説明

玩具

【課題】 車輪の動きを多様にして走行体の走行態様に面白みを持たせる。
【解決手段】 走行体1及び走行体1の外側に回転する車輪10を備え、車輪10を、接地面に接地する外周面21と外周面21に相似する内周面22とを備えた車輪本体20と、内周面22を転動する転動体30とを備えて構成し、車輪本体20を、転動体30の中心31と中心31を通る垂線が接地面に接地した外周面21に交わる下点25とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成するとともに、転動体30の中心31と中心31を通る垂線が接地面とは反対側の外周面21に交わる上点26とを結ぶ上側線の距離をHとしたとき、H/h>1になるように形成し、走行体1に車輪10を回転可能に保持する車輪保持部3を設け、走行体1の車輪保持部3及び転動体30を、磁石及び磁石に磁着する磁着体の組み合わせ若しくは互いに磁着する磁石同士の組み合わせで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石を有した玩具に関し、特に、車輪を備えた走行体を備えた玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の玩具としては、例えば、特許文献1(特開平7−8640号公報)に掲載されたものが知られている。図15に示すように、この玩具Gaは、複数のブロック体を磁石115を介して連結した走行体100を備え、下側のブロック体に回転する車輪110を備えてなる。車輪110は、正円形に形成され、その中心に車軸111が設けられている。また、車軸111は、走行体100に固定されて設けられている。
車輪110の外周面112を接地面に接地させた状態で、走行体100に、例えば人力を加えて、車軸111と直交する方向に走行体100を押すと、車輪110が車軸111を中心に回転する。
【0003】
【特許文献1】特開平7−8640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来の玩具Gaにおいては、車軸111が車輪110の中心に設けられているとともに、車軸111が走行体100に固定されているので、走行体100が走行する際、車輪110が一様に回転するので、車輪110の動きが単調で、走行体100の走行態様に面白みがなかった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、車輪の動きを多様にして走行体の走行態様に面白みを持たせた玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明の玩具は、走行体及び該走行体の外側に回転する車輪を備えた玩具において、上記車輪を、接地面に接地する外周面と該外周面に相似する内周面とを備えた車輪本体と、該車輪本体の内周面を転動する転動体とを備えて構成し、上記車輪本体を、上記転動体の中心と該中心を通る垂線が接地面に接地した外周面に交わる下点とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成するとともに、上記転動体の中心と該中心を通る垂線が接地面とは反対側の外周面に交わる上点とを結ぶ上側線の距離をHとしたとき、H/h>1になるように形成し、上記走行体に、上記車輪を上記走行体の外側面に付帯させて回転可能に保持する車輪保持部を設け、該走行体の車輪保持部及び上記転動体を、磁石及び該磁石に磁着する磁着体の組み合わせ若しくは互いに磁着する磁石同士の組み合わせで構成している。
【0007】
これにより、車輪の外周面を接地面に接地させた状態で、走行体に、例えば人力を加えて、車輪の回転方向に走行体を押すと、転動体が車輪本体の内周面を転動して車輪が回転する。詳しくは、走行体を押すと、走行体の車輪保持部を車軸として、これに回転可能に磁着されている転動体は走行体と同じ方向に移動し、この移動により転動体は車輪本体の内周面を転動するとともに車輪本体の外周面と接地面との摩擦力とによって車輪本体は回転する。このとき、車輪本体を、転動体の中心と転動体の中心を通る垂線が接地面に接地した外周面に交わる下点とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成しているので、常時外周面が接地面に接地するようになり、そのため、下側線の距離hの長さよりも上側線の距離Hの長さを長く形成しても車輪を回転させることができる。しかも、H/h>1にしているので、車輪本体の中心が車軸(車輪保持部)に対してずれることになり、そのため、車輪本体が偏心回転するようになるので、車輪の動きが多様になって走行体の走行態様に面白みがでるようになる。この場合、車輪の外周の形状を、円のみならず、楕円、三角形、四角形等の多様な形状に形成しておけば、より走行体が走行する際の車輪の回転態様を多様にすることができ、走行体の走行態様に面白みを持たせることができる。
【0008】
また、車輪の外周の形状をどのような形状に形成しても車輪を回転させて走行体を走行させることができることから、走行体に車輪を複数磁着させる場合、外周の形状の異なる車輪を走行体に磁着させることができ、この場合、複数の車輪が夫々異なった回転態様になるので、より一層走行体の走行態様に面白みを持たせることができる。更に、転動体を、走行体の車輪保持部に磁着させて保持しているので、車輪の走行体に対する着脱を容易に行なうことができ、そのため、外周の形状の異なる複数の車輪を磁着させる場合でも、車輪の交換を容易に行なうことができる。
【0009】
そして、必要に応じ、上記車輪本体を、H/hの最大値がH/h>3になるように形成した構成としている。即ち、車輪本体の全部若しくは一部をH/hがH/h>3になるように形成している。これにより、下側線の距離hの長さと上側線の距離Hの長さとの対比差が大きくなるので、より一層偏心度が大きくなり、そのため、走行体が走行する際の車輪の回転態様をより一層面白くすることができる。
【0010】
また、必要に応じ、上記車輪本体を、上記転動体を挟む一対の側板と、上記転動体を収納し上記一対の側板を連結する環状の連結部材とで構成し、上記側板の外周を上記外周面とし、上記連結部材の内側面を上記内周面とした構成としている。これにより、転動体は、一対の側板と連結部材とで囲繞された空間に収納されるようになるので、転動体が車輪本体から抜け出ることを防止することができ、そのため、確実に転動体が内周面を転動するようになる。
【0011】
更に、必要に応じ、上記転動体を球状若しくは円板状に形成した構成としている。これにより、転動体が内周面を転動し易くなる。
【0012】
更にまた、必要に応じ、上記転動体を球状に形成し、上記車輪本体を、上記転動体を挟む一対の側板と、上記転動体を収納し上記一対の側板を連結する連結部材とで構成し、上記一対の側板の少なくとも一方側に上記転動体の中心が露出される開口を形成し、上記側板の外周を上記外周面とし、上記開口の開口縁を上記内周面とした構成としている。これにより、転動体の中心が車輪本体から露出するようになるので、転動体と走行体の車輪保持部との磁着性が向上する。また、開口の開口縁を内周面としたので、連結部材をどのように形成しても良く、それだけ、車輪本体の外観を面白く形成することができる。
【0013】
そして、また、必要に応じ、上記転動体を円板で形成し、該円板の中心に軸体を突設し、上記車輪本体を、上記転動体を挟む一対の側板と、上記転動体を収納し上記一対の側板を連結する環状の連結部材とで構成し、上記一対の側板の少なくとも一方側に上記転動体の軸体が露出される開口を形成し、上記側板の外周を上記外周面とし、上記連結部材の内側面を上記内周面とした構成としている。これにより、転動体の軸体が車輪本体から露出するようになるので、転動体と走行体の車輪保持部との磁着性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の玩具によれば、車輪の回転方向に走行体を押すと、走行体の車輪保持部を車軸として、これに回転可能に磁着されている転動体は、車輪本体の内周面を転動しながら走行体と同じ方向に移動し、この移動により転動体は車輪本体の内周面を転動するとともに車輪本体の外周面と接地面との摩擦力とによって車輪本体は回転する。このとき、車輪本体を、転動体の中心と転動体の中心を通る垂線が接地面に接地した外周面に交わる下点とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成しているので、常時外周面が接地面に接地するようになり、そのため、下側線の距離hの長さよりも上側線の距離Hの長さを長く形成しても車輪を回転させることができる。しかも、H/h>1にしているので、車輪本体の中心が車軸(車輪保持部)に対してずれることになり、そのため、車輪本体が偏心回転するようになるので、車輪の動きが多様になって走行体の走行態様に面白みがでるようになる。この場合、車輪の外周の形状を多様な形状に形成することで、より走行体が走行する際の車輪の回転態様を多様にすることができ、走行体の走行態様に面白みを持たせることができる。
【0015】
また、車輪の外周の形状をどのような形状に形成しても車輪を回転させて走行体を走行させることができることから、走行体に車輪を複数磁着させる場合、外周の形状の異なる車輪を走行体に磁着させることができ、この場合、複数の車輪が夫々異なった回転態様になるので、より一層走行体の走行態様に面白みを持たせることができる。更に、転動体を、走行体の車輪保持部に磁着させて保持しているので、車輪の走行体に対する着脱を容易に行なうことができ、そのため、外周の形状の異なる複数の車輪を磁着させる場合でも、車輪の交換を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る玩具Gを説明する。
図1乃至図5には、本発明の第一の実施の形態に係る玩具Gを示している。本玩具Gは、走行体1と、走行体1の外側に回転する車輪10とを備えて構成されている。
【0017】
走行体1は、木製の直方体1aで形成されている。この直方体1aの上面には、模様や彫刻等が施された木製の立方体1bが設けられている。また、直方体1aの軸線方向の一端には、木製の円柱体1cが設けられている。
【0018】
また、この走行体1には、走行体1の外側面2に付帯させて車輪10を回転可能に保持する車輪保持部3が設けられている。この車輪保持部3は、磁石または磁石に磁着する磁着体で構成されている。本実施の形態では、直方体1aの内部及び円柱体1cの内部に、磁石が収納されている。
【0019】
車輪10は、接地面に接地する外周面21と外周面21に相似する内周面22とを備えた車輪本体20と、車輪本体20の内周面22を転動する転動体30とを備えて構成されている。
本実施の形態では、転動体30は、球状に形成され、磁石に磁着する磁着体で構成されている。尚、転動体30を磁石で構成しても良い。
【0020】
車輪本体20は、転動体30を挟む一対の側板23と、転動体30を収納し一対の側板23を連結する連結部材24とで構成されている。
側板23は、略楕円形状に形成され、この一対の側板23の少なくとも一方側には、転動体30の中心31が露出される開口32が形成されている。本実施の形態では、一対の側板23夫々に開口32が形成されている。この一対の側板23の外周を外周面21とし、開口32の開口縁32aを内周面22としている。即ち、外周の形状と開口縁32aの形状とは相似形に形成されるようになる。この一対の側板23で転動体30を挟むと、転動体30の中心31が一対の側板23から突出して露出されるようになる。
連結部材24は、板状の部材を用いて環状に形成されている。この連結部材24は、一対の側板23の外周よりも内側に設けられている。尚、連結部材24を、一対の側板23の外周に沿うように設け、一対の側板23の外周及び連結部材24の外側面を外周面21としても良い。
【0021】
この車輪本体20は、転動体30の中心31と中心31を通る垂線が接地面に接地した外周面21に交わる下点25とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成されているとともに、転動体30の中心31と中心31を通る垂線が接地面とは反対側の外周面21に交わる上点26とを結ぶ上側線の距離をHとしたとき、H/h>1になるように形成されている。望ましくは、H/hの最大値がH/h>3になるように形成する。
【0022】
従って、この第一の実施の形態に係る玩具Gを走行させると、以下のように作用する。
先ず、図1に示すように、走行体1の軸線4方向と車輪10の回転方向が平行になるように、車輪10を走行体1の外側面2に当接させ、転動体30を車輪保持部3に磁着させる。このとき、一対の側板23のうち、開口32が形成されている方の側板23を、走行体1側に位置させて磁着させる。本実施の形態では、一対の側板23夫々に開口32が形成されているので、どちら側の側板23を走行体1側に位置させても良い。側板23の開口32から転動体30の中心31が露出しているので、転動体30と車輪保持部3との磁着性が向上する。また、転動体30は、一対の側板23と連結部材24とで囲繞された空間に収納され、転動体30の中心31が一対の側板23から突出して露出されるようになるので、転動体30は開口32の開口縁32aに車輪本体20の内部から当接し、そのため、転動体30が車輪本体20から抜け出ることが防止される。
【0023】
この状態で、車輪10の外周面21を接地面に接地させ、走行体1に、例えば人力を加えて、車輪10の回転方向に走行体1を押す。走行体1を押すと、図4に示すように、走行体1の車輪保持部3を車軸として、これに回転可能に磁着されている転動体30は、車輪本体20の内周面22を転動しながら走行体1と同じ方向に移動する。転動体30は、球状に形成されているので、内周面22を転動し易い。この転動体30の移動により転動体30は車輪本体20の内周面22を転動するとともに、車輪本体20の外周面21と接地面との摩擦力とによって車輪本体20は回転する。
【0024】
このとき、車輪本体20を、転動体30の中心31と転動体30の中心31を通る垂線が接地面に接地した外周面21に交わる下点25とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成しているので、常時外周面21が接地面に接地するようになり、そのため、下側線の距離hの長さよりも上側線の距離Hの長さを長く形成しても車輪10を回転させることができる。しかも、H/h>1にしているので、車輪本体20の中心が車軸(車輪保持部)に対してずれることになり、そのため、車輪本体20が偏心回転するようになるので、車輪10の動きが多様になって走行体1の走行態様に面白みがでるようになる。即ち、この車輪10の回転は、図4(A),図4(B)及び図4(D)に示すような上側線の距離Hの長さが最小となる状態から、図4(C)に示すような上側線の距離Hの長さが最大となる状態まで、徐々に上側線の距離Hの長さが変化していくので、車輪10の走行体1に対する態様が異なり、そのため、走行体1が走行する際の車輪10の回転態様を多様にすることができ、走行体1の走行態様に面白みを持たせることができる。
【0025】
尚、図5に示すように、走行体1の軸線4方向と車輪10の回転方向が直交するように、車輪10を走行体1の外側面2に当接させ、転動体30を車輪保持部3に磁着させても良い。この場合も、上記と同様の作用,効果を奏する。
【0026】
図6には、本発明の第二の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第一の実施の形態と異なって、連結部材24が棒状の部材で構成され、複数の棒状の部材を環状に列設することにより形成されている。その他の構成は、上記第一の実施の形態と同様である。これによっても、上記第一の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0027】
図7には、本発明の第三の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第二の実施の形態と異なって、開口32が一対の側板23の一方側にのみ形成されている。その他の構成は、上記第二の実施の形態と同様である。これによっても、上記第一及び第二の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0028】
上記第一乃至第三の実施の形態のように、開口32の開口縁32aを内周面22とした場合、連結部材24をどのように形成しても良いので、それだけ、車輪本体20の外観を面白く形成することができる。
【0029】
図8には、本発明の第四の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第一の実施の形態と異なって、転動体30が円板34で形成され、車輪本体20の側板23が正円状に形成されるとともに、開口32が一対の側板23の一方側にのみ形成されている。
転動体30は、円板34で形成され、円板34の中心に軸体33が突設されている。この転動体30は、磁石で構成されている。尚、転動体30を磁石に磁着する磁着体で構成しても良い。
側板23は、上側線の距離H/下側線の距離hの値が常時H/h>3になるような正円状に形成されている。この一対の側板23の外周を外周面21とし、連結部材24の内側面を内周面22としている。即ち、外周の形状と連結部材24の形状とは相似形に形成されるようになる。この一対の側板23で転動体30を挟むと、転動体30の軸体33は、開口32が形成されている側の側板23から突出して露出されるようになる。
また、転動体30と開口32が形成されている側の側板23との間に、転動体30が側板23から抜け出ることを防止する抜け止め部材27が設けられている。この抜け止め部材27は、板材を用いてリング状に形成されている。詳しくは、外径が開口32の最小径よりも大きく、内径が円板34の径よりも小さく形成されている。尚、この抜け止め部材27は、円板34の径が開口32の最小径よりも大きく形成されている場合には用いなくても良い。
その他の構成は、上記第一の実施の形態と同様である。
【0030】
この第四の実施の形態に係る玩具Gを走行させるときは、先ず、走行体1の軸線4方向と車輪10の回転方向が平行になるように、車輪10を走行体1の外側面2に当接させ、転動体30を車輪保持部3に磁着させる。このとき、一対の側板23のうち、開口32が形成されている方の側板23を、走行体1側に位置させて磁着させる。
【0031】
この状態で、車輪10の外周面21を接地面に接地させ、走行体1に、例えば人力を加えて、車輪10の回転方向に走行体1を押す。走行体1を押すと、走行体1の車輪保持部3を車軸として、これに回転可能に磁着されている転動体30の軸体33は、開口32の開口縁32aを沿うように移動し、この軸体33とともに円板34が内周面22を転動しながら走行体1と同じ方向に移動する。転動体30は、円板34で形成されているので、内周面22を転動し易い。この転動体30の移動により転動体30は車輪本体20の内周面22を転動するとともに、車輪本体20の外周面21と接地面との摩擦力とによって車輪本体20は回転する。
これによっても、上記第一乃至第三の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0032】
図9には、本発明の第五の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第四の実施の形態と異なって、側板23の形状が略楕円形状に形成されている。その他の構成は、上記第四の実施の形態と同様である。これによっても、上記第四の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0033】
図10には、本発明の第六の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第四及び第五の実施の形態と異なって、側板23の形状が略三角形状に形成されている。その他の構成は、上記第四及び第五の実施の形態と同様である。これによっても、上記第四及び第五の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0034】
図11には、本発明の第七の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第四乃至第六の実施の形態と異なって、側板23の形状が略四角形状に形成されている。その他の構成は、上記第四乃至第六の実施の形態と同様である。これによっても、上記第四乃至第六の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0035】
図12には、本発明の第八の実施の形態に係る玩具Gの車輪10を示している。本車輪10は、上記第四乃至第七の実施の形態と異なって、側板23の形状が略ハート形状に形成されている。その他の構成は、上記第四乃至第七の実施の形態と同様である。これによっても、上記第四乃至第七の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0036】
このように、車輪10の外周の形状をどのような形状に形成しても車輪10を回転させて走行体1を走行させることができることから、走行体1に車輪10を複数磁着させる場合、図13に示すように、外周の形状の異なる車輪10を走行体1に磁着させることができ、この場合、複数の車輪10が夫々異なった回転態様になるので、より一層走行体1の走行態様に面白みを持たせることができる。また、転動体30を、走行体1の車輪保持部3に磁着させて保持しているので、車輪10の走行体1に対する着脱を容易に行なうことができ、そのため、外周の形状の異なる複数の車輪10を磁着させる場合でも、車輪10の交換を容易に行なうことができる。
【0037】
尚、上記実施の形態において、走行体1を上記のように形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、図14に示すように、走行体1を鉄等の磁着性のカンで構成し、車輪保持部3を磁石そのもの若しくは磁石を内蔵したケース体で構成し、カンからなる走行体1に車輪保持部3を磁着させるとともに、この車輪保持部3に上記各実施例で示した車輪10を磁着させるようにしても良い。
また、上記実施の形態において、走行体1に磁石を収納したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、磁石に磁着する磁着体を収納しても良く、適宜変更して差支えない。この場合、転動体30を磁石で構成すれば良い。
【0038】
尚また、上記実施の形態において、一対の側板23の少なくとも一方側に開口32を形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、開口32を形成しなくても良く、適宜変更して差支えない。
また、上記実施の形態において、側板23の外周の形状を上記の形状に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、どのような形状に形成しても良く、適宜変更して差支えない。
更に、上記実施の形態において、連結部材24を板状若しくは棒状の部材を用いて環状に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、どのような部材を用いても良く、また、環状に形成しなくても良く、適宜変更して差支えない。
更にまた、上記実施の形態において、転動体30を球状若しくは円板状に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、内周面22を転動できる形状であれば良く、適宜変更して差支えない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る玩具を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る走行体を示す斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る車輪の転動体の移動を示し、(A)は転動体が車輪本体の真ん中に位置した状態、(B)は転動体が走行体とともに(A)の位置から走行方向に移動した状態、(C)は転動体が(B)の位置に位置したとき転動体を中心に車輪本体が回転し上側線の距離Hの長さが最大となった状態、(D)は(C)の状態から車輪本体が回転し上側線の距離Hの長さが最小となった状態を示す正面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係る車輪を走行体の軸線方向と車輪の回転方向が直交するように磁着させた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図8】本発明の第四の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図9】本発明の第五の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図10】本発明の第六の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図11】本発明の第七の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図12】本発明の第八の実施の形態に係る車輪を示し(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る玩具を示し、外周の形状の異なる車輪を複数走行体に磁着させた状態を示す斜視図である。
【図14】カンからなる走行体に、磁石そのもの若しくは磁石を内蔵したケース体からなる車輪保持部を磁着させ、この車輪保持部に車輪を磁着させた状態を示す斜視図である。
【図15】従来の玩具の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
G 玩具
h 下側線の距離
H 上側線の距離
1 走行体
2 外側面
3 車輪保持部
4 軸線
10 車輪
20 車輪本体
21 外周面
22 内周面
23 側板
24 連結部材
25 下点
26 上点
27 抜け止め部材
30 転動体
31 中心
32 開口
33 軸体
34 円板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体及び該走行体の外側に回転する車輪を備えた玩具において、
上記車輪を、接地面に接地する外周面と該外周面に相似する内周面とを備えた車輪本体と、該車輪本体の内周面を転動する転動体とを備えて構成し、上記車輪本体を、上記転動体の中心と該中心を通る垂線が接地面に接地した外周面に交わる下点とを結ぶ下側線の距離hが常時同じ長さになるように形成するとともに、上記転動体の中心と該中心を通る垂線が接地面とは反対側の外周面に交わる上点とを結ぶ上側線の距離をHとしたとき、H/h>1になるように形成し、
上記走行体に、上記車輪を上記走行体の外側面に付帯させて回転可能に保持する車輪保持部を設け、該走行体の車輪保持部及び上記転動体を、磁石及び該磁石に磁着する磁着体の組み合わせ若しくは互いに磁着する磁石同士の組み合わせで構成したことを特徴とする玩具。
【請求項2】
上記車輪本体を、H/hの最大値がH/h>3になるように形成したことを特徴とする請求項1記載の玩具。
【請求項3】
上記車輪本体を、上記転動体を挟む一対の側板と、上記転動体を収納し上記一対の側板を連結する環状の連結部材とで構成し、上記側板の外周を上記外周面とし、上記連結部材の内側面を上記内周面としたことを特徴とする請求項1または2記載の玩具。
【請求項4】
上記転動体を球状若しくは円板状に形成したことを特徴とする請求項3記載の玩具。
【請求項5】
上記転動体を球状に形成し、上記車輪本体を、上記転動体を挟む一対の側板と、上記転動体を収納し上記一対の側板を連結する連結部材とで構成し、上記一対の側板の少なくとも一方側に上記転動体の中心が露出される開口を形成し、上記側板の外周を上記外周面とし、上記開口の開口縁を上記内周面としたことを特徴とする請求項1または2記載の玩具。
【請求項6】
上記転動体を円板で形成し、該円板の中心に軸体を突設し、上記車輪本体を、上記転動体を挟む一対の側板と、上記転動体を収納し上記一対の側板を連結する環状の連結部材とで構成し、上記一対の側板の少なくとも一方側に上記転動体の軸体が露出される開口を形成し、上記側板の外周を上記外周面とし、上記連結部材の内側面を上記内周面としたことを特徴とする請求項1または2記載の玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−57670(P2010−57670A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226099(P2008−226099)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【特許番号】特許第4328378号(P4328378)
【特許公報発行日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(594028602)
【Fターム(参考)】