説明

玩具

【課題】幼児が気持ちよく遊ぶことができる安全な玩具を得る。
【解決手段】玩具10は、組立部材12,14を含む。組立部材12,14の対向面の内部に、空洞部28,38を形成し、球状の磁石30,40を封入する。組立部材12,14を近づけることにより、その対向面において磁石30,40が引き付け合い、組立部材12,14が連結される。包丁玩具20で玩具10を分割することにより、組立部材12内の隣接する磁石30どうしが引き付け合い、組立部材14内の隣接する磁石40どうしが引き付け合う。組立部材12,14を分割・連結することにより、磁石30,40が変位し、音を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、玩具に関し、特にたとえば、野菜や果物などの食品の形状を有し、包丁玩具などを用いて分割することができるままごと用の玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来のままごと用の玩具の一例を示す図解図である。玩具1は、複数の分割体3a,3b,3c,3dを含む。これらの分割体3a,3b,3c,3dは、互いに分割可能に組み立てられ、全体として芋などのような野菜や果物などの形状となるように形成されている。たとえば、分割体3a,3bの結合面には凹部4が形成され、分割体3a,3bの凹部4に面ファスナー5の一方側および他方側が取り付けられる。したがって、分割体3a,3bの面ファスナー5形成面を密着させることにより、分割体3a,3bを結合することができる。分割体3a,3c間および分割体3b,3d間も、同様にして結合されている。
【0003】
このような玩具1は、たとえば幼児のままごと遊び用として用いられる。この場合、たとえば玩具の包丁2を分割体3a,3b間に入れ、玩具の包丁2を押すことによって、分割体3a,3b間を分割することができる。したがって、このような玩具1を用いることにより、料理などを模したままごと遊びをすることができる。なお、面ファスナー5の代わりに磁石を取り付けて、磁気的に分割体3a,3b,3c,3dを分割可能に組み立てることもできる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−292155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、面ファスナーを用いて分割体を結合した玩具では、玩具の包丁で分割体を分割するときに、ザクザクした感覚があり、あまり気持ちのよいものではない。また、磁石を用いて結合した玩具の場合、磁石が分割体から外れたときに、玩具を用いて遊んでいた幼児が誤って磁石を呑み込む恐れがある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、幼児が気持ちよく遊ぶことができる安全な玩具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、組み合わされることによって食品の形状を構成する複数の組立部材と、組立部材の表面に露出しないように組立部材の内部に取り付けられる磁石とを含み、複数の組立部材の内部に取り付けられた磁石によって組立部材が互いに引き付けられることにより組立部材が組み合わさって食品の形状が構成されるようにした、玩具である。
組立部材の内部に磁石が取り付けられ、磁石が組立部材の表面に露出しない構造であるため、磁石が外れて組立部材から分離することがなくなる。そのため、幼児が誤って磁石を呑み込むことを防止することができる。また、組立部材の内部に取り付けられた磁石によって組立部材が引き付けられるため、組立部材の表面に面ファスナーのような結合用部材を取り付ける必要がない。そのため、包丁玩具を用いて玩具を分割するときに、スムーズに包丁玩具を組立部材間に入れることができる。
【0008】
このような玩具において、組立部材内に空洞部が形成され、空洞部内において変位可能に磁石を封入することが好ましい。
磁石が組立部材内の空洞部に変位可能に封入されることにより、隣接する組立部材が近づいたときには、隣接する組立部材の磁石が引き付け合うが、組立部材が分割されたときには、隣接する組立部材の磁石によって引き付けられないため空洞部内で変位することができる。したがって、磁石が空洞部内で変位するときに音が発生し、このとき発生する音を楽しむことができる。
【0009】
空洞部が形成された玩具において、組立部材内に複数の空洞部が形成され、食品の形状となるように組立部材を組み合わせたときに、隣接する組立部材に形成された空洞部間の距離が同一の組立部材に形成された空洞部間の距離より小さくなるようにすることが好ましい。
組立部材に複数の空洞部が形成され、その内部に磁石が封入されることにより、組立部材が単独で存在するときに、隣接する空洞部の磁石が引き付け合った状態が保たれる。また、組立部材が組み合わされて食品の形状になったとき、隣接する組立部材に形成された空洞部間の距離が同一の組立部材に形成された空洞部間の距離より小さいため、隣接する組立部材間で磁石が引き付け合う力が大きくなり、隣接する組立部材側に磁石が変位する。このように、組立部材が組み合わされたときと分割されたときとで、磁石の位置を変えることができ、組立部材の分割・連結により音を発生させることができる。特に、食品の玩具を分割するときに、同一の組立部材に形成された空洞部間で磁石が引き付け合って空洞部の壁を強くたたくため、組立部材に1つの空洞部が形成されたものに比べて、大きい音を発生させることができる。
【0010】
また、空洞部は、円柱状部と、円柱状部の一端側の円錐状部とで構成され、円錐状部は隣接する組立部材と連結される組立部材の連結面側に配置され、空洞部内に球状の磁石が封入されてもよい。
空洞部の円柱状部の端部に円錐状部を形成することにより、この部分で球状の磁石が転がりやすくなり、組立部材の分割・連結時に磁石が変位しやすくなって、音が発生しやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、磁石によって隣接する組立部材が引き付けられて、食品の形状を構成するため、包丁玩具で組立部材を分割するときに、面ファスナーで結合した場合に比べて、スムーズな分離が可能となる。さらに、隣接する組立部材を引き付けるための磁石が組立部材の外部に露出せず、磁石が組立部材から分離しない構造であるため、幼児が誤って磁石を呑み込むのを防止することができる。
また、組立部材の内部に空洞部を形成し、この空洞部内で変位可能な磁石を設けることにより、組立部材の分離・連結などによって音を発生させることができ、聴覚的にも楽しみながらままごと遊びをすることができる。
【0012】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の玩具の一例を示す図解図である。
【図2】図1に示す玩具を包丁玩具で分割する様子を示す図解図である。
【図3】図1に示す玩具の分解斜視図である。
【図4】(A)は図1に示す玩具の内部構造を示す図解図であり、(B)はその要部図解図である。
【図5】(A)は図1に示す玩具を包丁玩具で分割したときの内部構造を示す図解図であり、(B)はその要部図解図であり、(C)はそのときの磁石の配置を示す図解図である。
【図6】(A)は葱の形状を有する玩具の内部構造を示す図解図であり、(B)は連結部の要部図解図であり、(C)は分割部の要部図解図である。
【図7】(A)は図6に示す玩具の組立部材を横方向に連結した状態を示す図解図であり、(B)は組立部材の分解斜視図である。
【図8】組立部材の大きさと空洞部および磁石の数との関係を示す図解図である。
【図9】この発明の玩具として採用することができる野菜のいくつかの例を示す図解図である。
【図10】従来のままごと用の玩具の一例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、この発明の玩具の一例を示す図解図である。玩具10は、たとえば2つの組立部材12,14を含む。組立部材12,14は、互いに組み合わされて、たとえば大根などの野菜の形状になるように形成される。一方の組立部材12は、大根の葉の部分16と、葉の部分16に続く根の部分18とを含む。また、他方の組立部材14は、一方の組立部材12の根の部分18に続く根の先端側の形状に形成される。組立部材12,14の連結面は、凹凸のないように平面状に形成され、組立部材12の連結面と組立部材14の連結面とは略同じ形状であり、隙間なくかつ表面に凹凸がほとんどなく連結される。組立部材12の連結面の外周縁および組立部材14の連結面の外周縁は面取りされて、後述するように、包丁玩具20を差し込むための案内を構成する。組立部材12,14は、たとえば木目の美しいブナ材などの木材が用いられるが、合成樹脂などで形成されてもよい。
【0015】
この玩具10は、幼児のままごと遊びなどに用いられ、たとえば木材などで形成された包丁玩具20で組立部材12,14の間を分割することができる。それにより、図2に示すように、玩具10を分割して、大根の切断を模した遊びを行うことができる。
【0016】
一方の組立部材12の根の部分18は、図3に示すように、葉の部分16に近い根の第1の部分18aと、その先の第2の部分18bとに分割される。組立部材12の第1の部分18aには、第2の部分18bとの接合面に、たとえば2つの円柱状の凹部22が形成される。これらの凹部22は、第1の部分18aの円形の接合面の直径方向の両側に形成される。
【0017】
さらに、組立部材12の第2の部分18bの接合面には、第1の部分18aの凹部22に対応する位置に、円柱状の凹部24が形成される。組立部材12の第1の部分18aの凹部22および第2の部分18bの凹部24には、円柱状の接続部材26が嵌め込まれる。この接続部材26によって、第1の部分18aと第2の部分18bとが接続されて、組立部材12が形成される。
【0018】
さらに、組立部材12の第2の部分18bには、第1の部分18aとの接合面から奥に窪んだ複数の空洞部28が形成される。空洞部28は、2つの凹部24形成部を除いて、第2の部分18bの接合面に均等に配置される。たとえば、図5に示す例では、第2の部分18bの接合面の中心部に1つの空洞部28が形成され、この空洞部28を中心として「+」字状に配置されるように4つの空洞部28が形成されている。このように、第2の部分18bの接合面の中心部と、この中心部から放射状に配置される位置に空洞部28を形成することができるが、均等に配置されるのであれば、複数の空洞部28はどのような位置関係にあってもよい。空洞部28には、第2の部分18bの接合面側に円柱状部28aが形成され、奥の先端側に円錐状部28bが形成される。それにより、図4(A)(B)に示すように、玩具10を組み立てたときに、組立部材14との連結面となる側に、空洞部28の円錐状部28bが配置される。これらの空洞部28には、球状の磁石30が嵌め込まれる。ここで、空洞部28に嵌め込まれる磁石30の直径は、空洞部28の円柱状部28aの直径より小さくなるように形成される。したがって、磁石30は、空洞部28内において変位可能に収納される。
【0019】
組立部材12の第1の部分18aと第2の部分18bとは、接続部材26を介して接合される。したがって、空洞部28は第1の部材18aで塞がれて、磁石30が空洞部28の内部で変位可能に収納される。なお、接続部材26の長さをある程度長く形成し、その長さに対応して、第1の部分18aの凹部22および第2の部分18bの凹部24の長さを長くすることにより、接続部材26と第1の部分18aとの間の接触面積および接続部材26と第2の部分18bとの間の接触面積を大きくすることができる。このように、第1の部分18aおよび第2の部分18bと接続部材26との接触面積を大きくすることにより、これらの間の摩擦力が大きくなり、この玩具10を用いて遊ぶ幼児が第1の部分18aと第2の部分18bとを分離することが困難になる。さらに、第1の部分18aの凹部22、第2の部分18bの凹部24および接続部材26を接着剤で接着したり、第1の部分18aおよび第2の部分18bの接合面を接着剤で接着すれば、幼児が第1の部分18aと第2の部分18bとを分離することがさらに困難となる。
【0020】
組立部材12と同様に、組立部材14も、大根の先端に近い第1の部分14aと、第1の部分14aに続く第2の部分14bとで構成される。組立部材14の第1の部分14aには2つの凹部32が形成され、それに対応する第2の部分14bの接合面には、2つの凹部34が形成される。そして、円柱状の接続部材36が凹部32および凹部34に嵌め込まれることによって、第1の部分14aと第2の部分14bとが接合され、組立部材14が形成される。この場合、組立部材12と同様に、組立部材14の第1の部分14aと第2の部分14bとを接着剤で分離できないように接着してもよい。
【0021】
組立部材14の第2の部分14bにも、組立部材12の第2の部分18bと同様に、複数の空洞部38が形成される。これらの空洞部38は、組立部材12,14を組み合わせたときに、組立部材12の空洞部28に対応する位置に形成される。組立部材14の第2の部分14bに形成される空洞部38にも、第1の部分14aとの接合面側に円柱状部38aが形成され、奥の先端側に円錐状部38bが形成される。それにより、図4(A)(B)に示すように、玩具10を組み立てたときに、組立部材12との連結面となる側に、空洞部38の円錐状部38bが配置される。これらの空洞部38にも、球状の磁石40が嵌め込まれる。球状の磁石40の直径は、空洞部38の円柱状部38aの直径より小さくなるように形成される。したがって、磁石40は、第1の部分14aと第2の部分14bとで形成される組立部材14の内部に配置された空洞部38内において変位可能に収納される。
【0022】
組立部材12と組立部材14とは、組立部材12の第2の部分18bと組立部材14の第2の部分14bとが対向するようにして密着させられる。それにより、図4(A)(B)に示すように、組立部材12内に形成された空洞部28と組立部材14内に形成された空洞部38とが、互いに対向するように配置される。このとき、組立部材12内の空洞部28の円錐状部28bの先端と組立部材14内の空洞部38の円錐状部38bの先端との間の距離が、組立部材12内で隣接する空洞部28間の距離あるいは組立部材14内で隣接する空洞部38間の距離より小さくなるように、空洞部26の位置および空洞部38の位置が設定される。
【0023】
このように、この実施の形態においては、組立部材12の円柱面を形づくる母線に直交する平面による切り口である組立部材12の連結面および組立部材14の連結面は、円形になっている。そして、組立部材12の空洞部28の円錐状部28bの頂点が組立部材12の連結面の近くに位置し、かつ円錐状部28bの側面が組立部材12の連結面より離れる方向に向けて広がる。一方の組立部材12の円錐状部28bの頂点は、他方の組立部材14の円錐状部38bの頂点と向き合うように形成されている。そして、空洞部28の円柱状部28aは、組立部材12の連結面と略直交する方向に延びる、すなわち組立部材12の中心線と平行に延びる。而して、磁石30は、空洞部28の内面に沿って転動し、円錐状部28bの頂点に移動しやすい。
【0024】
このように、組立部材12内の空洞部28と組立部材14内の空洞部38との間の距離を小さくすることにより、組立部材12,14を組み合わせたときに、磁石30と磁石40とが引き付け合って、空洞部28,38の円錐状部28b,38bの先端側に移動する。このとき、磁石30,40は球状に形成されているため、その向きは容易に変位可能であり、磁石30と磁石40との間でN極とS極とが向かい合うように、その向きを変えることができる。そして、磁石30,40が引き付け合うことによって、組立部材12,14が分離することなく連結されて、大根の形状を保持することができる。
【0025】
次に、図5(A)(B)(C)に示すように、組立部材12と組立部材14との間に包丁玩具20を入れることにより、組立部材12と組立部材14との間の距離を大きくすることができる。それにより、組立部材12,14間における空洞部28と空洞部38との間の距離が、組立部材12内で隣接する空洞部28間の距離および組立部材14内で隣接する空洞部38間の距離より大きくなる。そのため、組立部材12内において、隣接する空洞部28内の磁石30どうしが引き付け合う。それにより、磁石30は、空洞部28内において、空洞部28の円錐状部28bの先端側から円柱状部28aの側面方向に変位する。このとき、隣接する空洞部28の磁石30のN極とS極とが向き合うように、磁石30の向きが変化する。
【0026】
同様に、組立部材12と組立部材14との間の距離が大きくなると、組立部材14内において、隣接する空洞部38内の磁石40が引き付け合う。それにより、磁石40は、空洞部38内において、空洞部38の円錐状部38bの先端側から円柱状部38aの側面方向に変位する。このとき、隣接する空洞部38の磁石40のN極とS極とが向き合うように、磁石40の向きが変化する。
【0027】
組立部材12と組立部材14とを包丁玩具20で分割することにより、磁石30が空洞部28内で変位し、磁石40が空洞部38内で変位するため、磁石30,40が空洞部28,38の側壁をたたいて、音が発生する。逆に、分離している組立部材12と組立部材14とを密着させることにより、図4に示すように、磁石30が空洞部28の先端側に移動し、磁石40が空洞部38の先端側に移動して、音を発生させる。このように、組立部材12と組立部材14とを分割、連結させることにより、音が発生するため、大根を切断するままごと遊びをするときに、聴覚的に音を楽しむこともできる。
【0028】
この玩具10においては、磁石30が組立部材12内に配置され、その表面に露出していない。また、磁石40も、組立部材14内に配置され、その表面に露出していない。しかも、上述のように、幼児にとって、組立部材12を第1の部分18aと第2の部分18bに分離することは困難であり、組立部材14を第1の部分14aと第2の部分14bに分離することは困難である。そのため、磁石30,40が組立部材12,14から外れることはなく、幼児が磁石30,40を誤って呑み込むのを防止することができる。また、組立部材12,14は、磁石30,40の力で一体化されるため、組立部材12,14の間の連結面は、滑らかにすることができる。そのため、包丁玩具20で組立部材12,14を分割するときに、スムーズに包丁玩具20を組立部材12,14間に入れることができる。
【0029】
なお、玩具10の形状としては、大根の形状に限らず、図6(A)に示すように、葱の形状としてもよい。この場合、玩具10は、複数の組立部材50a,50b,50c,50d,50e,50fに分割される。葱は細長い形状を有しているため、各組立部材50a〜50fには、長手方向の対向する部分に、それぞれ1つずつの空洞部52が形成され、球状の磁石54が封入される。
【0030】
この玩具10では、各組立部材50a〜50fが長手方向に連結されているとき、図6(B)に示すように、磁石54が空洞部52の円錐状部52bの先端側に配置されて、組立部材50a〜50fの隣接するものに封入される磁石54どうしが引き付け合う。それにより、組立部材50a〜50fが連結されて、葱の形状が形成される。そして、包丁玩具20でたとえば組立部材50cと組立部材50dの間を分割したとき、図6(C)に示すように、組立部材50cと組立部材50dの対向部において引き付け合っていた磁石54は、空洞部52の円柱状部52aに落下して音を発生させる。そして、分割した組立部材50cと組立部材50dとを再度連結したとき、これらの対向部に磁石54が変位して音を発生させる。このように、組立部材50a〜50fのそれぞれについて、連結部近傍に複数の空洞部および磁石を配置する必要はなく、1つの空洞部および磁石があれば、玩具10の分離・連結を行うことができ、しかも音を発生させることができる。
【0031】
なお、このような細長い形状の玩具10については、図7(A)に示すように、横方向に複数の組立部材50a〜50fを連結して遊ぶこともできる。この場合、組立部材50a〜50fの隣接するものの空洞部52に封入された磁石54が、組立部材50a〜50fの横方向に引き付け合い、組立部材50a〜50fを束のように連結することができる。
【0032】
このような細長い形状の玩具10については、連結面の面積が小さいため、円柱状の接続部材30を用いることができない。そこで、図7(B)に示すように、磁石54を封入する空洞部52が形成された部分とそれを塞ぐ部分とを接着剤などで接着することができる。
【0033】
なお、大根の形状の玩具のように、各組立部材に複数の空洞部が形成されている場合、玩具10を分割するときに、各組立部材内の隣接する空洞部間で磁石を引き付け合うため、各組立部材に1つの空洞部が形成されている場合に比べて磁石が空洞部の壁を強くたたき、大きい音を発生させることができる。
【0034】
また、図8に示すように、野菜や果物などの形状を有する玩具10の組立部材60の連結面に沿って、その内側に複数の空洞部62および磁石64が配置される場合、その連結面の大きさによって、配置される空洞部62および磁石64の数を調整することができる。つまり、複数の組立部材60を連結するときに、野菜や果物の形状を保持できる程度の引き付け力が得られるように、空洞部62および磁石64の数が選択される。
【0035】
なお、空洞部は必ずしも形成される必要はなく、磁石が組立部材の連結面に露出しないようにして、連結面近傍に埋め込まれてもよい。このような場合、玩具を分割・連結しても音は発生しないが、磁石が組立部材から外れることが防止でき、幼児が磁石を呑み込む恐れがなくなるとともに、スムーズに包丁玩具を組立部材間に入れることができる。
【0036】
なお、玩具10の形状としては、図9に示すように、大根の形状、人参の形状、玉ねぎの形状、蕪の形状など、どのような形状を採用してもよい。もちろん、野菜の形状だけでなく、果物の形状や魚の形状など、あらゆる食品の形状の玩具10であっても、この発明を適用することにより、幼児が気持ちよく遊ぶことができる安全な玩具を得ることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 玩具
12 組立部材
14 組立部材
20 包丁玩具
22,24 凹部
26 接続部材
28 空洞部
30 磁石
32,34 凹部
36 接続部材
38 空洞部
40 磁石
50a〜50f 組立部材
52 空洞部
54 磁石
60 組立部材
62 空洞部
64 磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わされることによって食品の形状を構成する複数の組立部材と、前記組立部材の表面に露出しないように前記組立部材の内部に取り付けられる磁石とを含み、
複数の前記組立部材の内部に取り付けられた前記磁石によって前記組立部材が互いに引き付けられることにより前記組立部材が組み合わされて前記食品の形状が構成されるようにした、玩具。
【請求項2】
前記組立部材内に空洞部が形成され、前記空洞部内において変位可能に前記磁石が封入された、請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記組立部材内に複数の前記空洞部が形成され、前記食品の形状となるように前記組立部材を組み合わせたときに、隣接する前記組立部材に形成された前記空洞部間の距離が同一の前記組立部材に形成された前記空洞部間の距離より小さいことを特徴とする、請求項2に記載の玩具。
【請求項4】
前記空洞部は、円柱状部と、前記円柱状部の一端側の円錐状部とで構成され、前記円錐状部は隣接する前記組立部材と連結される前記組立部材の連結面側に配置され、前記空洞部内に球状の前記磁石が封入された、請求項2または請求項3に記載の玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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