説明

物品情報読取装置、物品識別システム及び物品情報読取方法

【課題】荷物の搬送速度が比較的高速であっても、荷物情報の少なくとも読取りを確実にかつ正確に行い、通信を安定化させる。
【解決手段】コントローラ7は、搬送ベルト11と搬送ベルト27とを、互いに略等しい一定の速さで移動させ、搬送ベルト11に載せられた荷物Aと搬送ベルト27に保持されたタグデータリーダ4は、同一の速さで移動する。互いに隣接するタグデータリーダ4,4同士は、通信可能エリアが重なるように配置され、RFタグ2は、直線状の区間で通信可能エリア内に留まってタグデータリーダ4と通信を行い、タグデータリーダ4へ所定の情報量の荷物情報を送ると共に、直線状の区間の区間長は、タグデータリーダ4が所定のサイズの荷物情報を読み込むために要する読込時間が確保されるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品情報読取装置、物品識別システム及び物品情報読取方法に係り、例えば、荷物等の物品をベルトコンベア等の搬送装置に載せて搬送する際に、物品に取り付けられたRFID(Radio Frequency Identification)タグ(以下、RFタグともいう。)に記憶された識別情報を含む物品情報を読み取るための物品情報読取装置、該物品情報読取装置を備えた物品識別システム及び物品情報読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、荷物を仕分る荷物仕分システムでは、搬送される荷物に付されたバーコードタグを読み取るバーコード読取装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、バーコードタグを用いる場合は、情報量を増やすために、バーコードタグの光学的面積を大きくしなければならず、また、バーコードタグは、物品の搬送時に破損し易く、汚れの影響を受け易く、かつ、情報の読込みのみしかできないという問題があった。
このため、最近では、RFタグが多用されてきている。RFタグは、その内部に電源を有するアクティブ型のRFタグと、外部の電界や磁界から電源を得るパッシブ型のRFタグとに大別される。
【0003】
荷物仕分システムでは、コストを低減するために、主としてパッシブ型のRFタグが用いられる。パッシブ型のRFタグは、外部のリーダから供給される電磁気的エネルギを用いて、半導体回路を駆動し、リーダからの要求に対して応答する。
このため、パッシブ型のRFタグは、半導体回路を駆動する所定の強度の電界及び磁界を生成するリーダの通信可能エリア内でのみ利用できる。したがって、荷物仕分システムでは、搬送されている荷物に取り付けられたRFタグが、固定された通信可能エリア内に存在する時間内で利用可能である。
【0004】
ところで、荷物仕分システムでは、搬送効率(単位時間当りの取扱荷物数)を向上させるために、搬送速度を比較的高速(例えば、180[m/min]以上)とし、しかも、授受される情報量を十分に確保したいという要求がある。
しかしながら、リーダが所定のサイズの荷物情報を読み込むために要する読込時間t0と、搬送の速さv0とに対して、RFタグが移動する距離L0が、(L0=t0×v0)の関係で与えられ範囲まで通信可能エリアが拡大されていなければならない。
【0005】
搬送速度の高速化に対応して、リーダから放射される電界及び磁界の強度を高めて、通信可能エリアを拡大させることも考えられるが、強電磁界の人体への悪影響や、当該荷物仕分システムに属さないRFタグからの情報の読み込み、搬送ラインの周辺環境の変化に伴う電磁界の干渉状況の変化等(周囲の金属製部材からの反射等の影響を受け易くなること等)に起因する通信品質の悪化等、安全性や信頼性の悪化につながる新たな問題を引き起こしてしまう。
このため、授受される情報量を限定したり、物品情報の読込みのみとして、通信時間を短縮せざるを得ない。
【0006】
比較的高速でも、授受する情報量を限定することなく、かつ、必要以上に電界及び磁界の強度を高めることなく、安定したRFタグの情報の読取りが可能なように、簾状のアンテナを用いて、アンテナを移動する荷物に接触させて、RFタグをアンテナにできるだけ接近させるようにする技術(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
しかしながら、リーダのアンテナを移動する荷物に接触させる技術では、荷物が高速で移動する場合に、荷物やRFタグ、アンテナを含むリーダが破損してしまう虞がある。
【0007】
このため、複数のコイル型のアンテナをその通信可能エリア(コイル型のアンテナのコイル辺によって形成される交流磁界エリア)が重なるように配置して、通信が途切れないようにする技術(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
また、搬送ベルトを搬送方向に直交する面に沿って囲む角筒状空洞体に複数のアンテナを配置して、各アンテナを時間的に切り換えてリーダに接続し、さらに、アンテナが配置された角筒状空洞体を搬送方向に沿って複数設け、角筒状空洞体に対応させてリーダを複数設けて信頼性を向上させる技術(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
【特許文献1】特開平04−005775号公報
【特許文献2】特開平10−240880号公報
【特許文献3】特開2004−244140号公報
【特許文献4】特開2005−020360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、例えば、荷物の搬送速度が比較的高速となると、情報の少なくとも読取りを、依然として確実に行うことができないという点である。
すなわち、例えば特許文献3記載の従来技術では、荷物の搬送速度が比較的高速となった場合に、複数のアンテナを配置しても、個々のアンテナの通信可能エリア内での処理に必要な通信時間(読取時間)が短くなるわけではないので(読取速度が速くなるわけではないので)、搬送速度の高速化には対応できない。
【0009】
また、RFタグとリーダとの間で、ノイズ発生時等に、リトライ等の通信上の処理を実行する場合に、リーダ間でリトライ回数等の通信に係る情報を伝達する必要があるにもかかわらず、各リーダが独立に配置されているために、必要な情報の伝達ができず、通信可能エリアの拡大につながらない。
また、例えば特許文献4記載の従来技術では、各リーダは、互いに独立に動作し、RFタグに記憶された情報を読み取る時には、それぞれリセット後、所定のシーケンスが実行され、荷物の搬送速度が比較的高速のために各リーダの読取実行速度が間に合わない場合には、複数のリーダが設けられていても、読取精度が向上するわけではない。したがって、搬送速度の高速化には対応できない。
【0010】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、例えば、物品の搬送速度が比較的高速であっても、例えばリーダから放射される電磁界の強度を高めたり、授受される情報量を限定したりすることなく、物品情報の少なくとも読取りを確実にかつ正確に行い、通信を安定化させることができる物品情報読取装置、物品識別システム及び物品情報読取方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、搬送路上を流れる物品又は当該物品の包装に取着された無線タグから、当該無線タグに記憶されている上記物品に関する物品情報を、無線を介して読み取るための物品情報読取装置に係り、上記無線タグに物品情報要求信号を送信して、当該無線タグから上記物品情報を取得する物品情報取得手段と、当該物品情報取得手段を、上記搬送路上を流れる上記物品又は当該物品の包装に並走させる駆動手段とを備え、上記物品情報取得手段が、上記並走時に、上記無線タグから上記物品情報を受信するように構成がなされていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の物品情報読取装置に係り、無線によって上記物品情報の授受を行う上記無線タグに、上記物品情報を供給する物品情報供給手段と、上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段を、上記物品又は当該物品の包装に並走させる上記駆動手段とを備え、上記並走時に、上記物品情報取得手段が、上記無線タグから上記物品情報を取得し、かつ、上記物品情報供給手段が、上記無線タグに、上記物品情報を供給するように構成がなされ、上記無線タグに上記物品情報を書き込むための物品情報書込装置を兼ねることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の物品情報読取装置に係り、上記駆動手段は、上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段を、少なくとも、上記物品情報の読取り、又は書込みのための所要時間、上記無線タグとの通信が可能な通信可能領域内に留らせるように、上記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の物品情報読取装置に係り、上記物品情報の取得又は供給の際に、上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段は、上記無線タグに対して、所定の強さ以下の電界及び磁界を与えることを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の物品情報読取装置に係り、上記駆動手段は、上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段を、所定の無端軌道に沿って移動させると共に、上記無端軌道の所定の区間で上記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の物品情報読取装置に係り、複数の上記物品情報取得手段、又は複数対の上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段が、互いに隣接する上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段同士の通信可能領域の一部が重なるように配置されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の物品情報読取装置に係り、上記所定の区間の長さは、上記物品情報の読取り又は書込みのための所要時間と、上記物品が移動する速さとの積以上に設定されることを特徴としている。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、搬送路上を流れる物品又は当該物品の包装に取着された無線タグと、当該無線タグに記憶されている上記物品に関する識別情報を含む物品情報を、無線を介して読み取るための物品情報読取装置とを備え、上記識別情報に基づいて、上記物品の識別を行う物品識別システムに係り、上記物品情報処理装置として、請求項1乃至7のいずれか1に記載の物品情報読取装置を用いることを特徴としている。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、搬送路上を流れる物品又は当該物品の包装に取着された無線タグから、当該無線タグに記憶されている上記物品に関する物品情報を、無線を介して読み取るための物品情報読取方法に係り、上記無線タグに物品情報要求信号を送信して、当該無線タグから上記物品情報を取得する物品情報取得手段とを、上記搬送路上を流れる上記物品又は当該物品の包装に並走させる駆動ステップを含み、上記駆動ステップでは、上記物品情報取得手段が、上記並走時に、上記無線タグから上記物品情報を受信することを特徴としている。
【0020】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の物品情報読取方法に係り、無線によって上記物品情報の授受を行う上記無線タグに、上記物品情報を供給する物品情報供給手段と、上記物品情報取得手段とを、上記物品又は当該物品の包装に並走させる上記駆動ステップを含み、上記駆動ステップでは、上記並走時に、上記物品情報取得手段が、上記無線タグから上記物品情報を取得し、かつ、上記物品情報供給手段が、上記無線タグに、上記物品情報を供給し、物品情報読取処理に加えて、上記無線タグに上記物品情報を書き込むための物品情報書込処理を実施することを特徴としている。
【0021】
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の物品情報読取方法に係り、上記駆動ステップでは、上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段を、少なくとも、上記物品情報の読取り、又は書込みのための所要時間、上記無線タグとの通信が可能な通信可能領域内に留らせるように、上記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴としている。
【0022】
また、請求項12記載の発明は、請求項9、10又は11記載の物品情報読取方法に係り、上記物品情報の取得又は供給の際に、上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段は、上記無線タグに対して、所定の強さ以下の電界及び磁界を与えることを特徴としている。
【0023】
また、請求項13記載の発明は、請求項9乃至12のいずれか1に記載の物品情報読取方法に係り、上記駆動ステップでは、上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段を、所定の無端軌道に沿って移動させると共に、上記無端軌道の所定の区間で上記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴としている。
【0024】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の物品情報読取方法に係り、複数の上記物品情報取得手段、又は複数対の上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段を、互いに隣接する上記物品情報取得手段、又は上記物品情報取得手段及び上記物品情報供給手段同士の通信可能領域の一部が重なるように配置することを特徴としている。
【0025】
また、請求項15記載の発明は、請求項13又は14記載の物品情報読取方法に係り、上記所定の区間の長さは、上記物品情報の読取り又は書込みのための所要時間と、上記物品が移動する速さとの積以上に設定されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
この発明の構成によれば、駆動手段が、物品情報取得手段を、搬送路上を流れる物品又は物品の包装に並走させ、無線タグに対して物品情報取得手段を近接させるので、例えば、物品の搬送速度が比較的高速であっても、物品情報の少なくとも読取りを確実にかつ正確に行い、通信を安定化させることができる。
また、駆動手段が、物品情報取得手段を、物品情報の読取り又は書込みのための所要時間以上、無線タグとの通信が可能な通信可能領域内に留まるように、物品又は物品の包装に並走させることによって、授受される情報量を限定する必要がない。
また、所定の通信可能領域が確保されれば足りるので、放射される電界及び磁界の強度は、比較的弱くすることができる。したがって、人体への悪影響を回避し、安全性を向上させることができる。さらに、周辺環境の変化に伴う電磁界の干渉状況の変化等に起因する通信品質の悪化等を防止し、信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
駆動手段が、物品情報取得手段を、搬送路上を流れる物品又は物品の包装に並走させ、無線タグに対して物品情報取得手段を近接させるので、例えば、物品の搬送速度が比較的高速であっても、物品情報の少なくとも読取りを確実にかつ正確に行い、通信を安定化させるという目的を実現した。
【実施例1】
【0028】
図1は、この発明の第1の実施例に係る荷物仕分システムの構成を示す斜視図、図2は、同荷物仕分システムの構成を示す平面図、図3は、同荷物仕分システムの構成を示すブロック図、図4は、同荷物仕分システムで仕分けされる荷物に取着されるRFタグの構成を示すブロック図、図5は、同荷物仕分システムのタグデータリーダの構成を示すブロック図、また、図6は、同荷物仕分システムの無線中継部の構成を示すブロック図である。
【0029】
この例の荷物仕分システム1は、荷物Aを配送先別等に仕分けるために用いられ、図1乃至図3に示すように、所定の荷物情報が記憶された例えばパッシブ型のRFタグ(無線タグ)2が取着された荷物Aを所定の搬送方向に沿って搬送する荷物搬送部3と、複数のタグデータリーダ4,4,…を移動させるリーダ移動部5と、各タグデータリーダ4とコントローラ7との間での情報の伝送の中継を行うための無線中継部6と、構成各部を制御するコントローラ7とを備えてなっている。
ここで、タグデータリーダ4,4,…と、リーダ移動部5と、無線中継部6と、コントローラ7とは、物品情報読取装置としての荷物情報読取装置を構成している。なお、この例の荷物仕分システム1では、例えば、13.56MHzの電波を用いた電磁誘導方式で、タグデータリーダ4とRFタグ2とが通信を行う。
【0030】
荷物搬送部3は、荷物Aが載置され、荷物Aを水平方向に沿って、比較的高速の略一定の速さ(例えば、180m/min)v1で搬送するための無端状の搬送ベルト11と、駆動モータ12の動力によって水平な回転軸の周りに回転し搬送ベルト11を駆動する駆動ローラ(不図示)とを有している。
ここで、駆動モータ12の動力がプーリ等からなる動力伝達機構13を介して、上記駆動ローラへ伝達される。なお、動力伝達機構13は、駆動モータ12の動力をリーダ移動部5の駆動ローラへ伝達するためにも用いられ、水平な回転軸の周りの回転運動を、鉛直な回転軸の周りの回転運動へ変換する回転方向変換機構を有している。
【0031】
RFタグ2は、非接触型のデータキャリアであり、図4に示すように、CPU(中央処理装置)等からなり、RFタグ2の構成各部を制御する制御部16と、半導体メモリからなり、対応する識別情報を含む荷物情報等の各種情報を記憶する記憶部17と、例えば、コイル型のアンテナ18と、整流回路を含む電力受給部19と、変復調回路を含む無線通信部21とを有してなっている。
記憶部17に記憶された荷物情報は、例えば、個別の識別情報や、荷物種別情報、配送先情報等を含み、荷物Aの搬送や仕分けの過程で用いられる。
【0032】
各タグデータリーダ4は、RFタグ2に対して電力と荷物情報送信要求信号とを供給し、図5に示すように、CPU等からなり、タグデータリーダ4の構成各部を制御する制御部22と、半導体メモリからなり、制御部22が実行するプログラムや各種情報を記憶する記憶部23と、例えば、コイル型のアンテナ24と、変復調回路を含む無線通信部25と、外部との信号の送受信を行うためのインタフェース回路26とを有してなっている。
【0033】
リーダ移動部5は、図1乃至図3に示すように、複数のタグデータリーダ4,4,…をそのアンテナが荷物Aに対向配置されるように起立状態で保持し、長円形の閉じた経路に沿って、荷物搬送部3の搬送ベルト11と略同一の一定の速さ(例えば、180m/min)v2で移動させるための無端状の搬送ベルト27と、駆動モータ12の動力によって鉛直な回転軸の周りに回転し搬送ベルト27を駆動する駆動ローラ(不図示)とを有している。
ここで、タグデータリーダ4が荷物A(及びRFタグ2)と並走する直線状の区間Lは、所定のサイズの荷物情報を読み込むために要する読込時間trと速さv1,v2とに対して、(L≧tr×v1=tr×v2)の関係が満たされるように、設定される。速さv1,v2が変更される場合は、(L≧tr×v1m=tr×v2m)が満たされるように、設定される。但し、v1m、v2mは、それぞれ、v1,v2の最大値である。
【0034】
タグデータリーダ4,4,…は、隣接するタグデータリーダ4,4同士の通信可能エリアRが重なるように(連続するように)、所定の間隔で配置されている。また、各タグデータリーダ4は、鉛直方向に沿って、RFタグ2に記憶された荷物情報の読取りのために最適な位置に配置されている。
リーダ移動部5の駆動ローラへは、動力伝達機構13の回転方向変換機構によって、駆動モータ12の動力をリーダ移動部5の駆動ローラへ伝達するためにも用いられ、駆動モータ12の水平な回転軸の周りの回転運動が、鉛直な回転軸の周りの回転運動へ変換されて伝達される。これによって、速さv1と速さv2とは、略同一とされ、RFタグ2の運動とタグデータリーダ4の運動とが容易に同期する。
【0035】
無線中継部6は、図6に示すように、対をなすリーダ側通信装置31及びコントローラ側通信装置32を有してなっている。リーダ側通信装置31は、コントローラ側通信装置32と無線通信を行うためのアンテナ33と、変復調回路を含む無線通信部34と、外部との信号の送受信を行うためのインタフェース部35とを有し、インタフェース部35を介して、タグデータリーダ4,4,…と接続ケーブルを用いて接続されている。
このリーダ側通信装置31は、タグデータリーダ4,4,…及び接続ケーブルと共に鉛直方向に沿った回転軸の周りに回転可能とされている。これによって、タグデータリーダ4,4,…の無端軌道に沿った移動に伴って、接続ケーブルが捩れることがない。
コントローラ側通信装置32は、リーダ側通信装置31と無線通信を行うためのアンテナ36と、変復調回路を含む無線通信部37と、外部との信号の送受信を行うためのインタフェース部38とを有し、インタフェース部38を介して、コントローラ7と接続ケーブルを用いて接続されている。コントローラ側通信装置32は、回転することなく固定されている。
【0036】
コントローラ7は、図3に示すように、CPU(中央処理装置)等を有してなる主制御部41と、主制御部41が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部42と、操作部43と、表示部44と、モータ駆動部45と、インタフェース部46とを備えたコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。
主制御部41は、記憶部42に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部42に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、仕分制御処理や、モータ駆動制御処理等を実行する。
主制御部41は、仕分制御処理では、コントローラ側通信装置32を介して得られた荷物情報に基づいて、例えば、配送先別の荷物Aの搬送経路の切換制御や、特定の荷物Aのピックアップ等を行う。
また、主制御部41は、モータ駆動制御処理では、例えば、速度センサ(不図示)から得られた速度情報に基づいて、速度v1,v2が一定となるように、モータ駆動部45を介して駆動モータ12を制御する。
【0037】
記憶部42は、内部記憶装置と、外部記憶装置とからなり、制御部が実行する仕分制御処理プログラムや、モータ駆動制御処理プログラム等の各種処理プログラム等が記憶されたプログラム記憶領域と、各種設定情報が記憶される情報記憶領域とを有している。
内部記憶装置は、ROMやRAM等の半導体メモリからなる。また、外部記憶装置は、FD(フレキシブル・ディスク)が装着されるFDドライバ、HD(ハード・ディスク)が装着されるHDドライバ、MO(光磁気)ディスクが装着されるMOディスクドライバ、あるいはCD(コンパクト・ディスク)−ROM、CD−R(Recordable)、CD−RW(ReWritable)やDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライバ等からなる。
また、操作部43は、キーボードやマウス等からなる。表示部44は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイなどからなる。
【0038】
次に、図1乃至図3を参照して、上記構成の荷物仕分システム1の動作について説明する。
荷物Aは、荷物搬送部3の搬送ベルト11に載せられて、所定の搬送方向に沿って搬送される。コントローラ7の主制御部41は、モータ駆動部45を介して、駆動モータ12を制御して、搬送ベルト11と搬送ベルト27とを、互いに略等しい一定の速さで移動するようにする。
これによって、搬送ベルト11に載せられた荷物Aは、速さv1で搬送され、搬送ベルト27に保持されたタグデータリーダ4は、速さv2(=v1)で(荷物Aに対して相対速度略0で)移動する。
【0039】
タグデータリーダ4,4,…は、隣接するタグデータリーダ4,4同士の通信可能エリアRが重なるように、所定の間隔で配置されていることにより、荷物Aに取着されたRFタグ2は、タグデータリーダ4と荷物A(及びRFタグ2)と並走する直線状区間の始点PSで、いずれかのタグデータリーダ4の通信可能エリアRに入る。
タグデータリーダ4は、RFタグ2へ電力と荷物情報送信要求信号を供給し、RFタグ2は、電力を受給すると共に、荷物情報送信要求信号に応答してタグデータリーダ4へ所定の荷物情報を送信する。
【0040】
この後、直線状区間の終点PEまで、RFタグ2は、通信可能エリアR内に留まって、このタグデータリーダ4と通信を行い、タグデータリーダ4へ所定の情報量の荷物情報を送る。
すなわち、RFタグ2は、(ta=L/v1=L/v2)の関係式で定められる滞留時間taの間、通信可能エリアR内に留まる。
ここで、直線状区間の区間長Lは、タグデータリーダ4が所定のサイズの荷物情報を読み込むために要する読込時間trと速さv1,v2とに対して、(L≧tr×v1=tr×v2)の関係が満たされるように、設定されていることによって、十分な読取時間が確保され(ta≧tr)、荷物情報のサイズを限定することなく、タグデータリーダ4は、十分な情報量の荷物情報を受信する。また、この滞留時間taの間、RFタグ2の通信相手のタグデータリーダ4が切り換ることもなく安定した通信が行われる。
【0041】
タグデータリーダ4は、RFタグ2から受信した荷物情報を、無線中継部6を介して、コントローラ7へ送る。無線中継部6では、対をなすリーダ側通信装置31及びコントローラ側通信装置32との間で、荷物情報の授受がなされる。
リーダ側通信装置31は、タグデータリーダ4,4,…及び接続ケーブルと共に鉛直方向に沿った回転軸の周りに回転可能とされていることによって、タグデータリーダ4,4,…の移動に伴って、接続ケーブルが捩れることがない。
コントローラ7の主制御部41は、無線中継部6を介して、各タグデータリーダ4から、対応するRFタグ2から送信された荷物情報を受け取ると、得られた荷物情報に基づいて、例えば、配送先別の荷物Aの搬送経路の切換制御や、特定の荷物Aのピックアップ等を行う。
【0042】
このように、この例の構成によれば、コントローラ7の主制御部41は、モータ駆動部45を介して、駆動モータ12を制御して、搬送ベルト11と搬送ベルト27とを、互いに略等しい一定速度で移動させ、搬送ベルト11に載せられた荷物Aは、速さv1で搬送され、搬送ベルト27に保持されたタグデータリーダ4は、速さv2(=v1)で移動するので、例えば、荷物Aの搬送速度が比較的高速であっても、荷物情報の読取りを確実にかつ正確に行い、通信を安定化させることができる。
【0043】
しかも、タグデータリーダ4,4,…は、隣接するタグデータリーダ4,4同士の通信可能エリアRが重なるように、所定の間隔で配置されていることにより、荷物Aに取着されたRFタグ2は、タグデータリーダ4と荷物A(及びRFタグ2)と並走する直線状区間の始点PSで、いずれかのタグデータリーダ4の通信可能エリアRに入り、この後、直線状区間の終点PEまで、RFタグ2は、通信可能エリアR内に留まって、このタグデータリーダ4と通信を行い、タグデータリーダ4へ所定の情報量の荷物情報を送ると共に、直線状区間の区間長Lは、タグデータリーダ4が所定のサイズの荷物情報を読み込むために要する読込時間trと速さv1,v2とに対して、(L≧tr×v1=tr×v2)が満たされるように、設定されているので、十分な読取時間が確保され、荷物情報のサイズを限定することなく、タグデータリーダ4は、十分な情報量の荷物情報を受信することができる。
【0044】
また、この滞留時間taの間、RFタグ2の通信相手のタグデータリーダ4が切り換ることもないので、安定した通信を行うことができる。
また、所定の通信可能エリアが確保されれば足りるので、放射される電界及び磁界の強度は、比較的弱くすることができる。したがって、人体への悪影響を回避し、安全性を向上させることができる。さらに、周辺環境の変化に伴う電磁界の干渉状況の変化等に起因する通信品質の悪化等を防止し、信頼性を向上させることができる。
【実施例2】
【0045】
図7は、この発明の第2の実施例である荷物仕分システムの構成を示すブロック図である。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、荷物とタグデータリーダとを同一の搬送ベルト(搬送体)によって移動させるように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0046】
この例の荷物仕分システム1Aは、図7に示すように、所定の荷物情報が記憶された例えばパッシブ型のRFタグ51が取着された荷物Bを所定の搬送方向に沿って搬送すると共に、複数のタグデータリーダ52,52,…が配置された搬送部53と、各タグデータリーダ52とコントローラ55との間での情報の伝送の中継を行うための無線中継部54と、構成各部を制御するコントローラ55とを備えてなっている。
【0047】
搬送部53は、荷物Bが載置され、荷物Bを水平方向に沿って、比較的高速の略一定の速度(例えば、180m/min)v1で搬送すると共に、一方の側端部にタグデータリーダ52,52,…が取着された無端状の搬送ベルト56と、駆動モータ57の動力によって水平な回転軸の周りに回転し搬送ベルト56を駆動する駆動ローラ(不図示)とを有している。
この例では、搬送ベルト56の一方の側端部には、フランジ部が形成され、このフランジ部に各タグデータリーダ52が取着されている。
また。無線中継部54は、対をなすリーダ側通信装置58及びコントローラ側通信装置59を有してなっている。
【0048】
この例の構成によれば、装置の構成を簡略化してコストを低減することができる。
【0049】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、タグデータリーダを複数設ける場合について述べたが、必ずしも複数設けることはなく、単数のタグデータリーダをRFタグ付きの荷物の移動に合わせて移動させるようにしても良い。
また、タグデータリーダは、必ずしも通信可能エリアが重なるように配置しなくても良い。この場合、例えば、接近センサを設けて、荷物の移動に合わせて、タグデータリーダとRFタグとの位置関係を調整するようにしても良い。
【0050】
また、RFタグに書込みができるように構成しても良い。すなわち、読取りに限らず、読取り及び書込みを行う場合にも適用できるし、書込みのみを行う場合にも適用できる。
また、荷物情報の読取機能と書込機能とは、互いに独立した別々の装置がそれぞれ担っても良いし、一部が共通化されていても良い。
また、荷物を、RFタグが取着された側がタグデータリーダに対面するように姿勢を整えた後に、荷物情報読取装置に送るようにしても良い。これによって、通信可能エリアを必要最小限の大きさとして、電界及び磁界の強さを抑制することができる。
また、RFタグとタグデータリーダとが対面するように、前段階で荷物の整列を行う場合に、荷物の姿勢調整処理は、専用の姿勢調整装置を用いて行っても良いし、手作業によっても良い。
【0051】
また、荷物の仕分けに限らず、搬送手段としての例えば輸送車によって移動する貨物の追跡に用いることができる。また、物品が、搬送手段に載置されて搬送ライン上を搬送される場合のほか、例えば、懸垂状態で搬送される場合にも適用できる。
また、RFタグ付きの荷物とタグデータリーダとが略等速で移動する場合(相対速度が略0の場合)について述べたが、通信可能エリアと読取時間とが確保される範囲で、タグデータリーダの速さがRFタグ付きの荷物に対して遅く又は速く設定されていても良いし、タグデータリーダや荷物が移動する速さが変動しても良い。
また、タグデータリーダが移動する速さを変化させて、タグデータリーダと荷物に取着されたRFタグとの位置関係を調整して、最適な通信状態で読み取れるように構成しても良い。
【0052】
また、タグデータリーダは無端状の経路に沿って移動する場合に限らず、直線状に往復運動する場合にも適用することができる。
また、一対の無線通信部を設けて、一方の無線通信部を複数のケーブルを接続した状態で回転自在とせずに、一対の無線通信装置を廃して、摺動接点を介して電気的に接続するようにしても良い。
また、一対の無線通信装置に代えて、1次側と2次側とが互いに回転可能なように分離されていると共に電気的に接続された回転トランスや、光通信装置等を用いても良い。光通信装置としては、例えば、赤外線やレーザを用いた通信を行う通信装置が挙げられる。
【0053】
また、駆動制御用のコントローラと、読取データ処理用のコントローラとを、別々に設けるようにしても良い。
また、搬送装置としては、ベルトコンベアに限らず、例えばローラコンベアを用いても良い。また、タグデータリーダが、一般に、RFタグの運動に応じて移動する場合(RFタグに対して、例えば、相対速度0で移動する場合)について適用できる。
また、単一のRFタグについて、複数のタグデータリーダで、異なるタイミングで別々に情報の読取りを行うようにしても良い。これによって、信頼性を向上させることができる。
【0054】
また、タグデータリーダは、搬送ベルト上を、鉛直方向に沿って、最適な位置に移動可能なように構成しても良い。
また、第2の実施例では、搬送ベルトの一方の側端部にフランジ部を形成し、このフランジ部に各タグデータリーダを取着する場合について述べたが、搬送ベルトの荷物載置部にタグデータリーダを埋設するようにしても良い。
また、この発明で、無線タグは、非接触で、読取装置、書込装置、又は読取・書込装置と通信を行う無線通信媒体を意味し、非接触型ICカードを含む。
【産業上の利用可能性】
【0055】
電磁誘導方式のほか、電波伝搬方式によって、RFタグに電力を供給する場合に適用することができる。また、パッシブ型のRFタグのほか、アクティブ型のRFタグに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の第1の実施例に係る荷物仕分システムの構成を示す斜視図である。
【図2】同荷物仕分システムの構成を示す平面図である。
【図3】同荷物仕分システムの構成を示すブロック図である。
【図4】同荷物仕分システムで仕分けされる荷物に取着されるRFタグの構成を示すブロック図である。
【図5】同荷物仕分システムのタグデータリーダの構成を示すブロック図である。
【図6】同荷物仕分システムの無線中継部の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の第2の実施例である荷物仕分システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
1,1A 荷物仕分システム(物品識別システム)
2 RFタグ(無線タグ)
4,52 タグデータリーダ(物品情報取得手段)
5 リーダ移動部(駆動手段の一部)
11,56 搬送ベルト(搬送路)
41 主制御部(駆動手段の一部)
A,B 荷物(物品)
L 区間長(区間の長さ)
R 通信可能エリア(通信可能領域)
tr 読込時間(所要時間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路上を流れる物品又は当該物品の包装に取着された無線タグから、当該無線タグに記憶されている前記物品に関する物品情報を、無線を介して読み取るための物品情報読取装置であって、
前記無線タグに物品情報要求信号を送信して、当該無線タグから前記物品情報を取得する物品情報取得手段と、当該物品情報取得手段を、前記搬送路上を流れる前記物品又は当該物品の包装に並走させる駆動手段とを備え、前記物品情報取得手段が、前記並走時に、前記無線タグから前記物品情報を受信するように構成がなされている
ことを特徴とする物品情報読取装置。
【請求項2】
無線によって前記物品情報の授受を行う前記無線タグに、前記物品情報を供給する物品情報供給手段と、前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段を、前記物品又は当該物品の包装に並走させる前記駆動手段とを備え、前記並走時に、前記物品情報取得手段が、前記無線タグから前記物品情報を取得し、かつ、前記物品情報供給手段が、前記無線タグに、前記物品情報を供給するように構成がなされ、前記無線タグに前記物品情報を書き込むための物品情報書込装置を兼ねることを特徴とする請求項1記載の物品情報読取装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段を、少なくとも、前記物品情報の読取り、又は書込みのための所要時間、前記無線タグとの通信が可能な通信可能領域内に留らせるように、前記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴とする請求項1又は2記載の物品情報読取装置。
【請求項4】
前記物品情報の取得又は供給の際に、前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段は、前記無線タグに対して、所定の強さ以下の電界及び磁界を与えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の物品情報読取装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段を、所定の無端軌道に沿って移動させると共に、前記無端軌道の所定の区間で前記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の物品情報読取装置。
【請求項6】
複数の前記物品情報取得手段、又は複数対の前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段が、互いに隣接する前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段同士の通信可能領域の一部が重なるように配置されていることを特徴とする請求項5記載の物品情報読取装置。
【請求項7】
前記所定の区間の長さは、前記物品情報の読取り又は書込みのための所要時間と、前記物品が移動する速さとの積以上に設定されることを特徴とする請求項5又は6記載の物品情報読取装置。
【請求項8】
搬送路上を流れる物品又は当該物品の包装に取着された無線タグと、当該無線タグに記憶されている前記物品に関する識別情報を含む物品情報を、無線を介して読み取るための物品情報読取装置とを備え、前記識別情報に基づいて、前記物品の識別を行う物品識別システムであって、
前記物品情報処理装置として、請求項1乃至7のいずれか1に記載の物品情報読取装置を用いることを特徴とする物品識別システム。
【請求項9】
搬送路上を流れる物品又は当該物品の包装に取着された無線タグから、当該無線タグに記憶されている前記物品に関する物品情報を、無線を介して読み取るための物品情報読取方法であって、
前記無線タグに物品情報要求信号を送信して、当該無線タグから前記物品情報を取得する物品情報取得手段とを、前記搬送路上を流れる前記物品又は当該物品の包装に並走させる駆動ステップを含み、前記駆動ステップでは、前記物品情報取得手段が、前記並走時に、前記無線タグから前記物品情報を受信する
ことを特徴とする物品情報読取方法。
【請求項10】
無線によって前記物品情報の授受を行う前記無線タグに、前記物品情報を供給する物品情報供給手段と、前記物品情報取得手段とを、前記物品又は当該物品の包装に並走させる前記駆動ステップを含み、前記駆動ステップでは、前記並走時に、前記物品情報取得手段が、前記無線タグから前記物品情報を取得し、かつ、前記物品情報供給手段が、前記無線タグに、前記物品情報を供給し、物品情報読取処理に加えて、前記無線タグに前記物品情報を書き込むための物品情報書込処理を実施することを特徴とする請求項9記載の物品情報読取方法。
【請求項11】
前記駆動ステップでは、前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段を、少なくとも、前記物品情報の読取り、又は書込みのための所要時間、前記無線タグとの通信が可能な通信可能領域内に留らせるように、前記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴とする請求項9又は10記載の物品情報読取方法。
【請求項12】
前記物品情報の取得又は供給の際に、前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段は、前記無線タグに対して、所定の強さ以下の電界及び磁界を与えることを特徴とする請求項9、10又は11記載の物品情報読取方法。
【請求項13】
前記駆動ステップでは、前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段を、所定の無端軌道に沿って移動させると共に、前記無端軌道の所定の区間で前記物品又は当該物品の包装に並走させることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1に記載の物品情報読取方法。
【請求項14】
複数の前記物品情報取得手段、又は複数対の前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段を、互いに隣接する前記物品情報取得手段、又は前記物品情報取得手段及び前記物品情報供給手段同士の通信可能領域の一部が重なるように配置することを特徴とする請求項13記載の物品情報読取方法。
【請求項15】
前記所定の区間の長さは、前記物品情報の読取り又は書込みのための所要時間と、前記物品が移動する速さとの積以上に設定されることを特徴とする請求項13又は14記載の物品情報読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−26230(P2007−26230A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209316(P2005−209316)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】