説明

現像装置

【課題】2つのフレームの固着面を確保しつつ、小型化を図ることができる現像装置を提供する。
【解決手段】現像装置は、左側壁部110、右側壁部120、底壁部130および前側壁部140を有する下フレーム100と、左側壁部110、右側壁部120および前側壁部140と固着され、下フレーム100とともに開口を形成する上フレーム200とを備える。下フレーム100は、左側ボス330Lと右側ボス330Rとを有し、上フレーム200は、左側ボス330Lと嵌合可能な左ボス孔220Lと、右側ボス330Rと嵌合可能な右ボス孔220Rとを有する。下フレーム100と上フレーム200は、左側ボス330Lと左ボス孔220Lとの嵌合、および、右側ボス330Rと右ボス孔220Rとの嵌合により、互いの位置が決まるように構成されている。左側ボス330Lと右側ボス330Rは、左側壁部110と右側壁部120との間に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固着される2つのフレームを備えた現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で使用される現像カートリッジなどの現像装置として、例えば、特許文献1に開示されているように、左右の側壁部と、左右の側壁部を連結する底壁部および後側壁部とを有する下フレームと、下フレーム(左右の側壁部および後側壁部)の上面に溶着されることで、下フレームとともに開口やトナー収容室を形成する上フレームとを備えたものが知られている。
【0003】
特許文献1の現像装置は、下フレームの左右の側壁部の上面に形成されたボスと、上フレームに形成されたボス孔とが係合することで、上フレームと下フレームとの位置が決まるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−168993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記したような溶着(固着)される2つのフレームを備えた現像装置において、2つのフレームの固着面を確保するためには、下フレームの上面(固着面)に位置決めのためのボスなどが形成されていない方が都合がよい。勿論、下フレームの一対の側壁部を厚く形成することで、固着面を確保する方法も考えられるが、その場合、現像装置が大型化してしまうという問題が生じることとなる。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、2つのフレームの固着面を確保しつつ、小型化を図ることができる現像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため、本発明の現像装置は、第1壁部と、第1壁部に対向する第2壁部と、第1壁部と第2壁部とを連結する第3壁部とを有する第1フレームと、第1壁部、第2壁部および第3壁部と固着され、第1フレームとともに開口を形成する第2フレームとを備えている。
第1フレームは、第1嵌合部と第2嵌合部とを有している。
第2フレームは、第1嵌合部と嵌合可能な第1被嵌合部と、第2嵌合部と嵌合可能な第2被嵌合部とを有している。
第1フレームと第2フレームは、第1嵌合部と第1被嵌合部との嵌合、および、第2嵌合部と第2被嵌合部との嵌合により、互いの位置が決まるように構成されている。
第1嵌合部と第2嵌合部は、第1壁部と第2壁部との間に設けられている。
【0008】
このような構成によれば、第1フレームの位置決め部(第1嵌合部および第2嵌合部)が、第1壁部と第2壁部との間に設けられているため、第1壁部や第2壁部を厚く形成したり、第1壁部や第2壁部の外側に位置決め部を設けたりする構成と比較して、現像装置の小型化を図ることができる。また、第1壁部や第2壁部の第2フレームとの固着面に位置決め部が設けられていないことで、第1壁部や第2壁部を厚く形成したりすることなく固着面を確保することができる。
【0009】
前記した現像装置は、第1壁部から第2壁部に向けて延びる第1延出部と、第2壁部から第1壁部に向けて延びる第2延出部とを備え、第1嵌合部が、第1延出部に設けられ、第2嵌合部が、第2延出部に設けられている構成とすることができる。
【0010】
ここで、第1壁部と第2壁部とは、成形時の収縮により内側への倒れが生じる可能性があるため、各壁部の内側に設けられた延出部に位置決め部(第1嵌合部および第2嵌合部)を設けることで、第2フレームを固着したときに、第2フレームにより第1壁部と第2壁部の倒れを矯正することができる。これにより、フレームの歪みが矯正されることになるので、現像装置のフレームの精度を向上させることができる。
【0011】
前記した各現像装置は、開口に配置される現像ローラと、現像ローラ上の現像剤の厚さを規制する層厚規制ブレードとを備え、第1壁部が、層厚規制ブレードが固定される第1固定部を有し、第2壁部が、層厚規制ブレードが固定される第2固定部を有する構成とすることができる。
この場合、第1嵌合部は、第1固定部よりも現像ローラの軸方向内側に設けられ、第2嵌合部は、第2固定部よりも現像ローラの軸方向内側に設けられていることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、第1嵌合部と第1固定部、および、第2嵌合部と第2固定部とが、現像ローラの軸方向において同じ位置に設けられる構成(すなわち、軸方向と直交する方向に並んで設けられる構成)と比較して、軸方向と直交する方向に現像装置を小型化することができる。
【0013】
前記した現像装置において、第1固定部および第2固定部は、第1フレームと第2フレームとの固着面から突出し、当該突出した部分の現像ローラ側の面に層厚規制ブレードが固定されるように構成されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、層厚規制ブレードを現像ローラに摺接する面と略平行な面上で固定することができる。また、各固定部が固着面から突出していることで、層厚規制ブレードの摺接端と固定端との距離を遠くすることができるため、層厚規制ブレードの特に摺接端付近の変形を抑制することができる。これらにより、現像ローラに対する層厚規制ブレードの接触圧のばらつきを抑制することができる。
【0015】
また、当該構成では、固着面から突出する第1固定部および第2固定部の軸方向内側に第1嵌合部、第2嵌合部が設けられることになるので、第1フレームと第2フレームを固着したときに、各固定部の間に第2フレームが配置されることで、第1壁部と第2壁部の倒れを抑制することができる。これにより、各固定部に対する層厚規制ブレードの位置合わせが容易となるので、層厚規制ブレードの取り付けを容易に行うことができる。また、第1壁部と第2壁部の倒れが抑制されることでフレームの歪みが矯正されるので、フレームと層厚規制ブレードとの位置精度を向上させることができる。
【0016】
前記した延出部を備える現像装置において、第1延出部および第2延出部は、使用状態において下方に向けて延びる第1リブを有する構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、各延出部を補強することができるとともに、使用状態における各延出部の下側に現像剤が入り込んでも、現像剤が溜まることを抑制することができる。
【0018】
前記した現像ローラと層厚規制ブレードを備える現像装置は、第2フレームに、層厚規制ブレードの現像ローラと摺接する側の端部とは反対側の端部に沿って延びる第2リブが設けられていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、第2フレームの強度を向上させることができるとともに、層厚規制ブレードの前記した反対側の端部にユーザが触れることを防止することができる。
【0020】
前記した各現像装置において、第1嵌合部および第1被嵌合部のうち、一方は凸部であり、他方は穴部であり、第2嵌合部および第2被嵌合部のうち、一方は凸部であり、他方は穴部である構成とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1フレームの位置決め部(第1嵌合部および第2嵌合部)が第1壁部と第2壁部との間に設けられているので、第2フレームとの固着面を確保しつつ、現像装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】現像装置の一例としての現像カートリッジが装着されたレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】プロセスカートリッジの断面図である。
【図3】上フレームと下フレームの斜視図である。
【図4】現像カートリッジの分解斜視図である。
【図5】図4のX−X断面図である。
【図6】上フレームを下側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る現像装置の一例としての現像カートリッジ7が着脱可能に装着されるレーザプリンタ1(画像形成装置)の概略構成について説明した後、現像カートリッジ7の詳細な構成について説明する。
【0024】
また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0025】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像(現像剤像)を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置8とを主に備えている。
【0026】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33と、レジストローラ34とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5に向けて供給され、レジストローラ34を通って感光体ドラム61と転写ローラ63との間に搬送される。
【0027】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0028】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、感光体カートリッジ6と、現像カートリッジ7とから構成されている。
【0029】
感光体カートリッジ6は、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。
【0030】
現像カートリッジ7は、感光体カートリッジ6に対して着脱自在となっており、感光体カートリッジ6に装着された状態、すなわち、プロセスカートリッジ5の一部として本体筐体2に対し着脱可能に装着されるように構成されている。この現像カートリッジ7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部74と、アジテータ75とを主に備えている。
【0031】
プロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、アジテータ75によって撹拌されながら、まず供給ローラ72に供給され、次いで供給ローラ72から現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71の回転に伴って、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0032】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0033】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、符号を省略して示すハロゲンヒータ、定着ベルト、ニップ板などを有する加熱ユニット81と、加熱ユニット81のニップ板との間で定着ベルトを挟持する加圧ローラ82とを主に備えている。この定着装置8では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ユニット81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、排紙ローラ23によって排紙トレイ22上に排出される。
【0034】
<現像カートリッジの詳細構成>
図2に示すように、現像カートリッジ7は、現像ローラ71や層厚規制ブレード73などのほか、さらに、第1フレームの一例としての下フレーム100と、第2フレームの一例としての上フレーム200と、第1延出部の一例としての左延出部300Lと、第2延出部の一例としての右延出部300R(図3参照)とを備えている。
【0035】
図3に示すように、下フレーム100は、第1壁部の一例としての左側壁部110と、第2壁部の一例としての右側壁部120と、第3壁部の一例としての底壁部130および前側壁部140とを主に有して構成されている。
【0036】
左側壁部110と右側壁部120とは、左右方向(現像ローラ71の軸方向)において対向しており、その下端部が底壁部130によって連結され、前部分が前側壁部140によって連結されている。左側壁部110、右側壁部120および前側壁部140の上面111,121,141は、平面視略U形状をなす同一平面として形成されており、後述する上フレーム200と固着される固着面の一例としての溶着面Wとなっている。
【0037】
左側壁部110は、第1固定部の一例としての左固定部150Lを有し、右側壁部120は、第2固定部の一例としての右固定部150Rを有している。各固定部150L,150Rは、層厚規制ブレード73(ブレード組立体400)が固定される部位であり、左固定部150Lは、左側壁部110の上面111(溶着面W)の後端部から上方に向けて突出するように形成され、右固定部150Rは、右側壁部120の上面121(溶着面W)の後端部から上方に向けて突出するように形成されている。
【0038】
左固定部150Lおよび右固定部150Rは、それぞれ、後面151(現像ローラ71が配置される側の面)にネジ取付穴152が形成されており、図4に示すように、ネジBによってブレード組立体400が固定されるように構成されている。
【0039】
図5に示すように、ブレード組立体400は、層厚規制ブレード73と、ブレードホルダ420と、ブレード補強板430とを主に有して構成されている。
【0040】
層厚規制ブレード73は、略矩形状の金属板である板状部材73Aと、板状部材73Aの下端部で後方(現像ローラ71側)に向けて凸となるように設けられたゴム状の押圧部材73Bとから構成されている。この層厚規制ブレード73は、押圧部材73Bが回転する現像ローラ71に摺接することで、現像ローラ71上のトナーの厚さを規制する。
【0041】
ブレードホルダ420は、金属板を側面視略L形状に折り曲げることで形成されており、図示上下方向に延びる挟持部421と、図示左右方向に延びる接続部422と、挟持部421の左右両端から上方に向けて延びる一対の取付部423(図4も参照)とを主に有している。また、ブレード補強板430は、金属板を側面視略L形状に折り曲げることで形成されており、図示上下方向に延びる挟持部431と、図示左右方向に延びる接続部432とを主に有している。
【0042】
ブレード組立体400は、層厚規制ブレード73(板状部材73A)の上端部を挟持部421,431で挟持した状態で、接続部422,432をネジ440によって締結することで組み立てられている。そして、ブレード組立体400は、ネジBにより、左右の取付部423が、下フレーム100の左固定部150Lおよび右固定部150Rにそれぞれ固定されることで、下フレーム100に固定される。
【0043】
本実施形態においては、層厚規制ブレード73を、現像ローラ71に摺接する面と略平行な面上、言い換えると、押圧部材73Bが設けられる板状部材73Aが延びる方向と略平行な面PL上で固定することができる。
【0044】
ここで、従来、板状部材を側面視略L形状の折り曲げ、押圧部材が設けられる面とは異なる方向に延びる面で層厚規制ブレードをフレームに固定する構成が知られているが、このような構成では、折り曲げの公差によって現像ローラに対する層厚規制ブレードの接触圧がばらつくことがあった。しかし、本実施形態によれば、板状部材73Aを折り曲げないので、前記したような公差による接触圧のばらつきをなくすことができる。
【0045】
また、本実施形態においては、各固定部150L,150Rが溶着面Wから上方に向けて突出していることで、層厚規制ブレード73(板状部材73A)の下端部と、取付部423との距離を遠くすることができるため、ネジBの締結による板状部材73Aの下端部付近の変形を抑制することができる。これにより、現像ローラ71に対する層厚規制ブレード73の接触圧のばらつきを小さくすることができる。
【0046】
図3に示すように、左延出部300Lは、左側壁部110の左右方向内側の面(内面)の後端部から内側(右側壁部120)に向けて延びるように設けられ、右延出部300Rは、右側壁部120の内面の後端部から内側(左側壁部110)に向けて延びるように設けられている。さらに述べると、左延出部300Lは、左固定部150Lよりも左右方向内側で左固定部150Lと隣接するように設けられ、右延出部300Rは、右固定部150Rよりも左右方向内側で右固定部150Rと隣接するように設けられている。
【0047】
左延出部300Lおよび右延出部300Rは、それぞれ、上壁部310と、複数の第1リブ320とを主に有している。
【0048】
上壁部310の上面311は、左側壁部110および右側壁部120の上面111,121(溶着面W)と同一平面となっている。左延出部300Lの上壁部310の上面311には、上方に向けて突出する第1嵌合部の一例としての略円柱形状の左側ボス330L(凸部)が設けられ、右延出部300Rの上壁部310の上面311には、上方に向けて突出する第2嵌合部の一例としての略円柱形状の右側ボス330R(凸部)が設けられている。
【0049】
言い換えると、本実施形態において、左側ボス330Lおよび右側ボス330Rは、左側壁部110と右側壁部120との間であって、かつ、左固定部150Lと右固定部150Rの間(左右方向内側)に設けられている。
【0050】
図5に示すように、第1リブ320は、上壁部310の下面から略下方に向けて突出し、左右方向に沿って延びるリブである。より詳細に、第1リブ320は、使用状態、すなわち、現像カートリッジ7がレーザプリンタ1の本体筐体2に装着された状態(図1参照)において下方に向けて延びている。
【0051】
このような第1リブ320を有することで、各延出部300L,300R(上壁部310)を補強することができるとともに、使用状態における各延出部300L,300Rの下側にトナーが入り込んでも、トナーが溜まることを抑制することができる。
【0052】
図3に示すように、上フレーム200は、略板状に形成された本体部210を主に有して構成されており、本体部210に、第1被嵌合部の一例としての左ボス孔220Lと、第2被嵌合部の一例としての右ボス孔220Rと、梁状部230と、溶着リブ240(図6参照)と、第2リブ250とが主に設けられている。
【0053】
この上フレーム200は、下フレーム100の左側壁部110、右側壁部120および前側壁部140と溶着されることで、図4に示すように、下フレーム100とともに、トナーを現像ローラ71に供給するための開口Aや、トナー収容部74を形成するように構成されている。そして、現像ローラ71は、下フレーム100と上フレーム200によって形成された開口Aに対向するように配置される(図2も参照)。
【0054】
図3に戻り、本体部210は、後端部の両側に逃げ部211が形成されている。逃げ部211には、上フレーム200が下フレーム100に組み合わされたときに、下フレーム100の左固定部150Lまたは右固定部150Rが係合する(図4参照)。
【0055】
左ボス孔220Lは、下フレーム100に設けられた左側ボス330Lと嵌合可能な穴部(貫通孔)であり、左の逃げ部211の左右方向内側に形成されている。また、右ボス孔220Rは、下フレーム100に設けられた右側ボス330Rと嵌合可能な穴部(貫通孔)であり、右の逃げ部211の左右方向内側に形成されている。
【0056】
梁状部230は、左ボス孔220Lと右ボス孔220Rの間(左右方向内側)で、本体部210の後端部から下方に向けて突出するように形成された部位である。図4に示すように、上フレーム200が下フレーム100に組み付けられたとき、梁状部230は、左右方向両側の面が下フレーム100の各延出部300L,300Rの左右方向内側の面と当接し、各延出部300L,300R、左側壁部110、右側壁部120および底壁部130とともに開口Aを形成する。
【0057】
図6に示すように、溶着リブ240は、下フレーム100の溶着面Wに溶着される部分であり、左右のボス孔220L,220Rと梁状部230との間から延び出し、本体部210の下面の周囲(左端部、前端部および右端部)に沿うように形成されている。
【0058】
図3に示すように、第2リブ250は、本体部210の上面後寄りの部分から上方に向けて突出し、左右方向に沿って延びるリブである。別の言い方をすると、第2リブ250は、図2に示すように、層厚規制ブレード73、より正確には、ブレード組立体400の現像ローラ71と摺接する側の端部(層厚規制ブレード73の下端)とは反対側の端部401に沿って左右方向に延びている。
【0059】
このような第2リブを有することで、上フレーム200の強度を向上させることができるとともに、ブレード組立体400の端部401にユーザが触れることを防止することができる。
【0060】
ここで、以上説明した現像カートリッジ7の組立方法について簡単に説明する。
まず、下フレーム100にアジテータ75(図2参照)を組み付ける。次に、図3に示すように、上フレーム200の左ボス孔220Lを下フレーム100の左側ボス330Lに嵌合し、上フレーム200の右ボス孔220Rを下フレーム100の右側ボス330Rに嵌合することで、図4に示すように、下フレーム100と上フレーム200とを位置決めした状態で組み付ける。
【0061】
その後、下フレーム100の溶着面Wと上フレーム200の溶着リブ240とを、例えば、公知の超音波溶着機などを使用して互いに溶着し、下フレーム100と上フレーム200とを固着する。そして、図示しない供給ローラ72や、層厚規制ブレード73(ブレード組立体400)、現像ローラ71などを組み付けることで、現像カートリッジ7が組み立てられる。
【0062】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
下フレーム100の左側ボス330Lおよび右側ボス330Rが、左側壁部110と右側壁部120との間に設けられているため、左側壁部110や右側壁部120を厚く形成したり、左側壁部110や右側壁部120の外側に位置決めのためのボスを設けたりする構成と比較して、現像カートリッジ7の小型化を図ることができる。また、溶着面Wに位置決めのためのボスが設けられていないことで、左側壁部110や右側壁部120を厚く形成したりすることなく溶着面Wを確保することができる。
【0063】
また、本実施形態では、左側ボス330Lが左側壁部110から右側壁部120に向けて延びる左延出部300Lに設けられ、右側ボス330Rが右側壁部120から左側壁部110に向けて延びる右延出部300Rに設けられているので、下フレーム100に上フレーム200を固着したときに、上フレーム200により左側壁部110および右側壁部120の内側への倒れを矯正することができる。これにより、下フレーム100の歪みが矯正されることになるので、現像カートリッジ7のフレームの精度を向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、左側ボス330Lが左固定部150Lよりも内側に設けられ、右側ボス330Rが右固定部150Rよりも内側に設けられているので、左側ボス330Lと左固定部150L、および、右側ボス330Rと右固定部150Rとが前後方向に並んで設けられる構成と比較して、前後方向に現像カートリッジ7を小型化することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、溶着面Wから突出する左固定部150Lと右固定部150Rとの間にボス330L,330Rが設けられているので、下フレーム100と上フレーム200を固着したときに、各固定部150L,150Rの間に上フレーム200が配置されることで、左側壁部110と右側壁部120の内側への倒れをより抑制することができる。
【0066】
これにより、各固定部150L,150Rに対するブレード組立体400の位置合わせが容易となるので、ブレード組立体400の取り付けを容易に行うことができる。また、左側壁部110と右側壁部120の倒れが抑制されることで、現像カートリッジ7のフレームの歪みが矯正されるので、フレームとブレード組立体400との位置精度を向上させることができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0068】
前記実施形態では、左側ボス330L(第1嵌合部)が左固定部150L(第1固定部)の内側に設けられ、右側ボス330R(第2嵌合部)が右固定部150R(第2固定部)の内側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図3を参考にして説明すると、嵌合部(ボス330L,330Rが形成される延出部300L,300R)は、左右の側壁部110,120の前後方向中央付近に設けられていてもよい。
【0069】
前記実施形態では、ボス330L,330R(嵌合部)が延出部300L,300Rに設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図3を参考にして説明すると、底壁部130に、上方に向けて延びる柱状の部位を形成し、当該部位の上部に嵌合部が設けられていてもよい。
【0070】
前記実施形態では、第1嵌合部および第2嵌合部が凸部(左側ボス330L、右側ボス330R)であり、第1被嵌合部および第2被嵌合部が穴部(左ボス孔220L、右ボス孔220R)であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1嵌合部および第2嵌合部が穴部であり、第1被嵌合部および第2被嵌合部が凸部であってもよい。また、第1嵌合部と第2被嵌合部が凸部であり、第2嵌合部と第1被嵌合部が穴部であってもよい。また、第1嵌合部と第2被嵌合部が穴部であり、第2嵌合部と第1被嵌合部が凸部であってもよい。
【0071】
前記実施形態では、下フレーム100(第1フレーム)と上フレーム200(第2フレーム)を溶着によって固定する例を示したが、第1フレームと第2フレームの固定(固着)はこれに限定されるものではない。例えば、第1フレームと第2フレームは、接着剤などによって固定してもよい。
【0072】
前記実施形態では、層厚規制ブレード73が板状部材73Aと同じ略上下方向に延びる面PL上に位置する取付部423で下フレーム100に固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5を参考にして説明すると、層厚規制ブレード73(ブレード組立体400)は、接続部422,432と同一面上で、上フレーム200および下フレーム100の少なくとも一方に固定されていてもよい。
【0073】
前記実施形態で示した第1リブ320の構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。すなわち、第1リブは、延出部の下側に入り込んだ現像剤が当該部分で滞留しないような構成であれば、具体的な形状や数などは特に問わない。例えば、図5を参考にして説明すると、第1リブ320は、上壁部310の図示左右両側に1つずつ合計2つ設ける構成としてもよいし、上壁部310の図示左右方向中央に1つだけ設ける構成としてもよい。
【0074】
前記実施形態では、現像装置として現像カートリッジ7を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前記実施形態の感光体カートリッジ6と現像カートリッジ7が一体(着脱不能)に形成されたプロセスカートリッジなどであってもよい。
【0075】
前記実施形態では、本発明の現像装置が使用される画像形成装置として、モノクロ画像を形成するレーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カラー画像を形成するプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0076】
7 現像カートリッジ
71 現像ローラ
73 層厚規制ブレード
100 下フレーム
110 左側壁
120 右側壁
130 底壁部
140 前側壁部
150L 左固定部
150R 右固定部
151 後面
200 上フレーム
220L 左ボス孔
220R 右ボス孔
250 第2リブ
300L 左延出部
300R 右延出部
320 第1リブ
330L 左側ボス
330R 右側ボス
400 ブレード組立体
401 端部
A 開口
W 溶着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第3壁部とを有する第1フレームと、
前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部と固着され、前記第1フレームとともに開口を形成する第2フレームと、を備えた現像装置であって、
前記第1フレームは、第1嵌合部と第2嵌合部とを有し、
前記第2フレームは、前記第1嵌合部と嵌合可能な第1被嵌合部と、前記第2嵌合部と嵌合可能な第2被嵌合部とを有し、
前記第1フレームと前記第2フレームは、前記第1嵌合部と前記第1被嵌合部との嵌合、および、前記第2嵌合部と前記第2被嵌合部との嵌合により、互いの位置が決まるように構成され、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部は、前記第1壁部と前記第2壁部との間に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記第1壁部から前記第2壁部に向けて延びる第1延出部と、
前記第2壁部から前記第1壁部に向けて延びる第2延出部と、を備え、
前記第1嵌合部は、前記第1延出部に設けられ、前記第2嵌合部は、前記第2延出部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記開口に配置される現像ローラと、
前記現像ローラ上の現像剤の厚さを規制する層厚規制ブレードと、を備え、
前記第1壁部は、前記層厚規制ブレードが固定される第1固定部を有し、
前記第2壁部は、前記層厚規制ブレードが固定される第2固定部を有し、
前記第1嵌合部は、前記第1固定部よりも前記現像ローラの軸方向内側に設けられ、前記第2嵌合部は、前記第2固定部よりも前記現像ローラの軸方向内側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1固定部および前記第2固定部は、前記第1フレームと前記第2フレームとの固着面から突出し、当該突出した部分の前記現像ローラ側の面に前記層厚規制ブレードが固定されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1延出部および前記第2延出部は、使用状態において下方に向けて延びる第1リブを有することを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第2フレームには、前記層厚規制ブレードの前記現像ローラと摺接する側の端部とは反対側の端部に沿って延びる第2リブが設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の現像装置。
【請求項7】
前記第1嵌合部および前記第1被嵌合部のうち、一方は凸部であり、他方は穴部であり、
前記第2嵌合部および前記第2被嵌合部のうち、一方は凸部であり、他方は穴部であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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