説明

玉継手

本発明は、例えば自動車の車軸装置のために用いられ、若しくはばね式緩衝装置の枢着支承のために用いられる玉継手若しくはボールジョイントに関する。玉継手はほぼリング状若しくはカップ形の継手ケーシング(10)を有しており、継手ケーシングの円筒形の内部にボールソケット(11)を配置してあり、ボールソケット(11)は閉鎖リング(12)を用いて継手ケーシング(10)内に固定されており、ボールソケット(11)内にボールスタッド(4)若しくはボール付きスリーブ(9)のボール(3)を滑り運動可能に受容してある。本発明に基づき、ボールソケット(11)は、その閉鎖リング(12)に隣接する端部領域で外周をほぼ円筒形にかつ平滑に形成されており、閉鎖リング(12)は、該閉鎖リングの、ボールソケット(11)に向いた端面に歯列(14)を有している。本発明に基づく玉継手は、製造コスト、構成スペース及び重量を節減するという利点を有している。製作誤差の軸線方向の不都合な影響を避けることができ、これによって不良品率を減少させることができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玉継手、殊に自動車の車軸装置用の玉継手であって、ほぼリング状若しくはカップ形(小鉢形)の継手ケーシング、及び該ケーシングのほぼ円筒形又はシリンダー状の内部に配置されたボールソケットを備えており、該ボールソケットは閉鎖リングを用いて前記継手ケーシング内に固定されており、前記ボールソケット内にボールスタッド若しくはボール付きスリーブのボールを滑り運動可能に受容してある形式のものに関する。
【0002】
前記形式の玉継手(枢着部としてボールスタッド若しくはボール付きスリーブを備えるボールジョイント)は、殊に車輪懸架の領域に用いられ、若しくは例えば自動車の横方向安定化装置又はスタビライザー、衝撃緩衝装置(衝撃減衰装置)若しくはばね式緩衝装置における枢着支承のためのボール付きスリーブ型ボールジョイント(枢着スリーブジョイント)として用いられ、また前記部分若しくは装置における枢着支承に限定されることなく、別の領域の種々の構成部分間の枢着支承にも使用されるものである。
【0003】
前記形式の玉継手(ボールスタッド型ボールジョイント若しくはボール付きスリーブ型ボールジョイント又はブッシュジョイント[bushing joint])に課せられる要求は、極めて高い負荷容量、静荷重及び動荷重を受ける際の小さい支承遊び、自動車若しくは玉継手の耐用年数にわたる保守作業若しくは整備作業、並びにできるだけ小さい重量、及び少ない所要スペースを含んでいる。さらに玉継手をできるだけ安価に製造できるようにすることにある。
【0004】
玉継手は一般的に、リング状(環状)若しくはカップ形の継手ケーシング(若しくは円周方向で分割されていない一体構造の継手ケーシング)を備えており、該継手ケーシングの内室(内部)には、支承ソケット若しくはボールソケット(支承シェル又は支承胴部材)を配置してある。この場合にボールソケットは、継手ケーシング内に遊びなく取り付けられ、特に継手ケーシングに対して回動(相対回動)しないように固定されており、それというのは、相対回動に際しては、ボールソケットの外側の表面(外周面)が被動側の継手ケーシングの内周面に対して運動して摩耗し、ひいては不都合な遊びを早期に生ぜしめ、玉継手の耐用年数を短くしてしまうことになるからである。
【0005】
従来技術に基づく公知の玉継手においては、継手ケーシング内でのボールソケットの不都合な相対回動を防止するために、ボールソケットは継手ケーシング(ジョイントケーシング)のカバー側若しくは開口部側の端部の領域に外側へ突出するソケットつばを有しており、ソケットつばは、継手ケーシング内へのボールソケット若しくはケーシングカバーの装着(組み付け)に際して、継手ケーシングのカバー側の端部の、ソケットつばに対して相補的に形成された環状のケーシング段部に当接するようになっている。ケーシングカバー(カバーリング又は閉鎖リング)の組み付けに際して、ボールソケットのソケットつばは、ケーシングカバーと継手ケーシングのケーシング段部との間に締め込まれ、これによって相対運動、殊にボールソケットと継手ケーシングとの間の相対回動はできるだけ阻止されるようになっている。
【0006】
大量生産される玉継手の製造に際しても厳しいコスト削減要求の課せられている場合に、ボールソケットのソケットつば並びに継手ケーシングの環状のケーシング段部の成形は手間を必要として、高い工作機械コスト若しくは金型費用及び製造コストを伴うものである。
【0007】
さらに、ボールソケットのソケットつばと継手ケーシングの環状のケーシング段部とは、玉継手軸線方向(ケーシング軸線方向)の寸法精度に影響を及ぼすものであり、つまり、ソケットつば及びケーシング段部がそれぞれプラスの寸法誤差若しくは寸法公差を有している場合には、互いに加算されて、ソケットつばとケーシング段部との玉継手軸線方向の寸法(直列的な構成寸法、つまり系列寸法若しくは連鎖寸法)を不都合に増大させてしまうことになり、ひいては玉継手の不良品率を高めてしまうことになり、これを避けるためには、ソケットつば及びケーシング段部を高い寸法精度で成形しなければならず、このことは玉継手の製造コストを増大させることになる。ソケットつば並びにケーシング段部を成形する場合の寸法精度に対する要求は、高いものであり、それというのは所定の相対回動防止は、該相対回動防止のために必要な締め付け力を正確に再現できた場合にしか保証されないからである。
【0008】
本発明の課題は、従来技術の前述の問題点に鑑み、玉継手を改善して、公知技術の前述の欠点を排除できるようにすることである。殊に本発明により、ボールソケットと継手ケーシングとの間の有効な相対回動防止、構成部分間の軸線方向で連続する構成寸法の寸法精度の改善、並びに製造コストの削減を達成することである。
【0009】
前記課題を解決するために本発明に基づく構成では、玉継手(ボールジョイント)、殊に自動車の車軸装置用の玉継手であって、ほぼリング状若しくはカップ形(小鉢形)の継手ケーシング、及び該ケーシングのほぼ円筒形又はシリンダー状の内部に配置されたボールソケットを備えており、該ボールソケットが閉鎖リング(留め金リング若しくはカバーリング)を用いて前記継手ケーシング内に固定されており、前記ボールソケット内にボールスタッド若しくはボール付きスリーブのボール(ボール部分又は球体部分)を滑り運動可能に受容してある形式のものにおいて、ボールソケットは、該ボールソケットの、閉鎖リングに隣接する端部領域で外周をほぼ円筒形(シリンダー状)にかつ平滑に形成され、つまり段部若しくは突起又はつばのない円筒形に形成されており、さらに前記閉鎖リングは、該閉鎖リングの、前記ボールソケットに向いた端面に歯列を有している。
【0010】
ボールソケットの、閉鎖リングに隣接の端部領域のほぼ平滑な円筒形(シリンダー状)の構成により、ボールソケットの幾何学形状を簡単にしており、つまりソケットつばを省略してあり、その結果、工作機械コスト若しくは金型費用及び製造コストを削減している。さらに、継手ケーシングの環状のケーシング段部をも省略してあり、これによって工作機械コスト若しくは金型費用及び製造コストのさらなる削減を達成している。継手ケーシングの環状のケーシング段部の省略に基づき、継手ケーシングの直径を小さくすることができるようになっており、その結果、所要構成スペース及び重量を減少させることができるようになっている。さらに本発明に基づく構成により、構成部分間の軸線方向の製作誤差が不都合に加算されて玉継手の軸線方向の寸法を不都合に増大させてしまうようなことを避けることができ、その結果、製作費用を付加的に減少させ、かつ玉継手の不良品率を減少させることができるようになっている。
【0011】
本発明の実施態様では、継手ケーシング内でのボールソケットの相対回動の防止のために閉鎖リングの端面に成形された歯列は、継手ケーシングの閉鎖時に閉鎖リングによって継手ケーシングのカバー側(閉鎖リング側)の端面内に押し込まれるようになっている。これに基づき、ボールソケットと閉鎖リング(ケーシングカバー)との間のかみ合い若しくは嵌合(形状接続若しくは形状係合=形状に基づく束縛)による確実な結合、ひいてはボールソケットと継手ケーシングとの間の確実な結合を達成しており、その結果、必要な相対回動防止を達成している。
【0012】
閉鎖リングにおける歯列の形成及び配置は正確にかつ任意に行われるものであり、閉鎖リングの組み付けの際のボールソケット内への歯列の押し込み(食い込み)に基づき、閉鎖リングとボールソケットとの間の確実なかみ合い結合若しくは嵌合結合を保証している。本発明の有利な実施態様では、歯列は、閉鎖リングの端面の内側(内周側)の円形の部分領域にのみ配置されている。
【0013】
前記実施態様に基づき構成により、閉鎖リングの端面の外側の円形の部分領域は、継手ケーシングに対する閉鎖リングの密閉固定部分(シール接合部)として用いられ、この場合に閉鎖リングと継手ケーシングとの間の結合はロール加工若しくはプレス加工によって行われる。閉鎖リングの端面の外側の円形の部分領域において歯列を省略することにより、閉鎖リングの製造コストを節減している。
【0014】
本発明の別の有利な実施態様では、歯列は、刻み目として形成されており、刻み目(ローレット目又はローレット成形部)は、半径方向に延びる角柱状の縁部の鋭利な複数の隆起部から成っている。このように形成された刻み目は、閉鎖リングに経済的に、殊に切り子を発生させることなく成形され、小さな押し込み力でボールソケットの材料内に押し込まれて、ボールソケットと閉鎖リングとの間の有効な相対回動防止、ひいては高いトルク伝達を可能にするものである。
【0015】
本発明の別の有利な実施態様では、閉鎖リングは、継手ケーシングのケーシング軸線に沿った縦断面で見て実質的にC字形の断面形状を有している。閉鎖リングのこのような構成(幾何学形状)は、閉鎖リングの少ない材料での製造、構成部分の有利なユニット化、継手ケーシングの確実な閉鎖機能、ボールソケットの確実な固定及び相対回動防止、継手用シールベローの確実な取り付け、玉継手のボールスタッド若しくはボールスリーブのための角度位置ストッパーの機能を可能にするものである。さらに、上記構成の閉鎖リングは、簡単かつ安価に製造可能であり、特にプレス成形品(プレス加工品)として製造されるものである。
【0016】
本発明の実施にとって、閉鎖リングと継手ケーシングとの間の結合は任意に行われるものである。本発明の有利な実施態様では、閉鎖リングは、端面で継手ケーシングに縁曲げ部を用いて結合され、つまり例えば継手ケーシングの端部の縁を曲げることに基づき縁曲げ結合されている。このような手段により、追加的な構成部分若しくは構成部材を用いることなしに、継手ケーシングの耐久性のある密な閉鎖を達成している。さらに縁曲げ結合(縁曲げ加工)による閉鎖は簡単かつ経済的に行われるものである。
【0017】
本発明の別の実施態様では、継手ケーシングの内室は、該継手ケーシングの、ケーシングカバー(閉鎖リング)と相対する側の領域に、ボールソケット用の軸線方向ストッパーとしての段部若しくは突出部(張り出し部)を有しており、若しくは継手ケーシングの内室は、該継手ケーシングの、ケーシングカバー(閉鎖リング)と相対する側の領域に、ケーシング軸線の方向で、つまりケーシングカバーと相対する側の領域の端部に向かって連続的に減少する直径を有している。
【0018】
ボールソケット用の軸線方向ストッパーとしての段部を継手ケーシングの内室で、該継手ケーシングの、ケーシングカバーと相対する側の領域に設けてあることによって、ボールソケットはケーシングカバー側(ケーシング開口部側)から簡単に継手ケーシング内に軸線方向ストッパーとしての段部に向けて押し込まれ、次いで継手ケーシングがケーシングカバー、つまり閉鎖リングによって閉じられるようになっている。このようにして、継手ケーシング内へのボールソケットの簡単な組み付け及び正確な位置決めを達成している。追加的に若しくは別の実施態様として継手ケーシングの内室内に施される連続的に減少する直径輪郭も、継手ケーシング内へのボールソケットの際の軸線方向ストッパーとして用いられるものであり、このような手段により、継手ケーシングの直径(内径)の減少する領域においてボールソケットの壁厚を減少させることに基づき、つまりボールソケットの壁を圧縮することに基づき、ボールソケットの剛性を高めることができるようになっている。
【0019】
次に本発明を図示の実施例に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術に基づく玉継手を縦軸線に沿って分割した半部の断面を斜視図で概略的に示す図である。
【図2】本発明に基づく玉継手(ボール付きスリーブ型ボールジョイント)の縦断面図である。
【図3】本発明に基づく玉継手の閉鎖リングの縦断面図である。
【図4】図3の閉鎖リングの平面図である。
【図5】従来技術に基づく玉継手の閉鎖領域の概略的な拡大図である。
【図6】図2の玉継手の閉鎖領域の概略的な拡大図である。
【図7】図6の玉継手の閉鎖リングの端面にローレット加工により設けられた歯列の部分拡大図である。
【0021】
図1には、従来技術の玉継手の縦断面を概略的に示してある。ほぼカップ形の継手ケーシング1は、内部に配置された支承ソケット若しくはボールソケット2を受容している。ボールソケット2内にはボール3を配置してあり、ボールはボールスタッド4を備えている。
【0022】
さらに図1に示してあるように、ボールソケット2は閉鎖リング(ケーシングカバー)5を用いて継手ケーシング1内に固定されており、この場合にボールソケット2は該ボールソケット2の固定、殊に相対回動防止の目的で、閉鎖リングに隣接の端面の領域で半径方向外側に向かって突出する環状のソケットつば6を有している。ソケットつば6は、継手ケーシング1の、ソケットつば6と相補的に形成されて全周にわたって延びるケーシング段部7に受容されていて、そこで閉鎖リング5と継手ケーシング1との間に締め付け固定されている。
【0023】
従来技術の図示の例において、ソケットつば6と継手ケーシング1のケーシング段部7とは、寸法誤差がケーシング軸線方向で加算されてしまうと、ケーシング軸線方向の寸法を増大させてしまうことになり、さらに継手ケーシングのカバー側の端面の領域で半径方向の構成スペースを必要としている。
【0024】
図1の玉継手1の固定及び相対回動防止の部分(閉鎖領域)は図5に拡大して示してある。図5は、継手ケーシングの出口部分(開口部)、閉鎖リング(継手ケーシングカバー)5の一部分ボールソケット2の端部領域を示している。ボールソケットの環状のソケットつば6と継手ケーシング1内に設けられたケーシング段部7とは、継手ケーシング内におけるボールソケット2の固定及び相対回動防止を行っているものの、加工手間、製造コスト、大きな構成スペース及び重量に関するすでに述べた欠点を有している。
【0025】
図2乃至図4並びに図6及び図7に、本発明に基づく玉継手若しくはスリーブ継手(枢着スリーブ又はスリーブ形ヒンジ)の実施例を示してあり、該実施例は従来技術の前記欠点を避けるものである。
【0026】
図2に示す本発明に基づくスリーブ継手の実施例は、ボール付きスリーブ9、継手ケーシング10、並びにボール付きスリーブ9と継手ケーシング10との間に配置されたボールソケット11を備えている。図示の実施例のスリーブ継手は、さらに断面ほぼC字形に形成された閉鎖カバー12を備えている。閉鎖カバー12は、継手ケーシング10を閉鎖して、ボールソケット11を継手ケーシング10内に固定すると共に、シールベロー13の継手側の端部を受容していて、有利な機能閉鎖リングとして、継手ケーシング10に対する継手スリーブ9の相対的な旋回運動の制限のための旋回ストッパーを形成している。
【0027】
さらに図2から見て取れるように、継手ケーシング10の内室は、継手ケーシング10の、軸線方向でケーシングカバー12と相対する側(逆の側)の領域に、継手軸線方向で連続的に減少する直径を有している。これによって、スリーブ継手の組立に際して継手ケーシング10内におけるボールソケット11の規定された位置決めを達成しており、ボールソケット11の壁厚の、上記構成による部分的な圧縮に基づきボールソケット11の剛性は高められている。
【0028】
図3及び図4には、本発明に基づく玉継手若しくはスリーブ継手の別の実施例を示してある。図3及び図4に示すケーシングカバー12も、縁曲げ加工によって継手ケーシング10内に取り付けられかつシールベローを受容している。図3及び図4に示してあるように、ケーシングカバー(閉鎖リング)12は、端面に部分的にローレット加工により環状に形成された歯列14を備えている。ケーシングカバー12の歯列14はここでは、図3及び図4から明らかなように、ケーシングカバー12の端面の全周にわたって延びる円形の領域15内に配置されかつほぼ半径方向に延びていて縁部(稜線部分若しくはエッジ)の鋭利な角柱状の複数の隆起部から成っている。
【0029】
図6及び図7にも、本発明に基づくスリーブ継手の別の実施例のケーシングカバー(閉鎖リング)12の歯列14を拡大してしめしてある。図6に示してあるように、継手ケーシングのケーシングカバー12は、縁曲げ部(曲げ出し部)8によって継手ケーシング10に結合されている。図5と図6とを見合わせることにより明らかなように、図6に示す本発明に基づく玉継手のボールソケット11並びに継手ケーシング10の、ケーシングカバー12との結合領域における幾何学形状は、図5に示す従来技術のものよりも極めて簡単(単純又はシンプル)であり、したがって安価にかつより少ない所要スペースで成形されるようになっており、それというのは、図5の従来技術におけるボールソケット2のソケットつば6も継手ケーシング1のケーシング段部7も、本発明により省略されるようになっているからである。
【0030】
本発明に基づく玉継手は、従来技術に基づく玉継手に比べて、製造コスト、所要構成スペース及び重量を節減できるという利点を有している。これによって本発明は、製造コストの節減に寄与し、かつ本発明の対象の玉継手の使用領域を拡大し、殊に自動車のばね式緩衝装置における枢着支承に有利に用いられ、若しくは車輪装置或いは車輪懸架装置の領域への使用に適しているものである。
【符号の説明】
【0031】
1 継手ケーシング、 2 ボールソケット、 3 ボール、 4 ボールスタッド、 5 閉鎖リング、 6 ソケットつば、 7 ケーシング段部、 8 縁曲げ部、 9 ボール付きスリーブ、 10 継手ケーシング、 11 ボールソケット、 12 閉鎖リング、 13 シールベロー、 14 歯列、 15 歯列領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玉継手、殊に自動車の車軸装置用の玉継手であって、リング状若しくはカップ形の継手ケーシング(10)、及び該継手ケーシングの円筒形の内部に配置されたボールソケット(11)を備えており、該ボールソケットは閉鎖リング(12)を用いて前記継手ケーシング(10)内に固定されており、前記ボールソケット(11)内にボールスタッド(4)若しくはボール付きスリーブ(9)のボール(3)を滑り運動可能に受容してある形式のものにおいて、前記ボールソケット(11)は、該ボールソケットの、前記閉鎖リング(12)に隣接する端部領域で外周を円筒形にかつ平滑に形成されており、前記閉鎖リング(12)は、該閉鎖リングの、前記ボールソケット(11)に向いた端面に歯列(14)を有していることを特徴とする玉継手。
【請求項2】
歯列(14)は、閉鎖リング(12)の端面の内側の円形の部分領域(15)内に配置されている請求項1に記載の玉継手。
【請求項3】
歯列(14)は、刻み目として形成されており、該刻み目は、半径方向に延びる角柱状の縁部の鋭利な複数の隆起部から成っている請求項1又は2に記載の玉継手。
【請求項4】
閉鎖リング(12)は、継手ケーシングのケーシング軸線に沿った縦断面で見てC字形の断面形状を有している請求項1から3のいずれか1項に記載の玉継手。
【請求項5】
閉鎖リングは、端面で継手ケーシングに縁曲げ部(8)を用いて結合されている請求項1から4のいずれか1項に記載の玉継手。
【請求項6】
継手ケーシング(10)の内室は、該継手ケーシングの、ケーシングカバーと相対する側の領域に、ボールソケット(11)用の軸線方向ストッパーとしての段部を有している請求項1から5のいずれか1項に記載の玉継手。
【請求項7】
継手ケーシング(10)の内室は、継手ケーシング(10)の、ケーシングカバーと相対する側の領域に、ケーシング軸線の方向で連続的に減少する直径を有している請求項1から6のいずれか1項に記載の玉継手。

【図1】
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【図2】
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【図3−4】
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【図5】
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【図6−7】
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【公表番号】特表2010−513804(P2010−513804A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541756(P2009−541756)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002267
【国際公開番号】WO2008/074308
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(506054589)ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト (151)
【氏名又は名称原語表記】ZF Friedrichshafen AG
【住所又は居所原語表記】D−88038 Friedrichshafen,Germany
【Fターム(参考)】