いものである。
【符号の説明】
【0028】
1 整列搬送装置
2 物体繰出装置
3 搬送装置
6 供給装置
7 ホッパー
8 移送通路
17 無端状のチェン部材
19 搬送受皿
20 凹陥部
25 押圧部材
26 検査装置
29 シューター
S 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚貝類や果菜類、工業用部品類などの物体を整列しながら搬送させる整列搬送の分野に属し、殊に二枚貝の整列、搬送、検査、分別などに適する整列搬送の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二枚貝の整列、搬送、検査、分別については各種の方法が提案されているが、本特許出願人においても特許文献1に示すものを提案して鋭意研究開発を重ねているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−271020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示される「二枚貝の検査方法及び検査装置」において、二枚貝の品質判別を非破壊で検査できるという効率的な方法で実施できるに至ったものであるが、検査装置の回転検査台3に設けられている複数個の載置皿26の凹状形成部分に、検査対象物の二枚貝を一個ずつ確実に位置決めして個別に載置させる必要があり、この位置決め、個別載置させる整列供給の点において高速かつ確実にできないかと更なる効率化を求められているものであり、この点に本発明の解決しようとする課題を有するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、第一に、搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給手段を設け、該供給手段の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送手段を設け、前記供給手段の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送手段の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送方法を創案したものである。これにより、供給装置の物体を連続的にして一列状に順列させて整列搬送して下流側の搬送装置に移送し、而して搬送装置は高速に移動しているので、搬送装置の受皿は搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、物体を任意間隔で受皿の凹陥部に安置して搬送するので確実に物体の一つ一つが任意の搬送受皿に入り、供給装置から物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できるものが現出でき、コスト安価に構成できる利点がある。
【0006】
第二に、前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送方法にしたものであり、供給装置の物体を一秒間に10個程度移送させる遅い速度に対して、搬送装置の受皿を2〜3倍以上の一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できるものが現出できるものである。
【0007】
第三に、搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置を現出したものである。これにより、供給装置の物体を移送させる速度に対して、搬送装置の受皿を高速の移動速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行でき、しかもコスト安価に構成できる。
【0008】
第四に、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置にしたものであり、供給装置の物体を一秒間に10個程度移送させる遅い速度に対して、搬送装置の受皿を2〜3倍以上の一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できるものが現出できるものである。
【0009】
第五に、前記供給装置の移送通路の両側に物体を通路の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材を間隙を置いて複数個設け、搬送装置の両側に受皿の凹陥部側に幅寄せするガイド部材を設け、且つ受皿の上方に物体を受皿の凹陥部に安置させる押圧部材を上下可能に配置したことを特徴とする物体の搬送装置にしたものであり、ホッパーにランダムに収容された物体をホッパーの下部から移送通路に供給する経路中で、誘導部材で順次に一列状に整列されて、供給装置から搬送装置に移され、爾後ガイド部材で物体を受皿の凹陥部に収納し、押圧部材で物体の上面を摺接して物体を受皿の凹陥部に安置して高速移動させる利点がある。
【0010】
第六に、供給装置を移送通路を前後に往復振動させるリニアフィーダーで構成し、搬送装置の受皿を無端搬送体の外周面に連続させて密接状に取り付けたことを特徴とする物体の搬送装置に構成されており、リニアフィーダーで連続的に物体を搬送装置側に供給でき、搬送装置側に供給された物体は前後の受皿同士の上面を転がりながら適宜に一個ずつ受皿の凹陥部に収容されるものである。
【0011】
第七に、受皿の凹陥部に上下方向に貫通する透孔を設け、押圧部材の配置箇所より下流側に物体の検査装置を設けたことを特徴とする物体の搬送装置に構成されており、物体を受皿の凹陥部に確実に安置して高速移動させるので、物体の搬送および検査を効率的に遂行できるものが現出でき、しかもコスト安価にできるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成により、供給装置の物体を一秒間に10個程度移送させる遅い速度に対して、搬送装置の受皿を2〜3倍以上の一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿を外れた場合でも、転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送および検査を効率的に遂行できるものが現出でき、しかもコスト安価にできる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る物体の整列搬送装置を示す全体側面図である。
【図2】同上整列搬送装置を示す全体平面図である。
【図3】同上整列搬送装置の供給装置を示す要部拡大平面図である。
【図4】同上整列搬送装置の搬送装置を示す要部拡大側面図である。
【図5】同上整列搬送装置の搬送チェンを示す部品図である。
【図6】同上整列搬送装置の受皿を示す部品図である。
【図7】同上整列搬送装置の供給装置の概略を示す斜視図である。
【図8】同上整列搬送装置の供給装置の概略を示す正面図である。
【図9】同上整列搬送装置の搬送終端を示す要部拡大側面図である。
【図10】同上整列搬送装置の搬送終端を示す説明正面図である。
【図11】供給装置を傾斜セットした使用説明側面図である。
【図12】図8に対応する要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の構成を図面に示した一実施形態に基づいて説明する。
符号1は本発明の整列搬送装置を示し、該整列搬送装置1は、複数の物体Aを整列させて順列に繰り出す上流側の物体繰出装置2と物体繰出装置2から繰り出される物体Aを受け止めて個別に搬送する下流側の搬送装置3で構成されている。
【0015】
上記物体繰出装置2は、下部に複数のジャッキスタンド4を有する架台5の上部に物体Aを移送する供給装置6と、該供給装置6の搬送始端側に物体Aを多数収容できるホッパー7が配置されている。該供給装置6は移送通路となる移送底板8が前後に往復振動されて物体Aを移送するタイプのリニアフィーダーで構成されており、該移送通路8の両側に物体Aを通路8の中央側に滑落案内させる外壁付きの傾斜板9が設けられ、該傾斜板9の上面に物体Aを通路8の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材10がホッパー7下部位置の上流側から下流側に亘って間隙を置いて複数個設けてある。これら誘導部材10は、平面視で下流側に向けて後退する傾斜状にされ、その先端は物体Aの単一通過を許容する所定巾に規制する位置にして左右対向位置が同一とならずに物体の流れ方向にずらした状態に齟齬されて前後通路8の両側に配置されている。そして、最終の誘導部材10の下手側には移送通路8の両側に位置する左右の壁板部材11が設けられて、物体Aを一列状に移送できるようにされている。
【0016】
そして、この物体繰出装置2の供給装置6は、架台5下部に設けた複数のジャッキスタンド4で前後傾斜を調節固定自在にされるもので、図4の鎖線状態、および図11に示すように搬送装置3の始端側の上方に臨ませて移送通路8が上流側を高く下流側が低くなるよう前高後低状に傾斜して設定配置されており、前記供給装置6の移送通路8終端より物体Aを順次連続的に落下させて、前記搬送装置3の始端側に供給するように構成されている。
【0017】
前記搬送装置3は、下部に複数のジャッキスタンド12を有する架台13の上部に上流側の遊転スプロケット14と駆動モーター15付きの駆動スプロット16が設けられており、該遊転スプロケット14と駆動スプロット16に無端状のチェン部材17が巻回され、駆動スプロット16の駆動によりチェン部材17が回転されて、その上面側が上流側から下流側に向けて移動するようにされている。チェン部材17は、外周に部材として多数のプレート部材18の接続で構成され、該プレート部材18のヒンジ部18Aにピン18Bを通して前後のプレート部材18を屈曲自在に結合して無端状に構成されている。プレート部材の中央に上下に貫通する透孔18Cが穿設され、その両側にネジ通し用の孔18Dが上下に貫通して穿設されており、このネジ通し用の孔18Dを利用してプレート部材18の外周側に受皿19がネジ孔19Aにネジ締めされて取り付けられている。
上記受皿19は、左右両側に傾斜面20を設けて上面21が平坦にされ、該上面21の中央部に物体Aを収納して載置保持できる形態のすり鉢状の凹陥部22が設けられ、該凹陥部22の中央下部に上下方向に貫通する透孔23が穿設されている。そして受皿19は、チェン部材17の外周のプレート部材18に回転方向に対して、可及的に隙間の少ない状態に密接されて取り付けられているものである。
【0018】
前記受皿19の搬送始端側に上流側から下流側に向けての一定範囲に亘って、受皿19の左右両側に設けた傾斜面20に沿わせた形態で、受皿19の凹陥部22を露出させる形態で、物体Aを凹陥部22側に向けて滑落案内させる傾斜面23を有する左右のガイド部材24が設けられている。該ガイド部材24の下流側上方には下流側を上下可能にした押圧部材25が配置されており、該押圧部材25により受皿19の凹陥部22に載置収納された物体Aの上面を摺接させて物体Aが凹陥部22よりはみ出さないように安置させる。
【0019】
そして、押圧部材25の配置箇所より下流側に物体Aの状態を検査する検査装置26が設けられている。該検査装置26は照射部材27と受光部材28とで構成され、受皿19の透孔23、プレート部材18の透孔18Cを介して物体Aの状況を検出し、該検出結果を、前記物体繰出装置2の架台5一側に設けられた制御装置Sで判定されるようになっている。
【0020】
前記搬送装置3の下流側終端で受皿19が水平方向から垂直方向に迂回して受皿19の凹陥部22に収納された物体Aが、下方のシューター29に落下して滑落する。該シューター29の下方は垂直方向の直線シューター30と傾斜方向の傾斜シューター31に分岐されており、その分岐部に仕分け用部材31が設けられており、該仕分け用部材31は図10の実線位置と鎖線位置に、図示しないアクチェーターにより切り替えられるようになっており、前記検査装置26の検出による制御装置Sの判定結果により、物体Aの正常、異常を判定して、物体Aが分岐部に至った時に、物体Aが正常の場合には実線位置にあり、物体Aが異常の場合には鎖線位置にあるようにして、物体Aを正常品と異常品とに仕分けて回収できるようにしてある。上記シューター29の上面には、シューター29の上面側と搬送装置3の下流側終端の湾曲部を被覆して物体Aの外部への飛び出しを防止する湾曲カバー32が設けられている。
【実施例】
【0021】
本発明の整列搬送装置について本特許出願人が実証している実施例について説明する。整列搬送装置1は、複数の物体Aを整列させて順列に繰り出す上流側の物体繰出装置2と物体繰出装置2から繰り出される物体Aを受け止めて個別に搬送する下流側の搬送装置3で構成されており、これらの駆動制御は制御装置Sで制御されている。
【0022】
物体繰出装置2のホッパー7に多数の物体Aをランダムに収納する。ホッパーの下部には開閉自在のシャッター(図示せず)が設けられており、運転時にはシャッターを開放して、多数の物体を下方の供給装置6の移送底板8に落下させると、リニアフィーダーで構成されている移送底板8が前後に振動して物体を踊らせながら下流側に移送させる。物体Aは移送通路8の両側に設けられた傾斜板9上に跳躍したりするものもあるが傾斜板9の谷底に向かう傾斜で物体Aを通路8の中央側に滑落案内させ、さらに、該傾斜板9の上面に物体Aを通路8の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材10がホッパー7下部位置の上流側から下流側に亘って互いに齟齬する状態で間隙を置いて複数個設けてある。これら誘導部材10は、平面視で下流側に向けて後退する傾斜状にされ、その先端は物体Aの単一通過を許容する所定巾に規制する位置にして通路8の両側に配置されている。これにより移送底板8の前後振動を受けて前進する物体のうち通路に溢れた物体は弾かれて前後の誘導部材10の間隙に待避して再び通路側に落下し、順次一列状に整列されて通路8の下流側に向けて移送される。そして、最終の誘導部材10の下手側には移送通路8の両側に位置する左右の壁板部材11が設けられて、物体Aを一列状に移送できるようにされている。
【0023】
そして、この物体繰出装置2の供給装置6は、架台5下部に設けた複数のジャッキスタンド4で前後傾斜を調節固定自在にされるもので、図4に示すように搬送装置3の始端側の上方に臨ませて移送通路8が上流側を高く下流側が低くなるよう前高後低状に傾斜して設定配置されており、移送通路8の前後振動による移送作用と相俟って、前記供給装置6の移送通路8終端より物体Aを順次連続的に落下させて、前記搬送装置3の始端側に供給するようにされている。因みに、移送通路8を上流側から下流側に移送される物体の速度は、多数の物体を順次整列して一列状にする必要があり、一秒間に10個程度移送させる遅い速度にされている。
【0024】
そして、搬送装置3の受皿19は、一秒間に30個程度を移動させる高速の速度にしてあり、供給装置6から移送される物体Aの速度に対して2〜3倍以上の高速の速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、供給装置6による物体Aの移送供給と搬送受皿19の搬送が非同期であるため、供給装置6から落下してくる物体Aが最初の搬送受皿19の凹陥部22を外れた場合でも、受皿19の左右両側に配置されている、傾斜面23を有する左右のガイド部材24により、物体Aを凹陥部22側に向けて滑落案内させながら転がして、受皿19上で転がりながら次の受皿、若しくはその次の受皿の凹陥部22に収納するようにする。このように搬送能力に余裕を持たせることにより物体Aはそれぞれ任意に収納する行き場があるため、確実に物体Aの一つ一つが搬送受皿19の凹陥部22に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行できる。そして、受皿19は、チェン部材17の外周を構成するプレート部材18に下流側への回転方向に対して、可及的に隙間の少ない状態に密接されて取り付けられているものであり、物体Aが隣接する受皿同士の間に落ちることなく隣接する受皿同士の上で転がって、受皿19の凹陥部22に入るまでの転がり作用を円滑にするものである。
なお、本発明の実施例説明で提示する図面には、搬送上面側に位置する受皿19の凹陥部22の全てに物体Aが収納載置されている状態に描かれているが、実際には上記のような状態にあるもので、受皿19の2〜3個置き、若しくはそれ以上の間隔でもって受皿19の凹陥部22に入るものである。
【0025】
また、ガイド部材24の下部は受皿19の左右両側に設けた傾斜面20に沿わせた形態にされているので、チェン部材17のガタなどに起因する受皿19移動時の上方への踊りを抑制して受皿19を下流側に円滑に移動させることができる。また、該ガイド部材24の下流側上方には下流側を上下可能にした押圧部材25が配置されており、該押圧部材25により受皿19の凹陥部22に載置収納された物体Aの上面を摺接させて物体Aが凹陥部22よりはみ出さないように安置させるものである。
【0026】
このように、本発明の物体の整列搬送装置によると、搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成し、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたものであり、供給装置の物体を移送させる速度に対して、搬送装置の受皿を高速の移動速度にして、搬送能力に十分な余裕を持たせることができる。これにより、物体の移送供給と搬送受皿が非同期であるため、最初の搬送受皿の凹陥部を外れた場合でも、転がりながら次の受皿の凹陥部、若しくはその次の受皿の凹陥部と、行き場があるため、確実に物体の一つ一つが搬送受皿の凹陥部に入り、物体の受皿側への連続落下転送を促進して、物体の搬送を効率的に遂行でき、しかもコスト安価に構成できる利点が生じるものである。
そして、これにより爾後の物体の検査、分別なども効率的に遂行できる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本特許出願人は、この物体の整列搬送装置を用いることにより、殊にしじみなどの良品、不良品の検査用として、二枚貝の整列、搬送、検査、分別などに適する整列搬送に利用しているが、本発明の技術思想は、魚貝類や果菜類、工業用部品類などの物体を整列しながら搬送させる整列搬送の産業分野にも充分に応用できるものであり、整列搬送される物体の性状、大きさに対応させて適宜に構成変更しても良いものである。
【符号の説明】
【0028】
1 整列搬送装置
2 物体繰出装置
3 搬送装置
6 供給装置
7 ホッパー
8 移送通路
17 無端状のチェン部材
19 搬送受皿
20 凹陥部
25 押圧部材
26 検査装置
29 シューター
S 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給手段を設け、該供給手段の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送手段を設け、前記供給手段の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送手段の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送方法
【請求項2】
前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする請求項1に記載の物体の整列搬送方法。
【請求項3】
搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置。
【請求項4】
前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする請求項3に記載の物体の整列搬送装置。
【請求項5】
前記供給装置の移送通路の両側に物体を通路の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材を間隙を置いて複数個設け、搬送装置の両側に受皿の凹陥部側に幅寄せするガイド部材を設け、且つ受皿の上方に物体を受皿の凹陥部に安置させる押圧部材を上下可能に配置したことを特徴とする請求項3若しくは4に記載の物体の整列搬送装置。
【請求項6】
供給装置を移送通路を前後に往復振動させるリニアフィーダーで構成し、搬送装置の受皿を無端搬送体の外周面に連続させて密接状に取り付けたことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載された物体の整列搬送装置。
【請求項6】
受皿の凹陥部に上下方向に貫通する透孔を設け、押圧部材の配置箇所より下流側に物体の検査装置を設けたことを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載された物体の整列搬送装置。
【請求項1】
搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給手段を設け、該供給手段の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送手段を設け、前記供給手段の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送手段の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送方法
【請求項2】
前記供給手段で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送手段における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする請求項1に記載の物体の整列搬送方法。
【請求項3】
搬送始端側に配置したホッパーから搬送物体を繰り出して下流側に向けて物体を整列させて移送する供給装置を設け、該供給装置の下流側に物体を載置保持する凹陥部を設けた受皿を複数個設けた搬送装置を設け、前記供給装置の終端より物体を順次連続的に落下させて、前記搬送装置の受皿に供給するように構成したものにおいて、前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を高速にしたことを特徴とする物体の整列搬送装置。
【請求項4】
前記供給装置で移送される物体の移送速度に対して、前記搬送装置における受皿の搬送速度を2〜3倍の高速にしたことを特徴とする請求項3に記載の物体の整列搬送装置。
【請求項5】
前記供給装置の移送通路の両側に物体を通路の中央側に幅寄せして整列させる衝立状の誘導部材を間隙を置いて複数個設け、搬送装置の両側に受皿の凹陥部側に幅寄せするガイド部材を設け、且つ受皿の上方に物体を受皿の凹陥部に安置させる押圧部材を上下可能に配置したことを特徴とする請求項3若しくは4に記載の物体の整列搬送装置。
【請求項6】
供給装置を移送通路を前後に往復振動させるリニアフィーダーで構成し、搬送装置の受皿を無端搬送体の外周面に連続させて密接状に取り付けたことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載された物体の整列搬送装置。
【請求項6】
受皿の凹陥部に上下方向に貫通する透孔を設け、押圧部材の配置箇所より下流側に物体の検査装置を設けたことを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載された物体の整列搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−47141(P2013−47141A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202372(P2011−202372)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000177704)山陰建設工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000177704)山陰建設工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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