説明

物品搬送仕分装置

【課題】物品を仕分および搬出する機構を垂直方向に設けて、省スペースで設置面積当りの仕分および搬出効率の高くしかも保守作業性の簡便な物品搬送仕分装置を提供すること。
【解決手段】物品仕分ライン120乃至720が、物品搬入ライン110乃至710から搬入される物品Mを受入れる1または複数の搬入口122と物品搬出ライン160に物品を搬出する複数の搬出口123とを垂直方向に並設されるとともに、搬入口122と搬出口123との間で物品Mを移送する昇降仕分機構140を備え、物品搬出ライン160が物品仕分ライン120の搬出口123と対向して垂直方向に複数配列されている物品搬送仕分装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種工場の製品搬出エリアや物流施設の配送ターミナルなどで使用される、箱状、板状、円筒状投の底面が平坦な物品を搬入する1または複数の物品搬入ラインと、当該物品搬入ラインから搬入される物品をそれぞれの配送先毎に区分、仕分けする物品仕分ラインと、物品仕分ラインで仕分けられた物品を受け入れて、それぞれ配送先毎に設けられて、配送先毎に物品を貯留する1または複数の物品搬出ラインとを備える物品搬送仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルトコンベヤなどで構成される物品搬入ラインから受入れられた物品を循環移動するコンベヤなどで構成された物品仕分ラインにおいて配送先毎に仕分け、物品仕分ラインの周囲に配置した複数の搬出ラインに配送先毎に貯留するような物品仕分搬送装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
従来の物品搬送仕分装置800は、例えば図13に示されるように、閉じた経路に沿って水平循環駆動される無端状に連結された多数のトレーからなるような循環移送手段821を備えて物品仕分ライン820を構成していて、当該循環移送手段821の走行経路の両側に、物品搬出ラインを構成するシュート手段860が多数配置されている。
循環搬送手段821の一側にはまた、物品を循環移送手段821に搬入する物品搬入ラインを構成する物品搬入コンベヤ810が設けられていて、物品搬入コンベヤ810から搬入される物品は、循環移送手段821に載置されて移送され、所望のシュート手段860の位置で循環移送手段821から搬出されてシュート手段860の下方に貯留されるように構成されている。
また、循環移送手段821を上下2段平行に走行させて、設置面積あたりの仕分効率を向上させることも提案されている。
【0003】
また、物品を垂直方向に移送する装置として、下階から上階まで貫通してフレームを設置して、フレームの内部に箱型のキャリッジがチェーンのような無限軌道体により保持され、モータにより駆動してキャリッジを昇降させるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−89965号公報(全文、図1、図4)
【特許文献2】特開2004−43110号公報(全文、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された物品搬送仕分装置800では、搬出ラインが平面上に多数並設されるため、搬出先が多数になると、搬出ラインの数に応じて設置面積が大きくならざるを得ないというものであった。
ところが、近年は、多種の物品を多方面に搬送するという要請が高くなりつつあり、多数の搬出ラインを設置するようになった結果、物品搬送仕分装置の設置に莫大な設置面積を要することとなり、また装置が巨大化した結果、装置の設置、保守、管理などに大変な手間がかかるという問題が顕著になってきた。
【0006】
また、従来の循環移送手段を使用した仕分では、物品の仕分方向を、循環移送手段の走行方向に対し右または左の2方向しかとれず、両側に設置できる搬出ラインの数を増加させると循環移送手段が長大となって装置が複雑化するという問題があるとともに、循環移送手段の内側に設置されるシュート手段については、搬出用のカートやトラックなどを横付けしにくく、搬出ステーションとして使い勝手がよくないという問題があった。
さらに、従来提案されていたように循環移送手段を上下2段にして設置面積当りの仕分効率の向上を図る場合には、循環移送手段の周囲に配置するシュート手段のレイアウトが複雑になったり、シュート手段のスロープを調整する機構を配置することで構造が複雑となってしまうという問題や、上下のいずれかの循環移送手段への仕分と循環移送手段からシュート手段への仕分と仕分操作が2段階になり制御が複雑になって、誤配送の虞が増えるという問題があった。
その上、縦2段型の仕分装置で、急な傾斜部を設けずに搬出ラインを形成しようとすると、高さの異なるコンベヤベルト相互間の落差を緩傾斜スロープを設けて結合するなど、何らかの機構を設けて結合する必要があるため、縦2段型仕分装置内においてこれらコンベヤを結合する機構などの設置スペースが大きくなり、装置の大型化を回避することが困難であるという問題があった。
【0007】
加えて、従来使用されているような垂直搬送装置は、キャリッジをワイヤ、チェーンのような条体で吊下してモータにより昇降駆動させていて条体を装置フレーム付近で複雑に取り回しているため、物品を搬入、搬出する方向に制約が生じて、特定の方向でしか物品の搬入、搬出が行えない点、使い勝手が悪く、またモータなどの駆動機構や条体の重量や移送物品の荷重などの重量がすべて装置フレームの天井部分に作用するため、フレームを剛性高く設計する必要があったり、吊下げワイヤ等の条体を取り回す空間を余分に設ける必要があったりして、装置全体の大型化を回避できないという問題があった。
また、このように装置が複雑になれば、部品点数も多くなり、駆動機構の保守作業が繁雑になるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、従来の問題点を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、物品を仕分および搬出する機構を垂直方向に設けて、省スペースで設置面積当りの仕分および搬出効率の高く、しかも保守作業性の簡便な物品搬送仕分装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る本発明は、物品を搬入する1または複数の物品搬入ラインと物品搬入ラインから搬入された物品を搬出先毎に仕分ける物品仕分ラインと物品仕分ラインで仕分けられた物品を搬出先毎に集積、貯留する1または複数の物品搬出ラインとを備えた物品搬送仕分装置において、前記物品仕分ラインが、前記物品搬入ラインから投入される物品を搬入する搬入口と前記物品搬出ラインに物品を搬出する搬出口とを垂直方向に並設した筐体と該搬入口と搬出口との間で物品を移送する昇降仕分機構とを備え、前記物品搬出ラインが、前記物品仕分ラインの搬出口と対向して垂直方向に複数配列されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0010】
請求項2に係る本発明は、請求項1に記載の物品搬送仕分装置に加えて、前記物品仕分ラインの筐体が前記搬入口および搬出口を垂直方向の所望の高さにおいて前後左右方向のいずれか1方向または複数方向に開口し、前記昇降仕分機構が前記物品を前後左右方向のいずれかの方向に搬入、搬出する物品移載機と、該物品移載機を支持して前記搬入口から搬入された物品を所望の搬出口高さまで昇降移動させる垂直搬送機とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0011】
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2に記載の物品搬送仕分装置に加えて、前記物品搬出ラインが垂直方向に複数並設されて物品搬出ラックを形成し、該物品搬出ラックが水平方向に1若しくは複数平行若しくは放射状に配置されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0012】
請求項4に係る本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物品搬送仕分装置に加えて、前記昇降仕分機構が、前記物品仕分ラインに搬入された物品を搭載する物品搭載面を備えるとともに該物品搭載面を前後左右いずれかの方向に移動して搭載した物品を搬入、搬出する物品移載コンベヤを備える矩形状の物品移載機と、該物品移載機の下側に、前記物品移載コンベヤの物品搭載面に対して平行に設置された回転軸を中心に正逆回転する昇降用スプロケットと、該昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに前記昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて下降しつつ分岐する一対の昇降用噛合チェーンと、前記昇降用スプロケットを駆動する駆動源とを備えている噛合チェーン式垂直搬送機とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0013】
請求項5に係る本発明は、請求項4に記載の物品搬送仕分装置に加えて、前記物品移載機が、前後方向および左右方向に複数配列された球状または円筒状の移送ローラと、該移送ローラのそれぞれの回転軸を水平面内で一斉に揺動する移送方向変更機構と、前記移送ローラを一斉に回転させる回転駆動機構とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0014】
請求項6に係る本発明は、請求項4に記載の物品搬送仕分装置に加えて、前記物品移載機が、多数のフリーボールがその上端および下端を一部突出して回転自在に設けられた無端ベルト状を呈するボールコンベヤと、該ボールコンベヤの下端から突出したフリーボールと接触しフリーボールにボールコンベヤの移動方向と直行する方向に回転力を与える直線駆動ベルトと、これらボールコンベヤと直線駆動ベルトそれぞれを駆動する駆動源とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0015】
請求項7に係る本発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の物品搬送仕分装置に加えて、前記物品仕分ラインが、前記物品搭載ユニットを誘導案内するガイドレールを前記筐体の4隅にそれぞれ立設され、前記物品移載機の隅角部に、前記ガイドレールに沿って転動するガイドローラが設置されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、物品を搬入する1または複数の物品搬入ラインと物品搬入ラインから搬入された物品を搬出先毎に仕分ける物品仕分ラインと物品仕分ラインで仕分けられた物品を搬出先毎に集積、貯留する1または複数の物品搬出ラインとを備えた物品搬送仕分装置において、物品仕分ラインが、物品搬入ラインから投入される物品を搬入する搬入口と物品搬出ラインに物品を搬出する搬出口とを垂直方向に並設した筐体と搬入口と搬出口との間で物品を移送する昇降仕分機構とを備え、物品搬出ラインが物品仕分ラインの搬出口と対向して垂直方向に複数配列されていることにより、従来のように物品仕分ラインとして水平循環駆動される循環移送手段を不要として、昇降仕分機構により垂直方向に適宜に並設される送出口に物品を仕分けるため、物品仕分ラインを、搭載する物品の大きさより幾分大きい程度の、きわめて小さい面積において省スペースに設置することができて、物品仕分ラインの設置効率を格段に向上させることができる。
【0017】
また、物品搬出ラインを垂直方向に複数配列したことにより、物品搬出ラインを従前のように水平方向に場所を占有して配置することなく、一つの搬出ラインの設置面積に多数の物品搬出ラインを設置するため、搬出ラインの設置効率も従前と比して格段に向上させることができる。
さらに、物品搬出ラインが垂直方向に集約された結果、物品搬出ラインが一箇所に集中されるため、いずれの物品搬出ラインであってもアクセスが容易で、カート、トラックなどに物品を移載する荷積み作業や、点検、整備などの保守作業を、円滑かつ効率的に実行することができる。
【0018】
請求項2に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1に記載の物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、物品仕分ラインの筐体が搬入口および搬出口を垂直方向の所望の高さにおいて前後左右方向のいずれか1方向または複数方向に開口し、昇降仕分機構が物品を前後左右方向のいずれかの方向に搬入、搬出する物品移載機と、当該物品移載機を支持して搬入口から搬入された物品を所望の搬出口高さまで昇降移動させる垂直搬送機とを備えていることにより、所望の高さにおける搬入経路または搬出経路を最大で4方向に設置可能となるため、従来の循環手段では最大2方向にしか搬出ラインを設置することができなかったことに比べ、搬入および搬出ラインを、それぞれの高さ位置において多数分岐させることができる。
また、特定高さにおいて分岐する物品搬出ラインの数を倍増させた結果、物品搬出ラインまたは物品搬入ラインの数を増設しても、各分岐ラインに達する経路を長くすることなく短い経路を移送するのみで所望の搬入、搬出ラインに到達するので、装置をコンパクトにまとめることができるとともに仕分に要する時間を短縮して作業効率を向上することができる。
【0019】
請求項3に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1または請求項2に記載の物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、物品搬出ラインが垂直方向に複数並設されて物品搬出ラックを形成し、この物品搬出ラックが水平方向に1若しくは複数平行若しくは放射状に配置されていることにより、一つの物品搬出ラインを設置する面積の中に多数の物品搬出ラインを集約した物品搬出ラックとして配置したため、搬出ラインの設置面積を格段に小さくすることができて、仕分スペースを十二分に有効活用することができる。
また、物品搬出ラックを1または複数、平行若しくは放射状に配置されていることにより、全ての物品搬出ラインについて同じ方向からアプローチして、作業者が目的とする搬出ラインの位置を確認することを容易とすることができるとともに、いずれの物品搬出ラインについても、動線が重なることなくカート、トラックなどへの荷積み作業を円滑に遂行することができる。
さらに、循環状の移送手段を使用せず、垂直方向にレイアウトした物品仕分ラインにおいて搬入口、搬出口の高さを異ならせて前後左右いずれの方向へでも開口可能であり、これに連接して適宜の方向に物品搬出ラインを配置可能であり、例えば、物品仕分ラインを物品仕分スペースの壁面に沿って配置したり、隅の凹角部に配置したりすることも、あるいは、物品仕分スペースの中央に配置して多方向に分岐して物品搬出ラックを配置した物品移送仕分装置を構成することも、いずれも自由自在であるため、使用できる仕分スペースの広さ、形状や、荷卸し、荷積み用のカート、車両などの侵入経路、出発経路の配置などの条件にあわせて自由にレイアウト可能で、しかも効率的に仕分作業を遂行できる物品搬送仕分装置を自由度高く構成することができる。
【0020】
請求項4に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、昇降仕分機構が、物品仕分ラインに搬入された物品を搭載する物品搭載面を備えるとともに物品搭載面を前後左右いずれかの方向に移動して搭載した物品を搬入、搬出する物品移載コンベヤを備える矩形状の物品移載機と、この物品移載機の下側に物品移載コンベヤの物品搭載面に対して平行に設置された回転軸を中心に正逆回転する昇降用スプロケットと、昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて下降しつつ分岐する一対の昇降用噛合チェーンと、昇降用スプロケットを駆動する駆動源とを備えている噛合チェーン式垂直搬送機とを備えていることにより、所望の高さにおける搬入経路または搬出経路を最大で4方向に搬入、搬出可能となり、しかも、物品を吊下せずにコンベヤの物品搭載面に安定して載置した状態で物品を移送するため、物品移載機の構造を複雑にすることなく安定した状態で物品を移送することができるとともに、一対の昇降用噛合チェーン、昇降用スプロケット、駆動源などの昇降機構が物品搭載機の下側に配置されて、従前の吊下式昇降機構と比べて駆動機構を上方に設置することがなく、昇降機構の枠体に載置した物品の荷重や駆動機構の荷重が印加されることがないため、枠体の構造強度を高くする必要がなく、全体として物品仕分ラインの構造を大型化することなく搬送重量を増大することができる。
【0021】
また、一対の昇降用噛合チェーンを相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇した上昇位置と、自立状態の垂直方向からから水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて下降しつつ分岐した下降位置までの間で物品移載機の昇降ストロークを設定するため、上方に吊下機構などの機械部品を設置するスペースを設ける必要もなく、昇降機構部分に生ずる間隙を最小限にとどめ物品仕分ラインの昇降ストロークを最大限として、搬入口、搬出口などを効率よく開口させて、物品搬入ライン、搬出ラインの分岐数を最大限に設置することができる。
さらに、側面や上部に吊下げ用の条体が複雑に掛け回すこともないため、物品搭載機での物品の搬出・搬入作業において、このような条体が作業の妨げとなるようなこともなく、また、物品搭載面の保守作業を円滑に行なうことができるとともに、昇降機構の部品交換などの保守作業を床上において簡便に遂行することができる。
【0022】
請求項5に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項4に記載の物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、物品移載機が前後方向および左右方向に複数配列された球状または円筒状の移送ローラと、移送ローラのそれぞれの回転軸を水平面内で一斉に揺動する移送方向変更機構と、移送ローラを一斉に回転させる回転駆動機構とを備えていることにより、4方向に移動するコンベヤ機構を複雑な機構とすることなく、前後、左右と平面上に多数配列された移送ローラの回転軸方向を適宜に揺動変更する移送方向変更機構と移送ローラを正転若しくは逆転回転させる回転駆動機構を備える、という程度の簡略な機構で、前後、左右4方向のいずれの方向へも円滑に移送を行えるため、物品移載機をコンパクトで動作確実なものとすることができる。
【0023】
請求項6に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項4に記載の物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、物品移載機が、多数のフリーボールがその上端および下端を一部突出して回転自在に設けられた無端ベルト状を呈するボールコンベヤと、ボールコンベヤの下端から突出したフリーボールと接触しフリーボールにボールコンベヤの移動方向と直行する方向に回転力を与える直線駆動ベルトと、これらボールコンベヤと直線駆動ベルトそれぞれを駆動する駆動源とを備えていることにより、ボールコンベヤと直線駆動ベルトとの駆動方向、速度を適宜に調整するだけで、任意の方向への搬入、搬出動作が可能となるため、物品移載機を大型化することなく、コンパクトで動作確実なものとできる。
【0024】
請求項7に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、物品仕分ラインが、物品移載機を誘導案内するガイドレールを筐体の4隅にそれぞれ立設され、物品移載機の隅角部にガイドレールに沿って転動するガイドローラが設置されていることにより、昇降用噛合チェーンにより昇降する物品移載機が、4隅に設置されたガイドレールにより誘導案内されるため、チェーン駆動型垂直搬送機を使用する場合に生じがちな、横揺れ、縦揺れなどを防止し、安定、確実に物品の垂直搬送を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例である物品搬送仕分装置の正面図。
【図2】図1に示す物品搬送仕分装置の側面図。
【図3】図1に示す物品搬送仕分装置の平面、断面図。
【図4】図1に示す物品搬送仕分装置の斜視図。
【図5】図1に示す物品搬送仕分装置に使用される垂直昇降機構の斜視図。
【図6】図5に示す垂直昇降機構の物品移載機に使用されるボールコンベヤの斜視図。
【図7】本発明の第2実施例である物品搬送仕分装置の斜視図。
【図8】本発明の第3実施例である物品搬送仕分装置の斜視図。
【図9】本発明の第4実施例である物品搬送仕分装置の斜視図。
【図10】本発明の第5実施例である物品搬送仕分装置の斜視図。
【図11】本発明の第6実施例である物品搬送仕分装置の斜視図。
【図12】本発明の第7実施例である物品搬送仕分装置の斜視図。
【図13】従来技術の物品搬送仕分装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の物品搬送仕分装置は、物品を搬入する1または複数の物品搬入ラインと物品搬入ラインから搬入された物品を搬出先毎に仕分ける物品仕分ラインと物品仕分ラインで仕分けられた物品を搬出先毎に集積、貯留する1または複数の物品搬出ラインとを備えた物品搬送仕分装置において、物品仕分ラインが、物品搬入ラインから投入される物品を搬入する搬入口と物品搬出ラインに物品を搬出する搬出口とを垂直方向に並設した筐体と、搬入口と搬出口との間で物品を移送する昇降仕分機構とを備え、物品搬出ラインが物品仕分ラインの搬出口と対向して垂直方向に複数配列されて、物品を仕分および搬出する機構を垂直方向に設けて、設置面積当りの仕分および搬出効率の高いものであれば、その具体的な実施の態様は、いかなるものであっても何ら構わない。
【0027】
例えば、本発明の物品搬送仕分装置に使用される昇降仕分機構は、物品を搭載する物品移載機を搬入位置と搬出位置との間で垂直搬送することが可能であれば、いかなる装置レイアウトであっても良く、例えば、下部位置に連接した搬入側コンベヤなどの物品搬入ラインから搬入した物品を上昇させて垂直搬送した後に、前後左右のいずれかの方向に連接した搬出口を通じて搬出ローラコンベヤなどの物品搬出ラインへ搬出するもの、あるいは、その逆に、上部位置に連接した物品搬入ラインから搬入口を通じて物品を搬入した後に搬入した物品を下降させて垂直搬送するもの、などのいずれであってもよい。
【0028】
また、本発明の物品搬送仕分装置の噛合チェーン式垂直搬送機に使用される一対の昇降用噛合チェーンは、一対の若しくは1個の昇降用スプロケットの正転により相互に噛み合わせて一体化するとともに昇降用スプロケットの逆転により相互に噛み外れて分岐するものであれば、その具体的なチェーン形態はいかなるものであってもよく、例えば、チェーン幅方向に1列の単列であるもの、チェーン幅方向に2列以上の複列であるものなどいずれであっても構わないが、チェーン幅方向に2列以上の複列であるものを採用する場合には、一対の噛合チェーンの一方を構成するフック状外歯プレートとフック状内歯プレートが、これに対向する他方の噛合チェーンを構成するフック状外歯プレートとフック状内歯プレートに対してチェーン幅方向の複列にわたってそれぞれフック状に多重かつ強固に噛み合うため、噛合チェーンのチェーン幅方向に生じがちな座屈を確実に抑制して、強度に優れた昇降機構を実現することができるので、より好ましい。
【0029】
さらに、本発明の垂直昇降機構で使用される一対の昇降用噛合チェーンは、ローラを有していないもの、すなわち、ブシュのみを有するもの、ローラを有するものなど何れであっても構わないが、ブシュのみを有するものを採用する場合には、チェーン部品点数が低減して、チェーン重量の軽量化を図ることができる。
【0030】
また、本発明の物品搬送仕分装置に使用される物品移載機の具体的な形態については、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤなど、種々のタイプの移載装置が使用可能であるが、前後左右など任意の方向に移載可能である点では、多数のフリーボールを回転自在に設けられたボールコンベヤと、当該ボールコンベヤのフリーボールを適宜の方向に回転させる直線駆動ベルトとを組み合わせて駆動するタイプのコンベヤか、前後方向および左右方向に複数配列された球状または円筒状の移送ローラと、当該移送ローラのそれぞれの回転軸を水平面内で一斉に揺動する移送方向変更機構と、移送ローラを一斉に回転させる回転駆動機構とを備えているタイプのローラコンベヤなどを使用すると、サイズ的に小型にまとめられるとともに、任意の方向への搬出、搬入動作が自在であり好ましい。
【0031】
本発明の物品搬送仕分装置に使用される物品搬出ラインは、ローラウェイのような、多数のローラを並設して物品の自重により移動するものが、特に余分なエネルギーを必要としない点で好ましいが、装置の規模が大きくなる場合には、モータなどの駆動源により駆動されるローラコンベヤまたはベルトコンベヤを備えるようにすると、ライン上に物品が滞留することなく、確実に物品を移送できる。
また、物品搬出ラインの形態は、直線状とするだけではなく、特に物品仕分ラインと接続部など、曲線状の移送路を備えるようにしても構わない。
【0032】
本発明の物品搬送仕分装置は、一つの部屋内にのみ設置する形態としてもよいが、例えば上方にも物品搬入ラインを設置する場合など、下層階に物品仕分ライン、物品搬出ラインを設置し、上層階と下層階との一方または双方に物品搬入ラインを設置する、というように、2階またはそれ以上の階にわたって、本発明の物品搬送仕分装置を設置しても何ら構わない。
また、本発明の物品搬送仕分装置では、昇降仕分機構として矩形状の物品移載機を使用して物品搬出ラインを前後左右の4方向に配設しているが、装置全体を大規模に構成する場合には、昇降仕分機構の外径を正6角形、正8角形などの多各形状として、物品搬出ラインを当該多各形状の昇降仕分機構の各辺から延出するように構成し、一つの高さ位置から一層多数の物品搬出ラインを分岐するようにしても構わず、分岐の数が増加する程、同程度の高さの装置であっても、多数の物品搬出ラインを配置できて、多種、多様な配送形態に対応することができる。
【実施例1】
【0033】
以下、本発明の第1実施例である物品搬送仕分装置100について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である物品搬送仕分装置100の正面図であり、図2は、図1に示す物品搬送仕分装置100の側面図であり、図3は、図1に示す物品搬送仕分装置100の平面、断面図であり、図4は、図1に示す物品搬送仕分装置100の斜視図であり、図5は、図1に示す物品搬送仕分装置100に使用される垂直昇降機構130の斜視図であり、図6は、図5に示す垂直昇降機構130の物品移載機140に使用されるボールコンベヤの斜視図である。
【0034】
本発明の第1実施例である物品搬送仕分装置100は、各種製造分野の製造設備、配送分野の配送センターなどに用いるものであって、図1乃至図4に示すように、下部位置にベルトコンベヤなどで構成される物品搬入ライン110から搬入口122を介して搬入された重量物などの物品Mを、垂直方向にタワー状に立設した筐体121で構成される物品仕分ライン120内を、昇降仕分機構130に搭載し、この昇降仕分機構130を作業エリアの設置面に対して昇降させて垂直搬送し、物品Mを垂直方向の所望箇所に開口させた搬出口123を介して、物品Mの配送先に応じて、例えば垂直方向に5列分岐した物品搬出ライン160のいずれかへ搬出させるものである。
なお、図1乃至図3には、下降時の物品移載機140を実線で示し、上昇時の物品移載機140を仮想線で示す。また、図1乃至図3、図5の白ヌキ矢印は、本実施例における物品Mの搬送方向を示す。
【0035】
本第1実施例の物品搬送仕分装置100は、図1または図3に示すように、製造工程で製造されたか、または外部の倉庫などから持ち込まれた物品を受入れる搬入ライン110が下方の接地面付近に配置されていて、当該物品搬入ライン110は、例えばモータにより駆動されるベルトにより回転駆動されるローラコンベヤ111で構成されている。
物品搬入ライン110の適宜の位置、例えば、物品仕分ライン120の直前箇所に、バーコードリーダのような光学読取装置112が設置されていて、物品Mに貼付されたラベルLに記載された物品Mの配送先などのデータを読取り、当該光学読取装置112により読み取られた配送先データに基づいて、各物品Mを配送先に応じた搬出口123を通じて、所望の物品搬出ライン160に移送するように、次の物品仕分ライン120において仕分、搬出される。
【0036】
物品仕分ライン120は垂直方向にタワー状に設置され、本第1実施例では、タワー状の筐体121を備え、その最下段に物品搬入ライン110と連続する搬入口122が開口し、これより上方に、物品Mの搬入方向と直交した方向に5箇所、搬出口123を開口して形成されている。
なお、図1および図2に仮想線で示されるように、作業フロアの上の階に、別の物品搬入ライン120’を設置して構成しても構わず、このようにすると、物品を搬入するフロアと搬出するフロアとを区別することができて、搬入トラック、カートと搬出トラック、カートなどの動線が交わることなく構成でき、大量の物品Mの移送に適したものとできる。
【0037】
前述した筐体121の内部に昇降仕分機構130が設置されていて、当該昇降仕分機構130は、物品搬入ライン110から搬入口122を介して搬入された物品Mを搭載して、所望の高さに位置する特定の搬出口123に向けて搭載した物品Mを搬出する物品移載機140と、この物品移載機140の下側に、上方の物品搭載機140の物品搭載面145に対して平行に設置された回転軸を中心に正逆回転する昇降用スプロケット152と、昇降用スプロケット152の正転駆動により水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに、昇降用スプロケット152の逆転駆動により垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて下降しつつ分岐する一対の昇降用噛合チェーン151と、昇降用スプロケット152を駆動する駆動源である昇降用モータ153とを備える噛合チェーン式垂直搬送機150とを備え、収納ケース154に収容されて設置されている。
なお、本第1実施例では噛合チェーン式垂直搬送機150を2組設けているが、移送する物品Mの重量や物品搭載機140のサイズ、昇降ストロークの長さなどの条件によっては、1組のみでも構わない。
物品移載機140は、上方視で矩形状の直方体形状を呈する昇降ハウジング131および昇降ハウジング131内に配置されて、搭載する物品Mを図3において右方向から搬入し、下方向に搬出する搬入、搬出コンベヤ141を備えている。
【0038】
タワー状の筐体121の垂直方向に並設された搬出口123に連続して、各搬出口123毎にそれぞれ物品搬出ライン160が設置されている。
各物品搬出ライン160は、それぞれ、多数のローラを並設したローラウェイのような傾斜軌道を備えるものであり、物品仕分ライン120の搬出口123から送出された物品Mが物品搬出ライン160の搬送路上に載置されると、物品Mの自重により物品搬出ライン160を下降してゆき、下端部分に集積、貯留されるように構成されている。
各物品搬出ライン160の下流側は、仕分エリアの接地面に水平に並べて配置するのではなく、仕分される物品の高さ程度の間隔をあけて垂直方向に積み重ね、物品搬出ラック170を形成するように配置されている。
なお、物品搬出ライン160の下端側には、それぞれの物品搬出ライン160に集積、貯留された物品Mの配送先を表示する配送先表示部162が設けられていて、作業者は、当該配送先表示部162の表示にしたがって各物品搬出ライン160上の物品Mを各者の担当するトラック、カートなどに積み込むことができる。
【0039】
これにより、本第1実施例の物品搬送仕分装置100は、物品移載機140を噛合チェーン式垂直搬送機150により適宜の垂直位置に位置する搬出口まで移動させて、当該垂直位置において物品移載機を駆動して仕分、搬出するため、従来のような、長大な無端軌道状の移送手段を設けずとも他方権への分岐路を形成することができる。
また、分岐した物品搬出ライン160を垂直方向に並べてラック状に配置したため、複数の物品搬出ライン160を一基分の搬出ラインスペース内に収めて設置できるので、搬送仕分スペースにおける垂直方向空間を有効に活用して、専有面積を小さくしたスペース効率の非常に高い物品搬送仕分装置100となる。
また、垂直方向に一列に配列された物品搬出ライン160へは、図4において左下方面、すなわち正面側からアクセスして物品を確認した後、トラック、カートなどへの荷積み作業に取りかかることも可能であるが、図4において右下側、すなわち右側からアクセスすることもできるし、図4において左上側、すなわち左側からもアクセスすることが可能であるため、物品搬出ライン160からの荷積み作業においても、作業者が広いスペースの中で作業できるため、物品Mの送り出し作業において作業者どうしが鉢合わせする可能性を著しく減じて、作業能率を大きく向上させることができる。
【0040】
さらに、本第1実施例の物品搬送仕分装置100において、噛合チェーン式垂直搬送機150は、一対の昇降用噛合チェーン151、昇降用スプロケット152、および昇降モータ153が、すべて矩形状の物品移載機140の下部の領域に配置されるため、物品仕分ライン120を構成するタワー状の筐体121には、物品移載機、昇降機構、および搬送物品などの重量が加わることなく、しかも上方または側方に吊下げ用の条体を配置する必要がなくなるため、従前の吊下型昇降機構を使用する場合に比べきわめて軽量でコンパクトな筐体121とすることができる。
また、物品移載機140の側方には吊下げ用の条体を掛け回す必要がなく、物品Mの搬入口122、搬出口123を前後左右いずれの方向にも支障なく開口させるため、物品搬出ライン160をいずれの方向にも自由に分岐させて設計上の自由度高く物品搬送仕分装置100を構成することができるとともに、当該物品移載装置140の清掃、保守作業などを効率的に遂行することができる。
加えて、仕分エリアの設置面付近で、通常はデッドスペースとなっている箇所に昇降用噛合チェーン151、昇降スプロケット152、昇降モータ153などの駆動機構が収納ケース154に納めて配置されるため、無駄なスペースを設けることなく、しかも、これらの保守作業を設置面上で支障なく遂行することができる。
【0041】
その上、昇降仕分機構130を誘導案内する4本のガイドレール124が、物品仕分ライン120が備える筐体121の4隅にそれぞれ立設されているとともに、ガイドレール124に沿って転動するガイドローラ132が昇降仕分機構130の昇降ハウジング131の4隅に、ガイドレール124と対向して配置されていることにより、2組の昇降用噛合チェーン151で昇降する物品移載機140が4隅に配したガイドレール132で誘導案内されつつ昇降するため、物品移載機140を昇降させる際に生じがちな横揺れや縦揺れを防止して円滑かつ確実な物品Mの垂直搬送を遂行するようにできる。
また、ガイドレール124が筐体121の隅角部に位置しているため、昇降仕分機構130の側面を通じた物品Mの搬入、搬出作業時において、ガイドレール124が搬入、搬出作業の障害となることはなく、前後左右いずれの方向への搬入、搬出動作であっても円滑に遂行することができる。
【0042】
さて、本発明において使用される物品移載機140について、図3、図5および図6に基づいて、後述する他の実施例の理解に資するように、もう少し説明する。
本第1実施例の物品搬送仕分装置100では、物品移載機140の長手方向から物品Mが搬入されて、短手方向の一側面のみから搬出するようにしているため、搬入または搬出動作は、例えばベルトコンベヤとプッシャとを組み合わせた搬送機構のような、比較的単純な機構でも採用可能であるが、後述する実施例では左右両側方、あるいは前後方向の4方向について搬入、搬出を実行するため、図3において仮想線で示されるように、4方向に自在に正逆転駆動するような搬送機構を使用することが望ましい。
このような、4方向への搬出、搬入動作が実現可能なものとして、本発明の各実施例では、図5および図6に示されるような、フリーボールコンベヤ型のコンベヤユニットを採用している。
【0043】
物品移載機140は、多数の横長のチェーンリンク141aが前後のヒンジ部141bに設けられたピン孔141cにヒンジピン141dを挿通することにより、すなわち、ヒンジピン141dを介してチェーンリンク141aを長手方向に相互に多数無端ベルト状を呈するように連結されており、また、チェーンリンク141aの後端側に形成されたボールユニット装着領域141eに、フリーボール141fが、上端および下端を突出したボールユニット141gの形態で多数装着されている。
すなわち、フリーボール141fがボール保持部となる上下一対のリテーナ141hにより回動自在に挟持されてボールユニット141gを形成し、このボールユニット141gがそれぞれのチェーンリンク141aに凹状に複数形成されたボールユニット装着領域141eに係止用突起141jで係止して保持されて、全体として左右方向および前後方向に多数のフリーボール141fが装備されたボールコンベヤ141を形成している。
【0044】
ボールコンベヤ141は、図5に示されるとおり、長手方向の前後に複数設置されたコンベヤスプロケット142に掛け回されて無端ベルトコンベヤ状に装着され、その上面が、移送する物品Mを搭載する搭載面145を形成している。
このボールコンベヤ141の内側、すなわち、物品Mを搭載する搭載面145と反対の側に、フリーボール141fの下端側と接触してフリーボール141fに回転力を与える直線駆動ベルト144が設置されていて、例えば図5に示される例では、直線駆動ベルト144の作動により、フリーボール141fはボールコンベヤ141の幅方向への回転力が与えられる。
直線駆動ベルト144を不動作とした状態で、コンベヤスプロケット142に連結した駆動源であるベルト駆動モータ143を作動させてボールコンベヤ141を順方向に駆動すると、ボールコンベヤ141上の物品Mは前方に移動され、ボールコンベヤ141を逆方向に作動させると、ボールコンベヤ141上の物品Mが後方に移動される。
また、ベルト駆動モータ143を停止した状態で、直線駆動ベルト144を順方向若しくは逆方向に駆動すると、フリーボール141fが回転して、搭載された物品Mは直線駆動ベルト144の駆動方向と逆の方向に移動される。
【0045】
このような、ボールコンベヤ141と直線駆動ベルト144とを組み合わせて動作させることにより、ボールコンベヤ141に搭載された物品Mを前後左右いずれの方向にも搬入、搬出することが可能なものであり、当該ボールコンベヤ141と直線駆動ベルト144とを組み合わせた機構は、本発明において、搭載した物品Mを前後左右いずれの方向にも搬入、搬出する物品移載コンベヤを構成する。
当該ボールコンベヤ141と直線駆動ベルト144などを組み合わせた機構は、組み合わせ動作させることで、水平方向の任意の方向に搬出、搬入動作を実行できるので、物品搭載機140を矩形のみならず、正六角形、正八角形など、種々の形状として、多数の搬入、搬出分岐路を形成することも可能であることがわかる。
【0046】
なお、直線駆動ベルトを2組並べて設置して、2つの直線駆動ベルトを逆方向に駆動することにより、搭載された物品Mを回転させることも可能となり、この回転機能を活用すると、物品Mに貼付されたラベルLの位置を特定の向きに揃えて、例えば図4に示されるように、搬入ライン110と搬出ライン160とが直交する方向に位置する場合など、物品Mの向きを変更しないと2つめ以降の物品MのラベルLが視認できない向きで物品が整列されそうな場合にも、物品Mを回転させて、搬出ライン160上でラベルLが視認できる方向で物品Mを整列させることができる。
また、この直線駆動ベルト144を回転テーブルのような回転機構146上に載置して、回転機構146を回転させることにより直線駆動ベルト144を任意の角度で駆動可能とすれば、左右方向以外にも、任意の方向に物品Mを搬入、搬出することも可能であるし、回転機構146の駆動により搭載された物品Mを水平面上で回転させることも可能である。
【0047】
次に、本発明のような垂直方向の物品仕分ライン120を採用すると、物品搬入ライン110および物品搬出ライン160を、種々のレイアウトで構成することができる点について、図面を参照しながら、以下に説明する。
先に記述した第1実施例の物品搬送仕分装置100は、上面視で概ねL字形をしているため、完全に四方が開放されたスペースで活用すれば、3方向のいずれからもアクセスできて荷積み作業に便利であることは前述したとおりであるが、仕分スペースに制約がある場合には、仕分スペースのコーナーエリア、すなわち、直交する壁面付近で使用するに好適なものである。
すなわち、図4に示されるように、第1実施例の物品搬送仕分装置100は、図上右上側や左上側については特に作業スペースとして重要な空間ではないため、この方向に壁があっても、特段の問題なく仕分作業を遂行することができるので、前述したように、仕分スペースのコーナーエリアでも、特に問題なく仕分作業を遂行することができる。
【実施例2】
【0048】
これに対し、図7に示される第2実施例の物品搬送仕分装置200は、物品仕分ライン220を中心として物品搬出ライン260を物品搬入ライン210の反対側に配置したものである。
図7において、右側から左方に物品Mを搬入する物品搬入ライン210が配置され、第1実施例の物品搬送仕分装置と同様に一側に光学読取り装置212が設置されて、各物品の配送先を読み取るようにしている。
物品搬入ライン210から搬入された物品Mは、直立した物品仕分ライン220において、物品搬入ライン210と向かい合う位置に、垂直方向に複数配置された物品搬出ライン260へ仕分、搬出される。
各物品搬出ライン260は、前述した第1実施例の場合と同様に、仕分される物品Mの高さ程度の間隔をあけて垂直方向に積み重ね、物品搬出ラック270を形成するように配置されている。
なお、第2実施例の物品搬送仕分装置200の場合には、物品移載機240において、後方側から物品Mが搬入されて前方側へ搬出されるので、第2実施例において採用される物品移載機240は、単純なベルトコンベヤで構成しても構わない。
【0049】
本第2実施例である物品搬送仕分装置200は、物品搬入ライン210と物品搬出ライン260とが上面視でI字状にレイアウトされているため、仕分スペースとして細長いスペースしかとれない場合に適していて、特に、壁面に接して設置する場合に好適である。
もちろん、四方を開放した仕分空間で使用しても問題なくその機能を発揮するものであり、その場合には、荷卸し、荷積み作業において作業者が3方向から物品搬入ライン210または物品搬出ライン260にアクセスできるので、荷卸し、荷積みなどの作業を自由に遂行することができる。
【実施例3】
【0050】
また、第1実施例の物品搬送仕分装置100と比べ、物品搬出ラインを倍増してレイアウトした例が、図8および図9に示される、第3実施例および第4実施例の物品搬送仕分装置である。
図8に示される第3実施例の物品搬送仕分装置300は、第1実施例のような、垂直方向に複数、具体的には5列、重ねて並設した物品搬出ライン360を1基の物品搬出ラック370として、この物品搬出ラック270を2基、平行に配置している。
第3実施例の物品搬送仕分装置300では、図8において右側下方に配置された物品搬入ライン310から送り込まれる物品Mが垂直に位置する物品仕分ライン320により、垂直方向に5段階、水平方向に前方側または左方側の2方向に仕分けされるので、10列の物品搬出ライン360を分岐させることができる。
このように、水平方向の2方向を利用することで物品搬送仕分装置200の高さを高くすることなく、多数の物品搬出ライン360を分岐して配置することができる。
【0051】
第3実施例の物品搬送仕分装置300では、物品仕分ライン220において物品移載機340により、前方側と左方側と、2つの方向に物品Mが搬出されるので、前述したような、前後方向および左右方向に自在に搬入、搬出動作を行えるボールコンベヤ141および直線駆動ベルト144などを併用した機構を使用するのが有効である。
また、図8に示されるように、ラベルLの向きを、物品搬出ライン360上で物品の向かって右側に位置するように揃えるのであれば、物品Mを回転させる機構をもあわせ備えるようにするとよい。
また、本第3実施例の物品搬送仕分装置300では、物品搬出ラック370を平行に配置するため、図8において左方側に位置する物品搬出ライン360の上流側を曲線状の曲線搬出路363とし、物品仕分ライン320の搬出口323との結合部で下流側の物品搬出ライン360を構成する直線状搬出路361と直行する方向に搬出される物品Mを受け取った後、曲線搬出路363を経由して直線状搬出路361に物品を集積、貯留するようにしている。
【0052】
本第3実施例の物品搬送仕分装置300のように配置すると、正面側、すなわち図7において物品搬出ライン360の配送先表示部と対向する側、からアクセスすると、全ての物品搬出ライン260についてそれぞれの配送先を一箇所から観察できて、目的とする物品搬出ライン260を探して動き回る必要がなく、しかも荷積み作業において各作業者の動線が交差することがないようにレイアウトできるので、荷積み作業において生じ易い無駄が生ずることなく効率的に作業を遂行することができる。
【実施例4】
【0053】
図9に示される第4実施例の物品搬送仕分装置400は、物品搬出ラックを2基平行に配置した点では第3実施例と共通するが、第3実施例では一方の物品搬出ライン370を物品搬入ライン310の反対側に配置していたのに対し、第4実施例の物品搬送仕分装置400では、物品搬入ライン410が配置されているのと同じ側に物品搬出ラック470を配置している点が相違する。
すなわち、本第4実施例の物品搬送仕分装置400は、物品仕分ライン420左側側面から直線状に延出する直線搬出路461により構成される物品搬出ライン560を垂直方向に5列重ねて形成した第1の物品搬出ラック570と、当該物品搬出ラック570の物品搬入ライン410寄りに配置され、物品仕分ライン520の物品搬入ライン510側に搬出される物品Mを受け入れる、垂直方向に4列の物品搬出ラインを重ねて形成した第2の物品搬出ラック570とを備えている。
物品搬入ライン410側に配置される第2の物品搬出ラック470は、最下段に物品搬入ライン410が位置しているため、物品搬出ラック460の数が1列少なくなっていて、また各物品搬出ライン460の上流側には、物品仕分ライン420の物品搬出ライン410側に開口する搬出口に連結するように、曲線搬出路463が形成されている。
【0054】
第4実施例の物品搬送仕分装置400では、右下側に配置された物品搬入ライン410から物品Mが搬入されることは第3実施例の場合と同様であるが、物品仕分ライン420において、垂直方向に5段階、水平方向に左方側または後方側の2方向に仕分けされる。
このように配置すると、物品搬入ライン410の側方のスペースについても物品搬出ライン460を設置するスペースとして活用でき、しかも、図9において物品仕分ライン420より左方側のスペースを不要とするため、第3実施例の物品搬送仕分装置300より一層狭いスペースで、第2実施例とほぼ同様の、1列少ない程度の物品搬出ライン460を配置して仕分作業が遂行できる。また、第4実施例のような物品搬送仕分装置400は、第1実施例の場合と同様に、仕分スペースのコーナーエリアに設置することも可能である。
【実施例5】
【0055】
図10に示されるように、物品搬出ラックをさらに増設して3基配置して構成したのが、本第5実施例の物品搬送仕分装置500である。
図10に示される本第5実施例の物品搬送仕分装置500は、第3実施例と第4実施例とを折衷したような配置となっているが、物品搬出ラック570が3基、物品搬入ライン610の搬入方向からみて側方に延出して配置されている。
物品搬出ラック570は、図10において左方の2基がそれぞれ物品搬出ライン560を垂直方向に5段並設して構成されていて、最左側の物品搬出ラック570を構成する物品搬出ライン560の上流側は、物品仕分ライン520との連設部分に曲線搬出路563が形成されている。
中央に位置する物品搬出ラック570は、物品仕分ライン520の左側側面から直線状に延出する直線搬出路561により構成される物品搬出ライン560を垂直方向に5列重ねて形成されていて、また、右側に位置する物品搬出ラック570は、最下段に物品搬入ライン510が配置されているため、4列の物品搬出ライン560を重ねて1基の物品搬出ラック570が形成されている。
本第5実施例の物品仕分ライン520に使用される物品移載機540は、搭載した物品Mを前方、左方、および後方の3方向に搬出するものとなるので、先に記載したようなボールコンベヤ141および直線駆動ベルト144などを併用した機構を使用すると、装置をコンパクトにまとめて、きわめて使い勝手の良いものにできる。
【0056】
本第5実施例の物品搬送仕分装置500のように構成すると、物品搬送仕分装置500の高さを高くすることなく、物品搬出ライン560の分岐数を14列とするので、一層多方面への仕分作業が可能となる。
また、いずれの物品搬出ライン560についても、その配送先などの情報を正面側から視認できるので、作業者が、自己の積み出すべき物品の保留された物品搬出ライン560を探し回ることなく容易に見いだすことができ、荷積み作業を円滑に遂行することができる。
【実施例6】
【0057】
図11に示される、本第6実施例の物品搬送仕分装置600は、2基の物品搬出ラックを配置している点において前述した第3実施例の物品搬送仕分装置300と類似しているが、物品搬入ライン610を、2基の物品搬出ラック670と反対側に配置している点で相違する。
本第6実施例の物品搬送仕分装置600は、直線搬出路661より構成される物品搬出ライン660を垂直方向に5列重ねて形成した第1の物品搬出ラック570を1基と、上流側に曲線搬出路663を備えて下流側を先の第1の物品搬出ラック570と平行な直線搬出路661とした物品搬出ライン660を垂直方向に5列重ねて形成した、左側の第2の物品搬出ラック570を1基備えている。
【0058】
本第6実施例の物品搬送仕分装置600で使用される物品移載装置640は、後方から物品Mが搬入され、前方または左側方のいずれかに搭載した物品を搬出するものであり、先に記載したようなボールコンベヤ141および直線駆動ベルト144などを併用した機構を使用すると、装置をコンパクトにまとめて、きわめて使い勝手の良いものにできる。
【0059】
本第6実施例の物品搬送仕分装置600では、物品搬入ライン610と物品搬出ライン670とで配置方向が重ならないので、個々の物品搬出ラック670において物品搬出ライン660を最大数として配列することができる。
また、本第6実施例の物品搬送仕分装置600によれば、物品搬入ライン610と物品搬出ラインとを離れた位置に配置しているので、搬入する物品を荷卸しして物品搬入ライン610に搭載する荷卸しゾーンと、搬出する物品Mを物品搬出ラック670から取り出してトラック、カートなどに荷積みする荷積みゾーンとを完全に分離して配置することができるため、仕分スペースにおいて荷卸し作業と荷積み作業とが混在することがなくなり、作業者の間に無用な混乱を生ずることなく、荷積み、荷卸し作業を円滑に遂行することができる。
【実施例7】
【0060】
図12に示される本第7実施例の物品搬送仕分装置700は、前述した第6実施例の物品搬送仕分装置600をさらに発展させたものであり、物品搬入ライン710と反対側に、3基の物品搬出ラック770を配置したものである。
本第7実施例の物品搬送仕分装置700では、物品搬入ライン710の反対側に、直線搬出路761より構成される物品搬出ライン760を垂直方向に5列重ねて形成した物品搬出ラック770が配置され、当該直線状搬出路771を備えた物品搬出ラック770の両側に、上流側に形成された曲線搬出路763と下流側に直線搬出路761とを有する物品搬出ライン760を垂直方向に5列重ねて形成した物品搬出ラック770が、それぞれ配置されている。
物品仕分ライン720に使用される物品移載機740は、後方から物品Mが搬入され、搭載された物品Mを、前方、左方または右方の3方向のいずれかへと搬出するので、前述したような前後左右に自在に搬出動作を遂行すること可能なボールコンベヤ141および直線駆動ベルト144などを併用した機構を使用することが推奨される。
【0061】
以上のように構成される本第7実施例の物品搬送仕分装置700によれば、前述した第6実施例の物品搬送仕分装置600と同様に、物品搬入ライン710と物品搬出ライン770とを完全に隔離したゾーンに配置できるので、荷卸しおよび荷積み作業に混乱が生ずることなく円滑に遂行することが可能な物品搬送仕分装置700とできるとともに、本発明の特徴となる垂直型物品仕分ライン720の仕分性能を最大限発揮させて、多数の物品搬出ライン760を分岐させることができる。
また、物品搬出ライン760が一方向に集約して配置されているため、作業者が自己のなすべき荷積み作業の対象となるべき物品搬出ライン760を発見するのに手間取ることがなくなり、各作業者の作業を円滑に遂行することができる。
【0062】
以上、7つの実施例を挙げて詳細に説明したとおり、本発明の垂直型物品仕分ライン120乃至720を採用すると、物品搬入ライン110乃至710と物品搬出ライン160乃至760とを様々なレイアウトで配置することが可能となり、それぞれの仕分スペースに応じて最適の物品搬送仕分装置100乃至700を構成することができる。
また、垂直方向に多段に物品搬出ライン160乃至760を分岐させるのみではなく、各高さにおいても、前後左右など水平方向に複数の物品搬出ライン160乃至760を分岐させることができるため、垂直方向と水平方向とを組み合わせて、きわめて多数の物品搬出ライン160乃至760を分岐させることができる。
さらに、垂直方向に複数の物品搬出ライン160乃至760を重ねて形成した物品搬出ラック170乃至770を複数並設することにより物品搬出ライン160乃至760を水平方向と垂直方向の2次元的に配置するようにしたことにより、単位設置面積当りの物品搬出ライン160乃至760の配設数を飛躍的に増大することができるので、従来の平面配置の物品搬送仕分装置に比して、設置面積当りの仕分効率を飛躍的に増大することができる。
【0063】
本発明の物品搬送仕分装置は、上述した7つの実施例以外にも、更なる改変が可能なものである。
例えば、物品搬出ラインの分岐数を増大させるのであれば、第5実施例または第7実施例の物品搬送仕分装置のように水平方向に3方向に仕分けるのみではなく、物品搬入ラインと同じ側にも高さを変えて物品搬出ラインを分岐させて、水平方向に4方向に仕分けるようにすれば、同じ大きさの物品仕分ラインを使用しながらさらに多数の物品搬出ラインを分岐させることができる。
また、前述した実施例では、各物品搬出ラックを平行に配置して限られたスペース内において作業者の作業の利便性を図るようにしているが、スペース的に余裕がある場合には、物品仕分ラインから放射状に物品搬出ライン若しくは物品搬出ラックを分岐して配置し、各物品搬出ラインへ自由にアクセスできるようにすることも考えられる。
さらに、物品搬出ラックを放射状に配置する場合には、先にも言及したが、物品移載機として正6角形、正8角形などの多角形状のものを使用し、当該正多角形状の物品搭載機のそれぞれの搬出方向に倣って、6基あるいは8基の物品搬出ラックを配置すると、さらに多数の物品搬出ラインを分岐した物品搬送仕分装置を形成することができる
【0064】
このようにして得られた各実施例の物品搬送仕分装置100乃至700は、物品仕分ライン120乃至720が、物品搬入ライン110乃至710から投入される物品Mを搬入する搬入口122乃至722と物品搬出ライン160乃至760に物品Mを搬出する搬出口123乃至723とを垂直方向に並設される筐体121乃至721と、搬入口122乃至722と搬出口123乃至723との間で物品Mを移送する昇降仕分機構130乃至730を備えていることにより、物品仕分ライン120乃至720を搭載する物品Mの大きさより幾分大きい程度のきわめて小さい面積において省スペースに設置することができるとともに、物品搬出ライン160乃至760を従前のように水平方向に場所を占有して配置することなく、一つの搬出ラインの設置面積程度の範囲に多数の物品搬出ライン160乃至760を配置するため、省スペースで、物品搬出ライン160乃至760の設置効率も従前と比して格段に向上させることができ、ひいては、設置面積の対する仕分効率を格段に改善した物品搬送仕分装置100乃至700とすることができる。
【0065】
また、物品搬出ライン160乃至760が物品仕分ライン120乃至720の搬出口722と対向して垂直方向に複数配列されていて、昇降仕分機構130が物品仕分ライン120乃至720に搬入された物品Mを搭載する物品搭載面145を備えるとともに物品搭載面145を前後左右いずれかの方向に移動して搭載した物品を搬入、搬出する物品移載コンベヤ141を備える物品移載機140と、物品移載機140の下側に、物品移載コンベヤ141の物品搭載面145に対して平行に設置された回転軸を中心に正逆回転する昇降用スプロケット152と、昇降用スプロケット152により水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに昇降用スプロケット152により垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて下降しつつ分岐する一対の昇降用噛合チェーン151と、昇降用スプロケット152を駆動する駆動源153とを備えている噛合チェーン式垂直搬送機150とを備えていることにより、物品Mの水平方向に前後左右の4方向に振り分ける仕分動作を、垂直方向の複数の高さ位置でそれぞれなし得るようにして、装置の高さを高くすることなく、多方向に多数の物品搬出ライン160乃至760を分岐して、多数の物品仕分が可能となり、装置が専有する面積に対する物品搬出ライン160乃至760の密度を高め、従来の物品仕分装置に比して仕分効率を著しく高めることができる。
特に、物品仕分ライン120乃至720において、物品搬入ライン110乃至710、物品搬出ライン160乃至760を分岐する位置、方向の自由度がきわめて大きく、物品搬入ライン110乃至710や物品搬出ライン160乃至760を自由にレイアウトできるので、物品搬送仕分装置100乃至700を設置、運用するユーザーの多種・多様なニーズに適合した様々な形態の物品搬送仕分100乃至700装置を提供することができる。
【0066】
さらに、噛合チェーン式垂直搬送機150を採用したことで、昇降機構を物品仕分ライン120乃至720の下部に小さくまとめ、送直方向のストロークを長くとれるので、物品Mを仕分する搬入口122乃至722または搬出口123乃至723を垂直方向に多数配置することができて、仕分効率をさらに向上できるとともに、昇降機構の周囲に条体などを取り回す必要がないため、物品移載機140、噛合チェーン式垂直搬送機150などの点検、清掃などの保守作業を簡便化することができる。
その上、物品移載機140が、多数のフリーボール141fがその上端および下端を一部突出して回転自在に設けられたベルト141aからなるボールコンベヤ141と、該ボールコンベヤ141の下端から突出したフリーボール141fと接触しフリーボール141fにボールコンベヤ141の移動方向と直行する方向に回転力を与える直線駆動ベルト144と、これらボールコンベヤ141と直線駆動ベルト144それぞれを駆動する駆動源143とを備えていることにより、搬入、搬出機構を、コンパクトで操作性に優れたものにできるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0067】
100、200、300、400、500、600、700・・・物品搬送仕分装置
110、210、310、410、510、610、710・・・物品搬入ライン
111、211、311、411、511、611、711・・・ローラコンベヤ
112、212、312、412、512、612、712・・・光学読取装置
120、220、320、420、520、620、720・・・物品仕分ライン
121、221、321、421、521、621、721・・・筐体
122、222、322、422、522、622、722・・・搬入口
123、223、323、423、523、623、723・・・搬出口
124 ・・・ガイドレール
130、230、330、430、530、630、730・・・昇降仕分機構
131 ・・・昇降ハウジング
132 ・・・ガイドローラ
140、240、340、440、540、640、740・・・物品移載機
141 ・・・ボールコンベヤ
141a ・・・チェーンリンク
141b ・・・ヒンジ部
141c ・・・ピン孔
141d ・・・ヒンジピン
141e ・・・ボールユニット装着領域
141f ・・・フリーボール
141g ・・・ボールユニット
141h ・・・リテーナ
141j ・・・係止用突起
142 ・・・コンベヤスプロケット
143 ・・・ベルト駆動モータ
144 ・・・直線駆動ベルト
145 ・・・物品搭載面
146 ・・・回転機構
150 ・・・噛合チェーン垂直搬送機
151 ・・・昇降用噛合チェーン
152 ・・・昇降用スプロケット
153 ・・・昇降用モータ
154 ・・・収納ケース
160、260、360、460、560、660、760・・・物品搬出ライン
161、261、361、461、561、661、761・・・直線搬出路
162、262、362、462、562、662、762・・・搬送先表示部
163、263、363、463、563、663、763・・・曲線搬出路
170、270、370、470、570、670、770・・・物品搬出ラック
800 ・・・物品搬送仕分装置
810 ・・・物品搬入ライン
820 ・・・物品仕分ライン
821 ・・・物品循環移送手段
860 ・・・物品搬出シュート
M ・・・物品
L ・・・ラベル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬入する1または複数の物品搬入ラインと物品搬入ラインから搬入された物品を搬出先毎に仕分ける物品仕分ラインと物品仕分ラインで仕分けられた物品を搬出先毎に集積、貯留する1または複数の物品搬出ラインとを備えた物品搬送仕分装置において、
前記物品仕分ラインが、前記物品搬入ラインから投入される物品を搬入する搬入口と前記物品搬出ラインに物品を搬出する搬出口とを垂直方向に並設した筐体と、該搬入口と搬出口との間で物品を移送する昇降仕分機構とを備え、
前記物品搬出ラインが、前記物品仕分ラインの搬出口と対向して垂直方向に複数配列されていることを特徴とする物品搬送仕分装置。
【請求項2】
前記物品仕分ラインの筐体が、前記搬入口および搬出口を垂直方向の所望の高さにおいて前後左右方向のいずれか1方向または複数方向に開口し、
前記昇降仕分機構が、前記物品を前後左右方向のいずれかの方向に搬入、搬出する物品移載機と、該物品移載機を支持して前記搬入口から搬入された物品を所望の搬出口高さまで昇降移動させる垂直搬送機とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項3】
前記物品搬出ラインが垂直方向に複数並設されて物品搬出ラックを形成し、該物品搬出ラックが水平方向に1若しくは複数、平行若しくは放射状に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項4】
前記昇降仕分機構が、
前記物品仕分ラインに搬入された物品を搭載する物品搭載面を備えるとともに該物品搭載面を前後左右いずれかの方向に移動して搭載した物品を搬入、搬出する物品移載コンベヤを備える矩形状の物品移載機と、
該物品移載機の下側に、前記物品移載コンベヤの物品搭載面に対して平行に設置された回転軸を中心に正逆回転する昇降用スプロケットと、該昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに前記昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて下降しつつ分岐する一対の昇降用噛合チェーンと、前記昇降用スプロケットを駆動する駆動源とを備えている噛合チェーン式垂直搬送機と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項5】
前記物品移載機が、前後方向および左右方向に複数配列された球状または円筒状の移送ローラと、該移送ローラのそれぞれの回転軸を水平面内で一斉に揺動する移送方向変更機構と、前記移送ローラを一斉に回転させる回転駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項6】
前記物品移載機が、多数のフリーボールがその上端および下端を一部突出して回転自在に設けられた無端ベルト状を呈するボールコンベヤと、該ボールコンベヤの下端から突出したフリーボールと接触し前記フリーボールにボールコンベヤの移動方向と直行する方向に回転力を与える直線駆動ベルトと、これらボールコンベヤと直線駆動ベルトそれぞれを駆動する駆動源とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項7】
前記物品仕分ラインが、前記物品移載機を誘導案内するガイドレールを前記筐体の4隅にそれぞれ立設され、
前記物品移載機の隅角部に、前記ガイドレールに沿って転動するガイドローラが設置されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の物品搬送仕分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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