物体の温度を決定するための方法およびシステム
【課題】遠くの物体(104)の温度TOを検出するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】メモリ(116)内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブル(300)を格納し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定し(202)、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し(204)、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し(206)、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定する(208)。
【解決手段】メモリ(116)内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブル(300)を格納し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定し(202)、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し(204)、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し(206)、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定する(208)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、温度センサに関し、より詳細には、1つのコンパクトなルックアップテーブルに基づいて、広範囲の物体および室温にわたって、IR熱電対列センサを使用して、物体温度を導出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線(IR)熱電対列センサは、遠くの物体の温度を測定するために使用される。熱電対列センサの出力電圧は、物体の温度とセンサの室温の両方で変化する。特性曲線の一般的な形は知られているが、特性曲線に対するセンサの個々の部分の寄与率間では、比較的大きい偏差が存在する。正確に測定するために、各センサは、既知の温度で個別に校正される。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0140215号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/00584488号
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0075544号
【特許文献4】米国特許第4,251,291号
【特許文献5】米国特許第6,820,891号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常の動作時、校正データは、物体温度の正確な指示を行うために、測定された室温に即して使用される。しかし、出力電圧と温度の間の関係は、解を出すためにかなりの計算量を必要とする4乗の方程式となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、遠くの物体の温度TOを検出するための方法は、メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブルを格納する段階と、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定する段階と、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定する段階と、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定する段階と、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定する段階とを含む。
【0005】
他の実施形態では、遠くの物体の温度を決定するためのシステムは、赤外線温度センサと、赤外線センサの温度を検出するように構成された温度センサと、赤外線温度センサ出力電圧対物体の温度に関するルックアップテーブルおよび関連する情報を含むメモリと、赤外線温度センサ、温度センサ、およびメモリに伝達可能に結合されたプロセッサとを含む。プロセッサは、メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブルを格納し、赤外線温度センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサの電圧出力を決定し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定するようにプログラムされる。
【0006】
さらに他の実施形態では、遠くの物体の温度TOを検出するためのコンピュータ可読の媒体上で実施されるコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブルを格納し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定するコードセグメントを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の例示的実施形態による、熱電対列センサシステム100のブロック図である。システム100は、遠くの物体104の温度TOと相関関係である赤外線を受け取るように構成された熱電対列検出器102を含む。熱電対列検出器102は、物体温度TOと室温TAの両方で変化する低レベルのアナログ出力を提供する。室温センサ106は、熱電対列の室温を測定するために使用され、熱電対列検出器102のすぐ近くに配置される。例示的実施形態では、室温センサ106は、サーミスタである。さまざまな代替実施形態では、室温センサ106は、シリコン温度センサまたは抵抗温度検出器(RTD)である。
【0008】
熱電対列検出器102は、低雑音増幅器108およびアナログデジタル変換器110に伝達可能に結合される。室温センサ106は、アナログデジタル変換器112に伝達可能に結合される。アナログデジタル変換器110および112の出力は、コンピュータ114に伝達される。読取り専用メモリ(ROM)などのメモリ116は、コンピュータ114に伝達可能に結合される。
【0009】
本明細書では、「コンピュータ」という用語は、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および本明細書記載の機能を実行することができる他の回路またはプロセッサを使用するシステムを含む任意のプロセッサベースもしくはマイクロプロセッサベースのシステムを含むことができる。上記の例は、単に例示的なものであり、したがって、いかなる形でも、「コンピュータ」という用語の定義および/または意味を限定するものではない。
【0010】
コンピュータ114は、1つまたは複数の記憶要素内に格納された一連の命令を実行して、入力データを処理する。この記憶要素は、望みどおりにまたは必要に応じて、データまたは他の情報を格納することもできる。記憶要素は、内部の情報供給源または物理的な記憶要素の形とし、あるいはコンピュータ114に伝達可能に結合されることができる。
【0011】
一連の命令は、処理装置としてのコンピュータ114に命令して、本発明のさまざまな実施形態の方法およびプロセスなど、特定の動作を実行するさまざまなコマンドを含むことができる。一連の命令は、ソフトウェアプログラムの形のものであってよい。このソフトウェアは、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアなど、さまざまな形のものであってよい。さらに、ソフトウェアは、異なるプログラムの集合体、より大きいプログラム内のプログラムモジュール、またはプログラムモジュールの一部の形のものであってよい。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形をしたモジュール方式のプログラミングを含むこともできる。処理装置による入力データの処理は、ユーザコマンドに応答するもの、または前の処理の結果に応答するもの、または他の処理装置によってもたらされた要求に応答するものとすることができる。
【0012】
本明細書では、「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は、互換性があり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むメモリ内に、コンピュータが実行するために格納される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリタイプは単に例示的のものであり、したがって、コンピュータプログラムの記憶装置に使用できるメモリのタイプに関して限定するものではない。
【0013】
例示的実施形態では、メモリ116は、熱電対列出力電圧対物体温度特性のルックアップテーブル(LUT)を、関連する情報と共に格納するために使用される。プロセッサ114は、必要な計算およびルックアッププロセスを実行するために、使用される。
【0014】
図2は、物体の温度TOを決定する例示的方法200の流れ図である。方法200は、熱電対列102の室温TAを決定する段階202、室温TAおよび基準温度TREF、たとえば、摂氏25℃の関数としての第1の電圧を決定する段階204を含む。方法200は、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧を決定する段階206、ならびにメモリ内に格納されたルックアップテーブルからTOを決定する段階208も含む。
【0015】
ルックアップテーブルを使用するための簡単な技術は、入力された値に最も近いデータ対からデータを出力することである。これは、真値が隣接するデータ対の中間であるとき最大値状態となり、さまざまなエラーをもたらすことになる。このエラーは、データ点間でより小さい間隔を使用することによって、減らすことができるが、より小さい間隔を使用すると、ルックアップテーブルを、メモリサイズに対する対応する要求と共に、より大きくすることが必要になる。
【0016】
図3は、隣接するデータ対間で補間法を使用するルックアップテーブルに関する他の例示的技術の結果を示す表300である。列302は、LUTのデータ対を、5℃の間隔、たとえば、45.00°Cおよび50.00°Cで表し、中間の温度(0.5℃刻み)では、直線補間法を使用して、計算された温度を示す。列304は、列302で示した温度に対応するケルビン目盛りでの温度を表す。列306は、物体の温度TOおよび基準温度TREF、たとえば、25℃の関数としての電圧を表す。列308は、直線補間法を使用する計算されたTOを表し、列310は、直線補間法を使用する計算されたTOにおける対応するエラーを示す。
【0017】
図4は、TO対物体の温度TOおよび室温TAの関数としての電圧(V(TO,TA))のルックアップテーブルを生成する例示的方法400の流れ図である。方法400は、物体104の2つの温度および1つの室温における熱電対列102の出力を測定する段階402を含む。例示的実施形態では、室温TAは、TREF、たとえば、25℃にほぼ等しい。方法400は、以下によって校正係数SおよびBを決定する段階404を含む。
【0018】
V=S(TOB−TAB)と仮定する。ただし、
V=熱電対列からの出力電圧、
TO=Kで表した物体温度、
TA=Kで表した室温
S=感度係数
B=係数(約4)
SおよびBは、2つの状態(TO1,TA1)、(TO2,TA2)における測定値によって決定することができる。ただし,TOはTAに等しくならないようにする。
【0019】
V1=S(TOB−TAB) 方程式1
V2=S(TAB−TREFB) 方程式2
方程式2を方程式1で除算する。
【0020】
V2/V1=(TOB−TAB)/(TAB−TREFB)
Bは、数値的反復を使用して決定される。
【0021】
方程式1は、Sについて解を出すように再構成される。
【0022】
S=V1/(TOB−TAB) 方程式3
Sは、この場合、V1およびBから計算することができる。
【0023】
SおよびBは、TA=TREF状態に関するルックアップテーブルを生成するために、方程式1で使用され406、このルックアップテーブルは、ROM116にアップロードされる408。
【0024】
【表1】
固定された温度間隔では、TOの値は、ルックアップテーブル内に保存されず、表内のデータ点のインデックス位置から計算される。
【0025】
このルックアップテーブルは、204(図2に示す)におけるV(VA,TREF)を決定するために、使用される。
【0026】
図5は、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての電圧(V(TO,TREF))に関する方程式を決定する例示的方法500の流れ図である。
【0027】
熱電対列の出力電圧は、以下を使用して示される502。
【0028】
V(TO,TA)=S(TOB−TAB) 方程式4
ただし、V(TO,TA)は、熱電対列からの出力電圧を表し、
TOは、絶対温度で表した物体温度を表し、
TAは、絶対温度で表した室温(検出器の)を表し、
S、Bは、実際的な測定によって決定された校正係数を表す。
【0029】
方程式4を、To−> TAおよびTA−>TREFで書き換える504(ただし、TREFは、基準温度である)と、方程式4により以下が得られる。
【0030】
V(TA,TREF)=S(TAB−TREFB) 方程式5
方程式4および5を加算する506と、以下が得られる。
【0031】
V(TO,TA)+V(TA,TREF)=S(TOB−TAB)+S(TAB−TREFB)
=S(TOB−TREFB)
=V(TO,TREF)
V(TO,TREF)=V(TO,TA)+V(TA,TREF) 方程式6
通常の演算時、TOは、室温センサ出力から計算されるTAを決定することによって、計算される508。V(TA,TREF)は、ルックアップテーブルから決定される510。V(TO,TREF)は方程式6から決定され512、TOはルックアップテーブルから決定される514。
【0032】
以下の実施例は、校正係数SとBが実際的な測定から導出されたセンサに基づいている。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
本発明のさまざまな実施形態の方法は、測定値の精度を改善することを容易にする、ルックアップテーブルを使用するための技術を用いる。ルックアップテーブルを使用するための最も簡単な技術は、入力された値に最も近いデータ対からデータを出力することである。これは、真値が隣接するデータ対の中間であるとき最大値状態となり、さまざまなエラーをもたらすことになる。エラーは、データ点間でより小さい間隔を使用することによって、減らすことができるが、この手法は、表を、メモリサイズに対する対応する要求と共に、大きくすることを必要とする。
【0039】
赤外線温度センサの上記の実施形態は、熱電対列によって検査される物体の温度を計算するための費用対効果が大きいまた信頼できる手段を提供する。より具体的には、2次元のルックアップテーブルを使用する代わりに、1次元のルックアップテーブルを、直線補間法に即して使用して、熱電対列によって検査される物体の温度を決定するアルゴリズムが生成される。その結果、限られた計算力を使用して、遠くの物体の温度を決定することを容易にする赤外線ベースの温度センサシステムが提供される。
【0040】
赤外線温度測定システムの例示的実施形態は、先に詳細に説明されている。例示された測定システムの構成要素は、本明細書で説明した特定の実施形態に限定されず、というより、各測定システムの構成要素は、本明細書で説明した他の構成要素から独立させてまた切り離して利用することができる。たとえば、上記の測定システム構成要素は、他の測定システムと組み合わせても使用することができる。本明細書で使用されるように、物体は、人間、車両、荷物、動物、建築物、または他の任意の物体を含む。
【0041】
以上、本発明を、さまざまな具体的な実施形態によって説明してきたが、本発明を、特許請求の範囲の趣旨および範囲内で変更を加えることで、実行できることを当業者なら理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の例示的実施形態による熱電対列センサシステムのブロック図である。
【図2】物体の温度TOを決定する例示的方法に関する流れ図である。
【図3】隣接するデータ対間で補間法を使用するルックアップテーブル用の他の例示的技術の結果を表す表である。
【図4】TO対物体の温度TOおよび室温TAの関数としての電圧(V(TO,TA))のルックアップテーブルを生成する例示的方法に関する流れ図である。
【図5】物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての電圧(V(TO,TREF))に関する方程式を決定する例示的方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0043】
100 熱電対列センサシステム
102 熱電対列検出器
104 物体
106 室温センサ
108 低雑音増幅器
110 デジタル変換器
112 デジタル変換器
114 コンピュータ
116 メモリ
200 方法
202 熱電対列の室温TAを決定する段階
204 室温TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧を決定する段階
206 物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧を決定する段階
208 メモリ内に格納されたルックアップテーブルからTOを決定する段階
300 表
302 列
304 列
306 列
308 列
310 列
400 方法
402 物体の2つの温度および1つの室温における熱電対列の出力を測定する段階
404 熱電対列に関する校正係数SおよびBを決定する段階
406 TA=TREFに関するSおよびBの方程式V1=S(TOB−TAB)を使用して、ルックアップテーブルを生成する
408 ルックアップテーブルを、メモリにアップロードする
500 方法
502 熱電対列の出力電圧を、V(TO,TA)=S(TOB−TAB)方程式4を使用して表す
504 方程式V(TO,TA)=S(TOB−TAB)を、TO−>TAおよびTA−>TREFで書き換えると、V(TA,TREF)=S(TAB−TREFB)方程式5が得られる
506 方程式4および5を加算すると、V(TO,TA)+V(TA,TREF)=S(TOB−TAB)+S(TAB−TREFB)=S(TOB−TREFB)=V(TO,TREF)、したがって、V(TO,TREF)=V(TO,TA)+V(TA,TREF)方程式6が得られる
508 TAを、室温センサ出力から決定する
510 V(TA,TREF)を、ルックアップテーブルから決定する
512 V(TO,TREF)を決定する
514 TOを、ルックアップテーブルから決定する
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、温度センサに関し、より詳細には、1つのコンパクトなルックアップテーブルに基づいて、広範囲の物体および室温にわたって、IR熱電対列センサを使用して、物体温度を導出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線(IR)熱電対列センサは、遠くの物体の温度を測定するために使用される。熱電対列センサの出力電圧は、物体の温度とセンサの室温の両方で変化する。特性曲線の一般的な形は知られているが、特性曲線に対するセンサの個々の部分の寄与率間では、比較的大きい偏差が存在する。正確に測定するために、各センサは、既知の温度で個別に校正される。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0140215号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/00584488号
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0075544号
【特許文献4】米国特許第4,251,291号
【特許文献5】米国特許第6,820,891号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常の動作時、校正データは、物体温度の正確な指示を行うために、測定された室温に即して使用される。しかし、出力電圧と温度の間の関係は、解を出すためにかなりの計算量を必要とする4乗の方程式となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、遠くの物体の温度TOを検出するための方法は、メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブルを格納する段階と、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定する段階と、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定する段階と、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定する段階と、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定する段階とを含む。
【0005】
他の実施形態では、遠くの物体の温度を決定するためのシステムは、赤外線温度センサと、赤外線センサの温度を検出するように構成された温度センサと、赤外線温度センサ出力電圧対物体の温度に関するルックアップテーブルおよび関連する情報を含むメモリと、赤外線温度センサ、温度センサ、およびメモリに伝達可能に結合されたプロセッサとを含む。プロセッサは、メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブルを格納し、赤外線温度センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサの電圧出力を決定し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定するようにプログラムされる。
【0006】
さらに他の実施形態では、遠くの物体の温度TOを検出するためのコンピュータ可読の媒体上で実施されるコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)ルックアップテーブルを格納し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定し、赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し、決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し、第2の電圧を使用して、物体の温度TOを、ルックアップテーブルから決定するコードセグメントを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の例示的実施形態による、熱電対列センサシステム100のブロック図である。システム100は、遠くの物体104の温度TOと相関関係である赤外線を受け取るように構成された熱電対列検出器102を含む。熱電対列検出器102は、物体温度TOと室温TAの両方で変化する低レベルのアナログ出力を提供する。室温センサ106は、熱電対列の室温を測定するために使用され、熱電対列検出器102のすぐ近くに配置される。例示的実施形態では、室温センサ106は、サーミスタである。さまざまな代替実施形態では、室温センサ106は、シリコン温度センサまたは抵抗温度検出器(RTD)である。
【0008】
熱電対列検出器102は、低雑音増幅器108およびアナログデジタル変換器110に伝達可能に結合される。室温センサ106は、アナログデジタル変換器112に伝達可能に結合される。アナログデジタル変換器110および112の出力は、コンピュータ114に伝達される。読取り専用メモリ(ROM)などのメモリ116は、コンピュータ114に伝達可能に結合される。
【0009】
本明細書では、「コンピュータ」という用語は、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および本明細書記載の機能を実行することができる他の回路またはプロセッサを使用するシステムを含む任意のプロセッサベースもしくはマイクロプロセッサベースのシステムを含むことができる。上記の例は、単に例示的なものであり、したがって、いかなる形でも、「コンピュータ」という用語の定義および/または意味を限定するものではない。
【0010】
コンピュータ114は、1つまたは複数の記憶要素内に格納された一連の命令を実行して、入力データを処理する。この記憶要素は、望みどおりにまたは必要に応じて、データまたは他の情報を格納することもできる。記憶要素は、内部の情報供給源または物理的な記憶要素の形とし、あるいはコンピュータ114に伝達可能に結合されることができる。
【0011】
一連の命令は、処理装置としてのコンピュータ114に命令して、本発明のさまざまな実施形態の方法およびプロセスなど、特定の動作を実行するさまざまなコマンドを含むことができる。一連の命令は、ソフトウェアプログラムの形のものであってよい。このソフトウェアは、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアなど、さまざまな形のものであってよい。さらに、ソフトウェアは、異なるプログラムの集合体、より大きいプログラム内のプログラムモジュール、またはプログラムモジュールの一部の形のものであってよい。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形をしたモジュール方式のプログラミングを含むこともできる。処理装置による入力データの処理は、ユーザコマンドに応答するもの、または前の処理の結果に応答するもの、または他の処理装置によってもたらされた要求に応答するものとすることができる。
【0012】
本明細書では、「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は、互換性があり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むメモリ内に、コンピュータが実行するために格納される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリタイプは単に例示的のものであり、したがって、コンピュータプログラムの記憶装置に使用できるメモリのタイプに関して限定するものではない。
【0013】
例示的実施形態では、メモリ116は、熱電対列出力電圧対物体温度特性のルックアップテーブル(LUT)を、関連する情報と共に格納するために使用される。プロセッサ114は、必要な計算およびルックアッププロセスを実行するために、使用される。
【0014】
図2は、物体の温度TOを決定する例示的方法200の流れ図である。方法200は、熱電対列102の室温TAを決定する段階202、室温TAおよび基準温度TREF、たとえば、摂氏25℃の関数としての第1の電圧を決定する段階204を含む。方法200は、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧を決定する段階206、ならびにメモリ内に格納されたルックアップテーブルからTOを決定する段階208も含む。
【0015】
ルックアップテーブルを使用するための簡単な技術は、入力された値に最も近いデータ対からデータを出力することである。これは、真値が隣接するデータ対の中間であるとき最大値状態となり、さまざまなエラーをもたらすことになる。このエラーは、データ点間でより小さい間隔を使用することによって、減らすことができるが、より小さい間隔を使用すると、ルックアップテーブルを、メモリサイズに対する対応する要求と共に、より大きくすることが必要になる。
【0016】
図3は、隣接するデータ対間で補間法を使用するルックアップテーブルに関する他の例示的技術の結果を示す表300である。列302は、LUTのデータ対を、5℃の間隔、たとえば、45.00°Cおよび50.00°Cで表し、中間の温度(0.5℃刻み)では、直線補間法を使用して、計算された温度を示す。列304は、列302で示した温度に対応するケルビン目盛りでの温度を表す。列306は、物体の温度TOおよび基準温度TREF、たとえば、25℃の関数としての電圧を表す。列308は、直線補間法を使用する計算されたTOを表し、列310は、直線補間法を使用する計算されたTOにおける対応するエラーを示す。
【0017】
図4は、TO対物体の温度TOおよび室温TAの関数としての電圧(V(TO,TA))のルックアップテーブルを生成する例示的方法400の流れ図である。方法400は、物体104の2つの温度および1つの室温における熱電対列102の出力を測定する段階402を含む。例示的実施形態では、室温TAは、TREF、たとえば、25℃にほぼ等しい。方法400は、以下によって校正係数SおよびBを決定する段階404を含む。
【0018】
V=S(TOB−TAB)と仮定する。ただし、
V=熱電対列からの出力電圧、
TO=Kで表した物体温度、
TA=Kで表した室温
S=感度係数
B=係数(約4)
SおよびBは、2つの状態(TO1,TA1)、(TO2,TA2)における測定値によって決定することができる。ただし,TOはTAに等しくならないようにする。
【0019】
V1=S(TOB−TAB) 方程式1
V2=S(TAB−TREFB) 方程式2
方程式2を方程式1で除算する。
【0020】
V2/V1=(TOB−TAB)/(TAB−TREFB)
Bは、数値的反復を使用して決定される。
【0021】
方程式1は、Sについて解を出すように再構成される。
【0022】
S=V1/(TOB−TAB) 方程式3
Sは、この場合、V1およびBから計算することができる。
【0023】
SおよびBは、TA=TREF状態に関するルックアップテーブルを生成するために、方程式1で使用され406、このルックアップテーブルは、ROM116にアップロードされる408。
【0024】
【表1】
固定された温度間隔では、TOの値は、ルックアップテーブル内に保存されず、表内のデータ点のインデックス位置から計算される。
【0025】
このルックアップテーブルは、204(図2に示す)におけるV(VA,TREF)を決定するために、使用される。
【0026】
図5は、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての電圧(V(TO,TREF))に関する方程式を決定する例示的方法500の流れ図である。
【0027】
熱電対列の出力電圧は、以下を使用して示される502。
【0028】
V(TO,TA)=S(TOB−TAB) 方程式4
ただし、V(TO,TA)は、熱電対列からの出力電圧を表し、
TOは、絶対温度で表した物体温度を表し、
TAは、絶対温度で表した室温(検出器の)を表し、
S、Bは、実際的な測定によって決定された校正係数を表す。
【0029】
方程式4を、To−> TAおよびTA−>TREFで書き換える504(ただし、TREFは、基準温度である)と、方程式4により以下が得られる。
【0030】
V(TA,TREF)=S(TAB−TREFB) 方程式5
方程式4および5を加算する506と、以下が得られる。
【0031】
V(TO,TA)+V(TA,TREF)=S(TOB−TAB)+S(TAB−TREFB)
=S(TOB−TREFB)
=V(TO,TREF)
V(TO,TREF)=V(TO,TA)+V(TA,TREF) 方程式6
通常の演算時、TOは、室温センサ出力から計算されるTAを決定することによって、計算される508。V(TA,TREF)は、ルックアップテーブルから決定される510。V(TO,TREF)は方程式6から決定され512、TOはルックアップテーブルから決定される514。
【0032】
以下の実施例は、校正係数SとBが実際的な測定から導出されたセンサに基づいている。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
本発明のさまざまな実施形態の方法は、測定値の精度を改善することを容易にする、ルックアップテーブルを使用するための技術を用いる。ルックアップテーブルを使用するための最も簡単な技術は、入力された値に最も近いデータ対からデータを出力することである。これは、真値が隣接するデータ対の中間であるとき最大値状態となり、さまざまなエラーをもたらすことになる。エラーは、データ点間でより小さい間隔を使用することによって、減らすことができるが、この手法は、表を、メモリサイズに対する対応する要求と共に、大きくすることを必要とする。
【0039】
赤外線温度センサの上記の実施形態は、熱電対列によって検査される物体の温度を計算するための費用対効果が大きいまた信頼できる手段を提供する。より具体的には、2次元のルックアップテーブルを使用する代わりに、1次元のルックアップテーブルを、直線補間法に即して使用して、熱電対列によって検査される物体の温度を決定するアルゴリズムが生成される。その結果、限られた計算力を使用して、遠くの物体の温度を決定することを容易にする赤外線ベースの温度センサシステムが提供される。
【0040】
赤外線温度測定システムの例示的実施形態は、先に詳細に説明されている。例示された測定システムの構成要素は、本明細書で説明した特定の実施形態に限定されず、というより、各測定システムの構成要素は、本明細書で説明した他の構成要素から独立させてまた切り離して利用することができる。たとえば、上記の測定システム構成要素は、他の測定システムと組み合わせても使用することができる。本明細書で使用されるように、物体は、人間、車両、荷物、動物、建築物、または他の任意の物体を含む。
【0041】
以上、本発明を、さまざまな具体的な実施形態によって説明してきたが、本発明を、特許請求の範囲の趣旨および範囲内で変更を加えることで、実行できることを当業者なら理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の例示的実施形態による熱電対列センサシステムのブロック図である。
【図2】物体の温度TOを決定する例示的方法に関する流れ図である。
【図3】隣接するデータ対間で補間法を使用するルックアップテーブル用の他の例示的技術の結果を表す表である。
【図4】TO対物体の温度TOおよび室温TAの関数としての電圧(V(TO,TA))のルックアップテーブルを生成する例示的方法に関する流れ図である。
【図5】物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての電圧(V(TO,TREF))に関する方程式を決定する例示的方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0043】
100 熱電対列センサシステム
102 熱電対列検出器
104 物体
106 室温センサ
108 低雑音増幅器
110 デジタル変換器
112 デジタル変換器
114 コンピュータ
116 メモリ
200 方法
202 熱電対列の室温TAを決定する段階
204 室温TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧を決定する段階
206 物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧を決定する段階
208 メモリ内に格納されたルックアップテーブルからTOを決定する段階
300 表
302 列
304 列
306 列
308 列
310 列
400 方法
402 物体の2つの温度および1つの室温における熱電対列の出力を測定する段階
404 熱電対列に関する校正係数SおよびBを決定する段階
406 TA=TREFに関するSおよびBの方程式V1=S(TOB−TAB)を使用して、ルックアップテーブルを生成する
408 ルックアップテーブルを、メモリにアップロードする
500 方法
502 熱電対列の出力電圧を、V(TO,TA)=S(TOB−TAB)方程式4を使用して表す
504 方程式V(TO,TA)=S(TOB−TAB)を、TO−>TAおよびTA−>TREFで書き換えると、V(TA,TREF)=S(TAB−TREFB)方程式5が得られる
506 方程式4および5を加算すると、V(TO,TA)+V(TA,TREF)=S(TOB−TAB)+S(TAB−TREFB)=S(TOB−TREFB)=V(TO,TREF)、したがって、V(TO,TREF)=V(TO,TA)+V(TA,TREF)方程式6が得られる
508 TAを、室温センサ出力から決定する
510 V(TA,TREF)を、ルックアップテーブルから決定する
512 V(TO,TREF)を決定する
514 TOを、ルックアップテーブルから決定する
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線温度センサと、
赤外線センサの温度を検出するように構成された温度センサと、
赤外線温度センサ出力電圧対物体の温度に関するルックアップテーブル(300)、および関連する情報を含むメモリ(116)と、
前記赤外線温度センサ、温度センサ、およびメモリに伝達可能に結合されたプロセッサであって、
メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)、ルックアップテーブルを格納し、
赤外線温度センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサの電圧出力を決定し(202)、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し(204)、
決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し(206)、
第2の電圧を使用して、ルックアップテーブルから、物体の温度TOを決定する(208)ようにプログラムされたプロセッサと、
を含む、遠くの物体(104)の温度を決定するためのシステム。
【請求項2】
前記ルックアップテーブル(116)が、物体(104)の複数の温度および赤外線センサのすぐ近くの複数の温度TAにおける赤外線センサ出力を得るために、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を関連付ける(V(TO,TA))複数のデータ点を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
赤外線センサの電圧出力が、V=S(TOB−TAB)によってもたらされ、ただし、
V=赤外線センサからの出力電圧、
TO=Kで表した物体温度、
TA=Kで表した室温、
較正係数SおよびBは、
S=感度係数、
B=較正係数であり、
第1の温度における赤外線センサの第1の電圧出力を測定し、その結果、V1=S(TOB−TAB)となり、
第2の温度における赤外線センサの第2の電圧出力を測定し、その結果、V2=S(TAB−TREFB)となり、
第1の電圧出力および第2の電圧出力を組み合わせ、その結果、V2/V1=(TOB−TAB)/(TAB−TREFB)となり、
数値的反復を使用してBを決定し、
Sを得るために、V1=S(TOB−TAB)を、V1の測定された値およびBの決定された値を使用して、S=V1/(TOB−TAB)となるように、解くことによって、Sを決定することにより決定される、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
SおよびBの値が、赤外線センサによって感知された温度に対する赤外線センサの出力電圧V(TO,TA)対複数の温度における物体の温度TOに関するルックアップテーブル(300)を生成する(406)ために使用される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
第1の電圧V(TA,TREF)が、V(TA,TREF)=S(TOB−TAB)を使用して決定される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
第2の電圧、V(TO,TREF)が、V(TO,TREF)=(TO,TA)+(TA,TREF)を使用して、決定される請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記温度センサが、サーミスタ、シリコン温度センサ、およびRTDの中の少なくとも1つを含む請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記赤外線センサが熱電対列を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
遠くの物体の温度TOを検出するためのコンピュータ可読の媒体上で実施されるコンピュータプログラムであって、
メモリ(116)内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)、ルックアップテーブル(300)を格納し、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定し(202)、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し(204)、
決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し(206)、
第2の電圧を使用して、物体の温度TOをルックアップテーブルから決定する(208)、コードセグメントを含む、プログラム。
【請求項10】
物体の2つの温度および赤外線センサのすぐ近くの温度TAにおける赤外線センサ出力を測定し(402)、
校正係数SおよびBを測定温度から決定し(404)、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力V(TO,TA)を決定する(202)、
ルックアップテーブル(300)を生成するためのコードセグメントをさらに含む、請求項9記載のコンピュータプログラム。
【請求項1】
赤外線温度センサと、
赤外線センサの温度を検出するように構成された温度センサと、
赤外線温度センサ出力電圧対物体の温度に関するルックアップテーブル(300)、および関連する情報を含むメモリ(116)と、
前記赤外線温度センサ、温度センサ、およびメモリに伝達可能に結合されたプロセッサであって、
メモリ内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)、ルックアップテーブルを格納し、
赤外線温度センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサの電圧出力を決定し(202)、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し(204)、
決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し(206)、
第2の電圧を使用して、ルックアップテーブルから、物体の温度TOを決定する(208)ようにプログラムされたプロセッサと、
を含む、遠くの物体(104)の温度を決定するためのシステム。
【請求項2】
前記ルックアップテーブル(116)が、物体(104)の複数の温度および赤外線センサのすぐ近くの複数の温度TAにおける赤外線センサ出力を得るために、赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を関連付ける(V(TO,TA))複数のデータ点を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
赤外線センサの電圧出力が、V=S(TOB−TAB)によってもたらされ、ただし、
V=赤外線センサからの出力電圧、
TO=Kで表した物体温度、
TA=Kで表した室温、
較正係数SおよびBは、
S=感度係数、
B=較正係数であり、
第1の温度における赤外線センサの第1の電圧出力を測定し、その結果、V1=S(TOB−TAB)となり、
第2の温度における赤外線センサの第2の電圧出力を測定し、その結果、V2=S(TAB−TREFB)となり、
第1の電圧出力および第2の電圧出力を組み合わせ、その結果、V2/V1=(TOB−TAB)/(TAB−TREFB)となり、
数値的反復を使用してBを決定し、
Sを得るために、V1=S(TOB−TAB)を、V1の測定された値およびBの決定された値を使用して、S=V1/(TOB−TAB)となるように、解くことによって、Sを決定することにより決定される、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
SおよびBの値が、赤外線センサによって感知された温度に対する赤外線センサの出力電圧V(TO,TA)対複数の温度における物体の温度TOに関するルックアップテーブル(300)を生成する(406)ために使用される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
第1の電圧V(TA,TREF)が、V(TA,TREF)=S(TOB−TAB)を使用して決定される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
第2の電圧、V(TO,TREF)が、V(TO,TREF)=(TO,TA)+(TA,TREF)を使用して、決定される請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記温度センサが、サーミスタ、シリコン温度センサ、およびRTDの中の少なくとも1つを含む請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記赤外線センサが熱電対列を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
遠くの物体の温度TOを検出するためのコンピュータ可読の媒体上で実施されるコンピュータプログラムであって、
メモリ(116)内に、赤外線センサの出力電圧を、赤外線センサによって感知された温度に関連付けるV(TO,TA)、ルックアップテーブル(300)を格納し、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力を決定し(202)、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAおよび基準温度TREFの関数としての第1の電圧V(TA,TREF)を決定し(204)、
決定された温度センサ電圧出力および第1の電圧を組み合わせることによって、物体の温度TOおよび基準温度TREFの関数としての第2の電圧V(TO,TREF)を決定し(206)、
第2の電圧を使用して、物体の温度TOをルックアップテーブルから決定する(208)、コードセグメントを含む、プログラム。
【請求項10】
物体の2つの温度および赤外線センサのすぐ近くの温度TAにおける赤外線センサ出力を測定し(402)、
校正係数SおよびBを測定温度から決定し(404)、
赤外線センサのすぐ近くの温度TAに対応する温度センサ電圧出力V(TO,TA)を決定する(202)、
ルックアップテーブル(300)を生成するためのコードセグメントをさらに含む、請求項9記載のコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2007−206079(P2007−206079A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−23770(P2007−23770)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(305032494)ジーイー・インフラストラクチャー・センシング・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23770(P2007−23770)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(305032494)ジーイー・インフラストラクチャー・センシング・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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