説明

物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置

【課題】誤った物品の投入またはピッキングを防止するための誤作業防止装置を備えた物品仕分システム又は物品ピッキングシステムを従来よりも安価に提供する。
【解決手段】複数の区画(14)に分割された仕分棚(10)を有する物品仕分システムまたは物品ピッキングシステムにおいて、誤った物品の投入またはピッキングを防止するための誤作業防止装置(20)が仕分棚に着脱自在とされる。この誤作業防止装置は、各区画の物品載置棚(12)に着脱自在に固着される固着部(22)と、固着部の前部に軸支された回転軸(28)と、回転軸に固着された開閉扉(30)と、回転軸に固着されて下方へ延びるレバー(40)と、レバーの後部を押圧するエアシリンダ(32)とを備える。仕分棚には既存の棚を利用できるので、コスト削減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種商品を出荷先別に投入する物品仕分けシステム又は各種商品を出荷先別にピッキングする物品ピッキングシステムに関し、さらに詳細には、誤った物品の投入又はピッキングを防止するための物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、物品仕分設備(物品仕分システム)に関する特許を既に取得している(下記特許文献1参照)。この物品仕分設備について、図4に基づいて説明する。
【0003】
この物品仕分設備の仕分棚60は、支柱62に物品載置棚64を取り付けている。物品載置棚64は、前面に位置する傾斜した物品投入部64bと、物品投入部64bの後方に続く水平部64aとを有している。物品投入部64bの周囲には、落下防止枠66が固定されている。仕分棚60の上部には、出荷先や物品名を示すラベル68が取り付けられている。物品投入部64bは、物品投入を容易にするため、上側ほど大きく傾斜するとともに、下段のものほど上段のものよりも前方へ突出させている。そして、最下段の物品載置棚64には傾斜した物品投入部64bを省いて、前端に平板状の落下防止枠66aのみを設けている。
【0004】
仕分棚60における個々の物品載置棚64は、出荷先や物品の種類等によって定められた区画70とされる。この仕分棚60においては、物品84を誤った区画70への投入を防ぐ誤作業防止装置として、各区画70の前面には開閉扉72が設けられる。
【0005】
開閉扉72は、長方形の枠74に繊維等で補強されたビニール等の透明シート76を貼ったものであり、上側の区画70の物品投入部64bの前端下部に設けられたヒンジ78回りに回転可能に取り付けられ、エアシリンダ80によって開閉される。最上段の区画70の開閉扉72は、前側の支柱62上端を連結する横材82の下部に設けられたヒンジ78回りに回転可能に取り付けられる。枠74の一端には直角方向へアーム74aが延設されており、アーム74aの先端にエアシリンダ80のロッド80aの先端が連結されている。
【0006】
物品84は、トレー86に収容して、作業員によって保管場所からトレー載置台88まで運ばれる。トレー86の底の上には、予めトレー番号、指定された物品を投入する区画、該区画毎に投入する物品の個数等のトレー情報を書き込んだIDカード90が置かれ、IDカード90の上にIDカード90を保護するためのウレタンカバー92が載置される。IDカード90としては、ICカード又は磁気カード等を使用する。
【0007】
仕分棚60の側端の一方にはトレー載置台88が置かれ、該トレー載置台88にはエアシリンダ80を制御するコントローラ(図示省略)を操作するための制御盤96を備えられる。また、トレー載置台88には、トレー86を載置するために定められた領域の下面に、IDカード90に書かれたトレー情報を読むためのIDカードリーダー98が固定されている。もちろん、IDカード90の代わりにバーコードを使用し、IDカードリーダー98の代わりにバーコードリーダーを使用することも可能である。
【0008】
制御盤96には、コントローラの表示部114、物品投入を作業員に指示する投入ランプ120等、作業員に指示を与えたり、作業状況を知らせたりする各種のランプや、物品の投入完了をコントローラに知らせる投入完了スイッチ122等、コントローラに作業状況を知らせたり、作業の指示を与える各種のスイッチ等が配置される。
【0009】
次に、この物品仕分設備の行う仕分け手順について説明する。
(1)各トレー86には、トレー番号、指定された物品を投入する区画70、該区画70毎に投入する物品84の個数等のトレー情報を書いたIDカード90を置き、この上にウレタンカバー92が置かれ、この上に指定された物品84を収容する。トレー情報は、予めIDカード90に書いておく。
(2)作業員は、保管場所から物品84を収容したトレー86をトレー載置台88まで運んできて、トレー載置台88上の定められた領域の上に置く。
(3)トレー載置台88に固定されたIDカードリーダー98は、トレー情報を読み、このトレー情報をコントローラに伝える。
(4)コントローラは、トレー情報で指定された区画70のエアシリンダ80にエアを送るとともに、投入ランプ120を点灯し、表示部114に当該区画70に投入する物品84の個数を表示する。
(5)エアシリンダ80にエアが供給されると、指定された区画70の開閉扉72が開く。
(6)作業員は、投入ランプ120の点灯を確認してから、開閉扉72が開いた区画70へ物品84を投入する。この際、トレー載置台88は仕分棚60の一側端にあるので、トレー載置台88の前にいる作業員には、開閉扉72が開いた区画70を見付けやすい。また、コントローラの表示部114には投入する物品84の個数が表示されるので、作業員は、表示された個数だけ物品84を投入する。
(7)作業員は、物品84の投入を済ますと、投入完了スイッチ122を押す。
(8)投入完了スイッチ122が押されると、コントローラは、エアシリンダ80内のエアを放出させて、開閉扉72を閉じる。
【0010】
もし、他の区画70に投入すべき物品84が残っているときは、コントローラは前記(4)の動作に戻って、トレー86内の物品84がなくなるまで、前記(4)−(8)を繰り返す。こうして、多種多数の物品84の仕分けがなされる。
【0011】
この物品仕分設備によれば、次のような効果を奏する。(1)トレー86の底に置かれたIDカード90に書かれているトレー情報をIDカードリーダー98で読んで、指定された区画70の開閉扉72を開けるので、誤った区画70に物品を誤投入することを確実に防止できる。(2)トレー載置台88から指定された区画70まで作業員が物品を運ぶため、小規模で物品仕分設備に誤投入防止装置を経済的に備えることができる。(3)投入ランプ120の点灯に従って、開閉扉72の開いた区画70へ物品を投入し、物品投入後に投入完了スイッチ122を押すだけで、物品の仕分けができるので、作業が簡単である。(4)トレー情報には指定された物品86を投入する区画70毎に投入する個数を指定する個数情報も含まれ、表示部114に投入個数を表示するので、誤らずに指定個数の物品86を指定された区画70に投入できる。(5)アクチュエータとしてエアシリンダ80を採用したので、開閉扉72の開閉速度が速いうえ、構造が簡単で信頼性が高くて安価な物品仕分設備が得られる。(8)開閉扉72は枠に透明なシートを貼ったものであるから、投入済みの物品が見えるため、仕分けの進捗状態が見えて作業員の励みになるうえ、万一のエラーによって誤投入した物品に気付き易い。
【特許文献1】特許第4119861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、前記特許文献1に開示されたような誤作業防止装置を備えた物品仕分システムは、前記したように多大な効果を有するが、ユーザーからは厳しい価格低減が要求されている。似たような構成を有する物品ピッキングシステムについても、同様に価格低減が要求されている。
【0013】
本発明は、前記要求に鑑みてなされたもので、誤った物品の投入またはピッキングを防止するための誤作業防止装置を備えた物品仕分システム又は物品ピッキングシステムを従来よりも安価に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明では、複数の区画に分割された仕分棚を有する物品仕分システムまたは物品ピッキングシステムにおいて、誤った物品の投入またはピッキングを防止するための誤作業防止装置が前記仕分棚に着脱自在とされる。そして、この誤作業防止装置は、前記仕分棚の各区画の物品載置棚に着脱自在に固着される固着部と、該固着部の前部に軸支された回転軸と、該回転軸に固着された開閉扉と、前記回転軸に固着されて下方へ延びるレバーと、該レバーの後部を押圧するアクチュエータとを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記レバーは、側方から見て後部が凹んだ三日月形をしていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に係る発明において、前記固着部は磁力によって前記物品載置棚に固着されることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明では、請求項1、2又は3に係る発明において、物品の投入個数又はピッキング個数を表示する表示部と、物品の投入個所又はピッキング個所を指示するとともに投入完了又はピッキング完了後に前記開閉扉を閉じるためのランプ付きスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明では、請求項1、2、3又は4に係る発明において、物品の種類及び投入個数又はピッキング個数が指示されたとおりか否かを確認する確認手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、複数の区画に分割された仕分棚を有する物品仕分システムまたは物品ピッキングシステムにおいて、誤った物品の投入またはピッキングを防止するための誤作業防止装置が仕分棚に着脱自在としたから、既存の棚を仕分棚として利用することが可能で、従来よりも安価な物品仕分システムまたは物品ピッキングシステムが得られる。しかも、既存の棚を利用することにより、従来のラインを大きく変更する必要がなくなるうえ、既存の棚を廃棄する必要もなくなるので、いっそうコスト削減が可能になる。そして、資源の節約と地球環境維持にも貢献できる。また、誤作業防止装置は、指定された区画の開閉扉のみを開けるものであるから、誤った区画に物品を投入したり、誤った区画から物品をピッキングしたりすることを略確実に防止できる。さらに、回転軸に固着された開閉扉と、前記回転軸に固着されて下方へ延びるレバーと、該レバーの後部を押圧するアクチュエータとを備えたことにより、停電や故障等の場合でも、手動で開閉扉を開けて物品の投入又はピッキングができるという利点を有する。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、アクチュエータで押圧されるレバーが側面から見て後部が凹んだ三日月形をしているため、レバーの後面凹部をアクチュエータで押すと、開閉扉を水平より大きく開けることができて、物品の投入が容易となる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、誤作業防止装置の固着部が磁力によって物品載置棚に固着されるから、工具無しで簡単に誤作業防止装置を物品載置棚に着脱できて便利である。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、物品の投入個数又はピッキング個数を表示する表示部と、物品の投入個所又はピッキング個所を指示するとともに投入完了又はピッキング完了後に前記開閉扉を閉じるためのランプ付きスイッチとを備えたから、誤った物品を投入またはピッキングしたり、誤った個数を投入又はピッキングしたりという誤作業をいっそう減らすことができる。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、物品の種類及び投入個数又はピッキング個数が指示されたとおりか否かを確認する確認手段を備えたから、誤った物品を投入したり、誤った個数を投入したりという誤作業を略完全に無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例に係る誤作業防止装置を備えた物品仕分システムの斜視図である。図2は、前記誤作業防止装置の主要部の斜視図である。図3は、前記誤作業防止装置の主要部の縦断面図である。
【0025】
本実施例の誤作業防止装置を備えた物品仕分システムは、図1に示したように、複数段の物品載置棚12を有し、さらに物品載置棚12を複数の区画14に分割した仕分棚10と、各区画14の前面に設けられた開閉扉30を有する誤作業防止装置20と、開閉扉30の開閉を制御するコントローラ50とを備える。そして、誤作業防止装置20を仕分棚10に着脱自在とした。これにより、仕分棚10には既存の棚を使用できるようになって、従来よりも安価な物品仕分システムが得られる。仕分棚10には、物品を載せる物品載置棚12を複数段有する棚であれば、たいていの既存の棚が利用できる。物品載置棚12を複数の区画14に分割するには、特に仕切り等を設ける必要はないが、トレー16を置いて、投入した物品が隣接する区画14内に混入しないようにするとよい。
【0026】
誤作業防止装置20は、図2及び図3に示したように、物品載置棚12に着脱自在に固着するための固着部22と、固着部22の前端から下方へ延びる前面部24に設けられた一対のブラケット26に軸支された回転軸28と、回転軸28に基部が固着された開閉扉30と、開閉扉30を開閉するエアシリンダ32とを備える。開閉扉30は、通常は重力によりストッパ(図示省略)に当接するまで下方へ回動していて、各区画14を閉じている。
【0027】
固着部22は、磁化された鉄板又は磁石を取り付けられた平板であり、物品載置棚12が鉄製であれば、磁力で物品載置棚12に工具無しに固着できるようになっている。木製等の非磁性体の物品載置棚12にも固着できるように、固着部22には、ねじ孔(図示省略)も設けられる。
【0028】
開閉扉30は、従来のものと同様に、回転軸28に基部を固着して長方形の枠34を構成し、この枠34に繊維等で補強されたビニール等の透明シート36を貼ったものである。
【0029】
固着部22の前端は下方へ折り曲げられた前面部24になっており、この前面部24は物品載置棚12の下方まで突出しており、前面部24の物品載置棚12の下方まで突出した部分に、ブラケット38を介してエアシリダ32の前端が固着される。エアシリンダ32は、コントローラ50とエアチュ−ブ(図示省略)で接続されていて、従来のものと同様に開閉制御される。
【0030】
開閉扉30の基部を固着した回転軸28には、側面から見て後部が凹んだ三日月形のレバー40が下方に延びように固着されており、レバー40の後面凹部40aにエアシリンダ32のロッド32aの頭部32bを当接させている。エアシリンダ32にエアを送って、ロッド32aを前方へ移動させてレバー40を押圧すると、重力に抗して開閉扉30を開けることができる。逆にエアシリンダ32からエアを抜いて、ロッド32aを後方へ移動させると、重力により開閉扉30を閉めることができる。
【0031】
本実施例の誤作業防止装置20は、コントローラ50からの指令により指定された区画14の開閉扉30のみを開けるものであるから、誤った区画14に物品を誤投入することを確実に防止できる。しかも、誤作業防止装置20は、仕分棚10に着脱自在であるから、既存の棚を利用することが可能で、従来のものより安価に物品仕分システムを得ることができる。しかも、既存の棚を利用することにより、従来のラインを大きく変更する必要がなくなるうえ、既存の棚を廃棄する必要もなくなるので、いっそうコスト削減が可能になるとともに、資源の節約と地球環境維持にも貢献できる。
【0032】
また、レバー40が側面から見て後部が凹んだ三日月形をしているため、レバー40の後面凹部40aに当接するエアシリンダ32のロッド32aを前方へ移動させると、レバー40が直線状のものよりも、開閉扉30を水平より大きく開けることができるので、物品の投入が容易である。さらに、レバー40の後面凹部40aにエアシリンダ32のロッド32aの頭32bを当接させているだけであるので、停電や故障で誤作業防止装置が動作しない場合や、誤った物品を投入した場合等には、手動で開閉扉30を開けて物品を投入したり取り出したりすることができる。
【0033】
この他、誤作業防止装置20は、コントローラ50からの指示で物品の投入個数を表示する表示部42と、物品の投入個所を指示する投入ランプと作業員が押すことにより物品の投入完了をコントローラ50に知らせる投入完了スイッチを兼ねるランプ付きスイッチ44とを、各区画14の前面に着脱自在に固着している。本実施例では、表示部42及びランプ付きスイッチ44は、粘着テープにより物品載置棚12の前部に工具無しに固定できるようにした。もちろん、これらは物品載置棚12にねじ等の適宜固着手段によって固着してもよい。
【0034】
また、コントローラ50は、作業員に音声で指示や警報等を与える音声出力部52と、作業員に画像で指示や警報等を与える画像表示部54を備えている。コントローラ50は、指定された物品を投入する区画14、該区画14に投入する物品の個数等を把握しているので、物品投入に先立って、物品を投入する区画14の表示部42には物品の投入個数を表示させ、ランプ付きスイッチ44を点灯させ、音声出力部52から物品の種類及び投入個数を音声出力させ、そして、画像表示部54にも物品の種類及び投入個数を出力する。作業員は、物品の投入を完了すると、ランプ付きスイッチ44を押して、物品の投入完了をコントローラ50に知らせ、ランプ付きスイッチ44を消灯させる。
【0035】
この物品仕分システムは、表示部42、ランプ付きスイッチ44及び音声出力部52を備えることにより、誤った物品を投入したり、誤った個数を投入したりという誤作業をいっそう減らすことができる。特に音声出力部52を設けたことにより、通常は表示部42を見る必要がなくなり、作業速度を上げることができる。ただし、騒音等により音声は聞き逃すことがあるので、本実施例では表示部42も備えた。
【0036】
さらに、誤作業防止装置20は、各区画14に投入した物品が指定された種類と個数に合致しているか否か確認する確認手段(図示省略)とを備える。この確認手段は、物品載置棚12の上に置かれる重量センサであって、投入された物品の総重量をコントローラ50に送るものである。コントローラ50は、その総重量が投入した物品について指定された種類と個数に合致しているか否か監視している。投入した物品の種類又は個数に誤りがある判断したときは、音声出力部52から音声で警報を出すとともに、画像表示部54にもエラーの内容とエラーを解消させるための処理を表示する。このときは、作業員は画像表示部54の表示に従ってエラー処理をする。この確認手段を備えることにより、誤った物品を投入したり、誤った個数を投入したりという誤作業を略完全に無くすことができる。ただし、確認手段は、コスト削減のためには省略することも可能である。
【0037】
さらに、各区画14の背面には、仕分けした物品の排出個所を指定するランプ(図示省略)と物品の排出をコントローラ50に報告する報告ボタン(図示省略)を設けてもよい。これにより、前方から物品の投入と後方から物品の排出が同時にできて、仕分作業のスピード化が図れる。
【0038】
ところで、本発明は、前記実施例に限定されず、例えば、次のように種々の変形が可能である。たとえば、前記実施例は、各種商品を出荷先別に仕分けする物品仕分システムとして説明したが、コントーラ50に物品仕分システムに係るプログラムの他に、物品ピッキングシステムに係るプログラムも記憶させておけば、各種商品を出荷先別に収集する物品ピッキングシステムとしても利用できる。物品ピッキングシステムの場合、各区画14からピッキングした物品が指定された種類と個数に合致しているか否か確認する確認手段は、各区画14に配置するのではなく、コントローラ50に接続された1台の重量計(図示省略)でよく、ピッキングした物品を重量計に載せることで、物品が指定された種類と個数に合致しているか否か確認することができる。コントローラ50は、ピッキングされた物品が指定された種類と個数に合致していることを確認したら開閉扉30を閉めて、さらに誤ってピッキングすることを防止する。もし、ピッキングされた物品が指定された種類と個数に合致していない場合は、画像表示部54にエラーを表示するとともに音声出力部52から警報を出して、作業員にエラー処理を要求する。
【0039】
また、前記実施例では、開閉扉28を開閉するためのアクチュエータとしてエアシリンダ32を用いたが、この他、電動モータ、油圧シリンダ等、適宜アクチュエータの使用が可能である。さらに、前記実施例ではエアシリンダ32を固着部22の前面部24に固着したが、エアシリンダ32に物品載置棚12への着脱自在な固着手段を備えて、エアシリンダ32を物品載置棚12に直接固着するように設計変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例の誤作業防止装置を備えた物品仕分システムの斜視図である。
【図2】前記誤作業防止装置の主要部の斜視図である。
【図3】前記誤作業防止装置の主要部の縦断面図である。
【図4】従来の物品仕分システムの斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10 仕分棚
12 物品載置棚
14 区画
20 誤作業防止装置
22 固着部
28 回転軸
30 開閉扉
32 エアシリンダ(アクチュエータ)
40 レバー
42 表示部
44 ランプ付きスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区画に分割された仕分棚を有する物品仕分システムまたは物品ピッキングシステムにおいて、誤った物品の投入またはピッキングを防止するための誤作業防止装置であって、
前記誤作業防止装置は、前記仕分棚に着脱自在であり、前記仕分棚の各区画の物品載置棚に着脱自在に固着される固着部と、該固着部の前部に軸支された回転軸と、該回転軸に固着された開閉扉と、前記回転軸に固着されて下方へ延びるレバーと、該レバーの後部を押圧するアクチュエータとを備えたことを特徴とする物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置。
【請求項2】
前記レバーは、側方から見て後部が凹んだ三日月形をしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置。
【請求項3】
前記固着部は磁力によって前記物品載置棚に固着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置。
【請求項4】
物品の投入個数又はピッキング個数を表示する表示部と、物品の投入個所又はピッキング個所を指示するとともに投入完了又はピッキング完了後に前記開閉扉を閉じるためのランプ付きスイッチとを備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置。
【請求項5】
物品の種類及び投入個数又はピッキング個数が指示されたとおりか否かを確認する確認手段を備えたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の物品仕分システム又は物品ピッキングシステム用の誤作業防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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