説明

物品供給装置

【課題】直線的な物品の流れによるコンベヤによって横向きに姿勢変換した集合物品として供給することができる装置を提供する。
【解決手段】2列の整列コンベヤ12,12から送り出された所定個数の物品Wは、合流コンベヤ16のコンベヤ搬送中心に向けて幅寄せされる。合流コンベヤ16から縦向き姿勢で送り出された物品Wは、姿勢変換コンベヤ24の入口で物品Wの到来順に物品Wの進路が変位され、姿勢変換コンベヤ24の下部送りベルト26で載置搬送される過程で、側部が転向ベルト28の斜行部28aに当接し、また先頭物品Wの前側が下部送りベルト26より低速で移動する規制部材36に当接しつつ搬送されることで、コンベヤの搬送中心に向けて幅寄せされつつ縦向き姿勢から横向き姿勢に変換される。そして、横向き姿勢が維持されたまま整列物品Wとして供給コンベヤ40に送り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横形製袋充填機等からなる包装機の供給コンベヤに物品を所定個数毎の整列状態で供給する物品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロールパン等の物品を横形製袋充填機からなる包装機の供給コンベヤに所定個数ずつ整列して送り込む装置として、例えば本件出願人の先の出願に係る特許文献1に開示の装置では、複数の搬送コンベヤを直列に配置してアキューム部を構成し、上流側から供給される物品をアキューム部から所定個数毎に供給コンベヤに向けて送り出すようになっている。
【0003】
特許文献1の装置によれば、上流側からアキューム部に供給された物品は、包装機の供給コンベヤに直線的に送り込まれるよう構成されている。このことから、ロールパンのように縦横のサイズが異なる物品を、その長手方向が搬送方向と交差する姿勢として供給コンベヤに送り込んで、包装する物品を横向き姿勢とするためには、供給コンベヤによる搬送中に人手によって物品の向きを手直しする作業が必要となる。
【0004】
そこで、本件出願人は、人手を介することなく物品の姿勢を横向き姿勢で集合して包装機の供給コンベヤに供給することができる物品供給装置を、特許文献2として提案した。この特許文献2に開示の装置では、物品を長手方向が搬送方向前後となる縦向き姿勢で一列化するように搬送するプールコンベヤの終端から物品を1個ずつ直交する方向へ切出し手段で切り出して、包装機の供給コンベヤに対して物品を長手方向が搬送方向と交差する横向き姿勢となるように整列コンベヤで所定個数毎に集合整列した後、供給コンベヤの側部に搬送した整列物品を横送り手段で供給コンベヤに横送りすることで、供給コンベヤに横向き姿勢で集合された物品が供給されるようになっている。
【特許文献1】特開2006−89270号公報
【特許文献2】特開2007−131373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献2の装置では、物品の姿勢を変換するために物品搬送ラインを交差するように各種コンベヤを組み合わせているため構成が複雑になると共に、切出し手段や横送り手段等の多数の手段を配設することから装置が大型化し、大きな設置スペースが必要となるばかりでなく、装置コストが比較的高価となる等の問題があった。
【0006】
本発明は、従来の技術に内在する前記課題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、例えばロールパンのように軟らかく個々のサイズや形状が不揃いな縦長物品を、直線的な物品の流れによるコンベヤによって横向きに姿勢変換した集合物品として供給することができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の物品供給装置は、
1列または2列で受け入れた物品を複数個毎に集合して搬送する下部送りベルトと、
該下部送りベルトとの速度差を設定し、該下部送りベルトで搬送される物品の側部に当接して転向力を付与するよう搬送方向下流側に向けて搬送中心方向へ傾斜する斜行部を備えた転向ベルトと、
前記下部送りベルトで搬送される先頭物品の前方に当接し下部送りベルトより低速で前進移動する規制部材とからなる姿勢変換コンベヤを備えたことを特徴とする。
これによれば、下部送りベルトでの搬送途上で前後に当接して整列した物品の整列状態が乱れることなく物品の向きを変換し得るから、装置を小型化して設置スペースの省スペース化を図ることができると共に、装置コストも低減できる。また、規制部材で物品の向きが必要以上に変換されるのを規制するから、適正な姿勢で整列した状態の物品を送り出すことができる。すなわち、例えばロールパンの如き縦横のサイズが異なり、またサイズが物品毎に不揃いでその形状も不定形であり、またその側面が円弧部により形成され、なおかつ軟らかい食品等からなる物品が、縦向き姿勢で移送されてきたものを、複数個数ずつ横向き姿勢にして送り出すことができ、人手による姿勢変更の手直し作業を軽減し得る。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記下部送りベルトに所定間隔毎に縦向き姿勢で送り込まれる複数の物品の到来順に物品の側部との当接位置を変化させて、その下流側での物の横向き姿勢への変換動作を補助する補正手段を配設したことを要旨とする。
これによれば、所定個数の各物品の通過順に接触する位置を変化させて、各物品が横向きに転向するときの物品同士の接触抵抗でロールパンの如き軟らかい物品の変形等を防止すると共に、その横向き姿勢への転向を容易になし得る。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記規制部材は、その前進移動中において一時的に徐行して、下部送りベルトに2列で受け入れて複数に集合した物品の搬送姿勢を乱すように動作するよう設定されたことを要旨とする。
これによれば、複数の物品相互の姿勢を乱して、搬送途上において各物品相互間に隙間ができない程度に押し寄せられて集合した物品として下流側に搬送し得る。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記姿勢変換コンベヤに向けて所定個数毎の物品を1列で送り出す整列コンベヤを2列配設し、
前記転向ベルトは、各整列コンベヤの列に対応して物品をコンベヤの搬送中心に向けて幅寄せ案内し得るよう相互の間隔を変更調節可能に構成し、
前記整列コンベヤの各列から1列の物品数毎に交互に送り出すよう設定したことを要旨とする。
これによれば、物品の供給列数を1列と2列に簡単に切換えることができる。また、物品サイズが変更された場合は、一対の転向ベルトの間隔を調節することで、物品の向きを変換し得ると共に、コンベヤの搬送中心に向けて物品を安定して移動させ得る。更に、一方の整列コンベヤのみで物品数が減少することはなく、両整列コンベヤの搬送効率を高めることができる。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記姿勢変換コンベヤに向けて物品を1個ずつ載置して搬送し得る搬送方向に並ぶ複数のコンベヤからなる整列コンベヤを配設し、該整列コンベヤは、最下流側から上流側に向けた1列分の物品数に対応した数のコンベヤの同時走行にて物品を連続して送り出すように走行制御するよう設定したことを要旨とする。
これによれば、高速搬送処理時においても、物品を1列分の個数毎に確実に切り離して姿勢変換コンベヤへ供給することができる。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記姿勢変換コンベヤの下流側には、該姿勢変換コンベヤの搬送速度より低速で走行する供給ベルトと、搬送路の左右に配設されて供給ベルトと同速で走行し、物品の一側部を案内し得るよう相互の間隔を変更調節可能な一対のサイドベルトとを備えた供給コンベヤを接続したことを要旨とする。
これによれば、一定間隔毎に設けた押送アタッチメントによって仕切られたコンベヤを用いないので、品種変更時において、1列に集合する物品数を変更するのに伴って必要となる押送アタッチメントの配設ピッチの変更作業や押送アタッチメントを1つおきに使用するための自動切換え機構等の設置を必要としない。また、一対のサイドベルトによって、物品の整列姿勢を乱すことなく安定して搬送し得る。更に、物品サイズや配列数が変更された場合は、一対のサイドベルトの間隔を調節して対応し得る。
【0013】
請求項7に係る発明では、前記供給コンベヤは、連続移送される筒状フィルム中に物品を供給する横形製袋充填機における供給コンベヤであって、
該供給コンベヤの搬送途上で物品の搬送遅れを検出手段で検出して、その遅れに応じて筒状フィルムの移送速度を減速制御するよう設定したことを要旨とする。
これによれば、物品の搬送遅れに応じて筒状フィルムの移送速度を減速することで、筒状フィルムに対して常に適正な位置に物品を供給することができる。しかも、多数の押送アタッチメントを所定間隔毎に設けたコンベヤを用いないので、物品の搬送遅れに対して、押送アタッチメントの1ピッチ分の遅れが発生することはなく、押送アタッチメントを備えた供給コンベヤが配設された横形製袋充填機よりも生産効率を向上できる。
【0014】
請求項8に係る発明では、前記姿勢変換コンベヤは、前記下部送りベルトおよび規制部材との夫々を複数連続するよう構成したことを要旨とする。
これによれば、複数組毎の物品を規制して整列した状態で定間隔で連続して送り出すことができるから、高速処理に対応し得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る物品供給装置によれば、直線的に搬送される途上で物品の向きを変換して集合した物品を所定間隔毎に送り出すことができ、装置を小型化して設置スペースを小さくし得ると共に、装置コストを低減し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明に係る物品供給装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、物品として、縦横でサイズが異なり、またサイズが物品毎に不揃いでその形状も不定形であり、またその側面が円弧部により形成され、なおかつ軟らかいロールパンを例示してある。
【実施例】
【0017】
図1は、実施例に係る横形製袋充填機からなる包装機の供給コンベヤに物品を供給する物品供給装置の全体構成を示すものであって、該物品供給装置は、上流側から順に蓄積コンベヤ10、整列コンベヤ12、合流コンベヤ16、姿勢変換コンベヤ24、供給コンベヤ40が夫々接続され、物品Wの品種等によって、1列または2列に整列集合された所定個数毎の物品Wを、後述する筒状フィルムfに向けて供給するようになっている。物品供給装置は、前工程から搬送されてくる縦横のサイズの異なる物品Wを搬送する2列の蓄積コンベヤ10,10の下流側に、各蓄積コンベヤ10に対して複数の整列コンベヤ12が夫々直列に接続される。各整列コンベヤ12には、物品Wがその長手方向を搬送方向の前後とする縦向き姿勢で蓄積コンベヤ10から供給され、該整列コンベヤ12に所定個数の物品Wをその前後に隙間を形成した状態で1列にして溜めることができるようになっている。
【0018】
前記各整列コンベヤ12は、サーボモータによって物品Wの処理数に応じて変速制御可能な複数のコンベヤを直列に接続して構成される。各整列コンベヤ12は無端ベルトに吸引孔11を走行方向に所定間隔毎に穿設すると共に、該吸引孔11を介して作用する吸引力によって物品Wを吸着保持して搬送するよう構成されている。そして、各整列コンベヤ12に送り込まれる物品Wの搬送位置をセンサで検出し、物品Wの搬送位置に応じてコンベヤ速度を変速し、物品Wを所定距離離間して下流側に接続された前記合流コンベヤ16へ送り出すよう構成される。
【0019】
実施例では、各整列コンベヤ12は、物品Wを1個づつ載置して下流側に搬送するよう構成されており、物品Wの1列の集合数に対応して最下流側から上流側へ所定数分の整列コンベヤ12に物品Wが溜められたことがセンサで検出されることで、それらの整列コンベヤ12が同時に走行して、複数の物品Wを前記合流コンベヤ16に送り出すよう設定してある。なお、この構成における各整列コンベヤ12の数は、包装機で集合包装する物品Wの列毎の最大集合個数以上であればよい。
【0020】
前記各列の整列コンベヤ12,12は、前記姿勢変換コンベヤ24で搬送される物品Wの列数に応じて、複数の物品Wを同時に送り出す走行制御状態と、所定個数毎の物品Wを交互に送り出す走行制御状態とに切換えられる。すなわち、供給コンベヤ40で筒状フィルムfに向けて供給する物品Wの列数が2列の場合(図1参照)には、左右の整列コンベヤ12,12から所定個数毎の物品Wが夫々同時に前記合流コンベヤ16に送り出されるように走行制御され、供給コンベヤ40での物品Wの供給列数が1列の場合(図2参照)には、左右の整列コンベヤ12,12から所定個数毎の物品Wが交互に合流コンベヤ16に送り出されるように走行制御される。
【0021】
なお、この整列コンベヤ12としては、例えば特公平8−15932号公報、特許第2556680号公報、特開2004−75213号公報および特開2006−89270号公報等に開示された技術の如く、例えば上流側のコンベヤから物品が送り込まれる毎に下流側のコンベヤを間欠走行することで1基のコンベヤに複数の物品を集合するよう構成し、物品の1列の集合数に対応する数分の物品が複数基のコンベヤに亘って溜められたことがセンサで検出されることで、それらのコンベヤを同時に走行して複数の物品を送り出したり、あるいは最下流側のコンベヤに同様の制御により1列の集合数に対応する物品を集合するよう構成し、該コンベヤに集合数の物品が溜められたことがセンサで検出されることで、該コンベヤを走行して複数の物品を送り出す等、その他の公知のものを採用できる。
【0022】
前記2列の整列コンベヤ12,12の下流側には、合流コンベヤ16が直列に接続され、各整列コンベヤ12から合流コンベヤ16に受渡された物品Wを、当該合流コンベヤ16の搬送過程で縦向き姿勢のままコンベヤの搬送中心に向けて移動し得るよう構成される。合流コンベヤ16は、物品Wの処理数に応じて変速制御可能な駆動モータにより走行駆動されて物品Wを搬送する搬送ベルト18と、該搬送ベルト18の上方においてコンベヤの搬送中心を挟んで左右に離間する一対のガイドベルト20,20とを備える。各ガイドベルト20は、搬送方向に離間する一対のプーリ22a,22b間に回転可能に巻掛けられて、ベルト面が搬送ベルト18で載置搬送される物品Wの側部に当接して案内し得るよう構成される。各ガイドベルト20は、駆動モータにより搬送ベルト18の走行速度と同度で走行駆動するよう設定される。また各ガイドベルト20は下流側の相互間隔が狭くなるよう傾斜配置され、物品Wが下流側に搬送されるにつれて搬送路の中央寄りに幅寄せされるようになっている。
【0023】
一対のガイドベルト20,20は、調節用ネジ機構とその操作ハンドル等からなる間隔調節手段により、相互間隔を調節し得るよう設定されると共に、各ガイドベルト20は、上流側のプーリ22aを支点として下流側のプーリ22bを移動手段によってコンベヤの搬送中心に対して近接・離間移動することで、ベルト面の傾斜角度を調節し得るよう構成してある。
【0024】
なお、合流コンベヤ16は、最下流に配置した整列コンベヤ12の出口と姿勢変換コンベヤ24の入口との物品Wの搬送位置関係によって必要に応じて設置するものであって、2列の整列コンベヤ12,12の列間距離が短かく設定されている場合や、2列の物品W,Wを1列化しない場合などで整列コンベヤ12出口と姿勢変換コンベヤ24入口とでの物品Wの搬送方向と交差する方向の搬送位置の変化量が小さいとき、あるいは姿勢変換コンベヤ24の物品搬送距離を合流コンベヤ16での搬送距離に相当する分について長く設定するなどにより、合流コンベヤ16を省略し、整列コンベヤ12,12の下流側に姿勢変換コンベヤ24を直接接続するようにしてもよい。
【0025】
前記合流コンベヤ16の下流側に接続される姿勢変換コンベヤ24は、物品Wの処理数に応じて変速制御可能な駆動モータにより走行駆動するよう設定されて物品Wを載置搬送する下部送りベルト26と、該下部送りベルト26の上方においてコンベヤの搬送中心を挟んで左右に離間するよう配設された一対の転向ベルト28,28と、下部送りベルト26を挟んで左右に離間する一対の無端チェン等の索体34,34間に橋架された規制部材36を走行方向に所定間隔で備えた規制手段38を有する。前記転向ベルト28は、搬送方向に離間する一対のプーリ30a,30b間に回転可能に巻掛けられて、ベルト面が物品Wの側部に当接し得るよう構成されると共に、物品Wの処理数に応じて変速制御可能な駆動モータにより下部送りベルト26との走行速度差が設けられている。また、転向ベルト28における物品Wの当接案内面は、上流端から下流側へ向けた所定区間に亘り下流側に向けてコンベヤの搬送中心方向に傾斜するよう設定された斜行部28aと、該斜行部28aの終点から下流側に向けて搬送方向に沿って平行に延びる直行部28bとが設けられる。すなわち、前記斜行部28aは、図1に示す如く、転向ベルト28が上流側のプーリ30aよりコンベヤの搬送中心側でかつ下流側のプーリ30bと搬送方向に整列した位置に配置された案内ローラ32に巻掛けられて、上流側のプーリ30aと案内ローラ32との間でベルト面が搬送方向に対して所定角度で傾斜するようになっている。また前記直行部28bは、前記案内ローラ32と下流側のプーリ30bとの間で対向する転向ベルト28,28の相互のベルト面が搬送方向に沿って平行に延在するよう構成される。すなわち、下部送りベルト26で載置搬送される物品Wは、側部が転向ベルト28の斜行部28aに当接して搬送されることで、コンベヤの搬送中心に向けて幅寄せ移動されると共に、該物品Wを縦向き姿勢から長手方向が搬送方向と交差する横向き姿勢に転向する回転力が付与される。
【0026】
一対の転向ベルト28,28は、調節用ネジ機構とその操作ハンドル等からなる間隔調節手段により、物品Wの列数や物品Wのサイズに応じて相互間隔を調節し得るよう設定されると共に、各転向ベルト28は、上流側のプーリ30aを支点として前記案内ローラ32を移動手段によってコンベヤの搬送中心に対して近接・離間移動することで、前記斜行部28aの傾斜角度を調節し、また下流側のプーリ30bの位置を調節することで、直行部28bの設定と直行部28bの搬送方向に向けた長さとを調節し得るよう構成してある。なお、転向ベルト28,28における直行部28b,28bの相互離間間隔は、下流側に接続される供給コンベヤ40で搬送される1列または2列の物品Wの左右幅に応じて間隔調節されるサイドベルト44,44の間隔値に応じて設定されるようになっている。また、転向ベルト28の斜行部28aの傾斜角度、斜行部28aの長さ、直行部28bの長さまたは直行部28bの有無については、姿勢変換すべき物品Wの形状や重さ、その他の性状に応じて適宜設定される。
【0027】
前記規制手段38は、索体34,34をサーボモータ等からなる変速制御可能な駆動モータで駆動することで、規制部材36が、下部送りベルト26の載置面と前記転向ベルト28,28の下部に設けた隙間を前進移動した後に搬送路外となる下方に向けて移動するよう構成される。そして規制手段38は、前記合流コンベヤ16から姿勢変換コンベヤ24へ物品Wが受渡される適宜のタイミングに合わせて、所定個数毎の物品Wの先頭物品Wより前方に位置して下部送りベルト26の走行速度より低速で搬送方向に移動するよう駆動制御される。また、規制部材36により複数個毎の物品Wの前進移動を規制中において、前記駆動モータを更に低速に変速して走行する変速前進移動を行なうことが可能に設定されている。これにより、前記物品Wは、下部送りベルト26と規制部材36との速度差と前記転向ベルト28による回転力を受けて先頭物品Wの前側が規制部材36に当接した状態で下流側に搬送されると共に、各物品Wは物品Wの短手方向が夫々前後方向を向く横向き姿勢に転向されて搬送方向の前後端部が接触状態で整列し、その整列物品Wが、下流側に接続される供給コンベヤ40に送り出されるようになっている。
【0028】
前記両転向ベルト28,28の上流端は、前記下部送りベルト26の上流端より下流側に位置するよう設定されている。そして、姿勢変換コンベヤ24における各転向ベルト28,28の上流位置に、コンベヤの搬送中心を挟んで左右に離間する一対の補正手段56,56が配設される。該補正手段56は、搬送方向上流側の回動支点によって水平回動自在に配設された作動アーム58を備え、該作動アーム58がサーボモータ等からなる駆動モータで傾動されるよう構成される。図4に示すように作動アーム58は、所定間隔で到来する各物品Wが到来順に、その傾動位置を第1位置(L1)と第3位置(L3)との間において連続的に往復動するよう設定されている。なお、作動アーム58の回動位置と作動範囲は、実際の物品Wの姿勢変化状態によってサーボモータの回転量が適正値に設定される。
【0029】
前記姿勢変換コンベヤ24の下流側に、横形製袋充填機の供給コンベヤ40が直列に接続される。供給コンベヤ40は、姿勢変換コンベヤ24によって横向き姿勢に転向されて搬送されてきた整列物品Wを、下流側に配設された製袋手段60で成形される筒状フィルムf(図3参照)に向けて供給するよう構成されている。
【0030】
前記供給コンベヤ40は、図1に示す如く、コンベヤの搬送中心を挟む左右に離間して並列に配置され、サーボモータ等の駆動モータにより連続的に走行されて物品Wを載置搬送する2列の供給ベルト42,42と、物品搬送路の左右両側で物品Wの側面を案内し得るよう左右に離間して配置され、サーボモータ等の駆動モータにより供給ベルト42,42と同速で走行する一対のサイドベルト44,44とを備える。なお、供給ベルト42,42の走行速度は、前記姿勢変換コンベヤ24の搬送速度(下部送りベルト26の走行速度)より低速に設定され、姿勢変換コンベヤ24から1列または2列の整列状態で受け入れた物品Wを、その整列姿勢を維持して筒状フィルムfに向けて搬送し得るよう構成される。
【0031】
前記一対のサイドベルト44,44は、コンベヤの搬送中心に対して近接・離間移動可能に構成され、調節用ネジ機構とその操作ハンドル等からなる間隔調節手段によって、物品Wの列数や物品Wのサイズに応じて両サイドベルト44,44の相互間隔を調節し得るよう設定されている。
【0032】
前記供給コンベヤ40の下流側には、前記2列の供給ベルト42,42の各列の離間部に、各供給ベルト42に跨がって1列に整列して載置された物品Wを筒状フィルムfに向けて押送する押送コンベヤ46が配置されている。この押送コンベヤ46は、サーボモータ等の駆動モータの駆動によって走行するものであって、図3に示す如く、搬送方向に走行する歯付き無端ベルト等の索体48に押送部材50が所定間隔毎に(実施例では2つ)配設され、該押送部材50は、上流側から所定間隔毎に搬送されてくる整列物品Wが到来するのに合わせて供給ベルト42,42の搬送面の上方に突出して該整列物品Wを前記製袋手段60の下部に配設された渡りコンベヤ62へ押送した後に搬送面から没するよう設定されている。なお、押送コンベヤ46における押送部材50の移動速度は、少なくとも物品Wを押送する際には供給コンベヤ40の搬送速度より高速に設定されると共に、筒状フィルムfの送り位置と同期した物品送り位置となるよう駆動制御される。押送コンベヤ46は、例えば複数個のロールパンの1列包装のように物品Wを必要最小限のフィルム長さで包装するに際して物品間に隙間が生ずることなく筒状フィルムf中に送り込むためのものであって、ロールパンの1列と2列の兼用包装を行なう際に、2列の整列物品Wを供給コンベヤ40から筒状フィルムfに向けて搬送するよう設定したときには、前記押送部材50が搬送面から没した状態で停止保持されて、整列物品Wの搬送が阻害されることがない。
【0033】
前記供給コンベヤ40による整列物品Wの搬送途上において、整列物品Wを検出する検出手段52が配設され、筒状フィルムfの送り位置との関係において該検出手段52による整列物品Wの検出タイミングに遅れが生じていることが検出されると、その物品Wの搬送遅れに対応して筒状フィルムfの移送速度を減速して、筒状フィルムfの適正な物品供給位置に整列物品Wが供給されるようにフィルム移送手段が駆動制御される。
【0034】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る包装機の物品供給装置の作用につき説明する。なお、以下の説明では、1列が3個づつで2列に集合した6個の物品Wを供給する例と、3個の物品Wを1列に集合して供給する例、並びに10数個(例えば10個)の集合物品を列化することなく隙間なく集合して供給する例とを挙げて説明する。なお、1列当りの物品数は3個以外の複数で、また列毎に異なる集合数とした整列物品Wの供給に適用することができる。また前記補正手段56は、集合数が3個の場合に合わせて、作動アーム58を第1姿勢、第2姿勢および第3姿勢に連続的に変化するように設定されているものとする。
【0035】
〔供給コンベヤに2列で集合した整列物品を供給する場合について〕
図1に示す如く、前記両蓄積コンベヤ10,10に蓄積された物品Wは縦向き姿勢で各整列コンベヤ12に送り込まれて下流側に順次搬送され、最下流の整列コンベヤ12から上流側に向けて3番目までの各整列コンベヤ12に物品Wが1個づつ載置されて溜められる。
【0036】
2列の所定数分(各列3個づつ)整列コンベヤ12,12に物品Wが溜められたことが検出手段で検出された後の、前記合流コンベヤ16への物品送り出しタイミング(筒状フィルムfの送り位置と同期した物品Wの搬送位置となし得る時期)に合わせて最下流側から上流側に向けた3番目までの整列コンベヤ12が一斉に走行制御され、各列3個の物品Wが一度に合流コンベヤ16に向けて送り出される。なお、整列コンベヤ12は吸着コンベヤで構成してあるから、高速搬送時においてもロールパン等の物品Wの姿勢の変化や物品Wの滑り等を防止して、合流コンベヤ16に対して所定個数毎に物品Wを一定間隔に整列した状態で送り出すことができる。
【0037】
各整列コンベヤ12から合流コンベヤ16に受渡された物品Wは、搬送ベルト18に載置されて搬送される過程で、対応するガイドベルト20に側部が当接案内されてコンベヤの搬送中心寄りに移動される。すなわち、左右に離間している各列の物品Wが相互にコンベヤの搬送中心寄りに幅寄せされる。なお、搬送ベルト18およびガイドベルト20の走行速度は同一に設定してあるから、各列3個の物品Wは、ガイドベルト20の傾斜に沿った縦向き姿勢となって前後の物品W,Wの間隔を維持した整列状態で下流側に搬送される。
【0038】
前記合流コンベヤ16で幅寄せされた各列の物品Wは、縦向き姿勢で姿勢変換コンベヤ24における下部送りベルト26に受渡されて搬送される。各列の先頭物品Wから順に第2番目ならびに第3番目となる複数の物品Wの到来順に作動アーム58の傾動位置が変化することで作動アーム58に側部が当接案内されて通過する物品Wの下流側に向けた進路がコンベヤの幅方向に順次変更されるように設定される。ここで、作動アーム58の動作は、下部送りベルト26の走行速度に対する転向ベルト28の走行速度との関係によって以下のとおり異なる動作を行なうように設定されている。
【0039】
(下部送りベルトの走行速度に対して転向ベルトの走行速度が遅い場合)
前記作動アーム58は、図4(a)に示すように、各列の物品Wの到来に合わせて、コンベヤの搬送中心寄りとなる第1位置(L1)から外側方に向けた第3位置(L3)まで連続的に傾動するように設定されており、各列の第1番目に縦向き姿勢で到来する物品Wは、第1位置(L1)に傾動された作動アーム58に側部が当接案内されて通過し、上流側からの搬送進路がコンベヤの搬送中心寄りに変化して下流側に向けて搬送される。次に、第2番目の物品Wが作動アーム58の側方に到来するのに合わせて、作動アーム58は連続的な傾動によって下流端をコンベヤの搬送中心から外側方へ向けた第2位置(L2)に変化しており、該作動アーム58に側部が当接案内される第2番目の物品Wの進路は第1番目の物品Wより外側方の位置に変更される。続く第3番目の物品Wの到来に合わせて作動アーム58が第2位置(L2)より更にコンベヤの外側方に向けた第3位置(L3)まで傾動し、第3番目の物品Wの側部が作動アーム58に当接案内されることで、第2番目の物品Wよりも更に外側方となる進路に変更されて搬送される。作動アーム58によって搬送進路が順次外側方に向けて変更された物品Wは、下部送りベルト26で下流側に配設された転向ベルト28の斜行部28aに至る。転向ベルト28は下部送りベルト26より低速に走行するよう設定されており、転向ベルト28によって回転力が付与されて回転される物品Wは、その前方がベルト側に向けて寄せ付けられるように外向きに転向する(図4(a)の第2番目の物品Wを参照)。このとき、規制部材36が各列の先頭物品Wより前側に位置して下部送りベルト26の走行速度より低速で移動するので、先頭物品Wの前側が該規制部材36に当接してその前進が規制される。これにより各列の物品Wは、順次横向き姿勢に転向されると共に、横向きになった以後の物品Wの姿勢が規制部材36によって規制された状態で転向ベルト28の斜行部28aから直行部28bへ移行し、コンベヤの搬送中心へ幅寄せされると共に、各物品Wの前後が相互に当接した2列の横向き姿勢で整列集合されて下流側に搬送される。なお、前記補正手段56の動作量が制御によって作動アーム58が物品Wの側部を当接案内する位置を物品Wの到来順にコンベヤの外側方に向けて変更することで、進路が順次変化して転向ベルト28に至った物品Wはその到達順に上流側の物品Wほど外側位置となるよう設定される。
【0040】
(下部送りベルトの走行速度に対して転向ベルトの走行速度が速い場合)
本例では、作動アーム58の動作が先の実施形態とは逆の動作位置に設定されるようになっている。すなわち、作動アーム58は、図4(b)に示すように、各列の物品Wの到来に合わせて、コンベヤの外側方となる第3位置(L3)からコンベヤの搬送中心寄りとなる第1位置(L1)に向けて連続的に傾動するように設定されており、各列縦向き姿勢で到来する第1番目から第3番目までの物品Wは、その下流側への搬送進路がコンベヤの搬送中心寄りに次第に変更されて転向ベルト28の斜行部28aに至る。転向ベルト28は下部送りベルト26より高速で走行するよう設定されており、転向ベルト28によって回転力が付与されて回転される物品Wは、その前方が転向ベルト28のベルトから離間する方向となる内側へ転向する(図4(b)の第2番目の物品Wを参照)。このとき、規制部材36が各列の先頭物品Wより前側に位置して下部送りベルト26の走行速度より低速で移動するので、先頭物品Wの前側が規制部材36に当接してその前進が規制される。以降は前記同様に各列の物品Wは順次横向き姿勢に転向され、規制部材36によって横向き姿勢が規制された状態で整列集合されて下流側に搬送される。なお、前記補正手段56の動作量が制御によって作動アーム58が物品Wの側部を当接案内する位置を物品Wの到来順にコンベヤの内側に向けて変更することで、進路が順次変化して転向ベルト28に至った物品Wはその到達順に上流側の物品Wほど内側位置となるよう設定され、物品Wが転向ベルト28に当接して転向される時に先行物品Wの後方に後続物品Wの前方が接触する位置を上流側の物品Wほど内側位置に設定することができる。
【0041】
なお、前記転向ベルト28の走行速度を下部送りベルト26の走行速度に対して高速または低速に設定する何れの場合においても、下部送りベルト26の始端部から終端部に亘り物品Wを搬送する間において、規制部材36の走行速度を下部送りベルト26より低速に設定された条件下でその前進速度を一時的に複数回脈動させるように変化させるようにすることが一層好ましい。それにより、物品同士が接触して回転するときの接触抵抗を緩和して転向ベルト28による転向動作を一層良好に行なうことができる。
【0042】
前記下部送りベルト26、規制部材36および転向ベルト28の速度差については、例えば規制部材36の走行速度を基準速度として「1」とした場合に、基準速度に対して下部送りベルト26の走行速度は「1.5〜2倍」で、転向ベルト28の走行速度については、下部送りベルト26より高速の場合は「1.5〜2倍」、低速の場合は「0.8倍」に設定される。なお、前記速度差は、上記に限らず物品Wのサイズや形状等の各種条件によって適宜に設定される。
【0043】
そして、前記規制部材36が搬送路外となる下方へ移動して規制が解除されることで、2列の整列物品Wは前記供給コンベヤ40に向けて受渡される。
【0044】
前記供給コンベヤ40における供給ベルト42,42で各列毎の整列物品Wを載置搬送すると共に、一対のサイドベルト44,44で各列の左右一側部が案内されて下流側に配設される製袋手段60に向けて搬送される。なお、供給コンベヤ40における搬送速度は、姿勢変換コンベヤ24での搬送速度より低速に設定されているから、姿勢変換コンベヤ24から供給コンベヤ40への物品受渡し時に、姿勢変換コンベヤ24において前後が当接して整列された物品Wが相互に離間するのは防止される。
【0045】
前記供給コンベヤ40の搬送途上において前記検出手段52が、筒状フィルムfの送り位置との関係において整列物品Wの検出タイミングに遅れが生じていることを検出した場合は、その物品Wの搬送遅れに対応して筒状フィルムfの移送速度を減速する。これにより、整列物品Wは、供給コンベヤ40から渡りコンベヤ62を経て前記製袋手段60によって成形された筒状フィルムf中の適正な位置に送り込まれる。
【0046】
すなわち、姿勢変換コンベヤ24に送り込まれた物品Wを、転向ベルト28の斜行部28aで回転して縦向き姿勢から横向き姿勢に姿勢変換し、その際に物品Wの前方を下部送りベルト26より低速で前進移動する規制部材36で支持するようにしたので、横向きに変換した姿勢で列化された整列状態を維持して搬送でき、搬送中に物品Wの姿勢が乱れて整列状態が変化することを抑制でき、人手による搬送姿勢の手直し作業を軽減し得る。また、コンベヤを直交するよう組合わせる従来の装置に比べて装置を小型化し得ると共に構成を簡単化することができ、設置スペースの省スペース化を図り、かつ製造コストを低減し得る。
【0047】
前記補正手段56によって、複数の物品Wの到来に対応して側部が当接案内されて通過する物品Wの下流側に向けた進路がコンベヤの幅方向に順次変更されるように設定したので、転向ベルト28での物品Wの転向時において、物品同士の接触により転向が妨げられて十分な横向き姿勢に整列できないといった問題を回避できる。
【0048】
具体的には、前記下部送りベルト26に対して転向ベルト28の走行速度が低速に設定された場合においては、補正手段56における作動アーム58は先行物品Wに対して後続物品Wの進路を順次コンベヤの搬送中心寄りの位置からコンベヤ外側方に向けて変更するので、転向ベルト28への到達位置が順次外側方向に変化し、従って上流側の物品Wほど転向ベルト28の斜行部28aへの到達位置が上流側に設定されることによって、長い時間物品Wに転向力を作用させることができて、先行物品Wに接触して回転する時の横向き姿勢への転向不良を防止することができると共に、物品Wの転向時には物品Wの後方が前方側に向けて回動するように作用するので、前進しつつ転向される物品同士が接触して回転が阻害される度合いが著しく低下する。また、この場合において転向ベルト28による物品Wの転向方向は、物品Wの前方がコンベヤ側に寄せ付けられる方向となるので、例えば横形製袋充填機での処理能力が略100袋/分程度となる物品供給時においても、物品Wが転向作用を受けたときに転向ベルト28から飛ばされた弾みで物品Wの表裏が反転してしまったり、あるいは転向を十分に行なうことができないといった整列不良などの発生を防止できて高速搬送処理において推奨される。
【0049】
また、前記下部送りベルト26に対して転向ベルト28の走行速度が高速に設定された場合においては、補正手段56における作動アーム58は先行物品Wに対して後続物品Wの進路を順次コンベヤの外側方から搬送中心寄りとなる方向に向けて変更することで、転向ベルト28の斜行部28aに当接する先行物品Wの後方に後続物品Wの前方が接触する位置は、上流側の物品Wほど搬送中心寄りに変化するようにしたので、先行物品Wと当接して転向ベルト28の回転力を受けた際に、ロールパン等の軟らかい材質の物品が先行物品Wと接触しつつ回転する時に物品同士が食い込んでしまって後続物品Wが横向き姿勢になるのを妨げられてしまい、横向き姿勢に転向されないという問題を防止できる。このように、この補正手段56は、特にロールパン等のように軟らかく個々の物品の形状が不揃いで外側面が円弧に形成された物品の姿勢変換に適用することが効果的である。
【0050】
また、前記供給コンベヤ40は、供給ベルト42,42に物品Wを載置して搬送するよう構成してあるから、整列物品Wの搬送方向長さが変わった場合であっても、多数の供給アタッチメントを所定間隔毎に備えたコンベヤに対してアタッチメントの配設ピッチを変更する等の必要がなく、1列当りの物品数の変更に柔軟に対応することができる。しかも、整列物品Wに搬送遅れが生じた場合であっても、検出手段52で物品Wの到来を検出して筒状フィルムfの移送速度を減速することで、供給アタッチメント1ピッチ分の遅れが発生することがなく、横形製袋充填機での生産効率を向上することができる。
【0051】
更に、前記合流コンベヤ16のガイドベルト20,20、姿勢変換コンベヤ24の転向ベルト28,28および供給コンベヤ40のサイドベルト44,44の夫々は間隔調節可能に構成することで、多品種生産時における物品切換作業を簡単かつ短時間で対応できて生産効率を高めることができる。
【0052】
〔供給コンベヤに1列で集合した整列物品を供給する場合について〕
図2に示す如く、前記姿勢変換コンベヤ24における一対の転向ベルト28,28の相互間隔を、前記直行部28b,28bの離間間隔が物品Wの長手方向の長さ(横向き姿勢となったときの左右方向の長さ)に対応するように調節する。また、前記合流コンベヤ16における各ガイドベルト20の傾斜角度を調節し、合流コンベヤ16から送り出された物品Wが、間隔調節された左右何れかの転向ベルト28に当接し得る位置までコンベヤの搬送中心に向けて移動させ得るように設定する。更に、前記供給コンベヤ40における一対のサイドベルト44,44の相互間隔を、前記一対の転向ベルト28,28における直行部28b,28bの間隔に対応して調節する。
【0053】
1列の整列物品Wを供給する場合では、一方の列の整列コンベヤ12から1列の集合数となる3個の物品Wが送り出された所定タイミング後に、他方の列の整列コンベヤ12から3個の物品Wが送り出される。すなわち、前記合流コンベヤ16には、各列の整列コンベヤ12,12から1列の集合数毎の物品Wが、所定間隔離間するようにして交互に送り出される。そして、左右何れかの側の整列コンベヤ12から送り出された物品Wは、合流コンベヤ16の同じ側のガイドベルト20によってコンベヤの搬送中心寄りに幅寄せされた後、姿勢変換コンベヤ24に送り出される。
【0054】
前記姿勢変換コンベヤ24の下部送りベルト26に受渡された物品Wの進路の変位、姿勢変換、コンベヤの搬送中心への移動および整列集合については、前述したと同様に、合流コンベヤ16の何れか一方のガイドベルト20に沿って送り出された物品Wが、同じ側に配設された補正手段56により、下部送りベルト26の走行速度に対する転向べルト28の走行速度との関係によってコンベヤの外側方に順次移動または搬送中心寄りに順次移動され、転向ベルト28と規制部材36とにより姿勢変換しつつ集合してコンベヤの搬送中心へ向けて幅寄せ移動されると共に、3個づつに1列で整列集合された整列物品Wとして供給コンベヤ40に向けて送り出される。
【0055】
前記供給コンベヤ40の2列の供給ベルト42,42に跨がるように載置された1列の整列物品Wは、一対のサイドベルト44,44で左右両側部が案内されて搬送される。整列物品Wが所定位置に到来したタイミングで前記押送コンベヤ46が作動され、供給コンベヤ40の搬送速度より高速で移動する押送部材50が供給ベルト42,42の搬送面の上方に突出して整列物品Wの後方に位置して該整列物品Wを前記渡りコンベヤ62へ押送し、整列物品Wは渡りコンベヤ62によって前記製袋手段60で成形された筒状フィルムf中に送り込まれる。これにより、3個の物品Wの前後が相互に接触して1列となった整列状態で筒状フィルムf中に供給することができる。このように横形製袋充填機においてロールパンを2列と1列で包装する際には、一般的に2列包装では、ピロー包装後袋口部に結束具を取り付ける包装形態として、包装後の袋長さを内容物に対して余裕を持った寸法に設定するのに対し、1列包装では、結束具を用いないピロー包装形態であることが一般的であり、このようなロールパンの1列と2列との兼用包装に際して1列包装するにあたり、搬送途上で物品間に隙間が形成されたり、各物品Wの姿勢の乱れ等によって集合長が長くなってしまった整列物品Wであっても、押送コンベヤ46によって集合した整列物品Wの隙間をなくして姿勢を矯正したもとで筒状フィルムfに向けて送り込むことができるので、整列物品Wの長さを適正にして必要最小の袋長さとしたタイトなピロー包装品を得ることができる。
【0056】
また、供給コンベヤ40に1列で集合した整列物品Wを供給する場合も、前述した2列で集合した整列物品Wを供給する場合と同様の作用効果を奏する。なお、整列コンベヤ12,12は、1列の物品数毎に交互に送り出すよう設定したから、一方の整列コンベヤ12のみで物品数が減少することはなく、両整列コンベヤ12,12の搬送効率を高めることができる。
【0057】
実施例の物品供給装置では、整列コンベヤ12,12から下流側への物品搬送動作設定を変更すると共に、合流コンベヤ16のガイドベルト20,20の角度調節や、姿勢変換コンベヤ24の転向ベルト28,28および供給コンベヤ40のサイドベルト44,44の間隔調節を行なうだけで、複数個毎に集合した整列物品Wの1列供給と2列供給との切換えを簡単に短時間で行なうことができる。
【0058】
〔10個の物品を隙間が無くなるように集合して供給する場合について〕
本例においては、供給コンベヤ40で2列で集合した整列物品Wを供給する場合とで基本的に相違する姿勢変換コンベヤ24についての相違する動作についてのみ説明する。なお、この場合において作動アーム58は、下部送りベルト26の物品搬送路外に退避して作動休止状態にされるようになっていればよい。また、転向ベルト28の下流側位置と上流側位置との左右の相互間隔は、姿勢変換コンベヤ24で2列に整列集合する場合に対して広く設定される。
【0059】
縦向き姿勢となって姿勢変換コンベヤ24における下部送りベルト26に、各列5個づづの2列で受渡されて搬送される物品Wは、下部送りベルト26との速度差を持って走行する転向ベルト28に順次当接して前記の如くその姿勢が縦向きから横向きに変換される転向力が付与される。このとき、規制部材36が各列の先頭物品Wより前側に位置して下部送りベルト26の走行速度より低速で移動すると共に、その移動速度を更に一時的に減速して徐行運転に切り替える。これにより、先に転向された物品Wと、下部送りベルト26にその後順次移送されてくる物品Wとの夫々が規制部材36によって一時的に堰き止められる。このとき、下部送りベルト26によって搬送される物品Wは規制部材36に対して押せ押せ状態になって物品相互の姿勢が乱れ、また、下部送りベルト26の両側に配設された転向ベルト28の斜行部28aに当接する物品Wは、斜行部28aの転向力を受け、2列に整列して搬送されてきた物品Wは、下部送りベルト26による搬送途上において各物品相互間に隙間ができない程度に押し寄せられて集合する。その後、規制部材36の走行速度を元の速度に戻して移動することで、搬送姿勢が乱れて隙間無く集合した物品Wとして下流側に搬送される。
【0060】
なお、本例においても前記したと同様に、隙間無く物品Wを集合させるまでの間と、それ以後の下部送りベルト26による物品搬送途上において、規制部材36の前進動作に脈動を与えるように設定することが好ましい。また、本例ではこの脈動を他例よりも大きく設定することが好ましい。
【0061】
〔別実施例〕
横形製袋充填機での包装処理を高速化する場合、規制手段38を間欠作動する関係で、合流コンベヤ16から供給される物品Wを1基の規制手段38のみでの整列集合が不充分な場合がある。図5は、これに対応し得る姿勢変換コンベヤ24の別実施例を示すものであって、前記下部送りベルト26と規制手段38(規制部材36)とを複数(別実施例では2基)連続して配置している。この場合、前述した実施例の如く、上流側の第1下部送りベルト26aの上方に転向ベルト28を設けて規制手段38とにより物品Wの姿勢変換を行なうのに対し、下流側の第2下部送りベルト26bの上方には姿勢変換機能を有しない左右一対の側部ベルトコンベヤを第2下部送りベルト26bと同速で走行するように設定する。
【0062】
このように下部送りベルト26と規制手段38を複数連続して設けた場合は、前記合流コンベヤ16から上流側の第1下部送りベルト26aに受渡された物品Wは、前記実施例と同様に転向ベルト28と第1下部送りベルト26aと規制部材36とによって前述した如く縦向き姿勢から横向き姿勢に変換されると共に、先頭物品Wの前側へ当接した第1規制部材36aが前進移動することで、前後の物品Wが接触状態となるよう集合された状態で下流側に搬送される(図5(a),(b))。そして、上流側の第1規制部材36aが搬送路外の下方に移動して規制が解除されることで、整列物品Wは下流側の第2下部送りベルト26bに受渡される(図5(c),(d))。第2下部送りベルト26bで搬送される整列物品Wは、第2下部送りベルト26bと同速で走行する側部ベルトコンベヤで側部が案内されて整列姿勢を維持したまま下流側に搬送され、また先頭物品Wの前側へ当接する第2規制部材36bが第2下部送りベルト26bと側部ベルトコンベヤとより低速で前進した後に搬送路外の下方に移動して規制が解除されて、整列物品Wは前記供給コンベヤ40に向けて受渡される(図5(e))。すなわち、第1規制部材36aと転向ベルト28と第1下部送りベルト26aとによって物品Wが所定個数毎で横向きとなる整列集合を行ない、第2規制部材36bによって横形製袋充填機の供給コンベヤ40に向けて、その高速処理に対応した所定間隔毎に整列物品Wを送り出すことができる。なお、規制手段38の間欠作動の制御は、前述した実施例と同じである。また、連続して配置する下部送りベルト26および規制手段38の組数は、2基に限定されるものではなく、横形製袋充填機での包装処理能力に応じた数を選択すればよい。また別実施例においても、前記補正手段56を転向ベルト28の上流に配設することが好ましい。
【0063】
(変更例)
本願は前述した実施例や別実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例では、転向ベルト28を左右に2基設けた構成としたが、供給コンベヤ40での供給列数が1列のみに設定されている場合は、転向ベルト28は1基であればよい。
2.実施例では、下部送りベルト26による物品Wの搬送路に対して規制部材36を下側から進出して下側に退避させるよう構成したが、搬送路の上方または側方に向けて索体34を循環走行するよう配設し、規制部材36を搬送路の上方または側方となる搬送路外に移動する種々の方式を採用し得る。
3.実施例では、2列の整列コンベヤ12,12から物品Wを1列供給と2列供給とに切換える動作設定としたが、処理能力との関係では整列コンベヤ12を1列として、該整列コンベヤ12から送り出された所定個数毎の物品Wを、振分け機構等の多列化手段によって2列となるよう振分けた後に姿勢変換コンベヤ24に供給するようにしてもよい。
4.実施例では、補正手段56の作動アーム58を、各物品Wの進路を変位するために用いたが、下部送りベルト26に受渡された物品Wの前側側部に作動アーム58を当接するよう設定し、該物品Wの転向を促すために使用するようにしてもよい。
5.実施例の押送コンベヤ46は、タイトな包装が求められる1列包装の際に用いられることが好ましく、横形製袋充填機での2列包装等で物品Wの集合長さと袋寸法とのタイト性が要求されない場合の包装への適用については、押送コンベヤ46を省略し得る。また2列供給のみへの適用については、実施例のように2列の供給ベルト42,42の間に押送コンベヤ46の押送部材50が移動する隙間を設ける必要がないから、供給ベルト42を1列にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例に係る物品供給装置を、物品の2列供給に対応させた状態で示す概略平面図である。
【図2】実施例に係る物品供給装置を、物品の1列供給に対応させた状態で示す概略平面図である。
【図3】実施例に係る物品供給装置を、物品の1列供給に対応させた状態で示す概略側面図である。
【図4】実施例に係る補正手段を示す要部概略平面図であって、(a)は下部送りベルトの走行速度に対して転向ベルトの走行速度が遅い場合を示し、(b)は下部送りベルトの走行速度に対して転向ベルトの走行速度が速い場合を示す。
【図5】別実施例に係る姿勢変換コンベヤを示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0065】
12 整列コンベヤ,24 姿勢変換コンベヤ,26 下部送りベルト
28 転向ベルト,28a 斜行部,36 規制部材,40 供給コンベヤ
42 供給ベルト,44 サイドベルト,52 検出手段,56 補正手段
W 物品,整列物品,f 筒状フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1列または2列で受け入れた物品(W)を複数個毎に集合して搬送する下部送りベルト(26)と、
該下部送りベルト(26)との速度差を設定し、該下部送りベルト(26)で搬送される物品(W)の側部に当接して転向力を付与するよう搬送方向下流側に向けて搬送中心方向へ傾斜する斜行部(28a)を備えた転向ベルト(28)と、
前記下部送りベルト(26)で搬送される先頭物品(W)の前方に当接し下部送りベルト(26)より低速で前進移動する規制部材(36)とからなる姿勢変換コンベヤ(24)を備えた
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記下部送りベルト(26)に所定間隔毎に縦向き姿勢で送り込まれる複数の物品(W)の到来順に物品(W)の側部との当接位置を変化させて、その下流側での物品(W)の横向き姿勢への変換動作を補助する補正手段(56)を配設した請求項1記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記規制部材(36)は、その前進移動中において一時的に徐行して、下部送りベルト(26)に2列で受け入れて複数に集合した物品(W)の搬送姿勢を乱すように動作するよう設定された請求項1記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記姿勢変換コンベヤ(24)に向けて所定個数毎の物品(W)を1列で送り出す整列コンベヤ(12)を2列配設し、
前記転向ベルト(28)は、各整列コンベヤ(12)の列に対応して物品(W)をコンベヤの搬送中心に向けて幅寄せ案内し得るよう相互の間隔を変更調節可能に構成し、
前記整列コンベヤ(12)の各列から1列の物品数毎に交互に送り出すよう設定した請求項1〜3の何れか一項に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記姿勢変換コンベヤ(24)に向けて物品(W)を1個ずつ載置して搬送し得る搬送方向に並ぶ複数のコンベヤからなる整列コンベヤ(12)を配設し、該整列コンベヤ(12)は、最下流側から上流側に向けた1列分の物品数に対応した数のコンベヤの同時走行にて物品(W)を連続して送り出すように走行制御するよう設定した請求項1〜4の何れか一項に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記姿勢変換コンベヤ(24)の下流側には、該姿勢変換コンベヤ(24)の搬送速度より低速で走行する供給ベルト(42)と、搬送路の左右に配設されて供給ベルト(42)と同速で走行し、物品(W)の一側部を案内し得るよう相互の間隔を変更調節可能な一対のサイドベルト(44,44)とを備えた供給コンベヤ(40)を接続した請求項1〜5の何れか一項に記載の物品供給装置。
【請求項7】
前記供給コンベヤ(40)は、連続移送される筒状フィルム(f)中に物品(W)を供給する横形製袋充填機における供給コンベヤであって、
該供給コンベヤ(40)の搬送途上で物品(W)の搬送遅れを検出手段(52)で検出して、その遅れに応じて筒状フィルム(f)の移送速度を減速制御するよう設定した請求項6記載の物品供給装置。
【請求項8】
前記姿勢変換コンベヤ(24)は、前記下部送りベルト(26)および規制部材(36)との夫々を複数連続するよう構成した請求項1〜7の何れか一項に記載の物品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−83949(P2009−83949A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252685(P2007−252685)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】