説明

現像装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】非接触コンパクション後の現像ローラ上の液体現像剤の膜厚をより均一にして、良好な画質を得る。
【解決手段】各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kは、それぞれ、それらの外周面が対応する各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの外周面に対して所定のギャップG(μm)を置いて配置されている。その場合、これらの各ギャップG(μm)は、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kから供給された液体現像剤21Y,21M,21C,21Kで各現像ローラの外周面に形成された現像剤層21aの膜厚t(μm)より大きく設定されている。また、各コンパクションローラの回転中心Ocは、それぞれ各現像ローラの回転中心Odより下方に位置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体等の潜像担持体に形成された静電潜像を、トナーと液体キャリアとからなる液体現像剤で現像する現像装置およびこれを用いて現像された潜像担持体上の液体現像剤像を紙等の転写材に転写して画像を得る、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体現像剤を用いた画像形成装置においては、アニロクスローラによって所定量に規制された液体現像剤が現像ローラに供給される。次いで、現像ローラに電圧を印加するコンパクション手段で、現像ローラ上の液体現像剤中のトナーが現像ローラに押し付けられて片寄せされる(コンパクション)。そして、コンパクションされた現像ローラ上のトナーによって、感光体の静電潜像が現像される。
【0003】
ところで、従来、コンパクション手段としてコロナ帯電器を用いた現像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、コンパクション手段として、現像ローラに接触するコンパクションローラを用いた現像装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−62466号公報。
【特許文献2】特開2006−242352号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特許文献1に記載の現像装置では、コロナ帯電器はレイアウト上現像ローラや感光体の下部に配置される。しかし、現像ローラから垂れ落ちる液体現像剤等の異物によってコロナ帯電器のワイヤーの汚れやハウスの汚れが発生する。このため、コロナ帯電器の定期的なメンテナンスが繰り返し多く必要となるという問題がある。
これに対して、前述の特許文献2に記載の現像装置では、現像ローラに接触するコンパクションローラ上に付着するの異物がクリーニングブレードによって除去される。これにより、コンパクションローラの定期的なメンテナンスの回数が抑制される。
しかし、このような現像ローラに接触するコンパクションローラでは、次のような問題がある。
(1) 現像ローラとコンパクションローラとのニップ部(接触部)より現像ローラ回転方向 上流側に、液体現像剤の溜まり(ニップ溜まり)が生じる。このニップ溜まりにより、 コンパクション後の現像ローラ上の液体現像剤の膜厚が不均一となる。
(2) 現像ローラとコンパクションローラとの接触で、コンパクション後にコンパクション ローラにキャリ液が付着するリブ(リビュレット;rivulet)等の液乱れが生じる。
(3) 上記(1)や(2)により、画質が乱れる。
(4) コンパクションローラに比較的多くの液体キャリアが付着するので、液体キャリアが減少す る。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、非接触コンパクション後の現像ローラ上の液体現像剤の膜厚をより均一にして、良好な画質を得ることのできる現像装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明に係る現像装置および画像形成装置では、現像ローラとコンパクションローラとの間に、現像ローラ上の液体現像剤の膜厚より大きなギャップが設けられる。これにより、コンパクションローラは、現像ローラ上の液体現像剤に接触することなく、この液体現像剤を非接触でコンパクションする。
【0007】
したがって、現像ローラとコンパクションローラとの間に液体現像剤のニップ溜まりが生じるのを抑制することができる。また、現像ローラとコンパクションローラとが接触しないので、前述のリブ等の液乱れを抑制することができる。このように液体現像剤のニップ溜まりや液乱れを抑制できることから、良好な画質を長期的にかつ効果的に得ることができる。
【0008】
また、コンパクションローラの回転中心が、最下位置キャリア担持体の回転中心より下方に位置されている。その場合、本発明のキャリア担持体は、アニロクスローラから供給された液体現像剤の不揮発性液体キャリアを担持する、現像ローラ、像担持体、中間転写媒体等の回転可能なキャリア担持体である。そして、最下位置キャリア担持体は、画像形成装置内の所定数のキャリア担持体のうち、回転中心が最も下方に位置するキャリア担持体である。これにより、コンパクションローラに残留する液体キャリアが垂れ落ちても、垂れ落ちた液体キャリアは画像形成装置内のすべてのキャリア担持体にに付着することを抑制できる。したがって、コンパクションローラから垂れ落ちた液体キャリアによる画質の乱れを効果的に防止できる。
【0009】
更に、コンパクションローラの抵抗を実抵抗でLog7Ω以上に設定することで、火花放電の発生、現像ローラ、コンパクションローラ、および液体現像剤の各損傷を抑制できる。これにより、液体現像剤の良好なコンパクションを均一に行うことができる。
【0010】
更に、コンパクションローラの印加電圧を直流電圧と交流電圧との重畳電圧とすることで、非接触コンパクションを行っても、液体現像剤を均一にコンパクションすることができる。これにより、より一層良好な画質が得られる。
【0011】
更に、コンパクションローラが液体キャリアに接触しないことで、コンパクション後に液体キャリアがコンパクションローラに付着し難くなる。これにより、液体キャリアが減少するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、タンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の潜像担持体である感光体2Y,2M,2C,2Kを備えている。ここで、各感光体2Y,2M,2C,2Kにおいて、2Yはイエローの感光体、2Mはマゼンタの感光体、2Cはシアンの感光体、2Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の部材を表す。
各感光体2Y,2M,2C,2Kは、図1に示す例ではいずれも、感光体ドラムから構成されている。なお、各感光体2Y,2M,2C,2Kは、無端ベルト状に構成することもできる。
【0013】
これらの感光体2Y,2M,2C,2Kは、いずれも作動時に図1に矢印で示すように時計回りに回転するようにされている。各感光体2Y,2M,2C,2Kの周囲には、それぞれ、それらの回転方向上流側から順に、帯電部材3Y,3M,3C,3K、露光装置4Y,4M,4C,4K、現像装置5Y,5M,5C,5K、感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6K、一次転写装置7Y,7M,7C,7K、除電装置8Y,8M,8C,8K、および感光体クリーニング装置9Y,9M,9C,9Kが配設されている。
【0014】
また、画像形成装置1は、中間転写媒体である無端状の中間転写ベルト10を備えている。この中間転写ベルト10は互いに離間して配設された一対の駆動ローラ11および従動ローラ12に張架されて図1において反時計回りに回転可能に設けられている。この中間転写ベルト10は、少なくとも、紙等の転写材への二次転写の転写効率を向上させるうえで弾性中間転写ベルトにすることが好ましい。
【0015】
更に、この例の画像形成装置1では、各感光体2Y,2M,2C,2Kおよび各現像装置5Y,5M,5C,5Kは中間転写ベルト10の回転方向上流側から色Y、M、C、Kの順に配設されているが、色Y、M、C、Kの配置順は任意に設定することができる。なお、中間転写媒体は中間転写ドラムで構成することもできる。
【0016】
各一次転写装置7Y,7M,7C,7Kより中間転写ベルト10の回転方向下流側の各一次転写装置7Y,7M,7C,7Kの近傍には、それぞれ、中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13Kが配設されている。更に、中間転写ベルト10の駆動ローラ11側には二次転写装置14が設けられ、また中間転写ベルト10の従動ローラ12側には中間転写ベルトクリーニング装置15が設けられている。
【0017】
なお、図示しないが、この例の画像形成装置1は、二次転写を行う従来の一般的な画像形成装置と同様に、二次転写装置14より転写材搬送方向上流側に例えば紙等の転写材を収納する転写材収納装置と、この転写材収納装置からの転写材を二次転写装置14へ搬送供給するレジストローラ対とを備えている。また、この画像形成装置1は、同様に二次転写装置14より転写材搬送方向下流側に定着装置および排紙トレイを備えている。
【0018】
各帯電部材3Y,3M,3C,3Kはそれぞれ例えば帯電ローラからなる。各帯電部材3Y,3M,3C,3Kには、図示しない電源装置から液体現像剤の帯電極性と同極性のバイアスがそれぞれ印加される。そして、各帯電部材3Y,3M,3C,3Kは、それぞれ、対応する感光体2Y,2M,2C,2Kを帯電するようになっている。
また、各露光装置4Y,4M,4C,4Kは、それぞれ、対応する帯電された感光体2Y,2M,2C,2K上に、例えばレーザ走査光学系等からレーザ光を照射することによって静電潜像を形成するようになっている。
【0019】
各現像装置5Y,5M,5C,5Kは、それぞれ、現像剤供給部16Y,16M,16C,16Kと、現像ローラ17Y,17M,17C,17Kと、コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kと、現像ローラクリーナ19Y,19M,19C,19Kと、現像ローラクリーナ回収液貯留部20Y,20M,20C,20Kとから構成されている。
【0020】
各現像剤供給部16Y,16M,16C,16Kは、それぞれ、トナー粒子および不揮発性液体キャリアからなる液体現像剤21Y,21M,21C,21Kを収納する現像剤容器22Y,22M,22C,22Kと、現像剤汲み上げローラ23Y,23M,23C,23Kと、アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kと、現像剤規制ブレード25Y,25M,25C,25Kとからなっている。
【0021】
各現像剤容器22Y,22M,22C,22K内に収納される液体現像剤21Y,21M,21C,21Kにおいて、トナーとしては、トナーに使用される公知の熱可塑性樹脂中へ同じく公知の顔料等の着色剤を分散させた例えば平均粒径1μmの粒子を用いることができ、また、液体キャリアとしては、低粘性低濃度の液体現像剤の場合は、例えばIsopar(商標:エクソン社)の絶縁性液体キャリアを用いることができ、また、高粘性高濃度の液体現像剤の場合は、例えば、有機溶媒、フェニルメチルシロキサン、ジメチルポリシロキサンおよびポリジメチルシクロシロキサン等の引火点210℃以上のシリコーンオイル、鉱物油、沸点130℃以上で40℃での粘度が3mPa・sの比較的低粘度の流動パラフィンなどの脂肪族飽和炭化水素、ノルマルパラフィン、植物油、食用油、高級脂肪酸エステル、等の絶縁性液体キャリアを用いることができる。そして、液体現像剤21Y,21M,21C,21Kはトナー粒子を液体キャリアへ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%としたものである。
【0022】
各現像剤汲み上げローラ23Y,23M,23C,23Kは、それぞれ、各現像剤容器22Y,22M,22C,22K内の液体現像剤21Y,21M,21C,21Kを汲み上げて各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kに供給するローラである。各現像剤汲み上げローラ23Y,23M,23C,23Kは、いずれも図1において矢印で示す時計まわりに回転するようにされている。また、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kは、いずれも、円筒状の部材で表面に微細かつ一様に螺旋状の溝を形成したローラである。溝の寸法は、例えば、溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmに設定される。もちろん、溝の寸法はこれらの値に限定されることはない。各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kは、いずれも各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kと同じ方向で図1において矢印で示す反時計まわりに回転するようにされている。なお、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kは、いずれも各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kと連れ回りで回転するようにすることもできる。すなわち、アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの回転方向は、限定されず任意である。
【0023】
各現像剤規制ブレード25Y,25M,25C,25Kは、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの表面に当接して設けられている。これらの現像剤規制ブレード25Y,25M,25C,25Kは、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの表面に当接する、ウレタンゴム等からなるゴム部と、このゴム部を支持する金属等の板とから構成されている。そして、各現像剤規制ブレード25Y,25M,25C,25Kは、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの溝部以外の表面に付着する液体現像剤をゴム部で掻き落として除去する。したがって、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kは、それらの溝部内に付着する液体現像剤のみを各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kに供給するようになっている。
【0024】
各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kは、いずれも、例えば幅約320mmの円筒状の部材であり、例えば鉄等金属シャフトの外周部に、導電性ウレタンゴム等の弾性体と樹脂層やゴム層を備えたものである。これらの現像ローラ17Y,17M,17C,17Kはそれぞれ各感光体2Y,2M,2C,2Kに当接され、かつ図1において矢印で示すように反時計まわりに回転するようにされている。
【0025】
各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kは、図1において矢印で示すように時計まわりに回転するようにされている。そして、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kはそれぞれ電圧を印加されて、対応する各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kを帯電するようになっている。その場合、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kへの印加電圧は、それぞれ直流電圧(DC)に設定されている。また、図2に示すように、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kへの印加電圧は、それぞれ直流電圧(DC)に交流電圧(AC)が重畳された電圧に設定することもできる。各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kへの印加電圧は、直流電圧のみであっても、直流電圧(DC)と交流電圧(AC)との重畳電圧であっても、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kと各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kとの間でパッシェンの法則に従って放電を開始する放電開始電圧より大きく設定される。
【0026】
これらのコンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kによる各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの帯電で、それぞれ、各現像ローラ17Y,17M,17C,17K上の液体現像剤21Y,21M,21C,21Kが現像ローラ17Y,17M,17C,17Kに押し付けられる。ところで、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの抵抗は、比較的重要である。すなわち、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの抵抗は低い場合には火花放電が発生し、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kや各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18K、および液体現像剤を損傷させてしまう。そこで、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kは実抵抗値でLog7Ω以上であることが、このような損傷を生じることなく、液体現像剤の良好なコンパクションを均一に行ううえで好ましい。
【0027】
各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの抵抗の測定について説明する。
図5に示すように、アルミニウム管等の金属ローラαに被測定物であるコンパクションローラβを接触させる。金属ローラαとコンパクションローラβとの接触状態で、これらの金属ローラαとコンパクションローラβとを定電圧電源γ(例えば、アドバンテスト社製R8340A)により電気的に接続する。そして、コンパクションローラβの両端部の金属シャフトにそれぞれ所定の荷重F(例えば、250g)を、コンパクションローラβが金属ローラαに圧接するようにかける。更に、金属ローラαを所定の回転速度(例えば、5rpm)で回転させる。この状態で、定電圧電源γから所定の電圧(例えば、100V〜500V)を印加してこの定電圧電源γの電流計γ1で、流れる電流値を読み取る。最後に、読み取った電流値と電圧とに基づいて、V=IR(V:電圧、I:電流、R:抵抗)の式から抵抗値Rを計算する。
【0028】
図3に示すように、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各中心Ocは、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの各中心Oaがより上方に位置されている。その場合、図3に示す例では、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最上部18aが、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの各最上部24aより上方に位置している。また、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最下部18bが、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの各最下部24bより上方に位置している。なお、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最上部18aは、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kの各最上部24aより下方に位置することもできる。
【0029】
更に、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各中心Ocは、それぞれ、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの各中心Odより下方に位置されている。その場合、図3に示す例では、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最上部18aが、それぞれ、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの最下部17aより上方に位置している。また、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最下部18bが、それぞれ、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの最下部17aより下方に位置している。なお、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最下部は、それぞれ、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの各最下部より上方に位置することもできる。
【0030】
更に、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの中心Ocは、それぞれ、各感光体2Y,2M,2C,2Kの中心Oiより下方に位置されている。その場合、図3に示す例では、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最上部18aつまりそれらの全体が、それぞれ、各感光体2Y,2M,2C,2Kの最下部2aより下方に位置している。更に、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの中心Ocは、いずれも、中間転写ベルト10の下部10aより下方に位置されている。その場合、図3に示す例では、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの各最上部18aつまりそれらの全体が、いずれも、中間転写ベルト10の最下部10aより下方に位置している。
【0031】
ところで、各現像ローラ17Y,17M,17C,17K、各感光体2Y,2M,2C,2K、および中間転写ベルト10は、それぞれ、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kから供給された液体現像剤の不揮発性液体キャリアを担持するキャリア担持体を構成している。したがって、本発明の現像装置では、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの中心Ocは、これらのキャリア担持体のうち、その最下部が最も下方に位置する最下位置キャリア担持体(図3に示す例では、各現像ローラ17Y,17M,17C,17K)がローラあるいはドラムである場合には、最下位置キャリア担持体の中心よりも下方に位置する。また、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの中心Ocは、これらのキャリア担持体のうち、その最下部が最も下方に位置する最下位置キャリア担持体が無端ベルトである場合には、最下位置キャリア担持体の最下部よりも下方に位置する。
【0032】
更に、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kは、それぞれ、それらの外周面が対応する各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの外周面に対して所定のギャップG(μm)を置いて配置されている。その場合、これらの各ギャップG(μm)は、各アニロクスローラ24Y,24M,24C,24Kから供給された液体現像剤21Y,21M,21C,21Kで各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの外周面に形成された現像剤層21aの膜厚t(μm)より大きく設定されている。したがって、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kは、各現像ローラ17Y,17M,17C,17K上の液体現像剤21Y,21M,21C,21Kに対して非接触コンパクションを行う。
【0033】
このように液体現像剤21Y,21M,21C,21Kに対して非接触コンパクションを行う場合、コンパクション後に液体キャリアが部分的に各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kに付着する前述のリブが生じることなく高効率で現像可能な、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kへ印加する最小のバイアス(直流電圧)VCR(V)は、ギャップGに応じて変化する。例えば図4に示すように、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kに印加されるバイアス(直流電圧)VDRが400(V)であるとき、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kへ印加する最小バイアスVCR(V)とギャップG(μm)との関係は、最小バイアスVCR(V)がギャップG(μm)の増大に伴って増大する関係にある。したがって、ギャップGは、図4に示す各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kへの印加電圧とギャップGとの関係に基づいて決定することができる。
【0034】
各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kには、それぞれ、コンパクションローラクリーナブレード26Y,26M,26C,26Kと、コンパクションローラクリーナ回収液貯留部27Y,27M,27C,27Kとが設けられている。これらのコンパクションローラクリーナブレード26Y,26M,26C,26Kは、それぞれ対応するコンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの表面に当接する例えばゴム等で構成され、コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kに残留する現像剤を掻き落として除去するためのものである。更に、各コンパクションローラクリーナ回収液貯留部27Y,27M,27C,27Kは、それぞれ、各コンパクションローラクリーナブレード26Y,26M,26C,26Kによってコンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kから掻き落とされた現像剤を貯留するタンク等の容器から構成されている。
【0035】
更に、各現像ローラクリーナ19Y,19M,19C,19Kは、それぞれ、対応する現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの表面に当接する例えばゴム等で構成され、現像ローラ17Y,17M,17C,17Kに残留する現像剤を掻き落として除去するためのものである。更に、各現像ローラクリーナ回収液貯留部20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ、各現像ローラクリーナ19Y,19M,19C,19Kによって現像ローラ17Y,17M,17C,17Kから掻き落とされた現像剤を貯留するタンク等の容器から構成されている。
【0036】
更に、この例の画像形成装置1は、それぞれ液体現像剤21Y,21M,21C,21Kを現像剤容器22Y,22M,22C,22Kに補給する現像剤補給装置28Y,28M,28C,28Kを備えている。これらの現像剤補給装置28Y,28M,28C,28Kは、それぞれ、トナータンク29Y,29M,29C,29Kと、キャリアタンク30Y,30M,30C,30Kと、撹拌装置31Y,31M,31C,31Kとからなっている。
【0037】
各トナータンク29Y,29M,29C,29Kには、それぞれ各高濃度液体トナー32Y,32M,32C,32Kが収納されている。また、各キャリアタンク30Y,30M,30C,30Kには、それぞれ各液体キャリア(キャリアオイル)33Y,33M,33C,33Kが収納されている。更に、各撹拌装置31Y,31M,31C,31Kには、各トナータンク29Y,29M,29C,29Kからの所定量の各高濃度液体トナー32Y,32M,32C,32Kと各キャリアタンク30Y,30M,30C,30Kからの所定量の各液体キャリア33Y,33M,33C,33Kとが供給されるようになっている。
【0038】
そして、各撹拌装置31Y,31M,31C,31Kは、それぞれ、供給された各高濃度液体トナー32Y,32M,32C,32Kおよび各液体キャリア33Y,33M,33C,33Kをそれぞれ混合撹拌して各現像装置5Y,5M,5C,5Kで使用する液体現像剤21Y,21M,21C,21Kを作製する。各撹拌装置31Y,31M,31C,31Kでそれぞれ作製された各液体現像剤21Y,21M,21C,21Kは、それぞれ各現像剤容器22Y,22M,22C,22Kに供給されるようになっている。
【0039】
各感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ、スクイーズローラ34Y,34M,34C,34Kと、スクイーズローラクリーナ35Y,35M,35C,35Kと、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器36Y,36M,36C,36Kとから構成されている。各スクイーズローラ34Y,34M,34C,34Kは、それぞれ、各感光体2Y,2M,2C,2Kと各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kとの当接部(ニップ部)より各感光体2Y,2M,2C,2Kの回転方向下流側に設置されている。そして、これらのスクイーズローラ34Y,34M,34C,34Kは、それぞれ、各感光体2Y,2M,2C,2Kと逆方向(図1において反時計回り)に回転されて、各感光体2Y,2M,2C,2K上の液体キャリアを除去するようになっている。
【0040】
各スクイーズローラ34Y,34M,34C,34Kとしては、いずれも、金属製芯金の表面に導電性ウレタンゴム等の弾性部材とフッ素樹脂製表層を配した弾性ローラが好適である。また、各スクイーズローラクリーナ35Y,35M,35C,35Kは、いずれもゴム等の弾性体からなり、それぞれ対応するスクイーズローラ34Y,34M,34C,34Kの表面に当接され、これらのスクイーズローラ34Y,34M,34C,34Kに残留する液体キャリアを掻き落として除去するものである。更に、各スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器36Y,36M,36C,36Kは、それぞれ対応するスクイーズローラクリーナ35Y,35M,35C,35Kが掻き落とした現像剤を貯留するタンク等の容器である。
【0041】
各一次転写装置7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ、中間転写ベルト10を各感光体2Y,2M,2C,2Kに当接させる一次転写用のバックアップローラ37Y,37M,37C,37Kを備えている。各バックアップローラ37Y,37M,37C,37Kは、トナー粒子の帯電極性と逆極性の例えば約−200Vが印加されて、各感光体2Y,2M,2C,2K上の現像剤像を中間転写ベルト10に一次転写する。また、各除電装置8Y,8M,8C,8Kは、それぞれ、一次転写後に各感光体2Y,2M,2C,2Kに残留する電荷を除去するものである。
【0042】
各感光体クリーニング装置9Y,9M,9C,9Kは、それぞれ、感光体クリーナ38Y,38M,38C,38Kと感光体クリーナ回収液貯留容器39Y,39M,39C,39Kとからなっている。各感光体クリーナ38Y,38M,38C,38Kはいずれもゴム等の弾性体からなり、それぞれ、対応する感光体2Y,2M,2C,2Kの表面に当接されて感光体2Y,2M,2C,2Kに残存する現像剤を掻き落として除去するものである。また、感光体クリーナ回収液貯留容器39Y,39M,39C,39Kは、それぞれ感光体クリーナ38Y,38M,38C,38Kによって感光体2Y,2M,2C,2Kから掻き落とされた現像剤を回収して貯留するものである。
【0043】
各中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13Kは、それぞれ、中間転写ベルトスクイーズローラ40Y,40M,40C,40Kと、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ41Y,41M,41C,41Kと、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ回収液貯留容器42Y,42C,42K,42Kとからなっている。各中間転写ベルトスクイーズローラ40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ中間転写ベルト10上の対応する色の液体キャリアを回収するものである。また、各中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ41Y,41M,41C,41Kは、それぞれ中間転写ベルトスクイーズローラ40Y,40M,40C,40Kのローラ上の回収した液体キャリアを掻き取るものである。これらの中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ41Y,41M,41C,41Kは、それぞれ各スクイーズローラクリーナ35Y,35M,35C,35Kと同様にゴム等の弾性体からなっている。更に、各中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ回収液貯留容器42M,42C,42K,42Kは、それぞれ各中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ41Y,41M,41C,41Kで掻き取った液体キャリアを回収貯留するものである。
【0044】
二次転写装置14は二次転写ローラ43を備えている。この二次転写ローラ43は、駆動ローラ11に掛けられた中間転写ベルト10に紙等の転写材を当接させて、中間転写ベルト10上の各色のトナー像が合わせられたカラーのトナー像を転写材に転写するものである。その場合、駆動ローラ11は二次転写時のバックアップローラとしても機能する。
【0045】
また、図示しないが、二次転写装置14は二次転写ローラクリーナと二次転写ローラクリーナ回収液貯留容器とを備えている。二次転写ローラクリーナは、各スクイーズローラクリーナ35Y,35M,35C,35Kと同様にゴム等の弾性体からなる。そして、この二次転写ローラクリーナは二次転写ローラ43に当接されて二次転写後に二次転写ローラ43の表面に残留する現像剤を掻き落として除去する。また、二次転写ローラクリーナ回収液貯留容器は、二次転写ローラクリーナによって二次転写ローラ43から掻き落とされた現像剤を回収して貯留する。
【0046】
中間転写ベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルトクリーナ44と中間転写ベルトクリーナ回収液貯留容器45とからなっている。中間転写ベルトクリーナ44は中間転写ベルト10に当接されて二次転写後に中間転写ベルト10の表面に残留する現像剤を掻き落として除去するものである。その場合、従動ローラ12は中間転写ベルトクリーニング時のバックアップローラとしても機能する。この中間転写ベルトクリーナ44はゴム等の弾性体からなっている。また、中間転写ベルトクリーナ回収液貯留容器45は、中間転写ベルトクリーナ44が中間転写ベルト10から掻き落とした現像剤を回収して貯留するものである。
【0047】
このように構成されたこの例の画像形成装置1においては、画像形成動作が開始されると、各感光体2Y,2M,2C,2Kがそれぞれ各帯電部材3Y,3M,3C,3Kによって一様帯電される。次いで、各感光体2Y,2M,2C,2Kに、それぞれ各露光装置4Y,4M,4C,4Kによって各色の静電潜像が形成される。
【0048】
そして、イエローYの現像装置5Yにおいて、イエローYの液体現像剤21Yが現像剤汲み上げローラ23Yによってアニロクスローラ24Yに汲み上げられる。アニロクスローラ24Yに付着した液体現像剤21Yは、現像剤規制ブレード25Yによってアニロクスローラ24Yの溝内に適正量付着される。このアニロクスローラ24Yの溝内の液体現像剤21Yは現像ローラ17Yに供給される。更に、現像ローラ17Y上の液体現像剤21Yは、コンパクションローラ18Yによる非接触コンパクションでその現像ローラ17Yに押し付けられる。この状態で、現像ローラ17Y上の液体現像剤21Yは、現像ローラ17Yの回転によって感光体2Yの方へ搬送される。
【0049】
コンパクションローラ18Yによる非接触コンパクションが終了してコンパクションローラ18Yに残留するキャリアは、コンパクションローラクリーナブレード26Yによってコンパクションローラ18Yから除去される。また、コンパクションローラ18Yの中心Ocがこの例の最下位置キャリア担持体である現像ローラ17Yの中心Odより下方に位置しているので、コンパクションローラ18Yに残留するキャリアが垂れ落ちても、現像ローラ17Y、感光体2Y、中間転写ベルト10に付着することはない。
【0050】
イエローYの感光体2Yに形成された静電潜像が現像装置5YにおいてイエローYの液体現像剤21Yで現像され、感光体2YにイエローYの液体現像剤像が形成される。現像が終了して現像ローラ17Yに残留する現像剤は、現像ローラクリーナ19Yによって現像ローラ17Yから除去される。感光体2Y上のイエローYの液体現像剤像は、スクイーズローラ34Yにより感光体2Y上の液体キャリアが回収されてイエローYのトナー像とされる。更に、このイエローYのトナー像は一次転写装置7Yで中間転写ベルト10に転写される。中間転写ベルト10上のイエローYのトナー像は、中間転写ベルトスクイーズローラ40Yにより中間転写ベルト10上の液体キャリアが回収されながらマゼンタMの一次転写装置7Mの方へ搬送される。
【0051】
次いで、マゼンタMの感光体2Mに形成された静電潜像が現像装置5Mにおいて、イエローYの場合と同様にして搬送されてきたマゼンタMの液体現像剤で現像され、感光体2MにマゼンタMの液体現像剤像が形成される。
このとき、コンパクションローラ18Mによる非接触コンパクションの終了後コンパクションローラ18Mに残留するキャリアは、コンパクションローラクリーナブレード26Mによってコンパクションローラ18Mから除去される。また、コンパクションローラ18Mの中心Ocがこの例の最下位置キャリア担持体である現像ローラ17Mの中心Odより下方に位置しているので、コンパクションローラ18Mに残留するキャリアが垂れ落ちても、現像ローラ17M、感光体2M、中間転写ベルト10に付着することはない。また、現像が終了して現像ローラ17Mに残留する現像剤は、現像ローラクリーナ19Mによって現像ローラ17Mから除去される。
【0052】
感光体2M上のマゼンタMの液体現像剤像は、スクイーズローラ34Mにより感光体2M上の液体キャリアが回収されてマゼンタMのトナー像とされ、このマゼンタMのトナー像は一次転写装置7Mで中間転写ベルト10にイエローYのトナー像と色重ねされて転写される。同様にして、色重ねされたイエローYとマゼンタMのトナー像は、中間転写ベルトスクイーズローラ40Yにより中間転写ベルト10上の液体キャリアが回収されながらシアンCの一次転写装置7Cの方へ搬送される。以下、同様にして、シアンのトナー像およびブラックのトナー像が中間転写ベルト10に順次色重ねされて転写され、中間転写ベルト10にフルカラーのトナー像が形成される。
【0053】
次いで、二次転写装置14により、中間転写ベルト10上のカラーのトナー像が紙等の転写材の転写面に二次転写される。転写材上に転写されたカラーのトナー像は、従来と同様に図示しない定着器によって定着され、フルカラーの定着像が形成された転写材は排紙トレイに搬送されて、カラー画像形成動作が終了する。
【0054】
この例の画像形成装置1によれば、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kと各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kとの間に、それぞれ、各現像ローラ17Y,17M,17C,17K上の各液体現像剤21Y,21M,21C,21Kの膜厚tより大きなギャップGが設けられる。これにより、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kは、それぞれ各現像ローラ17Y,17M,17C,17K上の各液体現像剤21Y,21M,21C,21Kに接触することなく、それらの液体現像剤を非接触でコンパクションする。
【0055】
したがって、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kと各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kとの間に、それぞれ液体現像剤のニップ溜まりが生じるのを抑制することができる。また、各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kと各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kとがそれぞれ接触しないので、前述のリブ等の液乱れを抑制することができる。このように各液体現像剤21Y,21M,21C,21Kのニップ溜まりや液乱れを抑制できることから、良好な画質を長期的にかつ効果的に得ることができる。
【0056】
また、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの中心Ocが、それぞれこの例の最下位置キャリア担持体である各現像ローラ17Y,17M,17C,17Kの中心Odより下方に位置しているので、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kに残留するキャリアが垂れ落ちても、垂れ落ちたキャリアはそれぞれ各現像ローラ17Y,17M,17C,17K、各感光体2Y,2M,2C,2K、および中間転写ベルト10に付着することを抑制できる。したがって、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kから垂れ落ちた液体キャリアによる画質の乱れをより一層効果的に防止できる。
【0057】
更に、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kの印加電圧を直流電圧(DC)と交流電圧(AC)との重畳電圧とすることで、非接触コンパクションを行っても、液体現像剤を均一にコンパクションすることができる。これにより、より一層良好な画質が得られる。
【0058】
更に、各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kが液体キャリアに接触しないことで、コンパクション後に各液体キャリアがそれぞれ各コンパクションローラ18Y,18M,18C,18Kに付着し難くなる。これにより、各液体キャリアがそれぞれ減少するのを抑制することができる。
【0059】
次に、本発明の現像装置における現像ローラ(DR)とコンパクションローラ(CPR)と具体的な実施例1および2について説明する。これらの実施例1および2を表1に示す。表1に示す各ローラの電気抵抗の測定は、前述の図5に示す測定方法で行う。
【0060】
【表1】

【0061】
まず、実施例1について説明する。表1に示すように、実施例1では、現像ローラ(DR)はウレタンゴムから形成され、外径がφ24mmに設定される。この現像ローラ(DR)(ウレタンゴム)の硬度は、JIS−A30°である。また、現像ローラ(DR)(ウレタンゴム)の電気抵抗は、実抵抗でLog4Ωである。
【0062】
また、コンパクションローラ(CPR)については、芯材として直径φ20mmの鋼製の金属シャフトが用いられる。この金属シャフトの外周面に、コンパクション部が形成される。このコンパクション部にはPFA100μmチューブが用いられる。コンパクションローラの電気抵抗は、実抵抗でLog7Ωである。
更に、現像ローラ(DR)とコンパクションローラ(CPR)とのギャップGは、150μmに設定される。
【0063】
現像ローラ(DR)の印加電圧(バイアス)は直流電圧VDR(V)であり、この直流電圧VDR(V)は300(V)に設定される。また、コンパクションローラ(CPR)の印加電圧(バイアス)も直流電圧VCPR(V)であり、この直流電圧VCPR(V)は1800(V)に設定される。つまり、実施例1ではコンパクションローラ(CPR)の印加電圧は、直流電圧(DC)VCPR(V)のみである。このとき、現像ローラ(DR)の印加電圧VDR(V)とコンパクションローラ(CPR)の印加電圧VCPR(V)との電圧差ΔVは1500(V)である。
【0064】
次に、実施例2について説明する。表1に示すように、実施例2では、現像ローラ(DR)の形状寸法および材質、コンパクションローラ(CPR)の形状寸法および材質、ギャップGは、いずれも実施例1と同じである。また、現像ローラ(DR)の印加電圧(バイアス)も実施例1と同じ直流電圧VDR300(V)のみである。更に、コンパクションローラ(CPR)の印加電圧は直流電圧(DC)と交流電圧(AC)の重畳電圧である。その場合、直流電圧(DC)VCPR(V)は実施例1と同じ1800(V)である。また、交流電圧(AC)は、振幅が600(V)で、周波数1500Hzのサイン波である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】直流電圧と交流電圧の重畳電圧を説明する図である。
【図3】現像装置の各ローラの位置関係を説明するである。
【図4】非接触コンパクションにおけるギャップと印加電圧との関係を説明する図である。
【図5】各ローラの電気抵抗の測定を説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…各色の感光体、5Y,5M,5C,5K…各色の現像装置、6Y,6M,6C,6K…感光体スクイーズ装置、7Y,7M,7C,7K…各色の一次転写装置、10…中間転写ベルト、17Y,17M,17C,17K…現像ローラ、18Y,18M,18C,18K…コンパクションローラ、24Y,24M,24C,24K…アニロクスローラ、25Y,25M,25C,25K…現像剤規制ブレード、26Y,26M,26C,26K…コンパクションローラクリーナブレード、21Y,21M,21C,21K…液体現像剤、G…ギャップ、t…現像ローラ上の液体現像剤の膜厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体の静電潜像を現像するためのトナーと液体キャリアとからなる液体現像剤を搬送する回転可能な現像ローラと、前記現像ローラに液体現像剤を所定量に規制して供給する回転可能なアニロクスローラと、前記アニロクスローラによって供給された前記現像ローラ上の液体現像剤の前記トナーを印加電圧によって前記現像ローラに押し付ける回転可能なコンパクションローラとを少なくとも備え、
前記コンパクションローラは、前記現像ローラに対して、前記アニロクスローラによって供給された前記現像ローラ上の液体現像剤の膜厚より大きいギャップを置いて配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記コンパクションローラの印加電圧は、直流電圧のみであるか、または直流電圧と交流電圧との重畳電圧であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記コンパクションローラの電気抵抗は、実抵抗でLog7Ωであることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
【請求項4】
回転可能に設けられかつ静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像をトナーと液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して潜像担持体上に現像剤像を形成する現像装置と、前記潜像担持体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に転写する転写装置とを少なくとも備え、
前記現像装置は、請求項1ないし3のいずれか1に記載の現像装置であり、
前記コンパクションローラの回転中心は、前記アニロクスローラから供給された液体現像剤の液体キャリアを担持する回転可能なキャリア担持体のうち、最も下方にある最下位置キャリア担持体の回転中心より下方に位置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記キャリア担持体は、前記潜像担持体および前記現像ローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記転写装置は、前記潜像担持体上の現像剤像が一次転写される回転可能な中間転写媒体と、この中間転写媒体に一次転写された現像剤像を、前記転写材に転写する二次転写装置とからなり、
前記中間転写媒体は前記キャリア担持体の1つであり、
前記コンパクションローラの回転中心は、前記キャリア担持体のうち、最も下方にある最下位置キャリア担持体の回転中心より下方に位置することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−197328(P2008−197328A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31914(P2007−31914)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】