特にX線源の電子ビームの電子のために透明な窓を製造する方法
本発明は、特にX線源の電子ビームの電子のために透明な窓の製造方法に関する。そのような窓の余り高価でなく精巧でない製造を可能にするために、並びに、窓フォイル(2)を損傷し得る望ましくない鋭利な縁を窓領域内で防止するために、電子(E)の透過のための通し孔(12)を含むキャリア素子(1)に窓フォイル(2)を固定するために用いられるはんだ付け材料(3)を収容するための収容領域(13,16)を、窓フォイルが固定されるべきキャリア素子の表面(11)の上に設けるステップと、実質的に収容領域(13,16)のみがはんだ付け材料(3)で充填されるよう、収容領域(13,16)を有する表面(11)をはんだ付け材料(3)で覆うステップと、窓フォイル(2)を表面(11)の頂面に載せるステップと、窓フォイル(2)を表面(11)に固定するために前記はんだ付け材料(3)を加熱するステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にX線源の電子ビームの電子のために透明な窓の製造方法に関する。さらに、本発明は、そのような窓、及び、そのような窓を含むX線源に関する。
【背景技術】
【0002】
液体金属ターゲットを有するX線管は米国特許第6,185,277号から既知である。電子源によって放射される電子は、薄い窓を通じて液体金属に進入し、その中でX線を生成する。窓内の電子と液体金属との反応によって生成される熱を放散し得るよう、高い原子番号を有する液体金属は、ポンプの影響下で循環する。この領域に発生する熱は乱流によって放散され、よって、効果的な冷却を保証する。
【0003】
窓は、一方において、循環する液体金属の流れ圧力に耐えるよう可能な限り安定し、他方において、電子から可能な限り少ないエネルギーを引き出すよう構成される。窓のために適した材料は、ダイアモンドであり、他の材料は、例えば、ベリリウム、タングステン、又は、タングステン合金である。動作中、窓は、1000℃までの温度及び10バールまでの圧力のような極限状態に晒される。さらに、窓は、液体金属の腐食性の影響に晒される。
【0004】
そのような窓は、高温はんだ付け処理の使用によって製造されるのが一般的である。そこでは、10μm未満、例えば、5μmの典型的な厚さを有する薄い窓フォイルが、活性はんだ付け材料を用いて、モリブデンから成る金属フレームのようなキャリア素子の上にはんだ付けされる。第一段階において、はんだ付け材料は、窓フォイルの厚さの大きさのオーダの厚さに形成されなければならない。金属フレームは、窓フォイルによって覆われた、数平方ミリメートルの大きさのスリット状の開口を有する。次に、金属フレーム、はんだ付け層、及び、窓フォイルは互いに積層され、最終的に、約950℃の温度ではんだ付けされる。
【0005】
この製造方法の欠点は、一方において、はんだ層の精巧且つ高価な製造方法であり、他方において、窓領域への過剰なはんだ付け材料の進入である。これは、そのようなはんだ付け材料が窓領域に進入する位置で、電子が窓フォイルを通じて液体金属内に浸透し得ず、窓領域に既に吸収されていることを意味する。さらに、進入するはんだ付け材料は窓領域内に不確定な、場合によっては、鋭利な縁を形成し、それは窓のひずみに関して弱いスポットであり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、このような欠点を回避し、且つ、特に余り高価でも精巧でもない、特に上述のようなX線源における使用のための電子ビームの電子のために透明な窓の改良された製造方法を提供することが本発明の目的である。この方法に従って製造された窓、及び、そのような窓を有するX線源を提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、
- 電子の透過のための通し孔を含むキャリア素子に窓フォイルを固定するために用いられるはんだ付け材料を収容するための収容領域を、窓フォイルが固定されるべきキャリア素子の表面上に設けるステップと、
- 実質的に収容領域のみがはんだ付け材料で充填されるよう、収容領域を有する表面をはんだ付け材料で覆うステップと、
- 窓フォイルを表面の頂面に載せるステップと、
- 窓フォイルを表面に固定するためにはんだ付け材料を加熱するステップと
を含む請求項1において請求されるような方法によって、本発明に従って達成される。
【0008】
本発明は、一種のはんだ貯蔵所として、はんだ付け材料を収容するための収容領域をキャリア素子内に設けるために、キャリア素子への窓フォイルのはんだ付け以前に、他のキャリア素子の1つの表面に構造化をもたらすという考えに基づいている。この収容領域は、過剰なはんだ付け材料の窓領域内への、具体的には、キャリア素子の通し孔内への進入を防止する。
【0009】
本発明の好適実施態様は従属請求項によって定められる。本発明は、特にX線弦の電子ビームの電子の透過のための窓であって、
- 電子の透過のための通し孔を含む、窓フォイルを支持するためのキャリア素子と、
- キャリア素子の表面上にはんだ付けされた窓フォイルとを含み、
キャリア素子の表面は、窓フォイルをキャリア素子に固定するために用いられるはんだ付け材料で充填された収容領域を備える窓にも関する。
【0010】
さらに、本発明は、電子ビームを放射するための電子源と、電子ビームの入射後にX線を放射するためのターゲットと、上述されたような窓とを有するX線源であって、窓は電子源とターゲットとの間に位置するX線源に関する。実施態様において、X線源は、液体金属ターゲットを含み、米国特許第6,185,277B1号に開示されるような種類である。収容領域をもたらすための構造化の後、収容領域を備える表面は、はんだ付け材料が収容領域内にのみ設けられるよう、はんだ付け材料で覆われる。然る後、窓フォイルが配置され、はんだ付け材料を加熱することによってはんだ付けされ、よって、窓フォイルをキャリア素子の表面に十分に固定するよう、毛管力の故に、はんだ付け材料は窓フォイルとキャリア素子との間の領域に流れ込む。よって、過剰なはんだ付け材料が通し孔に流れ込み、動作期間中に窓フォイルを損傷し得る不確定な或いは鋭利な縁を形成することが防止される。
【0011】
好適実施態様において、収容領域を有する表面を覆うステップは、2つのサブステップを含む。第一サブステップにおいて、表面全体(即ち、収容領域だけでない)がはんだ付け材料で覆われる。第二サブステップにおいて、本質的に収容領域だけが最終的にはんだ付け材料で充填されるよう、過剰なはんだ付け材料が、例えば、研削又は研磨プロセスによって除去される。好ましくは、収容領域は、キャリア素子内の通し孔の周りに1つ又はそれ以上の溝を含む。これらの溝は、例えば、研削カッター又はレーザを使用することによって作成され、窓が液体金属ターゲットを有するX線源内で用いられるべきときには、例えば、50μmの深さ及び50μmの幅を有し得る。そのような溝は容易に作成されることができ、はんだ付け材料を効率的に収容する。溝は、例えば、長方形又は三角形の断面のような異なる断面を有し得る。しかしながら、はんだ付け材料はその中で気孔なく進展し得るので、半円形断面の溝が好ましい。鋭利な又長方形状の溝の鋭利な縁を有する隅部では、はんだ付け材料内に気泡を形成可能であり、それははんだ付け材料による完全な湿潤又は被覆を妨げる。溝がはんだ付け材料で良好に充填されればされるほど、窓フォイルに面する平面内のはんだ付け材料の層はより均一である。
【0012】
他の実施態様において、溝は通し孔の周りで同心である、即ち、収容領域は、通し孔の周りに異なる半径を有する多数の溝を含む。この実施態様では、はんだ付け材料が1つの溝から他の溝に流れ込むことが回避される。しかしながら、溝を通し孔の周りに螺旋状にも設け得る。
【0013】
代替的な実施態様によれば、通し孔からキャリア素子の縁に向かって減少する高さを備えた傾斜面を有するキャリア素子を得るよう、収容領域は、窓フォイルが固定されるべきキャリア素子の表面を削摩することによって作成される。このようにして、キャリア素子は傾斜面を有し、よって、平面窓フォイルを傾斜面の上に配置するとき、この傾斜面と平面窓フォイルとの間に楔形状の間隙が存在する。
【0014】
窓フォイルがキャリア素子の内部縁で損傷されるのをさらに回避するために、通し孔に面するキャリア素子の縁は丸められる。
【0015】
収容領域として溝又は楔形状間隙を形成することに加えて、はんだ付け材料が通し孔に流れ込むのを防止するために、通し孔を密接に取り囲んで設けられたチャネルをさらに設け得る。例えば、収容領域が多数の溝を含む実施態様において、他の溝と比べて増大された深さ及び/又は幅を有する最内側溝をそのようなチャネルとして設け得る。
【0016】
さらなる実施態様において、キャリア素子は、頂部キャリア素子と底部キャリア素子とを含み、収容領域は、頂部キャリア素子内に設けられ、窓フォイルは、頂部キャリア素子が底部キャリア素子にはんだ付けされる前に、頂部キャリア素子に固定される。好ましくは、窓フォイルを頂部キャリア素子にはんだ付けするために、高いはんだ付け温度を有するはんだ付け材料がはんだ付けの間に用いられるのに対し、後続ステップでは、頂部キャリア素子を底部キャリア素子にはんだ付けするために、より低いはんだ付け温度を有するはんだ付け材料が用いられる。
【0017】
プロセスを2つのサブプロセスに分割することによって、高い数の窓を1回のバッチで製造し得る。第一サブプロセス後、最適でない窓(頂部キャリア素子)を容易に選別可能であるので、より高価な底部キャリア素子が引き続き最適な頂部キャリア素子に固定されるだけであり、コスト削減になる。
【0018】
図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、既知の方法によって製造される窓を示している。それは、金属キャリア素子1と、キャリア素子の頂面11上にはんだ付けされた窓フォイル2とを含む。窓フォイル2をキャリア素子1にはんだ付けするために、先ず、はんだ付け材料3が頂面11上に載せられる。精錬処理において、はんだ付け材料3は、窓フォイル2と同一の厚さであるよう処理されなければならず、然る後、窓フォイル2をキャリア素子1に固定するために、はんだ付け材料3は約950℃の温度に加熱される。
【0020】
窓2の中央部22は、キャリア素子1の中央に設けられた通し孔12を覆っている。よって、窓フォイル2は、液体金属ターゲットを有するX線源内で窓を使用する場合に、液体金属を真空領域から分離する働きをする。動作中、液体金属に進入し、その中にX線を生成するために、電子の電子ビームEは窓フォイル22を透過する。
【0021】
図1に見られるように、はんだ付け材料の加熱中、はんだ付け材料3の一部は通し孔12内に進入し、望ましくないはんだ部分31を形成する。これらは、電子がこれらの領域で液体金属中に浸透することを避け、よって、X線源の効率を低減する。さらに、これらの部分31は不確定な縁を形成し、動作中に窓フォイル2を破壊又は損傷し得る。
【0022】
本発明に従った製造方法のステップが図2に例証されている。そこでは、キャリア素子又は製造される窓のそれぞれの一部のみを通じた断面が示されている。図2aに例証される第一ステップにおいて、キャリア素子は、通し孔12(ここでは図示せず)の周りで表面11に形成された多数の同心の溝13を備える。これらの溝13は、後続ステップにおいてはんだ付け材料を収容する所謂収容領域を構成する。
【0023】
図2bに示される第二ステップにおいて、はんだ付け材料3は事前溝付き表面11の頂面上に載せられる。はんだ付け材料3を加熱することによって、それは流体となり、少なくとも部分的に溝13に流れ込み、溝は最終的に図2cに示されるようにはんだ付け材料で充填される。依然として表面11上にあるが溝13内にはない過剰なはんだ付け材料3は、図2dに示される後続ステップにおいて、例えば研磨又は研削によって除去され、よて、はんだ付け材料3は本質的に溝13内にのみ存在するので、はんだ付け材料3の厚さは第一義的に重要ではない。
【0024】
最終的に、はんだ付け材料3は、如何なる追加的なはんだ付け材料をも使用することなく加熱される。溝13内に存在するはんだ付け材料3は、毛管力の故に、溝から流れ出て、表面11上に載せられた窓2と表面11自体との間に流れ込み、最終的に、図2eに示されるように、窓フォイル2とキャリア素子1との間の確実な固定をもたらす。
【0025】
上述の方法によって製造された本発明に従った窓が図3に示されている。図示されているのは、加熱されるときに表面11と窓フォイル2との間の領域を満たすはんだ付け材料3によって充填された溝13を有する事前溝付き表面11を備えたキャリア素子1である。図3に見られるように、如何なるはんだ付け材料3も通し孔12に入り込まないので、効率は低減されず、窓フォイル2を損傷又は破壊し得る望ましくない鋭利な縁も形成されない。窓フォイルの如何なる損傷をもさらに防止するために、通し孔12に面する表面11の縁14は丸められる、即ち、湾曲半径を構成する。
【0026】
図3に示される窓の表面の上面図が図4に描写されている。そこでは、細長い孔の形態を有する通し孔12は、通し孔12の周りで概ね同心の多数の溝によって取り囲まれている。例えば、研削カッター又はレーザを使用することによって、そのような溝13を容易に形成し得る。
【0027】
図5乃至10は、本発明に従った窓のさらなる実施態様を断面として示しており、製造方法及び窓の異なる変形が例証されている。図2に示される実施態様では、溝13は長方形の断面を有するのに対し、例えば、図5に示されるように、溝13は半円形の断面を有する。
【0028】
図6に示される実施態様では、追加的なチャネル15が、溝13と比べて増大された幅及び深さを有する最内側溝として設けられている。はんだ付け材料が通し孔12に流れ込むのを防止するために、この追加的なチャネル15は、如何なるはんだ付け材料3も通し孔12の方向に流れることを阻止するための停止溝として作用する。
【0029】
図7に示される実施態様では、キャリア素子1は、頂部キャリア素子101と底部キャリア素子102との分割されている。第一に、溝13が頂部キャリア素子101に設けられ、窓フォイル2が上述のように頂部キャリア素子101にはんだ付けされるのに対し、後続ステップでは、頂部キャリア素子101は底部キャリア素子102にはんだ付けされ、そのプロセスでは、はんだ付け材料3よりも低い融解温度を有するはんだ付け材料4を用い得る。
【0030】
図8に示される実施態様は図7に示される実施態様に概ね対応するが、図6を参照して明らかに示され説明されるような追加的なチャネル15を含む。
【0031】
収容領域の異なる実施態様が図9に示され、そこでも、キャリア素子1は、頂部キャリア素子101と底部キャリア素子102とにサブ分割され、はんだ付け材料4によってはんだ付けされている。しかしながら、頂部キャリア素子102の頂面11は以前の図面に示されるような溝を有さず、窓フォイル2と表面11との間に楔形状の間隙16を形成するよう傾斜されている。間隙16は、通し孔12に隣接する側部から外部縁に向かって増大する厚さを有し、通し孔12に隣接する小さな厚さの故に、はんだ付け材料が通し孔12に流れ込み得ることを防止するよう、はんだ付け材料を収容するために設けられている。
【0032】
図10に示される実施態様は図9に示される実施態様に対応するが、図6を参照して明らかに示され説明されるような追加のチャネル15を含む。
【0033】
そのような窓が好適には用いられる本発明に従ったX線源の実施態様が、図11に示されている。それは好ましくは電気的に接地された管外被40を含み、管外被は窓41によって気密に封止されている。管外被40の真空空間には、陰極42の形態の電子源が収容され、陰極は動作状態において電子ビームEを放射し、電子ビームは窓41を通じてターゲットシステム44内に存在する液体金属上に入射する。ターゲットシステム44はダクト440のシステムを含み、液体金属はダクト内でポンプ442によって駆動され、窓41の側部を越えて区画441に流れる。区画441を越えた後、それは熱交換器443に進入し、生成された熱を適切な冷却回路を用いてそこから放出し得る。窓41を通過する電子と液体金属との間の反応はX線を生成し、即ち、液体金属はターゲットとして作用し、X線は外被40内のX線窓45及び窓41を通じて放射する。X線源のさらなる詳細に関しては、上述の米国特許第6,185,277B1号が申し述べられ、参照として本明細書に引用される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】既知の方法によって製造される窓を示す概略図である。
【図2a】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2b】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2c】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2d】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2e】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図3】本発明の方法に従って製造される窓を示す概略図である。
【図4】収容領域を示す上面図である。
【図5】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図6】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図7】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図8】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図9】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図10】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図11】本発明に従ったX線源を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にX線源の電子ビームの電子のために透明な窓の製造方法に関する。さらに、本発明は、そのような窓、及び、そのような窓を含むX線源に関する。
【背景技術】
【0002】
液体金属ターゲットを有するX線管は米国特許第6,185,277号から既知である。電子源によって放射される電子は、薄い窓を通じて液体金属に進入し、その中でX線を生成する。窓内の電子と液体金属との反応によって生成される熱を放散し得るよう、高い原子番号を有する液体金属は、ポンプの影響下で循環する。この領域に発生する熱は乱流によって放散され、よって、効果的な冷却を保証する。
【0003】
窓は、一方において、循環する液体金属の流れ圧力に耐えるよう可能な限り安定し、他方において、電子から可能な限り少ないエネルギーを引き出すよう構成される。窓のために適した材料は、ダイアモンドであり、他の材料は、例えば、ベリリウム、タングステン、又は、タングステン合金である。動作中、窓は、1000℃までの温度及び10バールまでの圧力のような極限状態に晒される。さらに、窓は、液体金属の腐食性の影響に晒される。
【0004】
そのような窓は、高温はんだ付け処理の使用によって製造されるのが一般的である。そこでは、10μm未満、例えば、5μmの典型的な厚さを有する薄い窓フォイルが、活性はんだ付け材料を用いて、モリブデンから成る金属フレームのようなキャリア素子の上にはんだ付けされる。第一段階において、はんだ付け材料は、窓フォイルの厚さの大きさのオーダの厚さに形成されなければならない。金属フレームは、窓フォイルによって覆われた、数平方ミリメートルの大きさのスリット状の開口を有する。次に、金属フレーム、はんだ付け層、及び、窓フォイルは互いに積層され、最終的に、約950℃の温度ではんだ付けされる。
【0005】
この製造方法の欠点は、一方において、はんだ層の精巧且つ高価な製造方法であり、他方において、窓領域への過剰なはんだ付け材料の進入である。これは、そのようなはんだ付け材料が窓領域に進入する位置で、電子が窓フォイルを通じて液体金属内に浸透し得ず、窓領域に既に吸収されていることを意味する。さらに、進入するはんだ付け材料は窓領域内に不確定な、場合によっては、鋭利な縁を形成し、それは窓のひずみに関して弱いスポットであり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、このような欠点を回避し、且つ、特に余り高価でも精巧でもない、特に上述のようなX線源における使用のための電子ビームの電子のために透明な窓の改良された製造方法を提供することが本発明の目的である。この方法に従って製造された窓、及び、そのような窓を有するX線源を提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、
- 電子の透過のための通し孔を含むキャリア素子に窓フォイルを固定するために用いられるはんだ付け材料を収容するための収容領域を、窓フォイルが固定されるべきキャリア素子の表面上に設けるステップと、
- 実質的に収容領域のみがはんだ付け材料で充填されるよう、収容領域を有する表面をはんだ付け材料で覆うステップと、
- 窓フォイルを表面の頂面に載せるステップと、
- 窓フォイルを表面に固定するためにはんだ付け材料を加熱するステップと
を含む請求項1において請求されるような方法によって、本発明に従って達成される。
【0008】
本発明は、一種のはんだ貯蔵所として、はんだ付け材料を収容するための収容領域をキャリア素子内に設けるために、キャリア素子への窓フォイルのはんだ付け以前に、他のキャリア素子の1つの表面に構造化をもたらすという考えに基づいている。この収容領域は、過剰なはんだ付け材料の窓領域内への、具体的には、キャリア素子の通し孔内への進入を防止する。
【0009】
本発明の好適実施態様は従属請求項によって定められる。本発明は、特にX線弦の電子ビームの電子の透過のための窓であって、
- 電子の透過のための通し孔を含む、窓フォイルを支持するためのキャリア素子と、
- キャリア素子の表面上にはんだ付けされた窓フォイルとを含み、
キャリア素子の表面は、窓フォイルをキャリア素子に固定するために用いられるはんだ付け材料で充填された収容領域を備える窓にも関する。
【0010】
さらに、本発明は、電子ビームを放射するための電子源と、電子ビームの入射後にX線を放射するためのターゲットと、上述されたような窓とを有するX線源であって、窓は電子源とターゲットとの間に位置するX線源に関する。実施態様において、X線源は、液体金属ターゲットを含み、米国特許第6,185,277B1号に開示されるような種類である。収容領域をもたらすための構造化の後、収容領域を備える表面は、はんだ付け材料が収容領域内にのみ設けられるよう、はんだ付け材料で覆われる。然る後、窓フォイルが配置され、はんだ付け材料を加熱することによってはんだ付けされ、よって、窓フォイルをキャリア素子の表面に十分に固定するよう、毛管力の故に、はんだ付け材料は窓フォイルとキャリア素子との間の領域に流れ込む。よって、過剰なはんだ付け材料が通し孔に流れ込み、動作期間中に窓フォイルを損傷し得る不確定な或いは鋭利な縁を形成することが防止される。
【0011】
好適実施態様において、収容領域を有する表面を覆うステップは、2つのサブステップを含む。第一サブステップにおいて、表面全体(即ち、収容領域だけでない)がはんだ付け材料で覆われる。第二サブステップにおいて、本質的に収容領域だけが最終的にはんだ付け材料で充填されるよう、過剰なはんだ付け材料が、例えば、研削又は研磨プロセスによって除去される。好ましくは、収容領域は、キャリア素子内の通し孔の周りに1つ又はそれ以上の溝を含む。これらの溝は、例えば、研削カッター又はレーザを使用することによって作成され、窓が液体金属ターゲットを有するX線源内で用いられるべきときには、例えば、50μmの深さ及び50μmの幅を有し得る。そのような溝は容易に作成されることができ、はんだ付け材料を効率的に収容する。溝は、例えば、長方形又は三角形の断面のような異なる断面を有し得る。しかしながら、はんだ付け材料はその中で気孔なく進展し得るので、半円形断面の溝が好ましい。鋭利な又長方形状の溝の鋭利な縁を有する隅部では、はんだ付け材料内に気泡を形成可能であり、それははんだ付け材料による完全な湿潤又は被覆を妨げる。溝がはんだ付け材料で良好に充填されればされるほど、窓フォイルに面する平面内のはんだ付け材料の層はより均一である。
【0012】
他の実施態様において、溝は通し孔の周りで同心である、即ち、収容領域は、通し孔の周りに異なる半径を有する多数の溝を含む。この実施態様では、はんだ付け材料が1つの溝から他の溝に流れ込むことが回避される。しかしながら、溝を通し孔の周りに螺旋状にも設け得る。
【0013】
代替的な実施態様によれば、通し孔からキャリア素子の縁に向かって減少する高さを備えた傾斜面を有するキャリア素子を得るよう、収容領域は、窓フォイルが固定されるべきキャリア素子の表面を削摩することによって作成される。このようにして、キャリア素子は傾斜面を有し、よって、平面窓フォイルを傾斜面の上に配置するとき、この傾斜面と平面窓フォイルとの間に楔形状の間隙が存在する。
【0014】
窓フォイルがキャリア素子の内部縁で損傷されるのをさらに回避するために、通し孔に面するキャリア素子の縁は丸められる。
【0015】
収容領域として溝又は楔形状間隙を形成することに加えて、はんだ付け材料が通し孔に流れ込むのを防止するために、通し孔を密接に取り囲んで設けられたチャネルをさらに設け得る。例えば、収容領域が多数の溝を含む実施態様において、他の溝と比べて増大された深さ及び/又は幅を有する最内側溝をそのようなチャネルとして設け得る。
【0016】
さらなる実施態様において、キャリア素子は、頂部キャリア素子と底部キャリア素子とを含み、収容領域は、頂部キャリア素子内に設けられ、窓フォイルは、頂部キャリア素子が底部キャリア素子にはんだ付けされる前に、頂部キャリア素子に固定される。好ましくは、窓フォイルを頂部キャリア素子にはんだ付けするために、高いはんだ付け温度を有するはんだ付け材料がはんだ付けの間に用いられるのに対し、後続ステップでは、頂部キャリア素子を底部キャリア素子にはんだ付けするために、より低いはんだ付け温度を有するはんだ付け材料が用いられる。
【0017】
プロセスを2つのサブプロセスに分割することによって、高い数の窓を1回のバッチで製造し得る。第一サブプロセス後、最適でない窓(頂部キャリア素子)を容易に選別可能であるので、より高価な底部キャリア素子が引き続き最適な頂部キャリア素子に固定されるだけであり、コスト削減になる。
【0018】
図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、既知の方法によって製造される窓を示している。それは、金属キャリア素子1と、キャリア素子の頂面11上にはんだ付けされた窓フォイル2とを含む。窓フォイル2をキャリア素子1にはんだ付けするために、先ず、はんだ付け材料3が頂面11上に載せられる。精錬処理において、はんだ付け材料3は、窓フォイル2と同一の厚さであるよう処理されなければならず、然る後、窓フォイル2をキャリア素子1に固定するために、はんだ付け材料3は約950℃の温度に加熱される。
【0020】
窓2の中央部22は、キャリア素子1の中央に設けられた通し孔12を覆っている。よって、窓フォイル2は、液体金属ターゲットを有するX線源内で窓を使用する場合に、液体金属を真空領域から分離する働きをする。動作中、液体金属に進入し、その中にX線を生成するために、電子の電子ビームEは窓フォイル22を透過する。
【0021】
図1に見られるように、はんだ付け材料の加熱中、はんだ付け材料3の一部は通し孔12内に進入し、望ましくないはんだ部分31を形成する。これらは、電子がこれらの領域で液体金属中に浸透することを避け、よって、X線源の効率を低減する。さらに、これらの部分31は不確定な縁を形成し、動作中に窓フォイル2を破壊又は損傷し得る。
【0022】
本発明に従った製造方法のステップが図2に例証されている。そこでは、キャリア素子又は製造される窓のそれぞれの一部のみを通じた断面が示されている。図2aに例証される第一ステップにおいて、キャリア素子は、通し孔12(ここでは図示せず)の周りで表面11に形成された多数の同心の溝13を備える。これらの溝13は、後続ステップにおいてはんだ付け材料を収容する所謂収容領域を構成する。
【0023】
図2bに示される第二ステップにおいて、はんだ付け材料3は事前溝付き表面11の頂面上に載せられる。はんだ付け材料3を加熱することによって、それは流体となり、少なくとも部分的に溝13に流れ込み、溝は最終的に図2cに示されるようにはんだ付け材料で充填される。依然として表面11上にあるが溝13内にはない過剰なはんだ付け材料3は、図2dに示される後続ステップにおいて、例えば研磨又は研削によって除去され、よて、はんだ付け材料3は本質的に溝13内にのみ存在するので、はんだ付け材料3の厚さは第一義的に重要ではない。
【0024】
最終的に、はんだ付け材料3は、如何なる追加的なはんだ付け材料をも使用することなく加熱される。溝13内に存在するはんだ付け材料3は、毛管力の故に、溝から流れ出て、表面11上に載せられた窓2と表面11自体との間に流れ込み、最終的に、図2eに示されるように、窓フォイル2とキャリア素子1との間の確実な固定をもたらす。
【0025】
上述の方法によって製造された本発明に従った窓が図3に示されている。図示されているのは、加熱されるときに表面11と窓フォイル2との間の領域を満たすはんだ付け材料3によって充填された溝13を有する事前溝付き表面11を備えたキャリア素子1である。図3に見られるように、如何なるはんだ付け材料3も通し孔12に入り込まないので、効率は低減されず、窓フォイル2を損傷又は破壊し得る望ましくない鋭利な縁も形成されない。窓フォイルの如何なる損傷をもさらに防止するために、通し孔12に面する表面11の縁14は丸められる、即ち、湾曲半径を構成する。
【0026】
図3に示される窓の表面の上面図が図4に描写されている。そこでは、細長い孔の形態を有する通し孔12は、通し孔12の周りで概ね同心の多数の溝によって取り囲まれている。例えば、研削カッター又はレーザを使用することによって、そのような溝13を容易に形成し得る。
【0027】
図5乃至10は、本発明に従った窓のさらなる実施態様を断面として示しており、製造方法及び窓の異なる変形が例証されている。図2に示される実施態様では、溝13は長方形の断面を有するのに対し、例えば、図5に示されるように、溝13は半円形の断面を有する。
【0028】
図6に示される実施態様では、追加的なチャネル15が、溝13と比べて増大された幅及び深さを有する最内側溝として設けられている。はんだ付け材料が通し孔12に流れ込むのを防止するために、この追加的なチャネル15は、如何なるはんだ付け材料3も通し孔12の方向に流れることを阻止するための停止溝として作用する。
【0029】
図7に示される実施態様では、キャリア素子1は、頂部キャリア素子101と底部キャリア素子102との分割されている。第一に、溝13が頂部キャリア素子101に設けられ、窓フォイル2が上述のように頂部キャリア素子101にはんだ付けされるのに対し、後続ステップでは、頂部キャリア素子101は底部キャリア素子102にはんだ付けされ、そのプロセスでは、はんだ付け材料3よりも低い融解温度を有するはんだ付け材料4を用い得る。
【0030】
図8に示される実施態様は図7に示される実施態様に概ね対応するが、図6を参照して明らかに示され説明されるような追加的なチャネル15を含む。
【0031】
収容領域の異なる実施態様が図9に示され、そこでも、キャリア素子1は、頂部キャリア素子101と底部キャリア素子102とにサブ分割され、はんだ付け材料4によってはんだ付けされている。しかしながら、頂部キャリア素子102の頂面11は以前の図面に示されるような溝を有さず、窓フォイル2と表面11との間に楔形状の間隙16を形成するよう傾斜されている。間隙16は、通し孔12に隣接する側部から外部縁に向かって増大する厚さを有し、通し孔12に隣接する小さな厚さの故に、はんだ付け材料が通し孔12に流れ込み得ることを防止するよう、はんだ付け材料を収容するために設けられている。
【0032】
図10に示される実施態様は図9に示される実施態様に対応するが、図6を参照して明らかに示され説明されるような追加のチャネル15を含む。
【0033】
そのような窓が好適には用いられる本発明に従ったX線源の実施態様が、図11に示されている。それは好ましくは電気的に接地された管外被40を含み、管外被は窓41によって気密に封止されている。管外被40の真空空間には、陰極42の形態の電子源が収容され、陰極は動作状態において電子ビームEを放射し、電子ビームは窓41を通じてターゲットシステム44内に存在する液体金属上に入射する。ターゲットシステム44はダクト440のシステムを含み、液体金属はダクト内でポンプ442によって駆動され、窓41の側部を越えて区画441に流れる。区画441を越えた後、それは熱交換器443に進入し、生成された熱を適切な冷却回路を用いてそこから放出し得る。窓41を通過する電子と液体金属との間の反応はX線を生成し、即ち、液体金属はターゲットとして作用し、X線は外被40内のX線窓45及び窓41を通じて放射する。X線源のさらなる詳細に関しては、上述の米国特許第6,185,277B1号が申し述べられ、参照として本明細書に引用される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】既知の方法によって製造される窓を示す概略図である。
【図2a】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2b】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2c】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2d】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図2e】本発明に従った方法のステップを例証する概略図である。
【図3】本発明の方法に従って製造される窓を示す概略図である。
【図4】収容領域を示す上面図である。
【図5】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図6】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図7】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図8】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図9】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図10】本発明の方法の異なる実施態様に従って製造される異なる実施態様の窓を示す概略図である。
【図11】本発明に従ったX線源を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にX線源の電子ビームの電子のために透明な窓を製造する方法であって:
前記電子の透過のための通し孔を含むキャリア素子に窓フォイルを固定するために用いられるはんだ付け材料を収容するための収容領域を、前記窓フォイルが固定されるべき前記キャリア素子の表面の上に設けるステップと、
実質的に前記収容領域のみがはんだ付け材料で充填されるよう、前記収容領域を有する前記表面をはんだ付け材料で覆うステップと、
前記窓フォイルを前記表面の頂面に載せるステップと、
前記窓フォイルを前記表面に固定するために前記はんだ付け材料を加熱するステップとを含む、方法。
【請求項2】
表面をはんだ付け材料で覆う前記ステップにおいて、本質的に前記収容領域のみが前記はんだ付け材料で充填されるよう、過剰なはんだ付け材料は除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記収容領域は、前記キャリア素子の前記通し孔の周りに1つ又はそれ以上の溝を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溝は半円形の断面を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溝は前記通し孔の周りで同心である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記通し孔から前記キャリア素子の縁に向かって減少する高さを備える傾斜面を有する前記キャリア素子を得るよう、前記収容領域は、前記キャリア素子の前記表面を削摩することによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記通し孔に面する前記キャリア素子の前記表面の前記縁は丸められている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記はんだ付け材料が前記通り孔に流れ込むのを防止するために、前記収容領域は、前記通し孔を密接に取り囲むチャネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア素子は、頂部キャリア素子と底部キャリア素子とを含み、前記収容領域は、前記頂部キャリア素子内に設けられ、前記窓フォイルは、前記頂部キャリア素子が前記底部キャリア素子にはんだ付けされる前に、前記頂部キャリア素子に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
特にX線弦の電子ビームの電子の透過のための窓であって:
前記電子の透過のための通し孔を含む、窓フォイルを支持するためのキャリア素子と、
該キャリア素子の表面の上にはんだ付けされた前記窓フォイルとを含み、
前記キャリア素子の前記表面は、前記窓フォイルを前記キャリア素子に固定するために用いられるはんだ付け材料で充填された収容領域を備える、窓。
【請求項11】
電子ビームを放射するための電子源と、前記電子ビームの入射後にX線を放射するためのターゲットと、請求項10に請求されるような窓とを有するX線源であって、前記窓は、前記電子源と前記ターゲットとの間に位置する、X線源。
【請求項12】
前記ターゲットは、液体金属ターゲットであり、前記窓は、前記液体金属ターゲットの液体金属を、前記電子源を含む真空領域から分離する、請求項11に記載のX線源。
【請求項1】
特にX線源の電子ビームの電子のために透明な窓を製造する方法であって:
前記電子の透過のための通し孔を含むキャリア素子に窓フォイルを固定するために用いられるはんだ付け材料を収容するための収容領域を、前記窓フォイルが固定されるべき前記キャリア素子の表面の上に設けるステップと、
実質的に前記収容領域のみがはんだ付け材料で充填されるよう、前記収容領域を有する前記表面をはんだ付け材料で覆うステップと、
前記窓フォイルを前記表面の頂面に載せるステップと、
前記窓フォイルを前記表面に固定するために前記はんだ付け材料を加熱するステップとを含む、方法。
【請求項2】
表面をはんだ付け材料で覆う前記ステップにおいて、本質的に前記収容領域のみが前記はんだ付け材料で充填されるよう、過剰なはんだ付け材料は除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記収容領域は、前記キャリア素子の前記通し孔の周りに1つ又はそれ以上の溝を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溝は半円形の断面を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溝は前記通し孔の周りで同心である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記通し孔から前記キャリア素子の縁に向かって減少する高さを備える傾斜面を有する前記キャリア素子を得るよう、前記収容領域は、前記キャリア素子の前記表面を削摩することによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記通し孔に面する前記キャリア素子の前記表面の前記縁は丸められている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記はんだ付け材料が前記通り孔に流れ込むのを防止するために、前記収容領域は、前記通し孔を密接に取り囲むチャネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア素子は、頂部キャリア素子と底部キャリア素子とを含み、前記収容領域は、前記頂部キャリア素子内に設けられ、前記窓フォイルは、前記頂部キャリア素子が前記底部キャリア素子にはんだ付けされる前に、前記頂部キャリア素子に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
特にX線弦の電子ビームの電子の透過のための窓であって:
前記電子の透過のための通し孔を含む、窓フォイルを支持するためのキャリア素子と、
該キャリア素子の表面の上にはんだ付けされた前記窓フォイルとを含み、
前記キャリア素子の前記表面は、前記窓フォイルを前記キャリア素子に固定するために用いられるはんだ付け材料で充填された収容領域を備える、窓。
【請求項11】
電子ビームを放射するための電子源と、前記電子ビームの入射後にX線を放射するためのターゲットと、請求項10に請求されるような窓とを有するX線源であって、前記窓は、前記電子源と前記ターゲットとの間に位置する、X線源。
【請求項12】
前記ターゲットは、液体金属ターゲットであり、前記窓は、前記液体金属ターゲットの液体金属を、前記電子源を含む真空領域から分離する、請求項11に記載のX線源。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−509462(P2007−509462A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530984(P2006−530984)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051996
【国際公開番号】WO2005/034167
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051996
【国際公開番号】WO2005/034167
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]