説明

特定の置換スピロ環ラクタムおよび医薬品としてのその使用

本発明は式:
【化1】


(式中、R、R、R、R、R、R、mおよびpは明細書で定義するとおりである)の新規2−(6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド、その製造法、その医薬品としての使用、およびそれを含有する医薬組成物に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は新規2−(6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド、その製造法、医薬品としてのその使用、およびそれを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
さらに特に本発明は遊離塩基形態または酸付加塩形態の式:
【化1】

(式中、
は水素または(C1−4)アルキルであり、
は場合によっては置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
は−CH(R)C(=O)N(R)Rまたは−(CHN(R)R
(式中、
kは0、1または2であり、
、R、RおよびRは別個に水素または場合によっては置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C5−9)ビシクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、4−クロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル、チオクロマン−4−イル−1,1−ジオキシド,4−イソクロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル、チオイソクロマン−4−イル−1,1−ジオキシド、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イルもしくは2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチン−4−イル基であるか、または
およびR、もしくはRおよびRはそれらが結合する窒素と一緒に場合によっては置換されていてよいピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニル基を形成し、そして
は(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルである)
であり、
は水素または場合によっては置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルコキシ(C1−4)アルキルまたはアリール基であり、
は水素または場合によっては置換されていてよい(C1−4)アルキルであり、
は水素、ヒドロキシまたはハロゲンであり、そして
mおよびpは別個に1または2である)
の化合物に関する。
【0003】
式Iの化合物およびその塩に存在する不斉炭素原子のために、化合物は光学的に活性な形態または光学異性体の混合物の形態、例えばラセミ混合物の形態で存在し得る。全ての光学異性体およびラセミ混合物を含むその混合物は本発明の一部である。
【0004】
さらに、式Iの化合物およびその塩はトリチウム、14C、11Cまたは18Fのような放射性同位体を含有し得る。全ての放射性標識化合物およびそのバイオマーカー、インビトロもしくはインビボ造影剤としての、または生化学的アッセイ、例えば結合アッセイにおける使用は本発明の一部である。
【0005】
前記で定義した非芳香族基の置換基はヒドロキシ、ハロゲン、カルバモイル、カルボキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルスルファニル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、シアノ、オキソ、(C3−7)シクロアルキル、ヘテロ(C3−7)シクロアルキル、場合によっては置換されていてよいアリールまたは場合によっては置換されていてよいヘテロアリールから選択される。(C3−7)シクロアルキルまたはヘテロ−(C3−7)シクロアルキル基はまた別の(C3−7)シクロアルキル、ヘテロ(C3−7)シクロアルキルまたは芳香族もしくはヘテロ芳香環と融合され得る。
【0006】
前記で定義した芳香族またはヘテロ芳香族基の置換基はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、フェノキシ、SONH、NHSO(C1−3)アルキル、カルボキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、(C1−4)アルキルカルバモイル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−6)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは場合によっては置換されていてよいアミノ基から選択される。
【0007】
アミノまたはカルバモイル基の置換基は(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシカルボニル、アリール(C1−4)アルキルオキシカルボニルまたはヘテロアリール(C1−4)アルキルオキシカルボニルから選択される1または2個の基でよい。
【0008】
アリールは場合によってはヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ハロゲン、カルボキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルバモイル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニルアミノ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−6)アルキル、(C1−4)アルコキシまたはヒドロキシ(C1−4)アルキルにより別個に一、二または三置換された芳香族6員環である。アリール基はまた(C3−7)シクロアルキル、ヘテロ(C3−7)シクロアルキルまたは別の芳香族もしくはヘテロ芳香環と(例えばナフチル、キノリニルまたはインドリル基を形成するために)融合され得る。
【0009】
ヘテロアリールは、1、2または3個の原子がO、NおよびSから別個に選択されるヘテロ原子である芳香族5または6員環である。ヘテロアリールは、例えば1−メチル−1H−ピロール−2−イルまたは1H−イミダゾール−2−イルである。これはまたシクロアルキルまたは別の芳香族もしくはヘテロ芳香環と(例えばキノリニルまたはインドリル基を形成するために)融合され得る。
【0010】
ハロゲンはフッ素、臭素、塩素、またはヨウ素を示す。
任意のアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシ基は直鎖状または分岐している。
別に特記しない場合、炭素含有基および分子は1から8個、好ましくは1から6個、さらに好ましくは1から4個の炭素原子を含有する。
【0011】
好ましい実施態様では本発明は、Rが水素である、遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0012】
別の好ましい実施態様では本発明は、Rがアリール、好ましくはフェニル、さらに好ましくは非置換フェニルである、遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0013】
別の好ましい実施態様では本発明は、Rが−CH(R)C(=O)N(R)Rまたは−(CHN(R)R(ここでkは0であり;Rは水素であり;Rは(C1−8)アルキルまたはビシクロヘプチルのような(C5−9)ビシクロアルキルであり;Rは水素であり;Rは場合によっては置換されていてよいアリール(C1−4)アルキル、好ましくはフェニル環で(C1−4)アルキルにより置換されたベンジルであるか、または場合によっては置換されていてよい(C3−7)シクロアルキル、好ましくは場合によっては臭素のようなハロゲン置換されていてよいフェニルにより置換されたシクロプロピルであるか、または場合によっては、好ましくはハロゲンおよび/または(C1−4)アルキルにより置換されていてよい4−クロマニルであり;そしてRは(C1−4)アルキルである)である遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0014】
別の好ましい実施態様では本発明は、Rが(C1−8)アルキルであるか、または(C3−7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピルにより、フッ素のようなハロゲンにより、(C1−4)アルコキシにより、もしくはヒドロキシにより置換された、好ましくは一置換された(C1−8)アルキルであるか、または場合によってはヒドロキシにより置換された、好ましくは一置換された(C2−6)アルケニルであるか、または(C2−6)アルキニルであるか、またはアリール、好ましくはフェニル、好ましくは非置換フェニルである、遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0015】
別の好ましい実施態様では本発明は、Rが2,2,3,3−テトラトリチオプロピルである、遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0016】
別の好ましい実施態様では本発明は、Rが(C1−8)アルキル、好ましくは(C1−4)アルキルである、遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0017】
別の好ましい実施態様では本発明は、Rが水素またはハロゲン、好ましくは水素またはフッ素である遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0018】
別の好ましい実施態様では本発明は、mが1である遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0019】
別の好ましい実施態様では本発明は、pが1である遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物に関する。
【0020】
さらなる態様では、本発明は式:
【化2】

(式中、
、RおよびRは前記で式Iに関して定義したとおりである)
の化合物を式:
【化3】

(式中、
、R、R、mおよびpは前記で式Iに関して定義したとおりである)
の酸またはエステルもしくは酸ハロゲン化物のようなその活性形態でアシル化すること、およびそのようにして得られた遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物を回収することの工程を含む式Iの化合物およびその塩の調製のための方法に関する。
【0021】
例えば実施例に記載されるような従来の方法に従って反応を行うことができる。
例えば実施例に記載されるような別の従来の方法により式Iの化合物を生成することもできる。
【0022】
式IIおよびIIIの出発材料は既知であるか、または例えば実施例に記載されるような公知の化合物から出発して従来の手順に従って調製することができる。
【0023】
反応混合物の後処理およびこのように得られた化合物の精製を公知の手順に従って行うことができる。
【0024】
公知の様式で遊離塩基から酸付加塩を生成することができ、そして逆も同様である。
【0025】
以後本発明の試薬として言及される、式Iの化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩は、インビトロおよび動物において試験した場合、価値のある薬理学的特性を呈し、そしてしたがって医薬品として有用である。
【0026】
本発明の試薬はアスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤であり、そしてかかる酵素によるプロセシングに関与する障害の処置に用いることができる。特にこれらはベータセクレターゼを阻止し、そしてそのためにベータアミロイドの生成および続くオリゴマーおよび原線維への凝集を阻止する。
【0027】
加えて、本発明の薬剤はBACE(ベータセクレターゼ切断酵素)の選択的標識のための組織病理学的標識剤、造影剤および/またはバイオマーカー(以後「マーカー」)として価値のある特性を呈する。
【0028】
さらに特に、本発明の薬剤はインビトロまたはインビボでBACEを標識するためのマーカーとして有用である(実施例9および10参照)。
【0029】
したがって本発明の薬剤は、例えばBACEで作用する薬物の活性部位占有のレベルを決定するため、またはBACEに関連する過程の機能不全の結果である疾患の診断目的のため、およびかかる疾患の薬物治療の有効性をモニタリングするために有用である。
【0030】
前記にしたがって、本発明はまた神経画像処理のためのマーカーとして使用するための本発明の薬剤をも提供する。
【0031】
さらなる態様では本発明は、インビボおよびインビトロでBACEに関与する脳および末梢構造を標識するための、本発明の薬剤を含む組成物を提供する。
【0032】
なおさらなる態様では、本発明は脳または末梢組織を本発明の薬剤と接触させることを含む、インビトロまたはインビボでBACEに関与する脳および末梢構造を標識するための方法を提供する。
【0033】
本発明の方法は、本発明の薬剤が標的構造を標識したかどうかを決定することを目的とするさらなる工程を含み得る。オートラジオグラフィー、陽電子放出断層撮影(PET)または放射線放射の検出を可能にする任意の装置を用いて標的構造を観察することによりさらなる該工程を行うことができる。
【0034】
試験1:ヒトBACEの阻止
0.1% CHAPSを含有する100mM 酢酸塩バッファー(pH4.5)中、組換えBACE(細胞外ドメイン、バキュロウイルスにおいて発現させ、そして標準的な方法を用いて精製した)を6nMの濃度で種々の濃度の被験化合物と共に室温で1時間インキュベートする。合成ペプチド基質Mca−Ser−Glu−Val−Asn−Leu−Asp−Ala−Glu−Phe−Lys(DNP)を最終濃度3μMまで加え、そしてマイクロプレート蛍光分光計で325nmの励起および400nmの発光で、20分間、1分間隔で蛍光の増加を記録する。BACE活性の阻止のパーセンテージから被験化合物濃度の関数としてIC50値を計算する。
【0035】
試験2:ヒトBACE−2の阻止
0.1% CHAPSを含有する100mM 酢酸塩バッファー(pH4.5)中、組換えBACE−2(細胞外ドメイン、バキュロウイルスにおいて発現させ、そして標準的な方法を用いて精製した)を2.5nMの濃度で種々の濃度の被験化合物と共に室温で1時間インキュベートする。合成ペプチド基質Mca−Ser−Glu−Val−Asn−Leu−Asp−Ala−Glu−Phe−Lys(DNP)を最終濃度3μMまで加え、そしてマイクロプレート蛍光分光計で325nmの励起および400nmの発光で、20分間、1分間隔で蛍光の増加を記録する。BACE−2活性の阻止のパーセンテージから被験化合物濃度の関数としてIC50値を計算する。
【0036】
試験3:ヒトカテプシンDの阻止
100mM ギ酸ナトリウムバッファー(pH3.1)中、組換えカテプシンD (CathD) (バキュロウイルスにおいてプロカテプシンDとして発現させ、標準的な方法を用いて精製し、そしてギ酸ナトリウムバッファー(pH3.7)中でインキュベートすることにより活性化した)を種々の濃度の被験化合物と共に室温で1時間インキュベートする。合成ペプチド基質Mca−Gly−Lys−Pro−Ile−Leu−Phe−Phe−Arg−Leu−Lys(DNP)−D−Arg−NHを最終濃度2μMまで加え、そしてマイクロプレート蛍光分光計で325nmの励起および400nmの発光で、20分間、1分間隔で蛍光の増加を記録する。カテプシンD活性の阻止のパーセンテージから被験化合物濃度の関数としてIC50値を計算する。
【0037】
試験4:アミロイドペプチド1−40の細胞放出の阻止
チャイニーズハムスター卵巣細胞をアミロイド前駆体タンパク質の遺伝子でトランスフェクトする。細胞を96ウェルマイクロタイタープレート中8000セル/ウェルの密度で蒔き、そして10% FCS含有DMEM細胞培養培地中24時間培養する。被験化合物を種々の濃度で細胞に加え、そして被験化合物の存在下、細胞を24時間培養する。上澄を収集し、そしてアミロイドペプチド1−40の濃度をサンドウィッチELISAを用いて決定する。アミロイドペプチド放出の阻止のパーセンテージから被験化合物濃度の関数として化合物の強度を計算する。
【0038】
前記で示した試験の少なくとも1つで、本発明の薬剤は20μM以下の濃度で活性を示す。
【0039】
したがって本発明の薬剤は例えば、アルツハイマー病、ダウン症候群、記憶および認識機能障害、認知症、アミロイドニューロパシー、脳の炎症、神経および脳の外傷、血管アミロイドーシス、またはアミロイドーシスを伴う脳出血のような神経変性疾患のようなベータアミロイド生成および/または凝集に関連する神経学的および血管障害の処置および/または予防のために有用である。
【0040】
本発明の薬剤には、BACE2(ベータ部位APP切断酵素2)または、ペプシン型アスパルチルプロテアーゼの緊密な相同体であるカテプシンDもまた阻止するものもある。BACE2およびCathD発現と、腫瘍細胞のさらなる腫瘍形成能および転移能との相関性のために、かかる阻害剤は腫瘍細胞に随伴される転移過程の抑制に有用である。
【0041】
前記した適応に関して、適切な用量はもちろん、例えば用いる化合物、宿主、投与様式ならびに処置される症状の特性および重篤度に依存して異なる。しかしながら、一般に、動物では約0.1から約100、好ましくは約1から約50mg/kg動物体重までの1日用量で満足できる結果が得られることが示されている。大型の哺乳動物、例えばヒトでは、本発明の薬剤の指示される1日用量は約10から約2000、好ましくは約10から約200mgの範囲で、例えば1日4回まで分割して、または徐放形態で投与されるのが都合よい。
【0042】
本発明の薬剤を任意の慣用される経路により、特に経腸的に、好ましくは経口的に、例えば錠剤もしくはカプセルの形態で、または非経腸的に、例えば注射用溶液もしくは懸濁液の形態で投与することができる。
【0043】
前記にしたがって本発明はまた、例えばベータアミロイド生成および/または凝集に関連する神経学的または血管障害の処置のための医薬品として使用するための本発明の薬剤を提供する。
本発明はさらに少なくとも1つの医薬用担体または希釈剤に随伴された本発明の薬剤を含む医薬組成物を提供する。かかる組成物を従来の様式で製造することができる。単位投与形態は例えば約1から約1000、好ましくは約1から約500mgの本発明の薬剤を含有する。
【0044】
本発明の薬剤を単独でまたは前記した症状の処置に有効なその他の医薬品と組み合わせて投与することができる。
医薬用の組み合わせは単位投与形態の形態でよく、それにより各単位投与は適当な医薬用担体または希釈剤と混合した予め決定された量の2つの成分を含む。これに代えて、組み合わせは2つの成分を別個に含有するパッケージ、例えばこれらの薬剤が別個に配置されている、2つの活性な薬剤の同時または別個の投与に適合するパックまたはディスペンサーデバイスの形態でよい。
【0045】
さらに本発明はベータアミロイド生成および/または凝集に関連する任意の神経学的または血管障害の処置のための薬品の製造のための本発明の薬剤の使用を提供する。
なおさらなる態様では本発明は、治療上有効量の本発明の薬剤をかかる処置を必要とする対象に投与することを含む、かかる対象におけるベータアミロイド生成および/または凝集に関連する任意の神経学的または血管障害の処置のための方法を提供する。
【0046】
以下の実施例は本発明を説明する。
【0047】
略語:
BOC tert−ブトキシカルボニル
BOP ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム
DAST 三フッ化(ジエチルアミノ)イオウ
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMPU N,N'−ジメチルプロピレン尿素
EDC. HCl 塩酸1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HCl 塩酸
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
min 分
Mp 融点
MS 質量分析
Rf 保持因子(TLC)
rt 室温
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロホウ酸
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0048】
実施例1:4−(S)−ヒドロキシ−5−(S)−[2−(S)−(1−イソブチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
2−(S)−(1−イソブチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸メチルエステル 113mg(0.4ミリモル)をTHF 18mlに溶解し、そして0.5N LiOH水溶液2mlと反応させ、そして室温で4時間攪拌する。反応混合物を5℃まで冷却し、そしてpH4に達するまで1N HCl水溶液と反応させる。溶液をトルエン80mlを用いる2回連続の共沸蒸発に供し、そして残留物を高真空下で乾燥させ、次いでジクロロメタン 20mlに取り、そして5−(S)−アミノ−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド 117mg(0.4ミリモル)、EDC.HCl 85mg(0.44ミリモル)、HOBt 54mg(0.4ミリモル)およびトリエチルアミン 0.17ml(1.2ミリモル)と共に室温で20時間攪拌する。氷冷飽和重炭酸ナトリウム水溶液 10mlで反応混合物をクエンチし、次いでジクロロメタンで2回抽出する。合わせた有機相を蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、TBME/EtOAc/EtOH 49:59:2)に供して純粋な分画を蒸発させた後、無色の樹脂として望ましい生成物を生じる。
MS(EI+):453(M+1)
【0049】
本明細書に後記するように出発材料を調製することができる:
a) 2−(S)−(1−イソブチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸メチルエステル
7−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 260mg(0.8ミリモル)をジオキサン中4N HCl溶液 3ml中、室温で3時間攪拌し、次いで蒸発させる。残留物をトルエン中に取り、そして蒸発乾固させ(2回)、次いでメタノール 6ml中に取り、イソブチルアルデヒド 0.145ml(1.6ミリモル)、3Å粉末分子ふるい 300mgおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウム 100mg(1.6ミリモル)と反応させ、そして室温で一晩攪拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液 4mlと、そして10分後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 8mlと反応させ、次いでEtOAcで抽出する。合わせた有機相を蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)に供して、対応する分画を蒸発させた後、無色油状物として望ましい生成物を生じる。
MS(ES+):283(M+1)
【0050】
b) 7−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび7−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−[2−(1−メトキシカルボニル−エチルアミノ)−(S)−エチル]−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル 4.3g(12ミリモル)をキシレン 60mlに溶解し、そして150℃まで2時間加熱する。反応混合物を蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル 3:2)に供して7−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 1.85g(46%)および7−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 1.8g(45%)を生じる。ジイソプロピルエーテルで再結晶した試料のX線により絶対立体化学を確認する。
【0051】
c) 2−[2−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチルアミノ)−エチル]−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
2−(2−オキソ−エチル)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル 271mg(1ミリモル)および塩酸L−アラニンメチルエステル 154mg(1.1ミリモル)をトルエン 10mlに懸濁し、そしてトリエチルアミン 0.073ml(1当量)と反応させる。反応混合物を室温で10分間攪拌し、そしてロータリーエバポレーター中でゆっくりと蒸発させる。残留物をアセトニトリル 15ml中に取り、そしてメタノール 2ml中シアノ水素化ホウ素ナトリウム 95mg(1.5ミリモル)を滴加する。反応の完了時に(TLC、EtOAc/石油エーテル 4:1)反応混合物を蒸発させ、そして残留物を酢酸エチルに取り、そして氷冷飽和塩化アンモニウム水溶液と反応させ、次いで酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液で抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして蒸発させて粗製の望ましい生成物を濃厚な油状物として生じる。
MS(EI+):359(M+1)
Rf(EtOAc):0.22
【0052】
d) 5−(S)−アミノ−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
[1−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−(S)−フェニル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル 32mg(0.1ミリモル)をジオキサン中4N HCl溶液 1ml中室温で2時間攪拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、残留物をトルエン中に取り、そして2回蒸発乾固させた後、高真空下で乾燥させる。残留物をブチルアミン 1ml(過剰)中に取り、そして25℃で一晩攪拌し、次いで蒸発させ、そして残留物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで2回抽出する。合わせた有機相を蒸発させ、粗製の望ましい生成物が無色の樹脂として定量的に得られ、そしてさらに精製することなく使用する。
MS(EI+):293(M+1)
【0053】
類似の手順により以下の化合物を得ることができる:
実施例1a:5−(S)−[2−(S)−(1−シクロプロピルメチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):541(M+1)
【0054】
実施例1b:5−(S)−[2−(S)−(1−プロピル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):529(M+1)
【0055】
実施例1c:5−(S)−[2−(S)−(1−フェニル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):591(M+1)
【0056】
実施例1d:5−(S)−[2−(S)−(1−フェニル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):591(M+1)
【0057】
実施例1e:4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−5−(S)−[2−(S)−(6−オキソ−1−プロピル−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−6−フェニル−ヘキサン酸(2,2−ジメチル−プロピル)−アミド
MS(EI+):543(M+1)
【0058】
実施例1f:5−(S)−[2−(S)−(1−シクロプロピルメチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−エキソ−2−(R,S)−イルアミド
MS(EI+):579(M+1)
【0059】
実施例1g:5−(S)−{2−(S)−[1−(2,2−ジメチル−プロピル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル]−プロピオニルアミノ}−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):557(M+1)
【0060】
実施例1h:4−(S)−ヒドロキシ−5−(S)−{2−(S)−[1−(3−メトキシ−プロピル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル]−プロピオニルアミノ}−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):559(M+1)
【0061】
実施例1i:5−(S)−[2−(S)−(1−シクロプロピルメチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−エキソ−2−(R,S)−イルアミド
MS(EI+):579(M+1)
【0062】
実施例1j:4−(S)−ヒドロキシ−5−(S)−{2−(S)−[1−(3−メトキシ−プロピル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル]−プロピオニルアミノ}−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):559(M+1)
【0063】
実施例1k:5−(S)−[2−(S)−(1−プロピル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):529(M+1)
【0064】
実施例1l:4−(S)−ヒドロキシ−5−(S)−[2−(S)−(1−(2−フルオロエチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):533(M+1)
【0065】
実施例2:5−(S)−[2−(S)−(1−アリル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
塩酸4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−5−(S)−[2−(S)−(6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド 52mg(0.1ミリモル)、炭酸カリウム 28mgおよび臭化アリル 0.01mlをDMF 3ml中室温で65時間攪拌し、次いでEtOAcおよび塩類溶液で抽出する(2回)。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、そしてカラムクロマトグラフィーに供して薄く着色した樹脂として望ましい生成物を生じる。
MS(EI+):527(M+1)
【0066】
本明細書で後記するように出発材料を調製することができる:
a) 塩酸4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−5−(S)−[2−(S)−(6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 170mg(0.33ミリモル)をブチルアミン 1.5ml(過剰)に溶解し、そしてアルゴン下で2時間65℃まで加熱する。反応混合物を蒸発させ、残留物をトルエン中に取り、そして蒸発乾固させ、イソプロパノール 5mlに再溶解し、イソプロパノール中6N HCl溶液 1mlと反応させ、そして室温で4時間攪拌し、次いで蒸発させ、トルエン中に取り、そして再度蒸発させて望ましい生成物を生じ、それをさらに精製することなく用いる。
MS(EI+):487(M+1)
【0067】
b) 7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび7−{1−(S)−[1−(R)−(4−(S)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(R)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
7−(1−(S)−メトキシカルボニル−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 326mg(1ミリモル)をTHF 15mlに溶解し、10℃まで冷却し、そしてLiOHの0.15N THF溶液 7ml(1.05当量)と反応させる。室温で2時間攪拌した後、pH4に達するまで1N HCl水溶液を加え、そして反応混合物を蒸発させる。残留物をトルエン中に取り、蒸発乾固させ、そして高真空下で乾燥させ、次いでジクロロメタン 20ml中に取り、そしてラセミ5−(1−アミノ−2−フェニル−エチル)−3−メチル−ジヒドロ−フラン−2−オン 230mg、HOBt 135mg(1ミリモル)、EDC.HCl 208mg(1.1ミリモル)およびトリエチルアミン0.031ml(2.25ミリモル)の添加の後、18時間攪拌する。反応混合物をEtOAcおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液で抽出し、合わせた有機分画を塩類溶液で洗浄し、蒸発させ、そしてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ジイソプロピルエーテル 4:1)に供して白色固体である7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、および7−{1−(S)−[1−(R)−(4−(S)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(R)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを生じ、各々収率33および30%である。
5−(S)−(1−(S)−アミノ−2−フェニル−エチル)−3−(R)−メチル−ジヒドロ−フラン−2−オンから作られた光学的に純粋な材料と比較することにより絶対立体化学を確認する。
MS(EI+):514(M+1)
【0068】
類似の手順により以下の化合物を得ることができる:
実施例2a:5−(R)−[2−(S)−(1−アリル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(R)−ヒドロキシ−2−(S)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):527(M+1)
【0069】
実施例2b:5−(R)−[2−(S)−(1−アリル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(R)−ヒドロキシ−2−(S)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):527(M+1)
【0070】
実施例2c:5−(S)−[2−(S)−(1−アリル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):527(M+1)
【0071】
実施例3:4−(S)−ヒドロキシ−5−(S)−{2−(S)−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−7−イル]−プロピオニルアミノ}−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
4−(7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−1−イル)−酪酸メチルエステル 30mg(0.06ミリモル)をブチルアミン 1ml中室温で一晩攪拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、トルエン中に取り、そして再度蒸発させ、そして残留物をTHFに溶解し、5℃まで冷却し、そして水素化ホウ素リチウム 3mg(2当量)と反応させる。室温で2時間攪拌した後、反応混合物を10℃以下に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液 2mlおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液 2mlでクエンチし、そしてさらに10分間攪拌した後、EtOAcで抽出する(2回)。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/EtOH/アンモニア 90:10:0.05)に供して薄く着色した樹脂として望ましい生成物を生じる。
MS(EI+):559(M+1)
【0072】
本明細書に後記するように出発材料を調製することができる:
a) 4−(7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−1−イル)−酪酸メチルエステル
4−(7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−1−イル)−ブト−2−エン酸メチルエステル 30mg(0.06ミリモル)をTHF中水素下で、触媒量の10% Pd/Cの存在下2時間攪拌し、次いでセライトを通して濾過し、そして蒸発させて望ましい生成物30mgを生じ、それをさらに精製することなく用いる。
MS(EI+):514(M+1)
【0073】
b) 4−(7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノン−1−イル)−ブト−2−エン酸メチルエステル
7−{1−(S)−[1−(S)−(4−(R)−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−(S)−イル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−エチル}−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(R)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 130mg(0.25ミリモル)をジオキサン中4N HCl 2mlに溶解する。90分後反応混合物を蒸発させ、トルエン中に取り、そして蒸発乾固させる。残留物をジクロロメタン中に取り、そしてヨウ化テトラブチルアンモニウム 92mg(1当量)、トランス−4−ブロモブト−2−エン酸メチルエステル 0.03mlおよびジイソプロピルエチルアミン 0.09ml(2当量)の存在下、室温で18時間攪拌する。反応混合物をジクロロメタンおよび重炭酸塩水溶液で抽出し(2回)、合わせた有機相蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)に供してわずかに褐色がかった樹脂として望ましい生成物を生じる。
MS(EI+):512(M+1)
【0074】
類似の手順により以下の化合物を得ることができる:
実施例3a:4−(S)−ヒドロキシ−5−(S)−{2−(S)−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル]−プロピオニルアミノ}−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):559(M+1)
【0075】
実施例4:4−ヒドロキシ−5−{2−[1−(4−ヒドロキシ−ブト−2−エニル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル]−プロピオニルアミノ}−2−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
MS(EI+):557(M+1)
実施例1と類似の様式で得られるが、工程1aで2−[1−(4−ヒドロキシ−ブト−2−エニル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル]−プロピオン酸メチルエステルを用いる。
【0076】
本明細書に後記するように出発材料を調製することができる:
2−[1−(4−ヒドロキシ−ブト−2−エニル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル]−プロピオン酸メチルエステル
(S,S)−7−(1−メトキシカルボニル−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 82mg(0.25ミリモル)を4N HCl ジオキサン溶液1ml中室温で3時間攪拌し、蒸発させ、次いでトルエン中に取り、そして再度蒸発させる(2回)。残留物をジクロロメタン 2ml中に取り、そしてヨウ化テトラブチルアンモニウム 74mg(0.2ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン 0.035ml(0.2ミリモル)および4−ブロモ−ブト−2−エン−1−オール 30mg(0.2ミリモル)の存在下、室温で65時間攪拌する。反応混合物をEtOAcおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液で抽出し、合わせた有機相を塩類溶液で洗浄し、蒸発乾固させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/EtOH 9:1)に供して濃厚な液体として望ましい生成物を生じる。
MS(EI+):297(M+1)
【0077】
実施例5:5−(S)−[2−(S)−(3−(S)−フルオロ−6−オキソ−1−プロピル−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオニルアミノ]−4−(S)−ヒドロキシ−2−(R)−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸ブチルアミド
この化合物は、2−(2−オキソ−エチル)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルの代わりに(1R,4S)−4−フルオロ−2−(2−オキソ−エチル)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルから出発して実施例1に記載するように合成することができる。
MS(EI+):547(M+1)
【0078】
以下のように出発材料を作ることができる:
a) (2R,4S)−4−フルオロ−2−(2−オキソ−エチル)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
(2R,4S)−2−アリル−4−フルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル 1g(3.5ミリモル)をジクロロメタン/メタノール 1:1 60mlに溶解し、−78℃まで冷却し、2分間酸素を流し、次いで溶液が薄青色になるまでオゾン流と反応させる。トリフェニルホスフィン 1g(1.1当量)を加えた後、溶液を室温まで加温し、さらに5時間攪拌し、そしてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、TBME/石油エーテル3:2)に供して透明な油状物として望ましい生成物 870mgを生じる。
MS(EI+):290(M+1)
【0079】
b) (2R,4S)−2−アリル−4−フルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
DAST(1.2当量)0.39mlをジクロロメタン 30mlに溶解し、−78℃まで冷却し、そして(2R,4R)−2−アリル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル 1.8g(6.3ミリモル)を含有するジクロロメタン 10mlを滴加して10分間にわたって反応させる。溶液を2時間にわたって攪拌しながら室温に到達させる。5℃以下に冷却した後、反応混合物を氷冷飽和炭酸ナトリウム水溶液と反応させ、そしてジクロロメタンで抽出する。合わせた抽出物を塩類溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、TBME/石油エーテル 1:1)に供して無色の濃厚な油状物として望ましい生成物 1gを生じる。
MS(EI+):288(M+1)
【0080】
c) (2R,4R)−2−アリル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
(2R,4R)−(2−アリル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル 3.3g(8.27ミリモル)をTHF 60mlに溶解し、5℃以下に冷却し、そして攪拌しながらTHF中1M TBAF 8.68ml(1.05当量)と反応させる。反応混合物をゆっくりと室温に到達させ、その間さらに4時間攪拌する。氷およびAcOEtを加え、混合物を塩類溶液で2回洗浄し、そして有機相を蒸発させて粗製生成物を生じ、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、TBME/石油エーテル 1:1)に供し、無色の濃厚な油状物として望ましい生成物 1.8gを生じ、それをそのまま次の工程で用いる。
【0081】
実施例6:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−((S)−6−オキソ−1−プロピル−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
CHCl 5ml中、二塩酸(2R,3S)−3−アミノ−1−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−4−フェニル−ブタン−2−オール 100mg、(S)−2−((S)−6−オキソ−1−プロピル−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸 79mg、TBTU 102mgおよびN−メチルモルホリン 0.171mlの溶液を周囲温度で5時間攪拌する。溶液をDCMで希釈し、そして続いて重炭酸塩、塩類溶液、0.1N HClおよび重炭酸塩で洗浄する。MgSOで乾燥させた後、真空下で全ての揮発性物質を蒸発させ、そして生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 95:5)により精製して望ましい生成物 53mg(37%)が得られる。
MS−ESI+:549[M+]
Rf:0.28(CH2Cl2/MeOH=9/1)
【0082】
本明細書以後に記載するように出発材料を調製することができる:
a) 二塩酸(2R,3S)−3−アミノ−1−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−4−フェニル−ブタン−2−オール
EtOH 10ml中tert−ブチル(S−(R,R)(−)−(1−オキシラニル−2−フェニルエチル)−カルバマート 700mg(2.7ミリモル)および3−イソ−プロピルベンジルアミン 470mg(3.3ミリモル)の溶液を50℃で15時間加熱する。溶媒を蒸発させ、そしてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 9:1)により精製して、無色固体として[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソ−プロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル 820mgが得られる。この材料をジオキサン中4N HCl 10mlに溶解し、周囲温度で2時間攪拌し、そして真空下で全ての揮発性物質を除去して望ましい化合物 643mgが得られる。
【0083】
類似の手順により以下の化合物を得ることができる:
実施例6a:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(6−ブロモ−2,2−ジメチル−クロマン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−2−((S)−1−シクロプロピルメチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
MS(EI+):667,669(M+1)
【0084】
実施例6b:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−((S)−1−シクロプロピルメチル−3−(S)−フルオロ−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
MS(EI+):579(M+1)
【0085】
実施例6c:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−((S)−1−プロピル−3−(S)−フルオロ−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
MS(EI+):567(M+1)
【0086】
実施例6d:(S)−N−{(1S,2R)−1−ベンジル−3−[1−(3−ブロモ−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−2−((S)−1−シクロプロピルメチル−3−(S)−フルオロ−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
MS(EI+):641,643(M+1)
【0087】
実施例6e:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−[(S)−1−(2−フルオロ−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル]−プロピオンアミド
MS(EI+):553(M+1)
【0088】
実施例6f:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−((S)−1−シクロプロピルメチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
MS(EI+):561(M+1)
【0089】
実施例7:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−((S)−6−オキソ−1−プロプ−2−イニル−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
この化合物を実施例6の化合物のように調製することができるが、2−(S)−(1−イソブチル−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸メチルエステルの代わりに2−(6−オキソ−1−プロプ−2−イニル−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸メチルエステルから出発する。
【0090】
以下のように出発材料を調製することができる:
7a) 2−(S)−(6−オキソ−1−プロプ−2−イニル−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸メチルエステル
7−(1−メトキシカルボニル−(S)−エチル)−6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノナン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 163mg(0.5ミリモル)をジオキサン中4N HCl 1.5mlに溶解し、そして室温で3時間攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残留物をエタノール/トルエン 1:2 15ml中に取り、そして蒸発させ(2回)、塩酸2−(S)−(6−オキソ−1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオン酸メチルエステルを生じ、それをDMF 10mlに溶解し、炭酸セシウム 815mg(5当量)および臭化プロプ−2−イニル 0.048ml(1.25当量)と反応させる。反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで抽出し(AcOEt/水)、塩類溶液で洗浄し、そして合わせた有機分画を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、TBME)に供して望ましい生成物 78mgを生じる。
MS(EI+):265(M+1)
【0091】
実施例8:(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピルベンジルアミノ)プロピル]−2−((S)−6−オキソ−1−(2,2,3,3−テトラトリチオプロピル)−1,7−ジアザ−スピロ[4,4]ノン−7−イル)−プロピオンアミド
(S)−N−[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−2−((S)−6−オキソ−1−プロプ−2−イニル1,7−ジアザ−スピロ−(S)−[4.4]ノン−7−イル)−プロピオンアミドを0.9気圧トリチウムガス下、10% Pd/C上で2時間還元した。反応混合物のHPLC精製(カラム:Nucleosil 100−5 C18 HD、5μm、250×4.9mm;溶出液:H2O/MeCNおよび0.1% トリフルオロ酢酸;グラジエント:9:1から1:1、20分にわたる)の後、望ましい化合物が得られ、エタノール中最終濃度9.9マイクログラム/ml(特異活性68.6MBq/ml)に処方した。
HPLC:RT=12.87分
ME(ES+):557(M+1)
【0092】
実施例9:インビトロオートラジオグラフィー
受容体オートラジオグラフィーのために目的の組織をミクロトームクリオスタットで10マイクロメターの厚さの切片に切断し、そしてシランコートした顕微鏡スライド(Vectabond)上に解凍マウントする。切断面を空気乾燥する。プレインキュベーションはバッファー(50mM Tris pH7.4;2mM EGTA、5mM MgCl、0.1mM バシトラシン、0.2% ウシ血清アルブミン)中大気温度で10分間である。リガンド結合は10nM トリチウム化化合物(特異活性 3.8TBq/ミリモル)を補充したバッファー中室温で1時間行われる。10μM 冷化合物の存在下、非特異的結合を決定する。バッファーおよび蒸留水中で3回連続して洗浄し、続いて空気乾燥およびオートラジオグラフィー(Biomax MRフィルム(Eastman Kodak Company)に4週間暴露する)を行う。
【0093】
実施例10:エクソビボオートラジオグラフィー
トリチウム化した化合物を例えば、適切な処方でi.v.投与し、望ましい観察の時点で動物を剖検し、そして目的の組織を例えば実施例9に記載するように分析する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基形態または酸付加塩形態の式:
【化1】

(式中、
は水素または(C1−4)アルキルであり、
は場合によっては置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
は−CH(R)C(=O)N(R)Rまたは−(CHN(R)R
(式中、
kは0、1または2であり、
、R、RおよびRは別個に水素または場合によっては置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C5−9)ビシクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、4−クロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル、チオクロマン−4−イル−1,1−ジオキシド,4−イソクロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル、チオイソクロマン−4−イル−1,1−ジオキシド、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イルもしくは2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチン−4−イル基であるか、または
およびR、もしくはRおよびRはそれらが結合する窒素と一緒に場合によっては置換されていてよいピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニル基を形成し、そして
は(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルである)
であり、
は水素または場合によっては置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルコキシ(C1−4)アルキルまたはアリール基であり、
は水素または場合によっては置換されていてよい(C1−4)アルキルであり、
は水素、ヒドロキシまたはハロゲンであり、そして
mおよびpは別個に1または2である)
の化合物。
【請求項2】
式:
【化2】

(式中、
、RおよびRは式Iに関して定義したとおりである)
の化合物を式:
【化3】

(式中、
、R、R、mおよびpは式Iに関して定義したとおりである)
の酸またはエステルもしくは酸ハロゲン化物のようなその活性形態でアシル化すること、およびそのようにして得られた遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物を回収することの工程を含む請求項1で定義されるような遊離塩基形態または酸付加塩形態の式Iの化合物の調製のための方法。
【請求項3】
医薬品として使用するための遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連する神経学的または血管障害の処置において使用するための遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
活性成分および医薬用担体または希釈剤として遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項6】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連する神経学的または血管障害の処置のための医薬品としての遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項7】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連する神経学的または血管障害の処置のための薬品の製造のための遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項8】
治療上有効量の遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物をかかる処置を必要とする対象に投与することを含むかかる対象におけるベータアミロイド生成および/または凝集に関連する神経学的または血管障害の処置のための方法。
【請求項9】
同時または逐次的投与のための治療上有効量の遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物および第2の薬物を含む組み合わせ。
【請求項10】
ベータセクレターゼ切断酵素BACEの選択的標識のための組織病理学的標識剤、造影剤および/またはバイオマーカーとしての遊離塩基形態または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−509038(P2007−509038A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530082(P2006−530082)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011054
【国際公開番号】WO2005/035535
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】