現像ブレード
【課題】電子写真画像形成装置における現像剤の漏れ防止が可能な現像ブレードを提供する。
【解決手段】現像ブレードを、支持部材12と、この支持部材12の1つの端側部12Aに沿って配設されたブレード部材15とを備え、支持部材12は上記の端側部の両側の端部12aの近傍に現像剤循環用切欠き部13を有するものとし、ブレード部材15を現像剤循環用切欠き部13を越えて端側部12Aの両側の端部12a近傍まで延設し、かつ、ブレード部材15が現像剤循環用切欠き部13に対応した切欠き部16を有するものとした。
【解決手段】現像ブレードを、支持部材12と、この支持部材12の1つの端側部12Aに沿って配設されたブレード部材15とを備え、支持部材12は上記の端側部の両側の端部12aの近傍に現像剤循環用切欠き部13を有するものとし、ブレード部材15を現像剤循環用切欠き部13を越えて端側部12Aの両側の端部12a近傍まで延設し、かつ、ブレード部材15が現像剤循環用切欠き部13に対応した切欠き部16を有するものとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ブレードに係り、特にレーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の現像装置に用いる現像ブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置では、感光体ドラム上の潜像を現像するための現像装置を備えている。この現像装置としては、例えば、図11に示されるように、ホッパー52、現像ローラ53、回動可能な攪拌板54、現像ブレード55を備えたような構造の現像装置51が知られている(特許文献1)。この現像装置51では、ホッパー52内の現像剤56が攪拌板54により現像ローラ53に供給され、現像ブレード55と現像ローラ53との摩擦帯電により現像ローラ53の周面上に現像剤が薄層で均一に担持され、余分な現像剤はホッパー52内に戻される。そして、潜像が形成されている感光体ドラム57に現像ローラ53から現像剤56が移行して現像が行われる。
【0003】
従来の現像ブレード55としては、例えば、図12に示すように、厚みが0.1mm程度の金属製の支持部材62の端側部62Aに沿って、ゴム製のブレード部材65を備えた構造のものが知られている。
また、現像ブレード55によって掻き取られた余分な現像剤が、ホッパー52内に戻らずに、現像ローラ53の長手方向の現像領域外へ漏れるのを防止するために、種々の端部シール部材が検討されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−43812号公報
【特許文献2】特開2006−208552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の端部シール部材等を用いた現像剤の漏れ防止は不十分であり、現像剤の漏れをより確実に防止できる現像ブレードが要望されている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、電子写真画像形成装置における現像剤の漏れ防止が可能な現像ブレードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明は、支持部材と、該支持部材の1つの端側部に沿って配設されたブレード部材とを備え、前記支持部材は前記端側部の両側の端部の近傍に現像剤循環用切欠き部を有し、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部を越えて前記端側部の両側の端部近傍まで延設され、かつ、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部に対応した切欠き部を有するような構成とした。
【0006】
本発明の他の態様として、前記ブレード部材の長手方向の両側の端部に密着させて前記支持体上に現像剤漏れ防止テープを備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ブレード部材は前記支持部材の前記端側部と反対側の方向に突設されたスカート部を有し、該スカート部と前記ブレード部材の長手方向の両側の前記端部とが前記現像剤漏れ防止テープに密着しているような構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現像ブレードによって現像ローラから掻き取られた余分な現像剤は、一部がそのままホッパー内に落下して回収され、一部は支持部材が有する現像剤循環用切欠き部によって支持部材の反対面(現像ローラに当接されている面と反対側の面)へ送られてホッパー内に効率的に循環回収され、さらに、この現像剤循環用切欠き部を越えてブレード部材が支持部材の両側の端部近傍まで延設されているので、現像ブレードと現像ローラとの間に存在する現像剤が現像ブレードの長手方向の現像領域外へ漏れることが防止される。
【0008】
また、前記ブレード部材の長手方向の両側の端部に密着させて支持体上に現像剤漏れ防止テープを備えることにより、現像剤の漏れ防止がより向上し、さらに、ブレード部材がスカート部を有することにより、ブレード部材と現像剤漏れ防止テープとの密着距離が長くなり、現像剤の漏れ防止が大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の現像ブレードの一実施形態を示す平面図であり、図2は図1に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はI−I線矢視拡大断面図、(B)はII−II線矢視拡大断面図である。図1および図2に示されるように、現像ブレード11は、支持部材12と、この支持部材12の片面に、長手方向(図1に矢印aで示される方向)の1つの端側部12Aに沿って形成されたブレード部材15とを備えている。
【0010】
また、支持部材12は、端側部12Aの両側の端部12a,12aの近傍に現像剤循環用切欠き部13,13を有している。また、ブレード部材15は、現像剤循環用切欠き部13,13を越えて端側部12Aの両側の端部12a,12a近傍まで延設されている。さらに、ブレード部材15は、現像剤循環用切欠き部13,13に対応した切欠き部16,16を有している。
現像ブレード11を構成する支持部材12は、その材質に制限はなく、例えば、SUS301、SUS304等のステンレス鋼、C5210等のバネ用リン青銅等からなる金属基板、セラミックス基板、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂基板等を挙げることができる。また、支持部材12の厚みは、例えば、ステンレスであれば0.1mm程度が好ましい。
【0011】
支持部材12が有する現像剤循環用切欠き部13,13は、現像ブレード11と現像ローラとの間に存在する余分な現像剤を、支持部材12の反対面(支持部材12を介して現像ローラと反対側の面)へ送り、ホッパー内に効率的に循環回収するためのものである。このような現像剤循環用切欠き部13,13の大きさ、形状は適宜設定することができ、例えば、長方形状の切欠き部の場合、幅Wを1〜5mm、奥行きDを0.5〜2.5mmの範囲で設定することができる。
また、支持部材12は、端側部12Aに対向する端側部12Bに沿って複数の穴部14を備えている。この穴部14は取り付け用、位置決め用等、任意に設定することができ、図示例に限定されるものではない。
【0012】
現像ブレード11を構成するブレード部材15は、その材質に制限はなく、例えば、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、水素化ニトリルゴム等を挙げることができる。図示例のブレード部材15は、現像ローラとの接触領域が曲面をなしている。このブレード部材15が有する切欠き部16,16の形状は、上記の支持部材12の現像剤循環用切欠き部13,13を閉塞することなく露出させるものであれば特に制限はない。例えば、切欠き部16,16を、現像剤循環用切欠き部13,13と同一の形状としてもよい。また、現像剤循環用切欠き部13,13よりも少し大きい(例えば、幅が1mm以内で支持部材12が切欠き部16,16に露出する程度の大きさ)ものとしてもよい。
【0013】
このような現像ブレード11では、現像ローラから掻き取られた余分な現像剤のうち、ホッパー内に落下せずに現像ブレード11と現像ローラとの間に存在する余分な現像剤が、現像剤循環用切欠き部13,13によって支持部材12の反対面へ送られ、その後、ホッパー内に落下して効率的に循環回収される。そして、現像剤循環用切欠き部13,13を越えてブレード部材15が支持部材12の両側の端部12a,12a近傍まで延設されているので、現像ブレード11と現像ローラとの間に存在する現像剤が、現像ブレード11の長手方向(図1に矢印aで示される方向)の現像領域外へ漏れることが防止される。
【0014】
図3は、本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図である。図3に示される現像ブレード21は、支持部材22と、この支持部材22の片面に、長手方向(図3に矢印aで示される方向)の1つの端側部22Aに沿って形成されたブレード部材25と、ブレード部材25の長手方向の両側の端部25a,25aに密着させて現像剤漏れ防止テープ28,28(図3では斜線を付して示している)を備えている。
【0015】
また、現像ブレード21を構成する支持部材22は、端側部22Aの両側の端部22a,22aの近傍に現像剤循環用切欠き部23,23を有している。一方、ブレード部材25は、現像剤循環用切欠き部23,23を越えて端側部22Aの両側の端部22a,22a近傍まで延設されており、現像剤循環用切欠き部23,23に対応した切欠き部26,26を有している。
現像ブレード21を構成する支持部材22、ブレード部材25は、上述の現像ブレード11の支持部材12、ブレード部材15と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0016】
現像ブレード21を構成する現像剤漏れ防止テープ28,28は、ブレード部材25の長手方向の両側の端部25a,25aに密着した状態で支持部材22に配設されている。これにより、現像ブレード21と現像ローラとの間に存在する現像剤が、現像ブレード21の長手方向(図3に矢印aで示される方向)の現像領域外へ漏れることがより確実に防止される。
上記の現像剤漏れ防止テープ28,28の材質は、柔軟性のある材質が好ましく、例えば、(株)ロジャースイノアック製 マイクロセルポリマーシートPORON等を挙げることができる。また、現像剤漏れ防止テープ28,28の厚みは、ブレード部材25の厚み以上であることが好ましい。さらに、現像剤漏れ防止テープ28,28の形状は、図示例では長方形であるが、ブレード部材25の長手方向の両側の端部25a,25aに密着可能な形状であれば特に制限はない。
【0017】
図4は、本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図であり、図5は図4に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はIII−III線矢視拡大断面図、(B)はIV−IV線矢視拡大断面図である。図4および図5に示される現像ブレード31は、支持部材32と、この支持部材32の片面に、長手方向(図4に矢印aで示される方向)の1つの端側部32Aに沿って形成されたブレード部材35と、このブレード部材35の長手方向の両側の端部35a,35aに密着させて現像剤漏れ防止テープ38,38(図4では斜線を付して示している)を備えている。
現像ブレード31を構成する支持部材32は、端側部32Aの両側の端部32a,32aの近傍に現像剤循環用切欠き部33,33を有している。
【0018】
また、ブレード部材35は、現像剤循環用切欠き部33,33を越えて端側部32Aの両側の端部32a,32a近傍まで延設されており、現像剤循環用切欠き部33,33に対応した切欠き部36,36を有している。さらに、ブレード部材35は、支持部材32の端側部32Aと反対側の端側部32B方向へ突設されたスカート部37,37を有している。そして、このスカート部37,37、および、ブレード部材35の長手方向の両側の端部35a,35aは、現像剤漏れ防止テープ38,38に密着している。
現像ブレード31を構成する支持部材32は、上述の現像ブレード11の支持部材12と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0019】
現像ブレード31を構成するブレード部材35は、スカート部37,37を備えている他は、上述の現像ブレード11のブレード部材15と同様とすることができる。スカート部37,37は、図5(A)に示されるように、ブレード部材35よりも薄い部材である。また、スカート部37,37の形状は、その端部37a,37aが、ブレード部材35の長手方向の両側の端部35a,35aと一直線をなすものであればよく、図示例のような方形状に限定されず、他の形状であってもよい。
現像ブレード31を構成する現像剤漏れ防止テープ38,38は、上述の現像ブレード21の現像剤漏れ防止テープ38,38と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0020】
このような現像ブレード31は、ブレード部材35と現像剤漏れ防止テープ38との密着距離(図4にLで示した距離)が、上述の現像ブレード21におけるブレード部材25と現像剤漏れ防止テープ28との密着距離(図3にLで示した距離)よりも長くなる。したがって、現像ブレードの使用中に、仮に、ブレード部材35と現像剤漏れ防止テープ38との間に、現像剤が入り込めるような微細な隙間が発生したとしも、この隙間の長さ(図4にLで示した距離)が長いので、現像剤が隙間を図4の矢印b方向に漏れることが防止され、現像剤の漏れ防止効果が大幅に向上する。
【0021】
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、ブレード部材15,25,35の断面形状は、上述の実施形態のものに限定されない。図6はブレード部材の他の断面形状を示す図2相当の断面図である。図6に示される現像ブレード11′では、ブレード部材15′は、現像ローラとの接触領域が曲面をなし、支持部材12の端側部12Aと反対側の端側部12B方向へ向って厚みは緩やかに減少するような形状となっている。また、図7はブレード部材の他の断面形状を示す図5相当の断面図である。図7に示される現像ブレード31′では、ブレード部材35′は、現像ローラとの接触領域が曲面をなし、支持部材32の端側部32Aと反対側の端側部32B方向へ向って厚みは緩やかに減少し、かつ、スカート部37を有している。
【0022】
また、本発明の現像ブレードは、支持部材の両面にブレード部材を備えるものであってもよい。図8は、このような形態を示す図2相当の断面図である。図8に示される現像ブレード11″では、支持部材12の両面に、長手方向の1つの端側部12Aに沿って形成されたブレード部材15,15を備えている。この場合も、支持部材12は、端側部12Aの両側の端部の近傍に現像剤循環用切欠き部13,13を有している。また、ブレード部材15,15は、それぞれ現像剤循環用切欠き部13,13を越えて端側部12Aの両側の端部近傍まで延設されている。そして、ブレード部材15,15には、それぞれ現像剤循環用切欠き部13,13に対応した切欠き部16,16が形成されている。
【0023】
本発明の現像ブレードは、射出成形、トランスファ成形のいずれであっても製造することができる。
ここで、上述の現像ブレード31を例として、射出成形による製造例を説明する。
図9および図10は、射出成形により本発明の現像ブレードを製造する場合に使用する金型の一例を説明するための図であり、図9は上述の現像ブレード31の図5(A)に示される部位に相当する断面図であり、図10は上述の現像ブレード31の図5(B)に示される部位に相当する断面図である。
【0024】
図9および図10において、使用する金型41は、上金型42と、平らな型面を有する下金型43とからなる。上金型42は、ブレード部材35を形成するためのキャビティ45が設けられた型面とキャビティ45に連通するゲート47とを備えている。ゲート47は、上述の現像ブレード31のスカート部37に該当する部位に配設されている。そして、キャビティ45が支持部材32で閉塞された状態で上金型42と下金型43とを型合わせして型締めする。その後、ゲート47から成形材料を注入してキャビティ45内を充填することにより、現像ブレード31が製造される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
電子写真画像形成装置の現像装置に用いられる現像ブレードに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の現像ブレードの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はI−I線矢視拡大断面図、(B)はII−II線矢視拡大断面図である。
【図3】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図である。
【図5】図4に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はIII−III線矢視拡大断面図、(B)はIV−IV線矢視拡大断面図である。
【図6】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す図2相当の断面図である。
【図7】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す図5相当の断面図である。
【図8】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す図2相当の断面図である。
【図9】本発明の現像ブレードの製造に使用する金型を説明するための図である。
【図10】本発明の現像ブレードの製造に使用する金型を説明するための図である。
【図11】現像装置の構造の一例を示す図である。
【図12】従来の現像ブレードの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
11,21,31,11′,11″,31′…現像ブレード
12,21,32…支持部材
12A,22A,32A…端側部
13,23,33…現像剤循環用切欠き部
15,25,35,15′,35′…ブレード部材
16,26,36…切欠き部
28,38…現像剤漏れ防止テープ
37…スカート部
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ブレードに係り、特にレーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の現像装置に用いる現像ブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置では、感光体ドラム上の潜像を現像するための現像装置を備えている。この現像装置としては、例えば、図11に示されるように、ホッパー52、現像ローラ53、回動可能な攪拌板54、現像ブレード55を備えたような構造の現像装置51が知られている(特許文献1)。この現像装置51では、ホッパー52内の現像剤56が攪拌板54により現像ローラ53に供給され、現像ブレード55と現像ローラ53との摩擦帯電により現像ローラ53の周面上に現像剤が薄層で均一に担持され、余分な現像剤はホッパー52内に戻される。そして、潜像が形成されている感光体ドラム57に現像ローラ53から現像剤56が移行して現像が行われる。
【0003】
従来の現像ブレード55としては、例えば、図12に示すように、厚みが0.1mm程度の金属製の支持部材62の端側部62Aに沿って、ゴム製のブレード部材65を備えた構造のものが知られている。
また、現像ブレード55によって掻き取られた余分な現像剤が、ホッパー52内に戻らずに、現像ローラ53の長手方向の現像領域外へ漏れるのを防止するために、種々の端部シール部材が検討されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−43812号公報
【特許文献2】特開2006−208552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の端部シール部材等を用いた現像剤の漏れ防止は不十分であり、現像剤の漏れをより確実に防止できる現像ブレードが要望されている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、電子写真画像形成装置における現像剤の漏れ防止が可能な現像ブレードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明は、支持部材と、該支持部材の1つの端側部に沿って配設されたブレード部材とを備え、前記支持部材は前記端側部の両側の端部の近傍に現像剤循環用切欠き部を有し、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部を越えて前記端側部の両側の端部近傍まで延設され、かつ、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部に対応した切欠き部を有するような構成とした。
【0006】
本発明の他の態様として、前記ブレード部材の長手方向の両側の端部に密着させて前記支持体上に現像剤漏れ防止テープを備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ブレード部材は前記支持部材の前記端側部と反対側の方向に突設されたスカート部を有し、該スカート部と前記ブレード部材の長手方向の両側の前記端部とが前記現像剤漏れ防止テープに密着しているような構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現像ブレードによって現像ローラから掻き取られた余分な現像剤は、一部がそのままホッパー内に落下して回収され、一部は支持部材が有する現像剤循環用切欠き部によって支持部材の反対面(現像ローラに当接されている面と反対側の面)へ送られてホッパー内に効率的に循環回収され、さらに、この現像剤循環用切欠き部を越えてブレード部材が支持部材の両側の端部近傍まで延設されているので、現像ブレードと現像ローラとの間に存在する現像剤が現像ブレードの長手方向の現像領域外へ漏れることが防止される。
【0008】
また、前記ブレード部材の長手方向の両側の端部に密着させて支持体上に現像剤漏れ防止テープを備えることにより、現像剤の漏れ防止がより向上し、さらに、ブレード部材がスカート部を有することにより、ブレード部材と現像剤漏れ防止テープとの密着距離が長くなり、現像剤の漏れ防止が大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の現像ブレードの一実施形態を示す平面図であり、図2は図1に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はI−I線矢視拡大断面図、(B)はII−II線矢視拡大断面図である。図1および図2に示されるように、現像ブレード11は、支持部材12と、この支持部材12の片面に、長手方向(図1に矢印aで示される方向)の1つの端側部12Aに沿って形成されたブレード部材15とを備えている。
【0010】
また、支持部材12は、端側部12Aの両側の端部12a,12aの近傍に現像剤循環用切欠き部13,13を有している。また、ブレード部材15は、現像剤循環用切欠き部13,13を越えて端側部12Aの両側の端部12a,12a近傍まで延設されている。さらに、ブレード部材15は、現像剤循環用切欠き部13,13に対応した切欠き部16,16を有している。
現像ブレード11を構成する支持部材12は、その材質に制限はなく、例えば、SUS301、SUS304等のステンレス鋼、C5210等のバネ用リン青銅等からなる金属基板、セラミックス基板、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂基板等を挙げることができる。また、支持部材12の厚みは、例えば、ステンレスであれば0.1mm程度が好ましい。
【0011】
支持部材12が有する現像剤循環用切欠き部13,13は、現像ブレード11と現像ローラとの間に存在する余分な現像剤を、支持部材12の反対面(支持部材12を介して現像ローラと反対側の面)へ送り、ホッパー内に効率的に循環回収するためのものである。このような現像剤循環用切欠き部13,13の大きさ、形状は適宜設定することができ、例えば、長方形状の切欠き部の場合、幅Wを1〜5mm、奥行きDを0.5〜2.5mmの範囲で設定することができる。
また、支持部材12は、端側部12Aに対向する端側部12Bに沿って複数の穴部14を備えている。この穴部14は取り付け用、位置決め用等、任意に設定することができ、図示例に限定されるものではない。
【0012】
現像ブレード11を構成するブレード部材15は、その材質に制限はなく、例えば、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、水素化ニトリルゴム等を挙げることができる。図示例のブレード部材15は、現像ローラとの接触領域が曲面をなしている。このブレード部材15が有する切欠き部16,16の形状は、上記の支持部材12の現像剤循環用切欠き部13,13を閉塞することなく露出させるものであれば特に制限はない。例えば、切欠き部16,16を、現像剤循環用切欠き部13,13と同一の形状としてもよい。また、現像剤循環用切欠き部13,13よりも少し大きい(例えば、幅が1mm以内で支持部材12が切欠き部16,16に露出する程度の大きさ)ものとしてもよい。
【0013】
このような現像ブレード11では、現像ローラから掻き取られた余分な現像剤のうち、ホッパー内に落下せずに現像ブレード11と現像ローラとの間に存在する余分な現像剤が、現像剤循環用切欠き部13,13によって支持部材12の反対面へ送られ、その後、ホッパー内に落下して効率的に循環回収される。そして、現像剤循環用切欠き部13,13を越えてブレード部材15が支持部材12の両側の端部12a,12a近傍まで延設されているので、現像ブレード11と現像ローラとの間に存在する現像剤が、現像ブレード11の長手方向(図1に矢印aで示される方向)の現像領域外へ漏れることが防止される。
【0014】
図3は、本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図である。図3に示される現像ブレード21は、支持部材22と、この支持部材22の片面に、長手方向(図3に矢印aで示される方向)の1つの端側部22Aに沿って形成されたブレード部材25と、ブレード部材25の長手方向の両側の端部25a,25aに密着させて現像剤漏れ防止テープ28,28(図3では斜線を付して示している)を備えている。
【0015】
また、現像ブレード21を構成する支持部材22は、端側部22Aの両側の端部22a,22aの近傍に現像剤循環用切欠き部23,23を有している。一方、ブレード部材25は、現像剤循環用切欠き部23,23を越えて端側部22Aの両側の端部22a,22a近傍まで延設されており、現像剤循環用切欠き部23,23に対応した切欠き部26,26を有している。
現像ブレード21を構成する支持部材22、ブレード部材25は、上述の現像ブレード11の支持部材12、ブレード部材15と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0016】
現像ブレード21を構成する現像剤漏れ防止テープ28,28は、ブレード部材25の長手方向の両側の端部25a,25aに密着した状態で支持部材22に配設されている。これにより、現像ブレード21と現像ローラとの間に存在する現像剤が、現像ブレード21の長手方向(図3に矢印aで示される方向)の現像領域外へ漏れることがより確実に防止される。
上記の現像剤漏れ防止テープ28,28の材質は、柔軟性のある材質が好ましく、例えば、(株)ロジャースイノアック製 マイクロセルポリマーシートPORON等を挙げることができる。また、現像剤漏れ防止テープ28,28の厚みは、ブレード部材25の厚み以上であることが好ましい。さらに、現像剤漏れ防止テープ28,28の形状は、図示例では長方形であるが、ブレード部材25の長手方向の両側の端部25a,25aに密着可能な形状であれば特に制限はない。
【0017】
図4は、本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図であり、図5は図4に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はIII−III線矢視拡大断面図、(B)はIV−IV線矢視拡大断面図である。図4および図5に示される現像ブレード31は、支持部材32と、この支持部材32の片面に、長手方向(図4に矢印aで示される方向)の1つの端側部32Aに沿って形成されたブレード部材35と、このブレード部材35の長手方向の両側の端部35a,35aに密着させて現像剤漏れ防止テープ38,38(図4では斜線を付して示している)を備えている。
現像ブレード31を構成する支持部材32は、端側部32Aの両側の端部32a,32aの近傍に現像剤循環用切欠き部33,33を有している。
【0018】
また、ブレード部材35は、現像剤循環用切欠き部33,33を越えて端側部32Aの両側の端部32a,32a近傍まで延設されており、現像剤循環用切欠き部33,33に対応した切欠き部36,36を有している。さらに、ブレード部材35は、支持部材32の端側部32Aと反対側の端側部32B方向へ突設されたスカート部37,37を有している。そして、このスカート部37,37、および、ブレード部材35の長手方向の両側の端部35a,35aは、現像剤漏れ防止テープ38,38に密着している。
現像ブレード31を構成する支持部材32は、上述の現像ブレード11の支持部材12と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0019】
現像ブレード31を構成するブレード部材35は、スカート部37,37を備えている他は、上述の現像ブレード11のブレード部材15と同様とすることができる。スカート部37,37は、図5(A)に示されるように、ブレード部材35よりも薄い部材である。また、スカート部37,37の形状は、その端部37a,37aが、ブレード部材35の長手方向の両側の端部35a,35aと一直線をなすものであればよく、図示例のような方形状に限定されず、他の形状であってもよい。
現像ブレード31を構成する現像剤漏れ防止テープ38,38は、上述の現像ブレード21の現像剤漏れ防止テープ38,38と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0020】
このような現像ブレード31は、ブレード部材35と現像剤漏れ防止テープ38との密着距離(図4にLで示した距離)が、上述の現像ブレード21におけるブレード部材25と現像剤漏れ防止テープ28との密着距離(図3にLで示した距離)よりも長くなる。したがって、現像ブレードの使用中に、仮に、ブレード部材35と現像剤漏れ防止テープ38との間に、現像剤が入り込めるような微細な隙間が発生したとしも、この隙間の長さ(図4にLで示した距離)が長いので、現像剤が隙間を図4の矢印b方向に漏れることが防止され、現像剤の漏れ防止効果が大幅に向上する。
【0021】
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、ブレード部材15,25,35の断面形状は、上述の実施形態のものに限定されない。図6はブレード部材の他の断面形状を示す図2相当の断面図である。図6に示される現像ブレード11′では、ブレード部材15′は、現像ローラとの接触領域が曲面をなし、支持部材12の端側部12Aと反対側の端側部12B方向へ向って厚みは緩やかに減少するような形状となっている。また、図7はブレード部材の他の断面形状を示す図5相当の断面図である。図7に示される現像ブレード31′では、ブレード部材35′は、現像ローラとの接触領域が曲面をなし、支持部材32の端側部32Aと反対側の端側部32B方向へ向って厚みは緩やかに減少し、かつ、スカート部37を有している。
【0022】
また、本発明の現像ブレードは、支持部材の両面にブレード部材を備えるものであってもよい。図8は、このような形態を示す図2相当の断面図である。図8に示される現像ブレード11″では、支持部材12の両面に、長手方向の1つの端側部12Aに沿って形成されたブレード部材15,15を備えている。この場合も、支持部材12は、端側部12Aの両側の端部の近傍に現像剤循環用切欠き部13,13を有している。また、ブレード部材15,15は、それぞれ現像剤循環用切欠き部13,13を越えて端側部12Aの両側の端部近傍まで延設されている。そして、ブレード部材15,15には、それぞれ現像剤循環用切欠き部13,13に対応した切欠き部16,16が形成されている。
【0023】
本発明の現像ブレードは、射出成形、トランスファ成形のいずれであっても製造することができる。
ここで、上述の現像ブレード31を例として、射出成形による製造例を説明する。
図9および図10は、射出成形により本発明の現像ブレードを製造する場合に使用する金型の一例を説明するための図であり、図9は上述の現像ブレード31の図5(A)に示される部位に相当する断面図であり、図10は上述の現像ブレード31の図5(B)に示される部位に相当する断面図である。
【0024】
図9および図10において、使用する金型41は、上金型42と、平らな型面を有する下金型43とからなる。上金型42は、ブレード部材35を形成するためのキャビティ45が設けられた型面とキャビティ45に連通するゲート47とを備えている。ゲート47は、上述の現像ブレード31のスカート部37に該当する部位に配設されている。そして、キャビティ45が支持部材32で閉塞された状態で上金型42と下金型43とを型合わせして型締めする。その後、ゲート47から成形材料を注入してキャビティ45内を充填することにより、現像ブレード31が製造される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
電子写真画像形成装置の現像装置に用いられる現像ブレードに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の現像ブレードの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はI−I線矢視拡大断面図、(B)はII−II線矢視拡大断面図である。
【図3】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す平面図である。
【図5】図4に示される現像ブレードの断面図であり、(A)はIII−III線矢視拡大断面図、(B)はIV−IV線矢視拡大断面図である。
【図6】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す図2相当の断面図である。
【図7】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す図5相当の断面図である。
【図8】本発明の現像ブレードの他の実施形態を示す図2相当の断面図である。
【図9】本発明の現像ブレードの製造に使用する金型を説明するための図である。
【図10】本発明の現像ブレードの製造に使用する金型を説明するための図である。
【図11】現像装置の構造の一例を示す図である。
【図12】従来の現像ブレードの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
11,21,31,11′,11″,31′…現像ブレード
12,21,32…支持部材
12A,22A,32A…端側部
13,23,33…現像剤循環用切欠き部
15,25,35,15′,35′…ブレード部材
16,26,36…切欠き部
28,38…現像剤漏れ防止テープ
37…スカート部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、該支持部材の1つの端側部に沿って配設されたブレード部材とを備え、前記支持部材は前記端側部の両側の端部の近傍に現像剤循環用切欠き部を有し、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部を越えて前記端側部の両側の端部近傍まで延設され、かつ、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部に対応した切欠き部を有することを特徴とする現像ブレード。
【請求項2】
前記ブレード部材の長手方向の両側の端部に密着させて前記支持体上に現像剤漏れ防止テープを備えることを特徴とする請求項1に記載の現像ブレード。
【請求項3】
前記ブレード部材は前記支持部材の前記端側部と反対側の方向に突設されたスカート部を有し、該スカート部と前記ブレード部材の長手方向の両側の前記端部とが前記現像剤漏れ防止テープに密着していることを特徴とする請求項2に記載の現像ブレード。
【請求項1】
支持部材と、該支持部材の1つの端側部に沿って配設されたブレード部材とを備え、前記支持部材は前記端側部の両側の端部の近傍に現像剤循環用切欠き部を有し、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部を越えて前記端側部の両側の端部近傍まで延設され、かつ、前記ブレード部材は前記現像剤循環用切欠き部に対応した切欠き部を有することを特徴とする現像ブレード。
【請求項2】
前記ブレード部材の長手方向の両側の端部に密着させて前記支持体上に現像剤漏れ防止テープを備えることを特徴とする請求項1に記載の現像ブレード。
【請求項3】
前記ブレード部材は前記支持部材の前記端側部と反対側の方向に突設されたスカート部を有し、該スカート部と前記ブレード部材の長手方向の両側の前記端部とが前記現像剤漏れ防止テープに密着していることを特徴とする請求項2に記載の現像ブレード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−216275(P2008−216275A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49204(P2007−49204)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000005175)藤倉ゴム工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000005175)藤倉ゴム工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]