説明

物品管理システム

【課題】物品の識別情報の発信手段と物品が存在する領域の識別情報の発信手段とを物品を載置する領域側に持たせる一方,両発信手段から発信される識別情報を上記領域を横断して搬送される可搬性の受信手段に受信させるようにした物品管理システムを提供する。
【解決手段】RFIDタグ情報受信装置から送信された物品識別コード或いは領域識別コードを受信するための所定の要求信号を含む無線電波が,物品識別用RFIDタグ或いは領域識別用RFIDタグ側で受信されると,物品識別用RFIDタグ或いは領域識別用RFIDタグから物品識別コード或いは領域識別コードがRFIDタグ情報受信装置へ夫々送信される。この両識別コードがRFIDタグ情報受信装置で受信されると,両識別コードに基づいて物品の詳細情報或いは領域の詳細情報が抽出され,夫々対応付けられた状態で表示部に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,図書館等の書棚に収められた書籍や倉庫等における商品を始めとする物品と,その物品が存在する領域を管理する物品管理システムにかかり,特に,物品を識別する物品の識別情報と物品が存在する領域の識別情報とに基づいて,物品を管理する物品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,棚卸し作業や在庫確認作業等における物品の管理については,作業者が,物品と伝票とを見比べながら物品の確認及び物品の位置(即ち保管場所)の確認を行っていた。また近年では,物品に関する情報を記録したバーコードや無線ICタグ等を物品に装着することによって,棚卸し作業時に,専用の読み取り装置が,上記バーコードや無線ICタグに記録された上記物品に関する情報を読み取って電子的な伝票を作成する技術も存在する。ここで,上記無線ICタグとしてRFIDタグ(RFID:Radio Frequency Identification)が挙げられる。このRFIDタグについては,上述したバーコードのように読み取り装置を接触させて記録されている情報を読み取らせるのではなく,無線通信により非接触で情報の読み取り及び書込みが行われる。そのため,汚れや埃等の影響を受けにくく,また障害物を介して情報通信が可能であるといった特徴を備えている。
一方,上述したような物品の管理に無線ICタグを用いる技術については,例えば特許文献1に開示されている。上記特許文献1に開示されている商品管理システム(上記物品管理システムの一例)では,RFIDタグを物品に装着し,該物品が管理されている管理領域の各棚にRFID読み取り装置を設置している。このことにより,RFIDタグを装着した物品が上記管理領域を出入りしたとき,即ち物品の移動や補充が行われたときに,リアルタイムで移動或いは補充の状況(物品の動き)を作業者が知り得るというものである。
【特許文献1】特開2001−31218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら,上記特許文献1に示される商品管理システムの場合,物品を管理する管理領域毎に上記したような専用の読み取り装置が設置される構成になっている。そのため,例えば,倉庫内の物品有無程度の在庫管理等の上記物品を管理する管理領域の数が少数である場合には上記商品管理システムの技術で問題ないが,上記管理領域を細分化して物品を管理する場合には膨大な数の上記読み取り装置が必要となり不経済であるという問題がある。特に発信器より受信機がはるかに高額であることを考えると,多数の読み取り装置を必要とする上記特許文献1に記載の装置では極めて不経済である。また,上記商品管理システムでは,個々の上記読み取り装置が該読み取り装置が設置される領域における物品の出入りを管理している。そのため,上記商品管理システムに複数の読み取り装置を設けたときに,それらの読み取り装置をネットワーク等で夫々接続して物品の出入りを一元管理するために別途システムを構築しなければならないという問題もある。これらのことから,上記商品管理システムは,倉庫内の物品有無程度の在庫管理等の上記物品を管理する管理領域の数が少数である場合には現実的に導入が可能ではあるが,上述したような管理領域を細分化して物品を管理する場合には,現実的には導入が困難になる可能性が高い。
一方,一般的な棚卸し作業では,リアルタイムに物品の上記管理領域に対する出入りを管理する必要性は低く,通常は月1回程度の管理ができる程度で十分であるとされている。そのため,棚卸し作業のときにのみ上記商品管理システムを用いると,該商品管理システムを構築或いは維持する費用が多額であるのにも係わらず使用頻度が低いので,結果的に不経済になる可能性は否めない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,物品を識別する物品の識別情報の発信手段と物品が存在する領域の識別情報の発信手段とを倉庫等の物品を載置する領域側に持たせる一方,両発信手段から発信される識別情報を上記領域を横断して搬送される可搬性の受信手段に受信させるようにして,1個の受信手段で多数の領域をカバーすることによって上記目的を達成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明において,物品の識別情報を無線通信により発信する物品識別情報発信手段を物品側に付しておくと共に,上記物品識別情報発信手段が存在する領域の識別情報を無線通信により発信する領域識別情報発信手段を設け,上記物品識別情報発信手段から発信された上記物品の識別情報及び上記領域識別情報発信手段から発信された上記領域の識別情報を識別情報受信手段により略同時に受信することで,上記識別情報受信手段により受信した上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報を関連づけて管理することができる。しかも,上記識別情報受信手段は可搬性を有するので,多数の領域に沿って順次移動させながら上記物品識別情報発信手段と上記領域識別情報発信手段とを受信するため,1つの上記識別情報受信手段で多数の領域に対応することができる。
ここで,上記物品の識別情報及び/若しくは上記領域の識別情報については,適宜の記号(例えば符号や文字を含むもの)であることが考えられる。即ち,例えば,上記物品の識別情報や上記領域の識別情報については暗号化した符号であってもよい。このように,上記物品の識別情報や上記領域の識別情報を上記適宜の記号にすることによって,上記物品の識別情報や上記領域の識別情報の傍受を防止することができる。
また上記物品管理システムでは,上記物品の識別情報に対応する該物品の詳細情報と,上記領域の識別情報に対応する該領域の詳細情報とを夫々記憶しておく態様を取ることができる。このことによって,受信された上記物品の識別情報や上記領域の識別情報が,上述したように符号化されている場合でも,作業者が見やすい情報(即ち,上記物品の詳細情報や上記領域の詳細情報)に変換することができる。
一方,上記物品管理システムにおける上記物品の識別情報や上記領域の識別情報については,例えば無線タグ(RFIDタグ)に記憶させることができる。また上記識別情報受信手段については,例えば携帯型の無線タグ読取装置(即ち,RFIDタグ読取装置)が考えられる。これによって,上記物品管理システムでは上記物品の識別情報や上記領域の識別情報を無線通信により非接触で読み取ることができる。そのため,上記物品の識別情報や上記領域の識別情報が汚れや埃等の影響を受けにくく,また障害物を介しても通信することができる。
【0005】
上記物品管理システムでは,上記識別情報受信手段が実施する機能と,その受信した上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報を関連づけて管理する機能とが一体であってもよいし別体であってもよい。
ここで,上記識別情報受信手段が実施する機能と,その受信した上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報を関連づけて管理する機能とが一体である場合には,上述した特許文献1における問題,即ち管理領域を細分化して物品を管理するときの膨大な数の読み取り装置が必要であるという問題が解消される。
他方,別体である場合には,上記識別情報受信手段により上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報が受信され,また例えば外部装置等により上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報を関連づけて管理される構成になる。このことにより,上記特許文献1に示される上記商品管理システムでは,物品の出入りの一元管理をするために複数の読み取り装置をネットワーク等で夫々接続する必要があったが,本発明にかかる上記物品管理システムでは,上記識別情報受信手段が可搬性を有するので,対象となる上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報を全て受信することができる。そのため,ネットワークで接続するのは上記識別情報受信手段と上記外部装置との間だけでよいので,ネットワーク構築に要するコストを削減するという効果が得られる。更に,例えば,上記識別情報受信手段と上記外部装置とは無線により行われる場合には,上記識別情報受信手段の携帯性が高まるので,棚卸し時等の作業者の負担を更に軽減することができる。
【0006】
ここで,上記物品管理システムにおいて,上記識別情報受信手段が,隣接する上記領域の識別情報を受信したときに,夫々の上記領域の識別情報と略同時に夫々受信された上記物品の識別情報に同一の物品の識別情報が含まれる場合,上記物品識別情報発信手段が付された物品の配置位置を,上記領域の識別情報が夫々発信された場所の略中央部と判断している。このことにより,上記物品の識別情報が重複して受信された場合でも,上記物品の識別情報が発信される場所,即ち当該物品の配置領域を予測することが可能になるので,上記特許文献1に示される上記商品管理システムに比べて上記物品が存在する詳細な領域をも予測することができる。
また,上記物品管理システムでは,上記識別情報受信手段が所定距離離れた夫々の位置で,発信された上記領域の識別情報及び該領域の識別情報と略同時に受信される上記物品の識別情報を夫々受信したときに,その夫々受信した上記領域の識別情報及び上記物品の識別情報に同一の領域の識別情報及び物品の識別情報が含まれる場合,上記同一の領域の識別情報及び物品の識別情報を発信した夫々の位置は,両識別情報受信手段の略中央部に存在すると判断されている。このことにより,上記物品の識別情報が重複して受信された場合でも,上記物品の識別情報が発信される場所,即ち当該物品の配置領域を予測することが可能になるので,上記特許文献1に示される上記商品管理システムに比べて上記物品が存在する詳細な領域をも予測することができる。
【0007】
尚,上記物品管理システムでは,関連づけて管理される上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報が表示されるので,作業者は,表示された上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報を視認しながら棚卸し作業等を行うことができる。そのため,物品と伝票とを視認しながら物品の確認及び物品保管場所の確認を行わずともよいので,作業者にかかる負担が軽減される。
【0008】
また,上記識別情報受信手段については作業者により操作される。このことにより,作業者が所望するときに上記物品が存在する領域を管理することができるので,使用頻度が低い場合でも結果的に不経済になる可能性は低い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば,上記物品識別情報発信手段,上記領域識別情報発信手段,上記識別情報受信手段,及び上記識別情報管理手段から上記物品管理システムが構成されている。このことにより,上記特許文献1に示されるような棚毎に配置された専用の読み取り装置が不必要になる,即ち,上記物品を管理する領域を細分化して物品を管理する場合でも,膨大な数の読み取り装置が不必要になるので,比較的容易にまた安価な物品管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら,本発明の一実施形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の第1の実施形態にかかる物品管理システムX1の外観図,図2は上記物品管理システムX1を構成する携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cの制御系統における主要部の構成ブロック図,図3は上記物品管理システムX1を構成する物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBの拡大詳細図,図4は上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが備えるメモリ3に記憶されるテーブルイメージ図,図5は上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1及び上記物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBが備えるICチップ11にて実施される物品管理処理を示したフローチャート,図6は上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cにおける第1の受信重複処理を示した図,図7は上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1が実施する上記第1の受信重複処理を示したフローチャート,図8は上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cにおける第2の受信重複処理を示した図,図9は本発明の第2の実施形態にかかる物品管理システムX2の概略図である。
【0011】
まず,図1〜図4を用いて本発明にかかる本発明の実施形態に係る物品管理システムX1,物品管理システムX1を構成する物品識別用RFIDタグA,領域識別用RFIDタグB,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBに記憶される識別コードを読み取るRFIDタグ情報受信装置Cについて説明する。尚,ここでは,例えば,物品管理システムX1が図書館における書籍の位置を管理する物品管理システムに用いられる場合について述べるが,本発明はこれに限定されるものではなく,多数の物品を複数の領域に分けて配置する全ての場合に適用可能である。
まず物品管理システムX1についてであるが,図1に示されるように,大別すると,複数の書籍を収容する本棚Eに収容される書籍Dに付され,該書籍Dを識別するために用いられ,物品識別コードを記録した物品識別用RFIDタグA(本発明における物品識別情報発信手段の一例)と,書籍Dが存在する(即ち物品識別用RFIDタグAが存在する)領域毎に設けられ,該領域を識別するために用いられ,領域識別コードを無線通信により発信する領域識別用RFIDタグB(本発明における領域識別情報発信手段の一例)と,上記物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBから夫々発信される物品識別コード及び領域識別コードを略同時に受信すると共に,受信した物品識別コード及び領域識別コードを関連づけて管理する携帯型のRFIDタグ情報受信装置C(本発明における識別情報受信手段及び識別情報管理手段の一例)とから構成される。また,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBと,RFIDタグ情報受信装置Cとの間は無線により領域識別コードや物品識別コード等の各種データの送受信が行われている。
ここで,物品識別用RFIDタグAについては管理対象となる書籍全てに貼付され,その貼付位置は,図1に示されるように,例えば書籍Dの場合には書籍Dの背表紙等の面にすることが望ましい。また領域識別用RFIDタグBについては,本棚Eの各棚において,書籍を管理したい領域毎に貼付されている。
【0012】
一方,作業者が携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cを用いて物品を管理する場合には,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBから予め記憶されている物品識別コードや領域識別コード等の識別データが発信され,それらの発信された夫々の識別データを上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが受信する。この場合,作業者は,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグBの前面付近に近づけて,RFIDタグ情報受信装置Cと領域識別用RFIDタグBとを概略位置合わせし,領域識別用RFIDタグB毎に領域識別コードをRFIDタグ情報受信装置Cに受信させる操作を行う。これが一例として考えられる。
1回の受信操作では,1つの領域識別用RFIDタグBの領域識別コードと,該領域識別用RFIDタグBの周囲に位置する複数の物品識別用RFIDタグAに記憶されている夫々の物品識別コードとが略同時に受信される。即ち,図中の点線の円R内の物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBからの無線電波を,RFIDタグ情報受信装置Cは1度に受発信することができる。
尚,RFIDタグ情報受信装置Cについては,CPUを有すると共に後述する記憶等の管理処理が行える装置であれば,専用のリーダ,アンテナを備えたパーソナルコンピュータ,PDA等どのような形態のものでもよい。
【0013】
次に,図2〜図4を用いて,物品識別用RFIDタグA,領域識別用RFIDタグB,及びRFIDタグ情報受信装置Cの基本構成について夫々説明する。ここで,図3(a)は物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBの拡大詳細図,図3(b)は物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBに内蔵されたICチップ11の概略構成を示すブロック図である。尚,物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBの構成については同様であるので,ここでは物品識別用RFIDタグAの場合について述べる。
まずRFIDタグ情報受信装置Cは,前記したように物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBから発信される物品識別コード及び領域識別コードを夫々受信すると共に,受信した物品識別コード及び領域識別コードを関連づけて管理する装置である。このRFIDタグ情報受信装置Cは,図2に示されるように,RFIDタグ情報受信装置Cを制御する制御部1と,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBに適宜の信号やデータを伝搬する無線電波を発信すると共に,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBからの無線電波を受信するゲートアンテナ4,液晶パネル等から構成され,受信した物品識別コード及び領域識別コードに基づく後述する詳細情報を夫々表示する表示部5(本発明における詳細情報表示手段の一例)等から主に構成されている。また制御部1は,CPU2(中央演算装置),所定のプログラムや後述する各種データ等を記憶するメモリ3(本発明における物品詳細情報記憶手段及び領域詳細情報記憶手段の一例)等から構成されている。
また上記メモリ3には,図4に示されるように,物品識別コードに対応する物品(即ち書籍)の詳細情報としての書籍名(図4(b)参照),及び領域識別コードに対応する領域の詳細情報としての本棚名,該本棚における書籍が存在する段数,及び該段における位置(図4(a)参照)が予め記憶されている。このため物品管理システムX1では,RFIDタグ情報受信装置Cが受信した物品識別コード及び領域識別コードに基づいて(図4(c)参照),夫々対応する上記物品の詳細情報及び上記の詳細領域情報が抽出されると共に,抽出された上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報(図4(d)参照)を表示部5に表示することができる。尚,図4(d)の例では,本棚Eの2段目の左から1番目の位置に書籍名A〜Cが存在することを示している。
本実施形態にかかる物品識別コード及び領域識別コードについては,図4に示されるように,適宜の記号(例えば符号,英数字,文字等)から構成されているが,これに限定されない。またRFIDタグ情報受信装置Cと上記物品識別用RFIDタグA及び上記領域識別用RFIDタグBとの間の通信方式については,例えばマルチアクセス方式が挙げられるが,このマルチアクセス方式の技術内容については周知であるので,ここでは説明を省略する。
【0014】
一方,物品識別用RFIDタグAは,図3に示されるように,カードタイプの無線ICメモリカードであり,またRFIDタグ情報受信装置Cと無線通信を行うことにより,物品識別用RFIDタグAからRFIDタグ情報受信装置Cへ物品識別コードが送信される。該物品識別用RFIDタグAは,図3(a)及び(b)に示されるように,物品識別コードを記憶する識別コード記憶回路11−1,物品識別コードを送信するデータ送信回路11−2,及び整流回路11−3等により構成されたICチップ(集積回路)11と,RFIDタグ情報受信装置Cから発信された上記無線電波を受信すると共に識別コード記憶回路11−1に記憶された物品識別コードを伝搬する無線電波をRFIDタグ情報受信装置Cに送信するコイルアンテナ10等から主に構成されている。また上記識別コード記憶回路11−1には,書籍Dを識別するための夫々固有の前記物品識別コード(図4(b))が予め記憶されている。尚,物品識別用RFIDタグAはバッテリーを搭載しておらず,RFIDタグ情報受信装置Cから送信される上記無線電波を受信することによって発生する電磁誘導等の起電力を電力源とするものである。そのため,この上記コイルアンテナ10で無線電波が受信されると,該コイルアンテナ10に起電力が誘起されて,ICチップ11等に電力が供給される構成になっている。
【0015】
次に,図5のフローチャートを用いて,RFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1,及び物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBが備えるICチップ11にて実施される物品管理処理について説明する。
本処理は,RFIDタグ情報受信装置Cが,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBから発信される物品識別コード及び領域識別コードを夫々受信し,受信した物品識別コード及び領域識別コードに基づいて,予めメモリ3に記憶されている上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報を夫々抽出すると共に,その抽出した上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報を表示部5に表示させるものである。
ここで本処理の前提として,物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBの識別コード記憶回路11-1には,物品識別コード及び領域識別コードが予め記憶されており,またRFIDタグ情報受信装置Cのメモリ3には,上記した各識別コードとこれに対応する上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報が夫々記憶されているものとする。
尚,本処理は,例えば,RFIDタグ情報受信装置Cに設けられた不図示のコード読み取り用のボタンが作業者によって押下されることにより起動される。
以下の説明中に記載されるS1,S2,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0016】
作業者によって上記コード読み取り用のボタンが押下されると,制御部1は,物品識別コード或いは領域識別コードを受信するための所定の要求信号を含む無線電波を,ゲートアンテナ4を介して物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBへ送信した後(S1),物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBから送信される物品識別コード或いは領域識別コードの受信を監視する(S2のN側)。
一方,上記ステップS1の処理で送信された上記無線電波については,物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBが夫々備えるコイルアンテナ10で受信される(S10のY側)。上記無線電波をコイルアンテナ10で受信することにより発生した起電力を受けて起動したICチップ11では,上記無線電波に含まれる上記所定の要求信号に基づき,識別コード記憶回路11−1から物品識別コード或いは領域識別コードが読み出され,この読み出された物品識別コード或いは領域識別コードが,データ送信回路11−2からコイルアンテナ10を介してRFIDタグ情報受信装置Cへ夫々送信される(S11)。
続いてRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1により,上記ステップS11で送信された物品識別コード或いは領域識別コードの受信が検出されると(S2のY側),受信した物品識別コード或いは領域識別コードに基づいて,メモリ3から各識別コードに夫々対応する上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報が抽出される(S3)。この抽出された上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報については,図4(d)に示されるように,上記物品の詳細情報と各物品が存在する上記領域の詳細情報とが夫々対応付けられた状態で表示部5に表示される(S4)。
尚,本処理では,上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報については,抽出される都度,上記物品の詳細情報と各物品が存在する上記領域の詳細情報とを夫々対応付けた状態で表示部5に表示している。しかし,メモリ3の適宜の領域に物品管理用のデータベース等を設けることによって,抽出した上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報を上記データベースに蓄積して記憶させて,対象となる全ての上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報が抽出された後に,表示部5にて一括表示してもよい。この場合,RFIDタグ情報受信装置Cに一括表示用のボタンを設けることが望ましい。
【0017】
次に,図6及び図7を用いて,RFIDタグ情報受信装置Cが,複数の領域識別コードを連続して受信した場合に,領域識別コードと略同時に受信する物品識別コードに重複が生じた場合の処理(以下,第1の受信重複処理という)について述べる。
図6に示されるように,作業者が,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB1の位置に概略合わせて,領域識別用RFIDタグB1に予め記憶されている領域識別コードをRFIDタグ情報受信装置Cで受信するとき,RFIDタグ情報受信装置Cの受信範囲はR1であるので,物品識別用RFIDA1,A2,及びA3に夫々記憶されている物品識別コードについても略同時に受信される。また同様に,作業者が,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB1に隣接する領域識別用RFIDタグB2の位置に概略合わせて,領域識別用RFIDタグB2に予め記憶されている領域識別コードをRFIDタグ情報受信装置Cで受信するとき,物品識別用RFIDA3,A4,及びA5に夫々記憶されている物品識別コードについても略同時に受信される。
このように,領域識別用RFIDタグB1と領域識別用RFIDタグB2とに夫々記憶されている領域識別コードを受信したときに,物品識別用RFIDA3に記憶されている物品識別コードを重複して受信することになる。このような場合,物品管理システムX1では,図7に示すような手順に従って,重複して受信された物品識別用RFIDA3が付された物品の配置位置を,領域識別用RFIDタグB1と領域識別用RFIDタグB2との略中央部と判断する。
【0018】
続いて図7のフローチャートを用いて,RFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1にて実施される上記第1の受信重複処理の手順について説明する。
本処理は,RFIDタグ情報受信装置Cが,まず物品識別用RFIDタグA1〜A3及び領域識別用RFIDタグB1から発信される物品識別コード及び領域識別コードを夫々受信し,受信した夫々の物品識別コード及び領域識別コードと,予めメモリ3に記憶されている上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報とに基づいて,物品識別情報の重複の有無及び重複した物品の領域判断を行うものである。
ここで本処理の前提として,物品識別用RFIDタグA1〜A5及び領域識別用RFIDタグB1,B2には,それぞれ物品識別コード及び領域識別コードが予め記憶されており,RFIDタグ情報受信装置Cには,図4で示されるような上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報及びその対応関係が夫々記憶されているものとする。更に,領域同志が隣接関係にあるか否かは,例えば領域識別コードを連番にしたり,別途隣接関係を規定するリストを記憶しておき,これを参照することで判断することができる。
また本処理は,例えば,RFIDタグ情報受信装置Cに設けられた不図示のコード読み取り用のボタンが作業者によって押下されることにより起動される。
以下の説明中に記載されるS20,S21,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0019】
先ず,任意の領域識別用RFIDタグB1にRFIDタグ情報受信装置Cが概略位置合わせされた状態で,作業者によって上記コード読み取り用のボタンが押下されると,制御部1は,物品識別コード或いは領域識別コードを受信するための所定の要求信号を含む無線電波を,ゲートアンテナ4を介して物品識別用RFIDタグA1〜A3或いは領域識別用RFIDタグB1へ夫々送信した後(S20),物品識別用RFIDタグA1〜A3或いは領域識別用RFIDタグB1から夫々送信される物品識別コード或いは領域識別コードの受信を監視する(S21のN側)。
続いてRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1により,物品識別用RFIDタグA1〜A3或いは領域識別用RFIDタグB1から夫々送信される物品識別コード或いは領域識別コードの受信が検出されると(S21のY側),現在メモリ3の所定領域に1又は複数の領域識別コードが記憶されているかどうかを判別する。ここで領域識別コードがメモリ3に全く記憶されていないと判別されたときには(S22のN側),上記ステップS21の処理で受信した物品識別コードと領域識別コードとを関連づけてメモリ3の所定領域に記憶する(S24)。そして,領域識別コードが新規であることが表示部5に表示される(S26)。
【0020】
次に,更に任意の領域識別用RFIDタグB2にRFIDタグ情報受信装置Cが概略位置合わせされた状態で,作業者によって上記コード読み取り用のボタンが押下されると,制御部1は,物品識別コード或いは領域識別コードを受信するための所定の要求信号を含む無線電波を,ゲートアンテナ4を介して物品識別用RFIDタグA3〜A5或いは領域識別用RFIDタグB2へ夫々送信した後(S20),物品識別用RFIDタグA3〜A5或いは領域識別用RFIDタグB2から夫々送信される物品識別コード或いは領域識別コードの受信を監視する(S21のN側)。
続いてRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1により,物品識別用RFIDタグA3〜A5或いは領域識別用RFIDタグB2から夫々送信される物品識別コード或いは領域識別コードの受信が検出されると(S21のY側),現在メモリ3の所定領域に領域識別コードが記憶されているかどうかを判別する。ここでは,メモリ3の所定領域に,物品識別用RFIDタグA1〜A3或いは領域識別用RFIDタグB1から夫々送信された物品識別コード或いは領域識別コードが既に記憶されているので(S22のY側),制御部1はステップS23の処理に移行する。
続くステップS23では,メモリ3の上記所定領域に,上記ステップS21の処理で物品識別用RFIDタグA3〜A5から受信した物品識別コードと同じ物品識別コードが存在するかどうかが判別される。存在しないと判別された場合には(S23のN側),上述したステップS24の処理に移行する。また,存在すると判別された場合には(S23のY側),重複する物品識別コードと関連づけて記憶されている領域識別コードが,上記ステップS21で受信した領域識別コードと隣接する領域識別コードであるかどうかが判別される。この判断は前記のように識別コードの連番性或いは隣接性の記憶を参照に行われる。ここで,隣接しない領域識別コードであると判別された場合には(S27のN側),上記ステップS24aの処理に移行すると共に,受信した物品識別コード或いは領域識別コードに基づいて,予めメモリ3から夫々対応する上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報が抽出され(S25)た後,領域識別コードが新規であることが表示部5に表示される(S26)。
また,隣接する領域識別コードであると判別された場合には(S27のY側),物品識別用RFIDタグA3が付された物品の配置位置を,領域識別用RFIDタグB1とB2との略中央部であると判断する(S28)。その後,制御部1は,上記ステップS21の処理で受信した物品識別用RFIDタグA3以外の物品識別コードと領域識別コードとを関連づけてメモリ3の所定領域に記憶すると共に,物品識別用RFIDタグA3から受信した物品識別コードと上記ステップS28の処理で判別した物品の配置位置とを関連付けてメモリの所定領域に記憶する(S29)。その後,物品識別用RFIDタグA3以外の物品識別コードと領域識別コードに基づいて,予めメモリ3から夫々対応する上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報が抽出される。尚,物品識別用RFIDタグA3については,上記ステップS28の処理にて配置位置が定められたので,物品識別用RFIDタグA3の物品識別コード上記物品の詳細情報のみが抽出される(S30)。その後,上記ステップS26の処理に移行する。
尚,本処理では,上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報については,抽出される都度,上記物品の詳細情報と各物品が存在する上記領域の詳細情報とを夫々対応付けた状態で表示部5に表示している。しかし,メモリ3の適宜の領域に物品管理用のデータベース等を設けることによって,抽出した上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報を上記データベースに蓄積して記憶させて,対象となる全ての上記物品の詳細情報或いは上記領域の詳細情報が抽出された後に,表示部5にて一括表示してもよい。この場合,RFIDタグ情報受信装置Cに一括表示用のボタンを設けることが望ましい。
【実施例】
【0021】
上述した第1の受信重複処理では,RFIDタグ情報受信装置Cが常に1個の領域識別用RFIDタグから発信される領域識別コードのみを受信する場合について述べたが,図8に示すケースでは,RFIDタグ情報受信装置Cが,略同時に複数個の領域識別用RFIDタグから発信される領域識別コードを夫々受信することができる場合(以下,第2の受信重複処理)について説明する。
上記第2の受信重複処理は,図8に示されるように,作業者がRFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB10とB11の中間付近に概略合わせると,領域識別用RFIDタグB10及びB11に予め記憶されている領域識別コードが受信されると共に,RFIDタグ情報受信装置Cの受信範囲はR10であるので,物品識別用RFIDタグA10,A11,及びA12に夫々記憶されている物品識別コードについても略同時に受信される。また同様に,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB11の位置に概略合わせた場合,領域識別用RFIDタグB11に予め記憶されている領域識別コードと,物品識別用RFIDタグA11,A12,及びA13に夫々記憶されている物品識別コードとが略同時に受信される。更に,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB11とB12の中間付近に概略合わせた場合,領域識別用RFIDタグB11及びB12に予め記憶されている領域識別コードが略同時に受信されると共に,RFIDタグ情報受信装置Cの受信範囲はR12であるので,物品識別用RFIDタグA12,A13,及びA14に夫々記憶されている物品識別コードについても略同時に受信される。
即ち,領域識別用RFIDタグB10〜B13に記憶されている領域識別コードを夫々受信したときに,物品識別用RFIDタグA12に記憶されている物品識別コードが略同時に共通して受信されている。そのため,物品識別用RFIDタグA12が付された物品の位置は,領域識別用RFIDタグB10とB12との略中央部で且つ領域識別用RFIDタグB11の近傍であると判断することができる。このとき,領域識別用RFIDタグB11の配置位置についても,当然,領域識別用RFIDタグB10とB12との略中央部であると判断される。このことから,物品管理システムX1では,所定距離離れた領域識別用RFIDタグB10とB12とから夫々発信された領域識別コード及び該領域識別コードと略同時に受信される物品識別コード(即ち,受信範囲R10及びR12内に存在する物品識別用RFIDタグから発信される物品識別コード)を夫々受信したときに,その夫々受信した領域識別コード報及び物品識別コードに同一の領域識別コード(即ち領域識別用RFIDタグB11に記憶された領域識別コード),及び物品識別コード(即ち物品識別用RFIDタグA12に記憶された物品識別コード)が含まれる場合,領域識別用RFIDタグB11及び物品識別用RFIDタグA12は,共に領域識別用RFIDタグB10とB12との略中央部に存在すると判断することができる。
一方,物品識別用RFIDタグA10については,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB10とB11との略中央部,及び物品識別用RFIDタグA14については領域識別用RFIDタグB11とB12との略中央部に位置合わせしたときにのみ受信されている。このことから,物品識別用RFIDタグA10は領域識別用RFIDタグB10の近傍に存在すると判断することができる。また同様に,物品識別用RFIDタグA14は領域識別用RFIDタグB12の近傍に存在すると判断できる。
また物品識別用RFIDタグA11に記憶される物品識別コードについては,RFIDタグ情報受信装置Cを領域識別用RFIDタグB10とB11との略中央部,及び領域識別用RFIDタグB11に位置合わせしたときに受信されている。そのため,物品識別用RFIDタグA11は領域識別用RFIDタグB10とB11の略中央部で領域識別用RFIDタグB11に近い位置に存在すると判断できる。同様に物品識別用RFIDタグA13についても,領域識別用RFIDタグB11とB12との略中央部で領域識別用RFIDタグB11に近い位置に存在すると判断できる。
以上の判断に基づいて,領域識別用RFIDタグB10→B12の順番で物品識別用RFIDタグA10〜A14を並べ替えると,物品識別用RFIDタグA10→A11→A12→A13→A14−A15の順番になる。
【0022】
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態では,RFIDタグ情報受信装置Cにて,物品識別コード及び領域識別コードの受信と,受信した物品識別コード及び領域識別コードを関連づけて管理する処理が実施されていた。しかし本発明はこれに限らず,例えば図9に示される物品管理システムX2のように,RFIDタグ情報受信装置C(C−1,C−2,…)が物品識別コード及び領域識別コードの受信処理のみを実施し,これらのRFIFタグ読取装置Cと無線接続されたパーソナルコンピュータ等の端末装置Zにて物品識別コード及び領域識別コードの管理を別途行ってもよい。即ち,RFIDタグ情報受信装置C(C−1,C−2,…)にて受信した物品識別コード及び領域識別コードを,無線LAN,Bluetooth,その他の特定省電力無線を用いて端末装置Zに転送すればよい。この場合,端末装置Zには物品管理用のデータベースを設けたり,第1の実施形態における表示部5と同様の機能を設けることが望ましい。
このことにより,RFIDタグ情報受信装置C(C−1,C−2,…)にて実施する処理が軽減されるので,RFIDタグ情報受信装置C(C−1,C−2,…)の構成を簡素にすることができる。また,RFIDタグ情報受信装置C(C−1,C−2,…)よりも高度な処理が行える端末装置Zを用いることによって,蔵書量が膨大な図書館における物品管理システムにでも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる物品管理システムX1の外観図。
【図2】上記物品管理システムX1を構成する携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cの制御系統における主要部の構成ブロック図。
【図3】上記物品管理システムX1を構成する物品識別用RFIDタグA及び領域識別用RFIDタグBの拡大詳細。
【図4】上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが備えるメモリ3に記憶されるテーブルイメージ図。
【図5】上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1及び上記物品識別用RFIDタグA或いは領域識別用RFIDタグBが備えるICチップ11にて実施される物品管理処理を示したフローチャート。
【図6】上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cにおける第1の受信重複処理を示した図。
【図7】上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cが備える制御部1が実施する上記第1の受信重複処理を示したフローチャート。
【図8】上記携帯型のRFIDタグ情報受信装置Cにおける第2の受信重複処理を示した図。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる物品管理システムX2の概略図。
【符号の説明】
【0024】
1…制御部
2…CPU
3…メモリ
4…ゲートアンテナ
5…表示部
10…コイルアンテナ
11…ICチップ
11−1…識別コード記憶回路
11−2…データ送信回路
11−3…整流回路
A(A1〜A5,A10〜A14)…物品識別用RFIDタグ
B(B1,B2,B10〜B12)…領域識別用RFIDタグ
C…RFIDタグ情報受信装置
D…書籍
E…本棚
R(R1,R2,R10〜R12)…受信範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付され,該物品の識別情報を無線通信により発信する物品識別情報発信手段と,
上記物品識別情報発信手段が存在する領域の識別情報を無線通信により発信する領域識別情報発信手段と,
可搬性を有し,上記物品識別情報発信手段から発信された上記物品の識別情報及び上記領域識別情報発信手段から発信された上記領域の識別情報を略同時に受信する識別情報受信手段と,
上記識別情報受信手段により受信した上記物品の識別情報及び上記領域の識別情報を関連づけて管理する識別情報管理手段とを具備してなることを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
上記識別情報受信手段と上記識別情報管理手段とが一体である請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
上記識別情報受信手段と上記識別情報管理手段とが別体である請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項4】
上記物品の識別情報に対応する該物品の詳細情報を記憶する物品詳細情報記憶手段と,
上記領域の識別情報に対応する該領域の詳細情報を記憶する領域詳細情報記憶手段とを更に備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項5】
上記識別情報受信手段が互いに隣接する上記領域識別情報発信手段から夫々発信される上記領域の識別情報を受信したときに,夫々の上記領域の識別情報と略同時に夫々受信された上記領域識別情報発信手段から発信される上記物品の識別情報に同一の物品の識別情報が含まれる場合,上記物品識別情報発信手段が付された物品の配置位置を,互いに隣接する上記領域識別情報発信手段の略中央部と判断するものである請求項1〜4のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項6】
上記識別情報受信手段が所定距離離れた夫々の位置で,上記領域識別情報発信手段から発信された上記領域の識別情報及び該領域の識別情報と略同時に受信される上記物品識別情報発信手段から発信された上記物品の識別情報を夫々受信したときに,その夫々受信した上記領域の識別情報及び上記物品の識別情報に同一の領域の識別情報及び物品の識別情報が含まれる場合,上記同一の領域の識別情報及び物品の識別情報を発信した上記領域識別情報発信手段及び上記物品識別情報発信手段は,両識別情報受信手段の略中央部に存在すると判断するものである請求項1〜4のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項7】
上記物品の識別情報及び/若しくは上記領域識別情報が適宜の記号から形成されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項8】
上記適宜の記号が,符号及び/若しくは文字を含むものである請求項7に記載の物品管理システム。
【請求項9】
関連づけて管理される上記物品の詳細情報及び上記領域の詳細情報を表示する詳細情報表示手段を更に備えてなる請求項1〜8のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項10】
上記物品識別情報発信手段及び上記領域識別情報発信手段が無線タグである請求項1〜9のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項11】
上記識別情報受信手段及び上記識別情報管理手段が携帯型の無線タグ読取装置である請求項1〜10のいずれかに記載の物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−111411(P2006−111411A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−301235(P2004−301235)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】