説明

球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉

【課題】 旋回流熱風乾燥装置において旋回熱風発生炉の外部への伝熱を効果的に抑制し、炉殻の変形を防止する耐火物内張り構造を提供する。
【解決手段】 金属製球形の中心に取り付けたバーナー2の火炎先端部側の後半球に加熱された熱風が連続して接する為に高温になるので、金属製半球の雄型に模られた凹面を囲う函体の間を煉瓦又はキャスタブルを充填させ後半球を固定し、断熱を兼ねた炉材として使用し、金属の半球が損傷した後も該金属後半球を除去し、同一凹面をもつ煉瓦6やキャスタブル炉材8にバトンタッチして活用される球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉1。
【効果】 金属の半球面を成形雄型に活用し、劣化して取除いた後はその凹面に煉瓦やキャスタブルが密着している為、例え金属が酸化しても、取り除けば雄型の役目を果たした後の凹面に材質のバトンタッチを行ない、更に煉瓦やキャスタブルを張り替えて繰り返し使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は旋回流熱風乾燥装置本人特願(2000−404312)の球形旋回流熱風発生炉の耐熱性能向上と高温対策として炉壁の部分損傷を容易に修繕することを目的に金属製球と2000℃まで耐えられる耐火煉瓦(以下「煉瓦」という)と耐火セメント(以下「キャスタブル」という)を使用した球形旋回流恒常高温対応発生炉の構造と装置に関するものである。
【背景技術】
【特許文献1】特許番号第2628566号回転型焼却炉
【0002】
回転炉(以下「ロータリーキルンという)では熱発生用バーナーをロータリーキルンの前にバーナー取り付け部を設け、火炎がロータリーキルン内に達して伝導熱を有効利用しようとしていたが、ロータリーキルンの径が大きくなればなる程、内壁に熱が到達する時間が長くなり熱伝導効率が悪くなっていた。
【0003】
従来技術のロータリーキルンでは熱伝導対率が悪い為、ランニングコストが過大になりkg当り20円〜25円t当りで2万円〜2万5千円になり、本人特願(2000−404312)旋回流熱風発生乾燥装置はロータリーキルン内壁へ直接熱風が送られる為、乾燥効率がよく従来の燃料コストの約1/10の費用kg当り2円〜2.5円t当り2千円〜2千5百円で乾燥されることが実証できた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
旋回流熱風乾燥装置本人特願(2000−404312)の旋回流熱風発生炉は球形で材質は金属で加工されているので650℃以下の高温域で使用されれば長期間使用、例えば数年間を目途に設計し9mm〜12mmの厚さの鉄板を使用しているが、現場オペレーターは作業を早く終らせたい等の理由で大量投入と共に炉内温度を700℃以上に上げ鉄の熱変性を起こさせるような過酷な条件での使用が考えられ、その対策が必要になった。
【0005】
従来技術の中では熱風炉を2重構造にし、中の隙間に水を入れ冷水を循環させることによって炉壁の温度上昇を防ぐ方法は一般にジャケットと呼ばれ温まった温水を利用する等の利便性はあるが水中のバクテリア等の増殖で水垢となり水垢による閉塞や水漏れの問題があり頻繁な清掃を行わなければならない等又赤錆発生による金属の酸化が問題になっていた。
【0006】
次に球形金属板の内面に多数のフックを取付けキャスタブルで塗り固める方法も考えられるが厚さ100mm内外とすると、使用温度域にもよるが略々一年間の使用期間で劣化し、毎年キャスタブルの交換をしなければならない等短期間の使用の方法となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉の構造は、旋回流熱風乾燥装置をそのまま完成した後、現場で設置する際、球形の後半球、即ちバーナーに熱せられた旋回流熱風が接触する後半球の外壁に万遍なく煉瓦の長手方向の小口を当てて固定して函体を覆い、覆った函体と半球の外壁の間隙にキャスタブルを充填して固定化する方法の球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉構造とその装置。
【0008】
本発明の球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉では9mm〜12mmの金属製の球形熱風炉を構成しており、後方半球形を成型雄型にして該雄型の外側凹面に煉瓦とキャスタブルを用いて耐火炉を構成する構造とその装置。
【0009】
一般的に耐火炉を築炉する時には熱風発生炉が煉瓦やキャスタブルで完成した時に雄型は削除することになるが、金属製でも一年間程度は使用できるので球面が維持できる間は使用し、
金属が痩せて使えなくなった時排出し、金属を除いた後の凹面を煉瓦とキャスタブルが材質のバトンタッチをして旋回流を起こす球の内壁面を現出し、耐火材の持つ機能を充分活用することを特徴とする球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉を提供する。
【0010】
耐火材と雖も使用できる期間の限界は有るので煉瓦の劣化を見ながら使用期限の過ぎた煉瓦を抜き出した後のポケットに新しい煉瓦差し換え或いは長手方向の小口が奥に入っている劣化していない部分を熱風接触面に入れ換える等、工夫して長期間に亙って使用できる旋回流熱風恒常高温対応発生炉の構造とその装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば耐熱性の弱かった金属を成形雄型にすると共にその成形雄型を埋め殺して略々一年間程度利用した後排出して、球形金属雄型を除いた凹面の半球が露出し、予め埋め込まれた煉瓦とキャスタブルの組み合わせによる旋回流熱風炉を形成しメンテナンス毎に劣化した煉瓦の小口を前後に差し換え、或いは新品に交換することによって長期間の使用に耐える球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉を提供することを特徴とする構造とその装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するため最良の形態を図1を用いて説明する。
図1において旋回流熱風乾燥装置の一部球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉1の金属前半球形2金属後半球形3及び煉瓦4キャスタブル5によって構成されている。
球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉1の中心から少しずれた位置に図示されていない旋回流発生ブロアー取付け部を設け、金属後半球を成形雄型に擬えて煉瓦6の小口が凹面に密着するよう形成し、該煉瓦と函体7の隙間にキャスタブル8を充填する。本図で示されたシューター9を除いた部分に充填する。金属球形熱風炉では函体7を通してロータリーバルブ10にまで高熱が伝導されていたが、キャスタブルの断面効果でロータリーバルブ10も高温に曝されることなく安心して使用できる。
【実施例1】
【0013】
本発明の旋回流熱風発生炉は金属の半球2個が中央でフランヂ5のボルトで球形を形成しておりバーナーに近い半球は高温熱風に曝されない為、長期間の使用に耐えられるが、高温熱風に常時曝される後半球形金属を成形雄型に擬えて図1に示すように、熱風炉1の後半球形金属2の凹面に密着して煉瓦3の小口を半球全面に張り函体6との間隙をキャスタブル4で充填した構造の球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉。
【産業上の利用可能性】
【0014】
我邦の清涼飲料水、特に缶入コーヒーの需要は年間480億本を超え世界でも有数の自動販売機王国となっており、その生産された各種カス類の処理が出来ず殆んどが産業廃棄物として処分されていた然し旋回流熱風乾燥装置本人特願(2000−404312)は高含水性廃棄物の高速高温乾燥と長期間稼働には絶対必要欠くべからざる方法と構造装置として使用され、今後益々重要な機器として普及されて行くものと思考しております。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】請求項1に係る本発明の球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉の断面を説明する図である。
【図2】請求項2に係る本発明の球形金属を成形雄型にしてその凹面に煉瓦の小口を密着させた後、函体との間隙をキャスタブルで充填の構造を示す正面図である。
【図3】請求項3に係る本発明の煉瓦の差し換えを示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1.球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉
2.バーナー
3.金属前半球
4.金属後半球
5.フランヂ
6.煉瓦
7.函体
8.キャスタブル
9.シューター
10.ロータリーバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回流熱風乾燥装置本人特願(2000−404312)の球形熱風炉において、金属製半球を雄型にして周囲を囲う函体の間に煉瓦又はキャスタブルを用いて充填させ該金属半球を埋め殺しにしたまま長期使用に耐える球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉の構造とその装置。
【請求項2】
球形熱風発生炉の内、バーナー側前半球は温度が比較的上昇しない為、劣化が遅く、後半球が高温に接する時間が長いので、雄型の金属半球が酸化して金属片が薄くなった際は成形半球を形取った金属板を取除いた凹面の裏側に予め煉瓦を並べ、その後をキャスタブルで固定する。煉瓦又はキャスタブルの補正又は張り替えによって長期間旋回流熱風発生炉として使用することを特徴とする球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉の構造とその装置。
【請求項3】
球形旋回流熱風発生炉の後半球の外面に接して煉瓦の長方形長手方向の小口を直角に取付け、半球全面に煉瓦を固定した後、球面と函体の間隙総てをキャスタブルで充填することで上部投入口及び投入口に連結するロータリーバルブ他建屋全体への断熱効果を促がし更に火炎に接した煉瓦の小口が痛んだ時に該煉瓦を抜き取り、前後を入れ替えることにより即ち火炎に接する小口の両面を差し換え使用することにより1個の煉瓦の小口両面を利用可能にしたことを特徴とする球形旋回流熱風恒常高温対応発生炉の構造とその装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−163117(P2007−163117A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381024(P2005−381024)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000159906)
【Fターム(参考)】