説明

物品搬送装置

【課題】 高速用駆動装置の個数を少なくしてコストを抑え且つ移載装置による移載を円滑に行うことができる物品搬送装置を提供する。
【解決手段】 主搬送コンベア1を、その主搬送コンベア1を高速で駆動させる高速用駆動装置4と、主搬送コンベア1における移載用コンベア部分1aを高速用駆動装置4より低速で駆動させる低速用駆動装置5と、高速用駆動装置4から移載用コンベア部分1aへ動力を伝達し且つ低速用駆動装置5から移載用コンベア部分1aへの動力の伝達を遮断する高速伝動状態、及び、高速用駆動装置4から移載用コンベア部分1aへの動力の伝達を遮断し且つ低速用駆動装置5から移載用コンベア部分1aへ動力を伝達する低速伝動状態に切り換え可能な伝動装置6とを備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主搬送方向に物品を載置搬送する主搬送コンベアと、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に物品を載置搬送する副搬送コンベアと、前記主搬送コンベアにおける前記副搬送コンベアに対応する前記移載用コンベア部分から前記副搬送コンベアに物品を移載する移載装置とを備えて構成されている物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送装置は、主搬送コンベアにて搬送される物品を移載装置にて副搬送コンベアに移載させて、物品の搬送方向を主搬送方向から副搬送方向に切り換えるものであり、従来では、主搬送コンベアを、主搬送方向に並設されたコンベア部分の夫々を各別に駆動させる複数の高速用駆動装置と、高速用駆動装置からコンベア部分における移載用コンベア部分へ動力を伝達する状態と遮断する状態とに切り換え可能な伝動装置とを備えて構成されているものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
つまり、上記従来の構成は、移載装置に主搬送コンベアにて搬送される物品を受け止めるストッパー装置を備え、ストッパー装置にて物品を受け止めさせる際には、高速用駆動装置から移載用コンベア部分への動力を伝動装置にて遮断し、この動力の遮断により慣性力にて移動する減速した状態の物品をストッパー装置で受け止めるように構成して、物品を受け止める際の衝撃を抑制させるものであり、このように移載用コンベア部分において動力を遮断する状態に切り換えたとしても、他のコンベア部分を各別に備えられた高速用駆動装置にて駆動させることにより他のコンベア部分における搬送を継続させて搬送能力が低下しないように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−189325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、コンベア部分を高速用駆動装置にて各別に駆動させる構成であるため、移載用コンベア部分を多数備える等により多数のコンベア部分を備えた場合には、多数の高速用駆動装置を備える必要があるので、コストが高くなる可能性があった。
また、上記従来の構成のように、慣性力にて移動する物品を移載装置におけるストッパー装置にて受け止めるように構成されたものでは、物品がストッパー装置に届かない場合やストッパー装置に接当した衝撃での跳ね返った場合に物品の停止位置が一定に定まらず、移載装置による移載が円滑に行えない可能性があった。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、高速用駆動装置の数を少なくしてコストを抑え且つ移載装置による移載を円滑に行うことができる物品搬送装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品搬送装置の第1特徴構成は、主搬送方向に物品を載置搬送する主搬送コンベアと、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に物品を載置搬送する副搬送コンベアと、前記主搬送コンベアにおける前記副搬送コンベアに対応する前記移載用コンベア部分から前記副搬送コンベアに物品を移載する移載装置とを備えて構成されている物品搬送装置において、
前記主搬送コンベアが、その主搬送コンベアを高速で駆動させる高速用駆動装置と、前記主搬送コンベアにおける移載用コンベア部分を前記高速用駆動装置より低速で駆動させる低速用駆動装置と、前記高速用駆動装置から前記移載用コンベア部分へ動力を伝達し且つ前記低速用駆動装置から前記移載用コンベア部分への動力の伝達を遮断する高速伝動状態、及び、前記高速用駆動装置から前記移載用コンベア部分への動力の伝達を遮断し且つ前記低速用駆動装置から前記移載用コンベア部分へ動力を伝達する低速伝動状態に切り換え可能な伝動装置とを備えて構成されている点にある。
【0008】
すなわち、伝動装置を高速伝動状態に切り換えることにより、主搬送コンベアの全体が高速用駆動装置にて高速に駆動されて物品が主搬送方向に高速に搬送され、伝動装置を低速伝動状態に切り換えることにより、主搬送コンベアにおける移載用コンベア部分が低速用駆動装置にて低速に駆動されて物品が主搬送方向に低速で搬送され、その他のコンベア部分においては、高速用駆動装置による高速での駆動が継続されて物品が主搬送方向に高速で搬送される。
【0009】
よって、高速用駆動装置から主搬送コンベアへの動力伝達は、伝動装置の切り換えによって、高速用駆動装置にて主搬送コンベアの全体を駆動する状態と、主搬送コンベアにおける移載用コンベア部分以外の他のコンベア部分を駆動する状態とに切り換えることができるため、移載用コンベアを多数備える等により多数のコンベア部分を備えた場合でも高速用駆動装置は1つ備えるだけでよく、コストを低く抑えることができる。
【0010】
また、伝動装置を高速伝動状態から低速伝動状態に切り換えられることにより、低速用駆動装置にて移載用コンベア部分を低速で駆動する状態にすることができるので、移載装置にて物品を移載する際に伝動装置を低速伝動状態に切り換えることにより移載装置による物品の移載を円滑に行うことができる。
つまり、移載装置を、主搬送コンベアにて搬送される物品を受け止めるストッパー装置を備えさせて、主搬送方向に搬送される物品を受け止めて、その受け止めた物品を副搬送コンベアに移載するように構成した場合においては、低速で搬送される物品をストッパー装置にて受け止めることにより受け止める際の衝撃を抑えることができ、また、移載用コンベア部分の搬送により物品をストッパー装置に押し付けて設定位置に停止させることができるため、移載装置による移載を円滑に行うことができる。また、移載装置を、主搬送コンベアにて搬送される物品を副搬送コンベアに押し出す押し出し装置を備えさせて構成した場合では、主搬送コンベアにて搬送される物品が低速で搬送されているので物品を押し出し装置にて押し出しやすく、移載装置による移載を円滑に行うことができる。
【0011】
従って、伝動装置を高速伝動状態に切り換えた状態では、高速用駆動装置にて主搬送コンベアを高速で駆動させることができ、伝動装置を低速伝動状態に切り換えた状態では、主搬送コンベアにおける移載用コンベア部分を低速用駆動装置にて低速で駆動させ、その他のコンベア部分を高速用駆動装置にて高速で駆動させることができ、もって、高速用駆動装置の個数を少なくしてコストを抑え且つ移載装置による移載を円滑に行うことができる物品搬送装置を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記移載装置が、前記主搬送コンベアの搬送面より上方に突出して前記主搬送コンベアにて搬送される物品を受け止める突出状態、及び、前記搬送面より下方に引退して前記主搬送コンベアによる物品の搬送を許容する引退状態に切り換え可能に構成されたストッパー装置と、前記搬送面より上方に突出して前記ストッパー装置にて受け止められた物品を前記副搬送コンベアに載置搬送する副搬送状態、及び、前記搬送面より下方に引退して前記主搬送コンベアによる物品の搬送を許容する主搬送状態に切り換え可能に構成された移載搬送コンベアとを備えて構成されている点にある。
【0013】
すなわち、移載装置による物品の副搬送コンベアへの移載は、主搬送方向に搬送される物品をストッパー装置にて受け止め、移載搬送コンベアにてストッパー装置に受け止められた物品を副搬送コンベアに移載するようにされており、低速で搬送される物品をストッパー装置にて受け止めることにより、ストッパー装置にて物品を受け止める際の衝撃を抑えることができる。
また、移載用コンベア部分にて低速で搬送される物品をストッパー装置で受け止めるように構成されているので、主搬送コンベアの搬送により物品をストッパー装置に押し付けて設定位置に停止させることができ、その後の移載搬送コンベアによる移載を円滑に行うことができる。
【0014】
本発明にかかる第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記移載用コンベア部分が、物品を載置搬送する複数の搬送ローラを備えて構成され、前記伝動装置が、前記複数の搬送ローラの夫々に対して設けられて、前記高速用駆動装置にて回転駆動される高速用の伝動輪、この高速用の伝動輪と連動連結されて回転駆動する高速用の伝動ローラ、並びに、前記伝動ローラが前記搬送ローラに接触する状態及び接触しない状態に切り換え操作可能な高速用の切り換え装置を備えた高速用伝動装置と、前記複数の搬送ローラの夫々に対して設けられて、前記低速用駆動装置にて回転駆動される低速用の伝動輪、この低速用の伝動輪と連動連結されて回転駆動する低速用の伝動ローラ、並びに、前記伝動ローラが前記搬送ローラに接触する状態及び接触しない状態に切り換え操作可能な低速用の切り換え装置を備えた低速用伝動装置とで構成されている点にある。
【0015】
すなわち、高速用の切り換え装置にて高速用の伝動ローラと搬送ローラとが接触する状態に切り換え、低速用の切り換え装置にて低速用の伝動ローラと搬送ローラとが接触しない状態に切り換えることにより、高速伝動状態に切り換えることができ、高速用の切り換え装置にて高速用の伝動ローラと搬送ローラとが接触しない状態に切り換え、低速用の切り換え装置にて低速用の伝動ローラと搬送ローラとが接触する状態に切り換えることにより、低速伝動状態に切り換えることができる。
そして、高速用搬伝動装置並びに低速用伝動装置が複数の搬送ローラの夫々に備えられており、高速伝動状態と低速伝動状態との切り換えを搬送ローラ単位で行うことができ、物品の搬送速度を小さな範囲で変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送装置は、主搬送方向に物品を載置搬送する主搬送コンベア1と、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に物品を載置搬送する副搬送コンベア2と、前記主搬送コンベア1における前記副搬送コンベア2に対応する前記移載用コンベア部分1aから前記副搬送コンベア2に物品を移載する移載装置3とを備えて構成されている。
尚、副搬送コンベア2は、主搬送コンベア1の横側方に主搬送方向に複数並設されており、これに対応して、主搬送コンベア1には、主搬送方向に連続する状態に複数の移載用コンベア部分1aが設けられている。
【0017】
図2、図4に示すように、主搬送コンベア1は、その主搬送コンベア1を高速で駆動させる高速用駆動装置4と、前記主搬送コンベア1における移載用コンベア部分1aを前記高速用駆動装置4より低速で駆動させる低速用駆動装置5と、前記高速用駆動装置4から前記移載用コンベア部分1aへ動力を伝達し且つ前記低速用駆動装置5から前記移載用コンベア部分1aへの動力の伝達を遮断する高速伝動状態、及び、前記高速用駆動装置4から前記移載用コンベア部分1aへの動力の伝達を遮断し且つ前記低速用駆動装置5から前記移載用コンベア部分1aへ動力を伝達する低速伝動状態に切り換え可能な伝動装置6とを備えて構成されている。
【0018】
よって、主搬送コンベア1は、伝動装置6を高速伝動状態に切り換えて、主搬送コンベア1を高速用駆動装置4にて回転駆動させることにより、主搬送コンベア1の全範囲にわたって物品を高速で搬送することができる。また、伝動装置6を低速伝動状態に切り換えて、主搬送コンベア1における移載用コンベア部分1aを低速用駆動装置5にて回転駆動させ、主搬送コンベア1における他のコンベア部分では高速用駆動装置4による回転駆動を継続させることにより、移載用コンベア部分1aの範囲においては物品を低速で搬送し、その他のコンベア部分の範囲においては物品を高速で搬送することができる。
【0019】
前記高速用駆動装置4は、本体フレーム9の横幅方向一側寄りに支持されて主搬送コンベア1の全体を高速で駆動させるように構成されており、主搬送コンベア1に1つ設けられている。また、低速用駆動装置5は、本体フレーム9の横幅方向他側寄りに支持されて主搬送コンベア1における複数の移載用コンベア部分1aを低速で駆動させるように構成されており、複数の移載用コンベア部分1aに対して1つ、つまりは、主搬送コンベア1に1つ設けられている。
【0020】
そして、図2に示すように、高速用駆動装置4は、駆動スプロケット11と2つの従動スプロケット12とに巻回されたチェーン13が、主搬送コンベア1の主搬送方向の全幅に亘って配設されており、駆動スプロケット11を高速用の減速機付き電動モータ14にて高速駆動させるように構成されている。また、低速用駆動装置5は、駆動スプロケット11と2つの従動スプロケット12とに巻回されたチェーン13が、複数の副搬送コンベア2の主搬送方向の全幅に亘って配設されており、駆動スプロケット11を低速用の減速機付き電動モータ14にて低速駆動させるように構成されている。
【0021】
次に、前記伝動装置6について説明する。図1に示すように、主搬送コンベア1は、物品を載置搬送する複数の搬送ローラ7が主搬送方向に複数並設されたローラ式のコンベアに構成されており、図3、図4に示すように、前記伝動装置6は、移載用コンベア部分1aに備えられた前記複数の搬送ローラ7の夫々に対して設けられて、前記高速用駆動装置4にて回転駆動される高速用の伝動輪としての伝動スプロケット16、この高速用の伝動スプロケット16と連動連結されて回転駆動する高速用の伝動ローラ17、並びに、前記伝動ローラ17が前記搬送ローラ7に接触する状態及び接触しない状態に切り換え操作可能な高速用の切り換え装置としてのエアーシリンダ18が備えられた高速用伝動装置19と、前記複数の搬送ローラ7の夫々に対して設けられて、前記低速用駆動装置5にて回転駆動される低速用の伝動輪としての伝動スプロケット16、この低速用の伝動スプロケット16と連動連結されて回転駆動する低速用の伝動ローラ17、並びに、前記伝動ローラ17が前記搬送ローラ7に接触する状態及び接触しない状態に切り換え操作可能な低速用の切り換え装置としてのエアーシリンダ18が備えられた低速用伝動装置20とで構成されている。
【0022】
従って、伝動装置6は、図4(イ)に示すように、高速用のエアーシリンダ18にて高速用の伝動ローラ17が搬送ローラ7に接触する状態に切り換え、低速用のエアーシリンダ18にて低速用の伝動ローラ17が搬送ローラ7に接触しない状態に切り換えることにより高速伝動状態に切り換えられ、図4(ロ)に示すように、高速用のエアーシリンダ18にて高速用の伝動ローラ17が搬送ローラ7に接触しない状態に切り換え、低速用のエアーシリンダ18にて低速用の伝動ローラ17が搬送ローラ7に接触する状態に切り換えることにより、低速伝動状態に切り換えられるように構成されている。
そして、各移載用コンベア部分1aに備えた複数の伝動装置6を連動させて、移載用コンベア部分1a単位で高速伝動状態と低速伝動状態とに切り換えるように構成されている。
尚、主搬送コンベア1における移載用コンベア部分1a以外の他のコンベア部分には、複数の搬送ローラ7の夫々に対して高速用伝動装置19が設けられており、高速用伝動装置19が高速用駆動装置4から移載用コンベア部分1aへの動力を遮断して搬送停止状態として、主搬送コンベア1上で物品を待機させることができるように構成されている。
【0023】
次に、高速用伝動装置19並びに低速用伝動装置20について具体的に説明するが、高速用伝動装置19と低速用伝動装置20とは略同様に構成されているので、高速用伝動装置19についてのみ説明し、低速用伝動装置20についての説明は省略する。
高速用伝動装置19について具体的に説明すると、図4、図5に示すように、本体フレーム9の支持枠9aに主搬送方向に沿う軸芯X周りに揺動自在に支軸21が支持されており、この支軸21に伝動スプロケット16と伝動ローラ17とが支軸21の軸芯周りに回転自在に外嵌されている。そして、伝動スプロケット16と伝動ローラ17とは一体回転するように構成され、チェーン13にて伝動スプロケット16が回転されると伝動ローラ17も回転されるように構成されている。
【0024】
また、本体フレームの9の支持枠9aには、支軸21の先端部に作用して支軸21を軸芯X周りに揺動させるエアーシリンダ18が支持されており、エアーシリンダ18にて支軸21を軸芯X周りに揺動させることにより伝動ローラ17が上下に移動して、伝動ローラ17が搬送ローラ7に接触する状態と接触しない状態とに切り換えられるように構成されている。そして、伝動スプロケット16は、支軸21が揺動しても高速用駆動装置4におけるチェーン13との噛合を維持しるように構成されている。
尚、伝動スプロケット16は、支軸21が揺動した際にチェーン13との噛合に影響が少ないように支軸21の基端側に外嵌され、伝動ローラ17は、支軸21が揺動した際に大きく上下動するように支軸21の遊端側に外嵌されている。
【0025】
次に、移載装置3について説明する。
図6に示すように、前記移載装置3は、前記主搬送コンベア1の搬送面より上方に突出して前記主搬送コンベア1にて搬送される物品を受け止める突出状態、及び、前記搬送面より下方に引退して前記主搬送コンベア1による物品の搬送を許容する引退状態に切り換え可能に構成されたストッパー装置23と、前記搬送面より上方に突出して前記ストッパー装置23にて受け止められた物品を前記副搬送コンベア2に載置搬送する副搬送状態、及び、前記搬送面より下方に引退して前記主搬送コンベア1による物品の搬送を許容する主搬送状態に切り換え可能に構成された移載搬送コンベア24とを備えて構成されている。また、移載装置3には、ストッパー装置23を突出状態と引退状態とに切り換え操作し、且つ、移載搬送コンベア24を副搬送状態と主搬送状態とに切り換え操作する昇降装置25が備えられている。
【0026】
移載搬送コンベア24は、主搬送方向に間隔を隔てて設けられた一対のチェーン支持フレーム26の夫々に、移載用モータ29(図2参照)にて回転駆動される移載用チェーン30が巻回されてチェーン式のコンベアに構成されている。
そして、移載搬送コンベア24は、移載用コンベア部分1aにおいて主搬送方向に並設された搬送ローラ7同士の間にチェーン支持フレーム26の夫々が位置するように設けられており、昇降装置25にて昇降操作されることにより、前記主搬送状態と前記副搬送状態とに切り換えられるように構成されている。
よって、移載搬送コンベア24が副搬送状態に切り換えられた状態では、移載用チェーン30の上端が主搬送コンベア1の搬送面より上方に位置することにより、移載搬送コンベア24にて物品を副搬送方向に物品の搬送することができ、移載搬送コンベア24が主搬送状態に切り換えられた状態では、移載用チェーン30の上端が主搬送コンベア1の搬送面より下方に位置することにより、主搬送コンベア1にて物品を主搬送方向に搬送することができる。
【0027】
図6に示すように、ストッパー装置23は、左右一対のチェーン支持フレーム26における主搬送方向下手側に位置するチェーン支持フレーム26に、上端が移載用チェーン30の上端より上方に位置するように移載用チェーン30よりさらに主搬送方向下手側に支持されている。よって、移載搬送コンベア24が昇降装置25にて昇降操作されることにより、ストッパー装置23が前記突出状態と前記引退状態とに切り換えられるように構成されている。
そして、ストッパー装置23が突出状態に切り換えられた状態では、ストッパー装置23の上端が主搬送コンベア1の搬送面より上方に位置することにより、主搬送コンベア1にて搬送される物品を受け止めることができ、ストッパー装置23が引退状態に切り換えられた状態では、ストッパー装置23の上端が主搬送コンベア1の搬送面より下方に位置することにより、主搬送コンベア1にて物品を主搬送方向に物品の搬送することができる。
尚、前記左右一対のチェーン支持フレーム26における主搬送方向下手側に位置するチェーン支持フレーム26には、前記移載用モータ29が支持されている。
【0028】
移載搬送コンベア24の下方には、この移載搬送コンベア24を昇降操作して、移載搬送コンベア24を副搬送状態と主搬送状態とに切り換える操作、並びに、ストッパー装置を突出状態と引退状態とに切り換える操作を行う前記昇降装置25が設けられており、この昇降装置25は偏心カム式に構成されている。
つまり、昇降装置25は、移載搬送コンベア24を偏心カム31にて支持して、昇降用モータ32にて偏心カム31を回転させることにより移載搬送コンベア24を昇降させるように構成されており、移載装置3は、昇降装置25にて移載搬送コンベア24が昇降することにより、移載搬送コンベア24が主搬送状態であり且つストッパー装置が引退状態である主搬送引退状態(図6(イ)参照)、この状態から移載搬送コンベア24を上昇させた移載搬送コンベア24が主搬送状態であり且つストッパー装置23が突出状態である主搬送突出状態(図6(ロ)参照)、さらに移載搬送コンベア24を上昇させた移載搬送コンベア24が副搬送状態であり且つストッパー装置23が突出状態である副搬送突出状態(図6(ハ)参照)に切り換えられるように構成されている。
【0029】
つぎに、物品を主搬送コンベア1から副搬送コンベア2に移載する場合の作動を説明する。尚、物品を主搬送コンベア1から副搬送コンベア2に移載させずに主搬送方向に搬送する場合は、図4(イ)に示すように、全ての伝動装置6が高速伝動状態に切り換えられ、図6(ロ)に示すように、全ての移載装置3が主搬送引退状態に切り換えられている。
物品を主搬送コンベア1から副搬送コンベア2に移載した際に、物品が移載される移載対象の副搬送コンベア2に対応する移載用コンベア部分1aに近づいたことが存否センサ(図示せず)にて検出されると、図4(ロ)に示すように、移載対象の移載用コンベア部分1aの伝動装置6を高速伝動状態から低速伝動状態に切り換え、図6(ロ)に示すように、移載装置3を主搬送引退状態から主搬送突出状態に切り換える。これにより、移載装置3のストッパー装置23が突出状態に切り換えられて主搬送コンベア1にて主搬送方向に搬送される物品を受け止めることができ、また、移載対象の移載用コンベア部分1aにおいては伝動装置6が低速伝動状態に切り換えられて物品が低速で搬送されるのでストッパー装置23にて物品を受け止める際の衝撃が抑えられる。尚、移載対象の移載用コンベア部分1a以外の移載用コンベア部分1aにおいては、伝動装置6が高速伝動状態に維持されており物品は高速で搬送される。
そして、存否センサにて検出されてから設定時間(存否センサにて検出される箇所からストッパー装置にて受け止められる箇所まで物品が搬送されるのにかかる時間)経過後に、図6(ハ)に示すように、移載装置3を主搬送突出状態から副搬送突出状態に切り換え、この切り換えにより上昇する移載搬送コンベア24にて主搬送コンベア1上の物品を掬い取って移載搬送コンベア24の移載用チェーン30にて物品を支持し、移載搬送コンベア24を作動させて移載対象の副搬送コンベア2に物品を移載する。
【0030】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、複数の移載用コンベア部分1aを主搬送方向に連続する状態に設けたが、複数の移載用コンベア部分1aを主搬送方向に間隔を隔てた状態に設けてもよい。
【0031】
(2) 上記実施の形態では、低速用駆動装置5を移載用コンベア部分1aのみが低速用駆動装置5より低速で駆動させるように構成したが、減速用駆動装置5を主搬送コンベア1における移載用コンベア部分1a以外の他のコンベア部分も低速で駆動させるように構成してもよい。
つまり、低速用駆動装置5を、高速用駆動装置4と同様に主搬送コンベア1の主搬送方向の全幅に亘って設けて主搬送コンベア1の全体を低速で駆動させるように構成してもよい。また、移載用コンベア部分1aを主搬送方向に間隔を隔てて複数設けた場合に、移載用コンベア部分1aの間に位置するコンベア部分にも低速用駆動装置5を設けるように構成してもよい。
【0032】
(3) 上記実施の形態では、移載装置3をストッパー装置23と移載搬送コンベア24とを備えて構成したが、移載装置3に押し出し装置を備えて、この押し出し装置にて、主搬送コンベア1にて搬送されている物品、或いは、ストッパー装置23にて受け止められている物品を副搬送コンベア2に押し出すように構成してもよい。
【0033】
(4) 上記実施の形態では、伝動装置6を複数の搬送ローラ7の夫々に対して設けて、1つの伝動装置6の切り換えにより1つの搬送ローラ7の回転速度が変更されるように構成したが、伝動装置6を複数の搬送ローラ7に対して設けて、伝動装置6を切り換えにより複数の搬送ローラ7の回転速度が変更されるように構成してもよい。尚、この場合は1つの伝動装置6にて回転速度が変更される複数の搬送ローラ7は、ベルト等により連動連結する。
【0034】
(5) 上記実施の形態では、伝動装置6による高速用駆動装置4や低速用駆動装置5から移載用コンベア部分1aへの動力が伝達される状態と遮断される状態との切り換えを、伝動ローラ17を切り換え装置18にて昇降移動させて搬送ローラ7に接触する状態と接触しない状態との切り換えにより行ったが、搬送ローラ7と伝動ローラ17とを常時接触させ、且つ、伝動輪16と伝動ローラ17との間にギヤ式のクラッチ機構を設けて、クラッチ機構の切り換えにより伝動装置6による高速用駆動装置4や低速用駆動装置5から移載用コンベア部分1aへの動力が伝達される状態と遮断される状態との切り換えるように構成してもよい。
【0035】
(6) 上記実施の形態では、移載用コンベア部分1aを、ローラ式のコンベアに構成したが、ベルト式やチェーン式等、他の方式で移載用コンベア部分を構成してもよい。また、副搬送コンベア2を、チェーン式のコンベアに構成したが、ローラ式やベルト式等、他の方式で副搬送コンベアを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】物品搬送装置の平面図
【図2】主搬送コンベアの伝動構造を示す平面図
【図3】主搬送コンベアの伝動構造を示す側面図
【図4】主搬送コンベアの正面断面図
【図5】主搬送コンベアの伝動構造を示す側面図
【図6】移載装置を示す作用図
【符号の説明】
【0037】
1 主搬送コンベア
1a 移載用コンベア部分
2 副搬送コンベア
3 移載装置
4 高速用駆動装置
5 低速用駆動装置
6 伝動装置
7 搬送ローラ
16 伝動輪
17 伝動ローラ
18 切り換え装置
23 ストッパー装置
24 移載搬送コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主搬送方向に物品を載置搬送する主搬送コンベアと、
前記主搬送方向と交差する副搬送方向に物品を載置搬送する副搬送コンベアと、
前記主搬送コンベアにおける前記副搬送コンベアに対応する前記移載用コンベア部分から前記副搬送コンベアに物品を移載する移載装置とを備えて構成されている物品搬送装置であって、
前記主搬送コンベアが、
その主搬送コンベアを高速で駆動させる高速用駆動装置と、
前記主搬送コンベアにおける移載用コンベア部分を前記高速用駆動装置より低速で駆動させる低速用駆動装置と、
前記高速用駆動装置から前記移載用コンベア部分へ動力を伝達し且つ前記低速用駆動装置から前記移載用コンベア部分への動力の伝達を遮断する高速伝動状態、及び、前記高速用駆動装置から前記移載用コンベア部分への動力の伝達を遮断し且つ前記低速用駆動装置から前記移載用コンベア部分へ動力を伝達する低速伝動状態に切り換え可能な伝動装置とを備えて構成されている物品搬送装置。
【請求項2】
前記移載装置が、前記主搬送コンベアの搬送面より上方に突出して前記主搬送コンベアにて搬送される物品を受け止める突出状態、及び、前記搬送面より下方に引退して前記主搬送コンベアによる物品の搬送を許容する引退状態に切り換え可能に構成されたストッパー装置と、
前記搬送面より上方に突出して前記ストッパー装置にて受け止められた物品を前記副搬送コンベアに載置搬送する副搬送状態、及び、前記搬送面より下方に引退して前記主搬送コンベアによる物品の搬送を許容する主搬送状態に切り換え可能に構成された移載搬送コンベアとを備えて構成されている請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記移載用コンベア部分が、物品を載置搬送する複数の搬送ローラを備えて構成され、
前記伝動装置が、前記複数の搬送ローラの夫々に対して設けられて、前記高速用駆動装置にて回転駆動される高速用の伝動輪、この高速用の伝動輪と連動連結されて回転駆動する高速用の伝動ローラ、並びに、前記伝動ローラが前記搬送ローラに接触する状態及び接触しない状態に切り換え操作可能な高速用の切り換え装置を備えた高速用伝動装置と、前記複数の搬送ローラの夫々に対して設けられて、前記低速用駆動装置にて回転駆動される低速用の伝動輪、この低速用の伝動輪と連動連結されて回転駆動する低速用の伝動ローラ、並びに、前記伝動ローラが前記搬送ローラに接触する状態及び接触しない状態に切り換え操作可能な低速用の切り換え装置を備えた低速用伝動装置とで構成されている請求項1又は2記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−124139(P2006−124139A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317983(P2004−317983)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】